ウェーハアーク放電を低減する方法
【課題】エッチングプロセス中にウェーハの損傷を低減する方法を開示する。
【解決手段】多数の実施形態の一つにおいて、方法は、少なくとも一つのエッチングプロセスのそれぞれにバイアス電圧を割り当てるステップと、少なくとも一つのエッチングプロセスの一つの開始前に、割り当てバイアス電圧を生成するステップとを含む。方法は、更に、少なくとも一つのエッチングプロセスの一つの開始前に、割り当てバイアス電圧を静電チャックに印加するステップを含む。割り当てバイアス電圧レベルは、ウェーハアーク放電を低減する。
【解決手段】多数の実施形態の一つにおいて、方法は、少なくとも一つのエッチングプロセスのそれぞれにバイアス電圧を割り当てるステップと、少なくとも一つのエッチングプロセスの一つの開始前に、割り当てバイアス電圧を生成するステップとを含む。方法は、更に、少なくとも一つのエッチングプロセスの一つの開始前に、割り当てバイアス電圧を静電チャックに印加するステップを含む。割り当てバイアス電圧レベルは、ウェーハアーク放電を低減する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェーハ処理方法に関し、特に、効率的で費用効果の高いウェーハのエッチング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現代のマイクロチップ設計は、これまで以上に複雑なチップ構造と、単一チップに対する処理ステップ数の増加とに向かう傾向を示してきた。特に、互いの頂面上に積層化される相互接続金属層の数は、これまでに継続的に増加してきた。これにより、プラズマ処理ステップ数と、各ウェーハが処理中に被る熱及び電気的ストレスの量も、同様に増加してきた。こうしたチップ製造における複雑化の増加の結果として、デバイスの破壊、デバイスの破壊に伴う生産ウェーハにおける歩留まりの損失につながる、プラズマにより誘発される損傷が、更に頻繁に発生する恐れがある。
【0003】
代表的なウェーハエッチング工程において、ウェーハは、ウェーハエッチング工程中に移動しないように、静電チャック(ESC)によって固定される。従来技術の工程では、通常、高電圧がESCの電極に印加される。印加電圧に反応して生じた静電場は、ウェーハとESCとの間に引力を発生させる。しかしながら、プラズマが点火されるとすぐに、ウェーハ電位は、一般に、数十回のRFサイクルのうちに、チャンバ壁に対して負の値にされる。更に、RF電力レベルがエッチングプロセス中に変化した時、ウェーハ電位は、変化した値にされ、通常は、RF電力の変化にほぼ同期する。両極とウェーハとの間の電圧平衡を乱さないために、通常、ESC電源によって管理される自動バイアス補正が利用されている。この補正方法では、両ESC極電流を均等にすることで、二つの極電圧の中間点を、ウェーハ表面と同じ電位にさせる。しかしながら、ESC電源の供給速度は遅く、例えばプラズマ点火中に発生するようなウェーハ表面での高速な電圧変化についていけないため、ウェーハにおけるアーク放電をもたらし得る。
【0004】
図1Aは、エッチングプロセス中に発生し得るアーク放電事象によって損傷を受けるシリコンウェーハ12を図示している。この例では、エッチングプロセス中、電子による衝撃を受けているウェーハの上面に、表面電位(例えば、−1000V)が生成されている。一方、シリコンウェーハ12の基板には、基板電位(例えば、0V)が存在する。したがって、誘電性のウェーハ表面の最上部とウェーハ基板との間の電位差により、ウェーハ12の誘電体に埋め込まれた金属構造は、表面対基板の電圧降下に対する差動分圧器を構築することから、こうした金属構造間でアーク放電14が発生する可能性がある。ウェーハの誘電体内の近接する金属構造間の電圧差がその誘電体の電気的破壊強度を上回ると、アーク放電が発生し、誘電層内の構造の損傷又は破壊につながる。殆どの場合は、たとえウェーハ上で僅か一つのダイのみがアーク放電の影響を受けたとしても、これによりウェーハは使用不可となる。結果として、こうした事象の発生を許す場合、ウェーハの歩留まりは低下し、ウェーハ生産コストは増加する。
【0005】
図1Bは、プラズマ点火中のリアルタイムの表面電位42を表すグラフ40を示している。グラフ40は、安定状態の表面電位48と、エッチングプロセス中に発生するような、ESC電源のバイアス補正回路によって駆動される初期基板電位44とを図示している。グラフ40は、表面電位42を時間の経過と共に図示している。早い時点での表面電位42の傾斜は、極めて急勾配であるため、表面電位42は、安定状態の表面電位48まで素早く増加する。そのため、非常に大きな電圧差46が、表面電位42と初期基板電位44との間で、極めて素早く発生し得る。残念なことに、この状況において、表面電位42の増加は、ESC電源の補正回路にとって速すぎる。そのため、表面電位の増加に適時に反応して、基板電位を調整することができない。そのため、図1Aを参照して説明したようなウェーハアーク放電が発生し、これにより、ウェーハが損傷を受け、ウェーハ生産の歩留まり及び効率が低下する恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、任意の適切なエッチングプロセスにおいて、利用されるバイアス電圧がウェーハアーク放電を低減できるように、様々なウェーハエッチングステージ及びプロセスに対応する様々なバイアス電圧を使用することで従来技術の問題を克服する方法に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
大まかに言って、本発明は、ウェーハエッチング工程においてウェーハアーク放電を低減する方法を提供することで、こうした必要性を満たす。本発明は、プロセス、装置、システム、デバイス、又は方法を含む多数の方法で実施できる。本発明のいくつかの発明実施形態について、以下で説明する。
【0008】
一実施形態では、エッチングプロセス中にウェーハの損傷を低減する方法が提供される。多数の実施形態の一つにおいて、方法は、少なくとも一つのエッチングプロセスのそれぞれにバイアス電圧を割り当て、少なくとも一つのエッチングプロセスの一つの開始前に、割り当てバイアス電圧を生成することを含む。方法は、更に、少なくとも一つのエッチングプロセスの一つの開始前に、割り当てバイアス電圧を静電チャックに印加することを含む。割り当てられたバイアス電圧レベルは、ウェーハアーク放電を低減する。
【0009】
更に別の実施形態では、エッチングプロセス中にウェーハの損傷を低減する方法が提供される。方法は、少なくとも一つのエッチングプロセスのそれぞれが少なくとも一つのバイアス電圧に対応しており、少なくとも一つのバイアス電圧と少なくとも一つのエッチングプロセスとの間の関連性を含むレシピバイアステーブルを生成することを含む。方法は、更に、実行されるエッチングプロセスを決定し、レシピテーブル内の関連性を使用することで、エッチングプロセスを対応するバイアス電圧に一致させることを含む。方法は、更に、エッチングプロセスに対応する、少なくとも一つのバイアス電圧の一つを生成することを含む。方法は、更に、エッチングプロセスの開始前に、少なくとも一つのバイアス電圧の一つを静電チャック(ESC)に印加することを含む。少なくとも一つのバイアス電圧の一つは、エッチングプロセス中、ウェーハにおけるアーク放電を低減する。
【0010】
更に別の実施形態において、エッチングプロセス中にウェーハの損傷を低減するためにバイアス電圧を決定する方法が提供される。この実施形態において、方法は、実行されるエッチングプロセスを決定することを含む。方法は、更に、少なくとも一つのエッチングプロセスのそれぞれが少なくとも一つのバイアス電圧に対応しており、少なくとも一つのバイアス電圧と少なくとも一つのエッチングプロセスとの間の関連性を含むレシピテーブル内の関連性を使用することで、エッチングプロセスを対応するバイアス電圧に一致させることを含む。
【0011】
別の実施形態では、バイアス電圧設定回路が、ウェーハアーク放電を低減するために電圧バイアス発生器がエッチング中に静電チャック(ESC)に印加するバイアス電圧を決定する場合に、ウェーハの損傷を低減するためにバイアス電圧を決定するプログラム命令を有するコンピュータ読み取り可能な媒体が提供される。コンピュータ読み取り可能な媒体は、実行されるエッチングプロセスを決定するプログラム命令を含む。コンピュータ読み取り可能な媒体は、更に、少なくとも一つのバイアス電圧と少なくとも一つのエッチングプロセスとの間の関連性を含み、少なくとも一つのエッチングプロセスのそれぞれが少なくとも一つのバイアス電圧に対応するレシピテーブル内の関連性を使用することで、エッチングプロセスを対応するバイアス電圧に一致させるプログラム命令を含む。
【0012】
本発明の利点は数多く存在する。最も顕著なものとして、静電チャック(ESC)に印加するバイアス電圧を様々なウェーハエッチングプロセスに関連付ける方法を作成することで、バイアス電圧は、特定の各エッチングステージの前に、特定のバイアス電圧へ理知的に設定し得る。この方法によれば、ウェーハの表面と基板との間で様々な電圧ポテンシャルを生成する可能性のある各エッチングプロセスを補正することが可能であり、これにより、ウェーハアーク放電が低減される。したがって、ESCに印加されるバイアス電圧を調整し、特定の各エッチングプロセスステップに合わせることで、ウェーハアーク放電は、効果的な形で低減できる。したがって、有利なことに、この方法は、多数のエッチング化学反応及びエッチングチャンバ条件の使用を可能にし、アーク放電の問題なしで、様々なエッチング工程を使用できるようにする。この結果として、更に制御されたエッチングプロセスが生じ得る。追加として、ウェーハの損傷を劇的に低減できることから、ウェーハの歩留まりの損失が低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明のその他の態様及び利点は、本発明の原理を例として示す添付図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかとなろう。
【図1A】エッチングプロセス中に発生し得るアーク放電によって損傷を受けるシリコンウェーハを示す図
【図1B】プラズマ点火中のリアルタイムの表面電位を図示するグラフを示す図
【図2】本発明の一実施形態による、レシピバイアステーブルを使用した電圧バイアス制御を備えたエッチングチャンバを示す図
【図3】本発明の一実施形態による、レシピ設定信号を生成する方法を例示する図
【図4】本発明の一実施形態による、レシピ設定信号を生成する方法を示すフローチャート
【図5】本発明の一実施形態による、レシピ設定信号の生成を定義するフローチャート
【図6】本発明の一実施形態による、バイアス電圧を設定する回路を例示する図
【図7】本発明の一実施形態による、バイアス電圧を設定する追加回路を示す図
【図8】本発明の一実施形態による、バイアス電圧を生成する回路を示す図
【図9】本発明の一実施形態による、バイアス電圧を生成する更なる回路を例示する図
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、添付図面と併せて、以下の詳細な説明によって容易に理解されよう。この説明を容易にするために、同様の参照符号は同様の構成要素を示す。
【0015】
エッチング操作およびその他の操作、例えば、堆積操作の間に、あるいは、プラズマがウェーハと相互作用し、バイアス補正が必要となるプロセスが存在する際に常に、ウェーハアーク放電を理知的に低減する方法についての発明を開示する。以下の説明では、本発明の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細について述べる。しかしながら、こうした具体的な詳細の一部又全部なしに本発明を実施し得ることは、当業者によって理解されるであろう。別の事例では、本発明を不必要に曖昧にしないために、周知の処理工程については詳細に説明していない。
【0016】
一般的に言えば、本発明は、ウェーハの構造間、構造と基板との間、或いは構造とプラズマとの間におけるアーク放電の飛躍的な低減と共に、エッチングプロセスを利用し得る方法に対するものである。これは、個別の各エッチングプロセスのためにバイアス電圧を提供することで達成し得る。個別の各エッチングプロセスは、異なるバイアス電圧ポテンシャルの可能性を形成し得るため、静電チャック(ESC)に印加するバイアス電圧を、対応する様々なウェーハエッチングプロセスと関連付けることにより、バイアス電圧は、特定の各エッチング段階の前に、特定のバイアス電圧に理知的に設定し得る。このようにして、ウェーハの表面と基板との間における電圧差の大きさを低減することが可能であり、これにより、ウェーハアーク放電の発生を低減又は除去し得る。こうした方法を使用することで、ウェーハ処理工程は、ウェーハに対する損傷の少ないものとなり、これにより、ウェーハ内の構造に損傷を与える可能性のあるアーク放電の発生が低減又は除去されるため、ウェーハの生産において高い歩留まりを生み出し得る。
【0017】
図2は、本発明の一実施形態による、レシピバイアステーブル128を用いる電圧バイアス制御を伴うエッチングチャンバ100を示す。この実施形態において、エッチングチャンバ100は、チャンバ100内部でプラズマを生成するために、電源電極112と接地電極102とを含む。チャンバ100は、更に、高周波(RF)発生器118を含む。RF電力は、当業者に公知のメカニズムによってエッチング工程用のプラズマ104を発生させる。当該技術分野において周知であるように、エッチング工程に応じて、様々な「レシピ」を利用してもよい。本明細書で説明する装置及び方法は、ウェーハ106に損傷を与え得るアーク放電を低減するために、任意の適切なレシピ及び任意の適切なレシピ数と共に用いられ得る。
【0018】
エッチングチャンバ100は、更に、静電チャック(ESC)108を含み、静電チャック108は、一実施形態において、層109と、電極110、111と、RF電源電極112とを含み、エッチング工程中にウェーハ106を所定の位置に保持し得る。ESC108内には、電極110及び111が存在する。電極110及び111は、それぞれ電圧線114及び116を介して、バイアス電圧発生器120に接続される。ESC108は、基部112の上に配置される。一実施形態において、ESC108の層109は、漏洩性の誘電体で作成されるため、電極110及び111は電気的に半分離状態となり、これにより、クランプ及びバイアス電圧が線114及び116に印加された時、漏洩性のキャパシタを発生させる。半絶縁材料は、電極を互いに半絶縁し、電極間及び基板に対する電圧降下を維持し得る任意の適切な材料であってもよい。一実施形態において、半絶縁材料は、任意の適切なタイプのDC半絶縁セラミックであってもよい。電源RF電極は、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼といった、任意の適切な材料でよい。
【0019】
一実施形態において、バイアス電圧のレベル(バイアス電圧レベルとしても知られる)は、レシピバイアステーブル128によって決定される。レシピバイアステーブル128は、少なくとも一つの電圧レベルと少なくとも一つのエッチングプロセスとの間の関連性を含む。したがって、特定のエッチングプロセスは、特定のバイアス電圧レベルに対応する。加えて、特定のバイアス電圧は、複数のエッチングプロセスに対応してもよい。実際には、レシピバイアステーブル128に含まれるエッチングプロセスのそれぞれは、エッチングプロセスのそれぞれにおいて、ウェーハアーク放電を低減するために、線114及び116を介してESC108に印加される電圧を制御する対応バイアス電圧レベルを含む。
【0020】
エッチングプロセスのそれぞれは、利用される特定の「レシピ」を有する。本明細書で説明する方法は、任意のタイプのレシピで使用してよいと理解されたい。レシピは、エッチングが行われる一組の条件である。例えば、特定のエッチングレシピは、特定の圧力、化学反応、電力レベル、その他の使用を含むことができる。そのため、エッチングプロセスに応じて、更にしたがってレシピに応じて、ウェーハ表面とウェーハ基板との間には、様々な電圧差が存在し得る。結果として、特定のエッチング工程のために特定のバイアス電圧を利用してよく、これにより、バイアス電圧を特定のエッチング工程に合わせて、ウェーハアーク放電を低減する。様々なバイアス電圧を、エッチングプロセスで使用する様々なレシピに割り当ててよい。レシピバイアステーブル128は、ソフトウェア又はハードウェアのいずれかの態様にて実施され得る。したがって、対応するエッチングプロセスのための特定のバイアス電圧レベルは、ウェーハエッチングプロセスを最適化するように計算し得る。
【0021】
特定のエッチングプロセスのためのバイアス電圧レベルの決定後、レシピ設定信号が、バイアス電圧設定回路に送られる。バイアス電圧設定回路124は、バイアス電圧を生成するためにバイアス電圧発生器120を管理する。一実施形態において、バイアス電圧設定回路124は、デジタルレシピ設定信号をアナログ電圧に変換するために、デジタル−アナログコンバータを含んでよい。
【0022】
図3は、本発明の一実施形態による、レシピ設定信号を生成する方法を例示する。一実施形態において、バイアス電圧設定コード212は、レシピバイアステーブル128と特定のエッチング工程において利用されるプロセスとを受領する。一実施形態において、特定のエッチング工程は、ステージ1 202と、ステージ2 204と、ステージ3 306と、ステージ4 208とを含む。一実施形態において、ステージ1はプロセス1を利用し、ステージ2はプロセス3を利用し、ステージ3はプロセス1を利用し、ステージ4はプロセス2及びプロセス1を利用する。本明細書で説明する、ウェーハアーク放電を低減又は除去するために電圧バイアスを設定する方法は、任意の適切なタイプのエッチング工程数と共に用いられ得る。加えて、本明細書で説明する、ウェーハアーク放電を低減する方法は、任意の適切な数又はタイプのプロセスを有し得る任意の適切なエッチング工程と共に用いられてもよい。
【0023】
バイアス電圧設定コード212は、ステージ202、204、206、及び208のそれぞれを調べ、どのプロセスが各ステージにおいて使用されるかを決定する。その後、レシピバイアステーブル128を使用することで、バイアス電圧設定コード212は、プロセスのそれぞれと、対応するバイアス電圧レベルとを一致させ得る。したがって、全てのプロセスに対して、対応するバイアス電圧レベルが特定され、実行されたプロセスのそれぞれに対して、正しいバイアス電圧レベルが利用されるように、一組の電圧216が生成される。そのため、一組の電圧216は、レシピ設定信号126に組み込まれ、図2を参照して説明したようなバイアス設定回路へ送られる。
【0024】
図4は、本発明の一実施形態による、レシピ設定信号を生成する方法を示すフローチャート300である。フローチャート300は、一実施形態において図3を参照して説明したようなレシピ設定信号126であるレシピ設定信号を生成するステップ302で開始される。一実施形態において、ステップ302は、図3を参照して上で説明したようなバイアス電圧設定コード312である。レシピ設定信号は、ウェーハエッチング工程の(複数の)ステージを形成するプロセスに対応する一組の電圧を含む。この方法はウェーハ表面電位とウェーハ基板電位との間の電圧差を低減するため、プロセスのそれぞれに対する特定のバイアス電圧を有することで、アーク放電を発生させるおそれのある各プロセスに対して、適切な電圧レベルを利用し得る。一実施形態において、レシピバイアステーブルは、特定のエッチングプロセスの特定のステージ(群)で使用され、それぞれがバイアス電圧に関連付けられた少なくとも一つのプロセスを含む。これにより、特定のプロセスは、バイアス電圧がESCに印加された時にウェーハアーク放電を低減又は除去可能な特定のバイアス電圧に対応する。
【0025】
ステップ302の後、方法は、電極をエッチングプロセスに対応するバイアス電圧に設定するステップ304へ進む。一実施形態では、図2を参照して説明したような電極110及び111を、エッチングチャンバで実行されるエッチングプロセスに対応する電圧レベルに設定してよい。利用される電圧レベルは、レシピ設定信号が示すように事前に定められ、ウェーハがESCに取り付けられ、アーク放電が低減又は除去されるようになる。結果として、ウェーハ表面電位に近づくように基板電位を調整する様々な電圧バイアスレベルが、ウェーハエッチング工程で使用される各プロセスにおいて利用され得る。
【0026】
ステップ306では、エッチングプロセスを実行する。一実施形態において、バイアス電圧がエッチングプロセスに対して設定されると、エッチングプロセスは、ウェーハアーク放電の問題なしに進行し得る。この状態が生じ得るのは、バイアス電圧が、ウェーハ表面とウェーハ基板との間の電圧差を低減するためである。例えば、低誘電率誘電体、無機誘電体、その他のエッチングといった、任意の適切なタイプのエッチング又は堆積プロセスを実行してよいと理解されたい。
【0027】
ステップ306の後、方法は、更なるエッチングプロセスが実施されるかを判断するステップ308へ移動する。追加のエッチングプロセスが実施される場合、方法は、ステップ304、306、及び308を繰り返す。更なるエッチングプロセスが存在しない場合、方法は終了する。
【0028】
図5は、本発明の一実施形態による、レシピ設定信号の生成を定義するフローチャート302を示す。フローチャート302は、レシピバイアステーブルを生成するステップ402で開始される。一実施形態において、ステップ402は、エッチングプロセスのそれぞれと特定のバイアス電圧との間に関連性を形成することを含み、特定のバイアス電圧は、事前に試験され、ウェーハアークを低減するバイアス補正電圧となることが分かっている。プロセスを対応するバイアス補正電圧に関連付け、データを格納することで、関連性を使用して、任意の適切なエッチングプロセス又は任意のエッチングプロセスグループのために、適切なバイアス補正電圧を決定し得る。
【0029】
ステップ402の後、方法は、どのエッチングプロセス(群)が使用されるかを決定するステップ404へ進む。実行されるべきエッチングプロセスは、任意の適切な方法で格納又は入力できる。一実施形態において、プロセスは、記憶装置内に配置され、図3を参照して上で説明したように、バイアス電圧設定コード212によって取り出される。バイアス電圧コードは、任意の適切なタイプの記憶装置からプロセスを取得できる。
【0030】
次に、ステップ406において、エッチングプロセス(群)を、レシピバイアステーブルに含まれる対応バイアス電圧(群)に一致させる。一実施形態において、エッチングステージは、エッチング工程において使用される一ステージである。任意のエッチング工程において、少なくとも一つのプロセスをそれぞれ有する一つ以上のエッチングステージが存在してよいと理解されたい。プロセスのそれぞれは、異なるウェーハ表面及びウェーハ基板電位を生成し得る特定のレシピを使用する。したがって、特定のバイアス電圧レベルを特定のプロセスに利用することで、ウェーハアーク放電を回避し得る。
【0031】
ステップ406の後、方法は、エッチングプロセス(群)のそれぞれに対する対応バイアス電圧をレシピ設定信号に含めるステップ408へ進む。一実施形態において、エッチングステージのそれぞれに含まれる各エッチングプロセスについて、電圧バイアスレベルが決定されると、このデータは、図3を参照して上述したように、バイアス電圧発生器120を管理するためにデータを利用し得るバイアス電圧設定回路に対して設定されるレシピ設定信号に組み込まれる。
【0032】
図6〜図9は、バイアス電圧を設定及び生成するために利用し得る例示的な回路を示している。下記の回路は、単なる例示的な性質のものであり、本明細書で説明したような本発明の方法が利用される限り、任意の適切なタイプのハードウェア又はソフトウェアを作成してよいと理解されたい。
【0033】
図6は、本発明の一実施形態による、バイアス電圧を設定する回路500を例示する。一実施形態において、回路500は、(ソフトウェアからの)外部バイアス制御を可能にするピン1〜14を含む。ピン8は、バイアス電圧値のためのバイアス電圧設定点入力にしてよい。この値は、ソフトウェアに由来し、デジタル/アナログコンバータ(DAC)を介したものにしてよい。
【0034】
図7は、本発明の一実施形態による、バイアス電圧を設定する追加回路600を図示する。一実施形態において、回路600は、図6を参照して説明したような回路500から、外部バイアス電圧設定点を受領して、バイアス電圧設定点を生成するように構成される。一実施形態において、外部バイアス電圧設定点は、例えば、一実施形態において図3を参照して上で説明したもののようなバイアス設定コード等のソフトウェアに由来する。
【0035】
図8は、本発明の一実施形態による、バイアス電圧を生成する回路700を図示する。一実施形態において、回路700は、図7を参照して説明したような回路600からバイアス設定点の入力を受領し、二重バイアス駆動値を生成するように構成される。
【0036】
図9は、本発明の一実施形態による、バイアス電圧を生成する更なる回路800を例示する。一実施形態において、回路800は、図8を参照して説明したような回路700から受領した二重バイアス駆動入力を使用して、一実施形態において図2を参照して説明したような線110及び111に対するバイアス電圧を生成するように構成される。
【0037】
以上、本発明についていくつかの好適な実施形態の観点から説明してきたが、上の明細書を読み且つ図面を検討することでその様々な変形例、追加例、置換例、及び等価物を当業者が実現し得ることは理解されよう。したがって、本発明は、本発明の本来の趣旨及び範囲に含まれるこうした全ての変形例、追加例、置換例、及び等価物を包含するものである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェーハ処理方法に関し、特に、効率的で費用効果の高いウェーハのエッチング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現代のマイクロチップ設計は、これまで以上に複雑なチップ構造と、単一チップに対する処理ステップ数の増加とに向かう傾向を示してきた。特に、互いの頂面上に積層化される相互接続金属層の数は、これまでに継続的に増加してきた。これにより、プラズマ処理ステップ数と、各ウェーハが処理中に被る熱及び電気的ストレスの量も、同様に増加してきた。こうしたチップ製造における複雑化の増加の結果として、デバイスの破壊、デバイスの破壊に伴う生産ウェーハにおける歩留まりの損失につながる、プラズマにより誘発される損傷が、更に頻繁に発生する恐れがある。
【0003】
代表的なウェーハエッチング工程において、ウェーハは、ウェーハエッチング工程中に移動しないように、静電チャック(ESC)によって固定される。従来技術の工程では、通常、高電圧がESCの電極に印加される。印加電圧に反応して生じた静電場は、ウェーハとESCとの間に引力を発生させる。しかしながら、プラズマが点火されるとすぐに、ウェーハ電位は、一般に、数十回のRFサイクルのうちに、チャンバ壁に対して負の値にされる。更に、RF電力レベルがエッチングプロセス中に変化した時、ウェーハ電位は、変化した値にされ、通常は、RF電力の変化にほぼ同期する。両極とウェーハとの間の電圧平衡を乱さないために、通常、ESC電源によって管理される自動バイアス補正が利用されている。この補正方法では、両ESC極電流を均等にすることで、二つの極電圧の中間点を、ウェーハ表面と同じ電位にさせる。しかしながら、ESC電源の供給速度は遅く、例えばプラズマ点火中に発生するようなウェーハ表面での高速な電圧変化についていけないため、ウェーハにおけるアーク放電をもたらし得る。
【0004】
図1Aは、エッチングプロセス中に発生し得るアーク放電事象によって損傷を受けるシリコンウェーハ12を図示している。この例では、エッチングプロセス中、電子による衝撃を受けているウェーハの上面に、表面電位(例えば、−1000V)が生成されている。一方、シリコンウェーハ12の基板には、基板電位(例えば、0V)が存在する。したがって、誘電性のウェーハ表面の最上部とウェーハ基板との間の電位差により、ウェーハ12の誘電体に埋め込まれた金属構造は、表面対基板の電圧降下に対する差動分圧器を構築することから、こうした金属構造間でアーク放電14が発生する可能性がある。ウェーハの誘電体内の近接する金属構造間の電圧差がその誘電体の電気的破壊強度を上回ると、アーク放電が発生し、誘電層内の構造の損傷又は破壊につながる。殆どの場合は、たとえウェーハ上で僅か一つのダイのみがアーク放電の影響を受けたとしても、これによりウェーハは使用不可となる。結果として、こうした事象の発生を許す場合、ウェーハの歩留まりは低下し、ウェーハ生産コストは増加する。
【0005】
図1Bは、プラズマ点火中のリアルタイムの表面電位42を表すグラフ40を示している。グラフ40は、安定状態の表面電位48と、エッチングプロセス中に発生するような、ESC電源のバイアス補正回路によって駆動される初期基板電位44とを図示している。グラフ40は、表面電位42を時間の経過と共に図示している。早い時点での表面電位42の傾斜は、極めて急勾配であるため、表面電位42は、安定状態の表面電位48まで素早く増加する。そのため、非常に大きな電圧差46が、表面電位42と初期基板電位44との間で、極めて素早く発生し得る。残念なことに、この状況において、表面電位42の増加は、ESC電源の補正回路にとって速すぎる。そのため、表面電位の増加に適時に反応して、基板電位を調整することができない。そのため、図1Aを参照して説明したようなウェーハアーク放電が発生し、これにより、ウェーハが損傷を受け、ウェーハ生産の歩留まり及び効率が低下する恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、任意の適切なエッチングプロセスにおいて、利用されるバイアス電圧がウェーハアーク放電を低減できるように、様々なウェーハエッチングステージ及びプロセスに対応する様々なバイアス電圧を使用することで従来技術の問題を克服する方法に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
大まかに言って、本発明は、ウェーハエッチング工程においてウェーハアーク放電を低減する方法を提供することで、こうした必要性を満たす。本発明は、プロセス、装置、システム、デバイス、又は方法を含む多数の方法で実施できる。本発明のいくつかの発明実施形態について、以下で説明する。
【0008】
一実施形態では、エッチングプロセス中にウェーハの損傷を低減する方法が提供される。多数の実施形態の一つにおいて、方法は、少なくとも一つのエッチングプロセスのそれぞれにバイアス電圧を割り当て、少なくとも一つのエッチングプロセスの一つの開始前に、割り当てバイアス電圧を生成することを含む。方法は、更に、少なくとも一つのエッチングプロセスの一つの開始前に、割り当てバイアス電圧を静電チャックに印加することを含む。割り当てられたバイアス電圧レベルは、ウェーハアーク放電を低減する。
【0009】
更に別の実施形態では、エッチングプロセス中にウェーハの損傷を低減する方法が提供される。方法は、少なくとも一つのエッチングプロセスのそれぞれが少なくとも一つのバイアス電圧に対応しており、少なくとも一つのバイアス電圧と少なくとも一つのエッチングプロセスとの間の関連性を含むレシピバイアステーブルを生成することを含む。方法は、更に、実行されるエッチングプロセスを決定し、レシピテーブル内の関連性を使用することで、エッチングプロセスを対応するバイアス電圧に一致させることを含む。方法は、更に、エッチングプロセスに対応する、少なくとも一つのバイアス電圧の一つを生成することを含む。方法は、更に、エッチングプロセスの開始前に、少なくとも一つのバイアス電圧の一つを静電チャック(ESC)に印加することを含む。少なくとも一つのバイアス電圧の一つは、エッチングプロセス中、ウェーハにおけるアーク放電を低減する。
【0010】
更に別の実施形態において、エッチングプロセス中にウェーハの損傷を低減するためにバイアス電圧を決定する方法が提供される。この実施形態において、方法は、実行されるエッチングプロセスを決定することを含む。方法は、更に、少なくとも一つのエッチングプロセスのそれぞれが少なくとも一つのバイアス電圧に対応しており、少なくとも一つのバイアス電圧と少なくとも一つのエッチングプロセスとの間の関連性を含むレシピテーブル内の関連性を使用することで、エッチングプロセスを対応するバイアス電圧に一致させることを含む。
【0011】
別の実施形態では、バイアス電圧設定回路が、ウェーハアーク放電を低減するために電圧バイアス発生器がエッチング中に静電チャック(ESC)に印加するバイアス電圧を決定する場合に、ウェーハの損傷を低減するためにバイアス電圧を決定するプログラム命令を有するコンピュータ読み取り可能な媒体が提供される。コンピュータ読み取り可能な媒体は、実行されるエッチングプロセスを決定するプログラム命令を含む。コンピュータ読み取り可能な媒体は、更に、少なくとも一つのバイアス電圧と少なくとも一つのエッチングプロセスとの間の関連性を含み、少なくとも一つのエッチングプロセスのそれぞれが少なくとも一つのバイアス電圧に対応するレシピテーブル内の関連性を使用することで、エッチングプロセスを対応するバイアス電圧に一致させるプログラム命令を含む。
【0012】
本発明の利点は数多く存在する。最も顕著なものとして、静電チャック(ESC)に印加するバイアス電圧を様々なウェーハエッチングプロセスに関連付ける方法を作成することで、バイアス電圧は、特定の各エッチングステージの前に、特定のバイアス電圧へ理知的に設定し得る。この方法によれば、ウェーハの表面と基板との間で様々な電圧ポテンシャルを生成する可能性のある各エッチングプロセスを補正することが可能であり、これにより、ウェーハアーク放電が低減される。したがって、ESCに印加されるバイアス電圧を調整し、特定の各エッチングプロセスステップに合わせることで、ウェーハアーク放電は、効果的な形で低減できる。したがって、有利なことに、この方法は、多数のエッチング化学反応及びエッチングチャンバ条件の使用を可能にし、アーク放電の問題なしで、様々なエッチング工程を使用できるようにする。この結果として、更に制御されたエッチングプロセスが生じ得る。追加として、ウェーハの損傷を劇的に低減できることから、ウェーハの歩留まりの損失が低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明のその他の態様及び利点は、本発明の原理を例として示す添付図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかとなろう。
【図1A】エッチングプロセス中に発生し得るアーク放電によって損傷を受けるシリコンウェーハを示す図
【図1B】プラズマ点火中のリアルタイムの表面電位を図示するグラフを示す図
【図2】本発明の一実施形態による、レシピバイアステーブルを使用した電圧バイアス制御を備えたエッチングチャンバを示す図
【図3】本発明の一実施形態による、レシピ設定信号を生成する方法を例示する図
【図4】本発明の一実施形態による、レシピ設定信号を生成する方法を示すフローチャート
【図5】本発明の一実施形態による、レシピ設定信号の生成を定義するフローチャート
【図6】本発明の一実施形態による、バイアス電圧を設定する回路を例示する図
【図7】本発明の一実施形態による、バイアス電圧を設定する追加回路を示す図
【図8】本発明の一実施形態による、バイアス電圧を生成する回路を示す図
【図9】本発明の一実施形態による、バイアス電圧を生成する更なる回路を例示する図
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、添付図面と併せて、以下の詳細な説明によって容易に理解されよう。この説明を容易にするために、同様の参照符号は同様の構成要素を示す。
【0015】
エッチング操作およびその他の操作、例えば、堆積操作の間に、あるいは、プラズマがウェーハと相互作用し、バイアス補正が必要となるプロセスが存在する際に常に、ウェーハアーク放電を理知的に低減する方法についての発明を開示する。以下の説明では、本発明の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細について述べる。しかしながら、こうした具体的な詳細の一部又全部なしに本発明を実施し得ることは、当業者によって理解されるであろう。別の事例では、本発明を不必要に曖昧にしないために、周知の処理工程については詳細に説明していない。
【0016】
一般的に言えば、本発明は、ウェーハの構造間、構造と基板との間、或いは構造とプラズマとの間におけるアーク放電の飛躍的な低減と共に、エッチングプロセスを利用し得る方法に対するものである。これは、個別の各エッチングプロセスのためにバイアス電圧を提供することで達成し得る。個別の各エッチングプロセスは、異なるバイアス電圧ポテンシャルの可能性を形成し得るため、静電チャック(ESC)に印加するバイアス電圧を、対応する様々なウェーハエッチングプロセスと関連付けることにより、バイアス電圧は、特定の各エッチング段階の前に、特定のバイアス電圧に理知的に設定し得る。このようにして、ウェーハの表面と基板との間における電圧差の大きさを低減することが可能であり、これにより、ウェーハアーク放電の発生を低減又は除去し得る。こうした方法を使用することで、ウェーハ処理工程は、ウェーハに対する損傷の少ないものとなり、これにより、ウェーハ内の構造に損傷を与える可能性のあるアーク放電の発生が低減又は除去されるため、ウェーハの生産において高い歩留まりを生み出し得る。
【0017】
図2は、本発明の一実施形態による、レシピバイアステーブル128を用いる電圧バイアス制御を伴うエッチングチャンバ100を示す。この実施形態において、エッチングチャンバ100は、チャンバ100内部でプラズマを生成するために、電源電極112と接地電極102とを含む。チャンバ100は、更に、高周波(RF)発生器118を含む。RF電力は、当業者に公知のメカニズムによってエッチング工程用のプラズマ104を発生させる。当該技術分野において周知であるように、エッチング工程に応じて、様々な「レシピ」を利用してもよい。本明細書で説明する装置及び方法は、ウェーハ106に損傷を与え得るアーク放電を低減するために、任意の適切なレシピ及び任意の適切なレシピ数と共に用いられ得る。
【0018】
エッチングチャンバ100は、更に、静電チャック(ESC)108を含み、静電チャック108は、一実施形態において、層109と、電極110、111と、RF電源電極112とを含み、エッチング工程中にウェーハ106を所定の位置に保持し得る。ESC108内には、電極110及び111が存在する。電極110及び111は、それぞれ電圧線114及び116を介して、バイアス電圧発生器120に接続される。ESC108は、基部112の上に配置される。一実施形態において、ESC108の層109は、漏洩性の誘電体で作成されるため、電極110及び111は電気的に半分離状態となり、これにより、クランプ及びバイアス電圧が線114及び116に印加された時、漏洩性のキャパシタを発生させる。半絶縁材料は、電極を互いに半絶縁し、電極間及び基板に対する電圧降下を維持し得る任意の適切な材料であってもよい。一実施形態において、半絶縁材料は、任意の適切なタイプのDC半絶縁セラミックであってもよい。電源RF電極は、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼といった、任意の適切な材料でよい。
【0019】
一実施形態において、バイアス電圧のレベル(バイアス電圧レベルとしても知られる)は、レシピバイアステーブル128によって決定される。レシピバイアステーブル128は、少なくとも一つの電圧レベルと少なくとも一つのエッチングプロセスとの間の関連性を含む。したがって、特定のエッチングプロセスは、特定のバイアス電圧レベルに対応する。加えて、特定のバイアス電圧は、複数のエッチングプロセスに対応してもよい。実際には、レシピバイアステーブル128に含まれるエッチングプロセスのそれぞれは、エッチングプロセスのそれぞれにおいて、ウェーハアーク放電を低減するために、線114及び116を介してESC108に印加される電圧を制御する対応バイアス電圧レベルを含む。
【0020】
エッチングプロセスのそれぞれは、利用される特定の「レシピ」を有する。本明細書で説明する方法は、任意のタイプのレシピで使用してよいと理解されたい。レシピは、エッチングが行われる一組の条件である。例えば、特定のエッチングレシピは、特定の圧力、化学反応、電力レベル、その他の使用を含むことができる。そのため、エッチングプロセスに応じて、更にしたがってレシピに応じて、ウェーハ表面とウェーハ基板との間には、様々な電圧差が存在し得る。結果として、特定のエッチング工程のために特定のバイアス電圧を利用してよく、これにより、バイアス電圧を特定のエッチング工程に合わせて、ウェーハアーク放電を低減する。様々なバイアス電圧を、エッチングプロセスで使用する様々なレシピに割り当ててよい。レシピバイアステーブル128は、ソフトウェア又はハードウェアのいずれかの態様にて実施され得る。したがって、対応するエッチングプロセスのための特定のバイアス電圧レベルは、ウェーハエッチングプロセスを最適化するように計算し得る。
【0021】
特定のエッチングプロセスのためのバイアス電圧レベルの決定後、レシピ設定信号が、バイアス電圧設定回路に送られる。バイアス電圧設定回路124は、バイアス電圧を生成するためにバイアス電圧発生器120を管理する。一実施形態において、バイアス電圧設定回路124は、デジタルレシピ設定信号をアナログ電圧に変換するために、デジタル−アナログコンバータを含んでよい。
【0022】
図3は、本発明の一実施形態による、レシピ設定信号を生成する方法を例示する。一実施形態において、バイアス電圧設定コード212は、レシピバイアステーブル128と特定のエッチング工程において利用されるプロセスとを受領する。一実施形態において、特定のエッチング工程は、ステージ1 202と、ステージ2 204と、ステージ3 306と、ステージ4 208とを含む。一実施形態において、ステージ1はプロセス1を利用し、ステージ2はプロセス3を利用し、ステージ3はプロセス1を利用し、ステージ4はプロセス2及びプロセス1を利用する。本明細書で説明する、ウェーハアーク放電を低減又は除去するために電圧バイアスを設定する方法は、任意の適切なタイプのエッチング工程数と共に用いられ得る。加えて、本明細書で説明する、ウェーハアーク放電を低減する方法は、任意の適切な数又はタイプのプロセスを有し得る任意の適切なエッチング工程と共に用いられてもよい。
【0023】
バイアス電圧設定コード212は、ステージ202、204、206、及び208のそれぞれを調べ、どのプロセスが各ステージにおいて使用されるかを決定する。その後、レシピバイアステーブル128を使用することで、バイアス電圧設定コード212は、プロセスのそれぞれと、対応するバイアス電圧レベルとを一致させ得る。したがって、全てのプロセスに対して、対応するバイアス電圧レベルが特定され、実行されたプロセスのそれぞれに対して、正しいバイアス電圧レベルが利用されるように、一組の電圧216が生成される。そのため、一組の電圧216は、レシピ設定信号126に組み込まれ、図2を参照して説明したようなバイアス設定回路へ送られる。
【0024】
図4は、本発明の一実施形態による、レシピ設定信号を生成する方法を示すフローチャート300である。フローチャート300は、一実施形態において図3を参照して説明したようなレシピ設定信号126であるレシピ設定信号を生成するステップ302で開始される。一実施形態において、ステップ302は、図3を参照して上で説明したようなバイアス電圧設定コード312である。レシピ設定信号は、ウェーハエッチング工程の(複数の)ステージを形成するプロセスに対応する一組の電圧を含む。この方法はウェーハ表面電位とウェーハ基板電位との間の電圧差を低減するため、プロセスのそれぞれに対する特定のバイアス電圧を有することで、アーク放電を発生させるおそれのある各プロセスに対して、適切な電圧レベルを利用し得る。一実施形態において、レシピバイアステーブルは、特定のエッチングプロセスの特定のステージ(群)で使用され、それぞれがバイアス電圧に関連付けられた少なくとも一つのプロセスを含む。これにより、特定のプロセスは、バイアス電圧がESCに印加された時にウェーハアーク放電を低減又は除去可能な特定のバイアス電圧に対応する。
【0025】
ステップ302の後、方法は、電極をエッチングプロセスに対応するバイアス電圧に設定するステップ304へ進む。一実施形態では、図2を参照して説明したような電極110及び111を、エッチングチャンバで実行されるエッチングプロセスに対応する電圧レベルに設定してよい。利用される電圧レベルは、レシピ設定信号が示すように事前に定められ、ウェーハがESCに取り付けられ、アーク放電が低減又は除去されるようになる。結果として、ウェーハ表面電位に近づくように基板電位を調整する様々な電圧バイアスレベルが、ウェーハエッチング工程で使用される各プロセスにおいて利用され得る。
【0026】
ステップ306では、エッチングプロセスを実行する。一実施形態において、バイアス電圧がエッチングプロセスに対して設定されると、エッチングプロセスは、ウェーハアーク放電の問題なしに進行し得る。この状態が生じ得るのは、バイアス電圧が、ウェーハ表面とウェーハ基板との間の電圧差を低減するためである。例えば、低誘電率誘電体、無機誘電体、その他のエッチングといった、任意の適切なタイプのエッチング又は堆積プロセスを実行してよいと理解されたい。
【0027】
ステップ306の後、方法は、更なるエッチングプロセスが実施されるかを判断するステップ308へ移動する。追加のエッチングプロセスが実施される場合、方法は、ステップ304、306、及び308を繰り返す。更なるエッチングプロセスが存在しない場合、方法は終了する。
【0028】
図5は、本発明の一実施形態による、レシピ設定信号の生成を定義するフローチャート302を示す。フローチャート302は、レシピバイアステーブルを生成するステップ402で開始される。一実施形態において、ステップ402は、エッチングプロセスのそれぞれと特定のバイアス電圧との間に関連性を形成することを含み、特定のバイアス電圧は、事前に試験され、ウェーハアークを低減するバイアス補正電圧となることが分かっている。プロセスを対応するバイアス補正電圧に関連付け、データを格納することで、関連性を使用して、任意の適切なエッチングプロセス又は任意のエッチングプロセスグループのために、適切なバイアス補正電圧を決定し得る。
【0029】
ステップ402の後、方法は、どのエッチングプロセス(群)が使用されるかを決定するステップ404へ進む。実行されるべきエッチングプロセスは、任意の適切な方法で格納又は入力できる。一実施形態において、プロセスは、記憶装置内に配置され、図3を参照して上で説明したように、バイアス電圧設定コード212によって取り出される。バイアス電圧コードは、任意の適切なタイプの記憶装置からプロセスを取得できる。
【0030】
次に、ステップ406において、エッチングプロセス(群)を、レシピバイアステーブルに含まれる対応バイアス電圧(群)に一致させる。一実施形態において、エッチングステージは、エッチング工程において使用される一ステージである。任意のエッチング工程において、少なくとも一つのプロセスをそれぞれ有する一つ以上のエッチングステージが存在してよいと理解されたい。プロセスのそれぞれは、異なるウェーハ表面及びウェーハ基板電位を生成し得る特定のレシピを使用する。したがって、特定のバイアス電圧レベルを特定のプロセスに利用することで、ウェーハアーク放電を回避し得る。
【0031】
ステップ406の後、方法は、エッチングプロセス(群)のそれぞれに対する対応バイアス電圧をレシピ設定信号に含めるステップ408へ進む。一実施形態において、エッチングステージのそれぞれに含まれる各エッチングプロセスについて、電圧バイアスレベルが決定されると、このデータは、図3を参照して上述したように、バイアス電圧発生器120を管理するためにデータを利用し得るバイアス電圧設定回路に対して設定されるレシピ設定信号に組み込まれる。
【0032】
図6〜図9は、バイアス電圧を設定及び生成するために利用し得る例示的な回路を示している。下記の回路は、単なる例示的な性質のものであり、本明細書で説明したような本発明の方法が利用される限り、任意の適切なタイプのハードウェア又はソフトウェアを作成してよいと理解されたい。
【0033】
図6は、本発明の一実施形態による、バイアス電圧を設定する回路500を例示する。一実施形態において、回路500は、(ソフトウェアからの)外部バイアス制御を可能にするピン1〜14を含む。ピン8は、バイアス電圧値のためのバイアス電圧設定点入力にしてよい。この値は、ソフトウェアに由来し、デジタル/アナログコンバータ(DAC)を介したものにしてよい。
【0034】
図7は、本発明の一実施形態による、バイアス電圧を設定する追加回路600を図示する。一実施形態において、回路600は、図6を参照して説明したような回路500から、外部バイアス電圧設定点を受領して、バイアス電圧設定点を生成するように構成される。一実施形態において、外部バイアス電圧設定点は、例えば、一実施形態において図3を参照して上で説明したもののようなバイアス設定コード等のソフトウェアに由来する。
【0035】
図8は、本発明の一実施形態による、バイアス電圧を生成する回路700を図示する。一実施形態において、回路700は、図7を参照して説明したような回路600からバイアス設定点の入力を受領し、二重バイアス駆動値を生成するように構成される。
【0036】
図9は、本発明の一実施形態による、バイアス電圧を生成する更なる回路800を例示する。一実施形態において、回路800は、図8を参照して説明したような回路700から受領した二重バイアス駆動入力を使用して、一実施形態において図2を参照して説明したような線110及び111に対するバイアス電圧を生成するように構成される。
【0037】
以上、本発明についていくつかの好適な実施形態の観点から説明してきたが、上の明細書を読み且つ図面を検討することでその様々な変形例、追加例、置換例、及び等価物を当業者が実現し得ることは理解されよう。したがって、本発明は、本発明の本来の趣旨及び範囲に含まれるこうした全ての変形例、追加例、置換例、及び等価物を包含するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エッチングプロセスにおけるウェーハの損傷を低減する方法であって、
少なくとも一つのエッチングプロセスのそれぞれにバイアス電圧を割り当て、
前記少なくとも一つのエッチングプロセスの一つの開始前に、前記割り当てバイアス電圧を生成し、
前記少なくとも一つのエッチングプロセスの一つの開始前に、前記割り当てバイアス電圧を静電チャックに印加することを備え、
前記割り当てバイアス電圧レベルは、ウェーハアーク放電を低減する、
方法。
【請求項2】
請求項1記載のエッチングプロセス中にウェーハの損傷を低減する方法において、前記エッチングプロセスは、低誘電率誘電体のエッチングを含む、方法。
【請求項3】
請求項1記載のエッチングプロセス中にウェーハの損傷を低減する方法において、前記バイアス電圧の割り当ては、前記少なくとも一つのエッチングプロセスにおけるウェーハアーク放電を低減した前記バイアス電圧を決定することを含む、方法。
【請求項4】
請求項1記載のエッチングプロセス中にウェーハの損傷を低減する方法において、
前記割り当てバイアス電圧の生成は、
利用される特定のエッチングプロセスを決定し、
前記特定のエッチングプロセスを前記割り当てバイアス電圧に一致させ、
前記割り当てバイアス電圧を含むレシピ設定信号を生成することを含む、方法。
【請求項5】
請求項1記載のエッチングプロセス中にウェーハの損傷を低減する方法において、前記割り当てバイアス電圧の印加は、前記割り当てバイアス電圧を前記ESC内の電極に印加することを含む、方法。
【請求項6】
請求項1記載のエッチングプロセス中にウェーハの損傷を低減する方法において、前記バイアス電圧は、ウェーハ表面とウェーハ基板との間の電圧ポテンシャルを低減する方法。
【請求項7】
請求項1記載のエッチングプロセス中にウェーハの損傷を低減する方法において、前記少なくとも一つのエッチングプロセスに割り当てられた前記バイアス電圧は、レシピバイアステーブルに格納される、方法。
【請求項8】
請求項1記載のエッチングプロセス中にウェーハの損傷を低減する方法は更に、
前記少なくとも一つのエッチングプロセスの前記一つを実行することを備える、方法。
【請求項9】
エッチングプロセス中にウェーハの損傷を低減する方法であって、
少なくとも一つのバイアス電圧と少なくとも一つのエッチングプロセスとの間の関連性を含むレシピバイアステーブルを生成し、前記少なくとも一つのエッチングプロセスのそれぞれは前記少なくとも一つのバイアス電圧に対応し、
実行されるエッチングプロセスを決定し、
レシピテーブル内の前記関連性を使用することで、前記エッチングプロセスを対応するバイアス電圧に一致させ、
前記エッチングプロセスに対応する、前記少なくとも一つのバイアス電圧の一つを生成し、
前記エッチングプロセスの開始前に、前記少なくとも一つのバイアス電圧の前記一つを静電チャック(ESC)に印加することを備え、
前記少なくとも一つのバイアス電圧の前記一つは、前記エッチングプロセス中に、ウェーハにおけるアーク放電を低減する、方法。
【請求項10】
請求項9記載のエッチングプロセス中にウェーハの損傷を低減する方法において、前記エッチングプロセスは、低誘電率誘電体のエッチングを含む、方法。
【請求項11】
請求項9記載のエッチングプロセス中にウェーハの損傷を低減する方法において、前記レシピテーブルは、ソフトウェアに格納されている、方法。
【請求項12】
請求項9記載のエッチングプロセス中にウェーハの損傷を低減する方法において、前記割り当てバイアス電圧の印加は、前記割り当てバイアス電圧を前記ESC内の電極に印加することを含む、方法。
【請求項13】
請求項9記載のエッチングプロセス中にウェーハの損傷を低減する方法において、前記バイアス電圧は、ウェーハ表面とウェーハ基板との間の電圧ポテンシャルを低減する、方法。
【請求項14】
請求項9記載のエッチングプロセス中にウェーハの損傷を低減する方法は更に、
前記エッチングプロセスを実行することを備える、方法。
【請求項15】
請求項9記載のエッチングプロセス中にウェーハの損傷を低減する方法において、前記バイアス電圧は、ESC内部に配置された電極を介して前記ESCに印加される、方法。
【請求項16】
請求項9記載のエッチングプロセス中にウェーハの損傷を低減する方法において、ESCは、セラミック材料を含む、方法。
【請求項17】
エッチングプロセス中にウェーハの損傷を低減するバイアス電圧を決定する方法であって、
実行されるエッチングプロセスを決定し、
少なくとも一つのエッチングプロセスのそれぞれが少なくとも一つのバイアス電圧に対応しており、前記少なくとも一つのバイアス電圧と前記少なくとも一つのエッチングプロセスとの間の関連性を含むレシピテーブル内の関連性を用いて、前記エッチングプロセスを対応するバイアス電圧に一致させることを備える方法。
【請求項18】
請求項17記載のウェーハの損傷を低減するバイアス電圧を決定する方法において、前記エッチングプロセスは、低誘電率誘電体のエッチングを含む、方法。
【請求項19】
請求項17記載のウェーハの損傷を低減するバイアス電圧を決定する方法において、前記レシピテーブルは、ソフトウェアに格納されている、方法。
【請求項20】
請求項17記載のウェーハの損傷を低減するバイアス電圧を決定する方法において、前記バイアス電圧は、ウェーハ表面とウェーハ基板との間の電圧ポテンシャルを低減する、方法。
【請求項21】
ウェーハアーク放電を低減するために電圧バイアス発生器がエッチング中に静電チャック(ESC)に印加するバイアス電圧を決定するバイアス電圧設定回路に対する、ウェーハの損傷を低減するためのバイアス電圧を決定するプログラム命令を有するコンピュータ読み取り可能な媒体であって、
実行されるエッチングプロセスを決定するプログラム命令と、
少なくとも一つのエッチングプロセスのそれぞれが少なくとも一つのバイアス電圧に対応しており、前記少なくとも一つのバイアス電圧と前記少なくとも一つのエッチングプロセスとの間の関連性を含むレシピテーブル内の関連性を使用することで、前記エッチングプロセスを対応するバイアス電圧に一致させるプログラム命令と、
を備えるコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項22】
請求項21記載のプログラム命令を有するコンピュータ読み取り可能な媒体において、前記エッチングプロセスは、低誘電率誘電体のエッチングを含む、コンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項23】
請求項21記載のプログラム命令を有するコンピュータ読み取り可能な媒体において、前記バイアス電圧は、ウェーハ表面とウェーハ基板との間の電圧ポテンシャルを低減する、コンピュータ読み取り可能な媒体
【請求項1】
エッチングプロセスにおけるウェーハの損傷を低減する方法であって、
少なくとも一つのエッチングプロセスのそれぞれにバイアス電圧を割り当て、
前記少なくとも一つのエッチングプロセスの一つの開始前に、前記割り当てバイアス電圧を生成し、
前記少なくとも一つのエッチングプロセスの一つの開始前に、前記割り当てバイアス電圧を静電チャックに印加することを備え、
前記割り当てバイアス電圧レベルは、ウェーハアーク放電を低減する、
方法。
【請求項2】
請求項1記載のエッチングプロセス中にウェーハの損傷を低減する方法において、前記エッチングプロセスは、低誘電率誘電体のエッチングを含む、方法。
【請求項3】
請求項1記載のエッチングプロセス中にウェーハの損傷を低減する方法において、前記バイアス電圧の割り当ては、前記少なくとも一つのエッチングプロセスにおけるウェーハアーク放電を低減した前記バイアス電圧を決定することを含む、方法。
【請求項4】
請求項1記載のエッチングプロセス中にウェーハの損傷を低減する方法において、
前記割り当てバイアス電圧の生成は、
利用される特定のエッチングプロセスを決定し、
前記特定のエッチングプロセスを前記割り当てバイアス電圧に一致させ、
前記割り当てバイアス電圧を含むレシピ設定信号を生成することを含む、方法。
【請求項5】
請求項1記載のエッチングプロセス中にウェーハの損傷を低減する方法において、前記割り当てバイアス電圧の印加は、前記割り当てバイアス電圧を前記ESC内の電極に印加することを含む、方法。
【請求項6】
請求項1記載のエッチングプロセス中にウェーハの損傷を低減する方法において、前記バイアス電圧は、ウェーハ表面とウェーハ基板との間の電圧ポテンシャルを低減する方法。
【請求項7】
請求項1記載のエッチングプロセス中にウェーハの損傷を低減する方法において、前記少なくとも一つのエッチングプロセスに割り当てられた前記バイアス電圧は、レシピバイアステーブルに格納される、方法。
【請求項8】
請求項1記載のエッチングプロセス中にウェーハの損傷を低減する方法は更に、
前記少なくとも一つのエッチングプロセスの前記一つを実行することを備える、方法。
【請求項9】
エッチングプロセス中にウェーハの損傷を低減する方法であって、
少なくとも一つのバイアス電圧と少なくとも一つのエッチングプロセスとの間の関連性を含むレシピバイアステーブルを生成し、前記少なくとも一つのエッチングプロセスのそれぞれは前記少なくとも一つのバイアス電圧に対応し、
実行されるエッチングプロセスを決定し、
レシピテーブル内の前記関連性を使用することで、前記エッチングプロセスを対応するバイアス電圧に一致させ、
前記エッチングプロセスに対応する、前記少なくとも一つのバイアス電圧の一つを生成し、
前記エッチングプロセスの開始前に、前記少なくとも一つのバイアス電圧の前記一つを静電チャック(ESC)に印加することを備え、
前記少なくとも一つのバイアス電圧の前記一つは、前記エッチングプロセス中に、ウェーハにおけるアーク放電を低減する、方法。
【請求項10】
請求項9記載のエッチングプロセス中にウェーハの損傷を低減する方法において、前記エッチングプロセスは、低誘電率誘電体のエッチングを含む、方法。
【請求項11】
請求項9記載のエッチングプロセス中にウェーハの損傷を低減する方法において、前記レシピテーブルは、ソフトウェアに格納されている、方法。
【請求項12】
請求項9記載のエッチングプロセス中にウェーハの損傷を低減する方法において、前記割り当てバイアス電圧の印加は、前記割り当てバイアス電圧を前記ESC内の電極に印加することを含む、方法。
【請求項13】
請求項9記載のエッチングプロセス中にウェーハの損傷を低減する方法において、前記バイアス電圧は、ウェーハ表面とウェーハ基板との間の電圧ポテンシャルを低減する、方法。
【請求項14】
請求項9記載のエッチングプロセス中にウェーハの損傷を低減する方法は更に、
前記エッチングプロセスを実行することを備える、方法。
【請求項15】
請求項9記載のエッチングプロセス中にウェーハの損傷を低減する方法において、前記バイアス電圧は、ESC内部に配置された電極を介して前記ESCに印加される、方法。
【請求項16】
請求項9記載のエッチングプロセス中にウェーハの損傷を低減する方法において、ESCは、セラミック材料を含む、方法。
【請求項17】
エッチングプロセス中にウェーハの損傷を低減するバイアス電圧を決定する方法であって、
実行されるエッチングプロセスを決定し、
少なくとも一つのエッチングプロセスのそれぞれが少なくとも一つのバイアス電圧に対応しており、前記少なくとも一つのバイアス電圧と前記少なくとも一つのエッチングプロセスとの間の関連性を含むレシピテーブル内の関連性を用いて、前記エッチングプロセスを対応するバイアス電圧に一致させることを備える方法。
【請求項18】
請求項17記載のウェーハの損傷を低減するバイアス電圧を決定する方法において、前記エッチングプロセスは、低誘電率誘電体のエッチングを含む、方法。
【請求項19】
請求項17記載のウェーハの損傷を低減するバイアス電圧を決定する方法において、前記レシピテーブルは、ソフトウェアに格納されている、方法。
【請求項20】
請求項17記載のウェーハの損傷を低減するバイアス電圧を決定する方法において、前記バイアス電圧は、ウェーハ表面とウェーハ基板との間の電圧ポテンシャルを低減する、方法。
【請求項21】
ウェーハアーク放電を低減するために電圧バイアス発生器がエッチング中に静電チャック(ESC)に印加するバイアス電圧を決定するバイアス電圧設定回路に対する、ウェーハの損傷を低減するためのバイアス電圧を決定するプログラム命令を有するコンピュータ読み取り可能な媒体であって、
実行されるエッチングプロセスを決定するプログラム命令と、
少なくとも一つのエッチングプロセスのそれぞれが少なくとも一つのバイアス電圧に対応しており、前記少なくとも一つのバイアス電圧と前記少なくとも一つのエッチングプロセスとの間の関連性を含むレシピテーブル内の関連性を使用することで、前記エッチングプロセスを対応するバイアス電圧に一致させるプログラム命令と、
を備えるコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項22】
請求項21記載のプログラム命令を有するコンピュータ読み取り可能な媒体において、前記エッチングプロセスは、低誘電率誘電体のエッチングを含む、コンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項23】
請求項21記載のプログラム命令を有するコンピュータ読み取り可能な媒体において、前記バイアス電圧は、ウェーハ表面とウェーハ基板との間の電圧ポテンシャルを低減する、コンピュータ読み取り可能な媒体
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2012−124514(P2012−124514A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−24962(P2012−24962)
【出願日】平成24年2月8日(2012.2.8)
【分割の表示】特願2004−541807(P2004−541807)の分割
【原出願日】平成15年9月24日(2003.9.24)
【出願人】(592010081)ラム リサーチ コーポレーション (467)
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−24962(P2012−24962)
【出願日】平成24年2月8日(2012.2.8)
【分割の表示】特願2004−541807(P2004−541807)の分割
【原出願日】平成15年9月24日(2003.9.24)
【出願人】(592010081)ラム リサーチ コーポレーション (467)
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
【Fターム(参考)】
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