説明

エンドストップを有する調節可能な減衰制御装置

第1のレベルの緩衝を有する第1のモードから成るダンパー装置(50)、予め定められた機能に対応する第2のレベルの緩衝を有する第2のモード、正常な位置に対応する第1の出力およびエンドストップ接近位置に対応する第2の出力端を有するセンサシステム(84)、および 第1の出力と第2の出力を受けて第1のモードと第2のモードを実行するために動作可能な制御システム(88)。ダンパー装置(50)は、制御システム(88)が第1の出力を受けるとき第1のモードで動作可能であり、制御システム(88)が第2の出力を受けるとき第2のモードで動作可能である。ダンパー装置(50)、磁気プローブ、磁気プローブの位置を検出するために動作可能な少なくとも一つの位置センサ(214)を備えるセンサシステム(84)、およびセンサシステム(84)とダンパー装置(50)に電子的に接続された制御システム(88)を備え、制御システム(88)は、センサシステム(84)の出力を受けてダンパー装置(50)を制御するために予め定められた機能を実行するために動作可能である制御可能な懸架装置(48)。電気信号は、システムの動作中、エンドストップ衝突を防止するのに十分な緩衝を与えるために制御システム(88)からダンパー装置(50)に与えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に言えば懸架装置の分野に関する。より詳しくいえば、本発明は、エンドストップ機能を起動させるために特別に調整されたダンパー、制御装置およびセンサを利用する制御システムおよび制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両を使用する際に、平坦でない路面から生じる振動、ショックおよび運動は、運転者のシートを通じて車両運転者へ伝えられる。やがて、これらの状態は、危険な車両運転、疲労、下側背部の痛み、骨関節症および脚の不快感につながることがある。通常は、商業的および公共的輸送機関の車両(例えばトラックおよびバス)内で使用するシートは、車両運転者が感じる不快感を減らすのを助ける懸架装置を備えている。これらの懸架装置は、通常、二つの構造部材(例えば、シートフレームおよび車両シャーシ)の間に取り付けられる機械的な装置(例えば、ダンパー)を備えている。制動力/トルクを発生して振動、運動およびショックを制御するために作動媒体として流体を使用するダンパーが周知である。特に、「電気流動流体(ER)電気泳動流体(EP)、磁気流動流体(MR)、作動油その他を含む制御可能なダンパーが周知である。簡単な懸架装置においては、受動的ダンパーを用いることができる。より複雑にされた懸架装置では、調節可能なダンパーおよび制御装置をダンパー部材の運動を制御して、エンドストップに衝突するのを予防するために用いてもよい。
【0003】
特定の状況では、これらの従来の懸架装置のいくつか又は全部は、エンドストップに当たることをほとんどせず、エンドストップは、それ自体、運転者には非常に唐突で不快な傾向がある。エンドストップは、システム行程の最大機械的限度として定義される。一般に、システムに組み入れられるショック低減スナッバ(エラストマであることが多い)がある。しかし、エンドストップ衝突が生じるとき、システム速度が十分に高い場合、非常に速い衝撃が起こることがある。このボトミングまたはトッピングは、システム(例えば、リンク装置、スイングアーム、ブッシング、ジョイントその他)内に不必要な応力を機械的部材に与えて、システムの総合的な寿命に有害で、シート占有者には不快である可能性があって、シート占有者の身体の健康状態に影響を与える可能性がある。さらに詳しく言えば、車両オペレータがエンドストップへの衝突を経験するとき、シートの運動が車両を制御できなくなることがある。
【0004】
種々の方法がシート懸架装置における振動を制御するために使用された。一般に、このような従来の制御方法では、作動状態が振動を制御するための電気機械装置(例えば、磁気流動性(MR)流体ダンパー)に送られるべき適当な主要制御信号を決めるプロセッサにシステム・オペレーティング情報を与える少なくとも一つのセンサによって得られる。振動を制御するための多数の種々の従来の方法は、以下の公布された米国特許に記載されている。カーノップ(Karnopp)他の米国特許第3,807,678号に記載の「スカイフック制御装置」、ミラー(Miller)の米国特許第4,821,849号に記載の「相対制御装置」、ミラーの米国特許第4,881,172号に記載の「監視制御装置」、アイバス(Ivers)他の米国特許第4,887,699号に記載の「連続的に可変な制御装置」、ブーン(Boone)他の米国特許第4,936,425号に記載の「遅延切替制御装置」、ウルフ(Wolfe)の米国特許第5,276,623号に記載の「変位制御装置」、カーターザーンライト(Catanzarite)の米国特許第5,652,704号に記載の「速度制御装置」、カーターザーンライトの米国特許第5,712,783号に記載の「変更速度制御装置」、
カーターザーンライトの米国特許第5,964,455号に記載の「制御可能なダンパー懸架装置の自動校正の方法」、およびサウスワード(Southward)他の米国特許第6,049746号に記載の「エンドストップ 制御方法」。
【0005】
一つの従来の制御された乗り心地管理システムは、シートの動きを減らすために受動的ダンパーを用いている。ソフト受動的ダンパーが滑らかな中間の乗り心地性能を与えるが、シート占有者を予想外の大きな振動入力のある間トッピングおよびボトミングの不快でおそらく有害な効果には弱いままにする。一方、ファーム受動的ダンパーは、トッピングおよびボトミングを最小化するかも知れないが、中間乗り心地性能は損なわれる。運転者が手動でソフトライドとファームライドの間の調整を行ってもよい場合に、もう一つのバージョンが用いられる。これには、まだ、上述と同じ欠点がある。
【0006】
懸架制御のための簡単な制御可能な緩衝技術は、制御低速領域内の力速度カーブを形づくる制御されたブリード配置を用いることを含み、制御の所望のレベルを制御するためにダンパーへの制御信号を調整する。一つのダンパーが、自動車の角ごとに用いられる、例えば。しかし、エンドストップ制御に形はない。
【0007】
振動、ショック、および、運動を減らすことによって快適な駆動条件を維持するために用いられる進歩したシート懸架制御システムは、ロード(Lord)社(米国ノースカロライナ州、ケアリーのロード・コーポレーション)によって販売されているモーション・マスター(Motion Master)(商標)乗り心地管理システムである。モーション・マスターシステムは、四つの部材から成り立っている。第1のものは、道および運転条件を変えることによって引き起こされるシートの運動をモニターするために作動可能な位置センサである。第2のものは、位置センサから連続的に信号を受けて、最適制動力を決め、1秒につき180回の割合で調整できる制御装置である。第3のものは、1ミリ秒以内で制御装置に応ずるように作動可能な緩衝装置(ダンパー)である。最後の部材は、車両運転者が異なる乗り心地オプション(例えば、運転者の好みに基づくソフト、ミディアムおよびファームの設定値)の中で選択できるようにする乗り心地モード・スイッチである。位置センサおよび緩衝装置は、二つの構造体の間に取り付けられる別々の装置である。緩衝装置は、磁場に曝されると、固体に近い状態から液体に変わり、そしておよそ数ミリ秒で元に戻ることができる磁気的に応答する流体を含む。磁場が強ければ強いほど、液体の粘度は増え、緩衝力は大きくなる。
【0008】
必要なことは、どんなタイプの懸架装置(例えば懸架式シート)にも用いられる簡単で、本質的に低コストの緩衝制御方法である。必要なことは、フル機能のダンパー制御装置のコストが許容されない場合、および制御可能な制動の性能便益が貴重である場合に使用できるダンパーおよび制御方法である。他のシートのない用途(例えば自動車懸架など)は、そのような低コスト高機能緩衝システムからも恩恵を受けることができる。
【特許文献1】米国特許第3807678号
【特許文献2】米国特許第4821849号
【特許文献3】米国特許第4881172号
【特許文献4】米国特許第4887699号
【特許文献5】米国特許第4936425号
【特許文献6】米国特許第5276623号
【特許文献7】米国特許第5652704号
【特許文献8】米国特許第5712783号
【特許文献9】米国特許第5964455号
【特許文献10】米国特許第6049746号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
どんなタイプの懸架装置(例えば懸架式シート)にも用いられる簡単で、本質的に低コストの緩衝制御方法であり、フル機能のダンパー制御装置のコストが許容されない場合、および制御可能な制動の性能便益が貴重である場合に使用できるダンパーおよび制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一実施例において、本発明は、第1のレベルの緩衝を有する第1のモード、予め定められた機能に対応する第2のレベルの緩衝を有する第2のモード、正常な位置に対応する第1の出力を有するセンサシステム、およびエンドストップ接近に対応する第2の出力を有するセンサ装置及び第1の出力および第2の出力を受けて、第1のモードおよび第2のモードを実行するために動作可能な制御システムを含む緩衝装置を備えている。緩衝装置は、制御システムが第1の出力を受けるとき、第1のモードで作動可能であり、制御システムが第2の出力を受けるとき、第2モードで作動可能である。第1のレベルの緩衝は、運転者によって選択されるソフト、ミディアムまたはファームな乗り心地モードの設定に対応する第1の定常状態機能を含む。予め定められた機能は、第2の定常状態機能、逓増機能、低減機能、規模機能、期間機能、および、期間切頭機能を備えている。予め定められた機能は、所定の遮断時間を有する時限応答、時限応答を切り詰めた切頭応答、および相対速度の計測に基づく応答であってもよい。
【0011】
もう一つの実施例では、第1の状態は、緩衝装置が上側エンドストップ制御限界および下側エンドストップ制御限界の間で作動していることをセンサシステムが検出するとき、実行できる。第2の状態は、緩衝装置が上側エンドストップ制御限界または下側エンドストップ制御限界のどちらかを通過したことをセンサシステムが検出するとき、実行できる。切頭応答は、緩衝装置が上側または下側のエンドストップ制御限界を再び横切ってセンサシステムが第1の出力を伝える移動距離に入る場合に、実行できる。
【0012】
他の実施例では、本発明は、上側エンドストップ、下側エンドストップ、上側エンドストップ制御限界、下側エンドストップ制御限界、および懸架速度を調整するための緩衝装置を有する懸架装置を備えている。懸架装置は、エンドストップ衝突を制限するように制御される。なお更なる実施例では、本発明は、懸架装置の位置を少なくとも一つのセンサを使用して上下のエンドストップ制御限界に対する位置を検出すること、懸架装置が上または下のエンドストップ制御限界を越えてそれぞれ上下のエンドストップの方へ移動したことが分かった場合、予め定められた機能に対応する緩衝の持続時間および規模レベルを計算すること、緩衝力を必要なレベルに上げるために制御信号をダンパー装置に伝えること、緩衝力を適用することを含んでいる。制御方法は、懸架装置が上または下のエンドストップ制御限界を越えて上または下のエンドストップの方へ移動しなかったことが分かった場合、予め定められた定常状態レベルの緩衝を実行するために作動できる。予め定められた機能には定常状態機能、逓増機能、低減機能、規模機能、持続時間機能、および、切頭持続時間機能がある。緩衝の持続時間および規模の推定は、懸架相対速度の計測から得ることができる。予め定められた機能は、所定の遮断時刻を有する時限応答、時限応答を切り詰めた切頭応答、および、相対速度の計測に基づく応答を含んでいる制御方法を用いて適用される。切頭応答は、緩衝装置が上または下のエンドストップ制御限界を再び横切って上下のエンドストップ制御限界の間の移動距離に入る場合、実行できる。
【0013】
なお更なる実施例では、本発明には、それぞれ第1の構造部材および第2の構造部材に取付けるための可動端および固定端を有する緩衝装置、可動端に固定的に取り付けられた磁気プローブ、磁気プローブの位置を検出するために作動可能な少なくとも一つの位置センサ、およびセンサシステムおよびダンパー装置に電子的に接続された制御システムを備える制御可能な懸架システムがある。制御システムは、作動可能であるセンサシステムから出力を受けて、緩衝装置を制御するように予め定められた機能を実行するために動作可能である。制御システムは、更に、電気信号を緩衝装置に与えて、システムが上または下のエンドストップ限界に達しないようにするのに十分な緩衝を与えるために動作できる。
【0014】
なお更なる実施例では、磁気プローブは、鉄の回転または線形磁場断続器を有する単一の磁石セットアップまたは二重磁石線形または回転プローブを備えている。ダンパー装置は、例えば磁気流動性(MR)流体または電気流動性(ER)流体などの磁/電界応答流体を含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明の車両のシートに用いる懸架装置によれば、どんなタイプの懸架装置(例えば懸架式シート)にも簡単に用いることができ、本質的に低コストの緩衝制御方法が達成できる。この装置を用いれば、道路状況に応じた乗り心地の調整を選択的にできる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
必要に応じて、本発明の詳細な実施例を本願明細書において開示するが、開示された実施例が単に種々形および代替形式で実施できる本発明の例示的なものに過ぎないと理解されるべきである。本願明細書において開示される特定の構造および機能的な詳細は制限としてではなく、単に 当業者に本発明のさまざまな使用法を教えるための代表的な基礎としての請求範囲の基礎として解釈されるべきである。図面の全体にわたって、類似の要素には、類似の数字がついている。後述する緩衝制御方法および装置は、座席用途に適用するが、原則としてまた高機能緩衝システムを必要とするどんな非座席用途にも適用される。
【0017】
次に図1を参照すると、制御されている懸架装置48は、一般に第1の構造部材52と第2の構造部材54の間の取り付けられた電気機械緩衝装置50を備えている。電子機械緩衝装置50は、例えば、磁/電界応答性材料または流体56を含んでいる磁気流動性(MR)緩衝装置または電気流動性(ER)緩衝装置を備えていてもよい。前記流体は、磁/電界があると見かけの粘性が変化する合成物である。加えられた磁界/電界がある場合に、流体内の微粒子が分極化して塊またはチェーンになり、それが流体の見かけの粘性または流動抵抗を大きくする。加えられた磁/電界が取り除かれると、微粒子は組織化されていないまたはランダムな状態に戻り、MR流体の見かけの粘性は低くなる。電気機械緩衝装置50は、それの端58、60に、ボルトまたは他の固定手段を用いて第1および第2の構造部材52、54に取り付けられる。第1および第2の構造部材52、54は任意の二つの比較的可動な構造物、例えば懸架部材(例えばフレーム、ブラケット、リンク装置、その他)、自動車のフレーム、シート、その他であってもよい。選択肢として、複数のエラストマーの止め62(「スナッバ」)(緩衝装置50内にあるものとして図に例示されている)がエンドストップ衝突を予防するときの最後の手段として機能できる。
【0018】
緩衝装置50は、一般にダンパー本体66によって形成される室の中に取り付けられて、ダンパー本体66の内部と摺動接触で摺動運動するのに適応したピストン64とロッド65備えている。ピストン64は、一般に、ピストン64と管状ダンパー本体66の間のシールを行う柔らかいピストン・バンドを備えている。緩衝装置50は、ほぼ流体で満たされて、ピストン64によって二つの室に分けられた密封内部スペースを更に備えている。ピストン64は、流体が二つの室の間を流れることができるようにする流路68を備えていてもよい。シールとベアリングの組立体69は、流体56の漏出を予防してハウジング内でロッド65とピストン64の心合わせを助ける。緩衝装置50は、方向反転の間の緩衝の苛酷さを減らすために横ピストン64または三方弁の意図的量の抽気を利用してもよい。これによって、基本的なミディアム乗り心地を固定できるようになる。ダンパー装置50は、そのとき、能動制御を必要としない従来の調節可能な受動的ダンパーにやや似たように作動する。制御が印加磁界の規模を調整する定常状態制御信号を調整することによって達成される。
【0019】
緩衝装置50が取り付けられる懸架装置48は、行程限界またはエンドストップ70の第1の端と行程限界またはエンドストップ72の第2の端を含む。ピストン64は、懸架装置がそれの両エンドストップ70、72との間で運動するにつれて、予め定められた距離を進む。大きなバンプによってピストン64が両エンドストップ70、72に当たることがある。第1および第2のエンドストップ70、72は、懸架装置の移動距離74を定め、例えば、懸架されたシートと車両フレーム間に存在する最大と最小の分離距離に対応する。ピストン64の最大移動距離は、ピストン64が第1の懸架装置エンドストップ70から第2のエンドストップ72まで移動できる合計距離として定められる。第1の(上の)制御限界76と第2の(下の)制御限界78は、移動距離74に沿っていて簡単なセンサが作動するようにセットされた位置を定め、通常、緩衝装置50への定常状態電流を大きくする予め定められた機能を加えることによって緩衝レベルを変える。第1および第2の制御限界76、78は、運転者の好み、懸架装置が用いられている環境またはシート製造業者の好みおよび予め定められた機能のプロファイル次第で任意の所定の位置に設定されてもよい。エンドストップ制御限界76、78の適正な位置決めは、使用する緩衝装置50の種類に基づくこともある。例えば、出力力カーブに応答する入力命令を有する緩衝装置50は、応答性命令の応答時間が短い緩衝装置50と異なり、懸架装置がエンドストップ70、72の一つと衝突するのを適切に防止するために必要な距離を少なくできる。例えば、或る環境においては、シートの移動距離を大きく取れるソフト乗り心地のするのが望ましいことがある(例えば平坦でない表面で運転するトラック)。別の例では、シートの移動距離が非常に制限されていることが望ましいことがある(例えば平らなレーストラックの表面で運転するレースカーに対するファーム乗り心地)。一つの例において、第1および第2の制御限界76、78を例えば移動限界から内方に約20%の位置80にセットして第1のモード移動距離82を全移動距離74の約60%にすることができる。もう一つの例では、第1および第2の制御限界76、78を移動量限界から内方へ約30%の位置にセットして、シート移動距離を全移動距離74の約40%にすることができる。
【0020】
なお図1を参照すると、懸架装置48は、センサシステム84を備えている。センサシステム84は、エンドストップ70、72に関する一つ以上のセンサ、(例えば、近接センサ、変位センサ、ホール効果スイッチ、マイクロ・スイッチ、光スイッチ、速度センサ、マイクロ・スイッチ付回転カム、ピストン64の位置を決めるために作動可能な任意の他の非接触のスイッチ、またはセンサ もしくはピストン64と関連している部材)を備えている。センサシステム84は、更に、懸架装置がエンドストップ70、72の一つに近づいているとき、 制御システム88に信号を送るために動作できる。一つの実施例では、一つのセンサを用いてピストン64の第1および第2の制御限界76、78に対する位置を検出することができる。別の実施例では、2つのセンサを移動距離74の各端に一つ用いて、制御限界76、78 を検出することができる。さらに別の実施例では、一つのセンサは、エンドストップ70、72に対するピストン64の位置を決めるために用いられ、第2のセンサが速度の推定値を得るために使われる(後で詳しく述べるように)。エンドストップに接近すると、入力信号86がセンサシステム84によって検出される。センサシステムは、入力信号90をセンサシステム84の出力から制御システム88の入力に送る。
【0021】
制御システム88は、種々の技術を用いて、制御信号を所定レベルにセットし、そして、緩衝装置50に懸架装置移動量限界での接触を避けるのに役立つ予め定められた力を生じさせる。制御システム88は、エンドストップ限界制御限界76、78が作動されるとき、センサシステムから信号92を受けて、エンドストップ機能を定めて発生させる。ある選択された位置(例えば移動量限界から内方へ約20%の距離のところ)で起動するように設定されたセンサを用いると、緩衝レベルは、ダンパーに加える電流を大きくすることによって変えることができる。制御システム88は、調節可能な緩衝を行うための簡単なアナログまたはデジタル制御装置、適当なマイクロプロセッサおよび/または 本発明による総合的な制御を実現するためのメモリを含んでいてもよい。エンドストップ機能は、緩衝装置50によってシステムに加えられる緩衝力を制御して懸架装置が第1および第2のエンドストップ70、72に当たるのを防止する。例えば、シート懸架装置の用途では、緩衝力が小さ過ぎると、システムが道路表面の平坦さの変わり目に遭うと、第1と第2のエンドストップ70、72と衝突する。緩衝力があまりに大き過ぎると、運転者に辛い乗り心地が生じる。システム88において、エンドストップを選択的に移すことは、緩衝力を逓増または逓減することによって達成される。制御システム88とセンサシステム84は、同じハウジング内に置かれてもよいし、または、それらは別々のハウジング内に置かれる離散的な部材であってもよい。
【0022】
種々の実施例において、制御システム88は、ダンパー装置50に与えられる制御信号を増大/減少したレベルで調整するために動作可能であり、ダンパー装置50に懸架装置のエンドストップ限界で接触しないようにして、第1および第2の部材52、54との間の振動と運動を減らすための可調節力を発生させる。制御システム88は、更に、懸架装置がエンドストップに対するそれの方向を逆転させて、制御限界全体を横切って戻るとき、緩衝をオフにするかまたは不必要な力を避けるために緩衝のレベルを下げるために動作可能である。制御システム88は、制御限界76、78をかなり通り越して移動して懸架装置エンドストップ70、72にほとんど接近していることに比べて、エンドストップ制御限界76、78をちょうど過ぎて移動している懸架装置の場合に一つの制御機能を適用するなど、状況に従って、いくつかの前もってプログラムされた制御機能の一つを実行することができる。
【0023】
次に図2、3と4を参照すると、本発明のエンドストップ制御システムと組み合わせて使用するのに適応した代表的なシート懸架装置の様々な位置が略図で例示されている。センサシステム84は、最大と最小のエンドストップ限界70、72に対する緩衝装置50の位置どり(例えばピストン64位置)を検出する。例示的な懸架装置は、シートの底板102に接続されシート100を支えている。懸架装置は、シート100が底板102に対して所定の伸びた位置にあるとき(図2)エンドストップ70に、または底板102に対して所定の収縮した位置にあるとき(図4)エンドストップ72に接近する。正常なシート100の位置(図3)は、それが振動妨害によって影響されないかまたはほぼ影響されないとき、シートが取る位置である。正常なシート位置は、シート占有者によって快適さと個人の好みに基づいて選択して調節できる。第1または第2のエンドストップ制御限界76、78のどちらかのスイッチが働くとき、緩衝装置50に与えられる制御信号は急速に緩衝プロファイル(緩衝レベルともいう)を大きくするように調整される。
【0024】
シート100は、第1のリンク104と第2のリンク106を有している機械的なマルチ・バー・リンク装置を備えることができる。図2〜4のリンク装置は、図示する目的だけのために2次元で示されており、リンク装置がシート100と懸架装置を可動に接続する任意の適当な機構から成る追加部材を含むことができると理解されるべきである。機械的なリンク装置は、当業者にとって周知の従来設計のものであってもよいので、リンク装置の更なる説明は必要でない。センサシステム84の一つ以上の位置センサは、緩衝装置50に接続されてピストン64とシート100の位置を順番に検出する役をしている。センサシステム84、制御システム88および緩衝装置50は、電子的に接続されている。
【0025】
本発明の制御システムは、緩衝装置50に与えられる制御信号(例えば電流または電圧)を制御することによってエンドストップ70、72の接近を自動的に検出して応答するする。緩衝装置50は、各モードがそれの特有の対応する緩衝特性を備えている二つのモードで動作できる。第1の緩衝モードは複数の緩衝レベルの中から任意に選択された第1の緩衝レベルを有する定常状態モードである。緩衝の第1のレベルは、エンドストップ制御限界76、78の範囲内の正常動作に対応する。正常動作の緩衝は、ピストン64が第1と第2のエンドストップ制御限界76、78との間を移動し、それらの限界を横切らない動作モードとして定義できる。定常状態モードの間、緩衝装置50に加えられる制御信号の大きさは、ソフト規模がファーム規模より小さいミディアム規模より小さい緩衝の規模に対応しているソフト、ミディアム、ファームまたは任意の他の懸架設定を与えるように調節できる。設定値は、シート占有者によって調整されることができるかまたは、用途の種類に基づく予め定められた設定値であってもよい。第2の緩衝モードは、予め定められた機能に対応する第2の高められたレベルの緩衝を含む。第2のモードは、また、エンドストップモードとみなすことができる。エンドストップモードにおいて、制御システム88は、センサシステム84の出力に基づいて予め定められた機能を適用する。この機能は、ダンパー装置50に適用される緩衝レベルに影響を及ぼし、緩衝規模、持続時間、逓増、低減または制御信号に関する他のどんな機能をも含む。
【0026】
制御システムは、制御システムによって実現される少なくとも3つの制御方法、すなわち、時限エンドストップ制御方法、時限エンドストップ制御方法を短縮した切り詰め制御方法、およびエンドストップ制御パルスをオフにするために懸架装置の相対速度の計測を使用する制御方法を含む。全三つの制御方法において、制御システム88は、緩衝装置50に与えられる電流を変化させ、それによって懸架装置移動量限界またはエンドストップでの接触を避けるためにより多くの力を生じさせるように動作できる。
【0027】
次に図5を参照すると、緩衝装置50に与えられる制御信号を調整するための1つの制御方法は、所定時間が経過したあとエンドストップ制御レベルをオフにするためにタイマーを使用することを含む。この実施例は、懸架装置がエンドストップ制御限界76、78を過ぎてエンドストップ70、72の近くに移動する状況において非常に効果的に作動する。
【0028】
なお図5を参照すると、センサシステムは、エンドストップ制御限界76、78に対する緩衝装置50およびそれの部材の位置取りをモニターする(120ブロック)。リアルタイムで、センサシステム84は、エンドストップ制御限界に達したかどうかを示す出力を制御システム88に送る(ブロック122)。 懸架装置移動がエンドストップ制御限界に達しなかったと判定された場合、懸架装置は第1のモードにあって、固定緩衝レベルが適用される(ブロック124)。固定緩衝は、懸架装置が第1と第2のエンドストップ制御限界76、78の間を移動して、それらの限界を横切らない動作モードとして定義することができる。定常状態モードの間、緩衝装置50に適用される制御信号の規模は、ソフト、ミディアム、ファーム、または任意の他の懸架装置設定値を与えるように調節できる。設定値は、シート占有者によって調整されることができるし(ブロック126)または用途の種類に基づく予め定められた設定値であってもよい。 懸架装置移動がエンドストップ制御限界76、78に達したと判定された場合、所定の時間緩衝プロファイルが適用される(ブロック128)。エンドストップ制御限界76、78を横切ることは、持続時間tを有する時限パルス(ブロック130)を開始するために制御システム88内のタイマーを起動させる。
【0029】
懸架装置がエンドストップ制御限界76、78のどちらかの一つを通り越してエンドストップ70,72の方へ移動した状況では、制御システムタイマは所定の時間(t)の間タイマーの時限が来るまで動作する。時間(t)は、シート100を減速するのに十分長いが、シート100が中央に戻ることができるのに十分短く調整される必要がある。懸架装置が制御限界を再び横切って通常動作モード移動範囲に戻る状況では、制御システム88は、タイマーが切れる前にエンドストップ制御パルスを切り詰めてもよい(ブロック132)。緩衝装置50に適用されるダンパー制御信号の大きさは、次に、定常状態モードを適用するために再調整される(ブロック134)。エンドストップパルスの頭を切ることによって、乗り心地は非常に改良され、特に滑らかな転移に関して。調節可能な制御の例示的実施例が図6に例示されている。
【0030】
他の実施例では、制御システム88は、エンドストップ機能を起動させるための制御システム88への入力としてセンサシステム84の第2のセンサからの出力信号を受ける。従って、シート100がエンドストップ制御限界76、78の一つを横切ってエンドストップ70、72の対応する一つに接近するにつれて、追加の緩衝力が計算されて、第1または第2のエンドストップ70、72との潜在的衝突を知らせるために加えられる。相対速度緩衝力をシート100の台板102に対する速度に基づいて計算できる。一つの実施例では、相対速度緩衝力は、シートが予め定められたエンドストップ制御限界76、78を横切るまで計算されない。上述のように、エンドストップ制御限界76、78は、通常は、第1と第2のエンドストップ70、72の間の総移動距離の0.25%である。この実施例では、センサシステム88によって送られる出力は、速度の推定値である。行程の終りの制御は、相対速度をダンパー力を計算するために用いるとき、非常に改良される。相対速度は、緩衝力の大きさを決めるために用いてもよい。更に、懸架装置相対速度の測定は、エンドストップ制御パルスをオフにするために用いてもよい。例えば、ゼロ速度に近づくとき、制御システム88は、懸架装置が最初に制御限界を横切ったときに開始されたエンドストップ制御パルスを終らせてもよい。
【0031】
次に図7を参照すると、2台の位置センサ(センサ1およびセンサ2)がピストン64のストロークの間に切り換わる配置例が示されている。センサ1および2は、一緒に、エンドストップ70、72に対するピストン64の位置を決め、更に、ピストンがこれらのセンサのそばを通過するとき、ピストン64の相対速度の計算推定値を与える。各センサの極性は、無関係である。センサの正確な相対的な位置決めは、シートおよび懸架装置が取り付けられる関連の用具の種類に基づくデザイナー/チューナのための仕事として残されている。図7のために選択された制御限界に対応するセンサシステム・トリガー位置は、説明の目的だけのものである。単一のセンサに対する一つのトリガー位置が20%のマークのところに設定される場合、二重センサのための位置は、例えば、15%および25%のマークのところ、または18%および22%マークの所にセットされてもよい。正確なセンサの場所は、チューニング・プロセスの一部として選択されることができる。なお、センサー・トリガー位置は対称である必要はない。例えば、特定の用途が0%の行程の終りマークと重大な問題があり、100%の行程の終りマークとはほとんどまたは全く問題がない場合、トリガー位置は、15%、20%、25%および80%として選択できる。この配置は、より臨界的な行程の終りの近くで改良された位置および速度の情報に使うことができる。
【0032】
一つの実施例において、機能は、以下の通りに働くことができる。緩衝装置50のピストン64が最初に中間ストローク(50%)マーク150の近くにあるとき、ピストン64を0%のストロークマーク152の方へ動かす大きな入力が生じると仮定する。ピストン64が30%のストロークマーク154を横切るとき、センサ2がトグルで切り換えでき、タイマー(デジタルまたはアナログの)を制御システム88の中で始動できる。ピストン64が20%のマーク156を横切るとき、相対速度は、移動距離(x)を時間(t)で割ったものとして計算できる。次に、適正な力の大きさが計算されることができる(例えば、相対速度の自乗を定数倍する)。力の大きさを計算したあと、制御システム88は、ダンパー力を所定の期間の間計算された大きさに逓増する予め定められた関数を適用する、その関数自体は相対速度の関数であってもよい。上記の例に関する多数の異形が想定される。例えば、力は、予め定められた公称値まで30%のマーク154と20%のマーク156の間の比較的低い速度で逓増されることができ、その後で、最終的な計算された大きさにされる。
【0033】
実現される位置センサの種類とセンサの対象の性質次第で、追加情報を捕捉することは、実行可能で、経済的である。次に図8を参照すると、センサ2について追加した転移160が示され、2ビットのセンサ・サブシステムの全ての可能な状態を得る。センサ1と2が一緒になってピストン64のエンドストップ70、72に対する位置を決めることができ、更に、それがセンサのそばを通ると、ピストン64の相対速度の計算推定値を与える。例えば、センサ2が近接プローブである場合、対象の比較的わずかな変化が追加の転移を発生させる。結果として生じる位置と速度の情報は、エンドストップ・アルゴリズムをさらに改善するために用いてもよい。追加のデジタル・センサが加えられてもよいことが予想される。
【0034】
次に図8を参照すると、センサシステム84は、懸架装置の位置の経時変化を連続的にモニターする。センサシステムは、懸架装置が予め定められた正常な動作範囲内にあるかどうかを決める。本発明のエンドストップ制御システムは、制御レベルの間の調整をするため以外に懸架装置がエンドストップ制御限界76、78の間にあるとき、緩衝装置50に適用される制御信号の影響を受けない。懸架装置がエンドストップ制御限界76、78の外にあるとき、懸架装置に適用される緩衝のレベルは、制御機能/アルゴリズムの論理に従って大きくされる。図8は、エンドストップ・トリガ点76、78に達すると、緩衝装置50にエンドストップ制御パルスの形で与えられる制御信号がエンドストップ衝突を防止するために急に大きくなる(逓増する)ということを示している(172)。ダンパー制御信号の大きさは、シート占有者によって選ばれる堅さ設定値または特定の用途に基づく予め定められた設定値によって決めることができる。緩衝設定値は、例えば、定常制御信号−ソフト176、定常制御信号−ミディアム178と定常制御信号l−ファーム180を含む。エンドストップ制御パルスは、エンドストップ衝突を防ぐために緩衝の所望量が達成されるまで逓増される(172)。エンドストップ制御のパルス時間(t)の期限が切れたとき、制御信号は、定常状態動作モード176、178、180の定常状態制御信号に逓減される(174)。
【0035】
次に図10を参照すると、車両が大きな衝撃(例えば道路にある大きな隆起などで)受ける状況が生じることがある。これは、懸垂装置が上エンドストップ制御限界76を横切って上エンドストップ領域192に十分に入る190結果をもたらす。この状況では、エンドストップ制御タイマーは、起動されて満了に達することができるであろう。上側の正弦波状の線191は、懸垂装置の運動を表し、下側の正弦波の線193は、緩衝装置50への制御信号を表す。別の例においては、車両に対する衝撃が懸架装置に上エンドストップ制御限界76をトリップさせる(194)のにちょうど十分であると仮定する。懸架装置が上エンドストップ領域192を横切るが、懸架装置が上エンドストップ領域にある時間は、エンドストップ制御パルスの所定の時間より少ない。この状況では、完全な時限パルスを完了することが望ましくないので、制御信号パルスは、切り詰められてもよい(196)。制御信号は、それの定常状態に戻される。
【0036】
次に図11を参照すると、懸架装置が懸架装置に上エンドストップ制御限界76をトリップさせ、続いて下エンドストップ制御限界78をトリップさせるというパターンを繰り返させる大きな一連の事象に遭遇すとき、偽適応モードが生ずることがある。上の正弦波状の線191は、懸架装置の運動を表し、下側の正弦波状の線193は、緩衝装置50への制御信号を表す。偽適応モードは、第1のモードの定常状態関数より大きな有効平均レベルを有することがある。エンドストップ制御パルスを始動して緩衝装置50の緩衝力を増加させる。懸架装置が上エンドストップ制御限界76を再び横切って定常状態モードに戻るとき、制御信号は、予め定められた減衰カーブをたどって予め定められた定常状態の大きさに戻る。偽適応モードでは、下側のエンドストップ制御点78に当たり、制御システム88が緩衝装置50に適用される制御信号を再び大きくすることを必要とするので、制御信号は、定常状態モードの大きさに戻るチャンスが全くない。大きい一連のイベントの間の有効平均制御信号は、有効増加安定制御信号200になる。
【0037】
図12は、非線形センサシステムおよび本発明のエンドストップ制御システムを用いて制御される調節可能な緩衝装置50を有する懸架装置制御システム210を例示している。緩衝装置50は、磁/電界を加えられると変化する降伏剪断強度を有する(磁/電界応答流体(例えば、磁気粘性流体(MR)または電気粘性流体)を含む。位置センサ214が制御装置システム88(例えば回路盤216)に接続されて、磁場(例えば鉄の回転磁場界断続器218を取り付けられた単一磁石220)の有無を検出する働きをする。電界/磁界断続器218は、緩衝装置50のロッド端222に接続されている。制御システム88は、リンク223を経てダンパー装置に電子的に接続されている。位置センサ214は、緩衝装置50に接続されている制御システム88に電子的に接続されている。緩衝装置50は、動作の間シート100の変位を制御する働きをする。システムが最大と最小のエンドストップ限界70、72に達するのを防止するのに十分な緩衝を与えるために、電気信号がシステムの動作の間リンク223を経て緩衝装置50に与えられる。センサ214は、電界/磁界断続器218が回転するとき、制御限界76,78ところで磁石220によって起動される。
【0038】
図13は、外部線形センサシステム232を利用する調節可能な緩衝装置50を有する懸架装置制御システム230を例示している。緩衝装置50は、磁/電界を加えられると変化する降伏剪断強度を有する磁/電界応答流体(例えば磁気粘性流体(MR)または電気粘性流体(ER))を含む。位置センサ236は、制御装置システム88に接続されて、二磁石238のある線形プローブ234の位置を検出する働きをする。一つの実施例において、エンドストップ・トリップ点76、78(図1)を過ぎるとき、制御システム88に信号を送るだめに動作できる原型のセンサの複製である第2のセンサを用いることができる。二磁石線形プローブ234は、緩衝装置50のロッド端222に接続されている。位置センサは、制御システム88に電子的に接続され、次にリンク223を経て緩衝装置50に電子的に接続されている。緩衝装置50は、動作の間、シート100の変位を制御する働きをする。システムが最大と最小のエンドストップ限界70、72に達するのを防止するのに十分な緩衝を与えるために、電気信号がシステムの動作の間リンク223を経て緩衝装置50に与えられる。鉄の磁/電界断続器と結合された単一の固定磁石を用いることもできる。
【0039】
本発明のシステム及び方法に従って、主に懸架シートに使用するためであるが、それに限られない高機能な緩衝制御システムおよび制御方法が提供されたことは明らかである。本発明のシステム及び方法をそれの好ましい実施態様とそれらの例に関して説明したが、他の実施態様と例は類似の機能の実施および/または類似した結果の達成をすることができる。全てのそのような等価な実施態様と例は、本発明の精神と範囲内にあって、特許請求の範囲によってカバーされるように考えられている。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、各種自動車及び車両において、乗り心地を快適にするために利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】例示的実施例に従って本発明の機械的に連結された緩衝装置を含んでいる懸架装置行程限界の概略図である。
【図2】本発明の例示的実施例に従ってエンドストップ衝突をなくすためにエンドストップ制御システムを利用するシート懸架装置の第1の概略図である。
【図3】本発明の例示的実施例に従ってエンドストップ衝突をなくすためにエンドストップ制御システムを利用するシート懸架装置の第2の概略図である。
【図4】本発明の例示的実施例に従ってエンドストップ衝突をなくすためにエンドストップ制御システムを利用するシート懸架装置の第3の概略図である。
【図5】本発明の例示的実施例に従って動作モード決定するためのメイン制御アルゴリズムを例示しているフローチャートである。
【図6】エンドストップ衝突を制御するための調節可能な制御システムの一実施例を例示しているブロック線図である。
【図7】本発明の例示的実施例に従うストロークの間の2台の位置センサの切換えのグラフ図である。
【図8】例示的実施例に従って本発明の2ビットのセンサ・サブシステムの全ての可能な状態を与えているストロークの間の2台の位置センサの切換えのグラフ図である。
【図9】本発明の 例示的実施例に従ってエンドストップ衝突を防止するために電流を増やすことの効果のグラフ図である。
【図10】本発明の例示的実施例に従う正常な時限エンドストップ制御パルスと切頭制御パルスの間の比較のグラフ図である。
【図11】本発明の例示的実施例に従う偽適応エンドストップ制御方法のグラフ図である。
【図12】本発明の例示的実施例に従う緩衝装置、回転式位置センサおよび制御システムの具体例である。
【図13】本発明の例示的実施例に従う緩衝装置、直線位置センサおよび制御システムの具体例である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運動制御装置であって、
第1のレベルの緩衝を有する第1のモード、
予め定められた機能に対応する第2のレベルの緩衝を有している第2のモード、
装置の正常な位置に対応する第1の出力、および装置のエンドストップに接近している位置に対応する第2の出力を有するセンサシステム(84)、
第1の出力および第2の出力を受けて第1のモードおよび第2のモードを実行するために動作可能な制御システム(88)を備え、
制御システムが第1の出力を受けるとき、第1のモードで動作可能であり、制御システムが第2の出力を受けるとき、第2のモードで動作可能である運動制御装置。
【請求項2】
前記第1のレベルの緩衝は、第1の定常状態機能を備える請求項1の運動制御装置。
【請求項3】
前記予め定められた機能は、第2の定常状態機能、逓増機能、低減機能、規模機能、持続時間機能、および持続時間切頭機能からなる群から選択された機能を備えている請求項1の運動制御装置。
【請求項4】
前記第1のモードは、ソフト設定値、ミディアム設定値およびファーム設定値からなる群から選択された設定値を備え、前記ファーム設定値は、ソフト設定値に対応するソフトレベルの緩衝より大きいミディアム設定値に対応するミディアムレベルの緩衝より大きいファームレベルの緩衝に対応する請求項2の運動制御装置。
【請求項5】
前記正常位置は、上エンドストップ制御限界(76)と下エンドストップ制御限界(78)の間で作動する運動制御装置に対応する請求項1の運動制御装置。
【請求項6】
エンドストップ接近位置は、上エンドストップ制御限界(76)ところもしくはそれより上で作動し、または下エンドストップ制御限界(78)のところもしくはそれより上で作動する運動制御装置に対応する請求項1の運動制御装置。
【請求項7】
前記制御システム(88)は、予め定められた機能を適用する制御方法を更に備え、前記制御方法は、所定の遮断時間を有する時限応答、時限応答を短く切り詰めた切頭応答、および相対速度の測定に基づく応答からなる群から選択される請求項3の運動制御装置。
【請求項8】
前記制御システム(88)は、 運動制御装置がエンドストップ接近位置から正常な位置へ所定の時間内で位置を変える場合、予め定められた機能を切り詰める請求項1の運動制御装置。
【請求項9】
前記第2のモードは偽適応状態の緩衝からな請求項1の運動制御装置。
【請求項10】
上エンドストップ(70)、下エンドストップ(72)、上エンドストップ制御限界(76)、下エンドストップ制御限界(78)および懸架装置速度を調節するダンパー装置(50)を有する懸架装置(48)において、
上、下のエンドストップ制御限界(76)、(78)に対する懸架装置(48)の位置を少なくとも一つのセンサ(214)を使用して検出すること、
予め定められた機能に従って緩衝の持続時間および大きさのレベルを変えるために制御信号をダンパー装置(50)に伝えること、
および
持続時間の間前記大きさのレベルの緩衝を適用することを含むエンドストップ衝突を制限する方法。
【請求項11】
懸架装置(48)が、上または下のエンドストップ制御限界(76)、(78)のどちらかを越えて上または下のエンドストップ(70)、(72)方へそれぞれ移動しなかった場合、予め定められた定常状態レベルの緩衝を実行することを更に含む請求項10の方法。
【請求項12】
前記予め定められえた機能、
は定常状態機能、逓増機能、逓減機能、規模機能、持続時間機能、および持続時間切頭機能からなる群から選択された機能から成る請求項10の方法。
【請求項13】
緩衝の持続時間および大きさの計算のは、懸架装置の相対速度の測定から導き出される請求項10の方法。
【請求項14】
定常状態機能は、ソフト設定値、ミディアム設定値、およびファーム設定値からなる群から選択される設定値を備え、ファーム設定値は、ソフト設定値に対応する柔らかいレベルの緩衝より大きいミディアム設定値に対応するミディアムレベルの緩衝より大きいファームレベルの緩衝に対応している請求項10の方法。
【請求項15】
予め定められた機能は、所定の遮断時間を有する時限応答、時限応答を切り詰めた切頭応答、および相対速度の測定に基づく応答からなる群から選択された制御方法を用いて適用される請求項10の方法。
【請求項16】
前記制御方法は、ダンパー装置がエンドストップ接近位置から正常な位置へ所定の時間内に位置を変える場合、切頭応答から成る請求項15の方法。
【請求項17】
定常状態機能は、偽適応状態の緩衝から成る請求項12の方法。
【請求項18】
制御可能な懸架装置(48)であって、
第1の構造部材(52)および第2の構造部材(54)にそれぞれ取付けるための可動端(58)および固定端(60)を有するダンパー装置(50)、
可動端(58)に対して可変位置決め可能な磁気プローブ、
磁気プローブの位置を検出するために動作可能な少なくとも一つの位置センサ(214)から成るセンサシステム(84)、
および
センサシステム(84)とダンパー装置(50)に接続されて、正常なダンパー制御機能およびエンドストップ接近ダンパー制御機能を含む制御システム(88)を備え、
前記緩衝装置(50)は、正常な動作範囲に対応する第1の範囲の位置とエンドストップ近接作動範囲に対応する第2の範囲の位置を備え、
前記緩衝装置(50)は、ダンパー制御信号によって複数の緩衝レベルの間で調節可能であり、前記センサシステム(84)は、少なくとも第1の出力および第2の出力を有し、前記第1の出力は通常の動作可能な範囲に対応し、前記第2の出力はエンドストップ接近作動範囲に対応し、前記正常なダンパー制御機能は、第1の出力を受けてダンパー装置(50)を調節して第1の予め定められた定常状態レベルの緩衝にする第1のダンパー制御信号を発生させるとき動作可能であり、前記エンドストップ接近ダンパー制御機能は、第2の出力を受けてダンパー装置を調節して逓増部分、第2の定常状態部分、逓減部分、および予め定められた持続時間を有する予め定められた機能に従って調節可能なレベルの緩衝にする第2のダンパー制御信号を発生させるとき動作可能であり、前記第2の定常状態部分内の緩衝のレベルは、第1の所定のレベルの緩衝より大きいことを特徴とする制御可能な懸架装置。
【請求項19】
前記磁気プローブは、鉄の回転式もしくは線形の磁界断流器(218)を有する単一の磁石(220)または二重磁石線形もしくは回転式プローブ(234)から成る請求項18のシステム。
【請求項20】
前記ダンパー装置(50)は、磁性粘性流体および電気粘性流体からなる群から選択した磁/電界応答流体を含む請求項18のシステム。
【請求項21】
前記制御システム(88)は、前記センサシステム(84)と同じハウジング内に置かれている請求項18のシステム。
【請求項22】
前記制御システム(88)および前記センサシステム(84)は、同じハウジング内に併置されない離散的部材である請求項18のシステム。
【請求項23】
前記制御システム(88)は、所定の遮断時間を有する時限応答、時限応答を切り詰めた切頭応答および相対速度の測定に基づく応答からなる群から選択した制御方法を実行する請求項18のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2006−512551(P2006−512551A)
【公表日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−566937(P2004−566937)
【出願日】平成15年12月17日(2003.12.17)
【国際出願番号】PCT/US2003/040180
【国際公開番号】WO2004/065147
【国際公開日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願人】(500201934)ロード コーポレーション (3)
【Fターム(参考)】