説明

エッチング速度の均一性を改良する技術

【課題】プラズマ処理システムにおけるイオン支援エッチング処理に関する改良された方法及び装置を開示する。
【解決手段】本発明の様々な態様にしたがって、高位置エッジリング、溝付きエッジリング、及び高周波結合エッジリングが開示される。本発明は基板(ウェーハ)全体でのエッチング速度均一性を改良する働きをする。本発明により提供されるエッチング速度均一性の改良は、製造歩留まりを向上させるだけでなく、費用効率にも優れており、微粒子及び又は重金属汚染の危険を発生させない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体集積回路の製造に関し、特に、プラズマ処理システムにおけるイオン支援エッチング処理のための改良された方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ベースのデバイス、例えば集積回路又はフラットパネルディスプレイ等の製造では、材料の層を基板表面上に交互に堆積させ、エッチングすることができる。この技術において広く知られているように、堆積層のエッチングは、プラズマエッチングを含む様々な技術により達成することができる。プラズマエッチングでは、実際のエッチングは通常、プラズマ処理システムのプラズマ処理チャンバ内部で行われる。基板表面上に望ましいパターンを形成するために、通常、適切なマスク(フォトレジストマスク等)が提供される。プラズマはその後、適切なエッチャントソースガス、又はガスの混合物から生成され、マスクで保護されていない領域をエッチングするのに使用され、これにより望ましいパターンが残る。
【0003】
説明を容易にするために、図1Aでは、半導体ベースのデバイスの製造に適した簡略化したプラズマ処理装置100を示している。この簡略化したプラズマ処理装置100は、静電チャック(ESC)104を有するウェーハ処理チャンバ102を含む。このチャック104は電極として機能し、製造中、ウェーハ106(つまり基板)を支持する。エッジリング108はチャック104のエッジに隣接する。エッチングプロセスの場合、良好なエッチング結果を維持するためにウェーハ処理チャンバ102内部の多数のパラメータが厳密に制御される。エッチング結果を左右するプロセスパラメータには、ガス組成、プラズマ励起、ウェーハ106上でのプラズマ分布、その他が含まれる。エッチング耐性(及び結果として生じる半導体ベースのデバイスの性能)は、こうしたプロセスパラメータに非常に敏感であるため、その正確な制御が求められる。
【0004】
ウェーハ106の表面は、ウェーハ処理チャンバ102内に放出された適切なエッチャントソースガスによりエッチングされる。このエッチャントソースガスはシャワーヘッド110を通じて放出することができる。このエッチャントソースガスは、チャンバ内部に配置されたガスリングを介して、或いはウェーハ処理チャンバ102の壁に組み込まれたポートを介して等、その他のメカニズムにより放出することもできる。イオン支援エッチングプロセス中には、シャワーヘッド110に供給される高周波(RF)電力がエッチャントソースガスを発火させ、これによりエッチングプロセス中にウェーハ106の上にプラズマ雲(「プラズマ」)を形成する。その他のプラズマ励起手段も使用可能である点に注意すべきである。例えば、マイクロ波エネルギの応用、誘導コイルの使用、アンテナにより励起された波の導入、又はシャワーヘッド110との容量結合を使用して、プラズマを励起することもできる。イオン支援エッチングプロセスにおいて、チャック104には通常、高周波電源(図示せず)を使用して高周波電力が加えられる。
【0005】
イオン支援エッチングプロセスにおいて、局所的なエッチング速度はイオン濃度に支配される。イオン支援エッチングプロセスは通常、酸化物エッチング又はポリシリコンエッチングを実行するために使用される。言い換えれば、イオン推進/支援エッチングプロセスは一般に、加速されたプラズマイオン(「イオン」)のウェーハ(基板)との物理反応によりエッチングが支配的に促進されるエッチングプロセスを指す。イオン支援エッチングの応用には、例えば、スパッタリング、反応性イオンエッチング(RIE)、化学スパッタリング、化学支援物理スパッタリング、物理支援化学スパッタリングが含まれる。
【0006】
イオン支援エッチングでは、チャック104(及びシャワーヘッド110)に高周波電力を加えることで、電場が発生し、次にウェーハ106の上にシース(空間電荷層)112が生じる。シース112に伴う電場は、ウェーハ106の上面に向かうイオンの加速を促進する。理想的には、加速イオンは、エッチングプロセス中、ウェーハ106の表面に対して、ほぼ垂直な角度(つまり、ほぼ直角又は約90度の角度)で衝突する。ウェーハ106に衝突する加速イオンは、ウェーハ106を「物理的に」エッチングする働きをする。
【0007】
エッジリング108は電気的に浮遊状態にある(つまり高周波電力が供給されていない)絶縁材料である。エッジリング108は、チャック104のエッジをエッチングプロセス中等にイオン衝撃から保護するために使用される。エッジリング108は、ウェーハ106に対してイオン衝撃の焦点を合わせるのを助けることもできる。図1Aに示すように、チャック104はエッジリング108の内部表面114により取り囲むことができる。この内部表面114は更に、ウェーハ106の外部エッジの中にある。
【0008】
エッジリング108の外部表面はウェーハ106の外部エッジを超えて延びる。エッジリング114の内部表面114の上部は、チャック104だけでなくウェーハ106とも隣接している。従来、エッジリング108の上面118は、ウェーハ106の上面より下にあるか、或いはほぼ同じ高さにある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特表2001−5169480号公報
【特許文献2】特開平10−233390号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来のプラズマ処理装置を使用したイオン支援エッチングプロセスに伴う主な問題の一つは、ウェーハ106全体でエッチング速度が均一ではないことである。具体的には、ウェーハのエッジに近い場所でのエッチング速度は、ウェーハの中心部に近い点のエッチング速度よりも大幅に高い。図1Bは、エッチング深度がウェーハ106の中央部分122よりもウェーハ106の外辺部120で大きいエッチングプロセス後のウェーハ106の断面を表している。
【0011】
不均一なエッチング速度の主たる原因はウェーハ106の表面の上にあるシース112の不均一な厚さである。図1Aに示すように、ウェーハ106の中央部120でのシース112の厚さ(或いはシース境界でのプラズマ密度)は、ウェーハ106の外辺部116でのシース112の厚さ(密度)に比べ、大幅に厚い。つまり、エッジリング108の上の電気的に浮遊状態にある領域の付近において、シースはウェーハ106の外辺部近くで「カーブ」する。ウェーハ106の外辺部でのシースの湾曲により、イオン支援エッチングプロセス中、相対的に多くのイオンがウェーハ106の外辺部近くに衝突する。外辺部での高い衝突率により、ウェーハの外辺部近くにおいて、相対的に高いエッチング速度が生じる(図1B参照)。
【0012】
追加的な問題はシースの湾曲により発生する。特に、ウェーハ106の外辺部近くにおけるシースの湾曲は、ウェーハ106の表面に対してほぼ垂直ではない角度(つまり、直角又は約90度ではない角度)での衝突を引き起こす。イオン支援エッチングプロセスにおいて、こうした垂直でない角度での衝突も高いエッチング速度の原因となる。更に、エッジ近くでの垂直でない角度でのイオン衝突は、ウェーハ106上のエッチングされた特徴部(例えばトレンチ、バイア、又はライン)に対する望ましくない「傾斜」効果を有する可能性がある。傾斜は一般に、エッチング中の望ましくない効果を指し、これにより特徴部の一つ以上の側面は、ウェーハの表面に対してほぼ垂直ではなくなる。この際、ウェーハ106の外辺部では、「傾斜」効果により非対称の特徴部が生成される。特徴部は対称とすることが意図されているため、非対称の特徴部は望ましくなく、製造された集積回路に本質的な欠陥を与える重大な問題を引き起こす恐れがある。
【0013】
イオン支援エッチングプロセスにおけるエッチング速度の不均一性に伴う問題のいくつかに対処するために可能な解決策の一つは、チャックを拡張し、ウェーハのエッジを超えるようにすることである。チャックを拡張することで、シースの湾曲をウェーハのエッジを超えて移動させる効果が得られる。これは純粋に化学的なエッチング用途に適した解決策となる場合がある。しかしながら、この解決策はイオン支援エッチングプロセスには適しておらず、これはチャックの拡張部分もイオン及びエッチングプロセスに晒されるためである。チャックをこれらに晒すことで、イオン支援エッチングプロセス中に微粒子及び又は重金属汚染が発生する恐れがある。チャックの拡張部分は大幅に高いエッチング速度に晒されることにもなり、汚染に伴う問題は更に悪化する。その上、チャックの露出部分での高いエッチング速度により、チャックが急速に劣化する可能性があり、これは消耗品とするには高価な部品であるチャック全体の頻繁な交換につながる恐れがある。
【0014】
エッチング速度不均一性に伴う問題のいくつかを削除するために、ウェーハの上のプラズマ分布を変化させることが可能な場合がある。例えば、従来の「フォーカスリング」をシースの上に配置することができる。プラズマをウェーハ上に集中させることを試みることで、従来のフォーカスリングはウェーハのエッジ上に分布するイオン密度(プラズマ)を減少させることができると考えられる。成功した場合、プラズマ分布の減少により、ウェーハの外辺部近くでのエッチング速度は低下する(つまりエッジ近くに衝突するイオンの数が減少する)。フォーカスリングのような外部要素を使用することで、シースの湾曲効果を僅かに補正することは可能である。しかしながら、イオン化エッチングプロセスに別の要素を導入することで、汚染及び又は高価な消耗部品に伴う新たな問題が発生する可能性がある。加えて、従来のフォーカスリングの使用は、一部のイオン化エッチング用途において適切でない場合もある。
【0015】
前記の観点から、イオン支援プロセスにおけるエッチング速度均一性を改良する改良された方法及び装置の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
大まかに言って、本発明はプラズマ処理システムにおけるイオン支援エッチング処理に関する改良された方法及び装置に関する。本発明は基板(ウェーハ)全体でのエッチング速度均一性を改良する働きをする。本発明は、デバイス、装置、及び方法を含む多数の形で実施することができる。本発明のいくつかの実施形態について以下で説明する。
【0017】
本発明の第一の態様の一実施形態による改良されたプラズマ処理装置を開示する。この改良されたプラズマ処理装置は、静電チャック(ESC)と高位置エッジリングとを有するウェーハ処理チャンバを含む。このチャックは電極として機能し、製造中、ウェーハ(つまり基板)を支持する。本発明のこの態様の一実施形態によれば、この高位置エッジリングはチャックのエッジに隣接し、ウェーハの上面を超えて上方向へ延びる。
【0018】
本発明の第二の態様の一実施形態による改良されたプラズマ処理装置を開示する。ここでは、このプラズマ処理装置は溝付きエッジリングを使用する。この溝付きエッジリングは、ウェーハのエッジ近くの領域とウェーハの底面下の領域とを主として取り囲む溝付きエリアを含む。
【0019】
本発明の第三の態様の一実施形態による改良されたプラズマ処理装置を開示する。この改良されたプラズマ処理装置は、高周波(RF)電力を供給される高周波結合エッジリングを有するウェーハ処理チャンバを含む。この高周波結合エッジリングは、高周波電力を加えられたチャックの一部の上方であって、基板のエッジに隣接する位置に設けられており、高周波電力を供給されるチャックにより供給された高周波エネルギの一部は、内側周波結合エッジリングに結合される。
【0020】
本発明は多数の利点を有する。本発明の利点の一つは、基板表面全体のエッチング速度均一性が大幅に改良されることである。本発明の別の利点は、処理チャンバを汚染の危険に晒すことなく、エッチング速度均一性の大幅な改良を達成することである。更に別の利点は、エッチングされた特徴部の傾斜を大幅に排除できることである。
【0021】
本発明のその他の態様及び利点は、本発明の原理を例示する添付図面に基づき、以下の詳細な説明から明らかとなろう。
本発明は、同様の参照符号が同様の構成要素を示す添付図面と併せて、以下の詳細な説明により容易に理解されよう。
【0022】
本発明は、プラズマ処理システムにおけるイオン支援エッチング処理に関する改良された方法及び装置に関する。本発明は基板(ウェーハ)全体のエッチング速度均一性を改良する働きをする。本発明により提供されるエッチング速度均一性の改良は、製造歩留まりを向上させるだけでなく、費用効率にも優れており、微粒子及び又は重金属汚染の危険を発生させない。
【0023】
本発明のいくつかの態様の実施形態について、図2乃至6を参照して以下説明する。しかしながら、本発明はこれらの限定的な実施形態よりも範囲が広いため、これらの図について本明細書で述べる詳細な説明が例示的な目的のためであることは、当業者により容易に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1A】半導体ベースのデバイスを製造するのに適した簡略化したプラズマ処理装置100を示す図である。
【図1B】ウェーハの中央部よりもウェーハの外辺部においてエッチング深度が大きなエッチングプロセス後のウェーハの断面図である。
【図2】本発明の第一の態様の一実施形態による、高位置エッジリングを含むプラズマ処理装置を示す図である。
【図3】本発明の第二の態様の一実施形態による、溝付きエッジリングを含むプラズマ処理装置300を示す図である。
【図4】本発明の第三の態様の一実施形態による、内側高周波結合エッジリングと外側エッジリングとを含むプラズマ処理装置400を示す図である。
【図5】本発明の第三の態様の別の実施形態による、高周波カプラと、内側高周波結合エッジリングと、外側エッジリングとを含むプラズマ処理装置500を示す図である。
【図6】本発明の第三の態様の更に別の実施形態による、絶縁性充填材を含むプラズマ処理装置600の断面の一部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図2は、本発明の第一の態様の一実施形態によるプラズマ処理装置200を示している。このプラズマ処理装置200は、静電チャック(ESC)204を有するウェーハ処理チャンバ202を含む。このチャック204は電極として機能し、製造中、ウェーハ206(つまり基板)を支持する。高位置エッジリング208はチャック204のエッジに隣接し、ウェーハ206の上面を超えて上方向に延びる。
【0026】
この高位置エッジリング208は通常、電源に接続されていない状態にある(つまり高周波電力を加えられていない)絶縁材料である。高位置エッジリング108は、エッチングプロセス中等にチャック106のエッジをイオン衝撃から保護するために使用される。図2に示すように、チャック204は、エッジリング208の内部表面214により取り囲まれる。更に内部表面214はウェーハ206の外部エッジの中にある。
【0027】
エッジリング208の外部表面216は、ウェーハ206の外部エッジを超えて延びる。高位置エッジリング208の内部表面214の上部は陥凹領域218を含む。ウェーハ206は陥凹領域218に置かれ、内部表面114の上部の一部を覆う。高位置エッジリング208の上面220は、ウェーハ206の上面よりも所定の距離Dだけ上にある。この所定の距離Dは、実装品と、実行される特定のプロセスと、に応じて変化する。通常、所定の距離Dは、1乃至10ミリメートル程度である。エッチングプロセスの場合、高い耐性のエッチング結果を維持するためにウェーハ処理チャンバ202内の多数のパラメータが厳密に制御される。エッチング結果を左右するプロセスパラメータには、ガス組成、プラズマ励起、ウェーハ206上でのプラズマ分布などが含まれる。エッチング品質(及び結果として生じる半導体ベースのデバイスの性能)は、こうしたプロセスパラメータに非常に敏感であるため、その正確な制御が求められる。
【0028】
ウェーハ206の表面は、ウェーハ処理チャンバ202内に放出された適切なエッチャントソースガスによりエッチングされる。このエッチャントソースガスはシャワーヘッド210を通じて放出することができる。このエッチャントソースガスは、チャンバ内部に配置されたガスリングを介して、或いはウェーハ処理チャンバ202の壁に組み込まれたポートを介して等、その他のメカニズムにより放出することもできる。イオン支援エッチングプロセス中には、シャワーヘッド210に供給される高周波(RF)電力がエッチャントソースガスを発生させ、これによりエッチングプロセス中にウェーハ206の上にプラズマ雲(「プラズマ」)を形成する。イオン支援エッチングプロセスにおいて、チャック204には通常、高周波電源(図示せず)を使用して高周波電力が加えられる。
【0029】
イオン支援エッチングプロセスにおいて、局所的なエッチング速度はイオン濃度に支配される。イオン支援エッチングプロセスは通常、酸化物エッチング又はポリシリコンエッチングを実行するために使用される。言い換えれば、イオン推進/支援エッチングプロセスとは、一般に、加速されたプラズマイオン(「イオン」)のウェーハ(基板)との物理反応により、エッチングが支配的に促進されるエッチングプロセスを指す。イオン支援エッチングの応用には、例えば、スパッタリング、反応性イオンエッチング(RIE)、化学スパッタリング、化学支援物理スパッタリング、物理支援化学スパッタリングが含まれる。
【0030】
イオン支援エッチングでは、チャック206(及びシャワーヘッド210)に高周波電力を加えることで、電場が生成され、次にウェーハ106の上にシース(空間電荷層)212が生じる。シース212に伴う電場は、ウェーハ106の上面に向かうイオンの加速を促進する。高位置エッジリング208は、以前に述べたように、ウェーハ206の上面を超えて上方向に延びる。ウェーハ206の上面の上に延びることで、高位置エッジリング208はシース212について矯正作用を施す。具体的には、一実施形態において、ウェーハ206の外辺部近くのシース212の厚さ(又は密度)は、ウェーハ206の中央部とほぼ同じ厚さ(密度)になる。高位置エッジリング208を使用することで、結果として生じるシース212は、ウェーハ206全体で本質的に均一にすることが可能である点に注意が必要である。したがって、図1Aのシース112と比較して、シース212は大幅に改良されている。シース212の均一な厚さ(密度)の結果として、ウェーハ206の表面に対するイオンの衝突率は、従来のアプローチで得られるものに比べ、ウェーハ206の表面全体で大幅に均一性が増す。更に、イオンがウェーハ206の表面と衝突する角度は、ウェーハ206の内部領域だけでなく、外辺領域においてもほぼ直角となる。その結果、ウェーハ206の表面全体でのエッチング速度は、従来達成されるものよりも大幅に均一性が増し、外辺領域でエッチングされた特徴部は「傾斜」問題の影響を受けない。
【0031】
図3は、本発明の第二の態様の一実施形態によるプラズマ処理装置300を示している。このプラズマ処理装置300は、静電チャック(ESC)304を有するウェーハ処理チャンバ302を含む。このチャック304は電極として機能し、製造中、ウェーハ306(つまり基板)を支持する。溝付きエッジリング308はチャック304のエッジに隣接する。
【0032】
この溝付きエッジリング308は通常、電源に接続されていない状態にある(高周波電力を加えられていない)絶縁材料である。溝付きエッジリング308は、エッチングプロセス中等にチャック304のエッジをイオン衝撃から保護するために使用される。図3に示すように、チャック304は、エッジリング308の内部表面310により取り囲まれる。更に内部表面310はウェーハ306の外部エッジの中にある。エッジリング308の外部表面312は、ウェーハ306の外部エッジを超えて延びる。一実施形態において、溝付きエッジリング308の上部表面314は、ウェーハ306の上部表面316とほぼ同じ高さにある。しかしながら、ウェーハ306のエッジに隣接する溝付きエッジリング308の上部表面は溝領域318を有する。図3に示すように、溝領域318は、第一の傾斜部320と、第二の傾斜部322と、第一及び第二の傾斜部320及び322をつなぐ底部ノッチ324とにより定められる。傾斜面320は、上部表面314を、部分的に覆われた領域322につないでいる。
【0033】
前に述べたように、チャック306に高周波電力を加えることで、電場が発生し、次にウェーハ306の上にシースが生じる。シースに関する電場は、ウェーハ106の上面に向かうイオンの加速を促進する。溝付きエッジリング308は、本質的にウェーハ306のエッジの下にある溝領域318を提供する。図3に示すように、溝領域318は、ウェーハ306のエッジにおいて、更にウェーハ306の底面の下へ、更に延びることもできる。代替の実施形態において、溝領域は、ウェーハ306のほぼ底面の位置にのみ延びるようにすることができる。
【0034】
溝領域を提供することで、溝付きエッジリング308はウェーハ306のうえのシースに矯正作用を施す。具体的には、一実施形態において、ウェーハの外辺部(エッジ)近くのシースの厚さ(又は密度)は、チャック304の真上にあるシースの厚さ(密度に)大幅に近づく。溝付きエッジリング308の溝領域はシースを効果的に引き伸ばすため、ウェーハ306のエッジ上ではシースが平らになると推測される。
【0035】
ウェーハ306の上のシースの厚さ(密度)の均一性が改良された結果、ウェーハ306の表面に対するイオンの衝突率は、従来のアプローチで得られるものに比べ、ウェーハ306の表面全体で均一性が増加する。更に、イオンがウェーハ306の表面と衝突する角度は、ウェーハ306のエッジ領域において、図1Aのプラズマ処理装置100により得られるものに比べ、直角に近くなる。その結果、ウェーハ306の表面全体でのエッチング速度は、従来達成されるものよりも均一性が増加し、外辺領域でエッチングされた特徴部が受ける「傾斜」問題の影響は少なくなる。
【0036】
図4は、本発明の第三の態様の一実施形態によるプラズマ処理装置400を示している。このプラズマ処理装置400は、静電チャック(ESC)404を有するウェーハ処理チャンバ402を含む。このチャック404は電極として機能し、製造中、ウェーハ406(つまり基板)を支持する。内側高周波結合エッジリング408はチャック404のノッチ410に隣接し、ウェーハ406のエッジを超えて延びる高周波結合領域を提供する。外側エッジリング412は内側高周波結合エッジリング408とチャック404の外部エッジとに隣接する。
【0037】
内側高周波結合エッジリング408は、エッチングプロセス中等にチャック404のノッチ410をイオン衝撃から保護するために使用される。図4に示すように、チャック404のノッチ410は内側高周波結合エッジリング408の内部表面414及び底面416に隣接する。更に内部表面414はウェーハ406の外部エッジの内側にある。内側高周波結合エッジリング408の外部表面418は、ウェーハ406の外部エッジを超え、チャック404の外部エッジ420を超えて延びる。内側高周波結合エッジリング408の内部表面414の上部は陥凹領域414を含む。ウェーハ406は陥凹領域414に置かれ、内側高周波結合エッジリング408の内部表面414と、内側高周波結合エッジリング408に隣接するチャック404の外部表面と、の間の継ぎ目を覆う。内側高周波結合エッジリング408の上面422は、ウェーハ406の上面とほぼ同じ高さにある。内側高周波結合エッジリング408の外部表面418は、ウェーハ406のエッジから所定の距離Xの位置にある。所定の距離Xは、実装品と、実行される特定のプロセスと、に応じて変化する。通常、ほとんどのプロセスに関して、所定の距離Xには1乃至2センチメートルが最適である。
【0038】
外側エッジリング412は、チャック404の外部表面418を保護するために使用される。更に外側エッジリング412及び内側高周波結合エッジリング408は、チャック404との間に隙間のある継ぎ目ができないように配置される。外側エッジリング412に使用される材料は絶縁すなわち誘電材料である(例えば、セラミック、石英、ポリマ)。一実施形態において、外側エッジリング412の材料は、チャック406からの任意の有効な高周波結合を提供しない。したがって、外側エッジリング412は、エッチング処理中、大きく消耗しないことになる。別の実施形態においては、外側エッジリング412がチャック406と誘電結合しないことを保証するために、チャック404と外側エッジリング412との間に、誘電(すなわち絶縁)材料の充填層を設けることができる。例えば、充填層の材料は、セラミック、石英、テフロン(登録商標)、又はポリマを含む幅広い適切な材料から選択することができる。
【0039】
チャック406に高周波電力を加えることで、電場が生成され、次にウェーハ406の上にシース424が生じる。シース424に伴う電場は、ウェーハ406の上面に向かうイオンの加速を促進する。内側高周波結合エッジリング408は、チャック404に提供される高周波エネルギの一部が内側高周波結合エッジリング408を通じて高周波結合されるように、適切な特性を有する材料で作られる。高周波結合エッジリング408は、プラズマ処理を汚染しない様々な材料で作ることができる。適切な材料の例には、半導体材料(炭化ケイ素等)又は絶縁材料が含まれ、この材料の導電性はドーピング等を通じて制御することができる。内側高周波結合エッジリング408の材料とその導電性は、望ましい高周波結合の度合いに応じて選択することができる。通常、高周波結合は、薄い内側高周波結合エッジリング408を使うこと、或いは内側高周波結合エッジリング408として使用する材料の導電性を増加させることで、高めることができる。内側高周波結合エッジリング408がウェーハ406のエッチングに伴ってエッチングされる場合は、汚染物質が生成されるべきではなく、かつ、過度に高価な材料にするべきではない。定期的な交換が必要になるためである。一方、一実施形態において、外側エッジリング412の材料はチャック406からの任意の有効な高周波結合を提供せず、その結果、大体において定期的な交換を必要としないことになる。
【0040】
有利なことに、この高周波結合エッジリング408がウェーハ406のエッジを超えて延びる高周波結合領域を提供するため、結果として生じるシース424は、ウェーハ406のエッジ上を含め、ウェーハ406の表面全体でほぼ均一な厚さを有するようになる。延長された高周波結合領域を提供することで、この高周波結合エッジリング408は、ウェーハ406の上のシース424に矯正作用を施す。具体的には、一実施形態において、ウェーハの外辺部(エッジ)近くのシース424の厚さ(又は密度)は、チャック406の真上のシース424の厚さ(密度)とほぼ同じになる。結果として生じるシース424の厚さ(密度)は、ウェーハ406全体でのシース424の均一性を大幅に改良することに注意する必要がある。したがって、図1Aのシース112に比べ、ウェーハ406の上のシースは大幅に改善される。
【0041】
ウェーハ406の上のシース424の均一な厚さ(密度)の結果として、ウェーハ406の表面に対するイオンの衝突率は、従来のアプローチにより得られるものに比べ、ウェーハ406の表面全体で大幅に均一になる。更に、イオンがウェーハ406の表面と衝突する角度は、ウェーハ406の内部領域だけでなく、外辺領域においてもほぼ直角となる。その結果、ウェーハ406の表面全体でのエッチング速度は、従来達成されるものよりも大幅に均一になり、外辺領域でエッチングされた特徴部は「傾斜」問題の影響を受けない。
【0042】
図5は、本発明の第三の態様の別の実施形態によるプラズマ処理装置500を示している。このプラズマ処理装置500は、静電チャック(ESC)504を有するウェーハ処理チャンバ502を含む。このチャック504は電極として機能し、製造中、ウェーハ506(つまり基板)を支持する。内側高周波結合エッジリング508はチャック504のエッジ510に隣接し、ウェーハ506のエッジを超えて延びる高周波結合領域を提供する。外側エッジリング512は内側高周波結合エッジリング508とチャック404の外部エッジとに隣接する。図5に示すように、外側エッジリング512は、高周波カプラ514とも隣接する。
【0043】
高周波カプラ514の上面は、内部高周波カプラリング508の底面の真下に位置する。内側高周波結合エッジリング508は、高周波カプラ514をエッチングプロセス(つまりイオン衝撃)から保護する。内側高周波結合エッジリング508及び高周波カプラ514は、チャック404のノッチ516をイオン衝撃から保護するのに使用される。
【0044】
図5に示すように、高周波カプラ514は、チャック504のノッチ516が高周波カプラ514の内部表面518及び底面520と隣接するように配置される。更に内部表面518はウェーハ406の外部エッジの内側にある。内側高周波結合エッジリング508と同様に、高周波カプラ514の外部表面は、ウェーハ406の外部エッジを超え、チャック404の外部エッジ522を超えて延びる。
【0045】
高周波カプラ514は、チャック504に提供される高周波エネルギの一部が内側高周波結合エッジリング508と高周波結合されるように、適切な特性を有する材料で作られる。高周波カプラ514は様々な材料で作ることができる。適切な材料の例には、導電材料(金属等)、半導体材料(炭化ケイ素等)、又は絶縁材料が含まれ、この材料の導電性はドーピング等を通じて制御することができる。有利なことに、高周波カプラ514は、ウェーハ506のエッジを超えて延びる高周波結合エネルギを調整することに関する柔軟性を増加させる。これは、チャック504及び内側高周波結合エッジリング508のために選択した材料と関連させて、高周波カプラ514の材料を選択することで達成できる。
【0046】
加えて、高周波カプラ514がイオン衝撃から保護される場合には、必要ならば、結合される高周波エネルギの量を増加させるために、高周波カプラ514を高導電性材料で作ることができる。一実施形態において、高周波カプラは、絶縁材料(陽極酸化アルミニウム等)の被覆(又は層)により覆われた高導電性材料(アルミニウム)で作ることができる。したがって、高周波結合は、薄い被覆層を使用すること、或いは高周波カプラ514として使用する材料の導電性を増加させることで、高めることができる。
【0047】
更に、図5に示すように、外側エッジリング512は、内側高周波結合エッジリング508の上面の上に延びる重複部分524を有する。この重複部分524は、存在する可能性のある隙間のある継ぎ目を保護する。これにより、チャック404の外部表面、及び高周波カプラ514の外部表面522の、優れた保護が提供される。
【0048】
以前に説明したように、チャック506に高周波電力を加えることで、電場が生成され、次にウェーハ506の上にシースが生じる。シースに関する電場は、ウェーハの上面に向かうイオンの加速を促進する。有利なことに、この内側高周波結合エッジリング508がウェーハ506のエッジを超えて延びる高周波結合領域を提供するため、結果として生じるシースは、ウェーハ506のエッジ上を含め、ウェーハ506の表面全体でほぼ均一な厚さを有するようになる。延長された高周波結合領域を提供することで、この高周波結合エッジリング508は、ウェーハ506の上のシースに矯正作用を施す。具体的には、一実施形態において、ウェーハの外辺部(エッジ)近くのシースの厚さ(又は密度)は、チャックの真上のシースの厚さ(密度)とほぼ同じになる。以前に説明したように、結果として生じるシースの厚さ(密度)は、ウェーハ506全体でのシースの均一性を大幅に改良する。したがって、図1Aのシース112に比べ、ウェーハ506の上のシースは大幅に改善される。
【0049】
ウェーハ406の上のシースの均一な厚さ(密度)の結果として、ウェーハ506の表面に対するイオンの衝突率は、従来のアプローチにより得られるものに比べ、ウェーハ506の表面全体で大幅に均一になる。更に、イオンがウェーハ506の表面と衝突する角度は、ウェーハ506の内部領域だけでなく、外辺領域においてもほぼ直角となる。その結果、ウェーハ506の表面全体でのエッチング速度は、従来達成されるものよりも大幅に均一性が増加し、外辺領域でエッチングされた特徴部は「傾斜」問題の影響を受けない。
【0050】
図6は、本発明の第三の態様の更に別の実施形態によるプラズマ処理装置600の一部を示している。このプラズマ処理装置600は、静電チャック(ESC)604(断面の片側のみを表示)を有するウェーハ処理チャンバ602を含む。このチャック504は電極として機能し、製造中、ウェーハ604(つまり基板)を支持する。内側高周波結合エッジリング608はチャック604のエッジに隣接し、ウェーハ606のエッジを超えて延びる高周波結合領域を提供する。外側エッジリング610は内側高周波結合エッジリング608のエッジに隣接する。高周波カプラ612は、内側高周波結合エッジリング608の下に配置され、チャック604のエッジに隣接する。絶縁性充填材614は、内側高周波結合エッジリング608の下に配置され、高周波カプラ612に隣接する。絶縁性充填材614の底面はチャック604の上部エッジに隣接する。
【0051】
有利なことに、絶縁性充填材614は、高周波結合される高周波電気エネルギの量を集中させることにおいて、更に多くの柔軟性を提供することができる。絶縁性充填材614は、外側エッジリング610に関する任意の結合を最小化することができる。例えば、絶縁性充填材614は、セラミック、石英、テフロン(登録商標)、ポリマといった適切な絶縁材料で作ることができる。更に絶縁の量は、絶縁性充填材614用に選択した材料の厚さを選択することで制御できる。
【0052】
絶縁性充填材616は、外側エッジリング610の下に配置される。絶縁性充填材616はチャック106の外部エッジに隣接する。有利なことに、絶縁性充填材616は、高周波電力を加えられたチャック604を外部グラウンドリング618のアースされた領域から離すような位置に配置される。通常、外部グラウンドリングは、ウェーハ処理システム602の壁の付近に配置される。
【0053】
図4及び5に関して説明したように、ウェーハ604のエッジを超えて延びる延長された高周波結合領域を提供することで、ウェーハ604の上のシースに矯正作用が施される。結果として、ウェーハ606の表面全体でのエッチング速度は、従来達成されるものよりも均一性が増加し、外辺領域でエッチングされた特徴部は「傾斜」問題の影響を受けない。加えて、システム内に存在する可能性のある隙間を覆うことにより、絶縁性充填材614及び616はチャック604の更に優れた保護を提供することができる。
【0054】
上で説明した様々なエッジリングは、比較的安価で、製造及び又は交換が容易な材料を使用して作ることができる。この材料は特定のエッチングプロセスに適合する様々な材料から選択することができる。
【0055】
本発明は多数の利点を有する。本発明の利点の一つは、基板表面全体のエッチング速度均一性が大幅に改良されることである。本発明の別の利点は、処理チャンバを汚染の危険に晒すことなく、エッチング速度均一性の大幅な改良を達成することである。更に別の利点は、エッチングされた特徴部の傾斜を大幅に排除できることである。
【0056】
以上、本発明のほんの僅かな実施形態を詳細に説明してきたが、本発明は、その趣旨又は範囲から逸脱しない限り、他の多くの特定の形態において実施し得ることは理解されたい。従って、これらの例は制限的なものではなく例示的なものと做されるべきであり、本発明は本明細書で述べた詳細に限定されることなく、前記特許請求の範囲内で変形可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面と底面とエッジとを有する基板をエッチングするためのプラズマ処理チャンバであって、
前記基板の前記底面の少なくとも一部を支持し、高周波(RF)電力を供給されるチャックと、
前記高周波電力を供給されるチャックの一部の上方であって、前記基板のエッジに隣接する位置に設けられた内側高周波結合エッジリングと、を備え、
前記高周波電力を供給されるチャックにより供給された高周波エネルギの一部が、前記内側高周波結合エッジリングに結合される、プラズマ処理チャンバ。
【請求項2】
請求項1記載のプラズマ処理チャンバであって、
前記内側高周波結合エッジリングが前記基板を取り囲む、プラズマ処理チャンバ。
【請求項3】
請求項1記載のプラズマ処理チャンバであって、
前記基板はウェーハである、プラズマ処理チャンバ。
【請求項4】
請求項1記載のプラズマ処理チャンバであって、
前記内側高周波結合エッジリングは主として半導体材料で構成されている、プラズマ処理チャンバ。
【請求項5】
請求項1記載のプラズマ処理チャンバであって、
前記内側高周波結合エッジリングは主として炭化ケイ素で構成されている、プラズマ処理チャンバ。
【請求項6】
請求項1記載のプラズマ処理チャンバであって、さらに、
前記内側高周波結合エッジリングを取り囲む外側エッジリングを備えるプラズマ処理チャンバ。
【請求項7】
請求項6記載のプラズマ処理チャンバであって、
前記外側エッジリングが前記高周波を供給されるチャックの一部を更に取り囲んでいる、プラズマ処理チャンバ。
【請求項8】
請求項1記載のプラズマ処理チャンバであって、さらに、
前記内側高周波結合エッジリングと、前記高周波を供給されるチャックの一部と、の間に設けられた高周波カプラを備え、
前記高周波電力を供給されるチャックにより供給された前記高周波エネルギの前記一部が、前記高周波カプラを介して前記内側高周波結合エッジリングに結合される、プラズマ処理チャンバ。
【請求項9】
請求項8記載のプラズマ処理チャンバであって、
前記内側高周波結合エッジリング及び前記高周波カプラが、前記基板の前記エッジから所定の距離だけ延びている、プラズマ処理チャンバ。
【請求項10】
請求項8記載のプラズマ処理チャンバであって、
前記内側高周波結合エッジリングが前記基板を取り囲む、プラズマ処理チャンバ。
【請求項11】
請求項8記載のプラズマ処理チャンバであって、
前記基板がウェーハである、プラズマ処理チャンバ。
【請求項12】
請求項1記載のプラズマ処理チャンバであって、
前記内側高周波結合エッジリングが、主として半導体材料で構成されている、プラズマ処理チャンバ。
【請求項13】
請求項8記載のプラズマ処理チャンバであって、さらに、
前記内側高周波結合エッジリングを取り囲む外側エッジリングを備えるプラズマ処理チャンバ。
【請求項14】
請求項13記載のプラズマ処理チャンバであって、
前記外側エッジリングが前記高周波電力を供給されるチャックの一部を更に取り囲んでいる、プラズマ処理チャンバ。
【請求項15】
請求項8記載のプラズマ処理チャンバであって、さらに、
前記高周波電力を供給されるチャックの一部を取り囲む絶縁性充填材を備えるプラズマ処理チャンバ。
【請求項16】
請求項15記載のプラズマ処理チャンバであって、
前記絶縁性充填材が主として、セラミック、石英、ポリマ、及びテフロン(登録商標)の少なくとも一つで構成される、プラズマ処理チャンバ。
【請求項17】
請求項15記載のプラズマ処理チャンバであって、さらに、
前記絶縁性充填材を取り囲むグラウンドリングを備えるプラズマ処理チャンバ。
【請求項18】
請求項8記載のプラズマ処理チャンバであって、
前記高周波カプラが絶縁被覆を有する金属である、プラズマ処理チャンバ。
【請求項19】
請求項18記載のプラズマ処理チャンバであって、
前記高周波カプラを介して、前記高周波電力を供給されるチャックから前記内側高周波結合エッジリングに達する高周波エネルギの量が、前記絶縁被覆の厚さに正比例する、プラズマ処理チャンバ。
【請求項20】
上面と底面とエッジとを有する基板をエッチングするためのプラズマ処理チャンバであって、
前記基板の前記底面の少なくとも一部を支持し、高周波(RF)電力を供給されるチャックと、
前記高周波電力を供給されるチャックの一部の上方であって、前記基板のエッジに隣接する位置に設けられた内部表面と、前記基板の前記上面から所定の距離だけ上方に離れた上部表面とを有する高位置エッジリングと、を備えるプラズマ処理チャンバ。
【請求項21】
請求項20記載のプラズマ処理チャンバであって、
前記高位置エッジリングが前記基板を取り囲む、プラズマ処理チャンバ。
【請求項22】
請求項20記載のプラズマ処理チャンバであって、
前記基板がウェーハである、プラズマ処理チャンバ。
【請求項23】
請求項20記載のプラズマ処理チャンバであって、
前記高位置エッジが主として絶縁材料で構成されている、プラズマ処理チャンバ。
【請求項24】
請求項20記載のプラズマ処理チャンバであって、
前記所定の距離は、1乃至10ミリメートルである、プラズマ処理チャンバ。
【請求項25】
上面と底面とエッジとを有する基板をエッチングするためのプラズマ処理チャンバであって、
前記基板の前記底面の少なくとも一部を支持し、高周波(RF)電力を供給されるチャックと、
前記高周波電力を供給されるチャックの一部の上方であって、前記基板のエッジに隣接する位置に設けられた内部表面を有する溝付きエッジリングと、を備え、
前記溝付きエッジリングが前記基板の前記エッジ付近に溝領域を提供する、プラズマ処理チャンバ。
【請求項26】
請求項25記載のプラズマ処理チャンバであって、
前記溝付きエッジリングの前記溝領域が前記基板を取り囲む、プラズマ処理チャンバ。
【請求項27】
請求項25記載のプラズマ処理チャンバであって、
前記基板がウェーハである、プラズマ処理チャンバ。
【請求項28】
請求項25記載のプラズマ処理チャンバであって、
前記溝付きエッジが主として絶縁材料で構成される、プラズマ処理チャンバ。
【請求項29】
請求項25記載のプラズマ処理チャンバであって、
前記溝領域の底面が、前記基板の前記底面から所定の距離だけ下方に位置する、プラズマ処理チャンバ。
【請求項30】
請求項25記載のプラズマ処理チャンバであって、
前記溝領域が、第一の傾斜表面と、前記基板の前記底面により部分的に覆われた第二の部分的に覆われた傾斜表面と、により画定され、
第一の傾斜表面が、上部表面を前記部分的に覆われた傾斜表面に接続する、プラズマ処理チャンバ。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−14943(P2011−14943A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−236658(P2010−236658)
【出願日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【分割の表示】特願2001−506576(P2001−506576)の分割
【原出願日】平成12年6月29日(2000.6.29)
【出願人】(592010081)ラム リサーチ コーポレーション (467)
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
【Fターム(参考)】