説明

オプトエレクトロニクス情報を表示する様々なタイプの装置の動作に関連する複数のパラメータを制御するユニバーサルテストシステム

本発明によれば、テストシステムはデジタル写真デバイス(4)を使用している。デジタル写真デバイス(4)は、マンマシンインターフェース(21)及び遠隔転送手段によってテストされるべき表示デバイスに接続されたプロセッサ(20)を含むコンピュータシステムから遠隔的に制御され得る。テストされるべき表示デバイス(5)に対向する撮像装置(4)の位置決めする手段がさらに備えられている。プロセッサ(20)は、撮像装置の自己位置決めステップ、レンズの自動焦点合わせ、及び情報表示デバイスのテストステップを実行するようにプログラムされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オプトエレクトロニクス情報を表示する様々なタイプのディスプレイデバイスの動作に関連する複数のパラメータを制御できるユニバーサルテストシステムに関する。それは、例えば、陰極チューブ(CRT)、液晶(LCD)、又はプラズマを用いたスクリーンディスプレイと、デバイスの両方に適用される。当該デバイスにおいて、例えば、ヘッドアップディスプレイ(HUD:Head Up Displays)、ワイド画面の投影によるディスプレイシステム、又は、ヘルメット装着型ディスプレイ(HMD:Helmet Mounted Displays)等の無数のディスプレイに画像が表示される。
【0002】
特に、本発明の目的は、使用が簡単である単一のセンサを用いて、これら情報表示デバイスの特性化を可能にすることにある。そして、この特性化に必要である測定及びテストの全てが自動モードで、すなわち、特に以下に示す非限定的な手法において、実行される。
‐(ディスプレイにおけるあるポイントと全領域の双方における)比色分析試験、
‐カラーの均一性試験(カラーのヒストグラム…)
‐ディスプレイの全領域においても実行され得る輝度測定、均一性試験はさらに領域の全ポイントで実行され得る、
‐不完全なピクセル(1つ以上のピクセル、クラスタ…)の検出、
‐幾何学的測定(トレース幅、視差、ひずみ…)、
‐画像内の基本のパターンのオーバーレイの検出
【背景技術】
【0003】
現在の技術において、異なるタイプのディスプレイ又は観察装置を含む装置を取得しなければならない場合、特定のテスト手段は、特に「高価」であり且つ情報を提供するために使用される装置のそれぞれのタイプに関連付けられていることが知られている。
【0004】
その上、この付加的な装置においては、テスト手段のメンテナンス及び老朽化に関する管理に対して特に付加的コストが生じてしまう。さらに、これらテスト手段は大抵数個のセンサを必要とし、各々のセンサが、実行される測定のタイプに割り与えられている。
【0005】
したがって、輝度を測定するためには、使用されるセンサは輝度計であるだろう。比色分析の測定は比色計を必要とするだろう。正確な測定のために、狭視野高分解能センサが使用されるだろう。標準的な幾何学的測定ために、使用されるセンサは、広視野中分解能センサであるだろう。不完全なピクセルの検出又は基本パターンの分析等に関連する特定の測定は、通常、手動モードにおいて実行される。
【0006】
これら欠点は、米国特許番号第6,064,462号に記載された検査装置において見出されている。かかる米国特許において、液晶ディスプレイパネルの表面に形成されたニュートンリング間の相関及び液晶を含む2つのガラス板の間のスペースが利用されている。これは、前記スペースの均等性をチェックするためである。この原理は、液晶ディスプレイを使用していない観察装置に対して考慮され得ない。
【0007】
また、日本特許番号第3160310号は、情報表示デバイスの陰極スクリーン上に表示されたテストパターンの写真を撮影すること目的とするいくつかの写真デバイスを適用するアセンブリを使用している。このアセンブリは、特定のタイプの陰極スクリーンに対して特に設計されており、例えば、ヘッドアップディスプレイ又はヘルメット装着型ディスプレイ等の他のタイプのディスプレイには適していない。
【0008】
それに関して、WO02/39753において、液晶表示装置をテストするデバイスが説明されている。このデバイスは、ディスプレイに対して横方向に光を照射し、撮像装置に光を照射する光源手段を使用している。その撮像装置は、偏光子とフィルタを介してディスプレイによって反射された光の一部を受光することを目的とする。プロセッサは撮像装置によって受信された画像を分析する。これは、ある数の基準をチェックするためである。したがって、このデバイスは特に液晶ディスプレイに使用されるものの、他のタイプのディスプレイには適していない。
【発明の概要】
【0009】
特に、本発明の目的は、単一のセンサを使用することによって、これら障害を抑制することにある。単一のセンサを用いて、全ての測定及び通常のテストは、ほとんどの表示装置又は市場に存在するディスプレイに対して、自動的又は半自動的に実行されて、
‐異なるタイプのディスプレイ又は観察手段を使用して、カンパニーで使用されるテスト手段を均一化し、
‐(単一センサが使用されているので)テスト手順及び得られた結果を均一化し、
‐単一センサによる取得のための手段を使用することによって、投資費用と維持費を低減し、
‐手動測定を自動測定に切り替えることによって、得られた結果に関して主観性を低減し、
‐テストに関連する情報を保存して、それらと、後に行われたテストにおいて得られた情報とを比較することができる。
【0010】
この目的のために、従来型のデジタル撮像装置をユニバーサルな単一センサとして含むテストシステムが、提案される。かかる従来型のデジタル撮像装置は、プロセッサと、キーボード/スクリーンセット等のマンマシンインターフェースとを含むコンピュータシステムから遠隔操作され得る。この撮像装置は任意の可変焦点距離を有する対物レンズを含み、その焦点合わせは、(例えば、オートフォーカタイプの)遠隔測定システムによって自動的に行われ得る。前記プロセッサは、それ自身、遠隔伝送手段を介して、テスト対象の表示デバイスと接続されている。撮像装置の位置決めをする手段が表示デバイスに面して備えられている。表示デバイスのテストは望ましくは後者に対して同軸上であるのが望ましい。
【0011】
そして、プロセッサは、以下の一連の動作ステップを実行するようにプログラムされている。
【0012】
表示デバイスによる位置決めマークの表示又は投影のプロセッサによる制御と、撮像装置によって得られた画像の分析と、及び、前記分析結果に依存し且つプロセッサによる位置決め手段の制御と、を含む自己を位置決めステップ。
【0013】
任意の校正ステップ。これは、例えば、対物レンズの焦点距離を調整することによって、表示デバイスによって生成された画像がカメラによって撮影されたデジタル写真の所定領域を占めるように行われる。
【0014】
対物レンズの焦点を自動的に合わせるステップ。これにより、明瞭な写真が得られる。
【0015】
テストステップ。このテストステップの間において、プロセッサは少なくとも1つの一連のテストを実行する。かかる少なくとも一つの一連のテストは、表示されるべき情報及び/又はディスプレイの動作パラメータを変更することを目的とする制御に存する信号(stimuli)を、プロセッサによってディスプレイシステムに与えることと、信号を与えることに続いて、撮像装置を用いてデジタル写真を撮像することと、撮像された写真を分析すること、とを含み、表示デバイスの少なくとも1つの動作パラメータを判定する。この一連のテストは、検査対象となっている表示デバイスのパラメータの各々に対して、適切な信号を用いて繰り返される。
【0016】
もちろん、プロセッサは、テスト対象である全てのタイプの表示デバイスに適切な一連のテストを実行することができるようにプログラムされている。この場合、システムは、テスト対象の装置のタイプを特定する手段と、かかる特定に続いて、実行されるべき対応する一連のテストの決定を可能にする手段と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、ベンチに搭載されたテストシステムの概略的な説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
添付した図面を参照して、非限定的な一例として、本発明の実施形態について説明する。
【0019】
本図面に図示した実施例において、テストシステムは、2つの支持構造体2,3を支持するベンチ1から成る。
【0020】
すなわち、構造体2は、位置調整可能な撮像装置4をベンチの長軸X、X’に沿って且つこのベンチの平面に垂直な軸Y、Y’に沿って支持している。
【0021】
構築体3は、(平行6面体によって概略的に図示された)表示デバイス5を支持しており、(ベンチ1の平面に対して垂直な)垂直軸V、V’及び(前記ベンチ1に対して平行な)水平軸H、H’において方位の調整が可能である。
【0022】
この実施例において、支持構造体2は、斜めになったCの形状をしたセクションを含むベース6を含む。ベース6の中心がベンチ1に取り付けられており、ベース6は長手スライド8,9に沿って移動型台車7を支持する。長手スライド8,9は水平な円筒ロッドによって形成されている。水平な円筒ロッドは、自身の端部を介してベース6の平行な翼部に取り付けられている。スライド8,9に沿った台車7は、台車7に収容された電気モータの回転によって駆動されるスクリュー作動手段によって、動作される。台車7は、垂直スライド11,12を支えるブラケット10を支持している。垂直スライド11,12に沿って、撮像装置4は撮像装置の後部に与えられた接続部分(図示せず)を用いて、スライドし得る。スライド11,12に沿った撮像装置4の移動は、ブラケット10に堅固に取り付けられたモータ13によって駆動されるスクリュー作動手段によって確実になされる。
【0023】
支持構造体3はU字形状部を有する支持部14から成る。支持部14の中心は、垂直軸V、V’において回転可能となるようにベンチ1上に搭載されており、かかる支持部14を回転駆動するモータを収容するベース15を介して搭載されている。
【0024】
表示デバイス5は、支持接続フレーム16内に搭載されており、支持接続フレーム16は、支持部14の翼間において搭載されており、水平軸において回転可能である。かかる回転は、両翼部の対応する開口部を貫通する2つの同軸ジャーナル17,18を利用してなされる。表示デバイス5の回転駆動は、ジャーナル18と噛み合うギアモータ19によって与えられている。
【0025】
デジタルカメラ4は、プロ用カメラにおける通常の機能を含むデジタル装置である。そして、それは、可変焦点距離(光学ズーム/電子のズーム)を有する対物レンズを有し、かかる対物レンズに対して、焦点合わせが、遠隔測定システム(オートフォーカス)によって自動的に行われ得る。
【0026】
例えば、このデジタル撮像装置4は、設計されたソフトウェアが備えられたプロセッサ20に対してUSB接続を介して接続されており、マニュアルで若しくはマンマシンインターフェース21(本明細書においては、キーボード/スクリーンコンソール)を介して、又は自動的に、撮像装置4が、予定された動作手順に応じて制御される。
【0027】
また、表示デバイス5はプロセッサに接続されており、プロセッサは、刺激を表示デバイスに与えることを含む一連のテストを実行するようにさらにプログラムされている。かかる刺激は、表示されるべき情報、及び/又は、このデバイスの動作パラメータを変更することを目的とする制御に存する。
【0028】
プロセッサ20は、適切な接続を介した支持構造体とこれの両方の作動装置のモータを制御するように、さらにプログラムされている。これは、オペレータがキーボード/スクリーンコンソールからすべての調整を実行することができるようにするためである。観察装置の位置決め調整(デバイスの光軸と撮像装置の対物レンズの光軸との同軸度又は撮像装置の光軸に対するディスプレイの平面の垂直度)は、自己位置合わせモードにおいて自動的に実行され得る。かかる観察装置の位置決め調整は、例えば、表示装置上にある位置決めマーク(グリッド又はテストチャート)を表示する(投影する)ことによって、装置によって与えられた画像を分析することによって、そして、プロセッサ20を用いて作動装置を適切に制御することによって実行され得る。
【0029】
一旦、表示デバイス5が、撮像装置4の正面にくるように、正確に配置されていると、プロセッサ20は装置4の焦点合わせを制御する。
【0030】
第1ステップにおいて、装置4の焦点距離が調整されて、ディスプレイ5によって生成された画像が、装置4によって生成された写真の予定された領域(望ましくは撮像全体)を占領する。そして、可能な限り明瞭な写真を得るために、(遠隔測定装置による)焦点合わせの実行に進む。
【0031】
プロセッサ20は、各々が刺激を表示デバイスに与えることを含む1つ以上の一連のテストを実行する。かかる刺激は、例えば、デバイスによるグリッド又はテストチャート等の情報の表示、及び/又は、このデバイスの動作パラメータを変更することを目的とする(輝度、クロミナンス、コントラスト、スムージング、線幅…等の)制御をもたらす。プロセッサ20は1つ以上の写真のスナップショットを順序付け、そして、今しがた撮影された写真に関連するディジタル・データを自身のメモリに転送する。そして、これら写真の画像分析が行われる。これは、表示デバイスの特性化を実行するためである。
【0032】
この特性化は表示デバイス5の自己調整及び自己較正プロセスに任意に関連付けられる。
【0033】
もちろん、本発明は、不完全なデバイスを検知し且つできれば排除するための製造ラインの最終段階における品質管理の範囲内及びメンテナンスの範囲内の双方において使用され得る。
【0034】
後者の場合、本発明によるシステムは、例えば、航空機のコックピット内等の場所にインストールされ得る。この場所のディスプレイと観察装置をテストするためである。この場合、表示デバイスの固定を考慮すると、コックピットの構造体に搭載された撮像装置の位置決め手段又は自己位置決め手段が備えられるべきである。
【0035】
先に説明した配置関係を利用することによって、本発明に係るシステムを用いれば、
‐テスト時間の最適化、
‐テストの部分的自動化又は全自動化、
‐テスト結果の客観性の向上(分析は単にデジタル処理によって行われ、いかなる主観的な評価をも排除される)、
‐統計的な分析の観点からメモリに結果を記憶することができること、
‐より完全なるテスト、
‐特に新規タイプの情報表示デバイスの使用に際して柔軟性の向上及び適応性の向上等の多くの利点を明確に得ることが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置決め手段に搭載され且つ前記位置決め手段によって種々のタイプの光学情報表示デバイスの各々に対向するように中心に配置された撮像手段を含み、前記光学情報表示デバイスの動作に関する複数のパラメータの制御が実行可能なテストシステムであって、
前記テストシステムは、撮像手段として、焦点距離が可変である対物レンズを含む従来型の単一のデジタル撮像装置(4)を含み、
前記撮像装置は、プロセッサ(20)及びマンマシンインターフェース(21)を含むコンピュータシステムから遠隔操作されることができ、
前記撮像装置は、対物レンズを含み、当該対物レンズの焦点合わせは、遠隔測定システムによって自動的に行われることができ、
前記プロセッサ(20)は、遠隔伝送手段によって、テスト対象である前記表示デバイス(5)に接続されており、
前記プロセッサ(20)は、
‐前記表示デバイス(5)による位置決めマークの表示及び投影の前記プロセッサ(20)による制御と、前記撮像装置によって撮像された画像の分析と、前記分析の結果に依存し且つ前記プロセッサ(20)による前記位置決め手段の制御と、を含む自己位置決めステップと、
‐前記ディスプレイ(5)によって表示された前記画像が、前記撮像装置によって撮像された写真の予定された領域を占領するように、前記対物レンズの焦点距離を調整することを含む校正ステップと、
‐前記対物レンズの焦点を自動的に合わせて、前記表示デバイス(5)によって表示された情報に関する鮮明な写真を取得するステップと、
‐テストステップと、
‐取得された写真に関するパラメータの分析による前記表示デバイスの特性化ステップと、からなる動作ステップを含むシーケンスの少なくとも一つを実行するように、プログラムされており、
前記テストステップの間、前記プロセッサは、比色分析テスト、カラー均一性テスト、輝度計測テスト、不完全なピクセルを検出するためのテスト、及び/又は、前記画像における基本のパターンのオーバーレイに関するテストを含むテストシーケンスの少なくとも一つを実行し、
前記テストの各々は、
表示されるべき情報及び/又は前記デバイス(5)の動作パラメータを変更することを目的とする制御に存する信号(stimuli)を、前記プロセッサ(20)によって前記表示デバイス(5)に対して与えることと、
前記信号を与えることに続いて、前記撮像装置(4)によってデジタル写真を撮影することと、
前記プロセッサ(20)によって前記写真を分析して、前記表示デバイスの少なくとも1つの動作パラメータを判定し且つチェックすることと、を含み、
このテストシーケンスは、検査対象である前記表示デバイスの前記パラメータの各々に対して、適切な信号を用いて、繰り返されることを特徴とするシステム。
【請求項2】
テストされるべき前記デバイス(5)が、情報がスクリーン上に表示される情報表示デバイスである場合において、前記自動焦点合わせは、前記撮像装置(4)が装備された遠隔測定装置によって実行されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
テスト対象の前記デバイスが、前記情報を含む前記画像が無数に投影されたディスプレイである場合において、前記焦点合わせステップは無数の前記対物レンズの調整を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記システムは、テスト対象の前記デバイス(5)のタイプを特定する手段と、当該特定に続いて、実行されるべき対応テストシーケンスを判定する手段と、を含むことを特徴とする先行の請求項のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
前記撮像装置(4)は、2つの垂直軸(X、X’−Y、Y’)に沿って可動な支持構造体上に搭載され、前記軸に沿った前記装置の移動は、前記プロセッサ(20)によって駆動される2つの作動装置によりそれぞれ制御されることを特徴とする先行の請求項のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
テスト対象である前記情報表示デバイス(5)は、2つの垂直回転軸(H,H’−V,V’)において方向転換可能な支持構造体上に搭載されており、前記表示デバイスの前記方向転換は、前記プロセッサ(20)によって制御される2つの作動装置によりそれぞれ与えられることを特徴とする先行の請求項のいずれかに記載のシステム。

【図1】
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【公表番号】特表2010−522347(P2010−522347A)
【公表日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−554064(P2009−554064)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際出願番号】PCT/FR2008/000385
【国際公開番号】WO2008/135664
【国際公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(509263618)
【Fターム(参考)】