説明

エアバッグモジュールのための可撓性ハウジング

エアバッグモジュール10が、インフレータ42と、クッション40と、インフレータ42とクッション40とを収容するハウジング46とを有する。ハウジングは、可撓性材料で形成されている外壁と、車両に取り付けられるように設計されているブラケットとを有する。展開中に、クッションがブラケットの中を通してハウジングの外に押し出される。インフレータはハウジング内に残り、膨張ガスがハウジングの中を通してクッションに搬送される。インフレータは、そのインフレータの周りに巻き付けられておりかつそのインフレータの垂直方向に方向配置されたディフューザに固定されているフラップによって保持されうる。あるいは、この代わりに、ディフューザは、ハウジング内の織物壁の中に形成されているオリフィスの中を通って延びてよく、外壁の保持部分がインフレータの反対側の側部の周りに巻き付けられてもよい。このエアバッグモジュールは、堅固なモジュールハウジングを必要とせずに、フロントシートの助手席側の衝突保護を実現するために、計器パネル内に取り付けられることが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
膨張式の安全拘束装置、すなわち、エアバッグの装備は、現在において様々な新型車両に関する法的な必要条件である。エアバッグは、典型的には、ステアリングホイール内と車両の助手席側のダッシュボード内とに取り付けられている。これに加えて、側方衝突保護を実現するために車両の乗客の横で、衝突から膝を保護するために膝の前方に、又は、他の効果的な場所において、膨張するように取り付けられうる。
【背景技術】
【0002】
事故発生時には、車両内のセンサシステムが衝突状況を検出して、インフレータの点火を生じさせる。インフレータからの膨張ガスがエアバッグクッションを満たし、このエアバッグクッションは、運転者及び/又は乗客を車両の内部表面に対する衝突から保護するために直ちに膨張する。車両の通常動作中は、エアバッグは、典型的には、そのエアバッグを不正操作から保護するために、また、車両のより魅力的な内部外観を実現するために、カバーの裏側に収容されている。
【0003】
助手席側の前方衝突エアバッグは、車両の計器パネル内に取り付けられている場合が多い。こうしたエアバッグは、計器パネルの上部表面上に取り付けられることが多い。インフレータは計器パネル内に取り付けられ、クッションが上方に膨張することを生じさせるために上方に膨張ガスが流れるように配置される。折り畳まれたクッションとインフレータは、典型的には、折り畳まれた状態にクッションを維持し、かつ、展開中にインフレータとクッションとを保持するハウジングの中に詰められている。このハウジングは、典型的には、金属薄板等で形成されている。
【0004】
不幸なことに、このハウジングは、エアバッグモジュールのコストを著しく増大させる。このハウジングは、典型的には、他のモジュール構成要素とは別個に形成されなければならず、したがって別個の製造段階を使用することを必要とする。これに加えて、インフレータとクッションは、比較的多くの時間を要しかつ多大な労力を要する可能性がある手順を用いて、ハウジング内に挿入され、このハウジングに取り付けられなければならない。このハウジングは、さらに、エアバッグモジュールの重量を増大させ、これによって車両の総重量と燃料消費とを増大させる。従って、現時点で利用可能なエアバッグハウジング技術は幾つかの欠点を有する。
【発明の開示】
【0005】
本発明の装置と方法は、現在の技術状況に対応する形で、特に、現時点で利用可能なエアバッグモジュールによっては完全には解決されていない技術的な問題点と要求とに対応する形で、開発されている。したがって、従来技術の欠点を克服するエアバッグモジュールとこれに関連した方法とを提供することが、本発明の全体的な目的である。
【0006】
上述の目的を実現するために、一実施態様の形で本明細書において具体化されておりかつ概略的に説明されている本発明によれば、エアバッグモジュールが、クッションと、インフレータと、クッションとインフレータとを全体的に収容するハウジングとを有する。このハウジングの少なくとも一部分が、クッションの少なくとも一部分と共に単一の部品として形成されており、かつ、織物のような可撓性材料で形成されている。インフレータは、電子制御ユニット(ECU)が衝突センサによる衝突の検出に応答してインフレータに起動信号を送ることが可能であるように、加速度計のような衝突センサにさらに連結されている電子制御ユニット(ECU)に接続されうる。車両は、フロントガラスと、クッションがそこから展開する計器パネルとを有する。
【0007】
ハウジングは、クッションと一体化されている外壁と、計器パネルにハウジングとクッションとを取り付けるために使用される第1及び第2のブラケットと、インフレータを保持するために使用される第1及び第2のフラップとを有する。外壁は、クッションの入口と一体である取り付けスロートを有する。この取り付けスロートとクッション入口は、プリーツを形成するようにブラケットの間で折り畳まれている。このブラケットの各々は、クッションが展開中にブラケットの中を通ってハウジングの外に出ることが可能であるように、中央部が開口している概ね長方形の形状を有しうる。このブラケットは、プリーツを保持するためにリベット等によって互いに取り付けられており、これによってハウジングの外壁の取り付けスロートとクッションの入口とを保持する。
【0008】
インフレータは、軸線を有する主本体と、この軸線に対して概ね垂直に延びているディフューザとを有する。第1のフラップは舌片を有し、第2のフラップは、その舌片が中を通して挿入されるスリットを有する。インフレータは、この2つのフラップの間に配置されている。フラップの各々はオリフィスを有し、フラップの各々は、ディフューザ付近にオリフィスを位置させるためにインフレータの主本体を周りを約3/4の長さに巻き付けられている。ディフューザが第1及び第2のフラップの末端を保持し、これによってフラップとインフレータを所定の場所に保持するように、そのオリフィスがディフューザ上に挿入されている。インフレータは、主本体とディフューザとの間に凹み部を有する。オリフィスは摺動してこの凹み部と係合し、そのディフューザの相対的により大きい輪郭は、オリフィスが摺動してディフューザから離れることがないようにする傾向がある。フラップは、ハウジングをインフレータ保持部分とクッション保持部分とに区分する隔壁として機能する。
【0009】
クッションは、順序正しく折り畳むことと、順序正しい折り畳みパターンが実現されない「混沌(chaos)」折り畳みすなわち圧縮折り畳みとを含む、様々な方法でハウジング内に詰め込まれうる。圧縮折り畳みが使用される場合には、クッションは、フラップに対してもたれかかるように、ブラケットの中を通してハウジングの中に単純に押し込まれる。ブラケットは、ハウジングが計器パネルの中に延びているように計器パネルに取り付けられる。インフレータは、クッション膨張の強度及び/又はタイミングを決定するために選択的に起動されることが可能な複数のイニシエータを有する「適応型の」インフレータであってよい。インフレータは、ハウジングの中を通過してそのインフレータの両方の末端に達するワイヤを経由してECUに連結されうる。
【0010】
衝突又は逼迫した衝突が検出されると、インフレータは展開して膨張ガスを発生する。この膨張ガスはディフューザを経由してクッション保持部分の中に放出される。膨張ガスはハウジングの外にクッションを押し出して、取り付けスロートと入口との中を通過することによってクッションを膨張させる。外壁は、展開中に限定された流量で膨張ガスが中を通ってクッションとハウジングとから出て行くことが可能な1つ又は複数の通気孔を有してもよい。この通気孔は、ガスを計器パネルの中に放出することによって、膨張したクッションを柔軟化し、収縮を可能にする働きをしてもよい。したがって、通気は、膨張ガスが車両の乗員と接触することなしに実現されうる。
【0011】
本発明の1つの代案の実施態様では、ハウジングは、クッションの一部分と共に単一の部品として形成されずにクッションの一部分とは別個に形成されている外壁を有する。この外壁は取り付けスロートを有し、クッションは、取り付けスロートとは別個の入口を有する。取り付けスロートと入口は、上述の実施態様のブラケットと同様の2つのブラケットの間に保持されている。この入口は補強部品によって補強されてもよい。
【0012】
インフレータは、上述の実施態様のインフレータに類似していてもよい。しかし、上述の実施態様のフラップの代わりに、外壁が、インフレータを協働して保持する第1及び第2の保持部分を有しうる。これに加えて、壁が、ハウジングをクッション保持部分とインフレータ保持部分とに区分するために、外壁の互いに反対側の側部の間を内部において延びている。この外壁は、インフレータのディフューザが中を通って延びているオリフィスを有する。第1及び第2の保持部分は、インフレータの主本体を壁に押し当てて保持するために、このインフレータの主本体の反対側の側部の周りに巻き付く。第1及び第2の保持部分は互いに重なり合い、第1及び第2の保持部分を変形させることによって互いに整合させられることが可能なスリットを有し、これによってインフレータをインフレータ保持部分の中に挿入することを可能にする。
【0013】
このクッションは、順序正しい折り畳みと、圧縮折り畳み等によって、その後の挿入とを介して再び挿入されてよい。ブラケットは、ハウジングが計器パネルの中に延びているように計器パネルに再び取り付けられる。インフレータは、第1及び第2の保持部分のスリットの中を通るワイヤによって、又は、そのスリットとは別個に外壁の中に形成されている穴の中を通るワイヤによって、ECUに連結されてよい。
【0014】
エアバッグモジュールは、衝突又は切迫した衝突の検出に応答して展開する。インフレータは膨張ガスを発生し、この膨張ガスはディフューザを通してクッション保持部分の中に放出される。この膨張ガスは、ブラケットの中を通してハウジングの外にクッションを押し出し、そのクッションを膨張させる。ハウジングは通気孔を備えなくてもよいが、オリフィスと第1及び第2の保持部分のスリットとの中を通して何らかの通気が生じることが可能である。膨張したクッションを固くするために、又は、収縮を促進するために、通気孔が採用随意に設けられてよい。
【0015】
本発明のエアバッグモジュールとこれに関連した方法との使用によって、エアバッグモジュールは、硬質ハウジングの排除によって効率的で低コストで生産されうる。このエアバッグモジュールは、迅速かつ確実な膨張を実現しうるし、車両の計器パネルの中への膨張ガスの放出を容易に可能にし、これによって車両乗員との膨張ガスの接触を回避しうる。さらに、このエアバッグモジュールは、効率的にかつ低コストで製造されうる。本発明のこれらの特徴と利点とその他の特徴と利点とが、後述の説明と添付されている特許請求項とからさらに詳細に明らかになり、又は、後述している本発明の実施によって理解されうる。
【0016】
本発明の上述の特徴及び利点と他の特徴及び利点とが得られる仕方がより容易に理解されるように、簡略的に上述した本発明のより具体的な説明が、添付図面に示されている本発明の特定の実施形態を参照しながら行う。これらの図面を理解することが、本発明の典型的な実施形態だけを示すにすぎず、したがって、本発明の範囲を限定するものとして認識されるべきではないということを理解することによって、本発明は、添付図面の使用によって追加の特性と詳細事項とを伴って記述され説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の現時点で好ましい実施形態が、添付図面を参照することによって最も適切に理解され、この添付図面では、同じ部品が全体を通じて同じ番号で示されている。本明細書の図面に概略的に説明され示されている本発明の構成要素が、様々な異なる形状構成の形に構成され設計されることが可能であるということが、容易に理解されるだろう。したがって、図1から図5に示されている本発明の装置とシステムと方法との実施形態に関する後述のより詳細な説明は、特許請求されている本発明の範囲を限定することを意図されておらず、本発明の現時点で好ましい実施形態を単に示すにすぎない。
【0018】
この出願に関しては、語句「に接続されている(connected to)」、「に連結されている(coupled to)」、及び、「と連絡している(in communication with)」は、機械的な相互作用と、電気的な相互作用と、磁気的な相互作用と、電磁的な相互作用と、熱的な相互作用とを含む、2つ以上の要素の間のあらゆる形態の相互作用を意味する。語句「に取り付けられている(attached to)」は、取り付けられている物体の相互間の相対的な平行移動又は回転を制限する機械的連結形態を意味する。語句「に回動自在に取り付けられている(pivotally attached to)」と「に摺動自在に取り付けられている(slidably attached to)」は、他の相対運動を制限しながら相対的な回転又は相対的な平行移動をそれぞれに可能にする機械的連結形態を意味する。
【0019】
語句「に直接取り付けられている(attached directly to)」は、取り付けられた物品が直接的に接触している取り付け形態、又は、単一の留め具、接着剤、化学接着剤、又は、他の取り付け機構だけによって隔てられているにすぎない取り付け形態を意味する。術語「突合せ(abutting)」は、互いに直接的に物理的に接触している物品を意味するが、これらの物品は互いに取り付けられていなくてもよい。術語「把持(grip)」は、互いに直接的に物理的に接触しておりかつ一方の物品が他方の物品を堅固に保持する物品を意味する。術語「一体状に形成されている(integrally formed)」は、複数の部品の組み立てを必要とせずに、一体状に、すなわち、単一部品として、製造されている本体を意味する。複数の部品が単一の被加工物から形成される場合には、これらの複数の部品が互いに一体状に形成されてもよい。互いに「連結されている(coupled to)」物品は、互いに単一の部品として形成されてもよい。
【0020】
図1を参照すると、側面図が本発明の一実施形態によるエアバッグモジュール10を示す。このエアバッグモジュール10は、助手席側の前方保護を実現するように設計されている。しかし、当業者は、本発明が、ニーボルスタ(knee bolster)、オーバヘッドエアバッグ(overhead airbag)、膨張式カーテン(inflatable curtain)、サイドエアバッグ(side airbag)、膨張式構造スチフナ(inflatable structural stiffener)等のような他のタイプのエアバッグにも同様に適用可能である。
【0021】
図示されているように、車両12は、乗員22が中に座る座席20を有する。乗員22は、頭部24と、胴体26と、膝28とを有する。シートベルト30が乗員22のための一次的な拘束を実現する。車両12は、さらに、乗員22の側方のフロントドア32と、乗員22の前方のフロントガラス34と、フロントガラス24の概ね下方に配置されている計器パネル36とを有する。エアバッグモジュール10は、計器パネル36の中に収容されて、計器パネル36の取り付け凹み部38の中に据え付けられている。装飾内装パネル(図示されていない)等が、エアバッグモジュール10を乗員22から隠すために取り付け凹み部38の上に配置されうる。
【0022】
図示されているように、エアバッグモジュール10はクッション40を有し、このクッション40は、完全に膨張した形で示されている。エアバッグモジュール10は、さらに、クッション40に膨張ガスを供給するために計器パネル36内に配置されているインフレータ42も備えている。インフレータ42は、圧縮ガス式インフレータと、火工式インフレータと、ハイブリッドインフレータとを含む任意の公知のタイプであってよい。クッション40は、図1に示す膨張形態と、クッション40が展開前に計器パネル36内に収容されている圧縮形態とを有する。
【0023】
エアバッグモジュール10は、インフレータ42と圧縮形状のクッション40とを収容するために計器パネル36内に配置されているハウジング46を有する。クッション40は、インフレータ42からの膨張ガスがクッション40に到達するためにハウジング46の中を導かれるように、ハウジング46に取り付けられている。クッション40は、乗員コンパートメントの中に膨張ガスを放出するためにそのクッション内に形成されている通気孔(図示されていない)を随意に備えてもよい。しかし、図1の実施形態では、この代わりに、通気は、この後で示され説明される仕方でハウジング46によって行われてもよい。ハウジング46の少なくとも一部分が、同様にこの後で示され説明される仕方で、可撓性材料で形成されている。
【0024】
この出願では、「可撓性材料」とは、永続的な形状を保持するのに十分なだけ硬質ではない任意の材料である。したがって、織物、薄いプラスチックシート等が「可撓性材料」である。典型的には、シート材料、より厚いプラスチック形状等は、永続的な形状を維持するのに十分なだけ硬質であり、したがって可撓性材料ではない。語句「実質的に可撓性材料で形成されている」は、構成要素の外方に露出されている表面の大部分が可撓性材料で形成されているということを意味する。このような構成要素は依然として硬質の構成要素を含んでよいが、こうした硬質の構成要素が、その構成要素の外方に露出されている表面の大部分を形成することは不可能である。
【0025】
電子制御ユニット48、すなわち、ECU48が、車両12内に配置されている。ECU48は図に示すように配置されることは必ずしも必要ではなく、車両12内の様々な場所に配置されてよい。ECU48は、2組のワイヤ50、52を経由してインフレータ42に連結されうる。加速度計54等のような衝突センサが、衝突が発生しているか又は発生しようとしていることを示すために、ECU48に信号を伝送する。その次に、ECU48は、インフレータ42の展開を引き起こすためにインフレータ42に起動信号を送信する。その次に、インフレータ42は、クッション40を膨張させるために膨張ガスを放出する。
【0026】
必要に応じて、インフレータ42は、衝突の激しさに基づいて可変的な量の膨張ガスを供給するように設計されている「適応型の」インフレータであってよい。例えば、インフレータ42は、互いに独立して起動されることが可能な2つのイニシエータ(図示されていない)を有してもよい。各々のイニシエータは特定の量の膨張ガスを供給し、各イニシエータは、より少ない産出量の膨張ガスのためには単独で起動されてよく、又は、多量の産出量の膨張ガスを供給するために両方が起動されてもよい。ECU48は、衝突又は切迫した衝突の激しさを測定し、これによってワイヤ50、52の組のどちらが起動信号を受け取るべきかを決定するように構成されてもよい。
【0027】
図2を参照すると、側面断面図が、ハウジング46内で圧縮形状であるクッション40を伴うエアバッグモジュール10を、単独の形で示している。このエアバッグモジュール10は、矢印で示すように、縦方向58と、横方向60と、横断方向とを有する。図2では、上述したクッション40とインフレータ42とハウジング46とがさらに詳細に示されている。
【0028】
ハウジング46は外壁64を有し、この外壁64の少なくとも一部分がクッション40の一部分と共に単一の部品として形成されている。したがって、外壁64はクッション40と同じ材料で形成されており、この材料は、ナイロン(登録商標)織物のような標準的なエアバッググレードの織物であってよい。これに加えて、ハウジング46は、計器パネル36の取り付け凹み部38に外壁64を取り付けるために使用される第1のブラケット66と第2のブラケット68とを有する。ブラケット66、68の各々は、ライセンスプレートホルダのブラケットのように、その中央部が開口している概ね長方形の形状を有する。図2では、ブラケット66、68は、その長い方の寸法に沿って示されており、その形状は、図3に関連してより明瞭に示されるだろう。外壁64は、ブラケット66、68の間に挟まれている取り付けスロート70を有する。
【0029】
ハウジング46は、さらに、クッション40からインフレータ42を概ね隔てている隔壁を有する。図2の実施形態では、この隔壁は第1のフラップ72と第2のフラップ74とによって実現され、これらのフラップは外壁64から延びて、外壁64と共に単一の部品として形成されている。第1及び第2のフラップ72、74は、後でさらに詳細に説明する仕方でインフレータ42を保持するために、インフレータ42の周囲に巻き付けられている。
【0030】
外壁64は、制限された流量で膨張ガスが外壁64を通過することを可能にする1つ又は複数の通気孔76を有しうる。したがって、通気孔76がクッション40内に設けられることは不要である。通気孔76は、膨張ガスが計器パネル36の中に直接的に流れ込むことを可能にし、これによって膨張ガスが車両の乗員と直接に接触することを防止する。図2の実施形態では、通気孔76は単純に開口である。しかし、代案の実施形態では、引裂き可能な薄膜等が、差圧閾値に達するまで、通気を遅延させるために使用されることが可能である。あるいは、この代わりに、火工装置又は他の装置が外壁64に取り付けられてよく、衝突の激しさに対して通気を適合させるように、ECU48によって選択された時点において、膨張中の通気オリフィスの発生を可能にするために、ECU48に電気的に連結されてもよい。
【0031】
図示されているように、フラップ72、74は、外壁64内の空間をクッション保持部分78とインフレータ保持部分79とに区分する。インフレータ42は概ねインフレータ保持部分79の中に配置されており、クッション40は、その圧縮形状において、クッション保持部分78の中に配置されている。インフレータ保持部分79はインフレータ42を収容するが、必ずしもインフレータ42を完全に取り囲む必要はない。むしろ、インフレータ42の特定の部分を露出させうる。この出願では、インフレータを「収容する」ことは、インフレータ42の大部分が、ハウジング46によって画定された外被の中に位置させられているということを意味する。この出願では、術語「隔壁」は、クッションからインフレータを概ね分離するあらゆる構造を広範囲に意味する。図2では、フラップ72、74は隔壁を形成するが、図4と図5とに関連して示されかつ説明されるように、隔壁は様々な他の構造によって実現されてよい。
【0032】
図2の説明に戻ると、膨張ガスが取り付けスロート70の中を通過し、その次に入口80の中を通過して、クッション40を膨張させるように、クッション40は、外壁64の取り付けスロート70に隣接して位置している入口80を有する。取り付けスロート70と入口80は互いに単一の部品として形成されており、第1及び第2のブラケット66、68の間を外方に延びているプリーツ82を形成するように協働する。
【0033】
複数の留め具84が、第1及び第2のブラケット66、68内の穴(図2には図示されていない)の中を通って延び、かつプリーツ82内の対応する穴(図2には図示されていない)の中を通って延びている。留め具84は、リベット、ナット、ボルト等の形状であってもよい。図2の実施形態では、留め具84はPIM留め具である。したがって、留め具84の各々は、第1のブラケット66の上部表面の対応する要素(図示されていない)と嵌合するキー溝付きの形状(図示されていない)を有する頭部86を有しうる。頭部86が押し込まれて第1のブラケット66と係合させられ終わった時に、キー溝とこれに対応する要素とが、留め具84と第1のブラケット66との間の相対的な平行移動又は回転を防止する締り嵌めを実現する。
【0034】
留め具84の各々は、さらに、第1及び第2のブラケット66、68の中を通って延びているねじ山付きスタッド88も有する。このねじ山付きスタッド88は、図1の取り付け凹み部38の中の整合した穴(図示されていない)の中を通して挿入でき、ナット(図示されていない)が、取り付け凹み部38に堅固に取り付けられている状態にブラケット66、68を保持するために、ねじ山付きスタッド88の各々と係合するようにねじ込まれうる。車両12内の据え付けの前に、第1及び第2のブラケット66、68は、ブラケット66、68の外周部に分布しておりかつブラケット66、68内とプリーツ82内とに形成されている穴(図示されていない)の中を通って延びているリベット90のような複数の追加の留め具によって、一体状に保持される。
【0035】
図示してあるように、インフレータ42は、概ね縦方向58に沿って延びている主本体92を有する。インフレータ42は、さらに、概ね横断方向62に沿ってその主本体92から延びているディフューザ94も有する。主本体92内で発生させられるか又は主本体から放出される膨張ガスがディフューザ94の中を通って流れ、このディフューザ94は、縦方向58と横方向60とによって画定される平面内においてこのディフューザ94から半径方向に外方にガスが流れることを引き起こすように穿孔されている。上述したように、インフレータ42は適応型のインフレータであってよく、したがって、各々の縦方向末端にイニシエータを有しうる。これに加えて、火工材料と、容器と、内部ディフューザと、他の構成要素とがインフレータ42内に収容されうる。こうした構成要素の形状構成は本発明にとっては重要ではなく、したがって、こうした構成要素は図2のインフレータ42からは省略されている。
【0036】
第1のフラップ72は、第1のフラップ72のその他の部分よりも幾分か幅が狭い舌片96を有する。第2のフラップ74は、縦方向58に沿って方向配置されているスリット98を有する。第1のフラップ72は、その第1のフラップ72がスリット98に達するまで第2のフラップ174の外側を通過する。その次に、舌片96はスリット98の中を通過し、この結果として舌片96の大部分が第2のフラップ74の内側を通過する。フラップ72、74の各々は、インフレータ42の主本体92の周りに約3/4の長さだけ巻き付けられている。この出願で使用する場合に、術語「巻き付ける(wrap)」は、完全な包囲を必要とせず、物体とこの物体の周りに巻き付けられている覆いとの間の直接的な接触を必要としない。むしろ、術語「巻き付ける」は、物体の少なくとも幾分かの扇形部分を取り囲む覆いを意味する。
【0037】
第1のフラップ72はその遠位末端の付近に位置したオリフィス100を有し、第2のフラップ74はその遠位末端の付近に位置したオリフィス100を有する。ディフューザ94はオリフィス100、100の中を通って突き出し、ハウジング46のクッション保持部分78に達する。したがって、ディフューザ94によって放出された膨張ガスは(オリフィス100を経由して)フラップ72、74の中を通過し、クッション保持部分78の中に入る。オリフィス100とディフューザ94との係合が、さらに、インフレータ42の主本体92の周りでフラップ72を所定位置に保つ。
【0038】
インフレータ42は、ディフューザ94と主本体92との間に凹み部103を有する。この凹み部103は、ディフューザ94の横断面サイズよりも小さい横断面サイズを有する。オリフィス100は、ディフューザ94に対してわずかな締り嵌めを実現する大きさにされうる。したがって、さらに別の組み立て段階が行われるにつれて、オリフィス100がディフューザ94上を偶発的に引き戻されることがないように、ディフューザ94は、ある程度の力でオリフィス100の中に押し込まれうる。
【0039】
外壁64は、その外壁64の縦方向の長さに位置している縦方向の端縁104を有しうる。この縦方向の端縁104は、ワイヤ50、52(図1に示されている)をこれらに関連したコネクタ(図示されていない)を介してインフレータ42に取り付けることを可能にするために、インフレータ42の各末端の一部分を露出状態のまま残すように配置されうる。
【0040】
図2は、組み立てが完了した後のエアバッグモジュール10を示す。インフレータ42は、インフレータ保持部分79内に取り付けられた形で示されており、クッション40は、クッション保持部分78内に収容された圧縮形状で示されている。図に示されているように、クッション40は、混沌(chaos)折り畳み、すなわち、圧縮折り畳みによって圧縮されている。順序正しい折り畳みは存在しない。むしろ、クッション40は、クッション保持部分78の中に単純に押し込まれている。この結果として、図2に示されている比較的ランダムな折り畳みが存在している。
【0041】
図2のクッション40の描写は単なる例示にすぎない。実際のクッション40は、より多くの折り目を有し、図2に示されているものよりもきつく圧迫されている。クッション40は、組み立て中と車両の運転中は確実に圧縮された状態のままであるのに十分なだけきつく圧縮されうる。クッション40のきつい圧縮は、エアバッグモジュール10が車両12の中に据え付けられる時に外壁64がブラケット66、68から幾分か硬直した形で吊り下げられることを生じさせうる。
【0042】
図3を参照すると、分解斜視図が、図1と図2のエアバッグモジュール10を示す。クッション40の大部分が、図面を明瞭にするために切り取られている。図示されているように、インフレータ42が主本体92に対して平行な軸線105を有する。この軸線105は、さらに、主本体92の軸線でもある。主本体92は、第1の末端106と、この第1の末端とは反対側の第2の末端107とを有する。第1及び第2の末端106、107の各々は、対応するイニシエータに対する電気コネクタ(図示されていない)の取り付けを容易にするような形状にされうる。
【0043】
図3では、第1及び第2のブラケット66、68の形状をより明瞭に見ることができる。図示されているように、ブラケット66、68の各々は、各ブラケットの周縁に分布している穴108の形状の複数の取り付け要素を有する。穴108の1つが、対応する留め具84のねじ山付きスタッド88を受け入れるために、ブラケット66、68の各々の隅に配置されている。その他の穴108はリベット90を受け入れる。ブラケット66、68の間に堅固にプリーツ82を保持するために、留め具84が穴109と穴108との中を通ることが可能であるように、プリーツ82が、穴108と整合している穴109を有する。
【0044】
留め具84の使用は単なる一例にすぎない。他の実施形態では、ブラケットは、一体化されたスタッド、ねじ山付きの穴、スナップ式の要素(snap-in feature)等の形状の取り付け要素を有しうる。したがって、この出願では、語句「取り付け要素(attachment feature)」は、留め具84と協働することが可能な穴に限定されず、むしろ、ブラケットを車両に取り付けることができるあらゆる要素を有する。
【0045】
エアバッグモジュール10は、様々な方法によって製造され組み立てられうる。インフレータ42と、留め具84と、リベット90は、公知の製造技術の使用によって製造されてもよいし、又は、入手可能な既製品の構成要素から選択されてもよい。ブラケット66、68は打ち抜き加工されてよく、穴108は打ち抜き加工プロセスの一部分として形成されてもよい。クッション40と外壁64とフラップ72、74は、1つ又は複数の織物片からレーザ切断されてもよい。通気孔76と穴109は、レーザ切断プロセスの一部分として形成されてもよい。上述したように、取り付けスロート70と入口80は同一の材料片から形成され、外壁64の少なくとも一部分はフラップ72、74と同一の材料片から形成されてよい。しかし、クッション40と外壁64との完全な3次元構造を形成するように、他の材料片が所定のサイズに切断されて、互いに取り付けられてもよい。
【0046】
1つの組み立て方法では、ハウジング46の外壁64の取り付けスロート70と、クッション40の入口80は、最初に、プリーツ82を形成するように共に折り重ねられる。その次に、第1及び第2のブラケット66、68が、それぞれに入口80と取り付けスロート70とに突合せになるように配置され、留め具84がブラケット66、68の穴108とプリーツ82の穴109との中を通して挿入される。その次に、留め具84の頭部86が、これらを所定の位置に据え付けるために第1のブラケット66の隣接した表面に対して押し付けられ、これによって頭部86と第1のブラケット66との間のさらなる相対移動を制限する。
【0047】
その次に、リベット90が、公知のリベット留め装置の使用によって取り付けられうる。採用随意に、ナット(図示されていない)が、リベットが取り付けられている最中にブラケット66、68を適正な間隔に維持するために、リベット90の取り付けの前に、ねじ山付きスタッド88の各々の上にねじ込まれてもよい。
【0048】
その次に、インフレータ42がハウジング46内に取り付けられる。さらに明確に述べると、インフレータ42は、第1及び第2のフラップ72、74の間に挿入され、第1のフラップ72の舌片96が第2のフラップ74のスリット98の中を通して挿入される。フラップ72、74は、オリフィス100がディフューザ94と整合しているように主本体92の周りに巻き付けられる。その次に、オリフィス100が、凹み部103と係合するように、ディフューザ94上に押し付けられる。
【0049】
インフレータ42が据え付けられ終わった後に、クッション40は圧縮されて据え付けられる。圧縮方法が圧縮折り畳みである場合には、図2に示すように、ハウジング40内のクッション40の圧縮と据え付けとが、クッション40をブラケット66、68の中を通してハウジング46の中に押し込むことによって同時に行われてもよい。別の方法では、クッション40の順序正しい折り畳みが最初に行われ、その次に、その圧縮されたクッション40がブラケット66、68の中を通してハウジング46の中に挿入されてもよい。
【0050】
その次に、エアバッグモジュール10が完全に組み立てられて、車両12(図1に示されている)の中への据え付けの準備が整う。ワイヤ50、52は、第1及び第2の末端106、107の各々に対する各対のワイヤ50、52に連結されている取り付けコネクタ(図示されていない)を介して、それぞれに第1及び第2の末端106、107に連結されている。ワイヤ50、52が取り付けられ終わると、ハウジング46は、計器パネル36の取り付け凹み部38の中に挿入されてよく、ねじ山付きスタッド88は、図2の説明の中で言及したナット(図示されていない)によって取り付け凹み部38に取り付けられよい。その次に、ブラケット66、68は取り付け凹み部38に取り付けられ、ハウジング46は計器パネル36内に概ね吊り下げられる。その次に、装飾内装パネル(図示されていない)等が、取り付け凹み部38とエアバッグモジュール10を展開まで覆うように、計器パネル36に取り付けられうる。
【0051】
図4を参照すると、側面断面図が、本発明の別の代案の実施形態によるエアバッグモジュール110を示す。図示されているように、エアバッグモジュール110は、クッション140と、上述の実施形態のインフレータに類似したインフレータ42と、クッション140とインフレータ42とを収容するハウジング146とを有する。ハウジング146の少なくとも一部分が織物のような可撓性材料で形成されている。
【0052】
ハウジング146は、可撓性材料で形成されている外壁164を有する。この外壁164は、上述の実施形態の第1及び第2のブラケットに類似した第1及び第2のブラケット66、68の間に挟まれている取り付けスロート170を有する。上述の実施形態のフラップ72、74の代わりに、外壁164は第1の保持部分172と第2の保持部分174とを有し、これらの保持部分は、互いに協働してインフレータ42の周りに巻き付き、これによって更に詳細に後述する仕方でインフレータ42を保持する。
【0053】
ハウジング146は、さらに、ハウジング146をクッション保持部分178とインフレータ保持部分179とに区分するための、可撓性材料で形成されている壁176の形の隔壁も有する。壁176は外壁164の一方の側部から外壁164の他方の側部に延びている。壁164は、外壁164を形成する織物のような織物によって形成されうる。
【0054】
クッション140は、膨張ガスが中を通ってクッション140の中に入る入口180を有する。クッション140の膨張中に入口180に作用する応力の一部分を吸収するために入口180に取り付けられている補強部品182も示されている。入口180と補強部品182は、ハウジング146の外壁164の取り付けスロート170と共にブラケット66、68の間に挟まれている。これに加えて、壁176は、入口180と補強部品182と取り付けスロート170と共に、ブラケット66、68の間に同様に挟まれている取り付けスロート183を有する。取り付けスロート183は、図4に示されているブラケット66、68の2つの側部に沿ってだけでなく、ブラケット66、68の全周にわたって延びている。ブラケット66、68は、上述の実施形態の留め具とリベットと同様の留め具84とリベット90とによって一体状に保持されている。
【0055】
図4の実施形態では、第1の保持部分172は、外壁164の他の部分と共に一体状に形成されており、ディフューザ94の反対側のインフレータ42の側部の周りを延びている。第2の保持部分174は、インフレータ42を保持する可撓性材料の第2の層を提供するために、縫い目196によって第1の保持部分172の内側に取り付けられている。
【0056】
保持部分172、174の各々は、概ね縦方向58に沿って延びているスリット198を有する。保持部分172、174の材料は、インフレータ42をインフレータ保持部分179の中に挿入することを可能にするのに十分な程度まで、スリット198を開くように、スリット198を互いに整合させるように、変形させられてよい。インフレータが所定の位置に達すると、保持手段172、174は、図4に示されているような変形がより少ない状態へと自然に戻り、この状態では、スリット198は互いに整合しておらず、インフレータ42はインフレータ保持部分179から出ることが不可能である。
【0057】
壁176は、上述の実施形態のオリフィス100の場合と同様の仕方で、ディフューザ94を受けるサイズにされている第1のオリフィス100を有する。ディフューザ94から放出された膨張ガスがクッション保持部分178の中に直接的に放出されるように、ディフューザ94は、壁176の第1のオリフィス100の中を通って延びてクッション保持部分178に達する。上述の実施形態の場合と同様に、第1のオリフィス100は、ディフューザ94からの分離に抵抗するようなサイズにされている。
【0058】
エアバッグモジュール110は、上述の実施形態の場合と同様の仕方で製造され、組み立てられ、据え付けられうる。さらに明確に述べると、インフレータ42と、留め具84と、リベット90は、この場合も同様に、公知の方法の使用によって形成されてよいし、又は、入手可能な既製品の構成要素から選択されてもよい。ブラケット66、68は打ち抜き加工されてよく、クッション140と外壁164(保持部分172、174を含む)と外壁176は、織物片からレーザ切断されてもよい。様々な織物片が、クッション140と外壁164と壁176との完全な3次元形状を形成するように互いに縫い合わされてもよい。
【0059】
その次に、入口180と補強部品182と取り付けスロート183と取り付けスロート170は、上述した仕方でブラケット66、68の間に挟まれうる。留め具84が、ブラケット66、68の穴108の中を通して、入口180と補強部品182と取り付けスロート183と取り付けスロート170との対応する穴(図示されていない)の中を通して挿入されうる。その次に、リベット90が、ブラケット66、68の穴108の中を通して、入口180と補強部品182と取り付けスロート183と取り付けスロート170との対応する穴の中を通して据え付けられうる。
【0060】
その次に、第1及び第2の保持部分172、174が、スリット198を互いに整合させるために変形させられ、インフレータ42がスリット198の中を通して挿入される。ディフューザ94は、第1のオリフィス100がインフレータ42の凹み部103に係合するように、第1のオリフィス100の中を通して挿入される。その次に、インフレータ保持部分179内にインフレータ42を保持するために、スリット198を移動させて相互の整合状態を解消するように、保持部分172、174が、より曲げの少ない状態に戻ることが可能にされる。
【0061】
その次に、クッション140が圧縮される。図4に示されているように、クッション140は、順序正しい折り畳みパターンによって圧縮されうる。しかし、この代わりに、クッション140は、上述した実施形態の場合のように、圧縮折り畳みによって圧縮されてもよい。クッション140は、所望の折り畳みパターンを実現するために折り畳み装置によって折り畳まれてもよく、その次に、圧縮されたクッション140はブラケット66、68の中を通してハウジング146の中に挿入されてよい。
【0062】
その次に、エアバッグモジュール110が、上述の実施形態の場合と同様の仕方で車両内に据え付けられうる。図1のワイヤ50、52のような電気配線が、スリット198の中を通して、又は、外壁164内に形成されている異なる穴(図示されていない)の中を通して、最初に挿入され、インフレータ42の末端に連結されうる。その次に、ハウジング146が、計器パネル36のような計器パネルの取り付け凹み部の中に据え付けられうる。ブラケット66、68は、ナット(図示されていない)とねじ山付きスタッド88とのねじ込み式の連結によって取り付け凹み部に取り付けられうる。装飾内装パネル等が、展開まで取り付け凹み部とエアバッグモジュール110とを覆うために取り付けられうる。
【0063】
図5を参照すると、側面断面図が、本発明の別の代案の実施形態によるエアバッグモジュール210を図示する。図示されているように、エアバッグモジュール210は、フロントシートの助手席側の車両乗員の衝突保護を実現するように設計されているクッション240を有する。エアバッグモジュール210は、さらに、上述の2つの実施形態のインフレータと同様のインフレータ42と、エアバッグモジュール210とインフレータ42とを収容するハウジング246とを有する。エアバッグモジュール210は、さらに、展開までクッション240を所定位置に保つためにハウジング246の周りに巻き付けられているカバー248も有しうる。
【0064】
図示されているように、ハウジング246は、圧縮形状のクッション240を概ね収容する外壁264を有する。ハウジング246は、さらに、上述の実施形態のブラケットと同様である第1のブラケット66と第2のブラケット68とを有する。外壁264は、ブラケット66、68の間に保持されている取り付けスロート270を有する。ハウジング246は、さらに、カバー248に取り付けられておりかつ外壁264からインフレータ42の反対側に位置している、第1の補強パネル272と第2の補強パネル273とを有する。さらに、ハウジング246は、外壁264の対応部分に隣接しておりかつ補強パネル272、273からインフレータ42の反対側に配置されている、第1の隔壁パネル274と第2の隔壁パネル275とを有する。
【0065】
隔壁パネル274、275は協働して隔壁276を形成する。隔壁276はハウジング246をクッション保持部分278とインフレータ保持部分279とに区分する。図5の実施形態では、クッション保持部分278は外壁264によって画定され、インフレータ保持部分279は補強パネル272、273と隔壁276との間に配置されている。
【0066】
図示されているように、クッション240が、膨張ガスが中を通ってクッション240内に入ってクッション240を膨張させる入口280を有する。入口280は、取り付けスロート270と共に単一の部品として形成されている。入口280と取り付けスロート270は、プリーツ281を形成するように折り畳まれている。クッション240は、さらに、クッション240の膨張中に入口280に作用する応力の一部分を吸収するために入口280に取り付けられている補強部品282も有する。補強部品282の一部分が、入口280と取り付けスロート270との間で、プリーツ281の形に折り畳まれる。
【0067】
エアバッグモジュール210は、さらに留め具284を有し、この留め具284は、上述の2つの実施形態の留め具84に幾分か類似している。この留め具284はPIM留め具であってもよいが、エアバッグモジュール210の形状構成により適切に適合するように細長くされてもよい。留め具284の各々は、上述の実施形態の頭部及びねじ山付きスタッドと同様の頭部86とねじ山付きスタッド88とを有する。しかし、留め具284の各々は、さらに、ねじ山付きスタッド88から頭部88を隔てる軸290も有する。軸290はねじ山付きであってもなくてもよく、図5にはねじ山なしの形で示されている。上述の実施形態の場合と同様に、頭部86は、頭部86と第1のブラケット66との間の相対移動を防止するために、第1のブラケット66と係合するように押し付けられうる。
【0068】
留め具284は、プリーツ281と、補強パネル272、273と、隔壁276と、カバー248の隣接部分とがすべてブラケット66、68の間に捕らえられるように、プリーツ281内の穴(図示されていない)と、補強パネル272、273の穴と、隔壁276の穴と、カバー248の隣接部分の穴の中とを通して挿入される。必要に応じて、リベット等のような中間留め具(図示されていない)が留め具284の間に配置され、ブラケット66、68の補助的な取り付けを実現するために使用される。
【0069】
ハウジング246の様々な部分が縫い目296によって互いに取り付けられている。より明確に述べると、第1及び第2の補強パネル272、273と、第1及び第2の隔壁パネル274、275と、カバー248の隣接部分とが、留め具284が中を通して挿入される対応する穴の付近に位置している縫い目296によって互いに取り付けられている。これに加えて、プリーツ281(すなわち、取り付けスロート270と、入口280と、補強部品282)も、留め具284が中を通して挿入される対応する穴の付近に位置している縫い目296によって互いに取り付けられている。縫い目296は、最終的な組み立ての前に、エアバッグモジュール210の様々な部品を一体状に取り付けるために使用されうる。
【0070】
第1及び第2の隔壁パネル274、275と、クッション240と、補強部品282の各々は、上述の実施形態のオリフィス100に類似したサイズのオリフィス100を有する。したがって、ディフューザ94は、ディフューザ94がハウジング246のクッション保持部分278内に配置されるように、オリフィス100の中を通して挿入可能である。オリフィス100は、偶発的にディフューザ94上を引き戻されることがないように、インフレータ42の凹み部103と係合する。
【0071】
上述したように、カバー248は、展開が起こるまでクッション240を所定の位置に保つために、ハウジング246の周りに巻き付けられている。カバー248は第1の末端304と第2の末端306とを有しうる。第1の末端304は第1の補強パネル272に隣接しており、カバー248の隣接部分は第1の補強パネルに沿って延びている。留め具84は、第1の末端304とその隣接部分との中の穴(図示されていない)の中を通って延びている。カバー248がハウジング246の周りに巻き付けられる時には、第2の末端306は第1の末端304に隣接しており、第1の末端304の中を通って延びている留め具84は、さらに、第2の末端306内に形成されている整合した穴(図示されていない)の中を通って延びている。したがって、カバー248は留め具284によって確実に保持される。
【0072】
カバー248は、概ねクッション240の中央部分全体にわたって配置されている複数の穿孔308を有する。これらの穿孔308は、縦方向に沿って、又は、任意の他の所望の経路に沿って、概ね直線の形で延びてもよい。インフレータ42が膨張ガスを発生し始めると、膨張ガスがディフューザ94を通ってインフレータ42から出て行き、クッション240を膨張させ始める。クッション240はカバー248に対して押し当たり、カバー248が穿孔308に沿って破裂することを引き起こす。したがって、カバー248は、クッション240が第1のブラケット66の中を通って膨張することを可能にするようにハウジング246の両側に引っ込む、2つの部品の形に分裂する。
【0073】
エアバッグモジュール210は、様々な方法によって製造され組み立てられることが可能である。上述の実施形態では、インフレータ42と留め具284は、公知の実施形態にしたがって製造されるか、又は、既製品として入手可能な構成要素から選択されうる。ブラケット66、68は打ち抜き加工されてよく、クッション240と、外壁264の補強部分272、273と、隔壁パネル274、275と、カバー248は、織物片からレーザ切断されてもよい。様々な織物片が、クッション240と外壁264と隔壁276との完全な3次元形状を形成するように互いに縫い合わされてもよい。必要に応じて、補強パネル272、273とカバー248も互いに縫い合わされてよい。
【0074】
その次に、補強パネル272、273と、カバー248と、隔壁パネル274、275は、インフレータ保持部分279を画定する形状にされているポケットを提供するために縫い目296によって両側で互いに縫い合わされる。このインフレータ保持部分279は両末端において開いている。したがって、隔壁276と、カバー248と、補強パネル272、273は、インフレータ42が縦方向58に沿ってインフレータ保持部分279の中に挿入されることを可能にするために、横断方向62に沿ってインフレータ保持部分279を広げるように曲げられうる。ディフューザ94は、オリフィス100に達するまで隔壁276に沿って摺動する。
【0075】
ディフューザ94がオリフィス100に達すると、このオリフィス100はディフューザ100の周りを摺動し、隔壁276は、インフレータ保持部分279を図5に示されている形状にするために、横断方向62に沿って主本体92に向かって移動することが可能である。その次に、上述したようにオリフィス100は凹み部103と係合し、これによって、オリフィス100からのディフューザ94の引き出しを制限し、インフレータ42は縦方向にどちらの方向にも移動することが不可能である。
【0076】
補強部品282を有する外壁264とクッション240は、先行の段階においてすでに形成され終わっている。必要に応じて、取り付けスロート270と入口280とが、プリーツ281を実現するように共に折り畳まれてもよい。上述したように、取り付けスロート270と入口280は、単一の織物片から形成されている。追加の組み立て段階が行われる最中に、プリーツ281は、プリーツ281を一体状に保つために縫い目296によって縫い合わされてよい。
【0077】
その次に、第1のブラケット66と、カバー248と、補強パネル272、273と、隔壁276とのすべてが、図5に示されている構成において、プリーツ281と整合させられる。留め具284は、第1のブラケット66と、プリーツ281と、隔壁276と、補強パネル272、273と、カバー248との中に形成されている対応する穴の中を通して挿入される。しかし、カバー248の第2の末端306が対応する留め具284によって固定されずに自由な状態のままに残されるように、カバー248は開いたままにされている。第2のブラケット68は、まだ据え付けられていない。
【0078】
その次に、クッション240は、圧縮されて、外壁264内の空間の中に詰め込まれる。上述の実施形態と同様に、これら2つの段階は、圧縮折り畳みによって同時に行われてもよく、又は、クッション240を順序正しく折り畳んだ後に外壁264の中に挿入することによって別々に行われてもよい。例えば、図5は、順序正しく圧縮する形で折り曲げられているクッション240を示す。
【0079】
クッション240が外壁264内に挿入され終わった後に、カバー284は、留め具284のねじ山付きスタッド88と第2のブラケット68とを除いた、まだ据え付けられていないエアバッグモジュール210のその他の部分の周りに巻き付けられる。その次に、カバー248の第1の末端304の穴(図示されていない)の中を通って延びている留め具284のねじ山付きスタッド88が、第2の末端306の対応する穴(図示されていない)の中を通して挿入され、したがって、カバー248はエアバッグモジュール210のその他の部分の周りに比較的にきつく巻き付けられた状態のままである。その次に、組み立てを完成させるために、ねじ山付きスタッド88が第2のブラケット68の穴(図示されていない)の中を通して挿入される。別の方法では、エアバッグモジュール210の他の構成要素の組み立てを容易にするために、第2のブラケット68がより早期に据え付けられてもよい。
【0080】
その次に、エアバッグモジュール210が、車両の計器パネル(図示されていない)の取り付け凹み部の中に据え付けられうる。ねじ山付きスタッド88が、取り付けスロート270の付近からでなく、インフレータ42の付近から延びているので、ねじ山付きスタッド88は、計器パネルの外部付近の取り付けリップに取り付けられるのではなく、背面パネル(図示されていない)に固定されるか、又は、計器パネル内の他の凹み構造に固定されてよい。図1のワイヤ50、52のようなワイヤがインフレータ42に連結されている。カバー248が、クッション240を堅固に所定位置に保持することによって、据え付けを容易にする。
【0081】
エアバッグモジュール210の動作は、上述の実施形態のエアバッグモジュール10、110の動作と類似している。インフレータ42は適応型のインフレータであってよく、したがって、複数のイニシエータ(図示されていない)を有しうる。インフレータは1つ又は複数の起動信号を受け取って、膨張ガスを発生することを開始し、この膨張ガスはディフューザ94を経由してインフレータ42から出て行く。したがって、膨張ガスはクッション保持部分278の中に直接的に流れ込み、クッション240の中に流れ込む。クッション240は膨張を開始し、カバー248の内側表面に対して押し当たる。カバー248は張力を加えられ、穿孔308に沿って破裂する。その次に、カバー248の2つの部分が、クッション240の膨張が衝突保護を実現することを可能にするために開くことが可能である。
【0082】
本発明は、本明細書に概略的に説明されておりかつ以下において特許請求されている本発明の構造、方法、又は、他の本質的な特徴から逸脱することなしに、他の特定の形態で具体化されてよい。上述の実施形態は、すべての点において、単なる例示として、したがって非限定的なものとして認識されるべきである。したがって、本発明の範囲は、上述の説明によってではなく、添付されている特許請求項によって示されている。特許請求項の等価性の意味と範囲とに含まれるすべての変更が、本発明の範囲内に含まれることになっている。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】切断された車両の計器パネル内に助手席側の前方衝突エアバッグとして取り付けられており、かつ、クッションが膨張した形状である、本発明の一実施形態によるエアバッグモジュールの側面図である。
【図2】クッションが圧縮形状である、図1のエアバッグモジュールの拡大側面断面図である。
【図3】理解を容易にするためにクッションの入口だけが取り除かれている、図1のエアバッグモジュール1の分解組立斜視図である。
【図4】クッションが圧縮形状である、本発明の1つの代案の実施形態によるエアバッグモジュールの側面断面図である。
【図5】クッションが圧縮形状である、本発明の別の代案の実施形態によるエアバッグモジュールの側面断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の乗員を衝突から保護するエアバッグモジュールにおいて、
前記乗員を衝突から保護するために圧縮形状から膨張するクッションと、
膨張まで前記圧縮形状に前記クッションを保つように形成されているハウジングであって、実質的に可撓性材料で形成されており、かつ、前記車両に対して取り付け可能な取り付けスロートを備えているハウジングとを備え、
前記クッションは、前記膨張ガスが前記クッションを前記取り付けスロートの中を通して前記ハウジングから押し出し、かつ、前記クッションを膨張させるために前記クッションの中に流れ込むように、前記ハウジングに取り付けられている、エアバッグモジュール。
【請求項2】
前記ハウジングは、前記取り付けスロートと前記クッションの入口とに取り付けられている第1のブラケットを備え、前記第1のブラケットは、前記車両に対する前記ブラケットの取り付けを容易にする少なくとも1つの取り付け要素を備えている請求項1に記載のエアバッグモジュール。
【請求項3】
さらに第2のブラケットも備え、前記取り付けスロートと前記入口との隣接部分が前記第1及び第2のブラケットの間に挟まれている請求項2に記載のエアバッグモジュール。
【請求項4】
前記取り付けスロートは、前記クッションの少なくとも一部分と共に単一の部品として形成されている請求項2に記載のエアバッグモジュール。
【請求項5】
前記取り付けスロートは、前記第1のブラケットに取り付けられているプリーツを備えている請求項4に記載のエアバッグモジュール。
【請求項6】
前記ハウジング内に収容されているインフレータをさらに備え、前記インフレータは、起動信号の受信に応答して膨張ガスを発生する請求項1に記載のエアバッグモジュール。
【請求項7】
前記取り付けスロートは外壁の一部分であり、前記ハウジングは可撓性材料で形成されている隔壁を備え、前記隔壁は、前記インフレータを収容するインフレータ保持部分と、前記圧縮形状で前記クッションを収容するクッション保持部分とを実現するために、前記インフレータと、前記圧縮形状の前記クッションとの間に配置されている請求項6に記載のエアバッグモジュール。
【請求項8】
前記インフレータは、そのディフューザが概ね前記クッション保持部分内に位置しているように、前記隔壁の第1のオリフィスの中を通って延びているディフューザを備えている請求項7に記載のエアバッグモジュール。
【請求項9】
前記ディフューザは、前記インフレータの軸線に対して概ね垂直な方向に沿って、前記インフレータの中央の付近から延びている請求項8に記載のエアバッグモジュール。
【請求項10】
前記隔壁は、前記外壁から延びている第1及び第2のフラップによって形成されており、前記第1のオリフィスは前記第1のフラップ内に形成されており、前記第1及び第2のフラップは、互いに反対方向に沿って前記インフレータの周りに巻き付けられており、前記ディフューザは前記第2のフラップ内に形成されている第2のオリフィスの中を通って延びている請求項8に記載のエアバッグモジュール。
【請求項11】
前記隔壁は、前記外壁の互いに反対側の側部の間を延びている織物壁によって形成されており、前記外壁は、前記隔壁と前記インフレータの周りを延びている第1及び第2の前記保持部分との間に前記インフレータが保持されるように、前記第1及び第2の保持部分を備えている請求項8に記載のエアバッグ。
【請求項12】
前記取り付けスロートは、前記エアバッグモジュールが前記車両の計器パネル内に吊り下げられるように、前記計器パネルに取り付け可能である請求項1に記載のエアバッグモジュール。
【請求項13】
前記ハウジングは、前記可撓性材料内に形成されておりかつ前記クッションの膨張中に前記計器パネルの中にガスを放出するように配置されている、少なくとも1つの通気孔を備えている請求項12に記載のエアバッグモジュール。
【請求項14】
車両の乗員を衝突から保護するエアバッグモジュールにおいて、
起動信号の受信に応答して膨張ガスを発生するインフレータと、
前記乗員を衝突から保護するために、前記膨張ガスを受け入れて圧縮形状から膨張するクッションと、
前記インフレータと前記圧縮形状の前記クッションとを収容するための、前記車両の計器パネル内に取り付け可能なハウジングであって、実質的に可撓性材料によって形成されているハウジングとを備えているエアバッグモジュール。
【請求項15】
前記ハウジングは、前記車両に取り付け可能な取り付けスロートと、前記取り付けスロートと前記クッションの入口とに取り付けられている第1のブラケットとを備え、前記第1のブラケットは、前記車両に対する前記ブラケットの取り付けを容易にする少なくとも1つの取り付け要素を備えている請求項14に記載のエアバッグモジュール。
【請求項16】
第2のブラケットをさらに備え、前記取り付けスロートと前記入口との隣接部分は、前記第1及び第2のブラケットの間に挟まれている請求項15に記載のエアバッグモジュール。
【請求項17】
前記取り付けスロートは、前記クッションの少なくとも一部分と共に単一の部品として形成されている請求項15に記載のエアバッグモジュール。
【請求項18】
前記取り付けスロートは、前記第1のブラケットに取り付けられているプリーツを備えている請求項17に記載のエアバッグモジュール。
【請求項19】
前記ハウジングは、可撓性材料で形成されている外壁と隔壁とを備え、前記隔壁は、前記インフレータを収容するインフレータ保持部分と、前記圧縮形状の前記クッションを収容するクッション保持部分とを実現するために、前記インフレータと、前記圧縮形状の前記クッションとの間に配置されている請求項14に記載のエアバッグモジュール。
【請求項20】
前記インフレータは、そのディフューザが概ね前記クッション保持部分内に位置しているように前記隔壁の第1のオリフィスの中を通って延びているディフューザを備えている請求項19に記載のエアバッグモジュール。
【請求項21】
前記ディフューザは、前記インフレータの軸線に対して概ね垂直な方向に沿って、前記インフレータの中央の付近から延びている請求項20に記載のエアバッグモジュール。
【請求項22】
前記隔壁は、前記外壁から延びている第1及び第2のフラップによって形成されており、前記第1のオリフィスは前記第1のフラップ内に形成されており、前記第1及び第2のフラップは、互いに反対方向に沿って前記インフレータの周りに巻き付けられており、前記ディフューザは、前記第2のフラップ内に形成されている第2のオリフィスの中を通って延びている請求項20に記載のエアバッグモジュール。
【請求項23】
前記隔壁は、前記外壁の互いに反対側の側部の間を延びている織物壁によって形成されており、前記外壁は、前記隔壁と前記インフレータの周りを延びている第1及び第2の保持部分との間に前記インフレータが保持されるように、前記第1及び第2の保持部分を備えている請求項20に記載のエアバッグ。
【請求項24】
車両の乗員を衝突から保護するエアバッグモジュールにおいて、
起動信号の受信に応答して膨張ガスを発生するインフレータと、
前記乗員を衝突から保護するために、前記膨張ガスを受け入れて圧縮形状から膨張するクッションと、
外壁を備えているハウジングであって、このハウジングの少なくとも一部分は前記クッションの少なくとも一部分と共に単一の部品として形成されており、前記インフレータを収容しかつ展開まで前記クッションを前記圧縮形状に保つハウジング
とを備えているエアバッグモジュール。
【請求項25】
前記ハウジングは、前記車両に対して取り付け可能な取り付けスロートと、前記取り付けスロートと前記クッションの入口とに取り付けられている第1のブラケットとを備え、前記第1のブラケットは、前記車両に対する前記ブラケットの取り付けを容易にする少なくとも1つの取り付け要素を備えている請求項24に記載のエアバッグモジュール。
【請求項26】
前記取り付けスロートは前記第1のブラケットに取り付けられているプリーツを備えている請求項25に記載のエアバッグモジュール。
【請求項27】
前記ハウジングは、さらに、可撓性材料で形成されている隔壁を備え、前記隔壁は、前記インフレータを収容するインフレータ保持部分と、前記圧縮形状の前記クッションを収容するクッション保持部分とを実現するために、前記インフレータと、前記圧縮形状の前記クッションとの間に配置されている請求項24に記載のエアバッグモジュール。
【請求項28】
前記インフレータは、そのディフューザが概ね前記クッション保持部分内に位置しているように前記隔壁の第1のオリフィスの中を通して延びているディフューザを備えている請求項27に記載のエアバッグモジュール。
【請求項29】
前記ディフューザは、前記インフレータの軸線に対して概ね垂直な方向に沿って、前記インフレータの中央の付近から延びている請求項28に記載のエアバッグモジュール。
【請求項30】
前記隔壁は、前記外壁から延びている第1及び第2のフラップによって形成されており、前記第1のオリフィスは前記第1のフラップ内に形成されており、前記第1及び第2のフラップは、互いに反対方向に沿って前記インフレータの周りに巻き付けられており、前記ディフューザは前記第2のフラップ内に形成されている第2のオリフィスの中を通って延びている請求項28に記載のエアバッグモジュール。
【請求項31】
前記隔壁は、前記外壁の互いに反対側の側部の間を延びている織物壁によって形成されており、前記外壁は、前記隔壁と前記インフレータの周りを延びている第1及び第2の保持部分との間に前記インフレータが保持されるように、前記第1及び第2の保持部分を備えている請求項28に記載のエアバッグモジュール。
【請求項32】
インフレータと、クッションと、取り付けスロートを有するハウジングとを備えているエアバッグモジュールの使用によって、車両の乗客を衝突から保護する方法において、
前記インフレータからの膨張ガスの放出を起動するために起動信号を前記インフレータに送信する段階と、
前記取り付けスロートの中を通して前記ハウジングから前記クッションを押し出すために、前記膨張ガスを前記ハウジングの中を通して導く段階であって、前記取り付けスロートは前記車両に取り付けられており、前記ハウジングは実質的に可撓性材料で形成されている段階と、
前記クッションを膨張させるために前記取り付けスロートを経由して前記ハウジングから前記クッションの中に前記膨張ガスを導く段階とを有する方法。
【請求項33】
前記取り付けスロートは外壁の一部分であり、前記ハウジングは可撓性材料で形成されている隔壁を備え、前記隔壁は、前記インフレータを収容するインフレータ保持部分と、前記圧縮形状で前記クッションを収容するクッション保持部分とを実現するために、前記インフレータと前記圧縮形状の前記クッションとの間に配置されており、前記ハウジングの中を通して前記膨張ガスを導く段階は、前記インフレータ保持部分から前記クッション保持部分へと、前記隔壁を越えて前記膨張ガスを移動させる段階を有する請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記インフレータは、そのディフューザが概ね前記クッション保持部分内に位置しているように、前記隔壁の第1のオリフィスの中を通って延びているディフューザを備え、前記隔壁を越えて前記膨張ガスを移動させる段階は、前記膨張ガスを前記第1のオリフィスの中を通して前記ディフューザの中に移動させる段階を有する請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記ディフューザは、前記インフレータの軸線に対して概ね垂直な方向に沿って、前記インフレータの中央の付近から延び、前記膨張ガスを前記第1のオリフィスの中を通して前記ディフューザの中に移動させる段階は、前記膨張ガスを前記軸線に対して概ね垂直に移動させる段階を有する請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記隔壁は、前記外壁から延びている第1及び第2のフラップによって形成されており、前記第1のオリフィスは前記第1のフラップ内に形成されており、前記第1及び第2のフラップは、互いに反対方向に沿って前記インフレータの周りに巻き付けられており、前記ディフューザは、前記第2のフラップ内に形成されている第2のオリフィスの中を通って延び、前記方法はさらに前記第2のオリフィスの中を通して前記膨張ガスを移動させる段階を有する請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記隔壁は、前記外壁の互いに反対側の側部の間を延びている織物壁によって形成されており、前記外壁は、前記隔壁と前記インフレータの周りを延びている第1及び第2の保持部分との間に前記インフレータが保持されるように、前記第1及び第2の保持部分を備え、前記隔壁の中を通して前記膨張ガスを移動させる段階は、前記膨張ガスを前記織物壁の中を通して移動させる段階を有する請求項34に記載の方法。
【請求項38】
前記取り付けスロートは、前記エアバッグモジュールが前記車両の計器パネル内に吊り下げられるように、前記計器パネルに取り付け可能であり、前記ハウジングから前記クッションを押し出す段階は、前記クッションを前記計器パネルから押し出す段階を有する請求項32に記載の方法。
【請求項39】
前記ハウジングは、前記可撓性材料内に形成されている少なくとも1つの通気孔を備え、前記方法は、さらに、前記通気孔の中を通して前記計器パネルの中に膨張ガスを送り込む段階を有する請求項38に記載の方法。
【請求項40】
車両の乗客を衝突から保護するためのエアバッグモジュールを製造する方法において、前記エアバッグモジュールは、クッションと、ディフューザを有するインフレータと、クッション保持部分と前記クッション保持部分に隣接した第1のオリフィスとを有するハウジングとを備え、
前記ディフューザが実質的に前記クッション保持部分内に位置させられるように、前記ディフューザを前記第1のオリフィスの中を通して挿入する段階と、
前記インフレータを保持するために前記インフレータの周りに少なくとも部分的に前記ハウジングの一部分を巻き付ける段階と、
前記クッションを前記クッション保持部分の中に挿入する段階とを有する方法。
【請求項41】
前記ハウジングは、外壁と、前記第1のオリフィスが中に形成されている可撓性材料で形成されている隔壁とを備え、前記隔壁は前記クッション保持部分とインフレータ保持部分とを実現し、前記方法は、さらに、前記隔壁に対して前記インフレータをもたせかけるように前記インフレータを配置することによって、前記インフレータを前記インフレータ保持部分の中に挿入する段階を有する請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記ハウジングは、さらに、前記外壁から延びている第1及び第2のフラップを備え、前記第1のオリフィスは前記第1のフラップ内に形成されており、前記方法は、さらに、前記第2のオリフィスの中を通して前記ディフューザを挿入する段階を有し、前記インフレータの周りに少なくとも部分的に前記ハウジングの一部分を巻き付ける段階は、互いに反対の方向に沿って前記インフレータの周りに前記第1及び第2のフラップを巻き付ける段階を有する請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記隔壁は、前記外壁の互いに反対側の側部の間を延びている織物壁によって形成されており、前記外壁は第1及び第2の保持部分を備え、前記インフレータを前記インフレータ保持部分の中に挿入する段階は、前記インフレータを前記第1の保持部分と前記第2の保持部分との間で移動させる段階を有し、前記インフレータの周りに少なくとも部分的に前記ハウジングの一部分を巻き付ける段階は、前記インフレータが前記隔壁と前記保持部分との間に保持されるように、前記インフレータの周りを延びているように前記第1及び第2の保持部分を配置する段階を有する請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記インフレータは主本体を有し、前記ディフューザは、前記主本体の中央の付近から、前記主本体の軸線に対して概ね垂直な方向に沿って延び、前記隔壁に対して押し当てるように前記インフレータを配置する段階は、前記主本体を前記隔壁に対してもたせかけるように配置する段階を有する請求項41に記載の方法。
【請求項45】
前記インフレータは、前記ディフューザの付近に位置した凹み部を備え、前記第1のオリフィスの中を通して前記ディフューザを挿入する段階は、前記第1のオリフィスからの前記ディフューザの引き出しを制限するように、前記凹み部を前記第1のオリフィスと係合させる段階を有する請求項40に記載の方法。
【請求項46】
前記クッションを前記クッション保持部分の中に挿入する段階は、既定の折り畳みパターンに沿って前記クッションを折り畳む段階を有する請求項40に記載の方法。
【請求項47】
前記クッションを前記クッション保持部分の中に挿入する段階は、あらゆる既定の折り畳みパターンとは実質的に無関係に、前記クッションを圧縮する段階を有する請求項40に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−532404(P2007−532404A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−508388(P2007−508388)
【出願日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【国際出願番号】PCT/US2005/011669
【国際公開番号】WO2005/100104
【国際公開日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(597065363)オートリブ エーエスピー,インコーポレイティド (87)
【Fターム(参考)】