説明

インクジェットプリンタヘッド

【課題】安価に製造することができる、圧電方式のインクジェットプリンタヘッドを提供する。
【解決手段】インクジェットプリンタヘッド1は、シリコン基板2と、シリコン基板2上に設けられ、シリコン基板2との対向方向に振動可能な振動膜5と、振動膜5上に設けられた圧電素子6と、振動膜5に対してシリコン基板2側に振動膜5に臨んで形成され、インクが充填される加圧室62と、振動膜5を貫通して形成され、加圧室62と連通し、加圧室62から送出されるインクを吐出するノズル64とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電方式のインクジェットプリンタヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイスの代表的なものに、インクジェットプリンタヘッドがある。インクジェットプリンタヘッドは、インクの吐出方式により、圧電方式(ピエゾ方式)と熱方式(バブル方式)とに大別される。
圧電方式のインクジェットプリンタヘッドでは、シリコン基板の微細加工により、加圧室およびダイヤフラムが形成される。ダイヤフラムは、加圧室の一方側から加圧室に臨んでいる。ダイヤフラムの加圧室と反対側の面には、圧電素子が配置される。そして、加圧室をダイヤフラムと反対側から閉塞するように、シリコン基板にプレートが接合される。プレートには、加圧室と連通するノズル(吐出孔)が形成されている。圧電素子に電圧が印加されると、圧電素子とともにダイヤフラムが変形する。このダイヤフラムの変形により、加圧室内のインクが加圧されて、ノズルからインクが吐出される。
【0003】
一方、熱方式のインクジェットプリンタヘッドでは、インク流路の途中部に、インクを加熱するためのヒータが備えられている。インク流路内のインクがヒータにより加熱され、インク内に発生する気泡の膨張により、インク流路と連通するノズルからインクが押し出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−197730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
圧電方式のインクジェットプリンタヘッドは、熱方式のインクジェットプリンタヘッドと比較して、高速動作が可能であるという利点を有する反面、コストが高いという欠点を有している。
本発明の目的は、安価に製造することができる、圧電方式のインクジェットプリンタヘッドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の目的を達成するため、本発明の一の局面に係るインクジェットプリンタヘッドは、半導体基板と、前記半導体基板上に設けられ、前記半導体基板との対向方向に振動可能な振動膜と、前記振動膜上に設けられた圧電素子と、前記振動膜に対して前記半導体基板側に前記振動膜に臨んで形成され、インクが充填される加圧室と、前記振動膜を貫通して形成され、前記加圧室と連通し、前記加圧室から送出されるインクを吐出するノズルとを備えている。
【0007】
振動膜上の圧電素子に電圧が印加されると、圧電素子とともに振動膜が変形する。この振動膜の変形により、加圧室内に充填されているインクが加圧され、加圧室と連通するノズルからインクが吐出される。
ノズルは、振動膜を貫通する貫通孔として形成されている。したがって、ノズルが形成されたプレートなどを必要としない。そのため、本発明の一の局面に係るインクジェットプリンタヘッドは、従来の圧電方式のインクジェットプリンタヘッドと比較して、構成が簡素であり、安価に製造することができる。
【0008】
また、半導体基板を利用して、半導体素子を形成することができる。さらに、半導体基板上に層間絶縁膜などを挟んで配線を形成し、この配線をコンタクトプラグなどを介して半導体素子に接続することができる。よって、インクジェットプリンタヘッドに、適当な半導体素子および配線などからなる回路を内蔵することができる。この回路としては、圧電素子の駆動(インクの吐出)を制御する制御回路を例示することができる。
【0009】
振動膜は、半導体基板の一方面に接し、加圧室は、半導体基板を厚さ方向に貫通して形成されていてもよい。この場合、加圧室に充填されるインクを貯留するインクタンクは、半導体基板に対して振動膜と反対側に設けられる。
また、加圧室は、半導体基板と振動膜との間に形成されていてもよい。
また、加圧室と連通するインク供給路が半導体基板に形成されていてもよい。この場合、インク供給路が加圧室へ安定してインクを供給するので、加圧室におけるインクの充填状態を安定して維持することができる。
【0010】
インク供給路は、平面視において、ノズルと異なる位置に形成されていてもよい。この場合、平面視において、インク供給路とノズルとの間の位置に加圧室を設けることができる。
また、加圧室とインク供給路とをつなぐインク流路を有していてもよい。インク流路によって、インク供給路から加圧室への円滑なインク供給が可能となる。
【0011】
また、圧電素子は、ノズルの周囲を取り囲む環状に形成されていてもよい。
また、圧電素子は、ノズルの側方に形成されていてもよい。
前記の目的を達成するため、本発明の他の局面に係るインクジェットプリンタヘッドは、半導体基板と、前記半導体基板上に間隔を空けて設けられ、前記半導体基板との対向方向に振動可能な振動膜と、前記振動膜上に設けられた圧電素子と、前記半導体基板と前記振動膜との間に形成され、インクが充填される加圧室と、前記半導体基板と前記振動膜との間に形成され、前記加圧室と連通し、前記加圧室から送出されるインクを吐出するノズルとを備えている。
【0012】
振動膜上の圧電素子に電圧が印加されると、圧電素子とともに振動膜が変形する。この振動膜の変形により、加圧室内に充填されているインクが加圧され、加圧室と連通するノズルからインクが吐出される。
ノズルは、半導体基板と振動膜との間に形成されている。したがって、ノズルが形成されたプレートなどを必要としない。そのため、本発明の他の局面に係るインクジェットプリンタヘッドは、従来の圧電方式のインクジェットプリンタヘッドと比較して、構成が簡素であり、安価に製造することができる。
【0013】
また、このインクジェットプリンタにおいても、半導体基板を利用して、半導体素子を形成することができ、適当な半導体素子および配線などからなる回路を内蔵することができる。
また、加圧室は、半導体基板と振動膜との間に形成されていてもよい。
また、前述した一の局面および他の局面のいずれのインクジェットプリンタヘッドにおいても、圧電素子に電圧を印加する駆動回路を、振動膜が設けられた半導体基板に形成してもよい。これにより、インクジェットプリンタヘッドの本体部分と、その駆動回路とを1チップで構成すること(1チップ化)が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態に係るインクジェットプリンタヘッドの模式的な平面図である。
【図2】図2は、図1に示す切断線II−IIにおけるインクジェットプリンタヘッドの模式的な断面図である。
【図3】図3は、図1に示す回路形成領域に形成される集積回路のブロック図である。
【図4A】図4Aは、図2に示すインクジェットプリンタヘッドの製造方法を説明するための模式的な断面図である。
【図4B】図4Bは、図4Aの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図4C】図4Cは、図4Bの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図4D】図4Dは、図4Cの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図4E】図4Eは、図4Dの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図4F】図4Fは、図4Eの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図4G】図4Gは、図4Fの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図4H】図4Hは、図4Gの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図4I】図4Iは、図4Hの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図4J】図4Jは、図4Iの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図4K】図4Kは、図4Jの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図4L】図4Lは、図4Kの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図4M】図4Mは、図4Lの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図4N】図4Nは、図4Mの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図4O】図4Oは、図4Nの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図4P】図4Pは、図4Oの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図4Q】図4Qは、図4Pの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図4R】図4Rは、図4Qの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図4S】図4Sは、図4Rの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るインクジェットプリンタヘッドの模式的な平面図である。
【図6】図6は、図5に示す切断線VI−VIにおけるインクジェットプリンタヘッドの模式的な断面図である。
【図7】図7(a)は、本発明の第3の実施形態に係るインクジェットプリンタヘッドの模式的な断面図であり、図7(b)は、第3の実施形態に係るインクジェットプリンタヘッドの要部の模式的な平面図である。
【図8】図8は、本発明の第4の実施形態に係るインクジェットプリンタヘッドの模式的な平面図である。
【図9A】図9Aは、図8に示す切断線A−Aにおけるインクジェットプリンタヘッドの模式的な断面図である。
【図9B】図9Bは、図8に示す切断線B−Bにおけるインクジェットプリンタヘッドの模式的な断面図である。
【図10A】図10Aは、図9Aに示すインクジェットプリンタヘッドの製造工程を説明するための模式的な断面図であり、図9Aの場合と同じ切断線A−Aで切断したときの断面を示す。
【図10B】図10Bは、図10Aの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図10C】図10Cは、図10Bの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図10D】図10Dは、図10Cの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図10E】図10Eは、図10Dの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図10F】図10Fは、図10Eの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図10G】図10Gは、図10Fの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図10H】図10Hは、図10Gの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図10I】図10Iは、図10Hの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図10J】図10Jは、図10Iの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図10K】図10Kは、図10Jの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図10L】図10Lは、図10Kの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図10M】図10Mは、図10Lの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図11A】図11Aは、図9Bに示すインクジェットプリンタヘッドの製造工程を説明するための模式的な断面図であり、図9Bの場合と同じ切断線B−Bで切断したときの断面を示す。
【図11B】図11Bは、図11Aの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図11C】図11Cは、図11Bの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図11D】図11Dは、図11Cの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図11E】図11Eは、図11Dの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図12】図12(a)は、本発明の第5の実施形態に係るインクジェットプリンタヘッドの模式的な断面図であり、図12(b)は、第5の実施形態に係るインクジェットプリンタヘッドの要部の模式的な平面図である。
【図13A】図13Aは、図12に示すインクジェットプリンタヘッドの製造方法を説明するための模式的な断面図である。
【図13B】図13Bは、図13Aの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図13C】図13Cは、図13Bの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図13D】図13Dは、図13Cの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図13E】図13Eは、図13Dの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図13F】図13Fは、図13Eの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図13G】図13Gは、図13Fの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図13H】図13Hは、図13Gの次の工程を示す模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るインクジェットプリンタヘッドの模式的な平面図である。図2は、図1に示す切断線II−IIにおけるインクジェットプリンタヘッドの模式的な断面図である。なお、図2では、導体からなる部分にのみハッチングが付され、その他の部分に対するハッチングの付与が省略されている。
【0016】
インクジェットプリンタヘッド1は、シリコン基板2を備えている。シリコン基板2には、ノズル形成領域3および回路形成領域4が設定されている。
ノズル形成領域3において、シリコン基板2の表面上には、図2に示すように、振動膜5がその全域に形成されている。振動膜5は、SiO(酸化シリコン)からなる。振動膜5の厚さは、たとえば、0.5〜2μmである。
【0017】
振動膜5上には、図1に示すように、複数の圧電素子6が行方向および列方向に等間隔を空けたマトリクス状に整列して配置されている。圧電素子6は、下部電極7と、下部電極7上に形成された圧電体8と、圧電体8上に形成された上部電極9とを備えている。言い換えれば、圧電素子6は、圧電体8を上部電極9および下部電極7で上下から挟むことにより形成されている。圧電素子6には、貫通孔10が厚さ方向に貫通して形成されている。
【0018】
下部電極7は、平面視円環状の本体部11と、本体部11の周縁から直線状に延びる延長部12とを一体的に備えている。下部電極7は、Ti(チタン)層およびPt(プラチナ)層を振動膜5側から順に積層した2層構造を有している。
圧電体8は、下部電極7の本体部11と平面視同形状の円環板に形成されている。圧電体8は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛:Pb(Zr,Ti)O)からなる。
【0019】
上部電極9は、圧電体8と平面視同形状の円環状に形成されている。上部電極9は、IrO(酸化イリジウム)層およびIr(イリジウム)層を圧電体8側から順に積層した2層構造を有している。
ノズル形成領域3において、振動膜5および圧電素子6の表面は、水素バリア膜13により覆われている。水素バリア膜13は、Al(アルミナ)からなる。これにより、圧電体8の水素還元による特性劣化を防止することができる。
【0020】
水素バリア膜13上には、層間絶縁膜14が積層されている。層間絶縁膜14は、SiOからなる。
層間絶縁膜14上には、配線15,16が形成されている。配線15,16は、Al(アルミニウム)を含む金属材料からなる。
配線15の一端部は、下部電極7の延長部12の先端部の上方に配置されている。配線15の一端部と延長部12との間において、水素バリア膜13および層間絶縁膜14を連続して貫通する貫通孔17が形成されている。配線15の一端部は、貫通孔17内に入り込み、貫通孔17内で延長部12と接続されている。
【0021】
配線16の一端部は、上部電極9の周縁部の上方に配置されている。配線16の一端部と上部電極9との間において、水素バリア膜13および層間絶縁膜14を連続して貫通する貫通孔18が形成されている。配線16の一端部は、貫通孔18内に入り込み、貫通孔18内で上部電極9と接続されている。
配線15,16の各他端部は、後述するドライバ72(図3参照)に接続されている。
【0022】
回路形成領域4には、たとえば、NチャネルMOSFET(Negative-channel Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)21およびPチャネルMOSFET(Positive-channel Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)22を含む集積回路が形成されている。
回路形成領域4において、NチャネルMOSFET21が形成されるNMOS領域23と、PチャネルMOSFET22が形成されるPMOS領域24とは、素子分離部25により、それぞれ周囲から絶縁分離されている。素子分離部25は、シリコン基板2の表面から比較的浅く掘り下がった溝(たとえば、深さ0.2〜0.5μmのシャロートレンチ)26の内面に形成された熱酸化膜27と、熱酸化膜27の内側を埋め尽くす絶縁体28とを備えている。絶縁体28は、たとえば、SiOからなる。絶縁体28の表面は、シリコン基板2の表面と面一をなしている。
【0023】
NMOS領域23には、P型ウェル31が形成されている。P型ウェル31の深さは、溝26の深さよりも大きい。P型ウェル31の表層部には、チャネル領域32を挟んで、N型のソース領域33およびドレイン領域34が形成されている。ソース領域33およびドレイン領域34のチャネル領域32側の端部は、その深さおよび不純物濃度が小さくされている。すなわち、NチャネルMOSFET21では、LDD(Lightly Doped Drain)構造が適用されている。
【0024】
チャネル領域32上には、ゲート絶縁膜35が形成されている。ゲート絶縁膜35は、SiOからなる。
ゲート絶縁膜35上には、ゲート電極36が形成されている。ゲート電極36は、N型ポリシリコンからなる。
ゲート絶縁膜35およびゲート電極36の周囲には、サイドウォール37が形成されている。サイドウォール37は、SiNからなる。
【0025】
ソース領域33、ドレイン領域34およびゲート電極36の表面には、それぞれシリサイド38,39,40が形成されている。
PMOS領域24には、N型ウェル41が形成されている。N型ウェル41の深さは、溝26の深さよりも大きい。N型ウェル41の表層部には、チャネル領域42を挟んで、P型のソース領域43およびドレイン領域44が形成されている。ソース領域43およびドレイン領域44のチャネル領域42側の端部は、その深さおよび不純物濃度が小さくされている。すなわち、PチャネルMOSFET22では、LDD構造が適用されている。
【0026】
チャネル領域42上には、ゲート絶縁膜45が形成されている。ゲート絶縁膜45は、SiOからなる。
ゲート絶縁膜45上には、ゲート電極46が形成されている。ゲート電極46は、P型ポリシリコンからなる。
ゲート絶縁膜45およびゲート電極46の周囲には、サイドウォール47が形成されている。サイドウォール47は、SiNからなる。
【0027】
ソース領域43、ドレイン領域44およびゲート電極46の表面には、それぞれシリサイド48,49,50が形成されている。
回路形成領域4において、シリコン基板2の表面上には、層間絶縁膜51が形成されている。層間絶縁膜51は、SiOからなる。
層間絶縁膜51上には、配線52,53,54が形成されている。配線52,53,54は、Alを含む金属材料からなる。
【0028】
配線52は、ソース領域33の上方に形成されている。配線52とソース領域33との間において、層間絶縁膜51には、それらを電気的に接続するためのコンタクトプラグ55が貫通して設けられている。コンタクトプラグ55は、W(タングステン)からなる。
配線53は、ドレイン領域34およびドレイン領域44の上方に、それらに跨るように形成されている。配線53とドレイン領域34との間において、層間絶縁膜51には、それらを電気的に接続するためのコンタクトプラグ56が貫通して設けられている。また、配線53とドレイン領域44との間において、層間絶縁膜51には、それらを電気的に接続するためのコンタクトプラグ57が貫通して設けられている。コンタクトプラグ56,57は、Wからなる。
【0029】
配線54は、ソース領域43の上方に形成されている。配線54とソース領域43との間において、層間絶縁膜51には、それらを電気的に接続するためのコンタクトプラグ58が貫通して設けられている。コンタクトプラグ58は、Wからなる。
インクジェットプリンタヘッド1の最表面には、表面保護膜61が形成されている。表面保護膜61は、SiNからなる。層間絶縁膜14,51および配線15,16,52,53,54は、表面保護膜61により覆われている。
【0030】
そして、シリコン基板2には、各圧電素子6と対向する位置に、加圧室62が厚さ方向に貫通して形成されている。加圧室62は、たとえば、シリコン基板2の表面側ほど幅(開口面積)が小さくなる断面略半円形状に形成されている。シリコン基板2の裏面には、インクを貯留したインクタンク(図示せず)が取り付けられる。加圧室62には、インクタンクから供給されるインクが充填される。
【0031】
また、振動膜5には、各加圧室62に臨む位置に、連通室63が厚さ方向に貫通して形成されている。振動膜5における連通室63の周囲の部分5Aは、加圧室62に臨み、その対向方向に振動可能な可撓性を有する振動部分をなしている。
さらに、各圧電素子6の貫通孔10の内側には、ノズル64が水素バリア膜13、層間絶縁膜14および表面保護膜61を貫通して形成されている。言い換えれば、圧電素子6は、下部電極7の延長部12を除いて、水素バリア膜13、層間絶縁膜14および表面保護膜61を貫通して形成されたノズル64の周囲を取り囲む環状に形成されている。また、圧電素子6は、ノズル64の側方に配置されてノズル64の周囲を取り囲む環状に形成されている。側方とは、シリコン基板2の表面に平行な方向における側方のことである。そして、ノズル64は、連通室63を介して加圧室62と連通している。
【0032】
図3は、図1に示す回路形成領域に形成される集積回路のブロック図である。
回路形成領域4に形成される集積回路としては、圧電素子6の駆動(インクの吐出)を制御する制御回路71が例示される。この制御回路71は、各圧電素子6に個別に接続されたドライバ(駆動回路)72と、複数のドライバ72が接続された直列入力並列出力形のシフトレジスタ73とを備えている。図2に示すNチャネルMOSFET21およびPチャネルMOSFET22は、たとえば、ドライバ72に使用されている。
【0033】
各ドライバ72は、電源電圧VDDおよびグランドGNDに接続されている。
シフトレジスタ73は、電源電圧VDDおよびグランドGNDに接続されている。シフトレジスタ73には、クロック端子およびデータ端子が備えられている。クロック端子には、クロックCLKが入力される。データ端子には、用紙に形成すべき画像のデータDATAが入力される。シフトレジスタ73では、クロック端子からクロックCLKが入力されるごとに、データ端子から入力されるデータDATAが各フリップフロップ間でシフト(転送)される。
【0034】
シフトレジスタ73に保持されたデータDATAに基づいて、ドライバ72から圧電素子6に電圧が印加される。ドライバ72から圧電素子6に電圧が印加されると、圧電素子6とともに振動膜5の振動部分5Aが変形する。この変形により、加圧室62内のインクが加圧されて、ノズル64からインクが吐出される。
図4A〜4Sは、図2に示すインクジェットプリンタヘッドの製造工程を順に示す模式的な断面図である。図4A〜4Sでは、導体からなる部分にのみハッチングが付され、その他の部分に対するハッチングの付与が省略されている。
【0035】
インクジェットプリンタヘッド1の製造工程では、まず、図4Aに示すように、熱酸化法またはCVD(Chemical Vapor Deposition:化学的気相成長)法により、シリコン基板2の表面上に、SiOからなる酸化膜81が形成される。つづいて、CVD法により、SiN(窒化シリコン)からなる窒化膜82が形成される。フォトリソグラフィにより、窒化膜82上に、レジストパターン83が形成される。レジストパターン83は、シリコン基板2における溝26が形成されるべき部分のみを露出させ、その他の部分を覆い隠す。
【0036】
次に、図4Bに示すように、レジストパターン83をマスクとするエッチングにより、窒化膜82、酸化膜81およびシリコン基板2の表層部が順に選択的に除去される。その結果、シリコン基板2の表層部に、溝26が形成される。溝26の形成後、レジストパターン83は除去される。
その後、図4Cに示すように、熱酸化法により、溝26の内面に、熱酸化膜27が形成される。次いで、CVD法により、熱酸化膜27および窒化膜82上に、絶縁体28の材料が堆積される。そして、CMP(Chemical Mechanical Polishing:化学的機械的研磨)法により、その堆積された材料および窒化膜82が研磨される。この研磨は、酸化膜81の表面が露出するまで続けられる。その結果、熱酸化膜27上に、絶縁体28が得られる。この時点で、絶縁体28は、酸化膜81の表面と面一をなしている。
【0037】
その後、フォトリソグラフィにより、絶縁体28および酸化膜81上に、レジストパターン84が形成される。レジストパターン84は、絶縁体28および酸化膜81上におけるPMOS領域24以外の全域に形成される。そして、イオン注入法により、レジストパターン84をマスクとして、PMOS領域24に、N型不純物(たとえば、P(リン))が注入される。その結果、図4Dに示すように、PMOS領域24に、N型ウェル41が形成される。N型不純物の注入後、レジストパターン84は除去される。
【0038】
次いで、フォトリソグラフィにより、絶縁体28および酸化膜81上に、レジストパターン85が形成される。レジストパターン85は、絶縁体28および酸化膜81上におけるNMOS領域23以外の全域に形成される。そして、イオン注入法により、レジストパターン85をマスクとして、NMOS領域23に、P型不純物(たとえば、B(ボロン))が注入される。その結果、図4Eに示すように、NMOS領域23に、P型ウェル31が形成される。P型不純物の注入後、レジストパターン85は除去される。
【0039】
その後、ウエットエッチングにより、酸化膜81が除去される。このとき、絶縁体28の上端部もエッチングされ、絶縁体28は、シリコン基板2の表面とほぼ面一になる。この後、熱酸化法またはCVD法により、シリコン基板2の表面全域に、酸化シリコン膜86が形成される。
つづいて、図4Fに示すように、CVD法により、酸化シリコン膜86上に、ポリシリコン層87が形成される。
【0040】
その後、図4Gに示すように、フォトリソグラフィにより、ポリシリコン層87上に、レジストパターン88が形成される。レジストパターン88は、ポリシリコン層87におけるゲート電極36,46となるべき部分のみを覆い隠す。
そして、レジストパターン88をマスクとするエッチングにより、ポリシリコン層87がパターニングされる。これにより、図4Hに示すように、ゲート電極36,46が形成される。ポリシリコン層87のパターニング後、レジストパターン88は除去される。その後、イオン注入法により、P型ウェル31の表層部およびゲート電極36に、N型不純物が注入される。また、イオン注入法により、N型ウェル41の表層部およびゲート電極46に、P型不純物が注入される。
【0041】
次いで、図4Iに示すように、ゲート電極36,46をマスクとするエッチングにより、酸化シリコン膜86が選択的に除去され、シリコン基板2上に、ゲート絶縁膜35,45が得られる。その後、CVD法により、シリコン基板2上の全域にSiNが堆積される。そして、そのSiNの堆積層がエッチバックされることにより、サイドウォール37,47が形成される。
【0042】
サイドウォール37,47の形成後、図4Jに示すように、イオン注入法により、P型ウェル31の表層部に、N型不純物が先に注入されたN型不純物よりも深い位置まで注入され、ソース領域33およびドレイン領域34が形成される。また、イオン注入法により、N型ウェル41の表層部に、P型不純物が先に注入されたP型不純物よりも深い位置まで注入され、ソース領域43およびドレイン領域44が形成される。その後、シリサイド38,39,40,48,49,50が形成される。
【0043】
次に、図4Kに示すように、CVD法により、振動膜5および層間絶縁膜51が形成される。
その後、図4Lに示すように、スパッタ法により、振動膜5および層間絶縁膜51上の全域に、下部電極7と同じ積層構造の膜89が形成される。また、スパッタ法またはゾルゲル法により、膜89の全域上に、圧電体8と同じ材料の膜90が形成される。さらに、スパッタ法により、膜90の全域上に、上部電極9と同じ積層構造の膜91が形成される。
【0044】
次いで、図4Mに示すように、フォトリソグラフィにより、膜91上に、レジストパターン92が膜91における上部電極9となる部分を覆い隠すように形成される。
その後、図4Nに示すように、レジストパターン92をマスクとするエッチングにより、膜91がパターニングされ、上部電極9が形成される。つづいて、エッチングにより、膜90がパターニングされ、圧電体8が形成される。圧電体8の形成後、レジストパターン92は除去される。次に、フォトリソグラフィにより、膜89上に、新たなレジストパターン(図示せず)が膜89における下部電極7となる部分を覆い隠すように形成される。そして、新たなレジストパターンをマスクとするエッチングにより、膜89がパターニングされ、下部電極7が形成される。下部電極7の形成後、レジストパターンは除去される。
【0045】
その後、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、層間絶縁膜51におけるソース領域33,43およびドレイン領域34,44と対向する部分に、層間絶縁膜51を厚さ方向に貫通する貫通孔が形成される。そして、CVD法により、各貫通孔内にWが供給され、各貫通孔がWで埋め尽くされる。これにより、図4Oに示すように、コンタクトプラグ55〜58が形成される。その後、スパッタ法により、シリコン基板2上の全域に、アルミナ膜93が形成される。さらに、CVD法により、アルミナ膜93上の全域に、酸化シリコン膜94が形成される。
【0046】
次いで、図4Pに示すように、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、酸化シリコン膜94およびアルミナ膜93が回路形成領域4上から除去されるとともに、下部電極7の延長部12上および上部電極9上から選択的に除去される。これにより、アルミナ膜93および酸化シリコン膜94がそれぞれ水素バリア膜13および層間絶縁膜14となり、その水素バリア膜13および層間絶縁膜14を連続的に貫通する貫通孔17,18が形成される。
【0047】
その後、スパッタ法により、層間絶縁膜14,51上に、Al膜が形成される。そして、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、Al膜がパターニングされ、図4Qに示すように、配線15,16,52,53,54が形成される。
その後、図4Rに示すように、CVD法により、層間絶縁膜14,51上に、表面保護膜61が形成される。
【0048】
表面保護膜61の形成後、フォトリソグラフィにより、シリコン基板2の裏面上に、レジストパターン(図示せず)が形成される。このレジストパターンは、シリコン基板2における加圧室62となる部分を露出させ、その他の部分を覆い隠す。そして、レジストパターンをマスクとするウエットエッチングにより、図4Sに示すように、シリコン基板2に加圧室62が形成される。さらに、SiOをエッチング可能なエッチング液が加圧室62を介して振動膜5に供給されることにより、振動膜5に連通室63が形成される。この後、シリコン基板2の表面側からのドライエッチングにより、ノズル64が水素バリア膜13、層間絶縁膜14および表面保護膜61を貫通して形成されると、図2に示すインクジェットプリンタヘッド1が得られる。
【0049】
以上のように、振動膜5上の圧電素子6に電圧が印加されると、圧電素子6とともに振動膜5が変形する。この振動膜5の変形により、加圧室62内に充填されているインクが加圧され、加圧室62と連通するノズル64からインクが吐出される。
ノズル64は、振動膜5を貫通する貫通孔として形成されている。したがって、ノズルが形成されたプレートなどを必要としない。そのため、インクジェットプリンタヘッド1は、従来の圧電方式のインクジェットプリンタヘッドと比較して、その構成が簡素であり、安価に製造することができる。
【0050】
また、シリコン基板2を利用して、NチャネルMOSFET21およびPチャネルMOSFET22などの半導体素子を形成することができる。また、シリコン基板2上に層間絶縁膜51を挟んで配線52,53,54が形成され、この配線52,53,54がコンタクトプラグ55〜58を介してNチャネルMOSFET21およびPチャネルMOSFET22に接続されることにより、インクジェットプリンタヘッド1は、集積回路(制御回路71)を備えることができる。
【0051】
また、圧電素子6に電圧を印加する駆動回路72を、振動膜5が設けられたシリコン基板2に形成しているので、インクジェットプリンタヘッド1の本体部分と、その駆動回路72とを1チップで構成すること(1チップ化)が可能となる。
図5は、本発明の第2の実施形態に係るインクジェットプリンタヘッドの模式的な平面図である。図6は、図5に示す切断線VI−VIにおけるインクジェットプリンタヘッドの模式的な断面図である。図5,6において、それぞれ図1,2に示す各部に相当する部分には、それらの各部に付した参照符号と同一の参照符号を付している。そして、以下では、図5,6に示す構造について、図1,2に示す構造との相違点のみを説明し、同一の参照符号を付した各部の説明を省略する。また、図6では、導体からなる部分にのみハッチングが付され、その他の部分に対するハッチングの付与が省略されている。
【0052】
図1,2に示すインクジェットプリンタヘッド1では、圧電素子6がノズル64の周囲を取り囲む環状に形成されている。これに対して、図5,6に示すインクジェットプリンタヘッド101では、圧電素子102は、ノズル64の周囲の一部に、平面視略四角形状に形成されている。詳しくは、圧電素子102は、シリコン基板2の表面に平行な方向におけるノズル64の側方に形成されている。
【0053】
圧電素子102は、下部電極103と、下部電極103上に形成された圧電体104と、圧電体104上に形成された上部電極105とを備えている。
下部電極103は、平面視四角形状の本体部106と、本体部106の周縁から直線状に延びる延長部107とを一体的に備えている。下部電極103は、Ti層およびPt層を振動膜5側から順に積層した2層構造を有している。
【0054】
圧電体104は、下部電極103の本体部106と平面視同形状に形成されている。圧電体104は、PZTからなる。
上部電極105は、圧電体104と平面視同形状に形成されている。上部電極105は、IrO層およびIr層を圧電体104側から順に積層した2層構造を有している。
なお、上部電極105には、図6の断面に示されない部分において、水素バリア膜13および層間絶縁膜14を連続的に貫通する貫通孔を介して、配線(図2に示す配線16に相当)が接続されている。
【0055】
インクジェットプリンタヘッド101の構造によっても、図1,2に示すインクジェットプリンタヘッド1の構造と同様な作用効果を奏することができる。
図7(a)は、本発明の第3の実施形態に係るインクジェットプリンタヘッドの模式的な断面図であり、図7(b)は、第3の実施形態に係るインクジェットプリンタヘッドの要部の模式的な平面図である。図7(a)において、図2に示す各部に相当する部分には、それらの各部に付した参照符号と同一の参照符号を付している。そして、以下では、図7(a)に示す構造について、図2に示す構造との相違点のみを説明し、同一の参照符号を付した各部の説明を省略する。また、図7(a)では、導体からなる部分にのみハッチングが付され、その他の部分に対するハッチングの付与が省略されている。
【0056】
図7(a)に示すインクジェットプリンタヘッド111では、ノズル形成領域3の全域において、シリコン基板2の表面上に、保護膜112が形成されている。保護膜112は、SiOからなる。
保護膜112上には、犠牲層113が形成されている。犠牲層113は、保護膜112および後述する振動膜117に対して適当なエッチング選択比を有する材料、たとえば、SiNまたはポリシリコンからなる。
【0057】
犠牲層113には、複数のインク流路114が形成されている。各インク流路114は、ノズル形成領域3の中央部から回路形成領域4と反対側に向けて直線状に延び、犠牲層113の側面において開放されている(図7(b)参照)。また、インク流路114は、等間隔に設けられている(図7(b)参照)。各インク流路114の途中部には、平面視でその他の部分よりも幅広に形成された加圧室115が形成されている。各インク流路114において、加圧室115よりも犠牲層113の側面側の部分は、インクを吐出するためのノズル116をなしている。
【0058】
犠牲層113上には、振動膜117が形成されている。振動膜117は、SiOからなる。振動膜117の厚さは、たとえば、0.5〜2μmである。加圧室115は、シリコン基板2と振動膜117との間に位置している。
振動膜117上には、複数の圧電素子118が配置されている。より具体的には、振動膜117上において、各加圧室115と対向する位置に、1つの圧電素子118が配置されている(図7(b)参照)。圧電素子118は、下部電極119と、下部電極119上に形成された圧電体120と、圧電体120上に形成された上部電極121とを備えている。
【0059】
下部電極119は、平面視四角形状の本体部と、本体部の周縁から直線状に延びる延長部(図示せず)とを一体的に備えている。下部電極119は、Ti層およびPt層を振動膜117側から順に積層した2層構造を有している。
圧電体120は、平面視で下部電極119の本体部と平面視同形状に形成されている。圧電体120は、PZTからなる。
【0060】
上部電極121は、圧電体120と平面視同形状に形成されている。上部電極121は、IrO層およびIr層を圧電体120側から順に積層した2層構造を有している。
図2に示す構造と同様に、振動膜117および圧電素子118の表面は、水素バリア膜13により覆われている。また、水素バリア膜13上には、層間絶縁膜14が積層されている。さらに、下部電極119の延長部には、図7の断面に示されない部分において、水素バリア膜13および層間絶縁膜14を連続的に貫通する貫通孔を介して、配線(図2に示す配線15に相当)が接続されている。また、上部電極121には、図7の断面に示されない部分において、水素バリア膜13および層間絶縁膜14を連続的に貫通する貫通孔を介して、配線(図2に示す配線16に相当)が接続されている。また、インクジェットプリンタヘッド111の最表面には、表面保護膜61が形成されている。
【0061】
そして、各インク流路114における加圧室115よりもインクの流通方向の上流側の部分上には、インク供給路122が水素バリア膜13、層間絶縁膜14および表面保護膜61を貫通して形成されている。表面保護膜61上には、インクを貯留したインクタンク(図示せず)が取り付けられ、このインクタンクからインク供給路122を介してインク流路114にインクが供給される。
【0062】
圧電素子118に電圧が印加されると、圧電素子118とともに振動膜117の加圧室115に臨む部分が変形する。この変形により、加圧室115内のインクが加圧されて、ノズル116からインクが吐出される。
このように、ノズル116は、シリコン基板2上の保護膜112と振動膜117との間に形成されている。したがって、ノズルが形成されたプレートなどを必要としない。そのため、図7(a)に示すインクジェットプリンタヘッド111は、従来の圧電方式のインクジェットプリンタヘッドと比較して、その構成が簡素であり、安価に製造することができる。
【0063】
また、図2に示すインクジェットプリンタヘッド1と同様に、シリコン基板2を利用して、NチャネルMOSFET21およびPチャネルMOSFET22などの半導体素子を形成することができ、その半導体素子や配線52〜54などを含む集積回路(制御回路71)を形成することができる。
図8は、本発明の第4の実施形態に係るインクジェットプリンタヘッドの模式的な平面図である。図9Aは、図8に示す切断線A−Aにおけるインクジェットプリンタヘッドの模式的な断面図である。また、図9Bは、図8に示す切断線B−Bにおけるインクジェットプリンタヘッドの模式的な断面図である。図8,9A,9Bにおいて、それぞれ図1,2に示す各部に相当する部分には、それらの各部に付した参照符号と同一の参照符号を付している。そして、以下では、図8,9A,9Bに示す構造について、図1,2に示す構造との相違点のみを説明し、同一の参照符号を付した各部の説明を省略する。また、図9A,9Bでは、導体からなる部分にのみハッチングが付され、その他の部分の対するハッチングの付与が省略されている。
【0064】
図1,2に示すインクジェットプリンタヘッド1では、圧電素子6がノズル64の周囲を取り囲む環状に形成されている。これに対して、図8,9A,9Bに示すインクジェットプリンタヘッド131では、圧電素子132は、ノズル64の側方に配置されてノズル64の周囲を取り囲むC字状(略環状)に形成されている。
圧電素子132は、下部電極133と、下部電極133上に形成された圧電体134と、圧電体134上に形成された上部電極135とを備えている。
【0065】
下部電極133は、平面視C字状の本体部と、本体部の周縁から直線状に延びる延長部(図示せず)とを一体的に備えている。下部電極133は、Ti層およびPt層を振動膜5側から順に積層した2層構造を有している。
圧電体134は、下部電極133の本体部と平面視同形状に形成されている。圧電体134は、PZTからなる。
【0066】
上部電極135は、圧電体134と平面視同形状に形成されている。上部電極135は、IrO層およびIr層を圧電体134側から順に積層した2層構造を有している。
なお、下部電極の延長部には、図9Aの断面に示されない部分において、水素バリア膜13および層間絶縁膜14を連続的に貫通する貫通孔を介して、配線(図2に示す配線15に相当)が接続されている。また、上部電極135には、図9Aの断面に示されない部分において、水素バリア膜13および層間絶縁膜14を連続的に貫通する貫通孔を介して、配線(図2に示す配線16に相当)が接続されている。
【0067】
また、図9Aに示すように、シリコン基板2には、各圧電素子132と対向する位置に、加圧室136が厚さ方向に貫通して形成されている。各加圧室136は、平面視で各圧電素子132とほぼ同形状をなしている。
また、振動膜5には、C字状の各加圧室136の中央部分と上下方向に対向する位置に、連通室137が厚さ方向に貫通して形成されている。具体的には、連通室137は、その外側の周縁部が加圧室136の内側の周縁部と上下方向に重なるように形成されている。これにより、加圧室136と連通室137とが連通している。
【0068】
また、シリコン基板2の裏面には、平板状の閉塞板145が設けられている。この閉塞板145により、各加圧室136がシリコン基板2の裏面側から閉塞されている。
また、図9Bに示すように、シリコン基板2には、閉塞板145の裏面に取り付けられたインクタンク(図示せず)からノズル64へインクを供給するためのインク流路138が形成されている。インク流路138は、ノズル64(連通室137)から圧電素子132のC字状の開放方向へと延び、下方へと屈曲してシリコン基板2を厚さ方向に貫通するように形成されている。インク流路138において、シリコン基板2を貫通してインクタンク(図示せず)につながる部分は、インク供給路170である。インク供給路170は、平面視(シリコン基板2の厚さ方向から見た場合)において、ノズル64と異なる位置に形成されている。
【0069】
インク流路138(インク供給路170を除く部分)は、加圧室136とインク供給路170とをつないでいる。インク供給路170は、インク流路138(インク供給路170を除く部分)を介して、加圧室136と連通している。また、閉塞板145には、インク流路138(インク供給路170)と対向する部分に開口146が形成されている。この開口146を介して、インクタンクからインク流路138へとインクが供給される。
【0070】
インク流路138に供給されたインクは、連通室137を介して、加圧室136内に充填される。インク流路138によって、インク供給路170から加圧室136への円滑なインク供給が可能となる。また、インク供給路170がインク流路138を介して加圧室136へ安定してインクを供給するので、加圧室136におけるインクの充填状態を安定して維持することができる。そして、振動膜5上の圧電素子132に電圧が印加されると、圧電素子132とともに振動膜5が変形する。この振動膜5の変形により、加圧室136内に充填されているインクが加圧され、加圧室136から連通室137およびノズル64を介して、インクが吐出される。
【0071】
図10A〜10Mは、図9Aに示すインクジェットプリンタヘッドの製造工程を順に示す模式的な断面図であり、図9Aの場合と同じ切断線A−Aで切断したときの断面を示す。また、図11A〜11Eは、このインクジェットプリンタヘッドの製造工程の一部を順に示す模式的な断面図であり、図9Bの場合と同じ切断線B−Bで切断したときの断面を示す。図10A〜10Mおよび図11A〜11Eでは、導体からなる部分にのみハッチングが付され、その他の部分に対するハッチングの付与が省略されている。
【0072】
まず、図4A〜4Eに示す工程により、図10Aおよび図11Aに示すように、シリコン基板2の表面全域に、酸化シリコン膜86が形成される。
つづいて、図10Bおよび図11Bに示すように、CVD法により、酸化シリコン膜86上に、ポリシリコン層87が形成される。
その後、図10Cおよび図11Cに示すように、フォトリソグラフィにより、ポリシリコン層87上に、レジストパターン88が形成される。レジストパターン88は、ポリシリコン層87におけるゲート電極36,46となるべき部分、およびインク流路138となるべき部分を覆い隠す。
【0073】
そして、レジストパターン88をマスクとするエッチングにより、ポリシリコン層87がパターニングされる。これにより、図10Dに示すように、ゲート電極36,46が形成されるとともに、図11Dに示すように、インク流路138が形成されるべき部分に犠牲層139が形成される。ポリシリコン層87のパターニング後、レジストパターン88は除去される。その後、イオン注入法により、P型ウェル31の表層部およびゲート電極36に、N型不純物が注入される。また、イオン注入法により、N型ウェル41の表層部およびゲート電極46に、P型不純物が注入される。
【0074】
その後、図4I,4Jに示す工程が実行されることにより、回路形成領域4に、ゲート絶縁膜35,45、サイドウォール37,47、およびシリサイド38,39,40,48,49,50が形成される。そして、図4Kに示す工程が実行されることにより、図10Eおよび図11Eに示すように、振動膜5および層間絶縁膜51が形成される。
その後、図10Fに示すように、スパッタ法により、振動膜5上の全域に、下部電極133と同じ積層構造の膜89が形成される。また、スパッタ法またはゾルゲル法により、膜89の全域上に、圧電体134と同じ材料の膜90が形成される。さらに、スパッタ法により、膜90の全域上に、上部電極135と同じ積層構造の膜91が形成される。
【0075】
次いで、図10Gに示すように、フォトリソグラフィにより、膜91上に、レジストパターン92が膜91における上部電極135となる部分を覆い隠すように形成される。
その後、図10Hに示すように、レジストパターン92をマスクとするエッチングにより、膜91がパターニングされ、上部電極135が形成される。つづいて、エッチングにより、膜90がパターニングされ、圧電体134が形成される。さらに、エッチングにより、膜89がパターニングされ、下部電極133が形成される。下部電極133の形成後、図10Iに示すように、レジストパターン92は除去される。
【0076】
その後、図10Jに示すように、スパッタ法により、シリコン基板2上の全域に、水素バリア膜13が形成される。さらに、CVD法により、水素バリア膜13上の全域に、層間絶縁膜14が形成される。
その後、図4O,4P,4Qに示す工程が実行されることにより、回路形成領域4において、層間絶縁膜51を貫通するコンタクトプラグ55〜58が形成されるとともに、配線52〜54が形成される。そして、図4Rに示す工程が実行されることにより、図10Kに示すように、層間絶縁膜14上に、表面保護膜61が形成される。表面保護膜61の上面は平坦化されていてもよい。
【0077】
次いで、図10Lに示すように、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、シリコン基板2が裏面側からエッチングされ、シリコン基板2に加圧室136が形成される。
さらに、図10Mに示すように、ポリシリコンをエッチング可能なエッチング液が加圧室136を介して犠牲層139(図11E参照)に供給されることにより、犠牲層139が除去され、連通室137およびインク流路138が形成される(図9B参照)。この後、シリコン基板2の表面側からのドライエッチングにより、ノズル64が水素バリア膜13、層間絶縁膜14および表面保護膜61を貫通して形成されると、図9A,9Bに示すインクジェットプリンタヘッド131が得られる。
【0078】
インクジェットプリンタヘッド131の構造によっても、図1,2に示すインクジェットプリンタヘッド1の構造と同様な作用効果を奏することができる。
図12(a)は、本発明の第5の実施形態に係るインクジェットプリンタヘッドの模式的な断面図であり、図12(b)は、第5の実施形態に係るインクジェットプリンタヘッドの要部の模式的な平面図である。図12(a)において、図2に示す各部に相当する部分には、それらの各部に付した参照符号と同一の参照符号を付している。そして、以下では、図12(a)に示す構造について、図2に示す構造との相違点のみを説明し、同一の参照符号を付した各部の説明を省略する。また、図12(a)では、導体からなる部分にのみハッチングが付され、その他の部分に対するハッチングの付与が省略されている。
【0079】
図12(a)に示すインクジェットプリンタヘッド151では、ノズル形成領域3の全域において、シリコン基板2の表面上に、保護膜152が形成されている。保護膜152は、SiOからなる。
保護膜152上には、犠牲層163が形成されている。犠牲層163は、保護膜152および後述する振動膜153に対して適当なエッチング選択比を有する材料、たとえば、SiNまたはポリシリコンからなる。
【0080】
犠牲層163には、複数のインク流路154が形成されている。各インク流路154は、ノズル形成領域3の中央部から直線状に延びている(図12(b)参照)。また、インク流路154は、等間隔に設けられている(図12(b)参照)。インク流路154の途中部には、平面視でその他の部分よりも幅広に形成された加圧室155が形成されている。
【0081】
犠牲層163上には、振動膜153が形成されている。振動膜153は、SiOからなる。振動膜153の厚さは、たとえば、0.5〜2μmである。加圧室155は、シリコン基板2と振動膜153との間に形成されている。
振動膜153上には、複数の圧電素子156が形成されている。より具体的には、振動膜153上において、各加圧室155と対向する位置に、1つの圧電素子156が配置されている(図12(b)参照)。圧電素子156は、下部電極157と、下部電極157上に形成された圧電体158と、圧電体158上に形成された上部電極159とを備えている。
【0082】
下部電極157は、インク流路154の延びる方向に向けて開放された平面視C字状の本体部と、本体部の周縁から直線状に延びる延長部(図示せず)とを一体的に備えている。下部電極157は、Ti層およびPt層を振動膜153側から順に積層した2層構造を有している。
圧電体158は、下部電極157の本体部と平面視同形状に形成されている。圧電体158は、PZTからなる。
【0083】
上部電極159は、圧電体158と平面視同形状に形成されている。上部電極159は、IrO層およびIr層を圧電体158側から順に積層した2層構造を有している。
図2に示す構造と同様に、振動膜153および圧電素子156の表面は、水素バリア膜13により覆われている。また、水素バリア膜13上には、層間絶縁膜14が積層されている。なお、下部電極157の延長部には、図12(a)の断面に示されない部分において、水素バリア膜13および層間絶縁膜14を連続的に貫通する貫通孔を介して、配線(図2に示す配線15に相当)が接続されている。また、上部電極159には、図12(a)の断面に示されない部分において、水素バリア膜13および層間絶縁膜14を連続的に貫通する貫通孔を介して、配線(図2に示す配線16に相当)が接続されている。さらに、インクジェットプリンタヘッド1の最表面には、表面保護膜61が形成されている。
【0084】
平面視C字状の圧電素子156の中央部には、ノズル160が形成されている。言い換えれば、圧電素子156は、ノズル160の側方に配置されてノズル160を取り囲む略環状に形成されている。ノズル160は、表面保護膜61、層間絶縁膜14および水素バリア膜13をそれらの積層方向に貫通し、加圧室155と連通している。
そして、各インク流路154における加圧室155よりもインクの流通方向の上流側の部分には、インク供給路161がシリコン基板2を厚さ方向に貫通して形成されている。インク供給路161は、平面視において、ノズル160と異なる位置に形成されている。そのため、平面視において、インク供給路161とノズル160との間の位置に加圧室155を設けることができる。
【0085】
インク流路154は、加圧室155とインク供給路161とをつないでいる。インク供給路161は、インク流路154を介して加圧室155と連通している。シリコン基板2の裏面上には、インクを貯留したインクタンク(図示せず)が取り付けられ、このインクタンクからインク供給路161を介してインク流路154にインクが供給される。インク流路154によって、インク供給路161から加圧室155への円滑なインク供給が可能となる。そして、インク供給路161がインク流路154を介して加圧室155へ安定してインクを供給するので、加圧室155におけるインクの充填状態を安定して維持することができる。
【0086】
圧電素子156に電圧が印加されると、圧電素子156とともに振動膜153の加圧室155に臨む部分が変形する。この変形により、加圧室155内のインクが加圧されて、ノズル160からインクが吐出される。
図13A〜13Hは、図12(a)に示すインクジェットプリンタヘッドの製造工程を順に示す模式的な断面図である。図13A〜13Hでは、導体からなる部分にのみハッチングが付され、その他の部分に対するハッチングの付与が省略されている。
【0087】
まず、図4A〜4Fに示す工程が実行されることにより、酸化シリコン膜86上にポリシリコン層87が形成された後、図4G,4Hに示す工程が実行される。ただし、このとき、ノズル形成領域3上には酸化シリコン膜86およびポリシリコン層87が除去されずに残される。
その後、図4I〜4Kに示す工程が実行されることにより、図13Aに示すように、振動膜153および層間絶縁膜51が形成された後、振動膜153上に、下部電極157、圧電体158および上部電極159が形成される。ノズル形成領域3において、除去されずに残された酸化シリコン膜86およびポリシリコン層87は、それぞれ図12に示す保護膜152および犠牲層163をなす。
【0088】
その後、図13Bに示すように、スパッタ法により、シリコン基板2上の全域に、アルミナ膜93が形成される。さらに、CVD法により、アルミナ膜93上の全域に、酸化シリコン膜94が形成される。
次いで、図13Cに示すように、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、酸化シリコン膜94およびアルミナ膜93が回路形成領域4上から除去される。これにより、アルミナ膜93および酸化シリコン膜94がそれぞれ水素バリア膜13および層間絶縁膜14となる。
【0089】
その後、スパッタ法により、層間絶縁膜51上に、Al膜が形成される。そして、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、Al膜がパターニングされ、図13Dに示すように、配線52,53,54が形成される。
その後、図13Eに示すように、CVD法により、層間絶縁膜14,51上に、表面保護膜61が形成される。
【0090】
表面保護膜61の形成後、図13Fに示すように、フォトリソグラフィにより、シリコン基板2の裏面上に、レジストパターン162が形成される。このレジストパターン162は、シリコン基板2におけるインク供給路161となる部分を露出させ、その他の部分を覆い隠す。
そして、レジストパターン162をマスクとするウエットエッチングにより、図13Gに示すように、シリコン基板2にインク供給路161が形成される。さらに、ポリシリコンをエッチング可能なエッチング液がインク供給路161を介してポリシリコン層87に供給されることにより、ポリシリコン層87(犠牲層163)が部分的に除去され、インク流路154が形成される。この後、シリコン基板2の表面側からのドライエッチングにより、ノズル160が水素バリア膜13、層間絶縁膜14および表面保護膜61を貫通して形成されると、図12に示すインクジェットプリンタヘッド151が得られる。
【0091】
以上、本発明の5つの実施形態を説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、インクジェットプリンタヘッド1,101,111,131,151では、半導体基板の一例としてシリコン基板2が用いられているが、シリコン基板2に代えて、SiC(シリコンカーバイド)などのシリコン以外の半導体材料からなる基板が用いられてもよい。
【0092】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0093】
1 インクジェットプリンタヘッド
2 シリコン基板(半導体基板)
5 振動膜
6 圧電素子
21 NチャネルMOSFET(半導体素子)
22 PチャネルMOSFET(半導体素子)
52 配線
53 配線
54 配線
62 加圧室
63 連通室
64 ノズル
71 制御回路
72 ドライバ(駆動回路)
101 インクジェットプリンタヘッド
102 圧電素子
111 インクジェットプリンタヘッド
115 加圧室
116 ノズル
117 振動膜
118 圧電素子
131 インクジェットプリンタヘッド
132 圧電素子
136 加圧室
138 インク流路
151 インクジェットプリンタヘッド
153 振動膜
154 インク流路
155 加圧室
156 圧電素子
160 ノズル
161 インク供給路
170 インク供給路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板上に設けられ、前記半導体基板との対向方向に振動可能な振動膜と、
前記振動膜上に設けられた圧電素子と、
前記振動膜に対して前記半導体基板側に前記振動膜に臨んで形成され、インクが充填される加圧室と、
前記振動膜を貫通して形成され、前記加圧室と連通し、前記加圧室から送出されるインクを吐出するノズルとを含む、インクジェットプリンタヘッド。
【請求項2】
前記半導体基板に形成された半導体素子と、
前記半導体素子に接続された配線とをさらに含む、請求項1に記載のインクジェットプリンタヘッド。
【請求項3】
前記振動膜は、前記半導体基板の一方面に接し、
前記加圧室は、前記半導体基板を厚さ方向に貫通して形成されている、請求項1または2に記載のインクジェットプリンタヘッド。
【請求項4】
前記加圧室は、前記半導体基板と前記振動膜との間に形成されている、請求項1または2に記載のインクジェットプリンタヘッド。
【請求項5】
前記加圧室と連通するインク供給路が前記半導体基板に形成されている、請求項3または4に記載のインクジェットプリンタヘッド。
【請求項6】
前記インク供給路は、平面視において、前記ノズルと異なる位置に形成されている、請求項5に記載のインクジェットプリンタヘッド。
【請求項7】
前記加圧室と前記インク供給路とをつなぐインク流路を有する、請求項6に記載のインクジェットプリンタヘッド。
【請求項8】
前記圧電素子は、前記ノズルの周囲を取り囲む環状に形成されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタヘッド。
【請求項9】
前記圧電素子は、前記ノズルの側方に形成されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタヘッド。
【請求項10】
半導体基板と、
前記半導体基板上に間隔を空けて設けられ、前記半導体基板との対向方向に振動可能な振動膜と、
前記振動膜上に設けられた圧電素子と、
前記半導体基板と前記振動膜との間に形成され、インクが充填される加圧室と、
前記半導体基板と前記振動膜との間に形成され、前記加圧室と連通し、前記加圧室から送出されるインクを吐出するノズルとを含む、インクジェットプリンタヘッド。
【請求項11】
前記半導体基板に形成された半導体素子と、
前記半導体素子に接続された配線とをさらに含む、請求項10に記載のインクジェットプリンタヘッド。
【請求項12】
前記加圧室は、前記半導体基板と前記振動膜との間に形成されている、請求項10または11に記載のインクジェットプリンタヘッド。
【請求項13】
前記振動膜が設けられた前記半導体基板に形成され、前記圧電素子に電圧を印加する駆動回路をさらに含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタヘッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図4G】
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【図4H】
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【図4I】
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【図4J】
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【図4K】
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【図4L】
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【図4M】
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【図4N】
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【図4O】
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【図4P】
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【図4Q】
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【図4R】
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【図4S】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図10E】
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【図10F】
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【図10G】
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【図10H】
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【図10I】
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【図10J】
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【図10K】
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【図10L】
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【図10M】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図11E】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図13E】
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【図13F】
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【図13G】
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【図13H】
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【公開番号】特開2011−56939(P2011−56939A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−120391(P2010−120391)
【出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】