説明

カチオン性染料

カチオン性染料を提供すること
【課題】
【解決手段】
式(1)
【化1】


(式中、
Dはアントラキノン基、アクリジン基、アゾ基、アゾメチン基、ヒドラゾメチン基、ベンゾジフラノン基、クマリン基、ジケトピロロピロール基、ジオキサジン(dioxaxine)基、ジフェニルメタン基、ホルマザン基、インディゴイド基、インドフェノール基、ナフタルイミド基、ナフタキノン基、ニトロアリール基、メロシアニン基、メチン基、オキサジン基、ぺリノン基、ぺリレン基、ピレンキノン基、フタロシアニン基、フェナジン基、キノンイミン基、キナクリドン基、キノフタロン基、スチルベン基、スチリル基、トリフェニルメタン基、キサンテン基、
チアジン染料及びチオキサンテン染料を表し;
Qは1種以上の−O−、−S−、−N=、−N(R)−、SO、−(CHCH−O)1−5−、−(CHCHCH−O)1−5−、−C(O)−、−C(O)−炭素原子数1ないし12のアルケニレン基、−C(O)O−、−OCO−、
【化2】


−CON(R)−、−C(NR−、 −(R)NC(O)−、 −CSR−又は、所望により置換された、飽和又は不飽和の、縮合したか又は縮合していない、芳香族であるか又は非芳香族(ヘテロ)環の、所望により少なくとも1種のヘテロ原子を含む2価の基によって中断され得、及び/又は片方又は両方の末端を終端され得る、炭素原子数1ないし30のアルキレン基、炭素原子数2ないし12のアルケニレン基、炭素原子数5ないし10のアリーレン基、炭素原子数5ないし10のシクロアルキレン基、又は炭素原子数1ないし10のアルキレン(炭素原子数5ないし10のアリーレン)基;−O−;−S−;−N(R)−;SO;−(CHCH−O)1−5−;−C(O)−;−C(O)−炭素原子数1ないし12のアルケニレン基;−C(O)O−、−OCO−;
【化3】


;−CON(R)−;−C(NR−;−(R)NC(O)−;−CSR−;所望により炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数1ないし30のアルコキシ基、炭素原子数2ないし12のアルケニル基、炭素原子数5ないし10のアリール基、炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基、炭素原子数1ないし10のアルキル(炭素原子数5ないし10のアリーレン)基、ヒドロキシ基又はDによって置換された、飽和又は不飽和の、縮合したか又は縮合していない、芳香族又は非芳香族の、所望により少なくとも1種のヘテロ原子を含む2価の基を表し;
及びRは互いに独立して水素原子であるか;又は非置換であるか又は置換された、直鎖又は分枝鎖の、単環式又は多環式の、中断されたか又は中断されていない炭素原子数1ないし14のアルキル基;炭素原子数1ないし14のヒドロキシアルキル基;炭素原子数1ないし14のアミノアルキル基;炭素原子数2ないし14のアルケニル基;炭素原子数6ないし10のアリール基;炭素原子数6ないし10のアリール−炭素原子数1ないし10のアルキル基;又は炭素原子数5ないし10のアルキル(炭素原子数5ないし10アリール)基を表す)
で表される染料を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカチオン性染料、その組成物、並びに、ケラチン繊維、羊毛、皮革、絹、セルロース、又はポリアミド、特にケラチン含有繊維、綿、又はナイロン、及び好ましくは毛髪、より好ましくはヒトの毛髪のような有機物質の染色のためのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1から、カチオン性染料が有機材料、例えばケラチン、絹、セルロース又はセルロース誘導体、及びまた、合成繊維、例えばポリアミドを染色するために使用できることが知られている。カチオン性染料は、非常に鮮やかな色調を示す。欠点は、それらの洗浄堅牢度が不十分であることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開95/01772号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
その技術的課題は、洗浄、光、洗髪及び摩擦の点において良好な堅牢特性を有する強い染色によって識別される染料を提供する事である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって、本発明は、式(1)
【化1】

(式中、
Dはアントラキノン基、アクリジン基、アゾ基、アゾメチン基、ヒドラゾメチン基、ベンゾジフラノン基、クマリン基、ジケトピロロピロール基、ジオキサジン(dioxaxine)基、ジフェニルメタン基、ホルマザン基、インディゴイド基、インドフェノール基、ナフタルイミド基、ナフタキノン基、ニトロアリール基、メロシアニン基、メチン基、オキサジン基、ぺリノン基、ぺリレン基、ピレンキノン基、フタロシアニン基、フェナジン基、キノンイミン基、キナクリドン基、キノフタロン基、スチルベン基、スチリル基、トリフェニルメタン基、キサンテン基、
チアジン染料及びチオキサンテン染料を表し;
Qは1種以上の−O−、−S−、−N=、−N(R)−、SO、−(CHCH−O)1−5−、−(CHCHCH−O)1−5−、−C(O)−、−C(O)−炭素原子数1ないし12のアルケニレン基、−C(O)O−、−OCO−、
【化2】

−CON(R)−、−C(NR−、 −(R)NC(O)−、 −CSR−又は、所望により置換された、飽和又は不飽和の、縮合したか又は縮合していない、芳香族又は非芳香族(ヘテロ)環の、所望により少なくとも1種のヘテロ原子を含む2価の基によって中断され得、及び/又は片方又は両方の末端を終端され得る、炭素原子数1ないし30のアルキレン基、炭素原子数2ないし12のアルケニレン基、炭素原子数5ないし10のアリーレン基、炭素原子数5ないし10のシクロアルキレン基、又は炭素原子数1ないし10のアルキレン(炭素原子数5ないし10のアリーレン)基;−O−;−S−;−N(R)−;SO;−(CHCH−O)1−5−;−C(O)−;−C(O)−炭素原子数1ないし12のアルケニレン基;−C(O)O−、−OCO−;
【化3】

;−CON(R)−;−C(NR−;−(R)NC(O)−;−CSR−;所望により炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数1ないし30のアルコキシ基、炭素原子数2ないし12のアルケニル基、炭素原子数5ないし10のアリール基、炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基、炭素原子数1ないし10のアルキル(炭素原子数5ないし10のアリーレン)基、ヒドロキシ基又はDによって置換された、飽和又は不飽和の、縮合したか又は縮合していない、芳香族又は非芳香族の、所望により少なくとも1種のヘテロ原子を含む2価の基を表し;
及びRは互いに独立して水素原子であるか;又は非置換であるか又は置換された、直鎖又は分枝鎖の、単環式又は多環式の、中断されたか又は中断されていない炭素原子数1ないし14のアルキル基;炭素原子数1ないし14のヒドロキシアルキル基;炭素原子数1ないし14のアミノアルキル基;炭素原子数2ないし14のアルケニル基;炭素原子数6ないし10のアリール基;炭素原子数6ないし10のアリール−炭素原子数1ないし10のアルキル基;又は炭素原子数5ないし10のアルキル(炭素原子数5ないし10アリール)基を表す。)
で表されるカチオン性毛髪染料に関する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
好ましくは式(1)中、
Dはアントラキノン基、アクリジン基、アゾ基、アゾメチン基、ヒドラゾメチン基、ベンゾジフラノン基、クマリン基、ジケトピロロピロール基、ジオキサジン(dioxaxine)基、ジフェニルメタン基、ホルマザン基、インディゴイド基、インドフェノール基、ナフタルイミド基、ナフタキノン基、ニトロアリール基、メロシアニン基、メチン基、オキサジン基、ぺリノン基、ぺリレン基、ピレンキノン基、フタロシアニン基、フェナジン基、キノンイミン基、キナクリドン基、キノフタロン基、スチルベン基、スチリル基、トリフェニルメタン基、キサンテン基、チアジン染料及びチオキサンテン染料を表し;
Qは1種以上の−O−、−S−、−NR−又はSOによって中断され得る炭素原子数2ないし12のアルケニレン基、炭素原子数5ないし10のアリーレン基、炭素原子数5ないし10のシクロアルキレン基、又は炭素原子数1ないし10のアルキレン(炭素原子数5ないし10のアリーレン)基;−(CHCH−O)1−5−;−C(O)−;−C(O)−炭素原子数1ないし12のアルケニレン基;−C(O)O−、−OCO−;−N(R)−;
【化4】

;−CON(R)−;−C(NR−;−(R)NC(O)−;−CSR
−;−O−;−S−;−CS−;−S(O)−;又は−S(O)−;及び
、R及びRは互いに独立して水素原子であるか;非置換であるか又は置換された、直鎖又は分枝鎖の、単環式又は多環式の、中断されたか又は中断されていない炭素原子数1ないし14のアルキル基;炭素原子数2ないし14のアルケニル基;炭素原子数6ないし10のアリール基;炭素原子数6ないし10のアリール−炭素原子数1ないし10のアルキル基;又は炭素原子数5ないし10のアルキル(炭素原子数5ないし10アリール)基を表す。
【0007】
炭素原子数1ないし14のアルキル基は例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基、n−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2,2’−ジメチルプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、n−へキシル基、n−オクチル基、1,1’,3,3’−テトラメチルブチル基又は2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基又はテトラデシル基である。
【0008】
炭素原子数2ないし12のアルキレン基は、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、第二ブチレン基、第三ブチレン基、n−ペンチレン基、2−ペンチレン基、3−ペンチレン基又は2,2’−ジメチルプロピレン基、n−ヘキシレン基、n−オクチレン基、1,1’,3,3’−テトラメチルブチレン基、2−エチルヘキシレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基又はドデシレン基である。
【0009】
アルキレン基は直鎖であるか、分枝鎖であるか又は炭素原子数5以上のアルキル基であるか、単環式であるか又は多環式であり得、及びO、S、−CO−、N,NH、NR、−OCO−、−CO(OR)−、−CONRa−、−(R)NC(O)−のようなヘテロ原子によって中断され得;例えば炭素原子数1ないし10のアルキレン基は −CHCH−O−CHCH−O−CHCH−、−CHCH−O−CHCH−、−CHCH−O−CH−、−CH−O−CH−、−CHCH−CHCH−O−CH−CH−、−CHCH−CH(N(CH)−CH−CH−、CH−NH−CH−CH−、−CHCH−NH−CHCH−、−CHCH−NCH−CHCH−、−CO−CH−、−CHCO−、−CHCH−NHCO−CHCH−、−CHCH−CONH−CH−CHCH−、−CHCH−NCHCO−CHCH−、−CHCH−CONCH−CH−CHCH−、−CH−NHCO−CHCH−、−CHCH−NHCO−CH−、−CHCH−CONH−CH−又は−CH−CONH−CHCH−のような残基であり得る。
【0010】
及びRは互いに独立して水素原子であるか、1種以上の炭素原子数1ないし5のアルキル基、炭素原子数1ないし5のアルコキシ基、又はヒドロキシ基によって置換され得る炭素原子数1ないし12のアルキル基;−(CO)−H;−(CO)−炭素原子数1ないし5のアルキル基;フェニル部分が1種以上の炭素原子数1ないし5のアルキル基、炭素原子数1ないし5のアルコキシ基、ハロゲン原子、−NH、モノ−炭素原子数1な
いし5のアルキルアミノ基、ジ−炭素原子数1ないし5のアルキルアミノ基、−NO、カルボキシ基又はヒドロキシ基によって置換され得るフェニル基又はフェニル−炭素原子数1ないし4のアルキル基を表す。
【0011】
炭素原子数5ないし10のシクロアルキレン基は例えば、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基、シクロヘプチレン基、シクロオクチレン基、シクロノニレン基、又はシクロデシレン基である。
【0012】
炭素原子数5ないし10のアリーレン基は例えばフェニレン基またはナフチレン基である。
【0013】
アリール−アルキレン基は例えば炭素原子数5ないし10のアリール−炭素原子数1ないし10のアルキレン基である。
【0014】
アルキル−アリーレン基は例えば炭素原子数1ないし10のアルキル−炭素原子数5ないし10のアリーレン基である。
【0015】
「アニオン」は例えば、有機又は無機のアニオン、例えばハロゲン化物、好ましくは塩化物及びフッ化物、スルフェート、硫化水素塩、ホスフェート、四フッ化ホウ素、カーボネート、バイカーボネート、オキサレート又は炭素原子数1ないし8のアルキルスルフェート、特にメチルスルフェート又はエチルスルフェートなどを意味し、アニオンはまたラクテート、ホルメート、アセテート、プロピオネート、又は塩化亜鉛複塩のような錯陰イオンも意味する。
【0016】
アニオンは特にハロゲン化物、好ましくは塩化物、臭化物又はフッ化物、スルフェート、硫化水素塩、ベンゼンスルホネート、トシレート、メチルスルフェート、エチルスルフェート、ホスフェート、ホルメート、アセテート又はラクテートである。
【0017】
アニオンはより好ましくはフッ化物、塩化物、臭化物、メチルスルフェート、エチルスルフェート、ホルメート又はアセテートである。
【0018】
好ましくは、式(1)
(式中、
Dはニトロアリール基、アントラキノン基、ナフタキノン基、ピレンキノン基、フタロシアニン(phathylocyanine)基、ホルマザン基、メチン基、アゾメチン基、ジオキサジン基、フェナジン基、アゾ基、インドフェノール基、スチルベン基、トリフェニルメタン基、キサンテン基、チオキサンテン基及び直接染料から選択され;及びより好ましくは
Dはカチオン性直接染料を表す。)
で表される染料である。
【0019】
なおさら好ましくは、式(1)
(式中、
Dは式(1a)
【化5】

、式(1b)
【化6】

;又は式(1c)
【化7】

;又は式(1d)
【化8】

で表される基を表し;
は−N=N−;−CR=N−;−N=CR−;−NR−N=CR−;及び−RC=N−NR−から選択される2価の基を表し、
は置換されたか又は非置換の、芳香族又はヘテロ芳香族化合物である2価の基を表し;
はN;又はCR10基を表し;
は−O−;又は−S−を表し;
及びRは互いに独立して水素原子;ハロゲン原子;ヘテロ原子で中断され得る炭素原子数1ないし16のアルキル基;フェニル基;カルボン酸基;スルホン酸基;ヒドロキシ基;ニトリル基;炭素原子数1ないし16のアルコキシ基;(ポリ)−ヒドロキシ−炭素原子数2ないし4のアルコキシ基;ハロゲン原子;SONR;SR;NR;OR;SO;COOR;NRCOR;又はCONRを表し;
及びRは互いに独立して水素原子であるか;1種以上の炭素原子数1ないし5のアルキル基、炭素原子数1ないし5のアルコキシ基又はヒドロキシ基によって置換され得る
炭素原子数1ないし12のアルキル基;−(CO)−H;−(CO)−炭素原子数1ないし5のアルキル基;フェニル部分が1種以上の炭素原子数1ないし5のアルキル基、炭素原子数1ないし5のアルコキシ基、ハロゲン原子、−NH、モノ−炭素原子数1ないし5のアルキルアミノ基、ジ−炭素原子数1ないし5のアルキルアミノ基、−NO、カルボキシ基又はヒドロキシ基によって置換され得るフェニル基又はフェニル−炭素原子数1ないし4のアルキル基を表し;
及びRは互いに独立して水素原子;炭素原子数1ないし14のアルキル基;炭素原子数2ないし14のアルケニル基;炭素原子数5ないし10のアリール基;炭素原子数1ないし10のアルキル−炭素原子数5ないし10のアリール基;又は炭素原子数5ないし10のアリール−炭素原子数1ないし10のアルキル基を表し;
10は水素原子;炭素原子数1ないし14のアルキル基;炭素原子数2ないし14のアルケニル基;炭素原子数6ないし10のアリール基;炭素原子数5ないし10のアリール−(炭素原子数1ないし10のアルキル)基;又は炭素原子数1ないし10のアルキル(炭素原子数5ないし10のアリール)基を表し;そして
Anはアニオンを表す。)
で表される染料である。
【0020】
最も好ましくは、式(1)
{式中、
Dは
基(1a
【化9】

、(1a
【化10】

(1b
【化11】

又は;(1c
【化12】

(上記式中、X、T、R、R及びAnは上記で定義された通りである。)を表す。}で表される染料である。
【0021】
好ましくは式(1)
(式中、
Qは式(1a)
【化13】

で表される2価の基を表し、
Tは飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝鎖の炭素原子数1ないし12のアルキレン基;−C(O)−;−(CHCH−O)1−5−;−(CHCHCH−O)1−5−;−C(O)O−;−OC(O)−;−N(R)−;−CON(R)−;−(R)NC(O)−;−O−;−S−;−S(O)−;−S(O)−;−S(O)−N(R)−;及び−N(R)(R)−;から選択される基を表し、
Zは−(CH−SO−;−CH−CHR−CO−NR’−;又は式(1b)
【化14】

;(1c)
【化15】

;又は(1d)
【化16】

;で表される2価の基を表し、
R及びR’は互いに独立して水素原子;又は炭素原子数1ないし6のアルキル基を表し;DはR;Da+又はDb+ (a及びbは互いに独立して1,2又は3を表す)を表し;
は塩素原子又はフッ素原子を表し;
は非置換であるか又は置換された炭素原子数1ないし6のアルコキシ基、炭素原子数1ないし6のアルキルアミノ基、炭素原子数6ないし10のアリールオキシ基又は炭素原子数6ないし10のアリールアミノ基を表し;そして
t及びzは互いに独立して0又は1を表すが、但し少なくともt又はzのうち1つは1を表す。)
で表される染料である。
【0022】
最も好ましくは式(1)
(式中、
は−N=N−;−CR=N−;及び−N=CR−から選択された2価の基を表し;
はフェニレン基を表し;
はNR;OR又はSOを表し;
及びRは互いに独立して水素原子であるか;又は1つ以上のヒドロキシ基によって置換され得る炭素原子数1ないし12のアルキル基を表し;及び
は水素原子又は炭素原子数1ないし14のアルキル基を表す。)
で表されるものである。
【0023】
本発明による最も好ましい染料は式(2a)
【化17】

又は(2b)
【化18】

(式中、
Qは炭素原子数1ないし30のアルキレン基、炭素原子数2ないし12のアルケニレン基、炭素原子数5ないし10のアリーレン基、−C(O)−;又は−C(O)−炭素原子数2ないし12のアルケニレン基を表し;
は水素原子;炭素原子数1ないし16のアルキル基;又は炭素原子数1ないし16のアルコキシ基を表し;
はNRを表し;そして
及びRは互いに独立して水素原子であるか又は1つ以上のヒドロキシ基によって置換され得る炭素原子数1ないし12のアルキル基を表す。);及び式(3)
【化19】

(式中、
は−N=N−;−CR=N−から選択された2価の基を表し;
はNRを表し;
は水素原子又は炭素原子数1ないし14のアルキル基を表し;及び
及びRは互いに水素原子又は炭素原子数1ないし12のアルキル基又はフェニル基を表す。);及び式(4)
【化20】

(式中、
は置換されたか又は非置換の芳香族化合物の2価の基を表し;
Qは1種以上の−NR−で中断され得る炭素原子数2ないし12のアルケニレン基を表し、
は水素原子又は炭素原子数1ないし14のアルキル基を表し;そして
は水素原子又は炭素原子数1ないし16のアルキル基を表す。)
に相当する。
【0024】
式(1)で表される染料の例を下記表1に記載する:
【表1】

【表2】

【0025】
上述した本発明のすべての化合物は水和物又は溶媒和物としても存在できる。
【0026】
本発明の更なる実施態様は、式(1)で表される染料の製造方法に関する。
【0027】
通例、その方法は、以下の反応スキームに従って、染料中間体と環状チオ誘導体である3−アミノ−ジヒドロチオフェノンとの反応を含む。
【化21】

【0028】
通例、反応は接触することによって、例えば出発化合物を一緒に混合することによって又は出発化合物をその他の出発化合物へ滴下添加することによって開始される。
【0029】
通常、出発化合物を混合している間、温度は263ないし363Kの範囲であり、好ましくは263ないし330Kの範囲である。
【0030】
通例、反応時間は出発化合物の反応性、選択した反応温度、及び望ましい変換に依存する。反応時間は通常1時間ないし3日間の範囲である。
【0031】
通例、選択された反応圧力は10kPaないし1MPaの範囲であり、特に、50kPaないし150kPaであり、より特には大気圧である。
【0032】
好ましくは、触媒存在下で該反応を行なう。
【0033】
該触媒に対する式(1b)で表される化合物のモル比は、通例10:1ないし1:5の範囲で、特には10:1ないし1:1の範囲で選択される。
【0034】
酸性触媒、HA、及びAgのようなルイス酸、又は三級窒素塩基のような塩基触媒が好ましい。
【0035】
加えて、該反応は溶媒とともに又は溶媒なしで行われ得るが、好ましくは溶媒存在下、好ましくは有機溶媒又は溶媒混合物存在下で行われる。
【0036】
好ましい溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール又はブタノールのようなアルコール;アセトニトリル又はプロピオニトリルのようなニトリル;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド又はN−メチルピロリドンのようなアミド;クロロホルム、メチレンクロリド、トリクロロエチレン又はクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素;又はジメチルスルホキシド又は水又は上述した溶媒の混合物のような、他の溶媒である。
【0037】
本発明の方法に従って製造された生成物は、有利なことには、徐々に集成され及び単離され得、そして必要に応じて精製され得る。
【0038】
通常、集成してくるのは350ないし273K、特には320ないし273Kの範囲で、それは反応混合物の温度が低下するのに伴って始まる。
【0039】
数時間かけた穏やかな温度低下は有利であり得る。
【0040】
通例、反応生成物は濾過され続いて乾燥される。
【0041】
濾過は普通、標準的な濾過装置、例えばブフナー漏斗、濾圧器、吸込フィルターで行われ、好ましくは真空中で行われる。
【0042】
染色のための温度は、適用された圧力に依存する。染色は通常、50ないし200mbarでの真空中で行われる。
【0043】
染色は通常、313ないし363K、特には323ないし353K、より特には328ないし348Kの範囲の温度で行われる。
【0044】
有利なことには、その生成物は単離後再結晶によって精製される。
【0045】
本発明に従う式(1)で表される染料は有機材料、例えばケラチン−含有繊維、羊毛、革、絹、セルロース又はポリアミド、綿又はナイロン、及び好ましくはヒトの毛髪などの染色に好適である。その得られた染色物は、それらの色調及びそれらの良好な堅牢特性、例えば光、洗髪及び摩擦のような洗浄に対する堅牢度によって識別される。
【0046】
一般に、合成塩基に基づく毛髪染色剤は、3つの群に分類され得る:
−一時的な染色剤、
−半永久性染色剤、及び、
−永久性染色剤。
【0047】
該染料の色調の多様性は、他の染料との組み合わせによって増加される。
【0048】
したがって、本発明の式(1)で表される染料は、同じ種類又は他の種類の染料、特に直接染料、酸化染料と組み合わせられ得、ジアゾ化合物又はキャップ化されたジアゾ化合物同様にカプラー化合物の染料前駆体の組み合わせ及び/又はカチオン性反応染料とも組み合わせられ得る。
【0049】
直接染料は天然起源であるか又は合成により製造され得る。それらは無電荷であるか、カチオン性であるか又は酸性染料のようなアニオン性である。
【0050】
式(1)で表される染料は、式(1)で表される染料とは異なる少なくとも1種の単一直接染料と組み合わせて使用され得る。
【0051】
直接染料は、その染色効果を発現するために如何なる酸化剤の添加も必要としない。したがって、その染色の結果は、永久性染色組成物によって得られたものよりも、永久性が劣る。それゆえ、直接染料は好ましくは半永久性の毛髪染色に使用される。
【0052】
直接染料の例は、「皮膚科学」,Ch.クルナン(Culnan),H.マイバッハ(Maibach)編,Verlag Marcel Dekker社,ニューヨーク,バーゼル,1986年,第7巻、Ch.ツビアク(Zviak)著のヘアケアの科学,第7章,248〜250頁、並びにドイツ連邦産業協会、及び薬業承認委員会、改良剤及び化合物支持剤審査委員会からディスクとして入手可能な「ヨーロッパ化粧用原材料の発明」として欧州委員会によって1996年に発行されたもの(“Europaisches I
nventar der Kosmetikrohstoffe”, 1996, published by The European Commission, obtainable in diskette form from the Bundesver-band der deutschen Industrie− und Han
delsunternehmen fur Arzneimittel, Reform
waren und Korperpflegemittel e.V., Mannh
eim.)に記載されている。
【0053】
更に、式(1)で表される染料は、少なくとも1種のカチオン性アゾ染料、例えば、英国特許出願公開第2319776号明細書に開示された化合物、並びに独国特許出願公開第29912327号明細書に記載されたオキサジン染料、及びそこで言及された他の直接染料との混合物と組み合わせられ得る。
【0054】
式(1)で表される染料は、酸性染料、例えば国際名称(カラーインデックス)、又は商標名から知られている染料とも組み合わせられ得る。
【0055】
式(1)で表される染料は、無電荷の染料とも組み合わせられ得る。
【0056】
さらに、式(1)で表される染料は酸化染料系との組み合わせにおいても使用され得る。
【0057】
さらに、自動酸化化合物が、式(1)で表される染料との組み合わせにおいて使用され得る。
【0058】
式(1)で表される染料は、天然起源の染料との組み合わせにおいても使用され得る。
【0059】
さらに、式(1)で表される染料は、キャップ化されたジアゾ化化合物との組み合わせてにおいても使用され得る。
【0060】
好適なジアゾ化化合物は、例えば国際公開2004/019897号パンフレット中、1から2頁にわたって式(1)ないし(4)で表される化合物、及び、同パンフレットの3ないし5頁に開示される対応する水溶性カップリング成分(I)ないし(IV)である。
【0061】
本発明は、有機物質、好ましくはケラチン含有繊維、及び最も好ましくはヒトの毛髪の染色のために使用される配合物であって、式(1)で表される少なくとも1種の染料を含む配合物にも関する。
【0062】
好ましくは、式(1)で表される染料は有機材料を処理するための組成物、好ましくは、染色のための組成物中に、該組成物の総質量に基づいて、0.001ないし5質量%(以降、単に「%」として示す。)、特に、0.005ないし4%、より特には、0.2ないし3%の量で配合される。
【0063】
配合物は、ケラチン含有繊維、好ましくはヒトの毛髪に、様々な技術形態で適用され得る。
【0064】
配合物の技術形態は、例えば溶液、特に、とろみをつけた水溶液又はアルコール水溶液、クリーム、フォーム、シャンプー、粉末、ゲル、又は乳濁液である。
【0065】
通常、染色組成物は、ケラチン含有繊維に、50ないし100gの量で適用される。
【0066】
配合物の好ましい形態は、すぐ使用できる組成物又は多区画染色装置又は「キット」又は、例えば、米国特許第6,190,421号明細書、2欄、16行ないし31行に記載されているような、区画を有する多区画パッケージ系のいずれかである。
【0067】
すぐ使用できる染色組成物のpH値は、通常、2ないし11、好ましくは5ないし10である。
【0068】
本発明の染色組成物は25ないし200、好ましくは18ないし80、及び最も好ましくは20ないし40℃の範囲の温度で毛髪に塗布される。
【0069】
本発明のある好ましい態様は、式(1)で表される染料が粉末形態である染料配合物に関する。
【0070】
粉末配合物は、例えば、独国特許第19713698号明細書、2頁、26行ないし5
4行及び3頁、51行ないし4頁、25行、及び4頁、41行ないし5頁、59行に記載されるような安定性及び/又は溶解性に関する問題が生ずる場合、好ましく使用される。
【0071】
適切な化粧用ヘアケア配合物は、毛髪用製品、例えば、シャンプー及びコンディショナーの形態の毛髪洗浄用製品、ヘアケア用製品、例えば、前処理用製品又はスプレー、クリーム、ゲル、ローション、ムース及びオイルのようなつけたままにしておく製品、ヘアートニック、スタイリングクリーム、スタイリングゲル、ポマード、ヘアーリンス、トリートメントパック、集中的ヘアートリートメント、毛髪構成化用製品、例えば、パーマネントウェーブ用ヘアーウェーブ用製品(ホットウェーブ、マイルドウェーブ、コールドウェーブ)、直毛化用製品、液体ヘアーセット用製品、ヘアーフォーム、ヘアースプレー、漂白用製品、例えば、過酸化水素溶液、淡色化シャンプー、漂白クリーム、漂白パウダー、漂白ペースト又はオイル、一時的、半永久性又は永久性毛髪着色料、自己酸化性染料を含む製品又はヘンナ又はカモミールのような天然毛髪着色料である。
【0072】
ヒトの毛髪における使用のために、本発明の染色組成物は、通常、化粧品用水性キャリヤーに組み込まれ得る。好適な化粧品用水性キャリヤーは、例えば、W/O、O/W、O/W/O、W/O/W又はPITエマルジョン及びあらゆる種類のマイクロエマルジョン、クリーム、スプレー、エマルジョン、ゲル、粉末及びまた、ケラチン含有繊維上における使用に適当な界面活性剤含有フォーミング溶液、例えば、シャンプー又は他の製品を含む。このような使用形態は、Research Disclosure 42448(1999年8月)に詳細に記載されている。必要ならば、例えば、米国特許第3,369,970号明細書、特に1欄70行ないし3欄、55行に記載されているように、染色組成物を無水キャリヤーに配合することも可能である。本発明に従った染色組成物はまた、独国特許出願公開第3,829,870号明細書に記載されている、染色コーム又は染色ブラシを使用する染色方法に非常に好適である。
【0073】
水性キャリヤー成分は、本発明の染色組成物中に通常の量で存在し、例えば、乳化剤は、染色組成物中に、染色組成物の総質量に基づき0.5ないし30質量%の濃度で存在し得、及び増粘剤は、染色組成物中に、染色組成物の総量に基づき0.1ないし25質量%の濃度で存在し得る。
【0074】
染色組成物のための更なるキャリヤーは、例えば、「皮膚科学」,Ch.クルナン(Culnan)、H.マイバッハ(Maibach)編,フェアラーク マーセル デッカー インク(Verlag Marcel Dekker Inc)社,ニューヨーク,バ
ーゼル,1986年,第7巻、Ch.ツビアク(Zviak)著のヘアケアの科学,第7章,248ないし250頁、特に243頁、1行ないし244頁、12行に記載されている。
【0075】
式(1)で表される染料を酸化染料及び/又はそれらの付加塩と酸とともに使用する場合、それらは別々に又は一緒に貯蔵され得る。好ましくは、酸化染料と還元するには安定ではない直接染料は別々に貯蔵する。
【0076】
式(1)で表される染料は、液体ないしペースト状調合物(水性又は非水性)で、又は、乾燥粉末の形態で貯蔵され得る。
【0077】
染料を別々に貯蔵した場合、使用前に反応成分を互いに直接よく混合する。乾燥貯蔵の場合、定められた量の温水(50ないし80℃)を通常加え、そして均一の混合物を使用前に製造する。
【0078】
本発明に従った染色組成物は、このような調合をするために既知であるあらゆる活性成
分、添加剤又は補助剤、例えば、界面活性剤、溶媒、塩基、酸、香料、ポリマー状補助剤、増粘剤及び光安定剤を含み得る。
【0079】
好ましくは、以下の補助剤が本発明の毛髪染色組成物中に使用される:
非イオン性ポリマー、カチオン性ポリマー、アクリルアミド/ジメチルジアリルアンモニウムクロリドコポリマー、ジエチル−スルフェート−四級化ジメチルアミノエチルメタクリレート/ビニルピロリドンコポリマー、ビニルピロリドン/イミダゾリニウムメトクロリドコポリマー;四級化ポリビニルアルコール、双イオン性及び両親媒性ポリマー、アニオン性ポリマー、増粘剤、構造化剤、毛髪コンディショニング化合物、タンパク質水解物、香油、ジメチルイソソルビトール及びシクロデキストリン、可溶化剤、ふけ止め有効成分、pH値を調節するための物質、パンテノール、パントテン酸、アラントイン、ピロリドンカルボン酸及びその塩、植物抽出物及びビタミン、コレステロール;光安定剤及びUV吸収剤、堅さ調製剤、脂肪及びワックス、脂肪酸アルカノールアミド、150ないし50000の分子量を有するポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール、錯化剤、膨潤及び浸透物質、乳白剤、光沢剤、推進剤、酸化防止剤、糖含有ポリマー、四級アンモニウム塩及びバクテリア抑制剤。
【0080】
通例、本発明の染色組成物は少なくとも1種の界面活性剤を含む。好適な界面活性剤は、双イオン性及び両親媒性、又はより好ましくはアニオン性、非イオン性及び/又はカチオン性界面活性剤である。
【0081】
本発明の更なる実施態様は、ケラチン含有繊維の染色に関する。
【0082】
その方法は
(a)ケラチン含有繊維を式(1)で表される少なくとも1種の染料で処理すること、及び
(b)繊維を静置し、そして繊維を濯ぐこと
を含む。
【0083】
式(1)で表される染料は、毛髪の全体的染色、即ち、初めて髪を染色する場合、及びまた、その後再染色する場合、又は髪の房又は部分を染色する場合に好適である。
【0084】
式(1)で表される染料は、例えば、手によるマッサージ、くし、ブラシ、又はボトル、又はくし若しくはノズルを組み合わせたボトルによって毛髪に塗布される。
【0085】
本発明による染色方法において、更なる染料の存在下で染色が行われるかどうかは、得られる色調に依るであろう。
【0086】
更に好ましくは、式(1)で表わされる少なくとも1種の染料、塩基及び酸化剤でケラチン含有繊維を処理することを含むケラチン含有繊維の染色方法である。
【0087】
式(1)で表される染料及び酸化剤で、ケラチン含有繊維、特にヒトの毛髪の染色をするための好ましい実施態様は、
)所望により式(1)で表される少なくとも1種の染料を含有する酸化剤でケラチン含有繊維を処理すること、
)所望により式(1)で表される少なくとも1種の染料を含有する酸化剤非含有組成物でケラチン含有繊維を処理すること;又はそれとは別に
)所望により式(1)で表される少なくとも1種の染料を含有する酸化剤非含有組成物でケラチン含有繊維を処理すること;
)所望により式(1)で表される少なくとも1種の染料を含有する酸化剤でケラチン
含有繊維を処理すること、
を含むが、但し、a)、a)、b)又はb)の工程段階中の少なくとも1種に、式(1)で表される染料が存在する。
【0088】
通例、酸化剤含有組成物は、0ないし45分間、特に15ないし30分間、15ないし45℃で繊維上に置かれる。
【0089】
酸化剤非含有組成物は、一般的な補助剤及び添加剤を通常含む。好ましいものは、German Patent Application、3欄、17行ないし41行に記載されているものである。
【0090】
通例、式(1)で表される染料及び酸化剤非含有組成物は、5にないし45分間、特に10ないし25分間、15ないし50℃で繊維上に置かれる。
【0091】
該方法の好ましいある実施態様は、染色後の毛髪をシャンプー及び/又はクエン酸又は酒石酸のような弱酸で洗浄することである。
【0092】
還元に対して安定である式(1)で表される染料は、酸化剤非含有組成物とともに貯蔵され、そして、単一組成物として塗布され得る。
【0093】
還元に対して安定ではない式(1)で表される染料を含む組成物は、染色工程の直前に、酸化剤非含有組成物と製造されることが有利である。
【0094】
更なる実施態様において、式(1)で表される染料と酸化剤非含有組成物は同時にまたは連続的に塗布され得る。
【0095】
通常、酸化剤含有組成物は、毛髪の量に対して十分な量で、通常30ないし200gの量で均一に塗布される。
【0096】
酸化剤は例えば、過硫酸塩、低濃度の過酸化水素溶液、過酸化水素乳濁液又は過酸化水素ゲル、アルカリ土類金属過酸化物、過酸化尿素、過酸化メラミンのような有機過酸化物であるか、又は半永久性の直接毛髪染料に基づく色調粉末(shading powde
r)が使用される場合、アルカリ金属ブロメート固定剤もまた適用可能である。
【0097】
更に好ましい酸化剤は、
−国際公開第97/20545号パンフレット、特に9頁5行ないし9行に記載の明るい着色を達成するための酸化剤、
−独国特許出願公開第19713698号明細書、特に、4頁52行ないし55行、及び60行ないし61行、又は欧州特許出願公開第1062940号明細書、特に、6頁41行ないし47行(及び対応する国際公開第99/40895号パンフレット)に記載されたようなパーマネントウェーブ固定溶液の形態の酸化剤、
である。
【0098】
最も好ましい酸化剤は、過酸化水素であり、好ましくは該当する組成物の約2ないし30質量%、より好ましくは約3ないし20質量%、そして最も好ましくは6ないし12質量%の濃度で使用される。
【0099】
酸化剤は、好ましくは、染色組成物の総質量に基づき、0.01%ないし6%、特に0.01%ないし3%の量で本発明に従った染色組成物中に存在し得る。
【0100】
通例、酸化剤を用いた染色は、塩基、例えばアンモニア、アルカリ金属炭酸塩、土類金属(カリウム又はリチウム)炭酸塩、アルカノールアミン、例えばモノ−、ジ−又はトリエタノールアミン、アルカリ金属(ナトリウム)水酸化物、土類金属水酸化物又は式
【化22】

(式中、
Rは、OH基又は炭素原子数1ないし4のアルキル基で置換され得るプロピレン残基を表わし、
3、R4、R5及びR6は、互いに独立せずに又は独立して、水素原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基又はヒドロキシ−(炭素原子数1ないし4)アルキル基を表わす。)で表わされる化合物の存在下において行われる。
【0101】
酸化剤含有組成物のpH値は、通常、約2ないし7、特に約2ないし5である。
【0102】
ケラチン含有繊維、好ましくは毛髪上への式(1)で表わされる染料を含む配合物の好ましいある塗布方法は、例えば、国際公開第97/20545号パンフレット、4頁、19行ないし27行に記載されるような、多区画染色装置又は「キット」又は他のいずれかの多区画パッケージ系を使用することである。
【0103】
通例、毛髪は、染料溶液及び/又はパーマネントウェーヴ溶液で処理後濯がれる。
【0104】
本発明の更なる好ましい実施態様は、酸化染料を用いた毛髪染色方法であり、
a.式(1)で表される少なくとも1種の染料及び所望により少なくとも1種の発色剤化合物及び少なくとも1種の顕色剤化合物、及び所望により少なくとも1種の更なる染料を含有する酸化剤を混合すること、並びに
b.ケラチン含有繊維と前記a工程で調整された混合物とを接触させることを含む、
ところの方法に関する。
【0105】
pH値を調節するために、例えば独国特許第19959479号明細書、3欄46行ないし53行に記載されている有機又は無機酸が適する。
【0106】
さらに、本発明は自動酸化可能な化合物及び所望によりさらなる染料を有する式(1)で表される染料のケラチン含有繊維の染色方法に関する。
【0107】
前記方法は、
a.少なくとも1種の自動酸化可能な化合物及び少なくとも1種の顕色剤化合物及び式(1)で表される少なくとも1種の染料及び所望により更なる染料を混合すること、及び
b.前記a工程で製造された混合物を用いてケラチン含有繊維を処理すること
を含む。
【0108】
更に、本発明は、式(1)で表わされる染料及びキャップ化されたジアゾ化化合物を用いたケラチン含有繊維の染色方法であって、
a.少なくとも1種のキャップ化されたジアゾ化化合物及びカップリング剤化合物、及び所望により顕色剤化合物、及び所望により酸化剤を用いて、及び所望により式(1)で表わされる少なくとも1種の染料を用いて、所望により更なる染料の存在下において、アル
カリ条件下でケラチン含有繊維を処理すること、及び、
b.所望により、更なる染料の存在下、及び所望により式(1)で表わされる少なくとも1種の染料の存在下において、酸を用いて処理することによってpHを6ないし2の範囲に調整すること
を含むが、但し、a又はb工程中少なくとも一方において、式(1)で表わされる少なくとも1種の染料が存在する染色方法に関する。
【0109】
キャップ化されたジアゾ化化合物及びカップリング剤化合物及び所望により、酸化剤及び顕色化合物は、あらゆる所望の順序で連続的に又は同時に塗布され得る。
好ましくは、キャップ化されたジアゾ化化合物及びカップリング剤化合物は、1つの組成物中に、同時に適用される。
【0110】
「アルカリ条件」は、8ないし10、好ましくは9ないし10、特に9.5ないし10の範囲のpHを示し、そしてそれは、塩基、例えば炭酸ナトリウム、アンモニア又は水酸化ナトリウムの添加によって達成される。
【0111】
塩基は、毛髪、染料前駆体、キャップ化されたジアゾ化化合物及び/又は水溶性カップリング成分へ又は染料前駆体を含む染色組成物へ添加され得る。
【0112】
酸は、例えば酒石酸又はクエン酸、クエン酸ゲル、所望により、酸性染料を有する適当な緩衝溶液である。
【0113】
第一段階において適用されるアルカリ性染色組成物の量と第二段階において適用される酸性染色組成物の量の比は、好ましくは約1:3ないし3:1、特に約1:1である。
【0114】
a工程のアルカリ性染色組成物及びb工程の酸性染色組成物は、5ないし60分間、15ないし45℃で、特に5ないし45分間、20ないし30℃で繊維上に置かれる。
【0115】
更に、本発明は、式(1)で表わされる染料及び少なくとも1種の酸性染料を用いたケラチン含有繊維の染色方法に関する。
【0116】
以下の実施例は、染色方法をそれらに制限することなく、該方法を説明するために用いられる。特に記載がない限りは、部及びパーセント(%)は質量に対するものである。特定の染料の量は染色する物質に対するものである。
染色は還元剤存在下で行われた。
【実施例】
【0117】
製造例A
例A1:
【化23】


1.ヒドラゾンの形成
硫酸14gを水42gに加えて、20℃まで冷却した。
次にN−メチル−フェニルヒドラジン(100%)24gを攪拌しながら加えた。
4−ピリジン−アルデヒド24.5gを15分かけて滴下して、1時間攪拌を続けた。
36%水酸化ナトリウム水溶液を添加することにより、pHを2.2まで上昇させた。塩化ナトリウム2.7gを60℃の温度で添加し、そしてこの温度で更に1時間攪拌した。スラリーを濾過で分離し、濾過ケーキを真空中で70℃で乾燥することにより、42gの橙色粉末を得た。
【0118】
2.アルキル化剤
クロロホルム120mL中のラセミ体の3−アミノ−ジヒドロ−チオフェノン52.0gとピリジン74.1gとの混合物を攪拌しながら0℃まで冷却し、次に、その温度を維持しながらブロモ酢酸クロリド58.0gを少量ずつ添加した。添加完了後、混合物を冷蔵庫内に終夜置き、反応を完了した。反応混合物を水/塩酸及び氷スラリーと混合し、相を分離し、水で洗浄して乾燥し、次の工程で生成物を同じように使用するために、溶媒を蒸発乾固した。
【0119】
3.アルキル化
前述のヒドラゾンを等量のアルキル化剤とともに20℃の温度で攪拌することでクロロホルム中に溶解させた。
温度を20℃でその後48時間維持した。スラリー中で分離した結晶は濾過した。
生成物をクロロホルム50mLで洗浄し、真空中で乾燥することで59gの橙色固体生成物を得た。
該生成物をメタノールから2回再結晶した。
【0120】
生成物は重水素化メタノール(32スキャン)/360MHzにおける1H−NMRデ
ータにより特徴付けられた。:
【表3】

【0121】
例A2:
【化24】

1.モノアゾ
4−フルオロアニリン12.4gを295Kにおいて、水25mLと32%塩酸25mLの攪拌溶液へ加えた。
次に、反応混合物を273Kまで冷却し、36%亜硝酸ナトリウム溶液19mLを、該混合物の温度が273ないし276Kの範囲に維持される速度において滴下した。亜硝酸ナトリウム溶液の添加後、該混合物を1時間攪拌した。1時間の間に過剰の亜硝酸塩が検出されない場合(ヨウ化カリウム紙を使用した検出)、更なる量の亜硝酸ナトリウムを加えた。
この1時間後、残った過剰量の亜硝酸塩をスルファミン酸で還元した。
次に得られたジアゾ溶液を、水30mL中イミダゾール7.4gの273Kの冷溶液に添加したが、ここで、溶液のpHを36%水酸化ナトリウム溶液の添加によってpH 1
0ないし11の範囲に維持した。
ジアゾ添加の完了後、得られた懸濁液を295Kまで温め、pHを、36%水酸化ナトリウム溶液を用いて10.5に調整した。
このpH及び温度において1時間攪拌した後、懸濁液を濾過し、その後水50mLで2度洗浄して、55gの湿った生成物を得た。
前の工程で得られた濾過ケーキを、水 500mLを入れた反応容器中に添加し、攪拌
によって懸濁させた。ジメチルスルフェート及び水酸化ナトリウムを、10ないし10.3のpH及び25ないし30℃の温度に維持しながら同時に添加した。
3当量のジメチルスルフェート(DMS)を約5時間以内に添加した。
過剰量のDMSの加水分解を完了するために、これらの反応条件を更に1時間維持した。DMSの消失を制御した。
次に、塩化ナトリウム100g及び塩化カリウム50gを添加し、0℃まで冷却した。16時間後、生成物を濾過によって分離し、塩化ナトリウム/塩化カリウムの冷溶液で洗浄した。
次式で表される約20gモルのケーキ状生成物を得た。
【化25】

N,N’−ジメチル−エチレンジアミン19.9gを、窒素雰囲気下、293Kにおいてイソプロパノール120g及び式(102a)で表される前述の化合物に、攪拌しながら添加した。
その後、温度を333Kまで上げ、反応混合物の粘度は減少した。
反応混合物を、この温度において25時間攪拌した。
次に温度を295Kまで減少させながら、反応塊を4時間攪拌した。
反応塊を濾過し、濾過残渣をイソプロパノール45mLで洗浄した。
そしてその物質を真空中で乾燥し、16gの生成物を得た。
【0122】
2.アルキル化剤
クロロホルム120mL中のクロロ水和物としてのラセミ体の3−アミノ−ジヒドロ−チオフェノン52.0gとトリエチルアミン54.1gとの混合物を攪拌しながら0℃まで冷却し、そして、温度を維持しながらブロモ酢酸クロリド58.0gを少量ずつ添加した。添加完了後、混合物を冷蔵庫内に終夜置き、反応を完了した。反応混合物を水/塩酸及び氷スラリーと混合し、相を分離し、水で洗浄して乾燥し、次の工程で生成物を同じように使用するために、溶媒を蒸発乾固した。
【0123】
3.アルキル化
前述のモノアゾ1等量をクロロホルム中1等量のアルキル化剤溶液の中で攪拌することにより溶解した。
温度を60℃まで上げ、その後20時間維持した。スラリー中で分離された結晶は濾過した。
生成物をクロロホルム5mLで洗浄し、真空中で乾燥することで80gの暗色固体生成物を得た。
該生成物をメタノールから2回再結晶した。
【0124】
生成物は重水素化メタノール(32スキャン)/360MHzにおける1H−NMRデ
ータにより特徴付けられた。:
【表4】

【0125】
例A3:
【化26】

1.モノアゾ
2−アミノ−チアゾール50.0gを293ないし310Kにおいて60%硫酸135mLの攪拌溶液に添加した。次に、反応混合物を273 Kまで冷却し、そして40%ニ
トロシル硫酸81mLを、混合物の温度が、冷却によって273ないし276Kの範囲に維持される速度において滴下した。
添加後、混合物を4時間攪拌した。
溶液をアミド硫酸2.5gを含有する良く攪拌した氷水混合物400gに滴下した。
得られたジアゾ溶液(必要に応じて273Kで氷を加えた)に、アニリン45.5gを滴下した。
次に36%水酸化ナトリウム溶液を添加することによって溶液のpHを5ないし6の範囲に上げた。このpH及び温度で1時間攪拌した後、懸濁液を濾過し、そして次に水50mLで2回洗浄して155gの湿った生成物を得た。
乾燥後、モノアゾ染料90gを得た。
【0126】
2.アルキル化剤
前述の実施例で使用したものと同じアルキル化剤を使用した。
【0127】
3.アルキル化:
前述のモノアゾ(30g)をメタノール150mLに攪拌することにより溶解した。
等量のアルキル化剤を加えた。温度を60℃まで上げた。
その温度をその後30時間維持した。
冷却後スラリー中で分離された結晶を濾過した。生成物をメタノール50mLで洗浄し、そして真空中で乾燥して49gの暗赤色の固体生成物を得た。
生成物をメタノールから2回再結晶化した。
【0128】
生成物は重水素化メタノール(128スキャン)/360MHzにおける1H−NMR
データにより特徴付けられた。:
【表5】

【0129】
例A4:
【化27】

1.モノアゾ
2−アミノ−チアゾール50.0gを293ないし310Kにおいて60%硫酸135mLの攪拌溶液に添加した。次に、反応混合物を273Kまで冷却し、そして40%ニトロシル硫酸81mLを混合物の温度が冷却によって273ないし276Kの範囲に維持される速度において滴下した。
添加後、混合物を4時間攪拌した。
溶液をアミド硫酸2.5gを含有する良く攪拌された氷水混合物(400g)に滴下した。
得られたジアゾ溶液(必要に応じて273Kで氷を加えた)に、ジメチルアニリン60
.5gを滴下した。
次に36%水酸化ナトリウム溶液を添加することによって溶液のpHを5ないし6の範囲に上げた。
このpH及び温度で1時間攪拌した後、懸濁液を濾過し、そして次に水50mLで2回洗浄して200gの湿った生成物を得た。
乾燥後、モノアゾ染料100gを得た。
【0130】
2.アルキル化剤
前述の実施例で使用したものと同じアルキル化剤を使用した。
【0131】
3.アルキル化
前述のモノアゾ(28g)をメタノール150mLに攪拌することにより溶解した。等量のアルキル化剤を加えた。
温度を60℃まで上げ、その温度をその後24時間維持した。
冷却後スラリー中で分離された結晶を濾過した。
生成物をメタノール50mLで洗浄し、そして真空中で乾燥して45gの暗紫色の固体生成物を得た。
生成物をメタノールから2回再結晶化した。
【0132】
生成物は重水素化メタノール(128スキャン)/360MHzにおける1H−NMR
データにより特徴付けられた。:
【表6】

【0133】
例A5:
【化28】

1.モノアゾ
2−アミノ−チアゾール50.0gを293ないし310Kにおいて60%硫酸135mLの攪拌溶液に添加した。次に、反応混合物を273 Kまで冷却し、そして40%ニ
トロシル硫酸81mLを混合物の温度が、冷却によって273ないし276Kの範囲に維持される速度において滴下した。
添加後、混合物を4時間攪拌した。
溶液をアミド硫酸2.5gを含有する良く攪拌された氷水混合物(400g)に滴下した。
得られたジアゾ溶液(必要に応じて273Kで氷を加えた)に、ジヒドロキシメチルアニリン90.5gを滴下した。
次に36%水酸化ナトリウム溶液を添加することによって溶液のpHを5ないし6の範囲に上げた。
このpH及び温度で1時間攪拌した後、懸濁液を濾過し、そして次に水50mLで2回洗浄して255gの湿った生成物を得た。
乾燥後、モノアゾ染料140gを得た。
【0134】
2.アルキル化剤
クロロホルム120mL中の3−アミノ−ジヒドロチオフェノン52.0gとピリジン74.1gの混合物を攪拌しながら0℃まで冷却し、そして次にブロモ酢酸クロリド58.0gをこの温度を保ちながら少量ずつ添加した。
添加完了後、混合物を冷蔵庫内に置き、反応を完了した。
反応混合物を水/塩酸及び氷スラリーと混合し、相を分離し、水で洗浄し、そして乾燥し、次の工程で生成物を同じように使用するために、溶媒を蒸発乾固した。
【0135】
3.アルキル化:
前述のモノアゾ(30g)をメタノール150mL中で攪拌することにより溶解した。
等量のアルキル化剤を加えた。温度を60℃まで上げた。温度を60℃でその後30時間維持した。
冷却後スラリー中で分離された結晶を濾過した。生成物をメタノール50mLで洗浄し、そして真空中で乾燥して暗紫色の59gの固体生成物を得た。
生成物をメタノールから2回再結晶化した。
【0136】
生成物は重水素化メタノール(128スキャン)/360MHzにおける1H−NMR
データにより特徴付けられた。
【表7】

【0137】
例A6:
【化29】

1.モノアゾ
2−アミノ−メトキシベンゾチアゾール50.0gを293ないし310Kにおいて60%硫酸135mLの攪拌溶液に添加した。
次に、反応混合物を273 Kまで冷却し、そして40%ニトロシル硫酸61mLを混
合物の温度が冷却によって273ないし276Kの範囲に維持される速度において滴下した。添加後、混合物を4時間攪拌した。
溶液をアミド硫酸2.5gを含有する良く攪拌された水氷混合物(400g)に滴下した。
得られたジアゾ溶液(必要に応じて273Kで氷を加えた)に、ジヒドロキシエチルアニリン50.5gを滴下した。次に36%水酸化ナトリウム溶液を添加することによって溶液のpHを5ないし6の範囲に上げた。
このpH及び温度で1時間攪拌した後、懸濁液を濾過し、そして次に水50mLで2回洗浄して15gの湿った生成物を得た。
乾燥後、モノアゾ染料95gを得た。
【0138】
2.アルキル化剤
クロロホルム120mL中のラセミ体の3−アミノ−ジヒドロ−チオフェノン52.0gとピリジン74.1gの混合物を、攪拌しながら0℃まで冷却し、そして次にブロモ酢酸クロリド58.0gを温度を保ちながら少量ずつ添加した。
添加完了後、混合物を冷蔵庫内に置き、反応を完了した。反応混合物を水/塩酸及び氷スラリーと混合し相を分離し、水で洗浄し、そして乾燥し、次の工程で同じように生成物を使用するため溶媒を蒸発乾固した。
【0139】
3.アルキル化
前述のモノアゾ39gを、メタノール100mL中の等量のアルキル化溶液中で攪拌することで溶解した。
温度を60℃に上げ、その後60時間維持した。スラリー中で分離された結晶はろ過した。
生成物をクロロホルム50mLで洗浄し、真空中で乾燥することで59gの暗色固体生成物を得た。
生成物をメタノールから2回再結晶した。
【0140】
生成物は重水素化メタノール(128スキャン)/360MHzにおける1H−NMR
データにより特徴付けられた。
【表8】

【0141】
例A7:
【化30】

1.モノアゾ
4−フルオロアニリン12.4gを295Kにおいて25mLの水と32%塩酸25mLの攪拌溶液に添加した。
次に、反応混合物を273 Kまで冷却し、そして36%亜硝酸ナトリウム溶液19m
Lを混合物の温度が273ないし276Kの範囲に維持される速度で滴下した。
【0142】
亜硝酸ナトリウム溶液の添加後、該混合物を1時間攪拌した。1時間の間に過剰の亜硝酸塩が検出されない場合(ヨウ化カリウム紙を使用した検出)、更なる量の亜硝酸ナトリウムを加えた。
この1時間後、残った過剰量の亜硝酸塩をスルファミン酸で還元した。得られたジアゾ溶液を、水30mL中のイミダゾール7.4gの273Kの冷溶液に滴下したが、ここで、溶液のpHを36% 水酸化ナトリウム溶液の添加によってpH10ないし11の範囲
に維持した。
ジアゾ添加の完了後、得られた懸濁液を29Kまで温めた。
pHを、36% 水酸化ナトリウム溶液を用いて10.5に調整した。
このpH及び温度において1時間攪拌した後、懸濁液を濾過し、その後、水50mLで2度洗浄して、55gの湿った生成物を得た。
【0143】
水500mLを前の工程で得られた濾過ケーキが加えられた反応容器中に入れ、攪拌によって懸濁させた。ジメチルスルフェート及び水酸化ナトリウムを、10ないし10.3のpH及び25ないし30℃の温度に維持しながら同時に添加を開始した。
3当量のジメチルスルフェート(DMS)を約5時間以内で添加した。
過剰量のDMSの加水分解を完了するために、これらの反応条件を更に1時間維持した。DMSの消失を制御した。
次に塩化ナトリウム100g及び塩化カリウム 50gを添加し、0℃まで冷却した。
16時間後、生成物を濾過によって分離し、塩化ナトリウム/塩化カリウムの冷溶液で洗浄し、乾燥した。
次式で表される約20gモルのケーキ生成物を得た。
【化31】

【0144】
ラセミ体の3−アミノ−ジヒドロ−チオフェノン20.8gを、窒素雰囲気下、29Kにおいてイソプロパノール120g及び等量のトリエチルアミン及び式(107a)で表される前述の化合物に、攪拌しながら添加した。
温度を333Kまで上げることにより、反応混合物の粘度を減少させた。
反応混合物を、この温度において5時間攪拌した。
温度を295Kまで減少させながら、反応塊を4時間攪拌した。
反応塊を濾過し、濾過残渣をイソプロパノール4mLで洗浄した。
そしてその物質を真空中で乾燥し、26gの生成物を得た。
【0145】
生成物は重水素化クロロホルム(128スキャン)/360MHzにおける1H−NM
Rデータにより特徴付けられた。
【表9】

【0146】
例A8:
【化32】

1.モノアゾ
4−フルオロアニリン12.4gを29Kで、水2mLと32%塩酸25mLの攪拌溶液へ加えた。
そして、反応混合物を273Kまで冷却し、36%亜硝酸ナトリウム溶液19mLを、該混合物の温度が273ないし276Kの範囲に維持される速度において滴下した。亜硝酸ナトリウム溶液の添加後、該混合物を1時間攪拌した。1時間の間に過剰の亜硝酸塩が検出されない場合(ヨウ化カリウム紙を使用した検出)、更なる量の亜硝酸ナトリウムを加えた。
この1時間後、残った過剰量の亜硝酸塩をスルファミン酸で還元した。
得られたジアゾ溶液を、水30mL中イミダゾール7.4gの273Kの冷溶液に滴下したが、ここで、溶液のpHを36%水酸化ナトリウム溶液の添加によってpH 10な
いし11の範囲に維持した。
ジアゾ添加の完了後、得られた懸濁液を295Kまで温め、
pHを、36% 水酸化ナトリウム溶液を用いて10.5に調整した。
このpH及び温度において1時間攪拌した後、懸濁液を濾過し、その後、水 50mL
で2度洗浄して、55gの湿った生成物を得た。
水500mLを反応容器中に入れ、前の工程で得られた濾過ケーキを加え、攪拌によって懸濁させた。ジメチルスルフェート及び水酸化ナトリウムを、10ないし10.3のpH及び25ないし30℃の温度に維持しながら同時に添加した。
3当量のジメチルスルフェート(DMS)を約5時間以内で添加した。
過剰量のDMSの加水分解を完了するために、これらの反応条件を1時間維持した。DMSの消失を制御した。
次に塩化ナトリウム 100g及び塩化カリウム 50gを添加し、0℃まで冷却した。
16時間後、生成物を濾過によって分離し、塩化ナトリウム/塩化カリウムの冷溶液で洗浄し、次式で表される約20gモルの固形生成物を得た。
【化33】

【0147】
2.アミノ化
エチレンジアミン19.9gを窒素雰囲気下、293Kにおいてイソプロパノール120g及び式(108a)で表される前述の化合物に、攪拌しながら添加した。
次に温度を333Kまで上げることにより、反応混合物の粘度を減少させた。
反応混合物を、この温度において25時間攪拌した。
温度を295Kまで減少させながら、反応塊を4時間攪拌した。
反応塊を濾過し、濾過残渣をイソプロパノール45mLで洗浄した。
そしてその物質を真空中で乾燥し、26gの生成物を得た。
【0148】
3.誘導体化
ラセミ体の3−アミノ−ジヒドロチオフェノン25.9gを窒素雰囲気下、293Kにおいてトルエン120gに、攪拌しながら添加した。
次に、ホスゲンを333Kにおいて前記液の表面下に導入した。
添加完了後、混合物を1時間放置し、反応を終了した。
反応混合物を水/塩酸及び氷スラリーと混合し、相を分離し、水で洗浄して乾燥し、溶媒を蒸発乾固した。
生成物は前述のアゾ化合物とともに次の工程で同じように使用された。
両方の化合物をアセトニトリル中に懸濁させた。
次に温度を303Kまで上昇させ、反応混合物を減少させた。
反応混合物をこの温度で5時間攪拌した。
反応塊を濾過し、濾過残渣をアセトニトリル45mLで洗浄した。
次に真空中で乾燥し、36gの生成物を得た。
【0149】
生成物は重水素化メタノール(128スキャン)/360MHzにおける1H−NMR
データにより特徴付けられた。
【表10】

【0150】
B.適用例:
適用例のために次の毛髪の種類が使用された。
・ ブロンドの房(バージン ホワイト ヘア、イムヘアー社製、ビア ジー.ヴェルガ
8 アイティー 90134、パレルモ、イタリア (VIRGIN White Hair from IMHAIR Ltd.,via G.Verga 8,It 90134 Palermo,Italy))
・ ミドルブロンドの房(ユーエヌエー−ヨーロッパ.ネィチャーヘアー、カラーミドルブロンド、フィッシュバッハ ウント ミラー社製、ホストファハ 1163、88461 ラウプハイム、ドイツ(UNA−Europ. nature hair、Color middle blond、Fischbach & Miller、Postfach 1163、88461 Laupheim, Deutschland))
・ 脱色した髪の房(ユーエヌエー−ヨーロッパ.ナトゥーアハール、損傷毛髪、フィッシュバッハ ウント ミラー社製、ホストファハ 1163、88461 ラウプハイム、ドイツ(UNA−Europ. Naturhaar、Farbe weiβgebleacht、Fischbach & Miller、Postfach 1163、88461 Laupheim、Deutschland))
【0151】
染色した毛髪の洗浄堅牢度を、Herbst&Hunger,第2版.engl.S.61)Nr 10:DIN 54 001−8−1982,“Herstellung 及び Bewertung der Aenderung der Farbe”,ISO 105
−A02−1993による工業用有機顔料に従ったグレースケール(Grey scale)によって分析した。
以下の適用例において、下記した定義内の組成物を使用した。
【0152】
溶液1(パーマネントローション、pH 8.2):
水、チオグリコール酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、エトキシジグリコール、ヘキシレングリコール、チオグリコール酸;チオ乳酸、PEG−60水素化ヒマシ油、グリシン、エチドロン酸、イソセテス−20、ポリシリコン−9、スチレン/PVPコポリマー、トリデセス−12、アモジメチコン、塩化セトリモニウム、水酸化アンモニウム、ポリクォーターニウム−6、イソプロピルアルコール、変性アルコール、シメチコン、香料。
【0153】
溶液2(パーマネント固定剤、pH 3.9):
以下のものに基づく:
水、過酸化水素、プロピレングリコール、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解小麦タンパク質、PEG−5コカミド、ナトリウムココアンホアセテート、ポリクォーターニウム−35、ココベタイン、アセトアミノフェン、リン酸、塩化ナトリウム、香料。
【0154】
溶液3(染色溶液):
染料 0.1%を非イオン性界面活性剤(プランタケア 200UP、ヘンケル)の10%溶液に溶解させ、クエン酸又はモノエタノールアミンを使用してpHを9.5に調整した。
【0155】
実施例B1:
実施例A1に従う、式(101)で表される化合物5mgをエタノール20g中に溶解し、その後、水30gを添加した。:
この青色染色溶液を、乾いている毛髪(2房のブロンドの毛髪、2房のミドルブロンドの毛髪及び2房の損傷毛髪)に塗布し、室温において20分間放置した。その後、該毛髪を室温で水道水ですすぎ、12時間乾かした。
洗浄堅牢度:10回シャンプーで洗浄した。
【表11】

【0156】
実施例B2:
0.1質量%の実施例B1の着色剤溶液を乾いている毛髪(2房のブロンドの毛髪、2房のミドルブロンドの毛髪及び2房の損傷毛髪)に塗布し、室温において20分間放置した。
次に髪の毛を濯ぎ、タオルで乾かした毛髪を溶液2(パーマネント固定剤)で処理し、10分間放置した。
その後、毛髪を室温で水道水ですすぎ、室温で12時間乾かした。
洗浄堅牢度:10回シャンプーで洗浄した。
【表12】

【0157】
実施例B3:
溶液1(パーマネント ローション)をシャンプーした毛髪(2房のブロンドの毛髪、
2房のミドルブロンドの毛髪及び2房の損傷毛髪)に塗布し、10分間放置した。
その後、該毛髪を室温で水道水ですすぎ、タオルで乾かした毛髪を0.1質量%の実施例B1の着色剤溶液で処理し、20分間放置し、その後濯いだ。
次にタオルで乾かした毛髪を溶液2(パーマネント固定剤)で処理し、10分間放置した。
その後、毛髪を水道水で濯ぎ、室温で12時間乾かした。
洗浄堅牢度:10回シャンプーで洗浄。
【表13】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)
【化1】

(式中、
Dはアントラキノン基、アクリジン基、アゾ基、アゾメチン基、ヒドラゾメチン基、ベンゾジフラノン基、クマリン基、ジケトピロロピロール基、ジオキサジン(dioxaxine)基、ジフェニルメタン基、ホルマザン基、インディゴイド基、インドフェノール基、ナフタルイミド基、ナフタキノン基、ニトロアリール基、メロシアニン基、メチン基、オキサジン基、ぺリノン基、ぺリレン基、ピレンキノン基、フタロシアニン基、フェナジン基、キノンイミン基、キナクリドン基、キノフタロン基、スチルベン基、スチリル基、トリフェニルメタン基、キサンテン基、
チアジン染料及びチオキサンテン染料を表し;
Qは1種以上の−O−、−S−、−N=、−N(R)−、SO、−(CHCH−O)1―5−、−(CHCHCH−O)1―5−、−C(O)−、−C(O)−炭素原子数1ないし12のアルケニレン基、−C(O)O−、−OCO−、
【化2】

−CON(R)−、−C(NR−、 −(R)NC(O)−、 −CSR−又は所望により置換された、飽和又は不飽和の、縮合したか又は縮合していない、芳香族又は非芳香族((ヘテロ)環)の、所望により少なくとも1種のヘテロ原子を含む2価の基によって中断され得、及び/又は片方又は両方の末端を終端され得る、炭素原子数1ないし30のアルキレン基、炭素原子数2ないし12のアルケニレン基、炭素原子数5ないし10のアリーレン基、炭素原子数5ないし10のシクロアルキレン基、又は炭素原子数1ないし10のアルキレン(炭素原子数5ないし10のアリーレン)基;−O−;−S−;−N(R)−;SO;−(CHCH−O)1ないし5−;−C(O)−;−C(O)−炭素原子数1ないし12のアルケニレン基;−C(O)O−、−OCO−;
【化3】

;−CON(R)−;−C(NR−;−(R)NC(O)−;−CSR−;所望により炭素原子数1ないし30のアルキル基、炭素原子数1ないし30のアルコ
キシ基、炭素原子数2ないし12のアルケニル基、炭素原子数5ないし10のアリール基、炭素原子数5ないし10のシクロアルキル基、炭素原子数1ないし10のアルキル(炭素原子数5ないし10のアリーレン)基、ヒドロキシ基又はDによって置換された、飽和又は不飽和の、縮合したか又は縮合していない、芳香族又は非芳香族の、所望により少なくとも1種のヘテロ原子を含む2価の基を表し;
及びRは互いに独立して水素原子であるか;又は非置換であるか又は置換された、直鎖又は分枝鎖の、単環式又は多環式の、中断されたか又は中断されていないの炭素原子数1ないし14のアルキル基;炭素原子数1ないし14のヒドロキシアルキル基;炭素原子数1ないし14のアミノアルキル基;炭素原子数2ないし14のアルケニル基;炭素原子数6ないし10のアリール基;炭素原子数6ないし10のアリール−炭素原子数1ないし10のアルキル基;又は炭素原子数5ないし10のアルキル(炭素原子数5ないし10アリール)基を表す。)
で表される染料。
【請求項2】
式(1)中、
Dはアントラキノン基、アクリジン基、アゾ基、アゾメチン基、ヒドラゾメチン基、ベンゾジフラノン基、クマリン基、ジケトピロロピロール基、ジオキサジン(dioxaxine)基、ジフェニルメタン基、ホルマザン基、インディゴイド基、インドフェノール基、ナフタルイミド基、ナフタキノン基、ニトロアリール基、メロシアニン基、メチン基、オキサジン基、ぺリノン基、ぺリレン基、ピレンキノン基、フタロシアニン基、フェナジン基、キノンイミン基、キナクリドン基、キノフタロン基、スチルベン基、スチリル基、トリフェニルメタン基、キサンテン基、チアジン染料及びチオキサンテン染料を表し;
Qは1種以上の−O−、−S−、−NR−又はSOによって中断され得る、炭素原子数2ないし12のアルケニレン基、炭素原子数5ないし10のアリーレン基、炭素原子数5ないし10のシクロアルキレン基又は炭素原子数1ないし10のアルキレン(炭素原子数5ないし10のアリーレン)基;−(CHCH−O)1−5−;−C(O)−;−C(O)−炭素原子数1ないし12のアルケニレン基;−C(O)O−;−OCO−;−N(R)−;
【化4】

;−CON(R)−;−C(NR;−(R)NC(O)−;−CSR−;−O−;−S−;−CS−;−S(O)−;又は−S(O)−を表し;及び
、R及びRは互いに独立して水素原子であるか;非置換であるか又は置換された、直鎖又は分枝鎖の、単環式又は多環式の、中断されたか又は中断されていない炭素原子数1ないし14のアルキル基;炭素原子数2ないし14のアルケニル基;炭素原子数6ないし10のアリール基;炭素原子数6ないし10のアリール−炭素原子数1ないし10のアルキル基;又は炭素原子数5ないし10のアルキル(炭素原子数5ないし10のアリール)基を表す、請求項1に記載の染料。
【請求項3】
Dはニトロアリール基、アントラキノン基、ナフトキノン基、ピレンキノン基、フタロ
シアニン(phathylocyanine)基、ホルマザン基、メチン基、アゾメチン基、ジオキサジン(dioxaxine)基、フェナジン基、アゾ基、インドフェノール基、スチルベン基、トリフェニルメタン基、キサンテン基、チオキサンテン基及び直接染料から選択される、請求項1又は2に記載の染料。
【請求項4】
Dは式(1a)
【化5】


、(1b)
【化6】


;又は(1c)
【化7】


;又は(1d)
【化8】


で表される基を表し、
は−N=N−;−CR=N−;−N=CR−;−NR−N=CR−;及び−RC=N−NR−;から選択される2価の基を表し、
は置換されたか又は非置換の、芳香族又はヘテロ芳香族化合物の2価の基を表し、
はN;又はCR10基を表し;
は−O−;又は−S−を表し;
及びRは互いに独立して水素原子;ハロゲン原子;ヘテロ原子で中断され得る炭素原子数1ないし16のアルキル基;フェニル基;カルボン酸基;スルホン酸基;ヒドロキシ基;ニトリル基;炭素原子数1ないし16のアルコキシ基;(ポリ)−ヒドロキシ−炭素原子数2ないし4のアルコキシ基;ハロゲン原子;SONR;SR;NR;OR;SO;COOR;NRCOR;又はCONRを表し;
及びRは互いに独立して水素原子;1種以上の、炭素原子数1ないし5のアルキル基、炭素原子数1ないし5のアルコキシ基、又はヒドロキシ基によって置換され得る炭素原子数1ないし12のアルキル基;−(CO)−H;−(CO)−炭素原子数1ないし5のアルキル基;1種以上の、炭素原子数1ないし5のアルキル基、炭素原子数1ないし5のアルコキシ基、ハロゲン原子、−NH、モノ−炭素原子数1ないし5のアルキルアミノ基、ジ−炭素原子数1ないし5のアルキルアミノ基、−NO、カルボキシ基又はヒドロキシ基によってフェニル部が置換され得る、フェニル基又はフェニル−炭素原子数1ないし4のアルキル基を表し;
及びRは互いに独立して水素原子;炭素原子数1ないし14のアルキル基;炭素原子数2ないし14のアルケニル基;炭素原子数5ないし10のアリール基;炭素原子数1ないし10のアルキル−炭素原子数5ないし10のアリール基;又は炭素原子数5ないし10のアリール−炭素原子数1ないし10のアルキル基を表し;
10は水素原子;炭素原子数1ないし14のアルキル基;炭素原子数2ないし14のアルケニル基;炭素原子数6ないし10のアリール;炭素原子数5ないし10のアリール−(炭素原子数1ないし10のアルキル基);又は−炭素原子数1ないし10のアルキル(炭素原子数5ないし10のアリール基);及び
Anはアニオンを表す、請求項1ないし3のいずれかに記載の染料。
【請求項5】
Dは、基(1a
【化9】

、(1a
【化10】

(1b
【化11】

;又は(1c
【化12】

(上記式中、
、T、R、R及びAnは請求項4で定義した通りである。)
で表される基を表す、請求項1ないし4のいずれかに記載の染料。
【請求項6】
Qは式(1a)
【化13】

で表される2価の基を表し、
Tは飽和または不飽和の、直鎖状又は分枝鎖の炭素原子数1ないし12のアルキレン基;−C(O)−;−(CHCH−O)1―5−;−(CHCHCH−O)1―5−;−C(O)O−;−OC(O)−;−N(R)−;−CON(R)−;−(R)NC(O)−;−O−;−S−;−S(O)−;−S(O)−;−S(O)−N(R)−;及び−N(R)(R)−;から選択される基を表し、
Zは−(CH−SO−;−CH−CHR−CO−NR’−;又は式(1b)
【化14】

;(1c)
【化15】

;又は(1d)
【化16】

で表される2価の基を表し;
R及びR’は互いに独立して水素原子;又は炭素原子数1ないし6のアルキル基を表し、DはRa;Da+;又はDb+(a及びbは互いに独立して1,2又は3を表す。)を表し、
Raは塩素原子又はフッ素原子を表し、
は非置換であるか又は置換された炭素原子数1ないし6のアルコキシ基、炭素原子数1ないし6のアルキルアミノ基、炭素原子数6ないし10のアリールオキシ基又は炭素原子数6ないし10のアリールアミノ基を表し;そして
t及びzは、互いに独立して0又は1を表すが、但し少なくともt又はzのうち1つは1を表す、請求項1ないし5のいずれかに記載の染料。
【請求項7】
は−N=N−;−CR=N−;及び−N=CR−から選択される2価の基を表
し;
はフェニレン基を表し;
はNR;OR又はSOを表し;
及びRは互いに独立して水素原子であるか又は1つ以上のヒドロキシ基によって置換され得る炭素原子数1ないし12のアルキル基を表し;及び
は水素原子;又は炭素原子数1ないし14のアルキル基を表す、請求項1ないし6のいずれかに記載の染料。
【請求項8】
式(2a)
【化17】


;又は式(2b)
【化18】


(式中、
Qは炭素原子数1ないし30のアルキレン基、炭素原子数2ないし12のアルケニレン基、炭素原子数5ないし10のアリーレン基、−C(O)−;又は−C(O)−炭素原子数2ないし12のアルケニレン基を表し;
は水素原子;炭素原子数1ないし16のアルキル基;又は炭素原子数1ないし16のアルコキシ基を表し;
はNRを表し;そして
及びRは互いに独立して水素原子であるか又は1つ以上のヒドロキシ基で置換され得る炭素原子数1ないし12のアルキル基を表す。)に相当する、請求項1ないし7のいずれかに記載の染料。
【請求項9】
式(3)
【化19】


(式中、
は−N=N−;−CR=N−から選択される2価の基を表し、
はNRを表し;及び
及びRは互いに独立して水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基を表し;又はフェニル基を表し;そして
は水素原子;又は炭素原子数1ないし14のアルキル基を表す。)に相当する、請求項1ないし7のいずれかに記載の染料。
【請求項10】
式(4)
【化20】


(式中、
は置換されたか又は非置換の芳香族化合物の2価の基を表し;
Qは1つ以上の−NR−によって中断され得る炭素原子数2ないし12のアルケニレン基を表し;
は水素原子又は炭素原子数1ないし14のアルキル基を表し;そして
は水素原子又は炭素原子数1ないし16のアルキル基を表す。)に相当する、請求項1ないし7のいずれかに記載の染料。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれかで定義された染料で繊維を処理することを含む、ケラチ
ン含有繊維の染色方法。
【請求項12】
還元剤存在下で染色を行う、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
還元剤は、チオグリコール酸又はその塩、グリセリンモノチオグリコレート、システイ
ン、2−メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトエチルアミン、チオ乳酸、チオグリセリン、亜硫酸ナトリウム、亜ジチオン酸塩、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム及びヒドロキノン(hydrochinon)から選択される、請求項11又は12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
(a)所望により還元剤、及び
(b)請求項1で定義された染料、及び
(c)所望により酸化剤
でケラチン含有繊維を処理することを含む、請求項11ないし13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
請求項1で定義された染料を含む組成物。
【請求項16】
シャンプー、コンディショナー、ゲル又は乳濁液の形態である、請求項15に記載の組
成物。
【請求項17】
少なくとも1種の請求項1で定義された染料並びに直接染料及び/又は反応染料を含む
、請求項15又は16に記載の組成物。

【公表番号】特表2010−516880(P2010−516880A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−547637(P2009−547637)
【出願日】平成20年1月22日(2008.1.22)
【国際出願番号】PCT/EP2008/050666
【国際公開番号】WO2008/092771
【国際公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(396023948)チバ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Holding Inc.
【Fターム(参考)】