説明

オレフィンのヒドロアミノメチル化

本発明はヒドロアミノメチル化条件下で、オレフィン、アミン、ロジウム−リン配位子及び合成ガス(syngas)を接触させる工程を含む方法に関する。特に、幾つかの状況下で、中性ロジウム−ホスファイト単座配位子が指定されることが見出された。本発明は、高い収率及び位置選択率で、医薬活性生成物、例えばイブチリド、テルフェナジン及びフェキソフェナジン並びにこれらの誘導体を含む種々の生成物を製造する簡単な方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オレフィンのヒドロアミノメチル化(hydroaminomethylation)に関する。
【背景技術】
【0002】
脂肪族アミンは、農薬及び医薬生成物及び中間体並びにポリウレタンのようなポリマー用の前駆体を含む種々の応用に於いて有用である。均一ヒドロアミノメチル化反応は、BASF社のレッペ(Reppe)により、均一コバルトカルボニル触媒を使用して報告された(非特許文献1)。この反応は、タンデム型一ポットオレフィンヒドロホルミル化/還元的アミノ化系列からなり、そこで、中間体アルデヒドは第一級又は第二級アミンと反応してイミン又はエナミン中間体を生成し、イミン又はエナミン中間体は水素化を受けて、第二級又は第三級アミンを生成する。特許文献1には、ヒドロアミノメチル化による第三級アミンの合成のための、均一ロジウムトリフェニルホスフィン触媒の使用が報告されている。n−プロピルアミンを生成するための、エチレンでのヒドロアミノメチル化の使用は、Jonesによって非特許文献2に報告された。この反応は、エチレンヒドロホルミル化が、中間体であるプロピオンアルデヒドの単一の位置異性体のみを生成することができるので、ノルマルプロピルアミンについて完全に選択的である。Eilbracht等は、非特許文献3に於いて、薬理学的に活性のアミンを、均一[Rh(cod)Cl]2触媒を使用するヒドロアミノメチル化によって製造できることを報告したが、この反応は、所望の枝分かれした位置異性体の方には低い選択率で進行した。Beller等は、非特許文献4に於いて、末端アルケンが、キサントホス(Xantphos)ジホスフィン配位子を使用するロジウム触媒の使用によって、線状アミン異性体の方への非常に高い選択率でヒドロアミノメチル化を受け得ることを報告した。非特許文献5に於いて、Seayad等は、内部オレフィン(例えば2−ブテン、2−ペンテン又は2−オクテン)をアミン(例えば、ピペリジン、ジメチルアミン又はジ−n−ヘキシルアミン)と、合成ガス、ホスフィン配位子及びカチオン性プロ触媒(procatalyst)[Rh+(シクロオクタ−1,5−ジエン)2][BF4-]([Rh(cod)2BF4]プロ触媒としても知られている)の存在下で反応させることによる、脂肪族アミンの製造を記載している。この研究者は、また、同じ反応条件下での単座ホスファイト配位子を試験したが、劣ったアミン選択率を見出し、−そして所望の線状アミンへの転化がなかったことを見出し−、これから彼らは、「ホスファイト配位子は、水及びアミンの存在下で遭遇する加水分解問題のために、所望の反応のためにあまり適していない」と結論づけた。前掲1677頁。ヒドロアミノメチル化に於けるホスファイト配位子のこの報告された欠点は、ロジウムホスファイト触媒が、ヒドロアミノメチル化系列の第一工程であるオレフィンヒドロホルミル化のために非常に有用であるので、重要である。Pruett(非特許文献6)は、均一ロジウムトリフェニルホスファイト触媒が、ロジウムトリフェニルホスフィンよりも高い線状選択率を与えたことを報告した。嵩張った単座ホスファイト配位子、例えばトリス(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイトが、Leeuwenらによって(非特許文献7)、穏和な条件下で非常に高いヒドロホルミル化速度を与えたことが見出された。二座ビスホスファイト配位子は、末端オレフィンのロジウム触媒作用ヒドロホルミル化から線状アルデヒドへの非常に高い選択率を与えることができる。これらの触媒は、広範囲の官能基に対して非常に寛容であり、複雑な有機分子の合成へのそれらの応用を可能にする(非特許文献8)。不飽和アミンのヒドロアミノメチル化の分子内例は、Bergmann等によって(非特許文献9)、高度に位置選択性のビスホスファイト配位子を使用して報告された。
【0003】
エナミン中間体の所望のアミンへの水素化を確実にするために、Seayad等は、「120℃の反応温度を達成することが望ましい」と報告している。前掲第1677頁。他方、後の文献(非特許文献10)に於いて、同じ研究グループは、65℃〜125℃の範囲内の温度で、[Rh(CO)2(acac)]プロ触媒及びホスフィン配位子を使用する、エナミン中間体の選択的製造を報告している。
【0004】
アルキルアミンは、Seayad等によって記載された方法を使用して、妥当に高い収率及び選択率で作ることができるが、高い温度が必要なことは、この方法を、これらの高い温度で安定であるオレフィン、アミン、触媒及び生成物のためにのみ適しているようにする。また、長い反応時間は、プロセス装置の長い時間の使用を必要とし、これは増加した処理コストになる。従って、オレフィンをアミノメチル化する一層効率的で且つ有効な方法を見出すことが望ましい。
【0005】
【特許文献1】米国特許第3,513,200号明細書
【非特許文献1】Liebigs Ann.Chem.、1953年、第582巻、第133−161頁
【非特許文献2】J.Organomet.Chem.、1989年、第366巻、第403−408頁
【非特許文献3】Tetrahedron、1999年、第55巻、第9801−9816頁
【非特許文献4】J.Am.Chem.Soc.、2003年、第125巻、第10311−10318頁
【非特許文献5】Science、2002年、第297巻、第1676−1678頁
【非特許文献6】J.Org.Chem.、1969年、第34巻、第327頁
【非特許文献7】Organometallics、1995年、第14巻、第34−43頁
【非特許文献8】J.Am.Chem.Soc.、1993年、第115巻、第2066−2068頁
【非特許文献9】Tetrahedron.Lett.、1997年、第38巻、第4315−4318頁
【非特許文献10】Angew.Chem.Int.Ed.、2003年、第42巻、第5615−5619頁
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
第一の面に於いて、本発明は、ヒドロアミノメチル化条件下で、a)オレフィン、b)第一級若しくは第二級アミン又はアンモニア、c)中性ロジウム−単座ホスファイト配位子錯体及びd)合成ガスを接触させる工程を含んでなる方法である。
【0007】
第二の面に於いて、本発明は、ヒドロアミノメチル化条件下で、a)種類ArXCR=CR2のオレフィン、b)第二級アミン、c)ロジウム−リン配位子錯体及びd)合成ガスを接触させる工程を含んでなる方法であって、Arがアリール又は置換されたアリールであり、それぞれのRが、独立に、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、置換されたアルキル、置換されたシクロアルキル、置換されたアリール又はヘテロ原子含有基であり、そしてXは結合基であるが、Xが−CH2−又は−OCH2−であるとき、リン配位子はホスファイト配位子である方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
第一の面に於いて、本発明は、ヒドロアミノメチル化条件下で、オレフィン、アミン、中性ロジウム−単座ホスファイト配位子錯体及び合成ガス(syngas)を接触させることによるアルキルアミンの製造方法である。このオレフィンは、末端(例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−デセン、1−ドデセン、ビニルシクロヘキサン、ビニル末端停止ポリプロピレン、アリルベンゼン、アリルフェノール、スチレン、イソブチレン、2−メチル−1−ペンテン、メチレンシクロヘキサン、ノルボルネン、α−メチルスチレン、α−シクロヘキシルスチレン、ビニリデン末端停止ポリプロピレン、ビニリデン末端停止ポリ(4−メチル−1−ペンテン))又は内部(例えば、2−ブテン、2−ペンテン、2−ヘキセン、3−ヘキセン、2−オクテン、3−オクテン、シクロヘキセン、スチルベン及びオレイン酸メチル並びにこれらの誘導体)であってよい。更に、このオレフィンには、1個より多いオレフィン基が含有されていてよく(例えば、ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、1,7−オクタジエン、アレン、ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン、メチルリノレート、メチルリノリネート(methyl linolinate)、オレイン酸トリグリセリド、ポリブタジエン及びポリブタジエン−共−スチレン)、そしてオレフィン含有ケトン又はアルデヒド(例えばテトラヒドロベンズアルデヒド)(これらは、本発明の目的のためにジオレフィンであると考えられる)を含有していてもよい。
【0009】
前記アミンは、第一級(例えばメチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、イソプロピルアミン、イソブチルアミン、t−ブチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘキシルアミン、n−オクチルアミン、ベンジルアミン、アリルアミン、1−フェニルエチルアミン、2−フェニルエチルアミン、ネオペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、エタノールアミン)又は第二級(例えばジメチルアミン、エチルメチルアミン、ブチルメチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ピペリジン、ピロリジン、モルホリン、アニリン、ジベンジルアミン、n−メチルアニリン、ジエタノールアミン、N−メチルベンジルアミン、N−メチルシクロヘキシルアミン、N−メチルアリルアミン及びインドール)であってよく、そして1個より多いアミノ基を含有していてよい(例えばエチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、N−メチルピペラジン、1−(2,3−ジクロロフェニル)ピペラジン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ヒドラジン及びN,N′−ジメチルプロパンジアミン)。このアミンは、また、1個又はそれ以上の、反応に関与しない非アミン官能基を含有していてよい(例えば3−メチルアミノ−プロピオニトリル)。アミンのN−H基の、オレフィンのオレフィン性基に対するモル対モル比は、好ましくは0.5:1以上、更に好ましくは0.7:1以上、最も好ましくは0.9:1以上で、好ましくは2:1以下、更に好ましくは1.5:1以下、最も好ましくは1.1:1以下である。例えば、3モルの1−ブテンを、1モルのアンモニアと反応させることができ、2モルの1−ブテンを1モルのエチルアミンと反応させることができ、そして1モルの1−ブテンをジエチルアミンと反応させることができる。
【0010】
中性ロジウム−単座ホスファイト配位子錯体(complex)(以下、錯体)は、中性ロジウムプロ触媒を、好ましくは化学量論的過剰の単座ホスファイト配位子と、溶媒、例えばジオキサン、THF、シクロヘキサン、トルエン、アセトン又はo−キシレンの存在下で、接触させることによって便利に製造することができる。単座ホスファイト配位子は、一般式P(OR)3(式中、それぞれのRは、独立に、炭素含有置換基である)によって特徴付けることができる。単座は、配位子が1個のみのホスファイト基を含有するという事実を指す。好ましくは、それぞれのRには、独立に、アルキル、アリール、アリールアルキル、アリールアルコキシ又はカルボニル基が含まれる。代表的な単座ホスファイトの例には、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリ−o−トリルホスファイト、トリ−p−トリルホスファイト、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリ−n−プロピルホスファイト、トリ−n−ブチルホスファイト、トリ−t−ブチルホスファイト、トリ−1−ナフチルホスファイト、トリ−2−ナフチルホスファイト、2,2′−ビフェノールフェニルホスファイト、2,2′,4,4′−テトラ−t−ブチル−2,2′−ビフェノール 2,4−ジ−t−ブチルフェニルホスファイト及びトリベンジルホスファイトが含まれる。
【0011】
中性ロジウムプロ触媒は、支持する結合配位子の負電荷によってバランスされているその正電荷を有することによって特徴付けられたロジウム(I)触媒前駆体である。例えばロジウムジカルボニルアセトニルアセテート([Rh(CO)2(acac)]プロ触媒としても知られている)は、中性ロジウムプロ触媒であり、従って、アセトニルアセタート基は、ロジウムカチオンに化学的に結合している、負に帯電した種であるので、本発明の第一面の方法のために適している。他方、[Rh(cod)2BF4]は、テトラフルオロボロネートアニオンがロジウムカチオンに化学的に結合していないので、カチオン性ロジウムプロ触媒である。
【0012】
錯体の製造に於いて有用である中性ロジウムプロ触媒の他の適切な例には、[Rh4(CO)12]、[Rh2(OAc)4]、[Rh(C242(acac)]、[Rh(シクロオクタジエン)(acac)]、[Rh(ノルボルネン)2(acac)]、[Rh(ノルボルナジエン)(acac)]及び[Rh(acac)3]プロ触媒が含まれる。
【0013】
単座ホスファイト配位子の、錯体を作るために使用される中性ロジウム触媒に対するモル対モル比は、好ましくは2:1以上、更に好ましくは4:1以上で、好ましくは30:1以下、更に好ましくは20:1以下モル対モル過剰である。オレフィン及びアミンは、好ましくは、錯体に対して化学量論的過剰で使用される。錯体の、アミンのアミノ基又はオレフィンのオレフィン性基に対するモル対モル比は、好ましくは1:500以下、更に好ましくは1:200以下で、好ましくは1:10以上、更に好ましくは1:40以上である。
【0014】
オレフィン、アミン及び錯体並びに任意的な溶媒は、有利には、化学量論的過剰のCO及びH2の混合物(以下、合成ガス(syngas))で飽和され、そして反応剤を所望のアミノメチル化生成物に転化させるために十分な時間、熱及び圧力調節される。その代わりに、ヒンダードオレフィン、例えば1,1′−二置換オレフィン(例えばα−シクロヘキシルスチレン)のために有利であり得る様式に於いて、アミン又はアンモニアは、逐次的に、即ち、ヒドロホルミル化の中間生成物へのオレフィンの転化後に、添加する。H2:COのモル対モル比は適用依存性であるが、好ましくは1:1以上、更に好ましくは1.5:1以上、最も好ましくは1.8:1以上で、好ましくは4:1以下、更に好ましくは3:1以下、最も好ましくは2.2:1以下で変化する。好ましくは、この反応は、200psi(1380kPa)以上、更に好ましくは500psi(3450kPa)以上、最も好ましくは800psi(5510kPa)以上で、好ましくは3000psi(20700kPa)以下、更に好ましくは2000psi(13800kPa)以下、最も好ましくは1500psi(10340kPa)以下の圧力で実施する。好ましくは、反応温度は、140℃以下、更に好ましくは120℃以下、最も好ましくは100℃以下で、好ましくは20℃以上、更に好ましくは40℃以上、最も好ましくは60℃以上で維持される。
【0015】
合成ガスと錯体との想定された反応は、中性ロジウムプロ触媒を使用してもカチオン性ロジウムプロ触媒を使用しても、おそらく、同じ生成物を生成するであろうが、合成ガスとカチオン性ロジウムプロ触媒から誘導される錯体との反応から強酸(例えば[Rh(cod)2BF4]からのHBF4)の有害な生成が、エナミン中間体のアミノメチル化生成物への水素化を阻害すると思われる。この理由のために、中性ロジウムプロ触媒が錯体を作るのに好ましい前駆体である。
【0016】
驚くべきことに、アミノメチル化生成物が、高収率で、比較的低い温度(<100℃)で、そして比較的短い時間(<5時間)で製造できることが見出された。
【0017】
第二の面に於いて、本発明は、ヒドロアミノメチル化条件下で、a)種類ArXCR=CR2のオレフィン、b)第二級アミン、c)ロジウムプロ触媒、d)リン含有配位子及びe)合成ガスを接触させる工程を含むアミノメチル化生成物の製造方法であって、Arがアリール又は置換されたアリールであり、それぞれのRが、独立に、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、置換されたアルキル、置換されたシクロアルキル、置換されたアリール又はヘテロ原子含有基、例えばメトキシ、エトキシ、第一級アミノ、第二級アミノ及び第三級アミノであり、そしてXは結合基であるが、Xが−CH2−又は−OCH2−であるとき、リン配位子はホスファイト配位子である方法である。本明細書で使用する「リン配位子」はリン含有配位子を指す。
【0018】
Arは、好ましくは置換された又は置換されていない、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル又はヘテロアリール、更に好ましくは置換された又は置換されていないフェニル、最も好ましくは置換されたフェニルである。好ましい置換されたフェニル基の例には、p−Y−フェニル又はメタンスルホンアミドフェニル(ここでYはC(CH32R″(式中、R″は、メチル、シアノ、ヒドロキシメチレン、アルコキシメチレン、カルボヒドロキシ、カルボメトキシ、カルボエトキシ、カルボベンジルオキシ、アミド、オルトホルメート、ホルミル、2−オキサゾリン又は2−ベンズオキサゾールである)である)が含まれる。更に好ましい置換されたフェニル基には、p−t−ブチルフェニル、p−メタンスルホンアミドフェニル又はp−(α−カルボメトキシ−α′−メチル)エチルフェニルが含まれる。Xは、好ましくは、−CHOH−、−CHOSi(CH33又は−C=O、更に好ましくは−CHOHである。
【0019】
この第二の面のために、中性ロジウムプロ触媒が好ましいが、カチオン性ロジウムプロ触媒、例えば[Rh(cod)2BF4]、[Rh(cod)2CF3SO3]、[Rh(cod)2PF6]、[Rh(cod)2BPh4]、[Rh(エチレンジアミン)3NO3]、[Rh(ビピリジル)3Cl]3及び[Rh(ノルボルネン)2ClO4]を使用することもできる。リン配位子は、好ましくはホスフィン又はホスファイト配位子である。Xが−CH2−又は−OCH2−である場合、リン配位子はホスファイト配位子であり、全ての他のXについて、リン配位子は制限されない。好ましくは、Xは、−CR′OR′、C=O、S又はNR−C=O(式中、それぞれのR′は、独立に、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、トリアルキルシリル又はHである)である。更に好ましくは、Xは、−CHOH−、−CHOSi(CH33又は−C=O、最も好ましくは−CHOHである。
【0020】
この第二の面のための適当なホスフィンの例には、2,2′−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)−1,1′−ビナフチル(NAPHOS)、2,2′−ビス[ジ(3,5−トリフルオロメチルフェニル)ホスフィノメチル]−1,1′−ビナフチル(IPHOS)、2,2′−ビス[ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ホスフィノメチル]−1,1′−ビナフチル及び9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(XANTPHOS)が含まれる。
【0021】
適当なホスファイトの例には、前記のような単座ホスファイト及び多座、好ましくは二座ホスファイト配位子が含まれ、その例には、下記に示す配位子2が含まれる。
【0022】
【化1】

【0023】
二座配位子の他の例は、米国特許第4,748,261号明細書(その教示を引用して本明細書に含める)に開示されている。
【0024】
本発明の第二の面の方法は、アミンとオレフィンとを一段工程で還元的にカップリングして、種々の有用な化合物、例えばイブチリド(ibutilide)、テルフェナジン及びフェキソフェナジン(fexofenadine)及びこれらの誘導体を含む医薬化合物を製造するための簡単な方法を提供する。このような方法応用のために、ある種のオレフィン基体(substrate)は、新規な組成物である。
【実施例】
【0025】
下記の実施例は、例示目的のみのためであり、本発明の範囲を限定することを意図しない。合成ガスは、マセソン社(Matheson)又はエアガス社(Airgas)から得た。これは、他の方法で記載した以外は、H2/COの2:1モル対モル混合物を指す。
【0026】
例1:ジメチルアミノメチルアルカン混合物の製造
【0027】
【化2】

【0028】
ネオデン(Neodene)(登録商標)オレフィンブレンド(シェル・ケミカル社(Shell Chemical)から得た、10/1112/13/12、319g)オレフィン基体を、1ガロン(4−L)反応器内のTHF(680g)に添加した。この溶液に、ジメチルアミン(222g)並びにTHF(374g)中の、[Rh(CO)2(acac)](3.7g)及びトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(46.2g、アルドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical)から得た)から製造した錯体の溶液を添加した。最終ロジウム濃度は、約900重量ppmであった。この混合物を80℃に加熱し、そして合成ガスで600psi(4140kPa)にまで加圧し、そしてこれらの条件下で7時間攪拌した。反応器を21℃に一夜冷却し、そして気相を排気した。窒素流下で約1時間攪拌して、過剰のジメチルアミンの大部分を除去した後、反応器内容物を一度に取り出し、THFを分離し、そしてクーゲルロール(Kugelrohr)装置を使用して蒸留して、無色の流動性液体(427g、99%収率)を得た。
【0029】
例2:ジエタノールアミンによるオレイン酸ジエタノールアミドのヒドロアミノメチル化
【0030】
【化3】

【0031】
オレイン酸アミド(13.49g)、ジエタノールアミン(4.51g)及びTHF溶媒(20mL)を、窒素パージした反応器に注射器によって添加した。この反応器を約200psi(1380kPa)の合成ガス下で攪拌して、溶液を飽和させた。排気した後、THF中の、[Rh(CO)2(acac)](5351重量ppmのRh)及びトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト配位子(5.00モルの配位子/Rhのモル)の予め製造した触媒溶液のアリコート(10.4g)を反応器に添加した。この反応器を密閉し、そして合成ガスで加圧し、そして80℃に加熱した。圧力を、追加の合成ガスによって600psi(4140kPa)にまで上昇させ、次いで、合成ガスを、必要に応じて、この圧力で反応の間供給した。4.5時間後に、反応器を冷却し、排気し、そして反応器内容物を取り出した。琥珀色の溶液を、シクロヘキサン、次いでトルエンで抽出し、そして上澄み液を廃棄した。アセトニトリルを下の褐色層に添加し、そして簡単に攪拌した。攪拌を止めたとき、粘稠な蜂蜜色の下層を、デカンテーションによって単離した(16.7g)。H−1及びC−13NMR分光法によって、この生成物が、幾らか過剰のジエタノールアミンを有する所望物であったことが示された。質量分析法(イソブタンでCI)は、489で(M+H)+ピーク及び545で(M+H+イソブテン)+ピークを示し、分子量を立証する。
【0032】
例3:ジベンジルアミンによる末端不飽和イソポリプロピレンのヒドロアミノメチル化
【0033】
【化4】

【0034】
約1800g/モルの重量平均分子量Mwを有するビニリデン末端停止ポリプロピレン(5.43g、ベイカー・ヒューズ社(Baker-Hughes Corporation)から得た)を、トルエン(70mL)中に溶解させた。この溶液の一部(65mL)を、100mLのパル(Parr)反応器に移し、その際に、ジベンジルアミン(2mL、9.8ミリモル)及び錯体を含有する溶液([Rh(CO)2(acac)](2.56g)及び2,4−ジ−t−ブチルフェニルホスファイト(32.09g)を、200.73gの全溶液質量を得るために十分なTHF中に溶解させることによって製造した貯蔵溶液の20mL)を添加した。この反応器を密閉し、そして合成ガスで600psi(4140kPa)にまで加圧し、そして80℃に130分間加熱した。反応後に、圧力を解放し、そして反応器を開け、その間に温度はまだ60℃であり、そして内容物をガラスビーカーの中に排出した。メタノール(約2倍体積)の添加によって、ポリマー生成物を沈殿させた。固体物質を濾別し、洗液が無色になるまで、メタノールで洗浄した。この物質を真空中で乾燥させて、5.31グラムの生成物を得、C−13及びH−1NMR分光法によってキャラクタリゼーションした。
【0035】
例4:アンモニアによるシクロヘキセンのヒドロアミノメチル化
【0036】
【化5】

【0037】
例3に記載したような貯蔵錯体溶液の一部(10mL)、THF(10mL)、シクロヘキセン(0.93g、11.07ミリモル)及びアンモニア(ジオキサン中の0.5M溶液の30mL)を、100mLのパル反応器に装入した。この反応器を、合成ガスで400psi(2760kPa)にまで加圧し、そして80℃に220分間加熱し、次いで冷却し、そしてガスクロマトグラフィーのためにサンプリングした。結果は、シクロヘキセンの94%が消費されたこと並びに主生成物が、トリ(シクロヘキシルメチル)アミン(90%)、ジ(シクロヘキシルメチル)アミン(3%)及びシクロヘキシルメタノール(7%)であったことを示している。
【0038】
例5:モルホリンによるエチリデンノルボルネンのヒドロアミノメチル化
【0039】
【化6】

【0040】
例3からの貯蔵触媒溶液のアリコート(9.81g)を、THF(36.54g)及びモルホリン(2.02g)と共に、100mLのパルオートクレーブに装入した。反応器を、合成ガスの200psi(1380kPa)下で15分間攪拌した。圧力を排気し、その際に、エチリデンノルボルネン(0.96g)を添加した。この反応器を、合成ガスで400psi(2760kPa)にまで加圧し、そして80℃に150分間加熱した。次いで反応器を冷却し、そして内容物を、ガスクロマトグラフィー/質量分析法によって分析し、それによって、出発物質が、構造1(46%)及び構造2(54%)に相当する分子量を有するモノアミン及びジアミンの異性体の混合物に、殆ど完全に転化されたことが示された。
【0041】
例6:ジエタノールアミンによるポリ(1,2−ブタジエン)のヒドロアミノメチル化
【0042】
【化7】

【0043】
ポリ(1,2−ブタジエン)の溶液(サイエンティフィック・デザイン社(Scientific Design Company)から得た。Mw約100,000、ビニル93%、1,4−シス7%、50mLのTHF中5.1重量%)を、9.45gのジエタノールアミンと共に、100mLのパル反応器の中に装入した。反応器を合成ガスでパージし、そして排気し、その際に、錯体の溶液([Rh(CO)2(acac)](2.52g)及び2,4−ジ−t−ブチルフェニルホスファイト(31.06g)を、THF(157.6g)中で混合することによって製造した貯蔵錯体溶液からの157.6g)を添加した。この反応器を、合成ガスで400psi(2760kPa)にまで加圧し、そして80℃に殆ど4時間加熱した。反応器を冷却し、そして内容物を取り出した。この不溶性褐色ポリマーをメタノール中に溶解させ、そしてアセトンで沈殿させ、次いで遠心分離によって回収し、そしてH−1及びC−13NMR分光法によって分析して、表示生成物が生成されたことを確認した。
【0044】
例7:モルホリンによるスチレンのヒドロアミノメチル化
【0045】
【化8】

【0046】
[Rh(CO)2(acac)](0.100g)、2,4−ジ−t−ブチルフェニルホスファイト(1.355g)、テトラヒドロフラン(50mL)、モルホリン(14.62g)及びスチレン(8.81g)を、100mLのパル反応器に装入し、次いで380psi(2620kPa)にまで加圧し、そして80℃に4時間加熱した。反応器を冷却し、そして内容物をGC質量分析法/赤外分光法によって分析した。生成物の分布は下記の通りであることがわかった。
【0047】
2−フェニルプロピオンアルデヒド 6%
2−フェニルプロパノール 2%
1−モルホリノ−2−フェニルプロパン 40%
1−モルホリノ−3−フェニルプロパン 40%
2−フェニルプロピオンアルデヒドモルホリンエナミン 10%
1−2/3−ジモルホリノ−3−フェニルプロパン 2%
【0048】
例8:モルホリンによるテトラヒドロベンズアルデヒドのヒドロアミノメチル化
【0049】
【化9】

【0050】
100mLのパル反応器に、[Rh(CO)2(acac)](127.1mg)、配位子1(2.84g)、ジオキサン(50mL)、ヘキサン(GC内部標準、1223.5mg)、テトラヒドロベンズアルデヒド(5.52g)及びモルホリン(9.08g)を装入した。反応器を1000psi(6890kPa)の1:1 H2/COで加圧し、そして90℃に4時間加熱した。90分間後に、ジアミンへの選択率は94%であり、検出可能なエナミンは無かった。
【0051】
【化10】

【0052】
例9:ジメチルアミンによるポリブタジエンのヒドロアミノメチル化
【0053】
【化11】

【0054】
ポリ(シス−1,4−ブタジエン)の貯蔵溶液(376.1gのTHF中19.47g)のアリコート(23.31g)を、100mLのパル反応器に添加し、次いで反応器を密閉し、そして300psi(2070kPa)の合成ガスで加圧した。排気した後、錯体の溶液([Rh(CO)2(acac)](3.0001g)、2,4−ジ−t−ブチルフェニルホスファイト(37.77g)及びTHF(229.2g)の貯蔵溶液から、9.73g)を添加し、続いてジメチルアミン(3.13g)を添加した。反応器を合成ガスで600psi(4140pKa)にまで加圧し、次いで80℃に加熱した。約135分間後に、反応器を冷却し、そして圧力を排気した。反応器を開き、そして内容物をフラスコに移した。アイオノール(Ionol)(酸化防止剤)の1重量%の溶液を添加したが、沈殿は生成しなかった。溶媒を真空中で除去し、そして生成物をエーテル中に溶解させ、アセトンで沈殿させて、灰白色ゴム状物質を得た。この生成物を真空中で一夜乾燥させ、そしてH−1NMR分光法によってキャラクタリゼーションした。H−1スペクトルによって、約5.4ppmでのオレフィン性C−H共鳴の殆ど完全な不存在が示された。2.145及び2.064での新規なピークは、それぞれ(CH32NCH2−及び(CH32NCH2−に帰属された。更に、飽和ポリマー鎖に起因する1.1〜1.6での共鳴も存在した。
【0055】
例10:3−アミノメチル−プロピオニトリルによるビニリデン末端停止ポリ(4−メチル−1−ペンテン)のヒドロアミノメチル化
【0056】
【化12】

【0057】
1ガロンのステンレススチールオートクレーブに、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)(76.04g、3.5ミリモルオレフィン官能化、約22000のMn)、1.5Lのトルエン及び3−アミノメチル−プロピオニトリル(20mL、215.6ミリモル)を装入した。オートクレーブを圧力試験し、N2で簡単にパージし、合成ガス(2:1 H2/CO)でパージし、そして内容物を400psiの合成ガス(2:1 H2/CO)下で20分間攪拌した。反応器を60℃にまでゆっくり加熱し、排気し、そして250mLのトルエン中のRh(CO)2(acac)(4.42g、17.1ミリモル)及びトリス−2,4−ジ−t−ブチルフェニルホスファイト(23.34g、36.1ミリモル)からなる触媒溶液を、加圧した(80psiN2)ホワイティ(Whitey)シリンダーを経て装入した。次いで反応器を80℃にまで加熱し、合成ガス(2:1 H2/CO)で400psiにまで加圧し、そして14時間攪拌した。60℃に冷却した後、反応器をN2でパージし、一度に取り出した。等体積のMeOHを添加して、ポリマー沈殿を誘発した。得られた固体を濾過し、そして濾液が無色になるまでアセトンで洗浄した(約2L)。フィルターケークを真空オーブン内で一夜乾燥させ、そしてサンプルを1H NMRに付した。NMRデータの解析によって、所望の生成物への65〜70%転化率で、出発物質の不完全な転化が明らかになった。単離したポリマー混合物(下記参照)68.75gを、追加の1.5Lのトルエン及び3−アミノメチル−プロピオニトリル(20mL、215.6ミリモル)と共に、同じステンレススチールオートクレーブに添加した。前記のようにして合成ガスでパージし、そして攪拌した後、反応混合物を60℃にまで加熱し、そして250mLのTHF中のRh(CO)2(acac)(4.31g、16.7ミリモル)及びトリス−2,4−ジ−t−ブチルフェニルホスファイト(22.99g、35.5ミリモル)からなる触媒溶液を添加した。反応器を80℃にまで加熱し、合成ガス(2:1 H2/CO)で400psiにまで加圧し、そして更に14時間攪拌した。前記のようにして生成物を単離して、63.58gの無色の粉末を得た。サンプルを1H NMRに付した。NMRデータの解析によって、この物質が、所望のアミノメチル化生成物に完全に転化したことが示された。
【0058】
例11:ピペリジンによるα−シクロヘキシルスチレンのヒドロアミノメチル化
【0059】
【化13】

【0060】
A.α−シクロヘキシルスチレンの合成
シクロヘキシルフェニルケトンから、標準的ウィッティッヒ化学を使用して、α−シクロヘキシルスチレンを製造した(Gupta,P.;Fernandes,R.A.;Kumar,P.、Tet.Lett.、2003年、第44巻、第4231−4232頁)。メチルトリフェニルホスホニウムブロミド(29.57g、82.77ミリモル)を、グローブボックス内で600mLのTHF中にスラリー化した。この混合物を2℃にまで冷却し、そしてnBuLi(ヘキサン中1.6M、52mL)を15分間かけて添加した。1時間後に、固体シクロヘキシルフェニルケトン(15.18g、80.63ミリモル)を添加し、そして溶液を、一夜で室温にまでゆっくり加温した。水(200mL)を添加した。この溶液をEt2O(3×150mL)で抽出した。一緒にした有機抽出液を、食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、そして真空下で蒸発させて、黄褐色液体を得た。放置するとPh3POが結晶化し、これを濾過によって除去し、そしてヘキサン(200mL)で洗浄した。ヘキサン溶液を、中性アルミナの2inカラムに通して濾過し、追加の200mLのヘキサンで洗浄した。濾液を蒸発させて無色の液体にし、これを蒸留して(46−49℃/0.1mmHg)、13.72gの無色の液体(89%収率)を得た。
【0061】
B.一般的ヒドロホルミル化手順
THF溶媒への配位子及びRh(CO)2(acac)貯蔵溶液の添加、続くオレフィン溶液の添加によって、ヒドロホルミル化溶液を製造した。それぞれの反応器セル内の液体の全量は4mLであった。配位子溶液(単座配位子について0.11M)及びRh(CO)2(acac)(0.05M)を、ドライボックス内で、適切な量の化合物をトルエン中に室温で溶解させることによって製造した。オレフィン溶液は、2.3493gのα−シクロヘキシルスチレン及び0.6444gのドデカン(GC内部標準として)(1:0.3モル比)を混合することによって製造した。ヒドロホルミル化反応は、不活性雰囲気グローブボックス内に収容されたアーゴノート・エンデバー(Argonaut Endeavor)(登録商標)反応器システム内で実施した。この反応器システムは、個別の温度及び圧力制御を有する、8個の並列の機械的に攪拌した圧力反応器からなっている。触媒溶液を装入して、反応器を合成ガス(CO:H2−1:1)で加圧し、次いで800rpmで攪拌しながら所望の温度にまで加熱した。16時間後にシステムを排気することによって、運転を停止した。反応器を開けて、それぞれの反応混合物の0.1mLを取り出し、1.6mLのトルエンで希釈し、そしてこの溶液をガスクロマトグラフィーによって分析した。全てのGC分析を、下記の温度プログラム、即ち、100℃で5分間、次いで10℃/分で250℃に、次いで5分間保持を使用して、DB−5カラム上で実施した。
【0062】
C.ピペリジンの逐次添加によるヒドロアミノメチル化
反応器に、Rh(CO)2(acac)の0.05M溶液0.085mL及びドバーホス(Doverphos)の0.11M溶液0.085mL(2.2の配位子:Rh比)を装入し、続いて、3.2mLのTHF及び0.6mLのオレフィン溶液(α−シクロヘキシルスチレン及びドデカンの1:0.3溶液、オレフィン基体:Rhの500:1比)を添加した。反応混合物を、90℃で300psiの合成ガス圧力下で、18時間加熱した。α−シクロヘキシルスチレンの所望の3−シクロヘキシル−3−フェニル−プロピオンアルデヒドへの転化率はGC分析基準で96.5%であった。室温にまで冷却した後、反応器を開き、そして0.25mLのピペリジン(ピペリジン:アルデヒド基体の比1.2:1)。反応器を閉じた後、反応混合物を、90℃で300psiの合成ガス圧力下で、18時間加熱した。GC分析によって、95%収率での、所望のアミン、1−(3−シクロヘキシル−3−フェニル−プロピル)−ピペリジンの生成が示された。この反応混合物を反応器から取り出し、減圧下で溶媒を除去して、油を残した。この残渣に、約13mLのアセトニトリルを添加し、そしてヒートガンを使用して溶液を加熱した。溶液を冷凍庫(−5℃)の中に入れた。2日後に、溶液をデンカンテーションし、残留する薄黄色油を冷アセトニトリル(2×3mL)で洗浄し、次いで減圧下で乾燥させて、150mgのきれいな生成物を得た。1H(C66):δ 0.65−1.66(m,17H),1.83(m,1H),1.92−2.31(m,7H),2.36(m,1H),7.04(m,3H),7.13(m,2H)。13C{1H}及びAPT(C66):δ 25.30(CH2),26.84(CH2),27.09(CH2),27.15(CH2),30.75(CH2),31.58(CH2),31.93(CH2),43.79(CH),50.49(CH),55.09(CH2),58.06(CH2),126.09(CH),128.30(CH),128.86(CH),144.82(C)。GC−MS(m/e):285。
【0063】
D.ピペリジンの逐次添加無しのヒドロアミノメチル化(比較例)
反応器に、Rh(CO)2(acac)の0.05M溶液0.085mL及びトリス(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイトの0.11M溶液0.085mL(2.2の配位子:Rh比)を装入し、続いて、3.2mLのTHF、0.6mLのオレフィン溶液(α−シクロヘキシルスチレン及びドデカンの1:0.3溶液、オレフィン基体:Rhの500:1比)及び0.25mLのピペリジン(ピペリジン:オレフィン基体の比1.2:1)を添加した。反応混合物を、90℃で300psiの合成ガス圧力下で、18時間加熱した。α−シクロヘキシルスチレンの転化率は、GC分析基準で11.7%であった。
【0064】
例12:イブチリドの製造
【0065】
【化14】

【0066】
A.4−メタンスルホンアミドベンズアルデヒドの製造
【0067】
【化15】

【0068】
4−ニトロベンズアルデヒド(6.60g、43.67ミリモル)及びp−トルエンスルホン酸一水和物(153mg、0.804ミリモル)の溶液を、150mLのトルエン中に溶解させた。エチレングリコール(5mL)を添加し、そしてこの溶液をディーン・シュタルク(Dean-Stark)トラップで還流させて、水を共沸的に除去した。1時間後に、反応物を冷却させ、その際に、100mLのジエチルエーテルを添加した。この溶液を、飽和NaHCO3溶液で2回、次いで飽和NaCl溶液で洗浄した。この溶液をMgSO4で乾燥させ、蒸発させて、4−ニトロベンズアルデヒドエチレングリコールアセタールを黄色固体として得た(8.13g、95%収率)。
【0069】
PtO2(502mg、2.21ミリモル)及びMgSO4(7.34g、61.0ミリモル)を、60mLのTHF中の4−ニトロベンズアルデヒドエチレングリコールアセタール(5.93g、30.4ミリモル)の溶液に添加した。得られた懸濁液を、70psiのH2下で、5時間攪拌した。濾過によって固体を除去し、濾液を蒸発させて、4−アミノベンズアルデヒドエチレングリコールアセタールを金色液体として得た。
【0070】
4−アミノベンズアルデヒドエチレングリコールアセタール(1.793g、10.86ミリモル)を、25mLのCH2Cl2中に溶解させ、そして0℃にまで冷却した。ピリジン(925mg、11.7ミリモル)を添加し、続いてメタンスルホニルクロリド(1.369g、11.9ミリモル)を30分間かけて滴下により添加した。この溶液を、攪拌しながら、室温にまで加温した。16時間後に、6M NaOH(5mL)を添加し、続いて150mLの水を添加した。水性層を分離し、50mLのCH2Cl2で洗浄し、次いで2M HClでpH1まで酸性にした。得られた懸濁液を酢酸エチル(4×50mL)の中に抽出し、これをMgSO4で乾燥させ、蒸発させて、4−メタンスルホニルベンズアルデヒドを橙色固体として得た(920mg、42%収率)。
【0071】
B.4−MeSO2N(H)C64[C(H)(OH)(CH=CH2)]の製造
【0072】
【化16】

【0073】
13mLのTHF中の4−メタンスルホニルベンズアルデヒド(834mg、4.19ミリモル)の溶液を、THF中の1.0M(H2C=CH2)MgBrの8.5mLに添加した。得られた懸濁液を、3.5時間攪拌し、次いで10mLの飽和NH4Cl溶液でクエンチした。この溶液をジエチルエーテル(2×20mL)で抽出し、そして分離した。一緒にした有機抽出液を水及び飽和NaCl溶液で洗浄した。MgSO4で乾燥させた後、この溶液を蒸発させて、4−MeSO2N(H)C64[C(H)(OH)(CH=CH2)]を橙色液体として得た(1.036g)。
【0074】
C.エチル−n−ヘプチルアミンの製造
100mLのCH2Cl2中のn−ヘプチルアミン(10.31g、89.4ミリモル)の溶液を、氷浴中で冷却した。ピリジン(7.5mL、92.7ミリモル)を添加した。塩化アセチル(8.0mL、11ミリモル)を、2分間かけて徐々に添加した。氷浴を取り去り、溶液を室温にまで加温した。1時間後に、水(100mL)を添加し、そして有機層を分離した。水性層を100mLのCH2Cl2で抽出した。一緒にした有機抽出液を、10%HCl水溶液、飽和NaHCO3溶液、次いで飽和NaClで洗浄した。この溶液をMgSO4で乾燥させ、そして蒸発させて、n−ヘプチルアセトアミドを無色液体として得た(13.73g、98%収率)。
【0075】
6mLのジエチルエーテル中のn−ヘプチルアセトアミド(6.076g、38.63ミリモル)の溶液を、150mLのジエチルエーテル中のLiAlH4(4.60g、0.121モル)の懸濁液に滴下により添加した。この懸濁液を8時間還流させ、氷中で冷却し、4mLのH2O、4mLの2M NaOH及び12mLのH2Oでクエンチした。得られた懸濁液を濾過し、そして濾液をNa2SO4で乾燥させた。溶媒を蒸発させて、(n−C715)N(H)C25を無色液体として得た(5.29g、95%収率)。
【0076】
D.イブチリドの製造
Rh(CO)2(acac)(6.9mg、27マイクロモル)及び配位子2(25.0mg、29.8マイクロモル)を、窒素下で3mLのTHF中に溶解させた。この溶液を、機械的に攪拌したオートクレーブに移し、そして400psi(2760kPa)の1:1H2/CO下で30分間攪拌した。3mLのTHF中の4−MeSO2N(H)C64[C(H)(OH)(CH=CH2)](438mg、1.93ミリモル)及び(n−C715)N(H)C25(283mg、1.97ミリモル)の溶液を、H2/COの流れに対向して反応器の中に注入した。反応器を、400psi(2760kPa)の1:1H2/CO下で75℃で加熱した。18時間後に、反応器を環境温度にまで冷却し、そして排気した。反応混合物を蒸発させ、そしてCH2Cl2(20mL)中に再溶解させた。生成物を2M NaOH(2×15mL)の中に抽出した。次いで水性層を10%HClで中和し、次いでCH2Cl2(3×10mL)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥させ、蒸発させて、生成物を橙色液体(410mg)として得た。GC−MSにより、生成物が、イブチリド及び枝分かれした異性体の混合物(線状:分枝状=25:1)からなっていたことが示された。
【0077】
【化17】

【0078】
例13:アリピラゾール(Aripirazole)の製造
【0079】
【化18】

【0080】
Rh(CO)2(acac)(4.7mg、18マイクロモル)及び配位子2(19.7mg、23マイクロモル)を、窒素下で3mLのTHF中に溶解させた。この溶液を、機械的に攪拌したオートクレーブに移し、そして400psi(2760kPa)の1:1H2/CO下で30分間攪拌した。7mLのTHF中の、1−(2,3−ジクロロフェニル)ピペラジン(616mg、2.66ミリモル、Moritaら、Tetrahedron、1998年、第54巻、第4811頁の手順に従って製造することができる)及び7−(アリルオキシ)−3,4−ジヒドロ−2(1H)−キノリン(547mg、2.69ミリモル、国際特許出願公開第WO96/02508号明細書に記載された手順に従って製造することができる)の溶液を、H2/COの流れに対向して反応器の中に注入した。反応器を、400psi(2760kPa)の1:1H2/CO下で75℃で加熱した。16時間後に、反応器を環境温度にまで冷却し、そして排気した。反応混合物を蒸発させ、そして10mLのCHCl3中に再溶解させた。溶液を10%HCl溶液、飽和NaHCO3溶液、次いで飽和NaCl溶液で洗浄した。MgSO4で乾燥させた後、この溶液を蒸発させて、橙色油にした。
【0081】
例14:テルフェナジンの製造
【0082】
【化19】

【0083】
A.p−t−BuC64[C(H)(OH)(CH=CH2)]の製造
【0084】
【化20】

【0085】
BrMg(ビニル)(THF中1.0M、38ミリモル)を、15mLのTHF中のp−t−BuC64CHO(4.199g、25.88ミリモル)の溶液に、窒素下で滴下により添加した。この溶液を室温で18時間攪拌し、次いで2時間還流させた。飽和NH4Cl水溶液(50mL)を添加し、この溶液をジエチルエーテル(2×75mL)で抽出した。一緒にした有機抽出液を、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、そしてMgSO4で乾燥させた。この溶液を蒸発させて、黄色油にした(5.24g)。
【0086】
B.テルフェナジンの製造
Rh(CO)2(acac)(5.4mg、21マイクロモル)及び配位子2(23.9mg、28マイクロモル)を、窒素下で3mLのTHF中に溶解させた。この溶液を、機械的に攪拌したオートクレーブに移し、そして250psiの1:1H2/CO下で2時間攪拌した。7mLのTHF中の、p−t−BuC64[C(H)(OH)(CH=CH2)](676mg、3.55ミリモル)及びα,α−ジフェニル−4−ピペリジノメタノール(950mg、3.55ミリモル、アクロス社(Acros)から市販されている)の溶液を製造した。圧力をオートクレーブから解放し、基体の溶液を、1:1H2/COの流れに対向して反応器の中に注入した。反応器を、400psi(2760kPa)の1:1H2/CO下で75℃で加熱した。18時間後に、反応器を環境温度にまで冷却し、そして排気した。反応混合物を蒸発させて、1.82gの粘稠な橙色液体を得た。この液体は、放置するとゆっくり結晶化した。
【0087】
例15:テルフェナジンの別の製造
A.p−t−BuC64[C(H)(OSiMe3)(CH=CH2)]の製造
【0088】
【化21】

【0089】
アジドトリメチルシラン(5.0mL、37.7ミリモル)を、5mLの無水CH3CN中のp−t−BuC64[C(H)(OH)(CH=CH2)](5.24g、27.54ミリモル)の溶液に、窒素下で添加した。この溶液を環境温度で3日間攪拌した。溶媒を真空中で除去して、生成物を黄色液体として得た(6.27g、23.9ミリモル、87%収率)。
【0090】
B.O−トリメチルシリルテルフェナジンの合成
【0091】
【化22】

【0092】
Rh(CO)2(acac)(9.3mg、36マイクロモル)及び配位子2(37.5mg、44.7マイクロモル)を、窒素下で3mLのTHF中に溶解させた。この溶液を、機械的に攪拌したオートクレーブに移し、そして400psiの1:1H2/CO下で15分間攪拌した。p−t−BuC64[C(H)(OSiMe3)(CH=CH2)](1.212g、4.618ミリモル)及びα,α−ジフェニル−4−ピペリジノメタノール(1.240g、4.638ミリモル、アクロス・オーガニックス社(Acros Organics)から市販されている)を、10mLのTHF中に溶解させた。圧力をオートクレーブから解放し、基体の溶液を、1:1H2/COの流れに対向して反応器の中に注入した。反応器を、400psi(2760kPa)の1:1H2/CO下で75℃で加熱した。18時間後に、反応器を環境温度にまで冷却し、そして排気した。反応混合物を蒸発させて、2.29gの粘稠な橙色液体を得た。
【0093】
C.テルフェナジンの合成
Bからの粗製反応生成物(2.29g、4.21ミリモル)を、20mLの無水THF中に溶解させた。固体[(PhCH2)NMe3+-(870mg、1.20当量)を添加し、そして得られた懸濁液を環境温度で3日間攪拌した。水を添加し、そして溶液をジエチルエーテル(2×20mL)で抽出した。一緒にした有機抽出液を、H2O(10mL)続いて食塩水(10mL)で抽出した。この溶液をMgSO4で乾燥させ、そして蒸発して、2.146gの粘稠な橙色液体を得た。この液体は、放置するとゆっくり固化して、所望の生成物になった。
【0094】
例16:フェキソフェナジンメチルエステルの製造
【0095】
【化23】

【0096】
A.p−[Me2(CO2Me)C]C64CHOの製造
【0097】
【化24】

【0098】
p−[Me2(CO2Me)C]C64CHO(p−(α−カルボメトキシ−α′−メチル)エチルベンズアルデヒド)
p−ブロモベンズアルデヒド(15.4g、83.2ミリモル)及びp−トルエンスルホン酸一水和物(200mg、1.05ミリモル)の溶液を、300mLのトルエン中に溶解させた。エチレングリコール(10mL)を添加し、そしてこの溶液をディーン・シュタルクトラップで還流させて、水を共沸的に除去した。4時間後に、100mLの酢酸エチルを添加した。この溶液を、氷水、飽和NaHCO3溶液、次いで飽和NaCl溶液で洗浄した。この溶液をMgSO4で乾燥させ、蒸発させて、p−ブロモベンズアルデヒドエチレングリコールアセタールを無色油として得、この油は、放置すると結晶化した(18.02g、95%収率)。
【0099】
リチウムジシクロヘキシルアミド(10.717g、57.23ミリモル)を、窒素下で90mLのトルエン中に溶解させた。イソ酪酸メチル(4.962g、48.60ミリモル)を添加し、そして得られた溶液を10分間攪拌した。次いで、この溶液を、固体p−ブロモベンズアルデヒドエチレングリコールアセタール(10.101g、44.09ミリモル)及びジパラジウムトリス(ベンジリデンアセトン)(408mg、0.891ミリモルPd)に添加した。固体トリ−t−ブチルホスフィン(186.4mg)を添加し、そして得られた溶液を一夜攪拌した。ジクロロメタン(400mL)及び5%HCl溶液(400mL)を添加した。この反応混合物を濾過して、毛房状のグレー色固体を除去した。有機層を分離し、200mLの5%HCl溶液、水(200mL)及び飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄した。得られた溶液を真空中で蒸発させて、黄色液体を得、これを150mLの2:1アセトン−H2O中に溶解させた。ピリジニウムp−トルエンスルホネート(478mg)を添加し、この溶液を一夜攪拌した。アセトンをロータリー蒸発によって除去し、そして生成物をジエチルエーテルの中に抽出した。この溶液を、45mLの水で2回、次いで飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄した。この溶液をMgSO4で乾燥させ、蒸発させて、生成物を明黄色油として得た。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、9:1ヘキサン−EtOAc)による精製によって、所望の生成物を薄黄色液体として得た(7.27g、80%収率)。
【0100】
B.p−[Me2(CO2Me)C]C64[C(H)(OH)(CH=CH2)]の製造
【0101】
【化25】

【0102】
BrMg(ビニル)(THF中1.0M、14ミリモル)を、5mLのTHF中のp−t−BuC64CHO(2.896g、14.04ミリモル)の溶液に、窒素下で滴下により添加した。この添加によって大きな発熱になり、溶液を沸騰させた。この溶液を室温で1.5時間攪拌した。飽和NH4Cl水溶液(30mL)を添加し、この溶液をジエチルエーテル(2×50mL)で抽出した。一緒にした有機抽出液を、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、そしてMgSO4で乾燥させた。この溶液を蒸発させて、黄色油としての所望の生成物にした(5.24g)。
【0103】
C.フェキソフェナジンメチルエステルの製造
Rh(CO)2(acac)(5.7mg、22マイクロモル)及び配位子2(23.5mg、28マイクロモル)を、窒素下で3mLのTHF中に溶解させた。この溶液を、機械的に攪拌したオートクレーブに移し、そして250psiの1:1H2/CO下で1時間攪拌した。p−[Me2(CO2Me)C]C64[C(H)(OH)(CH=CH2)](639mg、2.73ミリモル)及びα,α−ジフェニル−4−ピペリジノメタノール(730mg、2.73ミリモル)の溶液を、10mLのTHF中で製造した。圧力をオートクレーブから解放し、基体の溶液を、1:1H2/COの流れに対向して反応器の中に注入した。反応器を、400psi(2760kPa)の1:1H2/CO下で75℃で加熱した。18時間後に、反応器を環境温度にまで冷却し、そして排気した。反応混合物を蒸発させて、1.49gの所望の生成物を、橙色泡状固体として得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒドロアミノメチル化条件下で、a)オレフィン、b)第一級若しくは第二級アミン又はアンモニア、c)中性ロジウム−単座ホスファイト配位子錯体及びd)合成ガスを接触させる工程を含んでなる方法。
【請求項2】
中性ロジウムプロ触媒を単座ホスファイト配位子と接触させることによって錯体を製造する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
中性ロジウムプロ触媒が[Rh(CO)2(acac)]、[Rh4(CO)12]、[Rh2(OAc)4]、[Rh(C242(acac)]、[Rh(シクロオクタジエン)(acac)]及び[Rh(acac)3]からなる群から選択される請求項2に記載の方法。
【請求項4】
オレフィンがシクロヘキセン、オレイン酸ジエタノールアミン、末端不飽和イソポリプロピレン、エチリデンノルボルネン、ポリブタジエン、スチレン、α−シクロヘキシルスチレン及びテトラヒドロベンズアルデヒドからなる群から選択され、そしてアミン又はアンモニアがジメチルアミン、N,N′−ジメチルプロピレンジアミン、モルホリン、ピペリジン、ジエタノールアミン、ジベンジルアミン及びアンモニアからなる群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項5】
単座ホスファイト配位子がトリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリ−o−トリルホスファイト、トリ−p−トリルホスファイト、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリ−n−プロピルホスファイト、トリ−n−ブチルホスファイト、トリ−t−ブチルホスファイト、トリ−1−ナフチルホスファイト、トリ−2−ナフチルホスファイト、2,2′−ビフェノールフェニルホスファイト、2,2′,4,4′−テトラ−t−ブチル−2,2′−ビフェノール 2,4−ジ−t−ブチルフェニルホスファイト及びトリベンジルホスファイトからなる群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項6】
第一級若しくは第二級アミン又はアンモニアを、反応の開始時に添加するか、又はヒドロホルミル化の中間生成物へのオレフィンの転化後に逐次的に添加する請求項1に記載の方法。
【請求項7】
オレフィンを1,1′−二置換させ、そして第一級若しくは第二級アミン又はアンモニアを、ヒドロホルミル化の中間生成物へのオレフィンの転化後に逐次的に添加する請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ヒドロアミノメチル化条件下で、a)種類ArXCR=CR2のオレフィン、b)第二級アミン、c)ロジウム−リン配位子錯体及びd)合成ガスを接触させる工程を含んでなり、Arがアリール又は置換されたアリールであり、それぞれのRが、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、置換されたアルキル、置換されたシクロアルキル、置換されたアリール又はヘテロ原子含有基であり、そしてXは結合基であるが、Xが−CH2−又は−OCH2−であるとき、リン配位子はホスファイト配位子である方法。
【請求項9】
Arが置換されたフェニルであり、そしてXがヒドロキシメチレンである請求項8に記載の方法。
【請求項10】
Arがp−Y−フェニル又はメタンスルホンアミドフェニル(ここで、YはC(CH32R″(式中、R″は、メチル、シアノ、ヒドロキシメチレン、アルコキシメチレン、カルボヒドロキシ、カルボメトキシ、カルボエトキシ、カルボベンジルオキシ、アミド、オルトホルマート、ホルミル、2−オキサゾリン又は2−ベンズオキサゾールである)である)である請求項9に記載の方法。
【請求項11】
Arがp−t−ブチルフェニル、p−メタンスルホンアミドフェニル又はp−(α−カルボメトキシ−α′−メチル)エチルフェニルである請求項9に記載の方法。
【請求項12】
アミンがα,α−ジフェニル−4−ピペリジノメタノールである請求項11に記載の方法。
【請求項13】
リン配位子がホスファイトである請求項12に記載の方法。
【請求項14】
リン配位子が下記の構造:
【化1】

によって表される請求項12に記載の方法。
【請求項15】
下記の構造:
【化2】

(式中、RはH又はトリアルキルシリルである)
によって表されるオレフィンの群から選択された種類ArXCR=CR2のオレフィン。
【請求項16】
RがHである請求項15に記載のオレフィン。

【公表番号】特表2007−522212(P2007−522212A)
【公表日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−553134(P2006−553134)
【出願日】平成17年1月21日(2005.1.21)
【国際出願番号】PCT/US2005/001624
【国際公開番号】WO2005/077884
【国際公開日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(591123001)ユニオン・カーバイド・ケミカルズ・アンド・プラスティックス・テクノロジー・コーポレイション (85)
【Fターム(参考)】