説明

ウェハー構造体及びその製造方法

【課題】 集積回路が内部に形成された半導体基板の一部に対して、当該半導体基板より小さいサイズの半導体基板用に設計された製造設備を用いてパッケージング等の後処理を行うことを可能とするウェハー構造体と、その製造方法を提供する。
【解決手段】
キャリアウェハー10と、キャリアウェハー10の一面に接合されたそれより小さいウェハー片21と、キャリアウェハー10上でウェハー片21の周囲の空間を埋め込む充填材層30を有する。ウェハー片21は、キャリアウェハー10より大きい半導体基板の一部であり、その全体がキャリアウェハー10の周縁より内側に位置する。充填材層30の平面形状はキャリアウェハー10の外形と略同一であり、充填材層30の厚さはウェハー片21の厚さと略同一である。キャリア基板ウェハー10と充填材層30はウェハー片21と同等の熱膨張係数を持つ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェハー構造体及びその製造方法に関し、さらに言えば、ウェハー状のキャリア基板上に例えば当該キャリア基板より大きい半導体基板の一部を接合して形成されていて、全体としては当該キャリア基板と略同一の大きさを有するウェハー状半導体基板と同等の取り扱いが可能なウェハー構造体と、その製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路装置は近年、いっそうの微細化・高機能化が進んでいるが、それに伴って製造設備費が急激に上昇している。そこで、製造コストを低減するために、単一の半導体ウェハー(以下、単にウェハーとも言う)からより多くの集積回路装置(集積回路チップ)が得られるように、プロセスの微細化と共にウェハーの大規模化が進んでいる。これは、集積回路装置を製造するためには何百もの工程を経る必要があるために、ウェハーの直径が大きいほど一度に処理できる集積回路装置の数が増え、製造コスト面で有利であるからである。最近では、直径が12インチ(約30cm)のウェハーが多用されるようになっている。
【0003】
本発明の関連技術としては、埋込型ウェハーレベル・チップサイズパッケージ(EWLP, Embedded Wafer-Level Chip-Size Package)技術がある。EWLPは、平らなベースプレート上の所定位置に複数のWLP(LSIチップ)をそれぞれダイボンディングした後、埋め込まれるWLPの厚さが揃っていることを利用してWLPの上面ぎりぎりまで樹脂を埋め込んだものであり、ビルドアップ工法による配線形成が可能である。樹脂による埋込(封止)が完了すると、前記樹脂に絶縁層と貫通孔を形成してから銅メッキすることにより、WLP(LSIチップ)のアルミニウム電極に電気的接続された回路層を形成する。そして、前記樹脂の表面にハンダボール等の外部接続端子を形成してから、ダイシングを行ってWLP毎に分離する。その結果、前記樹脂中にWLPが埋め込まれ、その表面に外部接続端子が形成されたチップサイズパッケージが得られる(非特許文献1参照)。
【非特許文献1】電子材料2005年7月号別冊「実装技術ガイドブック2005」工業調査会発行、pp183〜187)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば、直径12インチのウェハーの内部に形成された集積回路の各々に対して、当該ウェハーのままでパッケージング等の後処理を行う場合、例えばウェーハレベル・チップサイズ・パッケージを形成する工程を実施する場合には、その後処理の実行だけを考えれば、当該ウェハーの形態のままで行う必要は必ずしもない。当該ウェハーを例えば1/4に切断し、得られたウェハー片(1/4切断片)を用いて後処理を行ってもよい。そのようにすれば、例えば、直径8インチ(約20cm)のウェハー用に設計された既存の前世代の製造設備でその後処理を行うことが可能となるから、既存製造設備の有効活用になるだけでなく、集積回路装置の製造コストの低減にもつながり、便宜である。
【0005】
しかし、集積回路装置の製造設備は、略円形のウェハーの形態で各プロセスを実施するように設計されているため、1/4ウェハー片をそのままの形態で製造設備に通すことはできない。また、ウェハーの切断を従来の一般的なダイシングソーを用いたダイシング法で行うことはは、ウェハー内の集積回路領域(チップ領域)間にダイシングソーの削り代が生じること等の理由から好ましくない。
【0006】
そこで、本発明の目的は、集積回路が内部に形成された半導体基板(例えば直径12インチの半導体ウェハー)の一部に対して、当該半導体基板より小さいサイズの半導体基板(例えば直径8インチの半導体ウェハー)用に設計された製造設備を用いてパッケージング等の後処理を行うことを可能とするウェハー構造体を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、上述したウェハー構造体を簡単な方法で且つ低コストで製造できるウェハー構造体の製造方法を提供することにある。
【0008】
ここに明記しない本発明の他の目的は、以下の説明及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1) 本発明の第1の観点では、ウェハー構造体が提供される。このウェハー構造体は、
ウェハー状のキャリア基板と、
前記キャリア基板の一つの平面に接合された、前記キャリア基板より小さい平面形状を有する第1半導体基板と、
前記キャリア基板上において前記第1半導体基板の周囲に存在する空間を埋め込む充填材層とを備え、
前記第1半導体基板は、前記キャリア基板より大きい平面形状を有する第2半導体基板の一部であり、
前記第1半導体基板は、その全体が前記キャリア基板の周縁より内側に配置されており、
前記充填材層の平面形状は前記キャリア基板の外形と略同一に形成されていると共に、前記充填材層の厚さは前記第1半導体基板の厚さと略同一とされていて、前記第1半導体基板の表面は前記充填材層から露出しており、
前記キャリア基板および前記充填材層は、前記第1半導体基板と同等の熱膨張係数を有していることを特徴とするものである。
【0010】
(2) 本発明の第1の観点によるウェハー構造体では、上述したように、ウェハー状のキャリア基板の一つの平面に、当該キャリア基板より大きい平面形状を有する第2半導体基板の一部であって前記キャリア基板より平面形状が小さい第1半導体基板が接合されている。前記第1半導体基板は、その全体が前記キャリア基板の周縁より内側に配置されている、つまり、前記第1半導体基板の全体が前記キャリア基板上にあり、前記キャリア基板から突出する部分は存在しない。
【0011】
また、前記キャリア基板上にある前記第1半導体基板の周囲の空間は、前記充填材層によって埋め込まれている。そして、前記充填材層の平面形状は、前記キャリア基板の外形と略同一に形成されていると共に、前記充填材層の厚さは、前記第1半導体基板の厚さと略同一とされていて、前記第1半導体基板の表面は前記充填材層から露出している。
【0012】
したがって、本発明の第1の観点によるウェハー構造体の外形は、前記キャリア基板と略同一の平面形状を有する一枚の半導体ウェハーと同等であり、搬送、把持等の機械的操作においては、一枚のウェハーと同等の取り扱いが可能である。
【0013】
しかも、前記キャリア基板および前記充填材層は、前記第1半導体基板と同等の熱膨張係数を有しているので、前記キャリア基板と前記充填材層と前記第1半導体基板とが、熱膨張係数の相違に起因してそれらの接合面で剥離するといった現象が生じない。したがって、前記充填材層から露出している前記第1半導体基板の表面から当該第1半導体基板に対して、パッケージング等の所望の処理を行うことが可能である。
【0014】
よって、本発明の第1の観点によるウェハー構造体は、集積回路が内部に形成された半導体基板(例えば直径12インチの半導体ウェハー)の一部に対して、当該半導体基板より小さいサイズの半導体基板(例えば直径8インチの半導体ウェハー)用に設計された製造設備を用いて、パッケージング等の後処理を行うことが可能である。
【0015】
(3) 本発明の第1の観点によるウェハー構造体の好ましい例では、前記第1半導体基板が、内部に集積回路が形成された前記第2半導体基板の切断片とされる。
【0016】
本発明の第1の観点によるウェハー構造体の他の好ましい例では、前記キャリア基板として前記第1半導体基板と同じ単結晶または多結晶の半導体基板が使用される。
【0017】
この例では、好ましくは、前記充填材層として前記第1半導体基板と同じ半導体の層が使用され、あるいは、前記第1半導体基板と同等の熱膨張係数を有するガラスの層が使用される。
【0018】
本発明の第1の観点によるウェハー構造体の他の好ましい例では、前記第1半導体基板が単結晶シリコンから形成され、前記キャリア基板が単結晶シリコンまたは多結晶シリコンから形成される。
【0019】
この例では、好ましくは、前記充填材層としてシリコン層が使用され、あるいは、シリコンと同等の熱膨張係数を有するガラスの層が使用される。
【0020】
本発明の第1の観点によるウェハー構造体のさらに他の好ましい例では、前記第1半導体基板が化合物半導体から形成され、前記キャリア基板が前記第1半導体基板と同じ単結晶または多結晶の化合物半導体基板から形成される。
【0021】
この例では、好ましくは、前記充填材層として前記第1半導体基板と同じ化合物半導体の層が使用され、あるいは、前記第1半導体基板と同等の熱膨張係数を有するガラスの層が使用される。
【0022】
本発明の第1の観点によるウェハー構造体のさらに他の好ましい例では、前記キャリア基板が、前記第1半導体基板と同等の加工性を有する。この例では、前記第1半導体基板に対する処理を、前記キャリア基板を介して前記キャリア基板の裏側から行うことができる利点がある。なお、この例における「加工性」とは、前記第1半導体基板に対して所望の加工(例えばエッチング、薄膜形成など)を行う際に、前記第1半導体基板に対して設定する加工条件で前記キャリア基板に対しても同等の加工が行われることを意味する。
【0023】
この例では、前記第1半導体基板の内部の集積回路が前記キャリア基板とは反対側に配置されるのが好ましい。そうすれば、前記キャリア基板を貫通して、前記第1半導体基板の裏面側から前記集積回路に達する電極等を形成することができるからである。
【0024】
(4) 本発明の第2の観点では、ウェハー構造体の製造方法が提供される。このウェハー構造体の製造方法は、
ウェハー状のキャリア基板の一つの平面に、前記キャリア基板より小さい平面形状を有する第1半導体基板をその全体が前記キャリア基板の周縁より内側に配置されるように接合する工程と、
前記キャリア基板上において前記第1半導体基板の周囲に存在する空間に充填材を埋め込むことによって、平面形状が前記キャリア基板の外形と略同一であると共に、厚さが前記第1半導体基板の厚さと略同一である充填材層を形成する工程とを備え、
前記充填材層は、前記第1半導体基板の表面が前記充填材層から露出するように形成されており、
前記キャリア基板および前記充填材層は、前記第1半導体基板と同等の熱膨張係数を有していることを特徴とするものである。
【0025】
(5) 本発明の第2の観点によるウェハー構造体の製造方法では、上述したような工程を経てウェハー構造体を製造するものであるから、本発明の第1の観点によるウェハー構造体を製造できることが明らかである。
【0026】
また、前記キャリア基板上に前記第1半導体基板を接合する工程は、例えば公知の陽極接合法によって、接着剤や粘着剤を使用せずに容易に実施することができる。前記キャリア基板上において前記第1半導体基板の周囲に存在する空間に充填材を埋め込むことによって前記充填材層を形成する工程は、例えば適当な成形型を用いて公知の半導体微粉末を充填・固化することによって、容易に実施することができる。前記第1半導体基板の表面を前記充填材層から露出させるためには、必要に応じて、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)法を用いて前記充填材層を研磨すればよい。
【0027】
よって、本発明の第2の観点によるウェハー構造体の製造方法によれば、上記ウェハー構造体を簡単な方法で且つ低コストで製造することができる。
【0028】
(6) 本発明の第2の観点によるウェハー構造体の製造方法の好ましい例では、前記第1半導体基板が、内部に集積回路が形成された前記第2半導体基板の切断片とされる。
【0029】
本発明の第2の観点によるウェハー構造体の製造方法の他の好ましい例では、前記キャリア基板上に前記第1半導体基板を接合する工程が、陽極接合法を使用して行われる。接着剤や粘着剤を使用せずに、前記キャリア基板上に前記第1半導体基板を強固に接合できるからである。
【0030】
本発明の第2の観点によるウェハー構造体の製造方法のさらに他の好ましい例では、前記充填材層を形成する工程が、一面に前記第1半導体基板が固着せしめられた前記キャリア基板を成形型の内部に配置する工程と、成形型の内部において前記キャリア基板上の前記第1半導体基板の周囲に形成された成形空間に、前記充填材の粉末を充填して固化させる工程とを含む。前記充填材層の形成が容易に且つ短時間で行えるからである。
【0031】
この例では、必要に応じて、前記第1半導体基板の表面を前記充填材層から露出させるために、前記第1半導体基板の表面を覆う前記充填材層を研磨あるいはエッチングする工程が実施される。研磨する場合は、この工程を公知のCMP法で行うのが好ましい。エッチングする場合は、この工程を公知のドライエッチング法で行うのが好ましい。
【0032】
また、この例では、前記充填材の粉末としては、前記第1半導体基板と熱膨張率係数が同等のものであれば、半導体粉末、ガラス粉末等、任意のものが使用できる。しかし、前記第1半導体基板と同じ半導体の粉末を使用するのが好ましい。
【0033】
しかし、前記充填材層を形成する工程は、コスト面で難点がなければ、前記充填材の薄膜を堆積させることによって実施してもよいし、SOG(Spin-On-Glass)材を充填して加熱硬化させることによって実施してもよい。
【0034】
本発明の第2の観点によるウェハー構造体の製造方法のさらに他の好ましい例では、前記第1半導体基板として単結晶シリコン基板が使用され、前記キャリア基板として単結晶または多結晶のシリコン基板が使用される。
【0035】
この例では、好ましくは、前記充填材層としてシリコン層が使用され、あるいは、シリコンと同等の熱膨張係数を有するガラスの層が使用される。
【0036】
本発明の第2の観点によるウェハー構造体の製造方法のさらに他の好ましい例では、前記第1半導体基板として化合物半導体基板が使用され、前記キャリア基板として前記第1半導体基板と同じ単結晶または多結晶の化合物半導体基板が使用される。
【0037】
この例では、好ましくは、前記充填材層として前記第1半導体基板と同じ化合物半導体の層が使用され、あるいは、前記第1半導体基板と同等の熱膨張係数を有するガラスの層が使用される。
【0038】
本発明の第2の観点によるウェハー構造体の製造方法のさらに他の好ましい例では、前記第1半導体基板が、ステルス・ダイシング技術を用いて前記第1半導体基板より大きい平面形状を有する第2半導体基板を切断することによって形成される。この例では、ほとんどカーフロス(削り代)を生じずに、また切断箇所にチッピングやクラックを発生させずに、前記第2半導体基板の切断が可能である、という利点がある。
【0039】
(7) 本発明の第1の観点によるウェハー構造体および本発明の第2の観点によるウェハー構造体の製造方法では、前記第1半導体基板としては、任意の半導体基板を使用できることは言うまでもない。しかし、集積回路用として一般的に使用されている単結晶シリコンの基板やGaAs等の化合物半導体の基板が好適である。
【0040】
前記キャリア基板としては、前記第1半導体基板と熱膨張率係数が同等であり、且つ前記第1半導体基板と組み合わせた状態で使用しても前記第1半導体基板中の集積回路の動作に支障が生じないものであれば、任意のものが使用できるが、単結晶または多結晶のシリコン基板、単結晶または多結晶の化合物半導体基板が好ましい。前記キャリア基板の表面に絶縁膜が形成されていてもよい。
【0041】
前記充填材としては、前記第1半導体基板と熱膨張率係数が同等のものであれば、任意のものが使用できる。前記第1半導体基板と同一の半導体粉末(例えばシリコン粉末等)が好適に使用できるが、前記第1半導体基板と熱膨張率係数が同等のガラス粉末(例えばボロシリケート(B・SiO系)ガラス)などでもよい。
【0042】
前記キャリア基板と前記充填材は前記第1半導体基板と熱膨張率係数が同等であることが必要であるが、ここに「同等」とは、同一である場合だけではなく、ほぼ同一であるか近似していて、前記第1半導体基板に対してパッケージング等の所望の処理を行う際に、前記第1半導体基板と前記キャリア基板と前記第1半導体基板とが、熱膨張係数の相違に起因してそれらの接合面で剥離するといった現象が生じないことを意味する。
【0043】
内部に集積回路が形成されているものであれば、前記第1半導体基板の厚さには制限はないが、例えば、0.1μm〜750μmの範囲が好適である。
【0044】
前記キャリア基板の厚さは、前記第1半導体基板と接合して当該ウェハー構造体とした状態で所望の製造設備に流すことができる厚さであればよいが、例えば500μm〜1000μmの範囲が好適である。
【0045】
(8) 上記非特許文献1に開示された技術は、ベースプレート上に複数のWLP(LSIチップ)をダイボンディングした後、これらWLPの上面ぎりぎりまで樹脂を埋め込んだものであるから、本発明とは明らかに異なっている。
【発明の効果】
【0046】
本発明の第1の観点によるウェハー構造体では、集積回路が内部に形成された半導体基板(例えば直径12インチの半導体ウェハー)の一部に対して、当該半導体基板より小さいサイズの半導体基板(例えば直径8インチの半導体ウェハー)用に設計された製造設備を用いてパッケージング等の後処理を行うことが可能である、という効果が得られる。
【0047】
本発明の第2の観点によるウェハー構造体の製造方法では、本発明の第1の観点によるウェハー構造体ウェハー構造体を簡単な方法で且つ低コストで製造することができる、という効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0049】
(第1実施形態の構成)
図1は本発明の第1実施形態に係るウェハー構造体1を示しており、図1(a)はウェハー構造体1の平面図、図1(b)はその正面図、図1(c)は図1(a)のA−A線に沿った断面図である。図2は、ウェハー構造体1に使用される加工用半導体ウェハー20の一例を示す平面図である。
【0050】
このウェハー構造体1は、図1に示すように、直径8インチのキャリアウェハー10と、キャリアウェハー(キャリア基板)10の表面に一方の主面(裏面)21eが接合されたウェハー片(第1半導体基板)21と、ウェハー片21の周囲の略円環状の空間に充填された充填材層30とを備えている。キャリアウェハー10および充填材層30は、ウェハー片21と同等の熱膨張係数を有する材料から形成されている。キャリアウェハー10とウェハー片21は、公知の陽極接合法によって直接接合されており、それらの接合面の間には接着剤や粘着剤は存在していない。
【0051】
ウェハー片21は、図2に示すように、直径12インチの加工用半導体ウェハー(第2半導体基板)20をほぼ均等に四つに切断して得られた一つの切断片であり、直径8インチのキャリアウェハー10よりも小さい平面形状を持つ。したがって、ウェハー片21の全体がキャリアウェハー10の上にあり、キャリアウェハー10の周縁からはみ出ていない。ウェハー片21の裏面21eの全体がキャリアウェハー10の表面に接触している。ウェハー片21の他方の主面(表面)21aは、充填材層30から露出している。ここで、ウェハー片21の「表面」とは、ウェハー片21の集積回路領域Cが形成されている側の平面をいう。
【0052】
充填材層30の表面30aは、ウェハー片21の表面21aと同一の平面内にある。換言すれば、充填材層30の表面30aは、ウェハー片21の表面21aと面一となっている。ウェハー片21の表面21aは、充填材層30の表面30aから露出している。したがって、ウェハー片21に対して直接、上方(表面側)から加工をすることが可能である。また、キャリアウェハー10を介して、ウェハー片21に対して下方(裏面側)からも加工することが可能である。
【0053】
ウェハー片21の内部には、その表面側に複数の集積回路領域Cが形成されている(図9を参照)。これらの集積回路領域Cは、ウェハー片21の内部に規則的に配置されている。各々の集積回路領域Cの内部には、一組の集積回路(図示せず)が内蔵されている。
【0054】
充填材層30は、キャリアウェハー10上のウェハー片21の周囲の略円環状の空間に所定の充填材を充填して層状に形成したものである。充填材層30の平面形状(輪郭)は、キャリアウェハー10のそれと同一である。また、充填材層30の厚さは、ウェハー片21の厚さと同一である。したがって、充填材層30とウェハー片21は、キャリアウェハー10上において、キャリアウェハー10と同じ平面形状を持つ一つの層を形成している。ウェハー片21は、キャリアウェハー10上で充填材層30の内側に埋め込まれている、ということも可能である。
【0055】
このように、ウェハー構造体1は、キャリアウェハー10と、その上に形成された充填材層30およびウェハー片21からなる層との二層構造となっているが、全体として一枚の直径8インチのウェハーとみなすことが可能である。したがって、直径8インチのウェハー向けの設備に導入して、そのままの状態で搬送、把持等の機械的操作を行うことができ、また、ウェハー片21の集積回路領域Cの各々に対してパッケージング等の必要な加工(処理)をすることができる。
【0056】
ウェハー片21のキャリアウェハー10に対する固着は、公知のプラズマ陽極接合によって行われている。したがって、図1(b)および(c)に示すように、ウェハー片21とキャリアウェハー10との間には接着剤や粘着剤が存在せず、ウェハー片21の裏面21eとキャリアウェハー10の表面とが直接、相互に接触している。
【0057】
キャリアウェハー10上でのウェハー片21の配置は、図1(a)に示すように、ウェハー片21の角部21cを挟んで直交する二つの直線部21bのいずれか一方が、キャリアウェハー10のオリエンテーションフラット11に平行になるように設定されている。これは、キャリアウェハー10のオリエンテーションフラット11を手掛かりにしてウェハー片21の結晶方位を容易に判別できるようにするためである。
【0058】
ウェハー片21は、図2に示すように、直径12インチの加工用半導体ウェハー20をそのオリエンテーションフラット25に直交する切断線26と、オリエンテーションフラット25に平行な(換言すれば、切断線26に直交する)切断線26とに沿って切断して得られたものであり、その平面形状は中心角が90゜の扇形である。切断線26および27に沿った切断により、加工用半導体ウェハー20は四つに分断され、1/4ウェハー片21、22、23、24となる。したがって、ウェハー片21の二つの切断辺すなわち直線部21bは、相互に直交しており、また、直線部21bの交点にある角部21cは直角である。この点は、ウェハー片21と鏡像の関係にあるウェハー片22についても同様である。なお、他の二つのウェハー片23と24は、中心角が90゜の扇形に近似した平面形状を有しているが、オリエンテーションフラット25に対応する部分が欠けている点で、ウェハー片21および22とは異なっている。
【0059】
これらウェハー片21、22、23、24は、いずれも、直径12インチの加工用半導体ウェハー20を1/4に均等に分断して得たものであるから、一辺が6インチ(約15cm)以下であり、直径8インチ(約20cm)の半導体ウェハーよりも小さい平面形状を持つ。したがって、ウェハー片21をキャリアウェハー10上に接合すると、ウェハー片21の全体がキャリアウェハー10の上に位置し、ウェハー片21はキャリアウェハー10の外周縁から外側に突出しない。
【0060】
ここでは、加工用半導体ウェハー20として、単結晶シリコンのウェハ−が使用されている。したがって、キャリアウェハー10上に接合されたウェハー片21は単結晶シリコン製である。また、キャリアウェハー10としては、多結晶シリコン製のもの、すなわち多結晶シリコンウェハーが使用されている。充填材層30は、多結晶シリコンの微粉末を充填して層状に硬化させたものである。したがって、キャリアウェハー10と充填材層30はいずれも多結晶シリコン製であり、単結晶シリコン製のウェハー片21と材料が同じシリコンである。したがって、これら三者の熱膨張係数は同一であり、またエッチング、薄膜堆積等に関するそれらの加工性もほぼ同一である。
【0061】
なお、充填材層30は、シリコン粉末ではなく、シリコンと同等の熱膨張係数を持つガラス粉末(例えばボロシリケートガラス粉末)、あるいはシリコン粉末と低熱膨張ポリイミド系樹脂(熱膨張係数が3.0〜4.5×10−7cm/cm/℃)との混合物などでもよい。
【0062】
加工用半導体ウェハー20とキャリアウェハー10の厚さには制限はないが、加工用半導体ウェハー20の厚さは例えば100μm、キャリアウェハー10の厚さは例えば200μmとされる。または、加工用半導体ウェハー20の厚さを例えば50μm、キャリアウェハー10の厚さを例えば600〜720μmとしてもよいし、加工用半導体ウェハー20の厚さを例えば10μm、キャリアウェハー10の厚さを例えば450μmとしてもよい。
【0063】
以上詳述したように、本発明の第1実施形態に係るウェハー構造体1では、ウェハー状のキャリア基板すなわちキャリアウェハー10の表面(一つの平面)に、キャリアウェハー10より大きい平面形状を有する加工用半導体ウェハー20(第2半導体基板)の切断片であってキャリアウェハー10より平面形状が小さいウェハー片21(第1半導体基板)が接合されている。ウェハー片21は、その全体がキャリアウェハー10の周縁より内側に配置されている、つまり、ウェハー片21の全体がキャリアウェハー10上にあり、キャリアウェハー10から突出する部分は存在しない。
【0064】
また、キャリアウェハー10上にあるウェハー片21の周囲の空間は、充填材層30によって埋め込まれている。そして、充填材層30の平面形状は、キャリアウェハー10の外形と略同一に形成されていると共に、充填材層30の厚さは、ウェハー片21の厚さと略同一とされていて、ウェハー片21の表面21aは充填材層30から露出している。
【0065】
したがって、ウェハー構造体1の外形は、キャリアウェハー10と略同一の平面形状を有する一枚の半導体ウェハーと同等であり、搬送、把持等の機械的操作においては、一枚のウェハーと同等の取り扱いが可能である。
【0066】
しかも、キャリアウェハー10および充填材層30は、ウェハー片21と同じシリコン製であるから、これらは同等の熱膨張係数を有しているだけでなく、同等の加工性も有している。このため、キャリアウェハー10と充填材層30とウェハー片21とが、熱膨張係数の相違に起因してそれらの接合面で剥離するといった現象が生じないし、充填材層30から露出しているウェハー片21の表面側からだけではなく、キャリアウェハー10を介してウェハー片21の裏面側からも、ウェハー片21に対してパッケージング等の所望の処理を支障なく行うことができる。
【0067】
よって、ウェハー構造体1は、集積回路が内部に形成された半導体基板(例えば直径12インチの半導体ウェハー)の一部に対して、当該半導体基板より小さいサイズの半導体基板(例えば直径8インチの半導体ウェハー)用に設計された製造設備を用いて、パッケージング等の後処理を支障なく行うことが可能である。
【0068】
なお、ウェハー構造体1を用いて、多数の集積回路領域Cが内部に形成された直径12インチのシリコンウェハー20の切断片であるウェハー片21に対して、ウェハー片21より小さい直径8インチのシリコンウェハー用に設計された製造設備を用いて、各集積回路領域C用のチップサイズパッケージを形成する場合の一例を、図9に示す。
【0069】
図9は、ウェハー片21の内部の集積回路領域Cの各々に対して、ウェハー片21の裏面21eの側から埋込電極70を形成した状況を示している。
【0070】
まず最初に、フォトリソグラフィ法によりマスクを形成した後、そのマスクを用いたドライエッチング法により、上述したようにして製造されたウェハー構造体1の裏面側からキャリアウェハー10を選択的に除去して、キャリアウェハー10に貫通孔71を形成する。次に、同じマスクを用いたドライエッチング法により、ウェハー構造体1の裏面側からウェハー片21を選択的に除去して、ウェハー片21に貫通孔72を形成する。貫通孔72は、貫通孔71と連通していると共に、集積回路領域Cの導電領域あるいは配線膜(図示せず)に達している。
【0071】
次に、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法により、貫通孔71と72の内壁面に二酸化シリコン(SiO)等の絶縁膜73を形成し、当該内壁面の全体を覆う。このとき、貫通孔72の先端にある対応する集積回路領域Cの導電領域あるいは配線膜の露出面にも絶縁膜73が形成されるので、ドライエッチング法により除去する。
【0072】
次に、例えばCVD法により、キャリアウェハー10の裏面からタングステン(W)を堆積させてから、CMP法によりキャリアウェハー10の裏面のW膜を選択的に除去し、もって貫通孔71と72の内部にW膜を残して導電体74とする。導電体74は、対応する集積回路領域Cの導電領域あるいは配線膜の露出面に接触している。Wに代えて多結晶シリコン等を用いてもよい。
【0073】
以上のようにして、キャリアウェハー10とウェハー片21を貫通して対応する集積回路領域Cに電気的に接続された埋込電極70が形成される。その後、埋込電極70に電気的に接続された外部電極を公知の方法によって形成すれば、パッケージング処理は完了である。最後に、ウェハー片21のダイシングライン28と29に沿ってキャリアウェハー10とウェハー片21を一緒にダイシングすれば、集積回路領域C毎にチップ状の集積回路装置が複数個、同時に得られる。これらの集積回路装置は、パッケージが当該チップとほぼ同じサイズであるから、CSP(Chip-Size Package)を有していることになる。
【0074】
なお、埋込電極70の形成後の工程は、周知であるから詳細には説明しないが、例えば、(1)キャリアウェハー10の裏面に絶縁膜を形成する、(2)(1)の絶縁膜に透孔を形成する、(3)(2)の透孔内に導電体を埋め込む、(4)(3)の導電体の端部に外部電極としてのハンダボールを形成する、という工程を順に実施すればよい。
【0075】
(第1実施形態の製法)
次に、図2〜図6を参照しながら、上述した構成を持つウェハー構造体1の製造方法について説明する。
【0076】
まず、図2に示すように、直径12インチの単結晶シリコン製の加工用半導体ウェハー20を用意する。この半導体ウェハー20は、内部に多数の集積回路領域Cが形成されたものであり、未だパッケージングが施されていないものである。それら集積回路領域Cの各々に対して、以下に述べるようにして所定のパッケージングを行ってから、ダイシングによって集積回路領域C毎に分割して個片化すると、チップ状の集積回路装置が得られる。
【0077】
加工用半導体ウェハー20の集積回路領域Cの配置の一例を図7に示す。図7に示すように、加工用半導体ウェハー20の表面側の領域に多数の集積回路領域Cが形成されており、それら集積回路領域Cの各々の中に集積回路が形成されている。集積回路領域Cは、図7の上下方向および左右方向(加工用半導体ウェハー20の表面に平行な方向)に規則的に配置されており、隣接する集積回路領域Cの間にはそれぞれダイシングライン28が形成されている。ダイシングの際には、ダイシングライン28に沿ってダイシングソーが移動せしめられるので、隣接するチップ領域Cの間には、カッターによって切断・除去される部分(削り代)の幅を考慮して間隙(ストリート)Tが形成されている。したがって、各集積回路領域Cは、その間隙(ストリート)Tだけ離れて配置されていることになる。
【0078】
次に、図2に示すように、相互に直交する切断線26と27に沿って加工用半導体ウェハー20を均等に切断し、1/4ウェハー片21、22、23および24を得る。この切断には、「ステルス・ダイシング(stealth dicing)」技術を使用し、ダイシングソーは使用しない。「ステルス・ダイシング」という技術は、シリコンウェハーの内部にそれを透過する波長のレーザ光を集光して当該シリコンウェハーの集光箇所とその近傍に局所的な変質部を形成し、当該シリコンウェハーをその内部から分断する技術である。分断は、テープエキスパンド等の外部応力を加えることにより、当該シリコンウェハーの表面に亀裂を成長させて行う。ステルス・ダイシングを使用した場合、レーザ光の走査線に沿って当該シリコンウェハーの内部に変質部が形成されるだけで、当該シリコンウェハーは分断されず、ウェハー状態を保つからである。
【0079】
「ステルス・ダイシング」の原理は次のようなものである。まず、半導体ウェハーに対して透過性を持つ波長のレーザ光を、対物レンズ光学系で当該半導体ウェハーの内部に焦点を結ぶように集光する。集光性が非常に高く、回折限界レベルまで集光可能で、高繰り返し短パルス発振可能なレーザビームは、集光点付近で時間的・空間的に圧縮されて局所的に非常に高いピークパワー密度状態を形成する。また、半導体ウェハーに対して透過特性を示していたレーザビームは、その集光過程においてあるピークパワー密度を超えると、非線形吸収効果により半導体ウェハーは局所的に非常に高い吸収特性を示す。そこで、光学系およびレーザ特性の最適化により、当該半導体ウェハー内部の焦点付近のみで非線形吸収効果が発生するようにすれば、半導体ウェハーの内部のみに局所的・選択的にレーザ加工を行うことができる。また、それと同時に、ダイシングパターンに応じてレーザビームと半導体ウェハーの相対位置を変えれば、半導体ウェハーの表面や裏面の損傷なしにダイシング加工を実現することができる。ステルス・ダイシングは、このようにして、半導体ウェハーをその内部から割断するものである(浜松ホトニクス株式会社の技術資料「ステルスダイシング技術とその応用」2005年3月発行を参照)。
【0080】
ステルス・ダイシングによれば、ほとんどカーフロスを生じずに分断が可能である。したがって、図7に示すように、加工用半導体ウェハー20の切断線26と27を、チップ領域Cの間の間隙(ストリート)Tの中央に配置すると、加工用半導体ウェハー20は削り代なしに切断線26と27に沿ってほぼそのまま分断され、四つのウェハー片21、22、23、24となる。このため、切断箇所にチッピングやクラックが発生せず、切断線26と27に沿った四つのウェハー片21、22、23、24の各々の二つの辺は直線状に保たれると共に、切断線26と27の交点の近傍にあるウェハー片21、22、23、24の各々の角部も直角に保たれる。したがって、上述したように、例えばウェハー片21の各々の二つの辺(直線部21b)のいずれかを利用して、キャリアウェハー10のオリエンテーションフラット25に整合するようにウェハー片21の位置決めをすれば、オリエンテーションフラット25を利用してウェハー片21の結晶方位を判別することができる。この点は他のウェハー片22、23、24についても同様である。
【0081】
こうして得られた四つのウェハー片21、22、23および24のうち、ウェハー片21を選択し、図3に示すように、キャリアウェハー10の表面に載置および位置決めを行ってから、公知の「プラズマ陽極接合」法により接合する。接着剤や粘着材は使用しない。この時、キャリアウェハー10に対するウェハー片21の向き(姿勢)は、ウェハー片21の二つの切断辺21aのいずれか一方が、キャリアウェハー10のオリエンテーションフラット11に平行になるように設定する。この時の状態は図3に示すようになる。
【0082】
「陽極接合」とは、一般に、ガラスとシリコンや金属等を重ねあわせ、熱と電圧を加えることにより密着接合する方法として知られているものである。その原理は、加熱すると同時に、ガラス側を陰極、シリコン側を陽極として電圧を印加することによって、ガラス中の陽イオンを陰極側に強制的に拡散させ、ガラスとシリコンの間に静電引力を発生させて密着を促すとともに、ガラスとシリコンを化学反応させて接合する、というものである。陽極接合は、シリコンとシリコン、シリコンと金属、シリコンとセラミックス等の接合にも用いられ、また、シリコン以外の半導体の接合や、ガラスとガラスの接合にも適用される。
【0083】
また、陽極接合時に、陽極接合装置のチャンバーの中で、例えば酸素(O)プラズマを発生させ、アッシングを行う(Oプラズマアッシング)。これにより、両者の接合面が活性化されるため、接合強度が向上する。このような処理は「プラズマ陽極接合」と呼ばれている。
【0084】
陽極接合時の電圧の印加は、例えば、ウェハー片21が陽極に、キャリアウェハー10が陰極になるように行う。その際の条件は、例えば、温度=160℃、印加電圧=100V、印加圧力=1000N、電圧及び圧力の印加時間=5〜60分である。
【0085】
接着剤や粘着材は使用せずにウェハー片21をキャリアウェハー10の表面に接合する方法は、陽極接合法に限定されない。接着剤や粘着材は使用せずにウェハー片21をキャリアウェハー10の表面に接合できるものであれば、陽極接合法以外の方法も使用可能である。
【0086】
次に、表面にウェハー片21を接合したキャリアウェハー10を、図4に示す成形型40の中に収容する。この成形型40は、キャリアウェハー10が嵌合可能な内部空間を有しており、その内部空間はキャリアウェハー10のオリエンテーションフラット11を反映した平面形状になっている。このため、この内部空間にウェハー片21を上に向けてキャリアウェハー10を収容すると、キャリアウェハー10の裏面が成形型40の底部に接触して保持されると共に、キャリアウェハー10の外周縁が成形型40の内側面に密接し、キャリアウェハー10の上方に成形空間41が形成される。
【0087】
そこで、成形空間41内に所定の充填材粉末31を充填する。成形空間41は、図1に示した充填材層30が得られるような平面形状を有しているが、成形型40の上端42はウェハー片21の表面21aより高い位置にあるので、成形空間41内に充填材粉末31を充填すると、充填材粉末31はウェハー片21の表面21aの全体を覆う。したがって、キャリアウェハー10だけでなくウェハー片21も充填材粉末31内に埋没し、成形型40の外部からは見えなくなる。
【0088】
成形型40を所定温度に加熱して充填材粉末31を焼結して硬化させると、充填材粉末31はキャリアウェハー10およびウェハー片21と一体化する。そこで、キャリアウェハー10とウェハー片21と硬化した充填材粉末31の結合体を成形型40から取り出すと、この結合体は図5に示すような状態になる。
【0089】
次に、キャリアウェハー10の裏面に適当な粘着剤または接着剤を用いて支持基板50を付着させてから、CMP法により、研磨具60を用いて硬化した充填材粉末31の表面31aをウェハー片21の表面21aが露出するまで研磨する。その結果、キャリアウェハー10上においてウェハー片21の周囲の空間を充填した充填材層30が得られる。この時の状態は図6に示すようになり、充填材層30の表面30aとウェハー片21の表面21aとは同一平面内に位置する。充填材層30の平面形状は、成形空間41の平面形状すなわちキャリアウェハー10の平面形状と同一となる。
【0090】
成形空間41内に充填材粉末31を充填・硬化した時に、充填材粉末31の厚さを精密に制御することによってウェハー片21の表面21aを充填材粉末31から露出させた状態にすることができるのであれば、当然のことであるが、研磨具60で充填材粉末31の表面31aを研磨する工程は不要である。
【0091】
以上のような工程を経ることにより、図1に示した本発明の第1実施形態に係るウェハー構造体1が製造される。
【0092】
図4の工程で成形型40の成形空間41内に充填される充填材粉末31としては、ウェハー片21とキャリア基板10がいずれもシリコン製であるから、それに合わせてシリコンの粉末が使用される。シリコンの粉末としては、ナノメーター(nm)オーダーのシリコン微粉末を使用するのが好ましい。例えば、平均粒径が10nm〜500nmの範囲のシリコンの微粉末が使用するのが好ましい。nmオーダーのシリコン微粉末は、そのままでは凝集して固まってしまう傾向があるが、シリコン微粉末の周囲を適当な被覆剤で覆うことにより、凝集を抑制することができる。このようにして周囲を被覆したシリコン微粉末を適当な溶剤に分散させると、シリコン微粉末を含有する流動体(ナノシリコン流動体)が得られる。このナノシリコン流動体が成形空間41内に充填される。
【0093】
ナノシリコン流動体を成形空間41内に充填した後、成形型40を例えば200℃に加熱すると、被覆剤と溶剤が蒸発してシリコン微粉末が相互に接触し、充填材粉末31はほぼ一様に硬化してシリコン膜となる。その後、キャリアウェハー10とウェハー片21と硬化したシリコン微粉末の結合体を成形型40から取り出せばよい。
【0094】
充填材粉末31としては、nmオーダーより大きいシリコン粉末を使用してもよい。この場合は、上述したような凝集の恐れがないので、粉末状態のままで、図4に示すように、成形型40の上端42と同一のレベルまでシリコン粉末それ自体を充填すればよい。その後、シリコン粉末を加熱して硬化させれば、ほぼ一様に硬化して多結晶または非晶質のシリコン膜となる。その後の工程は上述したものと同じである。
【0095】
シリコン微粉末としては、公知のものを使用すればよい。例えば、済南銀豊硅製品有限責任公司(中国企業、http://japan.alibaba.com/manufacture/5075386参照)がシリコン粉末を提供している。本発明とは用途は異なるが、特開2006−070089には蛍光発光するナノシリコンパウダーとその製造方法が開示されている。
【0096】
以上詳述したように、本発明の第1実施形態に係るウェハー構造体1の製造方法では、加工用半導体ウェハー20をしてウェハー片21を得る工程は、公知のステルス・ダイシング技術を使用して容易に実現することができる。キャリアウェハー10上にウェハー片21を接合する工程は、公知の陽極接合法によって、接着剤や粘着剤を使用せずに容易に実施することができる。また、キャリアウェハー10上においてウェハー片21の周囲に存在する空間に充填材粉末31を埋め込むことによって充填材層30を形成する工程は、適当な成形型40を用いて公知の半導体粉末を充填・硬化することによって、容易に実施することができる。ウェハー片21の表面21aを充填材層30から露出させるためには、CMP法を用いて充填材粉末31の表面31aを研磨すればよい。よって、この製造方法によれば、本発明の第1実施形態に係るウェハー構造体1を簡単な方法で且つ低コストで製造することができる。
【0097】
(第2実施形態の構成)
図8は、本発明の第2実施形態に係るウェハー構造体1Aを示しており、図8(a)はウェハー構造体1Aの平面図、図8(b)はその正面図、図8(c)は図8(a)のA−A線に沿った断面図である。
【0098】
第2実施形態のウェハー構造体1Aは、キャリアウェハー10aが、第1実施形態のウェハー構造体1に使用されているキャリアウェハー10と同一の半導体部10’と、その半導体部10’の一方の主面に形成された絶縁膜12とから形成されている点を除き、第1実施形態のウェハー構造体1と同じ構成である。よって、図8において同一の要素には第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0099】
絶縁膜12としては、半導体部10’がシリコン製であるから、その酸化物であるSiOが好ましいが、他の絶縁膜(例えばSiやSiN−SiO)も使用可能である。これは、絶縁膜12が存在しても熱膨張係数および加工性が半導体部10’とほぼ同等に保たれるからである。
【0100】
このように、キャリアウェハーは全体がシリコン等の半導体製であることは必要ではなく、一部に絶縁膜を含んでいてもよい。
【0101】
第2実施形態のウェハー構造体1Aにおいても、第1実施形態のウェハー構造体1と同じ効果が得られることは言うまでもない。また、第2実施形態のウェハー構造体1Aの製造方法は、第1実施形態のウェハー構造体1のそれと同じであるから、その説明は省略する。
【0102】
(第3実施形態の構成)
図10は、本発明の第3実施形態に係るウェハー構造体1Bを示す、図9と同様の図である。
【0103】
第3実施形態のウェハー構造体1Bは、第1実施形態のウェハー構造体1において、ウェハー片21の向きを上下逆にしてキャリアウェハー10に接合したものであり、それ以外の構成は第1実施形態のウェハー構造体1と同じである。よって、図8において同一の要素に第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0104】
ウェハー構造体1Bを用いて、ウェハー片21に対して、それより小さい直径8インチのシリコンウェハー用に設計された製造設備を用いて各集積回路領域C用のチップサイズパッケージを形成する場合、次のような工程が実施される。
【0105】
まず最初に、フォトリソグラフィ法によりマスクを形成した後、そのマスクを用いたドライエッチング法により、上述したようにして製造されたウェハー構造体1の裏面側からキャリアウェハー10を選択的に除去して、キャリアウェハー10に貫通孔71aを形成する。
【0106】
次に、例えばCVD法により、貫通孔71aの内壁面にSiO等の絶縁膜73aを形成し、当該内壁面の全体を覆う。
【0107】
次に、例えばCVD法により、キャリアウェハー10の裏面からWを堆積させてから、CMP法によりキャリアウェハー10の裏面のW膜を選択的に除去し、もって貫通孔71aの内部にW膜を残して導電体73aとする。導電体73aは、対応する集積回路領域Cの表面側の導電領域あるいは配線膜の露出面に接触している。
【0108】
以上のようにして、キャリアウェハー10とウェハー片21を貫通して対応する集積回路領域Cに電気的に接続された埋込電極70aが形成される。その後、埋込電極70aに電気的に接続された外部電極を公知の方法によって形成すれば、パッケージング処理は完了である。最後に、ウェハー片21のダイシングライン28と29に沿ってキャリアウェハー10とウェハー片21を一緒にダイシングすれば、集積回路領域C毎にチップ状の集積回路装置が得られる。
【0109】
(他の実施形態)
上述した第1〜第3の実施形態は本発明を具体化した例を示すものである。したがって、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を外れることなく種々の変形が可能であることは言うまでもない。
【0110】
例えば、上述した実施形態では、第1半導体基板(ウェハー片)としてキャリア基板(キャリアウェハー)の1/4切断片を使用しているが、本発明はこれに限定されない。第1半導体基板(ウェハー片)は、キャリア基板より大きい平面形状を有する第2半導体基板の一部であればよく、第2半導体基板の1/2切断片であってもよい。また、ウェハー状の第2半導体基板をそのオリエンテーションフラットに平行な2本以上の切断線で切断した切断片の一つでもよいし、そのオリエンテーションフラットに直交する2本以上の切断線で切断した切断片の一つでもよいし、そのオリエンテーションフラットに平行な切断線27と同オリエンテーションフラットに直交する切断線26と他の1本以上の切断線で切断した切断片の一つでもよい。このように切断の態様は必要に応じて任意に選択できる。
【0111】
また、上述した実施形態では、直径12インチ(約30cm)の第2半導体基板を切断して直径8インチの(約20cm)のウェハー用に設計された既存の製造設備でその後処理を行うようにしているが、本発明はこれに限定されない。第1半導体基板(ウェハー片)は、キャリア基板(キャリアウェハー)より大きい平面形状を有する第2半導体基板の一部であれば、必要に応じて任意に変更できる。例えば、直径8インチの第2半導体基板を切断して直径6インチ(約15cm)のウェハー用に設計された既存の製造設備でその後処理を行うようにしてもよい。
【0112】
また、上述した実施形態では、加工用半導体ウェハーとして単結晶シリコンのウェハ−を使用しているが、GaAs等の化合物半導体のウェハーを使用してもよい。この場合は、キャリア基板(キャリアウェハー)上に接合される第1半導体基板(ウェハー片)はそれと同じ化合物半導体製となる。また、キャリア基板(キャリアウェハー)は、第1半導体基板(ウェハー片)と同じ化合物半導体製のウェハー(単結晶または多結晶)を使用し、充填材層も同じ化合物半導体の粉末を充填して層状に硬化させたものを使用するのが好ましい。なお、充填材層は、当該化合物半導体と同等の熱膨張係数を持つガラス粉末により形成したものでもよい。
【0113】
ウェハー構造体に対してパッケージングを施す工程やそれらの工程を実施する方法も任意に変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】(a)は本発明の第1実施形態に係るウェハー構造体の平面図、(b)はその正面図、(c)は(a)のA−A線に沿った断面図である。
【図2】図1のウェハー構造体に使用される加工用半導体ウェハーの一例を示す平面図である。
【図3】(a)は本発明の第1実施形態に係るウェハー構造体の製造方法を工程毎に示す平面図、(b)は(a)のB−B線に沿った断面図である。
【図4】(a)は本発明の第1実施形態に係るウェハー構造体の製造方法を工程毎に示す平面図、(b)は(a)のC−C線に沿った断面図で、図3の続きである。
【図5】(a)は本発明の第1実施形態に係るウェハー構造体の製造方法を工程毎に示す平面図、(b)は(a)のD−D線に沿った断面図で、図4の続きである。
【図6】(a)は本発明の第1実施形態に係るウェハー構造体の製造方法を工程毎に示す平面図、(b)は(a)のE−E線に沿った断面図で、図5の続きである。
【図7】本発明の第1実施形態に係るウェハー構造体にそのウェハー片として使用された加工用半導体ウェハーにおいて、集積回路領域の配置の一例を示す説明図である。
【図8】(a)は本発明の第2実施形態に係るウェハー構造体の平面図、(b)はその正面図、(c)は(a)のA−A線に沿った断面図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係るウェハー構造体を用いて、多数の集積回路領域が内部に形成されたウェハー片に対して、それより小さいシリコンウェハー用に設計された製造設備を用いて各集積回路領域用のチップサイズパッケージを形成する場合の一例を示す、図1(a)のA−A線に沿った部分拡大断面図である。
【図10】本発明の第3実施形態に係るウェハー構造体を示す、図9と同様の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
【0115】
1、1A、1B ウェハー構造体
10、10a キャリアウェハー
10’ キャリアウェハーの半導体部
11 キャリアウェハーのオリエンテーションフラット
12 絶縁膜
20 加工用半導体ウェハー
21、21、23、24 ウェハー片
21a ウェハー片の表面
21b ウェハー片の直線部
21c ウェハー片の角部
21d ウェハー片の湾曲部
21e ウェハー片の裏面
25 ウェハー片のオリエンテーションフラット
26、27 切断線
28、29 ダイシングライン
30 充填材層
30a 充填材層の表面
31 充填材粉末
31a 充填材材粉末の表面
40 成形型
41 成形空間
42 成形型の上端
50 支持基板
60 研磨具
70、70a 埋込電極
71、71a 貫通孔
72 貫通孔
73、73a 絶縁膜
74、74a 導電体
C 集積回路領域
T チップ領域間の間隙(ストリート)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェハー状のキャリア基板と、
前記キャリア基板の一つの主平面に接合された、前記キャリア基板より小さい平面形状を有する第1半導体基板と、
前記キャリア基板上において前記第1半導体基板の周囲に存在する空間を埋め込む充填材層とを備え、
前記第1半導体基板は、前記キャリア基板より大きい平面形状を有する第2半導体基板の一部であり、
前記第1半導体基板は、その全体が前記キャリア基板の周縁より内側に配置されており、
前記充填材層の平面形状は前記キャリア基板の外形と略同一に形成されていると共に、前記充填材層の厚さは前記第1半導体基板の厚さと略同一とされていて、前記第1半導体基板の表面は前記充填材層から露出しており、
前記キャリア基板および前記充填材層は、前記第1半導体基板と同等の熱膨張係数を有していることを特徴とするウェハー構造体。
【請求項2】
前記第1半導体基板が、内部に集積回路が形成された前記第2半導体基板の切断片である請求項1に記載のウェハー構造体。
【請求項3】
前記キャリア基板が、前記第1半導体基板と同じ単結晶または多結晶の半導体基板である請求項1または2に記載のウェハー構造体。
【請求項4】
前記充填材層として前記第1半導体基板と同じ半導体の層が使用されている請求項2または3に記載のウェハー構造体。
【請求項5】
前記充填材層として前記第1半導体基板と同等の熱膨張係数を有するガラスの層が使用されている請求項2または3に記載のウェハー構造体。
【請求項6】
前記第1半導体基板が単結晶シリコンから形成され、前記キャリア基板が単結晶シリコンまたは多結晶シリコンから形成されている請求項1に記載のウェハー構造体。
【請求項7】
前記充填材層としてシリコン層が使用されている請求項6に記載のウェハー構造体。
【請求項8】
前記充填材層としてシリコンと同等の熱膨張係数を有するガラスの層が使用されている請求項6に記載のウェハー構造体。
【請求項9】
前記第1半導体基板が化合物半導体から形成され、前記キャリア基板が前記第1半導体基板と同じ単結晶または多結晶の化合物半導体基板から形成されている請求項1に記載のウェハー構造体。
【請求項10】
前記充填材層として前記第1半導体基板と同じ化合物半導体の層が使用されている請求項9に記載のウェハー構造体。
【請求項11】
前記充填材層として前記第1半導体基板と同等の熱膨張係数を有するガラスの層が使用されている請求項9に記載のウェハー構造体。
【請求項12】
前記キャリア基板が、前記第1半導体基板と同等の加工性を有している請求項1、2、4または5に記載のウェハー構造体。
【請求項13】
ウェハー状のキャリア基板の一つの主平面に、前記キャリア基板より小さい平面形状を有する第1半導体基板をその全体が前記キャリア基板の周縁より内側に配置されるように接合する工程と、
前記キャリア基板上において前記第1半導体基板の周囲に存在する空間に充填材を埋め込むことによって、平面形状が前記キャリア基板の外形と略同一であると共に、厚さが前記第1半導体基板の厚さと略同一である充填材層を形成する工程とを備え、
前記充填材層は、前記第1半導体基板の表面が前記充填材層から露出するように形成されており、
前記キャリア基板および前記充填材層は、前記第1半導体基板と同等の熱膨張係数を有していることを特徴とするウェハー構造体の製造方法。
【請求項14】
前記第1半導体基板として、内部に集積回路が形成された前記第2半導体基板の切断片が使用される請求項13に記載のウェハー構造体の製造方法。
【請求項15】
前記キャリア基板上に前記第1半導体基板を接合する工程が、陽極接合法を使用して行われる請求項13または14に記載のウェハー構造体の製造方法。
【請求項16】
前記充填材層を形成する工程が、
一面に前記第1半導体基板が固着せしめられた前記キャリア基板を成形型の内部に配置する工程と、
成形型の内部において前記キャリア基板上の前記第1半導体基板の周囲に形成された成形空間に、前記充填材の粉末を充填して固化させる工程と
を含んでいる請求項13〜15のいずれか1項に記載のウェハー構造体の製造方法。
【請求項17】
前記第1半導体基板の表面を前記充填材層から露出させるために、前記第1半導体基板の表面を覆う前記充填材層を研磨あるいはエッチングする工程をさらに有している請求項16に記載のウェハー構造体の製造方法。
【請求項18】
前記充填材の粉末として、前記第1半導体基板と同じ半導体の粉末が使用される請求項16または17に記載のウェハー構造体の製造方法。
【請求項19】
前記第1半導体基板として単結晶シリコン基板が使用され、前記キャリア基板として単結晶または多結晶のシリコン基板が使用される請求項13〜18のいずれか1項に記載のウェハー構造体の製造方法。
【請求項20】
前記充填材層としてシリコン層が使用される請求項19に記載のウェハー構造体の製造方法。
【請求項21】
前記充填材層としてシリコンと同等の熱膨張係数を有するガラスの層が使用される請求項19に記載のウェハー構造体の製造方法。
【請求項22】
前記第1半導体基板として化合物半導体基板が使用され、前記キャリア基板として前記第1半導体基板と同じ単結晶または多結晶の化合物半導体基板が使用される請求項13〜18のいずれか1項に記載のウェハー構造体の製造方法。
【請求項23】
前記充填材層として前記第1半導体基板と同じ化合物半導体の層が使用される請求項22に記載のウェハー構造体の製造方法。
【請求項24】
前記充填材層として前記第1半導体基板と同等の熱膨張係数を有するガラスの層が使用される請求項22に記載のウェハー構造体の製造方法。
【請求項25】
前記第1半導体基板が、ステルス・ダイシング技術を用いて前記第1半導体基板より大きい平面形状を有する第2半導体基板を切断することによって形成される請求項13〜22のいずれか1項に記載のウェハー構造体の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−235723(P2008−235723A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−75678(P2007−75678)
【出願日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【出願人】(503456832)株式会社ザイキューブ (36)
【Fターム(参考)】