説明

インストルメントパネルおよび自動車両

【課題】低消費電力性に優れた表示装置を備えたインストルメントパネルや自動車両を提供する。
【解決手段】インストルメントパネルが備える表示装置は、照明装置と、照明装置から出射した光を用いて表示を行う表示パネルとを有する。照明装置は、表示パネルの表示領域のうち、インストルメントパネルの表示領域として用いられない部分には光を実質的に出射しないように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関し、特に、照明装置を備えた表示装置およびその駆動方法に関する。また、本発明は、そのような表示装置を備えたインストルメントパネルや自動車両にも関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置は、薄型で低消費電力であるという特長を生かして、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話、液晶モニターを備えたカメラ一体型VTRなどに広く用いられている。
【0003】
液晶表示装置は、CRT(ブラウン管)やEL(エレクトロルミネッセンス)表示装置とは異なり、自ら発光する自発光型の表示装置ではない。そのため、液晶表示装置は、液晶表示パネルの背面側に設けられた照明装置(バックライトと呼ばれる)を備えており、このバックライトからの光を用いて表示を行う。
【0004】
バックライト用の光源としては、従来、冷陰極管が用いられることが多かったが、最近では、環境への配慮などの観点から水銀レス化の必要性が高まっており、そのためにバックライト用の光源としてLED(発光ダイオード)を用いることが提案されている。
【0005】
ところが、LEDは、現在のところ、光変換効率の点で冷陰極管に劣っている。そのため、LEDを用いて冷陰極管と同等の高輝度を実現すると、消費電力が増大してしまう。
【0006】
この問題を解決する技術として、特許文献1には、照明装置と液晶表示パネルとの間に反射型偏光板を設けることによって光の利用効率を高くし、そのことによって低消費電力化を図る手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−202781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、液晶表示装置には、その用途によっては極めて優れた低消費電力性が要求されるので、上記特許文献1に開示されている手法を用いても、所望のレベルの低消費電力性が得られないことがある。
【0009】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、低消費電力性に優れた表示装置およびその駆動方法、ならびにそのような表示装置を備えたインストルメントパネルや自動車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による表示装置は、照明装置と、前記照明装置から出射した光を用いて表示を行う表示パネルと、前記照明装置を制御する制御回路とを備えた表示装置であって、前記照明装置は、それぞれに少なくとも1つの光源が属する複数の光源ブロックを有し、前記表示パネルの表示領域は、それぞれが前記複数の光源ブロックのそれぞれから出射した光を用いて表示を行う複数の領域を有し、前記制御回路は、前記複数の領域のそれぞれに入力される表示信号のレベルを検出し、検出した表示信号のレベルに応じて各光源ブロックの輝度を制御することができ、そのことによって上記目的が達成される。
【0011】
ある好適な実施形態において、前記制御回路は、前記複数の領域のそれぞれについて検出した表示信号のうちの最も高い表示輝度に対応した表示信号のレベルに応じ、当該表示信号に対応する表示輝度が高いほど光源ブロックの輝度が高いという予め定められた関係に基づいて各光源ブロックの輝度を制御する。
【0012】
ある好適な実施形態において、前記制御回路は、各光源ブロックの輝度を、各光源ブロックに属する光源の発光強度を変化させることによって制御する。
【0013】
ある好適な実施形態において、前記制御回路は、各光源ブロックの輝度を、各光源ブロックに属する光源の点灯時間を変化させることによって制御し得る。
【0014】
ある好適な実施形態において、前記複数の領域は、前記表示パネルの水平走査方向に沿って配列された少なくとも2つの領域を含む。
【0015】
ある好適な実施形態において、前記制御回路は、水平走査方向に沿って配列された前記少なくとも2つの領域に入力される表示信号のレベルを、特定の水平走査期間を分割した複数の期間に順次検出する。
【0016】
ある好適な実施形態において、前記複数の領域は、前記表示パネルの垂直走査方向に沿って配列された少なくとも2つの領域を含む。
【0017】
ある好適な実施形態において、前記制御回路は、垂直走査方向に沿って配列された前記少なくとも2つの領域に入力される表示信号のレベルを、特定の垂直走査期間を分割した複数の期間に順次検出する。
【0018】
ある好適な実施形態において、前記複数の光源ブロックのそれぞれは、隣接する光源ブロックとの境界近傍に、隣接する光源ブロックに属する光源と同様に制御されるさらなる光源を有している。
【0019】
ある好適な実施形態において、前記制御回路は、各光源ブロックの輝度を、複数の垂直走査期間について一度変化させる。
【0020】
ある好適な実施形態において、前記制御回路は、ドットクロック信号を計数する水平カウンタと、前記水平カウンタのカウント値をデコードしてデコード信号を出力するデコーダと、表示信号のレベルに応じた光源制御信号を前記デコード信号に基づいて前記複数の光源ブロックのいずれかに選択的に出力する光源制御信号生成装置と、を有する。
【0021】
ある好適な実施形態において、前記制御回路は、水平同期信号を計数する垂直カウンタと、前記垂直カウンタのカウント値をデコードしてデコード信号を出力するデコーダと、表示信号のレベルに応じた光源制御信号を前記デコード信号に基づいて前記複数の光源ブロックのいずれかに選択的に出力する光源制御信号生成装置と、を有する。
【0022】
ある好適な実施形態において、前記制御回路は、ドットクロック信号を計数する水平カウンタと、水平同期信号を計数する垂直カウンタと、前記水平カウンタおよび前記垂直カウンタのカウント値をデコードしてデコード信号を出力するデコーダと、表示信号のレベルに応じた光源制御信号を前記デコード信号に基づいて前記複数の光源ブロックのいずれかに選択的に出力する光源制御信号生成装置と、を有する。
【0023】
ある好適な実施形態において、前記照明装置は、前記複数の光源ブロックに対して共通に設けられた電源装置を備える。
【0024】
ある好適な実施形態において、前記電源装置は一定の大きさの電流を出力する。
【0025】
ある好適な実施形態において、前記電源装置はリミッタを有する。
【0026】
ある好適な実施形態において、前記照明装置は、エッジライト型の照明装置である。
【0027】
ある好適な実施形態において、前記照明装置は、直下型の照明装置である。
【0028】
ある好適な実施形態において、前記表示パネルは、互いに対向する一対の基板と、前記一対の基板間に設けられた液晶層とを有する。
【0029】
ある好適な実施形態において、本発明による表示装置は、自動車両に搭載される表示装置である。
【0030】
本発明によるインストルメントパネルは、上記の構成を有する表示装置を備えており、そのことによって上記目的が達成される。
【0031】
ある好適な実施形態において、前記照明装置は、前記表示パネルの表示領域のうち、インストルメントパネルの表示領域として用いられない部分には光を実質的に出射しないように構成されている。
【0032】
あるいは、本発明によるインストルメントパネルは、表示装置を備えたインストルメントパネルであって、前記表示装置は、照明装置と、前記照明装置から出射した光を用いて表示を行う表示パネルとを有し、前記照明装置は、前記表示パネルの表示領域のうち、インストルメントパネルの表示領域として用いられない部分には光を実質的に出射しないように構成されている。
【0033】
本発明による自動車両は、上記の構成を有するインストルメントパネルを備えており、そのことによって上記目的が達成される。
【0034】
本発明による表示装置の駆動方法は、照明装置と、前記照明装置から出射した光を用いて表示を行う表示パネルとを備え、前記照明装置は、それぞれに少なくとも1つの光源が属する複数の光源ブロックを有し、前記表示パネルの表示領域は、それぞれが前記複数の光源ブロックのそれぞれから出射した光を用いて表示を行う複数の領域を有する表示装置の駆動方法であって、前記複数の領域のそれぞれに入力される表示信号のレベルを検出するステップと、検出した表示信号のレベルに応じて各光源ブロックの輝度を制御するステップと、を包含し、そのことによって上記目的が達成される。
【0035】
ある好適な実施形態において、各光源ブロックの輝度を制御するステップは、前記複数の領域のそれぞれについて検出した表示信号のうちの最も高い表示輝度に対応した表示信号のレベルに応じ、当該表示信号に対応する表示輝度が高いほど光源ブロックの輝度が高くなるように行われる。
【0036】
ある好適な実施形態において、各光源ブロックの輝度を制御するステップは、各光源ブロックに属する光源の発光強度を変化させることによって行われる。
【0037】
ある好適な実施形態において、各光源ブロックの輝度を制御するステップは、各光源ブロックに属する光源の点灯時間を変化させることによって行われる。
【発明の効果】
【0038】
本発明による液晶表示装置は、照明装置を制御する制御回路を備えている。この制御回路は、表示パネルの表示領域が有する複数の領域のそれぞれに入力される表示信号(少なくとも1つの表示信号)のレベルを検出し、検出した表示信号のレベルに応じて各光源ブロックの輝度を制御することができる。そのため、無駄な光の出射を抑制して照明装置の消費電力を低減することができ、液晶表示装置全体としての消費電力も低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の好適な実施形態における液晶表示装置100を模式的に示す図である。
【図2】本発明の好適な実施形態における液晶表示装置100を模式的に示す斜視図である。
【図3】液晶表示装置100が備える制御回路30を模式的に示すブロック図である。
【図4】制御回路30が備える光源制御信号生成装置33を模式的に示すブロック図である。
【図5】各光源ブロックに設けられた光源制御装置を模式的に示すブロック図である。
【図6】光源ブロック12A〜12Dを制御するためのタイミングチャートである。
【図7】表示信号の階調と、光源輝度との関係の一例を示すグラフである。
【図8】表示信号の階調と、光源輝度との関係の一例を示すグラフである。
【図9】液晶表示装置100をインストルメントパネル用の表示装置として用いた場合の表示を模式的に示す図である。
【図10】光源ブロック12A〜12Dに含まれる光源の配置例を示す図である。
【図11】光源ブロック12A〜12Dに含まれる光源の他の配置例を示す図である。
【図12】他の制御回路30Aを模式的に示すブロック図である。
【図13】(a)および(b)は、本発明の好適な実施形態における他の液晶表示装置200を模式的に示す図であり、(a)は断面図、(b)は分解斜視図である。
【図14】液晶表示装置200が備える制御回路30Bを模式的に示すブロック図である。
【図15】他の光源制御信号生成装置33Aを模式的に示すブロック図である。
【図16】インストルメントパネルの実際の表示領域の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0041】
図1および図2に、本実施形態における液晶表示装置100を模式的に示す。液晶表示装置100は、図1に示すように、照明装置(バックライト)10と、照明装置10から出射した光を用いて表示を行う液晶表示パネル20と、照明装置10に接続され、照明装置10を制御する制御回路30とを備えている。
【0042】
照明装置10は、図2に示すように、複数の光源ブロック12A〜12Dと、光源ブロック12A〜12Dから出射した光を液晶表示パネル20に導く導光板(導光体)13とを備えたエッジライト型のバックライトである。
【0043】
光源ブロック12A〜12Dのそれぞれは、少なくとも1つの光源を含む、光源の集合体(光源が1つの場合には光源単体)である。光源ブロック12A〜12Dのそれぞれに属する光源は、例えばLEDである。また、光源ブロック12A〜12Dのそれぞれには、制御回路30から出力された信号に基づいて光源を制御する光源制御装置(ここでは不図示)が設けられている。
【0044】
導光板13としては、例えば、種々の公知の導光板を用いることができる。導光板13には、導光板13内部を伝播する光を液晶表示パネル20側に取り出すための構造が設けられている。例えば、導光板13の2つの主面のうちの少なくとも一方にプリズムやシボなどが形成されている。
【0045】
液晶表示パネル20は、互いに対向する一対の基板20aおよび20bと、これらの基板20aおよび20b間に設けられた液晶層21とを有している。基板20aおよび20bの液晶層21側には、液晶層21に電圧を印加するための電極や液晶層21の配向方向を規定するための配向膜(いずれも不図示)などが設けられている。
【0046】
液晶表示パネル20の表示領域は、それぞれが複数の画素を有する複数の領域22A〜22Dに分割されている。領域22A〜22Dのそれぞれは、光源ブロック12A〜12Dのそれぞれに一対一で対応しており、対応した光源ブロックから出射した光を用いて表示を行う。本実施形態では、これらの領域22A〜22Dは、液晶表示パネル10の水平走査方向(典型的には走査配線の延びる方向と一致する)に沿って配列されており、複数の光源ブロック12A〜12Dも同様に水平走査方向に沿って配列されている。
【0047】
制御回路30は、表示パネル20の複数の領域22A〜22Dのそれぞれに入力される少なくとも1つの表示信号のレベルを検出し、検出した表示信号のレベルに応じて、光源ブロック12A〜12Dのそれぞれの輝度を制御することができる。なお、本実施形態では、制御回路30には、表示信号だけでなく、水平同期信号や垂直同期信号、ドットクロック信号なども入力され、そのことによって上記の制御が可能になっている。
【0048】
また、本実施形態における制御回路30は、光源ブロック12A〜12Dのそれぞれの輝度を、領域22A〜22Dのそれぞれについて検出した表示信号のうちの最も高い表示輝度に対応した表示信号のレベルに応じ、表示輝度が高いほど光源ブロックの輝度が高いという予め定められた関係に基づいて制御する。
【0049】
以下、図3〜図6を参照しながら制御回路30の具体的な構成を説明する。図3、図4および図5は、制御回路30の構成の一例を示す図であり、図6は、光源ブロック12A〜12Dを制御するためのタイミングチャートの一例である。本実施形態における制御回路30は、図3に示すように、水平カウンタ(Hカウンタ)31、デコーダ32および光源制御信号生成装置33を有している。
【0050】
Hカウンタ31は、水平同期信号をリセット信号として、ドットクロック信号を計数する。デコーダ32は、Hカウンタ31のカウント値に応じて後述するようなデコード信号を光源制御信号生成装置33に出力する。光源制御信号生成装置33には、表示信号と、デコーダ32から出力されたデコード信号とが入力され、光源制御信号生成装置33は、光源を制御するための光源制御信号を表示信号に基づいて生成する。なお、図示していないが、ドットクロック信号は、デコーダ32や光源制御信号生成装置33にも入力される。
【0051】
デコーダ32は、光源制御信号生成装置33が光源ブロック12A〜12Dのいずれか1つを選択するようなデコード信号を生成する。例えば、1水平走査期間中の、表示信号が有効に書き込まれる期間におけるドットクロック数を640としたとき、デコーダ32は、カウント値1〜160の期間は光源ブロック12A、カウント値161〜320の期間は光源ブロック12B、カウント値321〜480の期間は光源ブロック12C、カウント値481〜640の期間は光源ブロック12Dが選択されるようなデコード信号を出力する。そのため、光源制御信号生成装置33によって生成された光源制御信号は、光源ブロック12A〜12Dのいずれか1つに選択的に出力される。
【0052】
光源制御信号生成装置33は、図4に示すように、表示信号ラッチ回路34、信号レベル比較器35、信号レベルメモリ36および光源制御装置セレクタ37を有している。
【0053】
光源制御信号生成装置33に入力された表示信号は、表示信号ラッチ回路34によってドットクロックのタイミングでラッチされた後、信号レベル比較器35に出力される。信号レベル比較器35は、ラッチされた表示信号S1と、信号レベルメモリ36から読み出された表示信号S2とを比較し、表示輝度の高い方の信号を出力する。表示信号のレベルが高いときに高輝度表示を行う表示モードでは、信号レベル比較器35は、表示信号S1およびS2のうちのレベルが高い方を出力する。また、表示信号のレベルが低いときに高輝度表示を行う表示モードでは、信号レベル比較器35は、表示信号S1およびS2のうちのレベルが低い方を出力する。
【0054】
信号レベル比較器35から出力された信号は、信号レベルメモリ36と光源制御装置セレクタ37とに送られる。信号レベル比較器35からは、表示輝度の高い方の表示信号が逐次出力されるので、信号レベルメモリ36には、常に表示輝度の高い方の表示信号が記憶される。従って、最終的には、検出した表示信号のうち、最も高い表示輝度に対応した表示信号が記憶されることになる。光源制御装置セレクタ37は、デコーダ32から出力されたデコード信号に応じ、光源ブロック12A〜12Dのいずれかの光源制御装置14A〜14Dに光源制御信号を出力する。本実施形態では、光源制御セレクタ37からは、入力された表示信号に対応する表示輝度が高いほど、光源ブロックの発光強度が強くなるような光源制御信号が出力される。なお、本実施形態では、デコーダ32から出力されるデコード信号を、表示信号ラッチ回路34および信号レベルメモリ36のリセット信号としても用いている。
【0055】
図5に、光源ブロック12A〜12Dのそれぞれに設けられた光源制御装置14A〜14Dの具体的な構成の一例を示す。
【0056】
光源制御装置14A〜14Dのそれぞれは、デジタル/アナログ(D/A)変換回路15と、光源駆動回路16とを有する。光源制御装置に入力された光源制御信号は、D/A変換回路15によって所定のサンプリングタイミングでデジタル形式からアナログ形式に変換(D/A変換)される。なお、図示していないが、D/A変換回路15は、サンプリングタイミングで光源制御信号をラッチする機能も有している。サンプリングタイミングとしては、例えば、デコード信号の切換えのタイミングが用いられる。D/A変換された光源制御信号は、光源駆動回路16で光源用の駆動電流に変換された後、対応した光源へ送られる。なお、必要に応じ、D/A変換された光源制御信号を光源駆動回路16に送る前にローパスフィルタ(LPF)に通してもよい。
【0057】
上述したように、本実施形態における制御回路30は、表示領域を分割した複数の領域22A〜22Dのそれぞれに入力される表示信号のレベルを検出し、検出した表示信号のレベルに応じて、各光源ブロックの輝度を制御することができる。
【0058】
図6には、256階調の表示が可能なγ=2.2の表示装置において、領域22Aの一部および領域22Bの一部で中間調の表示(128階調の表示)が行われ、領域22Cの全体および領域22Dの全体で黒表示(0階調の表示)が行われる場合を例示している。また、図6中のA〜Dの表記は、それぞれ光源ブロック12A〜12Dを指している。
【0059】
図6に示されるように、領域22Aおよび22Bに入力される表示信号には、128階調に対応したレベルの表示信号が含まれているため、領域22Aおよび22Bに対応した光源ブロック12Aおよび12Bは、輝度が22%となるように制御される。これに対し、領域22Cおよび22Dに入力される表示信号には、0階調に対応したレベルの表示信号しか含まれていないので、領域22Cおよび22Dに対応した光源ブロック12Cおよび12Dは、輝度が0%となるように制御される。
【0060】
従来の液晶表示装置では、照明装置の光源は、表示領域に入力される表示信号のレベルにかかわらず、輝度が常に100%となるように制御される。これに対し、本実施形態における液晶表示装置100では、上述したように、表示領域を分割した各領域に入力される表示信号のレベルに応じて、各光源ブロックの輝度が制御される。そのため、一部(あるいは全部)の光源ブロックの輝度を各領域で表示されるコンテンツに応じて低くする(あるいはゼロにする)ことができ、照明装置10全体としての消費電力を低減することができる。
【0061】
なお、表示信号の階調と、光源輝度との関係は、図7に示すようなγ=2.2に合わせた関係であってもよいし、図8に示すようなγ=1.0に合わせた正比例な関係であってもよい。勿論、これらに限定されるものではない。
【0062】
また、表示信号の階調と光源輝度との関係として例えばガンマ特性に合わせたものを用い、さらに、表示装置の周辺の環境状況(晴天や雨天などの気象状況や、現在の時刻(昼間であるか夜間であるか)など)に応じて、光源輝度の基準値(100%に対応した輝度)を変化させてもよい。例えば、晴天時や昼間には、光源輝度の基準値を高くして外部に対する相対的な輝度を高くし、雨天時や夜間には、光源輝度の基準値を低くして外部に対する相対的な輝度を低くしてもよい。気象状況は、例えばセンサで感知すればよく、時刻データは、表示装置の外部から適宜容易に入手することができる。
【0063】
また、本実施形態では、各光源ブロックの輝度を、光源の発光強度を変化させることによって制御する場合を例示したが、光源の点灯時間を変化させることによって各ブロックの輝度を制御してもよい。例えば、光源駆動回路16をパルス幅変調方式によってオン・オフ駆動し、それによって光源の点灯時間を変化させることができる。
【0064】
さらに、図6には、表示信号レベルの検出を、すべての水平走査期間について行う場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。表示信号レベルの検出を、1垂直走査期間に含まれる水平走査期間のうちの特定の1水平走査期間について(すなわち特定の1つの行の画素について)行ってもよいし、特定の複数の水平走査期間について(すなわち特定の複数の行の画素について)行ってもよい。制御回路30が、各光源ブロックの輝度を、複数の垂直走査期間について一度変化させるような構成を採用すると、より違和感のない表示を行うことができる。
【0065】
照明装置10の製造コストを低減する観点からは、複数の光源ブロック12A〜12Dに対して電源装置が共通に設けられていることが好ましい。電源装置が一定の大きさの電流を出力するようにすると、照明装置10全体としての輝度を一定にすることができる。また、電源装置に出力電流を一定値以下に制限するリミッタを設けることで、照明装置10全体としての消費電力を一定値以下とすることができる。
【0066】
本実施形態における液晶表示装置100は、図9に示すように、自動車両に搭載されるインストルメントパネル用の表示装置として好適に用いられる。インストルメントパネル用の液晶表示装置100には、自動車両の運転に必要な情報を含む種々の情報が表示される。図9には、車両速度およびエンジンの回転数を表示している場合を例示しているが、勿論、表示される情報はこれらに限定されない。燃料残量、水温、バッテリ残量、シフトレバーのポジションなどを表示してもよい。なお、図9では、目盛りと針とを用いるアナログ式メータを模した表示を行っているが、時々刻々と数字が変化するデジタル式メータを模した表示を行ってもよいし、グラフィックイコライザのようにして速度などを表示してもよい。
【0067】
図9に示したインストルメントパネル用の液晶表示装置100では、運転者は、車両速度を表示する領域22Bと、エンジンの回転数を表示する領域22Cとを見る頻度が高く、他の領域22Aおよび22Dを見る頻度は低い。そのため、領域22Aおよび22Dに対応した光源ブロック12Aおよび12Dの輝度を相対的に低くしても、実用上の問題はない。このように、インストルメントパネル用の液晶表示装置100では、表示領域を分割した複数の領域ごとに表示されるコンテンツが予めある程度決定されているので、本発明を好適に用いることができる。
【0068】
次に、光源ブロック12A〜12Dに含まれる光源の具体的な配置を説明する。図10および図11に、光源の配置例を示す。なお、図10および図11では、同一の光源制御信号で駆動される光源に同じローマ字を付している。
【0069】
図10に示す配置では、光源ブロック12A〜12Dのそれぞれに属するすべての光源11が同一の光源制御信号で駆動される。これに対し、図11に示す配置では、光源ブロック12A〜12Dのそれぞれに属する複数の光源のうち、一部の光源11’が他の光源11とは異なる光源制御信号で駆動される。具体的には、それぞれの光源ブロックは、隣接する光源ブロックとの境界近傍に、隣接する光源ブロックに属する光源11と同様に制御される(同一の光源制御信号で駆動される)光源11’を有している。光源11’は、隣接する光源ブロックの光源駆動回路に接続されている。図11に示すように光源を配置すると、光源ブロックの境界間の輝度差が目立たなくるので、視覚的な違和感の発生を抑制できる。
【0070】
なお、上記の説明では、光源ブロック12A〜12Dが表示パネル20の水平走査方向に沿って配置されており、表示領域が水平走査方向に沿って配列された複数の領域に分割されている場合を説明したが、光源ブロック12A〜12Dは、表示パネル20の垂直走査方向に沿って配置されていてもよく、表示領域は垂直走査方向に沿って配列された複数の領域に分割されていてもよい。
【0071】
複数の領域が水平走査方向に沿って配列されている場合、制御回路30は、複数の領域に入力される表示信号のレベルを、例えば上述したように、特定の水平走査期間を分割した複数の期間に順次検出すればよい。これに対し、複数の領域が垂直走査方向に沿って配列されている場合、制御回路30は、複数の領域に入力される表示信号のレベルを、例えば、特定の垂直走査期間を分割した複数の期間に順次検出すればよい。このような検出を行うための制御回路の構成を図12に示す。
【0072】
図12に示す制御回路30Aは、Hカウンタ31に代えて垂直カウンタ(Vカウンタ)31’を有している点において、図3に示した制御回路30と異なっている。Vカウンタ31’は、1水平走査期間ごとに入力される信号(例えば水平同期信号)を計数する。Vカウンタ31’のリセット信号としては、例えば垂直同期信号を用いることができる。デコーダ32は、Vカウンタ31’のカウント値に応じたデコード信号を光源制御信号生成装置33に出力する。光源制御信号生成装置33は、デコード信号に応じて光源ブロック12A〜12Dのいずれかに光源制御信号を出力する。このような構成により、垂直走査方向に沿って配置された複数の光源ブロック12A〜12Dを制御することができる。
【0073】
本実施形態では、エッジライト型の照明装置10を備えた液晶表示装置100を例として本発明を説明したが、本発明は、直下型の照明装置を備えた液晶表示装置にも好適に用いられる。
【0074】
図13(a)および(b)に、直下型の照明装置10’を備えた液晶表示装置200を示す。図13(a)は、液晶表示装置200を模式的に示す断面図であり、図13(b)は、液晶表示装置200を模式的に示す分解斜視図である。
【0075】
液晶表示装置200の照明装置10’は、図13(a)に示すように、液晶表示パネル20’の直下に設けられた複数の光源11を備えた直下型の照明装置である。光源11は、例えばLEDである。
【0076】
照明装置10’の複数の光源11は、図13(b)に示すように、複数の光源ブロック12A〜12Iに区画されており、これらの光源ブロック12A〜12Iは、液晶表示パネル20の水平走査方向および垂直走査方向の両方に沿って(すなわちマトリクス状に)配置されている。
【0077】
また、液晶表示パネル20’の表示領域は、複数の領域22A〜22Iに分割されている。これらの領域22A〜22Iは、水平走査方向および垂直走査方向の両方に沿って(すなわちマトリクス状に)配置されている。領域22A〜22Iのそれぞれは、光源ブロック12A〜12Iのそれぞれに一対一で対応しており、対応した光源ブロックから出射した光を用いて表示を行う。
【0078】
図14に、マトリクス状に配置された光源ブロック12A〜12Iを有する照明装置10’を駆動するための制御回路の構成の一例を示す。
【0079】
図14に示す制御回路30Bは、Hカウンタ31に加えてVカウンタ31’を有している点において、図3に示した制御回路30と異なっている。Hカウンタ31は、例えば水平同期信号をリセット信号としてドットクロック信号を計数する。Vカウンタ31’は、例えば垂直同期信号をリセット信号として水平同期信号を計数する。
【0080】
デコーダ32は、Hカウンタ31のカウント値と、Vカウンタ31’のカウント値とに応じたデコード信号を光源制御信号生成装置33に出力する。光源制御信号生成装置33は、デコード信号に応じて光源ブロック12A〜12Iのいずれかに光源制御信号を出力する。このような構成により、水平走査方向および垂直走査方向に沿ってマトリクス状に配置された複数の光源ブロック12A〜12Iを制御することができる。
【0081】
なお、表示信号レベルの検出は、図13(b)中に点線で示すように、特定の画素行および画素列について行ってもよいし、すべての画素について行ってもよい。表示領域を分割した領域22A〜22Iのそれぞれにおいて、少なくとも1つの画素に入力される表示信号のレベルを検出すれば、光源ブロック12A〜12Iの制御を行うことができる。
【0082】
また、表示領域を分割した複数の領域の個数や、個々の領域の面積等は、本実施形態で例示したものに限定されない。表示領域は任意の個数の領域に分割することができるし、個々の領域の面積は同じでなくてよい。
【0083】
本実施形態では、表示領域を分割した各領域において、検出された表示信号のうちの最も高い表示輝度に対応した表示信号のレベルに応じて光源ブロックの輝度を制御する場合について説明を行ったが、本発明はこれに限定されない。例えば、各領域に入力される複数の表示信号のレベルの平均値に応じて、各光源ブロックの輝度を制御してもよい。
【0084】
図15に、表示信号レベルの平均値に基づいて制御を行うための具体的な構成の一例を示す。図15に示す光源制御信号生成装置33Aは、信号レベル比較器35に代えて演算回路38を有している点において、図4に示した光源制御信号生成装置33と異なっている。光源制御信号生成装置33Aでは、表示信号ラッチ回路34によってラッチされた表示信号は、順次信号レベルメモリ36に一旦送られる。そして、それらの表示信号のレベルの平均値が演算回路38によって求められ、その後光源制御装置セレクタ37に送られる。このような構成により、表示信号レベルの平均値に基づいた制御を行うことが可能になる。
【0085】
本発明は、各種の表示装置に好適に用いられるが、既に述べたインストルメントパネル用の表示装置やアミューズメント用の表示装置のような、人為的に作られた(つまり自然画でない)コンテンツを表示する表示装置に特に好適に用いられる。どのようなコンテンツが表示されるのかが予め分かっていれば、表示領域の分割数や分割した個々の領域の面積・配置等を最適化することができ、効果的に消費電力を低減できるからである。アミューズメント用の表示装置とは、遊戯目的で製造される表示装置であって、例えば、ビデオゲーム機やパチンコ遊技機、パチスロ遊技機等に設けられる表示装置である。
【0086】
なお、インストルメントパネルに表示装置を搭載する場合、表示パネルの表示領域に、インストルメントパネルの表示領域としては用いられない部分が存在することがある。例えば、インストルメントパネルの実際の表示領域は、図16に示すように、厳密な矩形ではないことが多い。インストルメントパネルの表示領域が、図16に例示したようにかまぼこの断面と同様の形状を有する場合、矩形の表示パネルの表示領域のうち、上部の2つの角に対応した部分は表示に寄与しない。
【0087】
このように、表示パネルの表示領域がインストルメントパネルの表示領域としては用いられない部分を含んでいる場合には、制御回路が、表示信号のレベルに関係なく、そのような部分には光を実質的に出射しないように構成されていると、消費電力をさらに低減することができる。例えば、エッジライト型の照明装置の場合には、導光板の形状をインストルメントパネルの表示領域の形状とほぼ同じとすることによって、そのような部分に光を出射しないことが可能になるし、直下型の照明装置の場合には、そのような部分の直下には光源を配置しないことによって、そのような部分に光を出射しないことが可能になる。
【0088】
また、特許文献1に記載されているような反射型偏光板を表示パネルの照明装置側に設けてもよい。反射型偏光板を用いることにより、光源ブロックからの出射光の利用効率が向上するので、消費電力をさらに低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明によると、低消費電力性に優れた表示装置およびその駆動方法が提供される。本発明による表示装置は、インストルメントパネルや自動車両に好適に用いられる。また、本発明による表示装置は、アミューズメント用途にも好適に用いられる。
【符号の説明】
【0090】
10、10’ 照明装置
12A、12B、12C、12D 光源ブロック
12E、12F、12G、12H、12I 光源ブロック
13 導光板
14A、14B、14C、14D 光源制御装置
15 デジタル/アナログ(D/A)変換回路
16 光源駆動回路
20、20’ 表示パネル(液晶表示パネル)
20a、20b 基板
21 液晶層
22A、22B、22C、22D 表示領域を分割した領域
22E、22F、22G、22H、22I 表示領域を分割した領域
30、30A 制御回路
31 水平カウンタ(Hカウンタ)
31’ 垂直カウンタ(Vカウンタ)
32 デコーダ
33、33A 光源制御信号生成装置
34 表示信号ラッチ回路
35 信号レベル比較器
36 信号レベルメモリ
37 光源制御装置セレクタ
38 演算回路
100、200 液晶表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置を備えたインストルメントパネルであって、
前記表示装置は、照明装置と、前記照明装置から出射した光を用いて表示を行う表示パネルとを有し、
前記照明装置は、前記表示パネルの表示領域のうち、インストルメントパネルの表示領域として用いられない部分には光を実質的に出射しないように構成されているインストルメントパネル。
【請求項2】
前記表示装置は、前記照明装置を制御する制御回路をさらに備え、
前記照明装置は、それぞれに少なくとも1つの光源が属する複数の光源ブロックを有し、
前記表示パネルの表示領域は、それぞれが前記複数の光源ブロックのそれぞれから出射した光を用いて表示を行う複数の領域を有し、
前記制御回路は、前記複数の領域のそれぞれに入力される表示信号のレベルを検出し、検出した表示信号のレベルに応じて各光源ブロックの輝度を制御し得る請求項1に記載のインストルメントパネル。
【請求項3】
前記制御回路は、前記複数の領域のそれぞれについて検出した表示信号のうちの最も高い表示輝度に対応した表示信号のレベルに応じ、当該表示信号に対応する表示輝度が高いほど光源ブロックの輝度が高いという予め定められた関係に基づいて各光源ブロックの輝度を制御する請求項2に記載のインストルメントパネル。
【請求項4】
前記制御回路は、各光源ブロックの輝度を、各光源ブロックに属する光源の発光強度を変化させることによって制御する請求項2または3に記載のインストルメントパネル。
【請求項5】
前記制御回路は、各光源ブロックの輝度を、各光源ブロックに属する光源の点灯時間を変化させることによって制御し得る請求項2または3に記載のインストルメントパネル。
【請求項6】
前記複数の領域は、前記表示パネルの水平走査方向に沿って配列された少なくとも2つの領域を含む請求項2から5のいずれかに記載のインストルメントパネル。
【請求項7】
前記制御回路は、水平走査方向に沿って配列された前記少なくとも2つの領域に入力される表示信号のレベルを、特定の水平走査期間を分割した複数の期間に順次検出する請求項6に記載のインストルメントパネル。
【請求項8】
前記複数の領域は、前記表示パネルの垂直走査方向に沿って配列された少なくとも2つの領域を含む請求項2から7のいずれかに記載のインストルメントパネル。
【請求項9】
前記制御回路は、垂直走査方向に沿って配列された前記少なくとも2つの領域に入力される表示信号のレベルを、特定の垂直走査期間を分割した複数の期間に順次検出する請求項8に記載のインストルメントパネル。
【請求項10】
前記制御回路は、各光源ブロックの輝度を、複数の垂直走査期間について一度変化させる請求項2から9のいずれかに記載のインストルメントパネル。
【請求項11】
前記照明装置は、前記複数の光源ブロックに対して共通に設けられた電源装置を備える請求項10に記載のインストルメントパネル。
【請求項12】
前記電源装置は一定の大きさの電流を出力する請求項11に記載のインストルメントパネル。
【請求項13】
前記電源装置はリミッタを有する請求項11に記載のインストルメントパネル。
【請求項14】
前記照明装置は、エッジライト型の照明装置である請求項1から13のいずれかに記載のインストルメントパネル。
【請求項15】
前記照明装置は、直下型の照明装置である請求項1から13のいずれかに記載のインストルメントパネル。
【請求項16】
前記表示パネルは、互いに対向する一対の基板と、前記一対の基板間に設けられた液晶層とを有する請求項1から15のいずれかに記載のインストルメントパネル。
【請求項17】
請求項1から16のいずれかに記載のインストルメントパネルを備えた自動車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−39492(P2011−39492A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−117199(P2010−117199)
【出願日】平成22年5月21日(2010.5.21)
【分割の表示】特願2007−500489(P2007−500489)の分割
【原出願日】平成18年1月20日(2006.1.20)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】