エッチング後の残渣のためのミセル技術
半導体デバイスを洗浄するための方法。この方法によれば、半導体デバイスが提供され(101)、ミセル溶液が前記半導体デバイスに塗布される(103)。この方法は、銅およびシリコン面を洗浄する際に、またバイアまたはトレンチの表面から加工残渣を除去する際に特に役に立つ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、半導体の処理に関し、特にバイアからエッチング後の残渣を除去する際のミセル技術の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
バイア・エッチング手順は、通常、半導体処理、特に、通常加工残渣が形成される半導体デバイスのライン後端(back−end−of−line:BEOL)処理で使用される。これらの残渣は、多くの場合、その性質が有機金属性およびポリマー性であり、C、O、F、Si、Cu、HおよびNを含む元素組成を有している。これらの残渣は、バイアの底部および側壁部上に堆積する傾向があり、それらが存在するとデバイスの歩留まりの低下、バイア抵抗の増大、バイアの欠如および信頼性についての問題のような多くの問題を引き起こす。
【0003】
この業界においては、このような問題が発生しないようにするために、種々の洗浄処方を使用することにより、バイアからこれらの加工残渣を除去するために多くの試みが行われてきた。しかし、このような洗浄処方は、多くの場合、それ自身の複雑な問題を引き起こす。例えば、これらの残渣を除去するには、多くの場合、ヒドロキシルアミン(HDA)のような強力な有機溶媒が使用されるが、このような溶媒を使用するとコスト高になり、有害であり、環境に悪影響があり、また多くの場合、必要以上に長い処理時間がかかる。さらに、1つの溶媒または少数の溶媒をベースとする大部分の溶媒系は、これらの残渣の化学的性質が複雑であるために、バイアからこのような残渣のすべての成分を除去するのに有効ではない。
【0004】
また、特定の製造ライン内に形成された特定の加工残渣を目標とする洗浄処方として使用するために、複雑で複数の成分を含む溶媒系が開発されてきた。しかし、これらの複雑な系は、その開発および生産コストが非常に高く、製造プロセス中の何らかの変化に対処するためにリエンジニアしなければならない。さらに、このタイプの洗浄処方は、また多くの場合、処理中のデバイスの金属および誘電体成分に有害である。それ故、これらの洗浄処方を使用すると、残渣自身の存在による同じタイプの歩留まりの低下および電気的性能の劣化が起こる。
【0005】
NH4FまたはHF(多くの場合、DHFと呼ばれる)の希釈液をベースとする化学物質のような準水性化学物質をベースとする洗浄処方の使用も周知のものである。しかし、これらの化学物質は、バイアからすべての加工残渣またはその成分を除去する効果がない。さらに、このタイプの化学物質は、下に位置する金属層を腐蝕する傾向があり、バリア層をアンダーカットする傾向があり、そのため望ましくない誘電体の剥離が生じる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現在の洗浄処方の上記欠点は、引き続きチップ・サイズが小さくなるにつれて悪化してきた。より詳細に説明すると、チップ・サイズがますます小さくなるにつれて、これらのチップのバイア内に加工残渣が存在すると、歩留まりの低下がより大きくなり、デバイスの性能がますます低下する。さらに、チップ・サイズが小さくなったので、導体の通路をよりしっかりと制御しなければならなくなったために、低K構造(すなわち、バルク誘電率(K)が3.0未満の構造)を使用しなければならなくなっている。しかし、上記タイプの従来の洗浄処方は、低K構造に使用するのに適していない。何故なら、これらの洗浄処方は、これらの構造のK値を増大し、それによりデバイスの性能を劣化する傾向があるからである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
それ故、この業界においては、BEOL処理の際に使用するエッチング手順中に通常形成されるような加工残渣をバイアから除去するのに有効な洗浄処方が求められている。この業界においては、さらに、これらの構造のK値または成分層に悪影響を及ぼさないで、低K構造と一緒に使用することができる洗浄処方が求められている。これらおよび他のニーズは、以下に説明する組成および方法により満足することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
ミセル溶液をベースとする洗浄処方を使用すれば、BEOL処理中、および他のバイアまたはトレンチ・エッチング手順中に、通常形成されるタイプの加工残渣を含む加工残渣を、半導体基板または構造内または構造上のバイア、トレンチまたは他の開口部またはフィーチャの底部および側壁部から効果的に除去することができることが分かっている。これらの洗浄処方は、種々のデバイスから加工残渣を洗浄するために使用することができるが、これらの洗浄処方は、そのK値または成分層に悪影響を与えないで、これらの構造を洗浄することができるので、低K構造を使用した場合、特に役に立つ。これらの洗浄処方を使用すると、これらのデバイスの歩留まりおよび電気的性能が向上することが分かっている。さらに、これらの洗浄処方は、コストが安く、環境に優しく、有害でない。
【0009】
理論には裏付けされていないが、ミセル溶液を形成している界面活性剤に含まれている親水性および親油性の成分、およびこれらの界面活性剤がこのような溶液内でとることができる一意の構造が存在すると、ミセル溶液が、バイア・エッチングの副産物として頻繁に形成される加工残渣を効果的に溶かし、バイアおよび他の半導体構造の表面からこれらの残渣を除去することができるようにするのに少なくとも一役かっていると信じられている。それ故、例えば、ミセル溶液においては、界面活性剤の分子は、これらの分子の疎水部分が内側を向いていて、これらの分子の親水部分が外側を向いている自由に浮遊するミセル内に並ぶことができる。この配置により、疎水性物質および親水性物質両方を効率的に溶媒化することができる。一方、ミセル溶液は、その化学反応性が通常比較的低いので、使用しても、デバイスの属性(例えば、K値)または性能特性に悪影響を与えない。
【0010】
ミセルは、大きな界面活性剤分子の凝集体からなる、通常、有機的性質の電気的に帯電しているコロイド状粒子である。これらのコロイド状粒子は、溶液内の界面活性剤の濃度が臨界ミセル濃度(CMC)と呼ばれるあるレベルを超えると、適当なpH、温度、水の成分、および電解質組成の界面活性剤溶液内で容易に形成される。
【0011】
CMCの意味は、シリカの表面の濃度の関数として、通常のカチオン性界面活性剤の行動を示す相の図である図1を見れば理解することができる。アニオンおよび非イオン界面活性剤の類似の相の図も描くことができる。図1の領域Iに示す低濃度の場合には、界面活性剤は、シリカの表面にまばらに吸着され、界面活性剤のカチオン部位は、負に帯電しているシリカの表面に付着し、界面活性剤の非イオン尾部は溶液内に延びる。
【0012】
界面活性剤の濃度が濃くなるにつれて、図1の相の図の領域IIに示すように、界面活性剤は、シリカ基板を横切ってもっと均一に吸着し、1つの層を形成する。しかし、領域Iの場合のように、界面活性剤のカチオン部位は、負に帯電しているシリカの表面に吸着し、界面活性剤の非イオン尾部は溶液内に延びる。
【0013】
図1の相の図の領域IIIに示すように、界面活性剤の濃度がさらに濃くなると、界面活性剤は、もっと複雑な構造を持ち始める。溶液のpHにより、界面活性剤は、凝集体になる場合もあるし(pHが低い溶液の場合)、2層となる場合もある(pHが高い溶液の場合)。両方のタイプの構成の場合、構造は界面活性剤のカチオン性頭部によりシリカ基板に固定された状態のままになる。
【0014】
最後に、図1の相の図の領域IVに示すように、界面活性剤の濃度がCMCを超えると、界面活性剤は、界面活性剤の分子が自由に浮遊する凝集体となるミセル溶液を形成する。これらの自由に浮遊する凝集体は、通常の球形、通常の円筒形、通常の層状、逆の層状、逆の円筒形、および逆の球形の構成を含む多くの構成をとるようにすることができる。図2は、これらの処方を示す。凝集体がとる特定の構成は、界面活性剤が溶けている相(例えば、界面活性剤が水性または非極性相内に溶けているのかどうかというような)、溶液内に含まれている各相の量、溶液の温度、界面活性剤の化学的性質、および溶液内の電解質の量のような要因により異なる。
【0015】
本明細書に開示されている方法を実行する際には、種々のミセルおよびミセル溶液を使用することができる。特定の用途のための最適な選択は、除去する残渣の特定の化学的性質、基板の性質、および他の要因のような要因により異なる。本明細書に開示されている方法によりバイアおよび他の半導体構造から残渣を除去する際に役に立つミセルおよびミセル溶液の特定の例としては、nが、通常、約8〜約22の範囲内にあるラウリン酸ナトリウム(n−ドデカノアート)のようなn−アルキル・カルボキシレート;nが、この場合も、通常、約8〜約22の範囲内にあるn−ドデシル硫酸ナトリウム(NaLS)のようなn−アルキル硫酸塩およびスルホン酸塩;ヘキサデシル(セチル)ハロゲン化トリメチルアンモニウムのようなハロゲン化四次アンモニウム;スルホサクシン酸のジエステルの塩;アルキルフェノール誘導体;例えば、Zonyl(登録商標)FS−62アニオン性フルオロ界面活性剤およびZonyl(登録商標)FSO−100非イオン界面活性剤(両方ともデラウェア州ウィルミントン所在のDuPont社から市販されている)などのフルオロ界面活性剤;および、酢酸トリス(2−ヒドロキシエチル)牛脂アルキル・アンモニウム(TTAA)のような界面活性剤をベースとするミセル溶液があるがこれらに限定されない。本明細書に記載されているミセル溶液内で使用する界面活性剤は、カチオン性であっても、アニオンであっても、または非イオンであってもよいし、使用できる場合には、サリチル酸ナトリウム(NaSal)のような芳香族対イオンを含むがこれに限定されない種々の対イオンを使用することができる。
【0016】
本明細書に開示されている方法で使用するミセル溶液内の界面活性剤の濃度は変化する場合がある。通常、界面活性剤は、約5重量%未満の濃度で溶液内に存在する。好適には、界面活性剤は、約0.01重量%〜約1重量%の範囲内の濃度で溶液内に存在することが好ましく、より好適には、約0.05重量%〜約0.5重量%の範囲内の濃度で存在することが好ましく、さらにより好適には、約0.075重量%〜約0.25重量%の範囲内の濃度で溶液内に存在することが好ましい。最も好適には、界面活性剤は、約0.1重量%の濃度で溶液内に存在することが好ましい。
【0017】
本明細書に開示されている方法で使用するミセル溶液は、好適には、水性溶液であることが好ましく、界面活性剤の他に種々の成分を含むことができるものであることが好ましい。このような他の成分としては、クエン酸、シュウ酸またはこれらの混合物のような無機酸および有機酸等がある。通常、溶液内に存在するこのような酸の全量は、約0.5重量%〜約30重量%の範囲内であり、好適には、約1重量%〜約20重量%の範囲内、より好適には、約5重量%〜約15重量%の範囲内、最も好適には、約10重量%であることが好ましい。
【0018】
溶液内で使用することができる他の成分としては、共溶媒があり、それは、例えば、エーテル類、アルコール類、アミン類、アミド類、ポリエーテル類、ポリオール類、ポリアミン類、またはポリアミド類である。EGMBEのようなアルキル置換エーテルを使用することが特に好ましい。共溶媒の量は、少なくとも部分的にはミセル溶液の化学的性質により異なる場合もあるし、それに依存する場合もある。しかし、通常、ミセル溶液内に存在する共溶媒の量は、約0.1重量%〜約30重量%の範囲、好適には、約1重量%〜約20重量%の範囲、より好適には、約5重量%〜約15重量%の範囲である。最も好適には、ミセル溶液内に存在する共溶媒の量は、約10重量%である。
【0019】
下記の例により本明細書に開示されている溶液および方法を以下にさらに説明するが、本発明は、この例に限定されない。これらの例の場合、別段の指示がない限り、溶液成分のすべての百分率は、溶液の全重量をベースとする重量%である。例には下記の材料が使用されている。
【0020】
Ashland界面活性剤(登録商標):Ashland社(オハイオ州コロンバス)から市販されている炭化水素界面活性剤。
Deer Clean(登録商標):Kanto Corporation社(オレゴン州ポートランド)から市販されている3%シュウ酸溶液。
【0021】
Zonyl(登録商標)FS−62:下記の化学式を有するDuPont社(デラウェア州ウィルミントン)から市販されていアニオン性フルオロ界面活性剤。
CF3CF2CF2CF2CF2CF2CH2CH2SO3X、
ここで、X=HまたはNH4。
【0022】
Zonyl(登録商標)9361:下記の化学式を有する、DuPont社から市販されているアニオン性フッ素化界面活性剤。
(RfCH2CH2O)aPO(ONH2(CH2CH2OH)2)b、
ここで、a+b=3、およびRf=F(CF2CF2)n、但しn=3。
【0023】
Zonyl(登録商標)FSO−100:化学式RfCH2CH2O(CH2CH2O)xHを有するDuPont社から市販されている非イオン・フルオロ界面活性剤。
上記材料は、CMCに近い低い濃度で使用される。これらの材料のミセル溶液は、界面活性剤の濃度を適当に修正することにより入手できる在庫製品から調製することができる。
【0024】
FSA+DHF:DuPont社のZonyl(登録商標)FSA界面活性剤との1:600HFの混合物。
シュウ酸:3%シュウ酸の水溶液。
【0025】
EGMBE:5%水溶液として使用されるエチレン・グリコール・モノブチル・エーテル。
FSB:Zonyl(登録商標)FSB;DuPont社から市販されているフルオロ界面活性剤。
【0026】
クエン酸:3%クエン酸の水溶液。
比較例1
この例は、ベースライン・プロセス(すなわち、エッチング後バイアを洗浄しないプロセス)中、バイア内のエッチング後の残渣の存在が生産歩留まりにどのような悪影響を与えるのかを示す。
【0027】
ショート・ループ・ウェーハ・サンプルのバッチを供給した。8インチのパターン化したウェーハのサンプルは、銅/FTEOSまたは銅/SiCOH技術による6層金属構造で使用する130/90nm技術ノードBEOL単一または二重インレイド・バイアおよびトレンチからできていた。下に位置する銅金属は、誘電率スタックのドライエッチングの後、バイアの底部で露出していた。側壁部のスタックは、SiN/FTEOSまたはSiCN/SiCOHからできていた。ウェーハ内のバイアの長さは約600nmであり、幅は約100nmから約175nmの範囲内で変化した。試験した構造は、小さい1,000個のバイア・アレイから大きな千百万個のバイアのジグザク・アレイまで種々様々であった。
【0028】
ドライエッチングが終了した後であって、サンプルを洗浄する前に、バイアの中のいくつかの一連のエッチング後の断面SEM画像をサンプルから入手した。図3のSEM画像は代表的なものである。図を見れば分かるように、サンプルを正しく洗浄しないと、バイアの側壁部上にまたバイアの底部の銅金属上に、エッチング後の残渣を視認することができる。
【0029】
次に、ウェーハ内の導体レベル間のケルビン接触抵抗を、クラスプローブ分析により決定した。使用したプローブは、歩留まりデータを示す標準半導体クラスプローブであった。図5は、結果のグラフである。伝統的手法により、特定の化学的性質に対して引用したケルビン接触抵抗は、50%の累積百分率におけるケルビン接触抵抗である(すなわち、試験したウェーハの50%は、その化学的性質に対する引用したケルビン接触抵抗と等しいかまたはそれ以下の接触抵抗を有する)。それ故、ベースライン・プロセスのケルビン接触抵抗(すなわち、洗浄を行わなかったエッチング後のウェーハのケルビン接触抵抗)は、1.7オーム/接触である。
【0030】
ウェーハのバイア・チェーン歩留まりも測定した。図6および表1がその結果を示す。図6においては、バイア・チェーン歩留まりは、曲線が一番上で終わっている最終飽和値である。図を見れば分かるように、洗浄を行わないと、このプロセスのバイア・チェーン歩留まりは約63%であった。
例1〜5
これらの例は、ミセル洗浄溶液を使用した場合の接触抵抗および歩留まりの可能な改善を示す。
【0031】
比較例1のプロセスを反復した。しかし、今度は、露出した銅面上の開放バイア・ランディング内のエッチング後の残渣を除去するために、種々のミセル溶液を使用して以降の洗浄ステップを実行した。各実験の際に、ミセル溶液の洗浄効率を評価するために、ミセル溶液による後エッチングにより処理した数個(1つの化学的性質に対して少なくとも4個)のウェーハを使用した。
【0032】
例1〜5は、表1に示す界面活性剤をベースとする5つの異なる水性ミセル溶液を使用した。各溶液において、界面活性剤の濃度を0.1%に調整した。EGMBEは5%溶液として使用し、一方、クエン酸およびシュウ酸は3%溶液として使用した。次に、これらのミセル溶液を、エッチング後のプロセス中に、比較例1で使用したタイプのダイを洗浄するために使用した。ダイを洗浄し乾燥した後で、比較例1で使用したのと同じ手順によりウェーハのケルビン接触抵抗を測定した。図5のグラフおよび表1はその結果を示す。
【0033】
図5および表1の結果が示すように、バイアを洗浄する際にミセル溶液を使用すると、いくつかの例の場合にケルビン接触抵抗に劇的な効果があった。それ故、比較例1のベースライン・プロセスの場合には、ケルビン接触抵抗は約1.7オーム/接触であったが、ミセル溶液で洗浄したウェーハのケルビン接触抵抗は、いくつかの場合、有意に低くなった。例えば、例5の場合には、測定したケルビン接触抵抗は約0.8オーム/接触にすぎず、ベースライン・プロセス(すなわち、比較例1のプロセス)の場合のケルビン接触抵抗の約半分であり、一方、例2および3の場合には、測定したケルビン接触抵抗は、それぞれ、約1.3オーム/接触および約1.5オーム/接触であった。例3および4の両方の場合には、測定したケルビン接触抵抗は、両方とも約1.6オームであり、ベースライン・プロセスによるケルビン接触抵抗より若干低かった。
【0034】
例1〜5の材料についてもバイア・チェーン歩留まりを測定した。図6および表1がその結果を示す。すでに説明したように、図6のバイア・チェーン歩留まりは、各曲線が一番上で終わる最終飽和値である。バイア・チェーン歩留まりが約63%であった比較例1のベースライン・プロセスと比較すると、ミセル溶液をベースとする洗浄処方を使用すると、ほとんどの場合、ベースライン・プロセスより優れているか、それとほぼ同じバイア・チェーン歩留まりが得られた。それ故、例1の溶液は最高の歩留まり(約90%)を示し、一方、例2の溶液も、ベースライン・プロセス(70%)と比較すると、歩留まりが改善した。例3および4の溶液は、ベースライン・プロセスとほぼ同等のバイア・チェーン歩留まりを示したが、例5の溶液のバイア・チェーン歩留まりは約25%であった。これらの結果は、ミセル溶液が歩留まりを改善し、接触抵抗を低減することができることを示している。それ故、これらの溶液がエッチング後の残渣を除去するのに効果があることを示唆している。
【0035】
また、エッチング後の残渣を除去する際の例1〜5のミセル溶液の効率を、これらの例から入手したバイアのエッチング後の断面のSEM画像により確認した。この画像の中、図4のSEM画像が代表的なものである。図を見れば分かるように、サンプルを本明細書に記載されているミセル溶液で洗浄した場合、エッチング後の残渣は、バイアの側壁部およびバイアの底部のところの銅金属から効果的に除去される。
【0036】
【表1】
比較例2
この例は、ベースライン・プロセス(すなわち、バイアを洗浄しないプロセス)中、バイア内のエッチング後の残渣の存在が生産歩留まりにどのような悪影響を与えるのかを示す。
【0037】
比較例1の一般的手順の後で、小型および大型ジグザグ・アレイ構造(BE863.1および4Kバイア・アレイなど)のバイア・チェーン歩留まりを測定した。これらのアレイは、これらのアレイが、正しく洗浄した場合、歩留まりに有意の差を示すことができる大型のバイア構造を含んでいるという点で、エッチング後の残渣の除去の際の洗浄溶液の効率の特に優れた測定値を示す。比較した場合、もっと小さなバイア構造(例えば、1,000〜10,000)のジグザグ・バイア・アレイは、洗浄を行っても有意な歩留まりの差を常に示すとは限らない。
【0038】
表2および図7のグラフはベースライン・プロセスの結果を示す。表2および図7に示すように、バイア・チェーン歩留まりは、ベースライン・プロセスの場合、約63%であった。
例6〜10
これらの例は、大型バイア構造を含むダイにミセル洗浄溶液を使用した場合の接触抵抗および歩留まりの可能な改善を示す。
【0039】
例6〜10中、6つの水性ミセル溶液は、表2の界面活性剤をベースとして調製した。各溶液において、界面活性剤の濃度を0.1%に調整した。EGMBEは5%溶液として使用し、一方、クエン酸およびシュウ酸は3%溶液として使用した。次に、これらのミセル溶液を、比較例2で使用したタイプのダイを洗浄するために使用した。ダイを洗浄し乾燥した後で、ウェーハの接触抵抗を測定した。図7のグラフおよび表2はその結果を示す。表2は、また、各実験中に使用したダイの数も示す。
【0040】
【表2】
表2および図7のデータに示すように、ミセル溶液を使用すると、ベースライン・プロセスと比較した場合、バイア・チェーン歩留まりが有意に改善された。それ故、これらのダイに対するベースライン・プロセスの場合には、バイア・チェーン歩留まりは63%にしか過ぎなかったが、すべてのミセル溶液(例7の溶液を除く)を使用した場合、バイア・チェーン歩留まりは100%になった。
比較例3〜5
この例は、ベースライン・プロセス(すなわち、バイアを洗浄しないプロセス)中、バイア内のエッチング後の残渣の存在が、比較的多数のバイアを有するウェーハの生産歩留まりにどのような悪影響を与えるのかを示す。
【0041】
使用したダイが、BE863.1およびBE863.2構造を含むBE863ダイであったという点を除いて、比較例1のバイア・チェーン歩留まり実験を反復して行った。このダイは、間隔が3Xである約1100万のバイア構造を有していて、そのため異なる処理に対する歩留まりを比較するための優れたベンチマークである。ダイを洗浄し、乾燥した後で、ダイの全部で4つの異なる場所に対して、各構造(C1およびC2で示す)上の2つの異なる場所で、バイア・チェーン歩留まりを測定した。図8〜図10のグラフおよび表3がその結果を示す。
【0042】
これらの結果が示すように、ベースライン・プロセスは、15〜25%の範囲内の非常に低いバイア・チェーン歩留まりを特徴とする。このような歩留まりは、商業的に実行可能な製造ラインより遥かに低い。
例11〜21
これらの例は、多数のバイアを有するウェーハにミセル洗浄溶液を使用した場合の接触抵抗およびバイア・チェーン歩留まりの可能な改善を示す。
【0043】
今回は、ダイ内のバイアを表3に示すミセル溶液で洗浄した点を除けば、比較例3〜5と同じ手順を実行した。図8〜図10のグラフおよび表3がその結果を示す。
結果が示すように、ある種のミセル溶液を使用すると、バイア・チェーン歩留まりが劇的に増大する。例11〜13のミセル溶液は、特に効果があり、ベースライン・プロセスの歩留まりより遥かに高い、約90〜96%のバイア・チェーン歩留まりを示したことが分かる。例14〜15のミセル溶液も、バイア・チェーン歩留まりを劇的に改善した(70〜78%)。
【0044】
【表3】
図11は、本明細書に開示されている方法の一実施形態のステップを示す。この方法の場合、半導体デバイスが供給される(11)。デバイスは、例えば、銅の導体層を含む低K半導体デバイスであってもよく、通常、その中に形成されている複数のバイアを含む半導体基板を備える。バイアは、通常、バイア・エッチングの副産物として形成されたその表面上に堆積した加工残渣を有し、通常、有機金属ポリマーを含む。
【0045】
次に、半導体デバイスにミセル溶液が塗布される(13)。好適には、ミセル溶液は、炭化水素界面活性剤の水溶液であり、バイアの表面から加工残渣の少なくとも一部を除去できるものであることが好ましい。
【0046】
ミセル溶液を含む本明細書に記載されている洗浄処方が提供される。これらの溶液は、バイアから、BEOL処理中に通常形成されるタイプのエッチング後の残渣を除去する効果があり、これらの構造のK値または成分層に悪影響を与えないで低K構造と一緒に使用することができる。
【0047】
本発明の上記説明は、例示としてのものであって、本発明を制限するものではない。それ故、本発明の範囲から逸脱することなしに、上記実施形態に種々の追加、置換および修正を行うことができることを理解することができるだろう。それ故、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲のみにより解釈すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】界面活性剤の濃度が変化した場合に、溶液内で界面活性剤がとることができる種々の構造を示す相の図。
【図2】溶液内で界面活性剤がとることができるミセル構造のいくつかの図。
【図3】バイア内のエッチング後の残渣の存在を示す顕微鏡写真。
【図4】ミセル溶液で処理したエッチング後のバイアの顕微鏡写真。
【図5】接触抵抗の関数としての累積百分率のグラフ。
【図6】接触抵抗の関数としての累積百分率のグラフ。
【図7】接触抵抗の関数としての累積百分率のグラフ。
【図8】接触抵抗の関数としての累積百分率のグラフ。
【図9】接触抵抗の関数としての累積百分率のグラフ。
【図10】接触抵抗の関数としての累積百分率のグラフ。
【図11】本明細書に開示されている方法の一実施形態の図。
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、半導体の処理に関し、特にバイアからエッチング後の残渣を除去する際のミセル技術の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
バイア・エッチング手順は、通常、半導体処理、特に、通常加工残渣が形成される半導体デバイスのライン後端(back−end−of−line:BEOL)処理で使用される。これらの残渣は、多くの場合、その性質が有機金属性およびポリマー性であり、C、O、F、Si、Cu、HおよびNを含む元素組成を有している。これらの残渣は、バイアの底部および側壁部上に堆積する傾向があり、それらが存在するとデバイスの歩留まりの低下、バイア抵抗の増大、バイアの欠如および信頼性についての問題のような多くの問題を引き起こす。
【0003】
この業界においては、このような問題が発生しないようにするために、種々の洗浄処方を使用することにより、バイアからこれらの加工残渣を除去するために多くの試みが行われてきた。しかし、このような洗浄処方は、多くの場合、それ自身の複雑な問題を引き起こす。例えば、これらの残渣を除去するには、多くの場合、ヒドロキシルアミン(HDA)のような強力な有機溶媒が使用されるが、このような溶媒を使用するとコスト高になり、有害であり、環境に悪影響があり、また多くの場合、必要以上に長い処理時間がかかる。さらに、1つの溶媒または少数の溶媒をベースとする大部分の溶媒系は、これらの残渣の化学的性質が複雑であるために、バイアからこのような残渣のすべての成分を除去するのに有効ではない。
【0004】
また、特定の製造ライン内に形成された特定の加工残渣を目標とする洗浄処方として使用するために、複雑で複数の成分を含む溶媒系が開発されてきた。しかし、これらの複雑な系は、その開発および生産コストが非常に高く、製造プロセス中の何らかの変化に対処するためにリエンジニアしなければならない。さらに、このタイプの洗浄処方は、また多くの場合、処理中のデバイスの金属および誘電体成分に有害である。それ故、これらの洗浄処方を使用すると、残渣自身の存在による同じタイプの歩留まりの低下および電気的性能の劣化が起こる。
【0005】
NH4FまたはHF(多くの場合、DHFと呼ばれる)の希釈液をベースとする化学物質のような準水性化学物質をベースとする洗浄処方の使用も周知のものである。しかし、これらの化学物質は、バイアからすべての加工残渣またはその成分を除去する効果がない。さらに、このタイプの化学物質は、下に位置する金属層を腐蝕する傾向があり、バリア層をアンダーカットする傾向があり、そのため望ましくない誘電体の剥離が生じる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現在の洗浄処方の上記欠点は、引き続きチップ・サイズが小さくなるにつれて悪化してきた。より詳細に説明すると、チップ・サイズがますます小さくなるにつれて、これらのチップのバイア内に加工残渣が存在すると、歩留まりの低下がより大きくなり、デバイスの性能がますます低下する。さらに、チップ・サイズが小さくなったので、導体の通路をよりしっかりと制御しなければならなくなったために、低K構造(すなわち、バルク誘電率(K)が3.0未満の構造)を使用しなければならなくなっている。しかし、上記タイプの従来の洗浄処方は、低K構造に使用するのに適していない。何故なら、これらの洗浄処方は、これらの構造のK値を増大し、それによりデバイスの性能を劣化する傾向があるからである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
それ故、この業界においては、BEOL処理の際に使用するエッチング手順中に通常形成されるような加工残渣をバイアから除去するのに有効な洗浄処方が求められている。この業界においては、さらに、これらの構造のK値または成分層に悪影響を及ぼさないで、低K構造と一緒に使用することができる洗浄処方が求められている。これらおよび他のニーズは、以下に説明する組成および方法により満足することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
ミセル溶液をベースとする洗浄処方を使用すれば、BEOL処理中、および他のバイアまたはトレンチ・エッチング手順中に、通常形成されるタイプの加工残渣を含む加工残渣を、半導体基板または構造内または構造上のバイア、トレンチまたは他の開口部またはフィーチャの底部および側壁部から効果的に除去することができることが分かっている。これらの洗浄処方は、種々のデバイスから加工残渣を洗浄するために使用することができるが、これらの洗浄処方は、そのK値または成分層に悪影響を与えないで、これらの構造を洗浄することができるので、低K構造を使用した場合、特に役に立つ。これらの洗浄処方を使用すると、これらのデバイスの歩留まりおよび電気的性能が向上することが分かっている。さらに、これらの洗浄処方は、コストが安く、環境に優しく、有害でない。
【0009】
理論には裏付けされていないが、ミセル溶液を形成している界面活性剤に含まれている親水性および親油性の成分、およびこれらの界面活性剤がこのような溶液内でとることができる一意の構造が存在すると、ミセル溶液が、バイア・エッチングの副産物として頻繁に形成される加工残渣を効果的に溶かし、バイアおよび他の半導体構造の表面からこれらの残渣を除去することができるようにするのに少なくとも一役かっていると信じられている。それ故、例えば、ミセル溶液においては、界面活性剤の分子は、これらの分子の疎水部分が内側を向いていて、これらの分子の親水部分が外側を向いている自由に浮遊するミセル内に並ぶことができる。この配置により、疎水性物質および親水性物質両方を効率的に溶媒化することができる。一方、ミセル溶液は、その化学反応性が通常比較的低いので、使用しても、デバイスの属性(例えば、K値)または性能特性に悪影響を与えない。
【0010】
ミセルは、大きな界面活性剤分子の凝集体からなる、通常、有機的性質の電気的に帯電しているコロイド状粒子である。これらのコロイド状粒子は、溶液内の界面活性剤の濃度が臨界ミセル濃度(CMC)と呼ばれるあるレベルを超えると、適当なpH、温度、水の成分、および電解質組成の界面活性剤溶液内で容易に形成される。
【0011】
CMCの意味は、シリカの表面の濃度の関数として、通常のカチオン性界面活性剤の行動を示す相の図である図1を見れば理解することができる。アニオンおよび非イオン界面活性剤の類似の相の図も描くことができる。図1の領域Iに示す低濃度の場合には、界面活性剤は、シリカの表面にまばらに吸着され、界面活性剤のカチオン部位は、負に帯電しているシリカの表面に付着し、界面活性剤の非イオン尾部は溶液内に延びる。
【0012】
界面活性剤の濃度が濃くなるにつれて、図1の相の図の領域IIに示すように、界面活性剤は、シリカ基板を横切ってもっと均一に吸着し、1つの層を形成する。しかし、領域Iの場合のように、界面活性剤のカチオン部位は、負に帯電しているシリカの表面に吸着し、界面活性剤の非イオン尾部は溶液内に延びる。
【0013】
図1の相の図の領域IIIに示すように、界面活性剤の濃度がさらに濃くなると、界面活性剤は、もっと複雑な構造を持ち始める。溶液のpHにより、界面活性剤は、凝集体になる場合もあるし(pHが低い溶液の場合)、2層となる場合もある(pHが高い溶液の場合)。両方のタイプの構成の場合、構造は界面活性剤のカチオン性頭部によりシリカ基板に固定された状態のままになる。
【0014】
最後に、図1の相の図の領域IVに示すように、界面活性剤の濃度がCMCを超えると、界面活性剤は、界面活性剤の分子が自由に浮遊する凝集体となるミセル溶液を形成する。これらの自由に浮遊する凝集体は、通常の球形、通常の円筒形、通常の層状、逆の層状、逆の円筒形、および逆の球形の構成を含む多くの構成をとるようにすることができる。図2は、これらの処方を示す。凝集体がとる特定の構成は、界面活性剤が溶けている相(例えば、界面活性剤が水性または非極性相内に溶けているのかどうかというような)、溶液内に含まれている各相の量、溶液の温度、界面活性剤の化学的性質、および溶液内の電解質の量のような要因により異なる。
【0015】
本明細書に開示されている方法を実行する際には、種々のミセルおよびミセル溶液を使用することができる。特定の用途のための最適な選択は、除去する残渣の特定の化学的性質、基板の性質、および他の要因のような要因により異なる。本明細書に開示されている方法によりバイアおよび他の半導体構造から残渣を除去する際に役に立つミセルおよびミセル溶液の特定の例としては、nが、通常、約8〜約22の範囲内にあるラウリン酸ナトリウム(n−ドデカノアート)のようなn−アルキル・カルボキシレート;nが、この場合も、通常、約8〜約22の範囲内にあるn−ドデシル硫酸ナトリウム(NaLS)のようなn−アルキル硫酸塩およびスルホン酸塩;ヘキサデシル(セチル)ハロゲン化トリメチルアンモニウムのようなハロゲン化四次アンモニウム;スルホサクシン酸のジエステルの塩;アルキルフェノール誘導体;例えば、Zonyl(登録商標)FS−62アニオン性フルオロ界面活性剤およびZonyl(登録商標)FSO−100非イオン界面活性剤(両方ともデラウェア州ウィルミントン所在のDuPont社から市販されている)などのフルオロ界面活性剤;および、酢酸トリス(2−ヒドロキシエチル)牛脂アルキル・アンモニウム(TTAA)のような界面活性剤をベースとするミセル溶液があるがこれらに限定されない。本明細書に記載されているミセル溶液内で使用する界面活性剤は、カチオン性であっても、アニオンであっても、または非イオンであってもよいし、使用できる場合には、サリチル酸ナトリウム(NaSal)のような芳香族対イオンを含むがこれに限定されない種々の対イオンを使用することができる。
【0016】
本明細書に開示されている方法で使用するミセル溶液内の界面活性剤の濃度は変化する場合がある。通常、界面活性剤は、約5重量%未満の濃度で溶液内に存在する。好適には、界面活性剤は、約0.01重量%〜約1重量%の範囲内の濃度で溶液内に存在することが好ましく、より好適には、約0.05重量%〜約0.5重量%の範囲内の濃度で存在することが好ましく、さらにより好適には、約0.075重量%〜約0.25重量%の範囲内の濃度で溶液内に存在することが好ましい。最も好適には、界面活性剤は、約0.1重量%の濃度で溶液内に存在することが好ましい。
【0017】
本明細書に開示されている方法で使用するミセル溶液は、好適には、水性溶液であることが好ましく、界面活性剤の他に種々の成分を含むことができるものであることが好ましい。このような他の成分としては、クエン酸、シュウ酸またはこれらの混合物のような無機酸および有機酸等がある。通常、溶液内に存在するこのような酸の全量は、約0.5重量%〜約30重量%の範囲内であり、好適には、約1重量%〜約20重量%の範囲内、より好適には、約5重量%〜約15重量%の範囲内、最も好適には、約10重量%であることが好ましい。
【0018】
溶液内で使用することができる他の成分としては、共溶媒があり、それは、例えば、エーテル類、アルコール類、アミン類、アミド類、ポリエーテル類、ポリオール類、ポリアミン類、またはポリアミド類である。EGMBEのようなアルキル置換エーテルを使用することが特に好ましい。共溶媒の量は、少なくとも部分的にはミセル溶液の化学的性質により異なる場合もあるし、それに依存する場合もある。しかし、通常、ミセル溶液内に存在する共溶媒の量は、約0.1重量%〜約30重量%の範囲、好適には、約1重量%〜約20重量%の範囲、より好適には、約5重量%〜約15重量%の範囲である。最も好適には、ミセル溶液内に存在する共溶媒の量は、約10重量%である。
【0019】
下記の例により本明細書に開示されている溶液および方法を以下にさらに説明するが、本発明は、この例に限定されない。これらの例の場合、別段の指示がない限り、溶液成分のすべての百分率は、溶液の全重量をベースとする重量%である。例には下記の材料が使用されている。
【0020】
Ashland界面活性剤(登録商標):Ashland社(オハイオ州コロンバス)から市販されている炭化水素界面活性剤。
Deer Clean(登録商標):Kanto Corporation社(オレゴン州ポートランド)から市販されている3%シュウ酸溶液。
【0021】
Zonyl(登録商標)FS−62:下記の化学式を有するDuPont社(デラウェア州ウィルミントン)から市販されていアニオン性フルオロ界面活性剤。
CF3CF2CF2CF2CF2CF2CH2CH2SO3X、
ここで、X=HまたはNH4。
【0022】
Zonyl(登録商標)9361:下記の化学式を有する、DuPont社から市販されているアニオン性フッ素化界面活性剤。
(RfCH2CH2O)aPO(ONH2(CH2CH2OH)2)b、
ここで、a+b=3、およびRf=F(CF2CF2)n、但しn=3。
【0023】
Zonyl(登録商標)FSO−100:化学式RfCH2CH2O(CH2CH2O)xHを有するDuPont社から市販されている非イオン・フルオロ界面活性剤。
上記材料は、CMCに近い低い濃度で使用される。これらの材料のミセル溶液は、界面活性剤の濃度を適当に修正することにより入手できる在庫製品から調製することができる。
【0024】
FSA+DHF:DuPont社のZonyl(登録商標)FSA界面活性剤との1:600HFの混合物。
シュウ酸:3%シュウ酸の水溶液。
【0025】
EGMBE:5%水溶液として使用されるエチレン・グリコール・モノブチル・エーテル。
FSB:Zonyl(登録商標)FSB;DuPont社から市販されているフルオロ界面活性剤。
【0026】
クエン酸:3%クエン酸の水溶液。
比較例1
この例は、ベースライン・プロセス(すなわち、エッチング後バイアを洗浄しないプロセス)中、バイア内のエッチング後の残渣の存在が生産歩留まりにどのような悪影響を与えるのかを示す。
【0027】
ショート・ループ・ウェーハ・サンプルのバッチを供給した。8インチのパターン化したウェーハのサンプルは、銅/FTEOSまたは銅/SiCOH技術による6層金属構造で使用する130/90nm技術ノードBEOL単一または二重インレイド・バイアおよびトレンチからできていた。下に位置する銅金属は、誘電率スタックのドライエッチングの後、バイアの底部で露出していた。側壁部のスタックは、SiN/FTEOSまたはSiCN/SiCOHからできていた。ウェーハ内のバイアの長さは約600nmであり、幅は約100nmから約175nmの範囲内で変化した。試験した構造は、小さい1,000個のバイア・アレイから大きな千百万個のバイアのジグザク・アレイまで種々様々であった。
【0028】
ドライエッチングが終了した後であって、サンプルを洗浄する前に、バイアの中のいくつかの一連のエッチング後の断面SEM画像をサンプルから入手した。図3のSEM画像は代表的なものである。図を見れば分かるように、サンプルを正しく洗浄しないと、バイアの側壁部上にまたバイアの底部の銅金属上に、エッチング後の残渣を視認することができる。
【0029】
次に、ウェーハ内の導体レベル間のケルビン接触抵抗を、クラスプローブ分析により決定した。使用したプローブは、歩留まりデータを示す標準半導体クラスプローブであった。図5は、結果のグラフである。伝統的手法により、特定の化学的性質に対して引用したケルビン接触抵抗は、50%の累積百分率におけるケルビン接触抵抗である(すなわち、試験したウェーハの50%は、その化学的性質に対する引用したケルビン接触抵抗と等しいかまたはそれ以下の接触抵抗を有する)。それ故、ベースライン・プロセスのケルビン接触抵抗(すなわち、洗浄を行わなかったエッチング後のウェーハのケルビン接触抵抗)は、1.7オーム/接触である。
【0030】
ウェーハのバイア・チェーン歩留まりも測定した。図6および表1がその結果を示す。図6においては、バイア・チェーン歩留まりは、曲線が一番上で終わっている最終飽和値である。図を見れば分かるように、洗浄を行わないと、このプロセスのバイア・チェーン歩留まりは約63%であった。
例1〜5
これらの例は、ミセル洗浄溶液を使用した場合の接触抵抗および歩留まりの可能な改善を示す。
【0031】
比較例1のプロセスを反復した。しかし、今度は、露出した銅面上の開放バイア・ランディング内のエッチング後の残渣を除去するために、種々のミセル溶液を使用して以降の洗浄ステップを実行した。各実験の際に、ミセル溶液の洗浄効率を評価するために、ミセル溶液による後エッチングにより処理した数個(1つの化学的性質に対して少なくとも4個)のウェーハを使用した。
【0032】
例1〜5は、表1に示す界面活性剤をベースとする5つの異なる水性ミセル溶液を使用した。各溶液において、界面活性剤の濃度を0.1%に調整した。EGMBEは5%溶液として使用し、一方、クエン酸およびシュウ酸は3%溶液として使用した。次に、これらのミセル溶液を、エッチング後のプロセス中に、比較例1で使用したタイプのダイを洗浄するために使用した。ダイを洗浄し乾燥した後で、比較例1で使用したのと同じ手順によりウェーハのケルビン接触抵抗を測定した。図5のグラフおよび表1はその結果を示す。
【0033】
図5および表1の結果が示すように、バイアを洗浄する際にミセル溶液を使用すると、いくつかの例の場合にケルビン接触抵抗に劇的な効果があった。それ故、比較例1のベースライン・プロセスの場合には、ケルビン接触抵抗は約1.7オーム/接触であったが、ミセル溶液で洗浄したウェーハのケルビン接触抵抗は、いくつかの場合、有意に低くなった。例えば、例5の場合には、測定したケルビン接触抵抗は約0.8オーム/接触にすぎず、ベースライン・プロセス(すなわち、比較例1のプロセス)の場合のケルビン接触抵抗の約半分であり、一方、例2および3の場合には、測定したケルビン接触抵抗は、それぞれ、約1.3オーム/接触および約1.5オーム/接触であった。例3および4の両方の場合には、測定したケルビン接触抵抗は、両方とも約1.6オームであり、ベースライン・プロセスによるケルビン接触抵抗より若干低かった。
【0034】
例1〜5の材料についてもバイア・チェーン歩留まりを測定した。図6および表1がその結果を示す。すでに説明したように、図6のバイア・チェーン歩留まりは、各曲線が一番上で終わる最終飽和値である。バイア・チェーン歩留まりが約63%であった比較例1のベースライン・プロセスと比較すると、ミセル溶液をベースとする洗浄処方を使用すると、ほとんどの場合、ベースライン・プロセスより優れているか、それとほぼ同じバイア・チェーン歩留まりが得られた。それ故、例1の溶液は最高の歩留まり(約90%)を示し、一方、例2の溶液も、ベースライン・プロセス(70%)と比較すると、歩留まりが改善した。例3および4の溶液は、ベースライン・プロセスとほぼ同等のバイア・チェーン歩留まりを示したが、例5の溶液のバイア・チェーン歩留まりは約25%であった。これらの結果は、ミセル溶液が歩留まりを改善し、接触抵抗を低減することができることを示している。それ故、これらの溶液がエッチング後の残渣を除去するのに効果があることを示唆している。
【0035】
また、エッチング後の残渣を除去する際の例1〜5のミセル溶液の効率を、これらの例から入手したバイアのエッチング後の断面のSEM画像により確認した。この画像の中、図4のSEM画像が代表的なものである。図を見れば分かるように、サンプルを本明細書に記載されているミセル溶液で洗浄した場合、エッチング後の残渣は、バイアの側壁部およびバイアの底部のところの銅金属から効果的に除去される。
【0036】
【表1】
比較例2
この例は、ベースライン・プロセス(すなわち、バイアを洗浄しないプロセス)中、バイア内のエッチング後の残渣の存在が生産歩留まりにどのような悪影響を与えるのかを示す。
【0037】
比較例1の一般的手順の後で、小型および大型ジグザグ・アレイ構造(BE863.1および4Kバイア・アレイなど)のバイア・チェーン歩留まりを測定した。これらのアレイは、これらのアレイが、正しく洗浄した場合、歩留まりに有意の差を示すことができる大型のバイア構造を含んでいるという点で、エッチング後の残渣の除去の際の洗浄溶液の効率の特に優れた測定値を示す。比較した場合、もっと小さなバイア構造(例えば、1,000〜10,000)のジグザグ・バイア・アレイは、洗浄を行っても有意な歩留まりの差を常に示すとは限らない。
【0038】
表2および図7のグラフはベースライン・プロセスの結果を示す。表2および図7に示すように、バイア・チェーン歩留まりは、ベースライン・プロセスの場合、約63%であった。
例6〜10
これらの例は、大型バイア構造を含むダイにミセル洗浄溶液を使用した場合の接触抵抗および歩留まりの可能な改善を示す。
【0039】
例6〜10中、6つの水性ミセル溶液は、表2の界面活性剤をベースとして調製した。各溶液において、界面活性剤の濃度を0.1%に調整した。EGMBEは5%溶液として使用し、一方、クエン酸およびシュウ酸は3%溶液として使用した。次に、これらのミセル溶液を、比較例2で使用したタイプのダイを洗浄するために使用した。ダイを洗浄し乾燥した後で、ウェーハの接触抵抗を測定した。図7のグラフおよび表2はその結果を示す。表2は、また、各実験中に使用したダイの数も示す。
【0040】
【表2】
表2および図7のデータに示すように、ミセル溶液を使用すると、ベースライン・プロセスと比較した場合、バイア・チェーン歩留まりが有意に改善された。それ故、これらのダイに対するベースライン・プロセスの場合には、バイア・チェーン歩留まりは63%にしか過ぎなかったが、すべてのミセル溶液(例7の溶液を除く)を使用した場合、バイア・チェーン歩留まりは100%になった。
比較例3〜5
この例は、ベースライン・プロセス(すなわち、バイアを洗浄しないプロセス)中、バイア内のエッチング後の残渣の存在が、比較的多数のバイアを有するウェーハの生産歩留まりにどのような悪影響を与えるのかを示す。
【0041】
使用したダイが、BE863.1およびBE863.2構造を含むBE863ダイであったという点を除いて、比較例1のバイア・チェーン歩留まり実験を反復して行った。このダイは、間隔が3Xである約1100万のバイア構造を有していて、そのため異なる処理に対する歩留まりを比較するための優れたベンチマークである。ダイを洗浄し、乾燥した後で、ダイの全部で4つの異なる場所に対して、各構造(C1およびC2で示す)上の2つの異なる場所で、バイア・チェーン歩留まりを測定した。図8〜図10のグラフおよび表3がその結果を示す。
【0042】
これらの結果が示すように、ベースライン・プロセスは、15〜25%の範囲内の非常に低いバイア・チェーン歩留まりを特徴とする。このような歩留まりは、商業的に実行可能な製造ラインより遥かに低い。
例11〜21
これらの例は、多数のバイアを有するウェーハにミセル洗浄溶液を使用した場合の接触抵抗およびバイア・チェーン歩留まりの可能な改善を示す。
【0043】
今回は、ダイ内のバイアを表3に示すミセル溶液で洗浄した点を除けば、比較例3〜5と同じ手順を実行した。図8〜図10のグラフおよび表3がその結果を示す。
結果が示すように、ある種のミセル溶液を使用すると、バイア・チェーン歩留まりが劇的に増大する。例11〜13のミセル溶液は、特に効果があり、ベースライン・プロセスの歩留まりより遥かに高い、約90〜96%のバイア・チェーン歩留まりを示したことが分かる。例14〜15のミセル溶液も、バイア・チェーン歩留まりを劇的に改善した(70〜78%)。
【0044】
【表3】
図11は、本明細書に開示されている方法の一実施形態のステップを示す。この方法の場合、半導体デバイスが供給される(11)。デバイスは、例えば、銅の導体層を含む低K半導体デバイスであってもよく、通常、その中に形成されている複数のバイアを含む半導体基板を備える。バイアは、通常、バイア・エッチングの副産物として形成されたその表面上に堆積した加工残渣を有し、通常、有機金属ポリマーを含む。
【0045】
次に、半導体デバイスにミセル溶液が塗布される(13)。好適には、ミセル溶液は、炭化水素界面活性剤の水溶液であり、バイアの表面から加工残渣の少なくとも一部を除去できるものであることが好ましい。
【0046】
ミセル溶液を含む本明細書に記載されている洗浄処方が提供される。これらの溶液は、バイアから、BEOL処理中に通常形成されるタイプのエッチング後の残渣を除去する効果があり、これらの構造のK値または成分層に悪影響を与えないで低K構造と一緒に使用することができる。
【0047】
本発明の上記説明は、例示としてのものであって、本発明を制限するものではない。それ故、本発明の範囲から逸脱することなしに、上記実施形態に種々の追加、置換および修正を行うことができることを理解することができるだろう。それ故、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲のみにより解釈すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】界面活性剤の濃度が変化した場合に、溶液内で界面活性剤がとることができる種々の構造を示す相の図。
【図2】溶液内で界面活性剤がとることができるミセル構造のいくつかの図。
【図3】バイア内のエッチング後の残渣の存在を示す顕微鏡写真。
【図4】ミセル溶液で処理したエッチング後のバイアの顕微鏡写真。
【図5】接触抵抗の関数としての累積百分率のグラフ。
【図6】接触抵抗の関数としての累積百分率のグラフ。
【図7】接触抵抗の関数としての累積百分率のグラフ。
【図8】接触抵抗の関数としての累積百分率のグラフ。
【図9】接触抵抗の関数としての累積百分率のグラフ。
【図10】接触抵抗の関数としての累積百分率のグラフ。
【図11】本明細書に開示されている方法の一実施形態の図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスを洗浄するための方法であって、
半導体デバイスを供給するステップと、
前記半導体デバイスにミセル溶液を塗布するステップとを含む方法。
【請求項2】
前記半導体デバイスが、少なくとも1つの開口部を含み、前記溶液が前記開口部に塗布される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記開口部が、前記開口部の形成中に形成されたその表面上に加工残渣を有し、前記ミセル溶液が前記加工残渣を除去する請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記加工残渣が有機金属ポリマーを含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記半導体デバイスが3.0未満のバルク誘電率Kを有する請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ミセル溶液が炭化水素界面活性剤を含み、前記炭化水素溶液が約1重量%以下の濃度で前記ミセル溶液内に含まれる請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ミセル溶液が過フッ化炭化水素界面活性剤を含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ミセル溶液が少なくとも1つのカルボキシル基を有する界面活性剤含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記溶液がシュウ酸を含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ミセル溶液がフルオロ界面活性剤およびフッ化水素酸の水溶液を含む請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記ミセル溶液が、エチレン・グリコール・モノブチル・エーテルを含む請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記ミセル溶液がクエン酸を含む請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記半導体デバイスが銅導体レベルを含む請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記半導体デバイスが、銅およびシリコンからなるグループから選択した材料を含む表面を有し、前記ミセル溶液が前記表面を洗浄するために使用される請求項1に記載の方法。
【請求項15】
半導体基板から加工残渣を除去するための方法であって、
複数の開口部を有する半導体基板を提供するステップと、前記開口部はその表面上に堆積している加工残渣を有することと、
前記基板にミセル溶液を塗布し、それにより前記複数の開口部から前記加工残渣の少なくとも一部を除去するステップとを含む方法。
【請求項16】
前記加工残渣の少なくとも一部が、前記開口部のエッチング中に形成される請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記半導体基板が銅の導体レベルを含む請求項15に記載の方法。
【請求項18】
半導体デバイスを製造するための方法であって、
半導体基板を提供するステップと、
前記エッチングが終了した場合、複数の開口部のうちの少なくともいくつかが、その表面上に堆積している前記エッチング・プロセス中に形成された加工残渣を有するように、前記半導体基板内に前記開口部をエッチングするステップと、
前記加工残渣をミセル溶液と接触させることにより、前記加工残渣の少なくとも一部を除去するステップとを含む方法。
【請求項19】
前記ミセル溶液が炭化水素界面活性剤を含み、前記炭化水素溶液が、約1重量%未満の濃度で前記ミセル溶液内に含まれる請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ミセル溶液が、約0.01重量%〜約1重量%の炭化水素界面活性剤、約1重量%〜約10重量%のクエン酸、約1重量%〜約10重量%のシュウ酸、および約1重量%〜約10重量%のEGMBEを含む請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記半導体基板が、3.0未満のバルク誘電率Kを有する請求項18に記載の方法。
【請求項1】
半導体デバイスを洗浄するための方法であって、
半導体デバイスを供給するステップと、
前記半導体デバイスにミセル溶液を塗布するステップとを含む方法。
【請求項2】
前記半導体デバイスが、少なくとも1つの開口部を含み、前記溶液が前記開口部に塗布される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記開口部が、前記開口部の形成中に形成されたその表面上に加工残渣を有し、前記ミセル溶液が前記加工残渣を除去する請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記加工残渣が有機金属ポリマーを含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記半導体デバイスが3.0未満のバルク誘電率Kを有する請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ミセル溶液が炭化水素界面活性剤を含み、前記炭化水素溶液が約1重量%以下の濃度で前記ミセル溶液内に含まれる請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ミセル溶液が過フッ化炭化水素界面活性剤を含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ミセル溶液が少なくとも1つのカルボキシル基を有する界面活性剤含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記溶液がシュウ酸を含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ミセル溶液がフルオロ界面活性剤およびフッ化水素酸の水溶液を含む請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記ミセル溶液が、エチレン・グリコール・モノブチル・エーテルを含む請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記ミセル溶液がクエン酸を含む請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記半導体デバイスが銅導体レベルを含む請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記半導体デバイスが、銅およびシリコンからなるグループから選択した材料を含む表面を有し、前記ミセル溶液が前記表面を洗浄するために使用される請求項1に記載の方法。
【請求項15】
半導体基板から加工残渣を除去するための方法であって、
複数の開口部を有する半導体基板を提供するステップと、前記開口部はその表面上に堆積している加工残渣を有することと、
前記基板にミセル溶液を塗布し、それにより前記複数の開口部から前記加工残渣の少なくとも一部を除去するステップとを含む方法。
【請求項16】
前記加工残渣の少なくとも一部が、前記開口部のエッチング中に形成される請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記半導体基板が銅の導体レベルを含む請求項15に記載の方法。
【請求項18】
半導体デバイスを製造するための方法であって、
半導体基板を提供するステップと、
前記エッチングが終了した場合、複数の開口部のうちの少なくともいくつかが、その表面上に堆積している前記エッチング・プロセス中に形成された加工残渣を有するように、前記半導体基板内に前記開口部をエッチングするステップと、
前記加工残渣をミセル溶液と接触させることにより、前記加工残渣の少なくとも一部を除去するステップとを含む方法。
【請求項19】
前記ミセル溶液が炭化水素界面活性剤を含み、前記炭化水素溶液が、約1重量%未満の濃度で前記ミセル溶液内に含まれる請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ミセル溶液が、約0.01重量%〜約1重量%の炭化水素界面活性剤、約1重量%〜約10重量%のクエン酸、約1重量%〜約10重量%のシュウ酸、および約1重量%〜約10重量%のEGMBEを含む請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記半導体基板が、3.0未満のバルク誘電率Kを有する請求項18に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2007−535122(P2007−535122A)
【公表日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518989(P2006−518989)
【出願日】平成16年7月7日(2004.7.7)
【国際出願番号】PCT/US2004/022733
【国際公開番号】WO2005/008739
【国際公開日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【出願人】(504199127)フリースケール セミコンダクター インコーポレイテッド (806)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月7日(2004.7.7)
【国際出願番号】PCT/US2004/022733
【国際公開番号】WO2005/008739
【国際公開日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【出願人】(504199127)フリースケール セミコンダクター インコーポレイテッド (806)
【Fターム(参考)】
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