説明

カウンタエゼクタ及び製函機

【課題】段ボール箱を適正な姿勢でホッパ部内により速く降下させることができるようにした、カウンタエゼクタ及び製函機を提供する。
【解決手段】製函機の下流部に装備され、上流側から搬送されて送り出されたシート状の段ボール箱を下方から受けるホッパ部Hと、段ボール箱の上方からホッパ部Hへ向けて送風する送風装置52,53とを有するカウンタエゼクタであって、送風装置52,53は、少なくとも段ボール箱の搬送方向への送風領域を可変とするものであって、搬送方向のサイズが最大の段ボール箱に対しては、少なくともホッパ部Hにおける搬送方向の後端部及び前端部の双方に対応した送風領域を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製函機の最下流部に備えられ段ボール箱を集積計数しバッチにして排出するカウンタエゼクタ及びこれを用いた製函機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
段ボール箱を製造する製函機には、その最下流部で製函された段ボール箱を集積計数して積み重ね所定枚数のバッチにして排出するカウンタエゼクタが設備されている。
近年、製函機においても高速化が進んでおり、カウンタエゼクタにおいても処理速度の向上が求められており、このような観点からカウンタエゼクタに関する種々の技術が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には図10に示すような構成のカウンタエゼクタが記載されている。このカウンタエゼクタには、図10(a)に示すように、その上流側にフォルダグルア101の出口部(最後部)と、上下一対の送り出しロール102が取り付けられている。送り出しロール102の下部には、スタック150の端部を押圧するスパンカ111が設けられ、送り出しロール102の前方(下流側)の対向位置には、フォルダグルア101から排出された段ボール箱103を停止させるフロントストップ126が前後方向に移動可能に設けられている。
【0004】
これらのスパンカ111とフロントストップ126との間は、シート状の段ボール箱103が積み重ねられてスタック150が形成される空間(ホッパ部)Hとなっている。
スパンカ11の下部には、一方の補助レッジ122aがホッパ部Hに出入り可能に取り付けられている。この補助レッジ122aの下方には、スタック150を押し出すプッシャ124が出入り可能に設けられている。フロントストップ126の下部には、もう一つの補助レッジ122bがホッパ部Hに出入り可能に設けられ、両補助レッジ122a,122bは互いに対向して配置され、後述のレッジ136上のスタック150を受ける。
【0005】
フロントストップ126の下方には、これに当たって落ちた段ボール箱103を受けて支持し、集積してスタック150を形成するエレベータ129が設けられている。このエレベータ129は、送り出しロール102の少し前方(下流側)でほぼ水平に配置されており、上下方向に往復動可能に構成される。エレベータ129の上方には、段ボール箱103の上面にエアAを吹き付けるブロア132が設けられている。ブロア132は送り出しロール102にて送出される段ボール箱103の位置よりも高い位置に配設されている。
【0006】
また、送り出しロール102の前方(下流側)の対向位置には、レッジ136が上下方向に可動で且つホッパ部Hに出入り可能に装備されている。このレッジ136は、図10(b)に示すように、エレベータ129上に集積されて形成されたスタック150が設定枚数に達した時に作動して、次のスタック150aを形成する段ボール箱103aを受ける。レッジ136の縦方向部材136aには、スタック150を押圧するプレスバー138がエアシリンダ139により上下動可能に支持されている。
【0007】
エレベータ129の最下降時の上面と同じ高さ位置には、排出コンベア140が最小箱サイズに合わせプッシャ124の十分近くに設置されている。レッジ136が次のスタック150aを形成する段ボール箱103aを受けるようになると、エレベータ129は直ちに下降を開始し、排出コンベア140の位置まで下がる。この時、スタック150がスプリングバックで崩れないようにすべく、プレスバー138がレッジ136より下方へ押し出され、エレベータ129と共にスタック150を挟みながら下降する。そして、スタック150の上面が補助レッジ122a,122bの位置を通過すると、補助レッジ122a,122bがホッパ部Hに突き出されて待機する。このとき、レッジ136上には次のスタック150aが形成される。
【0008】
排出コンベア140の下流側には出口コンベア141が設けられ、出口コンベア141の上方には、上部コンベア144が装備されている。上部コンベア144は、前後方向(図中左右方向)にも高さ方向にも位置調整可能であり、箱サイズに合わせフロントストップ126と連動してフロントストップ126から一定の距離まで移動する。図10(c)に示すように、プッシャ124が排出コンベア140上のスタック150を上部コンベア144に挟むまで押し出すと、上部コンベア144は、排出コンベア140及び出口コンベア141と相まってスタック150を上下に挟持しながらバッチとして外部へ送出する。
【0009】
バッチが排出コンベア140により移動を開始すると、図10(c)に矢印で示すように、プレスバー138がわずかに上昇しバッチの上面から離れ、レッジ136はプレスバー138と一緒に、次の上昇に備えてスタック150aと干渉しない位置まで後退する。この時には、レッジ136上のスタック150aは、補助レッジ122a,122bで支持される。上記過程の間にバッチはエレベータ129から完全に離れる。
【0010】
その後、エレベータ129は補助レッジ122a,122bの位置まで上昇すると、補助レッジ122a,122bが引っ込み、その上のスタック150aはエレベータ129により受け取られる。その間に、プレスバー138はレッジ136に収納され、レッジ136及びプレスバー138は上昇し、次いで前進して図10(a)の状態に戻る。以下、このサイクルを繰り返し、必要数のバッチを排出する。
【0011】
かかるカウンタエゼクタによれば、排出コンベア140が最小箱サイズに合わせ十分プッシャ124の近くに設置され、上部コンベア144はフロントストップ126と連動して位置調整可能なので、プッシャ124のストロークを短くでき、その分、作動時間を短縮できる。補助レッジ122a,122bがレッジ136に代わってスタック150を一時的に支持するので、プレスバー138がスタック150を押さえるという役目を果たすとすぐに、レッジ136の後退動作に移れるため、動作時間の短縮できる。ブロア132のエア圧によりスタック150の上面を押えるため、動作時間の短縮によりサイクル時間を大幅に短くすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2008−149730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記特許文献1の技術によれば、製函機における高速化を促進できるが、機械の高速化を進めていくと、段ボール箱が適正に積み重ねられない状況が発生することが判明した。
つまり、機械の高速化を進めていくためには、図11(a)に示すように、送り出しロール102の出口付近の上方に配置されたブロアから下向きに加えるエア圧AFを高めて段ボール箱103をより速く下降させることが必要になる。
【0014】
しかし、ブロアのエア圧AFを高めると、送り出しロール102の出口から出される段ボール箱103が先端(進行方向前側)を下降させるように前傾してしまい、図11(b)に示すように、段ボール箱103の先端が下方のスタックの上面に衝突して前傾したままの姿勢でスタック150の上に載ったり、図11(c)に示すように、後続の段ボール箱103Aの先端が先行する段ボール箱103の後端の下方に潜り込んだりしてしまうことが判明した。
【0015】
このような姿勢不良の段ボール箱103が発生すると、機械を停止させなくてはならず、生産性は大幅に低下するので、このような事態を招かない程度に機械の速度を抑えることが必要となり、機械の高速化の妨げになっている。
こうした不具合は、搬送方向のサイズの小さい段ボール箱の場合は発生しないが、搬送方向のサイズの大きい段ボール箱の場合に発生することも判明した。
【0016】
この原因を考察すると、搬送方向のサイズの大きい段ボール箱の場合、段ボール箱が送り出しロールに挟持されながらホッパ部の上方に進んでいくと、段ボール箱は自重によって先端を下げて上に凸の方の湾曲状態になるが、送り出しロールに支持されている基部付近で上から強い風圧を受けると、この基部付近から下向きに曲がるため、段ボール箱の先端の降下が著しくなるものと推測する。
【0017】
本発明はかかる課題に鑑みて創案されたもので、段ボール箱を適正な姿勢でホッパ部内により速く降下させることができるようにした、カウンタエゼクタ及びこれを用いた製函機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するために、本発明のカウンタエゼクタは、製函機の下流部に装備され、上流側から搬送されて送り出されたシート状の段ボール箱を下方から受けるホッパ部と、前記段ボール箱の上方から前記ホッパ部へ向けて送風する送風装置とを有するカウンタエゼクタであって、前記送風装置は、少なくとも前記段ボール箱の搬送方向への送風領域を可変とするものであって、前記搬送方向のサイズが最大の前記段ボール箱に対しては、少なくとも前記ホッパ部における前記搬送方向の後端部及び前端部の双方に対応した前記送風領域を有していることを特徴としている。
【0019】
前記送風装置は、前記送風領域の各部分毎に個別に風量(単位面積当たりの風量=風速或いは風圧)を可変に構成され、前記送風装置の送風領域又は前記風量を変更操作する制御装置を有していることが好ましい。
前記制御装置は、前記段ボール箱の前記搬送方向のサイズに応じて前記搬送方向への前記送風領域又は前記風量を変更操作することが好ましい。
【0020】
前記制御装置は、前記段ボール箱の幅方向のサイズに応じて前記搬送方向への前記送風領域又は前記風量を変更操作することが好ましい。
前記送風装置は、さらに前記段ボール箱の幅方向への送風領域を可変とするものであって、前記制御装置は、前記段ボール箱の前記搬送方向のサイズ及び前記幅方向のサイズの少なくともいずれかに応じて前記搬送方向への前記送風領域又は前記風量を変更操作することが好ましい。
【0021】
前記制御装置は、前記製函機の運転速度に応じて前記送風領域又は前記風量を変更操作することが好ましい。
前記制御装置は、前記段ボール箱の材質、坪量、フルートに応じて前記送風領域又は前記風量を変更操作することが好ましい。
前記送風装置は、前記ホッパ部における前記搬送方向の後端部に対応した位置に固定された固定送風装置と、前記ホッパ部における前記搬送方向の前端部において前記段ボール箱の前記搬送方向のサイズに応じて可動な可動送風装置とを有していることが好ましい。
【0022】
前記送風装置は、前記搬送方向又は前記段ボール箱の幅方向に区画されてそれぞれの区画毎に送風口を開閉可能な送風口開閉機構を備え、前記送風口開閉機構によって送風領域を可変とすることが好ましい。
前記送風装置は、前記搬送方向又は前記段ボール箱の幅方向に並べられそれぞれ個別に運転操作可能な複数の送風ファンを備え、前記複数の送風ファンを選択的に作動させることによって送風領域を可変とすることが好ましい。
【0023】
本発明の製函機は、段ボールシートを1枚ずつ給紙する給紙部と、前記給紙部から給紙された段ボールシートに印刷する印刷部と、前記印刷部により印刷された段ボールシートを排紙する排紙部と、前記排紙部から排紙された段ボールシートに溝切り及び罫線入れをするダイカット部と、前記ダイカット部により加工された段ボールシートの端部に糊付けし折り曲げ加工をしてシート状の段ボール箱を形成するフォルダグルア部と、前記フォルダグルア部により加工された前記段ボール箱を計数しながら積重するカウンタエゼクタ部と、を備え、前記カウンタエゼクタ部には、少なくとも前記段ボール箱の搬送方向への送風領域を可変とするものであって、前記搬送方向のサイズが最大の前記段ボール箱に対しては、少なくとも前記カウンタエゼクタ部のホッパ部における前記搬送方向の後端部及び前端部の双方に対応した前記送風領域を有している送風装置が設けられていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0024】
本発明のカウンタエゼクタ及び製函機によれば、段ボール箱の上方からホッパ部へ向けて送風する送風装置が、少なくとも段ボール箱の搬送方向への送風領域を可変としているので、サイズの大きい、即ち、風を受ける面積の大きい段ボール箱の場合に、風量(風速或いは風圧)を強めずに送風領域を拡張することにより、段ボール箱の重圧面全体が受けるトータルの風の力を強めることができ、段ボール箱の姿勢の傾斜を抑制しながら、段ボール箱を速やかにホッパ部へ降下させることができる。これにより、製函機の高速化を促進することができる。
【0025】
送風装置が、送風領域の各部分毎に個別に風量を可変に構成されれば、ホッパ部へ向けて下降する際の段ボール箱の姿勢や挙動を適正に矯正することができる。
特に、段ボール箱の搬送方向のサイズに応じて搬送方向への送風領域又は風量を変更操作すれば、ホッパ部へ向けて下降する際の段ボール箱の姿勢や挙動を搬送方向のサイズに応じて適正化することができ、段ボール箱の幅方向のサイズ等に応じて搬送方向への送風領域又は風量を変更操作すれば、ホッパ部へ向けて下降する際の段ボール箱の姿勢や挙動を幅方向のサイズに応じて適正化することができる。
【0026】
送風装置による送風領域が、段ボール箱の幅方向に可変であれば、段ボール箱の搬送方向や幅方向のサイズ等に応じて幅方向に送風領域や風量を設定して、ホッパ部へ向けて下降する際の段ボール箱の姿勢や挙動を適正化することができる。
製函機の運転速度に応じて送風領域や風量を変更操作すれば、ホッパ部へ向けて下降する際の段ボール箱の姿勢や挙動を適正化しながら、運転速度を高速化することができる。
【0027】
また、段ボール箱の材質、坪量、フルートに応じて、ホッパ部へ向けて下降する際の段ボール箱の姿勢や挙動が変化するが、送風領域や風量を変更操作することにより、段ボール箱の材質、坪量、フルートに応じた段ボール箱の姿勢や挙動の変化を矯正することが可能になる。
送風装置として、搬送方向の後端部に固定した固定送風装置と、搬送方向の前端部に段ボール箱の搬送方向のサイズに応じて可動な可動送風装置とを備えれば、常に段ボール箱の搬送方向の前端部と後端部との両方に送風することができ、段ボール箱の搬送方向に関する姿勢や挙動の変化を矯正することが可能になる。
【0028】
送風装置が、段ボール箱の搬送方向や幅方向に区画されてそれぞれの区画毎に送風口を開閉可能な送風口開閉機構を備え、この送風口開閉機構によって送風領域を可変とすれば、きめ細かな送風領域の設定を行なうことができる。
送風装置が、段ボール箱の搬送方向や幅方向に並べられそれぞれ個別に運転操作可能な複数の送風ファンを備え、これらの複数の送風ファンを選択的に作動させることによって送風領域を可変としても、送風領域の変更を容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1実施形態にかかるカウンタエゼクタの要部構成を示す模式図であって、(a)はその上面図、(b)はその側面図である。
【図2】本発明の各実施形態にかかるカウンタエゼクタを備える製函機の構成を示す側面図である。
【図3】本発明の第1実施形態にかかるカウンタエゼクタの全体構成を示す側面図(手前側のフレーム類を除去してカウンタエゼクタの内部を示す図)である。
【図4】本発明の第1実施形態にかかるカウンタエゼクタの動作を(a),(b),(c)の順に示す模式的側面図である。
【図5】本発明の第1実施形態にかかるカウンタエゼクタの動作を(a),(b),(c)の順に示す模式的側面図である。
【図6】本発明の第1実施形態にかかるカウンタエゼクタの動作を(a),(b)の順に示す模式的側面図である。
【図7】本発明の第1実施形態にかかるカウンタエゼクタによる効果を説明する模式図である。
【図8】本発明の第2実施形態にかかるカウンタエゼクタの要部構成を示す模式図であって、(a)はその上面図、(b)はその側面図である。
【図9】本発明の第3実施形態にかかるカウンタエゼクタの要部構成を示す模式図であって、(a)はその上面図、(b)はその側面図である。
【図10】背景記述にかかるカウンタエゼクタを示す模式的側面図であって、(a),(b),(c)の順にその動作を示す。
【図11】背景記述にかかるカウンタエゼクタの課題を説明する模式的側面図であって、(a)はシート状段ボール箱が送り出しロールから送り出されている状態を示し、(b),(c)はシート状段ボール箱が送り出しロールから送り出された後の状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図7は本発明の第1実施形態にかかるカウンタエゼクタを説明するものであり、図8は本発明の第2実施形態にかかるカウンタエゼクタを説明するものであり、図8は本発明の第3実施形態にかかるカウンタエゼクタを説明するものである。また、図2,図3は第1実施形態だけでなく、第2,3実施形態にも流用する。
【0031】
〔第1実施形態〕
まず、本発明の第1実施形態にかかるカウンタエゼクタを備える製函機の構成を説明する。
図2では、段ボールシートがシート状の段ボール箱(製函用シート材)に加工される過程を、製函機の各工程の装置構成の上方に、装置構成とは分けて装置構成に対応させて付記している。図2に示すように、この製函機は、上流側から、給紙部1,印刷部2,排紙部3,ダイカット部4,フォルダグルア部5,カウンタエゼクタ部6が設けられている。
給紙部1では、板状の段ボールシート10aが多数積載された状態で搬入され、この段ボールシート10aを1枚ずつ印刷部2に供給(給紙)する。印刷部2は、所定の色数[ここでは、4色]の印刷ユニット2a〜2dからなり、印刷部2では、搬送コンベア7によって1枚ずつ搬送される段ボールシート10aに、各色のインキを順次印刷する。
【0032】
排紙部3では、印刷部2で印刷された段ボールシート10aを排紙して、ダイカット部4では、この段ボールシート10aに溝切りや罫線入れを行なう。そして、フォルダグルア部5では、溝切りや罫線入れをされた段ボールシート10aの左右方向一端の糊代に糊付けして、段ボールシート10aの左右両端部が裏側(下方)で重合するように、折り曲げ加工を行なって、折り曲げられた段ボールシート10aの左右両端部を糊によって接着してシート状の段ボール箱(製函用シート材)10とする。
【0033】
カウンタエゼクタ部6では、フォルダグルア部5で加工された製函用シート材10を計数しながら、テーブル(スタッカテーブル)に積載する。そして、所定枚数の製函用シート材10が積み上げられたら、このシート材群100を1単位のバッチとして出荷する。
次に、図3を参照して、カウンタエゼクタ部(即ち、本実施形態に係るカウンタエゼクタ)6について説明する。
【0034】
図3に示すように、カウンタエゼクタ6の入り口部分の機械幅方向両側には、フレーム20がそれぞれ立設されており、このフレーム20にはフォルダグルア5の出口部(最後部)コンベア用ローラ21と、上下一対の送り出しロール22とが取り付けられている。これらの送り出しロール22の下部には、後述するスタック(製函用シート材10が複数枚積み重なったもの)50の端部を押圧するスパンカ23が設けられている。このスパンカ23は回動レバー24に連結され、この回動レバー24の回動により往復動するよう構成されている。
【0035】
送り出しロール22の出口側の下方は、製函用シート材10が積み重ねられていくことによりスタック50が形成される空間(ホッパ部)Hとなっている。
スパンカ23の下部には、一方の補助レッジ25aがエアシリンダ26によりホッパ部Hに出入り可能に取り付けられている。この補助レッジ25aの下方には、スタック50を押し出すプッシャ27が図示しないエアシリンダ等のアクチュエータにより出入り可能に設けられている。
【0036】
また、送り出しロール22の前方の対向位置には、フォルダグルア5から排出された製函用シート材10を停止させるフロントストップ28が前後方向に移動可能に支持されている。すなわち、フロントストップ28の上部は、前後方向へ延びるねじ軸29に取り付けられ、モータ30の回転駆動によりねじ軸29が回転するとフロントストップ28が前後方向に移動するようになっている。フロントストップ28の下部には、もう一つの補助レッジ25bがエアシリンダ31によりホッパ部Hに出入り可能に設けられている。両補助レッジ25a,25bは互いに対向して配置され、後述するレッジ42上のスタック50を受けるように構成されている。
【0037】
また、フロントストップ28の下方には、これに当たって落ちた製函用シート材10を受けて支持し、集積してスタック50を形成するエレベータ32が設けられている。このエレベータ32は、送り出しロール22の少し前方の下方にほぼ水平に配置されており、ラック33aの設けられた支持軸34に支持され、ラック33aと、ラック33aに噛合するピニオン33bと、ピニオン33bに結合されたサーボモータ35とからなる駆動機構により上下方向に往復動可能に構成されている。
【0038】
一方、カウンタエゼクタ6におけるホッパ部H以降の機械幅方向両側には、サイドフレーム36がそれぞれ設けられており、このサイドフレーム36には水平にレール37が備えられ、両側のレール37にはレッジ支持体38が走行可能に支持されている。つまり、レッジ支持体38にはレール37上を走行するローラ39と、レール37に沿って設けられた図示しないラックと噛合する図示しないピニオンと、このピニオンを回転駆動するレッジ前後サーボモータ40とが装備され、サーボモータ40の正逆回転により、レッジ支持体38が前後方向に移動する。
【0039】
このレッジ支持体38には、昇降機構41を介して水平に延びるレッジ42が装備されている。昇降機構41は、図示しないラック・ピニオン機構と、このピニオンを回転駆動するレッジ昇降サーボモータ43とから構成され、サーボモータ43の正逆回転により、レッジ支持体38が昇降する。このレッジ42は、エレベータ32上に集積されて形成されたスタック50が設定枚数に達した時作動して次のスタック50aを形成する製函用シート材10を受けるために設けられており、このレッジ42の縦方向部材42aには、スタック50を押圧するプレスバー44が昇降機構45により昇降可能に支持されている。昇降機構45も、図示しないラック・ピニオン機構と、このピニオンを回転駆動する図示しないプレスバー昇降サーボモータ46とから構成され、サーボモータ46の正逆回転により、プレスバー44が昇降する。
【0040】
エレベータ32が最下降した際のエレベータ32の上面と同じ高さレベルには、下部コンベア47が設けられ、更にその下流側には排出コンベア48が下部コンベア47と同レベルの高さ位置に設けられている。これら下部コンベア47及び排出コンベア48は、それぞれ下部コンベア用サーボモータ47a及び排出コンベア用サーボモータ48aにより駆動される。下部コンベア47の入口先端位置は、最小長さ(搬送方向長さが最小)の製函用シート材10であっても受けることが可能なようにプッシャ27の十分近くに位置すべく、エレベータ32の奥まで入り込んで設置されている。
【0041】
さらに、下部コンベア47及び排出コンベア48の上方には、下部コンベア47及び排出コンベア48と相まってスタック50を挟持する上部コンベア49が移動機構49aを介して高さ方向位置調整可能に支持されている。また、上部コンベア49は、移動機構49bを介して前後方向にも移動可能であり、箱サイズに合わせフロントストップ28と連動してこのフロントストップ28から一定の距離まで移動すべく構成されている。
【0042】
そして、本カウンタエゼクタ6に特徴的な構成として、エレベータ32の上方に、送り出しロール22から送り出される製函用シート材10の上面にエアAFを吹き付けるファン(送風装置)52,53が設けられている。ファン52は、両サイドフレーム36に支持された梁36aに固定された固定ファン(固定送風装置)であり、ファン53は、フロントストップ28に支持された梁28aに固定され、フロントストップ28と共に前後方向に移動する可動ファン(可動送風装置)である。これらのファン52,53の詳細は後述する。
【0043】
フォルダグルア6のシート走行路の途中には、製函用シート材10の通過を検知する光電管(検知手段)51が設けられている。この光電管51は、コントローラ(制御手段、制御装置)54と電気的に接続されており、検知したシートの通過信号Pがコントローラ52に送られるようになっている。
コントローラ54には、製函用シート材10の通過信号Pの他にそのときの機械速度v(送出しロール22の回転速度)の情報Mが送られ、これらの情報からコントローラ54は、フロントストップ28までの到達時間を演算してレッジ42の作動を指令する信号(下降信号)Nをレッジ駆動用装置のモータ40,41へ送るように構成されている。例えば、コントローラ54は、製函用シート材10の通過信号Pを受けてから、ΔT=S/vで表される時間遅れてモータ41へ下降信号Nを発するようになっている。ここで、Sは光電管51からフロントストップ28までの距離、vは機械速度を示している。
【0044】
ここで、ファン(送風装置)52,53の詳細を、図1を参照して説明する。
図1に示すように、両サイドフレーム36に支持された梁36aには、製函用シート材10の幅方向に並んだ複数(ここでは、3個)の固定ファン52が固定されており、フロントストップ28に支持された梁28aには、製函用シート材10の幅方向に並んだ複数(ここでは、2個)の可動ファン53が固定されている。したがって、固定ファン52は、ホッパ部Hにおける搬送方向の後端部に対応した位置に配置され、可動ファン53は、ホッパ部Hにおける搬送方向の前端部に対応した位置に配置される。
【0045】
また、この例では、固定ファン52は何れも両サイドフレーム36の上端付近の送り出しロール22の出口の高さレベルに対して上方に大きく離隔した位置に配置され、一方、可動ファン53は何れもフロントストップ28の上端付近の送り出しロール22の出口の高さレベルに対して上方に位置するが比較的近い位置に配置されている。
これにより、搬送方向の後端部の固定ファン52は製函用シート材10から離隔することによって、風速は低下するが送風範囲が広がるので、可動ファン53を作動させなくても、製函用シート材10の搬送方向サイズが大きくない限り、製函用シート材10の略全面に風を当てることができる。一方、搬送方向の前端部の可動ファン53は製函用シート材10に接近しているので、製函用シート材10前端部に部分的に強い風を送ることができ、固定ファン52のみでは全風量が不足する場合に用いれば効果的に使用することができるようになっている。更に、可動ファン53はフロントストップ28に固定されるため、シート長に応じて自動でシート先端を吹くよう調整される。
【0046】
何れのファン52,53も、送風方向を鉛直下方、つまり、送り出しロール22から送り出される製函用シート材10の面の適正な方向であるほぼ水平方向に対して、直交する方向に向けており、何れのファン52,53も周囲をダクト52a,53aで覆われており、ダクト52a,53aにより整流されながら送風方向が鉛直下方を向くようになっている。
【0047】
なお、各ファン52,53は、コントローラ54を通じて個別に作動を制御される。つまり、コントローラ54には、製函用シート材10のサイズ(搬送方向サイズ及び幅方向サイズ)と、材質と、坪量と、フルートとの各情報とが予め入力されると共に、製函機の運転速度情報が入力され、コントローラ54は、これらの情報に基づいて、各ファン52,53の作動と停止、及び、作動の際の風量(単位面積当たりの風量=風速、風圧にも相関する)をそれぞれ制御する。
【0048】
つまり、製函機の運転速度が高いほど、また、製函用シート材10の上面視の面積が大きいほど、製函用シート材10を速やかに下降させる必要があり、このためには、製函用シート材10に対して鉛直下方に加える風量(製函用シート材10の全体が受ける風量)を大きくする必要がある。ただし、製函用シート材10に局所的に強い風(単位面積当たりの風量、即ち、風速の大きい風)を与えると、製函用シート材10が変形したり不適正な挙動をしたりして、不適正な姿勢で下降する。
【0049】
この製函用シート材10の変形や挙動は、製函機の運転速度や製函用シート材10の上面視の面積だけでなく、製函用シート材10の自重や剛性に依存する。この製函用シート材10の自重や剛性は、製函用シート材10の材料用紙の材質と、材料用紙の坪量と、素材の段ボールシートのフルートとから決まるので、ここでは、これらの情報から、製造する製函用シート材10に対して最適な送風領域及び各送風領域の風量を予め試験等を行なって求めてデータベース化しておき、コントローラ54では、入力された情報に対してこのデータベースを用いて最適な送風領域及び各送風領域の風量を求めて各ファン52,53を制御するようになっている。
【0050】
次に、本実施形態にかかるカウンタエゼクタ6の動作を図4〜図6を参照して説明する。なお、図4〜図6において、各製函用シート材10を区別するために、符号10,10,10等を用いる。
図4(a)はエレベータ32上のスタック50が設定した枚数に達した直後を示している。設定枚数目の製函用シート材10がフロントストップ28に達した瞬間、レッジ42及びこれに内蔵された形のプレスバー44が下降して、図4(b)に示すように、次のスタック50aを形成する最初の製函用シート材10を受ける。レッジ42の下降指令は、光電管51が最後の製函用シート材10(例えば100枚目)のシート先端が到達したシート通過信号Pとそのときの機械速度の情報Mより、光電管51の位置からフロントストップ28に達する時間を計算して出され、モータ41へ送られることになる。
【0051】
図4(c)はエレベータ32が下部コンベア47の位置まで下降した状態を示している。図4(b)に示す時点でレッジ42が次のスタック50aを形成する製函用シート材10,10を順に受けるようになると、エレベータ32は直ちに下降を開始し、下部コンベア47の位置まで下がる。この時、スタック50がスプリングバックで崩れないようにすべく、プレスバー44がレッジ42より下方へ押し出され、エレベータ32と共にスタック50を挟みながら下降する。そして、スタック50の上面が補助レッジ25a,25bの位置を通過すると、図5(a)に示すように、補助レッジ25a,25bが互いに向き合う方向へ突き出されて、図5(b)に示すように、待機している。なお、レッジ42上には次のスタック50aが形成されている。
【0052】
図5(b)に示す状態では、この図中には示さないプッシャ27がスタック50を上部コンベア49に挟むまで押し出す。この後、プッシャ27にて押し出されたスタック50は、下部コンベア47及び排出コンベア48と上部コンベア49とにより、バッチ100として外部へ送出されることになる。
図5(c)に示すように、バッチ100が下部コンベア47及び排出コンベア48等により移動を開始すると、プレスバー44がわずかに上昇し当該バッチ100の上面から離れる。そして、レッジ42はプレスバー44と一緒に、次の上昇に備えてスタック50aと干渉しない位置まで後退する。この時、レッジ42上のスタック50aは、補助レッジ25a,25bが受けている。この過程の間にバッチ100はエレベータ32から完全に離れる。
【0053】
そして、図6(a)に示すように、バッチ100がエレベータ32から離れると、エレベータ32は補助レッジ25a,25bの位置まで上昇する。次いで、補助レッジ25a,25bが引っ込み、その上のスタック50aはエレベータ32により受け取られる。その間に、プレスバー44はレッジ42に収納されると共に、これらレッジ42及びプレスバー38は図6(b)に示すように上昇していき、図4(a)に示すものと同じ高さになると、図4(a)に示す位置まで前進して図4(a)の状態に戻る。以下、このサイクルを繰り返し、必要数のバッチ100を排出する。
【0054】
本発明の第1実施形態に係るカウンタエゼクタ6は、上述のように構成され動作するが、上記の動作時に、コントローラ54が、製函用シート材10のサイズ(搬送方向サイズ及び幅方向サイズ)と、材質と、坪量と、フルートとの各情報と、機械の運転速度の情報とに基づいて、各ファン52,53の作動と停止(送風領域の調整)、及び、作動の際の風量(単位面積当たりの風量=風速、風圧にも相関する)をそれぞれ最適状態に制御するので、製函用シート材10の姿勢や挙動を適正に保持しながら、製函用シート材10を速やかにホッパ部Hへ下降させることができる。
【0055】
これにより、製函機の高速化を促進することができる。
例えば、図7(a)に示すように、搬送方向サイズの大きい製函用シート材10の場合、搬送方向の後端部の固定ファン52による空気流AF1に加えて、搬送方向の前端部の可動ファン53を作動させて可動ファン53による空気流AF2を作用させれば、搬送方向の後端部の固定ファン52による空気流AF1の強さを抑えながら、製函用シート材10全体には、十分な空気流(AF1+AF2)を作用させるので、図7(b)に示すように、過剰に強い空気流AF1による製函用シート材10の不適正な姿勢や挙動を発生させることなく、製函用シート材10を速やかに降下させることができる。
【0056】
また、搬送方向サイズの大きくない製函用シート材10の場合、空気流AF1を強くしても製函用シート材10の不適正な姿勢や挙動を発生しにくいので、図7(c)に示すように、搬送方向の前端部の可動ファン53を停止させて、搬送方向の後端部の固定ファン52による空気流AF1のみを製函用シート材10のサイズや製函機の運転速度等に応じた強さで作用させれば、製函用シート材10の不適正な姿勢や挙動を発生させることなく、効率よく製函用シート材10を速やかに降下させることができる。
【0057】
また、コントローラ54が、データベースに基づいて、製函用シート材10のサイズ(搬送方向サイズ及び幅方向サイズ)と、材質と、坪量と、フルートとの各情報と、機械の運転速度の情報とに基づいて、製造する製函用シート材10に対して最適な送風領域及び各送風領域の風量となるように各ファン52,53を制御することにより、様々な種類の製函用シート材10や様々な運転状況に応じて、常に、製函用シート材10の不適正な姿勢や挙動を発生させることなく、製函用シート材10を速やかに降下させることができる。
【0058】
なお、本実施形態の場合のファン52,53の制御態様としては、固定ファン52による風量を製函用シート材10の不適正な姿勢や挙動を発生させることのない程度の一定値としておき、固定ファン52による風量で不足する分を可動ファン53により発生させるようにすればシンプルなロジック構成となる。この場合、可動ファン53の風量を不足する分を補うような程度に制御することが好ましい。
【0059】
また、製函用シート材10の幅方向の変形(反り)が生じる場合には、幅方向に送風領域の調整や風量の調整を行なえば、かかる変形を抑制しうる。
さらに、通常、製函用シート材10は、段の延びる方向(段方向)を搬送方向と一致させて搬送されるが、特殊な製函用シート材10の場合、段方向を搬送方向と直交する向きにして搬送される場合があるが、この場合、製函用シート材10の搬送方向への変形が大きくなり易く、より綿密な送風領域や風量の設定が望まれるが、ファン52,53の数を増やすなどして対応することで、かかる対応も可能となる。
【0060】
製函機の運転の高速化には、カウンタエゼクタ6において、機械の運転速度を抑えることなく製函用シート材10を適正に積重できるようにすることが必要であるが、この点、本カウンタエゼクタ6によれば、製函用シート材10を適正な姿勢に保持しながらホッパ部Hへ速やかに下降させることができるので、機械を高速運転しながら製函用シート材10をホッパ部Hへ適正に積重することができるようになり、製函機に本カウンタエゼクタ6を装備すれば、製函機を高速化することができるようになる。
【0061】
〔第2実施形態〕
次に、図8を参照して、本発明の第2実施形態にかかるカウンタエゼクタを説明する。なお、図8において記述の符号と同様のものは同様の部材を示し、説明は省略する。
本実施形態は、送風装置のみが第1実施形態と異なっている。
図8に示すように、この送風装置は、両サイドフレーム36に支持された固定ファン55を搬送方向及び幅方向にそれぞれ並んで多数備え、コントローラ54が、製函用シート材10のサイズ(搬送方向サイズ及び幅方向サイズ)と、材質と、坪量と、フルートとの各情報と、機械の運転速度の情報とに基づいて、各ファン55の作動と停止(送風領域の調整)、及び、作動の際の風量(単位面積当たりの風量=風速、風圧にも相関する)をそれぞれ最適状態に制御するようにしている。
【0062】
ここでは、搬送方向及び幅方向に6個ずつの固定ファン55がマトリクス状に配置され、各固定ファン55は、送風方向を鉛直下方に向けており、各固定ファン55は何れもダクト55aで周囲を覆われており、ダクト55aにより整流されながら送風方向が鉛直下方を向くようになっている。
このような構成でも、第1実施形態と同様に、製函用シート材10の姿勢や挙動を適正に保持しながら、製函用シート材10を速やかにホッパ部Hへ下降させることができ、これにより、製函機の高速化を促進することができる。
また、本実施形態の場合、マトリクス状に配置された多数の固定ファン55により綿密な送風領域や風量の設定が可能になる。
【0063】
〔第3実施形態〕
次に、図9を参照して、本発明の第3実施形態にかかるカウンタエゼクタを説明する。なお、図9において記述の符号と同様のものは同様の部材を示し、説明は省略する。
本実施形態は、送風装置のみが第1,2実施形態と異なっている。
図9に示すように、この送風装置は、送風ブロー56と、送風ブロー56を回転駆動するブロー用モータ57と、ブロー用モータ57を送風ブロー56に動力伝達する動力伝達機構(ベルト&プーリ又はチェーン&スプロケット)58と、送風用ダクト59とを備えている。
【0064】
そして、送風用ダクト59は、隔壁60a,60bにより幅方向に複数(ここでは、3つ)の流路に分割され、各流路の入り口には、開閉シャッタ61a〜61cがそれぞれ設けられ、個々に開閉操作されて、送風ブロー56の風を下流側に流通させたり遮断させたりすることができるようになっている。
さらに、送風用ダクト59の出口部には、幅方向に延在する多数の開閉シャッタ62が並設され、これらも個々に開閉操作されるようになっている。
【0065】
ブロー用モータ57及び開閉シャッタ61a〜61c,62はそれぞれコントローラ54によって制御される。つまり、コントローラ54は、製函用シート材10のサイズ(搬送方向サイズ及び幅方向サイズ)と、材質と、坪量と、フルートとの各情報と、機械の運転速度の情報とに基づいて、開閉シャッタ61a〜61c,62の開閉操作による送風領域の調整、及び、ブロー用モータ57の作動制御による風量(単位面積当たりの風量=風速、風圧にも相関する)の調整を行ない、それぞれ最適状態に設定するようにしている。
【0066】
ここでは、送風用ダクト59の出口部の開閉シャッタ62の開放時には、各開閉シャッタ62が鉛直方向に向いて、送風方向を鉛直下方に案内する。
このような構成でも、第1,2実施形態と同様に、製函用シート材10の姿勢や挙動を適正に保持しながら、製函用シート材10を速やかにホッパ部Hへ下降させることができ、これにより、製函機の高速化を促進することができる。
【0067】
また、本実施形態の場合も、多数の開閉シャッタ62により綿密な送風領域や風量の設定が可能になる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の各実施形態のものに限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変形或いは省略或いは組み合わせをして実施することができる。
【0068】
つまり、本発明にかかる送風装置は、少なくとも段ボール箱の搬送方向への送風領域を可変とし、特に、搬送方向のサイズが最大の段ボール箱に対しては、少なくともホッパ部における搬送方向の後端部及び前端部の双方に対応した送風領域を有しているものであればよく、上述の各実施形態のものに限定されない。
もちろん、上述の各実施形態に例示するカウンタエゼクタや製函機の各部の具体的な構成も一例であり、これらの構成についても本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変形することができる。
【符号の説明】
【0069】
1 給紙部
2 印刷部
3 排紙部
4 ダイカット部
5 フォルダグルア部
6 カウンタエゼクタ部(カウンタエゼクタ)
10,10,10,10 シート状の段ボール箱(製函用シート材)
10a 段ボールシート
20 フレーム
21 コンベア用ローラ
22 送り出しロール
23 スパンカ
24 回動レバー
25a,25b 補助レッジ
26 エアシリンダ
27 プッシャ
28 フロントストップ
29 ねじ軸
31 エアシリンダ
32 エレベータ
33a ラック
33b ピニオン
34 支持軸
35 サーボモータ
36 サイドフレーム
37 レール
38 レッジ支持体
39 ローラ
40 レッジ前後サーボモータ
41 昇降機構
42 レッジ
43 レッジ昇降サーボモータ
44 プレスバー
45 昇降機構
46 プレスバー昇降サーボモータ
47 下部コンベア
47a 下部コンベア用サーボモータ
48 排出コンベア
48a 排出コンベア用サーボモータ
49 上部コンベア
49a,49b 移動機構
50,50a スタック
51 光電管(検知手段)
52,55 固定ファン(固定送風装置)
53 可動ファン(可動送風装置)
54 コントローラ(制御手段,制御装置)
56 送風ブロー
57 ブロー用モータ
58 動力伝達機構(ベルト&プーリ又はチェーン&スプロケット)
59 送風用ダクト
60a,60b 隔壁
61a〜61c,62 開閉シャッタ
100 シート材群(バッチ)
H 空間(ホッパ部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製函機の下流部に装備され、上流側から搬送されて送り出されたシート状の段ボール箱を下方から受けるホッパ部と、前記段ボール箱の上方から前記ホッパ部へ向けて送風する送風装置とを有するカウンタエゼクタであって、
前記送風装置は、少なくとも前記段ボール箱の搬送方向への送風領域を可変とするものであって、前記搬送方向のサイズが最大の前記段ボール箱に対しては、少なくとも前記ホッパ部における前記搬送方向の後端部及び前端部の双方に対応した前記送風領域を有している
ことを特徴とする、カウンタエゼクタ。
【請求項2】
前記送風装置は、前記送風領域の各部分毎に個別に風量を可変に構成され、
前記送風装置の送風領域又は前記風量を変更操作する制御装置を有している
ことを特徴とする、請求項1記載のカウンタエゼクタ。
【請求項3】
前記制御装置は、前記段ボール箱の前記搬送方向のサイズに応じて前記搬送方向への前記送風領域又は前記風量を変更操作する
ことを特徴とする、請求項2記載のカウンタエゼクタ。
【請求項4】
前記制御装置は、前記段ボール箱の幅方向のサイズに応じて前記搬送方向への前記送風領域又は前記風量を変更操作する
ことを特徴とする、請求項2又は3記載のカウンタエゼクタ。
【請求項5】
前記送風装置は、さらに前記段ボール箱の幅方向への送風領域を可変とするものであって、
前記制御装置は、前記段ボール箱の前記搬送方向のサイズ及び前記幅方向のサイズの少なくともいずれかに応じて前記搬送方向への前記送風領域又は前記風量を変更操作する
ことを特徴とする、請求項3又は4記載のカウンタエゼクタ。
【請求項6】
前記制御装置は、前記製函機の運転速度に応じて前記送風領域又は前記風量を変更操作する
ことを特徴とする、請求項2〜5のいずれか1項に記載のカウンタエゼクタ。
【請求項7】
前記制御装置は、前記段ボール箱の材質、坪量、フルートに応じて前記送風領域又は前記風量を変更操作する
ことを特徴とする、請求項2〜6のいずれか1項に記載のカウンタエゼクタ。
【請求項8】
前記送風装置は、前記ホッパ部における前記搬送方向の後端部に対応した位置に固定された固定送風装置と、前記ホッパ部における前記搬送方向の前端部において前記段ボール箱の前記搬送方向のサイズに応じて可動な可動送風装置とを有している
ことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のカウンタエゼクタ。
【請求項9】
前記送風装置は、前記搬送方向又は前記段ボール箱の幅方向に区画されてそれぞれの区画毎に送風口を開閉可能な送風口開閉機構を備え、前記送風口開閉機構によって送風領域を可変とする
ことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のカウンタエゼクタ。
【請求項10】
前記送風装置は、前記搬送方向又は前記段ボール箱の幅方向に並べられそれぞれ個別に運転操作可能な複数の送風ファンを備え、前記複数の送風ファンを選択的に作動させることによって送風領域を可変とする
ことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載のカウンタエゼクタ。
【請求項11】
段ボールシートを1枚ずつ給紙する給紙部と、
前記給紙部から給紙された段ボールシートに印刷する印刷部と、
前記印刷部により印刷された段ボールシートを排紙する排紙部と、
前記排紙部から排紙された段ボールシートに溝切り及び罫線入れをするダイカット部と、
前記ダイカット部により加工された段ボールシートの端部に糊付けし折り曲げ加工をしてシート状の段ボール箱を形成するフォルダグルア部と、
前記フォルダグルア部により加工された前記段ボール箱を計数しながら積重するカウンタエゼクタ部と、を備え、
前記カウンタエゼクタ部には、少なくとも前記段ボール箱の搬送方向への送風領域を可変とするものであって、前記搬送方向のサイズが最大の前記段ボール箱に対しては、少なくとも前記カウンタエゼクタ部のホッパ部における前記搬送方向の後端部及び前端部の双方に対応した前記送風領域を有している送風装置が設けられている
ことを特徴とする、製函機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−157994(P2012−157994A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−17588(P2011−17588)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(310016522)三菱重工印刷紙工機械株式会社 (75)
【Fターム(参考)】