説明

インドリジン化合物

本発明は、環A、X、Y、Z、R1、R2およびR3が明細書中に定義される、式(I)の化合物に関する。これらの化合物は、癌、炎症性障害、自己免疫疾患およびPDE4または高レベルのサイトカインに関する他の症状の治療および予防に有用である。本発明はまた、少なくとも1つの式(I)の化合物を含有する医薬組成物、ならびに、癌、炎症性障害、自己免疫疾患およびPDE4または高レベルのサイトカインに関する他の症状の治療および予防方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
分野
本発明は、生物学的に活性な化合物、即ちインドリジンに関する。
【0002】
背景
癌、炎症性障害よび自己免疫疾患に有効な薬剤に関する研究にかなりの費用が使われている。しかし、かなりの進歩にもかかわらず、これらの状態の治療は多くの理由で不充分である。
【0003】
例えば、現在利用できる治療法に対して応答しないかまたは充分に応答しない癌がなお存在する。治療可能な癌の患者は、重度の副作用を生じる薬剤での化学療法を受けなければならない場合が多い。これらの薬剤はほとんど経口使用することができない。おそらく、癌化学療法に関する最も重大な問題は、多くの腫瘍による多剤耐性の発生である。例えば大きさを減少させるかまたは寛解期に入ることによって、抗癌療法に対して初めは積極的に応答していた多くの癌が、薬剤に耐性を生じることが多い。2つ以上の薬剤に耐性を生じた腫瘍は、「多剤耐性」と言われる。患者の癌が一旦多剤耐性になれば、その疾患のさらなる進行を止めるかまたは遅らせるためにしうることはほとんどない。
【0004】
最近の研究では、腫瘍壊死因子α(TNFα)の産生または作用の阻害が、炎症性障害および自己免疫疾患、例えば、多発性硬化症、肺線維症、アテローム性動脈硬化症およびクローン病に治療効果を有することが示されている。Newtonら、J. Med. Chem. (1999) 42(13):2295-2314参照。TNFαは、心不全の発症および進行における前炎症性媒介物質(proinflammatory mediator)としても重要な役割を担っている。Mann, D. L., Circ. Res. (2002)91:988-998参照。TNFαの活性は、抗体によって阻害することができる。しかし、この免疫療法は、月に1回か2回、病院で抗体を静脈内投与するので、費用がかかり、慢性疾患の治療に不都合である。さらに、抗体は、他の大部分の蛋白質と同様に、投与後に不安定になる傾向がある。
【0005】
ホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害薬に関する前臨床および臨床試験は、これらの薬剤が広範囲の炎症性障害および自己免疫疾患(喘息、慢性閉塞性肺疾患、アトピー性皮膚炎、慢性関節リウマチ、多発性硬化症および種々の神経学的障害を含む)に有効でありうることを示している。Doherty, A. M., Current Opinion in Chemical Biology(1999)3:466-473参照。PDE4阻害薬は、炎症性障害を治療する薬剤として使用されていない。
【0006】
従って、癌、炎症性障害および自己免疫疾患の治療において現在使用されている薬剤の前記短所の1つまたはそれ以上を克服する新規薬剤が現在も必要とされている。従って、新規薬剤の所望の特性は、現在治療できないかまたは充分に治療できない疾患または障害に対する効果(例えば、多剤耐性癌に対する効果)、経口生物学的利用能および/または軽減した副作用を含む。
【0007】
要旨
本発明は、特定のインドリジン化合物が、癌、炎症性障害、自己免疫疾患、およびPDE4または高レベルのサイトカインに関係した他の症状の予防および治療に有効であるという発見に基づいている。
【0008】
本発明は、式(I)のインドリジン化合物、ならびに医薬的に許容されるその塩およびプロドラッグに関する:
【0009】
【化1】

【0010】
[式中:
環Aは、置換または非置換であり、アリール基に任意に縮合し;
Yは、-C(R4R5)-、-N(R4)-、-O-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、-C(=O)-、-C(=S)-、-C(=O)-N(R4)-、-C(=N-OR12)-、-C(=N-R12)-または-N(R4)-C(=O)-であり;
Zは、=O、=S、=N-OR12または=NR12であり;
R1およびR2は、独立して、-H、非置換脂肪族基、置換脂肪族基、非置換非芳香族複素環式基、置換非芳香族複素環式基、非置換アリール基または置換アリール基であり、但し、R1およびR2の両方ともが-Hでないものとし;または、一緒になって、NR1R2が、置換もしくは非置換非芳香族窒素含有複素環式基または置換もしくは非置換窒素含有ヘテロアリール基であり;
R3は、置換もしくは非置換アリール基または置換もしくは非置換脂肪族基であり;
Xは、共有結合、-C(R4R5)-、-N(R4)-、-O-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-または-N(R4)-C(=O)-であり;
各R4およびR5は、独立して、-H、または置換もしくは非置換脂肪族基であり;
R12は、-H、または置換または非置換アルキル基である]。
【0011】
本発明の1つの態様は、医薬的に許容される担体および式(I)の化合物を含んで成る医薬組成物に関する。これらの医薬組成物は、例えば、癌、炎症性障害、自己免疫疾患、またはPDE4または高レベルのサイトカインに関係した他の症状を予防または治療する予防法および治療法に使用しうる。
【0012】
本発明の他の態様は、癌、炎症性障害、自己免疫疾患、またはPDE4または高レベルのサイトカインに関係した他の状態の予防または治療用の薬剤の製造における、式(I)の化合物の使用に関する。該薬剤は、有効量の該化合物を含んで成る。
【0013】
本発明の他の態様は、癌、炎症性障害、自己免疫疾患、またはPDE4または高レベルのサイトカインに関係した他の状態の被験体を治療する方法に関する。該方法は、有効量の式(I)の化合物、または式(I)の化合物を含んで成る医薬組成物を被験体に投与することを含む。
【0014】
本発明の他の態様は、癌、炎症性障害、自己免疫疾患、およびPDE4または高レベルのサイトカインに関係した他の症状に罹患しやすい被験体において、それらを予防する方法に関する。該方法は、有効量の式(I)の化合物、または式(I)の化合物を含んで成る医薬組成物を被験体に投与することを含んで成る。
【0015】
本発明の他の態様は、有効量の式(I)の化合物、または式(I)の化合物を含んで成る医薬組成物に細胞を接触させることによって、細胞におけるTNFαまたはPDE4を阻害する方法に関する。
【0016】
本発明の他の態様は、有効量の式(I)の化合物、または式(I)の化合物を含んで成る医薬組成物を被験体に投与することを含んで成る、被験体におけるTNFαレベルを減少させる方法に関する。
【0017】
本発明の他の態様は、有効量の式(I)の化合物、または式(I)の化合物を含んで成る医薬組成物に、細胞を接触させることを含んで成る、炎症性細胞活性化を抑制する方法に関する。
【0018】
本発明の種々の態様の詳細を以下に記載する。本発明の他の特徴、目的および利点は、以下の記載および請求の範囲から明らかである。
【0019】
詳細な説明
特に指定しなければ、本明細書に使用される下記の用語(およびそれと類似したまたは同様の用語)は、以下のように定義される。
【0020】
「アリール基」という用語は、炭素環および複素環式芳香族(「ヘテロアリール」)基の両方(一般に、5〜8員の単環式芳香環、または各環に5〜8員を有する多環式芳香環または環系)、例えばフェニル、ナフチルおよびアントラシル、ならびにヘテロアリール基、例えば、イミダゾリル、イソイミダゾリル、チエニル、フラニル、ピリジル、ピリミジル、ピラニル、ピラゾリル、ピロリル、ピラジニル、チアゾイル、チエニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリルおよびテトラゾリルを意味する。アリール基は、炭素環式芳香環またはヘテロアリール環が1つまたはそれ以上の他の炭素環式芳香環またはヘテロアリール環に縮合(fuse)している縮合多環式芳香環系も含む。その例としては、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、インドリル、キノリニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、キノリニル、イソキノリニルおよびイソインドリルが挙げられる。窒素含有アリール基(例えばピリジル)は、特に、それらのN−オキシド形態が挙げられる。
【0021】
「脂肪族基」という用語は、完全に飽和しているかまたは1つもしくはそれ以上の不飽和単位を含有する直鎖、分岐鎖または環式非芳香族炭化水素を意味する。一般に、直鎖または分岐鎖脂肪族基は、1〜約10個、好ましくは1〜約4個の炭素原子を有し、環式脂肪族基は、3〜約10個、好ましくは3〜約8個の炭素原子を有する。脂肪族基は、好ましくは、直鎖または分岐鎖アルキル基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ペンチルまたはオクチル、または3〜約8個の炭素原子を有するシクロアルキル基である。C1〜C4直鎖または分岐鎖アルキル基またはC3〜C8環式アルキル基は「低級アルキル」基とも称され、脂肪族基の各存在における好ましいサブセットである。本発明の目的のために、「脂肪族基」、「アルキル」、およびそれらの用語を接頭辞または接尾辞として組み込んでいる用語(例えば、アルコキシまたはアミノアルキル)は、その基における1個またはそれ以上の炭素が酸素(O)、硫黄(S)または窒素(N)で置換されている成分も含む。さらに、それらの基は、1個またはそれ以上の一般的なアルキル置換基、例えば、アミノ、アルキルアミノ、アルコキシ、アルキルチオ、オキソ、ハロ、アシル、ニトロ、ヒドロキシル、シアノ、アリール、アルキルアリール、アリールオキシ、アリールチオ、アリールアミノ、カルボシクリル、カルボシクリルオキシ、カルボシクリルチオ、カルボシクリルアミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルチオ等で任意に置換されていてよい。
【0022】
「アルキレン基」は、-(CH2n-[nは、1〜10、好ましくは1〜4の整数である]、その置換または分岐異形によって示される。
【0023】
「非芳香族複素環式」環または基は、1個またはそれ以上のヘテロ原子、例えば窒素、酸素または硫黄を環に含有する非芳香族炭素環または環系である。一般に、環は5、6、7または8員であり得、縮合している場合は、系の各環が5、6、7または8員を有し得る。その例としては、オキサゾリニル、チアゾリニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、モルホリノ、チオモルホリノ、ピロリジニル、ピペラジニル、ピペリジニルおよびチアゾリジニルが挙げられる。「ヘテロシクリル」、「複素環式」等の用語は、非芳香族複素環および芳香族複素環の両方を含む。
【0024】
環A、脂肪族基、アリール基または非芳香族複素環式基に好適な置換基は、開示化合物の予防または治療活性を実質的に妨げない置換基である。好適な置換基の例としては、下記の置換基が挙げられるがそれらに限定されない:-OH、ハロゲン(-Br、-Cl、-Iおよび-F)、-ORa、-O-CORa、-CORa、-CN、-NO2、-COOH、-SO3H-、-NH2、-NHRa、-N(RaRb)-、-COORa-、-CHO、-CONH2、-CONHRa、-CON(RaRb)、-NHCORa、-NRCORa、-NHCONH2、-NHCONRaH、-NHCON(RaRb)、-NRcCONH2、-NRcCONRaH、-NRcCON(RaRb)、-C(=NH)-NH2、-C(=NH)-NHRa、-C(=NH)-N(RaRb)、-C(=NRc)-NH2、-C(=NRc)-NHRa、-C(=NRc)-N(RaRb)、-NH-C(=NH)-NH2、-NH-C(=NH)-NHRa、-NH-C(=NH)-N(RaRb)、-NH-C(=NRc)-NH2、-NH-C(=NRc)-NHRa、-NH-C(=NRc)-N(RaRb)、-NRdH-C(=NH)-NH2、-NRd-C(=NH)-NHRa、-NRd-C(=NH)-N(RaRb)、-NRd-C(=NRc)-NH2、-NRd-C(=NRc)-NHRa、-NRd-C(=NRc)-N(RaRb)、-NHNH2、-NHNHRa、-NHRaRb、-SO2NH2、-SO2NHRa、-SO2NRaRb、-CH=CHRa、-CH=CRaRb、-CRc=CRaRb、-CRc=CHRa、-CRc=CRaRb、-CCRa、-SH、-SRa、SOkRa(kは0、1または2)および-NH-C(=NH)-NH2。Ra〜Rdは、それぞれ独立して、脂肪族、置換脂肪族、ベンジル、置換ベンジル、アリールまたは置換アリール基、好ましくは、アルキル、ベンジルまたはアリール基である。さらに、一緒になって、-NRaRdが、置換または非置換非芳香族複素環式基を形成することもできる。非芳香族複素環式基、ベンジル基またはアリール基は、脂肪族または置換脂肪族基を置換基として有することもできる。置換脂肪族基は、非芳香族複素環、置換非芳香族複素環、ベンジル、置換ベンジル、アリールまたは置換アリール基を、置換基として有することもできる。置換脂肪族、非芳香族複素環式基、置換アリールまたは置換ベンジル基は、同じかまたは異なる1個より多い置換基を有しうる。
【0025】
他のヘテロアリール環原子への共有結合3個を有するヘテロアリール環窒素原子に好適な置換基としては、-OHおよび-アルコキシ(好ましくはC1〜C4)が挙げられる。他のヘテロアリール環原子への共有結合3個を有する置換ヘテロアリール環窒素原子は、正に荷電され、塩化物、臭化物、蟻酸塩、酢酸塩等のような対アニオンによって均衡がとられている。他の好適な対アニオンの例は、薬理学的に許容される好適な塩に関する下記段落に記載されている。
【0026】
他のヘテロアリール環原子への共有結合2個を有するヘテロアリール環窒素原子に好適な置換基は、アルキル、置換アルキル(ハロアルキルを含む)、フェニル、置換フェニル、-S(O)2-(アルキル)、-S(O)2-NH(アルキル)および-S(O)2-NH(アルキル)2を含む。
【0027】
環Aに好ましい置換基は、アリール(例えば、任意に置換されたフェニル)、ハロ(例えば、-F、-Clおよび-Br)、-C1〜C4アルキル、-C1〜C4アルコキシ、-C1〜C4アルコキシカルボニル、-C1〜C4ハロアルキル、-C1〜C4ハロアルコキシ、-C1〜C4ハロアルコキシカルボニル、-C1〜C4アシル、アミド、置換アミド、NO2、-CN、-OH、-NH2および置換アミノを含む。環Aは、0個、1個またはそれ以上の置換基を有することができる。置換アミドおよび置換アミノについて、好ましい置換基は低級アルキルである。
【0028】
環D〜Tに好ましい置換基としては、下記の置換基が挙げられる:C1〜C4アルキル、C1〜C4ヒドロキシアルキル、N-モルホリノ、ピリミジル、ピリミジルで置換されたC1〜C4アルキル、-N(C1〜C4アルキル)2、-C(O)NH2、-C(O)NH(C1〜C4アルキル)、C(O)N(C1〜C4アルキル)2、-NHC(O)(C1〜C4アルキル)、-NO2、C1〜C4アルコキシ、-C(O)O-CH2CH2-N(C1〜C4アルキル)2
【0029】
【化2】

【0030】
-NH-(フェニル)、-NH2、-CH2NH-C(O)-O-(C1〜C4アルキル)、-CH2NH2、-Cl、-F、-C(O)-O-(C1〜C4アルキル)、-C(O)-N-(C1〜C4アルキル)、C3〜C7シクロアルキル、フェニル、-C(O)-N-モルホリノ、-S-(C1〜C4アルキル)、-CN、フリル、-S(O)2-(C1〜C4アルキル)、-S(O)2-NH2、-S(O)2-NH(C1〜C4アルキル)または-S(O)2-N(C1〜C4アルキル)2
【0031】
本明細書に使用される「サイトカイン」という用語は、他の細胞の機能に影響を及ぼし、免疫反応または炎症反応における細胞間の相互作用を調節するあらゆる分泌ポリペプチドを意味する。サイトカインは、どの細胞がそれらを産生するかにかかわらず、モノカイン、リンホカインおよびケモカインを含むがそれらに限定されない。例えば、モノカインは、単核細胞によって産生および分泌されると一般に言われているが、多くの他の細胞、例えば、ナチュラルキラー細胞、線維芽細胞、好塩基性細胞、好中球、内皮細胞、脳星状細胞、骨髄間質細胞、表皮ケラチン生成細胞およびB-リンパ球が、モノカインを産生する。リンホカインは、リンパ球細胞によって産生されると一般に言われている。サイトカインの例としては、インターロイキン-1(IL-1)、インターロイキン-6(IL-6)、腫瘍壊死因子α(TNFα)および腫瘍壊死因子β(TNFβ)が挙げられるがそれらに限定されない。
【0032】
本発明は、被験体におけるTNFαレベルを減少させる方法も提供し、該方法は、有効量の式(I)の化合物を被験体に投与することを含んで成る。本明細書において使用される「TNFαレベルを減少させる」という語句は、下記のいずれかを意味する:
a) 単球またはマクロファージを含むがそれらに限定されないあらゆる細胞によるTNFαの生体内放出を阻害することによって、哺乳類における過剰の生体内TNFαレベルを正常レベルまたは正常レベル未満に減少させるか;または
b) 哺乳類における過剰の生体内TNFαレベルの、正常レベルまたは正常レベル未満へのダウンレギュレーション(down-regulaton)を、翻訳または転写レベルにおいて誘発するか;または
c) 翻訳後事象としてTNFαの直接合成を阻害することによって、ダウンレギュレーションを誘発する。
【0033】
さらに、本発明の化合物は、炎症性細胞活性化を抑制するのに有用である。本明細書に使用される「炎症性細胞活性化」という用語は、刺激(サイトカイン、抗原または自己抗体を含むがそれらに限定されない)による増殖性細胞反応の誘発、可溶性媒介物質(サイトカイン、酸素基、酵素、プロスタノイドまたは血管作用性アミンを含むがそれらに限定されない)の産生、または炎症性細胞(単球、マクロファージ、Tリンパ球、Bリンパ球、顆粒球、多形核白血球、マスト細胞、好塩基性細胞、好酸球、樹状細胞および内皮細胞を含むがそれらに限定されない)における新たなまたは増加した数の媒介物質(主要組織適合性抗原または細胞接着分子を含むがそれらに限定されない)の細胞表面発現を意味する。これらの細胞におけるこれらの表現型の1つまたは組合せの活性化が、炎症状態の開始、永続化または悪化に寄与しうることは当業者に理解される。
【0034】
本発明の化合物を使用して、「PDE4または増加したレベルのサイトカインに関係した他の症状」を治療または予防しうる。この語句は、TNFαの過剰産生または活性を特徴とするか、それによって媒介されるかまたは悪化するあらゆる疾患、状態または障害を含むがそれらに限定されない。さらに、この語句は、PDE4の過剰産生または活性(高レベルのサイトカインを生じるか否かにかかわらない)を特徴とするか、それによって媒介されるかまたは悪化するあらゆる疾患、症状または障害を含むがそれらに限定されない。そのような状態は、炎症性腸疾患(例えばクローン病)、喘息、敗血症、脳卒中、心不全、慢性閉塞性肺疾患、アレルギー性鼻炎および自己免疫疾患(例えば、関節炎、多発性硬化症、アテローム性動脈硬化症および乾癬)を含む多くの種類の炎症性障害を含むが、他の種類の疾患(限定されないが、心筋症、例えば、うっ血性心不全、発熱、悪液質、感染または悪性疾患に続く悪液質、後天性免疫不全症候群(AIDS)に続く悪液質、ARC(AIDS関連複合体)、大脳マラリア、骨粗しょう症および骨吸収疾患、および感染による熱および筋肉痛)も含む。さらに、本発明の化合物は、尿崩症および中枢神経系障害、例えばうつ病および多発脳梗塞性認知症の治療にも有効である。
【0035】
本明細書に開示した化合物の医薬的に許容される塩も本発明に含まれる。本明細書に開示する化合物は、充分に酸性の基、充分に塩基性の基、または両官能基を有し、従って、多くの有機または無機塩基、および無機および有機酸と反応して、塩を形成することができる。塩基性基を有する化合物から酸付加塩を形成するのに一般に使用される酸は、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、燐酸等、および有機酸、例えば、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、p−ブロモフェニルスルホン酸、炭酸、琥珀酸、クエン酸、安息香酸、酢酸等である。そのような塩の例としては、下記の塩が挙げられる:硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、燐酸塩、燐酸一水素塩、燐酸二水素塩、メタ燐酸塩、ピロ燐酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、蟻酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオール酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、琥珀酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン−1,4−ジオエート、ヘキシン−1,6−ジオエート、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、γ-ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホネート、ナフタレン−2−スルホネート、マンデル酸塩等。
【0036】
塩基付加塩は、無機塩基、例えば、アンモニウムまたはアルカリまたはアルカリ土類金属水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩等から誘導される塩を含む。従って、本発明の塩を製造するのに有用なそのような塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸カリウム等を含む。
【0037】
本発明の化合物のプロドラッグも本発明に含まれる。「プロドラッグ」という用語は、加水分解するか、酸化するか、そうでなければ、生物学的条件下(生体外または生体内)で反応して本発明化合物を生成する化合物の誘導体を意味する。プロドラッグは、生物学的条件下でのそのような反応の際にのみ活性になりうるが、それらは未反応形態においても活性を有する場合がある。本発明に含まれるプロドラッグの例としては、生物加水分解性成分、例えば、生物加水分解性アミド、生物加水分解性エステル、生物加水分解性カルバメート、生物加水分解性カーボネート、生物加水分解性ウレイド、および生物加水分解性ホスフェート類似体を含んで成る式(I)の化合物の類似体または誘導体が挙げられるがそれらに限定されない。プロドラッグの他の例は、-NO、-NO2、-ONOまたは-ONO2成分を含む式(I)の化合物の誘導体である。プロドラッグは、1 BURGER'S MEDICINAL CHEMISTRY AND DRUG DISCOVERY(1995)172-178, 949-982(Manfred E. Wolff編、第5版)に記載されているようなよく知られている方法を使用して一般に製造することができる。
【0038】
本明細書に使用される「生物加水分解性アミド」、「生物加水分解性エステル」、「生物加水分解性カルバメート」、「生物加水分解性カーボネート」、「生物加水分解性ウレイド」および「生物加水分解性ホスフェート類似体」という用語は、特に記載がなければ、下記のいずれかであるアミド、エステル、カルバメート、カーボネート、ウレイド、またはホスフェート類似体をそれぞれ意味する:
1) 化合物の生物学的活性を損なわず、生体内での化合物の有利な特性、例えば、取込み、作用期間または作用開始を付与するか、または
2) それ自体は生物学的に不活性であるが、生物学的に活性な化合物に生体内で変換される。
生物加水分解性アミドの例は、低級アルキルアミド、α−アミノ酸アミド、アルコキシアシルアミドおよびアルキルアミノアルキルカルボニルアミドが挙げられるがそれらに限定されない。生物加水分解性エステルの例としては、低級アルキルエステル、アルコキシルアシルオキシエステル、アルキルアシルアミノアルキルエステルおよびコリンエステルが挙げられるがそれらに限定されない。生物加水分解性カルバメートの例としては、低級アルキルアミン、置換エチレンジアミン、アミノ酸、ヒドロキシアルキルアミン、複素環式および複素芳香族アミン、およびポリエーテルアミンが挙げられるがそれらに限定されない。
【0039】
本発明の特定化合物は、1つまたはそれ以上のキラル中心および/または二重結合を含有する場合があり、従って、立体異性体、例えば、二重結合異性体(即ち、幾何異性体)、鏡像異性体または偏左右異性体として存在しうる。本発明によれば、本明細書に示す化学構造物、従って本発明の化合物は、対応する化合物の鏡像異性体および立体異性体の全て、即ち、立体異性的に純粋な形態(例えば、幾何学的に純粋、鏡像異性的に純粋、または偏左右異性的に純粋)および鏡像異性体および立体異性体の混合物の両方を含む。
【0040】
本明細書に使用されるラセミ混合物は、分子中のすべてのキラル中心に対して、1つの鏡像異性体約50%およびその対応する鏡像異性体約50%を意味する。本発明は、式(I)の化合物の、全ての鏡像異性的に純粋な、鏡像異性的に豊富な、偏左右異性的に純粋な、偏左右異性的に豊富な、およびラセミ混合物を含む。
【0041】
鏡像異性体および偏左右異性体の混合物は、よく知れらている方法、例えば、キラル相ガスクロマトグラフィー、キラル相高速液体クロマトグラフィー、キラル塩錯体としての化合物の結晶化、またはキラル溶媒中での化合物の結晶化によって、それらの成分鏡像異性体または立体異性体に分離することができる。鏡像異性体および偏左右異性体は、偏左右異性的または鏡像異性的に純粋な中間体、試薬および触媒から、よく知られた不斉合成法によっても得ることができる。
【0042】
理論に縛られるものではないが、本発明の化合物は、TNFαおよび/またはPDE4を阻害する。これに関する「阻害」とは、TNFαまたはPDE4の産生または活性を、直接的または間接的に妨げることを意味する。例えば、本発明の化合物は、転写、翻訳または翻訳後のレベルにおいて阻害することによってTNFαの産生をブロックするか、またはPDE4酵素の活性をブロックする。ある場合には、本発明の化合物は、TNFαを阻害するが、PDE4は阻害しない。TNFαまたはPDE4を阻害する本発明の化合物の活性は、本明細書に開示する方法および当業者に既知の方法を使用して容易に評価しうる。
【0043】
本発明の化合物は、炎症性障害、自己免疫疾患および癌以外のTNFα−またはPDE4−関連疾患の予防または治療に使用することができる。さらに、これらの化合物は、TNFαまたはPDE4の阻害によるかまたは他の非関連メカニズムによって、治療および予防効果をもたらしうることを認識すべきである。これらの化合物は、スクリーニング、研究および診断にも有用性を有しうる。
【0044】
本発明の化合物は、多剤耐性癌を含む癌を有する被験体の治療に使用することができる。最初に腫瘍が薬剤に応答した後に、薬剤での治療を受けている間に通常速度の腫瘍増殖を再び開始した場合に、癌は薬剤に耐性である。腫瘍の大きさの減少または腫瘍増殖速度の減少を示す場合に、腫瘍は「薬剤に応答する」。「多剤耐性癌」という用語は、2種またはそれ以上、一般に5種またはそれ以上の薬剤に耐性の癌を意味する。
【0045】
本明細書に使用される「癌」という用語は、正常制御を失った細胞の増殖を特徴とし、無秩序な増殖、分化の欠如、局部組織浸潤および転移を生じる疾患、症状または障害を意味する。癌は、所定の正常組織に由来する異常細胞数の増加、これらの異常細胞による隣接組織の浸潤、および局所リンパ節および遠隔部位への悪性細胞のリンパまたは血液による拡散(転移)を主に特徴とする。臨床データおよび分子生物学的研究は、癌が、小さい新生物発生前変化で始まり、特定の条件下に腫瘍形成に進みうる多段階過程であることを示している。前悪性異常細胞増殖は、過形成、化生、特に形成異常によって例示される(そのような異常増殖条件の概観については、Robbins and Angell(1976)Basic Pathology、第2版、W.B. Saunders Co., Philadelphia, 68-79参照)。本発明の化合物を使用して、これらの場合のそれぞれにおいて癌を予防または治療することができ、本発明に使用される「癌」という用語は、それらが癌性であるかまたは前癌性であるかにかかわらず全てのそのような異常増殖状態を含む。
【0046】
過形成は、構造または機能の有意な変更を伴わない、組織または器官における細胞数の増加を含む制御細胞増殖の形態である。一例にすぎないが、内膜増殖症は、子宮内膜癌に進行する場合が多い。化生は、1つの種類の成熟しまたは充分に分化した細胞が、他の種類の成熟細胞に変化する制御細胞増殖の形態である。化生は、上皮または結合組織細胞において生じうる。異型化生は、幾分不秩序な化生性上皮を含む。形成異常は、癌の前兆である場合が多く、主に上皮に見出される;それは、非新生物細胞増殖の最も不秩序な形態であり、個々の細胞の均一性の喪失、および細胞の構造的配向(architectural orientation)の喪失を含む。形成異常細胞は、異常に大きく、濃く染色した核を有する場合が多く、多形態性を示す。形成異常は、慢性刺激または炎症が存在する場合に特徴的に発生し、頚部、気道、口腔および胆嚢において見られる場合が多い。新生物形成病変は、特に、新生物形成細胞が宿主の免疫監視機構から逃れる条件において、クローン的に発生し、浸潤、増殖、転移および異質性の増加能力を生じる(Roitt, I., Brostoff, JおよびKale, D.(1993)Immunology, 第3版、Mosby, St. Louis, 17.1-17.12)。
【0047】
本発明の化合物および方法によって治療または予防できる癌は、下記の癌を含むがそれらに限定されない:ヒト肉腫および癌腫、例えば、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭状癌、乳頭状腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝細胞癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮癌、胎生期癌、ウィルムス腫瘍、頚癌、精巣腫瘍、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星状細胞癌、髄芽細胞腫、頭蓋咽頭腫、脳室上衣細胞腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、希突起神経膠腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫;白血病、例えば、急性リンパ性白血病および急性骨髄性白血病(骨髄芽球性白血病、前骨髄球性白血病、骨髄単球性白血病、単球性白血病および赤白血病);慢性白血病(慢性骨髄球性(顆粒球性)白血病および慢性リンパ性白血病);および真性赤血球増加症、リンパ腫(ホジキン病および非ホジキン病)、多発性骨髄腫、ヴァルデンストロームマクログロブリン症、およびH鎖病。癌の場合、「治療」という用語は、下記の1つまたはそれ以上を、部分的または実質的に達成することを意味する:癌の増殖または拡散の抑止、癌の広がりの減少(例えば、腫瘍の大きさの減少、または患部の数の減少)、癌の増殖速度の阻害、および臨床的症状または癌に関連したインジケーター(組織または血清成分)の改善または向上。
【0048】
本明細書に使用される「喘息」という用語は、可逆性気道閉塞、気道炎症、種々の刺激に対する気道反応性の増加を特徴とする肺の疾患、障害または症状を意味する。
【0049】
本発明の化合物を使用して、自己免疫疾患を有する被験体を治療することができる。本明細書において使用される用語「自己免疫疾患」は、誤って自己を攻撃し、それによって動物自身の体の細胞、組織および/または器官を標的とする動物の免疫系によって生じる疾患、障害または症状を意味する。例えば、自己免疫応答は、多発性硬化症において脳、およびクローン病において腸に向けられる。他の自己免疫疾患、例えば、全身性エリトマトーデス(狼瘡)において、患部組織および器官は、同じ疾患の個体間で異なりうる。ある狼瘡患者は罹患した皮膚および関節を有し、別の患者は、罹患した皮膚、腎臓および肺を有しうる。最終的に、免疫系による特定組織の損傷は、I型糖尿病における脾臓のインスリン産生細胞の破壊のように、永久的になりうる。本発明の化合物および方法を使用して軽減しうる特定の自己免疫疾患は、下記の疾患を含むがそれらに限定されない:神経系の自己免疫疾患(例えば、多発性硬化症、重症筋無力症、自己免疫性神経障害、例えばギャン-バレー、および自己免疫性ブドウ膜炎);血液の自己免疫疾患(例えば、自己免疫性溶血性貧血、悪性貧血、および自己免疫性血小板減少)、血管の自己免疫疾患(例えば、側頭動脈炎、抗燐脂質症候群、脈管炎、例えば、ヴェーゲナー肉芽腫症、およびベーチェット病);皮膚の自己免疫疾患(例えば、乾癬、疱疹状皮膚炎、尋常性天疱瘡、および白斑);胃腸系の自己免疫疾患(例えば、クローン病、潰瘍性大腸炎、原発性胆汁性肝硬変、および自己免疫性肝炎);内分泌腺の自己免疫疾患(例えば、I型または免疫媒介真性糖尿病、グレーブス病、橋本甲状腺炎、自己免疫性卵巣炎および精巣炎、および副腎の自己免疫疾患);多器官の自己免疫疾患(結合組織および筋骨格系疾患を含む)(例えば、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎、皮膚筋炎、脊椎関節症、例えば硬直性脊椎炎、およびシェーグレン症候群)。さらに、他の免疫系媒介疾患、例えば、対宿主性移植片病およびアレルギー性疾患も、本明細書における自己免疫疾患の定義に含まれる。多くの自己免疫疾患は炎症によって生じるので、自己免疫疾患および炎症性障害と考えられる疾患の間にいくつか重なる部分がある。本発明の目的のために、そのような重なり合う障害の場合、自己免疫疾患または炎症性障害のいずれかであるとみなされる。本明細書における「自己免疫疾患の治療」とは、自己免疫疾患、そのような疾患の症状、またはそのような疾患の素因を有する被験体に、自己免疫疾患、その症状またはその素因を治療するか、軽減するか、変化させるか、作用するかまたは予防する目的で、本発明組成物を投与することを意味する。
【0050】
本明細書に使用される「アレルギー性疾患」という用語は、通常は無害の物質に対するアレルギー反応に関係した疾患、症状または障害を意味する。これらの物質は、環境(例えば、室内空気汚染物質および空気アレルゲン)において見出されるか、または非環境性である(例えば、皮膚科学的アレルギーまたは食品アレルギー)。アレルゲンは、吸入、摂取、皮膚との接触、または注入(虫さされを含む)を含む多くの経路で体に入ることができる。多くのアレルギー性障害は、アトピー、アレルギー性抗体IgEを発生する素因に関係している。IgEは、体内のあらゆる場所におけるマスト細胞を感作することができ、アトピー性個体は、1より多くの器官において発症する場合が多い。本発明の目的のために、アレルギー性障害は、感作アレルゲンへの再暴露(これは、次に、炎症性媒介物質を放出させる)の際に生じるあらゆる過敏症を含む。アレルギー性障害は、下記の疾患を含むがそれらに限定されない:アレルギー性鼻炎(例えば、枯草熱)、静脈洞炎、鼻副鼻腔炎、慢性または再発性中耳炎、薬剤反応、虫さされ反応、ラテックス反応、結膜炎、じんま疹、アナフィラキシーおよびアナフィラキシー様反応、アトピー性皮膚炎、喘息および食物アレルギー。
【0051】
本発明化合物を使用して、炎症性障害の被験体を予防または治療することができる。本明細書において使用される「炎症性障害」は、体組織の炎症を特徴とする疾患、障害または状態を意味する。これらは、局所炎症性反応および全身性炎症を含む。そのような炎症性障害の例としては下記の障害が挙げられる:移植片拒絶;関節炎、慢性関節リウマチ、変形性関節症、および骨吸収の増加に関連した骨疾患を含む慢性炎症性関節障害;炎症性腸障害、例えば、逆流性回腸炎、潰瘍性大腸炎、バレット症候群、およびクローン病;炎症性肺疾患、例えば、喘息、成人呼吸促進症候群、および慢性閉塞性気道疾患;角膜変性、トラコーマ、オンコセルカ症、ブドウ膜炎、交感性眼炎および眼内炎を含む眼の炎症性障害;歯肉炎および歯周炎を含む歯肉の慢性炎症性障害;結核;ハンセン病;尿毒症性合併症、糸球体腎炎およびネフローゼを含む腎臓の炎症性障害;硬化性皮膚炎(sclerodermatitis)、乾癬および湿疹を含む皮膚の炎症性障害;神経系の慢性脱髄疾患、多発性硬化症、AIDS関連神経変性およびアルツハイマー病、感染性髄膜炎、脳脊髄炎、パーキンソン病、ハンティングトン病、筋萎縮性側索硬化症、ウイルス性および自己免疫性脳炎を含む中枢神経系の炎症性障害;自己免疫疾患、免疫複合体性脈管炎、全身性狼瘡およびエリテマトーデス;全身性エリテマトーデス(SLE);および心臓の炎症性障害、例えば、心筋症、虚血性心疾患、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症;ならびに子癇前症を含む有意な炎症性成分を伴う他の種々の疾患;慢性肝不全、脳および脊髄損傷、癌。体の全身性炎症も存在し、その例は、グラム陽性またはグラム陰性ショック、出血性またはアナフィラキシーショック、または前炎症性サイトカインに応答する癌化学療法によって誘発されるショック、例えば、前炎症性サイトカイン関連ショックである。そのようなショックは、例えば、癌化学療法に使用される化学療法剤によって、誘発される。本明細書における「炎症性障害の治療」は、炎症性障害、そのような障害の症状、またはそのような障害の素因を有する被験体に、炎症性障害、その症状またはその素因を治療するか、軽減するか、変化させるか、作用するかまたは予防する目的で、本発明組成物を投与することを意味する。
【0052】
「有効量」は、化合物を被験体に投与した場合に有益な結果が得られる化合物の量、または生体内または生体外において所望の活性を有する化合物の量を意味する。癌の場合、有益な臨床結果は、腫瘍の大きさの減少、腫瘍増殖速度の減少、転移の減少、癌に関連した症状の重症度の減少、および/または生存期間の増加、および/または治療をしなかった場合と比較した被験体の生活の質を含む。炎症性障害および自己免疫疾患の場合、有益な臨床結果は、疾患または障害に関連した症状の程度または重症度の減少、および/または生存期間の増加、および/または治療をしなかった場合と比較した被験体の生活の質を含む。被験体に投与される化合物の正確な量は、疾患または症状の種類および重症度、ならびに被験体の特徴、例えば、総合的健康状態、年齢、性別、体重および薬剤耐性に依存する。それは、癌、炎症性障害または自己免疫疾患の段階、重症度および種類にも依存する。当業者は、これらおよび他の要因に応じて適切な量を決めることができる。開示化合物の有効量は、一般に約1mg/mm2/日〜約10g/mm2/日、好ましくは10mg/mm2/日〜約5g/mm2である。
【0053】
開示化合物は、あらゆる好適な経路、例えば、カプセル剤、懸濁剤または錠剤中で経口により、または非経口により投与され得る。非経口投与は、例えば、筋肉内、静脈内、皮下または腹腔内注射のような全身投与を含む。化合物は、治療対象の疾患、障害または状態の種類に依存して、経口投与(例えば、食事含有物(dietary inclusion))、局所投与、吸入(例えば、気管支内、鼻腔内、経口吸入または鼻内滴剤)、または直腸投与することもできる。経口および非経口投与は、好ましい投与様式である。
【0054】
開示化合物は、医薬組成物の一部としての許容される医薬担体、補助剤、希釈剤、賦形剤、溶媒または他の添加剤と共に、被験体に投与することができる。便宜上、「担体」という用語は、全てのそのような担体、補助剤、希釈剤、賦形剤、溶媒または他の不活性添加剤を含む。投与される化合物の配合は、選択された投与経路(例えば、液剤、乳剤、カプセル剤)、および標的とする疾患、障害または症状によって変化する。好適な医薬担体は、化合物と実質的に相互作用しない不活性成分を含有しうる。Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Company, Easton, PA.に記載されているような標準的な医薬配合法を使用することができる。非経口投与に好適な医薬担体は、例えば、滅菌水、生理食塩水、静菌食塩水(ベンジルアルコール約0.9%mg/mLを含有する食塩水)、燐酸塩緩衝食塩水、ハンクス溶液、リンゲル液等を含む。組成物を封入する方法(例えば、ハードゼラチンまたはシクロデキストランのコーティング)は当分野で公知である(Bakerら、「Controlled Release of Biological Active Agents」、John Wiley and Sons, 1986)。
【0055】
「被験体」は、哺乳類、好ましくはヒトであるが、獣医学的治療を必要とする動物、例えば、コンパニオンアニマル(例えば、イヌ、ネコ等)、家畜(例えば、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマ等)、および実験動物(例えば、ラット、マウス、モルモット等)であってもよい。
【0056】
本明細書において使用される、化合物を「実質的に」含んで成る組成物とは、組成物が、化合物を約80重量%より多く、より好ましくは約90重量%より多く、さらに好ましくは約95重量%より多く、最も好ましくは約97重量%より多く含有することを意味する。
【0057】
本明細書において使用される、「実質的に終了した」反応とは、反応が、所望生成物を約80重量%より多く、より好ましくは約90重量%より多く、さらに好ましくは約95重量%より多く、最も好ましくは約97重量%より多く含有することを意味する。
【0058】
本明細書において使用される、ラセミ混合物は、分子中のすべてのキラル中心に対して、1つの鏡像異性体約50%およびその対応する鏡像異性体約50%を意味する。本発明は、式(I)の化合物の、全ての鏡像異性的に純粋な、鏡像異性的に豊富な、偏左右異性的に純粋な、偏左右異性的に豊富な、およびラセミ混合物を含む。
【0059】
鏡像異性体および偏左右異性体の混合物は、よく知られている方法、例えば、キラル相ガスクロマトグラフィー、キラル相高速液体クロマトグラフィー、キラル塩錯体としての化合物の結晶化、またはキラル溶媒中での化合物の結晶化によって、それらの成分鏡像異性体または立体異性体に分離することができる。鏡像異性体および偏左右異性体は、偏左右異性的または鏡像異性的に純粋な中間体、試薬および触媒から、よく知られた不斉合成法によっても得ることができる。
【0060】
所定構造において特定の置換基が多数存在する場合(例えば、環DにおけるR6)、置換基の内容は、各場合で独立しており、構造中のその置換基の他の存在物と同じであっても異なっていてもよい。さらに、下記に示す例示化合物における個々の置換基は、そのような例示置換基が好ましいものとして特に記載されていないかまたは他の置換基と組み合わせることが特に示されていなくても、本発明化合物における他の置換基と組み合わせるのも好ましい。
【0061】
本発明の化合物は、本明細書において、それらの化学構造および/または化学名によって規定される。化合物が化学構造および化学名の両方で呼ばれ、化学構造および化学名が一致しない場合、化学構造が化合物の同定に決定力をもつ。
【0062】
患者、例えば、獣医学的使用または家畜改良のために非ヒト動物に投与されるか、または臨床使用のためにヒトに投与される場合、本発明化合物は、分離形態において、または医薬組成物中の分離形態として投与される。本明細書に使用される「分離」とは、本発明化合物が、(a)天然供給源、例えば、植物または細胞、好ましくは培養細菌、または(b)合成有機化学反応混合物、のどちらかの他の成分から分離していることを意味する。好ましくは、一般的な方法によって、本発明を精製する。本明細書に使用される「精製」とは、分離した場合に、分離された物質が、本発明化合物を、分離された物質の重量に対して少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約95%、より好ましくは少なくとも約98%含有することを意味する。
【0063】
本明細書に使用される、化合物を「実質的に含有しない」組成物とは、化合物を約20重量%未満、より好ましくは約10重量%未満、さらに好ましくは約5重量%未満、最も好ましくは約3重量%未満含有する組成物を意味する。
【0064】
本発明によって想定されている置換基および可変物の選択および組み合わせは、安定な化合物を生成するものに限られる。本明細書に使用される「安定な」という用語は、製造を可能にするのに充分な安定性を有し、本明細書に記載する目的(例えば、被験体への治療的または予防的投与)に有用であるために充分な期間にわたって化合物の保全性を維持する化合物を意味する。一般に、そのような化合物は、過剰な水分の不存在下に、40℃またはそれ以下の温度で、少なくとも1週間にわたって安定である。そのような選択および組合せは、当業者に明らかであり、過度の実験を行なわずに決定しうる。
【0065】
本発明は、式(I)のインドリジン化合物、ならびにその医薬的に許容される塩およびプロドラッグを特徴とする:
【0066】
【化3】

【0067】
[式中、
環Aは、置換または非置換であり、アリール基に任意に縮合され;
Yは、-C(R4R5)-、-N(R4)-、-O-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、-C(=O)-、-C(=S)-、-C(=O)-N(R4)-、-C(=N-OR12)-、-C(=N-R12)、-または-N(R4)-C(=O)-であり;
Zは、=O、=S、=N-OR12または=NR12であり;
R1およびR2は、独立して、-H、非置換脂肪族基、置換脂肪族基、非置換非芳香族複素環式基、置換非芳香族複素環式基、非置換アリール基または置換アリール基であり、但し、R1およびR2の両方ともは-Hでないものとし;または、NR1R2が、一緒になって、置換もしくは非置換非芳香族窒素含有複素環式基または置換もしくは非置換窒素含有ヘテロアリール基であり、R3は、置換もしくは非置換アリール基または置換もしくは非置換脂肪族基であり;
Xは、共有結合、-C(R4R5)-、-N(R4)-、-O-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-、または-N(R4)-C(=O)-であり;
各R4およびR5は、独立して、-Hまたは置換もしくは非置換脂肪族基であり;
R12は、-Hまたは置換もしくは非置換アルキル基である]。
【0068】
1つの特定の態様は、下記のような式(I)の化合物を提供する:環Aが、ハロ、-C1-C4アルキル、-C1-C4アルコキシ、-C1-C4ハロアルキル、-C1-C4ハロアルコキシ、-C1-C4アシル、アミド、置換アミド、-NO2、-CN、-OH、-NH2および置換アミノで任意に置換され;Yが、-C(R4R5)またはC=Oであり;Zが=Oであり;R1が-Hであり;R2が置換もしくは非置換アルキル基または置換もしくは非置換アリール基であり;R3が置換または非置換アリール基であり;かつXが-C(R4R5)-、-N(R4)-、-C(O)-または-O-である。さらに特定の態様において、YがC=Oであり;R2が、非置換アリール基、または、低級アルキル、アミド、シアノもしくはハロで置換されたアリール基であり;R3が、置換もしくは非置換フェニル、置換もしくは非置換ピリジル、または置換もしくは非置換チエニルであり;Xが、-CH2-、-CH(低級アルキル)-、-NH-、-N(低級アルキル)-、-C(O)-または-O-である。癌の治療または予防について、1つの態様は、Yが-C(=O)でない式(I)の化合物を包含する。
【0069】
他の特定の態様において、式(I)の化合物は下記のような化合物である:Yが、-C(R4R5)またはC=Oであり;Zが=Oであり;R1が-Hであり;R2が置換もしくは非置換アルキルまたはアリール基であり;R3が置換または非置換アリール基であり;Xが-C(R4R5)-、-N(R4)-、-C(O)-または-O-であり(好ましくは、Xは-C(R4R5)-である);かつR4、R5は前記の通りである。より好ましくは、Z1が=Oであり;R3が、置換もしくは非置換フェニルまたはピリジル基であり;かつR4およびR5が、両方とも-Hである。
【0070】
本発明のインドリジン化合物は、式(I)の化合物そのもの、ならびに、適用可能な場合に、その医薬的に許容される塩およびプロドラッグを包含する。塩は、例えば、インドリジン化合物上の陰イオンと陽荷電置換基(例えばアミノ)との間で形成されうる。好適な陰イオンは、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、硝酸塩、燐酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、トリフルオロ酢酸塩および酢酸塩を包含する。同様に、塩は、本発明のインドリジン化合物上の陽イオンと陰荷電置換基(例えばカルボキシレート)との間で形成することもできる。好適な陽イオンは、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、およびアンモニウム陽イオン、例えばテトラメチルアンモニウムイオンを包含する。プロドラッグの例は、被験体に投与した際に、活性インドリジン化合物を生じることができるエステルおよび他の医薬的に許容される誘導体を包含する。
【0071】
1つの態様において、式(I)の化合物は、式(Ia)の化合物、ならびにその医薬的に許容される塩およびプロドラッグである:
【0072】
【化4】

【0073】
[式中、
環Aは、置換または非置換であり、アリール基に任意に縮合され;
Z1およびZ2は、独立して、=O、=S、=N-OR12または=NR12であり;
R1およびR2は、独立して、-H、非置換脂肪族基、置換脂肪族基、非置換非芳香族複素環式基、置換非芳香族複素環式基、非置換アリール基または置換アリール基であり、但し、R1およびR2の両方ともは-Hでないものとし;または、NR1R2が、一緒になって、置換もしくは非置換非芳香族窒素含有複素環式基または置換もしくは非置換窒素含有ヘテロアリール基であり、R3は、置換もしくは非置換アリール基または置換もしくは非置換脂肪族基であり;
Xは、共有結合、-C(R4R5)-、-N(R4)-、-O-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-、または-N(R4)-C(=O)-であり;
各R4およびR5は、独立して、-H、または置換もしくは非置換脂肪族基であり;
R12は、-H、または置換もしくは非置換アルキル基である]。
【0074】
1つの特定の態様は、下記のような式(Ia)の化合物に関する:環Aが、ハロ、-C1-C4アルキル、-C1-C4アルコキシ、-C1-C4ハロアルキル、-C1-C4ハロアルコキシ、-C1-C4アシル、アミド、置換アミド、-NO2、-CN、-OH、-NH2および置換アミノ(好ましくはハロまたは低級アルキル)で任意に置換され;Z1およびZ2がそれぞれ=Oであり;R1が-Hであり;R2が、置換もしくは非置換アリール基または置換もしくは非置換非芳香族複素環式基であり;R3が、置換または非置換アリール基であり;かつXが、-C(R4R5)-、-N(R4)-または-O-である。さらに特定の態様において、R2が、非置換アリール基、または、低級アルキル、アミド、シアノまたはハロで置換されたアリール基であり;R3が、置換もしくは非置換フェニル、置換もしくは非置換ピリジル、または置換もしくは非置換チエニルであり;かつXが、-CH2-、-CH(低級)アルキル-、-NH-、-N(低級アルキル)-または-O-である。
【0075】
前記のように、R1〜R3の意味は、置換および非置換アリール基を包含する。これらの置換基について(特にR2について)、アリール基は式(II)〜(XV)で示される基を包含する:
【0076】
【化5−1】

【0077】
【化5−2】

【0078】
環D〜Tは、置換または非置換であってよい。R2の特定アリール基は、式(XVI)〜(XXI)によって示される:
【0079】
【化6】

【0080】
[式中:
R6は、環D、F、G、I、H、MおよびOにおける各非固定位置に存在し、各R6は、独立して、下記から成る群から選択され:H、C1〜C4アルキル、C1〜C4ヒドロキシアルキル、N-モルホリノ、ピリミジル、ピリミジルで置換されたC1〜C4アルキル、-N(C1〜C4アルキル)2、-C(O)NH2、-C(O)NH(C1〜C4アルキル)、C(O)N(C1〜C4アルキル)2、-NHC(O)(C1〜C4アルキル)、-NO2、C1〜C4アルコキシ、-C(O)O-CH2CH2-N(C1〜C4アルキル)2
【0081】
【化7】

【0082】
-NH-(フェニル)、-NH2、-CH2NH-C(O)-O-(C1〜C4アルキル)、-CH2NH2、-Cl、-F、-C(O)-O-(C1〜C4アルキル)、-C(O)-N-(C1〜C4アルキル)、C3〜C7シクロアルキル、フェニル、-C(O)-N-モルホリノ、-S-(C1〜C4アルキル)、-CN、フリル、-S(O)2-(C1〜C4アルキル)、-S(O)2-NH2、-S(O)2-NH(C1〜C4アルキル)または-S(O)2-N(C1〜C4アルキル)2(あるいは、H、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、ハロ、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アルコキシ基、または置換もしくは非置換アリール基)、R10は、-H、または置換または非置換アルキル基である]。
【0083】
R1、R2およびR3(特にR2)の付加的アリール基は、式(XXII)〜(XXVII)によって示される:
【0084】
【化8】

【0085】
[式中:
X3は、-CH-または-N-であり;
R7およびR8は、独立して、-Hまたはアルキル基であるか、あるいは-NR7R8が一緒になって、窒素含有非芳香族複素環式基であり;
R9は、アルキル基であり;ならびに
R10は、-H、または置換もしくは非置換アルキル基である]。
【0086】
別の態様において、式(I)の化合物は、式(Ib)の化合物である:
【0087】
【化9】

【0088】
[式中:
R21は、環系の各非固定位置に存在し、各R21は、独立して、H、低級アルキル、低級アルコキシ、OH、F、Cl、Br、I、NO2、またはCNであり;R22は、低級アルコキシ、OH、CN、F、Cl、Br、I、NO2、NH2、C(O)NH2、CO2HまたはCO2R'で任意に置換されたアルキルであるか;または、低級アルキル、低級アルコキシ、OH、CN、F、Cl、Br、I、NO2、NH2もしくはC(O)NH2、CO2HまたはCO2R'で任意に置換されたアリールであり;R23は、Hまたは低級アルキルであり;R24は、N-オキシピリジルであるか、またはF、Cl、BrもしくはIで任意に置換されたピリジルであり;ならびにX'は、C(R'R'')、N(R')、O、S、S(O)、S(O)2、C(O)、C(O)-N(R')、N(R')-C(O)であるかまたは削除される。各R'およびR''は、独立して、Hであるか、または低級アルコキシ、OH、CN、F、Cl、Br、I、NO2、NH2もしくはC(O)NH2で任意に置換されたアルキルである]。
【0089】
式(Ib)の化合物のサブセットは、下記のような化合物である:
各R21が独立して、H、OH、FまたはClであり;R22が、低級アルコキシ、OH、CN、F、Cl、Br、I、NO2、NH2、C(O)NH2、CO2HまたはCO2R'で任意にp-置換されたフェニルであり;R23がHであり;R24が、F、Cl、BrまたはIで任意に置換されたN-オキシp-ピリジルであるか、または1個またはそれ以上のハロゲンでも任意に置換されたp-ピリジルであり;ならびにX'がCH2である。式(Ib)に含まれる化合物の別のサブセットは、R24が、F、Cl、BrまたはIで任意に置換されたo-ピリジルまたはm-ピリジルである化合物である。
【0090】
式(I)の化合物の別のサブセットにおいて、式(I)の化合物は、前記の式(Ia)の化合物を特に除く。理論に縛られるものではないが、これらの化合物は、炎症性障害、自己免疫疾患、およびPDE4または高レベルのサイトカインに関係した他の症状の予防および治療に使用することができ、本明細書に開示する医薬組成物および方法においても使用することができるTNFαおよび/またはPDE4インヒビターである。
【0091】
本発明の例示化合物である化合物1〜64を下記に示す:
【0092】
【化10−1】

【0093】
【化10−2】

【0094】
【化10−3】

【0095】
下記のスキームは、本発明の多くのインドリジン化合物、即ち、化合物1〜47および61〜63の合成を示す。化合物1〜47、56、58および60の製造についての詳細は、実施例1〜47にそれぞれ開示されている。化合物48〜55、57、59および61〜64ならびに関連化合物の合成は、同時係属中の米国特許出願第10/244088号(その全開示は参照として本明細書に組み入れられる)に開示されている。これらの開示に基づいて、式(I)の他の化合物は、過度の実験を行なわずに当業者によって製造されうる。
【0096】
【化11】

【0097】
本発明のインドリジン化合物は、当業者によく知られている方法、ならびに本明細書に開示する合成経路によって製造することができる。例えば、2-メチルピリジン化合物をブロモメチルケトン化合物と反応させて、ピリジン塩を生成することができる。硫酸ジメチルでの処理によって、このピリジン塩がインドリジン環を形成して、インドリジニルケトンを生成する。次に、このケトンを3-置換インドリジン化合物に還元することができる。3-置換インドリジン化合物を2-、3-もしくは4-アミノピリジンまたはN-オキシ4-アミノピリジンと反応させることによって、本発明化合物を得ることができる。適切な官能基を、2-メチルピリジン化合物およびアミノピリジン化合物の両方に導入することができる。中間体とアミノピリジンとの反応の前に、インドリジン中間体上のあらゆる反応性基を保護することができる。好適な保護基について、例えば、Greene(1981)Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley & Sons, Inc., New York参照。このように合成したインドリジン化合物は、結晶化、フラッシュカラムクロマトグラフィー、溶媒化ガスクロマトグラフィーまたは高速液体クロマトグラフィーを包含するがそれらに限定されない通常の精製法によってさらに精製することができる。
【0098】
本発明のインドリジン化合物は、非芳香族二重結合、および1つまたはそれ以上の不斉中心を含有しうる。従って、それらはラセミ化合物およびラセミ混合物、単一鏡像異性体、個々の偏左右異性体、偏左右異性体混合物、およびシス−またはトランス−異性体形として存在することができる。全てのそのような異性体形は企図される。
【0099】
有効量の、少なくとも1つの本発明のインドリジン化合物、および医薬的に許容される担体を含有する医薬組成物も、本発明の範囲に含まれる。さらに、本発明は、前記の要旨部分に開示した1つまたはそれ以上のインドリジン化合物の有効量を、炎症性障害の患者に投与する方法も含む。「有効量」とは、治療される被験体に治療効果を付与するのに必要な活性インドリジン化合物の量を意味する。有効用量は、当業者に理解されるように、治療される疾患の種類、投与経路、賦形剤の使用、および他の治療処置との併用の可能性に依存して変化しうる。
【0100】
本発明の1つの方法を実施するために、1つまたはそれ以上のインドリジン化合物を有する組成物を、非経口、経口、鼻腔、直腸、局所または口腔投与することができる。本明細書に使用される「非経口」という用語は、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、動脈内、滑液包内、胸骨内、髄腔内、病変内または頭蓋内注射、ならびにあらゆる好適な注入技術を意味する。
【0101】
滅菌注射可能組成物は、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の溶液または懸濁液、例えば1,3-ブタンジオール中の溶液であってよい。使用することができる許容される賦形剤および溶媒の例は、マンニトール、水、リンゲル液、および等張塩化ナトリウム溶液である。さらに、固定油を、溶媒または懸濁媒質として使用するのが好都合である(例えば、合成モノ−またはジグリセリド)。医薬的に許容される天然油、例えばオリーブ油またはヒマシ油(特にそれらのポリオキシエチル化形態)のように、脂肪酸、例えばオレイン酸およびそのグリセリド誘導体は、注射可能剤の製造に有用である。これらの油の溶液または懸濁液は、長鎖アルコール希釈剤または分散化剤、またはカルボキシメチルセルロースまたは同様の分散化剤も含有することができる。一般に使用される他の界面活性剤、例えばTweensまたはSpans、または医薬的に許容される固体、液体または他の投与形態の製造に一般に使用される他の同様の乳化剤または生物学的利用可能促進剤も、配合の目的に使用することができる。
【0102】
経口投与用の組成物は、カプセル剤、錠剤、乳剤、水性懸濁剤、分散剤および液剤を包含するあらゆる経口的に許容される投与形態であってよい。錠剤の場合、一般に使用される担体は、ラクトースおよびコーンスターチを包含する。潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウムも一般に添加される。カプセル形態での経口投与について、有用な希釈剤はラクトースおよび乾燥コーンスターチを包含する。水性懸濁剤または乳剤を経口投与する場合、乳化または懸濁化剤と合わせた油相に有効成分を懸濁または溶解させることができる。所望であれば、ある種の甘味剤、香味剤または着色剤を添加することができる。鼻腔エアロゾルまたは吸入組成物を、医薬配合分野で周知の技術によって製造しうる。例えば、ベンジルアルコールまたは他の好適な防腐剤、生物学的利用能を増加させる吸収促進剤、フルオロカーボン、および/または当該分野で既知の他の可溶化または分散化剤を使用して、そのような組成物を食塩水中の溶液として製造できる。1つまたはそれ以上の活性インドリジン化合物を有する組成物を、直腸投与用の坐剤形態で投与することもできる。
【0103】
医薬組成物中の担体は、組成物の有効成分に適合性であり(そして、好ましくは、有効成分を安定化しうる)、治療される被験体に有害でないという意味において「許容される」ものでなければならない。1つまたはそれ以上の可溶化剤を、活性インドリジン化合物の送達用の医薬賦形剤として使用しうる。他の担体の例は、コロイド状酸化珪素、ステアリン酸マグネシウム、セルロース、ラウリル硫酸ナトリウム、およびD&C Yellow ♯ 10を包含する。
【0104】
1つまたはそれ以上の下記のインビトロアッセイ(下記の実施例65および66参照)およびインビボアッセイ(下記の実施例67、68および69参照)によって、本発明のインドリジン化合物を、癌、自己免疫疾患、自己炎症性障害、またはPDE4または高レベルのサイトカインに関係した他の症状の治療におけるそれらの効力について予備的にスクリーニングしうる。他の方法もまた、当業者に明らかである。
【0105】
本発明は、医師が使用する場合に、被験体への適量の有効成分の投与を簡単化しうるキットを含む。本発明の典型的なキットは、式(I)の化合物の単位投与形態、またはその医薬的に許容されるプロドラッグまたは塩、および有効成分の投与に使用できる装置を含んで成る。かかる装置の例は、注射器、点滴バッグ、パッチおよび吸入器を含むがそれらに限定されない。
【0106】
本発明のキットは、1つまたはそれ以上の有効成分を投与するのに使用しうる医薬的に許容されるビヒクルをさらに含んでよい。例えば、非経口投与用に再形成する必要のある固体形態で有効成分を供給する場合、キットは、好適なビヒクルの密閉容器を含んでよく、該ビヒクルに有効成分を溶解させて、非経口投与に好適な無粒子滅菌溶液を形成することができる。そのような使用のための医薬的に許容されるビヒクルの例は、下記のものを含むがそれらに限定されない:注射用蒸留水USP;水性ビヒクル、例えば、塩化ナトリウム注射液、リンゲル液、ブドウ糖注射液、ブドウ糖および塩化ナトリウム注射液、ならびに乳酸加リンゲル液(それらに限定されない);水混和性ビヒクル、例えば、エチルアルコール、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコール(それらに限定されない);ならびに非水性ビヒクル、例えば、トウモロコシ油、綿実油、落花生油、ゴマ油、オレイン酸エチル、イソプロピルミリステートおよび安息香酸ベンジル(それらに限定されない)。
【0107】
本発明の疾患、障害および症状の治療または予防法は、有効量の1つまたはそれ以上の付加的治療剤を被験体に投与することをさらに含んでよい。そのような治療剤は、目的とする自己免疫疾患、炎症性障害または癌の予防または治療に使用するのに都合のよい治療剤を包含する。例えば、他の治療剤は、限定するものはないが、ステロイド、非ステロイド性抗炎症剤、抗ヒスタミン薬、鎮痛薬、抗癌剤および好適なそれらの混合物を包含する。そのような併用療法において、本発明の化合物および他の薬剤の両方が、哺乳動物(例えば、女性または男性のヒト)に通常の方法によって投与される。薬剤は、単一投与形態または分離投与形態で投与されうる。他の治療剤の有効量は、当業者に周知である。しかし、他の治療薬の最適有効量範囲を決めるのは精通者の知識の範囲である。別の治療剤を被験体に投与する本発明の1つの態様において、本発明化合物の有効量は、他の治療剤を投与しない場合の有効量より少ない。別の態様において、一般的な薬剤の有効量は、本発明の化合物を投与しない場合の有効量より少ない。このように、どちらかの薬剤の高用量に関連した望ましくない副作用を最小限にしうる。他の潜在的利点(限定するものではないが、投与計画の改善および/または薬剤コストの軽減を包含する)は、当業者に明らかである。
【0108】
自己免疫性症状および炎症性症状の場合、他の治療剤は、ステロイドまたは非ステロイド性抗炎症剤であってよい。有用な非ステロイド性抗炎症剤は、下記の薬剤を包含するがそれらに限定されない:アスピリン、イブプロフェン、ジクロフェナク、ナプロキセン、ベノキサプロフェン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、フルブフェン、ケトプロフェン、インドプロフェン、ピロプロフェン、カプロフェン、オキサプロジン、プラモプロフェン、ムロプロフェン、トリオキサプロフェン、スプロフェン、アミノプロフェン、チアプロフェン酸(tiaprofenic acid)、フルプロフェン、ブクロキシックアシッド(bucloxic acid)、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、ゾメピラク、チオピナク、ジドメタシン、アセメタシン、フェンチアザク、クリダナク、オキシピナク、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、ニフルミックアシッド(niflumic acid)、トルフェナム酸、ジフルリサル、フルフェニサル、ピロキシカム、スドキシカム、イソキシカム;サリチル酸誘導体、例えば、アスピリン、サリチル酸ナトリウム、コリンマグネシウムトリサリチレート、サルサレート、ジフルニサル、サリチルサリチル酸、スルファサラジンおよびオルサラジン;パラ−アミノフェノール誘導体、例えば、アセトアミノフェンおよびフェナセチン;インドールおよびインデン酢酸、例えば、インドメタシン、スリンダクおよびエトドラク;ヘテロアリール酢酸、例えば、トルメチン、ジクロフェナクおよびケトロラク;アントラニル酸(フェナメート)、例えば、メフェナム酸およびメクロフェナム酸;エノール酸、例えば、オキシカム(ピロキシカム、テノキシカム)、およびピラゾリジンジオン(フェニルブタンゾン、オキシフェンタルタゾン);およびアルカノン、例えばナブメトン、およびそれらの医薬的に許容される塩および混合物。NSAIDのさらに詳細な説明については下記を参照:Paul A. Insel, Analgesic-Antipyretic and Antiinflammatory Agents and Drugs Employed in the Treatment of Gout, in Goodman & Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics 617-57(Perry B. Molinhoff and Raymond W. Ruddon編、第9版、1996)およびGlen R. Hanson, Analgesic, Antipyretic and Anti-Inflammtory Drugs in Remington:The Sceince and Practice of Pharmacy Vol II 1196-1221(A.R. Gennaroら、第19版、1995);それらは全体として、本明細書に参照として組み入れられる。
【0109】
アレルギー性障害に特に関連した他の治療剤は、抗ヒスタミン薬である。有用な抗ヒスタミン薬は、ロラタジン、セチリジン、フェキソフェナジン、デスロラタジン、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、クロルシクリジン、ピリラミン、プロメタジン、テルフェナジン、ドキセピン、カルビノキサミン、クレマスチン、トリペレナミン、ブロムフェニラミン、ヒドロキシジン、シクリジン、メクリジン、シプロヘプタジン、フェニンダミン、アクリバスチン、アゼラスチン、レボカバスチン、およびそれらの混合物を包含するがそれらに限定されない。抗ヒスタミンのさらに詳細な説明については、Goodman & Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics(2001)651-57、第10版参照。
【0110】
癌の場合、標的とする癌に適した従来抗癌剤から他の治療薬を選択しうる。そのような抗癌薬の例は、限定するものではないが、下記の抗癌薬である:アシビシン;アクラルビシン;塩酸アコダゾール;アクロニン;アドゼレシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アンボマイシン;酢酸アメタントロン;アミノグルテチミド;アムサクリン;アナストロゾール;アントラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン;アザシチジン;アゼテパ;アゾトマイシン;バチマスタット;ベンゾデパ;ビカルタミド;塩酸ビサントレン;ビスナフィドジメシレート;ビゼレシン;硫酸ブレオマイシン;ブレキナールナトリウム;ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン;カルステロン;カラセミド:カルベチマー;カルボプラチン;カルムスチン;塩酸カルビシン;カルゼレシン;セデフィンゴール;クロラムブシル;シロレマイシン;シスプラチン;クラドリビン;クリスナトールメシレート;シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;ダクチノマイシン;塩酸ダウノルビシン;デシタビン;デキソルマプラチン;デザグアニン;デザグアニンメシレート;ジアジクオン;ドセタキセル;ドキソルビシン;塩酸ドキソルビシン;ドロロキシフェン;クエン酸ドロロキシフェン;プロピオン酸ドロモスタノロン;ダウゾマイシン;エダトレキセート;塩酸エフロルニチン;エルサミトルシン;エンロプラチン;エンプロメート;エピプロピジン;塩酸エピルビシン;エルブロゾール;塩酸エソルビシン;エストラムスチン;エストラムスチン燐酸ナトリウム;エタニダゾール;エトポシド;燐酸エトポシド;エトプリン;塩酸フェドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フロクスウリジン;燐酸フルダラビン;フルオロウラシル;フルロシタビン;ホスキドン;ホストリエシンナトリウム;ゲムシタビン;塩酸ゲムシタビン;ヒドロキシ尿素;塩酸イダルビシン;イホスファミド;イルモホシン;インターロイキンII(組換えインターロイキンII、またはrIL2を含む);インターフェロンα-2a;インターフェロンα-2b;インターフェロンα-n1;インターフェロンα-n3;インターフェロンβ-Ia;インターフェロンγ-Ib;イプロプラチン;塩酸イリノテカン;酢酸ランレオチド;レトロゾール;酢酸ロイプロリド;塩酸リアロゾール;ロメトレキソールナトリウム;ロムスチン;塩酸ロソキサントロン;マソプロコール:メイタンシン;塩酸メクロレタミン;酢酸メゲストロール;酢酸メレンゲストロール;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキサート;メトトレキサートナトリウム;メトプリン;メツレデパ;ミチンドミド;ミトカルシン;ミトクロミン;ミトギリン;ミトマルシン;ミトマイシン;ミトスペル;ミトーテン;塩酸ミトザントロン;ミコフェノール酸;ノコダゾール;ノガラマイシン;オルマプラチン;オキシスラン;パクリタキセル;ペガスパルガーセ;ペリオマイシン;ペンタムスチン;硫酸ペプロマイシン;ペルホスファミド;ピポブロマン;ピポスルファン;塩酸ピロキサントロン;プリカマイシン;プロメスタン;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン;塩酸プロカルバジン;プロマイシン;塩酸プロマイシン;ピラゾフリン;リボプリン;ログレチミド;サフィンゴール;塩酸サフィンゴール;セムスチン;シムトラゼン;スパルホセートナトリウム;スパルソマイシン;塩酸スピロゲルマニウム;スピロムスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェヌール;タリソマイシン;テコガランナトリウム;テガフル;塩酸テロキサントロン;テモポルフィン;テニポシド;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン;クエン酸トレミフェン;酢酸トレストロン;燐酸トリシリビン;トリメトレキサート;グルクロン酸トリメトレキサート;トリプトレリン;塩酸ツブロゾール;ウラシルマスタード;ウレデパ;バプレオチド;ベルテポルフィン;硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;硫酸ビンデシン;硫酸ビネピジン;硫酸ビングリシネート;硫酸ビンロイロシン;酒石酸ビノレルビン;硫酸ビンロシジン;硫酸ビンゾリジン;ボロゾール;ゼニプラチン;ジノスタチン;塩酸ゾルビシン。本発明化合物との併用療法において使用しうる他の抗癌剤は、下記の抗癌剤を包含するがそれらに限定されない:20-エピ-1,25ジヒドロキシビタミンD3;5-エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノール;アドゼレシン;アルデスロイキン;ALL-TKアンタゴニスト;アルトレタミン;アンバムスチン;アミドックス;アミホスチン;アミノレブリニックアシッド(aminolevulinic acid);アムルビシン;アムサクリン;アナグレリド;アナストロゾール;アンドログラホリド;新脈管形成インヒビター;アンタゴニストD;アンタゴニストG;アンタレリクス;抗ドルサライジング(dorsalizing)形態発生蛋白質-1;抗アンドロゲン、前立腺癌;抗エストロゲン;アンチネオプラストン;アンチセンスオリゴヌクレオチド;グリシン酸アフィジコリン;アポトーシス遺伝子調節因子;アポトーシス調節因子;アプリン酸;ara-CDP-DL-PTBA;アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン;アタメスタン;アトリムスチン;アキシナスタチン1;アキシナスタチン2;アキシナスタチン3;アザセトロン;アザトキシン;アザチロシン;バカチンIII誘導体;バラノール;バチマスタット;BCR/ABLアンタゴニスト;ベンゾクロリン;ベンゾイルスタウロスポリン;ベータラクタム誘導体;ベータ−アレチン;ベータクラマイシンB;ベツリニックアシッド(betulinic acid);bFGFインヒビター;バイカルウタミド;ビサントレン;ビサジリジニルスペルミン;ビスナフィド;ビストラテンA;ビゼレシン;ブレフレート;ブロピリミン;ブドチタン;ブチオニンスルホキシミン;カルシポトリオール;カルホスチンC;カンプトテシン誘導体;カナリポクスIL-2;カペシタビン;カルボキサミド-アミノ-トリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaRest M3;CARN 700;軟骨由来インヒビター;カルゼレシン;カゼインキナーゼインヒビター(ICOS);カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリックス;クロルルンス(chlorlns);クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;シス-ポルフィリン;クラドリビン;クロミフェン類似体;クロトリマゾール;コリスマイシンA;コリスマイシンB;コンブレタスタチンA4;コンブレタスタチン類似体;コナゲニン;クランベシジン816;クリスナトール;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA誘導体;クラシンA;シクロペンタントラキノン;シクロプラタム;シペマイシン;シタラビンオクホスフェート;細胞溶解因子;シトシタチン;ダクリキシマブ;デシタビン;デヒドロジデムニンB;デスロレリン;デキサメタゾン;デキシホスファミド;デキシラゾキサン;デキシベラパミル;ジアジクオン;ジデムニンB;ジドックス;ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ-5-アザシチジン;ジヒドロタキソール,9-;ジオキサマイシン;ジフェニルスピロムスチン;ドセタキセル;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドロロキシフェン;ドロナビノール;ズオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン;エデルホシン;エドレコロマブ;エフロニチン;エレメン;エミテフル;エピルビシン;エピステリド;エストラムスチン類似体;エストロゲンアゴニスト;エストロゲンアンタゴニスト;エタニダゾール;燐酸エトポシド;エキセメスタン;ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチム;フィナステリド;フラボピリドール;フレゼラスチン;フルアステロン;フルダラビン;塩酸フルオロダウノルニチン;ホルフェニメクス;ホルメスタン;ホストリエシン;ホテムスチン;ガドリニウムテキサフィリン;硝酸ガリウム;ガロシタビン;ガニレリクス;ゼラチナーゼインヒビター;ゲムシタビン;グルタチオンインヒビター;ヘプスルファム;ヘレグリン;ヘキサメチレンビスアセタミド;ヒペリシン;イバンドロニックアシッド(ibandronic acid);イダルビシン;イドキシフェン;イドラマントン;イルモホシン;イロマスタット;イミダゾアクリドン;イミキモッド;免疫刺激性ペプチド;インスリン様増殖因子-1受容体インヒビター;インターフェロンアゴニスト;インターフェロン;インターロイキン;イオベングアン;ヨードドキソルビシン;ポメアノール,4-;イロプラクト;イルソグラジン;イソベンガゾール;イソホモハリコンドリンB;イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラリドF;ラメラリン-Nトリアセテート;ランレオチド;レイナマイシン;レノグラスチム;硫酸レンチナン;レプトルスタチン;レトロゾール;白血病抑制因子;白血球αインターフェロン;ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン;ロイプロレリン;レバミゾール;リアロゾール;線状ポリアミン類似体;脂肪親和性二糖ペプチド;脂肪親和性白金化合物;リソクリナミド7;ロバプラチン;ロンブリシン;ロメトレキソール;ロニダミン;ロソキサントロン;ロバスタチン;ロキソリビン;ルルトテカン;ルテチウムテキサフィリン;リソフィリン;溶解ペプチド;マイタンシン;マンノスタチンA;マリマスタット;マソプロコール;マスピン;マトリリシンインヒビター;マトリックスメタロプロテアーゼインヒビター;メノガリル;メルバロン;メテレリン;メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIFインヒビター;ミフェプリストン;ミルテホシン;ミリモスチム;ミスマッチ二本鎖RNA;ミトグアゾン;ミトラクトール;ミトマイシン類似体;ミトナフィド;ミトトキシン線維芽細胞増殖因子-サポリン;ミトキサントロン;モファロテン;モルグラモスチム;モノクローナル抗体;ヒト絨毛性ゴナドトロピン;モノホスホリルリピッドA+ミオバクテリア細胞壁sk;モピダモール;多剤耐性遺伝子インヒビター;多発性腫瘍サプレッサー1に基づく療法;マスタード抗癌薬;ミカペルオキシドB;ミコバクテリア細胞壁抽出物;ミリアポロン;N-アセチルジナリン;N-置換ベンズアミド;ナファレリン;ナグレスチプ;ナロキソン+ペンタゾシン;ナパビン;ナフテルピン;ナルトグラスチム;ネダプラチン;ネモルビシン;ネリドロン酸;中性エンドペプチダーゼ;ニルタミド;ニサマイシン;一酸化窒素調節因子;ニトロキシド抗酸化剤;ニツルリン;O6-ベンジルグアニン;オクトレオチド;オキセノン;オリゴヌクレオチド;オナプリストン;オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラシン;経口サイトカイン誘発因子;オルマプラチン;オサテロン;オキサリプラチン;オキサウノマイシン;パクリタキセル;パクリタキセル類似体:パクリタキセル誘導体;パラウアミン;パルミトイルリゾキシン;パミドロニックアシッド(pamidronic acid);パナキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン;パゼリプチン;ペガスパルガーゼ;ペルデシン;ペントサンポリスルフェートナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール;ペルフルブロン;ペルホスファミド;ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;フェニルアセテート;ホスファターゼインヒビター;ピシバニル;塩酸ピロカルピン;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチンA;プラセチンB;プラスミノゲン活性化因子インヒビター;白金複合体;白金化合物;白金−トリアミン複合体;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニゾン;プロピルビス−アクリドン;プロスタグランジンJ2;プロテアソームインヒビター;蛋白質Aに基づく免疫調節因子;プロテインキナーゼCインヒビター;プロテインキナーゼCインヒビター;ミクロアルガル;プロテインチロシンホスファターゼインヒビター;プリンヌクレオシドホスホリラーゼインヒビター;プルプリン;ピラゾロアクリジン;ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレンコンジュゲート;rafアンタゴニスト;ラルチトレキセド;ラモセトロン;rasファルネシルプロテイントランスフェラーゼインヒビター;rasインヒビター;ras-GAPインヒビター;脱メチル化レテリプチン;レニウムRe186エチドロネート;リゾキシン;リボザイム;RIIレチナミド;ログ
レチミド;ロヒツキン;ロムルチド;ロキニメクス;ルビギノンB1;ルボキシル;サフィンゴール;サイントピン;SarCNU;サルコフィトールA;サルグラモスチム;Sdi 1擬似体;セムスチン;老化誘導抑制因子1;センスオリゴヌクレオチド;シグナルトランスダクションインヒビター;シグナルトランスダクション調節因子;一本鎖抗原結合蛋白質;シゾフィラン;ソブゾキサン;ナトリウムボロカプテート;ナトリウムフェニルアセテート;ソルベロール;ソマトメジン結合蛋白質;ソネルミン;スパルホシックアシッド(sparfosic acid);スピカマイシンD;スピロムスチン;スプレノペンチン;スポンジスタチン1;スクアラミン;幹細胞インヒビター;幹細胞分裂インヒビター;スチピアミド;ストロメリシンインヒビター;スルフィノシン;過度活動性血管作用性腸管ペプチドアンタゴニスト;スラジスタ;スラミン;スワインソニン;合成グリコサミノグリカン;タリムスチン;タモキシフェンメチオジド;タウロムスチン;タザロテン;テコガランナトリウム;テガフール;テルラピリリウム;テロメラーゼインヒビター;テモポルフィン;テモゾロミド;テニポシド;テトラクロロデカオキシド;テトラゾミン;タリブラスチン;チオコラリン;トロンボポイエチン;トロンボポイエチン擬似体;チマルファシン;チモポエチン受容体アゴニスト;チモトリナン;甲状腺刺激ホルモン;錫エチルエチオプルプリン;チラパザミン;二塩化チタノセン;トプセンチン;トレミフェン;全能幹細胞因子;翻訳インヒビター;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビン;トリメトレキサート;トリプトレリン;トロピセトロン;ツロステリド;チロシンキナーゼインヒビター;チルホスチン;UBCインヒビター;ウベニメクス;泌尿生殖洞由来増殖抑制因子;ウロキナーゼ受容体アンタゴニスト;バプレオチド;バリオリンB;ベクター系、赤血球遺伝子治療;ベラレゾール;ベラミン;ベルジン;ベルテポルフィン;ビノレルビン;ビンキサルチン;ビタキシン;ボロゾール;ザノテロン;ゼニプラチン;ジラスコルブ;およびジノスタチンスチマラマー。好ましい付加的抗癌剤は5-フルオロウラシルおよびロイコボリンである。本発明化合物と組み合わせて使用しうる抗癌治療抗体の例は、下記の抗体を包含するがそれらに限定されない:転移性乳癌患者の治療用のヒト化抗HER2モノクローナル抗体であるHERCEPTIN(登録商標)(トラスツズマブ)(Genentech, CA);血塊形成予防用の血小板上の抗糖蛋白IIb/IIIa受容体であるREOPRO(登録商標)(アブシキシマブ)(Centocor);急性腎臓同種移植拒絶予防用の免疫抑制ヒト化抗-CD25モノクローナル抗体であるZENAPAX(登録商標)(ダクリズマブ)(Roche Pharmaceuticals, Switzerland);マウス抗17-IA細胞表面抗原IgG2a抗体であるPANOREXTM(Glaxo Wellcome/Centocor);マウス抗イディオタイプ(GD3エピトープ)IgG抗体であるBEC2(ImClone System);キメラ抗EGFR IgG抗体であるIMC-C225(ImClone System);ヒト化抗V3インテグリン抗体であるVITAXINTM(Applied Molecular Evolution/MedImmune);ヒト化抗CD52 IgG1抗体であるCampath 1H/LDP-03(Leukosite);ヒト化抗CD33 IgG抗体であるSmart M195(Protein Design Lab/Kanebo);キメラ抗CD20 IgG1抗体であるRITUXANTM(IDEC Pharm/Genentech, Roche/Zettyaku);ヒト化抗CD22 IgG抗体であるLYMPHOCIDETM(Immunomedics);LYMPHOCIDETM Y-90(Immunomedics);Lymphoscan(Tc-99m標識;放射線画像化;Immunomedics);Nuvion(CD3に対する;Protein Design Labs);CM3は、ヒト化抗-ICAM3抗体(ICOS Pharm)であり;IDEC-114は、霊長類化抗CD80抗体(IDEC Pharm/Mitsubishi)であり;ZEVALINTMは、放射性同位元素標識マウス抗-CD20抗体(IDEC/Schering AG)であり;IDEC-131は、ヒト化抗CD40L抗体(IDEC/Eisai)であり;IDEC-151は、霊長類化抗CD4抗体(IDEC)であり;IDEC-152は、霊長類化抗CD23抗体(IDEC/Seikagaku)であり;SMART抗CD3は、ヒト化抗CD3 IgG(Protein Design Lab)であり;5G1.1は、ヒト化抗補体因子5(C5)抗体(Alexion Pharm)であり;D2E7は、ヒト化抗TNF抗体(CAT/BASF)であり;CDP870は、ヒト化抗TNF-Fabフラグメント(Celltech)であり;IDEC-151は、霊長類化抗CD4 IgG1抗体(IDEC Pharm/SmithKline Beecham)であり;MDX-CD4は、ヒト抗CD4 IgG抗体(Medarex/Eisai/Genmab)であり;CD20-スレプトダビジン(+ビオチン−イットリウム 90;NeoRx);CDP571は、ヒト化抗TNF-IgG4抗体(Celltech)であり;LDP-02はヒト化抗47抗体(LeukoSite/Genentech)であり;OrthoClone OKT4Aはヒト化抗CD4 IgG抗体(Ortho Biotech)であり;ANTOVATMは、ヒト化抗CD40L IgG抗体(Biogen)であり;ANTEGRENTMは、ヒト化抗VLA-4 IgG抗体(Elan)であり;CAT-152は、ヒト抗TGF-2抗体(Cambridge Ab Tech)である。本発明の併用療法および組成物に使用しうる化学療法薬剤は、アルキル化薬、代謝拮抗物質、天然物質またはホルモンを包含するがそれらに限定されない。特定の癌(特に、T細胞悪性疾患に関係した癌)の治療または予防に有用なアルキル化薬の例は、ナイトロジェンマスタード(例えば、メクロロエタミン、シクロホスファミド、クロラムブシル等)、スルホン酸アルキル(例えば、ブスルファン)、ニトロソ尿素類(例えば、カルムスチン、ロムスチン等)、またはトリアゼン(デカルバジン等)であるがそれらに限定されない。特定の癌(特に、T細胞悪性疾患に関係した癌)の治療または予防に有用な代謝拮抗物質の例は、葉酸類似体(例えば、メトトレキサート)、またはピリミジン類似体(例えば、シタラビン)、プリン類似体(例えば、メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン)であるがそれらに限定されない。特定の癌(特に、T細胞悪性疾患に関係した癌)の治療または予防に有用な天然物質の例は、ビンカアルカロイド類(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン)、エピポドフィロトキシン(例えば、エトポシド)、抗体(例えば、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン)、酵素(例えば、L-アスパラギナーゼ)、または生物学的反応修飾物質(例えば、インターフェロンα)であるがそれらに限定されない。
【0111】
本発明の併用療法および組成物中の、他の癌の治療または予防に有用なアルキル化薬の例は、ナイトロジェンマスタード(例えば、メクロロエタミン、シクロホスファミド、クロラムブシル、メルファラン等)、エチレンイミンおよびメチルメラミン(例えば、ヘキサメチルメラミン、チオテパ)、スルホン酸アルキル(例えばブスルファン)、ニトロソ尿素類(例えば、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、ストレプトゾシン等)、またはトリアゼン(デカルバジン等)であるがそれらに限定されない。本発明の併用療法および組成物中の、他の癌の治療または予防に有用な代謝拮抗物質の例は、葉酸類似体(例えば、メトトレキサート)、またはピリミジン類似体(例えば、フルオロウラシル、フロキソウリジン、シタラビン)、プリン類似体(例えば、メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン)であるがそれらに限定されない。本発明の併用療法および組成物中の、他の癌の治療または予防に有用な天然物質の例は、ビンカアルカロイド類(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン)、エピポドフィロトキシン(例えば、エトポシド、テニポシド)、抗体(例えば、アクチノマイシンD、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン、プリカマイシン、ミトマイシン)、酵素(例えば、L-アスパラギナーゼ)、または生物学的反応修飾物質(例えば、インターフェロンα)であるがそれらに限定されない。本発明の併用療法および組成物中の、他の癌の治療または予防に有用なホルモンおよびアンタゴニストの例は、アドレノコルチコステロイド(例えばプレドニゾン)、プロゲスチン(例えば、ヒドロキシプロゲステロンカプロエート、酢酸メゲストロール、酢酸メドロキシプロゲステロン)、エストロゲン(例えば、ジエチルスチルベストロール、エチニルエストラジオール)、アンチエストロゲン(例えばタモキシフェン)、アンドロゲン(例えば、テストステロンプロピオネート、フルオキシメステロン)、アンチアンドロゲン(例えばフルタミド)、性腺刺激ホルモン放出ホルモン類似体(例えばロイプロリド)であるがそれらに限定されない。癌の治療または予防のために、本発明の併用療法および組成物に使用しうる他の抗癌剤は、白金配位複合体(例えば、シスプラチン、カルボブラチン)、アントラセンジオン(例えばミトザントロン)、置換尿素(例えば、ヒドロキシ尿素)、メチルヒドラジン誘導体(例えば、プロカルバジン)、副腎皮質抑制剤(例えば、ミトーテン、アミノグルテチミド)を包含する。
【0112】
本発明の化合物は、安定微小管によってG2-M相に細胞を捕捉することによって作用する抗癌剤と組み合わして投与してもよい。タキソール(パクリタキセル)ならびにその類似体および誘導体に加えて、このメカニズムによって作用する抗癌薬の他の例は、限定するものではないが、下記の市販薬および開発中の薬剤を包含する:エルブロゾール(R-55104としても既知)、ドラスタチン10(DLS-10およびNSC-376128としても既知)、イセチオン酸ミボブリン(CI-980としても既知)、ビンクリスチン、NSC-639829、ジスコデルモリド(NVP-XX-A-296としても既知)、ABT-751(Abbott、E-7010としても既知)、アルトリルチン(例えば、アルトリルチンAおよびアルトリルチンC)、スポンジスタチン(例えば、スポンジスタチン1、スポンジスタチン2、スポンジスタチン3、スポンジスタチン4、スポンジスタチン5、スポンジスタチン6、スポンジスタチン7、スポンジスタチン8、およびスポンジスタチン9)、塩酸セマドチン(LU-103793およびNSC-D-669356としても既知)、エポチロン(例えば、エポチロンA、エポチロンB、エポチロンC(デスオキシエポチロンAまたはdEpoAとしても既知)、エポチロンD(KOS-862、dEpoBおよびデスオキシエポチロンBとも称される)、エポチロンE、エポチロンF、エポチロンB N-オキシド、エポチロンA N-オキシド、16-アザ-エポチロンB、21-アミノエポチロンB(BMS-310705としても既知)、21-ヒドロキシエポチロンD(デスオキシエポチロンFおよdEpoFとしても既知)、26-フルオロエポチロン)、アウリスタチンPE(NSC-654663としても既知)、ソブリドチン(TZT-1027としても既知)、LS-4559-P(Pharmacia、LS-4577としても既知)、LS-4578(Pharmacia、LS-477-Pとしても既知)、LS-4477(Pharmacia)、LS-4559(Pharmacia)、RPR-112378(Aventis)、硫酸ビンクリスチン、DZ-3358(Daiichi)、FR-182877(Fujisawa、WS-9885Bとしても既知)、GS-164(Takeda)、GS-198(Takeda)、KAR-2(Hungarian Academy of Sciences)、BSF-223651(BASF、ILX-651およびLU-223651としても既知)、SAH-49960(Lilly/Novartis)、SDZ-268970(Lilly/Novartis)、AM-97(Armad/Kyowa Hakko)、AM-132(Armad)、AM-138(Armad/Kyowa Hakko)、IDN-5005(Indena)、Cryptophycin 52(LY-355703としても既知)、AC-7739(Ajinomoto、AVE-8063AおよびCS-39.HClとしても既知)、AC-7700(Ajinomoto、AVE-8062、AVE-8062A、CS-39-L-Ser.HClおよびRPR-258062Aとしても既知)、ビチレブアミド、ツブリシンA、カナデンソール、センタウレイジン(NSC-106969としても既知)、T-138067(Tularik、T-67、TL-138067およびTI-138067としても既知)、COBRA-1(Parker Hughes Institute、DDE-261およびWHI-261としても既知)、H10(Kansas State University)、H16(Kansas State University)、Oncocidin A1(BTO-956およびDIMEとしても既知)、DDE-313(Parker Hughes Institute)、フィジアノリドB、ラウリマリド、SPA-2(Parker Hughes Institute)、SPA-1(Parker Hughes Institute、SPIKET-Pとしても既知)、3-IAABU(Cytoskeleton/Mt. Sinai School of Medicine、MF-569としても既知)、ナルコシン(NSC-5366としても既知)、ナスカピン、D-24851(Asta Medica)、A-105972(Abbott)、ヘミアステルリン、3-BAABU(Cytoskeleton/Mt. Sinai School of Medicine、MF-191としても既知)、TMPN(Arizona State University)、アセチルアセトン酸バナドセン、T-138026(Tularik)、モンサトロール、イナノシン(NSC-698666としても既知)、3-IAABE(Cytoskeleton/Mt. Sinai School of Medicine)、A-204197(Abbott)、T-607(Tularik、T-900607としても既知)、RPR-115781(Aventis)、エロイテロビン(例えば、デスメチルエロイテロビン、デサエチルエロイテロビン、イソエロイテロビンA、およびZ-エロイテロビン)、カリベオシド、カリベオリン、ハリコンドリンB、D-64131(Asta Medica)、D-68144(Asta Medica)、ジアゾナミドA、A-293620(Abbott)、NPI-2350(Nereus)、タッカロノリドA、TUB-245(Aventis)、A-259754(Abbott)、ジオゾスタチン、(-)-フェニルアヒスチン(NSCL-96F037としても既知)、D-68838(Asta Medica)、D-68836(Asta Medica)、Myoseverin B、D-43411(Zentaris、D-81862としても既知)、A-289099(Abbott)、A-318315(Abbott)、HTI-286(SPA-110としても既知、トリフルオロ酢酸塩)(Wyeth)、D-82317(Zentaris)、D-82318(Zentaris)、SC-12983(NCI)、レスベラスタチンホスフェートナトリウム、BPR-0Y-007(National Health Research Institutes)、およびSSR-250411(Sanofi)。
【0113】
痛みが標的障害の構成成分である場合、他の治療薬は鎮痛薬であってよい。有用な鎮痛薬は、フェナセチン、ブタセチン、アセトアミノフェン、ネオパム、アセトアミドキノンおよびそれらの混合物を包含するがそれらに限定されない。
【0114】
前記および他の有用な併用療法は、当業者に理解され認識される。そのような併用療法の潜在的利点は、より少ない個々の有効成分を使用して毒性副作用を最小限にするしうること、効力の相乗的増加、投与または使用の容易性の向上、および/または化合物製造または配合の総費用の減少を包含する。
【0115】
本発明の化合物は、研究手段として(例えば、競合結合アッセイによって新規TNFαまたはPDE4インヒビターのメカニズムを評価するか、またはアフィニティクロマトグラフィーを使用して本発明化合物のリガンドを分離するための、陽性対照として)使用しうる。本発明の化合物および組成物のこれらおよび他の使用および態様は、当業者に明らかである。
【0116】
本発明は、本発明化合物の製造について詳しく記載する下記の実施例を参照してさらに規定される。本発明の目的および関心事を逸脱せず、物質および方法の両方に多くの変更を加えうることは当業者に明らかである。下記の実施例は本発明の理解を助けるために示され、本明細書に開示し主張する本発明を特に限定するものと理解すべきでない。当業者の知識の範囲と考えられる現在既知かまたは後に開発される全ての等価物での置換、および配合の変更または実験設計の小さい変更を包含する本発明のそのような変形は、本明細書に開示する発明の範囲に含まれるものとみなされる。下記の特定の実施例は、例示するものにすぎず、本発明の残りの開示をいかなる方法におても限定するものでないと理解すべきである。さらに詳しく記載しないが、当業者は、本明細書の開示に基づいて本発明を最大限に使用しうると考えられる。本明細書に引用した全ての発行物は、全体として、本明細書に参照として組み入れられる。
【0117】
実施例1.化合物1:2-[3-(4-メトキシ-ベンジル)-インドリジン-1-イル]-2-オキソ-N-ピリジン-3-イル-アセトアミドの調製
ピコリン(2.18mL、22mmol)を、アセトニトリル11mL中の2-ブロモ-1-(4-メトキシ-フェニル)-エタノン(2.5g、10.9mmol)の攪拌溶液に室温で添加した。溶液を室温で2時間にわたって連続的に攪拌した。次に、酢酸エチル15mLを前記溶液に添加した。得られた沈殿物を濾過によって収集し、酢酸エチルで洗浄して、中間体1を白色固形物(2.4g、68%)として得た。
【0118】
ジメチルホルムアミド(DMF)22mL中の中間体1(2.4g、7.45mmol)の攪拌懸濁液に、DMF-Me2SO4(DMF 1当量およびMe2SO4 1当量の混合物を60〜80℃で3時間攪拌し、次に、室温に冷却することによって得た)18mLを添加した。室温でさらに15分間攪拌を継続した。トリエチルアミン31mLを前記懸濁液に添加し、次に、40〜50℃(反応温度)で2時間攪拌した。室温に冷却した後、混合物を氷水100mLに注ぎ、数時間攪拌した。得られた沈殿物を収集し、水で洗浄し、乾燥して、中間体2をオレンジ色固形物(1.4g、75%)として得た。
【0119】
メタノール0.5mLを含有するアセトニトリル33mL中の中間体2(1.4g、11.2mmol)の溶液に、BH3-THF(1M、26mL)を添加した。得られた溶液を50℃で1時間攪拌した。反応混合物を約10℃に冷却し、氷水4mLで急冷した。酢酸エチル20mLを混合物に添加し、次に、無水Na2SO4で乾燥した。次に、溶液をデカンテーションし、減圧下に蒸発させた。勾配溶離(ヘキサン→を8:1ヘキサン/ジクロロメタン→1:1ヘキサン/ジクロロメタン)を使用して、粗生成物を溶媒化ガスクロマトグラフィー(SGC)によって精製して、中間体3を灰色がかった白色の固形物(0.6g、43%)として得た。
【0120】
中間体3(0.39g、1.65mmol)を含有する乾燥エーテル溶液10mLを、乾燥エーテル5mL中の塩化オキサリル(0.17mL、1.98mmol)の攪拌溶液に0℃でゆっくり添加した。同じ温度で30分間攪拌した後、溶液を濃縮して、固形物を得、得られた固形物を乾燥THF 5mLに再溶解させた。次に、乾燥THF 910mL中の3-アミノピリジン(0.37g、3.95mmol)の溶液を、前記溶液に0℃でゆっくり添加した。0℃で1時間および室温で2.5時間にわたって攪拌を継続した。次に、揮発性物質を減圧下に除去し、残渣を酢酸エチル30mLに溶解させた。酢酸エチル溶液を、H2O、飽和NaHCO3およびブラインで順次に洗浄した。Na2SO4で乾燥した後、溶液の溶媒を除去した。勾配溶離(ヘキサン→2:1ヘキサン/酢酸エチル→1:1ヘキサン/酢酸エチル)を使用して、粗生成物をSGCによって精製して、化合物1を黄色固形物(0.3g、47%)として得た。
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):3.65(s,3H);4.10(s,2H);6.60-6.82(m,3H);7.15(q,J=7Hz,2H);7.19-7.24(m,2H);7.78(d,J=7Hz,1H);7.97(s,1H);8.18-8.24(m,1H);8.32(dd,J=1.5Hz,5Hz,1H);8.52(d,J=9Hz,1H);8.74(d,J=2.4Hz,1H,);9.55(s,1H)
(C23H19N3O3)についてのESMS:計算値385.1;実測値386.1(M+H)
【0121】
実施例2.化合物2:2-[3-(4-シアノ-ベンジル)-インドリジン-1-イル]-2-オキソ-N-ピリジン-3-イル-アセトアミドの調製
化合物2を、実施例1に記載したのと同様の方法で調製した。
lH NMR(CDCl3)δ(ppm):9.52(s,1H);8.81(d,J=4.8Hz,1H);8.66(d,J=12Hz,1H);8.45-8.26(m,2H);8.13(s,1H);7.81(d,J=12Hz,1H);7.64-7.30(m,6H);6.96(m,1H);4.26(s,2H)
(C23H16N4O2)についてのESMS:計算値380.13;実測値381.2(M+H)
【0122】
実施例3.化合物3:2-[3-(4-ニトロ-ベンジル)-インドリジン-1-イル]-2-オキソ-N-ピリジン-3-イル-アセトアミドの調製
化合物3を、実施例1に記載したのと同様の方法で調製した。
lH NMR(CDC13)δ(ppm):4.25(s,2H);6.83(t,J=7Hz,1H);7.14-7.32(m,4H);7.71(d,J=7Hz,1H);7.97(s,1H);8.03(d,J=8Hz,2H);8.17(dt,J=8Hz,1.5Hz,1H);8.28(d,J=4.8Hz,1H);8.48(dd,J=9Hz,1.2Hz,1H);8.74(s,1H);9.59(s,1H)
(C22H16N4O4)についてのESMS:計算値400.1;実測値401.1(M+H)
【0123】
実施例4.化合物4:2-[3-(4-アミノ-ベンジル)-インドリジン-1-イル]-2-オキソ-N-ピリジン-3-イル-アセトアミドの調製
化合物4を、実施例1に記載したのと同様の方法で調製した。
1H NMR(CDC13)δ(ppm):3.65(bs,2H);4.18(s,2H);6.63(d,J=9Hz,1H);6.9(t,J=7Hz,1H);6.98(d,J=7Hz,2H);7.28-7.39(m,2H);7.90(d,J=7Hz,1H);8.06(s,1H);8.28-8.34(m,1H);8.41(dd,J=5Hz,1.5Hz,1H);8.63(d,J=9Hz,1H);8.83(d,J=2.4Hz,1H);9.62(s,1H)
(C22H18N4O2)についてのESMS:計算値370.1;実測値371.1(M+H)
【0124】
実施例5.化合物5:2-[3-(4-フルオロ-ベンジル)-インドリジン-1-イル]-2-オキソ-N-ピリジン-3-イル-アセトアミドの調製
化合物5を、実施例1に記載したのと同様の方法で調製した。
1H NMR(CDC13)δ(ppm):9.53(s,1H);8.81(d,J=3.0Hz,1H);8.66(d,J=9.0Hz,1H);8.40(d,J=6.0Hz,2H);8.30(s,1H);7.85(d,J=9.0Hz,1H);7.35(m,3H);7.96(m,3H);4.24(s,2H)
(C22H16FN3O2)についてのESMS:計算値373.1;実測値374.1(M+H)
【0125】
実施例6.化合物6:2-[3-(4-フルオロ-ベンジル)-インドリジン-1-イル]-2-オキソ-N-ピリジン-3-イル-アセトアミドの調製
化合物6を、実施例1に記載したのと同様の方法で調製した。
1H NMR(CDC13)δ(ppm):9.53(s,1H);8.81(d,J=3.0Hz,1H);8.66(d,J=9.0Hz,1H);8.42(d,J=6.0Hz,1H);8.30(m,1H);8.11(s,1H);7.83(d,J=6.0Hz,1H);7.36(m,3H);7.15(d,J=9.0Hz,2H);6.93(m,1H);4.24(s,2H)
(C22H16ClN3O2)についてのESMS:計算値389.1;実測値390.1(M+H)
【0126】
実施例7.化合物7:2-(3-ベンジル-インドリジン-1-イル)-2-オキソ-N-ピリジン-3-イル-アセトアミドの調製
化合物7を、実施例1に記載したのと同様の方法で調製した。
1H NMR(CDC13)δ(ppm):4.20(s,2H);6.82(t,J=7Hz,1H);7.11-7.32(m,7H);7.80(d,J=7Hz,1H);8.04(s,1H);8.22-8.27(m,1H);8.34(dd,J=1.4Hz,5Hz,1H);8.56(d,J=9Hz,1H);8.74(d,J=3Hz,1H);9.49(s,1H)
(C22H17N3O2)についてのESMS:計算値355.1;実測値356.1(M+H)
【0127】
実施例8.化合物8:2-[3-(4-フルオロ-ベンジル)-7-ヒドロキシ-インドリジン-1-イル]-2-オキソ-N-ピリジン-3-イル-アセトアミドの調製
ベンジルアルコール8.88g(82mmol)を含有するDMF130mLの溶液に、NaH3.2g(60%、80mmol)を0℃で添加した。溶液を室温で2時間攪拌した。4-クロロピコリン10g(78mmol)を前記溶液に室温で添加し、次に、100℃でさらに3時間にわたって溶液を攪拌した。氷水200mLを前記溶液に添加して、沈殿物を得た。得られた沈殿物を収集し、水で洗浄し、乾燥して、4-ベンジルオキシ-2-メチル-ピリジン13.8g(79%)を得た。
【0128】
4-ベンジルオキシ-2-メチル-ピリジンを出発物質として使用して、ベンジル保護ヒドロキシを有する化合物8(2-[3-(4-フルオロ-ベンジル)-7-ベンジルオキシ-インドリジン-1-イル]-2-オキソ-N-ピリジン-3-イル-アセトアミド)を、実施例1に記載したのと同様の方法で調製した。
【0129】
よく知られている水素添加還元を使用して保護ベンジル基を除去して、化合物8を得た。
1H-NMR(CD3SOCD3)δ(ppm):10.72(s,1H);9.01(s,1H);8.32(d,J=6Hz,1H);8.26(d,J=12Hz,2H);7.89(s,1H);7.42-7.10(m,6H);7.64-7.30(m,6H);4.22(s,2H)
(C22H16FN3O2)についてのESMS:計算値389.12;実測値390.1(M+H)
【0130】
実施例9.化合物9:2-[7-クロロ-3-(4-フルオロ-ベンジル)-インドリジン-1-イル]-2-オキソ-N-ピリジン-3-イル-アセトアミドの調製
化合物9を、実施例1に記載したのと同様の方法で調製した。
1H-NMR(CDC13,300MHz)δ(ppm):9.46(s,1H);8.82(d,J=2.4Hz,1H);8.68(d,J=2.1Hz,1H);8.42(d,J=5.1Hz,1H);8.31-8.23(m,1H);8.09(s,1H);7.74(d,J=7.5Hz,1H);7.34(dd,J=5.1Hz,8.1Hz,1H);7.18-7.14(m,2H);7.04-6.98(m,2H);6.89(dd,J=2.4Hz,7.5Hz,1H);4.22(s,2H)
(C22H15ClFN3O2)についてのESMS:計算値407.82;実測値408.0(M+H)
【0131】
実施例10.化合物10:2-[3-(4-フルオロ-ベンジル)-インドリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2,4-ジクロロ-ピリジン-3-イル)-アセトアミドの調製
化合物10を、実施例1に記載したのと同様の方法で調製した。
1H-NMR(CDC13)δ(ppm):9.44(s,1H);8.60(d,J=12Hz,1H);8.24(d,J=10Hz,1H),7.96(s,1H);7.83(d,J=12Hz,1H);7.39(d,J=10Hz,1H);7.38-6.89(m,6H);4.21(s,2H)
(C22H14Cl2FN3O2)についてのESMS:計算値441.04;実測値442.0(M+H)
【0132】
実施例11.化合物11:2-[3-(4-シアノ-ベンジル)-インドリジン-1-イル]-2-オキソ-N-ピリジン-2-イル-アセトアミドの調製
化合物11を、実施例1に記載したのと同様の方法で調製した。
1H-NMR(CDCl3)δ(ppm):9.84(s,1H);8.68(d,J=12Hz,1H);8.41-8.28(m,2H);8.08(s,1H);8.13(s,1H);7.81-7.73(m,2H);7.61(d,J=12.5Hz,2H);7.41-7.32(m,3H);7.13-6.84(m,2H);4.36(s,2H)
(C23H16N4O2)についてのESMS:計算値380.13;実測値381.2(M+H)
【0133】
実施例12.化合物12:2-(3-ベンジル-インドリジン-1-イル)-2-オキソ-N-ピリジン-2-イル-アセトアミドの調製
化合物12を、実施例1に記載したのと同様の方法で調製した。
1H NMR(CDC13)δ(ppm):4.24(s,2H);6.92(t,J=7Hz,1H);7.20-7.41(m,7H);7.68(m,1H);7.89(d,J=7Hz,1H);8.10(s,1H);8.55-8.61(m,1H);8.65(d,J=9Hz,1H);9.60(s,1H)
(C22H17N3O2)についてのESMS:計算値355.1;実測値356.1(M+H)
【0134】
実施例13.化合物13:2-[3-(4-クロロ-ベンジル)-インドリジン-1-イル]-2-オキソ-N-ピリジン-2-イル-アセトアミドの調製
化合物13を、実施例1に記載したのと同様の方法で調製した。
1H NMR(CDC13)δ(ppm):9.89(s,1H);8.81(m,1H);8.38(m,2H);8.07(s,1H);7.78(m,2H);7.36(m,3H);7.08(m,2H);6.89(m,1H);4.23(s,2H)
(C22H16ClN3O2)についてのESMS:計算値389.1;実測値390.1(M+H)
【0135】
実施例14.化合物42:2-[3-(4-フルオロ-ベンジル)-インドリジン-1-イル]-2-オキソ-N-ピリジン-2-イル-アセトアミドの調製
化合物12を、実施例1に記載したのと同様の方法で調製した。
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):9.77(s,1H);8.66(d,J=9.0Hz,1H);8.40(m,2H);8.06(s,1H);7.81(m,3H);7.35(m,1H);7.26(m,4H);4.24(s,2H)
(C22H16FN3O2)についてのESMS:計算値373.1;実測値374.1(M+H)
【0136】
実施例15.化合物15:2-[3-(4-フルオロ-ベンジル)-7-ヒドロキシ-インドリジン-1-イル]-2-オキソ-N-ピリジン-2-イル-アセトアミドの調製
化合物15を、実施例8に記載したのと同様の方法で調製した。
1H-NMR(CD3COCD3)δ(ppm):9.93(s,1H);8.30-8.39(m,2H);8.12-8.02(m,2H);7.90-7.76(m,2H);7.38-7.28(m,2H);7.18-7.02(m,3H);6.76-7.70(m,1H);4.22(s,2H)
(C22H16FN3O3)についてのESMS:計算値389.12;実測値390.1(M+H)
【0137】
実施例16.化合物16:2-[3-(4-シアノ-ベンジル)-インドリジン-1-イル]-2-オキソ-N-ピリジン-4-イル-アセトアミドの調製
化合物16を、実施例1に記載したのと同様の方法で調製した。
1H NMR(CDC13)δ(ppm):4.36(s,2H);6.95(t,J=3.8Hz,1H);7.3-7.5(m,3H);7.6-7.7(m,4H);7.80(d,J=3.9Hz,1H);8.05(s,1H);8.5-8.7(m,3H);9.60(s,1H)
(C23H16N4O2)についてのESMS:計算値380.13;実測値381.1(M+H)
【0138】
実施例17.化合物17:2-[3-(4-フルオロ-ベンジル)-インドリジン-1-イル]-2-オキソ-N-ピリジン-4-イル-アセトアミドの調製
化合物17を、実施例1に記載したのと同様の方法で調製した。
1H NMR(DMSO-d6)δ(ppm):11.01(s,1H);8.49(d,J=6.3Hz,2H);8.47-8.39(m,2H);7.81(d,J=6.3Hz,2H);7.46-7.53(m,2H);7.31-7.36(m,2H);7.12-7.18(m,3H);4.31(s,2H)
(C22H16FN3O2)についてのESMS:計算値373.38;実測値374.4(M+H)
【0139】
実施例18.化合物18:2-[3-(4-シアノ-ベンジル)-インドリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(3,5-ジクロロ-ピリジン-4-イル)-アセトアミドの調製
化合物18を、実施例1に記載したのと同様の方法で調製した。
lH-NMR(CDC13)δ(ppm):9.48(s,1H);8.66(d,J=12Hz,1H);8.59(s,2H);8.03(s,1H);7.81(d,J=10,1H);7.62(d,J=11.5Hz,2H);7.41(m,1H);7.32(d,J=11.5Hz,1H);6.95(m,1H);4.32(s,2H)
(C23H14Cl2N4O2)についてのESMS:計算値448.05;実測値449.1(M+H)
【0140】
実施例19.化合物19:2-[3-(4-フルオロ-ベンジル)-7-ヒドロキシ-インドリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(3,5-ジクロロ-ピリジン-4-イル)-アセトアミドの調製
化合物19を、実施例8に記載したのと同様の方法で調製した。
lH-NMR(CD3COCD3)δ(ppm):9.98(s,1H);8.62(s,2H);8.19(d,J=11Hz,1H);8.03(s,1H);7.64(s,1H);7.38-6.77(m,5H);4.29(s,2H)
(C22H14Cl2FN3O3)についてのESMS:計算値457.04;実測値458.0(M+H)
【0141】
実施例20.化合物20:2-[3-(4-フルオロ-ベンジル)-インドリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(3,5-ジクロロ-ピリジン-4-イル)-アセトアミドの調製
化合物20を、実施例1に記載したのと同様の方法で調製した。
lH-NMR(CDC13)δ(ppm):9.49(s,1H);8.63(d,J=12Hz,1H);8.59(s,2H);8.01(s,1H);7.84(d,J=11Hz,1H);7.43-6.92(m,6H);4.21(s,2H)
(C22H14Cl2FN3O2)についてのESMS:計算値441.04;実測値440.0(M-H)
【0142】
実施例21.化合物21:2-[3-(4-クロロ-ベンジル)-インドリジン-1-イル]-N-(3,5-ジクロロ-ピリジン-4-イル)-2-オキソ-アセトアミドの調製
化合物21を、実施例1に記載したのと同様の方法で調製した。
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):9.49(s,1H);8.64(m,3H);8.03(s,1H);7.84(d,J=9.0Hz,1H);7.39(m,1H);7.28(m,3H);7.14(d,J=9.0Hz,2H);6.95(m,1H);4.22(s,2H)
(C22H16Cl2N3O2)についてのESMS:計算値457.0;実測値458.0(M+H)
【0143】
実施例22.化合物22:2-[3-(4-フルオロ-ベンジル)-7-ヒドロキシ-インドリジン-1-イル]-2-オキソ-N-ピリジン-4-イル-アセトアミドの調製
化合物22を、実施例8に記載したのと同様の方法で調製した。
1H-NMR(CD3SOCD3)δ(ppm);10.93(s,1H);10.85(s,1H);8.46(d,J=4.5Hz,2H);8.23(d,J=9Hz,1H);7.82(s,1H),7.78(d,J=4.5Hz,2H);7.36-7.10(m,5H);4.21(s,2H)
(C22H16FN3O3)についてのESMS:計算値389.12;実測値390.1(M+H)
【0144】
実施例23.化合物23:4-[1-(ピリジン-4-イル-アミノオキサリル)-インドリジン-3-イル-メチル]-ベンズアミドの調製
化合物23を、実施例1に記載したのと同様の方法で調製した。
1H NMR(DMSO-d6)δ(ppm):4.40(s,2H);7.18(t,J=6.9Hz,1H);7.30-7.56(m,5H);7.80-7.86(m,3H);7.90-7.96(br,2H);8.38-8.52(m,4H);11.00(s,1H)
(C23H18N4O3)についてのESMS:計算値398.1;実測値399.1(M+H)
【0145】
実施例24.化合物24:2-[3-(4-クロロ-ベンジル)-インドリジン-1-イル]-2-オキソ-N-ピリジン-4-イル-アセトアミドの調製
化合物24を、実施例1に記載したのと同様の方法で調製した。
1H NMR(CDC13)δ(ppm):9.59(s,1H);8.65(d,J=9.0Hz,1H);8.58(d,J=6.0Hz,2H);8.09(s,1H);7.84(d,J=6.0Hz,1H);7.66(m,2H);7.40(m,1H);7.38(m,1H);7.15(d,J=6.0Hz,2H);6.96(m,1H);4.24(s,2H)
(C22H16ClN3O2)についてのESMS:計算値389.1;実測値390.1(M+H)
【0146】
実施例25.化合物25:2-(3-ベンジル-インドリジン-1-イル)-2-オキソ-N-ピリジン-4-イル-アセトアミドの調製
化合物25を、実施例1に記載したのと同様の方法で調製した。
lH NMR(CDCl3)δ(ppm):4.20(s,2H);6.80(t,J=7Hz,1H);6.95-7.40(m,1H);7.12-7.30(m,6H);7.68(t,J=8Hz,1H);7.78(d,J=7Hz,1H);8.02(s,1H);8.26-8.34(m,2H);8.60(d,J=9Hz,1H);9.82(s,1H)
(C22H17N3O2)についてのESMS:計算値355.1;実測値356.1(M+H)
【0147】
実施例26.化合物26:2-[3-(4-シアノ-ベンジル)-インドリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(2,3,5-トリクロロ-ピリジン-4-イル)-アセトアミドの調製
化合物26を、実施例1に記載したのと同様の方法で調製した。
1H-NMR(CDCl3)δ(ppm):9.57(s,1H);8.64(d,J=12Hz,1H);8.41(s,1H);8.07(s,1H);7.80(d,J=12Hz,1H);7.61(d,J=12.5Hz,2H);7.42(m,1H);7.31(d,J=12.5Hz,2H);6.98(m,1H);4.32(s,2H)
(C23H13Cl3N4O2)についてのESMS:計算値482.01;実測値483.1.1(M+H)
【0148】
実施例27.化合物27:2-[7-クロロ-3-(4-シアノ-ベンジル)-インドリジン-1-イル]-2-オキソ-N-ピリジン-4-イル-アセトアミドの調製
化合物27を、実施例1に記載したのと同様の方法で調製した。
1H NMR(CDC13)δ(ppm):4.32(s,2H);6.92(dd,J=7Hz,2Hz,1H);7.20-7.35(m,3H);7.55-7.72(m,4H);8.09(s,1H);8.59(d,J=6Hz,2H);8.68(d,J=2Hz,1H);9.52(s,1H)
(C23H15ClN4O2)についてのESMS:計算値414.1;実測値415.1(M+H)
【0149】
実施例28.化合物28:2-[7-クロロ-3-(4-シアノ-ベンジル)-インドリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(3,5-ジクロロ-ピリジン-4-イル)-アセトアミドの調製
化合物28を、実施例1に記載したのと同様の方法で調製した。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ(ppm):9.49(s,1H);8.65(d,J=2.4Hz,1H);8.57(s,2H);8.00(s,1H);7.72(d,J=7.2Hz,1H);7.26(d,J=8.4Hz,2H);7.17(d,J=8.4Hz,2H);6.89(dd,J=7.2Hz,2.4Hz,1H);4.19(s,2H)
(C22H14Cl4N3O2)についてのESMS:計算値490.98;実測値492.1(M+H)
【0150】
実施例29.化合物29:2-[3-(4-メトキシ-ベンジル)-インドリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(3,5-ジクロロ-ピリジン-4-イル)-アセトアミドの調製
化合物29を、実施例1に記載したのと同様の方法で調製した。
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):9.5(s,1H);8.66(d,J=9.0Hz,1H);8.58(s,2H);8.01(s,1H);7.89(d,J=6.9Hz,1H);7.39(t,J=7.8Hz,1H);7.12(d,J=8.7Hz,2H);6.93(t,J=6.9Hz,1H);6.84(d,J=8.7Hz,2H);4.19(s,2H);3.78(s,3H)
(C23H17Cl2N3O3)についてのESMS:計算値453.06;実測値476.1(M+Na)
【0151】
実施例30.化合物30:2-[7-クロロ-3-(4-フルオロ-ベンジル)-インドリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(3,5-ジクロロ-ピリジン-4-イル)-アセトアミドの調製
化合物30を、実施例1に記載したのと同様の方法で調製した。
1H-NMR(CDC13,300MHz)δ(ppm):9.42(s,1H);8.69(d,J=2.1Hz,1H);8.58(s,2H);8.01(s,1H);7.75(d,J=7.2Hz,1H);7.17-7.13(m,2H);7.03-6.97(m,2H);6.90(dd,J=2.1Hz,7.2Hz,1H);4.20(s,2H)
(C22H13Cl3FN3O2)についてのESMS:計算値476.71;実測値500.0(M+Na)
【0152】
実施例31.化合物31:2-[7-クロロ-3-(4-シアノ-ベンジル)-インドリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(3,5-ジクロロ-ピリジン-4-イル)-アセトアミドの調製
化合物31を、実施例1に記載したのと同様の方法で調製した。
1H NMR(300MHz,CDC13)δ(ppm):9.51(s,1H);8.63(d,J=2.4Hz,1H);8.55(s,2H);8.00(s,1H);7.71(d,J=7.2Hz,1H);7.58(d,J=8.1Hz,2H);7.30(d,J=8.1Hz,2H);6.90(dd,J=7.2Hz,2.4Hz,1H);4.29(s,2H)
(C23H14Cl3N4O2)についてのESMS:計算値483.0;実測値484.0(M+H)
【0153】
実施例32.化合物32:4-[1-(3,5-ジクロロ-ピリジン-4-イル-アミノオキサリル)-インドリジン-3-イル-メチル]-安息香酸エチルエステルの調製
化合物32を、実施例1に記載したのと同様の方法で調製した。
lH-NMR(CDC13)δ(ppm):9.47(s,1H);8.67(d,J=8.7Hz,1H);8.57(s,1H);8.06(s,1H);7.98(d,J=8.1Hz,2H);7.82(d,J=7.2Hz,1H);7.43-737(m,1H);7.26(s,2H);6.95-6.93(m,1H);4.34(q,J=7.2Hz,14.4Hz,2H);4.31(s,2H),1.37(t,J=7.2Hz,3H)
(C25H19Cl2N3O4)についてのESMS:計算値495.08;実測値494.2(M-H)
【0154】
実施例33.化合物33:4-[1-(3,5-ジクロロ-ピリジン-4-イル-アミノオキサリル)-インドリジン-3-イル-メチル]-安息香酸の調製
化合物33を、実施例1に記載したのと同様の方法で調製した。
lH-NMR(CD3OD)δ(ppm):8.62-8.55(m,3H);8.16(d,J=6.0Hz,1H);7.90-7.88(m,2H);7.67(s,1H);7.48-7.42(m,1H);7.25(s,2H);7.06-6.98(m,1H);4.34(s,2H)
(C23H15Cl2N3O4)についてのESMS:計算値467.04;実測値468.0(M+H)
【0155】
実施例34.化合物34:2-[3-(4-フルオロ-ベンジル)-7-メトキシ-インドリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(3,5-ジクロロ-ピリジン-4-イル)-アセトアミドの調製
化合物34を、実施例1に記載したのと同様の方法で調製した。
lH-NMR(CDC13,300MHz)δ(ppm):9.55(s,1H);8.57(s,2H);8.09(d,J=2.7Hz,1H);7.88(s,1H);7.69(dd,J=0.3Hz,7.2Hz,1H);7.19-7.14(m2H);7.01-6.95(m,2H);6.63(dd,J=2.7Hz,7.2Hz,1H);4.16(s,2H);3.97(s,3H)
(C23H16Cl2FN3O3)(M)についてのESMS:計算値471.60;実測値494.0(M+Na)
【0156】
実施例35.化合物35:2-[3-(4-フルオロ-ベンジル)-インドリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(3-クロロ-ピリジン-4-イル)-アセトアミドの調製
化合物35を、実施例1に記載したのと同様の方法で調製した。
1H-NMR(CD3COCD3)δ(ppm):10.25(s,1H);8.67-8.61(m,2H);8.52(s,2H);8.37(d,J=10Hz,1H);7.94(s,1H);7.60-7.09(m,6H);4.21(s,2H)
(C22H15ClFN3O2)についてのESMS:計算値407.08;実測値408.0(M+H)
【0157】
実施例36.化合物36:2-(3-シクロプロピルメチル-インドリジン-1-イル)-N-(3,5-ジクロロ-ピリジン-4-イル)-2-オキソ-アセトアミドの調製
化合物36を、実施例1に記載したのと同様の方法で調製した。
1H-NMR(CDC13)δ(ppm):9.50(s,1H);8.67-85.7(m,3H);8.06-8.03(m,2H);7.43-7.38(m,1H);7.07-7.02(m,1H)2.74(d,J=6.6Hz,2H);1.30-1.18(m,1H);0.70-0.64(m.2H);0.28-0.25(m,2H)
(C19H15Cl2N3O2)についてのESMS:計算値387.05;実測値410.0(M+Na)
【0158】
実施例37.化合物37:2-(3-メチル-インドリジン-1-イル)-2-オキソ-N-(3,5-ジクロロ-ピリジン-4-イル)-アセトアミドの調製
化合物37を、実施例1に記載したのと同様の方法で調製した。
1H NMR(300MHz,DMSO-D6),δ(ppm):8.90(s,2H);8.38(d,J=6.9Hz,1H);7.85(d,J=9.0Hz,1H);7.11-7.32(m,4H);2.50(s,3H)
(C11H10NO2)についてのESMS:計算値347.1;実測値346.1(M-H)
【0159】
実施例38.化合物38:2-[3-(4-シアノ-ベンジル)-インドリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(3,5-ジクロロ-1-オキシ-ピリジン-4-イル)-アセトアミドの調製
化合物38を、実施例1に記載したのと同様の方法で調製した。
1H NMR(300MHz,DMSO-D6)δ(ppm):9.74(br,s,1H);8.65(d,J=9Hz,2H);8.20(d,J=7.2Hz,2H);8.06(s,1H);7.8-7.6(m,5H);7.4(m,1H);7.35(d,J=7.8Hz,2H);6.9(m,2H);4.34(s,2H)
(C23H16N4O3)についてのESMS:計算値396.12;実測値397.1(M+H)
【0160】
実施例39.化合物39:2-[3-(4-フルオロ-ベンジル)-インドリジン-1-イル]-2-オキソ-N-(3,5-ジクロロ-1-オキシ-ピリジン-4-イル)-アセトアミドの調製
化合物39を、実施例1に記載したのと同様の方法で調製した。
1H-NMR(CD3COCD3)δ(ppm):8.41(d,J=10,1H);8.22(d,J=8,1H);7.43-6.95(m,9H);4.36(s,2H)
(C22H14FCl2N3O3)についてのESMS:計算値457.04;実測値457.0
【0161】
実施例40.化合物40:N-(3,5-ジクロロピリジン-4-イル)-2-[3-(4-ヒドロキシ-ベンジル)-インドリジン-1-イル]-2-オキソ-アセトアミドの調製
化合物40を、実施例1に記載したのと同様の方法で調製した。
1H NMR(DMSO-d6): δ10.96(s,1H),9.30(s,1H),8.74(s,2H),8.45(d,J=9.0Hz,1H),8.38(d,J=7.2Hz,1H),7.52(t,J=8.0Hz,1H),7.36(s,1H),7.15(t,J=6.9Hz,1H),7.08(d,J=8.4Hz,2H),6.70(d,J=8.4Hz,2H),4.16(s,2H)
(C22H15Cl2N3O3)についてのESMS:計算値439.05;実測値440.0(M+1)
【0162】
実施例41.化合物41:N-(3,5-ジクロロ-1-オキシ-ピリジン-4-イル)-2-[3-(4-ヒドロキシ-ベンジル)-インドリジン-1-イル]-2-オキソ-アセトアミドの調製
化合物41を、実施例1に記載したのと同様の方法で調製した。
1H-NMR(DMSO-d6)δ(ppm),10.76(s,1H),9.29(s,1H),8.71(s,1H),8.46-8.37(m,2H),7.51(t,J=8,7Hz,1H),7.36(s,1H),7.17-7.06(m,3H),6.71(d,J=6.9Hz,2H),5.75(s,1H),4.16(s,2H)
(C22H15Cl2N3O4)についてのESMS:計算値455.04;実測値456.4(M+1)
【0163】
実施例42.化合物42:N-(3,5-ジクロロ-1-オキシ-ピリジン-4-イル)-2-[3-(4-メトキシ-ベンジル)-インドリジン-1-イル]-2-オキソ-アセトアミドの調製
化合物42を、実施例1に記載したのと同様の方法で調製した。
1H-NMR(CDC13)δ(ppm),9.34(s,1H),8.64(d,J=9Hz,1H),8.26(s,2H),7.98(s,1H),7.92(d,J=6Hz,lH),7.40(t,J=9Hz,lH),7.14(d,J=8.4Hz,2H),6.94(t,J=9Hz,1H),6.83(d,J=7.8Hz,2H),4.19(s,2H),3.78(s,3H);
(C23H17Cl2N3O4)についてのESMS:計算値469.06;実測値470.4(M+1)
【0164】
実施例43.化合物43:N-(3,5-ジクロロピリジン-4-イル)-2-[7-フルオロ-3-(4-フルオロ-ベンジル)-インドリジン-1-イル]-2-オキソ-アセトアミドの調製
化合物43を、実施例1に記載したのと同様の方法で調製した。
1H-NMR(CDC13)δ(ppm):9.45(s,1H),8.58(s,2H),8.35(dd,J1=2.7Hz,J2=9.6Hz,1H),8.17(d,J=7.9Hz,1H),7.81(dd,J1=5.1Hz,J2=7.5Hz,1H),7.14-7.18(m,2H),6.90-7.00(m,3H),6.77-6.83(m,1H),4.21(s,2H)
(C22H13Cl2F2N3O2)についてのESMS:計算値459.04;実測値460.0(M+H)
【0165】
実施例44.化合物44:N-(3,5-ジクロロ-1-オキシ-ピリジン-4-イル)-2-[3-(4-クロロ-ベンジル)-インドリジン-1-イル]-2-オキソ-アセトアミドの調製
化合物44を、実施例1に記載したのと同様の方法で調製した。
1H-NMR(CDC13)δ(ppm),9.31(s,1H),8.65(d,J=12,1H),8.24(s,2H),8.01(s,1H),7.84(d,J=11,1H),7.43-6.92(m,6H),4.22(s,2H)
(C22H14Cl3N3O3)についてのESMS:計算値473.01;実測値474.1(M+H)
【0166】
実施例45.化合物45:N-(3,5-ジクロロ-1-オキシ-ピリジン-4-イル)-2-[3-(4-シアノ-ベンジル)-インドリジン-1-イル]-2-オキソ-アセトアミドの調製
化合物45を、実施例1に記載したのと同様の方法で調製した。
1H-NMR(CDC13)δ(ppm),9.38(s,1H),8.66(d,J=12,1H),8.23(s,2H),8.03(s,1H),7.81(d,J=10,1H),7.62(d,J=11.5,2H),7.41-6.91(m,6H),4.32(s,2H)
(C23H14Cl2N4O3)についてのESMS:計算値464.04;実測値465.1(M+H)
【0167】
実施例46.化合物46:N-(3,5-ジクロロ-1-オキシ-ピリジン-4-イル)-2-[7-クロロ-3-(4-フルオロ-ベンジル)-インドリジン-1-イル]-2-オキソ-アセトアミドの調製
化合物46を、実施例1に記載したのと同様の方法で調製した。
1H-NMR(CDC13,300MHz):δ9.21(s,1H),8.68(d,J=2.1Hz,1H),8.27(s,2H),7.98(s,1H),7.75(d,J=7.5Hz,1H),7.17-7.12(m,2H),7.03-6.97(m,2H),6.91(dd,J=2.1,7.5Hz,1H),4.20(s,2H)
(C22H13Cl13FN3O3)についてのESMS:計算値(M = 491.00);実測値492.01(M+1)
【0168】
実施例47.化合物47:N-(3,5-ジクロロ-1-オキシ-ピリジン-4-イル)-2-[7-フルオロ-3-(4-フルオロ-ベンジル)-インドリジン-1-イル]-2-オキソ-アセトアミドの調製
化合物47を、実施例1に記載したのと同様の方法で調製した。
1H-NMR(CDC13)δ(ppm):9.31(s,1H),8.32(dd,J1=2.4Hz,J2=7.8Hz,2H),
8.27(s,2H),7.82(dd,J1=J2=7.8Hz),7.07-7.17(m,3H),6.94-7.01(m,3H),6.75-
6.83(m,1H),4.19(s,2H)
(C22H13Cl2F2N3O3)についてのESMS:計算値475.03;実測値476.0(M+H)
【0169】
実施例48.化合物48:2-(3-(4-シアノベンジル)-インドリジン-1-イル)-N-(3-メチル-イソチアゾル-5-イル)-2-オキソ-アセトアミドの分析データ
1H NMR(CDC13).2.47(s,3H),4.34(s,2H),6.78(s,1H),6.98(m,1H),7.31(m3H),7.61(d,J=7.2,2H),7.80(d,J=6.9,1H),7.85(s,1H),8.68(d,J=8.7,1H),10.36(s,1H).
(C22H16N4O2S)についてのESMS:計算値400.1;実測値399.1(M-H)
【0170】
実施例49.化合物49:2-[3-(4-フルオロ-ベンジル)-インドリジン-1-イル]-N-(3-メチル-イソチアゾル-5-イル)-2-オキソ-アセトアミドの分析データ
1H NMR(CDC13).2.40(s,3H),4.22(s,2H),6.77(s,1H),6.98(m,3H),7.18(m,2H),7.41(m,1H),7.84(m,1H),8.16(s.lH),8.62(m,1H),10.20(s,1H)
(C21H16FN3O2S)についてのESMS:計算値393;実測値394(M+H)
【0171】
実施例50.化合物50:2-[3-ベンジル-インドリジン-1-イル]-N-(3-メチル-イソチアゾル-5-イル)-2-オキソ-アセトアミドの分析データ
1H NMR(CDC13).2.40(s,3H),4.23(s,2H),6.74(s,1H),6.90(m,1H),7.18-
7.41(m,6H),7.81(m,1H),8.16(s,1H),8.62(m,1H),10.22(s,1H)
(C21H17N3O2S)についてのESMS:計算値375;実測値376(M+H)
【0172】
実施例51.化合物51:2-[3-(4-クロロ-ベンジル)-インドリジン-1-イル]-N-(3-メチル-イソチアゾル-5-イル)-2-オキソ-アセトアミドの分析データ
1H NMR(CDC13).4.22(s,2H),6.78(s,1H),6.95(m,1H),7.13(d,J=8.1Hz,2H),7.26(m,2H),7.41(m,1H),7.84(dd,1H),8.15(s,1H),8.65(dd,1H),10.21(s,1H)
(C21H16ClN3O2S)についてのESMS:計算値409.1;実測値410.1(M+H)
【0173】
実施例52.化合物52:2-[3-(4-クロロ-ベンジル)-インドリジン-1-イル]-2-オキソ-N-キノリン-6-イル-アセトアミドの分析データ
1H NMR(CDC13).4.22(s,2H),6.92(m,1H),7.50(m,5H),7.84(m,2H),8.13(m,2H),8.57(s,1H),8.67(d,J=9.0Hz,1H),8.85(s,1H),9.71(s,1H)
(C26H18ClN3O2)についてのESMS:計算値439.1;実測値440.1(M+H)
【0174】
実施例53.化合物53:2-[3-(5-シアノ-チオフェン-2-イルメチル)-インドリジン-1-イル]-N-(3-メチル-イソチアゾル-5-イル)-2-オキソ-アセトアミドの分析データ
1H-NMR(CDC13):10.40(s,1H),8.66(d,J=9.0Hz,1H),8.24(s,1H),7.88(d,J=6.9Hz,1H),7.49-7.42(m,2H),7.03(t,J=6.0Hz,1H),6.88(d,J=3.9Hz,1H),6.79(s,1H),4.48(s,2H),2.46(s,3H)
(C20H14N4O2S2)についてのESMS:計算値406.06;実測値407.0(M+H)
【0175】
実施例54.化合物54:2-[3-(3-シアノ-ベンジル)-インドリジン-1-イル]-N-(3-メチル-イソチアゾル-5-イル)-2-オキソ-アセトアミドの分析データ
1H-NMR(CDC13):10.43(s,1H),8.67(d,J=9.0Hz,1H),8.17(s,1H),7.82(d,J=6.9Hz,1H),7.59-7.40(m,4H),6.99(t,J=6.6Hz,1H),6.78(s,1H),4.30(s,2H),2.46(s,3H)
(C22H16N4O2S)についてのESMS:計算値400.10;実測値401.0(M+H)
【0176】
実施例55.化合物55:4-{2-[3-(4-シアノ-ベンジル)-インドリジン-1-イル]-2-オキソ-アセチルアミノ}-ベンズアミドの分析データ
1H NMR(DMSO-d6).4.45(s,2H),7.15(m,1H),7.55(m,3H),7.8-8.0(m,6H),8.40(m,2H),10.82(s,1H)
(C25H18N4O3)についてのESMS:計算値422.14;実測値423.2(M+H)
【0177】
実施例56.化合物56:3-[1-(3-メチル-イソチアゾル-5-イルアミノオキサリル)-インドリジン-3-イルメチル]-ベンズアミドの調製
【0178】
【化12】

【0179】
DCM(2mL)および20%NaOH(1.5mL)中の化合物48(50mg、0.125mmol)の攪拌懸濁液に、H2O2(30%、0.5mL)を0℃で添加した。室温で2時間攪拌した後に、EtOAc(20mL)を添加した。混合物をH2O(3x10mL)、5%クエン酸およびブラインで洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を除去して、粗生成物を黄色固形物として得、EtOAc/Et2Oで洗浄した。生成物を黄色粉末(30mg、収率57%)として得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ2.4(s,3H),4.38(s,2H),6.8(bs,2H),7.0(t,1H,J=4),7.05(s,1H),7.35(d,2H,J=7),7.40(t,1H,J=4),7.75(bs,1H),7.85(d,2H,J=7),7.9(s,1H),8.08(d,1H,J=4),8.60(d,1H,J=4)
(C22H18N4O3S)についてのESMS:計算値418.1;実測値419.1(M+H)
【0180】
実施例57.化合物57:2-[3-(4-クロロ-ベンジル)-7-メチル-インドリジン-1-イル]-N-(3-メチル-イソチアゾル-5-イル)-2-オキソ-アセトアミドの分析データ
1H NMR(CDCl3).2.45(s,6H),4.20(s,2H),6.80(m,2H),7.13(d,2H),7.27(d,2H),7.72(d,1H),8.09(s,1H),8.45(s,1H),10.68(s,1H)
(C22H18ClN3O2S)についてのESMS:計算値423.08;実測値424.0(M+H)
【0181】
実施例58.化合物58:2-[3-(4-シアノ-フェノキシ)-インドリジン-1-イル]-N-(3-メチル-イソチアゾル-5-イル)-2-オキソ-アセトアミドの調製
【0182】
【化13】

【0183】
THF中の4-シアノフェノール(1.19g、0.01mol)の溶液に、水素化ナトリウム(0.44g、鉱油中60%、0.011mol)を0℃で添加した。20分後、臭化プロパルギル(1.23mL、トルエン中80%、0.011mol)を前記懸濁液に添加した。次に、反応混合物を2時間還流させた。カラムクロマトグラフィーによって精製した後、4-プロ-2-イニルオキシベンゾニトリルを収率82%で得た。
【0184】
4-プロ-2-イニルオキシベンゾニトリル(0.40g、2.59mmol)をTEAに溶解させ、次に、ブロモピリジン(0.27mL、2.82mmol)、Pd(pph32Cl2(0.04g、0.05mmol)およびCuI(0.01g、0.05mmol)を順次に添加した。反応混合物を60℃に加熱し、その温度で3時間攪拌した。反応を室温に冷却し、水で急冷し、酢酸エチルで抽出した。精製した後、4-(3-ピリジン-イル-プロパ-2-イニルオキシ)-ベンゾニトリルを得た(収率76%)。
【0185】
前記アルキニルピリジン(0.033g、0.14mmol)を、DMAおよびTEA(7:1)の混合物に添加し、次に、CuCl(0.028g、0.28mmol)を添加した。反応混合物を130℃で3時間攪拌した。ワークアップを行なった後、4-(インドリジン-3-イルオキシ)-ベンゾニトリルを収率85%で得た。
【0186】
無水THF中の塩化オキサリル(0.01mL、0.13mmol)の溶液を-40℃に冷却し、次に、4-(インドリジン-3-イルオキシ)-ベンゾニトリル(0.020g、0.09mmol)を添加した。得られた混合物を-25℃で40分間攪拌した。5-アミノ-3-メチルイソチアゾール(0.02g、0.17mmol)をこれに添加した。ワークアップを行なった後、2-[3-(4-シアノ-フェノキシ)-インドリジン-1-イル]-N-(3-メチル-イソチアゾル-5-イル)-2-オキソ-アセトアミドを収率72%で収集した。
lH NMR(CDC13):δ(ppm)10.34(s,1H);8.66(d,J=9.0Hz,1H);8.02(d,J=6.0Hz,1H);7.89(s,1H);7.68(d,J=9.0Hz,2H);7.46(t,J=9.0Hz,1H);7.29(d,J=9.0Hz,2H);7.06(t,J=6.0Hz,1H);6.87(s,1H);2.47(s,3H).
(C21H14N4O3S)についてのESMS:計算値402.1;実測値403.1(M+H)
【0187】
実施例59.化合物59:2-{3-[(4-シアノ-フェニル)-メチル-アミノ]-インドリジン-1-イル}-N-(3-メチル-イソチアゾル-5-イル)-2-オキソ-アセトアミドの分析データ
1H NMR(CDC13).2.56(s,3H),4.73(s,1H),6.81(s,1H),7.15(d,2H),7.27(d,2H),7.45(m,2H),7.65(d,1H),7.83(m,1H),8.06(s,1H),8.19(m,1H),8.65(d,1H),10.30(s,1H)
(C25H18ClN3O2S)についてのESMS:計算値459.08;実測値460.0(M+H)
【0188】
実施例60.化合物60:2-[3-(4-フルオロ-ベンジル)-インドリジン-1-イル]-N-ピリジン-4-イル-アセトアミドの調製
【0189】
【化14】

【0190】
0℃に冷却した乾燥THF(10mL)中のAlCl3(328mg、2.46mmol)の懸濁液に、固体ボラン-t-ブチルアミン錯体(1.07g、12.3mmol)を、10分間で少しずつ添加した。得られた懸濁液を0℃で15分間攪拌した。乾燥THF(5mL)中の2-[3-(4-フルオロ-ベンジル)-インドリジン-1-イル]-2-オキソ-N-ピリジン-4-イル-アセトアミド(化合物17、918mg、2.46mmol)の溶液を、AlC3-t-BuNH2懸濁液に滴下した。混合物をN2下に18時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム(100mL)を添加し、水性相をEtOAc(2x50mL)で抽出した。EtOAc抽出物を分離し、H2O(3x50mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過した。溶媒を減圧下に除去し、次に、シリカゲルクロマトグラフィー(100%EtOAc)にかけて、生成物2-[3-(4-フルオロ-ベンジル)-インドリジン-1-イル]-N-ピリジン-4-イル-アセトアミドを、黄色固形物(120mg、13%)として得た。
1H-NMR(CDC13)3.89(s,2H),4.20(s,2H)),6.52-6.57(m,1H),6.72-6.77(m,1H),6.97-7.04(m,2H),7.11-7.16(m,2H),7.31-7.34(m,3H),7.35-7.66(m,2H),8.42(d,J=6.3Hz,1H)
(C22H18FN3O)についてのESMS:計算値359.1;実測値360.1(M+H)
【0191】
実施例61.化合物61:2-[7-クロロ-3-(4-メトキシ-ベンジル)-インドリジン-1-イル]-N-(3,5-ジクロロピリジン-4-イル)-2-オキソ-アセトアミドの分析データ
1H NMR(CDC13):δ9.48(s,1H),8.66(d,J=2.0Hz,1H),8.58(s,2H),7.99(s,1H),7.77(dd,J=7.5および0.9Hz,1H),7.08(m,2H),6.86(m,1H),6.84(m,2H),4.16(s,2H),3.77(s,3H)
(C23H16Cl3N3O3)についてのESMS:計算値487.03;実測値488.0(M+H)
【0192】
実施例62.化合物62:2-[7-クロロ-3-(4-ヒドロキシ-ベンジル)-インドリジン-1-イル]-N-(3,5-ジクロロピリジン-4-イル)-2-オキソ-アセトアミドの分析データ
1H NMR(CDC13):δ11.00(s,1H),9.32(s,1H),8.75(s,2H),8.42(s,1H),8.41(d,J=7.8Hz,1H),7.36(s,1H),7.24(dd,J=7.5および2.1Hz,1H),7.06(d,J=8.4Hz,2H),6.70(d,J=8.4Hz,2H),4.16(s,2H)
(C22H14Cl3N3O3)についてのESMS:計算値473.01;実測値474.0(M+1)
【0193】
実施例63.化合物63:2-[3-(4-ヒドロキシ-ベンジル)-インドリジン-1-イル]-2-オキソ-N-ピリジン-3-イル-アセトアミドの分析データ
1H NMR(DMSO-d6):δ10.87(s,1H),9.30(s,1H),8.98(,J=2.1Hz,1H),8.46(d,J=8.7Hz,1H),8.35(m,2H),8.24(d,J=8.4Hz,1H),7.48(m,2H),7.40(dd,J=8.2 および 4.6Hz,1H),7.13(t,J=6.0Hz,1H),7.08(d,J=8.4Hz,2H),6.70(d,J=8.4Hz,2H),4.18(s,2H)
(C22H17N3O3)についてのESMS:計算値371.13;実測値372.1(M+H)
【0194】
実施例64.化合物64:2-{3-[(4-シアノ-フェニル)-メチル-アミノ]-インドリジン-1-イル}-2-オキソ-N-ピリジン-4-イル-アセトアミドの分析データ
lH NMR(CDC13):δ(ppm)8.99(s,1H);8.65(m,4H);8.15(s,1H);7.56(m,5H);7.04(m,1H);6.61(d,J=9.3Hz,2H);3.48(s,3H)
(C23H17N5O2)についてのESMS:計算値395.2;実測値396.2(M+H)
【0195】
実施例65.インビトロアッセイ(ヒトTNFαの阻害)
試薬: リポ多糖(LPS、Serratia marscencens)は、Sigma(St. Louis, MO)から入手した。RPMI-1640培地およびウシ胎児血清(FCS)は、ATCC(Manassas, VA)から購入した。
【0196】
ヒトインビトロアッセイ:Ficoll-Paque(Pharmacia Biotech, Uppsala, Sweden)を使用して、ヒト末梢血液細胞(PBMC)を遠心分離によって分離し、10%FCS、100U/mLペニシリンおよび100μg/mLストレプトマイシンを補充したRPMI-1640に懸濁させた。次に、血液細胞を96ウェルプレートのウェルに、5x105細胞/ウェルの濃度で入れ、LPS(1μg/mL)を添加することによって刺激した。各被験化合物をDMSOに溶解させ、ウェルに添加した。化合物不含対照を含む全ての培養物において、最終DMSO濃度を0.25%に調節し、各被験化合物の濃度は0〜10μMであった。サイトカインの測定のために、18時間後に無細胞上清を取った。18時間後および48時間後に、MTS[3-(4,5-ジメチルチアゾル-2-イル)-5-(3-カルボキシメトキシフェニル)-2-(4-スロフェニル)-2H-テトラゾリウム]の生物還元を使用して細胞生存能力を評価した。(化合物で処理した各培養物の吸収)/(化合物不含対照の吸収)の比率を求めることによって、細胞生存能力を評価した。
【0197】
抗ヒトTNFα抗体でのELISAアッセイ(Cell Sciences, Norwood, MA)を使用することによって、TNFαの量について上清を分析した。製造会社の指示に従って、アッセイを実施した。
【0198】
化合物1〜8、11〜32、34、36〜38および48〜64を試験した。意外にも、被験化合物のうちの48の化合物が、10μM未満のIC50値を示し、6つの化合物が50nMまたはそれ以下のIC50値を示した。最も高い濃度(10uM)においてさえ、どの被験化合物も48時間後の細胞生存能力に影響を与えなかった。最も有効な化合物(化合物2および48)は、約0.1nMのIC50値を示した。
【0199】
実施例66.インビトロアッセイ(PDE4の阻害)
Tenorら(Clin Exp Allegy(1995)25:625-633)の方法によって、PDE4をU937ヒト単核細胞から調製した。簡単に言えば、10mM Hepes、1mM b-メルカプトエタノール、1mM MgCl2、1mM EGTA、137mM NaCl、2.7mM KCl、1.5mM KH2PO4、8.1mM Na2HOP4、5μM ペプスタイン(pepstain)A、10μM ロイペプチン、50μM PMSF、10μM ダイズトリプシンインヒビター、および2mM ベンズアミンジン(benzamindine)を含有するpH7.4の混合物中で、U937細胞をホモジネートした。ホモジネートを200,000 x gにおいて30分間遠心分離した。40mM Tris-HCl pH7.5、23nM [3H]-アデノシン3',5'サイクリック一燐酸(cAMP)、8.3mM MgCl2、1.7mM EGTA、0.25% DMSOおよび被験化合物を含有する200μL反応中で、上清におけるPDE4活性を評価した。アッセイ混合物を37℃で30分間インキュベーションし、18mM ZnSO4に懸濁させた珪酸イットリウムSPAビーズ(Amersham Pharmacia Biotech, Piscataway, NJ)100μLを添加することによって反応を終止させた。アッセイ混合物を3分間回転させて、[3H]-5'アデノシン一燐酸のビーズへの結合を確実にした。最後に、ビーズを除去し、6mM ZnSO4で2回洗浄し、0.1N NaOH 100μLに再懸濁させ、次に、液体シンチレーションカウンターで放射能を測定した。
【0200】
化合物1、2〜4、8〜10、11、15〜23、28〜32、35、36および39を試験した。全ての被験化合物が、5μMより低いIC50値を示し、それらのうち4つは100nMより低いIC50値を示した。
【0201】
実施例67.インビボアッセイ(水腫)
体重120〜180グラムの雄Sprague-Dawleyラット(Charles River Laboratories, Wilmington, MA)をこの試験に使用した。食塩水中のラムダカラゲナン(Sigma, St. Louis, MO)の1%(wt/vol)溶液を、各実験用に新しく調製した。化合物16を、静脈内投与用に10%DMSOおよび18%クレモフォール(cremophore)において配合し、経口投与用に1%メチルセルロース(MC)(分子量5000)において配合した。5匹のラットのグループを試験用に選択した。カラゲナン注射の前に、化合物16を静脈内または経口投与した。30分後に、ラットに軽く麻酔をかけ、カラゲナン溶液0.1mLを右後足の足底に(subplantar route)注射した。カラゲナン攻撃後の足の容積を、ヒドロプレチスモグラフ(Socrel, Varese, Italy)を使用して測定し、刺激によって生じた容積の増加を、注射前の足の容積を引くことによって求めた。最大69%の足容積増加阻害が得られた。
【0202】
実施例68.インビボアッセイ(敗血症性ショック)
9週齢の雌Balb/cマウス(Taconic Farms, Germantown, NY)におけるE.Coli 055:B5 LPSの2連続注射によって、敗血症性ショックを誘発させた。被験化合物を、10%DMSOおよび18%クレモフォールにおいて配合した。体重19〜20グラムの5匹の雌マウスのグループを試験用に選択した。E.Coli 055:B5を、燐酸塩緩衝食塩水(PBS)において再構成した。
【0203】
初回抗原刺激注射を、1.5μg LPS/マウスで足蹠に行なった。24時間後、被験化合物を静脈内または経口投与し、次に、静脈内注射によるLPS250μgの攻撃を行なった。24、48および72時間後に、死亡率をモニタリングした。
【0204】
化合物11、16、17、19および20を試験した。ビヒクル対照群のマウスは全て、24時間後に死んだ。被験化合物で処置したマウスは、より高い生存率を示した。実際に、化合物16および20で処置したグループの全てのマウスが、72時間後に生存していた。
【0205】
実施例69.インビボアッセイ(クローン病)
24時間絶食させた体重200±20gのWister由来雄または雌ラット(Charles River Laboratories, Wilmington, MA)を使用した。2,4-ジニトロベンゼンスルホン酸(DNBS、30%エタノール0.5mL中に25mg)を結腸点滴注入し、次に、溶液が結腸に留まることを確実にするために空気2mLをカニューレでゆっくり注入することによって、遠位大腸炎を誘発した。DNBS点滴注入の前に、化合物20を、24時間経口投与し、そして5日間にわたって毎日2時間投与した。1つの対照グループはビヒクルだけで処置し、他のグループはDNBSおよびビヒクルの両方で処置した。最終投与から24時間後に動物を犠牲にし、結腸を取り出し、重さを計った。次に、結腸/体の重量比を各動物について計算した。ビヒクル対照グループに対するDNBS+ビヒクル対照グループの比率の増加を、比較の基準として使用した。処置したグループにおいて、炎症反応の45%の減少が観察された。
【0206】
他の態様
本明細書に開示した全ての特徴は、任意に組み合わしてよい。本明細書に開示した各特徴は、同じか、等価かまたは類似の目的を果たす代替的特徴で置き換えてもよい。従って、他に特に記載しなければ、開示した各特徴は、一般的な一連の等価かまたは類似の特徴の一例にすぎない。
【0207】
前記の開示から、当業者は、本発明の本質的特徴を容易に理解することができ、本発明の真意および範囲を逸脱せず、本発明に種々の変更および改変を加えて、種々の使用および条件に本発明を適合させることができる。従って、他の態様も下記の請求の範囲に含まれる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、環Aは、置換または非置換であり、アリール基に任意に縮合され;
Yは、-C(R4R5)-、-N(R4)-、-O-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、-C(=O)-、-C(=S)-、-C(=O)-N(R4)-、-C(=N-OR12)-、-C(=N-R12)-、または-N(R4)-C(=O)-であり;
Zは、=O、=S、=N-OR12または=NR12であり;
R1およびR2は、独立して、-H、非置換脂肪族基、置換脂肪族基、非置換非芳香族複素環式基、置換非芳香族複素環式基、非置換アリール基または置換アリール基であり、但し、R1およびR2の両方ともは-Hでないものとし;または、NR1R2が、一緒になって、置換もしくは非置換非芳香族窒素含有複素環式基または置換もしくは非置換窒素含有ヘテロアリール基であり;
R3は、置換もしくは非置換アリール基または置換もしくは非置換脂肪族基であり;
Xは、共有結合、-C(R4R5)-、-N(R4)-、-O-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-、または-N(R4)-C(=O)-であり;
各R4およびR5は、独立して、-Hまたは置換もしくは非置換脂肪族基であり;ならびに
R12は、-Hまたは置換もしくは非置換アルキル基である]
の化合物、あるいはその薬学的に許容され得る塩またはプロドラッグ。
【請求項2】
環Aが、ハロ、-C1-C4アルキル、-C1-C4アルコキシ、-C1-C4ハロアルキル、-C1-C4ハロアルコキシ、-C1-C4アシル、アミド、置換アミド、-NO2、-CN、-OH、-NH2および置換アミノで任意に置換され;Yが、-C(R4R5)またはC=Oであり;Zが=Oであり;R1が-Hであり;R2が置換もしくは非置換アルキル基または置換もしくは非置換アリール基であり;R3が置換または非置換アリール基であり;かつXが-C(R4R5)-、-N(R4)-、-C(=O)-または-O-である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
YがC=Oであり;R2が、非置換アリール基または低級アルキル、アミド、シアノもしくはハロで置換されたアリール基であり;R3が、置換もしくは非置換フェニル、置換もしくは非置換ピリジル、または置換もしくは非置換チエニルであり;Xが-CH2-、-CH(低級アルキル)-、-NH-、-N(低級アルキル)-、-C(=O)-または-O-である、請求項2記載の化合物。
【請求項4】
式(Ia):
【化2】

[式中、環Aは、置換または非置換であり、アリール基に任意に縮合され;
Z1およびZ2は、独立して、=O、=S、=N-OR12または=NR12であり;
R1およびR2は、独立して、-H、非置換脂肪族基、置換脂肪族基、非置換非芳香族複素環式基、置換非芳香族複素環式基、非置換アリール基または置換アリール基であり、但し、R1およびR2の両方ともは-Hでないものとし;あるいは、NR1R2が、一緒になって、置換もしくは非置換非芳香族窒素含有複素環式基または置換もしくは非置換窒素含有ヘテロアリール基であり、R3は、置換もしくは非置換アリール基または置換もしくは非置換脂肪族基であり;
Xは、共有結合、-C(R4R5)-、-N(R4)-、-O-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、-C(=O)-、-C(=O)-N(R4)-、または-N(R4)-C(=O)-であり;
各R4およびR5は、独立して、-H、または置換もしくは非置換脂肪族基であり;
R12は、-H、または置換もしくは非置換アルキル基である]
の請求項1の化合物;あるいは
その薬学的に許容される塩またはプロドラッグ。
【請求項5】
環Aが、低級アルキルで任意に置換され、Z1およびZ2がそれぞれ=Oであり;R1が-Hであり;R2が、置換もしくは非置換アリール基または置換もしくは非置換非芳香族複素環式基であり;R3が、置換または非置換アリール基であり;かつXが、-C(R4R5)-、-N(R4)-、-C(=O)-または-O-である、請求項4記載の化合物。
【請求項6】
R2が、非置換アリール基、または低級アルキル、アミド、シアノ、もしくはハロで置換されたアリール基であり;R3が、置換もしくは非置換フェニル、置換もしくは非置換ピリジル、または置換もしくは非置換チエニルであり;かつXが、-CH2-、-CH(低級アルキル)-、-NH-、-N(低級アルキル)-、-C(=O)-または-O-である、請求項5記載の化合物。
【請求項7】
式(Ib):
【化3】

[式中:
R21は、環系の各非固定位置に存在し、各R21は、独立して、H、低級アルキル、低級アルコキシ、OH、F、Cl、Br、I、NO2、またはCNであり;
R22は、低級アルコキシ、OH、CN、F、Cl、Br、I、NO2、NH2、C(O)NH2、CO2HまたはCO2R'で任意に置換されたアルキルであるか;または、低級アルキル、低級アルコキシ、OH、CN、F、Cl、Br、I、NO2、NH2もしくはC(O)NH2、CO2HまたはCO2R'で任意に置換されたアリールであり;
R23は、Hまたは低級アルキルであり;
R24は、N-オキシピリジル、またはF、Cl、Br、もしくはIで任意に置換されたピリジルであり;
X'は、C(R'R'')、N(R')、O、S、S(O)、S(O)2、C(O)、C(O)-N(R')、N(R')-C(O)であるかまたは削除され;
各R'およびR''は、独立して、Hであるか、または低級アルコキシ、OH、CN、F、Cl、Br、I、NO2、NH2もしくはC(O)NH2で任意に置換されたアルキルである]
の請求項1記載の化合物;
あるいはその薬学的に許容される塩またはプロドラッグ。
【請求項8】
各R21が独立して、H、OH、FまたはClであり;R22が任意に置換されたアリールであり;ならびにR23がHであり;かつX'がCH2である、請求項7記載の化合物。
【請求項9】
R22が、低級アルコキシ、OH、CN、F、Cl、Br、I、NO2、NH2、C(O)NH2、CO2HまたはCO2R'で任意にp-置換されたフェニルである、請求項8記載の化合物。
【請求項10】
化合物1〜化合物64から選択される化合物。
【請求項11】
少なくとも1つの請求項1〜10いずれか記載の化合物および薬学的に許容され得る担体を含む、医薬組成物。
【請求項12】
更に、1以上の付加的な治療剤を含む、請求項11記載の医薬組成物。
【請求項13】
付加的な治療剤が癌因子、自己免疫疾患、炎症性障害または痛みに対する薬剤である、請求項12記載の医薬組成物。
【請求項14】
有効量の請求項11〜13いずれか記載の医薬組成物を、それを必要とする被験体に投与する工程を含む、癌、炎症性疾患または自己免疫疾患の治療方法。
【請求項15】
有効量の請求項11〜13いずれか記載の医薬組成物を、それを必要とする被験体に投与する工程を含む、癌、炎症性疾患または自己免疫疾患の予防方法。
【請求項16】
有効量の請求項11〜13いずれか記載の医薬組成物を、それを必要とする被験体に投与する工程を含む、PDE4または高レベルのサイトカインに関する障害の予防または治療方法。
【請求項17】
障害が、TNFαの過剰生産または活性によって、媒介されるかあるいは悪化することを特徴とする、請求項16記載の方法。
【請求項18】
障害が、PDE4の過剰生産または活性によって、媒介されるかあるいは悪化することを特徴とする、請求項16記載の方法。
【請求項19】
細胞を、有効量の請求項1〜10いずれか記載の化合物と接触させる工程を含む、細胞におけるTNFαまたはPDE4の阻害方法。
【請求項20】
被験体に有効量の請求項1〜10いずれか記載の化合物を投与することを含む、被験体におけるTNFαレベルの低減方法。
【請求項21】
細胞を、有効量の請求項1〜10いずれか記載の化合物と接触させる工程を含む、炎症性細胞活性化の抑制方法。
【請求項22】
癌、炎症性障害、自己免疫疾患、またはPDE4もしくは高レベルのサイトカインに関する他の症状の予防または治療用の医薬の製造のための請求項1記載の化合物の使用であって、ここで医薬は有効量の化合物を含む、使用。

【公表番号】特表2006−509842(P2006−509842A)
【公表日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−508315(P2005−508315)
【出願日】平成15年12月10日(2003.12.10)
【国際出願番号】PCT/US2003/039303
【国際公開番号】WO2004/054507
【国際公開日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【出願人】(503271718)シンタ ファーマスーティカルズ コーポレイション (6)
【氏名又は名称原語表記】Synta Pharmaceuticals Corp.
【Fターム(参考)】