説明

インテリジェントな電力監視

プロセス及びオペレーションの電力コストに基づきそれらプロセス及びオペレーションを監視し制御するよう動作する電子装置が提供される。この電子装置は、電力を要求するプロセス又はネットワーク装置を識別し、それらプロセス又はネットワーク装置に対して要求される予想電力量を決定し、そして電力要求のコストを計算する。例えば、電子装置は、電力供給者が消費電力のコストを計算する仕方を定義するデータ又はアルゴリズムを受け取り、特定電力要求の予想コストを推定する。プロセス又は装置の重要性、及び予想電力コストに基づき、電子装置は、プロセスを遂行するか、又はネットワーク装置に電力を供給するか、或いはプロセスを遅延又はキャンセルして、装置の電力コストがそのプリセット境界内に留まるよう保証することができる(例えば、装置又はそのホームネットワークの電力コストが最大上限を越えない)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ又は他のプロセッサベースの装置における電力使用の監視に係る。
【0002】
関連出願の相互参照:本出願は、参考としてここにそのまま援用する2008年7月10日出願の同時係争中の共通に譲渡された米国プロビジョナル特許出願第61/079,751号、及び2009年5月8日出願の米国特許出願第12/463,133号の利益を主張するものである。
【背景技術】
【0003】
電子装置の数が増加するにつれて、家庭の電力消費が増加し続けている。ポータブルメディアプレーヤ、ポータブル電話、パーソナルデジタルアシスタント及び他のポータブル電子装置は、充電を必要とするバッテリを有している。更に、ユーザがオンラインアクティビティに携わって長い時間を費やすときは、パーソナルコンピュータ及び他の固定電子装置は、長期間、及び常時、オンのままとされる。あるパーソナルコンピュータは、時には、(専用の充電器を使用して家庭用電源からそれらポータブル装置を充電するのではなく)データに加えて電力も供給するユニバーサルシリアルバス(USB)のような接続を経てそれら装置を充電するための電源として働くだけのためにオンのままとされる。このことは、たとえ、パーソナルコンピュータの電源がそのような機能に必要なものより著しく大きく、従って、そのような機能より相当に多くの電力の引き出しが必要になるとしても、行われる。電気料金が増加するにつれて、電力のこのような使用は、ユーザにとって高いコストとなる。
【発明の概要】
【0004】
本発明の1つの態様によれば、電子装置オペレーションの遂行をそれらオペレーションに関連した電力コストに基づいて制御するためのシステム及び方法が提供される。
【0005】
1つ以上の電子装置は、異なるプロセス又はオペレーションを遂行するように動作することができる。各プロセス又はオペレーションは、特定の電子装置コンポーネントと、異なる量の各コンポーネントリソース(例えば、異なる期間の各コンポーネントアクティビティ)の使用を必要とする。例えば、ファイル転送オペレーションは、ハードドライブ又はソリッドステートドライブ、ファイル転送オペレーションを行う入力メカニズム、及びメモリ又は記憶装置のファイルを転送するためのプロセッサの使用を必要とする。各コンポーネントにより要求される特定量のリソースは、オペレーションの形式に基づいて同じでも変化してもよい(例えば、ファイル転送に対して実質的に同様の入力メカニズム電力要求であるが、ファイル転送のサイズによっては異なるプロセッサ及び記憶要求)。
【0006】
従って、電子装置は、使用するコンポーネント及び各コンポーネントが要求するリソースの量に基づいて、特定オペレーションを遂行するのに必要な電力の量を予想することができる。しかしながら、各オペレーションに関連した電力コストを決定するために、電子装置は、電力のコストを計算する仕方に関する情報を要求する。電力のコストは、例えば、1日の時刻、週又は月、消費者の層又は勤務形態、消費者により以前に消費された電力の量、消費者により使用される別の電源(例えば、昼間使用される太陽電池)、又は他の適当な基準を含む多数のファクタに基づいて変化し得る。基準は、各消費者の電力使用量に対してどれほど課金するか決定するために電力供給者により使用される1つ以上のテーブル又はグラフ、1つ以上の方程式、又はアルゴリズムへと合成することができる。
【0007】
異なる電子装置オペレーションに関連した電力コストを決定するために、電子装置は、電力コストを計算する仕方に関する情報を電力供給者から受信することができる。その受信情報を使用して、電子装置は、予想される電力消費に関する情報(例えば、特定のオペレーションに関する電力消費情報)を与え、そしてそのオペレーションの予想コストを決定することができる。或いは又、電子装置は、有望な電力消費(例えば、必要な電力量、及びいつ電力が消費されるか)に関する情報を与え、そしてオペレーションに対する予想コストを電力供給者から受け取ることができる。
【0008】
異なる電子装置オペレーションの電力コストを制御するため、電子装置は、装置を動作する電力コストに対して条件、境界又は範囲を定義することができる。例えば、装置全体に対して境界又は範囲をセットすることができる(例えば、装置は、週当たりの特定電力コストを越えることができない)。別の例として、電子装置により実行される特定のプロセス又はプロセスの形式に対して境界又は範囲をセットすることができる(例えば、メディア再生プロセスは、1日当たりの特定電力コストを越えることができない)。各オペレーションを遂行する前に、電子装置は、そのオペレーションに関連した電力コストを決定し、そしてその電力コストがオペレーションに対してセットされた境界又は範囲を満足するかどうか決定することができる。
【0009】
特定プロセス又はオペレーションの電力コストが設定条件を満足しないことを電子装置が決定した場合には、電子装置は、先ず、その後に、電力コストが下がったときに、オペレーション又はプロセスを再スケジュールするよう試みることができる。例えば、電子装置は、オフピーク時間におけるプロセスの電力コストがそのプロセスに対する電力コスト条件を満足するかどうか決定することができる。その後の時間に条件を満足できる場合には、電子装置は、その後の時間にプロセスを再スケジュールすることができる。その後の時間にも条件が満足されない場合には、電子装置は、条件を却下してプロセス又はオペレーションを進行できるようにユーザを促すことができる。例えば、電子装置は、オペレーションを実行するに充分な権利を与える管理上のパスワードについてユーザを促すことができる。ユーザが適当な証明書を与える場合に、電子装置は、電力コストに関わりなく、プロセスを遂行することができる。
【0010】
ある実施形態では、電子装置は、ネットワーク内の多数の他の電子装置に結合することができる。例えば、電子装置は、1つ以上のホスト装置(例えば、サーバー)、周辺装置(例えば、プリンタ又はポータブルメディア装置)、或いは他の適当な装置に結合することができる。ネットワーク化された全ての装置を動作するコストを減少するために、1つ以上の特定の電子装置は、ネットワーク内の全ての装置に関連した電力コストを管理することができる。ある実施形態では、単一の装置が、ネットワーク内の各電子装置のプロセス又はオペレーションの実行を制御することができる。別の例として、ネットワーク内の各電子装置は、それ自身の電力コストを制御することができる。更に別の例として、ある装置(例えば、ホスト装置)は、それらの電力コスト、及びそれらの各周辺装置(例えば、バッテリを再充電するためにホスト装置に接続されたセルラー電話)に関連した電力コストを管理することができる。
【0011】
電子装置は、プロセスの電力コストの管理に使用されるものと同様の解決策を使用して電子装置の電力コストを管理することができる。例えば、電子装置は、ネットワーク内の特定の電子装置又は電子装置の形式に電力コスト条件、境界又は範囲を指定することができる。別の例として、電子装置は、ネットワーク内の1つ以上の電子装置の特定のオペレーション(例えば、ホスト装置による再充電オペレーション)に電力コスト条件、境界又は範囲を指定することができる。ネットワーク化された装置により実行される特定のオペレーションがそれに関連した電力コスト条件を満足しないかどうかを決定するのに応答して、電子装置は、特定のオペレーションを再スケジュールするか、又は電力コスト条件に関わらず特定のオペレーションを許可する管理上の権利を与えるようユーザを促すことができる。
【0012】
それ故、多数のプロセスを遂行するシステムのための電力管理方法が提供される。この方法は、各プロセスにプライオリティを指定し、電力の料率情報(例えば、1日の時刻による料金情報)にアクセスし、そしてプロセスの各々に対して、そのアクセスされた電力料率情報及び各プロセスに指定されたプライオリティに少なくとも一部分基づくスケジュールで各オペレーションを実行することを含む。
【0013】
本発明の更に別の特徴、その性質及び種々の効果は、全体を通じて同じ部分が同じ参照文字で示された添付図面を参照した以下の詳細な説明から理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態による電子装置を例示する概略図である。
【図2】本発明の一実施形態により電力消費を管理するためのディスプレイを例示する概略図である。
【図3】本発明の一実施形態により個々のプロセスの電力消費コストを管理するためのディスプレイを例示する概略図である。
【図4】本発明の一実施形態によりネットワーク内の個々の電子装置の電力消費コストを管理するためのディスプレイを例示する概略図である。
【図5】本発明の一実施形態により新たなプロセスの電力消費特性を定義するためのディスプレイスクリーンを例示する概略図である。
【図6】本発明の一実施形態により設定電力消費特性を越える前のディスプレイを例示する概略図である。
【図7】本発明の一実施形態により電力コストの表示を与えるディスプレイを例示する概略図である。
【図8】本発明の一実施形態により割り当てられた電力消費コストに基づいて電子装置処理を遂行するためのプロセスを例示するフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態により処理をいつ遂行すべきか決定するためのプロセスを例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明の一実施形態による電子装置を例示する概略図である。電子装置100は、制御回路102と、記憶装置104と、メモリ106と、入力/出力回路108と、通信回路110と、電力回路112とを含むことができる。ある実施形態では、電子装置コンポーネント100の1つ以上を結合し又は省くことができる(例えば、記憶装置104及びメモリ106を結合する)。ある実施形態では、電子装置100は、図1に示すものに結合されず又は含まれない他のコンポーネント(例えば、運動検出コンポーネント、ディスプレイ、バス、又は入力メカニズム)、或いは図1に示すコンポーネントの多数のインスタンスを包含することもできる。簡単化のために、図1には、各コンポーネントが1つしか示されていない。
【0016】
制御回路102は、電子装置100のオペレーション及び性能を制御するように動作する処理回路又はプロセッサを含むことができる。例えば、制御回路102は、オペレーティングシステムアプリケーション、ファームウェアアプリケーション、メディア再生アプリケーション、メディア編集アプリケーション、又は他のアプリケーションを実行するのに使用できる。ある実施形態では、制御回路は、ディスプレイを駆動し、ユーザインターフェイスから受け取った入力を処理することができる。
【0017】
記憶装置104は、例えば、ハードドライブ、ソリッドステートドライブ、フラッシュメモリ、ROMのような永久メモリ、他の適当な形式の記憶コンポーネント、又はその組み合わせを含む1つ以上の記憶媒体を含むことができる。又、記憶装置104は、例えば、メディアデータ(例えば、音楽及びビデオファイル)、アプリケーションデータ(例えば、装置100においてファンクションを具現化するための)、ファームウェア、ユーザ好み情報データ(例えば、メディア再生の好み)、認証情報(例えば、許可されたユーザに関連したデータのライブラリー)、ライフスタイル情報データ(例えば、食品の好み)、運動情報データ(例えば、運動監視装置により得られる情報)、トランザクション情報データ(例えば、クレジットカード情報のような情報)、ワイヤレス接続情報データ(例えば、電子装置100がワイヤレス接続を確立できるようにする情報)、加入情報データ(例えば、ポッドキャスト又はテレビジョンショー、或いはユーザが加入する他のメディアを追跡する情報)、契約情報データ(例えば、電話番号及びe−メールアドレス)、カレンダー情報データ、及び他の適当なデータ、或いはその組み合わせを記憶することができる。
【0018】
メモリ106は、キャッシュメモリ、RAMのような半永久メモリ、及び/又はデータを一時的に記憶するのに使用される1つ以上の異なる形式のメモリを含むことができる。又、ある実施形態では、メモリ106は、電子装置アプリケーションを動作するのに使用されるデータ、又は記憶装置104に記憶できる他の形式のデータを記憶するのにも使用できる。ある実施形態では、メモリ106及び記憶装置104は、単一の記憶媒体として結合することができる。
【0019】
入力/出力回路108は、アナログ信号及び他の信号をデジタルデータへと変換する(及び必要に応じてエンコード/デコードする)ように動作できる。又、ある実施形態では、入力/出力回路108は、デジタルデータを他の形式の信号へ変換することができ、その逆のことも言える。例えば、入力/出力回路108は、物理的接触入力(例えば、マルチタッチスクリーンからの)、物理的移動(例えば、マウス又はセンサからの)、アナログオーディオ信号(例えば、マイクロホンからの)、又は他の入力を受け取って変換することができる。デジタルデータは、プロセッサ102、記憶装置104、メモリ106、電力回路112、又は電子装置100の他のコンポーネントへ供給することができ、又はそこから受信することができる。入力/出力回路108は、図1には、電子装置100の単一コンポーネントとして示されているが、入力/出力回路の多数のインスタンスを電子装置100に含ませることができる。
【0020】
電子装置100は、ユーザが入力/出力回路108へ入力を付与できるようにする適当なメカニズム又はコンポーネントを含むことができる。電子装置100は、例えば、ボタン、キーパッド、ダイヤル、クリックホイール又はタッチスクリーンのような適当な入力メカニズムを含むことができる。ある実施形態では、電子装置100は、容量性感知メカニズム、又はマルチタッチの容量性感知メカニズムを含むことができる。ある感知メカニズムが、2004年7月30日に出願された“Gestures for touch sensitive Input Device”と題する共通所有のホテリング氏等の米国特許出願公告第1006/0026521号、及び2005年1月18日に出願された“Mode-Based Graphical User Interfaces for Touch Sensitive Input Device”と題するホテリング氏等の米国特許出願公告第1006/0026535号に説明されており、これらは、両方とも、参考としてここにそのまま援用する。
【0021】
ある実施形態では、電子装置100は、例えば、1つ以上のオーディオ出力のような出力装置に関連した特殊な出力回路を含むことができる。オーディオ出力は、電子装置100に組み込まれた1つ以上のスピーカ(例えば、モノ又はステレオスピーカ)、又は電子装置100に遠隔結合されるオーディオコンポーネント(例えば、通信装置にワイヤ又はワイヤレスで結合できるヘッドセット、ヘッドホン又はイヤバド)を含むことができる。
【0022】
ある実施形態では、I/O回路108は、ユーザに見える表示を与えるためのディスプレイ回路(例えば、スクリーン又は投影システム)を含むことができる。例えば、ディスプレイ回路は、電子装置100に合体されるスクリーン(例えば、LCDスクリーン)を含むことができる。別の例として、ディスプレイ回路は、電子装置100から離れた表面にコンテンツの表示を与えるための可動ディスプレイ又は投影システム(例えば、ビデオプロジェクター)を含むことができる。ある実施形態では、ディスプレイ回路は、デジタルメディアデータをアナログ信号へと変換するためのコーダー/デコーダ(コーデック)を含むことができる。例えば、ディスプレイ回路(又は電子装置100内の他の適当な回路)は、ビデオコーデック、オーディオコーデック、又は他の適当な形式のコーデックを含むことができる。
【0023】
又、ディスプレイ回路は、ディスプレイドライバ回路、ディスプレイドライバを駆動する回路、又はその両方を含むことができる。ディスプレイ回路は、制御回路102の指令のもとでコンテンツ(例えば、メディア再生情報、電子装置において具現化されるアプリケーションのためのアプリケーションスクリーン、進行中の通信オペレーションに関する情報、到来する通信要求に関する情報、又は装置動作スクリーン)を表示するように動作することができる。或いは又、ディスプレイ回路は、リモートディスプレイ(例えば、図1のディスプレイ130)にインストラクションを与えるように動作することができる。
【0024】
通信回路110は、通信ネットワーク(例えば、図1の通信ネットワーク150)へ接続されて、通信装置100からの通信(例えば、音声又はデータ)をその通信ネットワーク内の他の装置へ送信するように動作する適当な通信回路を含む。通信回路110は、例えば、Wi−Fi(例えば、802.11プロトコル)、Bluetooth(登録商標)、高周波システム(例えば、900MHz、1.4GHz、及び5.6GHz通信システム)、赤外線、GSM、GSMプラスEDGE、CDMA、クオドバンド、及び他のセルラープロトコル、VOIP、又は他の適当なプロトコルのような適当な通信プロトコルを使用して通信ネットワークとインターフェイスするように動作できる。
【0025】
ある実施形態では、通信回路110は、適当な通信プロトコルを使用して通信ネットワークを生成するように動作できる。例えば、通信回路110は、他の装置へ接続するためにショートレンジ通信プロトコルを使用してショートレンジ通信ネットワークを生成することができる。例えば、通信回路110は、電子装置100をBluetooth(登録商標)ヘッドセットに結合するためにBluetooth(登録商標)プロトコルを使用してローカル通信ネットワークを生成するように動作できる。
【0026】
電子装置100は、異なる通信ネットワークを使用して多数の通信オペレーションを同時に遂行するために通信回路110の1つ以上のインスタンスを含むことができるが、図1には、図面が過度に複雑になるのを回避するために1つしか示されていない。例えば、電子装置100は、セルラーネットワークを経て通信するための通信回路110の第1のインスタンスと、Wi−Fiを経て又はBluetooth(登録商標)を使用して通信するための通信回路110の第2のインスタンスとを含むことができる。ある実施形態では、通信回路110の同じインスタンスが、多数の通信ネットワークを経て通信を行うように動作することができる。
【0027】
ある実施形態では、電子装置100には、データの転送、通信装置の同期、ソフトウェア又はファームウェアの更新、リモートソースへの性能情報の付与(例えば、リムーブサーバーへのライディング特性の付与)、又は電子装置100をホスト装置へ結合することを要求できる他の適当なオペレーションの遂行のために、ホスト装置を結合することができる。ホスト装置をサーバーとして使用して単一のホスト装置に多数の電子装置100を結合することができ、それに代わって又はそれに加えて、電子装置100を多数のホスト装置に結合することができる(例えば、電子装置100に記憶されたデータのバックアップとして働くように複数のホスト装置の各々に対して)。ある実施形態では、例えば、ホスト装置により付勢又は充電されるべき電力、或いは周辺装置を付勢又は充電すべき電力を転送するために、電子装置100をホスト装置又は周辺装置に結合することができる。
【0028】
電力回路112は、電子装置100のコンポーネントへ電力を供給するために適当な回路を含むことができる。例えば、電力回路112は、バッテリ(例えば、ゲル、ニッケルメタルハイドライド、ニッケルカドミウム、ニッケル水素、鉛酸、リチウムイオンバッテリ)、無停電又は連続電源(UPS又はCPS)、及び発電ソースから受け取られる電力(例えば、発電プラントにより発電されて電気ソケットを経てユーザへ配給される電力)を処理する回路、の1つ以上を含むことができる。受け取られた電力は、交流又は直流として供給され、そして電力を変換するか又は受け取った電力を特定の特性に制限するように処理される。例えば、受け取られた電力は、直流へ又は直流から変換され、そして平均電力、有効電力、ピーク電力、パルス当たりのエネルギー、電圧、電流(例えば、アンペアで測定された)、或いは受け取られた電力の他の特性、の1つ以上の値に制限される。電力回路112は、例えば、電子装置100又は電子装置100に結合された周辺装置のニーズ又は要求(例えば、バッテリが充電済みであるときよりバッテリを充電するときの方が多くの電力を要求する)に基づいて、異なる時間に特定量の電力を要求又は供給するように動作できる。
【0029】
電子装置は、電子装置及び電子装置に結合された他の装置による電力消費を制御し管理するために異なる電力管理モードを含むことができる。特に、ポータブル電子装置(例えば、ラップトップ又はノートブックコンピュータ)は、装置がリモート電源に接続されていないとき(例えば、電子装置がウオールソケットにプラグインされていないとき)電力消費を減少するための電力管理モードを含むことができる。例えば、この電力管理モードは、バッテリ動作である間に非本質的電力集中プロセスが遂行されるのを防止することができる。別の例として、この電力管理モードは、電子装置のための外部電源がない場合に電子装置が周辺装置を付勢したり充電したりするのを防止することができる。ある実施形態では、電子装置は、未使用期間の後に電子装置の特定コンポーネントに電力を供給するのを控えることができる。例えば、電子装置は、ハードドライブをターンオフし、ディスプレイを薄暗くするか又はターンオフし、或いはプロセッサを低電力「スリープ」又は「冬眠」モードに入れることができる。電力管理設定の幾つか又は全部を自動的に又はユーザによりセットすることができる(例えば、ユーザは、ラップトップコンピュータがスリープモードへスイッチするまでの期間又は条件を定義する)。
【0030】
このような電力監視モードは、間欠的電力供給をベースとする装置(例えば、ウオールソケットのようなリモート電源に永久的に結合されないポータブル装置)に適用されるが、動作中には適用しなくてよい。というのは、装置を自発的に冬眠モードに入れるために電子装置をユーザが使用するという目的を挫折させるからである。しかしながら、異なる電子装置オペレーション又はプロセスが、異なる電子装置コンポーネントの使用又は異なる量の電子装置コンポーネントリソースを呼び出すことができる。異なるプロセスは、異なる量の異なるコンポーネントを要求するので、異なるプロセスは、異なる電力消費又は異なる電力要求に関連付けることができる。例えば、電子装置のハードドライブからデータを読み取って周辺装置へコピーすることを含むコピープロセスは、テキストドキュメントを表示することより多くの電力を要求する。別の例として、オーディオ及びビデオ再生のためにメディアをデコードすることは、(例えば、インターネット接続にわたりFTPプロトコルを使用して)リモート通信リンクを経てデータを転送するより多くの電力を要求する。
【0031】
更に、全ての電子装置オペレーション又はプロセスが同じプライオリティを有するのではない。例えば、バックグランドで実行されるプロセス(例えば、ウィルススキャン)は、ユーザが使用するアプリケーションに関連したプロセスより重要性が低い。別の例として、電子装置とリモート記憶ソースとの間でのデータの転送(例えば、スケジュールされたバックアップ)は、到来するメッセージ(例えば、新しいe−メールメッセージ)に対してリモートサーバーをチェックすることよりプライオリティが低い。更に、ユーザにより指令され又はスケジュールされる幾つかの電子装置オペレーション又はプロセスは、スケジュールされた時間、又はインストラクションを受け取った時間、或いはその後の時間を含めて、適当な時間に遂行することができる。例えば、幾つかの指令された又はスケジュールされたプロセスは、時間感知であるか、或いは又設定期間又は既知の期間内の任意の時間に(例えば、18時間以内、1日以内、又は特定の日時に)実行される。
【0032】
あるケースでは、電源(例えば、発電プラント)から受け取られる電力のコストが時間と共に変化する。例えば、電力は、朝と夕方は(例えば、より多くの消費者が電力を必要とするときは)料金が高く、夜間は(例えば、より多くの消費者が寝ていて、電気器具を使用していないときは)料金が安い。別の例として、消費者が個人用の発電電源(例えば、ソーラーパネル)を有する場合には、電力の消費は、昼間は(例えば、日光が消費者のソーラーパネルに電力を発生できるときは)安く、夜間は(例えば、消費者が公共の電源に依存するときは)高い。更に別の例として、電力供給会社は、危機の間又は利用可能な電源が低いとき(例えば、熱波の間に電源により発電される利用可能な電力の不相応な量をエアコンユニットが使用するとき)電力のコストを劇的に上げることがある。
【0033】
電力供給者は、適当な解決策を使用して、発電電力にコストを指定することができる。ある実施形態では、電力供給者は、電力の予想需要に基づいてコストを指定することができる。例えば、電力供給者は、電力需要が最も高い1日の時刻、週、月又は年を(例えば、過去の使用量に基づいて)決定し、そしてその決定された予想使用量に基づいて電力のコストを調整することができる。電力供給者は、適当な基準を使用して、電力がどれほどの料金かを決定することができる。例えば、電力供給者は、利益を上げ又は最大にするために、電力需要が最も高い期間中に電力のコストを上げることができる。別の例として、電力供給者は、電力需要が最も高いときに電力のコストを上げるか、又は電力需要な最も低いときに電力のコストを下げて、消費者が自分の電力消費量を調整するように扇動する(例えば、時間と共に電力の需要を均一に維持し、甚だしい需要による停電を回避するために)。
【0034】
ある実施形態では、電力供給者は、それに代わって又はそれに加えて、電力のコストを消費者又は消費者の特性に基づいて変更することができる。例えば、消費者は、特定量の電力に対して固定料率で支払をし、そして限度を越える付加的な電力に対して可変料率(例えば、1日の時刻に基づいて変化する料率)で支払をすることができる。別の例として、消費者は、電力に対する1つ以上の優先的料率と引き換えに正規料金を支払うことができる(例えば、ピーク時間中にオフピーク料率で支払するための料金を支払う)。更に別の例として、大量の電力の消費者にとって電力のコストを上げることができる(例えば、不相応な量の電力を消費する者は、一定のペナルティ又は高い単位当たり料率が課せられる)。更に別の例として、自分の電力を発電するか、又は電力を送電網に戻すユーザ(例えば、発電用のソーラーパネル又は他のシステムを有する消費者)にとって電力のコストを下げることができる。
【0035】
電力供給者は、適当な解決策を使用して電力とコストとの間の関係を定義することができる。ある実施形態では、電力供給者は、消費者、或いは消費者のグループ又は層に基づいて電力のコストを定義することができる。別の例として、電力供給者は、1日の時刻、週、月、年に基づいて電力のコストを定義することができる。電力供給者は、電力の予想コストを決定するために消費者又は時刻に基づいて1つ以上のテーブル又はグリッドを発生することができる。ある実施形態では、電力供給者は、それに代わって又はそれに加えて、1つ以上の特性(例えば、期間、時刻、消費者の過去の消費、及び消費者のサービス形式)に基づいて電力消費のコストを決定するための1つ以上のアルゴリズム又はプロセスを定義することができる。
【0036】
電子装置を動作する合計コストを下げるために、ユーザは、装置の電力消費を変えて、電力コストが低いときに消費を最大にし、そして電力コストが高いときに消費を最小にすることができる。例えば、電子装置は、プロセスを遂行するためにユーザが装置に命令するとき(例えば、プロセスを遂行するか又はプロセスをスケジュールするためのユーザのインストラクションに応答して)に加えて又はそれに代わって、電力コストの事柄に基づいて、異なるプロセス又はオペレーションを遂行することができる。しかしながら、異なるプロセスをいつ遂行すべきか決定するために、電子装置は、異なる時刻における電力のコストに関する情報を必要とする。特に、電子装置は、異なるインスタンスにおける電力のコストを反映するデータ、及び電力コストデータに対する予想されない変化又は非常時変化を指示するデータを必要とする。
【0037】
電子装置は、適当な解決策を使用する1つ以上のプロセスによって電力消費のコストを決定することができる。特に、電子装置は、先ず、1つ以上のプロセスの予想される又は計画される電力要求を決定することができる。例えば、電子装置は、どの電子装置コンポーネントを使用してプロセスを遂行するか、及び各コンポーネントをどれほど長く使用するか(例えば、どれほど長く、ハードドライブを回転する必要があるか、又はハードドライブのヘッドを動かす必要があるか、又は特定のプロセスのためにプロセッサがどれほど多くのオペレーションを遂行する必要があるか)を決定することができる。電子装置は、その電力要求を決定すると、適当な解決策を使用してプロセスの予想電力コストを決定することができる。ある実施形態では、電子装置は、電力供給者により提供されるデータにアクセスして、特定時刻における電力消費の予想コストを決定することができる。例えば、電子装置は、電力のコストをどのように計算するかを述べた電力供給者出版のテーブル又はグリッドにアクセスすることができる。別の例として、電子装置は、予想又は計画された電力消費の特性に応答して電力コストを与えるアルゴリズム又は方程式へのアクセスを受け取ることができる(例えば、計画された電力消費の時期及び期間と、過去の消費量とを与えて、計画された消費に対するコストを受け取る)。更に別の例として、電子装置は、電力供給者から実際の電力コストアルゴリズム又は方程式を受け取ることができる。又、電子装置は、電力消費コストが出されたときを含む適当な時間に、適当な間隔で、又は他の適当な時間に、電力コスト情報又はアルゴリズムを検索し記憶することができる。
【0038】
受け取られた電力コスト計算情報を使用して、電子装置は、合計電力コストを最小にするように1つ以上のプロセスの実行を分配することができる。例えば、電子装置は、各プロセスの相対的な重要性、1つ以上のプロセス(例えば、時間に制限のあるプロセス)を遂行するための期限、1つ以上のプロセスに対するユーザインストラクション(例えば、プロセスを遅延するためのユーザインストラクション)を考慮することができる。ある実施形態では、電子装置は、電子装置の電力コストを制限又は減少するために重要度の低い1つ以上のプロセスを遅延又はキャンセルすることができる。設定電力消費制約が与えられると、1つ以上のプロセスを実行できないことが電子装置によって決定されると、電子装置は、その電力消費制約を無効としそしてその制約されたプロセスの幾つか又は全部を実行するためのインストラクションをユーザから促し又は受け取ることができる。
【0039】
ある実施形態では、電子装置は、例えば、1つ以上のホスト装置、1つ以上の周辺装置、又は1つ以上のスタンドアローン装置(例えば、ホーム又はオフィスネットワークにおけるネットワーク化されたコンピュータ)を含む多数の他の装置に接続することができる。又、これら装置は、例えば、ネットワーク(例えば、イーサネットプロトコルを使用する)、ワイヤード接続(例えば、USB接続)、又は電子装置が情報又はリソース(例えば、データ又は電力)を共有できるようにする他の形式の接続を含む適当な解決策を使用して、接続することができる。接続された装置の幾つか又は全部の電力消費を充分に制御するために多数の解決策を使用することができる。ある実施形態では、各電子装置が独立して動作することができる(例えば、電力コスト情報を独立して受け取り、その情報に基づいて異なるプロセスをどのようにスケジュールするか決定する)。別の例として、1つ以上の装置が電力コスト情報を受け取り、その情報をネットワーク内の他の装置へ送信し(例えば、ルーター又はホスト装置が電力コスト情報を受け取ってそれをネットワーク内の電子装置へ供給し)、各装置がその電力消費を管理できるようにする。この解決策は、電子装置の1つ以上が電力供給者の情報にアクセスしない場合に特に関心がもたれ又は使用される(例えば、電力消費情報を電力供給者に要求し又は電力供給者から受け取るのに適した通信回路を含まない周辺装置)。
【0040】
ある実施形態では、ネットワーク内の各装置は、電力消費のコストを決定するか、又は時間と共にプロセスの実行を分配するのに必要な能力を有していなくてもよい(例えば、装置は、プロセスの最も効率的な分配を決定するに充分な処理パワーを有していない)。このようなケースでは、ネットワーク内の1つ以上の電子装置は、電力消費のコストを反映するデータを受け取り、各電子装置により遂行されるべきプロセスを識別し、そして各装置がそのプロセスを遂行すべき特定の時間を指定することができる。ある実施形態では、1つ以上の電子装置が、他の電子装置の性能を監視して、各装置により実行されるべきプロセスが適切な時間に実行されるように保証すると共に、(例えば、電子装置に誤ったインストラクションが与えられるために、又は環境の変化(例えば、電子装置に利用できる電力量が突然増加又は減少する)のために)不適切な時間に実行されるプロセスをスタート又はストップすることができる。
【0041】
ユーザは、適当な解決策を使用して、電子装置の電力消費が管理される仕方を制御することができる。例えば、電子装置は、特定の期間(例えば、1日、1週間又は1カ月)にわたり装置に割り当てられる合計電力コストを定義するための1つ以上のオプションを与えることができる。その定義された電力コスト割り当てを使用して、電子装置は、プロセスが実行され且つ電力コストが限界を越えないように保証するために、異なるプロセスを適当な時間に遂行するよう自動的にスケジュールすることができる(例えば、電源から受け取られた電力コスト情報に基づいて)。電子装置は、適当な解決策に基づいて、実行の必要性で種々のプロセスをプライオリティ決めすることができる。例えば、電子装置は、装置の適切なオペレーションにとって本質的なものであるオペレーティングシステムプロセスには高いプライオリティを与え、電子装置で実行されるアプリケーションには中程度のプライオリティを与え、そして装置で普通に実行されるスケジュールされたタスクには低いプライオリティを与えることができる。ある実施形態では、電子装置は、装置のユーザが実行インストラクションをどのプロセス又はタスクに与えたか決定し、そして(例えば、ユーザが行う)タスクを、他のアプリケーションタスク(例えば、ユーザが現在使用していないアプリケーションのタスク)より高くプライオリティ決めすることができる。
【0042】
ある実施形態では、電子装置は、関連電子装置の電力消費を管理するためのインターフェイスをなすことができる。図2は、本発明の一実施形態により電力消費を管理するためのディスプレイを例示する概略図である。このディスプレイ200は、電子装置が動作するときに電力のコストのグラフィック表示を与えるバー210を含むことができる。このバー210は、その端214と216との間に配置できる可動スライダー212を含む。端214及び216の各々は、関連電子装置に対する電力消費管理の限界を表すことができる。例えば、端214は、電子装置を動作する電力コストを最小にすることに関連付けることができ(例えば、電力のコストに基づいて電子装置のプロセスをスケジュールすることにより)、そして端216は、電子装置プロセスの迅速な又は即時の実行を保証するために電力コストの事柄を無視することに関連付けることができる。ユーザは、処理効率と当該電力コストの特定のバランスを選択するようにスライダー212をドラグすることができる。ディスプレイ200は、例えば、コストの指示217(例えば、電子装置の各構成についての電力コストの推定値を与える)及び処理遅延の指示218(例えば、オペレーションを遂行するインストラクションの付与と、オペレーションの実際の実行との間の遅延の指示を与える)を含めて、決定をなす際にユーザの助けとなる他の適当な情報を含むことができる。ある実施形態では、ユーザは、例えば、電力コスト上限、処理即時性の最大遅延、電力コスト及び処理即時性の相対的重要度を指示するパーセンテージ又は値、或いは他の適当なインターフェイスを与えることを含めて、バー210及びスライダー212以外のインターフェイスを使用して、電子装置オペレーションの電力コストを管理することができる。スライダー212により又は別の解決策を使用して設定されるコスト限界は、例えば、1日当たり、週当たり又は月当たりの限界を含めて、適当な期間に適用することができる。
【0043】
ある実施形態では、ユーザは、進歩型の電力管理設定にアクセスすることができる。例えば、ディスプレイ200は、電子装置により実行される各プロセスの特定の電力設定を制御するためのプロセスオプション220を含むことができる。別の例として、ディスプレイ200は、特定の電子装置又は装置のネットワークに接続された各電子装置に関連した特定の電力設定を制御するためのネットワーク装置オプション222を含むことができる。更に別の例として、ディスプレイ200は、電子装置又は異なるネットワーク化電子装置の各ユーザに関連した電力コスト設定をセットするためのユーザオプション224を含むことができる。
【0044】
図3は、本発明の一実施形態により個々のプロセスの電力消費コストを管理するためのディスプレイを例示する概略図である。ユーザは、例えば、選択プロセスオプション220(図2)に応答することを含む適当な解決策を使用して、ディスプレイ300にアクセスすることができる。ディスプレイ300は、電子装置により実行されるべきプロセスのリスト310を含むことができる。ある実施形態では、リスト310は、遂行されるようスケジュールされるか又はユーザのインストラクション及びプロセスのカテゴリー、形式又はクラスに従って遂行される特定のプロセスを含むことができる。ユーザは、プロセスの形式に関連した表示されたオプションを使用することを含めて、適当な解決策を使用して、リスト310に表示されるプロセスを制限することができる。例えば、ユーザは、電子装置により遂行できる現在、スケジュール済み及び潜在的将来の全ての処理を表示するための全部(All)オプション330と、電子装置により現在実行されているプロセスを表示するための現在(Current)オプション332と、ユーザが電子装置に実行するよう指令したがまだ遂行されていないプロセス(例えば、更新を自動的にチェックするような正規のスケジュール済みプロセス、又は電力コストを考慮して遅延されたプロセス)を表示するためのスケジュール済み(Scheduled)オプション334と、電子装置で遂行できるプロセスのカテゴリー又はタイプ(例えば、グラフィックアプリケーション、オフィスアプリケーション、メディアオペレーション、データ転送オペレーション)を表示するためのタイプ(Types)オプション336と、を選択することができる。ある実施形態では、リスト310内の各リストは、それに関連したプロセスのタイプの指示(例えば、異なる使用カラー、フォント、或いはプロセスの現在、スケジュール済み及びタイプに対するアイコン)を含むことができる。
【0045】
各リスト310は、電力コストの相対的重要性及び各プロセスの処理即時性をセットするためにユーザが個々に選択し動かすことのできる個々のバー320及びスライダー322に関連付けられる。ある実施形態では、バー320及びスライダー322に代わって又はそれに加えて、例えば、電力コスト又は処理遅延上限、相対的重要性の数値指示(例えば、重要性のパーセンテージ)、又は他の適当なインターフェイスを与えることを含めて、他のインターフェイスを使用することができる。ある実施形態では、ディスプレイ300は、それに代わって又はそれに加えて、ユーザがリスト310内の各リストの相対的な重要性をセットできるようにする。例えば、ディスプレイ300は、電力が制限されたときに順序における第1のプロセスだけが実行されるようにユーザが重要性によりプロセスを順序付けできるようにする。ディスプレイ300は、例えば、各プロセスに数値を指定し、各プロセスを順序付けされたリスト又は他の適当な表示に入れることを含めて、プロセスの相対的な重要性を指示するための適当なインターフェイスを含むことができる。ある実施形態では、ユーザは、各プロセスの相対的重要性の順序を見るために、ユーザが定義したスライダー322の設定に基づいてリスト310を順序付けするようディスプレイ300に指令することができる。
【0046】
ある実施形態では、ユーザは、電力消費制約の付加的プロセス又はプロセスの形式を定義することができる。例えば、ユーザは、アプリケーションができるだけ迅速に動作するよう保証するために(例えば、電力コストにはほとんど関わりなく)、1つ以上の特定のアプリケーションの電力消費又はアプリケーションの形式(例えば、好ましいデータ転送アプリケーション)をセットすることができる。別の例として、ユーザは、電力コストが低いときしかアプリケーションが動作しないように、1つ以上の特定のアプリケーションの電力消費又はアプリケーションの形式(例えば、オフィスコンピュータにおけるメディア再生アプリケーション)をセットすることができる。ユーザは、例えば、追加(Add)オプション340を選択することを含めて、適当な解決策を使用してプロセスを追加又は定義することができる。図示されていないが、ユーザは、ディスプレイ300と同様のオプションを有するディスプレイ(例えば、ユーザのリストと、各ユーザの電力コスト基準を定義するための関連バー及びスライダーを伴うディスプレイ)を使用して1つ以上の電子装置の異なるユーザに対して電力コスト基準をセットすることができる。
【0047】
図4は、本発明の一実施形態によりネットワーク内の個々の電子装置の電力消費コストを管理するためのディスプレイを例示する概略図である。ユーザは、例えば、ネットワーク装置オプション222(図2)の選択に応答して、を含めて、適当な解決策を使用してディスプレイ300にアクセスすることができる。ディスプレイ400は、電力消費コストが制御されるネットワークに結合された装置のリスト410を含むことができる。ある実施形態では、リスト310は、ネットワークに接続された特定の装置、ネットワークに以前に接続された装置、並びに装置のカテゴリー、タイプ又はクラス(例えば、プリンタ、コンピュータ、移動装置)を含むことができる。ユーザは、装置のタイプに関連した表示オプションを使用することを含めて、適当な解決策を使用してリスト410に表示される装置を制限することができる。例えば、ユーザは、ネットワークに結合される、結合された又は結合できる装置の現在、過去及びタイプの全てを表示するための全部(All)オプション430と、ネットワークに現在接続される装置を表示するための現在(Current)オプション432と、過去にネットワークに結合されたが、現在はそのネットワークに結合されていないプロセスを表示するための以前(Prior)オプション434と、ネットワークに結合できる電子装置のカテゴリー又はタイプ(例えば、コンピュータ、プリンタ、ポータブル装置、電力のみを要求する装置、又はホスト装置へのデータ転送を行う装置)を表示するためのタイプ(Type)オプション436と、を選択することができる。ある実施形態では、リスト310内の各リストは、それに関連したプロセスの形式の指示(例えば、異なる使用カラー、フォント、或いはプロセスの現在、スケジュール済み及びタイプに対するアイコン)を含むことができる。
【0048】
各リスト410は、電力コストの相対的重要性及び各プロセスの処理即時性をセットするためにユーザが個々に選択し動かすことのできる個々のバー420及びスライダー422に関連付けられる。ある実施形態では、バー420及びスライダー422に代わって又はそれに加えて、例えば、電力コスト又は処理遅延上限、相対的重要性の数値指示(例えば、重要性のパーセンテージ)、又は他の適当なインターフェイスを与えることを含めて、他のインターフェイスを使用することができる。ある実施形態では、ディスプレイ400は、それに代わって又はそれに加えて、ユーザがリスト410内の各リストの相対的な重要性をセットできるようにする。例えば、ディスプレイ400は、電力が制限されたときにその順序において第1の装置しか電力を受け取らないようにユーザが重要性で装置を分類することができるようにする。ディスプレイ300は、例えば、各装置に数値を指定し、各装置を順序付けされたリスト又は他の適当な表示に入れることを含めて、装置の相対的な重要性を指示するための適当なインターフェイスを含むことができる。ある実施形態では、ユーザは、各装置の相対的重要性の順序を見るために、ユーザが定義したスライダー422の設定に基づいてリスト410を順序付けするようディスプレイ400に指令することができる。ある実施形態では、ユーザは、特定の装置の電力コストに対して可変限界を定義することができる。例えば、電子装置は、移動装置が放電状態から充電されるときに電力コストを実質的に無視し、そして装置の充電が上昇する(例えば、60%充電のような特定の上限を越える)ときに電力コストの重要性を次第に高めるという条件を定義することができる。
【0049】
ある実施形態では、ユーザは、リスト410に最初にリストされていない電力消費制約の付加的装置又は装置の形式を定義することができる。例えば、ユーザは、装置が充電又はデータ転送に対してできるだけ迅速に電力を受け取るよう保証するために、1つ以上の特定の装置の電力消費又は装置の形式(例えば、アップル社から入手できるiPodタッチのようなポータブルメディア装置の特定モデル)をセットすることができる。別の例として、ユーザは、電力コストが低いときだけ装置が動作する(例えば、文書をプリントする)ように、1つ以上の特定装置の電力消費又は装置の形式(例えば、ネットワーク化されたプリンタ)をセットすることができる。ユーザは、例えば、追加(Add)オプション440を選択することを含めて、適当な解決策を使用してプロセスを追加又は定義することができる。
【0050】
ネットワーク内の電子装置の適当なユーザが、プロセス又は装置の電力消費を定義することができる。ある実施形態では、電力消費特性をセット又は定義するために、例えば、適切なユーザ名/パスワードの組み合わせから決定された管理上の権利を要求することができる。電子装置は、例えば、ディスプレイ200(図2)にアクセスする前に、或いはディスプレイ200又はその後のディスプレイ(例えば、各々図3及び4のディスプレイ300及び400)のオプションを選択することに応答して、を含めて、適当な時間に、管理上の証明書を与えるようユーザを促すことができる。例えば、ネットワークに多数の電子装置が相互接続された場合には、ユーザは、どの装置がユーザにより使用される装置に直結されるか(例えば、別の電子装置を介在せずに)、各ネットワーク装置におけるユーザの権利、装置の形式、ネットワーク上の各装置の相対的な権利又は重要性、各装置の能力、或いは他の適当な基準、の1つ以上に基づき、ネットワーク上の異なる装置の電力消費を制御することができる。例えば、ユーザは、第2コンピュータの電力消費の範囲、第2コンピュータの周辺装置(例えば、第2コンピュータに結合された1つ以上のプリンタ及びポータブル電子装置)、第2コンピュータのプロセス、及び第2コンピュータの周辺装置のプロセスをセットするために、第2のコンピュータに関連した管理パスワードを最初に与えることが要求される。ある実施形態では、電子装置(例えば、重要度の高い電子装置)は、(例えば、ネットワーク上の重要度の低い装置からではなく)ユーザがその装置から直接電力消費設定をセットすることを要求する。
【0051】
ユーザが新たなオペレーション又はプロセスをスタートするか又は付加的な装置をネットワークに接続するときに、電子装置は、その新たなプロセス又は装置に対する電力消費特性をセットするようにユーザを促す。図5は、本発明の一実施形態により新たなプロセスの電力消費特性を定義するためのディスプレイスクリーンを例示する概略図である。ディスプレイ500は、新たなプロセスに対する電力消費コスト特性の定義を示すが、新たな装置の電力消費特性をセットするのにも、実質的に同様のディスプレイ、又は実質的に同様のオプションを与えるディスプレイが設けられることが理解されよう。ディスプレイ500は、電子装置により検出される新たなプロセスを識別するリスト502を含むことができる。ディスプレイ500は、例えば、新たなプロセスの検出に応答して自動的に、アプリケーションが初めて実行されるときに、アプリケーションが実行されるたびに(例えば、制御回路又はプロセッサのためのプロセスを生成する)、ユーザがアプリケーション内のオプションを選択するのに応答して、又は他の適当なときに、を含めて、任意の適当な時間に表示することができる。多数の新たなプロセスが表示される場合には、多数のリスト502を同じディスプレイ上に設けることもできるし、又は異なるリスト502を伴う多数のディスプレイ500を設けることもできる。
【0052】
ディスプレイ500は、電子装置が動作するときにリスト502のプロセスに対し電力のコストのグラフィック表示を与えるバー510を含む。このバー510は、その端514と516との間で変位できる可動スライダー512を含む。端514及び516の各々は、関連電子装置に対する電力消費管理の限界を表すことができる。例えば、端514は、プロセスの電力コストを最小にすることに関連付けることができ(例えば、電力のコストに基づいてプロセスをスケジュールすることにより)、そして端516は、プロセスの迅速な又は即時の実行を保証するために電力コストの事柄を無視することに関連付けることができる。ユーザは、処理効率と当該電力コストの特定のバランスを選択するようにスライダー512をドラグすることができる。ディスプレイ500は、例えば、コストの指示517(例えば、リスト502のプロセスの現在電力設定に対する電力コストの推定値を与える)及び処理遅延の指示518(例えば、プロセスを遂行するインストラクションの付与と、プロセスの実際の実行との間の遅延の指示を与える)を含めて、決定をなす際にユーザの助けとなる他の適当な情報を含むことができる。ある実施形態では、ユーザは、例えば、電力コスト上限、処理即時性の最大遅延、電力コスト及び処理即時性の相対的重要度を指示するパーセンテージ又は値、或いは他の適当なインターフェイスを与えることを含めて、バー510及びスライダー512以外のインターフェイスを使用して、プロセスの電力コストを管理することができる。
【0053】
ユーザは、適当な解決策を使用して電力消費特性をセットすべき他の装置又はプロセスをサーチすることができる。例えば、ユーザは、特定の電力消費特性が定義されていない新たなプロセス又はオプションをサーチするために、各々、新たなプロセスオプションの探索522又は新たな装置オプションの探索524を選択することができる。オプション522又は524の一方のユーザ選択を受け取るのに応答して、電子装置は、電力消費特性がセットされていないか(例えば、デフォールト特性が使用されているか)、又は一般的形式の特性しか使用されないプロセス又は装置(例えば、形式特性を無効にする特定の特性がまだ定義されていないプロセス又は装置)のリストを表示することができる。ユーザは、選択されたプロセス又は装置に対してディスプレイ500と同様のディスプレイにアクセスするために、表示されたリストのいずれかを選択することができる。
【0054】
ユーザは、電子装置を動作するときに、その装置が特定の装置又は特定のプロセスに対してセットされた電力消費コストを越えるようにさせるオペレーションを遂行するようにその装置に命令することができる。図6は、本発明の一実施形態により設定電力消費特性を越える前のディスプレイを例示する概略図である。ディスプレイ600は、特定のオペレーションを実行すると、オペレーション(例えば、プロセス又は装置オペレーション)の電力消費コストが設定限界を越えることをユーザに指示するメッセージ602を含む。このディスプレイ600は、例えば、特定のオペレーション(例えば、ユーザがアプリケーションをオープンするか、又はタスクを遂行するようにアプリケーションに指令するか、又は周辺装置を電力又はデータ転送のためにホスト装置に接続する)を遂行するためのユーザ要求を受け取るのに応答して、を含めて、適当な時間に、ユーザに示すことができる。ディスプレイ600は、例えば、ポップアップウインドウ、新たなディスプレイ、又は他の適当な解決策を含む任意の適当な解決策を使用して、設けることができる。ディスプレイ600は、電力消費コストが限界を越えるという決定に応答して多数のアクションのためのオプションをユーザに与えることができる。例えば、ディスプレイ600は、プロセスを遂行しても電力消費コストが限界を越えることのないその後の時間へとプロセスを再スケジュールするように電子装置に指令するための再スケジュールオプション610を含む。電子装置は、電力コストを下げるか又はプロセスをその後の勘定又は会計期間に対して再スケジュールするように時間と共にプロセスを分散させることができる(例えば、プロセス形式がその日又はその週に対する電力コストの割り当て分を使用してしまい、プロセスが翌日又は翌週まで待機しなければならない)。
【0055】
ある実施形態では、ディスプレイ600は、それとは別に又はそれに加えて、再定義オプション612及び一回きりの例外オプション614を含むことができる。再定義オプション612のユーザ選択を受け取るのに応答して、電子装置は、問題とするプロセス又は装置に関連した電力消費コスト特性を再定義するようにユーザを促すことができる。例えば、電子装置は、プロセス又は装置に対してディスプレイ200(図2)と同様のディスプレイを示すことができる。別の例として、電子装置は、ディスプレイ600における電力消費コスト特性を変更するためのインターフェイスを選択的に一体化することができる。一回きりの例外オプション614のユーザ選択に応答して、電子装置は、プロセスの電力消費コスト設定に対して一回きりの例外を定義するようにユーザを促すことができる。オプション612又は614の一方のユーザ選択を受け取るのに応答して、電子装置は、各プロセスの電力消費コスト設定の範囲を示すバー620と、特定の設定を選択するためのスライダー622とを示すことができる。無許可のユーザが電力消費設定を変更するのを防止するために、ディスプレイ600は、バー620及びスライダー622、又は電力消費コスト設定を定義するための他のインターフェイスを表示する前に、認証情報(例えば、管理上のパスワード)についてユーザを促すことができる。ある実施形態では、電子装置は、装置の全体的な電力コストが一定に保たれるよう保証するために(例えば、現在プロセスについてユーザにより要求された増加を考慮して、他のプロセスに関連した電力コスト割り当てを下げるために)、再定義又は一回きりの例外オプションのユーザ選択を受け取るのに応答して他のプロセス又は装置の電力コスト限界を自動的に調整することができる。
【0056】
ユーザは、適当な解決策を使用して過去及び現在の電力消費コストを監視することができる。ある実施形態では、電子装置は、過去、現在及び予想される将来の電力消費コストを指示する表示を与えることができる。図7は、本発明の一実施形態により電力コストの表示を与えるディスプレイを例示する概略図である。ディスプレイ700は、時間に伴う電力消費コストの進展の可視表示を示すグラフ710を含む。このグラフ710は、時間軸及びコスト軸を含み、時間と共に電子装置を動作する電力コストを表すコスト曲線712がプロットされる。ある実施形態では、ユーザは、例えば、曲線714及び715で指示された、時間に伴う特定プロセスの電力コストを見ることができる。このディスプレイ700は、適当な解決策(例えば、異なるカラー、線の太さ、又は線の種類)を使用して区別できる曲線712、714及び715の各々の意味を表す凡例720を含む。グラフ710は、装置に割り当てられる電力消費コストに対するグラフ限界を示す限界718を含む。図7の例では、線718は、一定限界を示すが、他の適当な形式の限界も使用できることが理解されよう。
【0057】
ユーザは、例えば、全部(All)オプション730、過去(Past)オプション732、現在(Current)オプション734及び将来(Future)オプション736の1つ以上を選択することを含めて(例えば、ネットワークに接続された装置又はプロセスの全部、過去、現在及び将来の電力コストの表現を表示するために)、適当な解決策を使用して異なる曲線を表示するようにグラフ710に指令することができる。ある実施形態では、ディスプレイ700は、特定のプロセス又は装置に対する曲線を表示するようにグラフ710に指令するための1つ以上のオプションを含むことができる。例えば、ディスプレイ700は、既知のプロセスのリストを見るためのプロセスオプション(図示せず)を含むことができる。
【0058】
次のフローチャートは、電子装置並びに電子装置のプロセス及びオペレーションの電力コストを管理するためのプロセスを説明する。図8は、本発明の一実施形態により割り当てられた電力消費コストに基づいて電子装置プロセスを遂行すべきかどうか決定するためのプロセスを例示するフローチャートである。このプロセス800は、ステップ802で始まり、そしてステップ804において、電子装置は、実行すべきプロセスを識別する。例えば、電子装置は、アプリケーションに関連したプロセスを遂行するためのインストラクションをユーザから受け取る。別の例として、電子装置は、オペレーティングシステムにより遂行されるべきプロセスを識別することができる。ステップ806において、電子装置は、識別されたプロセスに対する予想電力消費量を決定する。例えば、電子装置は、プロセスを遂行するのに必要なコンポーネントと、各コンポーネントの動作期間とを決定する。別の例として、電子装置は、識別されたプロセスを遂行するために電子装置により要求される計算の回数を決定する。更に別の例として、電子装置は、電力要求の参照から、或いは同じ又は同様のプロセスに対する以前の要求に基づいて、識別されたプロセスの電力消費量を決定する。
【0059】
ステップ808において、電子装置は、識別されたプロセスに対してセットされた電力コスト特性を決定する。例えば、電子装置は、電力コストの相対的重要性、及び識別されたプロセスに対する処理の即時性を決定する(例えば、識別されたプロセスに対するスライダー設定から)。別の例として、電子装置は、プロセス又は識別されたプロセスのカテゴリーに対する最大電力コスト値を決定する。ステップ810において、電子装置は、識別されたプロセスを、決定された電力コスト及び識別されたプロセスに対してセットされた電力コスト特性に基づいてスケジュールする。例えば、電子装置は、異なる時間におけるプロセスの電力コストを決定し(例えば、ピーク電力時間及びオフピーク電力時間において決定し)、そして電力コストがユーザによりセットされた電力コスト特性を満足する最も早い時間に対してプロセスをスケジュールすることができる。特に、電力コスト特性が最大コストを含む場合には、電子装置は、電力コストを最大コストより低くできる最も早い時間に実行するようにその識別されたプロセスをスケジュールすることができる。ある実施形態では、識別されたプロセスは、異なる電力コストに関連した時間及び期間でスケジュールすることができる(例えば、ピーク時間にスタートし、オフピーク時間に終了する)。次いで、プロセス800は、ステップ812で終了となる。
【0060】
図9は、本発明の一実施形態により処理をいつ遂行すべきか決定するためのプロセスを例示するフローチャートである。このプロセス900は、ステップ902で始まる。ステップ904において、電子装置は、過去の電力消費を決定する。例えば、電子装置は、電力消費限界が適用される所与の期間(例えば、過去の日、週又は月)内の以前の電力消費のコストを決定する。ある実施形態では、電子装置は、特定のプロセス(例えば、現在プロセス)、プロセスの形式、又はネットワーク内の装置に対する電力消費を決定する。ステップ906において、電子装置は、適用可能な電力消費限界を識別する。例えば、電子装置は、プロセス、プロセスの形式、又はプロセスの装置に関連した所与の期間当たりの最大コストを決定する。ステップ908において、電子装置は、特定のプロセスを実行することで、そのプロセスに関連した識別された電力消費限界を越えるかどうか決定する。例えば、電子装置は、現在時間にプロセスを実行する電力コストを決定し、そして過去の電力消費コストと現在プロセスの予想コストとの和を、識別された電力消費限界と比較する。予想コストを決定するため、電子装置は、プロセスを遂行するために種々の電子装置コンポーネントにより消費される電力の量及びプロセスの期間を決定し、そしてその決定された期間中の決定された電力量のコストを(例えば、電力供給者により提供される情報から)決定する。
【0061】
プロセスを遂行することで、識別された電力消費限界を越えることを電子装置が決定する場合には、プロセス900は、ステップ910へ進む。ステップ910において、電子装置は、プロセスの遂行を遅延することで、そのプロセスに関連した識別された電力消費限界を越えるかどうか決定する。例えば、電子装置は、電源により供給される電力が現在の電力コストより低いときにプロセスの電力コストを決定する。電源が異なる時間に多数の低い料金で電力を供給する場合には、電子装置は、プロセスを遂行する電力コストがその識別された電力消費限界を越えないところの種々の時間の最も早い時間を識別する。ある実施形態では、電子装置は、プロセスを受け容れ又はプロセスを遅延しないようユーザを促すことができる。プロセスの遂行を遅延しても、その識別された電力消費限界を依然越えることを電子装置が決定する場合には、プロセス900は、ステップ912へ進む。
【0062】
ステップ912において、電子装置は、ユーザがその識別された電力消費限界を越えることが許されるかどうか決定する。例えば、電子装置は、その識別された電力消費限界を無効にするユーザのインストラクションが与えられたかどうか決定する。特に、電子装置は、管理上の証明書が与えられたかどうか決定する。ユーザ許可が与えられたと電子装置が決定する場合には、プロセス900は、ステップ914へ進む。更に、ステップ910において、プロセスの遂行を遅らせると、その識別された電力消費限界を越えないことを電子装置が決定する場合には、プロセス900は、ステップ914へ進む。又、ステップ908において、プロセスを遂行しても、その識別された電力消費限界を越えないことを電子装置が決定する場合には、プロセス900は、ステップ914へ進む。ステップ914において、電子装置は、プロセスを遂行する。例えば、電子装置は、ユーザにより要求されたアプリケーションオペレーション、オペレーティングシステムプロセス、又は装置により遂行すべき他のプロセスを実行することができる。次いで、プロセス900は、ステップ916において終了となる。
【0063】
ステップ912において、それに代わって又はそれに加えて、ユーザ許可が与えられていないことを電子装置が決定すると、プロセス900は、ステップ918へ進む。ステップ918において、電子装置は、プロセスを遂行することができない。例えば、電子装置は、プロセスをプロセスキューから除去する。次いで、プロセス900は、ステップ916において終了となる。
【0064】
従って、電気の消費を監視することのできるコンピュータ及び他のネットワーク装置、並びに電気の料率が低い期間中に電気を消費するコンピュータアクティビティをスケジュールするための方法及び装置が提供されたことが明らかである。以上の説明は、本発明の原理を例示するものに過ぎず、又、当業者であれば、本発明の範囲及び精神から逸脱せずに種々の変更がなされ、更に、本発明は、特許請求の範囲のみによって限定されることが理解されよう。
【符号の説明】
【0065】
100:電子装置
102:制御回路
104:記憶装置
106:メモリ
108:入力/出力回路
110:通信回路
112:電力回路
200:ディスプレイ
210:バー
212:スライダー
214、216:端
300:ディスプレイ
310:リスト
320:バー
322:スライダー
400:ディスプレイ
410:リスト
420:バー
422:スライダー
500:ディスプレイ
502:リスト
510:バー
512:スライダー
514、516:バーの端
600:ディスプレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプロセスを遂行するシステムのための電力管理方法において、
各プロセスにプライオリティを指定するステップと、
電力コスト情報にアクセスするステップと、
各プロセスに対して、電力コスト情報及び各プロセスに指定されたプライオリティに少なくとも一部分基づくスケジュールで各プロセスを実行するステップと、
を備えた電力管理方法。
【請求項2】
前記システムは、複数のユーザを有し、
それらユーザの1人により各プロセスが呼び出され、
前記方法は、更に、各ユーザにプライオリティを指定するステップを備え、
前記実行するステップは、更に、前記ユーザの1人に指定されたプライオリティに少なくとも一部分基づくスケジュールで各ファンクションを実行することを含む、請求項1に記載の電力管理方法。
【請求項3】
前記スケジュールのユーザ無効化を受け容れるステップを更に備えた、請求項1に記載の電力管理方法。
【請求項4】
前記アクセスするステップは、前記システムに記憶された情報にアクセスすることを含む、請求項1に記載の電力管理方法。
【請求項5】
前記アクセスするステップは、前記システムの外部情報にアクセスすることを含む、請求項1に記載の電力管理方法。
【請求項6】
前記アクセスするステップは、外部データネットワークを経て電力会社情報にアクセスすることを含む、請求項5に記載の電力管理方法。
【請求項7】
前記アクセスするステップは、インターネット接続を経て電力会社情報にアクセスすることを含む、請求項6に記載の電力管理方法。
【請求項8】
前記プロセスは、
周辺装置を充電すること、
ファイルをダウンロードすること、
電子メールメッセージを送信すること、
の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の電力管理方法。
【請求項9】
現在アクティブなファンクション及び電力コスト情報に基づいて前記システムによって電力使用を監視するステップと、
電力使用のコストを表示するステップと、
を更に備えた請求項1に記載の電力管理方法。
【請求項10】
現在アクティブなファンクションの少なくとも1つを、電力コストの低い将来の期間へ延期する旨の推奨を表示するステップを更に備えた、請求項9に記載の電力管理方法。
【請求項11】
少なくとも1つのファンクションについて将来の時間における電力使用のコストを現在表示するステップを更に備えた、請求項10に記載の電力管理方法。
【請求項12】
電力管理スケジューリングの失敗が生じたときに、その失敗の通知を表示するステップを更に備えた、請求項1に記載の電力管理方法。
【請求項13】
複数のプロセスを遂行するシステムのための電力管理方法において、
1日の時刻による料金情報を含む電気料率情報にアクセスするステップと、
現在アクティブなプロセス及び電気料率情報に基づきシステムによる電力使用を監視するステップと、
電力使用の現在コストを表示するステップと、
を備えた電力管理方法。
【請求項14】
現在アクティブなファンクションの少なくとも1つを、電力コストの低い将来の期間へ延期する旨の推奨を表示するステップを更に備えた、請求項13に記載の電力管理方法。
【請求項15】
少なくとも1つのファンクションについて将来の時間における電力使用のコストを現在表示するステップを更に備えた、請求項14に記載の電力管理方法。
【請求項16】
複数のオペレーションを遂行するシステムにおいて、
プロセッサと、
各オペレーションに指定されたプライオリティを記憶するデータ記憶装置と、
を備え、各オペレーションに対して、前記プロセッサは、電力コスト情報のソースから前記プロセッサにより検索される電力コスト情報、及び前記データ記憶装置から前記プロセッサにより検索される各オペレーションに指定されたプライオリティに少なくとも一部分基づくスケジュールで各オペレーションを遂行する、システム。
【請求項17】
前記システムは、複数のユーザを有し、
それらユーザの1人により各オペレーションが呼び出され、
前記データ記憶装置は、更に、各ユーザに指定されたプライオリティを記憶し、
前記プロセッサは、更に、前記データ記憶装置から前記プロセッサにより検索される各ユーザに指定されたプライオリティに少なくとも一部分基づくスケジュールで各オペレーションを遂行する、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
スケジュールのユーザ無効化を受け容れる入力装置を更に備えた、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
電力コスト情報のソースは、データ記憶装置を含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
電力コスト情報のソースは、システムに対する外部情報のソースへの接続を含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項21】
現在アクティブなオペレーション及び現在の電力コスト情報に基づいてシステムによる電力使用を監視する電力モニタを更に備え、この電力モニタは、電力使用の現在コストを表示する、請求項17に記載のシステム。
【請求項22】
前記電力モニタは、現在アクティブなオペレーションの少なくとも1つを、電力コストの低い将来の期間へ延期する旨の推奨を表示する、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記電力モニタは、少なくとも1つのファンクションについて将来の時間における電力使用のコストを現在表示する、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
電子装置オペレーションの電力消費を制御する方法において、
1日の時刻による料金情報を含む電気料率情報を識別するステップと、
遂行されるべき複数の電子装置オペレーションのリストを表示するステップと、
その表示されたリストに各々関連した複数の電力消費コスト特性オプションを表示するステップと、
その表示された複数の電力消費コスト特性オプションの各々に対するユーザ定義値を受け取るステップと、
特定の電子装置オペレーションに関連した電力消費コスト特性オプションの前記受け取られたユーザ定義値に基づいて特定の電子装置オペレーションの遂行をスケジュールするステップと、
を備えた方法。
【請求項25】
ネットワークに結合された複数の電子装置のリストを表示するステップと、
その表示されたリストの1つに各々関連した複数の電力消費コスト特性オプションを表示するステップと、
その表示された複数の電力消費コスト特性オプションの各々に対するユーザ定義値を受け取るステップと、
特定の電子装置に関連した電力消費コスト特性オプションの前記受け取られたユーザ定義値に基づいて特定の電子装置による電子装置オペレーションの遂行をスケジュールするステップと、
を更に備えた請求項24に記載の方法。
【請求項26】
表示された電力消費コスト特性オプションの値を調整するステップを更に備えた、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
複数の装置と、
前記複数の装置を相互接続するローカルエリアネットワークと、
各装置における各電力モニタであって、各装置による電力消費を監視する各電力モニタと、
少なくとも1つの各装置における各電力コンソールと、
を備え、前記各電力モニタは、前記ローカルエリアネットワークを経て各電力コンソールと通信し、そして各電力コンソールは、装置による電力消費を表示する、システム。
【請求項28】
各電力コンソールは、全ての装置の合計電力消費を表示する、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
各電力コンソールは、個々の装置の電力消費を表示する、請求項27に記載のシステム。
【請求項30】
各電力コンソールは、ユーザにより選択された前記装置のうちの選択された個々の装置の合計電力消費を表示する、請求項29に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2011−527805(P2011−527805A)
【公表日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−517594(P2011−517594)
【出願日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際出願番号】PCT/US2009/050024
【国際公開番号】WO2010/006109
【国際公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
2.イーサネット
【出願人】(503260918)アップル インコーポレイテッド (568)
【Fターム(参考)】