説明

カウルトップカバー及び射出成形用金型

【課題】空気取り入れ用の格子状の開口を有する合成樹脂製のカウルトップカバーにおいて、射出成形時において格子下流の平板部に発生しやすい、ウエルドラインやフローマーク、又はシルバーストリーク等の成形不良を防止又は減少させる。
【解決手段】合成樹脂の射出成形品により得られ、自動車のフロントガラスとフードとの間の間隙を遮蔽する平板部12と、互いに交差する縦桟14及び横桟16により仕切られる通気用の開口19とを備えるカウルトップカバー10において、互いに隣接する開口19、19同士を仕切る縦桟14の幅を、横桟16の幅の1/2〜2/3に狭く設定するとともに、縦桟14及び横桟16の表裏方向の厚さ寸法を等しく設定した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のフロントガラスとフードとの間の間隙を遮蔽するように配されるカウルトップカバーの構造、及び、そのカウルトップカバーを成形するための射出成形用金型に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、乗用車のフロントガラスとフードとの間のカウルトップ付近には、ワイパーの駆動機構や外気導入機構、その他の補機類が配置されている。近年では、このフロントガラスとフードとの間のカウルトップ部分に、射出成形により複雑な形状に成形した合成樹脂製のカウルトップカバーを被せて、車両のデザインを整えながら、ワイパーの駆動機構等の補機類を覆って雨水から保護するとともに、カウルトップカバーに設けた通気用の開口から新気を導入することが可能なように構成している。
【0003】
このカウルトップカバーの通気用の開口は、客室内等に新気を導入するという用途に関する限り、その開口面積は大きい方が好ましい。しかし、フロントガラスとフードとの間をつなぐデザイン面からの要求や、内側に存在するワイパーの駆動機構等の補機類を避ける必要性などから、開口として用いることができる位置や面積には制約が課されている。その限られた制約の範囲内において、可能な限り広い開口を設けて、導入する新気の風量を確保する必要がある。
【0004】
従来の合成樹脂製カウルトップカバーの開口に関する発明として、特開平5−169569号公報(特許文献1)には、通気用の格子部に設けた開口の大きさを、4mm角以下とすることにより、風損を増大させずに雨水、雪等を除去する発明が記載されている。特許文献1では、射出成形時に溶融樹脂を射出するゲートからの距離に応じて、格子部を形成する縦桟の断面積を減少させることにより、縦桟及び横桟に効率よく樹脂を導入して、成形不良を減少させることができる旨の記載がなされている。
【0005】
また、特開平11−348681号公報(特許文献2)には、カウルトップカバーにおける主格子部を、同一平面状において互いに直交する縦桟及び横桟から構成するとともに、更にその主格子部の内部に、射出成形時における溶融樹脂の流れと平行な方向に、厚さが薄い副格子部を形成した発明が記載されている。
【0006】
この、特許文献2に記載されている副格子部を設けたカウルトップカバーによれば、従来格子部を成形する際に桟の中央部で発生していたエアタイト現象を未然に防止して、ショートショットの発生を防止できる旨の記載がなされている。
【特許文献1】特開平5−169569号公報(図2他)
【特許文献2】特開平11−348681号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の図2に記載されたカウルトップカバーでは、通気用の開口を空気の流入方向から見た際に、縦桟及び横桟の幅が等しいか、又は、横桟よりも縦桟の幅が広く形成されている。
【0008】
したがって、このカウルトップカバーを射出成形する際には、金型のゲートから射出されて、格子部手前側の平板部用キャビティを通って縦桟に対して平行に流れてきた溶融樹脂が、縦桟用キャビティ内に流入して通過してゆく。
【0009】
縦桟用キャビティの内部を通過した溶融樹脂は、同一平面上で直交している横桟用キャビティを通過して再び別の縦桟用キャビティ内に流入し、最終的には格子部奥側の平板部用キャビティ内に多く流出する。
【0010】
この平板部用キャビティ内では、縦桟用キャビティ内を通過してきた溶融樹脂と、別途平板部用キャビティ内を迂回して流れてきた溶融樹脂とが合流し、奥側の平板部にウエルドラインやフローマーク、又はシルバーストリーク等の成形不良を生じ、金型の玉成によって対応を図っているが、金型の調整に工数を要してしまう。
【0011】
カウルトップカバーは、車両の外板の一部を形成するものであり、その形状には装飾のためのデザインが施されている。このカウルトップカバーの部分において、射出成形による模様が残っていると、車両の質感が大きく損なわれるという不具合を生じる。また、格子部における縦桟及び横桟の幅が同一であると、通気用の空気の導入口としての開口の面積をあまり多く確保することができないために、客室内に対する温風又は冷風の吹き出し風量を、諸定量確保することができないという不具合を生ずる。
【0012】
特許文献2に記載されたカウルトップカバーでは、縦桟及び横桟から構成される主格子部の内部に、厚さの薄い副格子部を形成してあるが、特許文献1に記載されたカウルトップカバーと同様に、縦桟用キャビティの内部を通過した溶融樹脂が、主格子部奥側の平板部用キャビティ内に多く流出して、別途平板部用キャビティを経由して流れてきた溶融樹脂と合流し、奥側の平板部にウエルドラインやフローマーク、又はシルバーストリーク等の成形不良を生じ、金型の玉成によって対応を図っているが、金型の調整に工数を要してしまう。
【0013】
また、特許文献2に記載されているカウルトップカバーでは、主格子部の内部に副格子部を形成しているために、開口の総面積が狭くなってしまい、要求されている通気用の風量を確保することが難しくなる。
【0014】
更に、副格子部の存在により、格子部の剛性と強度が上がるので、格子部に衝撃が加わった際に所定の力で格子部を破断させるための弱部を別途設けたり、カウルトップカバーの素材として高価な原料を用いるなどの工夫が必要となり、カウルトップカバーの製造コストが上昇するという不具合を生じていた。
【0015】
本発明は、こうした従来技術の持つ問題点を解決するために創出されたもので、合成樹脂製のカウルトップカバーの平板部に発生していたウエルドラインやフローマーク、又はシルバーストリークの成形不良を防止又は減少させて、外観がきれいなカウルトップカバーを提供することを目的としている。
【0016】
併せて、カウルトップカバーの開口外側から内部を見えにくくし、更に格子の目を細かくすることによって、走行中においてカウルトップ部分に浸入する粉雪を減少させ、格子部におけるショートショットの成形不良をも減少させることが可能なカウルトップカバー、及びカウルトップカバーの射出成形用金型を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前述の目的を達成すべく、本発明に係るカウルトップカバーは、合成樹脂の射出成形品により得られ、自動車等の車両のフロントガラスとフードとの間の間隙を遮蔽する平板部と、水平面内において互いに交差する縦桟及び横桟により仕切られる格子部とを備え、開口同士を仕切る縦桟又は横桟の一方の桟幅を、横桟又は縦桟の他方の桟幅の1/2〜2/3に設定するとともに、縦桟及び横桟の表裏方向の厚さを等しく設定したことを特徴としている。
【0018】
そのカウルトップカバーにおける、溶融樹脂を射出するためのゲート位置の好ましい態様として、縦桟又は横桟の一方の桟の長さ方向の延長上又はその延長上の近傍にゲートを設けて、成形するとよい。また、他のゲート位置の好ましい態様として、他方の桟の両端からの距離が略等しい位置に複数のゲートを設けて、成形するとよい。
【0019】
また、縦桟及び横桟の厚さに関する態様として、カウルトップカバーの平板部の厚さよりも、縦桟及び横桟の厚さを厚く設定するとよい。また、開口の側壁を形成する平板部に、他の平板部の厚さよりも厚く、縦桟及び横桟の厚さと同程度の厚さに形成した枠部を設けるとよい。
【0020】
また、前述の目的を達成すべく、本発明に係る射出成形用金型は、自動車等の車両のフロントガラスとフードとの間において車両の外部と内部とを遮蔽する平板部と、互いに交差する縦桟及び横桟により仕切られる格子部とを備えた合成樹脂製のカウルトップカバーを射出成形するためのものであって、縦桟又は横桟の一方の桟を成形するための一方の桟用キャビティの内幅を、横桟又は縦桟の他方の桟を成形するための他方の桟用キャビティの内幅の1/2〜2/3に設定するとともに、一方の桟用キャビティの深さと他方の桟用キャビティの深さとを等しく設定したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係るカウルトップカバーは、格子部周囲の平板部用キャビティから、縦桟用キャビティ内及び横桟用キャビティ内に向かって溶融樹脂が流入するように射出成形品の形状を工夫したので、従来平板部に多発していたウエルドラインやフローマーク、又はシルバーストリークによる成形不良を防止又は減少させることができる。
【0022】
また、本発明に係るカウルトップカバーでは、射出成形時において、一方の桟用キャビティの長さ方向両端から溶融樹脂を流入させて、一方の桟用キャビティの中央付近にて両端から流入した溶融樹脂を合流させることが可能となる。この樹脂の合流部分は、他の部分と比較すると引張強度が低いので、所定以上の衝撃力が加わった際には、この一方の桟の中央部分を基点として破断させることができる。したがって、カウルトップカバーの格子部に要求されている所定の強度を維持しながら、一方の桟の破断による衝撃吸収性を確保することができる。
【0023】
また、本発明に係るカウルトップカバーでは、一方の桟の幅を狭くしているので、所定の開口面積を維持しながら一方の桟の本数を増やし、一方の桟を密にすることができる。これにより、車両走行中に車外で舞っている粉雪が桟に当たりやすくなるので、導入空気と粉雪とを効果的に分離することができる。従来は、粉雪の浸入を防止するために、カウルトップカバーの開口に細かいメッシュの網を別途付設して、欧州や北米等の厳寒地で要求されている粉雪の浸入基準に対応していたが、本発明により、一体成形品にて粉雪の浸入基準を満足することができる。また、一方の桟、特に縦桟の本数を増やすことによって、カウルトップカバーの開口外側から、カウルトップカバーの内部を見えにくくすることができる。
【0024】
また、本発明では、カウルトップカバーを射出成形する際の金型におけるゲート位置を、縦桟の長さ方向の延長上又はその延長上の近傍、若しくは、横桟の両端からの距離が略等しい位置に複数のゲートを設けた。これにより、射出成形時には、先ず比較的幅の広い横桟用キャビティ内に対する樹脂の充填が終了し、その後、縦桟用キャビティ内に対する樹脂の充填が終了するようになるので、従来平板部に多発していたウエルドラインやフローマーク、又はシルバーストリーク等の成形不良を防止又は減少させることができる。
【0025】
また、カウルトップカバーにおける平板部の厚さよりも、縦桟及び横桟の厚さを厚く設定したことにより、カウルトップカバーの格子部の強度を増すことができるので、縦桟の幅を更に狭くして、開口の開口面積を増大させ、通気用の空気の流量を増大させることができる。
【0026】
また本発明は、カウルトップカバーを射出成形するために、通気用の格子部を形成する縦桟又は横桟の一方の桟用キャビティの内幅を、横桟又は縦桟の他方の桟用キャビティの内幅の1/2〜2/3に設定し、縦桟用キャビティ及び横桟用キャビティの深さを等しく設定した金型を用いた。これにより、平板部におけるウエルドラインやフローマーク、又はシルバーストリーク等の成形不良を防止又は減少してカウルトップカバーを成形することが可能となる。
【0027】
また、射出成形用金型にける縦桟又は横桟の一方の桟用キャビティの内幅を横桟又は縦桟の他方の桟用キャビティの内幅よりも狭く設定することにより、カウルトップカバーの格子部に衝撃が加わった際に、敢えて一方の桟の中央部分を基点として破断させて、所定の衝撃吸収性を確保することができる。また、他方の桟よりも一方の桟を先に破断させる構造を採用することにより、破断した破片を破断していない他方の桟が保持し続けるので、破片の飛散を防止することができる。また、一方の桟の幅を狭くすることにより、格子部において広い開口面積を得ることができる。また、桟の幅を狭くすることにより、所定の開口面積を確保しながら桟を密に配置することができるので、一体成形によるカウルトップカバーでありながら、開口からカウルトップ内部に浸入する粉雪を減少させるとともに、カウルトップカバーの開口外側から内部を見えにくくすることができる。
【0028】
開口を仕切る縦桟又は横桟の一方の桟幅を、横桟又は縦桟の他方の桟幅の1/2よりも小さくすると、桟の剛性が不足してしまい、カウルトップカバーとしてのスペックを満たすことができない。また、縦桟又は横桟の一方の桟幅を、横桟又は縦桟の他方の桟幅の2/3よりも大きくすると、桟の剛性が高くなり、所定の衝撃力で破断し難く、効率的な衝撃吸収特性を得難い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明に係るカウルトップカバーの代表的な実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0030】
本発明に係るカウルトップカバーは、溶融させた合成樹脂を射出成形して得られる射出成形品であり、自動車等の車両のフロントガラスとフードとの間に設けられているカウルトップ部分を覆い隠す部品である。
【0031】
図1は、カウルトップカバー10を正面から見た全体図であり、図2及び図3は、本発明に係るカウルトップカバー10における格子部20を裏面から見た部分拡大図である。また、図4は、格子部20の縦桟14の断面図であり、図5は、横桟16の断面図である。そして、図6は、横桟16よりも縦桟14の長さを長く設定することにより、長方形の開口19を形成した格子部20の実施例を示す図である。
【0032】
図1に示すように、カウルトップカバー10は、車両の内部と外部とを遮蔽する平板部12と、互いに交差する縦桟及び横桟により仕切られる通気用の格子部20と、2本のワイパーアームの回動軸を貫通させる2つのワイパー軸開口30とを備える。
【0033】
当該カウルトップカバー10の横幅は、略車両の横幅に近い大きさを有する射出成形品である。したがって、図1に示す実施例では、金型において溶融樹脂を射出するためのゲートG1〜G4を複数設けてある。
【0034】
次に、図2を用いて本発明に係る格子部20の裏面側の構造について説明する。図2に示すように、格子部20は、互いに隣接する2つの開口19、19同士を仕切る縦桟14及び横桟16を設けてある。この縦桟14及び横桟16を互いに交差させることにより、少なくとも4以上の通気用の開口19を形成している。開口19は、紙面の上下方向に貫通する孔である。
【0035】
図2に示すように本発明では、横桟16の幅Aに対して、縦桟14の幅をA/2〜A×2/3に設定するとともに、縦桟14及び横桟16の表裏方向の厚さを等しく設定してある。これにより、射出成形時において、縦桟14を成形するための縦桟用キャビティ内(一方の桟用キャビティ内)に流れる溶融樹脂の流速を、横桟16を成形するための横桟用キャビティ内(他方の桟用キャビティ内)に流れる溶融樹脂の流速よりも遅くすることができる。
【0036】
すると、格子部20周囲の平板部12を成形するための平板部用キャビティ内から、縦桟用キャビティ内及び横桟用キャビティ内に向かって溶融樹脂が流入するようになるので、縦桟用キャビティ内又は横桟用キャビティ内から平板部用キャビティ内に溶融樹脂が流出しにくくなる。したがって、従来平板部12に多発していたウエルドラインやフローマーク、又はシルバーストリーク等の成形不良を減少させることができる。なお、横桟16の幅Aは、2±1mm程度に設定することが好ましい。また、横桟16の幅を2mmに設定した場合には、縦桟14の幅は1〜1.5mm程度の範囲内にすることが好ましい。
【0037】
また、本発明に係るカウルトップカバー10では、縦桟14の幅を横桟16の幅よりも狭く設定することにより、縦桟14を成形する際に縦桟用キャビティの長さ方向両端から溶融樹脂を流入させて、縦桟用キャビティの中央付近にて両端から流入した溶融樹脂を合流させることが可能となる。
【0038】
図3に、縦桟14における溶融樹脂の合流部22の位置を示す。本発明においては、合流部22は、縦桟14の略中央部に存在する。この合流部22では、他の部位と比較すると引張強度が低いので、所定以上の衝撃力が加わった際に、この合流部22を基点として縦桟14を破断させることができる。したがって、カウルトップカバー10の格子部20に要求されている所定の強度を維持しながら、縦桟14の破断により、衝撃吸収性を確保することができる。
【0039】
また、図2に示す実施例では、格子部20の側壁に、平板部12の厚さよりも厚く形成した枠部18を設けてある。この枠部18を格子部20の周囲に設けることによって、開口19の外側からカウルトップカバー10の内部を見えにくくすることができる。また、車両の外部で舞っている粉雪と導入空気とを効果的に分離することができる。
【0040】
次に、図4及び図5を用いて、縦桟14、横桟16及び枠部18の断面形状について説明する。図4は、図2に示した格子部20のIV−IV断面を示す図であり、図5は、図2に示した開口19のV−V断面を示す図である。
図4及び図5に示すように、本発明では、カウルトップカバー10における平板部12の厚さt0よりも、縦桟14、横桟16及び枠部18の厚さt1を厚く設定している。これにより、カウルトップカバー10の格子部20の強度を増すことができるので、縦桟14及び横桟16の幅を更に狭くして、開口19の開口面積を増大させて、開口19から導入する空気の流量を増大させることができる。
【0041】
例えば、格子部20に100cm2の面積を確保することができる場合で、縦桟と横桟の幅をそれぞれ2.0mmとした場合には、開口の総面積としては46cm2しか得ることができない。本発明のように、縦桟の幅を横桟の幅の1/2とした場合(縦桟1.0mm、横桟2.0mm)には、開口の総面積として57cm2を得ることができた。これは、従来の開口面積と比較すると、約1.24倍の開口面積の増加になる。また、縦桟の幅を横桟の幅の2/3とした場合(縦桟1.5mm、横桟2.0mm)には、51.5cm2を得ることができた。これは、従来の開口面積と比較すると、約1.12倍の開口面積の増加になる。
【0042】
また、縦桟14及び横桟16を厚くすることにより、開口19の外側からカウルトップカバー10の内部を見えにくくするとともに、車外にて舞っている粉雪と導入空気とを効果的に分離することができる。したがって、欧州や北米等の厳寒地で要求されている粉雪の浸入基準を、一体成形品で満足することができる。
【0043】
図1〜図3では、開口19を正方形の形状とした実施例を示したが、図6に示すように、横桟16よりも縦桟14の長さを長く設定することにより、開口19を長方形に形成して、より広い開口面積を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】カウルトップカバーの正面から見た全体図である。
【図2】カウルトップカバーの格子部を裏面から見た部分拡大図である。
【図3】カウルトップカバーの射出成形時に、縦桟の中央付近で溶融樹脂が合流した際の、合流部の位置を説明する図である。
【図4】格子部における縦桟の断面図である。
【図5】格子部における横桟の断面図である。
【図6】縦桟の長さを横桟よりも長く設定することにより、長方形の開口を形成した実施例を示す図である。
【符号の説明】
【0045】
10 カウルトップカバー
12 平板部
14 縦桟
16 横桟
18 枠部
19 開口
20 格子部
22 合流部
30 ワイパー軸開口
G1〜G4 ゲート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂の射出成形品により得られ、自動車等の車両のフロントガラスとフードとの間の間隙を遮蔽する平板部と、互いに交差する縦桟及び横桟により仕切られる格子部とを備えるカウルトップカバーにおいて、
前記開口同士を仕切る前記縦桟又は前記横桟の一方の桟幅を、前記横桟又は前記縦桟の他方の桟幅の1/2〜2/3に設定するとともに、前記縦桟及び横桟の表裏方向の厚さを等しく設定したことを特徴とするカウルトップカバー。
【請求項2】
合成樹脂の射出成形品により得られ、自動車等の車両のフロントガラスとフードとの間の間隙を遮蔽する平板部と、互いに交差する縦桟及び横桟により仕切られる格子部とを備えるカウルトップカバーにおいて、
前記開口同士を仕切る前記縦桟又は前記横桟の一方の桟幅を、前記横桟又は前記縦桟の他方の桟幅の1/2〜2/3に設定するとともに、前記縦桟及び横桟の表裏方向の厚さを等しく設定し、前記他方の桟の両端からの距離が略等しい位置に設けた複数のゲートから、溶融樹脂を射出して成形されてなることを特徴とするカウルトップカバー。
【請求項3】
前記縦桟又は前記横桟の一方の桟の長さ方向の延長上、又はその延長上の近傍に設けたゲートから溶融樹脂を射出して成形されてなることを特徴とする請求項1に記載のカウルトップカバー。
【請求項4】
前記縦桟及び横桟の厚さは、前記平板部の厚さよりも厚く設定されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のカウルトップカバー。
【請求項5】
前記開口の側壁を形成する前記平板部に、前記縦桟及び横桟の厚さと同程度であって、他の平板部の厚さよりも厚く形成された枠部を有してなることを特徴とする請求項4に記載のカウルトップカバー。
【請求項6】
自動車等の車両のフロントガラスとフードとの間に配置され、その部分において車両の外部と内部とを遮蔽する平板部と、互いに交差する縦桟及び横桟により仕切られる格子部とを備える合成樹脂製カウルトップカバー用の射出成形用金型において、
前記カウルトップカバーの前記縦桟又は前記横桟の一方の桟を成形するための一方の桟用キャビティの内幅を、前記横桟又は前記縦桟の他方の桟を成形する他方の桟用キャビティの内幅の1/2〜2/3に設定するとともに、前記一方の桟用キャビティの深さと前記他方の桟用キャビティの深さとを等しく設定したことを特徴とする射出成形用金型。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−213593(P2008−213593A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−51731(P2007−51731)
【出願日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(000229955)日本プラスト株式会社 (740)
【Fターム(参考)】