説明

エッチング液組成物

【課題】 アルミニウム系導電性薄膜とモリブデン系導電性薄膜とからなる多層膜のエッチング処理において、基板表面のエッチング液の流動性が異なっても均一に良好な順テーパー形状を与えることのできる優れたエッチング液を提供することを課題とする。
【解決手段】 リン酸、硝酸(好ましくは濃度1〜10質量%)及び硫酸(好ましくは濃度1〜20質量%)を含有する水溶液(好ましくは水分量20質量%以下)からなるエッチング液組成物を調製し、Moを主成分とする第1の導電性薄膜とAlを主成分とする第2の導電性薄膜からなる2層膜、または、Moを主成分とする第1の導電性薄膜とAlを主成分とする第2の導電性薄膜とMoを主成分とする第3の導電性薄膜からなる3層膜のエッチングに用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクティブマトリックス方式の液晶ディスプレイ(LCD)に利用される薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor)や有機ELなどに用いられる配線電極のエッチング液に関し、更に詳しくは、アルミニウム(Al)を主成分とする導電性薄膜とモリブデン(Mo)を主成分とする導電性薄膜からなる多層膜のエッチング液に関する。
【背景技術】
【0002】
薄膜トランジスタの構成は、例えば図1に示すように、透光性基板1上に、所定形状のゲート電極2、ゲート絶縁膜としてのSiNx膜3、半導体膜としてのアモルファスシリコン膜4、コンタクトをとるための不純物半導体膜としてn+Si膜5がそれぞれ形成されており、その上に所定形状のソース・ドレイン電極6が形成される。
そして、その上にパッシベーション膜7としてSiNx膜が形成され、さらにその上にドレイン金属とコンタクト穴を介して接触している画素電極8のITO(Indium Tin Oxide)膜が形成されているという構成からなっている。
【0003】
このうち、ゲート電極2およびソース・ドレイン電極6としては、低抵抗な配線電極材料としてアルミニウムを主成分とする金属材料からなる導電性薄膜が広く用いられている。アルミニウムを主成分とする導電性薄膜としては、アルミニウム、アルミニウム-ネオジウム合金(Al−Nd)、アルミニウム-イットリウム合金(Al−Y)、アルミニウム-ジルコニウム合金(Al−Zr)などが用いられる。
また、この場合には一般に、前記アルミニウムを主成分とする金属材料と透明導電膜や半導体層とを電気的に接続する際のバリアメタルとなる高融点金属材料を、該アルミニウムを主成分とする金属材料からなる層の片面又は両面に積層した2層または3層の多層膜が用いられる。
【0004】
かかる高融点金属材料としては、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、モリブデン(Mo)、モリブデン−タングステン合金(Mo−W)、モリブデン−タンタル合金(Mo−Ta)、モリブデン−ジルコニウム合金(Mo−Zr)、モリブデン−クロム合金(Mo−Cr)、窒化モリブデン(MoN)などが用いられる。チタン系の高融点金属材料を使用した場合は、通常、四フッ化炭素(CF4)や三塩化ホウ素(BCl3)などの腐食性ガスでドライエッチングされる。
【0005】
ドライエッチングは加工性はよいが、エッチング装置が高価である点が問題である。一方、モリブデン系の高融点金属材料を使用した場合は、エッチング液で多層膜を一度にエッチングでき、エッチング装置も比較的安価である。
このため最近では、モリブデン系導電性薄膜とアルミニウム系導電性薄膜からなる多層膜が、ゲート電極2およびソース・ドレイン電極6に広く使用されるようになってきている。
【0006】
ところで、ゲート電極2およびソース・ドレイン電極6は、上層に形成される半導体膜の段差被覆性(ステップカバレッジ)の確保のため、その配線断面形状は順テーパー状に加工する必要がある。
【0007】
アルミニウム系金属材料のエッチング液としては、従来から、リン酸、硝酸、酢酸及び水からなる混酸が使用されているが、アルミニウム系導電性薄膜とモリブデン系導電性薄膜とからなる多層膜のエッチングに混酸を使用した場合には、アルミニウム系導電性薄膜とモリブデン系導電性薄膜との積層構造を良好な順テーパー状に加工することは容易ではない。
【0008】
これに対し、上記多層膜のエッチング液として混酸を使用しつつ、しかも配線断面形状の良好な順テーパ状を確保するために、従来から様々な工夫がなされてきた(特開平9−64366号公報、特開2001−166336号公報、特開2001−311954号公報、特開2002−341367号公報、及びJ. Vac. Sci. Technol. B20(5), p1907-1913, 2002参照)。
【0009】
例えば特開2001−166336では、一括エッチングで良好な順テーパー形状が得られるエッチング液として、リン酸、硝酸、酢酸及び水からなる混酸に、さらにフッ化アンモニウムまたはフッ化水素を含むエッチング液が示されている。
また、出願人は先に、良好な順テーパ状の配線断面形状を与えることのできるアルミニウム系金属配線膜用エッチング液として、リン酸、硝酸、有機酸及び陽イオン成分を含有する水溶液からなるエッチング液組成物を開示している(特開2003−13261号公報参照)。
【0010】
しかしながら、従来の混酸によるエッチングでは、基板表面のエッチング液の流動性によってテーパー形状が大きく変化し、均一にエッチングされない問題がある。すなわち、例えばスプレーによるエッチング処理では、完全に均一にスプレーすることは実質上困難であり、基板表面で、エッチング液の流動性の高い場所と低い場所が発生し、均一なエッチングができない。
【0011】
上記特開2001−166336に示されたような混酸にフッ化アンモニウムまたはフッ化水素を配合したエッチング液においても、均一なエッチング加工性が得られるとは言い難く、本発明の目的において効果は十分ではない。また、フッ素を含むことは、ガラス基板等の下地を腐食する恐れがあり、且つ、廃液の処理や再利用においても好ましくない。
【0012】
このように、上層膜の良好な段差被覆性や絶縁耐性を確保できる順テーパー状の配線断面形状を、基板表面のエッチング液の流動性の違いに関わらず均一に与えることのできる優れたエッチング液の開発は、未だ完成に至っていない。
【0013】
【特許文献1】特開平9−64366
【特許文献2】特開2001−166336
【特許文献3】特開2001−311954
【特許文献4】特開2002−341367
【特許文献5】特開特開2003−13261
【特許文献6】J. Vac. Sci. Technol. B20(5), p1907-1913, 2002
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、アルミニウム系導電性薄膜とモリブデン系導電性薄膜とからなる多層膜のエッチング処理において、基板表面のエッチング液の流動性が異なっても均一に良好な順テーパー形状を与えることのできる優れたエッチング液を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は上述した課題を解決するために提案するものであり、モリブデンを主成分とする第1の導電性薄膜とアルミニウムを主成分とする第2の導電性薄膜からなる2層膜、または、モリブデンを主成分とする第1の導電性薄膜とアルミニウムを主成分とする第2の導電性薄膜とモリブデンを主成分とする第3の導電性薄膜からなる3層膜のエッチングに用いられるエッチング液組成物であって、リン酸、硝酸、及び硫酸を含有する水溶液からなることを特徴とする。
【0016】
また、前記エッチング液組成物は、好ましくは硝酸濃度が1〜10質量%、硫酸濃度が1〜20質量%、及び水が20質量%以下であることを特徴とする。
また、前記エッチング液組成物は、スプレー方式のウェットエッチングに用いられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明のエッチング液組成物を使用することにより、アルミニウムを主成分とする導電薄膜とモリブデンを主成分とする導電薄膜からなる多層膜の一括エッチングを、例えばスプレー方式によって行う場合にスプレーむらがあるなど、基板表面のエッチング液の流動性に差異が生じても、均一に良好な順テーパー形状を得ることができ、上層膜の段差被覆性を確保できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
1.エッチング液組成物
本発明に使用されるエッチング液組成物は、リン酸(H3HP4)、硝酸(HNO3)、及び硫酸(H2SO4)と水(H2O)とを含む混合物である。
【0019】
このうち、本発明に使用されるリン酸の濃度は全溶液中で60〜80質量%、好ましくは65〜75質量%である。リン酸は、本発明のエッチング液組成物において、主にアルミニウムを主成分とする導電性薄膜のエッチングに寄与するものであり、60質量%未満であると、アルミニウムを主成分とする導電性薄膜のエッチング速度が遅くなり、また80質量%を超える濃度ではエッチング液の粘度が増し好ましくない。
【0020】
本発明に使用される硝酸の濃度は、全溶液中で1〜10質量%、好ましくは5〜8質量%である。硝酸は本発明のエッチング液組成物において、主にモリブデンを主成分とする導電性薄膜のエッチングに寄与するものであり、1質量%未満では、モリブデンを主成分とする導電性薄膜のエッチング速度が遅くなり、10質量%を超える濃度ではモリブデンを主成分とする導電性薄膜のエッチング速度が速くなり良好な順テーパー形状が得られない。
【0021】
本発明に使用される硫酸の濃度は、全溶液中で1〜20質量%、好ましくは10〜15質量%である。硫酸は本発明のエッチング液組成物において、アルミニウムを主成分とする導電性薄膜とモリブデンを主成分とする導電性薄膜からなる多層膜をエッチングした際のテーパー形状を、基板表面のエッチング液の流動性に係わらず順テーパーにする働きがある。1質量%未満では、前記の効果が十分でなく、20質量%を超える濃度では、レジストにダメージを与える場合があるため適当ではない。
【0022】
本発明のエッチング液組成物中の水分は20質量%以下である。20質量%を超えると良好な順テーパー形状が得られない。
【0023】
また、本発明のエッチング液組成物に従来のエッチング液に使用される酢酸をさらに添加してもよく、酢酸の添加によりさらに良好な順テーパー形状が得られる。添加量は、10重量%以下が好ましい。
【0024】
本発明のエッチング液組成物の使用温度は常温〜60℃の範囲であるが、使用される多層膜の種類、厚さ等から勘案して、適宜決定すれば良い。
【0025】
2.Mo/Al系多層膜
本発明のエッチング液組成物は、モリブデンを主成分とする導電性薄膜(モリブデン系導電性薄膜)とアルミニウムを主成分とする導電性薄膜(アルミニウム系導電性薄膜)とを含む多層積層膜(Mo/Al系多層膜)のウエットエッチングに用いられる。
【0026】
かかるMo/Al系多層膜は、従来の混酸を用いたエッチング液では、スプレーむらなどによって良好な順テーパー形状を均一に得ることは困難であったが、本発明のエッチング液組成物を用いることにより、エッチング液の流動性が異なっても均一なエッチングが可能となり、良好な順テーパー形状をむらなく均一に得ることができるようになったものである。
【0027】
本発明における多層膜は、モリブデンを主成分とする導電性薄膜とアルミニウムを主成分とする導電性薄膜とを含む積層膜であり、具体的には、モリブデンを主成分とする第1の導電性薄膜とアルミニウムを主成分とする第2の導電性薄膜とからなる2層膜、または、モリブデンを主成分とする第1の導電性薄膜とアルミニウムを主成分とする第2の導電性薄膜とモリブデンを主成分とする第3の導電性薄膜とからなる3層膜が挙げられる。
【0028】
すなわち、例えば図1に示すような薄膜トランジスタのゲート電極2で言えば、ガラス基板1上に形成された低抵抗のアルミニウム系導電性薄膜上に、モリブデン系の高融点金属材料からなるモリブデン系導電性薄膜を積層した2層構造、あるいは該アルミニウム系導電性薄膜の上層及び下層の両面にモリブデン系導電性薄膜を積層した3層構造が挙げられる。
【0029】
アルミニウム系導電性薄膜の金属材料としては、アルミニウムを主成分とするもの、好ましくはアルミニウム含有率が50atm%以上の金属材料である。具体的には、金属アルミニウム、又はアルミニウム-ネオジウム合金(Al−Nd)、アルミニウム-イットリウム合金(Al−Y)、アルミニウム-ジルコニウム合金(Al−Zr)、アルミニウム−コバルト(Al−Co)、アルミニウム−クロム(Al−Cr)、アルミニウム−ハフニウム(Al−Hf)、アルミニウム−マンガン(Al−Mn)、アルミニウム−ニオブ(Al−Nb)、アルミニウム−ニッケル(Al−Ni)、アルミニウム−パラジウム(Al−Pd)、アルミニウム−ストロンチウム(Al−Sr)、アルミニウム−タンタル(Al−Ta)、アルミニウム−チタン(Al−Ti)、アルミニウム−タングステン(Al−W)等のアルミニウム合金が挙げられる。アルミニウム合金の場合のアルミニウム含有率は特に限定されないが、好ましくは85〜99.9atm%である。
【0030】
モリブデン系導電性薄膜の金属材料としては、モリブデンを主成分とするもの、好ましくはモリブデン含有率が50atm%以上の金属材料である。具体的には、金属モリブデン、モリブデン−タングステン合金(Mo−W)、モリブデン−タンタル合金(Mo−Ta)、モリブデン−ジルコニウム合金(Mo−Zr)、モリブデン−クロム合金(Mo−Cr)、窒化モリブデン(MoN)等のモリブデン合金が挙げられる。モリブデン合金の場合のモリブデン含有率は特に限定されないが、好ましくは80〜99.9atm%である。
【0031】
本発明で用いられる各導電性薄膜及び多層膜の厚みは、通常の薄膜トランジスタのゲート配線及びソース・ドレイン配線に用いられる場合の厚みであれば特に限定されないが、具体的には、アルミニウム系導電性薄膜の厚みは700〜2000Å、モリブデン系導電性薄膜の厚みは700〜2000Å、多層膜のうち2層膜の場合の全膜厚は1500〜3000Å、3層膜の場合の全膜厚は2500〜4000Å程度が好ましい。
【0032】
3.エッチング方法
本発明のエッチング液組成物を用いた場合のエッチング方法には特に制限はなく、シャワー方式、スプレー方式等、従来公知のウェットエッチング方法を用いることができる。特に、スプレー方式を用いてウェットエッチングを行った場合に、本発明の効果が有効に発揮される。すなわち、スプレー方式でエッチング処理を行うと、完全に均一にスプレーすることが実質上困難であり、基板表面でエッチング液の流動性の高い場所と低い場所が発生し、均一なエッチングができないという問題点があったところを、本発明のエッチング液組成物を用いることにより、エッチング液の流動性が異なってもエッチング処理の程度に影響を与えず、むらなく均一に順テーパー形状を形成することができる。
【実施例】
【0033】
以下に本発明の実施例を比較例と共に示し、発明の内容を詳細に示すが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
リン酸(H3HP4)、硝酸(HNO3)、及び硫酸(H2SO4)と水(H2O)とを混合し、本発明のエッチング液組成物を調製した。表1に本実施例で用いた本発明のエッチング液組成物(実施例1〜7)及び比較のためのエッチング液組成物(比較例1〜4)の組成を示す。
【0034】
得られたエッチング液組成物を用いてエッチングを行うMo/Al系多層膜として、以下に示す2層膜及び3層膜を作製した。
図2で2層膜を詳細に説明する。まずガラス基板11上に、アルミニウム-ネオジウム合金10(1500Å)、次いでモリブデン-タングステン合金9(1000Å)をスパッタし、得られたモリブデン-タングステン合金/アルミニウム-ネオジウム合金多層膜上に、さらにフォトレジスト12を塗布し、あらかじめ用意したパターンマスクを露光転写後、現像して所望のフォトレジストパターンを形成した構造を得た。
【0035】
図3で3層膜を詳細に説明する。まずガラス基板11上に、モリブデン-タングステン合金9(500Å)、アルミニウム-ネオジウム合金10(1500Å)をスパッタし、次いでモリブデン−タングステン合金9(1500Å)をスパッタし、得られたモリブデン-タングステン合金/アルミニウム-ネオジウム合金/モリブデン-タングステン合金多層膜上に、さらにフォトレジスト12を塗布し、あらかじめ用意したパターンマスクを露光転写後、現像して所望のフォトレジストパターンを形成した構造を得た。なお、ここで用いた各合金は、2層膜において用いたものと同じである。
【0036】
基板表面のエッチング液の流動性とテーパー形状を検討するため、図2および図3の基板を振動させつつエッチングした場合と静置状態でエッチングした場合の断面のテーパー形状を走査型電子顕微鏡で観察した。
すなわち、基板を振動させつつエッチングする条件は、基板表面のエッチング液の流動性が高く、スプレー処理においてスプレーが比較的よくあたる部分のエッチングに相当し、静置状態でエッチングする条件は、比較的スプレーがあたりにくく、エッチング液の流動性が低い部分のエッチングを強調した条件と言える。
【0037】
表1で示した組成物を用いて、図2および図3で示した基板を40℃でエッチングした。エッチング時間は、多層膜のエッチングに要する時間(ジャストエッチ時間)、及び、その1.5倍の時間(50%オーバーエッチ時間)とした。エッチング後の基板はモノエタノールアミン70質量%およびジメチルスルホキシド30質量%からなるレジスト剥離液に、70℃で5分間浸漬され、レジストは剥離された。以下に示した基準でテーパー形状を評価した結果を表2に示す。
【0038】
<評価基準>
○:図4(a)または(b)の形状
×:図5(a)、(b)、(c)または(d)の形状
【0039】
【表1】

【0040】
【表2】

【0041】
以上の結果から分かるように、実施例1〜7によるエッチングでは、振動しつつエッチングした場合でも静置状態でエッチングした場合でも、配線断面形状は良好な順テーパー形状となった。
【0042】
なお、上述の実施例は、導電性薄膜としてアルミニウム-ネオジウム合金およびモリブデン-タングステン合金からなる多層膜について説明したが、アルミニウム系導電性薄膜としては金属アルミニウムであっても他のアルミニウム合金であっても良い。また、モリブデン系導電性薄膜としては金属モリブデンや窒化モリブデンまたは他のモリブデン合金であっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0043】
アルミニウムを主成分とする導電薄膜とモリブデンを主成分とする導電薄膜からなる多層膜の一括エッチング処理を行う場合に、本発明のエッチング液組成物を用いることにより、例えばスプレー方式でスプレーむらが生じるなど、基板表面のエッチング液の流動性に差異が生じても、良好な順テーパー形状を均一に得ることができる。そのため、上層の半導体膜の良好な段差被覆性を確保でき、またゲート絶縁膜の絶縁耐性を向上させることができる。よって、本発明のエッチング液組成物は、液晶表示装置等の信号配線に用いる積層膜のエッチングに有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】薄膜トランジスタの一例を示す図
【図2】実施例で用いた2層膜の一例を示す図
【図3】実施例で用いた3層膜の一例を示す図
【図4】実施例のテーパー形状の評価基準における良好な順テーパー形状を示す図
【図5】実施例のテーパー形状の評価基準における不良なテーパー形状を示す図
【符号の説明】
【0045】
1 透光性基板
2 ゲート電極
3 ゲート絶縁膜(SiNx)
4 アモルファスシリコン膜
5 n+シリコン膜
6 ソース・ドレイン電極
7 パッシベーション膜(SiNx)
8 画素電極
9 モリブデン−タングステン合金
10 アルミニウム-ネオジウム合金
11 ガラス基板
12 フォトレジスト


【特許請求の範囲】
【請求項1】
モリブデンを主成分とする第1の導電性薄膜とアルミニウムを主成分とする第2の導電性薄膜からなる2層膜、または、モリブデンを主成分とする第1の導電性薄膜とアルミニウムを主成分とする第2の導電性薄膜とモリブデンを主成分とする第3の導電性薄膜からなる3層膜のエッチングに用いられるエッチング液組成物であって、リン酸、硝酸、及び硫酸を含有する水溶液からなることを特徴とするエッチング液組成物。
【請求項2】
硝酸濃度が1〜10質量%、硫酸濃度が1〜20質量%、及び水が20質量%以下であることを特徴とする請求項1のエッチング液組成物。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2006−216797(P2006−216797A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−28288(P2005−28288)
【出願日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(000004466)三菱瓦斯化学株式会社 (1,281)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】