説明

ウロキナーゼ阻害物質としてのオキサジアゾール化合物

本発明は、高い生物学的利用能及び経口投与可能性を有し、ウロキナーゼ−プラスミノゲン−アクチベーター(uPA)を阻害するための新規化合物並びにウロキナーゼ又は/及びウロキナーゼ−レセプターの関係している疾患、例えば腫瘍及び転移を処置するための治療学的作用物質としてのそれらの使用に関する。本発明は、特にオキサジアゾール基を有する化合物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い生物学的利用能及び経口投与可能性を有し、ウロキナーゼ−プラスミノゲン−アクチベーター(uPA)を阻害するための新規化合物並びにウロキナーゼ又は/及びウロキナーゼ−レセプターの関係している疾患、例えば腫瘍及び転移を処置するための治療学的作用物質としてのそれらの使用に関する。本発明は、特にオキサジアゾール基を有する化合物に関する。
【0002】
ウロキナーゼ型のプラスミノゲンアクチベーター(uPA)は、腫瘍浸潤及び転移形成の際に鍵となる役割を果たす(Schmitt他, J. Obst. Gyn. 21 (1995), 151-165)。uPAは、多種多様な種類の腫瘍細胞中で発現され(Kwaan, Cancer Metastasis Rev. 11 (1992), 291-311)、かつ腫瘍関連uPAレセプター(uPAR)に結合し、そこでプラスミノゲンからプラスミンへの活性化が行われる。プラスミンは、細胞外マトリックス(ECM)、例えばフィブロネクチン、ラミニン及びIV型コラーゲンの多様な成分を分解することができる。プラスミンは、その他の幾つかのECM分解酵素、特にマトリックス−メタロプロテイナーゼも活性化させる。多量の腫瘍関連uPAは、癌患者にとってより高い転移リスクと相関する(Harbeck他, Cancer Research 62 (2002), 4617-4622)。故に、uPAのタンパク分解活性の阻害は、抗転移療法の適切な出発点である。
【0003】
幾つかの活性で選択的なウロキナーゼ阻害剤は既に記載されている。例えば、ベンズアミジン型のuPA阻害剤は、欧州特許(EP)第1 098 651号明細書に、アリールグアニジン型のuPA阻害剤は国際公開(WO)第01/96286号パンフレット及び国際公開(WO)第02/14349号パンフレットに開示されている。これらの合成阻害剤の共通の特徴は、アミジノ基又は/及びグアニジノ基からなる塩基性残基である。
【0004】
しかしながら、公知のウロキナーゼ阻害剤は、これらが経口適用の際に劣悪に吸収され、ひいてはこの適用種類の場合に体内で僅かにのみ薬理学的作用を及ぼすことができるという欠点を有する。故に、薬剤学的製剤は、週にたいてい1回、しかしながら2回まで、静脈内に数時間の期間にわたって患者に投与される。このことは、患者の高い負荷と結び付いている、それというのも、これはかなりの時間消費及び頻繁な来院と結び付いているからであり、かつ高度の患者の協力を前提とする。
【0005】
静脈内適用の場合に、そのうえ、感染のリスクが存在し、かつとりわけ血管周囲に(paravasal)流れ出る輸液の場合に、強い局所刺激から組織壊死までをまねきうるものであり、このことは時間のかかる後続処置及び経過観察を必要にする。
【0006】
筋肉内及び皮下の適用経路も利点を提供しない、それというのも、ここではしばしば注射部位での激しい痛み並びに刺激から組織壊死までが生じうるからであり、このことは同様に時間のかかる後続処置を必要とする。
【0007】
既に述べたように、アミジン及びグアニジンを含有するウロキナーゼ阻害剤は、経口適用の際に僅かにのみ薬理学的作用を示す。作用物質の治療効果のための必要条件は、その生物学的利用能である。例えば、経口投与後に胃腸管からの吸収が行われなければならない。その場合に、そのような膜通過のための重要な機構は受動的拡散である(Gangvar S.他, DDT (1997) 148-155)。文献においては、作用物質の親油性が、胃腸管の膜バリアを介しての受動的拡散に重要な役割を果たすことが一部には想定されていた。例えば、欧州特許(EP)第0 708 640号明細書には、抗蠕虫作用のあるペンタミジンのためのアミドキシム、アミドキシムエステル及びオキサジアゾールへのアミジン官能基の変性が記載され、その際に好ましくはアミドキシムエステル及びオキサジアゾールが適した変性剤として使用される。
【0008】
しかしながら、他方では、親油性の程度が単独で不十分であり(Hansch他, J. Am. Chem. Soc. 86 (1964) 1616-1626)、かつ化合物の親油性の増加が、膜通過について予想するための適したパラメーターではないことが示された。例えば、親油性と膜透過との間の直接的な関係は確認されることができなかった(Conradi他、Pharm. Res. 9 (1992) 435-439)。
【0009】
故に親油性の増加は、個々の場合に膜透過を高めることができるが、しかしながらこのことは必ずしも高められた経口生物学的利用能の結果とはならない。例えば、アルガトロバンについては、プロドラッグとしてアミドキシムへの塩基性残基の変換は、改善された透過性をもたらすが、しかしさらに活性の損失をまねく(Rewinkel, Adang Cur. Pharm. Design 5 (1999) 1043-1075)。それゆえ、作用物質の場合に変性が胃腸管中の膜通過を改善することができるかどうか及び作用物質の場合にどの変性が胃腸管中の膜通過を改善することができるかは、簡単に予見されることができない。ましてや、この変性が作用物質の薬剤学的性質にどのような影響を及ぼしうるかは予見されることができない。
【0010】
本発明の課題は、経口投与の際に生物において明らかに高められた生物学的利用能及び活性を有し、ウロキナーゼを阻害するための新規医薬を提供することにあった。
【0011】
この課題は、本発明によれば、作用物質として一般式I
【化1】

[式中、Eは、
【化2】

【0012】
【化3】

からなる基を表し、
Bは−SO2−又は−CO−を表し、
Xは−NR1−又は−CHR1−を表し、
Zは−R4、−OR4又は−NH−R4を表し、
Yは−OR2又は−NHR2を表し、
1はその都度独立して、−H、非置換又は置換された、分枝鎖状又は直鎖状の−C1〜C6−アルキル、−C2〜C6−アルケニル又は−C2〜C6−アルキニルあるいは環状基を表し、
2は−H、−R1、−COR1、−COOR1又は−CON(R12を表し、
3はH又は−O−R8を表し、
8は−H、非置換又は置換された、−C1〜C6−アルキル、−C2〜C6−アルケニル又は−C2〜C6−アルキニルあるいは−COR6又は−COOR6あるいは例えば2〜50個の−C2〜C4−アルキレンオキシ、例えばエチレンオキシ基を有するオリゴアルキレンオキシ基又はポリアルキレンオキシ基を表し、
4は−H、非置換又は置換された、−C1〜C6−アルキル、−C2〜C6−アルケニル又は−C2〜C6−アルキニルあるいは環状基を表し、
5は−H、非置換又は置換された、−C1〜C6−アルキル、−C2〜C6−アルケニル又は−C2〜C6−アルキニルあるいは環状基を表し、
6は−H、非置換又は置換された、分枝鎖状又は直鎖状の−C1〜C6−アルキル、−C2〜C6−アルケニル又は−C2〜C6−アルキニルあるいは環状基を表し、
7はH、分枝鎖状又は直鎖状の、線状の、単環式、二環式又は多環式のアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボキシアルキル、カルボキシアルケニル、カルボキシアルキニル、アリール、ヘテロアリール、カルボキシアリール、カルボキシアルキルアリール、カルボキシヘテロアリール、−(CO)NR14又は−COO−R4を表し、
その場合に各々の環状基は、例えば−C1〜C3−アルキル、−OR6(例えば−OH又は−C1〜C3−アルコキシ)、ハロゲン、特にCl、=O、−NO2、−CN、−COOR6、−N(R62、−NR6COR6、−NR6CON(R62及び−OCOR6から選択される1つ又はそれ以上の置換基を有していてよく、
かつその場合に各々のアルキル、アルケニル及びアルキニルは直鎖状又は分枝鎖状であってよく、かつ例えばハロゲン(F、Cl、Br、I)、−OR6、−OCOR6、−N(R62、−NR6COR6、COOR6、−NR6CON(R62又は環状基から選択される1つ又はそれ以上の置換基を有していてよく、
その場合に、Y=OH及びEがAm又はGuaを表す場合には、R3もしくはR8はHでなくてもよい]
で示される1つ又はそれ以上の化合物
又はこれらの化合物の塩並びに場合により薬剤学的に常用の担持剤、希釈剤又は/及び助剤を含有する
医薬によって解決される。
【0013】
好ましくは、この医薬は経口投与可能な薬剤である。特に好ましくは、この医薬はウロキナーゼ−プラスミノゲン−アクチベーターを阻害するために使用される。
【0014】
一般式II
【化4】

[式中、
X、Y,R4、R5及びR7は上記の通り定義されている]で示される化合物
又はそれらの塩が好ましい。
【0015】
基Eは、好ましくは、化合物I及びIIの場合にフェニル環のパラ位に存在する。EがN−オキサ又はオキサである一般式Iの化合物が特に好ましい。
【0016】
本発明による化合物は、一実施態様においてオキサジアゾール基を有する。意外なことに、そのような化合物が傑出して経口利用可能であることが確認された。
【0017】
好ましい別の一実施態様において、本発明による化合物は、少なくとも1つのエステル、より好ましくは位置Y並びにR3もしくはR7上に2つのエステル基を有する。セリン基上及び/又は基E上に、特にアミジン基、グアニジン基又はオキサジアゾール基上にエステル基を有する化合物は、意外なことに、高い経口利用能と同時に高い有効性を示す。
【0018】
前記化合物は、塩として、好ましくは生理学的に適合性の酸塩(Saeuresalze)、例えば鉱酸の塩として、特に好ましくは塩酸塩として、又は適した有機酸の塩として存在していてよい。前記化合物は、光学的に純粋な化合物として又はエナンチオマー又は/及びジアステレオマーの混合物として存在していてよい。
【0019】
環状基は、1つ又はそれ以上の飽和環、不飽和環又は芳香族環を含有していてよい。環状基の好ましい例は、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、ヘテロアリール基及び二環式基である。単環式基又は二環式基が特に好ましい。環状基は、好ましくは4〜30個、特に5〜10個の炭素原子及びヘテロ原子を環原子として、並びに前記の通り、場合により1つ又はそれ以上の置換基を有する。ヘテロ環系は、好ましくは1つ又はそれ以上のO原子、S原子又は/及びN原子を有する。好ましい二環式の環系は、−CO−基を有するそのような環系である。環状基の最も好ましい例は、アダマンチル基又はベンジル基である。
【0020】
アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基は、好ましくは6個まで、特に4個までの炭素原子を有する。R1は好ましくはHあるいは非置換又は置換されたC1〜C4−アルキル基、例えば−CH3又はC1〜C6−アルキルアリール基であるので、CO−X−NR5は例えばグリシル基、アラニル基、フェニルアラニル基又はホモフェニルアラニル基であってよい。基X中で、R1は特に好ましくはCH3であるので、Xは−CH(CH3)−を表す。
【0021】
2は特に好ましくはCOR1であるので、Yはエステル基を表す。基Y中で、R1は特に好ましくは分枝鎖状アルキル基、特にt−ブチルを表す。
【0022】
3は特に好ましくは−O−R8であり、その際にR8はそしてまた好ましくは−COR6を表すので、基R3は好ましくはエステル基を含む。ここでも、R6は好ましくは分枝鎖状アルキル基、特にt−ブチルを表す。さらに、R6は好ましくは環状基、特にアダマンチルを表す。
【0023】
4は、特に好ましくはp−クロロベンジル(Cl−C65−CH2−)である。R5は、好ましくは−H又はC1〜C3−アルキル、特にCH3である。
【0024】
4が環状置換基、例えば非置換又は置換されたフェニル基あるいは二環式基、例えば
【化5】

を有するアルキル基を表す、構造要素ZがR4を表す化合物も好ましい。
【0025】
特に好ましい化合物は、R4が置換又は非置換のC1〜C3−アルキル−アリール基、例えば非置換あるいはメタ位又はパラ位でハロゲン又は/及び−NO2で置換されていてよいベンジル基を表すそのような化合物であり、ここでハロゲンは、F、Cl、Br及びI、特に好ましくはCl及びBrから選択される。
【0026】
第I表に記載された化合物及びWX−711及びWX−781並びにそれらの塩が最も好ましい。
【0027】
本明細書において他に定義されていない限り、適した置換基は、その都度ハロゲン、特にF、Cl、Br又はI、C1〜C4−アルキル、OR6、特にOH、OCOR6、COOR6、N(R62、NR6COR6又はNR6CON(R62である。
【0028】
本発明による化合物は、場合により、適した薬剤学的な助剤又は担持剤と一緒に、医薬の製造に使用されることができる。その場合に、その他の作用物質、例えばその他のウロキナーゼ阻害剤、例えば抗体及び/又はペプチド、しかしまた化学療法剤及び細胞増殖抑止剤又は/及び細胞増殖抑制性作用物質との組合せでの投与が可能である。
【0029】
一般式I及び/又はIIの本発明による化合物は、同様にプロドラッグの意味でも使用及び利用されることができる。
【0030】
かなり一般的には、プロドラッグは、経口投与後に自発的にか又は酵素により、薬剤学的に有効な物質を遊離しながら、変換又は転換される、相応する薬剤学的に活性な物質の薬剤学的に不活性な誘導体である。
【0031】
前記医薬は、ヒト及び動物の場合に、局所に、直腸に又は非経口的に、例えば静脈内に、皮下に、筋肉内に、腹膜内に、舌下に、鼻に又は/及び吸入により、例えば錠剤、糖衣錠、カプセル剤、ペレット、坐剤、溶液、乳濁液、懸濁液、リポソーム、吸入スプレー又は経皮系、例えばプラスターの形で、及び特に好ましくは経口に、例えばスロー−リリース/リタード製剤として投与されることができる。
【0032】
本発明による化合物は、uPA又は/及びウロキナーゼ−プラスミノゲン−アクチベーターレセプター(uPAR)の病的な過剰発現と関係している病気の制圧に適している。これらは、例えば、悪性腫瘍の成長又は/及び拡大(Ausbreitung)並びに腫瘍の転移を高効率で阻害することができる。これらの例は、腫瘍疾患、例えば乳癌、肺癌、膀胱癌、胃癌、子宮頸癌、卵巣癌、腎臓癌、前立腺癌及び軟部組織肉腫、特に高い転移速度と関係する腫瘍である。その場合に、前記化合物は場合により他の腫瘍剤と又は他の種類の治療、例えば照射又は/及び外科手術と一緒に、使用されることができる。
【0033】
さらに、本発明による化合物は、その他のuPA関連疾患又は/及びuPAR関連疾患にも効力がある。そのような疾患の例は、例えば肺高血圧及び/又は心臓疾患(例えば国際公開(WO)第02/00248号パンフレット)、胃腸疾患、例えば炎症性腸疾患、前癌性大腸腺腫、炎症性疾患、例えば敗血症性関節炎、変形性関節症、慢性関節リウマチ、又はその他の疾患、例えば骨粗鬆症、コレステリン種、皮膚疾患及び眼疾患、並びにウイルス感染又は細菌感染であり、その際に欧州特許出願公開(EP-A)第0 691 350号明細書、欧州特許出願公開(EP-A)第1 182 207号明細書及び米国特許(US)第5,712,291号明細書に挙げられた疾患に明らかに関連付けられている。
【0034】
一般式Iの化合物は、例えば図1の合成図式のように製造されることができる。
【0035】
意外なことに、本発明によるuPA阻害剤は、改善された生物学的利用能を有するだけでなく、一次腫瘍に対して明らかに改善された活性を有することも確認された。
【0036】
本発明による物質は、単独で又はその他の生理学的に有効な物質、例えば放射線療法剤と、又は細胞毒性又は/及び細胞増殖抑制性の薬剤、例えば化学療法剤、例えばシスプラチン、ドキソルビシン、5−フルオロウラシル、タキソール誘導体、又は/及び例えばアルキル化剤、代謝拮抗剤、抗生物質、エピドフィロトキシン(Epidophyllotoxine)及びビンカアルカロイドの群から選択されるその他の化学療法による薬剤との組合せで使用されることができる。同様に、放射線療法又は/及び外科手術との組合せが可能である。
【0037】
本発明により、生物、特にヒトの場合のウロキナーゼ阻害方法が、有効量の一般式Iの少なくとも1つの化合物の投与によって提供される。投与すべき用量は、処置すべき疾患の種類及び重症度に依存する。例えば一日量は、作用物質0.01〜100mg/kgの範囲内である。
【0038】
最後に、本発明は、一般式Iのウロキナーゼ−プラスミノゲン−アクチベーターの新規阻害剤に関する。
【0039】
本発明は、以下の図及び実施例によって、より詳細に説明される。
【実施例】
【0040】
例1:WX−770の合成
【化6】

【0041】
Boc−N−Me−Ala−4−ニトロベンジルアミド(1)
無水テトラヒドロフラン(980mL)中のBoc−N−メチル−L−アラニン(30.00g、147.8mmol)の溶液に、N−ヒドロキシスクシンイミド(23.77g、206.7mmol)及びN,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド(33.10g、160.7mmol)を添加し、室温で1.5h撹拌した。ついで、4−ニトロベンジルアミン(22.78g、149.9mmol;塩酸塩からアルカリ液での処理により得られる)を添加し、バッチを一晩にわたって撹拌した(DC制御:CHCl3/MeOH 5:1)。未溶解物からろ別し、固体をTHFで後洗浄し、ろ液を濃縮した。残留物を、シリカゲル上でのクロマトグラフィーにより、クロロホルム/メタノール 99:1を用いて精製し、1が固体(52.8g、定量)として得られた。
【0042】
N−Me−Ala−4−ニトロベンジルアミド塩酸塩(2)
酢酸エチルエステル(1.5L)中の1(51.90g、153.8mmol)の溶液に、酢酸エステル(1.5L)中の塩化水素の飽和溶液を−78℃で添加し、一晩にわたって、融ける冷浴中で撹拌した(DC制御:CHCl3/MeOH 5:1)。過剰の塩化水素を追い出すために、窒素をしばらく溶液に導通した。ついで、乾燥状態まで濃縮し、残留物をエーテルで温浸し、固体をろ別し、乾燥させた(30.48g、83%)。
【0043】
4−クロロベンジルスルホニルクロリド(3)
化合物3を、4−クロロベンジルクロリドから製造した。まず最初に、これから古典的なグリニャール反応により4−クロロベンジル−マグネシウムブロミドを製造し、これを引き続き激しい発熱反応で塩化スルフリルと反応させた:Bhattacharya, S.N.; Eaborn, C.; Walton, D.R.M. J. Chem. Soc. 1968, 1265-1267による。しかしまた、少なくともより少量で、生成物は商業的に入手可能である。
【0044】
(4−クロロベンジルスルホニル)−D−Ser(O−tBu)−OH (5)
アルゴン下に、O−t−ブチル−D−セリン(16.30g、101.2mmol)を、無水ジクロロメタン(150mL)中に懸濁させ、トリエチルアミン(20.45g、202.5mmol)を添加し、その後、強力に撹拌しながらトリメチルクロロシラン(21.87g、202.5mmol)を滴加した。弱い加熱が観察され、引き続き混合物を1.5h、還流まで加熱した。氷冷しながら、3の澄明な溶液にクロロベンジルスルホニルクロリド(4、19.36g、86.1mmol)を添加し、一晩にわたって、温まった冷浴中で撹拌した(DC制御:CHCl3/MeOH 5:1)。バッチを真空中で濃縮し、残留物をエーテル中に取った。何度も5%炭酸水素ナトリウム溶液で抽出し、合一した水相を1M硫酸でpH 2にし、生成物を酢酸エステルで抽出し、合一した有機相を乾燥させ(MgSO4)、濃縮した(28.65g、80%)。
【0045】
(4−クロロベンジルスルホニル)−D−Ser(O−tBu)−Cl (6)
無水ジクロロメタン(425mL)中の5(15.60g、44.7mmol)の溶液に、塩化チオニル(10.55g、89.4mmol)及び無水DMF(1.1mL)を添加し、室温で3h撹拌した(GC制御)。溶剤を除去し、粗酸塩化物6(17.00g、定量)を、さらに精製せずに使用した。
【0046】
(4−クロロベンジルスルホニル)−D−Ser(O−tBu)−N−Me−Ala−4−ニトロベンジルアミド(7)
無水ジクロロメタン(150mL)中の2(12.24g、44.7mmol)の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(11.54g、89.5mmol)を添加し、澄明な溶液が生じるまで撹拌した。氷冷しながら、目下、ジクロロメタン(50mL)中の6(16.46g、44.7mmol)の溶液を滴加し、室温で2h撹拌した(DC制御:CHCl3/MeOH 9:1)。有機溶液を5%硫酸水素カリウム溶液及び5%炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮した。残留物を、ペンタン/酢酸エステル3:2でシリカゲル上でクロマトグラフィーにかけた。7が無色固体として得られた(14.73g、58%)。
【0047】
(4−クロロベンジルスルホニル)−D−Ser−N−Me−Ala−4−ニトロベンジルアミド(8)
トリフルオロ酢酸(260mL)中の7(14.70g、25.8mmol)の溶液を、チオアニソール(3.20g、25.8mmol)と混合し、室温で一晩にわたって撹拌した(DC制御:CHCl3/MeOH 5:1)。バッチを真空及び高真空中で濃縮した。粗生成物を、CHCl3→CHCl3/MeOH 5:1を用いるシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製した(収量10.37g、78%)。
【0048】
(4−クロロベンジルスルホニル)−D−Ser−N−Me−Ala−4−アミノベンジルアミド塩酸塩(9 HCl)
メタノール(50mL)中の8(5.00g、9.8mmol)の溶液に、活性炭上の10%パラジウム(湿った、水50%を含有する;0.50g)を添加し、一晩にわたって水素化した(水素バルーン)。3h後、もう一度触媒(0.05g)を後添加した(DC制御:CHCl3/MeOH 5:1)。触媒をろ別し、メタノールで後洗浄し、ろ液を乾燥状態まで濃縮した。
【0049】
遊離アミン9(3.86g、7.9mmol)を氷冷しながら、ジオキサン(7.8mL)中の4M塩化水素中に懸濁させ、ついで澄明な溶液が生じるまでメタノール(10mL)を添加した。氷冷しながら30min後、もう一度ジオキサン(7.8mL)中の4M HClを添加し、0℃でさらに1h撹拌した。反応溶液を濃縮し、固体を真空中で乾燥させた(4.19g、82%)。
【0050】
(4−クロロベンジルスルホニル)−D−Ser−N−Me−Ala−4−(N−シアンアミノ)−ベンジルアミド(10)
無水エタノール(60mL)中の9(HCl塩!!!)(3.96g、7.6mmol)の溶液に、真空中で加熱された無水酢酸ナトリウム(1.53g、19.1mmol)を添加した。この懸濁液を、無水エタノール(30mL)中のブロモシアン(0.88g、8.4mmol)の溶液と混合し、室温で一晩にわたって撹拌した。反応バッチを氷浴中で冷却し、未溶解物から吸引ろ過除去し、残留物を僅かなエタノールで洗浄し、ろ液を濃縮した。残留物を、シリカゲル上でクロロホルム/メタノール9:1を用いてクロマトグラフィーにより精製した(1.90g、49%)。
【0051】
(4−クロロベンジルスルホニル)−D−Ser−N−Me−Ala−4−(N−ヒドロキシグアニジノ)−ベンジルアミド(11)
無水エタノール(38mL)中の12(1.90g、3.7mmol)の溶液に、氷冷しながら、ヒドロキシルアミン塩酸塩(0.26g、3.7mmol)及びエチルジイソプロピルアミン(0.48g、3.7mmol)と混合し、室温で一晩にわたって撹拌した。翌日に、もう一度0.2モル当量のヒドロキシルアミン塩酸塩及びエチルジイソプロピルアミンを添加した。24h後に、反応バッチを濃縮し、残留物をシリカゲル上で酢酸1%を含有するクロロホルム/メタノール9:1→5:1を用いて、クロマトグラフィーにかけた。生成物画分を濃縮し、最後に残っている酢酸をトルエンとの同時蒸留により除去した。残留物を、エーテル及びテトラヒドロフランからなる混合物中でスラリー化し、十分かき混ぜた。固体を吸引ろ過除去し、真空中で乾燥させた(1.0g、50%)。
【0052】
(4−クロロベンジルスルホニル)−D−Ser(CO−t−Bu)−N−Me−Ala−4−(N−t−ブチルカルボニルオキシグアニジノ)−ベンジルアミド(12、WX−770)
NMP 2ml及びピバル酸2ml中の11 200mg(0.37mmol)の溶液に、ピバル酸クロリド5当量(228μl;1.85mmol)を添加し、週末にわたってRTで撹拌した。その際に、生成物約60%、出発物質20%及びその都度ピバル酸エステルでモノ置換された出発物質20%の混合物が生じた。さらに5当量のピバル酸クロリドの添加後に、反応を、さらに2日後に中断した。HPLCによれば、高い純度を有する生成物が生じていた。反応混合物を、酢酸エチル20mlで希釈し、5% NaHCO3各20mlで3回及び濃NaCl溶液で1回抽出した。有機相をNa2SO4上で乾燥させ、溶剤をロータリーエバポレーターで除去した。生じた油をジクロロメタン5ml中に溶解させ、撹拌しながらジイソプロピルエーテル50ml中にゆっくりと滴加した。綿状沈殿を冷蔵庫中でさらに結晶化させ、遠心分離除去し、高真空中で乾燥させた。収量115mg(0.16mmol;44%)。
【0053】
WX−771、WX−780並びにWX−781の抗腫瘍有効性及び抗転移有効性
ウロキナーゼ型のプラスミノゲン−アクチベーター(uPA)、その細胞レセプター(uPAR)及びその阻害剤(PAI−1)は、プラスミン活性化カスケードの本質的な成分である。プラスミンは、組織の改造(Umbau)の際及び細胞移動過程の際に、並びにその他の酵素、例えばマトリックスメタルプロテイナーゼ(MMPs)の活性化による腫瘍関連タンパク分解活性の際に、本質的な役割を果たす。こうして、例えば乳癌の場合にこれらの成分の高い発現割合は、腫瘍の浸潤、転移拡大及び血管新生を助ける。それゆえ、腫瘍関連タンパク分解活性の阻害は、癌患者用の抗腫瘍作用物質もしくは抗転移作用物質の開発のための新しい構想である。
【0054】
WX−771、WX−780並びにWX−781の抗腫瘍有効性及び抗転移有効性を調べるために、試験を実施した。
【0055】
試験系として、ブラウンノルウェイラットにおけるBN−472転移性乳腺腫瘍を使用した。使用された腫瘍組織の種類は、例えばKort他, J. Natl. Cancer Inst. 72 (1984) 709-713に記載されている。ラットは、Harlan Nederland、NL 5960-AD Horst、オランダ国から購入し、かつ6〜8週齢であり、かつ質量が128g〜170gであった。
【0056】
固体物質
WX−340:
皮下注射の場合の抗腫瘍有効性及び抗転移有効性が知られている(4−クロロ−ベンジルスルホニル−D−Ser−Gly−4−グアニジノ−ベンジルアミド塩酸塩)を、比較目的のために共に調べた。投与するために、WX−340 0.75mgを、水中の5%質量/体積D−マンニトール20ml中に溶解させ、皮下注射により0.2mg作用物質/kgラットの用量で投与した。
【0057】
対照:
対照として、リン酸塩で緩衝した塩溶液20ml及び無水エタノール400μl中のダイズホスファチジルコリン400mgを導入することにより得られたホスファチジルコリン賦形剤を投与した。懸濁液0.8mlを、対照としてラットに経口投与した。
【0058】
WX−771:
WX−771 7.5mgを、対照のためにも使用されたようなダイズホスファチジルコリン溶液20ml中に導入した。2mg/kgを投与するために、この懸濁液0.8mlを経口投与した。第二の群については、ラットあたり同様に0.8mlの投与で0.2mg/kgの用量を得るために、原液を1:10に希釈した。
【0059】
WX−780:
WX−780 7.5mgを、ダイズホスファチジルコリン懸濁液20ml中に、前記の対照懸濁液に相応して導入した。2mg/kgの用量を投与するために、ラットにこの懸濁液0.8mlを投与した。0.2mg/kgの用量を投与するために、原液を1:10に希釈し、その際にさらにラットあたり0.8mlを投与した。
【0060】
WX−781:
WX−781 7.5mgを、ダイズホスファチジルコリン懸濁液20ml中に、前記の対照懸濁液に相応して導入した。2mg/kgの用量を投与するために、ラットにこの0.8mlを経口投与した。0.2mg/kgの用量を投与するために、原液を1:10に希釈し、その際にさらに0.8ml/ラットを経口投与した。
【0061】
結果:
試験は、WX−771、WX−780並びにWX−781が、三週間にわたる0.2もしくは2mg/kgの一日量単位での経口投与の場合に、有意な抗腫瘍作用及び抗転移作用を示したことが分かった。結果は図6〜9に示されている。
【0062】
【表1−1】

【0063】
【表1−2】

【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】WX−770の合成図式及び誘導体の合成を示す図。
【図2】ラットにおけるWX−770の経口利用能を示す図。
【図3】WX−770からWX−582への試験管内の代謝活性化を示す図。
【図4】BN−472ラット腫瘍モデルにおける本発明による化合物WX−770の有効性を示す図。
【図5】オキサジアゾールへの転位を示す図。
【図6A】ダイズホスファチジルコリンでの処置(対照)、0.2mg/kgもしくは2mg/kgの用量のWX−340の皮下投与並びにWX−771の経口投与についての腫瘍成長の速度論を示す図。
【図6B】ダイズホスファチジルコリンでの処置(対照)、0.2mg/kgもしくは2mg/kgの用量のWX−340の皮下投与並びにWX−781の経口投与についての腫瘍成長の速度論を示す図。
【図6C】ダイズホスファチジルコリンでの処置(対照)、0.2mg/kgもしくは2mg/kgの用量のWX−340の皮下投与並びにWX−780の経口投与についての腫瘍成長の速度論を示す図。
【図7】一次腫瘍の大きさ及び質量への影響を示す図。
【図8】抗転移作用を示す図。
【図9】臓器質量への影響を示す図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作用物質として一般式I
【化1】

[式中、Eは、
【化2】

【化3】

からなる基を表し、
Bは−SO2−又は−CO−を表し、
Xは−NR1−又は−CHR1−を表し、
Zは−R4、−OR4又は−NH−R4を表し、
Yは−OR2又は−NHR2を表し、
1はその都度独立して、−H、非置換又は置換された、分枝鎖状又は直鎖状の−C1〜C6−アルキル、−C2〜C6−アルケニル又は−C2〜C6−アルキニルあるいは環状基を表し、
2は−H、−R1、−COR1、−COOR1又は−CON(R12を表し、
3はH又は−O−R8を表し、
8は−H、非置換又は置換された、−C1〜C6−アルキル、−C2〜C6−アルケニル又は−C2〜C6−アルキニルあるいは−COR6又は−COOR6あるいは例えば2〜50個の−C2〜C4−アルキレンオキシ、例えばエチレンオキシ基を有するオリゴアルキレンオキシ基又はポリアルキレンオキシ基を表し、
4は−H、非置換又は置換された、−C1〜C6−アルキル、−C2〜C6−アルケニル又は−C2〜C6−アルキニルあるいは環状基を表し、
5は−H、非置換又は置換された、−C1〜C6−アルキル、−C2〜C6−アルケニル又は−C2〜C6−アルキニルあるいは環状基を表し、
6は−H、非置換又は置換された、分枝鎖状又は直鎖状の−C1〜C6−アルキル、−C2〜C6−アルケニル又は−C2〜C6−アルキニルあるいは環状基を表し、
7はH、分枝鎖状又は直鎖状の、線状の、単環式、二環式又は多環式のアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボキシアルキル、カルボキシアルケニル、カルボキシアルキニル、アリール、ヘテロアリール、カルボキシアリール、カルボキシアルキルアリール、カルボキシヘテロアリール、−(CO)NR14又は−COO−R4を表し、
その場合に各々の環状基は、例えば−C1〜C3−アルキル、−OR6(例えば−OH又は−C1〜C3−アルコキシ)、ハロゲン、特にCl、=O、−NO2、−CN、−COOR6、−N(R62、−NR6COR6、−NR6CON(R62及び−OCOR6から選択される1つ又はそれ以上の置換基を有していてよく、
かつその場合に各々のアルキル、アルケニル及びアルキニルは直鎖状又は分枝鎖状であってよく、かつ例えばハロゲン(F、Cl、Br、I)、−OR6、−OCOR6、−N(R62、−NR6COR6、COOR6、−NR6CON(R62又は環状基から選択される1つ又はそれ以上の置換基を有していてよく、
その場合に、Y=OH及びEがAm又はGuaを表す場合には、R3もしくはR8はHでなくてもよい]
で示される1つ又はそれ以上の化合物
又はこれらの化合物の塩並びに場合により薬剤学的に常用の担持剤、希釈剤又は/及び助剤を含有する
医薬。
【請求項2】
一般式II
【化4】

[式中、
X、Y、R4、R5及びR7は、請求項1の通り定義されている]で示される1つ又はそれ以上の化合物又はこれらの化合物塩を含有する、請求項1記載の医薬。
【請求項3】
4
【化5】

を表す、請求項1又は2記載の医薬。
【請求項4】
4が置換又は非置換のC1〜C3−アルキル−アリール基、特に非置換あるいはメタ位又はパラ位でハロゲン又は/及び−NO2で置換されていてよいベンジル基を表し、ここでハロゲンは、F、Cl、Br及びIから選択される、請求項1又は2記載の医薬。
【請求項5】
化合物が、
【化6】

【化7】

又はそれらの塩から選択されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の医薬。
【請求項6】
経口投与可能な薬剤である、請求項1から5までのいずれか1項記載の医薬。
【請求項7】
ウロキナーゼ及び/又はウロキナーゼレセプターの病的な過剰発現と関係している病気の制圧のための薬剤学的組成物を製造するための、請求項1から6までのいずれか1項記載の医薬の使用。
【請求項8】
腫瘍処置又は腫瘍予防のための請求項7記載の使用。
【請求項9】
転移形成の処置又は予防のための請求項8記載の使用。
【請求項10】
一次腫瘍の処置のための請求項9記載の使用。
【請求項11】
経口投与可能な組成物が製造される、請求項7から10までのいずれか1項記載の使用。
【請求項12】
組成物が錠剤、糖衣錠、カプセル剤、ペレット、溶液、乳濁液又は/及び懸濁液の形で製造される、請求項7から11までのいずれか1項記載の使用。
【請求項13】
式I
【化8】

[式中、E、B、X、Z、Y及びR5は、請求項1の通り定義されている]で示される化合物。
【請求項14】
式II
【化9】

[式中、X、Y、R4、R5及びR7は、請求項1の通り定義されている]で示される化合物。
【請求項15】

【化10】

【化11】

又はそれらの塩から選択される、請求項13又は14記載の化合物。
【請求項16】
請求項13から15までのいずれか1項記載の少なくとも1つの化合物の有効量を投与することによる、生物でのウロキナーゼ阻害方法。
【請求項17】
請求項13から15までのいずれか1項記載の少なくとも1つの化合物の有効量を投与することによる、ヒトでのウロキナーゼ阻害方法。
【請求項18】
プロドラッグとしての請求項13から15までのいずれか1項記載の化合物の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図8−1】
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【図8−2】
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【図9−1】
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【図9−2】
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【公表番号】特表2009−506087(P2009−506087A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−528406(P2008−528406)
【出願日】平成18年8月29日(2006.8.29)
【国際出願番号】PCT/EP2006/008451
【国際公開番号】WO2007/025718
【国際公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(501022343)ヴィレックス アクチェンゲゼルシャフト (9)
【氏名又は名称原語表記】Wilex AG
【住所又は居所原語表記】Grillparzer Strasse 10, D−81675 Muenchen,Germany
【Fターム(参考)】