エレベータ表示システム
【課題】乗客自身がどのエレベータに乗車すべきと指示されたかを瞬時に記憶する必要のないエレベータ表示システムを得る。
【解決手段】広域ネットワーク7上に設置された個人特定記号管理サーバ8に、複数の乗客を特定する記号データをあらかじめ登録しておき、乗場認証装置6で乗客を認証したときに、群管理装置3は、認証した乗客に対する割当号機を決定し、表示制御装置4は、認証した乗客のIDや行先階などの個人情報に基づき、個人特定記号管理サーバ8に管理された記号データを取得し、認証した乗客の記号データを割当号機の乗場表示装置1に表示させる。
【解決手段】広域ネットワーク7上に設置された個人特定記号管理サーバ8に、複数の乗客を特定する記号データをあらかじめ登録しておき、乗場認証装置6で乗客を認証したときに、群管理装置3は、認証した乗客に対する割当号機を決定し、表示制御装置4は、認証した乗客のIDや行先階などの個人情報に基づき、個人特定記号管理サーバ8に管理された記号データを取得し、認証した乗客の記号データを割当号機の乗場表示装置1に表示させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、個人を認証することによって、乗客が乗車するエレベータを特定して表示するエレベータ表示システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、乗客の呼び登録に応答して、どのエレベータに乗車すべきかを乗客に指示するエレベータ表示システムは、種々提案されている(たとえば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4参照)。
特許文献1に記載の従来装置においては、エレベータ乗場(以下、単に「乗場」という)に行先階ボタンを配置するとともに、行先階ボタンの隣に割当号機(乗車すべき割当エレベータ)を指示するための表示器を配置している。
【0003】
また、特許文献2に記載の従来装置においては、セキュリティーゲートでの認証結果により行先階登録を行うとともに、行先階登録に割当られたエレベータのエレベータ内表示器に行先階を表示している。
【0004】
また、特許文献3に記載の従来装置においては、乗客の携帯端末により行先階が登録された際に、割当号機を、エレベータと対応付けられた色標識で表示している。
【0005】
さらに、特許文献4に記載の従来装置においては、エレベータホール入口に設置されたゲートにて、RF−ID(Radio Frequency IDentification:電波による個体識別)による乗客の認証時に、割当号機を決定するとともに、乗客が乗車すべき割当号機の番号や位置を示す地図などをゲートに表示している。
【0006】
以上の各従来装置においては、乗客が呼びを登録または認証したときに、その乗客が乗車すべき割当号機が決定され、その決定結果に基づき、どのエレベータに乗車すべきかを乗客に指示している。ただし、割当号機に対応した色表示などを用いているので、曖昧なうえ、乗客自身に対応した割当号機であることを乗客が確認することはできなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−272850号公報
【特許文献2】国際公開2006/043324号公報
【特許文献3】特表2008−515742号公報
【特許文献4】特開2007−314280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来のエレベータ表示システムは、乗客の呼び登録時または認証時に、乗客の呼びに応答してどのエレベータに乗車すべきかを乗客に指示しているが、指示される情報はエレベータの号機番号や色の対応表示であり、前提として、乗客自身が、どのエレベータに乗車すべきと指示されたかを、色情報などのみによって瞬時に記憶する必要があるという課題があった。
【0009】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、乗客がどのエレベータに乗るべきであるかを、乗客自身に対応した記号データを割当号機の乗場表示装置に表示して報知することにより、割当号機を乗客自身が瞬時に記憶する必要のないエレベータ表示システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係るエレベータ表示システムは、個人を認証して乗客が乗車すべき割当号機を特定して乗場に表示するエレベータ表示システムであって、複数のサービス階床の各乗場に設けられて乗客の個人情報を読み取る乗場認証装置と、乗場認証装置の認証結果に応じて複数台のエレベータから乗客の呼び登録に応答する割当号機を決定する群管理装置と、各乗場に設けられた乗場表示装置と、複数の乗客を特定するための記号データがあらかじめ登録された個人特定記号管理サーバと、個人特定記号管理サーバに接続された通信手段と、乗場認証装置による乗客の認証時に通信手段を介して個人特定記号管理サーバに接続される表示制御装置と、を備え、表示制御装置は、乗場認証装置により認証された乗客の個人情報を受信する個人情報受信手段と、個人情報に基づき、認証された乗客の記号データを個人特定記号管理サーバから取得する個人特定記号取得手段と、認証された乗客の記号データが取得された場合に、認証された乗客が乗車すべき割当号機に対応した乗場表示装置に記号データを表示させるための表示情報制御手段とを含むものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、乗場での乗客認証時に、IDや行先階などの個人情報に基づき個人特定記号管理サーバに管理された乗客の記号データを取得し、乗客が乗るべき割当号機の乗場表示装置に記号データを表示させることにより、乗客に対する割当号機を瞬時に記憶する必要性を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の実施の形態1に係るエレベータ表示システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1内の表示制御装置の機能構成を示すブロック図である。
【図3】図1内の群管理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図4】図1内の乗場表示装置の機能構成を示すブロック図である。
【図5】図1内の乗場認証装置用表示装置の機能構成を示すブロック図である。
【図6】図2内のデータテーブルのデータ構造を示す説明図である。
【図7】図6内のデータテーブルの一部抜粋内容のデータ構造を示す説明図である。
【図8】この発明の実施の形態1による表示制御装置の動作手順を示すフローチャートである。
【図9】この発明の実施の形態1による群管理装置の表示通知動作手順を示すフローチャートである。
【図10】この発明の実施の形態1による群管理装置の表示消去動作手順を示すフローチャートである。
【図11】図1内のエレベータ制御装置の動作手順を示すフローチャートである。
【図12】この発明の実施の形態1による乗場表示装置の動作手順を示すフローチャートである。
【図13】この発明の実施の形態1による乗場認証装置用表示装置の動作手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るエレベータ表示システムの全体構成を示すブロック図であり、乗場に関連した各種装置1〜6と、広域ネットワーク7(通信手段)を介した個人特定記号管理サーバ8との関係を示している。
【0014】
図1において、エレベータ表示システムは、乗場表示装置1と、エレベータ制御装置2と、群管理装置3と、表示制御装置4と、乗場認証装置用表示装置5と、乗場認証装置6と、広域ネットワーク7と、個人特定記号管理サーバ8とを備えている。
乗場表示装置1、乗場認証装置用表示装置5および乗場認証装置6は、ビル内の各サービス階の乗場に設置され、表示制御装置4に接続されている。
【0015】
乗場表示装置1は、エレベータ制御装置2および表示制御装置4に接続されており、エレベータに乗車すべき乗客を特定する記号データ(後述する)などを表示する。
群管理装置3は、エレベータ制御装置2を介して、乗場認証装置6で認証された乗客の呼び登録に応答する割当号機を決定し、ビル内の各サービス階床間を走行する複数のエレベータを制御する。
エレベータ制御装置2は、群管理装置3により決定された呼び登録に応じて、各エレベータを個別に運転制御する。
【0016】
個人特定記号管理サーバ8は、広域ネットワーク7上に設置されており、乗客自身を特定する記号や、乗客自身の分身であるキャラクタを表す画像、顔写真、またはアバタ(分身)などを、各乗客に固有の記号データとしてあらかじめ登録している。
【0017】
乗場認証装置6は、非接触ICタグなどを用いて乗客を認証し、ICタグに登録されている乗客の個人情報(IDおよび行先階)を読み取り、個人情報を表示制御装置4に入力する。
乗場認証装置用表示装置5は、認証された乗客がどのエレベータに乗車すべきかの情報を表示する。
【0018】
表示制御装置4は、広域ネットワーク7を介して個人特定記号管理サーバ8と接続されており、乗場認証装置6からの個人情報を受信するとともに、認証された乗客のIDに基づき、その乗客の記号データを個人特定記号管理サーバ8から取得し、乗場表示装置1および乗場認証装置用表示装置5に表示するデータを作成する。
【0019】
図2は表示制御装置4の機能構成を示すブロック図である。
図2において、表示制御装置4は、個人情報受信手段9と、行先階通知手段10と、割当号機受信手段11と、表示内容作成手段12と、個人特定記号取得手段13と、データ記録手段14と、表示情報送信手段15と、データテーブル16とを備えている。
表示内容作成手段12および表示情報送信手段15は、乗場表示装置1および乗場認証装置用表示装置5に対する表示情報制御手段を構成している。
【0020】
個人情報受信手段9は、乗場認証装置6からの個人情報(乗客のIDおよび行先階のデータ)を受信して表示内容作成手段12に入力する。
行先階通知手段10は、表示内容作成手段12に入力された個人情報(乗客のIDおよび行先階のデータ)を、群管理装置3に送信する。
【0021】
割当号機受信手段11は、群管理装置3から乗客のIDおよび割当号機のデータを受信して表示内容作成手段12に入力する。
個人特定記号取得手段13は、表示内容作成手段12から通知されたIDにより、広域ネットワーク7を介して個人特定記号管理サーバ8に問い合わせを行い、個人特定記号管理サーバ8から個人を特定する記号データを取得する。
【0022】
データ記録手段14は、認証された乗客のIDに対応する「割当号機」および「記号データ」と、個人特定記号管理サーバから取得した記号データの状態を示す「記号データ状態」と、をデータテーブル16に記録するとともに、データテーブル16内から必要な抜粋内容を抽出して表示内容作成手段12に入力する。
表示情報送信手段15は、表示内容作成手段12から通知されたデータテーブル16の抜粋内容を、乗場表示装置1および乗場認証装置用表示装置5に送信する。
【0023】
表示内容作成手段12は、乗場認証装置6で認証された乗客のIDおよび行先階を、個人情報受信手段9を介して受信し、行先階通知手段10に通知する。
また、表示内容作成手段12は、群管理装置3からのIDおよび割当号機を、割当号機受信手段11を介して受信するとともに、個人特定記号取得手段13から取得したIDに対する「記号データ」および「記号データ状態」を、データ記録手段14に通知して、データテーブル16上に抜粋内容を作成し、データテーブル16の抜粋内容を表示情報送信手段15に通知する。
【0024】
図3は群管理装置3の機能構成を示すブロック図である。
図3において、群管理装置3は、割当号機決定手段17と、行先階受信手段18と、割当号機送信手段19と、割当号機表示消去判定手段20と、表示消去指令送信手段21とを備えている。
【0025】
行先階受信手段18は、表示制御装置4から乗客のIDおよび行先階のデータを受信して割当号機決定手段17に通知する。
割当号機決定手段17は、通知された行先階から最適な割当号機を決定して、割当号機送信手段19に通知する。
割当号機送信手段19は、割当号機決定手段17から通知されたIDおよび割当号機を表示制御装置4に送信する。
【0026】
割当号機表示消去判定手段20は、割当号機が出発したことを検知すると、乗場表示装置1に表示されている記号データの消去可能状態を判定し、表示消去指令を表示消去指令送信手段21に通知する。
表示消去指令送信手段21は、表示消去指令をエレベータ制御装置2に送信する。
【0027】
図4は乗場表示装置1の機能構成を示すブロック図である。
図4において、乗場表示装置1は、表示器1aと、表示情報受信手段22と、表示手段23と、表示消去指令受信手段24とを備えている。
【0028】
表示情報受信手段22は、表示制御装置4からデータテーブル16の抜粋内容(記号データ)を受信して表示手段23に入力する。
表示消去指令受信手段24は、エレベータ制御装置2から表示消去指令を受信して表示手段23に入力する。
【0029】
表示手段23は、表示情報受信手段22から入力される記号データを、乗場表示装置1の表示器1aに表示させるとともに、表示消去指令受信手段24から入力される表示消去指令に応答して、表示器1aの表示を消去する。
【0030】
図5は乗場認証装置用表示装置5の機能構成を示すブロック図である。
図5において、乗場認証装置用表示装置5は、表示器5aと、乗場認証装置用表示情報受信手段25と、乗場認証装置用表示手段26とを備えている。
【0031】
乗場認証装置用表示情報受信手段25は、表示制御装置4からデータテーブル16の抜粋内容(記号データまたは割当号機)を受信して、乗場認証装置用表示手段26に入力する。
乗場認証装置用表示手段26は、乗場認証装置用表示情報受信手段25から入力される記号データまたは割当号機を、乗場認証装置用表示装置5の表示器5aに表示させる。
【0032】
図6は表示制御装置4内のデータテーブル16のデータ構造を示す説明図である。
図6において、データテーブル16は、ID27(00000001、00000002、00000003、・・・)に対応したデータ記録領域として、割当号機28(A号機、B号機、・・・)を記録する領域と、記号データ29(画像ファイルに用いられる拡張子:jpg)を記録する領域と、記号データ状態30(OK、または、NG)を記録する領域とを備えている。
【0033】
ID27は、乗客が認証時に使用した非接触ICタグから得られる乗客固有のIDであり、図6では、一例として、00000001から始まる連番で示している。
割当号機28は、ID27の乗客が乗車すべきエレベータを識別する情報であり、図6では、一例として、「A号機」、「B号機」のようなテキストデータで示している。
【0034】
記号データ29は、個人特定記号管理サーバ8から得られたデータであり、たとえば、画像データであっても、特殊記号のASCIIコードでもよく、独自のフォーマットにしたがうデータであってもよい。図6では、一例として、記号データ29をJPEG画像データで示している。
記号データ状態30は、記号データ29を使用できるか否かを示すフラグであり、図6では、「OK」または「NG」の2種類のフラグで示している。
【0035】
図7はデータテーブル16の一部抜粋内容のデータ構造を示す説明図である。
図7において、データテーブル16の抜粋内容は、図6のデータテーブル16から、該当するIDに対する1行分のデータを抜き出したデータを示している。
図7においては、一例として、ID=00000001のデータが抜粋内容として抜き出された場合を示している。
【0036】
次に、図1〜図7とともに、図8〜図13を参照しながら、この発明の実施の形態1による具体的な動作手順について説明する。
図8は表示制御装置4の動作手順(処理32〜50)を示すフローチャート、図9は群管理装置3の表示通知動作手順(処理51〜54)を示すフローチャート、図10は群管理装置3の表示消去動作手順(処理55〜57)を示すフローチャート、図11はエレベータ制御装置2の動作手順(処理58、59)を示すフローチャート、図12は乗場表示装置1の動作手順(処理60〜66)を示すフローチャート、図13は乗場認証装置用表示装置5の動作手順(処理67〜71)を示すフローチャートである。
【0037】
まず、前提として、エレベータを利用する各乗客は、自身のIDに対する記号または自身の分身を表すキャラクタを表す画像を、個人特定記号管理サーバ8に登録しておく。
なお、個人特定記号管理サーバ8に乗客を特定する記号を登録する処理については、この発明の要点ではないので、ここでは省略する。
【0038】
図8〜図13において、まず、表示制御装置4(図2、図8)は、個人情報受信手段9が、乗場認証装置6から個人情報(乗客のIDおよび行先階のデータ)を受信したか否かを判定する(処理32)。
もし、個人情報が受信されていない(すなわち、N)と判定されれば、乗客の認証処理が行われていないので、図8の処理ルーチンを終了して処理32に戻る。
【0039】
一方、乗客がエレベータの乗場に到着して、非接触ICタグなどを用いて乗場認証装置6により認証が行われると、非接触ICタグから読み取った個人情報(乗客のIDおよび行先階のデータ)が乗場認証装置6から表示制御装置4内の個人情報受信手段9に送信される。
この結果、処理32において、個人情報受信手段9が、乗場認証装置6から乗客のIDおよび行先階のデータを受信した(すなわち、Y)と判定される。
【0040】
これにより、表示制御装置4内の個人情報受信手段9は、表示内容作成手段12に、乗客のIDおよび行先階のデータを通知し(処理33)、表示内容作成手段12は、行先階通知手段10に、乗客のIDおよび行先階のデータを通知する(処理34)。
また、表示制御装置4内の行先階通知手段10は、群管理装置3に、乗客のIDおよび行先階のデータを送信する(処理35)。
【0041】
続いて、表示制御装置4内の表示内容作成手段12は、個人特定記号取得手段13および広域ネットワーク7を介して、個人特定記号管理サーバ8に対しIDの問い合わせを行う(処理36、37)。
すなわち、表示内容作成手段12は、個人特定記号取得手段13に、認証された乗客のIDを通知し(処理36)、個人特定記号取得手段13は、広域ネットワーク7上の個人特定記号管理サーバ8にIDを送信する(処理37)。
【0042】
一方、群管理装置3(図3、図9)においては、行先階受信手段18が、表示制御装置4からIDおよび行先階を受信したか否かを判定しており(処理51)、IDおよび行先階を受信していない(すなわち、N)と判定されれば、表示制御装置4(図8)の通知処理35が実行されていないので、図9の表示通知処理ルーチンを終了して処理51に戻る。
【0043】
一方、表示制御装置4(図8)の処理35が実行され、処理51において、表示制御装置4からIDおよび行先階を受信した(すなわち、Y)と判定されれば、群管理装置3内の行先階受信手段18は、割当号機決定手段17に、IDおよび行先階を通知する(処理52)。
【0044】
これにより、割当号機決定手段17は、通知された行先階から最適な割当号機を選択決定し、通知されたIDと選択した割当号機とを、割当号機送信手段19に通知する(処理53)。
以下、割当号機送信手段19は、表示制御装置4に対して、IDおよび割当号機のデータを送信し(処理54)、群管理装置3の表示通知処理(図9)を終了する。
【0045】
表示制御装置4(図2、図8)においては、前述の処理37に続いて、行先階通知手段10が群管理装置3に行先階を通知(処理35)してから一定期間の間に、割当号機受信手段11が、群管理装置3からIDおよび割当号機のデータを受信したか否かを判定する(処理38)。
【0046】
もし、群管理装置3(図9)の処理54が実行されず、処理38において、表示制御装置4内の割当号機受信手段11がIDおよび割当号機のデータを受信していない(すなわち、N)と判定されれば、図8の処理ルーチンを終了して処理32に戻る。
【0047】
一方、群管理装置3(図9)の処理54が実行され、処理38において、割当号機受信手段11が、群管理装置3からIDおよび割当号機のデータを受信した(すなわち、Y)と判定されれば、割当号機受信手段11は、受信したIDおよび割当号機のデータを表示内容作成手段12に通知する(処理39)。
【0048】
これにより、表示内容作成手段12は、データ記録手段14にIDおよび割当号機のデータを通知し(処理40)、データ記録手段14は、IDおよび割当号機のデータをデータテーブル16に記録する(処理41)。
【0049】
続いて、表示制御装置4内の個人特定記号取得手段13は、広域ネットワーク7を介して個人特定記号管理サーバ8にIDを送信してから一定期間の間に、個人特定記号取得手段13が、個人特定記号管理サーバ8からID、記号データおよび処理結果を受信したか否かを判定する(処理42)。
【0050】
処理42において、個人特定記号取得手段13が、一定期間内にID、記号データおよび処理結果を受信していない(すなわち、N)と判定されれば、個人特定記号取得手段13は、記号データ状態を「NG」として、ID、記号データおよび記号データ状態を、表示内容作成手段12に通知する(処理49)。
【0051】
一方、処理42において、個人特定記号取得手段13が、ID、記号データおよび処理結果を受信した(すなわち、Y)と判定されれば、続いて、処理結果がOKか否かを判定する(処理43)。
【0052】
処理43において、処理結果がNG(すなわち、N)と判定されれば、個人特定記号管理サーバ8に送信したIDに対応する記号データが存在しなったことを示すので、上記処理49(記号データ状態→「NG」)に移行する。
【0053】
一方、処理43において、処理結果がOK(すなわち、Y)と判定されれば、個人特定記号管理サーバ8に送信したIDに対応する記号データが存在するので、個人特定記号取得手段13は、記号データ状態を「OK」として、ID、記号データおよび記号データ状態を、表示内容作成手段12に通知する(処理44)。
【0054】
処理44または処理49に続いて、表示内容作成手段12は、ID、記号データおよび記号データ状態を、データ記録手段14に通知する(処理45)。
これにより、データ記録手段14は、通知されたID、記号データおよび記号データ状態を、データテーブル16に記録する(処理46)。
【0055】
次に、データ記録手段14は、データテーブル16の抜粋内容(たとえば、図7)を作成して表示内容作成手段12に通知し(処理47)、表示内容作成手段12は、通知された抜粋内容を表示情報送信手段15に通知する(処理48)。
【0056】
これにより、表示情報送信手段15は、データテーブル16の抜粋内容を、乗場認証装置用表示装置5と、抜粋内容の割当号機(たとえば、図7内のA号機)に該当する乗場に設置された乗場表示装置1とに送信し(処理50)、図8の処理ルーチンを終了する。
【0057】
一方、乗場表示装置1(図4、図12)は、表示情報受信手段22が、表示制御装置4内の表示情報送信手段15から、データテーブル16の抜粋内容を受信したか否かを判定しており(処理60)、データテーブル16の抜粋内容を受信していない(すなわち、N)と判定されれば、後述の処理64に移行する。
【0058】
一方、処理60において、データテーブル16の抜粋内容を受信した(すなわち、Y)と判定されれば、表示手段23に抜粋内容の記号データを通知し(処理61)、抜粋内容の記号データ状態が「OK」であるか否かを判定する(処理62)。
【0059】
処理62において、データテーブル16の抜粋内容の記号データ状態が「NG」(すなわち、N)と判定されれば、乗場表示装置1の表示器1aに何も表示させずに、図12の処理ルーチンを終了する。
【0060】
一方、処理62において、データテーブル16の抜粋内容の記号データ状態が「OK」(すなわち、Y)と判定されれば、乗場表示装置1にデータテーブル16の抜粋内容の記号データを乗場表示装置1の表示器1aに表示させ(処理63)、図12の処理ルーチンを終了する。
【0061】
乗場表示装置1の表示器1aへの表示は、該当する割当号機が出発するなど、該当エレベータに乗車すべき乗客(記号データ)を表示する必要がなくなった時点で消去される。
このため、群管理装置3(図3)は、記号データの表示(処理63)後の表示消去処理(図10)を行う。
【0062】
図10において、群管理装置3は、割当号機表示消去判定手段20が、エレベータ制御装置2から表示消去条件(割当号機の出発)を検出したか否かを判定する(処理55)。
処理55において、表示消去条件を検出していない(すなわち、N)と判定されれば、表示消去指令を生成せずに、図10の表示消去処理ルーチンを終了して処理55に戻る。
【0063】
一方、処理55において、表示消去条件を検出した(すなわち、N)と判定されれば、割当号機表示消去判定手段20は、該当の割当号機および表示消去指令を、表示消去指令送信手段21に通知する(処理56)。
これにより、表示消去指令送信手段21は、該当の割当号機のエレベータ制御装置2に表示消去指令を送信して(処理57)、図10の表示消去処理ルーチンを終了する。
【0064】
エレベータ制御装置2(図11)は、群管理装置3から表示消去指令を受信したか否かを判定しており(処理58)、表示消去指令を受信していない(すなわち、N)と判定されれば、図11の処理ルーチンを終了して処理58に戻る。
【0065】
一方、群管理装置3(図10)の処理57が実行され、処理58において、表示消去指令を受信した(すなわち、Y)と判定されれば、乗場表示装置1内の表示消去指令受信手段24に表示消去指令を送信して(処理59)、図11の処理ルーチンを終了する。
【0066】
乗場表示装置1(図4、図12)は、処理60の判定結果「N」に続いて、表示消去指令受信手段24が、エレベータ制御装置2から表示消去指令を受信したか否かを判定しており(処理64)、表示消去指令を受信していない(すなわち、N)と判定されれば、現在の表示を消去せずに、図12の処理ルーチンを終了する。
【0067】
一方、エレベータ制御装置2(図11)の処理59が実行され、処理64において、表示消去指令受信手段24が、エレベータ制御装置2から表示消去指令を受信した(すなわち、Y)と判定されれば、表示消去指令受信手段24は、表示消去指令を表示手段23に通知する(処理65)。
これにより、表示手段23は、乗場表示装置1の表示器1aの表示を消去して(処理66)、図12の処理ルーチンを終了する。
【0068】
乗場認証装置用表示装置5(図5、図13)は、乗場認証装置用表示情報受信手段25が、表示制御装置4からデータテーブル16の抜粋内容を受信したか否かを判定しており(処理67)、抜粋内容を受信していない(すなわち、N)と判定されれば、表示用の処理68〜71を実行せずに、図13の処理ルーチンを終了して処理67に戻る。
【0069】
一方、表示制御装置4(図8)の処理50が実行され、処理67において、乗場認証装置用表示情報受信手段25が、表示制御装置4からデータテーブル16の抜粋内容を受信した(すなわち、Y)と判定されれば、乗場認証装置用表示情報受信手段25は、受信した抜粋内容の記号データを乗場認証装置用表示手段26に通知する(処理68)。
【0070】
続いて、乗場認証装置用表示手段26は、乗場認証装置用表示情報受信手段25から通知されたデータテーブル16の抜粋内容の記号データ状態がOKか否かを判定する(処理69)。
処理69において、抜粋内容の記号データ状態が「OK」(すなわち、Y)と判定されれば、乗場認証装置用表示手段26は、データテーブル16の抜粋内容の記号データを、乗場認証装置用表示装置5の表示器5aに一定期間にわたって表示させ(処理70)、図13の処理ルーチンを終了する。
【0071】
このとき、表示器5aが情報表示を行う一定期間は、乗客が乗場認証装置6(たとえば、ゲート)で認証手続してから、エレベータの乗場に移動するまでの時間に相当している。なぜなら、乗客は、乗場認証装置6を通過した後、自身の記号データが表示されている乗場認証装置用表示装置5の乗場に向かって移動した後は、乗場表示装置1の表示を認識できるからである。
【0072】
一方、処理69において、抜粋内容の記号データ状態が「NG」(すなわち、N)と判定されれば、乗場認証装置用表示手段26は、データテーブル16の抜粋内容の割当号機(たとえば、図7内のA号機)を、乗場認証装置用表示装置5の表示器5aに一定期間表示させて(処理71)、図13の処理ルーチンを終了する。
すなわち、処理71においては、乗客を特定する記号データが得られないので、乗客の移動時間に相当する一定期間にわたって、割当号機を特定する表示を行う。
【0073】
上記実施の形態1では、非接触タグの中に、乗客を認証するIDおよび行先階が登録されている場合を例にとって説明をしたが、この例に限定されることはない。
たとえば、非接触タグにはIDのみが登録され、行先階は、非接触タグでの認証後に、乗客が行先階をボタン操作して登録する、などのシステム構成を適用してもよい。
【0074】
また、乗場表示装置1および乗場認証装置用表示装置5に表示される記号データは、乗客を特定する写真や記号など、個人を判別可能なデータであれば何を用いてもよい。
同様に、乗場認証装置用表示装置5に表示される割当号機は、割当号機を具体的に特定する数字または文字(A号機、B号機、・・・)など、割当号機を具体的に判別可能な表示形態であればよい。
【0075】
以上のように、この発明の実施の形態1(図1〜図13)に係るエレベータ表示システムは、個人を認証して乗客が乗車すべき割当号機を特定して乗場に表示するために、複数のサービス階床の各乗場に設けられて乗客の個人情報を読み取る乗場認証装置6と、乗場認証装置6の認証結果に応じて複数台のエレベータから乗客の呼び登録に応答する割当号機を決定する群管理装置3と、各乗場に設けられた乗場表示装置1と、複数の乗客を特定するための記号データがあらかじめ登録された個人特定記号管理サーバ8と、個人特定記号管理サーバ8に接続された広域ネットワーク7(通信手段)と、乗場認証装置6による乗客の認証時に広域ネットワーク7を介して個人特定記号管理サーバ8に接続される表示制御装置4と、を備えている。
【0076】
表示制御装置4は、乗場認証装置6により認証された乗客の個人情報を受信する個人情報受信手段9と、個人情報に基づき、認証された乗客の記号データを個人特定記号管理サーバ8から取得する個人特定記号取得手段13と、認証された乗客の記号データが取得された場合に、認証された乗客が乗車すべき割当号機に対応した乗場表示装置1に記号データを表示させるための表示内容作成手段12および表示情報送信手段15(表示情報制御手段)と、を備えている。
【0077】
また、この発明の実施の形態1に係るエレベータ表示システムは、群管理装置3の制御下で複数台のエレベータを個別に運転するエレベータ制御装置2を備えており、乗場表示装置1は、割当号機に対応したエレベータ制御装置2から、割当号機が出発した情報を取得した時点で、不要となった記号データの表示を消去する。
【0078】
また、この発明の実施の形態1に係るエレベータ表示システムは、各乗場に設けられた乗場認証装置用表示装置5を備えており、表示制御装置4内の表示内容作成手段12および表示情報送信手段15(表示情報制御手段)は、認証された乗客の記号データが取得された場合に、乗場認証装置用表示装置5に記号データを表示させる。
【0079】
また、表示制御装置4は、群管理装置3から割当号機のデータを受信する割当号機受信手段11を含み、表示内容作成手段12および表示情報送信手段15(表示情報制御手段)は、認証された乗客の記号データが取得されなかった場合に、乗場認証装置6により認証された乗客が乗車すべき割当号機の情報を、乗場認証装置用表示装置5に表示させる。
さらに、乗場認証装置6により読み取られる個人情報は、乗客のIDおよび行先階を含む。
【0080】
乗客は、自身を特定する記号や、自身の分身であるキャラクタを表す画像、顔写真、またはアバタ(分身)などを記号データとして、あらかじめ個人特定記号管理サーバ8に登録し、広域ネットワーク7上に設置された個人特定記号管理サーバ8は、乗客自身が登録するIDに対する記号データ(個人特定記号やキャラクタの画像)を管理する。
【0081】
乗場認証装置6は、エレベータの乗場で乗客が非接触タグなどを用いて認証を行う際に、非接触タグに記録されている個人情報(IDおよび行先階)を読み取り、表示制御装置4に入力する。
表示制御装置4は、乗場で乗客が認証されたときに、個人特定記号管理サーバ8にアクセスして、乗客の個人情報(ID)に対応する記号データを受信し、乗客が乗車すべき割当号機の乗場表示装置1の表示器1aに記号データを表示させる。
【0082】
乗客自身が登録した記号データ(あらかじめ登録した記号や画像)は、乗客が乗車すべき割当号機が実際に出発して表示不要となるまで、乗客が乗車すべき割当号機に対応した乗場表示装置1の表示器1aに表示される。
【0083】
これにより、表示された記号データを参照することにより、記号データに対応する乗客が、どのエレベータに乗るべきであるかを、乗客の認証時(または、行先階登録時など)から乗車完了までの間にわたって容易に認識することができるので、乗客の割当号機の記憶忘れによって、乗客が乗車すべき割当号機が分からなくなるという状況を防ぐことができる。したがって、従来装置のように、表示される割当号機などを瞬時に記憶する必要性を解消することができる。
【符号の説明】
【0084】
1 乗場表示装置、1a 表示器、2 エレベータ制御装置、3 群管理装置、4 表示制御装置、5 乗場認証装置用表示装置、5a 表示器、6 乗場認証装置、7 広域ネットワーク(通信手段)、8 個人特定記号管理サーバ、9 個人情報受信手段、10 行先階通知手段、11 割当号機受信手段、12 表示内容作成手段(表示情報制御手段)、13 個人特定記号取得手段、14 データ記録手段、15 表示情報送信手段(表示情報制御手段)、16 データテーブル、17 割当号機決定手段、18 行先階受信手段、19 割当号機送信手段、20 割当号機表示消去判定手段、21 表示消去指令送信手段、22 表示情報受信手段、23 表示手段、24 表示消去指令受信手段、25 乗場認証装置用表示情報受信手段、26 乗場認証装置用表示手段。
【技術分野】
【0001】
この発明は、個人を認証することによって、乗客が乗車するエレベータを特定して表示するエレベータ表示システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、乗客の呼び登録に応答して、どのエレベータに乗車すべきかを乗客に指示するエレベータ表示システムは、種々提案されている(たとえば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4参照)。
特許文献1に記載の従来装置においては、エレベータ乗場(以下、単に「乗場」という)に行先階ボタンを配置するとともに、行先階ボタンの隣に割当号機(乗車すべき割当エレベータ)を指示するための表示器を配置している。
【0003】
また、特許文献2に記載の従来装置においては、セキュリティーゲートでの認証結果により行先階登録を行うとともに、行先階登録に割当られたエレベータのエレベータ内表示器に行先階を表示している。
【0004】
また、特許文献3に記載の従来装置においては、乗客の携帯端末により行先階が登録された際に、割当号機を、エレベータと対応付けられた色標識で表示している。
【0005】
さらに、特許文献4に記載の従来装置においては、エレベータホール入口に設置されたゲートにて、RF−ID(Radio Frequency IDentification:電波による個体識別)による乗客の認証時に、割当号機を決定するとともに、乗客が乗車すべき割当号機の番号や位置を示す地図などをゲートに表示している。
【0006】
以上の各従来装置においては、乗客が呼びを登録または認証したときに、その乗客が乗車すべき割当号機が決定され、その決定結果に基づき、どのエレベータに乗車すべきかを乗客に指示している。ただし、割当号機に対応した色表示などを用いているので、曖昧なうえ、乗客自身に対応した割当号機であることを乗客が確認することはできなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−272850号公報
【特許文献2】国際公開2006/043324号公報
【特許文献3】特表2008−515742号公報
【特許文献4】特開2007−314280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来のエレベータ表示システムは、乗客の呼び登録時または認証時に、乗客の呼びに応答してどのエレベータに乗車すべきかを乗客に指示しているが、指示される情報はエレベータの号機番号や色の対応表示であり、前提として、乗客自身が、どのエレベータに乗車すべきと指示されたかを、色情報などのみによって瞬時に記憶する必要があるという課題があった。
【0009】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、乗客がどのエレベータに乗るべきであるかを、乗客自身に対応した記号データを割当号機の乗場表示装置に表示して報知することにより、割当号機を乗客自身が瞬時に記憶する必要のないエレベータ表示システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係るエレベータ表示システムは、個人を認証して乗客が乗車すべき割当号機を特定して乗場に表示するエレベータ表示システムであって、複数のサービス階床の各乗場に設けられて乗客の個人情報を読み取る乗場認証装置と、乗場認証装置の認証結果に応じて複数台のエレベータから乗客の呼び登録に応答する割当号機を決定する群管理装置と、各乗場に設けられた乗場表示装置と、複数の乗客を特定するための記号データがあらかじめ登録された個人特定記号管理サーバと、個人特定記号管理サーバに接続された通信手段と、乗場認証装置による乗客の認証時に通信手段を介して個人特定記号管理サーバに接続される表示制御装置と、を備え、表示制御装置は、乗場認証装置により認証された乗客の個人情報を受信する個人情報受信手段と、個人情報に基づき、認証された乗客の記号データを個人特定記号管理サーバから取得する個人特定記号取得手段と、認証された乗客の記号データが取得された場合に、認証された乗客が乗車すべき割当号機に対応した乗場表示装置に記号データを表示させるための表示情報制御手段とを含むものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、乗場での乗客認証時に、IDや行先階などの個人情報に基づき個人特定記号管理サーバに管理された乗客の記号データを取得し、乗客が乗るべき割当号機の乗場表示装置に記号データを表示させることにより、乗客に対する割当号機を瞬時に記憶する必要性を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の実施の形態1に係るエレベータ表示システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1内の表示制御装置の機能構成を示すブロック図である。
【図3】図1内の群管理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図4】図1内の乗場表示装置の機能構成を示すブロック図である。
【図5】図1内の乗場認証装置用表示装置の機能構成を示すブロック図である。
【図6】図2内のデータテーブルのデータ構造を示す説明図である。
【図7】図6内のデータテーブルの一部抜粋内容のデータ構造を示す説明図である。
【図8】この発明の実施の形態1による表示制御装置の動作手順を示すフローチャートである。
【図9】この発明の実施の形態1による群管理装置の表示通知動作手順を示すフローチャートである。
【図10】この発明の実施の形態1による群管理装置の表示消去動作手順を示すフローチャートである。
【図11】図1内のエレベータ制御装置の動作手順を示すフローチャートである。
【図12】この発明の実施の形態1による乗場表示装置の動作手順を示すフローチャートである。
【図13】この発明の実施の形態1による乗場認証装置用表示装置の動作手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るエレベータ表示システムの全体構成を示すブロック図であり、乗場に関連した各種装置1〜6と、広域ネットワーク7(通信手段)を介した個人特定記号管理サーバ8との関係を示している。
【0014】
図1において、エレベータ表示システムは、乗場表示装置1と、エレベータ制御装置2と、群管理装置3と、表示制御装置4と、乗場認証装置用表示装置5と、乗場認証装置6と、広域ネットワーク7と、個人特定記号管理サーバ8とを備えている。
乗場表示装置1、乗場認証装置用表示装置5および乗場認証装置6は、ビル内の各サービス階の乗場に設置され、表示制御装置4に接続されている。
【0015】
乗場表示装置1は、エレベータ制御装置2および表示制御装置4に接続されており、エレベータに乗車すべき乗客を特定する記号データ(後述する)などを表示する。
群管理装置3は、エレベータ制御装置2を介して、乗場認証装置6で認証された乗客の呼び登録に応答する割当号機を決定し、ビル内の各サービス階床間を走行する複数のエレベータを制御する。
エレベータ制御装置2は、群管理装置3により決定された呼び登録に応じて、各エレベータを個別に運転制御する。
【0016】
個人特定記号管理サーバ8は、広域ネットワーク7上に設置されており、乗客自身を特定する記号や、乗客自身の分身であるキャラクタを表す画像、顔写真、またはアバタ(分身)などを、各乗客に固有の記号データとしてあらかじめ登録している。
【0017】
乗場認証装置6は、非接触ICタグなどを用いて乗客を認証し、ICタグに登録されている乗客の個人情報(IDおよび行先階)を読み取り、個人情報を表示制御装置4に入力する。
乗場認証装置用表示装置5は、認証された乗客がどのエレベータに乗車すべきかの情報を表示する。
【0018】
表示制御装置4は、広域ネットワーク7を介して個人特定記号管理サーバ8と接続されており、乗場認証装置6からの個人情報を受信するとともに、認証された乗客のIDに基づき、その乗客の記号データを個人特定記号管理サーバ8から取得し、乗場表示装置1および乗場認証装置用表示装置5に表示するデータを作成する。
【0019】
図2は表示制御装置4の機能構成を示すブロック図である。
図2において、表示制御装置4は、個人情報受信手段9と、行先階通知手段10と、割当号機受信手段11と、表示内容作成手段12と、個人特定記号取得手段13と、データ記録手段14と、表示情報送信手段15と、データテーブル16とを備えている。
表示内容作成手段12および表示情報送信手段15は、乗場表示装置1および乗場認証装置用表示装置5に対する表示情報制御手段を構成している。
【0020】
個人情報受信手段9は、乗場認証装置6からの個人情報(乗客のIDおよび行先階のデータ)を受信して表示内容作成手段12に入力する。
行先階通知手段10は、表示内容作成手段12に入力された個人情報(乗客のIDおよび行先階のデータ)を、群管理装置3に送信する。
【0021】
割当号機受信手段11は、群管理装置3から乗客のIDおよび割当号機のデータを受信して表示内容作成手段12に入力する。
個人特定記号取得手段13は、表示内容作成手段12から通知されたIDにより、広域ネットワーク7を介して個人特定記号管理サーバ8に問い合わせを行い、個人特定記号管理サーバ8から個人を特定する記号データを取得する。
【0022】
データ記録手段14は、認証された乗客のIDに対応する「割当号機」および「記号データ」と、個人特定記号管理サーバから取得した記号データの状態を示す「記号データ状態」と、をデータテーブル16に記録するとともに、データテーブル16内から必要な抜粋内容を抽出して表示内容作成手段12に入力する。
表示情報送信手段15は、表示内容作成手段12から通知されたデータテーブル16の抜粋内容を、乗場表示装置1および乗場認証装置用表示装置5に送信する。
【0023】
表示内容作成手段12は、乗場認証装置6で認証された乗客のIDおよび行先階を、個人情報受信手段9を介して受信し、行先階通知手段10に通知する。
また、表示内容作成手段12は、群管理装置3からのIDおよび割当号機を、割当号機受信手段11を介して受信するとともに、個人特定記号取得手段13から取得したIDに対する「記号データ」および「記号データ状態」を、データ記録手段14に通知して、データテーブル16上に抜粋内容を作成し、データテーブル16の抜粋内容を表示情報送信手段15に通知する。
【0024】
図3は群管理装置3の機能構成を示すブロック図である。
図3において、群管理装置3は、割当号機決定手段17と、行先階受信手段18と、割当号機送信手段19と、割当号機表示消去判定手段20と、表示消去指令送信手段21とを備えている。
【0025】
行先階受信手段18は、表示制御装置4から乗客のIDおよび行先階のデータを受信して割当号機決定手段17に通知する。
割当号機決定手段17は、通知された行先階から最適な割当号機を決定して、割当号機送信手段19に通知する。
割当号機送信手段19は、割当号機決定手段17から通知されたIDおよび割当号機を表示制御装置4に送信する。
【0026】
割当号機表示消去判定手段20は、割当号機が出発したことを検知すると、乗場表示装置1に表示されている記号データの消去可能状態を判定し、表示消去指令を表示消去指令送信手段21に通知する。
表示消去指令送信手段21は、表示消去指令をエレベータ制御装置2に送信する。
【0027】
図4は乗場表示装置1の機能構成を示すブロック図である。
図4において、乗場表示装置1は、表示器1aと、表示情報受信手段22と、表示手段23と、表示消去指令受信手段24とを備えている。
【0028】
表示情報受信手段22は、表示制御装置4からデータテーブル16の抜粋内容(記号データ)を受信して表示手段23に入力する。
表示消去指令受信手段24は、エレベータ制御装置2から表示消去指令を受信して表示手段23に入力する。
【0029】
表示手段23は、表示情報受信手段22から入力される記号データを、乗場表示装置1の表示器1aに表示させるとともに、表示消去指令受信手段24から入力される表示消去指令に応答して、表示器1aの表示を消去する。
【0030】
図5は乗場認証装置用表示装置5の機能構成を示すブロック図である。
図5において、乗場認証装置用表示装置5は、表示器5aと、乗場認証装置用表示情報受信手段25と、乗場認証装置用表示手段26とを備えている。
【0031】
乗場認証装置用表示情報受信手段25は、表示制御装置4からデータテーブル16の抜粋内容(記号データまたは割当号機)を受信して、乗場認証装置用表示手段26に入力する。
乗場認証装置用表示手段26は、乗場認証装置用表示情報受信手段25から入力される記号データまたは割当号機を、乗場認証装置用表示装置5の表示器5aに表示させる。
【0032】
図6は表示制御装置4内のデータテーブル16のデータ構造を示す説明図である。
図6において、データテーブル16は、ID27(00000001、00000002、00000003、・・・)に対応したデータ記録領域として、割当号機28(A号機、B号機、・・・)を記録する領域と、記号データ29(画像ファイルに用いられる拡張子:jpg)を記録する領域と、記号データ状態30(OK、または、NG)を記録する領域とを備えている。
【0033】
ID27は、乗客が認証時に使用した非接触ICタグから得られる乗客固有のIDであり、図6では、一例として、00000001から始まる連番で示している。
割当号機28は、ID27の乗客が乗車すべきエレベータを識別する情報であり、図6では、一例として、「A号機」、「B号機」のようなテキストデータで示している。
【0034】
記号データ29は、個人特定記号管理サーバ8から得られたデータであり、たとえば、画像データであっても、特殊記号のASCIIコードでもよく、独自のフォーマットにしたがうデータであってもよい。図6では、一例として、記号データ29をJPEG画像データで示している。
記号データ状態30は、記号データ29を使用できるか否かを示すフラグであり、図6では、「OK」または「NG」の2種類のフラグで示している。
【0035】
図7はデータテーブル16の一部抜粋内容のデータ構造を示す説明図である。
図7において、データテーブル16の抜粋内容は、図6のデータテーブル16から、該当するIDに対する1行分のデータを抜き出したデータを示している。
図7においては、一例として、ID=00000001のデータが抜粋内容として抜き出された場合を示している。
【0036】
次に、図1〜図7とともに、図8〜図13を参照しながら、この発明の実施の形態1による具体的な動作手順について説明する。
図8は表示制御装置4の動作手順(処理32〜50)を示すフローチャート、図9は群管理装置3の表示通知動作手順(処理51〜54)を示すフローチャート、図10は群管理装置3の表示消去動作手順(処理55〜57)を示すフローチャート、図11はエレベータ制御装置2の動作手順(処理58、59)を示すフローチャート、図12は乗場表示装置1の動作手順(処理60〜66)を示すフローチャート、図13は乗場認証装置用表示装置5の動作手順(処理67〜71)を示すフローチャートである。
【0037】
まず、前提として、エレベータを利用する各乗客は、自身のIDに対する記号または自身の分身を表すキャラクタを表す画像を、個人特定記号管理サーバ8に登録しておく。
なお、個人特定記号管理サーバ8に乗客を特定する記号を登録する処理については、この発明の要点ではないので、ここでは省略する。
【0038】
図8〜図13において、まず、表示制御装置4(図2、図8)は、個人情報受信手段9が、乗場認証装置6から個人情報(乗客のIDおよび行先階のデータ)を受信したか否かを判定する(処理32)。
もし、個人情報が受信されていない(すなわち、N)と判定されれば、乗客の認証処理が行われていないので、図8の処理ルーチンを終了して処理32に戻る。
【0039】
一方、乗客がエレベータの乗場に到着して、非接触ICタグなどを用いて乗場認証装置6により認証が行われると、非接触ICタグから読み取った個人情報(乗客のIDおよび行先階のデータ)が乗場認証装置6から表示制御装置4内の個人情報受信手段9に送信される。
この結果、処理32において、個人情報受信手段9が、乗場認証装置6から乗客のIDおよび行先階のデータを受信した(すなわち、Y)と判定される。
【0040】
これにより、表示制御装置4内の個人情報受信手段9は、表示内容作成手段12に、乗客のIDおよび行先階のデータを通知し(処理33)、表示内容作成手段12は、行先階通知手段10に、乗客のIDおよび行先階のデータを通知する(処理34)。
また、表示制御装置4内の行先階通知手段10は、群管理装置3に、乗客のIDおよび行先階のデータを送信する(処理35)。
【0041】
続いて、表示制御装置4内の表示内容作成手段12は、個人特定記号取得手段13および広域ネットワーク7を介して、個人特定記号管理サーバ8に対しIDの問い合わせを行う(処理36、37)。
すなわち、表示内容作成手段12は、個人特定記号取得手段13に、認証された乗客のIDを通知し(処理36)、個人特定記号取得手段13は、広域ネットワーク7上の個人特定記号管理サーバ8にIDを送信する(処理37)。
【0042】
一方、群管理装置3(図3、図9)においては、行先階受信手段18が、表示制御装置4からIDおよび行先階を受信したか否かを判定しており(処理51)、IDおよび行先階を受信していない(すなわち、N)と判定されれば、表示制御装置4(図8)の通知処理35が実行されていないので、図9の表示通知処理ルーチンを終了して処理51に戻る。
【0043】
一方、表示制御装置4(図8)の処理35が実行され、処理51において、表示制御装置4からIDおよび行先階を受信した(すなわち、Y)と判定されれば、群管理装置3内の行先階受信手段18は、割当号機決定手段17に、IDおよび行先階を通知する(処理52)。
【0044】
これにより、割当号機決定手段17は、通知された行先階から最適な割当号機を選択決定し、通知されたIDと選択した割当号機とを、割当号機送信手段19に通知する(処理53)。
以下、割当号機送信手段19は、表示制御装置4に対して、IDおよび割当号機のデータを送信し(処理54)、群管理装置3の表示通知処理(図9)を終了する。
【0045】
表示制御装置4(図2、図8)においては、前述の処理37に続いて、行先階通知手段10が群管理装置3に行先階を通知(処理35)してから一定期間の間に、割当号機受信手段11が、群管理装置3からIDおよび割当号機のデータを受信したか否かを判定する(処理38)。
【0046】
もし、群管理装置3(図9)の処理54が実行されず、処理38において、表示制御装置4内の割当号機受信手段11がIDおよび割当号機のデータを受信していない(すなわち、N)と判定されれば、図8の処理ルーチンを終了して処理32に戻る。
【0047】
一方、群管理装置3(図9)の処理54が実行され、処理38において、割当号機受信手段11が、群管理装置3からIDおよび割当号機のデータを受信した(すなわち、Y)と判定されれば、割当号機受信手段11は、受信したIDおよび割当号機のデータを表示内容作成手段12に通知する(処理39)。
【0048】
これにより、表示内容作成手段12は、データ記録手段14にIDおよび割当号機のデータを通知し(処理40)、データ記録手段14は、IDおよび割当号機のデータをデータテーブル16に記録する(処理41)。
【0049】
続いて、表示制御装置4内の個人特定記号取得手段13は、広域ネットワーク7を介して個人特定記号管理サーバ8にIDを送信してから一定期間の間に、個人特定記号取得手段13が、個人特定記号管理サーバ8からID、記号データおよび処理結果を受信したか否かを判定する(処理42)。
【0050】
処理42において、個人特定記号取得手段13が、一定期間内にID、記号データおよび処理結果を受信していない(すなわち、N)と判定されれば、個人特定記号取得手段13は、記号データ状態を「NG」として、ID、記号データおよび記号データ状態を、表示内容作成手段12に通知する(処理49)。
【0051】
一方、処理42において、個人特定記号取得手段13が、ID、記号データおよび処理結果を受信した(すなわち、Y)と判定されれば、続いて、処理結果がOKか否かを判定する(処理43)。
【0052】
処理43において、処理結果がNG(すなわち、N)と判定されれば、個人特定記号管理サーバ8に送信したIDに対応する記号データが存在しなったことを示すので、上記処理49(記号データ状態→「NG」)に移行する。
【0053】
一方、処理43において、処理結果がOK(すなわち、Y)と判定されれば、個人特定記号管理サーバ8に送信したIDに対応する記号データが存在するので、個人特定記号取得手段13は、記号データ状態を「OK」として、ID、記号データおよび記号データ状態を、表示内容作成手段12に通知する(処理44)。
【0054】
処理44または処理49に続いて、表示内容作成手段12は、ID、記号データおよび記号データ状態を、データ記録手段14に通知する(処理45)。
これにより、データ記録手段14は、通知されたID、記号データおよび記号データ状態を、データテーブル16に記録する(処理46)。
【0055】
次に、データ記録手段14は、データテーブル16の抜粋内容(たとえば、図7)を作成して表示内容作成手段12に通知し(処理47)、表示内容作成手段12は、通知された抜粋内容を表示情報送信手段15に通知する(処理48)。
【0056】
これにより、表示情報送信手段15は、データテーブル16の抜粋内容を、乗場認証装置用表示装置5と、抜粋内容の割当号機(たとえば、図7内のA号機)に該当する乗場に設置された乗場表示装置1とに送信し(処理50)、図8の処理ルーチンを終了する。
【0057】
一方、乗場表示装置1(図4、図12)は、表示情報受信手段22が、表示制御装置4内の表示情報送信手段15から、データテーブル16の抜粋内容を受信したか否かを判定しており(処理60)、データテーブル16の抜粋内容を受信していない(すなわち、N)と判定されれば、後述の処理64に移行する。
【0058】
一方、処理60において、データテーブル16の抜粋内容を受信した(すなわち、Y)と判定されれば、表示手段23に抜粋内容の記号データを通知し(処理61)、抜粋内容の記号データ状態が「OK」であるか否かを判定する(処理62)。
【0059】
処理62において、データテーブル16の抜粋内容の記号データ状態が「NG」(すなわち、N)と判定されれば、乗場表示装置1の表示器1aに何も表示させずに、図12の処理ルーチンを終了する。
【0060】
一方、処理62において、データテーブル16の抜粋内容の記号データ状態が「OK」(すなわち、Y)と判定されれば、乗場表示装置1にデータテーブル16の抜粋内容の記号データを乗場表示装置1の表示器1aに表示させ(処理63)、図12の処理ルーチンを終了する。
【0061】
乗場表示装置1の表示器1aへの表示は、該当する割当号機が出発するなど、該当エレベータに乗車すべき乗客(記号データ)を表示する必要がなくなった時点で消去される。
このため、群管理装置3(図3)は、記号データの表示(処理63)後の表示消去処理(図10)を行う。
【0062】
図10において、群管理装置3は、割当号機表示消去判定手段20が、エレベータ制御装置2から表示消去条件(割当号機の出発)を検出したか否かを判定する(処理55)。
処理55において、表示消去条件を検出していない(すなわち、N)と判定されれば、表示消去指令を生成せずに、図10の表示消去処理ルーチンを終了して処理55に戻る。
【0063】
一方、処理55において、表示消去条件を検出した(すなわち、N)と判定されれば、割当号機表示消去判定手段20は、該当の割当号機および表示消去指令を、表示消去指令送信手段21に通知する(処理56)。
これにより、表示消去指令送信手段21は、該当の割当号機のエレベータ制御装置2に表示消去指令を送信して(処理57)、図10の表示消去処理ルーチンを終了する。
【0064】
エレベータ制御装置2(図11)は、群管理装置3から表示消去指令を受信したか否かを判定しており(処理58)、表示消去指令を受信していない(すなわち、N)と判定されれば、図11の処理ルーチンを終了して処理58に戻る。
【0065】
一方、群管理装置3(図10)の処理57が実行され、処理58において、表示消去指令を受信した(すなわち、Y)と判定されれば、乗場表示装置1内の表示消去指令受信手段24に表示消去指令を送信して(処理59)、図11の処理ルーチンを終了する。
【0066】
乗場表示装置1(図4、図12)は、処理60の判定結果「N」に続いて、表示消去指令受信手段24が、エレベータ制御装置2から表示消去指令を受信したか否かを判定しており(処理64)、表示消去指令を受信していない(すなわち、N)と判定されれば、現在の表示を消去せずに、図12の処理ルーチンを終了する。
【0067】
一方、エレベータ制御装置2(図11)の処理59が実行され、処理64において、表示消去指令受信手段24が、エレベータ制御装置2から表示消去指令を受信した(すなわち、Y)と判定されれば、表示消去指令受信手段24は、表示消去指令を表示手段23に通知する(処理65)。
これにより、表示手段23は、乗場表示装置1の表示器1aの表示を消去して(処理66)、図12の処理ルーチンを終了する。
【0068】
乗場認証装置用表示装置5(図5、図13)は、乗場認証装置用表示情報受信手段25が、表示制御装置4からデータテーブル16の抜粋内容を受信したか否かを判定しており(処理67)、抜粋内容を受信していない(すなわち、N)と判定されれば、表示用の処理68〜71を実行せずに、図13の処理ルーチンを終了して処理67に戻る。
【0069】
一方、表示制御装置4(図8)の処理50が実行され、処理67において、乗場認証装置用表示情報受信手段25が、表示制御装置4からデータテーブル16の抜粋内容を受信した(すなわち、Y)と判定されれば、乗場認証装置用表示情報受信手段25は、受信した抜粋内容の記号データを乗場認証装置用表示手段26に通知する(処理68)。
【0070】
続いて、乗場認証装置用表示手段26は、乗場認証装置用表示情報受信手段25から通知されたデータテーブル16の抜粋内容の記号データ状態がOKか否かを判定する(処理69)。
処理69において、抜粋内容の記号データ状態が「OK」(すなわち、Y)と判定されれば、乗場認証装置用表示手段26は、データテーブル16の抜粋内容の記号データを、乗場認証装置用表示装置5の表示器5aに一定期間にわたって表示させ(処理70)、図13の処理ルーチンを終了する。
【0071】
このとき、表示器5aが情報表示を行う一定期間は、乗客が乗場認証装置6(たとえば、ゲート)で認証手続してから、エレベータの乗場に移動するまでの時間に相当している。なぜなら、乗客は、乗場認証装置6を通過した後、自身の記号データが表示されている乗場認証装置用表示装置5の乗場に向かって移動した後は、乗場表示装置1の表示を認識できるからである。
【0072】
一方、処理69において、抜粋内容の記号データ状態が「NG」(すなわち、N)と判定されれば、乗場認証装置用表示手段26は、データテーブル16の抜粋内容の割当号機(たとえば、図7内のA号機)を、乗場認証装置用表示装置5の表示器5aに一定期間表示させて(処理71)、図13の処理ルーチンを終了する。
すなわち、処理71においては、乗客を特定する記号データが得られないので、乗客の移動時間に相当する一定期間にわたって、割当号機を特定する表示を行う。
【0073】
上記実施の形態1では、非接触タグの中に、乗客を認証するIDおよび行先階が登録されている場合を例にとって説明をしたが、この例に限定されることはない。
たとえば、非接触タグにはIDのみが登録され、行先階は、非接触タグでの認証後に、乗客が行先階をボタン操作して登録する、などのシステム構成を適用してもよい。
【0074】
また、乗場表示装置1および乗場認証装置用表示装置5に表示される記号データは、乗客を特定する写真や記号など、個人を判別可能なデータであれば何を用いてもよい。
同様に、乗場認証装置用表示装置5に表示される割当号機は、割当号機を具体的に特定する数字または文字(A号機、B号機、・・・)など、割当号機を具体的に判別可能な表示形態であればよい。
【0075】
以上のように、この発明の実施の形態1(図1〜図13)に係るエレベータ表示システムは、個人を認証して乗客が乗車すべき割当号機を特定して乗場に表示するために、複数のサービス階床の各乗場に設けられて乗客の個人情報を読み取る乗場認証装置6と、乗場認証装置6の認証結果に応じて複数台のエレベータから乗客の呼び登録に応答する割当号機を決定する群管理装置3と、各乗場に設けられた乗場表示装置1と、複数の乗客を特定するための記号データがあらかじめ登録された個人特定記号管理サーバ8と、個人特定記号管理サーバ8に接続された広域ネットワーク7(通信手段)と、乗場認証装置6による乗客の認証時に広域ネットワーク7を介して個人特定記号管理サーバ8に接続される表示制御装置4と、を備えている。
【0076】
表示制御装置4は、乗場認証装置6により認証された乗客の個人情報を受信する個人情報受信手段9と、個人情報に基づき、認証された乗客の記号データを個人特定記号管理サーバ8から取得する個人特定記号取得手段13と、認証された乗客の記号データが取得された場合に、認証された乗客が乗車すべき割当号機に対応した乗場表示装置1に記号データを表示させるための表示内容作成手段12および表示情報送信手段15(表示情報制御手段)と、を備えている。
【0077】
また、この発明の実施の形態1に係るエレベータ表示システムは、群管理装置3の制御下で複数台のエレベータを個別に運転するエレベータ制御装置2を備えており、乗場表示装置1は、割当号機に対応したエレベータ制御装置2から、割当号機が出発した情報を取得した時点で、不要となった記号データの表示を消去する。
【0078】
また、この発明の実施の形態1に係るエレベータ表示システムは、各乗場に設けられた乗場認証装置用表示装置5を備えており、表示制御装置4内の表示内容作成手段12および表示情報送信手段15(表示情報制御手段)は、認証された乗客の記号データが取得された場合に、乗場認証装置用表示装置5に記号データを表示させる。
【0079】
また、表示制御装置4は、群管理装置3から割当号機のデータを受信する割当号機受信手段11を含み、表示内容作成手段12および表示情報送信手段15(表示情報制御手段)は、認証された乗客の記号データが取得されなかった場合に、乗場認証装置6により認証された乗客が乗車すべき割当号機の情報を、乗場認証装置用表示装置5に表示させる。
さらに、乗場認証装置6により読み取られる個人情報は、乗客のIDおよび行先階を含む。
【0080】
乗客は、自身を特定する記号や、自身の分身であるキャラクタを表す画像、顔写真、またはアバタ(分身)などを記号データとして、あらかじめ個人特定記号管理サーバ8に登録し、広域ネットワーク7上に設置された個人特定記号管理サーバ8は、乗客自身が登録するIDに対する記号データ(個人特定記号やキャラクタの画像)を管理する。
【0081】
乗場認証装置6は、エレベータの乗場で乗客が非接触タグなどを用いて認証を行う際に、非接触タグに記録されている個人情報(IDおよび行先階)を読み取り、表示制御装置4に入力する。
表示制御装置4は、乗場で乗客が認証されたときに、個人特定記号管理サーバ8にアクセスして、乗客の個人情報(ID)に対応する記号データを受信し、乗客が乗車すべき割当号機の乗場表示装置1の表示器1aに記号データを表示させる。
【0082】
乗客自身が登録した記号データ(あらかじめ登録した記号や画像)は、乗客が乗車すべき割当号機が実際に出発して表示不要となるまで、乗客が乗車すべき割当号機に対応した乗場表示装置1の表示器1aに表示される。
【0083】
これにより、表示された記号データを参照することにより、記号データに対応する乗客が、どのエレベータに乗るべきであるかを、乗客の認証時(または、行先階登録時など)から乗車完了までの間にわたって容易に認識することができるので、乗客の割当号機の記憶忘れによって、乗客が乗車すべき割当号機が分からなくなるという状況を防ぐことができる。したがって、従来装置のように、表示される割当号機などを瞬時に記憶する必要性を解消することができる。
【符号の説明】
【0084】
1 乗場表示装置、1a 表示器、2 エレベータ制御装置、3 群管理装置、4 表示制御装置、5 乗場認証装置用表示装置、5a 表示器、6 乗場認証装置、7 広域ネットワーク(通信手段)、8 個人特定記号管理サーバ、9 個人情報受信手段、10 行先階通知手段、11 割当号機受信手段、12 表示内容作成手段(表示情報制御手段)、13 個人特定記号取得手段、14 データ記録手段、15 表示情報送信手段(表示情報制御手段)、16 データテーブル、17 割当号機決定手段、18 行先階受信手段、19 割当号機送信手段、20 割当号機表示消去判定手段、21 表示消去指令送信手段、22 表示情報受信手段、23 表示手段、24 表示消去指令受信手段、25 乗場認証装置用表示情報受信手段、26 乗場認証装置用表示手段。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人を認証して乗客が乗車すべき割当号機を特定して乗場に表示するエレベータ表示システムであって、
複数のサービス階床の各乗場に設けられて乗客の個人情報を読み取る乗場認証装置と、
前記乗場認証装置の認証結果に応じて複数台のエレベータから前記乗客の呼び登録に応答する割当号機を決定する群管理装置と、
前記各乗場に設けられた乗場表示装置と、
複数の乗客を特定するための記号データがあらかじめ登録された個人特定記号管理サーバと、
前記個人特定記号管理サーバに接続された通信手段と、
前記乗場認証装置による乗客の認証時に前記通信手段を介して前記個人特定記号管理サーバに接続される表示制御装置と、を備え、
前記表示制御装置は、
前記乗場認証装置により認証された乗客の個人情報を受信する個人情報受信手段と、
前記個人情報に基づき、前記認証された乗客の記号データを前記個人特定記号管理サーバから取得する個人特定記号取得手段と、
前記認証された乗客の記号データが取得された場合に、前記認証された乗客が乗車すべき割当号機に対応した乗場表示装置に前記記号データを表示させるための表示情報制御手段と
を含むことを特徴とするエレベータ表示システム。
【請求項2】
前記群管理装置の制御下で前記複数台のエレベータを個別に運転するエレベータ制御装置を備え、
前記乗場表示装置は、前記割当号機に対応したエレベータ制御装置から、前記割当号機が出発した情報を取得した時点で、前記記号データの表示を消去することを特徴とする請求項1に記載のエレベータ表示システム。
【請求項3】
前記各乗場に設けられた乗場認証装置用表示装置を備え、
前記表示情報制御手段は、前記認証された乗客の記号データが取得された場合に、前記乗場認証装置用表示装置に前記記号データを表示させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエレベータ表示システム。
【請求項4】
前記表示制御装置は、前記群管理装置から前記割当号機のデータを受信する割当号機受信手段を含み、
前記表示情報制御手段は、前記認証された乗客の記号データが取得されなかった場合に、前記乗場認証装置により認証された乗客が乗車すべき割当号機の情報を、前記乗場認証装置用表示装置に表示させることを特徴とする請求項3に記載のエレベータ表示システム。
【請求項5】
前記乗場認証装置により読み取られる個人情報は、乗客のIDおよび行先階を含むことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のエレベータ表示システム。
【請求項1】
個人を認証して乗客が乗車すべき割当号機を特定して乗場に表示するエレベータ表示システムであって、
複数のサービス階床の各乗場に設けられて乗客の個人情報を読み取る乗場認証装置と、
前記乗場認証装置の認証結果に応じて複数台のエレベータから前記乗客の呼び登録に応答する割当号機を決定する群管理装置と、
前記各乗場に設けられた乗場表示装置と、
複数の乗客を特定するための記号データがあらかじめ登録された個人特定記号管理サーバと、
前記個人特定記号管理サーバに接続された通信手段と、
前記乗場認証装置による乗客の認証時に前記通信手段を介して前記個人特定記号管理サーバに接続される表示制御装置と、を備え、
前記表示制御装置は、
前記乗場認証装置により認証された乗客の個人情報を受信する個人情報受信手段と、
前記個人情報に基づき、前記認証された乗客の記号データを前記個人特定記号管理サーバから取得する個人特定記号取得手段と、
前記認証された乗客の記号データが取得された場合に、前記認証された乗客が乗車すべき割当号機に対応した乗場表示装置に前記記号データを表示させるための表示情報制御手段と
を含むことを特徴とするエレベータ表示システム。
【請求項2】
前記群管理装置の制御下で前記複数台のエレベータを個別に運転するエレベータ制御装置を備え、
前記乗場表示装置は、前記割当号機に対応したエレベータ制御装置から、前記割当号機が出発した情報を取得した時点で、前記記号データの表示を消去することを特徴とする請求項1に記載のエレベータ表示システム。
【請求項3】
前記各乗場に設けられた乗場認証装置用表示装置を備え、
前記表示情報制御手段は、前記認証された乗客の記号データが取得された場合に、前記乗場認証装置用表示装置に前記記号データを表示させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエレベータ表示システム。
【請求項4】
前記表示制御装置は、前記群管理装置から前記割当号機のデータを受信する割当号機受信手段を含み、
前記表示情報制御手段は、前記認証された乗客の記号データが取得されなかった場合に、前記乗場認証装置により認証された乗客が乗車すべき割当号機の情報を、前記乗場認証装置用表示装置に表示させることを特徴とする請求項3に記載のエレベータ表示システム。
【請求項5】
前記乗場認証装置により読み取られる個人情報は、乗客のIDおよび行先階を含むことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のエレベータ表示システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−95550(P2013−95550A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−239324(P2011−239324)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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