説明

オレフィン重合用触媒およびオレフィン重合体の製造方法

【課題】高分子量成分を効率よく製造することが可能なオレフィン重合用触媒を提供。
【解決手段】成分(A)3位に置換基を有するシクロペンタジエニル基と置換基を有してもよいフルオレニル基が架橋された構造を持つチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子を含有する特定の遷移金属化合物、成分(B)置換基を有してもよい下記(2)の2個のシクロペンタジエニル基が架橋された構造を持つチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子を含有する遷移金属化合物、及び成分(C)活性化助触媒を構成成分とするオレフィン重合用触媒。


(式中、Mはチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子を表わす。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はオレフィン重合用触媒およびそれを用いたオレフィン重合体の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高圧ラジカル法で製造される低密度ポリエチレン(LDPE)は分岐型ポリオレフィンであり、その側鎖は非線状な樹状構造である。このような構造は溶融流動性、溶融張力などの成形加工性に優れ、ポリマーを溶融加工する際には利点となるが、一方では固体ポリマーの機械的強度および溶融ポリマーの延伸性を低下させるという欠点がある。
【0003】
このため固体ポリマーの機械的強度および溶融ポリマーの延伸性を必要とする用途では、チーグラー触媒またはメタロセン触媒で得られる直鎖状高密度ポリエチレン(HDPE)や直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が一般的に使用されている。しかし、LDPEの利点である良成形加工性をこれらのHDPEおよびLLDPEは有していない。
【0004】
HDPEおよびLLDPEの成形加工性をポリエチレンの製造方法により改良する手法としては、例えば、(イ)従来のチーグラー触媒を用いた多段重合法により分子量分布を広げる方法(例えば、特許文献1〜3参照)、(ロ)伝統的なCr系触媒を用いて長鎖分岐を有するポリエチレンを製造する方法、(ハ)特定のメタロセン触媒を用いてエチレンを重合し、長鎖分岐を有するポリエチレンを製造する方法(例えば、特許文献4参照)、(ニ)特定のメタロセン触媒を用いてエチレンとマクロモノマーを完全に共重合させ、長鎖分岐を有するポリエチレンを製造する方法(例えば、特許文献5参照)、(ホ)エチレン・マクロモノマー共重合体に線状ポリエチレンをブレンドする方法(例えば、特許文献6参照)が提案されている。しかし、これらの方法で得られるポリエチレンの成型加工性は未だ十分ではない。さらに、(イ)および(ロ)の方法で得られるポリエチレンに関しては、分子量分布が広がることにより、機械強度が低下するという問題がある。
【0005】
また、(ヘ)特定のメタロセン化合物を含む触媒を用いて、流動の活性化エネルギー(Ea)が高い、長鎖分岐を有するオレフィン重合体を製造する方法(例えば特許文献7参照)、(ト)特定のメタロセン触媒を用いて、流動の活性化エネルギー(Ea)が高い、オレフィン重合体を製造する方法(例えば特許文献8参照)が提案されているが、(ヘ)および(ト)の方法で得られるオレフィン重合体は、特定の成形加工温度範囲においてのみ高い溶融張力を有し、成形加工において、加工するオレフィン重合体に適した加工機の選定が必要である。
【0006】
機械強度に優れ、幅広い成形加工条件において成形加工性に優れるオレフィン重合体を製造する方法としては、末端にビニル基を有するマクロモノマーとなる低分子量成分を製造する特定の遷移金属化合物、マクロモノマーとオレフィンとを共重合させ高分子量成分を製造する特定の遷移金属化合物を構成成分とする触媒およびそれを用いたオレフィン重合体の製造方法が開示されている(例えば、特許文献9、10参照)。
【0007】
一般に高分子量成分の比率を増加させることでオレフィン重合体の強度は向上する。そのため、高分子量成分の効率よく製造可能な触媒の開発が求められている。また、反応器内でのファウリングを抑制し連続生産性を向上させる目的で、生成するオレフィン重合体の粒子形状の改善が望まれている。
【0008】
メタロセン化合物の重合活性に関して、配位子中のシクロペンタジエニル基およびその類縁体に置換基を導入することで重合活性が向上することが開示されている(例えば、特許文献11)。
【0009】
【特許文献1】特開平2−53811号公報
【特許文献2】特開平2−132109号公報
【特許文献3】特開平10−182742号公報
【特許文献4】米国特許第5,272,236号明細書
【特許文献5】特表平8−502303号公報
【特許文献6】特表2001−511212号公報
【特許文献7】特開2002−105132号公報
【特許文献8】特開2004−292772号公報
【特許文献9】特開2006−321991号公報
【特許文献10】特開2007−169341号公報
【特許文献11】特開平10−226694号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、上記のような従来技術の問題点を解決するため、高分子量成分を効率よく製造することが可能なオレフィン重合用触媒およびそれを用いたオレフィン重合体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、オレフィンとマクロモノマーとを共重合させ高分子量成分を製造する遷移金属化合物として特定の構造を有する遷移金属化合物(成分(A))、マクロモノマーとなる低分子量成分を製造する特定の遷移金属化合物(成分(B))および活性化助触媒(成分(C))を構成成分とするオレフィン重合用触媒において、成分(A)として下記一般式(1)
で表される遷移金属化合物を用いてオレフィン重合体を製造することにより高分子量成分を効率よく製造することが可能であることを見出すに至った。
【0012】
すなわち、本発明は、成分(A)下記一般式(1)
【0013】
【化1】

(ここで、Mはチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、Xは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のシリル基、炭素数1〜20のアミノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基を示す(ここで、炭素数1〜20の炭化水素基の水素原子はシリル基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基またはハロゲン原子によって置換されていても良い)。RからRは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のシリル基、炭素数1〜20のアミノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基を示し(ここで、炭素数1〜20の炭化水素基の水素原子はシリル基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基またはハロゲン原子によって置換されていても良い)、互いに同じでも異なっていてもよい。また、互いに連結し環を形成していても良い。fは0から4の整数を示す。Eは炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子または錫原子である。)で表される遷移金属化合物、
成分(B)下記一般式(2)
【0014】
【化2】

(ここで、Mはチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、Xは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のシリル基、炭素数1〜20のアミノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基を示す(ここで、炭素数1〜20の炭化水素基の水素原子はシリル基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基またはハロゲン原子によって置換されていても良い)。Eは酸素原子、硫黄原子または下記一般式(3)
【0015】
【化3】

(ここでRは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のシリル基、炭素数1〜20のアミノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基を示す(ここで、炭素数1〜20の炭化水素基の水素原子はシリル基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基またはハロゲン原子によって置換されていても良い)。Eはケイ素原子、ゲルマニウム原子または錫原子であり互いに同じでも異なっていても良い。)で表され、eは1から5の整数である。eが2以上の場合、Eは互いに同じでも異なっていてもよい。
Cpは下記一般式(4)、(5)または(6)
【0016】
【化4】

(ここでR〜Rは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のシリル基、炭素数1〜20のアミノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基を示す(ここで、炭素数1〜20の炭化水素基の水素原子はシリル基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基またはハロゲン原子によって置換されていても良い)。)で示され、互いに同じでも異なっていても良い。CpはMとともにサンドイッチ構造を形成している。)で表される遷移金属化合物および
成分(C)活性化助触媒を構成成分とするオレフィン重合用触媒を提供するものである。
【0017】
以下、本発明について詳細に説明する。具体例を挙げるがそれらに限定されるものではない。
【0018】
本発明の成分(A)は一般式(1)で表される遷移金属化合物である。
【0019】
【化5】

(ここで、Mはチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、Xは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のシリル基、炭素数1〜20のアミノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基を示す(ここで、炭素数1〜20の炭化水素基の水素原子はシリル基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基またはハロゲン原子によって置換されていても良い)。RからRは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のシリル基、炭素数1〜20のアミノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基を示し(ここで、炭素数1〜20の炭化水素基の水素原子はシリル基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基またはハロゲン原子によって置換されていても良い)、互いに同じでも異なっていてもよい。また、互いに連結し環を形成していても良い。fは0から4の整数を示す。Eは炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子または錫原子である。)
ここで、一般式(1)において、Xのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げることができる。炭素数1〜20の炭化水素基としては、アルキル基、アリール等が挙げられ、具体的にはメチル基、エチル基、ビニル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、アリル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロへキシル基、フェニル基、ヘプチル基、ベンジル基、2−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、オクチル基、2,6−ジメチルフェニル基、2−エチルフェニル基、ノニル基、クミル基、2−イソプロピルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、2−エチル−6−メチルフェニル基、デシル基、ナフチル基、アダマンチル基、2−ターシャリーブチルフェニル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−イソプロピルフェニル基、ウンデシル基、2−エチル−6−イソプロピル基、2,6−ジエチル−4メチルフェニル基、ドデシル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、2−ビフェニル基、2−シクロへキシルフェニル基、トリデシル基、2,6−ジイソプロピル−4−メチルフェニル基、テトラデシル基、2,6−ジブチルフェニル基、1−アントラセニル基、ペンタデシル基、2,6−ジターシャリーブチル−4−メチルフェニル基、2−フェニル−6−イソプロピル基、ヘキサデシル基、2−ナフチルフェニル基、2−ターシャリーブチル−6−フェニルフェニル基、ヘプタデシル基、2−ターシャリーブチル−4−メチル−6−フェニルフェニル基、オクタデシル基、2,6−ジフェニルフェニル基、ノナデシル基、トリフェニルメチル基、4−メチル2,6−ジフェニルフェニル基、アラキジル基、2,6−ジパラトリルフェニル基等を挙げることができる。炭素数1〜20のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ノルマルプロポキシ基、イソプロポキシ基、ノルマルブトキシ基、イソブトキシ基、ターシャリーブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等を挙げることができる。炭素数6〜20のアリールオキシ基としては、フェノキシ基、パラメチルフェノキシ基、パラメトキシフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、1−ナフトキシ基等を挙げることができる。炭素数1〜20のシリル基としては、トリメチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ジメチルメトキシシリル基、ジメチル−t−ブチルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリフェニルシリル基等を挙げることができる。炭素数1〜20のアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジノルマルプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジノルマルブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基等を挙げることができる。水素原子がシリル基によって置換された炭素数1〜20の炭化水素基としては、トリメチルシリルメチル基、トリフェニルシリルメチル基等をあげることができる。水素原子がアミノ基によって置換された炭素数1〜20の炭化水素基としては、2−ジメチルアミノフェニル基、2−ジエチルアミノフェニル基、2−ジイソプロピルアミノフェニル基等を挙げることができる。水素原子がアルコキシ基によって置換された炭素数1〜20の炭化水素基としては、2−メトキシフェニル基、2−エトキシフェニル基、2−イソプロポキシフェニル基等を挙げることができる。水素原子がアリールオキシ基によって置換された炭素数1〜20の置換炭化水素基としては、2−フェノキシフェニル基等を挙げることができる。水素原子がハロゲン原子によって置換された炭素数1〜20の炭化水素基としては、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基、2−クロロ−1−メチルエチル基等を挙げることができる。
【0020】
ここで、RからRのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等を挙げることができる。炭素数1〜20の炭化水素基としては、アルキル基、アリール等が挙げられ、具体的にはメチル基、エチル基、ビニル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、アリル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロへキシル基、フェニル基、ヘプチル基、ベンジル基、2−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、オクチル基、2,6−ジメチルフェニル基、2−エチルフェニル基、ノニル基、クミル基、2−イソプロピルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、2−エチル−6−メチルフェニル基、デシル基、ナフチル基、アダマンチル基、2−ターシャリーブチルフェニル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−イソプロピルフェニル基、ウンデシル基、2−エチル−6−イソプロピル基、2,6−ジエチル−4メチルフェニル基、ドデシル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、2−ビフェニル基、2−シクロへキシルフェニル基、トリデシル基、2,6−ジイソプロピル−4−メチルフェニル基、テトラデシル基、2,6−ジブチルフェニル基、1−アントラセニル基、ペンタデシル基、2,6−ジターシャリーブチル−4−メチルフェニル基、2−フェニル−6−イソプロピル基、ヘキサデシル基、2−ナフチルフェニル基、2−ターシャリーブチル−6−フェニルフェニル基、ヘプタデシル基、2−ターシャリーブチル−4−メチル−6−フェニルフェニル基、オクタデシル基、2,6−ジフェニルフェニル基、ノナデシル基、トリフェニルメチル基、4−メチル2,6−ジフェニルフェニル基、アラキジル基、2,6−ジパラトリルフェニル基等を挙げることができる。炭素数1〜20のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ノルマルプロポキシ基、イソプロポキシ基、ノルマルブトキシ基、イソブトキシ基、ターシャリーブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等を挙げることができる。炭素数6〜20のアリールオキシ基としては、フェノキシ基、パラメチルフェノキシ基、パラメトキシフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、1−ナフトキシ基等を挙げることができる。炭素数1〜20のシリル基としては、トリメチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ジメチルメトキシシリル基、ジメチル−t−ブチルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリフェニルシリル基等を挙げることができる。炭素数1〜20のアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジノルマルプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジノルマルブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基等を挙げることができる。水素原子がシリル基によって置換された炭素数1〜20の炭化水素基としては、トリメチルシリルメチル基、トリフェニルシリルメチル基等をあげることができる。水素原子がアミノ基によって置換された炭素数1〜20の炭化水素基としては、2−ジメチルアミノフェニル基、2−ジエチルアミノフェニル基、2−ジイソプロピルアミノフェニル基等を挙げることができる。水素原子がアルコキシ基によって置換された炭素数1〜20の炭化水素基としては、2−メトキシフェニル基、2−エトキシフェニル基、2−イソプロポキシフェニル基等を挙げることができる。水素原子がアリールオキシ基によって置換された炭素数1〜20の置換炭化水素基としては、2−フェノキシフェニル基等を挙げることができる。水素原子がハロゲン原子によって置換された炭素数1〜20の炭化水素基としては、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基、2−クロロ−1−メチルエチル基等を挙げることができる。
【0021】
成分(A)の遷移金属化合物の具体例としては、ジフェニルメチレン(3−ビニル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−(2−メチルビニル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−(2,2−ジメチルビニル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−アリル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−(3−メチルアリル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−(3−フェニル−アリル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−(3,3−ジメチルアリル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−(3−ブテニル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−(4−メチル−3−ブテニル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−(4,4−ジメチル−3−ブテニル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−(4−ペンテニル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−(5−メチル−4−ペンテニル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−(5,5−ジメチル−4−ペンテニル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−(5−ヘキセニル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−(6−メチル−5−ヘキセニル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−(6,6−ジメチル−5−ヘキセニル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−ベンジル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−(2−フェニル−エチル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−(3−フェニル−プロピル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(4−フェニル−ブチル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−ビニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ターシャリーブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−(2−メチルビニル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ターシャリーブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−(2,2−ジメチルビニル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ターシャリーブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−アリル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ターシャリーブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−(3−メチルアリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ターシャリーブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−(3−フェニル−アリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ターシャリーブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−(3,3−ジメチルアリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ターシャリーブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−(3−ブテニル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ターシャリーブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−(4−メチル−3−ブテニル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ターシャリーブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−(4,4−ジメチル−3−ブテニル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ターシャリーブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−(4−ペンテニル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ターシャリーブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−(5−メチル−4−ペンテニル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ターシャリーブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−(5,5−ジメチル−4−ペンテニル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ターシャリーブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−(5−ヘキセニル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ターシャリーブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−(6−メチル−5−ヘキセニル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ターシャリーブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−(6,6−ジメチル−5−ヘキセニル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ターシャリーブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−ベンジル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ターシャリーブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−(2−フェニル−エチル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ターシャリーブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−(3−フェニル−プロピル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ターシャリーブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(4−フェニル−ブチル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ターシャリーブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3−ビニル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3−(2−メチルビニル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3−(2,2−ジメチルビニル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3−アリル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3−(3−メチルアリル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3−(3−フェニル−アリル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3−(3,3−ジメチルアリル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3−(3−ブテニル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3−(4−メチル−3−ブテニル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3−(4,4−ジメチル−3−ブテニル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3−(4−ペンテニル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3−(5−メチル−4−ペンテニル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3−(5,5−ジメチル−4−ペンテニル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3−(5−ヘキセニル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3−(6−メチル−5−ヘキセニル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3−(6,6−ジメチル−5−ヘキセニル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3−ベンジル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3−(2−フェニル−エチル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3−(3−フェニル−プロピル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(4−フェニル−ブチル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3−ビニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ターシャリーブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3−(2−メチルビニル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ターシャリーブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3−(2,2−ジメチルビニル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ターシャリーブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3−アリル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ターシャリーブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3−(3−メチルアリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ターシャリーブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3−(3−フェニル−アリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ターシャリーブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3−(3,3−ジメチルアリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ターシャリーブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3−(3−ブテニル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ターシャリーブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3−(4−メチル−3−ブテニル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ターシャリーブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3−(4,4−ジメチル−3−ブテニル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ターシャリーブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3−(4−ペンテニル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ターシャリーブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3−(5−メチル−4−ペンテニル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ターシャリーブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3−(5,5−ジメチル−4−ペンテニル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ターシャリーブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3−(5−ヘキセニル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ターシャリーブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3−(6−メチル−5−ヘキセニル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ターシャリーブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3−(6,6−ジメチル−5−ヘキセニル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ターシャリーブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3−ベンジル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ターシャリーブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3−(2−フェニル−エチル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ターシャリーブチル−9−フ
ルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3−(3−フェニル−プロピル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ターシャリーブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(4−フェニル−ブチル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ターシャリーブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリル(3−アリル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ターシャリーブチル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルゲルミル(3−アリル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ターシャリーブチル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルスタニル(3−アリル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ターシャリーブチル)ジルコニウムジクロリド等を例示することができる。また上記遷移金属化合物の塩素原子をフッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、エチル基、ヒドロキシ基、フェニル基、ベンジル基、トリメチルシリルメチル基に置換した化合物を例示することができる。さらに、上記遷移金属化合物のジルコニウム原子をチタン原子またはハフニウム原子に置換した化合物も例示することができる。
【0022】
本発明の成分(B)は、一般式(2)で表される遷移金属化合物である。
【0023】
【化6】

(ここで、Mはチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、Xは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のシリル基、炭素数1〜20のアミノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基を示す(ここで、炭素数1〜20の炭化水素基の水素原子はシリル基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基またはハロゲン原子によって置換されていても良い)。Eは酸素原子、硫黄原子または下記一般式(3)
【0024】
【化7】

(ここでRは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のシリル基、炭素数1〜20のアミノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基を示す(ここで、炭素数1〜20の炭化水素基の水素原子はシリル基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基またはハロゲン原子によって置換されていても良い)。Eはケイ素原子、ゲルマニウム原子または錫原子であり互いに同じでも異なっていても良い。)で表され、eは1から5の整数である。eが2以上の場合、Eは互いに同じでも異なっていてもよい。
Cpは下記一般式(4)、(5)または(6)
【0025】
【化8】

(ここでR〜Rは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のシリル基、炭素数1〜20のアミノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基を示す(ここで、炭素数1〜20の炭化水素基の水素原子はシリル基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基またはハロゲン原子によって置換されていても良い)。)で示され、互いに同じでも異なっていても良い。CpはMとともにサンドイッチ構造を形成している。)
ここで、Xのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等を挙げることができる。炭素数1〜20の炭化水素基としては、アルキル基、アリール等が挙げられ、具体的にはメチル基、エチル基、ビニル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、アリル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロへキシル基、フェニル基、ヘプチル基、ベンジル基、2−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、オクチル基、2,6−ジメチルフェニル基、2−エチルフェニル基、ノニル基、クミル基、2−イソプロピルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、2−エチル−6−メチルフェニル基、デシル基、ナフチル基、アダマンチル基、2−ターシャリーブチルフェニル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−イソプロピルフェニル基、ウンデシル基、2−エチル−6−イソプロピル基、2,6−ジエチル−4メチルフェニル基、ドデシル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、2−ビフェニル基、2−シクロへキシルフェニル基、トリデシル基、2,6−ジイソプロピル−4−メチルフェニル基、テトラデシル基、2,6−ジブチルフェニル基、1−アントラセニル基、ペンタデシル基、2,6−ジターシャリーブチル−4−メチルフェニル基、2−フェニル−6−イソプロピル基、ヘキサデシル基、2−ナフチルフェニル基、2−ターシャリーブチル−6−フェニルフェニル基、ヘプタデシル基、2−ターシャリーブチル−4−メチル−6−フェニルフェニル基、オクタデシル基、2,6−ジフェニルフェニル基、ノナデシル基、トリフェニルメチル基、4−メチル2,6−ジフェニルフェニル基、アラキジル基、2,6−ジパラトリルフェニル基等を挙げることができる。炭素数1〜20のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ノルマルプロポキシ基、イソプロポキシ基、ノルマルブトキシ基、イソブトキシ基、ターシャリーブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等を挙げることができる。炭素数6〜20のアリールオキシ基としては、フェノキシ基、パラメチルフェノキシ基、パラメトキシフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、1−ナフトキシ基等を挙げることができる。炭素数1〜20のシリル基としては、トリメチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ジメチルメトキシシリル基、ジメチル−t−ブチルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリフェニルシリル基等を挙げることができる。炭素数1〜20のアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジノルマルプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジノルマルブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基等を挙げることができる。水素原子がシリル基によって置換された炭素数1〜20の炭化水素基としては、トリメチルシリルメチル基、トリフェニルシリルメチル基等をあげることができる。水素原子がアミノ基によって置換された炭素数1〜20の炭化水素基としては、2−ジメチルアミノフェニル基、2−ジエチルアミノフェニル基、2−ジイソプロピルアミノフェニル基等を挙げることができる。水素原子がアルコキシ基によって置換された炭素数1〜20の炭化水素基としては、2−メトキシフェニル基、2−エトキシフェニル基、2−イソプロポキシフェニル基等を挙げることができる。水素原子がアリールオキシ基によって置換された炭素数1〜20の置換炭化水素基としては、2−フェノキシフェニル基等を挙げることができる。水素原子がハロゲン原子によって置換された炭素数1〜20の炭化水素基としては、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基、2−クロロ−1−メチルエチル基等を挙げることができる。
【0026】
のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。炭素数1〜20の炭化水素基としては、アルキル基、アリール等が挙げられ、具体的にはメチル基、エチル基、ビニル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、アリル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロへキシル基、フェニル基、ヘプチル基、ベンジル基、2−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、オクチル基、2,6−ジメチルフェニル基、2−エチルフェニル基、ノニル基、クミル基、2−イソプロピルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、2−エチル−6−メチルフェニル基、デシル基、ナフチル基、アダマンチル基、2−ターシャリーブチルフェニル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−イソプロピルフェニル基、ウンデシル基、2−エチル−6−イソプロピル基、2,6−ジエチル−4メチルフェニル基、ドデシル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、2−ビフェニル基、2−シクロへキシルフェニル基、トリデシル基、2,6−ジイソプロピル−4−メチルフェニル基、テトラデシル基、2,6−ジブチルフェニル基、1−アントラセニル基、ペンタデシル基、2,6−ジターシャリーブチル−4−メチルフェニル基、2−フェニル−6−イソプロピル基、ヘキサデシル基、2−ナフチルフェニル基、2−ターシャリーブチル−6−フェニルフェニル基、ヘプタデシル基、2−ターシャリーブチル−4−メチル−6−フェニルフェニル基、オクタデシル基、2,6−ジフェニルフェニル基、ノナデシル基、トリフェニルメチル基、4−メチル2,6−ジフェニルフェニル基、アラキジル基、2,6−ジパラトリルフェニル基等を挙げることができる。炭素数1〜20のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ノルマルプロポキシ基、イソプロポキシ基、ノルマルブトキシ基、イソブトキシ基、ターシャリーブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等を挙げることができる。炭素数6〜20のアリールオキシ基としては、フェノキシ基、パラメチルフェノキシ基、パラメトキシフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、1−ナフトキシ基等を挙げることができる。炭素数1〜20のシリル基としては、トリメチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ジメチルメトキシシリル基、ジメチル−t−ブチルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリフェニルシリル基等を挙げることができる。炭素数1〜20のアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジノルマルプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジノルマルブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基等を挙げることができる。水素原子がシリル基によって置換された炭素数1〜20の炭化水素基としては、トリメチルシリルメチル基、トリフェニルシリルメチル基等をあげることができる。水素原子がアミノ基によって置換された炭素数1〜20の炭化水素基としては、2−ジメチルアミノフェニル基、2−ジエチルアミノフェニル基、2−ジイソプロピルアミノフェニル基等を挙げることができる。水素原子がアルコキシ基によって置換された炭素数1〜20の炭化水素基としては、2−メトキシフェニル基、2−エトキシフェニル基、2−イソプロポキシフェニル基等を挙げることができる。水素原子がアリールオキシ基によって置換された炭素数1〜20の置換炭化水素基としては、2−フェノキシフェニル基等を挙げることができる。水素原子がハロゲン原子によって置換された炭素数1〜20の炭化水素基としては、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基、2−クロロ−1−メチルエチル基等を挙げることができる。Eはケイ素原子、ゲルマニウム原子または錫原子であり互いに同じでも異なっていても良い。eは1から5の整数である。eが2以上の場合、Eは互いに同じでも異なっていてもよい。
【0027】
(E基としては、アルキレン基、シリレン基、ジシラン−1,2−ジイル基、ジシロキサン−1,3−ジイル基等が挙げられ、具体的には、メチレン基、メチルメチレン基、エチルメチレン基、ビニルメチレン基、ノルマルプロピルメチレン基、イソプロピルメチレン基、アリルメチレン基、ノルマルブチルメチレン基、イソブチルメチレン基、ターシャリーブチルメチレン基、ペンチルメチレン基、ネオペンチルメチレン基、シクロペンチルメチレン基、ヘキシルメチレン基、シクロへキシルメチレン基、フェニルメチレン基、ヘプチルメチレン基、ベンジルメチレン基、オクチルメチレン基、ノニルメチレン基、クミルメチレン基、デシルメチレン基、ナフチルメチレン基、アダマンチルメチレン基、ドデシルメチレン基、トリデシルメチレン基、テトラデシルメチレン基、ペンタデシルメチレン基、ヘキサデシルメチレン基、ヘプタデシルメチレン基、オクタデシルメチレン基、ノナデシルメチレン基、アラキジルメチレン基、ジメチルメチレン基、ジエチルメチレン基、ジビニルメチレン基、ジノルマルプロピルメチレン基、ジイソプロピルメチレン基、ジアリルメチレン基、ジノルマルブチルメチレン基、ジイソブチルメチレン基、ジターシャリーブチルメチレン基、ジペンチルメチレン基、ジネオペンチルメチレン基、ジシクロペンチルメチレン基、ジヘキシルメチレン基、ジシクロへキシルメチレン基、ジフェニルメチレン基、ジヘプチルメチレン基、ジベンジルメチレン基、ジオクチルメチレン基、ジノニルメチレン基、ジクミルメチレン基、ジデシルメチレン基、ジナフチルメチレン基、ジアダマンチルメチレン基、ジドデシルメチレン基、ジトリデシルメチレン基、ジテトラデシルメチレン基、ジペンタデシルメチレン基、ジヘキサデシルメチレン基、ジヘプタデシルメチレン基、ジオクタデシルメチレン基、ジノナデシルメチレン基、ジアラキジルメチレン基、ジメチルメチレン基、ジエチルメチレン基、ジビニルメチレン基、ジノルマルプロピルメチレン基、ジイソプロピルメチレン基、ジアリルメチレン基、ジノルマルブチルメチレン基、ジイソブチルメチレン基、ジターシャリーブチルメチレン基、ジペンチルメチレン基、ジネオペンチルメチレン基、ジシクロペンチルメチレン基、ジヘキシルメチレン基、ジシクロへキシルメチレン基、ジフェニルメチレン基、ジヘプチルメチレン基、ジベンジルメチレン基、ジオクチルメチレン基、ジノニルメチレン基、ジクミルメチレン基、ジデシルメチレン基、ジナフチルメチレン基、ジアダマンチルメチレン基、ジドデシルメチレン基、ジトリデシルメチレン基、ジテトラデシルメチレン基、ジペンタデシルメチレン基、ジヘキサデシルメチレン基、ジヘプタデシルメチレン基、ジオクタデシルメチレン基、ジノナデシルメチレン基、ジアラキジルメチレン基、エチレン基、テトラメチルエチレン基、フェニルエチレン基、メチルシリレン基、フェニルシリレン基、ジメチルシリレン基、メチルフェニルシリレン基、ジエチルシリレン基、ジビニルシリレン基、ジノルマルプロピルシリレン基、ジイソプロピルシリレン基、ジアリルシリレン基、ジノルマルブチルシリレン基、ジイソブチルシリレン基、ジターシャリーブチルシリレン基、ジペンチルシリレン基、ジネオペンチルシリレン基、ジシクロペンチルシリレン基、ジヘキシルシリレン基、ジシクロへキシルシリレン基、ジフェニルシリレン基、ジヘプチルシリレン基、ジベンジルシリレン基、ジオクチルシリレン基、ジノニルシリレン基、ジクミルシリレン基、ジデシルシリレン基、ジナフチルシリレン基、ジアダマンチルシリレン基、ジドデシルシリレン基、ジトリデシルシリレン基、ジテトラデシルシリレン基、ジペンタデシルシリレン基、ジヘキサデシルシリレン基、ジヘプタデシルシリレン基、ジオクタデシルシリレン基、ジノナデシルシリレン基、ジアラキジルシリレン基、ジメチルゲルミル基、ジメチルスタニル基、プロパン−1,3−ジイル基、1,1,3,3−テトラメチルプロパン−1,3−ジイル基、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジイル基、2,2−ジエチルプロパン−1,3−ジイル基、2,2−ジフェニルプロパン−1,3−ジイル基、2−メトキシプロパン−1,3−ジイル基、2−ジメチルアミドプロパン−1,3−ジイル基、2−トリメチルシリルプロパン−1,3−ジイル基、2−ペンタフルオロフェニルプロパン−1,3−ジイル基、2,2−ジメトキシメチルプロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、1,1,2,2−テトラメチルジシラン−1,2−ジイル基、1,1,2,2−テトラフェニルジシラン−1,2−ジイル基、1,1−ジメチル−1−シラエタン−1,2−ジイル基、1,1−ジメチル−1−シラエタン−1,2−ジイル基、1,1−ジメチル−1−シラエタン−1,2−ジイル基、1,1−ジメチル−1−シラエタン−1,2−ジイル基、1,1−ジメチル−1−シラエタン−1,2−ジイル基、1,1−ジメチル−1−シラエタン−1,2−ジイル基、1,1−ジメチル−1−シラエタン−1,2−ジイル基、1,1−ジメチル−1−シラエタン−1,2−ジイル基、1,1−ジメチル−1−シラエタン−1,2−ジイル基、1,1−ジメチル−1−シラエタン−1,2−ジイル基、1,1−ジメチル−1−シラエタン−1,2−ジイル基、1,1−ジメチル−1−シラエタン−1,2−ジイル基、1,1−ジメチル−1−シラエタン−1,2−ジイル基、1,1−ジメチル−1−シラエタン−1,2−ジイル基、1,1−ジメチル−1−シラエタン−1,2−ジイル基、1,1−ジイソプロピルチル−1−シラエタン−1,2−ジイル基、1,1−ジフェニル−1−シラエタン−1,2−ジイル基、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン−1,3−ジイル基、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン−1,3−ジイル基、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン−1,3−ジイル基、1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル基、1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン−1,3−ジイル基、シス−2−ブテン−1,4−ジイル基、2,3−ジブロモ−シス−2−ブテン−1,4−ジイル基、シス−5−デセン−1,10−ジイル−ビスシクロペンタジエニルを挙げることができる。
【0028】
〜Rのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等を挙げることができる。炭素数1〜20の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、ビニル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、アリル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロへキシル基、フェニル基、ヘプチル基、ベンジル基、2−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、オクチル基、2,6−ジメチルフェニル基、2−エチルフェニル基、ノニル基、クミル基、2−イソプロピルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、2−エチル−6−メチルフェニル基、デシル基、ナフチル基、アダマンチル基、2−ターシャリーブチルフェニル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−イソプロピルフェニル基、ウンデシル基、2−エチル−6−イソプロピル基、2,6−ジエチル−4メチルフェニル基、ドデシル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、2−ビフェニル基、2−シクロへキシルフェニル基、トリデシル基、2,6−ジイソプロピル−4−メチルフェニル基、テトラデシル基、2,6−ジブチルフェニル基、1−アントラセニル基、ペンタデシル基、2,6−ジターシャリーブチル−4−メチルフェニル基、2−フェニル−6−イソプロピル基、ヘキサデシル基、2−ナフチルフェニル基、2−ターシャリーブチル−6−フェニルフェニル基、ヘプタデシル基、2−ターシャリーブチル−4−メチル−6−フェニルフェニル基、オクタデシル基、2,6−ジフェニルフェニル基、ノナデシル基、トリフェニルメチル基、4−メチル2,6−ジフェニルフェニル基、アラキジル基、2,6−ジパラトリルフェニル基等を挙げることができる。炭素数1〜20のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ノルマルプロポキシ基、イソプロポキシ基、ノルマルブトキシ基、イソブトキシ基、ターシャリーブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等を挙げることができる。炭素数6〜20のアリールオキシ基としては、フェノキシ基、パラメチルフェノキシ基、パラメトキシフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、1−ナフトキシ基等を挙げることができる。炭素数1〜20のシリル基としては、トリメチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ジメチルメトキシシリル基、ジメチル−t−ブチルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリフェニルシリル基等を挙げることができる。炭素数1〜20のアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジノルマルプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジノルマルブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基等を挙げることができる。水素原子がシリル基によって置換された炭素数1〜20の炭化水素基としては、トリメチルシリルメチル基、トリフェニルシリルメチル基等をあげることができる。水素原子がアミノ基によって置換された炭素数1〜20の炭化水素基としては、2−ジメチルアミノフェニル基、2−ジエチルアミノフェニル基、2−ジイソプロピルアミノフェニル基等を挙げることができる。水素原子がアルコキシ基によって置換された炭素数1〜20の炭化水素基としては、2−メトキシフェニル基、2−エトキシフェニル基、2−イソプロポキシフェニル基等を挙げることができる。水素原子がアリールオキシ基によって置換された炭素数1〜20の置換炭化水素基としては、2−フェノキシフェニル基等を挙げることができる。水素原子がハロゲン原子によって置換された炭素数1〜20の炭化水素基としては、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基、2−クロロ−1−メチルエチル基等を挙げることができる。
【0029】
Cpの具体的な化合物としては、シクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、1,2−ジメチルシクロペンタジエニル基、1,3−ジメチルシクロペンタジエニル基、1,2,3−トリメチルシクロペンタジエニル基、1,2,4−トリメチルシクロペンタジエニル基、2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、ビニルシクロペンタジエニル基、ノルマルプロピルシクロペンタジエニル基、イソプロピルシクロペンタジエニル基、3−アリルシクロペンタジエニル基、ノルマルブチルシクロペンタジエニル基、イソブチルシクロペンタジエニル基、ターシャリーブチルシクロペンタジエニル基、(3−ブテニル)シクロペンタジエニル基、ノルマルペンチルシクロペンタジエニル基、ノルマルヘキシルシクロペンタジエニル基、シクロヘキシルシクロペンタジエニル基、フェニルシクロペンタジエニル基、ノルマルヘプチルシクロペンタジエニル基、ノルマルオクチルシクロペンタジエニル基、ノルマルデシルシクロペンタジエニル基、ドデシルシクロペンタジエニル基、テトラデシルシクロペンタジエニル基、ヘキサデシルシクロペンタジエニル基、オクタデシルシクロペンタジエニル基、アラキジルシクロペンタジエニル基、トリメチルシリルシクロペンタジエニル基、トリメチルシリルシクロペンタジエニル基、ナフチルシクロペンタジエニル基、インデニル基、1−メチルインデニル基、2−メチルインデニル基、4−メチルインデニル基、5−メチルインデニル基、1,2−ジメチルインデニル基、1,3−ジメチルインデニル基、1,4−ジメチルインデニル基、1,5−ジメチルインデニル基、1,6−ジメチルインデニル基、1,7−ジメチルインデニル基、2,4−ジメチルインデニル基、2,5−ジメチルインデニル基、4,5−ジメチルインデニル基、4,6−ジメチルインデニル基、4,7−ジメチルインデニル基、1,2,4−トリメチルインデニル基、1,2,5−トリメチルインデニル基、1,2,6−トリメチルインデニル基、1,2,7−トリメチルインデニル基、1,4,5−トリメチルインデニル基、1,4,6−トリメチルインデニル基、1,4,7−トリメチルインデニル基、1,5,6−トリメチルインデニル基、1,5,7−トリメチルインデニル基、1,6,7−トリメチルインデニル基、2,4,5−トリメチルインデニル基、2,4,6−トリメチルインデニル基、2,4,7−トリメチルインデニル基、2,5,6−トリメチルインデニル基、2,5,7−トリメチルインデニル基、1,2,4,5−テトラメチルインデニル基、1,2,4,6−テトラメチルインデニル基、1,2,4,7−テトラメチルインデニル基、1,2,5,6−テトラメチルインデニル基、1,2,5,7−テトラメチルインデニル基、1,2,6,7−テトラメチルインデニル基、2,4,5,6−テトラメチルインデニル基、2,4,5,7−テトラメチルインデニル基、2,4,6,7−テトラメチルインデニル基、4,5,6,7−テトラメチルインデニル基、1,4,5,6,7−ペンタメチルインデニル基、2,4,5,6,7−ペンタメチルインデニル基、1,2,4,5,6,7−ヘキサメチルインデニル基、2,4−ジメチル−7−エチルインデニル基、2,4−ジメチル−7−イソプロピルインデニル基、2,4−ジメチル−7−ターシャリーブチルインデニル基、2,4−ジメチル−7−フェニルインデニル基、2,4−ジメチル−6,7−ベンゾインデニル基、2−メチル−ジベンゾ[e,g]インデニル基、テトラヒドロインデニル基、2,4,7−トリメチルテトラヒドロインデニル基等を挙げることができる。
【0030】
成分(B)の具体的な化合物としては、メチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジエチルメチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジビニルメチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジノルマルプロピルメチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジイソプロピルメチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジアリルメチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジノルマルブチルメチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジイソブチルメチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジターシャリーブチルメチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(3−ブテニル)メチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジノルマルペンチルメチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジノルマルヘキシルメチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジシクロヘキシルメチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(5−ヘキセニル)メチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジノルマルヘプチルメチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジベンジルメチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジノルマルオクチルメチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジノルマルノニルメチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジノルマルデシルメチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジドデシルメチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジテトラデシルメチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジヘキサデシルメチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジオクタデシルメチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジアラキジルメチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジナフチルメチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(p−メトキシフェニル)メチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(p−ジメチルアミノフェニル)メチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ペンタフルオロフェニル)メチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、シリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチルエチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチルビニルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチルイソプロピルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチルアリルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチルターシャリーブチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジエチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジビニルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジノルマルプロピルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジイソプロピルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジアリルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジノルマルブチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジイソブチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジターシャリーブチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(3−ブテニル)シリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジノルマルペンチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジノルマルヘキシルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジシクロヘキシルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(5−ヘキセニル)シリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジノルマルヘプチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジベンジルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジノルマルオクチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジノルマルノニルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジノルマルデシルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジドデシルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジテトラデシルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジヘキサデシルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジオクタデシルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジアラキジルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジナフチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(p−メトキシフェニル)シリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(p−ジメチルアミノフェニル)シリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ペンタフルオロフェニル)シリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチルエチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、1,2−ジメチルエチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、テトラメチルエチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、エチルエチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、1,2−ジエチルエチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、テトラエチルエチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ノルマルプロピルエチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、1,2−ジノルマルプロピルエチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、テトラノルマルプロピルエチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、フェニルエチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、1,2−ジフェニルエチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、1,2−ビス(p−トリル)エチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−メチル−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−エチル−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−ノルマルプロピル−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−イソプロピル−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−ノルマルブチル−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−イソブチル−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−ターシャリーブチル−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−ノルマルペンチル−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−ノルマルヘキシル−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−シクロヘキシル−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−フェニル−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−ノルマルオクチル−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−ビニル−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−アリル−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−(3−ブテニル)−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−ベンジル−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリルメチル−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(4−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(5−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(6−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(7−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,3−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,5−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(4,7−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(5,6−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,3,4−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4,5−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4,6−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,3,4,7−テトラメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,3,5,6−テトラメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,3,4,5,6,7−ヘキサメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(4,7−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(4,7−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルゲルミル(シクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルスタニル(シクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(プロパン−1,3−ジイル−ビスシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(1,1,3,3−テトラメチルプロパン−1,3−ジイル−ビスシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジイル−ビスシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジイル−ビスシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(2,2−ジエチルプロパン−1,3−ジイル−ビスシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(2,2−ジフェニルプロパン−1,3−ジイル−ビスシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(2−メトキシプロパン−1,3−ジイル−ビスシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(2−ジメチルアミドプロパン−1,3−ジイル−ビスシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(2−トリメチルシリルプロパン−1,3−ジイル−ビスシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(2−ペンタフルオロフェニルプロパン−1,3−ジイル−ビスシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(2,2−ジメトキシメチルプロパン−1,3−ジイル−ビスシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(ブタン−1,4−ジイル−ビスシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(ペンタン−1,5−ジイル−ビスシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(ペンタン−1,5−ジイル−1−(1−インデニル)−5−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(ペンタン−1,5−ジイル−1−(9−フルオレニル)−5−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(ペンタン−1,5−ジイル−1,5−ビス(1−インデニル))ジルコニウムジクロライド、(ペンタン−1,5−ジイル−1−(1−インデニル)−5−(9−フルオレニル))ジルコニウムジクロライド、(1,1,2,2−テトラメチルジシラン−1,2−ジイル−ビスシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(1,1,2,2−テトラフェニルジシラン−1,2−ジイル−ビスシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(1,1−ジメチル−1−シラエタン−1,2−ジイル−ビスシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(1,1−ジメチル−1−シラエタン−1,2−ジイル−1−(3−メチルシクロペンタジエニル)−2−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(1,1−ジメチル−1−シラエタン−1,2−ジイル−1−(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)−2−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(1,1−ジメチル−1−シラエタン−1,2−ジイル−1−(2,3、4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)−2−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(1,1−ジメチル−1−シラエタン−1,2−ジイル−1−(3−エチルシクロペンタジエニル)−2−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(1,1−ジメチル−1−シラエタン−1,2−ジイル−1−(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)−2−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(1,1−ジメチル−1−シラエタン−1,2−ジイル−1−(3−アリルシクロペンタジエニル)−2−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(1,1−ジメチル−1−シラエタン−1,2−ジイル−1−(3−フェニルシクロペンタジエニル)−2−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(1,1−ジメチル−1−シラエタン−1,2−ジイル−1−(3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)−2−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(1,1−ジメチル−1−シラエタン−1,2−ジイル−1−(3−(t−ブチルジメチルシリル)シクロペンタジエニル)−2−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(1,1−ジメチル−1−シラエタン−1,2−ジイル−1−(3−メトキシシクロペンタジエニル)−2−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(1,1−ジメチル−1−シラエタン−1,2−ジイル−1−(3−ジメチルアミドシクロペンタジエニル)−2−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(1,1−ジメチル−1−シラエタン−1,2−ジイル−1−(3−メトキシメチルシクロペンタジエニル)−2−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(1,1−ジメチル−1−シラエタン−1,2−ジイル−1−(3−(ジメチルアミドメチル)−シクロペンタジエニル)−2−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(1,1−ジメチル−1−シラエタン−1,2−ジイル−1−(3−トリフルオロメチルシクロペンタジエニル)−2−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(1,1−ジイソプロピルチル−1−シラエタン−1,2−ジイル−ビスシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(1,1−ジフェニル−1−シラエタン−1,2−ジイル−ビスシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン−1,3−ジイル−ビスシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン−1,3−ジイル−ビス(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル))ジルコニウムジクロライド、(1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン−1,3−ジイル−ビス(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル))ジルコニウムジクロライド、(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル−ビスシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン−1,3−ジイル−ビスシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(シス−2−ブテン−1,4−ジイル−ビスシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(2,3−ジブロモ−シス−2−ブテン−1,4−ジイル−ビスシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(シス−5−デセン−1,10−ジイル−ビスシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド等を例示することができる。また上記遷移金属化合物の塩素原子をフッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、エチル基、ヒドロキシ基、フェニル基、ベンジル基に置換した化合物を例示することがで
きる。さらに、上記遷移金属化合物のジルコニウム原子をチタン原子またはハフニウム原子に置換した化合物も例示することができる。
【0031】
本発明の成分(C)の活性化助触媒とは、遷移金属化合物(成分(A)および成分(B))と作用もしくは反応することにより、オレフィンを重合することが可能な重合活性種を形成し得る化合物を示している。活性化助触媒は、重合活性種を形成した後、生成した重合活性種に対して弱く配位または相互作用するものの、該活性種と直接反応しない化合物を提供する化合物である。
【0032】
本発明で用いられる成分(C)の活性化助触媒としては、粘土鉱物、有機化合物で処理された変性粘土鉱物、アルキルアルミノキサン、非配位性のアニオンを有するイオン化イオン性化合物、ルイス酸、スルホン酸塩、カルボン酸化合物があげられる。活性化助触媒(C)が有機化合物で処理された変性粘土鉱物である場合、得られるオレフィン重合体はかさ密度が高く粒子形状が良好である。
【0033】
本発明で用いられる成分(C)が粘土鉱物である場合、該粘土鉱物は、微結晶状のケイ酸塩を主成分とする微粒子である。粘土鉱物の大部分は、その構造上の特色として層状構造を成しており、層の中に種々の大きさの負電荷を有することが挙げられる。この点で、シリカやアルミナのような三次元構造を持つ金属酸化物と大きく異なる。これらの粘土鉱物は、一般に層電荷の大きさで、パイロフィライト、カオリナイト、ディッカイトおよびタルク群(化学式当たりの負電荷がおよそ0)、スメクタイト群(化学式当たりの負電荷がおよそ0.25から0.6)、バーミキュライト群(化学式当たりの負電荷がおよそ0.6から0.9)、雲母群(化学式当たりの負電荷がおよそ1)、脆雲母群(化学式当たりの負電荷がおよそ2)に分類されている。ここで示した各群には、それぞれ種々の粘土鉱物が含まれるが、スメクタイト群に属する粘土鉱物としては、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト等が挙げられる。また、これらの粘土鉱物は天然に存在するが、人工合成により不純物の少ないものを得ることができる。本発明においては、ここに示した天然の粘土鉱物及び人工合成により得られる粘土鉱物のすべてが使用可能であり、また、上記に例示がないものでも粘土鉱物の定義に属するものはすべて用いることができる。さらに、上記粘土鉱物は複数混合して用いることもできる。
【0034】
粘土鉱物はそのまま用いても良いし、新たに水を添加吸着させ、あるいは加熱脱水処理した後、用いても良い。また、粘土鉱物は、酸処理、アルカリ処理、塩類処理等の化学処理を施すことが好ましい。酸処理は、例えば塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸等の酸を用いて、粘土鉱物表面の不純物を取り除くほか、結晶構造のAl、Fe、Mg等の陽イオンを一部または全部を溶出させることによって表面積を増大させる。アルカリ処理は、例えば水酸化ナトリウム等のアルカリを用いて、粘土鉱物の結晶構造を破壊し、構造変化をもたらす。塩類処理は、例えば塩化リチウム、リン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、シュウ酸ナトリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、過塩素酸マグネシウム、シュウ酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、コハク酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、シュウ酸アルミニウム、硝酸アルミニウム等の塩類を用いて、粘土鉱物層間の交換性イオンを別のイオンと置換することによって膨潤性や層間距離を増大させる。
【0035】
本発明で用いられる成分(C)が有機化合物で処理された変性粘土鉱物である場合、用いられる粘土鉱物は、上述の微結晶状のケイ酸塩を主成分とする微粒子である。粘土鉱物の大部分は、その構造上の特色として層状構造を成しており、層の中に種々の大きさの負電荷を有することが挙げられる。この点で、シリカやアルミナのような三次元構造を持つ金属酸化物と大きく異なる。これらの粘土鉱物は、一般に層電荷の大きさで、パイロフィライト、カオリナイト、ディッカイトおよびタルク群(化学式当たりの負電荷がおよそ0)、スメクタイト群(化学式当たりの負電荷がおよそ0.25〜0.6)、バーミキュライト群(化学式当たりの負電荷がおよそ0.6〜0.9)、雲母群(化学式当たりの負電荷がおよそ1)、脆雲母群(化学式当たりの負電荷がおよそ2)に分類されている。ここで示した各群には、それぞれ種々の粘土鉱物が含まれるが、スメクタイト群に属する粘土鉱物としては、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト等が挙げられる。また、これらの粘土鉱物は天然に存在するが、人工合成により不純物の少ないものを得ることができる。本発明においては、ここに示した天然の粘土鉱物および人工合成により得られる粘土鉱物のすべてが使用可能であり、また、上記に例示がないものでも粘土鉱物の定義に属するものはすべて用いることができる。さらに、上記粘土鉱物は複数混合して用いることもできる。
【0036】
本発明の有機化合物で処理された変性粘土鉱物における有機化合物処理は、粘土鉱物層間に有機イオンを導入し、イオン複合体を形成する。有機化合物処理で用いられる有機化合物としては、下記一般式(8)で表される化合物を挙げることができる。
【0037】
[R1112x−1GH][J] (8)
一般式(8)中、[R1112x−1GH]はカチオンであり、Gは周期表第15族または第16族の原子を示す。R11は炭素数1〜30の炭化水素基を示し、R12は各々独立して水素原子または炭素数1〜30の炭化水素基を示す。Gが周期表第15族の原子の場合、xは3であり、Gが第16族元素の場合、xは2である。[J]はアニオンであり、例えばフッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、過塩素酸イオン、シュウ酸イオン、クエン酸イオン、コハク酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオンまたはヘキサフルオロリン酸イオンを用いることができるが、これらに限定されるものではない。さらに、yおよびzは電荷が釣り合うように選ばれた整数である。
【0038】
式(8)中のGは、窒素原子、酸素原子、硫黄原子またはリン原子を例示することができる。R11およびR12の炭素数1〜30の炭化水素基として、アルキル基、アリール基等が挙げられ、具体的にはメチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、アリル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、セカンダリーブチル基、ターシャリーブチル基、ノルマルペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、ネオペンチル基、ターシャリーペンチル基、シクロペンチル基、ノルマルヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、ネオヘキシル基、2,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、4−メチル−2−ペンチル、3,3−ジメチル−2−ブチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,3−ジメチル−2−ブチル基、シクロヘキシル基、ノルマルヘプチル基、シクロヘプチル基、2−メチルシクロヘキシル基、3−メチルシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、ノルマルオクチル基、イソオクチル基、1,5−ジメチルヘキシル基、1−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、ターシャリーオクチル基、2,3−ジメチルシクロヘキシル基、2−(1−シクロヘキセニル)エチル基、ノルマルノニル基、ノルマルデシル基、イソデシル基、ゲラニル基、ノルマルウンデシル基、ノルマルドデシル基、シクロドデシル基、ノルマルトリデシル基、ノルマルテトラデシル基、ノルマルペンタデシル基、ノルマルヘキサデシル基、ノルマルヘプタデシル基、ノルマルオクタデシル基、ノルマルノナデシル基、ノルマルエイコシル基、ノルマルヘンエイコシル基、ノルマルドコシル基、ノルマルトリコシル基、ラウリル基、ミリスチル基、ステアリル基、オレイル基、ベヘニル基、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、2−イソプロピルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、2−ターシャリーブチルフェニル基、4−ノルマルブチルフェニル基、4−セカンダリーブチルフェニル基、4−ターシャリーブチルフェニル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−イソプロピル−6−メチルフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−エトキシフェニル基、3−エトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−フルオレニル基、2−フルオレニル基、3−フルオレニル基、4−フルオレニル基、2,3−ジヒドロインデン−5−イル基、2−ビフェニル基、4−ビフェニル基、p−トリメチルシリルフェニル基を例示することができる。また、R11とR12は互いに結合していても良い。
【0039】
式(8)で表される化合物のうち、Gが窒素原子であるものとしては、メチルアミン塩酸塩、エチルアミン塩酸塩、ノルマルプロピルアミン塩酸塩、イソプロピルアミン塩酸塩、ノルマルブチルアミン塩酸塩、イソブチルアミン塩酸塩、ターシャリーブチルアミン塩酸塩、ノルマルペンチルアミン塩酸塩、イソペンチルアミン塩酸塩、2−メチルブチルアミン塩酸塩、ネオペンチルアミン塩酸塩、ターシャリーペンチルアミン塩酸塩、ノルマルヘキシルアミン塩酸塩、イソヘキシルアミン塩酸塩、ノルマルヘプチルアミン塩酸塩、ノルマルオクチルアミン塩酸塩、ノルマルノニルアミン塩酸塩、ノルマルデシルアミン塩酸塩、ノルマルウンデシルアミン塩酸塩、ノルマルドデシルアミン塩酸塩、ノルマルテトラデシルアミン塩酸塩、ノルマルヘキサデシルアミン塩酸塩、ノルマルオクタデシルアミン塩酸塩、アリルアミン塩酸塩、シクロペンチルアミン塩酸塩、ラウリルアミン塩酸塩、ミリスチルアミン塩酸塩、パルミチルアミン塩酸塩、ステアリルアミン塩酸塩、ベヘニルアミン塩酸塩、オレイルアミン塩酸塩、ジメチルアミン塩酸塩、ジエチルアミン塩酸塩、ジアリルアミン塩酸塩、トリメチルアミン塩酸塩、トリ−ノルマルブチルアミン塩酸塩、トリアリルアミン塩酸塩、ヘキシルアミン塩酸塩、2−アミノヘプタン塩酸塩、3−アミノヘプタン塩酸塩、ノルマルヘプチルアミン塩酸塩、1,5−ジメチルヘキシルアミン塩酸塩、1−メチルヘプチルアミン塩酸塩、ノルマルオクチルアミン塩酸塩、ターシャリーオクチルアミン塩酸塩、ノニルアミン塩酸塩、デシルアミン塩酸塩、ウンデシルアミン塩酸塩、ドデシルアミン塩酸塩、トリデシルアミン塩酸塩、テトラデシルアミン塩酸塩、ペンタデシルアミン塩酸塩、ヘキサデシルアミン塩酸塩、ヘプタデシルアミン塩酸塩、オクタデシルアミン塩酸塩、ノナデシルアミン塩酸塩、シクロヘキシルアミン塩酸塩、シクロヘプチルアミン塩酸塩、2−メチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、3−メチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、4−メチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、2,3−ジメチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、シクロドデシルアミン塩酸塩、2−(1−シクロヘキセニル)エチルアミン塩酸塩、ゲラニルアミン塩酸塩、N−メチルヘキシルアミン塩酸塩、ジヘキシルアミン塩酸塩、ビス(2−エチルヘキシル)アミン塩酸塩、ジオクチルアミン塩酸塩、ジデシルアミン塩酸塩、N−メチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、N−エチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、N−イソプロピルシクロヘキシルアミン塩酸塩、N−ターシャリーブチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、N−アリルシクロヘキシルアミン塩酸塩、N−メチルジオクチルアミン塩酸塩、N−メチルジウンデシルアミン塩酸塩、N−メチルジドデシルアミン塩酸塩、N−メチルジーノルマルテトラデシルアミン塩酸塩、N−メチルジーノルマルヘキサデシルアミン塩酸塩、N−メチルジーノルマルオクタデシルアミン塩酸塩、N−メチルジーノルマルエイコシルアミン塩酸塩、N−メチルジラウリルアミン塩酸塩、N−メチルジミリスチルアミン塩酸塩、N−メチルジパルミチルアミン塩酸塩、N−メチルジステアリルアミン塩酸塩、N−メチルジベヘニルアミン塩酸塩、N−メチルジオレイルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルオクチルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルウンデシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルドデシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−ノルマルテトラデシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−ノルマルヘキサデシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−ノルマルオクタデシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−ノルマルエイコシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−ノルマルドコシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルラウリルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルミリスチルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルパルミチルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルステアリルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルベヘニルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルオレイルアミン塩酸塩、トリヘキシルアミン塩酸塩、トリイソオクチルアミン塩酸塩、トリオクチルアミン塩酸塩、トリイソデシルアミン塩酸塩、トリドデシルアミン塩酸塩、N−メチル−ジオクタデシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルシクロヘキシルメチルアミン塩酸塩、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、ピロリジン塩酸塩、ピペリジン塩酸塩、2,5−ジメチルピロリジン塩酸塩、2−メチルピペリジン塩酸塩、3−メチルピペリジン塩酸塩、4−メチルピペリジン塩酸塩、2,6−ジメチルピペリジン塩酸塩、3,3−ジメチルピペリジン塩酸塩、3,5−ジメチルピペリジン塩酸塩、2−エチルピペリジン塩酸塩、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン塩酸塩、1−メチルピロリジン塩酸塩、1−メチルピペリジン塩酸塩、1−エチルピペリジン塩酸塩、1−ブチルピロリジン塩酸塩、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン塩酸塩等の脂肪族アミンの塩酸塩、アニリン塩酸塩、N−メチルアニリン塩酸塩、N−エチルアニリン塩酸塩、N−アリルアニリン塩酸塩、o−トルイジン塩酸塩、m−トルイジン塩酸塩、p−トルイジン塩酸塩、N,N−ジメチルアニリン塩酸塩、N−メチル−o−トルイジン塩酸塩、N−メチル−m−トルイジン塩酸塩、N−メチル−p−トルイジン塩酸塩、N−エチル−o−トルイジン塩酸塩、N−エチル−m−トルイジン塩酸塩、N−エチル−p−トルイジン塩酸塩、N−アリル−o−トルイジン塩酸塩、N−アリル−m−トルイジン塩酸塩、N−アリル−p−トルイジン塩酸塩、N−プロピル−o−トルイジン塩酸塩、N−プロピル−m−トルイジン塩酸塩、N−プロピル−p−トルイジン塩酸塩、2,3−ジメチルアニリン塩酸塩、2,4−ジメチルアニリン塩酸塩、2,5−ジメチルアニリン塩酸塩、2,6−ジメチルアニリン塩酸塩、3,4−ジメチルアニリン塩酸塩、3,5−ジメチルアニリン塩酸塩、2−エチルアニリン塩酸塩、3−エチルアニリン塩酸塩、4−エチルアニリン塩酸塩、N,N−ジエチルアニリン塩酸塩、2−イソプロピルアニリン塩酸塩、4−イソプロピルアニリン塩酸塩、2−ターシャリーブチルアニリン塩酸塩、4−ノルマルブチルアニリン塩酸塩、4−セカンダリーブチルアニリン塩酸塩、4−ターシャリーブチルアニリン塩酸塩、2,6−ジエチルアニリン塩酸塩、2−イソプロピル−6−メチルアニリン塩酸塩、2−クロロアニリン塩酸塩、3−クロロアニリン塩酸塩、4−クロロアニリン塩酸塩、2−ブロモアニリン塩酸塩、3−ブロモアニリン塩酸塩、4−ブロモアニリン塩酸塩、o−アニシジン塩酸塩、m−アニシジン塩酸塩、p−アニシジン塩酸塩、o−フェネチジン塩酸塩、m−フェネチジン塩酸塩、p−フェネチジン塩酸塩、1−アミノナフタレン塩酸塩、2−アミノナフタレン塩酸塩、1−アミノフルオレン塩酸塩、2−アミノフルオレン塩酸塩、3−アミノフルオレン塩酸塩、4−アミノフルオレン塩酸塩、5−アミノインダン塩酸塩、2−アミノビフェニル塩酸塩、4−アミノビフェニル塩酸塩、N,2,3−トリメチルアニリン塩酸塩、N,2,4−トリメチルアニリン塩酸塩、N,2,5−トリメチルアニリン塩酸塩、N,2,6−トリメチルアニリン塩酸塩、N,3,4−トリメチルアニリン塩酸塩、N,3,5−トリメチルアニリン塩酸塩、N−メチル−2−エチルアニリン塩酸塩、N−メチル−3−エチルアニリン塩酸塩、N−メチル−4−エチルアニリン塩酸塩、N−メチル−6−エチル−o−トルイジン塩酸塩、N−メチル−2−イソプロピルアニリン塩酸塩、N−メチル−4−イソプロピルアニリン塩酸塩、N−メチル−2−ターシャリーブチルアニリン塩酸塩、N−メチル−4−ノルマルブチルアニリン塩酸塩、N−メチル−4−セカンダリーブチルアニリン塩酸塩、N−メチル−4−ターシャリーブチルアニリン塩酸塩、N−メチル−2,6−ジエチルアニリン塩酸塩、N−メチル−2−イソプロピル−6−メチルアニリン塩酸塩、N−メチル−p−アニシジン塩酸塩、N−エチル−2,3−アニシジン塩酸塩、N,N−ジメチル−o−トルイジン塩酸塩、N,N−ジメチル−m−トルイジン塩酸塩、N,N−ジメチル−p−トルイジン塩酸塩、N,N,2,3−テトラメチルアニリン塩酸塩、N,N,2,4−テトラメチルアニリン塩酸塩、N,N,2,5−テトラメチルアニリン塩酸塩、N,N,2,6−テトラメチルアニリン塩酸塩、N,N,3,4−テトラメチルアニリン塩酸塩、N,N,3,5−テトラメチルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−2−エチルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−3−エチルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−4−エチルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−6−エチル−o−トルイジン塩酸塩、N,N−ジメチル−2−イソプロピルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−4−イソプロピルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−2−ターシャリーブチルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−4−ノルマルブチルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−4−セカンダリーブチルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−4−ターシャリーブチルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−2,6−ジエチルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−2−イソプロピル−6−メチルアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−2−クロロアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−3−クロロアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−4−クロロアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−2−ブロモアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−3−ブロモアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−4−ブロモアニリン塩酸塩、N,N−ジメチル−o−アニシジン塩酸塩、N,N−ジメチル−m−アニシジン塩酸塩、N,N−ジメチル−p−アニシジン塩酸塩、N,N−ジメチル−o−フェネチジン塩酸塩、N,N−ジメチル−m−フェネチジン塩酸塩、N,N−ジメチル−p−フェネチジン塩酸塩、N,N−ジメチル−1−アミノナフタレン塩酸塩、N,N−ジメチル−2−アミノナフタレン塩酸塩、N,N−ジメチル−1−アミノフルオレン塩酸塩、N,N−ジメチル−2−アミノフルオレン塩酸塩、N,N−ジメチル−3−アミノフルオレン塩酸塩、N,N−ジメチル−4−アミノフルオレン塩酸塩、N,N−ジメチル−5−アミノインダン塩酸塩、N,N−ジメチル−2−アミノビフェニル塩酸塩、N,N−ジメチル−4−アミノビフェニル塩酸塩、N,N−ジメチル−p−トリメチルシリルアニリン塩酸塩等の芳香族アミン塩酸塩および上記化合物の塩酸塩をフッ化水素酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩または硫酸塩に置き換えた化合物を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
【0040】
式(8)で表される化合物のうち、Gが酸素原子であるものとしては、メチルエーテル塩酸塩、エチルエーテル塩酸塩、ノルマルブチルエーテル塩酸塩、テトラヒドロフラン塩酸塩、フェニルエーテル塩酸塩等の化合物および上記化合物の塩酸塩をフッ化水素酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩または硫酸塩に置き換えた化合物を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
【0041】
式(8)で表される化合物のうち、Gが硫黄原子であるものとしては、フッ化ジエチルスルホニウム、塩化ジエチルスルホニウム、臭化ジエチルスルホニウム、ヨウ化ジエチルスルホニウム、フッ化ジメチルスルホニウム、塩化ジメチルスルホニウム、臭化ジメチルスルホニウム、ヨウ化ジメチルスルホニウムを例示することができるが、これらに限定されるものではない。
【0042】
式(8)で表される化合物のうち、Gがリン原子であるものとしては、トリフェニルホスフィン塩酸塩、トリ(o−トリル)ホスフィン塩酸塩、トリ(p−トリル)ホスフィン塩酸塩、トリメシチルホスフィン塩酸塩等の化合物および上記化合物の塩酸塩をフッ化水素酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩または硫酸塩に置き換えた化合物を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
【0043】
有機化合物処理においては、粘土鉱物の濃度は0.1〜30重量%、処理温度は0〜150℃の条件を選択して処理を行うことが好ましい。また、有機化合物は固体として調製して溶媒に溶解させて使用しても良いし、溶媒中での化学反応により有機化合物の溶液を調製してそのまま使用しても良い。粘土鉱物と有機化合物の反応量比については、粘土鉱物の交換可能なカチオンに対して当量以上の有機化合物を用いることが好ましい。処理溶媒としては、ペンタン、ヘキサンもしくはヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼンもしくはトルエン等の芳香族炭化水素類、エチルアルコールもしくはメチルアルコール等のアルコール類、エチルエーテルもしくはノルマルブチルエーテル等のエーテル類、塩化メチレンもしくはクロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、アセトン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランまたは水等を用いることができるが、好ましくは、アルコール類または水を単独もしくは溶媒の一成分として用いることである。
【0044】
成分(C)がアルキルアルミノキサンである場合、その構造は下記一般式(9)および/または(10)で表される化合物であることが望ましい。
【0045】
【化9】

ここで、R13は各々同一でも異なっていてもよく、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基などの炭素数1〜20の炭化水素基である。また、qは2〜60の整数である。なお、アルキルアルミノキサンには有機アルミニウム化合物の単量体、そのニ量体およびオリゴマー等の有機金属化合物が含まれていてもよい。
【0046】
成分(C)が非配位性のアニオンを有するイオン化イオン性化合物である場合、その構造は下記一般式(11)、(12)、(13)で表されるいずれかの構造を有する化合物であることが望ましい。
【0047】
[R1516a−1H][Q(R14] (11)
[M][Q(R14 (12)
[D][Q(R14 (13)
ここで、[Q(R14]は非配位性のアニオンを示し、Qはホウ素原子またはアルミニウム原子を示す。R14は炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数6〜20のハロゲン置換アリール基である。Mは周期表第15族または16族から選ばれる元素であり、R15は炭素数1〜30の炭化水素基であり、R16は各々独立して水素原子または炭素数1〜30の炭化水素基を示す。Mが周期表第15族の元素の場合aは3、Mが周期表第16族の元素の場合aは2を示す。
【0048】
はリチウム、ナトリウム、カリウム、鉄または銀から選ばれる金属の陽イオンであり、cは陽イオンの価数を示す。Lはエーテル類、脂肪族アミン類、芳香族アミン類、ホスフィン類等のルイス塩基またはシクロペンタジエニル基もしくは炭素数1〜20の炭化水素基置換シクロペンタジエニル基である。
【0049】
Dはカルボニウムカチオンまたはトロピリウムカチオン等の有機カチオンを示し、dは有機カチオンの価数を示す。
【0050】
一般式(11)で表される化合物の具体的な例として、ジエチルオキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジメチルオキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラメチレンオキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ヒドロニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリN−ブチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジエチルオキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、ジメチルオキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、テトラメチレンオキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、ヒドロニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、トリノルマルブチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート等をあげることができるがこれらに限定されるものではない。
【0051】
一般式(12)で表される化合物の具体的な例として、リチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、リチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート等のリチウム塩、またはそのエーテル錯体、ナトリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ナトリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート等のナトリウム塩、フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート等のフェロセニウム塩、シルバーテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、シルバーテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート等の銀塩等をあげることができるがこれらに限定されるものではない。
【0052】
一般式(13)で表される化合物の具体的な例として、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、トロピリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トロピリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート等をあげることができるが、これらに限定されるものではない。
【0053】
成分(C)がルイス酸である場合、下記一般式(14)で表される化合物が挙げられる
Q(R14 (14)
ここで、Qはホウ素原子またはアルミニウム原子を示し、R14は炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数6〜20のハロゲン置換アリール基である。
【0054】
一般式(14)で表される化合物の具体的な例として、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,4,5−テトラフェニルフェニル)ボラン、トリス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボラン、フェニルビス(パーフルオロフェニル)ボラン、トリス(3,4,5−トリフルオロフェニル)アルミニウム等をあげられるがこれに限定されるものではない。
【0055】
成分(C)がスルホン酸塩である場合の具体例としてはトリフルオロメタンスルホナートリチウム、トリフルオロメタンスルホナートナトリウム、トリフルオロメタンスルホナートカリウム、ビス(トリフルオロメタンスルホナート)カルシウム、ビス(トリフルオロメタンスルホナート)バリウム、トリス(トリフルオロメタンスルホナート)チタニウム、テトラキス(トリフルオロメタンスルホナート)チタニウム、テトラキス(トリフルオロメタンスルホナート)ジルコニウム、テトラキス(トリフルオロメタンスルホナート)ハフニウム、ペンタキス(トリフルオロメタンスルホナート)ニオブ、ペンタキス(トリフルオロメタンスルホナート)タンタル、トリス(トリフルオロメタンスルホナート)鉄、トリフルオロメタンスルホナート銀、トリス(トリフルオロメタンスルホナート)ホウ素、トリス(トリフルオロメタンスルホナート)アルミニウム、トリス(トリフルオロメタンスルホナート)ガリウム、テトラキス(トリフルオロメタンスルホナート)錫、ペンタフルオロベンゼンスルホナートリチウム、ペンタフルオロベンゼンスルホナートナトリウム、ペンタフルオロベンゼンスルホナートカリウム、ビス(ペンタフルオロベンゼンスルホナート)マグネシウム、ビス(ペンタフルオロベンゼンスルホナート)カルシウム、ビス(ペンタフルオロベンゼンスルホナート)バリウム、トリス(ペンタフルオロベンゼンスルホナート)チタニウム、テトラキス(ペンタフルオロベンゼンスルホナート)ジルコニウム、テトラキス(ペンタフルオロベンゼンスルホナート)ハフニウム、ペンタキス(ペンタフルオロベンゼンスルホナート)ニオブ、ペンタキス(ペンタフルオロベンゼンスルホナート)タンタル、トリス(ペンタフルオロベンゼンスルホナート)鉄、ペンタフルオロベンゼンスルホナート銀、トリス(ペンタフルオロベンゼンスルホナート)ホウ素、トリス(ペンタフルオロベンゼンスルホナート)アルミニウム、トリス(ペンタフルオロベンゼンスルホナート)ガリウム、テトラキス(ペンタフルオロベンゼンスルホナート)錫、ビス(トリフルオロメタンスルホナート)マグネシウム、ペンタキス(トリフルオロメタンスルホナート)ニオブ、ビス(ペンタフルオロベンゼンスルホナート)マグネシウム、テトラキス(ペンタフルオロベンゼンスルホナート)チタニウムおよびペンタキス(ペンタフルオロベンゼンスルホナート)ニオブ等を例示することができる。
【0056】
成分(C)がカルボン酸化合物である場合の具体例としては、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリブロモ酢酸、ペンタフルオロ安息香酸、テトラフルオロトルイル酸、2,4−(トリフルオロメチル)安息香酸、ペンタフルオロフェニル酢酸等を例示することができる。
【0057】
本発明のオレフィン重合用触媒において、遷移金属化合物(成分(A)および成分(B))、活性化助触媒(成分(C))に、更に成分(D)下記一般式(7)で表される化合物を構成成分としてもよい。
【0058】
Al(R10 (7)
(式中、R10は水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基または炭素数1〜20のアミノ基である。)
10の炭素数1〜20の炭化水素基としては、アルキル基、アリール基等が挙げられ、具体的にはメチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、セカンダリーブチル基、ターシャリーブチル基、ノルマルペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、ネオペンチル基、ターシャリーペンチル基、ノルマルヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、ネオヘキシル基、2,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、4−メチル−2−ペンチル、3,3−ジメチル−2−ブチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,3−ジメチル−2−ブチル基、ノルマルペンチル基、イソペンチル基、ノルマルオクチル基、ノルマルノニル基、ノルマルデシル基、ノルマルドデシル基、ノルマルテトラデシル基、ノルマルヘキサデシル基、ノルマルオクタデシル基、フェニル基、シクロヘキシル基等、炭素数1〜20のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、ペンタフルオロフェノキシ基等、炭素数6〜20のアリールオキシ基としては、フェノキシ基、パラメチルフェノキシ基、パラメトキシフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、1−ナフトキシ基等を挙げることができる。炭素数1〜20のアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジノルマルプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジノルマルブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基等を挙げることができる。
【0059】
成分(D)の具体例としては、トリメチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムヒドリド、トリエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムヒドリド、トリノルマルプロピルアルミニウム、ジノルマルプロピルアルミニウムヒドリド、トリイソプロピルアルミニウム、ジイソプロピルアルミニウムヒドリド、トリノルマルブチルアルミニウム、ジノルマルブチルアルミニウムヒドリド、トリイソブチルアルミニウム、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、トリターシャリーブチルアルミニウム、ジターシャリーブチルアルミニウムヒドリド、トリノルマルヘキシルアルミニウム、ジノルマルヘキシルアルミニウムヒドリド、トリイソヘキシルアルミニウム、ジイソヘキシルアルミニウムヒドリド、トリノルマルオクチルアルミニウム、ジノルマルオクチルアルミニウムヒドリド、トリイソオクチルアルミニウム、ジイソオクチルアルミニウムヒドリド等のアルミニウム化合物を例示することができる。このうち、アルミニウム化合物を用いると重合活性が高いため好ましい。
【0060】
本発明のオレフィン重合用触媒において、遷移金属化合物(成分(A)および成分(B))、活性化助触媒(成分(C))、成分(D)に、更に成分(E)固体担体を構成成分としてもよい。
【0061】
成分(E)の固体担体としては、SiO、Al、MgO等の典型元素の無機酸化物、TiO、ZrO等の遷移金属元素の無機酸化物およびそれらの混合物ならびにMgCl等の無機ハロゲン化物を例示することができる。
【0062】
無機酸化物は、平均粒径が1〜300μmであることが好ましく、特に3〜200μmの範囲にある微粒子状の多孔質の粒子は、触媒調製や重合プロセス時の取り扱いが容易であるので好適である。これらの無機酸化物には通常不純物としてNaO、KCO、BaSO等のアルカリ金属やアルカリ土類金属の塩類が含まれている。上記の微粒子状の無機酸化物はこれらの不純物を含んだ状態で使用しても良いが、予めこれらの不純物を除去する操作を施した無機酸化物を使用するのが好ましい。このような多孔質の微粒子状の無機酸化物はその種類および製造方法により性質を異にするが、本発明においては比表面積が10〜1000m/g、特に50〜800m/g、細孔容積が0.1〜3mL/gのものが、遷移金属化合物の担持成分を多く担持することができるので好ましい。これらの無機酸化物は必要に応じて100〜1000℃で減圧下または気体流通下で焼成して用いられる。
【0063】
また、これらの無機酸化物の水酸基をハロゲンで置換して用いることもできる。無機酸化物の水酸基をハロゲンで置換する方法としては、表面水酸基と交換可能なハロゲンを有する反応剤と反応させる方法が好ましい。該反応剤としては、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン;フッ化水素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素等のハロゲン化水素:ホスゲン、塩化チオニル、フッ化アンモニウム、塩化アンモニウム、ヨウ化アンモニウム、四塩化炭素、クロロホルム、フロン等の含ハロゲン化合物等が挙げられる。これらの無機化合物は水酸基の一部または全部をハロゲンで置換した後、副生成物であるHOの除去を目的として、100〜1000℃で減圧下または気体流通下での熱処理をしてもよい。
【0064】
また、該無機酸化物は他の触媒成分との接触に先だって、−OH残基の後処理を目的として予め金属化合物と接触させてもよい。ここで用いる金属化合物は特に限定はなく、好ましくは成分(D)が用いられる。該無機酸化物を上記の金属化合物と接触させる方法は特に限定はなく、例えば酸化物が不溶で金属化合物が可溶な有機溶媒中で懸濁状態にて接触させる方法、双方が可溶な有機溶媒中にて接触させる方法および実質的に溶媒のない状況下にてボールミル等で接触させる方法などが例示される。
【0065】
本発明のオレフィン重合用触媒としては、成分(A)、成分(B)、成分(C)からなる触媒、成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)からなる触媒、成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)、成分(E)からなる触媒を例示することができる。
【0066】
本発明のオレフィン重合用触媒における各成分の使用量について説明する。
【0067】
成分(A)に対する成分(B)の量は、特に制限はなく、0.0001〜100倍モルであることが好ましく、特に好ましくは0.001〜10倍モルである。
【0068】
成分(C)が粘土鉱物または有機化合物で処理された変性粘土鉱物である場合、成分(C)1gあたり成分(A)が、0.0001〜100mmolが好ましく、特に好ましくは0.001〜10mmolである。また、成分(B)は、成分(C)1gあたり、0.0001〜100mmolが好ましく、特に好ましくは0.001〜10mmolである。
【0069】
成分(C)がアルキルアルミノキサンである場合、成分(C)の量は、成分(A)と成分(B)のモル数の和1モル当たり0.1〜10000モルが好ましく、特に好ましくは1〜1000モルである。
【0070】
成分(C)が、イオン化イオン性化合物の場合、成分(C)の量は、成分(A)と成分(B)のモル数の和1モル当たり0.1〜1000モルが好ましく、特に好ましくは0.3〜100モルである。
【0071】
成分(C)が、ルイス酸、スルホン酸塩、カルボン酸化合物である場合、成分(a)と成分(b)のモル数の和1モル当たり0.1〜1000モルが好ましく、特に好ましくは0.3〜100モルである。
【0072】
本発明において用いられる成分(D)の量は、成分(A)と成分(B)のモル数の和1モル当たり0.1〜10000モルが好ましく、特に好ましくは1〜1000モルである。
【0073】
本発明において成分(E)が用いられる場合、成分(E)1gに対して成分(A)と成分(B)のモル数の和は0.005〜1mmolが好ましく、特に好ましくは0.05〜0.5mmolである。
【0074】
本発明のオレフィン重合用触媒の調製方法について説明する。
【0075】
成分(A)、成分(B)、成分(C)からなる触媒調整方法としては、例えば成分(A)と成分(C)の接触生成物に成分(B)を添加する方法、成分(B)と成分(C)の接触生成物に成分(A)を添加する方法、成分(A)と成分(B)の接触生成物に成分(C)を添加する方法、成分(C)に成分(A)と成分(B)の接触生成物を添加する方法、成分(A)、成分(B)、成分(C)を同時に接触させる方法等を例示することができる。
【0076】
成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)からなる触媒の調整方法としては、例えば、有機溶媒中、成分(A)と成分(B)と成分(C)と成分(D)を接触させる方法、成分(C)に成分(A)と成分(D)の接触生成物を添加した後、成分(B)を添加する方法、成分(C)に成分(A)を添加した後、成分(B)と成分(D)の接触生成物を添加する方法、成分(C)に成分(A)と成分(D)の接触生成物を添加した後、成分(B)と成分(D)の接触生成物を添加する方法、成分(C)に成分(A)と成分(B)と成分(D)の接触生成物を添加する方法、成分(C)と成分(D)の接触生成物に成分(A)を添加した後、成分(B)を添加する方法、成分(C)と成分(D)の接触生成物に成分(A)と成分(D)の接触生成物を添加した後、成分(B)を添加する方法、成分(C)と成分(D)の接触生成物に成分(A)を添加した後、成分(B)と成分(D)の接触生成物を添加する方法、成分(C)と成分(D)の接触生成物に成分(A)と成分(D)の接触生成物を添加した後、成分(B)と成分(D)の接触生成物を添加する方法、成分(C)と成分(D)の接触生成物に成分(A)と成分(B)と成分(D)の接触生成物を添加する方法、成分(A)と成分(D)の接触生成物に成分(B)を添加した後、成分(C)を添加する方法、成分(A)に成分(B)と成分(D)の接触生成物を添加した後、成分(C)を添加する方法、成分(A)と成分(D)の接触生成物に成分(B)と成分(D)の接触生成物を添加した後、成分(C)を添加する方法、成分(A)に成分(B)を添加した後、成分(C)と成分(D)の接触生成物を添加する方法、成分(A)と成分(D)の接触生成物に成分(B)を添加した後、成分(C)と成分(D)の接触生成物を添加する方法、成分(A)に成分(B)と成分(D)の接触生成物を添加した後、成分(C)と成分(D)の接触生成物を添加する方法、成分(A)と成分(D)の接触生成物に成分(B)と成分(D)の接触生成物を添加した後、成分(C)と成分(D)の接触生成物を添加する方法、成分(A)と成分(C)の接触生成物に成分(B)を添加した後、成分(D)を添加する方法、成分(B)と成分(C)の接触生成物に成分(A)を添加した後、成分(D)を添加する方法、成分(A)と成分(B)の接触生成物に成分(C)を添加した後、成分(D)を添加する方法、成分(C)に成分(A)と成分(B)の接触生成物を添加した後、成分(D)を添加する方法、成分(B)に成分(A)と成分(C)の接触生成物を添加した後、成分(D)を添加する方法、成分(A)に成分(B)と成分(C)の接触生成物を添加した後、成分(D)を添加する方法、成分(A)と成分(C)の接触生成物に成分(B)と成分(C)の接触生成物を添加した後、成分(D)を添加する方法を例示することができる。
【0077】
成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)、成分(E)からなる触媒の調整方法としては、例えば、有機溶媒中、成分(A)と成分(B)と成分(C)と成分(D)と成分(E)を接触させる方法、成分(C)と成分(E)との接触生成物に成分(A)および成分(B)と成分(D)とを接触生成物を添加する方法、成分(C)と成分(D)と成分(E)の接触性生物に成分(A)および成分(B)を添加する方法、成分(A)と成分(B)と成分(C)と成分(D)の接触生成物を成分(E)に添加する方法を例示することができる。
【0078】
接触する際の溶媒としては、例えばブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、シクロペンタンもしくはシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエンもしくはキシレン等の芳香族炭化水素類;エチルエーテルもしくはノルマルブチルエーテル等のエーテル類;塩化メチレンもしくはクロロホルム等のハロゲン化炭化水素類;1,4−ジオキサン;アセトニトリルまたはテトラヒドロフラン等を例示することができる。
【0079】
接触する際の温度は、−20〜200℃の間で選択して処理を行うことが好ましい。
【0080】
調製されたオレフィン重合用触媒は、洗浄せずに用いても良く、また洗浄した後に用いても良い。
【0081】
本発明におけるオレフィン重合体の製造方法としては、成分(A)および成分(B)を構成成分とするオレフィン重合用触媒を用いて、オレフィンを単段重合もしくは多段重合でオレフィン重合を行うことによりオレフィン重合体を製造する方法(方法1)。また、別の方法として、(工程I)成分(B)を主成分として含む触媒成分を用いてオレフィンを重合することによって、オレフィン重合体を製造した後、連続的に、(工程II)成分(A)を主成分として含む触媒成分を添加して、(工程I)で得られたオレフィン重合体の存在下、オレフィンを重合することによってオレフィン重合体を製造する方法(方法2)を例示することができる。
【0082】
本発明の製造方法で用いられるオレフィンとしては、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテンもしくはビニルシクロアルカン等のα−オレフィン;ノルボルネンもしくはノルボルナジエン等の環状オレフィン;ブタジエンもしくは1,4−ヘキサジエン等のジエンまたはスチレン等を例示することができる。また、これらのオレフィンを2種類以上混合して用いることもできる。
【0083】
本発明の製造方法で用いられる方法1の実施の形態を以下に示す。
【0084】
方法1における重合温度、重合時間、重合圧力、モノマー濃度などの重合条件について特に制限はなく、重合温度は−100〜120℃が好ましく、特に生産性を考慮すると20〜120℃、さらには60〜120℃の範囲で行うことが好ましい。重合時間は10秒〜20時間の範囲が好ましく、重合圧力は常圧〜300MPaの範囲で行うことが好ましい。また、重合時に水素などを用いて分子量の調節を行うことも可能である。重合はバッチ式、半連続式、連続式のいずれの方法でも行うことが可能であり、重合条件を変えて2段階以上に分けて行うことも可能である。また、オレフィン重合体は、重合終了後に従来既知の方法により重合溶媒から分離回収され、乾燥して得ることができる。
【0085】
方法1における重合は溶液状態、懸濁状態または気相状態で実施することができ、特に、重合を懸濁状態で行う場合には粒子形状の整ったオレフィン重合体を効率よく、安定的に生産することができる。また、用いる溶媒は一般に用いられる有機溶媒であればいずれでもよく、具体的には例えばベンゼン、トルエン、キシレン、プロパン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ガソリン等が挙げられ、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のオレフィン自身を溶媒として用いることもできる。
【0086】
本発明の製造方法で用いられる方法2の実施の形態を以下に示す。
【0087】
成分(B)を主成分として含む触媒としては、例えば成分(B)と成分(C)としてアルキルアルミノキサンからなる触媒、さらに成分(D)を含んでなる触媒、成分(B)と成分(C)としてイオン化イオン性化合物からなる触媒、さらに成分(D)を含んでなる触媒、成分(B)と成分(C)としてルイス酸からなる触媒、さらに成分(D)を含んでなる触媒、成分(B)と成分(C)と成分(E)からなる触媒、さらに成分(D)を含んでなる触媒を例示することができるが、好ましくは成分(B)と成分(C)として有機化合物で処理された変性粘土鉱物からなる触媒、さらに成分(D)を含んでなる触媒を用いることができる。
【0088】
成分(B)と成分(C)として有機化合物で処理された変性粘土鉱物からなる触媒は、有機溶媒中、成分(B)と有機化合物で処理された変性粘土鉱物とを接触させることによって得られるが、成分(B)に有機化合物で処理された変性粘土鉱物を添加する方法、有機化合物で処理された変性粘土鉱物に成分(B)を添加する方法のどちらも用いることができる。
【0089】
接触溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、シクロペンタンもしくはシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエンもしくはキシレン等の芳香族炭化水素類、エチルエーテルもしくはノルマルブチルエーテル等のエーテル類、塩化メチレンもしくはクロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、1,4−ジオキサン、アセトニトリルまたはテトラヒドロフランを例示することができる。
【0090】
接触温度については、0〜200℃の間で選択して処理を行うことが好ましい。
【0091】
各成分の使用量は、有機化合物で処理された変性粘土鉱物1gあたり成分(B)が、0.0001〜100mmol、好ましくは0.001〜10mmolである。
【0092】
このようにして調製された成分(B)と有機化合物で処理された変性粘土鉱物の接触生成物は、洗浄せずに用いても良く、また洗浄した後に用いても良い。また、成分(B)がジクロル体の時、さらに成分(D)を添加することが好ましい。また、有機化合物で処理された変性粘土鉱物、重合溶媒およびオレフィン中の不純物を除去することを目的に成分(D)を添加することができる。
【0093】
成分(B)と成分(C)として有機化合物で処理された変性粘土鉱物と成分(D)からなる触媒は、有機溶媒中、成分(B)と成分(C)と成分(D)を接触させることによって得られるが、成分(B)と成分(C)の接触生成物に成分(D)を添加する方法、成分(D)に成分(B)と成分(C)の接触生成物を添加する方法、成分(B)と成分(D)の接触生成物に成分(C)を添加する方法、成分(C)に成分(B)と成分(D)の接触生成物を添加する方法、成分(B)と成分(D)の接触生成物に成分(C)と成分(D)の接触生成物を添加する方法、成分(C)と成分(D)の接触生成物に成分(B)を添加する方法、成分(C)と成分(D)の接触生成物に成分(B)と成分(D)の接触生成物を添加する方法を例示することができる。
【0094】
方法2の工程Iにおいて、重合温度は−100〜120℃が好ましく、特に生産性を考慮すると20〜120℃、さらには60〜120℃の範囲で行うことが好ましい。重合時間は10秒〜20時間の範囲が好ましく、重合圧力は常圧〜300MPaの範囲でオレフィンの重合を行うことが好ましい。エチレンと炭素数3以上のオレフィンとの共重合を行う場合、エチレンと炭素数3以上のオレフィンの供給割合として、エチレン/炭素数3以上のオレフィン(モル比)が、0〜200、好ましくは3〜100、さらに好ましくは5〜50の供給割合を用いることができる。また、重合時に水素などを用いて分子量の調節を行うことも可能である。重合はバッチ式、半連続式、連続式のいずれの方法でも行うことが可能であり、重合条件を変えて2段階以上に分けて行うことも可能である。
【0095】
方法2の工程Iでは、重合は溶液状態、懸濁状態または気相状態で実施することができ、特に、重合を懸濁状態で行う場合には粒子形状の整った長鎖分岐型オレフィン共重合体を効率よく、安定的に生産することができる。また、用いる溶媒は一般に用いられる有機溶媒であればいずれでもよく、具体的には例えばベンゼン、トルエン、キシレン、プロパン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ガソリン等が挙げられ、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のオレフィン自身を溶媒として用いることもできる。
【0096】
成分(A)を主成分として含む触媒としては、例えば成分(A)と成分(D)からなる触媒、さらに水を含んでなる触媒、成分(A)と成分(C)としてアルキルアルミノキサンからなる触媒、さらに成分(D)を含んでなる触媒、成分(A)と成分(C)としてイオン化イオン性化合物からなる触媒、さらに成分(D)を含んでなる触媒、成分(A)と成分(C)としてルイス酸からなる触媒、さらに成分(D)を含んでなる触媒、成分(A)と成分(C)として無機酸化物、粘土鉱物等の固体担体にアルキルアルミノキサンあるいはイオン化イオン性化合物が固定化されて成る成分からなる触媒、さらに成分(D)を含んでなる触媒を例示することができるが、好ましくは成分(A)と成分(D)からなる触媒を用いることができる。
本発明の製造方法に用いることができる方法2において、工程Iにおいてオレフィン重合体を製造後、工程IIにおける成分(A)を主成分として含む上記記載の組み合わせからなる触媒を重合系中へ添加する方法は特に制限はなく、オレフィン重合体製造後に重合系中の残圧を除去し、不活性ガスで系中を置換した後、各成分をそれぞれ系中へ添加する方法、オレフィン重合体製造後に重合系中の残圧を除去し、不活性ガスで系中を置換した後、各成分を予め接触させてから系中へ添加する方法、オレフィン重合体製造後に重合系中の残圧を除去し、不活性ガスで系中を置換せずに各成分をそれぞれ系中へ添加する方法、オレフィン重合体製造後に重合系中の残圧を除去し、不活性ガスで系中を置換せずに各成分を予め接触させてから系中へ添加する方法、オレフィン重合体製造後に、残ガスを除去することなく、そのまま各成分をそれぞれ系中へ添加する方法、オレフィン重合体製造後に、残ガスを除去することなく、そのまま、各成分を予め接触させてから系中へ添加する方法、などを例示できる。添加の際の温度は特に制限はなく、−50℃から溶媒の沸点の範囲で行うことができる。
【0097】
方法2において、工程Iにおいてオレフィン重合体を製造後、工程IIにおける成分(A)を主成分として含む触媒を重合系中へ添加してから、オレフィン重合を開始するまでの時間については特に制限はなく、1秒〜24時間であり、成分(A)を主成分として含む触媒を重合系中へ添加後、直ちにオレフィンを重合する方法、成分(A)を主成分として含む触媒を重合系中へ添加後、上記時間が経過してからオレフィンを重合する方法を例示することができる。その時の温度は特に制限はなく、−50℃から溶媒の沸点の範囲で行うことができる。
【0098】
工程IIにおいて、重合温度は−100〜120℃が好ましく、特に生産性を考慮すると20〜120℃、さらには60〜120℃の範囲で行うことが好ましい。重合時間は10秒〜20時間の範囲が好ましく、重合圧力は常圧〜300MPaの範囲で行うことが好ましい。エチレンと炭素数3以上のオレフィンとの共重合を行う場合、エチレンと炭素数3以上のオレフィンの供給割合として、エチレン/炭素数3以上のオレフィン(モル比)が、0〜200、好ましくは0.05〜100、さらに好ましくは0.1〜50の供給割合を用いることができる。また、重合時に水素などを用いて分子量の調節を行うことも可能である。重合はバッチ式、半連続式、連続式のいずれの方法でも行うことが可能であり、重合条件を変えて2段階以上に分けて行うことも可能である。得られたオレフィン重合体は、重合終了後に従来既知の方法により重合溶媒から分離回収され、乾燥して得ることができる。
【0099】
本発明のオレフィン重合用触媒およびオレフィン重合体の製造方法で用いられる成分(B)は、好ましくは、その存在下において、オレフィンを重合することにより、末端ビニルを有するオレフィン重合体を製造することができる。成分(B)から得られるオレフィン重合体は、好ましくは、本発明のオレフィン重合体の製造においてマクロモノマーとして機能する低分子量成分となる。
【0100】
成分(B)から得られるオレフィン重合体の数平均分子量(Mn)は、1,000以上300,000以下であり、好ましくは5,000以上200,000以下であり、さらに好ましくは10,000以上100,000以下である。Mw/Mnは2以上20以下であり、好ましくは2以上15以下であり、さらに好ましくは2以上10以下である。
【0101】
本発明のオレフィン重合体製造用触媒および製造方法で得られるオレフィン重合体の内、好ましくは、成分(A)で得られるオレフィン重合体は、成分(B)で得られるマクロモノマーの一部をコモノマーとして取り込むことにより、その一部が長鎖分岐を有するオレフィン重合体となっている。
【0102】
本発明で得られるオレフィン重合体の密度(kg/m)は、JISK6760(1995)に準拠して密度勾配管法で測定した値で、890kg/m以上980kg/m以下である。
【0103】
本発明で得られるオレフィン重合体の重量平均分子量(Mw)は、30,000以上10,000,000以下であり、好ましくは40,000以上8,000,000以下であり、さらに好ましくは50,000以上5,000,000以下である。Mw/Mnは2以上20以下であり、好ましくは2以上15以下であり、さらに好ましくは2以上10以下である。
【0104】
本発明で得られるオレフィン共重合体のメルトフローレート[MFR(g/10分)]は190℃で、2.16kg荷重で測定した値であり、好ましくは0.1以上50以下である。
【0105】
本発明で得られるオレフィン共重合体のJISK6760(1995)に準拠した方法で測定した粉体嵩密度は、0.15g/cm以上0.70g/cm以下が好ましく、特に好ましくは0.17g/cm以上0.70g/cm以下であり、さらに好ましくは0.20g/cm以上0.70g/cm以下である。
【0106】
本発明で製造されるオレフィン重合体は、例えば耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、防曇剤、抗ブロッキング剤、スリップ剤、滑剤、核剤、顔料、カーボンブラック、タルク、ガラス粉、ガラス繊維等の無機充填剤または補強剤、有機充填剤または補強剤、難燃剤、中性子遮蔽剤等の公知添加剤を配合することができる。
【0107】
本発明で製造されるオレフィン重合体は、他の熱可塑性樹脂と混合して用いることもでき、例えばHDPE、LLDPE、LDPE、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリスチレン、これらの無水マレイン酸グラフト物等と混合することができる。
【発明の効果】
【0108】
本発明のオレフィン重合用触媒を用いることで、高分子量成分の比率の高いオレフィン重合体を効率よく製造することができる。
【実施例】
【0109】
以下実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0110】
オレフィン重合用触媒の調製、重合反応および溶媒精製は、全て不活性ガス雰囲気下で行った。オレフィン重合用触媒の調製、重合反応に用いた溶媒等は、全て予め公知の方法で精製、乾燥、脱酸素を行ったものを用いた。トリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(0.848M)は、東ソー・ファインケム(株)製を用いた。
【0111】
さらに、実施例および比較例におけるオレフィン重合体の諸物性は、以下に示す方法により測定した。
【0112】
メルトフローレート(MFR)は、ASTMD1238条件Eに準ずる方法にて測定を行った。
【0113】
重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)および重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって測定した。GPC装置としては東ソー(株)製HLC−8121GPC/HTを用い、カラムとしては東ソー(株)製TSKgelGMHhr−H(20)HTを用い、カラム温度を140℃に設定し、溶離液として1,2,4−トリクロロベンゼンを用いて測定した。測定試料は1.0mg/mlの濃度で調製し、0.3ml注入して測定した。分子量の検量線は、ユニバーサルキャリブレーション法により、分子量既知のポリスチレン試料を用いて校正されている。なお、MwおよびMnは直鎖状ポリエチレン換算の値として求めた。
【0114】
高分子量成分比率は以下のようにして求めた。まず、GPC測定により得られた分子量分布曲線を分子量が異なる2つ曲線に分離する。分離した2つの曲線の合成曲線の面積に占める高分子量側の曲線の面積の割合を高分子量成分比率とした。なお、分離する2つの曲線は対数正規分布とし、その合成曲線と実測の分子量分布曲線が一致するように各曲線のピークトップ分子量、標準偏差、割合を決定した。
【0115】
嵩密度は、JIS K−6721(1977年)に準拠し測定した。得られたポリマーの融点Tm、融解熱ΔHは、DSC(示差走査熱量計)SEIKO SC−5000を用いて測定した。
【0116】
実施例1
[成分(C)の調製]
水60mLにエタノール60mLと37%濃塩酸2.0mLを加えた後、得られた溶液にN,N−ジメチル−オクタデシルアミン6.6g(0.022mol)を添加し、60℃に加熱することによって、塩酸塩溶液を調製した。この溶液にヘクトライト20gを加えた。この懸濁液を60℃で、3時間撹拌し、上澄液を除去した後、60℃の水1Lで洗浄した。その後、60℃、10−3torrで24時間乾燥し、ジェットミルで粉砕することによって、平均粒径5.2μmの変性ヘクトライトを得た。元素分析の結果、変性ヘクトライト1g当たりのイオン量は0.85mmolであった。
[オレフィン重合用触媒の調製]
成分(B):ジメチルシリレンビス(1−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド(錯体B−1、55.8mg、160μmol)をヘキサン(22.4mL)に懸濁させ、成分(D):トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(D−1、0.714M、22.4mL)を添加し、成分(B)と成分(D)の接触生成物を得た。この接触生成物を上記成分(C)の変性ヘクトライト(4.0g)に添加し、60℃で3時間反応させた。室温まで降温、静置した後、上澄み液を除去、そこにトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.03M、40ml)を加え、攪拌、静置した後上澄みを除去することで固体成分を洗浄する。さらにトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.15M)を添加して成分(B)、成分(C)を含む触媒成分を得た。
【0117】
つづいて、成分(A):ジフェニルメチレン(3−アリル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジターシャーリーブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド(錯体A−1−1、6.0mg、8.5μmol)をヘキサン(7.2mL)に懸濁させ、成分D:トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M、5.6mL)を添加し、成分(A)と成分(D)の接触生成物を調製し、これを上記の成分(B)、成分(C)を含む触媒成分に添加した。成分(A)と成分(B)のモル比は5/95(mol/mol)である。室温で6時間撹拌した後、静置して上澄み液を除去、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.03M)で洗浄し、さらにトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.15M)を添加してスラリー濃度を調整し(1Lあたり固体触媒成分が100g)、成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)を含むオレフィン重合用触媒を得た。
[オレフィン重合体の製造]
2Lオートクレーブに、ヘキサン1,200mLとトリイソブチルアルミニウムのヘキ
サン溶液(0.714M)1.0mLを導入し、オートクレーブの内温を85℃に昇温し
た。このオートクレーブに、上記オレフィン重合用触媒(0.15mL)を添加し、エチレン/水素混合ガス(水素を2000ppm含む)を導入して重合を開始した。重合中、エチレン/水素混合ガスの分圧が0.9MPaに保たれるようにエチレン/水素混合ガスを連続的に導入し、オートクレーブの内温を85℃に制御した。90分間反応を行った後、オートクレーブの内温を40℃まで冷却し、オートクレーブの内圧を脱圧した後、内容物を吸引ろ過し、乾燥を実施した。得られたオレフィン重合体は67.3g、Mn=10,000、Mw=100,000、Mw/Mn=10.0、高分子量成分比率は44%、MFR=1.3g/10分であった。嵩密度は342kg/mであった。
【0118】
比較例1
[オレフィン重合用触媒の調製]
成分(A)としてジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジターシャーリーブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド(A−1、5.7mg、8.5μmol)を用いた以外は、実施例1と同様の方法でオレフィン重合用触媒を得た。
[オレフィン重合体の製造]
上記オレフィン重合用触媒(0.15ml)を用い、エチレン/水素混合ガス(水素:2000ppm含)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で重合を実施した。58.1gのオレフィン重合体が得られ、得られたオレフィン重合体は、Mn=8,500、Mw=51,900、Mw/Mn=6.1、高分子量成分比率は20%、MFR=50.4g/10分であった。嵩密度は294kg/mであった。
【0119】
実施例1および比較例1で得られたオレフィン重合体のGPC曲線を図1に示す。
【0120】
実施例2
[オレフィン重合用触媒の調製]
成分(B)としてジメチルシリレン(1−シクロペンタジエニル)(1−インデニル)ジルコニウムジクロライド(錯体B−2、63.8mg、160μmol)を用い、成分(A)としてジフェニルメチレン(3−アリル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド(錯体A−2−1、18.9mg、40μmol)を用い、成分(A)と成分(B)のモル比が20/80(mol/mol)であること以外は、実施例1と同様の方法でオレフィン重合用触媒を得た。
[オレフィン重合体の製造]
上記オレフィン重合用触媒(0.35ml)を用い、1−ブテン(18.8g)およびエチレン/水素混合ガス(水素を5400ppm含む)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で重合を実施した。52.1gのオレフィン重合体が得られ、得られたオレフィン重合体は、Mn=10,000、Mw=65,700、Mw/Mn=6.6、高分子量成分比率は62%、MFR=5.2g/10分、融点=117.2℃であった。嵩密度は241kg/mであった。
【0121】
実施例3
[オレフィン重合用触媒の調製]
成分(A)としてジフェニルメチレン(3−ベンジル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド(錯体A−2−2、20.9mg、40μmol)を用いた以外は、実施例2と同様の方法でオレフィン重合用触媒を得た。
[オレフィン重合体の製造]
上記オレフィン重合用触媒(0.40ml)を用い、水素混合ガス(水素:3800ppm含)を用いた以外は実施例2と同様の方法で重合を実施した。45.1gのオレフィン重合体が得られ、得られたオレフィン重合体は、Mn=9,100、Mw=63,200、Mw/Mn=6.9、高分子量成分比率は31%、MFR=5.7g/10分、融点=119.9℃であった。嵩密度は300kg/mであった。
【0122】
比較例2
[オレフィン重合用触媒の調製]
成分(A)としてジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド(錯体A−2,22.3mg、40μmol)を用いた以外は、実施例2と同様の方法でオレフィン重合用触媒を得た。
[オレフィン重合体の製造]
上記オレフィン重合用触媒(0.50ml)を用い、水素混合ガス(水素:1500ppm含)を用いた以外は実施例2と同様の方法で重合を実施した。62.0gのオレフィン重合体が得られ、得られたオレフィン重合体は、Mn=9,800、Mw=76,400、Mw/Mn=7.8、高分子量成分比率は9%、MFR=7.6g/10分、融点=120.0℃であった。嵩密度は264kg/mであった。
【0123】
実施例2〜3および比較例2で得られたオレフィン重合体のGPC曲線を図2に示す。
【0124】
実施例4
[オレフィン重合用触媒の調製]
成分(B)としてジメチルシリレン(1−シクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド(錯体B−3、70.4mg、160μmol)を用い、成分(A)としてジフェニルメチレン(3−アリル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド(錯体A−2−1、18.9mg、40μmol)を用いた以外は、実施例1と同様の方法でオレフィン重合用触媒を得た。
[オレフィン重合体の製造]
上記オレフィン重合用触媒(0.25ml)を用い、水素混合ガス(水素:2800ppm含)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で重合を実施した。46.8gのオレフィン重合体が得られ、得られたオレフィン重合体は、Mn=9,900、Mw=62,400、Mw/Mn=6.3、高分子量成分比率は15%、MFR=6.5g/10分、融点=117.5℃であった。嵩密度は214kg/mであった。
【0125】
比較例3
[オレフィン重合用触媒の調製]
成分(A)としてジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド(錯体A−2,22.3mg、40μmol)を用いた以外は、実施例4と同様の方法でオレフィン重合用触媒を得た。
[オレフィン重合体の製造]
上記オレフィン重合用触媒(0.40ml)を用い、水素混合ガス(水素:1700ppm含)を用いた以外は実施例4と同様の方法で重合を実施した。50.3gのオレフィン重合体が得られ、得られたオレフィン重合体は、Mn=10,500、Mw=49,400、Mw/Mn=4.9、高分子量成分比率は4%、MFR=31.6g/10分、融点=118.0℃であった。嵩密度は204kg/mであった。
【0126】
実施例4および比較例3の重合結果を図3に示す。
【0127】
実施例5
[オレフィン重合用触媒の調製]
成分(B)としてジメチルシリレン(1−シクロペンタジエニル)(4,7−ジメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド(錯体B−4、68.3mg、160μmol)を用い、成分(A)としてジフェニルメチレン(3−アリル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド(錯体A−2−1、18.9mg、40μmol)を用い、成分(A)と成分(B)のモル比が20/80(mol/mol)であること以外は、実施例1と同様の方法でオレフィン重合用触媒を得た。
[オレフィン重合体の製造]
上記オレフィン重合用触媒(0.40ml)を用い、水素混合ガス(水素:3250ppm含)を用いた以外は実施例1と同様の方法で重合を実施した。43.6gのオレフィン重合体が得られ、得られたオレフィン重合体は、Mn=9,200、Mw=80,900、Mw/Mn=8.8、高分子量成分比率は37%、MFR=2.1g/10分、融点=116.2℃であった。嵩密度は2226kg/mであった。
実施例6
[オレフィン重合用触媒の調製]
成分(A)としてジフェニルメチレン(3−ベンジル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド(錯体A−2−2、20.9mg、40μmol)を用いた以外は、実施例5と同様の方法でオレフィン重合用触媒を得た。
[オレフィン重合体の製造]
上記オレフィン重合用触媒(0.40ml)を用い、水素混合ガス(水素:2700ppm含)を用いた以外は実施例5と同様の方法で重合を実施した。50.6gのオレフィン重合体が得られ、得られたオレフィン重合体は、Mn=8,600、Mw=64,500、Mw/Mn=7.5、高分子量成分比率は29%、MFR=4.2g/10分、融点=119.0℃であった。嵩密度は281kg/mであった。
【0128】
比較例4
[オレフィン重合用触媒の調製]
成分(A)としてジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド(錯体A−2,22.3mg、40μmol)を用いた以外は、実施例5と同様の方法でオレフィン重合用触媒を得た。
[オレフィン重合体の製造]
上記オレフィン重合用触媒(0.40ml)を用い、水素混合ガス(水素:1050ppm含)を用いた以外は実施例5と同様の方法で重合を実施した。36.7gのオレフィン重合体が得られ、得られたオレフィン重合体は、Mn=11,000、Mw=66,000、Mw/Mn=6.0、高分子量成分比率は7%、MFR=9.0g/10分、融点=117.8℃であった。嵩密度は175kg/mであった。
【0129】
実施例5〜6および比較例4の重合結果を図4に示す。
【0130】
実施例7
[固体担体の調製]
シュレンク管に成分(E):シリカ(5g)を採取し、トルエン45mLに懸濁させる。0℃に冷却した後、成分(C):メチルアルミノキサン(63.3mmol)を加えた。0℃にて30分間反応させた後、95℃まで昇温し、4時間反応させた。室温まで冷却し、攪拌を停止して上澄み液を除去、固体をトルエン(45ml)にて2回洗浄した。トルエンを加え全量を50mlの固体担体スラリーを得た。
[オレフィン重合触媒の調製]
成分(B):ジメチルシリレン(1−シクロペンタジエニル)(4,7−ジメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド(錯体B−4、16mg、38μmol)をトルエン(2mL)に溶解させ、上記の固体担体スラリー(シリカ1g相当)に加えた。室温で1時間攪拌、静置した後上澄みを除去、ヘキサン(20ml)で2回洗浄した後、ヘキサンを添加してスラリー濃度を調整し(1Lあたり成分(C)が50g)、成分(B)を含む触媒成分を得た。つづいて、成分(A):ジフェニルメチレン(3−アリル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド(錯体A−2−1、1.2mg、2.0μmol)をトルエン(mL)に溶解させ、上記成分(B)を含む触媒成分に加えた。成分(A)と成分(B)のモル比は5/95(mol/mol)である。室温で6時間撹拌した後、静置して上澄み液を除去、ヘキサン(20ml)で2回洗浄した後、ヘキサンを添加してスラリー濃度を調整し(1Lあたり成分(C)が50g)、成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(E)を含むオレフィン重合用触媒を得た。
[オレフィン重合体の製造]
2Lオートクレーブに、ヘキサン1,200mLと成分(D):トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)1.0mLを導入し、オートクレーブの内温を70℃に昇温した。このオートクレーブに、上記触媒スラリー(0.25mL)を添加し、1−ブテン(16g)およびエチレン/水素混合ガス(水素を5000ppm含む)を導入して重合を開始した。重合中、エチレン/水素混合ガスの分圧が0.8MPaに保たれるようにエチレン/水素混合ガスを連続的に導入し、オートクレーブの内温を70℃に制御した。90分間反応を行った後、オートクレーブの内温を40℃まで冷却し、オートクレーブの内圧を脱圧した後、内容物を吸引ろ過した。乾燥後、45gのオレフィン重合体が得られ、得られたオレフィン重合体は、Mn=18,000、Mw=100,000、Mw/Mn=5.8、高分子量成分比率は15%、MFR=7.9g/10分。
【0131】
比較例5
[オレフィン重合用触媒の調製]
成分(A)としてジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド(錯体A−2、2μmol)を用いた以外は実施例7と同様の方法でオレフィン重合用触媒を得た。
[オレフィン重合体の製造]
上記触媒(0.1ml)を用い、水素混合ガス(水素:2800ppm含)を用いた以外は実施例7と同様の方法で重合を実施した。36gのオレフィン重合体が得られた。得られたオレフィン重合体は、Mn=9,700、Mw=74,000、Mw/Mn=7.6、高分子量成分比率は8%、MFR=23.5g/10分であった。
【0132】
実施例8
[オレフィン重合体の製造]
シュレンク管に成分(A)ジフェニルメチレン(3−アリル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド(錯体A−2−1、6.0mg、10μmol)と成分(B)としてジメチルシリレン(1−シクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド(錯体B−3、83mg、190μmol)を採取し、全量が200mlとなるようにトルエンを添加し溶解させ、錯体溶液を調製した。
【0133】
2Lオートクレーブに、トルエン(1,190mL)を導入した後、上記錯体溶液(0.1ml、錯体量0.25μmol)を加えた。次に成分(C)メチルアルミノキサンのトルエン溶液(東ソーファインケム(株)製、PMAO−S、2.85mol/L、0.18ml、0.5mmol)を加え30分間攪拌した後、オートクレーブの内温を85℃に昇温した。このオートクレーブに、エチレンを導入して重合を開始した。重合中、エチレンの分圧が1.2MPaに保たれるようにエチレンを連続的に導入し、オートクレーブの内温を85℃に制御した。90分間反応を行った後、オートクレーブの内温を40℃まで冷却し、オートクレーブの内圧を脱圧した後、内容物を吸引ろ過した。乾燥後、70gのオレフィン重合体が得られ、得られたオレフィン重合体は、Mn=44,000、Mw=203,300、Mw/Mn=4.62、高分子量成分比率は6%、HLMFR=1.8g/10分
比較例6
[オレフィン重合体の製造]
シュレンク管に成分(A)ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド(錯体A−2、5.6mg、10μmol)と成分(B)としてジメチルシリレン(1−シクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド(錯体B−3、83mg、190μmol)を採取し、全量が200mlとなるようにトルエンを添加し溶解させ、錯体溶液を調製した。
【0134】
2Lオートクレーブに、トルエン(1,190mL)を導入した後、上記錯体溶液(0.25ml、錯体量0.25μmol)を加えた。次に成分(C)メチルアルミノキサンのトルエン溶液(東ソーファインケム(株)製、PMAO−S、2.85mol/L、0.44ml、1.25mmol)を加え30分間攪拌した後、オートクレーブの内温を85℃に昇温した。このオートクレーブに、エチレンを導入して重合を開始した。重合中、エチレンの分圧が1.2MPaに保たれるようにエチレンを連続的に導入し、オートクレーブの内温を85℃に制御した。90分間反応を行った後、オートクレーブの内温を40℃まで冷却し、オートクレーブの内圧を脱圧した後、内容物を吸引ろ過した。乾燥後、42gのオレフィン重合体が得られ、得られたオレフィン重合体は、Mn=31,000、Mw=76,000、Mw/Mn=2.45、高分子量成分比率は1%、HLMFR=65g/10分。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】実施例1および比較例1で得られたオレフィン重合体のGPC曲線である。
【図2】実施例2〜3および比較例2で得られたオレフィン重合体のGPC曲線である。
【図3】実施例4および比較例3で得られたオレフィン重合体のGPC曲線である。
【図4】実施例5〜6および比較例4で得られたオレフィン重合体のGPC曲線である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成分(A)下記一般式(1)
【化1】

(ここで、Mはチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、Xは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のシリル基、炭素数1〜20のアミノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基を示す(ここで、炭素数1〜20の炭化水素基の水素原子はシリル基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基またはハロゲン原子によって置換されていても良い)。RからRは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のシリル基、炭素数1〜20のアミノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基を示し(ここで、炭素数1〜20の炭化水素基の水素原子はシリル基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基またはハロゲン原子によって置換されていても良い)、互いに同じでも異なっていてもよい。また、互いに連結し環を形成していても良い。fは0から4の整数を示す。Eは炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子または錫原子である。)で表される遷移金属化合物、
成分(B)下記一般式(2)
【化2】

(ここで、Mはチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、Xは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のシリル基、炭素数1〜20のアミノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基を示す(ここで、炭素数1〜20の炭化水素基の水素原子はシリル基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基またはハロゲン原子によって置換されていても良い)。Eは酸素原子、硫黄原子または下記一般式(3)
【化3】

(ここでRは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のシリル基、炭素数1〜20のアミノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基を示す(ここで、炭素数1〜20の炭化水素基の水素原子はシリル基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基またはハロゲン原子によって置換されていても良い)。Eはケイ素原子、ゲルマニウム原子または錫原子であり互いに同じでも異なっていても良い。)で表され、eは1から5の整数である。eが2以上の場合、Eは互いに同じでも異なっていてもよい。
Cpは下記一般式(4)、(5)または(6)
【化4】

(ここでR〜Rは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のシリル基、炭素数1〜20のアミノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基を示す(ここで、炭素数1〜20の炭化水素基の水素原子はシリル基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基またはハロゲン原子によって置換されていても良い)。)で示され、互いに同じでも異なっていても良い。CpはMとともにサンドイッチ構造を形成している。)で表される遷移金属化合物および
成分(C)活性化助触媒を構成成分とするオレフィン重合用触媒。
【請求項2】
更に、成分(D)下記一般式(7)
Al(R10 (7)
(式中、R10は水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基または炭素数1〜20のアミノ基である。)で表される化合物を構成成分とする請求項1のオレフィン重合用触媒。
【請求項3】
更に、成分(E)固体担体を構成成分とする請求項2記載のオレフィン重合用触媒。
【請求項4】
成分(C)が粘土鉱物である請求項1及至3のいずれか記載のオレフィン重合用触媒。
【請求項5】
成分(C)が有機化合物で処理された変性粘土鉱物である請求項1及至3のいずれか記載のオレフィン重合用触媒
【請求項6】
成分(C)の有機化合物で処理された変性粘土鉱物が、下記一般式(8)
[R1112x−1GH][J] (8)
(式中、[R1112x−1GH]はカチオンであり、Gは周期表の第15族または第16族から選ばれる元素であり、R11は炭素数1〜30の炭化水素基であり、R12は各々独立して水素原子または炭素数1〜30の炭化水素基である。Gが第15族元素の場合x=3であり、Gが第16族元素の場合x=2であり、[J]はアニオンであり、yおよびzは電荷が釣り合うように選ばれた整数である。)
で表される有機化合物で処理された変性粘土鉱物であることを特徴とする請求項5記載のオレフィン重合用触媒。
【請求項7】
成分(C)がアルキルアルミノキサンであることを特徴とする請求項1及至3のいずれか記載のオレフィン重合用触媒。
【請求項8】
請求項1及至7のいずれか記載のオレフィン重合用触媒を用いて、オレフィンを重合することを特徴とするオレフィン重合体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−43152(P2010−43152A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−206681(P2008−206681)
【出願日】平成20年8月11日(2008.8.11)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】