説明

カチオン性染料、それらの製造及び使用

【課題】カチオン性染料、それらの製造及び使用の提供。
【解決手段】本発明は、式(1)
【化1】


[式中、
1及びR7は、各々互いに独立して、水素原子、ヒドロキシル基;未置換の又は置換された炭素原子数1ないし6のアルキル基、アリール基又は炭素原子数1ないし6のアルコキシ基;又は−NR34(式中、R3及びR4は、各々互いに独立して、水素原子、未置換の又は置換されたアリール基又は炭素原子数1ないし6のアルキル基を表わす。)を表わし、
2は、水素原子、ヒドロキシル基、未置換の又は置換された炭素原子数1ないし6のアルキル基、アリール基又は炭素原子数1ないし6のアルコキシ基、−NR34、又は式(2)
【化2】


(式中、R5は、水素原子、未置換の又は置換されたアリール基又は炭素原子数1ないし6のアルキル基を表わす。)で表わされる有機基を表わし、
-は、アニオンを表わす。]で表わされる新規カチオン性染料に関する。更に、本発明は、特に他の染料を含むその組成物、それらの製造方法及びケラチン、羊毛、革、絹、セルロース又はポリアミド、好ましくはヒトの毛髪等の有機物質の染色におけるそれらの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規カチオン性染料、その組成物、それらの製造方法及びケラチン繊維、羊毛、革、絹、セルロース又はポリアミド、特にケラチン含有繊維、綿又はナイロン、好ましくは毛、より好ましくはヒトの毛髪等の有機物質の染色におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
カチオン性染料が、有機物質、例えば、ケラチン、絹、セルロース又はセルロース誘導体、及びまた合成繊維、例えば、ポリアミドの染色に使用できることは、例えば、国際公開第95/01772号パンフレット、国際公開第95/15144号パンフレット、欧州特許第714954号明細書及び欧州特許第318294号明細書から既知である。カチオン性染料は、極めて鮮明な色を示す。欠点は、加水分解及び光に対するそれらの不十分な堅牢性、還元又は酸化条件下におけるそれらの不十分な安定性及びそれらの不十分な貯蔵安定性にある(参照:ジョン F.コルベット:‘‘The Chemistry of Hair−Care Products’’,JSCD 1976年8月,290頁)。
【特許文献1】国際公開第95/01772号パンフレット
【特許文献2】国際公開第95/15144号パンフレット
【特許文献3】欧州特許第714954号明細書
【特許文献4】欧州特許第318294号明細書
【非特許文献1】ジョン F.コルベット:‘‘The Chemistry of Hair−Care Products’’,JSCD 1976年8月,290頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の実際の技術的問題は、洗浄、光、シャンプー及び摩擦に対し良好な堅牢性を有する濃い染色を特徴とし、かつ好ましくは有機物質の染色のための、還元又は酸化染色条件下で十分な安定性を示す鮮明な染料を提供することにあった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
それ故、式(1)
【化1】

[式中、
1及びR7は、各々互いに独立して、水素原子、ヒドロキシル基;未置換の又は置換された炭素原子数1ないし6のアルキル基、アリール基又は炭素原子数1ないし6のアルコキシ基;又は−NR34(式中、R3及びR4は、各々互いに独立して、水素原子、未置換の又は置換されたアリール基又は炭素原子数1ないし6のアルキル基を表わす。)を表わし、
2は、水素原子、ヒドロキシル基、未置換の又は置換された炭素原子数1ないし6のアルキル基、アリール基又は炭素原子数1ないし6のアルコキシ基、−NR34、又は式(2)
【化2】

(式中、R5は、水素原子、未置換の又は置換されたアリール基又は炭素原子数1ないし6のアルキル基を表わす。)で表わされる有機基を表わし、
-は、アニオンを表わす。]で表わされるカチオン性染料が発見された。
【0005】
好ましいものは、R1及びR7が、各々互いに独立して、水素原子、未置換の炭素原子数1ないし6のアルキル基、−(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−OH、−(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−NR34又は−NR34(式中、R3及びR4は、各々互いに独立して、水素原子、未置換の炭素原子数1ないし6のアルキル基を表わす。)を表わし、
2が、水素原子、ヒドロキシル基、未置換の炭素原子数1ないし6のアルキル基、−(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−OH、−(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−NR34又は−NR34、又は式(2)で表わされる有機基を表わす、式(1)で表わされるカチオン性染料である。
【0006】
更に、好ましいものは、R1、R2及びR7が水素原子、未置換の炭素原子数1ないし6のアルキル基、−(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−OH又は−(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−NR34等の同一の置換基を表わす、式(1)で表わされるカチオン性染料である。
【0007】
より好ましいものは、R1及びR7が水素原子を表わす、式(1)で表わされるカチオン性染料である。
【0008】
本発明において、炭素原子数1ないし6のアルキル基、アリール基又はベンジル基の置換基は、例えば、ヒドロキシル基、NR34(式中、R3及びR4は、各々互いに独立して、水素原子、未置換の又は置換されたアリール基又は炭素原子数1ないし6のアルキル基を表わす。);又は炭素原子数1ないし8のアルキル基、炭素原子数1ないし8のアルコキシ基、シアニド及び/又はハリドである。
【0009】
アルキル基は、例えば、炭素原子数1ないし8のアルキル基、炭素原子数1ないし6のアルキル基、好ましくは炭素原子数1ないし4のアルキル基であり、かつ直鎖、枝分かれ、置換又は未置換であり得、また、炭素原子数5以上のアルキル基の場合は、単環式又は多環式でもあり得、かつ未中断であるか又はO、S、N、NH等のヘテロ原子で中断され得り;例えば、−CH2CH2−O−CH2CH2−O−CH2CH3又は−CH2CH2−O−CH2CH3又は−CH2CH2−O−CH3又は−CH2−O−CH3である。
【0010】
炭素原子数1ないし8のアルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基、n−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2,2’−ジメチルプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、1,1’,3,3’−テトラメチルブチル
基又は2−エチルヘキシル基である。
炭素原子数1ないし6のアルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基、n−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2,2’−ジメチルプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、n−ヘキシル基である。
炭素原子数1ないし4のアルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基又は第三ブチル基である。
【0011】
炭素原子数1ないし6のアルコキシ基は、O−炭素原子数1ないし6のアルキル基、好ましくはO−炭素原子数1ないし4のアルキル基である。
【0012】
アリール基は、例えば、未置換の又は置換されたフェニル基、ベンジル基、トリル基である。
ハリドは、例えば、フルオリド、クロリド、ブロミド又はヨージド、特にクロリド及びフルオリドである。
【0013】
‘‘アニオン’’は、例えば、有機又は無機アニオン、例えばハリド、好ましくはクロリド及びフルオリド、スルフェート、硫酸水素塩、ホスフェート、四フッ化ホウ素酸塩、カルボネート、重炭酸塩、オキサレート又は炭素原子数1ないし8のアルキルスルフェート、特にメチルスルフェート又はエチルスルフェートを表わし;アニオンはまた、ラクテート、ホルメート、アセテート、プロピオネート、又は、錯アニオン、例えば、塩化亜鉛複塩も表わす。
【0014】
アニオンは、特にハリド、好ましくはクロリド又はフルオリド、スルフェート、硫酸水素塩、メチルスルフェート、ホスフェート、ホルメート、アセテート又はラクテートである。
アニオンは、より特にはクロリド、メチルスルフェート、ホルメート又はアセテートである。
【0015】
最も好ましいものは、式(3)、(4)、(5)、(6)又は(7)
【化3】

(式中、X-は、アニオンを表わす。)で表わされる、カチオン性染料である。
【0016】
本発明はまた、式(1)で表わされる染料、好ましくは式(3)、(4)、(5)、(6)又は(7)で表わされる染料の製造方法であって、該方法は、T.デリゲオルギエブ他による‘‘Dyes and Pigments’’,第31巻(3),219ないし224頁,1996年に記載されるような既知の方法に従って得られる式(8)
【化4】

(式中、R6は炭素原子数1ないし6のアルコキシ基又はハリドを表わし、好ましいハリドはクロリド又はフルオリドであり、X-はアニオンを表わす。)で表わされる化合物と式(9)
【化5】

[式中、R1、R5及びR7は、各々互いに独立して、水素原子、ヒドロキシル基;未置換の又は置換された炭素原子数1ないし6のアルキル基、アリール基又は炭素原子数1ないし6のアルコキシ基;又は−NR34(式中、R3及びR4は、各々互いに独立して、水素原子、炭素原子数1ないし6のアルキル基、未置換の又は置換されたアリール基を表わし、好ましくはR3及びR4は、各々互いに独立して、水素原子、炭素原子数1ないし6のアルキル基を表わす。)を表わし、
好ましくは、R1は水素原子を表わす。]で表わされるアミンを反応させることからなる方法に関する。
【0017】
反応は、一般に、式(8)で表わされる化合物と式(9)で表わされるアミンを接触させることによって;例えば、出発化合物を一緒に混合することによって又は1方の出発化合物を他方のものに滴下添加することによって開始される。
【0018】
慣用的に、出発化合物の混合中、温度は290ないし300Kの範囲内である。
【0019】
式(8)で表わされる化合物と式(9)で表わされるアミンのモル比は、一般に、5:1ないし1:5の範囲内、特に3:1ないし1:3の範囲内、より特には2:1ないし1:1の範囲内において選択される。
【0020】
反応の継続時間は、一般に、出発化合物の反応性、選択される反応温度及び所望の転化に依存する。選択される反応の継続時間は、通常、1時間ないし3日間の範囲内である。
【0021】
式(8)で表わされる化合物と式(9)で表わされるアミンの反応のための反応温度は、293ないし363Kの範囲内、特に323ないし355Kの範囲内、より特には333ないし355Kの範囲内において選択することが望ましい。
【0022】
選択される反応圧力は、一般に、70kPaないし10MPa、特に90kPaないし5MPaの範囲内であり、より特には大気圧である。
【0023】
式(8)で表わされる化合物と式(9)で表わされるアミンの反応は、触媒の存在下において行うことが望まれ得る。
【0024】
式(8)で表わされる化合物と触媒のモル比は、一般に、10:1ないし1:5の範囲内、特に10:1ないし1:1の範囲内において選択される。
【0025】
適当な触媒は、例えば、アルカリ金属炭素原子数1ないし6のアルキルオキシド、例えばナトリウム−、カリウム又はリチウム炭素原子数1ないし6のアルキルオキシド、好ましくはナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド又はリチウムメトキシド、又はナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド又はリチウムエトキシド;又は第三アミン、例えば、ピリジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリオクチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、キヌクリジン、N−メチルピペリジン等;又はアルカリ金属アセテート、例えば、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム又は酢酸リチウム等である。
好ましいものは、酢酸カリウム、ナトリウムメトキシド、ピリジン及び1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンである。
【0026】
得られた反応混合物を、その後、293ないし363Kの範囲内、特に323ないし355Kの範囲内、より特には333ないし355Kの範囲内から選択された温度において攪拌することを推奨する。その後の攪拌のために選択される継続時間は、一般に、1時間ないし24時間である。
【0027】
更に、該反応は、溶媒あり又はなしで行われ得るが、好ましくは溶媒中で行われる。好ましいものは、有機溶媒又は溶媒混合物である。
【0028】
本発明に関して、溶媒は、有機溶媒及び水、又は有機溶媒の混合物、又は有機溶媒の混合物と水である。有機溶媒は、例えば、アルコール、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール又はグリコール、特にイソプロパノール、又はニトリル、例えばアセトニトリル又はプロピオニトリル、又はアミド、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド又はN−メチルピリジン、又はスルホキシド、例えばジメチルスルホキシド等のプロトン性又は非プロトン性の極性有機溶媒、又はそれらの混合物である。
【0029】
式(8)で表わされる化合物と溶媒の質量比は、一般に、20ないし90質量%の範囲内、特に30ないし60質量%の範囲内である。
【0030】
生成された生成物は、都合良く処理及び単離され得り、そして所望により精製され得る。
【0031】
慣用的に、該処理は、反応混合物の温度を、280ないし300Kの範囲内、特に290ないし300Kの範囲内に低下させることによって行われる。
有利には、該温度は、数時間かけて、ゆっくりと低下させられ得る。
【0032】
一般に、反応生成物は、通常、濾過され、そしてその後、水又は塩溶液で洗浄され、そしてその後、乾燥される。
濾過は、通常、標準的な濾過装置、例えば、ブフナー漏斗、フィルタープレス、加圧吸引フィルターで、好ましくは真空中で行われる。
【0033】
乾燥のための温度は、適用される圧力に依存する。乾燥は、通常、50−200ミリバールにおいて真空中で行われる。
乾燥は、通常、313ないし363K、特に323ないし353K、より特には328ないし348Kの範囲内の温度において行われる。
【0034】
単離した後、再結晶化によって精製することが、生成物のために都合が良いということが証明されている。
【0035】
有機溶媒及び溶媒混合物が再結晶化のために適当である。好ましいものは、アルコール、例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール又はブタノール、特に2−プロパノールである。
【0036】
本発明に従った式(1)で表わされる染料は、有機物質、例えば、ケラチン、羊毛、革、絹、セルロース又はポリアミド、特にケラチン含有繊維、綿又はナイロン、好ましくはヒトの毛を染色するために適当である。
【0037】
特に好ましいものは、毛の着色のための着色組成物である。このような組成物のために適当な更なる添加剤は、毛の着色において慣用的な添加剤、例えば、更なる染料、界面活性剤、溶媒、香油、ポリマー状補助剤、増粘剤及び光安定剤を含む。
【0038】
本発明に従って使用される染料混合物の色の多様性及び着色堅牢性は、毛の着色組成物の分野において使用される他の染料と組合せることによって増加し得る。それらは、酸化染料及び直接染料とも非常に容易に組合せられ得り、後者のものは、アニオン性又はカチオン性又は非電荷のものでもあり得る。
【0039】
全ての着色組成物において、多数の異なる着色剤を一緒に使用することもできる;同様に、顕色剤及びカップリング化合物の群からの多数の異なる酸化染料先駆物質、例えば、独国特許出願第19717224.5号明細書に記載されたような、例えば、第一級アミノ基又は第二級アミノ基を有する芳香族化合物、窒素原子含有複素環、芳香族ヒドロキシ化合物又はアミノ酸を一緒に使用することもできる。
【0040】
本発明に従った染料混合物は、黄色から青色の範囲内の色合いを生じさせ、かつ堅牢性が顕著である。光に対する良好な堅牢性及び洗浄性に対する堅牢性及び既に暗い色に着色された毛の色を明かに変え得るそれらの性質も注目される。
【0041】
更なる態様において、色合いの更なる変性のために、本発明に従った着色組成物はまた、本発明に従った染料混合物に加えて、例えば、ニトロアニリン、ニトロフェニレンジアミン、ニトロアミノフェノール、アントラキノン、インドフェノール、フェナジン、フェノチアジン及びメチンの群からの慣用の直接染料を含む。
【0042】
カチオン化ニトロアニリン及びアントラキノン染料、例えば、以下の特許明細書;米国特許第5298029号明細書、米国特許第5360930号明細書、米国特許第5169403号明細書、米国特許第5256823号明細書、米国特許第5135543号明細書、欧州特許出願公開第818193号明細書、米国特許第5486629号明細書及び欧州特許出願公開第758547号明細書に記載されたものもまた、本発明に従った染料混合物との組合せのために非常に適当である。
【0043】
例えば、英国特許出願公開第2319776号明細書に記載のカチオン性アゾ染料等のカチオン性直接染料、並びに、独国特許出願公開第29912327号明細書に記載されたオキサジン染料及びそこで言及された他の直接染料とのそれらの混合物もまた、同様に、組合せのために適当である。
【0044】
例えば、国際公開第95/01772号パンフレット、国際公開第95/15144号パンフレット、欧州特許第714954号明細書及び欧州特許第318294号明細書に記載のカチオン性直接染料もまた、組合せのために適当である。
【0045】
更に、本発明に従った着色組成物はまた、例えば、ヘンナレッド、ヘンナニュートラル、ヘンナブラック、カモミール花、ビャクダン、紅茶、セイヨウクロウメモドキ樹皮、セージ、カンペチェの木(campeche wood)、アカネの根、カテキュー、セードル(sedre)及びアルカンナの根のような自然に存在する染料を含み得る。このような着色方法は、例えば、欧州特許出願公開第404868号明細書に記載されている。
【0046】
更なる慣用の染料成分に関して、文献として、特に、“Dermatology”シリーズ,Ch.クルナン、H.マイバッハ編,Verlag Marcel Dekker社,ニューヨーク,バーゼル,1986年,第7巻、Ch.ツバィクのthe Science of Hair Care,第7章,248〜250頁(直接染料)及び第8章,264〜267頁(酸化染料)、及びBundesverband der deutschen Industrie− und Handelsunternehmen fur Arzneimittel,Reformwaren und Korperpflegemittel e.V.,Mannheimからディスクとして入手することができる“Europaisches Inventar der Kosmetikrohstoffe”(欧州委員会が1996年に公表)を挙げる。
【0047】
酸化染料先駆物質が存在するならば、酸化染料先駆物質又は染料は、各々、単一化合物である必要がなく、むしろ、本発明に従った着色組成物は、このような成分が着色結果に不都合な影響を及ぼさない又は他の理由、例えば、毒性のため除く必要がないという条件で、個々の染料の製造方法に依存して、より少量の更なる成分を更に含み得る。
【0048】
本発明に従った染料混合物はまた、毛の着色において使用される他の染料及び/又は補助剤との、例えば以下のものとの組合せにおいて容易に使用され得る。
・欧州特許出願公開第810851号明細書に記載されたような、明るい着色を達成するための酸化剤、
・独国特許出願公開第19713698号明細書又は国際公開第99/40895号パンフレットに記載されたような、パーマネントウェーブ固定溶液の形態の酸化剤、
・欧州特許出願公開第850636号明細書、欧州特許出願公開第850637号明細書、欧州特許出願公開第850638号明細書及び欧州特許出願公開第852135号明細書に記載されたような、酸化染色組成物、
・国際公開第99/17730号パンフレット及び国際公開第99/36034号パンフレットに記載されたような、酸化還元酵素の存在下における酸化染料、
・国際公開第99/20234号パンフレットに記載されたような、自動酸化性酸化染料、又は
・国際公開第99/20235号パンフレットに記載されたような、ニトロベンゼン誘導体。
【0049】
本発明に従った着色組成物は、45℃未満の生理学的に許容可能な温度においてさえも濃い着色を生じる。従って、それらは、特にヒトの毛の着色のために適当である。ヒトの毛に使用する場合、着色組成物は通常、化粧品用水性キャリヤーに組込まれ得る。適当な化粧品用水性キャリヤーは、例えば、クリーム、エマルジョン、ゲル及びまた、ケラチン含有繊維における使用に適当な界面活性剤含有フォーミング溶液、例えば、シャンプー又は他の製品を含む。このような使用形態は、Research Disclosure42448(1999年8月)に詳細に記載されている。必要ならば、例えば、米国特許第3,369,970号明細書に記載されているように、着色組成物を無水キャリヤに組込むことも可能である。本発明に従った着色組成物はまた、欧州特許出願公開第3,829,870号明細書に記載されている、着色くし又は着色ブラシを使用する着色方法に非常に適当である。
【0050】
本発明に従った着色組成物は、更に、このような製造において既知のいかなる有効成分、添加剤又は補助剤も含み得る。着色組成物は、多くの場合において、少なくとも1つの界面活性剤を含み、その場合、原則的にアニオン性及びまた、双性イオン性、両性イオン性及び非イオン性界面活性剤が適当である。しかしながら、多くの場合において、アニオン性及び非イオン性界面活性剤からの界面活性剤を選択することが有利であることが証明されている。
【0051】
本発明に従った配合物に使用される適当なアニオン性界面活性剤は、人体における使用に適当ないかなるアニオン性界面活性物質も含む。このような物質は、水溶性を付与するアニオン基、例えば、カルボキシレート基、スルフェート基、スルホネート基又はホスフェート基及び約10ないし22個の炭素原子を有する親油性アルキル基を特徴とする。加えて、グリコール基又はポリグリコールエーテル基、エステル基、エーテル基及びアミド基及びまたヒドロキシ基が分子中に存在し得る。それぞれナトリウム、カリウム又はアンモニウム塩、又はアルカノール基中に2又は3個の炭素原子を有するモノ、ジ又はトリアルカノールアンモニウム塩の形態の適当なアニオン性界面活性剤の例は以下のものである:
−10ないし22個の炭素原子を有する直鎖状脂肪酸(石鹸)、
−式R−O−(CH2−CH2−O)x−CH2−COOH(式中、Rは、10ないし22個の炭素原子を有する直鎖状アルキル基を表わし、x=0又は1ないし16である。)で表わされるエーテルカルボン酸、
−アシル基中に10ないし18個の炭素原子を有するアシルサルコシド、
−アシル基中に10ないし18個の炭素原子を有するアシルタウリド、
−アシル基中に10ないし18個の炭素原子を有するアシルイソチオネート、
−アルキル基中に8ないし18個の炭素原子を有するスルホコハク酸モノ−及びジ−アルキルエステル、及びアルキル基中に8ないし18個の炭素原子を有し、1ないし6個のオキシエチル基を有するスルホコハク酸モノアルキルポリオキシエチルエステル、
−12ないし18個の炭素原子を有する直鎖状アルカンスルホネート、
−12ないし18個の炭素原子を有する直鎖状α−オレフィンスルホネート、
−12ないし18個の炭素原子を有する脂肪酸のα−スルホ脂肪酸メチルエステル、
−式R’−O(CH2−CH2−O)x'−SO3H(式中、R’は、好ましくは、10ないし18個の炭素原子を有する直鎖状アルキル基を表わし、x’=0又は1ないし12である。)で表わされるアルキルスルフェート及びアルキルポリグリコールエーテルスルフェート、
−独国特許出願公開第3,725,030号明細書に記載の界面活性ヒドロキシスルホネートの混合物、
−独国特許出願公開第3,723,354号明細書に記載の硫酸化ヒドロキシアルキルポリエチレン及び/又はヒドロキシアルキレンプロピレングリコールエーテル
−独国特許出願公開第3,926,344号明細書に記載の、12ないし24個の炭素原子及び1ないし6個の二重結合を有する不飽和脂肪酸のスルホネート、
−酒石酸及びクエン酸とエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド約2ないし15分子と8ないし22個の炭素原子を有する脂肪アルコールとの付加生成物であるアルコールのエステル。
【0052】
好ましいアニオン性界面活性剤は、アルキル基中に10ないし18個の炭素原子を有し、かつ分子中に12個までのグリコールエーテル基を有するアルキルスルフェート、アルキルポリグリコールエーテルスルフェート及びエーテルカルボン酸、及びまた、特に、飽和及び特に不飽和の炭素原子数8ないし22のカルボン酸、例えば、オレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸及びパルミチン酸の塩である。
【0053】
用語‘‘双性イオン性界面活性剤’’は、分子中に少なくとも1つの四級アンモニウム基及び少なくとも1つの−COO(-)又は−SO3(-)基を有する界面活性化合物を表わす。特に適当な双性イオン性界面活性剤は、いわゆるベタイン、例えば、いずれもアルキル基又はアシル基中に各々8ないし18個の炭素原子を有するN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート、例えば、ココアルキルジメチルアンモニウムグリシネート、N−アシルアミノプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート、例えば、ココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート及び2−アルキル−3−カルボキシメチル−3−ヒドロキシエチルイミダゾリン、及びまたココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートである。好ましい双性イオン性界面活性剤は、CTFA名ココアミドプロピルベタインとして知られる脂肪酸アミド誘導体である。
【0054】
両性界面活性剤は、炭素原子数8ないし18のアルキル基又はアシル基に加えて、少なくとも1種の遊離アミノ基及び少なくとも1種の−COOH又は−SO3H基を分子中に有し、内部塩を形成することができる界面活性化合物を意味するとして理解される。適当な両性界面活性剤の例は、いずれもアルキル基中に約8ないし18個の炭素原子を有するN−アルキルグリシン、N−アルキルプロピオン酸、N−アルキルアミノ酪酸、N−アルキルイミノジプロピオン酸、N−ヒドロキシエチル−N−アルキルアミドプロピルグリシン、N−アルキルタウリン、N−アルキルサルコシン、2−アルキルアミノプロピン酸及びアルキルアミノ酢酸を含む。特に好ましい両性界面活性剤は、N−ココアルキルアミノプロピオネート、ココアシルアミノエチルアミノプロピオネート及び炭素原子数12ないし18のアシルサルコシンである。
【0055】
非イオン性界面活性剤は、親水性基として、例えばポリオール基、ポリアルキレングリコールエーテル基又はポリオール基とポリグリコールエーテル基との組み合わせを含む。
【0056】
このような化合物は、例えば、以下のものである:
−エチレンオキシド2ないし30モル及び/又はプロピレンオキシド0ないし5モルと、8ないし22個の炭素原子を有する直鎖状脂肪アルコール、12ないし22個の炭素原子を有する脂肪酸及びアルキル基中に8ないし15個の炭素原子を有するアルキルフェノールとの付加生成物、
−エチレンオキシド1ないし30モルとグリセロールとの付加生成物の炭素原子数12ないし22の脂肪酸モノ及びジエステル、
−炭素原子数8ないし22のアルキルモノ及びオリゴグリコシド及びそれらのエトキシ化類似体、
−エチレンオキシド5ないし60モルとヒマシ油及び水素化ヒマシ油との付加生成物、
−エチレンオキシドとソルビタン脂肪酸エステルとの付加生成物、
−エチレンオキシドと脂肪酸アルカノールアミドとの付加生成物。
【0057】
界面活性剤として使用されるアルキル基含有化合物は単一の物質であり得るが、このような物質の製造には、出発物質として、植物又は動物起源の天然原料の使用が一般的に好ましく、その結果、得られる物質混合物は、使用される特定の出発物質に従った異なるアルキル鎖長を有する。
【0058】
エチレン及び/又はプロピレンオキシドと脂肪アルコールとの付加生成物又はこのような付加生成物の誘導体である界面活性剤は、‘‘正規の’’同族体分布又は制限された同族体分布を有する生成物であり得る。‘‘正規の’’同族体分布とは、アルカリ金属、アルカリ金属水酸化物又はアルカリ金属アルコラートを触媒として使用する脂肪アルコールとアルキレンオキシドとの反応で得られる同族体の混合物を意味するとして理解される。他方、制限された同族体分布は、例えば、ヒドロタルサイト、エーテルカルボン酸のアル
カリ金属塩、アルカリ金属の酸化物、水酸化物又はアルコラートを触媒として使用した場合に得られる。制限された同族体分布を有する生成物の使用が好まれ得る。
【0059】
更なる有効成分、補助剤及び添加剤の例は以下ものである:
−非イオン性ポリマー、例えば、ビニルピロリドン/ビニルアクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン及びビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマー及びポリシロキサン
−双性イオン性及び両親媒性ポリマー、例えば、アクリルアミドプロピル−トリメチルアンモニウムクロリド/アクリレートコポリマー及びオクチルアクリルアミド/メチルメタクリレート/第3ブチルアミノエチルメタクリレート/2−ヒドロキシプロピルメタクリレートコポリマー、
−アニオン性ポリマー、例えば、ポリアクリル酸、架橋ポリアクリル酸、ビニルアセテート/クロトン酸コポリマー、ビニルピロリドン/ビニルアクリレートコポリマー、ビニルアセテート/ブチルマレエート/イソボルニルアクリレートコポリマー、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマー及びアクリル酸/エチルアクリレート/N−第3ブチルアクリルアミドターポリマー、
−増粘剤、例えば、寒天、グアーガム、アルギネート、キサンタンガム、アラビアゴム、カラヤゴム、ローカストビーン粉、アマニゴム、デキストラン、セルロース誘導体、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース及びカルボキシメチルセルロース、デンプン断片及び誘導体、例えば、アミロース、アミロペクチン及びデキストリン、クレー、例えば、ベントナイト又は完全合成ヒドロコロイド、例えば、ポリビニルアルコール、
−構造化剤、例えば、グルコース及びマレイン酸、
−毛髪コンディショニング化合物、例えば、リン脂質、例えば、大豆レシチン、卵レシチン及びセファリン、シリコーンオイル、及びまたコンディショニング化合物、例えば、独国特許出願公開第19729080号明細書、欧州特許出願公開第834,303号明細書又は欧州特許出願公開第312,343号明細書に記載されているもの、
−タンパク質水解物、特にエラスチン、コラーゲン、ケラチン、乳タンパク質、大豆タンパク質及び小麦タンパク質水解物、脂肪酸とのそれらの縮合生成物並びに四級化タンパク質水解物、
−香油、ジメチルイソソルビトール及びシクロデキストリン、
−可溶化剤、例えば、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール及びジエチレングリコール、
−ふけ止め有効成分、例えば、ピロクトン、オラミン及びジンクオマジン(zinc Omadine)、
−pHを調節するためのさらなる物質、
−有効成分、例えば、パンテノール、パントテン酸、アラントイン、ピロリドンカルボン酸及びその塩、植物抽出物及びビタミン、
−コレステロール、
−例えば、欧州特許出願公開第819,422号明細書に記載されたような光安定剤及びUV吸収剤、
−稠度調節剤、例えば、糖エステル、ポリオールエステル又はポリオールアルキルエーテル、
−脂肪及びワックス、例えば、鯨ワックス、蜜ワックス、モンタンワックス、パラフィン、脂肪アルコール及び脂肪酸エステル、
−脂肪酸アルカノールアミド、
−150ないし50,000の分子量を有するポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール、例えば、欧州特許出願公開第801,942号明細書に記載されているもの、
−錯化剤、例えば、EDTA、NTA及びホスホン酸、
−膨潤及び浸透物質、例えば、欧州特許出願公開第962,219号明細書で広く挙げられているポリオール及びポリオールエーテル、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ブチルグリコール、ベンジルアルコール、炭酸塩、炭酸水素塩、グアニジン、ウレア、及びまた、第一級、第二級及び第三級ホスフェート、イミダゾール、タンニン、ピロール、
−不透明化剤、例えば、ラテックス、
−真珠光沢剤、例えば、エチレングリコールモノ及びジステアレート、
−推進剤、例えば、プロパン−ブタン混合物、N2O、ジメチルエーテル、CO2及び空気、及びまた、
−抗酸化剤、例えば、イソアスコルビン酸、アスコルビン酸、亜硫酸ナトリウム、チオグリコール酸及びチオ乳酸。
【0060】
水性キャリヤーの成分は、この目的において慣用の量で、本発明に従った着色組成物の製造において使用される;例えば、乳化剤は、総着色組成物の0.5ないし30質量%の濃度で使用され、増粘剤は総着色組成物の0.1ないし25質量%の濃度で使用される。
【0061】
ケラチン含有繊維を着色するために、特にヒトの毛を着色するために、着色組成物は、通常、化粧品用水性キャリヤーの形態において50ないし100gの量で毛に適用し、約30分間、毛を放置し、そしてその後、市販で入手可能なヘアーシャンプーですすぎ洗いされるか又は洗い流される。
【0062】
本発明に従って使用される着色組成物及び所望により使用される酸化染料先駆物質は、それらが適用される順序は重要ではないため、同時に又は連続してケラチン含有繊維に適用され得る。
【0063】
本発明に従って使用される着色組成物及び所望により使用される酸化染料先駆物質は、液状ないしペースト状の配合物(水性又は非水性)又は乾燥粉末の形態で、別々に又は一緒に貯蔵され得る。成分が液状配合物中に一緒に貯蔵される場合、成分同士の反応を減らすため、配合物は実質的に無水であるべきである。それらが別々に貯蔵される場合、反応成分は、使用直前に互いに密に混合させる。乾燥貯蔵の場合、通常、使用前に一定量の熱水(50ないし80℃)を添加し、均一な混合物を製造する。
【0064】
以下の実施例は、本発明をそれに限定することなく本発明を説明する。特に指示がない限り、部及び%は質量に関する。指示された染料の量は、着色される物質に関する。
【実施例】
【0065】
実施例1:
86質量%の以下の式(10)
【化6】

で表わされる化合物26gを、293Kにおいて窒素下で攪拌しながら、ジメチルホルムアミド45g中N,N−2,2−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン26gの溶液へ添加し、それによって、粘性混合物を得た。その後、温度を355Kまで上げ、この温度において3時間攪拌した。その後、式(10)で表わされる化合物25gを反応混合物
に添加し、そして、反応混合物を、窒素雰囲気下において、この温度で25時間攪拌した。その後、ジメチルホルムアミド170gを定速度で1.5時間で添加し、その間、温度を333Kに調節した。4時間の更なる攪拌の間、温度を295Kまで下げた。その後、反応塊を濾過した。濾過残渣をジメチルホルムアミド45mLで洗浄し、その後、水300mLと混合した。混合物を343Kにおいて3時間攪拌した。その後、温度を295Kまで下げ、混合物を濾過した。その後、濾過残渣を3%ナトリウム塩溶液100mLで洗浄し、濾過し、真空中で乾燥させ、以下の式(11)
【化7】

で表わされる生成物68gを得た。
【0066】
実施例2:
2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン24gを、窒素雰囲気下で293Kにおいて、攪拌しながら、イソプロパノール100g及び85質量%の実施例1で示した式(10)で表わされる化合物62gに添加した。その後、温度を333Kまで上げ、反応混合物の粘度を減少させた。反応混合物をこの温度において28時間攪拌した。その後、反応塊を4時間攪拌し、その間に、温度を295Kまで下げた。反応塊を濾過し、濾過残渣をイソプロパノール45mLで洗浄し、再度濾過した。その後、水300mLを湿潤濾過残渣に添加し、混合物を353Kにおいて3時間攪拌した。その後、温度を295Kまで下げ、混合物を濾過した。その後、濾過残渣を水100mLで洗浄し、濾過し、真空中で乾燥させ、以下の式(12)
【化8】

で表わされる生成物57.6gを得た。
【0067】
実施例3:
2,2−ジメチル−1,3−プロパノールアミン21.4gを、窒素雰囲気下で293Kにおいて、攪拌しながら、イソプロパノール100g、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン4g及び85質量%の以下の式(18)
【化9】

で表わされる化合物52gに添加した。その後、温度を333Kまで上げ、反応混合物の粘度を減少させた。反応混合物をこの温度において5時間攪拌した。その後、反応塊を4時間攪拌し、その間に、温度を295Kまで下げた。反応塊を濾過し、濾過残渣をイソプロパノール45mLで洗浄し、再度濾過した。その後、水300mLを湿潤濾過残渣に添加し、混合物を353Kにおいて3時間攪拌した。その後、温度を295Kまで下げ、混合物を濾過した。その後、濾過残渣を水100mLで洗浄し、濾過し、真空中で乾燥させ、以下の式(13)
【化10】

で表わされる生成物46gを得た。
【0068】
実施例4:
ナトリウムメトキシド1gを、窒素雰囲気下で293Kにおいて、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン10.2g、イソプロパノール100g及び85質量%の実施例1で示した式(10)で表わされる化合物62gの攪拌混合物に添加した。その後、温度を333Kまで上げた。反応混合物を、窒素雰囲気下で、この温度において28時間攪拌した。その後、反応塊を4時間攪拌し、その間に、温度を295Kまで下げた。反応塊を濾過し、濾過残渣をイソプロパノール45mLで洗浄し、再度濾過した。その後、水300mLを湿潤濾過残渣に添加し、混合物を353Kにおいて3時間攪拌した。その後、温度を295Kまで下げ、混合物を濾過した。その後、濾過残渣を水100mLで洗浄し、濾過し、真空中で乾燥させ、以下の式(14)
【化11】

で表わされる生成物37.6gを得た。
【0069】
実施例5:
トリエチルアミン16gを、窒素雰囲気下で、攪拌しながら、293Kにおいて、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン10.2g、メタノール100g及び実施例3で示した式(13)で表わされる化合物55gの混合物に添加し、それによって、粘性混合物を得た。その後、温度を335Kまで上げ、反応混合物の粘度を減少させた。反応混合物を、窒素雰囲気下で、この温度において10時間攪拌した。その後、反応塊を4時間攪拌し、その間に、温度を295Kまで下げた。反応塊を濾過し、濾過残渣をメタノール45mLで洗浄し、再度濾過した。その後、水300mLを湿潤濾過残渣に添加し、混合物を353Kにおいて3時間攪拌した。その後、温度を295Kまで下げ、混合物を濾過した。その後、濾過残渣を水100mLで洗浄し、濾過し、真空中で乾燥させ、以下の式(15)
【化12】

で表わされる生成物47.6gを得た。
【0070】
実施例7:
実施例4の式(14)で表わされる化合物37.6gを、窒素雰囲気下で、293Kにおいて、酢酸カリウム(無水)16g及びイソプロパノール400gの攪拌混合物に添加した。その後、温度を333Kまで上げ、反応混合物の粘度を減少させた。反応混合物を、窒素雰囲気下で、この温度において2時間攪拌した。その後、反応塊を4時間攪拌し、その間に、温度を293Kまで下げた。反応塊を濾過し、濾過残渣をイソプロパノール45mLで洗浄し、再度濾過した。その後、濾過残渣をイソプロパノール10mLで洗浄し、濾過し、真空中で乾燥させ、以下の式(16)
【化13】

で表わされる生成物30gを得た。
【0071】
実施例8:
1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン16gを、窒素雰囲気下で、293Kにおいて、イソプロパノール150g、1−アミノ−2,2−ジメチル−プロパン23g及び実施例3で示した式(13)で表わされる化合物55gの攪拌混合物に添加した。その後、温度を335Kまで上げ、反応混合物の粘度を減少させた。反応混合物を、窒素雰囲気下で、この温度において3時間攪拌した。その後、反応塊を4時間攪拌し、その間に、温度を295Kまで下げた。反応塊を濾過し、濾過残渣をイソプロパノール45mLで洗浄し、再度濾過した。その後、水300mLを湿潤濾過残渣に添加し、混合物を353Kにおいて3時間攪拌した。その後、温度を295Kまで下げ、混合物を濾過した。その後、濾過残渣を水100mLで洗浄し、濾過し、真空中で乾燥させ、以下の式(17)
【化14】

で表わされる生成物57gを得た。
【0072】
実施例9:
4−フルオロアニリン12.4gを、295Kにおいて、水25mL及び32%塩酸25mLの攪拌溶液に添加した。その後、反応混合物を273Kまで冷却し、36%亜硝酸ナトリウム溶液19mLを、混合物の温度が273ないし276Kの範囲内に維持される速度において滴下した。亜硝酸ナトリウム溶液の添加後、混合物を1時間攪拌した。過剰な亜硝酸塩が、1時間で検出されないならば(ヨウ化カリウム紙の使用による検出)、更なる量の亜硝酸ナトリウム溶液を添加する。この1時間後、残存する過剰な亜硝酸塩をスルファミン酸で分解する。その後、得られたジアゾ溶液を、水30mL中イミダゾール7.4gの273K冷却溶液に滴下し、該溶液のpHを、36%水酸化ナトリウム溶液を添加することによって、pH10ないし11の範囲内に維持した。ジアゾ添加を完了した後、得られた懸濁液を295Kまで温め、pHを、36%水酸化ナトリウム溶液を用いて、10.5に調整した。このpH及び温度における1時間の攪拌の後、懸濁液を濾過し、その後、水50mLで2回洗浄し、湿潤生成物55gを得た。
水500mLを反応容器に入れ、前工程からの濾過ケークを添加し、攪拌によって懸濁させた。ジメチル硫酸及び水酸化ナトリウムの添加を同時に開始し、pHを10−10.3に、温度を25−30℃に維持した。0.3モルの量のジメチル硫酸を約5時間で添加した。1時間以上この状態に維持し、過剰なジメチル硫酸の加水分解を終了させ、DMSの消失を調節した。その後、塩化ナトリウム100g及び塩化カリウム50gを添加し、0℃まで冷却した。16時間後、生成物を濾過によって分離し、冷たい塩化ナトリウム/塩化カリウム溶液で洗浄した。以下の式(18)
【化15】

で表わされる生成物0.07モルを有するケーク約20gを得た。
【0073】
実施例10:
4−メトキシアニリン12.4gを、295Kにおいて、水25mL及び32%塩酸25mLの攪拌溶液に添加した。その後、反応混合物を273Kまで冷却し、36%亜硝酸ナトリウム溶液19mLを、混合物の温度が273ないし276Kの範囲内に維持される速度において滴下した。亜硝酸ナトリウム溶液の添加後、混合物を1時間攪拌した。過剰な亜硝酸塩が、1時間で検出されないならば(ヨウ化カリウム紙の使用による検出)、更なる量のヨウ化ナトリウム溶液を添加する。この1時間後、残存する過剰な亜硝酸塩をスルファミン酸で分解する。その後、得られたジアゾ溶液を、水30mL中イミダゾール7.4gの273K冷却溶液に滴下し、該溶液のpHを、36%水酸化ナトリウム溶液を添加することによって、pH10ないし11の範囲内に維持した。ジアゾ添加を完了した後、得られた懸濁液を295Kまで温め、pHを、36%水酸化ナトリウム溶液を用いて、10.5に調整した。このpH及び温度における1時間の攪拌の後、懸濁液を濾過し、その後、水50mLで2回洗浄し、湿潤生成物55gを得た。
この湿潤生成物を水500mLに添加し、攪拌によって懸濁させた。その後、0.3モルのジメチル硫酸及び水酸化ナトリウムを、pH10−10.3のpH、298Kないし303Kの範囲内の温度に維持されるような速度で添加した。添加後、混合物を1時間以上攪拌し、過剰なジメチル硫酸の加水分解を終了させた。その後、塩化ナトリウム100g及び塩化カリウム50gを、273Kで添加した。16時間後、生成物を濾過によって分離し、冷たい塩化ナトリウム/塩化カリウム溶液で洗浄した。以下の式(19)
【化16】

で表わされる生成物0.07モルを有する化合物約20gを得た。
【0074】
実施例11:
1房のブロンド色の損傷していないヒトの毛髪を、以下の表
【表1】

に従った組成物5gで着色した。
着色混合物を、約22℃において30分間、該毛髪に接触させた。接触後、該1房の毛髪をすすぎ洗いし、その後、乾燥させた。良好な洗浄堅牢性及び摩擦堅牢性を有する鮮やかで強烈で目を引く着色が得られた。
【0075】
実施例12:
以下の表
【表2】

に従った組成物A2g及び以下の表
【表3】

に従った組成物B3.6gを混合し、均一な混合物にした。この均一な混合物を、約22℃において30分間、1房のブロンド色の損傷していないヒトの毛髪に接触させた。接触後、該1房の毛髪をすすぎ洗いし、シャンプーした。
その後、該毛髪を、以下の表
【表4】

に従った組成物5gで着色した。
該着色混合物を、約22℃において30分間、該毛髪に接触させた。接触後、該1房の毛髪をすすぎ洗いし、その後、乾燥させた。良好な洗浄堅牢性及び摩擦堅牢性を有する鮮やかで強烈で目を引く着色が得られた。
【0076】
実施例13:
以下の表
【表5】

に従った組成物A2g及び以下の表
【表6】

に従った組成物B4gを混合し、均一な混合物にした。この均一な混合物を、約22℃において30分間、1房のブロンド色の損傷していないヒトの毛髪に接触させた。接触後、該1房の毛髪をすすぎ洗いし、シャンプーし、乾燥させた。
【0077】
実施例14:
以下の表
【表7】

**D1−D5は、以下の意味を有する1つの直接染料を表わす:
D1は、ベーシック イエロー87を表わし;
D2は、ベーシック オレンジ31を表わし;
D3は、ベーシック レッド51を表わし;
D4は、国際公開第01/66646号パンフレットに記載された実施例4のカチオン性染料を表わし;
D5は、国際公開第01/11708号パンフレット、国際公開第02/31056号パンフレットに記載された実施例6のカチオン性染料、式106で表わされる化合物を表わす;
に従った組成物A2g及び以下の表
【表8】

に従った組成物B4gを混合し、均一な混合物にした。この均一な混合物を、約22℃において30分間、1房のブロンド色の損傷していないヒトの毛髪に接触させた。接触後、該1房の毛髪をすすぎ洗いし、シャンプーした。
その後、該毛髪を、以下の表
【表9】

に従った組成物5gで着色した。
該着色混合物を、約22℃において30分間、該毛髪に接触させた。接触後、該1房の毛髪をすすぎ洗いし、その後、乾燥させた。良好な洗浄堅牢性及び摩擦堅牢性を有する鮮やかで強烈で目を引く着色が得られた。
【0078】
実施例15:
以下の表
【表10】

に従った組成物A2gを、組成物C2g及び以下の表
【表11】

に従った組成物B4gと混合し、均一な混合物にした。この均一な混合物を、約22℃において30分間、1房のブロンド色の損傷していないヒトの毛髪に接触させた。接触後、該1房の毛髪をすすぎ洗いし、シャンプーした。
その後、該毛髪を、以下の表
【表12】

に従った組成物5gで着色した。
該着色混合物を、約22℃において30分間、該毛髪に接触させた。接触後、該1房の毛髪をすすぎ洗いし、その後、乾燥させた。良好な洗浄堅牢性及び摩擦堅牢性を有する鮮やかで強烈で目を引く着色が得られた。
【0079】
実施例16:
組成物(A’)
【表13】

組成物(B’)
【表14】

組成物(C’)
【表15】

ヒトの毛髪の着色直前に、組成物(A’)1当量の組成物質量、組成物(B’)1当量の組成物質量及び組成物(C’)1当量の組成物質量の混合物を混合した。
混合物のpHを9.8に調整した。
着色混合物を、ヒトの灰色の毛髪に適用した。この混合物を、30分間、1房のブロンド色の損傷していないヒトの毛髪に接触させた。接触後、該1房の毛髪をすすぎ洗いし、シャンプーし、そして乾燥させた。
【0080】
実施例17:
組成物(B’)
【表16】

組成物(C’)
【表17】

ヒトの毛髪の着色直前に、組成物(B’)1当量の組成物質量及び組成物(C’)1当量の組成物質量の混合物を混合した。
混合物のpHを9.8に調整した。
着色混合物を、ヒトの灰色の毛髪に適用した。この混合物を、30分間、1房のブロンド色の損傷していないヒトの毛髪に接触させた。接触後、該1房の毛髪をすすぎ洗いし、シャンプーし、そして乾燥させた。
【0081】
実施例18:
組成物(B’)
【表18】

組成物(C’)
【表19】

ヒトの毛髪の着色直前に、組成物(B’)1当量の組成物質量及び組成物(C’)1当量の組成物質量の混合物を混合した。
混合物のpHを、アンモニア20容積%を用いて9.8に調整した。
着色混合物を、ヒトの灰色の毛髪に適用した。この混合物を、30分間、1房のブロンド色の損傷していないヒトの毛髪に接触させた。接触後、該1房の毛髪をすすぎ洗いし、シャンプーし、そして乾燥させた。
【0082】
実施例19:
強アルカリ性の10%非イオン性界面活性剤(プランタレン2000,ヘンケル)溶液をクエン酸を使用してpH9.5に調整した。本出願に従った、実施例1の式(11)で表わされる染料0.1%をそこに溶解し、293Kにおいて、1房の漂白したヒトの毛髪を該染料溶液で処理した。ごくわずかな時間の後、該1房の毛髪はオレンジ色に染色され、そしてその色は、10回のジャンプー後でさえもまだ非常に濃かった。該染料はまた、損傷していない毛髪に強い親和性を有した。この場合もまた、洗浄堅牢性は非常に良好であった。損傷した毛髪及び損傷していない毛髪に対する光堅牢性は良好であった。パーマ堅牢性は、損傷していない毛髪及び損傷した毛髪に対しても、同様に非常に良好であった。
【0083】
実施例20:
10%非イオン性界面活性剤(プランタレン2000,ヘンケル)溶液をクエン酸を使用してpH5.5に調整した。上記で示した実施例2の式(12)で表わされる染料0.1%をそこに溶解し、室温において、1房のミドルブロンド色の損傷していないヒトの毛髪を該染料溶液で処理した。ごくわずかな時間の後、該1房の毛髪は赤色に染色され、そしてそれは、良好な洗浄、パーマ及び光堅牢性を有した。
【0084】
実施例21:
本出願の実施例4に記載の式(14)で表わされる染料 0.1%
セテアリールアルコール 3.5%
セテアレス80 1.0%
グリセリルモノ−ジ−ステアレート 0.5%
ステアルアミドDEA 3.0%
ステアルアンホプロピルスルホネート 1.0%
ポリクォーターニウム−6 0.5%、及び
水 100%まで
を含む染料エマルジョンを、室温において、30分間、漂白したヒトの毛髪に適用し、すすぎ洗いした。その結果、良好な堅牢性を有する非常に魅力的で力強い赤色染色が得られた。
【0085】
実施例22:
以下の成分
【表20】

を含む、pH=9.8の染料エマルジョンを、同質量の6%過酸化水素溶液と混合し、該混合物を、すみやかに、1房の褐色の毛髪に適用した。30分後、該1房の毛髪をすすぎ洗いし、シャンプーし、すすぎ洗いし、そして乾燥させた。着色結果は、非常に鮮やかな赤色であった。
【0086】
実施例23:
以下の成分
【表21】

を含む、pH=9.8の染料エマルジョンを、同質量の6%過酸化水素溶液と混合し、該混合物を、すみやかに、1房の褐色の毛髪に適用した。30分後、該1房の毛髪をすすぎ洗いし、シャンプーし、すすぎ洗いし、そして乾燥させた。着色結果は、非常に鮮やかなルビー色であった。
【0087】
実施例24:
強アルカリ性の10%非イオン性界面活性剤(プランタレン2000,ヘンケル)溶液をクエン酸を使用してpH9.5に調整した。本出願に記載の実施例1の式(11)で表わされる染料0.2%及び本出願に記載の実施例8の式(17)で表わされる染料0.1%をそこに溶解し、室温において、1房のミドルブロンド色の損傷していないヒトの毛髪を該染料溶液で処理した。たった10分間の後、該1房の毛髪は強烈なオレンジ色に染色され、そしてそれは、良好な洗浄、パーマ及び光堅牢性を有した。
【0088】
実施例25:
強アルカリ性の10%非イオン性界面活性剤(プランタレン2000,ヘンケル)溶液をクエン酸を使用してpH9.5に調整した。本出願に記載の実施例1の式(11)で表わされる染料0.2%及び式
【化17】

で表わされる染料0.1%をそこに溶解し、室温において、1房のダークブロンド色の損傷していないヒトの毛髪を該染料溶液で処理した。20分後、該1房の毛髪は強烈な赤銅色に染色され、そしてそれは、良好な洗浄、パーマ及び光堅牢性を有した。
【0089】
実施例26:
1房の漂白したヒトの毛髪を、6%過酸化水素溶液5g及び以下に示した組成物A5gを含む、pH=9.8の染料組成物10gで処理した:
組成物A
【表22】

15分後、本出願に記載の実施例1の式(11)で表わされる染料を含む12.5%クエン酸ゲル10gを毛髪に適用し、くしを通し、毛髪を7のpHとした。15分後、毛髪を水で洗浄し、すすぎ洗いし、そして乾燥させた。該1房の毛髪は、強烈な赤色に染色され、そしてそれは良好な洗浄及び光堅牢性を有した。
【0090】
実施例27:
1房のミドルブロンド色のヒトの毛髪を、6%過酸化水素溶液5g及び上記実施例26に示した組成物A5gを混合することによって得た、9.8のpHを有する組成物10gで染色した。15分後、毛髪のpHを、クエン酸の添加によってpH5に調整した。その後、本出願に記載の実施例3の式(13)で表わされる染料を含む12.5%クエン酸ゲル5gを毛髪に適用し、くしを通し、毛髪を7のpHとした。15分後、毛髪を水で洗浄し、すすぎ洗いし、そして乾燥させた。1房の毛髪は強烈な赤色に染色され、そしてそれは良好な洗浄及び光堅牢性を有した。
【0091】
実施例28:
1房の漂白したヒトの毛髪を、6%過酸化水素溶液5g及び実施例26に示した組成物A5gを混合することによって得た、9.8のpHを有する組成物10gで染色した。15分後、毛髪のpHを、クエン酸の添加によってpH5に調整した。その後、本出願に記載の実施例1の式(11)で表わされる染料を含む12.5%クエン酸ゲル5gを毛髪に適用し、くしを通し、毛髪を7のpHとした。15分後、毛髪を水で洗浄し、すすぎ洗い
し、そして乾燥させた。1房の毛髪は強烈な赤色に染色され、そしてそれは良好な洗浄及び光堅牢性を有した。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)
【化1】

[式中、
1及びR7は、各々互いに独立して、水素原子、ヒドロキシル基;未置換の又は置換された炭素原子数1ないし6のアルキル基、アリール基又は炭素原子数1ないし6のアルコキシ基;又は−NR34(式中、R3及びR4は、各々互いに独立して、水素原子、未置換の又は置換されたアリール基又は炭素原子数1ないし6のアルキル基を表わす。)を表わし、
2は、水素原子、ヒドロキシル基、未置換の又は置換された炭素原子数1ないし6のアルキル基、アリール基又は炭素原子数1ないし6のアルコキシ基、−NR34、又は式(2)
【化2】

(式中、R5は、水素原子、未置換の又は置換されたアリール基又は炭素原子数1ないし6のアルキル基を表わす。)で表わされる有機基を表わし、
-は、アニオンを表わす。]で表わされるカチオン性染料。
【請求項2】
1及びR7が、各々互いに独立して、水素原子、未置換の炭素原子数1ないし6のアルキル基、−(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−OH、−(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−NR34又は−NR34(式中、R3及びR4は、各々互いに独立して、水素原子、未置換の炭素原子数1ないし6のアルキル基を表わす。)を表わし、
2が、水素原子、ヒドロキシル基、未置換の炭素原子数1ないし6のアルキル基、−(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−OH、−(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−NR34又は−NR34、又は請求項1記載の式(2)で表わされる有機基を表わす、請求項1記載のカチオン性染料。
【請求項3】
1及びR7が水素原子を表わす、請求項1記載のカチオン性染料。
【請求項4】
式(3)、(4)、(5)、(6)又は(7)
【化3】

(式中、X-は、アニオンを表わす。)で表わされる、請求項1記載のカチオン性染料。
【請求項5】
上記請求項1で定義された式(1)で表わされるカチオン性染料の製造方法であって、該方法は、式(8)
【化4】

(式中、R6は炭素原子数1ないし6のアルコキシ基又はハリドを表わし、X-はアニオンを表わす。)で表わされる化合物と式(9)
【化5】

[式中、R1、R5及びR7は、各々互いに独立して、水素原子、ヒドロキシル基;未置換の又は置換された炭素原子数1ないし6のアルキル基、アリール基又は炭素原子数1ないし6のアルコキシ基;−NR34(式中、R3及びR4は、各々互いに独立して、水素原子、未置換の又は置換されたアリール基又は炭素原子数1ないし6のアルキル基を表わす。)を表わす。]で表わされるアミンを反応させることからなる方法。
【請求項6】
上記請求項1で定義された又は請求項5記載の方法に従って製造された式(1)で表わされる少なくとも1つのカチオン性染料を含む組成物。
【請求項7】
更に、少なくとも1つの更なる直接染料及び/又は酸化剤を含む請求項6記載の組成物。
【請求項8】
更に、少なくとも1つの酸化染料及び/又は少なくとも1つの酸化染料及び酸化剤を含む請求項6記載の組成物。
【請求項9】
シャンプー、ゲル又はエマルジョンの形態にある請求項6、7又は8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の式(1)で表わされる少なくとも1つのカチオン性染料又は請求項6ないし9のいずれか1項に記載の組成物又は請求項5に従って製造されたカチオン性染料、及び所望により、更なる染料を有機物質に接触させることからなる有機物質、特にヒトの毛の染色方法。
【請求項11】
ヒトの毛を染色又は着色するための請求項10記載の方法。
【請求項12】
請求項1で定義された式(1)で表わされる少なくとも1つのカチオン性染料及び酸化剤、及び所望により、更なる直接染料を毛に接触させることからなる請求項10又は11記載のヒトの毛又は髪の房を染色するための方法。
【請求項13】
請求項1で定義された式(1)で表わされる少なくとも1つのカチオン性染料及び少なくとも1つの酸化染料を毛に接触させること;又は請求項1で定義された式(1)で表わされるカチオン性染料及び少なくとも1つの酸化染料及び酸化剤を毛に接触させることからなる請求項10ないし12のいずれか1項に記載のヒトの毛の染色方法。

【公表番号】特表2006−518788(P2006−518788A)
【公表日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−502027(P2006−502027)
【出願日】平成16年2月16日(2004.2.16)
【国際出願番号】PCT/EP2004/050132
【国際公開番号】WO2004/076564
【国際公開日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(396023948)チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Specialty Chemicals Holding Inc.
【Fターム(参考)】