説明

ウオーキングビーム式搬送装置

【課題】被搬送物に割れが発生してもビームから脱落し難く、そのまま搬送可能なウオーキングビーム式搬送装置を提供する。
【解決手段】ウオーキングビーム式搬送装置18によれば、固定ビーム30に設けられた水平支持軸52の先端部と可動ビーム34に設けられた水平支持軸52の先端部とが搬送方向において互いに重複していることから、基板16の底面に対して互いに隣接する固定ビーム30による支持範囲と可動ビーム34による支持範囲とが搬送方向において互いに重複するので、割れなどによって複数に分割された基板16であっても好適にそのまま搬送される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体基板、ガラス基板などの薄板状の基板を搬送するためのウオーキングビーム式搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体基板、ガラス基板などの薄板状の基板に所定の処理を施すために、長手方向の相対移動と上下方向の相対移動とが交互に行われる長手状の第1ビームおよび第2ビームを備えて、その第1ビームと第2ビームとの間の受け渡しによって被搬送物を搬送するためのウオーキングビーム式搬送装置が知られている。たとえば、基板を熱処理する熱処理炉内でウオーキングビームを用いて搬送するためのウオーキングビーム式搬送装置を備えた熱処理装置がそれである。
【0003】
しかしながら、上記ウオーキングビーム式搬送装置によれば、第1ビームと第2ビームとに交互に支持されつつ搬送される途中において、熱衝撃、振動等の何らかの原因で基板に割れが発生して複数個に分割される場合がある。このように基板が複数個に割れると、上記第1ビームおよび第2ビームにより支持できなくなって脱落し、続いて逐次搬送される基板がそれに衝突して堆積するので、不良品を発生させるという問題があった。
【0004】
これに対し、基板を専ら支持する複数の支持ピンの他に、その複数の支持ピンよりも低い複数のサブ支持ピンをビーム上に設け、基板が割れるとそのサブ支持ピンによっても支持するようにしたウオーキングビーム式搬送装置が提案されている。たとえば、特許文献1に記載された基板搬送用ウオーキングビームがそれである。これによれば、基板に割れが生じても、割れた基板を引き続き搬送することができるので、割れた基板に後から搬送された基板が衝突して堆積することが軽減される。
【特許文献1】特開2004−18122号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記従来のウオーキングビーム式搬送装置によれば、基板の裏面に対して互いに隣接する第1ビームによる支持面積と第2ビームによる支持面積とが相互に異なるものであるため、分割された基板が特に第1ピームから第2ビームへの受け渡しに際して脱落することがあり、未だ十分な効果が得られがたいものであった。
【0006】
本発明は以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、被搬送物に割れが発生してもビームから脱落し難く、そのまま搬送可能なウオーキングビーム式搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、以上の事情を背景として種々の検討を重ねた結果、被搬送物の底面に対して互いに隣接する第1ビームによる支持範囲と第2ビームによる支持範囲とを重複させると、割れなどによって複数に分割された被搬送物であっても、そのまま好適に搬送されるという事実を見出した。本発明はそのような知見に基づいて為されたものである。
【0008】
すなわち、前記目的を達成するための請求項1に係る発明の要旨とするところは、(a) 搬送方向の相対移動と上下方向の相対移動とが交互に行われる長手状の第1ビームおよび第2ビームを備え、その第1ビームと第2ビームとの間の受け渡しによって被搬送物を搬送するためのウオーキングビーム式搬送装置であって、(b) 前記第1ビームおよび第2ビームにそれぞれ設けられ、搬送方向に対して交差する水平な方向において互いに平行な、前記被搬送物の底面を支持するための複数本の長手状の水平支持部材を含み、(c) 前記第1ビームに設けられた長手状の水平支持部材の先端部と前記第2ビームに設けられた長手状の水平支持部材の先端部とは、前記搬送方向に交差する方向の寸法がその搬送方向において互いに重複していることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に係る発明の要旨とするところは、前記被搬送物を輻射加熱するための加熱体を有するトンネル状の加熱炉内を通して、その被搬送物を搬送するものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明のウオーキングビーム式搬送装置によれば、第1ビームおよび第2ビームにそれぞれ設けられ、搬送方向に対して交差する水平な方向において互いに平行な、前記被搬送物の底面を支持するための複数本の長手状の水平支持部材を含み、上記第1ビームに設けられた長手状の水平支持部材の先端部と上記第2ビームに設けられた長手状の水平支持部材の先端部とが上記搬送方向において互いに重複していることから、被搬送物の底面に対して互いに隣接する第1ビームによる支持範囲と第2ビームによる支持範囲とが搬送方向において互いに重複するので、割れなどによって複数に分割された被搬送物であっても好適にそのまま搬送される。したがって、被搬送物に割れが発生して複数に分割されても、後続の被搬送物がそれに衝突して堆積されることがなく、不良率が低下するとともに、被搬送物の処理設備の可動率が高められる。
【0011】
また、請求項2に係る発明のウオーキングビーム式搬送装置によれば、前記被搬送物を輻射加熱するための加熱体を有するトンネル状の加熱炉内を通してその被搬送物を搬送することから、その加熱炉内において被搬送物に割れが発生して複数に分割されても、後続の被搬送物がそれに衝突して堆積されることがなく、不良率が低下するとともに、被搬送物に熱処理を施すための設備である加熱炉の可動率が高められる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
ここで、好適には、前記被搬送物は、太陽電池セル、太陽電池用半導体ウエハ、LCD或いはPDP用のガラス基板などの薄板状の基板である。
【0013】
また、好適には、前記水平支持部材は、前記被搬送物の搬送方向の寸法の2分の1よりも短い間隔で配設されたものである。このようにすれば、搬送方向において、第1ビームによる支持状態および第2ビームによる支持状態のそれぞれにおいて複数本の水平支持部材によって支持されるので、比較的脆く割れやすい基板であっても好適に搬送が可能となる。たとえ被搬送物に割れが発生しても好適に搬送される。
【0014】
また、好適には、前記水平支持部材は、断面円形、断面矩形の中実或いは中空の長手状の棒材であり、好適には、多孔質セラミックスなどの被搬送物よりも熱伝導率が低い材質から構成される。これにより、被搬送物内の温度分布がより均一となる。
【0015】
また、好適には、前記水平支持部材は、搬送方向に対して必ずしも直交してなくてもよいし、必ずしも棒状でなく先端に向かうほど小径となるものであってもよい。
【0016】
また、好適には、前記水平支持部材は、好適には、上方へ突き出す複数の小突起を備え、その小突起を介して前記被搬送物を支持するものである。これにより、被搬送物内の温度分布が一層均一となる。
【0017】
また、好適には、前記第1ビームおよび/または第2ビームは、その第1ビームおよび第2ビームから垂直方向に突設された垂直支持軸を介して前記水平支持部材を支持するものである。このようにすれば、熱処理のための炉壁を通して垂直支持軸が水平支持部材を支持するので、被搬送物内の温度分布が一層均一となる。
【0018】
前記第1ビームおよび第2ビームは、一方が固定され且つ他方が搬送方向および上下方向において相対移動可能に設けられたものでもよいが、両方が搬送方向および上下方向において相対移動可能に設けられたものでもよい。
【実施例】
【0019】
以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において、発明の具体例を説明する目的の範囲で、図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
【0020】
図1は、本発明の一実施例の熱処理装置10を示す要部断面図であり、図2は加熱炉14の炉体をきり欠いてその中を示す要部平面図である。図1および図2において、熱処理装置10は、フレーム(機枠)12によって所定の高さ位置に固定されたトンネル状の加熱炉14と、その加熱炉14内を通して被搬送物である基板16を加熱炉14の入口側から出口側へ順次搬送するためのウオーキングビーム式搬送装置18とを備えている。基板16は、たとえば大型液晶表示装置或いは大型プラズマ表示装置に用いられるガラス半導体基板であり、矩形たとえば100cm×120cm程度の長方形である。基板16は、たとえばその表面および裏面に印刷された電極材料ペーストなどの膜材料を熱処理により焼成し固着して電極層とするために上記熱処理装置10において熱処理される。
【0021】
上記加熱炉14は、入口および出口において開口するトンネル状の炉壁から成る炉体20と、その加熱炉14内を一定の間隔の複数個の加熱室に区画するための隔壁22と、その炉体20内に設けられてたとえば3乃至4μm以上の波長の遠赤外線を放射する加熱パネル26とを備え、上記ウオーキングビーム式搬送装置18により各加熱室間で順次搬送される基板16に対して所定のヒートカーブで熱処理を施す。上記隔壁22は、上記各加熱室毎に基板16内を均一な温度に保持しつつ加熱するためのものであり、基板16および後述の梁状の可動ビーム34を通過させる必要かつ十分な断面積の貫通穴24を備えている。酸化性雰囲気での加熱の場合は、図示しない空気供給管および排気管により上記加熱室内の膜材料の燃焼排気が除去されて雰囲気が清浄に維持される。非酸化性雰囲気であれば、上記空気に換えて、窒素などの不活性ガスが用いられ、還元雰囲気であれば水素ガスが用いられる。
【0022】
上記炉体20および隔壁22は、セラミック繊維がたとえばシリカゲルの含浸により固められて厚板のブロック状に成形されることにより断熱性に優れ且つ軽量なセラミックファイバーボードにより構成されており、そのセラミックファイバーボードの表面のうち少なくとも内壁面側にはシリカ系コーティングが施されたものである。このため、断熱性が得られるだけでなく、セラミックファイバーボードからの粉塵の発生が防止され、クリーン度が高められる。
【0023】
前記ウオーキングビーム式搬送装置18は、炉体20内の各加熱室内において搬送方向Aに平行且つ互いに平行にそれぞれ固定された比較的薄い梁状の複数本(本実施例では互いに平行かつ同じ長さの4本)の第1ビームである固定ビーム30と、炉体20の下側の炉壁を貫通する複数本の支柱32によって支持された炉長以上の長手状の第2ビームすなわち複数本の可動ビーム34と、その可動ビーム34に、固定ビーム30に対する炉長方向の相対移動と上下方向の相対移動とを交互に行わせるビーム駆動装置36とを備えている。本実施例では、互いに平行かつ炉体20よりも長い3本の可動ビーム34が、4本の固定ビーム30の間に配設されている。なお、可動ビーム34は、その長手方向において複数本に分割されたものであっても、相互に同期して駆動されれば問題ない。
【0024】
ビーム駆動装置36は、一対の水平レール37により搬送方向Aに移動可能に設けられ、炉体20の下側において炉長方向の複数箇所に配置された複数の移動テーブル38と、その移動テーブル38を往復駆動する共通の往復駆動装置40と、複数個の上下カム42を有して各移動テーブル38上において回転可能に支持された共通のカム軸44と、移動テーブル38のうちの1つに配置されてそのカム軸44を回転駆動する回転駆動装置46と、移動テーブル38に設けられた上下ガイド装置48によって上下方向に案内され且つ上下カム42によって上下駆動される上下板50とを備え、その上下板50に立設された支柱32を介して可動ビーム34に、固定ビーム30に対する上昇運動、前進運動、下降運動、後退運動を順次且つ繰り返し行わせることにより、固定ビーム30と可動ビーム34との間の受け渡しを行って基板16を加熱炉14の出口へ向かって所定の搬送ストロークで順次搬送する。この搬送ストロークは、たとえば前記加熱室の配置ピッチに対応するものである。なお、図1の1点鎖線は、可動ビーム34に固設された水平支持軸52が下降させられた位置を示している。
【0025】
上記固定ビーム30および可動ビーム34のそれぞれには、搬送方向Aに対して直角に交差し且つ水平な方向において互いに平行な複数本の水平支持軸52が一定の間隔で固定されている。この支持軸52の配置間隔は、基板16の搬送方向Aの寸法Bに対して8分の1に設定されているので、固定ビーム30による支持状態および可動ビーム34による支持状態において8本および9本の水平支持軸52によりそれぞれ支持されるようになっている。この支持軸52の配置間隔は、上記寸法Bに対して2分の1以下に設定されれば一応の効果が得られる。また、この支持軸52の配置ピッチは必ずしも一定でなくてもよい。上記水平支持軸52は、たとえば断面円形、断面矩形の中実或いは中空の棒材であり、多孔質セラミックスなどの基板16よりも熱伝導率が低い材質から構成される。
【0026】
図1および図2に示すように、本実施例において、4本の固定ビーム30のうち、内側に位置する一対の固定ビーム30に固定された支持軸52は、外側に位置する一対の固定ビーム30に固定された支持軸52よりも長手寸法が大きい。また、3本の可動ビーム34のうちの内側に位置する1本の可動ビーム34に固定された支持軸52は、外側に位置する1対の可動ビーム34に固定された支持軸52よりも長手寸法が大きい。そして、上記固定ビーム30に設けられた水平支持軸52の先端部と可動ビーム34に設けられた水平支持軸52の先端部とが、前記搬送方向Aに直角な方向において互いに重複するように、水平支持軸52のの長さが設定されている。図2のd1、d2、d3、d4、d5、d6は、固定ビーム30に設けられた水平支持軸52の先端部と可動ビーム34に設けられた水平支持軸52の先端部との重複寸法をそれぞれ示している。それらの重複寸法d1、d2、d3、d4、d5、d6は可及的に大きくなるように、水平支持軸52が固定ビーム30および可動ビーム34の一方から他方へ向かってその他方に到達する直前位置まで突き出している。それら支持軸52は基板16を支持するための支持部材として機能している。
【0027】
以上のように構成されたウオーキングビーム式搬送装置18では、基板16が固定ビーム30に設けられた水平支持軸52によって支持された状態と、図3に示すように基板16が可動ビーム34に設けられた水平支持軸52によって支持された状態とが交互に行われることにより、基板16が搬送される。ここで、固定ビーム30に設けられた水平支持軸52の先端部と可動ビーム34に設けられた水平支持軸52の先端部とが重複されるように構成されていることから、所定の基板16について、上記固定ビーム30の複数本の水平支持軸52によって支持される支持面積(水平支持軸52との複数の接触点を包含する面積)と可動ビーム34の複数本の水平支持軸52によって支持される支持面積とが相互に重複しているので、搬送される過程基板16が分割されて分離したとしても、全体としてそのままの状態で搬送される。
【0028】
上述のように、本実施例の熱処理装置10のウオーキングビーム式搬送装置によれば、固定ビーム(第1ビーム)30および可動ビーム(第2ビーム)34にそれぞれ設けられ、搬送方向Aに対して直交する水平な方向において互いに平行な、基板(被搬送物)16の底面を支持するための複数本の水平支持軸52を含み、上記固定ビーム30に設けられた水平支持軸52の先端部と上記可動ビーム34に設けられた水平支持軸52の先端部とが上記搬送方向Aにおいて互いに重複していることから、基板16の底面に対して互いに隣接する固定ビーム30による支持範囲と可動ビーム34による支持範囲とが搬送方向において互いに重複するので、割れなどによって複数に分割された基板16であっても好適にそのまま搬送される。したがって、基板16に割れが発生して複数に分割されても、後続の基板16がそれに衝突して堆積されることがなく、不良率が低下するとともに、基板16の処理設備の可動率が高められる。
【0029】
また、本実施例のウオーキングビーム式搬送装置18によれば、基板16を輻射加熱するための加熱パネル(加熱体)26を有するトンネル状の加熱炉14内を通してその基板16を搬送することから、その加熱炉14内において基板16に割れが発生して複数に分割されても、後続の基板16がそれに衝突して堆積されることがなく、不良率が低下するとともに、基板16に熱処理を施すための設備である加熱炉14の可動率が高められる。
【0030】
また、本実施例では、水平支持軸52は、基板16の搬送方向の寸法の2分の1よりも短い間隔で配設されたものであることから、搬送方向Aにおいて、固定ビーム30による支持状態および可動ビーム34による支持状態のそれぞれにおいて複数個の水平支持軸52によって支持されるので、比較的脆く割れやすい基板16であっても好適に搬送が可能となる。
【0031】
また、本実施例では、水平支持軸52は、断面円形、断面矩形の中実或いは中空の棒材であり、多孔質セラミックスなどの基板16よりも熱伝導率が低い材質から構成されるので、基板16の温度分布がより均一となる。
【0032】
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において前述の実施例と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0033】
図4の実施例において、可動ビーム34では、垂直支持軸54が水平支持軸52を介して可動ビーム34に取付られている。すなわち、可動ビーム34は、それらから垂直方向に突設された垂直支持軸54を介して水平支持軸52を支持している。垂直支持軸54は水平支持軸52と同様の材質から構成される。本実施例によれば、熱処理のための炉体(炉壁)20を通して垂直支持軸54が水平支持軸52を支持するので、基板16の温度分布がより均一となる。なお、上記垂直支持軸54は、固定ビーム30に設けられてもよい。
【0034】
図5の実施例において、固定ビーム30および可動ビーム34に設けられた水平支持軸52には、上方に突き出す複数の小突起56が備えられている。この小突起56は、可及的に小接触面積で基板16を支持するためのものであり、水平支持軸52と同様の材質で構成されている。本実施例では、水平支持軸52は、上方へ突き出す複数の小突起56を備え、その小突起56を介して基板16を支持するものであるので、基板16内の温度分布が一層均一となる。
【0035】
図6は、本発明の他の実施例のウオーキングビーム式搬送装置58を示すための熱処理装置の水平断面図である。図6のウオーキングビーム式搬送装置58では、固定ビーム60および可動ビーム64は前述の固定ビーム30および可動ビーム34と同様であるが、それら固定ビーム60および可動ビーム64に設けられた水平支持部材66の形状が前述の水平支持軸52と相違する。すなわち、本実施例において、可動ビーム64に固定された水平支持部材66は、断面矩形の板状であり、両端部からその可動ビーム64へ向かうほど搬送方向Aとは反対の方向へ向かうように、可動ビーム64に対して左右対象であるが可動ビーム64に対して直角よりも小さい角度で交差するように形成されており、3本の可動ビーム64にそれぞれ設けられて搬送方向Aに直角な方向において互いに重複する部分の水平支持部材66は互いに平行とされている。また、4本の固定ビーム60に固定された水平支持部材66は、両端部からその固定ビーム60へ向かうほど搬送方向Aへ向かうように、固定ビーム60に対して略左右対象であるが固定ビーム60に対して直角よりも小さい角度で交差するように形成され、上記固定ビーム60に固定された水平支持部材66と平行とされている。なお、4本の固定ビーム60のうちの外側に位置する一対の固定ビーム60に固定された水平支持部材66のうちその一対の固定ビーム60から外側に突き出す部分には、その固定ビーム60から内側へ突き出す部分に対して直線上に位置する分岐突起66bが設けられている。本実施例によれば、前述の実施例の支持軸52に比較して水平支持部材66の長さが長くなるとともに上記分岐突起66bが設けられていることから、基板16に対する水平支持部材66の支持長さが長くなるので、割れなどによって複数に分割された基板16であっても一層好適にそのまま搬送される。
【0036】
以上、本発明を図面を参照して詳細に説明したが、本発明は更に別の態様でも実施でき、その主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施例のウオーキングビーム式搬送装置を備えた熱処理装置を示す正面視断面図である。
【図2】図1の実施例のウオーキングビーム式搬送装置を示すための熱処理装置の水平断面図である。
【図3】図1の実施例のウオーキングビーム式搬送装置によって基板が支持された状態を説明する図である。
【図4】本発明の他の実施例のウオーキングビーム式搬送装置によって基板が支持された状態を説明する図であって、図3に対応する図である。
【図5】本発明の他の実施例のウオーキングビーム式搬送装置によって基板が支持された状態を説明する図であって、図3に対応する図である。
【図6】本発明の他の実施例のウオーキングビーム式搬送装置を示すための熱処理装置の水平断面図であって、図2に相当する図である。
【符号の説明】
【0038】
10:熱処理装置
14:加熱炉
16:基板(被搬送物)
18、58:ウオーキングビーム式搬送装置
30:固定ビーム(第1ビーム)
34:可動ビーム(第2ビーム)
52:水平支持軸(水平支持部材)
60:固定ビーム
64:可動ビーム
66:水平支持部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送方向の相対移動と上下方向の相対移動とが交互に行われる長手状の第1ビームおよび第2ビームを備え、該第1ビームと第2ビームとの間の受け渡しによって被搬送物を搬送するためのウオーキングビーム式搬送装置であって、
前記第1ビームおよび第2ビームにそれぞれ設けられ、搬送方向に対して交差する水平な方向において互いに平行な、前記被搬送物の底面を支持するための複数本の長手状の水平支持部材を含み、
前記第1ビームに設けられた長手状の水平支持部材の先端部と前記第2ビームに設けられた長手状の水平支持部材の先端部とは、前記搬送方向に交差する方向の寸法が該搬送方向において互いに重複していることを特徴とするウオーキングビーム式搬送装置。
【請求項2】
前記被搬送物を輻射加熱するための加熱体を有するトンネル状の加熱炉内を通して、該被搬送物を搬送するものである請求項1のウオーキングビーム式搬送装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2006−273570(P2006−273570A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−99811(P2005−99811)
【出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【出願人】(000004293)株式会社ノリタケカンパニーリミテド (449)
【Fターム(参考)】