説明

インサート成形品、電子機器およびインサート成形方法

【課題】インサート板金の変形を抑制しながら、樹脂成形不良が発生するのを抑制することが可能なインサート成形品を提供する。
【解決手段】この前面筐体10(インサート成形品)は、凹部または貫通孔43が設けられたインサート板金40と、インサート板金40の凹部または貫通孔43を取り囲むように形成された樹脂部材50とを備え、樹脂部材50の表面からインサート板金40の凹部または貫通孔43の内部に到達する穴部13が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、インサート成形品、電子機器およびインサート成形方法に関し、特に、インサート板金を備えるインサート成形品、電子機器およびインサート成形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インサート板金を備えるインサート成形品が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、インサート板金を金型の樹脂注入空間内で固定して、樹脂を注入することによりインサート板金の周囲に樹脂部材が形成されたインサート成形品が開示されている。上記特許文献1では、金型の樹脂注入空間への樹脂流路がクランク状に屈曲するように構成されている。この結果、金型(樹脂注入空間)内部へ流入する樹脂の流入速度がクランク状部分で低下し、インサート板金に対する樹脂の圧力が低下する。上記特許文献1では、インサート板金に対する樹脂の射出圧および射出速度を低減させることによって、注入される樹脂の圧力によるインサート板金の変形を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−106302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1のインサート成形品では、インサート板金の変形を抑制することが可能である一方、金型(樹脂注入空間)内部へ流入する樹脂の射出圧および射出速度が低下するため、形成された樹脂表面にウェルド(流動する樹脂の合流部分に発生する溝)やヒケ(樹脂の固化時の体積収縮に伴い発生する凹部)などの成形不良が発生しやすいという問題点がある。機器の筐体などの外観が重要となるインサート成形品の場合には、このようなウェルドやヒケに起因する樹脂成形不良(外観不良)が特に問題となる。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、インサート板金の変形を抑制しながら、樹脂成形不良が発生するのを抑制することが可能なインサート成形品、電子機器およびインサート成形方法を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
この発明の第1の局面によるインサート成形品は、凹部または貫通孔が設けられたインサート板金と、インサート板金の凹部または貫通孔を取り囲むように形成された樹脂部材とを備え、樹脂部材の表面からインサート板金の凹部または貫通孔の内部に到達する穴部が形成されている。
【0008】
この発明の第1の局面によるインサート成形品では、上記のように、凹部または貫通孔が設けられたインサート板金を設けるとともに、樹脂部材の表面からインサート板金の凹部または貫通孔の内部に到達する穴部を形成することによって、金型で樹脂成形を行う際に、インサート板金の凹部または貫通孔の内部には樹脂が充填されない。つまり、インサート板金の凹部または貫通孔の内部に金型の一部が挿入された状態で金型内に樹脂が射出されることになる。このため、インサート板金の凹部または貫通孔に金型の一部を嵌め込みまたは係合させた状態で樹脂を注入することができるので、インサート板金に加わる力(樹脂の射出圧)を金型によって支持することができる。これにより、インサート板金の変形を抑制するために射出圧および射出速度を低下させる必要がなく、樹脂成形不良が発生しにくい最適な成形条件(射出圧および射出速度など)に設定した場合でも、インサート板金が変形するのを効果的に抑制することができる。以上から、本発明によれば、インサート板金の変形を抑制しながら、樹脂成形不良が発生するのを抑制することができる。
【0009】
上記第1の局面によるインサート成形品において、好ましくは、インサート板金の凹部または貫通孔は、インサート成形時に金型と係合可能なように構成されている。このように構成すれば、インサート板金の凹部または貫通孔を容易に金型と係合させることができるので、樹脂成形時にインサート板金の変形を効果的に抑制することができる。
【0010】
上記第1の局面によるインサート成形品において、好ましくは、インサート板金には、貫通孔が設けられており、インサート板金は、貫通孔に加えて樹脂固定孔を有し、樹脂固定孔の内部には、インサート板金の一方表面側と他方表面側とを接続するように樹脂部材が充填されている。このように構成すれば、インサート板金の樹脂固定孔を介して樹脂部材が接続されるので、インサート板金と樹脂部材とを強固に固着させることができる。また、インサート板金を作製する際に、貫通孔と樹脂固定孔とを同じ工程(孔形成工程)により形成することができるので、インサート板金に凹部と樹脂固定孔とを別個の工程で形成する場合と比較して、生産性を向上させることができる。
【0011】
この場合において、好ましくは、インサート板金は、複数の樹脂固定孔を有し、貫通孔と樹脂固定孔とが間隔を隔てて並ぶように形成されている。このように構成すれば、インサート板金を作製する際に、貫通孔と樹脂固定孔とを間隔を隔てて並べることによって、孔形成に起因してインサート板金の強度が低下するのを抑制することができる。
【0012】
上記インサート板金に貫通孔を設ける構成において、好ましくは、貫通孔の内部には、インサート板金の一方表面側と他方表面側とを接続するように、樹脂部材が部分的に充填されている。このように構成すれば、貫通孔に樹脂部材を部分的に充填することによって、樹脂注入時のインサート板金の変形を抑制するための貫通孔に、インサート板金と樹脂部材とを強固に固着させる樹脂固定孔としての機能を兼ねさせることができる。
【0013】
上記第1の局面によるインサート成形品において、好ましくは、インサート成形品は、一方筐体を構成し、穴部は、一方筐体の内面側に形成されているとともに、一方筐体の外表面には到達しない。このように構成すれば、樹脂注入時のインサート板金の変形を抑制するために穴部を形成しても、穴部によって一方筐体の外観が損なわれることがない。すなわち、一方筐体の外観をなんら損なうことなく、インサート板金の変形と、樹脂の射出圧および射出速度低減に起因する樹脂成形不良の発生とを抑制することができる。
【0014】
この場合において、好ましくは、一方筐体の穴部は、他方筐体に設けられた係合爪部と係合可能に形成されている。このように構成すれば、インサート成形時(樹脂注入時)には、穴部によってインサート板金の変形を抑制することができ、かつ、インサート成形後にも、一方筐体の穴部を他方筐体の係合爪部との係合用穴として利用することができる。
【0015】
上記第1の局面によるインサート成形品において、好ましくは、インサート板金の凹部または貫通孔の内面は、直線状の係合部分を含み、凹部または貫通孔の直線状の係合部分において、凹部または貫通孔の内面が穴部を介して露出している。このように構成すれば、凹部または貫通孔の直線状の係合部分を金型と係合(接触)させた状態でインサート成形を行うことになる。このため、凹部または貫通孔の直線状の係合部分でインサート板金と金型とを線接触(または面接触)させることができるので、インサート板金に加わる力(樹脂の射出圧)を金型に安定して支持させることができる。
【0016】
この場合において、好ましくは、凹部または貫通孔は略長方形状を有する。このように構成すれば、インサート板金を作製する際に、直線状の係合部分を含む簡単な形状である略長方形状の凹部または貫通孔を形成すればよいので、容易に、金型と線接触または面接触可能な凹部または貫通孔を形成することができる。
【0017】
上記第1の局面によるインサート成形品において、好ましくは、インサート板金は、上面部または底面部と、上面部または底面部に対して屈曲した側面部とを含み、樹脂部材は、側面部を取り囲むように形成され、凹部または貫通孔は、側面部に形成されている。ここで、インサート板金に屈曲した側面部(曲げ側面)がある場合、インサート成形時(樹脂注入時)には、構造的にインサート板金の曲げ部分近傍に樹脂の射出圧が大きく加わり易い。本発明によれば、側面部に形成された凹部または貫通孔により、インサート板金の曲げ部分近傍に加わる力(樹脂の射出圧)を金型によって支持することができる。この結果、特に構造的にインサート板金の変形が生じやすい側面部において効果的にインサート板金の変形を抑制することができる。
【0018】
この発明の第2の局面による電子機器は、本体部と、本体部を収容する一方筐体および他方筐体とを備え、一方筐体は、凹部または貫通孔が設けられたインサート板金と、インサート板金の凹部または貫通孔を取り囲むように形成された樹脂部材とを含み、一方筐体の内面側には、樹脂部材の表面からインサート板金の凹部または貫通孔の内部に到達する穴部が形成されている。
【0019】
この発明の第2の局面による電子機器では、上記のように、一方筐体に凹部または貫通孔が設けられたインサート板金を設けるとともに、一方筐体の内面側に、樹脂部材の表面からインサート板金の凹部または貫通孔の内部に到達する穴部を形成することによって、金型で樹脂成形を行う際に、インサート板金の凹部または貫通孔の内部に金型の一部が挿入された状態で金型内に樹脂が射出されることになる。このため、インサート板金の凹部または貫通孔に金型の一部を嵌め込みまたは係合させた状態で樹脂を注入することができるので、インサート板金に加わる力(樹脂の射出圧)を金型によって支持することができる。これにより、インサート板金の変形を抑制するために射出圧および射出速度を低下させる必要がなく、樹脂成形不良が発生しにくい最適な成形条件(射出圧および射出速度など)に設定した場合でも、インサート板金が変形するのを効果的に抑制することができる。以上から、本発明によれば、インサート板金の変形を抑制しながら、樹脂成形不良が発生するのを抑制することができる。さらに、穴部が一方筐体の内面側に形成されるので、特に外観が重要となる電子機器の一方筐体の外観が、穴部によって損なわれることがない。
【0020】
上記第2の局面による電子機器において、好ましくは、他方筐体は、一方筐体の穴部と係合可能に形成された係合爪部を含む。このように構成すれば、インサート成形時(樹脂注入時)にインサート板金の変形を抑制することが可能な一方筐体の穴部を、インサート成形後には、他方筐体の係合爪部との係合用穴として利用することができる。
【0021】
この発明の第3の局面によるインサート成形方法は、凹部または貫通孔が設けられたインサート板金を準備する工程と、凹部または貫通孔に金型の凸部を係合させた状態でインサート板金を金型にセットする工程と、凹部または貫通孔に金型の凸部を係合させた状態で金型に樹脂を注入し、インサート板金の凹部または貫通孔を取り囲むように樹脂部材を形成する工程と、を備える。
【0022】
この発明の第3の局面によるインサート成形方法では、上記のように、凹部または貫通孔が設けられたインサート板金を準備する工程と、凹部または貫通孔に金型の凸部を係合させた状態でインサート板金を金型にセットする工程と、凹部または貫通孔に金型の凸部を係合させた状態で金型に樹脂を注入し、インサート板金の凹部または貫通孔を取り囲むように樹脂部材を形成する工程とによって、インサート板金の凹部または貫通孔の内部に金型の凸部が係合した状態で樹脂を注入することができるので、インサート板金に加わる力(樹脂の射出圧)を金型によって支持することができる。これにより、インサート板金の変形を抑制するために射出圧および射出速度を低下させる必要がなく、樹脂成形不良が発生しにくい最適な成形条件(射出圧および射出速度など)に設定した場合でも、インサート板金が変形するのを効果的に抑制することができる。以上から、本発明によれば、インサート板金の変形を抑制しながら、樹脂成形不良が発生するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態によるデジタルフォトフレームの全体構成を示した斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態によるデジタルフォトフレームシステムの内部構造を説明するための分解斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態による前面筐体の穴部を示した拡大断面図である。
【図4】本発明の一実施形態による前面筐体の穴部と背面筐体の係合爪部との係合状態を示した部分断面図である。
【図5】本発明の一実施形態による前面筐体のインサート板金を模式的に示した斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態による前面筐体のインサート板金の貫通孔および樹脂固定孔を説明するための側面部の拡大図である。
【図7】本発明の一実施形態による前面筐体のインサート板金の樹脂固定孔を示した拡大断面図である。
【図8】本発明の一実施形態による前面筐体の製造方法を説明するためのインサート板金のセット状態を示した模式図である。
【図9】本発明の一実施形態による前面筐体の製造方法を説明するための樹脂の充填状態を示した模式図である。
【図10】本発明の一実施形態による前面筐体の製造方法を説明するための金型の開放状態を示した模式図である。
【図11】本発明の一実施形態による前面筐体の製造方法を説明するための前面筐体の押し出し動作を示した模式図である。
【図12】本発明の一実施形態の変形例による前面筐体を模式的に示した拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
まず、図1〜図8を参照して、本発明の一実施形態によるデジタルフォトフレーム1の構成について説明する。本実施形態では、電子機器の一例であるデジタルフォトフレーム1に本発明を適用した例について説明する。
【0026】
デジタルフォトフレーム1は、図1および図2に示すように、正面から見て長方形状を有する箱状の筐体2を備えている。筐体2の内部には、本体部3が収納されている。本体部3は、液晶表示部31と、基板32とを含んでいる。
【0027】
筐体2は、前面筐体10と、背面筐体20とを含んでいる。前面筐体10と背面筐体20とは、前面筐体10に設けられた穴部13(図3参照)と背面筐体20に設けられた係合爪部23とにより互いに係合可能(図4参照)に構成されている。前面筐体10と背面筐体20とは、穴部13と係合爪部23とが互いに係合した状態で、ビス留め(図示せず)により結合される。前面筐体10の穴部13と背面筐体20の係合爪部23とは、それぞれ、筐体2の長辺2a(図1参照)側に2箇所ずつ、短辺2b(図1参照)側に1箇所ずつ設けられており、合計6箇所に設けられている。なお、前面筐体10および背面筐体20は、それぞれ、本発明の「一方筐体」および「他方筐体」の一例である。
【0028】
図2に示すように、前面筐体10は、中央に表示画面(液晶表示部31)用の開口部10aを有する枠状(額縁状)形状を有し、筐体2の表示面側部分を構成している。前面筐体10は、表示面側(矢印Z1方向側)の額縁状の上面部11と、上面部11から背面側(背面筐体20側、矢印Z2方向側)に延びる側面部12(図3参照)とを一体的に含んでいる。側面部12は、上面部11の外周縁部に沿って周状に形成されている。図3に示すように、周状の側面部12の内面側には、背面筐体20の係合爪部23と係合可能な上記穴部13が形成されている。前面筐体10は、金属材料と樹脂材料とを一体成形するインサート成形によって形成されており、インサート板金40と樹脂部材50とを含んでいる。樹脂部材50は、インサート板金40の一部に肉付けされるように形成されており、前面筐体10の上面部11および側面部12を構成している。
【0029】
また、図2に示すように、平面的に見て、額縁状の上面部11の内側(中央側)ではインサート板金40が露出しており、樹脂部材50からなる上面部11との境界で枠状の段差部14が形成されている。この枠状の段差部14には、透明なガラスまたは樹脂材料からなる矩形状の保護板4が嵌め込まれ、固定されている。保護板4は、液晶表示部31を保護するために設けられている。
【0030】
図5に示すように、インサート板金40は、厚みt(図3参照)の金属板からなり、額縁状の平坦な上面部41と、上面部41に対して背面側(矢印Z2方向)に屈曲した側面部42とを一体的に含んでいる。側面部42は、上面部41の外周縁部に沿って周状に形成されている。周状の側面部42には、貫通孔43と、樹脂固定孔44とが周方向(C方向)に沿って設けられている。貫通孔43は、背面筐体20の係合爪部23(図2参照)に対応する位置に形成されている。すなわち、貫通孔43は、インサート板金40の長辺40a側の側面部42に2箇所ずつ、短辺40b側の側面部42に1箇所ずつ設けられており、合計6箇所に設けられている。樹脂固定孔44は、側面部42の全周にわたって略等間隔で複数形成されている。図6に示すように、貫通孔43と、樹脂固定孔44とは、互いに間隔を隔てるとともに、側面部42の周方向(C方向)に沿って一列に並ぶように形成されている。
【0031】
貫通孔43は、平面的に見て、略長方形状を有する。貫通孔43は、長さL1を有する直線状の長辺部43aおよび43bと、長さL2を有する直線状の短辺部43cおよび43dとを含んでいる。長辺部43aおよび43bは、側面部42の周方向(C方向)に沿うように形成されている。貫通孔43は、後述するように、インサート成形時に金型100(図8参照)と係合可能なように構成されている。なお、長辺部43aは、本発明の「直線状の係合部分」の一例である。
【0032】
また、樹脂固定孔44は、平面的に見て、円形状を有する。樹脂固定孔44は、貫通孔43の短辺部43c(43d)の長さL2と略等しい直径dを有する。図7に示すように、樹脂固定孔44には、インサート板金40の内表面40c側と外表面40d側とを接続するように樹脂部材50が充填されている。つまり、インサート板金40の内表面40c側の樹脂と外表面40d側の樹脂とが複数の樹脂固定孔44の各々を介して接続された状態で、樹脂部材50が形成されている。
【0033】
樹脂部材50は、図3および図7に示すように、インサート板金40の周状の側面部42の全体(側面部42の内表面40c側および外表面40d側、下端部、貫通孔43および樹脂固定孔44)を取り囲むとともに、額縁状の上面部41の一部を覆うように形成されている。これにより、樹脂部材50は、前面筐体10の側面部12と、上面部11とを構成している。また、インサート板金40の上面部41側において、樹脂部材50と樹脂部材50の非形成領域(上面部41が露出する部分)との境界で段差部14が形成されている。
【0034】
ここで、図3に示すように、本実施形態では、前面筐体10の穴部13は、側面部12の内面側において、樹脂部材50の内側表面50aからインサート板金40の貫通孔43の内部に達するように形成されている。また、穴部13は、前面筐体10(側面部12)の外表面(樹脂部材50の外側表面50b)には到達しないように形成されている。具体的には、穴部13は、樹脂部材50の内側表面50aから、貫通校43を通り、インサート板金40の外表面40dよりも僅かに外側(樹脂部材50の外側表面50b側)の位置まで届く深さDpを有する。また、穴部13は、貫通孔43の短辺部43c(43d)の長さL2よりも小さい幅(Z方向の幅)Wを有する。穴部13は、係合爪部23(図4参照)が穴部13に係合可能なように、背面筐体20の係合爪部23に対応する形状に形成されている。
【0035】
穴部13は、インサート板金40の貫通孔43の内面(長辺部43a)が穴部13の内部で露出する(すなわち、穴部13からインサート板金40が部分的に露出する)ように形成されている。一方、穴部13は底部13aに向かうにしたがってZ方向の幅Wが小さくなっており、貫通孔43の長辺部43bは樹脂部材50により覆われている。このように、穴部13は、インサート板金40の貫通孔43を部分的に貫通してインサート板金40の外表面40d側に到達するように形成されている。このため、貫通孔43の内部(長辺部43b側の部分)には、インサート板金40の内表面40c側と外表面40d側とを接続するように樹脂部材50が部分的に充填されている。なお、図示していないが、穴部13の周方向(C方向)の幅は、貫通孔43の長辺部43a(43b)の長さL1(図6参照)と略等しいか、または、L1よりも小さくなる。
【0036】
図2に示すように、背面筐体20は、背面側の平坦な底面部21と、底面部21の外周縁部から表示面側(前面筐体10側、矢印Z1方向)に延びる周状の側面部22とを一体的に含んでいる。周状の側面部22の内面側には、前面筐体10の穴部13と係合する係合爪部23が形成されている。
【0037】
係合爪部23は、側面部22から表示面側(矢印Z1方向)に突出するとともに、先端部が外側に向けて突出するフック状形状を有する。図4に示すように、係合爪部23は、デジタルフォトフレーム1の組み立て時に、前面筐体10の穴部13と係合することが可能なように形成されている。
【0038】
本体部3の液晶表示部31は、長方形状を有し、前面筐体10の開口部10aに対応する表示画面31aを有する。また、基板32には、CPUやフラッシュメモリなどの図示しない制御回路や、メディアカードなどの記憶媒体用のインターフェース(図示せず)などが設けられている。基板32により、画像データの取得および液晶表示部31の表示制御などが行われる。液晶表示部31および基板32は、筐体2(前面筐体10および背面筐体20)よりも一回り小さく形成され、筐体2内部に収容されている。なお、図3、図4および図7では、本体部3の図示を省略している。
【0039】
次に、図3、図5および図8〜図11を参照して、本発明の一実施形態による前面筐体10の製造方法について説明する。
【0040】
まず、図5に示すように、プレス成形などによりインサート板金40を準備する。この際、側面部42には、貫通孔43と樹脂固定孔44とが、周方向(C方向)に沿って一列に並ぶように打ち抜きなどにより形成される。
【0041】
次に、樹脂部材50(図3参照)の射出成形を行う。まず、図8に示すように、インサート板金40を金型100にセットする。
【0042】
金型100は、コア部101とキャビティ部102とを主として含む。コア部101は、射出成形後の成形品(前面筐体10)を押し出すためのエジェクタピン111および112と、穴部13を形成するための傾斜ピン113とを含んでいる。傾斜ピン113には、インサート板金40の貫通孔43に挿入して係合するための係合凸部114が形成されている。なお、係合凸部114は、本発明の「凸部」の一例である。
【0043】
インサート板金40は、側面部42の6箇所(長辺40a側各2箇所および短辺40b側各1箇所、図5参照)の貫通孔43にそれぞれ傾斜ピン113の係合凸部114が挿入され、長辺部43aと係合凸部114の係合面114aとが係合した状態でコア部101にセットされる。これにより、インサート板金40は、貫通孔43の内面(長辺部43a)が係合凸部114の係合面114aと面接触した状態で金型100に支持される。
【0044】
次に、図8および図9に示すように、インサート板金40をコア部101にセットした状態で、コア部101をキャビティ部102側に移動させて金型100を閉じる。このとき、インサート板金40は、樹脂部材50の非形成領域(上面部41が露出する部分)でコア部101とキャビティ部102とにより挟み込まれる。このため、インサート板金40は、コア部101とキャビティ部102とにより上面部41が支持されるとともに、貫通孔43に係合する係合凸部114(傾斜ピン113)によって側面部42が支持される。
【0045】
金型100が閉じられると、次に金型100の内部に樹脂を充填する。図9に示すように、樹脂は、コア部101に設けられたゲート103を介して金型100の内部に注入される。図7に示したように、樹脂固定孔44には、インサート板金40の内表面40c側と外表面40d側とを接続するように樹脂が充填される。また、貫通孔43にも係合凸部114と長辺部43bとの間に樹脂が充填されることにより、内表面40c側と外表面40d側とを接続するように樹脂が貫通孔43内で部分的に充填される。なお、筐体2(前面筐体10)は、外観の仕上がりが品質上重要となる。このため、ゲート103は、前面筐体10の外観を良好に保つため、インサート板金40の内表面40c側から樹脂が注入されるように配置される。また、ゲート103は、周方向(C方向、図5参照)の所定の複数箇所に配置される。
【0046】
注入された樹脂が冷却され硬化すると、インサート板金40の側面部42と、上面部41の周縁部とに樹脂部材50が一体的に形成される。また、インサート板金40の内表面40c側の樹脂部材50と外表面40d側の樹脂部材50とが、貫通孔43および樹脂固定孔44(図7参照)を介して接続され、強固に固定される。次に、図10に示すように、コア部101をキャビティ部102から離間する方向に移動させて金型100を開く。
【0047】
そして、図11に示すように、エジェクタピン111および112と、傾斜ピン113とが、それぞれコア部101に対して相対的に移動し、成形品(前面筐体10)がコア部101から押し出される。この際、エジェクタピン111および112はキャビティ部102側に直線移動(相対移動)する一方、傾斜ピン113は、前面筐体10の内側(図11の左側)にスライドしながらキャビティ部102側に斜めに相対移動する。これにより、傾斜ピン113の係合凸部114がインサート板金40の貫通孔43から引き抜かれる。この結果、傾斜ピン113の係合凸部114とインサート板金40の貫通孔43との係合が解除される。そして、前面筐体10には、係合凸部114が引き抜かれた部分が穴部13として残る。
【0048】
以上により、インサート成形による前面筐体10の製造が完了する。
【0049】
なお、図2に示すように、前面筐体10には、本体部3(液晶表示部31および基板32)が収納された後に背面筐体20がセットされる。前面筐体10の穴部13に背面筐体20の係合爪部23が係合され(図4参照)、ビス留めにより前面筐体10と背面筐体20とが結合される。また、前面筐体10の表示面側で保護板4が段差部14に嵌め込まれるとともに固定され、デジタルフォトフレーム1が組み立てられる。
【0050】
本実施形態では、上記のように、前面筐体10に貫通孔43が設けられたインサート板金40を設けるとともに、前面筐体10の内面側に、樹脂部材50の内側表面50aからインサート板金40の貫通孔43の内部に到達する穴部13を形成することによって、金型100で樹脂成形を行う際に、インサート板金40の貫通孔43の内部に金型100の係合凸部114が挿入された状態で金型100内に樹脂が射出されることになる。このため、インサート板金40の貫通孔43に金型100の係合凸部114を係合させた状態で樹脂を注入することができるので、インサート板金40に加わる力(樹脂の射出圧)を金型100によって支持することができる。これにより、インサート板金40の変形を抑制するために樹脂の射出圧および射出速度を低下させる必要がなく、樹脂成形不良が発生しにくい最適な成形条件(射出圧および射出速度など)に設定した場合でも、インサート板金40が変形するのを効果的に抑制することができる。以上から、本実施形態の前面筐体10では、インサート板金40の変形を抑制しながら、樹脂成形不良が発生するのを抑制することができる。
【0051】
より具体的には、前面筐体10のように側面部42の全体を覆うように樹脂成形を行う場合には、通常、側面部42が金型100内部で支持されないことから、樹脂注入時の圧力でインサート板金40が変形しやすい。一方、インサート板金40の変形を防ぐために樹脂の射出圧および射出速度を低く設定すると、ウェルド(流動する樹脂の合流部分に発生する溝)やヒケ(樹脂の固化時の体積収縮に伴い発生する凹部)などの成形不良が発生しやすくなる。これに対して、本実施形態では、インサート板金40の側面部42が係合凸部114によって支持されるため、射出圧および射出速度を低下させることなく、インサート板金40の変形を抑制することができる。
【0052】
また、本実施形態では、上記のように、インサート板金40の貫通孔43を、インサート成形時に金型100(係合凸部114)と係合可能なように構成することによって、インサート板金40の貫通孔43を容易に金型100と係合させることができるので、樹脂成形時にインサート板金40の変形を効果的に抑制することができる。
【0053】
また、本実施形態では、上記のように、インサート板金40に貫通孔43に加えて樹脂固定孔44を設けるとともに、樹脂固定孔44の内部にインサート板金40の内表面40c側と外表面40d側とを接続するように樹脂部材50を充填することによって、インサート板金40の樹脂固定孔44を介して樹脂部材50が接続されるので、インサート板金40と樹脂部材50とを強固に固着させることができる。また、インサート板金40を作製する際に、貫通孔43と樹脂固定孔44とを同じ工程(孔形成工程)により形成することができるので、インサート板金40に凹部と樹脂固定孔44とを別個の工程で形成する場合と比較して、生産性を向上させることができる。
【0054】
また、本実施形態では、上記のように、インサート板金40の貫通孔43と樹脂固定孔44とを、側面部42の周方向(C方向)に沿って間隔を隔てて並ぶように形成することによって、インサート板金40を作製する際に貫通孔43と樹脂固定孔44とが間隔を隔てて並ぶため、孔形成に起因してインサート板金40の強度が低下するのを抑制することができる。
【0055】
また、本実施形態では、上記のように、貫通孔43の内部に、インサート板金40の内表面40c側と外表面40d側とを接続するように、樹脂部材50を部分的に充填することによって、樹脂注入時のインサート板金40の変形を抑制するための貫通孔43に、インサート板金40と樹脂部材50とを強固に固着させるための樹脂固定孔44としての機能を兼ねさせることができる。
【0056】
また、本実施形態では、上記のように、インサート成形品である前面筐体10の穴部13を、前面筐体10の内面側(樹脂部材50の内側表面50a)に形成するとともに、前面筐体10の外表面(樹脂部材50の外側表面50b)には到達しないように形成することによって、樹脂注入時のインサート板金40の変形を抑制するために穴部13を形成しても、穴部13によって前面筐体10の外観が損なわれることがない。すなわち、前面筐体10の外観をなんら損なうことなく、インサート板金40の変形と、樹脂の射出圧および射出速度低減に起因する樹脂成形不良の発生とを抑制することができる。
【0057】
また、本実施形態では、上記のように、前面筐体10の穴部13を、背面筐体20に設けられた係合爪部23と係合可能に形成することによって、インサート成形時(樹脂注入時)には、穴部13によってインサート板金40の変形を抑制することができ、かつ、インサート成形後にも、前面筐体10の穴部13を背面筐体20の係合爪部23との係合用穴として利用することができる。
【0058】
また、本実施形態では、上記のように、インサート板金40の貫通孔43の直線状の長辺部43aにおいて、貫通孔43の内面が穴部13を介して露出するように構成することによって、貫通孔43の直線状の長辺部43aを金型100と係合(接触)させた状態でインサート成形を行うことになる。このため、貫通孔43の直線状の長辺部43aでインサート板金40の内面(長辺部43a)と金型100(係合凸部114の係合面114a)とを面接触させることができるので、インサート板金40に加わる力(樹脂の射出圧)を金型100に安定して支持させることができる。
【0059】
また、本実施形態では、上記のように、略長方形状を有する貫通孔43を形成することによって、インサート板金40を作製する際に、直線状の長辺部43aを含む簡単な形状である略長方形状の貫通孔43を形成すればよいので、容易に、金型100と線接触または面接触可能な貫通孔43を形成することができる。
【0060】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0061】
たとえば、上記実施形態では、本発明をデジタルフォトフレームに適用した例を示したが、本発明はこれに限られない。デジタルフォトフレーム以外の電子機器に本発明を適用してもよい。たとえば、携帯電話機やテレビジョン装置などの電子機器に本発明を適用してもよい。
【0062】
また、上記実施形態では、本発明のインサート成形品の一例として、デジタルフォトフレームの筐体(前面筐体)に本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、インサート板金と樹脂部材とを備えるインサート成形品であれば、筐体以外のインサート成形品に適用してもよい。
【0063】
また、上記実施形態では、インサート板金に金型と係合可能な貫通孔を形成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図12の変形例に示すように、貫通孔に代えて、インサート板金に凹部243を形成してもよい。図12の変形例による前面筐体210のインサート板金240には、金型100の係合凸部114(図8参照)と係合可能な凹部243が形成されている。そして、前面筐体210には、樹脂部材250の内側表面からインサート板金240の凹部243の内部に到達する穴部213が形成されている。このように構成した場合にも、凹部243と金型100(係合凸部114)とを係合させることにより、インサート形成時におけるインサート板金240の変形を抑制しながら、樹脂成形不良が発生するのを抑制することができる。
【0064】
また、上記実施形態では、インサート板金に金型と係合可能な貫通孔と、樹脂が充填される樹脂固定孔とを設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、インサート板金に貫通孔のみを設けてもよい。特に、上記実施形態のように貫通孔に部分的に樹脂が充填されるように構成した場合には、貫通孔が樹脂固定孔としての機能を兼ねることが可能であるので、貫通孔のみ設けた場合でも、十分にインサート板金と樹脂部材とを固定することが可能である。
【0065】
また、上記実施形態では、インサート板金の貫通孔に、部分的に樹脂部材を充填する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、貫通孔に樹脂部材が充填されないように構成してもよい。
【0066】
また、上記実施形態では、インサート板金の貫通孔と樹脂固定孔とを、周方向(C方向)に沿って間隔を隔てて並ぶように形成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、貫通孔と樹脂固定孔とを並べて配置しなくてもよい。
【0067】
また、上記実施形態では、貫通孔を略長方形状に形成するとともに、樹脂固定孔を円形状に形成した例を示したが、本発明はこれに限られない。貫通孔および樹脂固定孔の形状は、どのような形状であってもよい。
【0068】
また、上記実施形態では、穴部を前面筐体の内表面側に形成するとともに、前面筐体の外表面には到達しないように穴部を形成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、穴部がインサート成形品の内表面から外表面まで貫通するように形成してもよい。特に、外観の仕上がりが重要でないインサート成形品に本発明を適用する場合には、穴部が外表面に形成されていても何ら問題ない。
【0069】
また、上記実施形態では、インサート板金の貫通孔に直線状部分(長辺部)を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、貫通孔に直線状部分を設けなくともよい。
【0070】
また、上記実施形態では、インサート板金の側面部に貫通孔を形成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、貫通孔をインサート板金のどのような位置に形成してもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、前面筐体の穴部を背面筐体の係合爪部と係合可能に形成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、一方筐体の穴部を他方筐体の係合爪部と係合しないように形成してもよい。
【符号の説明】
【0072】
1 デジタルフォトフレーム(電子機器)
2 筐体
3 本体部
10、210 前面筐体(一方筐体)
13、213 穴部
20 背面筐体(他方筐体)
23 係合爪部
40、240 インサート板金
41 上面部
42 側面部
43 貫通孔
43a 長辺部(直線状の係合部分)
44 樹脂固定孔
50、250 樹脂部材
100 金型
114 係合凸部(凸部)
243 凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
凹部または貫通孔が設けられたインサート板金と、
前記インサート板金の前記凹部または貫通孔を取り囲むように形成された樹脂部材とを備え、
前記樹脂部材の表面から前記インサート板金の前記凹部または貫通孔の内部に到達する穴部が形成されている、インサート成形品。
【請求項2】
前記インサート板金の前記凹部または貫通孔は、インサート成形時に金型と係合可能なように構成されている、請求項1に記載のインサート成形品。
【請求項3】
前記インサート板金には、前記貫通孔が設けられており、
前記インサート板金は、前記貫通孔に加えて樹脂固定孔を有し、
前記樹脂固定孔の内部には、前記インサート板金の一方表面側と他方表面側とを接続するように前記樹脂部材が充填されている、請求項1または2に記載のインサート成形品。
【請求項4】
前記インサート板金は、複数の前記樹脂固定孔を有し、前記貫通孔と前記樹脂固定孔とが間隔を隔てて並ぶように形成されている、請求項3に記載のインサート成形品。
【請求項5】
前記貫通孔の内部には、前記インサート板金の前記一方表面側と前記他方表面側とを接続するように、前記樹脂部材が部分的に充填されている、請求項3または4に記載のインサート成形品。
【請求項6】
前記インサート成形品は、一方筐体を構成し、
前記穴部は、前記一方筐体の内面側に形成されているとともに、前記一方筐体の外表面には到達しない、請求項1〜5のいずれか1項に記載のインサート成形品。
【請求項7】
前記一方筐体の前記穴部は、他方筐体に設けられた係合爪部と係合可能に形成されている、請求項6に記載のインサート成形品。
【請求項8】
前記インサート板金の前記凹部または貫通孔の内面は、直線状の係合部分を含み、
前記凹部または貫通孔の前記直線状の係合部分において、前記凹部または貫通孔の内面が前記穴部を介して露出している、請求項1〜7のいずれか1項に記載のインサート成形品。
【請求項9】
前記凹部または貫通孔は略長方形状を有する、請求項8に記載のインサート成形品。
【請求項10】
前記インサート板金は、上面部または底面部と、前記上面部または底面部に対して屈曲した側面部とを含み、
前記樹脂部材は、前記側面部を取り囲むように形成され、
前記凹部または貫通孔は、前記側面部に形成されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載のインサート成形品。
【請求項11】
本体部と、前記本体部を収容する一方筐体および他方筐体とを備え、
前記一方筐体は、
凹部または貫通孔が設けられたインサート板金と、
前記インサート板金の前記凹部または貫通孔を取り囲むように形成された樹脂部材とを含み、
前記一方筐体の内面側には、前記樹脂部材の表面から前記インサート板金の前記凹部または貫通孔の内部に到達する穴部が形成されている、電子機器。
【請求項12】
前記他方筐体は、前記一方筐体の前記穴部と係合可能に形成された係合爪部を含む、請求項11に記載の電子機器。
【請求項13】
凹部または貫通孔が設けられたインサート板金を準備する工程と、
前記凹部または貫通孔に金型の凸部を係合させた状態で前記インサート板金を前記金型にセットする工程と、
前記凹部または貫通孔に前記金型の凸部を係合させた状態で前記金型に樹脂を注入し、前記インサート板金の前記凹部または貫通孔を取り囲むように樹脂部材を形成する工程と、を備える、インサート成形方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−245692(P2012−245692A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−119023(P2011−119023)
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】