カラオケ装置
【課題】複数のカラオケ楽曲再生時において、曲間におけるカポタストの装着位置変更作業の労力負担を低減する。
【解決手段】カラオケ装置10は、利用者によるカラオケ楽曲の予約を受け付けると、エレキギター楽器演奏パートのカポタスト位置データが対応付けられたカラオケ楽曲データを再生し、当該カラオケ楽曲データに対応するカポタスト位置データをモニタ14,15に表示する。そして、複数のカラオケ楽曲の予約を受け付けた場合に、それら複数のカラオケ楽曲に対応する複数のカラオケ楽曲データの再生順序を、隣接する順番の2つのカラオケ楽曲データにおける互いのカポタスト位置データの差分を0とする又は最小化するように決定する。
【解決手段】カラオケ装置10は、利用者によるカラオケ楽曲の予約を受け付けると、エレキギター楽器演奏パートのカポタスト位置データが対応付けられたカラオケ楽曲データを再生し、当該カラオケ楽曲データに対応するカポタスト位置データをモニタ14,15に表示する。そして、複数のカラオケ楽曲の予約を受け付けた場合に、それら複数のカラオケ楽曲に対応する複数のカラオケ楽曲データの再生順序を、隣接する順番の2つのカラオケ楽曲データにおける互いのカポタスト位置データの差分を0とする又は最小化するように決定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケ楽曲データを再生するカラオケ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カラオケ楽曲データを再生するカラオケ装置において、複数の楽器演奏パートを含むカラオケ楽曲データを再生する技術が既に提唱されている(例えば特許文献1参照)。楽器演奏者である利用者は、当該再生されるカラオケ楽曲に合わせて楽器演奏パートを自ら演奏して当該楽器の練習を行ったり、カラオケ楽曲全体のアンサンブルを楽しむことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−30284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば、エレキギター、アコースティックギター、クラシックギター等のギターの演奏において、初心者や不慣れな者が演奏しやすくするために、カポタストが使用される場合がある。カポタストは、ギターにより所望の和音を奏でるときの各弦における運指位置が複雑な場合に、ギターネックに挟んで(図1参照)、各弦の長さを変え、所望の和音を奏でるときの運指位置を、複雑でない運指位置へ変えることで、その運指位置を簡素化して演奏者の運指負担を軽減するものである。演奏者は、ギターネックの適宜の位置にカポタストを装着することで、ギター演奏を、容易かつ手軽に楽しむことができる。
【0005】
ここで、上記従来技術のように、カラオケ装置において利用者が楽器演奏を併せて楽しむ場合にも、上記のようにカポタストをギターネックに装着してギターの演奏を行いたい場合が考えられる。しかしながら、通常、ギターネックにおけるカポタストの位置は楽曲ごとに設定されることから、複数のカラオケ楽曲の予約がなされた場合に、1つのカラオケ楽曲と他のカラオケ楽曲とで互いにカポタスト位置が異なる場合があり得る。この場合、利用者は、1つのカラオケ楽曲に対して設定されたある位置にカポタストを装着して当該1つのカラオケ楽曲のギター演奏を楽しんだ後、次のカラオケ楽曲に対して設定された別の位置にカポタストを装着する必要がある。すなわち、カポタスト取り外し→取り外したカポタストを別の位置へ移動→移動した新たな位置でカポタストを再装着、という装着位置変更作業が必要となる。一般に、カポタストは、ギターに張られた複数の弦がずれずに押さえ込めるようギターネックに堅固に装着される構造であることから、装着するにも取り外しするにも移動するにも大きな手間を要する。特に、取り外してから再装着するまでの途中の移動距離が大きくなるほど、利用者にとって、上記装着位置変更作業の全体の労力負担が非常に煩わしいものとなる。
【0006】
本発明の目的は、複数のカラオケ楽曲再生時において、曲間におけるカポタストの装着位置変更作業の労力負担を低減できるカラオケ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1の発明は、利用者によるカラオケ楽曲の予約を受け付け可能な予約受付手段と、前記カラオケ楽曲に対応して用意され、ギター楽器演奏パートを含む複数の楽器演奏パートから構成されるとともに前記ギター楽器演奏パートのカポタスト位置データが対応付けられたカラオケ楽曲データを、再生可能なカラオケ楽曲再生手段と、前記カラオケ楽曲再生手段での前記カラオケ楽曲データの再生に応じて、当該カラオケ楽曲データに対応する前記カポタスト位置データを表示する、表示手段と、前記予約受付手段が複数の前記カラオケ楽曲の予約を受け付けた場合に、それら複数のカラオケ楽曲それぞれに対応する複数の前記カラオケ楽曲データの前記カラオケ楽曲再生手段における再生順序を、隣接する順番の2つの前記カラオケ楽曲データにおける互いの前記カポタスト位置データの差分を0とする又は最小化するように決定する、再生順序決定手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
本願第1発明においては、予約受付手段により利用者のカラオケ楽曲の予約が受け付けられると、その予約に対応して、カラオケ楽曲再生手段によりギター楽器演奏パートを含むカラオケ楽曲データが再生される。そのとき、カラオケ楽曲データに対し、予め当該ギター楽器演奏パートのカポタスト位置データが対応付けられており、当該カラオケ楽曲データの再生時には表示手段によって当該カポタスト位置データが表示される。カポタストは、ギターにより所望の和音を奏でるときの各弦における運指位置が複雑な場合に、その運指位置を簡素化して演奏者の運指負担を軽減するものである。利用者は、ギターネックの、上記表示されたカポタスト位置データが表す位置にカポタストを装着することで、上記再生手段から再生されるカラオケ楽曲データに合わせたギター演奏を、容易かつ手軽に楽しむことができる。
【0009】
ここで、通常、ギターネックにおけるカポタストの位置は楽曲ごとに設定されることから、複数のカラオケ楽曲の予約がなされた場合に、1つのカラオケ楽曲と他のカラオケ楽曲とで互いにカポタスト位置が異なる場合があり得る。この場合、利用者は、1つのカラオケ楽曲に対して設定されたある位置にカポタストを装着して当該1つのカラオケ楽曲のギター演奏を楽しんだ後、次のカラオケ楽曲に対して設定された別の位置にカポタストを装着する必要がある。すなわち、カポタスト取り外し→取り外したカポタストを別の位置へ移動→移動した新たな位置でカポタストを再装着、という装着位置変更作業が必要となる。一般に、カポタストは、ギターに張られた複数の弦がずれずに押さえ込めるようギターネックに堅固に装着される構造であることから、装着するにも取り外しするにも移動するにも大きな手間を要する。特に、取り外してから再装着するまでの途中の移動距離が大きくなるほど、利用者にとって、上記装着位置変更作業の全体の労力負担が非常に煩わしいものとなる。
【0010】
そこで、本願第1発明においては、上記のように複数のカラオケ楽曲の予約がなされた場合には、再生順序決定手段が、上記利用者の労力負担を低減できるように、複数のカラオケ楽曲データの再生順序を決定する。すなわち、隣接する順番の2つのカラオケ楽曲データの互いのカポタスト位置データが、同一となる(差分が0となる)、若しくは、差分が最小化されるように、順序を決定する。これにより、複数のカラオケ楽曲は、1曲が終了して次の曲へ移るときのカポタストの位置変更がないか若しくは移動距離が最小となるような順番に配列されることとなる。これにより、上述した複数のカラオケ楽曲再生時の曲間で利用者により行われる、カポタストの装着位置変更作業の労力負担を低減することができ、利用者の利便性を向上することができる。
【0011】
第2発明は、上記第1発明において、前記再生順序決定手段は、複数の前記カラオケ楽曲の予約のうち、最初に演奏されるべき予約楽曲データと、それ以降の予約楽曲データと、を比較し、互いに前記カポタスト位置データが同一である複数のカラオケ楽曲データを連続して再生するように、それ以降の予約楽曲データに対して、前記カラオケ楽曲再生手段における再生順序を決定することを特徴とする。
【0012】
これにより、予約が受け付けられたカラオケ楽曲について再生順序が決定されるとき、同一の特定のカポタスト位置となる複数のカラオケ楽曲があった場合には、それら複数のカラオケ楽曲は連続で再生される。これにより、それら複数のカラオケ楽曲が連続再生される間は、上記装着位置変更作業が不要となるので、確実に利用者の利便性を向上することができる。
【0013】
第3発明は、上記第1又は第2発明において、前記再生順序決定手段は、前記予約受付手段が前記複数のカラオケ楽曲の予約を受け付けたときに前記カラオケ楽曲再生手段により既に再生中の前記カラオケ楽曲データがあった場合には、当該再生中のカラオケ楽曲データと前記受け付けられた前記複数のカラオケ楽曲それぞれに対応する前記複数のカラオケ楽曲データとを合わせたカラオケ楽曲データ群において隣接する順番の2つのカラオケ楽曲データにおける互いの前記カポタスト位置データの差分を0とする又は最小化するように、前記複数のカラオケ楽曲データの再生順序を、決定することを特徴とする。
【0014】
これにより、再生順序決定手段がカラオケ楽曲データの再生順序を決定する際、予約された複数のカラオケ楽曲それぞれのカポタスト位置のみならず、現在再生されているカラオケ楽曲に対応した現在のカポタスト位置も加味して、上記装着位置変更作業における労力負担低減を図ることができる。この結果が、さらに確実に利用者の利便性を向上することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、複数のカラオケ楽曲再生時において、曲間におけるカポタストの装着位置変更作業の労力負担を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態のカラオケ装置の主要構成を示す説明図である。
【図2】楽器接続ボードの前面パネルの説明図、及び、楽器接続ボードの背面パネルの説明図である。
【図3】楽器接続ボードの内部に設けられた拡張I/Oポートと各フォンジャックとの接続関係を示す機能ブロック図である。
【図4】カラオケ装置に備えられた制御装置の前面パネルの説明図、及び、制御装置の背面パネルの説明図である。
【図5】制御装置の制御系の主要構成を示す機能ブロック図である。
【図6】サーバーから制御装置へ送信される曲データの主要構成を示す説明図、及び、MIDIデータ、MIDIデータの演奏部分の構成を示す説明図、エレキギターの音源を指定するMIDIデータ#4を削除した演奏部分の構成を示す説明図、及び、ミュートデータ#4が付加された演奏部分の構成を示す説明図である。
【図7】データテーブルの説明図である。
【図8】リモコンの外観を示す上面図である。
【図9】カラオケ楽曲の再生に合わせてモニタに表示される表示例を表す図である。
【図10】カポタストテーブルの説明図である。
【図11】カラオケ装置のCPUにより実行される予約曲配列処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】予約曲配列処理によるセット結果を示す説明図である。
【図13】カラオケ装置のCPUにより実行される楽曲再生処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】ステップS200の詳細手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。この例では、利用者がカラオケ装置の演奏と共に自らエレキギターを演奏するために、エレキギターの楽曲パートを除いたマイナスワン再生状態でのカラオケ楽曲データの再生を意図する場合を例にとって説明する。
【0018】
<主要構成>
図1は、本実施形態のカラオケ装置の主要構成を示す説明図である。図1に示すように、カラオケ装置10には、歌詞を示す歌詞テロップ、歌詞テロップの背景に表示する背景映像、選曲番号を示す映像などをCRTに表示するモニタテレビ(以下、モニタと略称する)13(表示手段)と、歌唱者用のモニタ14(表示手段)と、エレキギター4やエレキベースギターなどの電子楽器を接続するための楽器接続ボード8と、複数の楽器の楽音により構成されるカラオケ用の楽曲(カラオケ楽曲。以下、適宜「曲」と略称する)の選曲、及び曲の再生の予約などの選曲制御、選曲された曲の送信要求を示すリクエスト信号のサーバーへの送信、及びリクエスト信号により示される曲に対応する曲データ(カラオケ楽曲データ)の受信などの通信制御、受信された曲データに含まれる楽音種類指定情報たるMIDIデータのうち楽器接続ボード8に接続された楽器と同じ種類の楽器の音源を指定するMIDIデータの削除、等を行う制御装置(コマンダ)20とが備えられている。
【0019】
上記楽器接続ボード8に接続されたエレキギター4には、図1中の拡大図に示すように、この例では、利用者が自らの演奏を容易にするために、ネック90にカポタスト92が取り付けられている。このカポタスト92は、エレキギター4のネック90に張られた複数の弦を、カラオケ楽曲の演奏キーに応じたネック90の所定のフレット位置で押え込むように装着され、カラオケ楽曲のエレキギター演奏パートを弾きやすい演奏キーに変更するなどの目的で使用されるものである(カポタスト位置と演奏キーの変更の関係については後述する)。
【0020】
さらに、カラオケ装置10には、この例では、楽器接続ボード8から入力される楽器の演奏信号、マイクロフォン17,18から入力される音声信号及び曲の再生信号のミキシング、音声と曲との音量バランス、エコー調整、ディレイ調整、ミキシング信号の増幅、再生される曲の音程制御(キーコントロール)、高音、低音の制御(トーンコントロール)などを行うアンプ16と、このアンプ16から出力される増幅信号を音として再生するフロアータイプの1組のスピーカ11,11と、天井吊下げ用の1組のスピーカ12,12と、制御装置20を遠隔操作するリモコン60とが備えられている。
【0021】
<楽器接続ボード>
楽器接続ボード8の構成について図2を参照して説明する。図2(a)は、楽器接続ボード8の前面パネルの説明図であり、図2(b)は、楽器接続ボード8の背面パネルの説明図である。図2(a)に示すように、楽器接続ボード8の前面パネルの左上には、楽器接続ボード8の電源を立ち上げるための電源ボタン81が設けられており、その右方には、電子ドラム1の出力端子であるフォンプラグを接続する接続端子たるフォンジャック82と、キーボード2のフォンプラグを接続するフォンジャック83と、エレキベースギター3のフォンプラグを接続するフォンジャック84と、エレキギター4のフォンプラグを接続するフォンジャック85と、外部チューナー5のプラグを接続するジャック86とが設けられている(なお、本実施形態では内部チューナー93も別途設けられている。後述の図5参照)。また、図2(b)に示すように、楽器接続ボード8の背面パネルには、各フォンジャック82,83,84,85に入力される演奏信号をそれぞれ出力する出力端子87が設けられている。
【0022】
<フォンジャックの接続関係>
図3は、楽器接続ボード8の内部に設けられた拡張I/Oポートと各フォンジャック82〜85との接続関係を示す説明図である。なお、各フォンジャック82〜85への楽器の接続は、それぞれ同一であるため、ここでは、エレキギター4をフォンジャック85に接続する場合を代表に説明する。フォンジャック85には、エレキギター4のフォンプラグ4aの挿入によりONし、離脱によりOFFするスイッチが設けられている。スイッチは、拡張I/Oポート88の検知ポートP03に接続されている。スイッチには、5Vの直流電圧が印加されている。
【0023】
そして、エレキギター4のフォンプラグ4aがフォンジャック85に挿入されると、スイッチがONし、拡張I/Oポート88の検知ポートP03に現れる電圧は、0V(ローレベル)から5V(ハイレベル)に変化し、この変化は、背面の出力端子87を介して後述する制御装置20に備えられたCPU45(後述)により検出される。一方、エレキギター4から出力される演奏信号は、フォンプラグ4aを介して背面の出力端子87へ出力され、この出力された演奏信号は、制御装置20の入力端子44(後述の図4及び図5参照)へ入力される。そして、音声制御回路52において、音源信号のエレキギターの楽曲パート部をエレキギター4の演奏信号と置き換えたマイナスワン再生状態で、音声出力端子41(後述の図4及び図5参照)へ出力される。
【0024】
また、図3に示すように、電子ドラム1の演奏信号は、フォンジャック82を介して拡張I/Oポート88の検知ポートP00に、キーボード2の演奏信号は、フォンジャック83を介して検知ポートP01に、エレキベースギター3の演奏信号は、フォンジャック84を介して検知ポートP02にそれぞれ入力される。さらに、フォンジャック84,85は、チューニングメーター5を接続する出力端子86に接続されており、エレキベースギター3及びエレキギター4の音程をチューニングできるようになっている。
【0025】
以上のように、楽器接続ボード8は、各楽器のフォンプラグが接続されたことを検出するとともに、接続された楽器の1つの演奏信号を選択し、その選択された演奏信号6を信号制御装置20の入力端子44へ出力する役割をする。
【0026】
<制御装置の概略>
上記制御装置20の装備について図4を参照して説明する。図4(a)は、制御装置20の前面パネルの説明図であり、図4(b)は、制御装置20の背面パネルの説明図である。図4(a)に示すように、制御装置20の前面パネルには、選曲する曲の選曲番号の入力などにより曲の予約を行うための0〜9のボタンからなるテンキー21と、選曲を確定するための選曲ボタン22とが設けられており、テンキー21の上には、選曲された曲の選曲番号を6桁の数字でLED表示する選曲番号表示体23が設けられている。
【0027】
また、選曲番号表示体23の左には、再生が予約されている曲の数をLED表示する予約曲数表示体24が設けられており、その下には、予約の取り消を行うための取り消しボタン25と、演奏を停止させる演奏停止ボタン26と、歌っている途中で最初から歌い直すための歌い直しボタン27と、予約曲の間に割り込んで予約するための割り込みボタン28とが設けられている。さらに、前面パネルの左上には、リモコン60から送信される光信号を受光する受光部38が設けられており、左下には、制御装置20の電源を立ち上げる電源ボタン39が設けられている。
【0028】
また、テンキー21の右には、再生する曲のキーを低くコントロールするためのフラットキー29と、再生する曲のキーを標準にコントロールするための標準キー30と、再生する曲のキーを高くコントロールするためのシャープキー31とが設けられており、それらキーの下には、ボーカルのメロディーラインの音量を設定するボーカルボタン32と、2コーラス目までを再生する2コーラスカットボタン33と、曲の後奏部分をカットする後奏カットボタン34とが設けられている。さらに、それらボタンの下には、カラオケとBGM用とを切り替えるカラオケ切替ボタン35と、LAN回線15(後述の図5参照)を介して入力されるデータを曲データから有線放送、テレビ放送などに切り替える入力切替ボタン36と、モニタ13,14の表示をカラオケボックスなどが提供しているサービス情報の表示に切り替えるサービスボタン37とが設けられている。
【0029】
また、図4(b)に示すように、制御装置20の背面パネルには、LAN回線15を接続する通信端子40が設けられており、この通信端子40の右方には、楽器接続ボード8の出力端子87(図2(b)参照)と接続される入力端子44が設けられている。この入力端子44の右方には、アンプ16の音声入力端子(図示省略)と接続される音声出力端子41と、モニタ13の映像入力端子(図示省略)と接続される映像出力端子42と、モニタ14の映像入力端子(図示省略)と接続される映像出力端子43とが設けられている。
【0030】
<制御系>
上記制御装置20の制御系の構成について図5を参照して説明する。図5は、制御装置20の制御系の主要構成を示す機能ブロック図である。制御装置20には、上記各種制御をプログラムにしたがって実行するCPU45が備えられている。CPU45には、リモコン60から送信されるデータ、選曲された曲の選曲番号を示す選曲番号データ、予約された曲の選曲番号データなどを一時保存するためのRAM46と、データテーブル78(後述の図7参照)及びCPU45により実行されるプログラムなどが記憶されたROM47とが接続されている。
【0031】
また、CPU45には、モニタ13,14に歌詞テロップや各種メッセージ映像を表示するための文字映像データが記憶されたビデオRAM48と、サーバー58から送信される曲データ100(後述の図6参照)を受信するためのLANボード50と、このLANボード50により受信された曲データ100を一時保存するためのRAM49とが接続されている。
【0032】
さらに、CPU45には、RAM49から読み出された曲データ100に含まれるMIDIデータ110(後述の図6参照)を入力するとともに、その入力されたMIDIデータ110により指定される音源から音源信号を出力するMIDI音源ボード51が接続されている。また、CPU45には、上記出力された音源信号を入力してアンプ16により増幅可能な信号に変換する音声制御回路52と、曲データ100に含まれるジャンルデータ150(後述の図6参照)により特定されるジャンルの背景映像を示す背景映像データを読み出すCD−ROMプレーヤ53とが接続されている。
【0033】
また、CPU45には、CD−ROMプレーヤ53から読み出された背景映像データ、及びRAM49から読み出された曲データ100に含まれる歌詞テロップデータ140(後述の図6参照)を入力し、モニタ13の表示画面に表示される背景映像中に歌詞テロップがスーパーインポーズされた映像を作成したり、曲の進行にしたがって歌詞テロップの色を変えたりする映像制御を行う映像制御回路54が接続されている。
【0034】
さらに、CPU45には、受光部38により受光された光信号をデジタル信号に変換する変換回路55と、制御装置20の前面パネルに設けられた各種ボタン及びキー(前述のテンキー21、選曲ボタン22等)を押したときに点灯するLED(前述の選曲番号表示体23、予約曲数表示体24等)と、上記LEDへ表示信号を出力する表示回路56と、上記各種ボタン及びキーを押したときに発生するスイッチング信号を入力する入力回路57とが接続されている。
【0035】
さらに、CPU45には、エレキギター4等のギターから出力される演奏信号を入力し、当該信号に基づき調音(詳細は後述)を実行可能な内部チューナー93が接続されている。
【0036】
<曲データ>
曲データの主要構成について図6を参照して説明する。図6(a)は、サーバー58から制御装置20へ送信される曲データの主要構成を示す説明図である。曲データ100は、曲の演奏部分を示すMIDIデータ110、歌詞テロップ(字幕)を示す歌詞テロップデータ140、及び曲のジャンルを示すジャンルデータ150などから構成されている。MIDIデータ110の先頭には、図6(b)に示すように、曲の始まりをカウントするための曲カウントデータ120を付加することができる。曲カウントデータ120としては、例えば、ドラムの音を出すためのMIDI音源を指定するMIDIデータ#1(後述の図6(c)参照)が用いられる。
【0037】
MIDIデータの構成について図6(c)を参照して説明する。図6(c)は、曲データ100中のMIDIデータ110の演奏部分の構成を示す説明図である。MIDIデータ110は、この例では、図6(c)に示すように、電子ドラムの音源を指定するMIDIデータ#1、キーボードの音源を指定するMIDIデータ#2、エレキベースギターの音源を指定するMIDIデータ#3、エレキギターの音源を指定するMIDIデータ#4、音源から音源信号を出力させることを指定するノートONデータ112、音の強さ(音源信号の出力レベル)を指定するレベルデータ114、及び音源から音源信号を出力させないことを指定するノートOFFデータ116などのデータから構成されており、曲データ(原曲)を演奏するときの音高キー(原曲キー)も、曲データの製作時に決まられている。
【0038】
楽器の音源を指定するMIDIデータ、例えばエレキギターの音源を指定するMIDIデータ#4を削除した場合は、MIDIデータ110は、図6(d)に示すデータ構成となる。これにより、曲データが、エレキギター演奏パートを除いたマイナスワン再生状態で再生される。また、MIDIデータ110には、図6(e)に示すように、例えばMIDIデータ#4により発生するエレキギターの音をミュートするためのミュートデータ118を付加することができる。この場合も、上記同様、曲データはエレキギター演奏パートを除いたマイナスワン状態で再生される。
【0039】
<データテーブル>
ここで、データテーブル78について図7を参照して説明する。本実施形態では、一例として、上記のようなマイナスワン再生状態での再生を実現するために、各フォンジャック82,83,84,85のいずれに各楽器が接続されたかどうかを自動検出し、その検出結果に応じて上述したMIDIデータの削除処理が行われる。データテーブル78は、上記処理を行うために、上記楽器接続ボード8の拡張I/Oポート88により検知された検知データに基づいて、削除すべきMIDIデータを設定するためのものである。図7において、D0〜D7は、図3に示すように、拡張I/Oポート88の検知ポートP00〜P07に対応するCPU45の入力ポートをそれぞれ示し、そのうちの入力ポートD4〜D7は、楽器接続ボード8に上記楽器以外の楽器を接続するための予備の検知ポートP04〜P07にそれぞれ対応する入力ポートである。本実施形態では、この入力ポートD4〜D7は用いないため、Xで表されているが、そのXは、どんな値でもよい。
【0040】
たとえば、エレキギター4のみを接続した場合は、エレキギター4のフォンプラグ4aを接続するフォンジャック85に対応する検知ポートP03の入力レベルがローレベルからハイレベルに変化する。この結果、当該検知ポートP03に対応するCPU45の入力ポートD3では「1」が検出され、その他の楽器に対応した入力ポートD0,D1,D2では「0」が検出される結果、削除すべきMIDIデータを指定する指定データは、X8Hになる(図7中の矢印で示す段のデータ参照)。このように、CPU45は、エレキギター4のみが接続された場合に、図7のテーブルを用いて指定データX8Hを検出し、これによって楽器接続ボード8にエレキギター4が接続されたと判定するとともに、削除する対象となるMIDIデータがMIDIデータ#4であると認識する。その他の楽器(エレキベースギター、キーボード、電子ドラム)がそれぞれ単体で接続された場合や複数の楽器が接続された場合も、上記同様、CPU45は、図7のテーブルを用いて指定データを検出するとともに、削除対象となるMIDIデータを認識する(詳細な説明は省略)。
【0041】
<リモコン>
リモコン60の構成について、その外観を示す図8を参照して説明する。図8に示すように、リモコン60の上部には、選曲番号をバックライト付きの液晶で表示する選曲番号表示部61が設けられており、その下には、上記制御装置20のカラオケ切替ボタン35と同じ作用をするカラオケ切替ボタン62と、制御装置20の入力切替ボタン36と同じ作用をする外部映像ボタン63と、サーバー58が用意しているテレビゲームを行う状態に切り替えるゲームボタン64とが設けられている。
【0042】
また、それらボタンの下には、曲間や曲の再生終了後に拍手や歓声の音を再生するように設定するための拍手ボタン65と、制御装置20の上記フラットキー29及びシャープキー31とそれぞれ同じ機能のフラットキー66及びシャープキー67とが設けられており、それらの下には、テンキー68と、選曲ボタン69と、演奏停止ボタン70と、歌い直しボタン71と、取り消しボタン72と、割り込みボタン73とが設けられている。さらに、割り込みボタン73の右には、ボーカルメロディーの音量を小さくするマイナスボタン74と、音量を大きくするプラスボタン75とが設けられている。そして、上記各ボタンを押すと、どのボタンが押されたかを示す光信号が、リモコン60の上部に設けられた送信窓76から発信される。
【0043】
<本実施形態の特徴>
以上の基本構成において、本実施形態の特徴は、ギター楽器演奏パートを含む複数のカラオケ楽曲の予約を受け付けた場合に、ギター演奏する利用者の前述のカポタスト92の付け替えの労力負担を低減できるように、複数のカラオケ楽曲データの再生順序を決定することにある。以下、その詳細を順に説明する。
【0044】
<カポタスト位置の表示>
上述したように、エレキギター4のネック90にはカポタスト92が装着されている。このカポタスト92は、一般に、エレキギター、アコースティックギター、クラシックギター等のギターや、ベースギター、ウクレレ、マンドリン、バンジョー等のフレットを備えたギター楽器により所望の和音を奏でるときに、各弦における運指位置が複雑な場合に、その運指位置を簡素化した弾きやすい演奏キーに変更して、演奏者の運指負担を軽減するものである。
【0045】
本実施形態では、上記演奏者の運指負担の軽減を図るために、各カラオケ楽曲の再生時に、当該カラオケ楽曲の上記ギター楽器演奏パートを奏でるのに好適なカポタスト位置が、上記モニタ13,14に表示される。
【0046】
図9に、カラオケ楽曲の再生に合わせてモニタ13,14に表示される表示例を示す。この例では、図9(a)に示すように、エレキギター4のネック90にカポタスト92の装着なしで演奏する場合の原曲キーはF#mである。そして、歌詞「あの言葉さえ言わなければ」に対応した曲のコード進行は、F#m→C#m7→Dadd9→C#m7→・・・となって、例えば初心者がエレキギター4で演奏するには比較的運指が難しいコードになっている。これに対し、エレキギター4のネック90の2フレットにカポタスト92を装着すると、図9(b)に示すように、上記の曲の、利用者(演奏者)が演奏すべき見かけ上の演奏キーがEmに変更され、演奏キー変更後の上記歌詞「あの言葉さえ言わなければ」に対応した(見かけ上の)コード進行は、Em→Bm7→Cadd9→Bm7→・・・となり、運指位置を簡素化した運指が容易なロー・コードとすることができる。
【0047】
<カポタストテーブル>
本実施形態では、上記のような表示を行うために、カポタストテーブル80が用いられる。このカポタストテーブル80の一例を図10に示す。
【0048】
図10に示されるように、このカポタストテーブル80では、原曲の演奏キーと、エレキギターのカポタスト位置と、カポタスト使用後の(見かけ上の)演奏キーと、の対応関係がテーブル化されている。図示のように、このテーブル80では、原曲の演奏キーに対して、好適なカポタスト位置が一意的に設定されている。なお、この例では、カポタスト位置は、カポタストを装着すべきフレットの位置をフレット数で表している(なおフレット「0」はカポタスト不要であることを示す)。前述の例に沿うと、原曲キーが「F#m」である場合には、カポタスト位置は「2」に決定される。これにより、前述したように、演奏者が演奏すべき見かけの演奏キーが「Em」となる。
【0049】
このようなカポタストテーブル80を用いることで、例えば曲データ100から原曲の演奏キーが取得されると、対応するカポタスト92の装着位置が一意的に決定され、当該装着位置と、当該装着により変更されロー・コード等の簡単な運指とされた見かけ上の演奏キーとが、上述のようにモニタ13,14に表示される。なお、このカポタストテーブル80は、予め例えば制御装置20のROM47に記憶されている。そして、カラオケ楽曲の再生時にROM47から読み出したカポタストテーブル80に基づき、カラオケ楽曲の再生に応じて、カポタスト位置がモニタ13,14に表示される。
【0050】
<複数曲再生時のカポタスト装着位置の移動>
ここで、通常、ギターネックへのカポタスト92の位置は楽曲ごとに個別に設定される。したがって、このカラオケ装置10において複数のカラオケ楽曲の予約がなされた場合に、1つのカラオケ楽曲と他のカラオケ楽曲とで、エレキギター4のネック90におけるカポタスト位置が互いに異なる場合があり得る。この場合、そのままでは、利用者(演奏者)は、1つのカラオケ楽曲に対して設定されたある位置にカポタスト92を装着して当該1つのカラオケ楽曲のエレキギター4の演奏を楽しんだ後、次のカラオケ楽曲に対して設定された別の位置にカポタスト92を装着する必要がある。すなわち、カポタスト取り外し→取り外したカポタスト92を別の位置へ移動→移動した新たな位置でカポタスト92を再装着、という装着位置変更作業が必要となる。一般に、カポタストは、ギターに張られた複数の弦がずれずに押さえ込めるようギターネックに堅固に装着される構造であることから、装着するにも取り外しするにも移動するにも大きな手間を要する。
【0051】
そこで、本実施形態では、上述のテンキー21,68や選曲ボタン22,69等によって複数のカラオケ楽曲の予約がなされた場合において、ギター演奏をする利用者のカポタスト92の付け替えの労力負担を低減できるように、複数のカラオケ楽曲データの再生順序を決定する。
【0052】
<予約曲配列処理>
上記の複数のカラオケ楽曲データの再生順序を決定するために、上記制御装置20において実行される、予約曲配列処理の処理内容を図11に示す。
【0053】
図11において、このフローは、利用者からの、ギター楽器演奏パートを含むカラオケ楽曲の予約が新規に受け付けられ、現在再生中又は再生準備中の曲(以下適宜、単に「現在曲」という)以外の予約中の曲(以下適宜、単に「予約曲」という)が複数曲となった場合に、開始される。したがって、上記現在曲の他に新規にまとめて複数曲が予約された場合にこのフローが開始されるほか、現在曲のほかに1曲の予約曲がある状態で次に1曲以上が追加で予約されることで予約曲の合計が複数曲となった場合、さらには複数曲の予約曲がある状態で次に1曲以上が追加で予約された場合、のいずれにおいても開始される。そして、このフローの後述するステップS10〜ステップS105の手順において既に再生順序が決定済みの予約曲(再生されておらず、再生準備中にもなっていない)がある状態で、新規に1曲以上が追加されると、当該1曲以上の追加曲を含むすべての予約曲について、後述のステップS10〜ステップS105の手順により再度配列処理が実行されるのである。なお、上記した利用者からのカラオケ楽曲の予約を受け付ける制御装置20のCPU45の機能が、各請求項記載の予約受付手段として機能する。
【0054】
図11において、まず、ステップS10において、制御装置20のCPU45は、サーバー58からダウンロードしてRAM49に保存されている予約曲の曲データ100から、のN曲分について、上記原曲の演奏キー(原曲キー)を表すキー情報を取り込む。ここで、Nは2以上の整数である。なお、各曲のキー情報は、上記曲データ100に予め含まれているものを取得してもよい。あるいは、キー情報を、MIDIデータから公知の手法で検出してもよい。MIDIデータから検出する場合は、MIDIデータ110における演奏の終了部分(いわゆる帰結コードとなっている場合が多い)のコードを演奏キーとして検出してもよいし、あるいは演奏開始部分のコードを演奏キーとして検出してもよい。取り込まれたキー情報は、制御装置20の例えばRAM49に記憶される。ステップS10が終了すると、ステップS15に移る。
【0055】
ステップS15では、CPU45は、上記ステップS15で取り込んだ上記予約曲N曲分のキー情報から、図10のカポタストテーブル80を参照して、上記予約曲N曲分のカポタスト位置(フレット位置)を算出する。すなわち、前述したように、カポタストテーブル80を介して、曲データ100とカポタスト位置データとが対応付けられることとなる。なお、カポタスト位置データは、曲のキー情報から上記カポタストテーブル80を用いて算出するのではなく、予め曲データ100に含まれていてもよい。この場合、曲データ100に組み込まれる形でカポタスト位置データは曲データ1000に対応付けられることとなる。そしてこの場合にはカポタストテーブル80は不要となる。その後、ステップS20に移る。
【0056】
ステップS20では、CPU45は、上記N曲の予約曲を所定順序(例えば、予約受付順、曲名順、歌手名順、等)に沿って処理する際の、処理順序を表す変数nをn=1に初期化した後、ステップS25に移る。
【0057】
ステップS25では、CPU45は、n番目の予約曲について上記ステップS15で算出された上記カポタスト位置が、上記現在曲についての上記カポタスト位置と同じ位置であるか(同じフレットか)否かを判定する。なお、このフローの手順には明確には表れていないが、この時点で、現在曲についても、上述したように上記ステップS10及びステップS15と同様の手法で、取得された曲のキー情報からカポタストテーブル80を用いてカポタスト位置が決定され、上述のようにモニタ14,15に表示されている。したがって、このステップS25では、当該現在曲のカポタスト位置と、n番目の予約曲のカポタスト位置とが比較されるのである。
【0058】
n番目の予約曲のカポタスト位置が現在曲のカポタスト位置と同じである場合(すなわち、n番目の予約曲のカポタスト位置と上記現在曲のカポタスト位置との偏差が±0の場合)は、ステップS25の判定が満たされ(ステップS25:YES)、ステップS30に移る。なお、以下適宜、現在曲とカポタスト位置が同一である曲を「同カポタスト位置の曲」という。一方、上記n番目の予約曲のカポタスト位置が上記現在曲とのカポタスト位置と異なる場合(すなわち、n番目の予約曲のカポタスト位置と上記現在曲のカポタスト位置との偏差が0以外の数値の場合)は判定が満たされず(ステップS25:NO)、後述のステップS45に移る。なお、以下適宜、このように現在曲とカポタスト位置が異なる曲を「異カポタスト位置の曲」という。
【0059】
また、既に述べたように、各曲のカポタスト92の位置は、カポタスト92を装着するネック90のフレット数によって「2」「4」のように表す、カポタスト92の装着なしで演奏する曲の場合は、便宜的に、カポタスト位置を「0」として表す。
【0060】
ステップS30では、CPU45は、現在処理中である当該n番目の曲よりも前に、既に再生順序が設定(セット)済みである他の予約曲(以下適宜、「セット済みの他の予約曲」という)であって、当該他の予約曲のカポタスト位置が上記現在曲と同じである曲(=同カポタスト位置の曲)があるか否かを判定する。上記セット済みの他の予約曲の中に、上記同カポタスト位置の曲がない場合(すなわち、上記セット済みの他の予約曲はすべて異カポタスト位置の曲である場合)は判定が満たされず(ステップS30:NO)、ステップS35に移る。一方、上記セット済みの他の予約曲の中に、同カポタスト位置の曲がある場合は判定が満たされ(ステップS30:YES)、ステップS40に移る。
【0061】
ステップS35では、CPU45は、上記n番目の予約曲の再生順序を上記現在曲の次の順番にセットする。このステップS35でのセット結果の一例を図12(a)に示す。
【0062】
図12(a)において、新セット曲132は、ステップS35の処理によって新たに再生順序がセットされた上記n番目の予約曲の曲データを表し、既セット曲131は、新セット曲132の再生順序のセットの時点より前に既に再生順序がセットされていた他の予約曲の曲データを表す。また、新セット曲132、既セット曲131のデータを表す枠内に添えた数値は、それぞれ、新セット曲132、既セット曲131の現在曲130とのカポタスト位置の偏差を示す。したがって、上記同カポタスト位置の曲では当該偏差の値は「±0」となり、上記異カポタスト位置の曲では当該偏差の値は「±0」以外の値となる。なお、この例では、現在曲のカポタスト位置に対し、予約曲のカポタストの位置が、すべてフレット数が増大するプラス側に位置する(又は同じ位置にある)場合を例にとって説明するが、フレット数が減少するマイナス側に位置する場合にも適用できることは言うまでもない。また隣り合う2つの曲、例えば新セット曲132と既セット曲131との間の枠外に添えた数値は、新セット曲132と既セット曲131とのカポタスト位置の差分を示す。
【0063】
図12(a)に示す例では、新セット曲132は、カポタスト位置の偏差が±0である。既セット曲131は、カポタスト位置の偏差が+1のものと、カポタスト位置の偏差が+2のものとの2つがある。新セット曲132のカポタスト位置の偏差は、いずれの既セッ曲131のカポタスト位置の偏差よりも小さいので、新セット曲132の再生順序は上記ステップS35において現在曲130の次の順番にセットされる。
【0064】
以上のようにしてステップS35が終了すると、後述のステップS100に移る。
【0065】
一方、ステップ40では、上記セット済みの他の予約曲の中に、同カポタスト位置の曲があることから、CPU45は、上記n番目の予約曲の再生順序を、上記セット済みの他の同カポタスト位置の曲の最後尾に付け足して、セットする。このステップS40のセット結果の一例を図12(b)に示す。
【0066】
図12(b)において、この例では、既セット曲131は、カポタスト位置の上記偏差が±0のものが2つ、カポタスト位置の上記偏差が+1と+2のものとがそれぞれ1つで、計4つ存在する。新セット曲132は、カポタスト位置の上記偏差が±0であるので、カポタスト位置の偏差が±0の同カポタスト位置の曲である2つの既セット曲131の最後尾に付け足す形で割り込んで再生順序がセットされる。なお、カポタスト位置の偏差が+1と+2の2つの既セット曲131,131は、カポタスト位置の偏差が小さい順に新セット曲131に続くようにセット位置が変更される。
【0067】
以上のようにしてステップS40が終了すると、後述のステップS100に移る。
【0068】
一方、上記ステップS25の判定が満たされずに移行するステップS45では、CPU45は、上記セット済みの他の予約曲であって、当該他の予約曲のカポタスト位置が上記現在曲と異なる曲(=異カポタスト位置の曲)があるか否かを判定する。上記セット済みの他の予約曲の中に、上記異カポタスト位置の曲がある場合は判定が満たされ(ステップS45:YES)、後述のステップS65に移る。一方、上記セット済みの他の予約曲の中に、上記異カポタスト位置の曲がない場合は、判定が満たされず(ステップS45:NO)、ステップS50に移る。この場合は、現在処理対象となっている当該n番目の曲だけが異カポタスト位置の曲である。
【0069】
ステップS50では、CPU45は、上記ステップS30と同様、上記セット済みの他の予約曲の中に同カポタスト位置の曲があるか否かを判定する。上記セット済みの他の予約曲の中に同カポタスト位置の曲がある場合は判定が満たされ(ステップS50:YES)、ステップS55に移る。上記セット済みの他の予約曲の中に、同カポタスト位置の曲がない場合は判定が満たされず(ステップS50:NO)、ステップS60に移る。
【0070】
ステップS55では、CPU45は、上記n番目の予約曲の再生順序を、上記セット済みの他の同カポタスト位置の曲の最後尾の次の順番にセットする。このステップS55のセット結果の一例を図12(c)に示す。
【0071】
図12(c)において、既セット曲131は、カポタスト位置の偏差が±0である同カポタスト位置の曲である。新セット曲132は、カポタスト位置の上記偏差が+1であって異カポタスト位置の曲であることから、同カポタスト位置の曲である既セット曲131の次の順番にセットされる。
【0072】
ステップS55が終了すると、後述のステップS100に移る。
【0073】
一方、ステップS60では、CPU45は、上記n番目の予約曲の再生順序を、上記現在曲の次の順番にセットする。このステップS60でのセット結果の一例を図12(d)に示す。
【0074】
図12(d)において、この時点で処理対象としている上記n番目の予約曲である新セット曲132は、上記ステップS45及びステップS50での判定が満たされない結果、この時点での唯一の予約曲(既セット曲がない)であり、かつ異カポタスト位置の曲である。この例では、新セット曲132は、カポタスト位置の上記偏差が+1である。そして、現在曲130の他には、異カポタスト位置の曲も同カポタスト位置の曲も、既セット曲は何もないので、新セット曲132は、現在曲130の次の順番にセットされる。
【0075】
ステップS60が終了すると、後述のステップS100に移る。
【0076】
一方、上記ステップS25の判定が満たされて移行するステップS65では、CPU45は、上記セット済みの他の予約曲であって、当該他の予約曲のカポタスト位置の上記偏差が、現在処理対象としている上記n番目の予約曲のカポタスト位置の上記偏差と同一である曲があるか否かを判定する。上記セット済みの他の予約曲中に、カポタスト位置の偏差が上記n番目の予約曲のカポタスト位置の偏差と同一である曲がある場合(すなわち、上記セット済みの他の予約曲中のカポタスト位置と上記n番目の予約曲のカポタスト位置との差分が0の場合)は判定が満たされ(ステップS65:YES)、後述のステップS95に移る。一方、上記セット済みの他の予約曲中に、カポタスト位置の偏差が上記n番目の予約曲のカポタスト位置の偏差と異なる曲しかない場合(すなわち、上記セット済みの他の予約曲中のカポタスト位置と上記n番目の予約曲のカポタスト位置との差分が0以外の数値の場合)は判定が満たされず(ステップS65:NO)、ステップS70に移る。
【0077】
ステップS70では、CPU45は、上記セット済みの他の予約曲であって、かつ、カポタスト位置の上記偏差が上記n番目の予約曲のカポタスト位置の上記偏差よりも小さい曲があるか否かを判定する。上記セット済みの他の予約曲中の上記偏差が、すべて上記n番目の予約曲の上記偏差よりも大きい場合は判定が満たされず(ステップS70:NO)、ステップS75に移る。一方、上記セット済みの他の予約曲中に、上記偏差が上記n番目の予約曲の上記偏差よりも小さい曲がある場合は、判定が満たされ(ステップS70:YES)、後述のステップS90に移る。
【0078】
ステップS75では、CPU45は、上記ステップS30や上記ステップS50と同様、上記セット済みの他の予約曲の中に同カポタスト位置の曲があるか否かを判定する。上記セット済みの他の予約曲中に同カポタスト位置の曲がない場合は判定が満たされず(ステップS75:NO)、ステップS80に移る。上記セット済みの他の予約曲中に同カポタスト位置の曲がある場合は判定が満たされ(ステップS75:YES)、後述のステップS85に移る。
【0079】
ステップS80では、CPU45は、上記n番目の予約曲の再生順序を、現在曲の次の順番にセットする。このステップS80のセット結果の一例を図12(e)に示す。
【0080】
図12(e)において、新セット曲132はカポタスト位置の偏差が+1で、上記異カポタスト位置の曲である。しかしながら、既セット曲131は、カポタスト位置の偏差が+2のものが1つと、+3のものが2つとが存在するのみであり、上記同カポタスト位置の曲はない。新セット曲132は、同カポタスト位置の既セット曲131がないことから、現在曲130の次の順番にセットされる。
【0081】
ステップS80が終了すると、後述のステップS100に移る。
【0082】
一方ステップS85では、CPU45は、上記n番目の予約曲の再生順序を、上記セット済みの他の同カポタスト位置の曲の最後尾に付け足して、セットする。このステップS85のセット結果の一例を図12(f)に示す。
【0083】
図12(f)において、この例では、新セット曲132はカポタスト位置の上記偏差が+1で、異カポタスト位置の曲である。既セット曲131は、カポタスト位置の上記偏差が±0の同カポタスト位置の曲2つと、上記偏差が+2、+3である異カポタスト位置の曲がそれぞれ1つである。この結果、新セット曲132は、同カポタスト位置の既セット曲131の最後尾に付け足す形で割り込んで再生順序がセットされる。
【0084】
以上のようにしてステップS85が終了すると、後述するステップS100に移る。
【0085】
ステップS90では、CPU45は、上記n番目の予約曲の再生順序を、上記偏差が当該n番目の予約曲の上記偏差よりも小さい、セット済みの他の予約曲の最後尾の次の順番にセットする。このステップS90のセット結果の一例を図12(g)に示す。
【0086】
図12(g)において、この例では、新セット曲132は、カポタスト位置の上記偏差が+2である、異カポタスト位置の曲である。既セット曲131は、カポタスト位置の偏差が+1のものが2つ、+2のものが1つ、+3のものが2つである。そして、これらのうち、偏差+1の2つの既セット曲131,131が、新セット曲132よりも上記偏差が小さい。したがって、新セット曲132は、上記偏差が小さい既セット曲131,131の最後尾の次の順番にセットされる。
【0087】
ステップS90が終了すると、後述のステップS100に移る。
【0088】
一方、ステップS95では、CPU45は、上記n番目の予約曲の再生順序を、上記偏差が当該n番目の予約曲の上記偏差と同一である、セット済みの他の予約曲の最後尾に付け足してセットする。このステップS95のセット結果の一例を図12(h)に示す。
【0089】
図12(h)において、この例では、新セット曲132は、カポタスト位置の上記偏差が+3である、異カポタスト位置の曲である。既セット曲131は、カポタスト位置の上記偏差が+1のものが2つ、+3のものが3つ、+4のもの、+5のものがそれぞれ1つである。これらのうち、偏差+3の3つの既セット曲131は、新セット曲132と上記偏差が同一である。したがって、新セット曲132は、それら偏差が+3で同一である3つの既セット曲131,131,131の最後尾に付け足してセットされる。
【0090】
ステップS95が終了すると、後述のステップS100に移る。
【0091】
上記ステップS35、ステップS40、ステップS55、ステップS60、ステップS80、ステップS85、ステップS90、ステップS95から移行したステップS100では、CPU45は、nに1を加えた後、ステップS105に移る。
【0092】
ステップS105では、CPU45は、上記nが上記Nに達したか否かを判定する。nがNに達していない場合(n<N)は判定が満たされず(ステップS105:NO)、上記ステップS20に戻り、同様の手順を繰り返す。nがNに達していた場合(n=N)は判定が満たされ(ステップS105:YES)、このフローを終了する。
【0093】
以上において、上記ステップS10〜ステップS105の手順の全体が、各請求項記載の再生順序決定手段として機能する。
【0094】
<楽曲再生処理>
カラオケ装置10による楽曲再生時にCPU45により実行される処理内容を、図13に示す。図13において、このフローは、例えばカラオケ装置10の利用者が、制御装置20の電源ボタン39を押して制御装置20の電源を立ち上げると、図11のフローと連動して開始される。すなわち、この図13のフローは、上述の図11のフローと同時並行して行われる。このような同時並行処理は、例えば、コンピュータのOS等でしばしば行われる、「マルチタスク処理」と同様の公知の方式により、1つの制御装置に行わせることができる。上記制御装置20の電源を立ち上がりに連動して、アンプ16、楽器接続ボード8及びモニタ13,14の電源が立ち上がる。なお、前述したように、この例では、カラオケ装置10の利用者は、楽器接続ボード8にエレキギター4を接続して演奏する場合を例にとって説明する。すなわち、利用者がエレキギター4のフォンプラグ4aを楽器接続ボード8のフォンジャック85に接続することで、拡張I/Oポート88の検知ポートP03に現れる電圧がローレベルからハイレベルに変化する。
【0095】
図13において、まず、ステップS115において、CPU45は、検知ポートPO0〜PO3で検知した楽器種類を、拡張I/Oポート88を介して入力ポートD0ないしD7から指定データとして読み込む。その後、ステップS120に移る。
【0096】
ステップS120では、CPU45は、上記ステップS115で読み込んだデータに基づいてROM47に記憶されている上記データテーブル78から指定データを検索する。この例では、前述のように検知ポートP03に現れる電圧がローレベルからハイレベルに変化していることから、CPU45によって、検知ポートP03に対応する入力ポートD3からデータ「1」が検出される。この結果、CPU45は、データテーブル78から入力ポートD3のデータが「1」であり、かつ他の入力ポートD0,D1及びD2のデータが「0」の場合に対応する、指定データX8Hを取得する。この指定データX8Hは、データテーブル78に示すように、エレキギターのMIDI音源を指定するMIDIデータ#4を削除することを指定する。ステップS120が終了したら、ステップS125に移る。
【0097】
ステップS125では、CPU45は、上記ステップS120で検索された指定データ(この例では指定データX8H)をRAM46に一時保存する。その後、ステップS130に移る。
【0098】
ステップS130では、CPU45は、上記図11の予約曲配列処理で設定された予約曲の再生順序に従い、次に再生する順番の予約曲を特定する。
【0099】
その後、ステップS200に移り、上記内部チューナー93を用いてギター楽器(この例ではエレキギター4)のチューニング処理を行った後、ステップS135に移る。なお、ステップS200のチューニング処理については後述の図14で説明する。
【0100】
ステップS135では、CPU45は、ステップS130で次の再生順であるとして特定した予約曲の曲番号データをRAM46に一時保存するとともに、LANボード50を介し、上記曲番号に対応する曲データ100の送信を要求するリクエスト信号を、LAN回線15を介してサーバー58へ送信する。これにより、サーバー58は、図示しない記憶装置から上記リクエスト信号に示される曲番号に対応する曲データ100を検索して読み出し、その読み出された曲データ100を、LAN回線15を介して制御装置20に送信する。こうしてステップS135が終了したら、ステップS140に移る。
【0101】
ステップS140では、CPU45は、LANボード50を介し、サーバー58からLAN回線15を介して送信された曲データ100を受信する。その後、ステップS145に移る。
【0102】
ステップS145では、CPU45は、上記ステップS140で受信した曲データ100をRAM49に一時保存させる。その後、ステップS150に移る。
【0103】
ステップS150では、CPU45は、上記ステップS145でRAM46に記憶されている指定データ(前述の例では指定データX8H)を読み出す。その後、ステップS155に移る。
【0104】
ステップS155では、CPU45は、前述のステップS145でRAM49に記憶されているMIDIデータ110の読み出しを開始する。その後、ステップS160に移る。
【0105】
ステップS160では、CPU45は、ステップS150で読み出した指定データ(この例では指定データX8H)に基づき、上記ステップS155で読み出されこの時点で処理対象としているMIDIデータが上記指定データで指定されたMIDIデータ(この例では、エレキギター4のMIDI音源を指定するMIDIデータ#4)であるか否かを判定する。上記指定されたMIDIデータであれば判定が満たされ(ステップS160:YES)、ステップS170に移る。上記指定されたMIDIデータでなければ判定が満たされず(ステップS160:NO)、後述のステップS175に移る。
【0106】
ステップS170では、CPU45は、この時点での処理対象のMIDIデータの削除を行う。これにより、後述のようにステップS155〜ステップS185が繰り返されるとき、ステップS155でエレキギター4のMIDI音源を指定するMIDIデータ#4を含むデータが読み出されたときに限り、当該MIDIデータ#4が削除される(前述の図6(d)参照)。なお、削除に代えて、前述の図6(e)に示したようにミュートするためのデータ118の付加を行ってもよい。この結果、エレキギターの楽曲パートを除いたマイナスワン状態でのカラオケ楽曲データの再生を実現することができる。ステップS170が終了したら、ステップS175に移る。
【0107】
ステップS175では、CPU45は、ステップS155で読み出された後にステップS160〜ステップS170の処理を経たMIDIデータ110を、図示しないシーケンサを介して、CPU45に内蔵されたタイマのカウントにしたがってMIDI音源ボード51に書き込む。ステップS175が終了したら、ステップS180に移る。
【0108】
ステップS180では、CPU45は、MIDI音源ボード51に制御信号を出力し、上記ステップS175で書き込んだMIDIデータに対応した音源信号を、MIDI音源ボード51から出力させる。MIDI音源ボード51から出力される音源信号は、音声制御回路52へ出力されるとともに、アンプ16により増幅可能な音楽信号に変換され、この変換された音楽信号は、音声出力端子41からアンプ16へ出力される。また、マイクロフォン17,18から入力された音声信号は、アンプ16に内蔵されたミキシング回路9において上記音楽信号とミキシングされる。このとき、エレキギター4のフォンプラグ4aから出力された演奏信号は、楽器接続ボード8及び出力端子87、及び制御装置20を介してミキシング回路9に入力され、上記音声信号及び音楽信号とミキシングされる。そして、そのミキシングされたミキシング信号は、アンプ16に内蔵された図示しない増幅回路により増幅された後にスピーカ11及びスピーカ12へ出力され、両スピーカによって再生される。ステップS180が終了すると、ステップS185に移る。
【0109】
ステップS185では、CPU45は、曲データ100の再生が終了したか(言い換えれば、ステップS155でのMIDIデータの読み出しが曲データ100の最後のMIDIデータまで終了したか)否かを判定する。曲データ100の再生が終了するまでは判定が満たされず(ステップS185:NO)、上記ステップS155に戻り、同様の手順を繰り返す。曲データ100の再生が終了すると判定が満たされ(ステップS185:YES)、ステップS190に移る。
【0110】
ステップS190では、CPU45は、利用者により予約された全予約曲の再生が終了したしたか否かを判定する。全予約曲の再生が終了するまでは判定が満たされず(ステップS190:NO)、上記ステップS130に戻り、同様の手順を繰り返す。全予約曲の再生が終了した場合は判定が満たされ(ステップS190:YES)、その後、このフローを終了する。
【0111】
以上において、上記ステップS180の手順が、各請求項記載のカラオケ楽曲再生手段として機能する。
【0112】
<チューニング処理>
次に、上記ステップS200のチューニング処理について図14により説明する。上述したように、このチューニング処理は、CPU45が上記内部チューナー93を制御することによって行われる。図14において、まず、ステップS210において、CPU45は、ギター楽器(この例ではエレキギター4)の弦の番号を表す変数KをK=1に初期化する。その後、ステップS215に移る。
【0113】
ステップS215では、CPU45は、モニタ14,15に制御信号を出力して、モニタ14,15に「チューニングしますか?」等の案内表示を表示させる。その後、ステップS220に移る。
【0114】
ステップS220では、CPU45は、例えばリモコン60の適宜のボタンとうにより利用者によりチューニングする旨の選択操作が行われたか否かを判定する。利用者が上記ステップS215でのモニタ14,15の案内表示を見て、エレキギター4のチューニングを意図し(特にカポタスト92を装着する場合は音程が狂いやすくチューニングが頻繁に必要となる場合がある)、上記選択操作を行った場合はステップS220の判定が満たされ(ステップS220:YES)、ステップS225に移る。利用者が上記選択操作をしなかった場合は判定が満たされず(ステップS220:NO)、このフローを終了する。
【0115】
ステップS225では、CPU45は、モニタ14,15に制御信号を出力し、「K弦を弾いてください」の表示が行われる。ちなみに最初は上記ステップS210の処理により、K=1であり「1弦を弾いてください」の表示が行われる(以下、Kの他の値についても同様)。ステップS225が終了すると、ステップS230に移る。
【0116】
利用者が、ステップS225でのモニタ14,15の表示を見て、カポタスト92を取り外した後にエレキギター4のK弦(例えば1弦)を弾くことで、これに対応する上記演奏信号がCPU45を介し内部チューナー93に入力される。ステップS230では、CPU45は、内部チューナー93から出力される調音結果に基づき、上記内部チューナー93に入力された演奏信号の音程がK弦演奏音の基準音(例えばA=440Hz等。予め内部チューナー93内に固定的に設定されている)より高い音程へずれている(いわゆるシャープ側へずれている)か否かを判定する。K弦の演奏信号がシャープ側へずれている場合は判定が満たされ(ステップS230:YES)、ステップS235に移る。K弦の演奏信号がシャープ側へずれていない場合は判定が満たされず(ステップS230:NO)、後述のステップS240に移る。
【0117】
ステップS235では、CPU45は、モニタ14,15に制御信号を出力して、K弦の開放弦の調律状態が高い方向へずれている旨の表示(例えば記号「♯」によるシャープ表示)を行う。その後、上記ステップS225に戻り、同様の手順を繰り返す。
【0118】
一方、ステップS240では、CPU45は、内部チューナー93から出力される調音結果に基づき、上記内部チューナー93に入力された演奏信号の音程がK弦演奏音の基準音より低い音程へずれている(いわゆるフラット側へずれている)か否かを判定する。K弦の演奏信号がフラット側へずれている場合は判定が満たされ(ステップS240:YES)、ステップS245に移る。K弦の演奏信号がフラット側へずれていない場合は判定が満たされず(ステップS240:NO)、後述のステップS250に移る。
【0119】
ステップS245では、CPU45は、モニタ14,15に制御信号を出力して、K弦の開放弦の調律状態が低い方向へずれている旨の表示(例えば記号「♭」のフラット表示)を行う。その後、上記ステップS225に戻り、同様の手順を繰り返す。
【0120】
ステップS250では、CPU45は、上記ステップS230及びステップS240の判定が満足されなかったこと(すなわち、K弦の開放弦の調律状態にずれが生じていないこと)に対応して、モニタ14,15に制御信号を出力し、調律完了(音程のずれがない)旨の調律OK表示を行う。その後、ステップS255に移る。
【0121】
ステップS255では、CPU45は、Kに1を加えた後、ステップS260に移る。
【0122】
ステップS260では、CPU45は、Kが、当該ギター楽器の弦数の最大値(この例では6)に達したか否かを判定する。Kが6に達していない場合(K<6)は判定が満たされず(ステップS250:NO)、上記ステップS225に戻って同様の手順を繰り返す。Kが6に達した場合(K=6)は判定が満たされ(ステップS260:YES)、ステップS265に移る。
【0123】
ステップS265では、CPU45は、モニタ14,15に制御信号を出力し、エレキギター4の全ての弦のチューニングが終了した旨の「チューニング完了しました」の表示を行う。その後、上記図13のステップS135に移る。
【0124】
なお、以上は、内部チューナー93は、チューニング実行時において、カポタスト92が外された状態でのギターの各開放弦の演奏信号と、予め定められたK弦(K=1〜6等)の基準音との対比を行ったが、これに限られない。すなわち、ネック90にカポタスト92が装着されたままの状態で、内部チューナー93が上記対比を行ってもよい。この場合、操作者が適宜の操作によって内部チューナー93に対しカポタスト92の位置を操作入力することで、内部チューナー93は、上記基準音に対して上記カポタスト92の位置に応じてシフトした修正基準音と上記演奏信号との対比を行えばよい。あるいは、内部チューナー93が各音程(例えばC,C#,D,D#,E,F,F#,G,G#,A,A#,Bの12音程、あるいは、それらの中から部分的に抜粋したものでもよい)の絶対音程信号をそれぞれ記憶しており、上記カポタスト92を装着した状態の演奏信号が、それら絶対音程信号のうちいずれか近いもの1つに近づき一致するように、上記「シャープ」「フラット」の表示を行ってもよい。この場合、上記のような操作者によるカポタスト92の位置を操作入力を行わなくても、ギターのチューニングを行うことができる。
【0125】
以上説明したように、本実施形態のカラオケ装置10においては、利用者のカラオケ楽曲の予約が受け付けられると、その予約に対応して、ギター楽器演奏パート(この例ではエレキギター演奏パート)を含むカラオケ楽曲データが再生される。そのとき、カラオケ楽曲データに対し、予め当該ギター楽器演奏パートのカポタスト位置データが対応付けられており、当該カラオケ楽曲データの再生時にはモニタ14,15によって当該カポタスト位置データが表示される。
【0126】
そして、本実施形態では、上記のようにギター演奏パートを含むカラオケ楽曲の予約曲が複数となった場合(前述のように予約曲数の積み増しで合計で複数曲になった場合を含む)には、利用者の労力負担を低減できるように、複数のカラオケ楽曲データの再生順序を、図11のフローのステップS10〜ステップS105の各手順の処理によって決定する(前述のように、一度決定された再生順序の再配列を含む)。すなわち、隣接する順番の2つのカラオケ楽曲データの互いのカポタスト位置データが、同一となる(上記差分が0となる)か、若しくは、上記差分が最小化されるように、順序を決定する(図11のステップS35、ステップS40、ステップS55、ステップS60、ステップS80、ステップS85、ステップS90参照)。これにより、それら複数のカラオケ楽曲は、1曲が終了して次の曲へ移るときのカポタスト92の位置変更がないか若しくは移動距離が最小となるような順番に配列されることとなる。例えば前述の図12(a)〜(h)の例では、隣接する順番の曲どうしのカポタスト位置の上記差分の値は、図12(h)の一部を除き、「0」(カポタスト92の位置の変更無し)又は「1」(カポタスト92の位置はフレット1つずらすだけで足りる)、となっている。このようにして、本実施形態では、複数のカラオケ楽曲再生時の曲間で利用者により行われるカポタスト92の装着位置の変更作業の労力負担を低減することができ、利用者の利便性を向上することができる。
【0127】
また、本実施形態では特に、現在再生中又は再生準備中の曲の順番はそのままにしておき、それ以降の複数のカラオケ楽曲データの予約について、上述のように互いにカポタスト位置が同一であるカラオケ楽曲データを連続して再生するようにしたり、隣接する順番のカラオケ楽曲データどうしの上記差分がなるべく小さい値となるように、再生順序を決定する。これにより、少なくとも、同一の特定のカポタスト位置となる複数のカラオケ楽曲は連続で再生される。これにより、それら複数のカラオケ楽曲が連続再生される間は、上記カポタスト92の装着位置変更作業が不要となり、確実に利用者の利便性を向上することができる。
【0128】
なお、上記実施形態のように、現在再生中又は再生準備中の曲の順番はそのままにしつつ、それ以降の複数のカラオケ楽曲データの再生順序を決定するとき、現在再生中又は再生準備中の曲の次の順序で再生されるカラオケ楽曲データについては、現在再生中又は再生準備中の曲のカポタスト位置を加味して、当該カポタスト位置からの上記差分がなるべく少なくなるように、再生順序の決定を行うようにしてもよい。すなわち、複数のカラオケ楽曲の予約を受け付けたときに既に再生中のカラオケ楽曲データがあった場合には、当該再生中のカラオケ楽曲データと上記受け付けられた複数のカラオケ楽曲それぞれに対応する複数のカラオケ楽曲データとを合わせたカラオケ楽曲データ群において隣接する順番の2つのカラオケ楽曲データにおける互いの前記カポタスト位置データの差分を0とする又は最小化するように、複数のカラオケ楽曲データの再生順序が、決定される。その場合は、上記図11のステップS10及びステップS15において、現在再生中又は現在再生準備中の曲を含めてキー情報の取り込み及びカポタスト位置算出を行った後、現在再生中又は現在再生準備中の曲の順序を強制的に1番目に設定し、2番目以降の再生順序について、残りの複数の予約曲についてステップS20〜ステップS105と同等の手順を用いて順序決定を行えば足りる。
【0129】
これにより、カラオケ楽曲データの再生順序を決定する際、予約された複数のカラオケ楽曲それぞれのカポタスト位置のみならず、現在再生されているカラオケ楽曲に対応した現在のカポタスト位置も加味して、上記カポタスト92の装着位置の変更作業における労力負担低減を図ることができる。この結果が、さらに確実に利用者の利便性を向上することができる。
【0130】
なお、以上において、図3等の各図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0131】
また、図11、図13、図14に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0132】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0133】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0134】
4 エレキギター(ギター楽器)
10 カラオケ装置
13,14 モニタ(表示手段)
20 制御装置
45 CPU
80 カポタストテーブル
90 ネック
92 カポタスト
100 楽曲データ
110 MIDIデータ
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケ楽曲データを再生するカラオケ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カラオケ楽曲データを再生するカラオケ装置において、複数の楽器演奏パートを含むカラオケ楽曲データを再生する技術が既に提唱されている(例えば特許文献1参照)。楽器演奏者である利用者は、当該再生されるカラオケ楽曲に合わせて楽器演奏パートを自ら演奏して当該楽器の練習を行ったり、カラオケ楽曲全体のアンサンブルを楽しむことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−30284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば、エレキギター、アコースティックギター、クラシックギター等のギターの演奏において、初心者や不慣れな者が演奏しやすくするために、カポタストが使用される場合がある。カポタストは、ギターにより所望の和音を奏でるときの各弦における運指位置が複雑な場合に、ギターネックに挟んで(図1参照)、各弦の長さを変え、所望の和音を奏でるときの運指位置を、複雑でない運指位置へ変えることで、その運指位置を簡素化して演奏者の運指負担を軽減するものである。演奏者は、ギターネックの適宜の位置にカポタストを装着することで、ギター演奏を、容易かつ手軽に楽しむことができる。
【0005】
ここで、上記従来技術のように、カラオケ装置において利用者が楽器演奏を併せて楽しむ場合にも、上記のようにカポタストをギターネックに装着してギターの演奏を行いたい場合が考えられる。しかしながら、通常、ギターネックにおけるカポタストの位置は楽曲ごとに設定されることから、複数のカラオケ楽曲の予約がなされた場合に、1つのカラオケ楽曲と他のカラオケ楽曲とで互いにカポタスト位置が異なる場合があり得る。この場合、利用者は、1つのカラオケ楽曲に対して設定されたある位置にカポタストを装着して当該1つのカラオケ楽曲のギター演奏を楽しんだ後、次のカラオケ楽曲に対して設定された別の位置にカポタストを装着する必要がある。すなわち、カポタスト取り外し→取り外したカポタストを別の位置へ移動→移動した新たな位置でカポタストを再装着、という装着位置変更作業が必要となる。一般に、カポタストは、ギターに張られた複数の弦がずれずに押さえ込めるようギターネックに堅固に装着される構造であることから、装着するにも取り外しするにも移動するにも大きな手間を要する。特に、取り外してから再装着するまでの途中の移動距離が大きくなるほど、利用者にとって、上記装着位置変更作業の全体の労力負担が非常に煩わしいものとなる。
【0006】
本発明の目的は、複数のカラオケ楽曲再生時において、曲間におけるカポタストの装着位置変更作業の労力負担を低減できるカラオケ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1の発明は、利用者によるカラオケ楽曲の予約を受け付け可能な予約受付手段と、前記カラオケ楽曲に対応して用意され、ギター楽器演奏パートを含む複数の楽器演奏パートから構成されるとともに前記ギター楽器演奏パートのカポタスト位置データが対応付けられたカラオケ楽曲データを、再生可能なカラオケ楽曲再生手段と、前記カラオケ楽曲再生手段での前記カラオケ楽曲データの再生に応じて、当該カラオケ楽曲データに対応する前記カポタスト位置データを表示する、表示手段と、前記予約受付手段が複数の前記カラオケ楽曲の予約を受け付けた場合に、それら複数のカラオケ楽曲それぞれに対応する複数の前記カラオケ楽曲データの前記カラオケ楽曲再生手段における再生順序を、隣接する順番の2つの前記カラオケ楽曲データにおける互いの前記カポタスト位置データの差分を0とする又は最小化するように決定する、再生順序決定手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
本願第1発明においては、予約受付手段により利用者のカラオケ楽曲の予約が受け付けられると、その予約に対応して、カラオケ楽曲再生手段によりギター楽器演奏パートを含むカラオケ楽曲データが再生される。そのとき、カラオケ楽曲データに対し、予め当該ギター楽器演奏パートのカポタスト位置データが対応付けられており、当該カラオケ楽曲データの再生時には表示手段によって当該カポタスト位置データが表示される。カポタストは、ギターにより所望の和音を奏でるときの各弦における運指位置が複雑な場合に、その運指位置を簡素化して演奏者の運指負担を軽減するものである。利用者は、ギターネックの、上記表示されたカポタスト位置データが表す位置にカポタストを装着することで、上記再生手段から再生されるカラオケ楽曲データに合わせたギター演奏を、容易かつ手軽に楽しむことができる。
【0009】
ここで、通常、ギターネックにおけるカポタストの位置は楽曲ごとに設定されることから、複数のカラオケ楽曲の予約がなされた場合に、1つのカラオケ楽曲と他のカラオケ楽曲とで互いにカポタスト位置が異なる場合があり得る。この場合、利用者は、1つのカラオケ楽曲に対して設定されたある位置にカポタストを装着して当該1つのカラオケ楽曲のギター演奏を楽しんだ後、次のカラオケ楽曲に対して設定された別の位置にカポタストを装着する必要がある。すなわち、カポタスト取り外し→取り外したカポタストを別の位置へ移動→移動した新たな位置でカポタストを再装着、という装着位置変更作業が必要となる。一般に、カポタストは、ギターに張られた複数の弦がずれずに押さえ込めるようギターネックに堅固に装着される構造であることから、装着するにも取り外しするにも移動するにも大きな手間を要する。特に、取り外してから再装着するまでの途中の移動距離が大きくなるほど、利用者にとって、上記装着位置変更作業の全体の労力負担が非常に煩わしいものとなる。
【0010】
そこで、本願第1発明においては、上記のように複数のカラオケ楽曲の予約がなされた場合には、再生順序決定手段が、上記利用者の労力負担を低減できるように、複数のカラオケ楽曲データの再生順序を決定する。すなわち、隣接する順番の2つのカラオケ楽曲データの互いのカポタスト位置データが、同一となる(差分が0となる)、若しくは、差分が最小化されるように、順序を決定する。これにより、複数のカラオケ楽曲は、1曲が終了して次の曲へ移るときのカポタストの位置変更がないか若しくは移動距離が最小となるような順番に配列されることとなる。これにより、上述した複数のカラオケ楽曲再生時の曲間で利用者により行われる、カポタストの装着位置変更作業の労力負担を低減することができ、利用者の利便性を向上することができる。
【0011】
第2発明は、上記第1発明において、前記再生順序決定手段は、複数の前記カラオケ楽曲の予約のうち、最初に演奏されるべき予約楽曲データと、それ以降の予約楽曲データと、を比較し、互いに前記カポタスト位置データが同一である複数のカラオケ楽曲データを連続して再生するように、それ以降の予約楽曲データに対して、前記カラオケ楽曲再生手段における再生順序を決定することを特徴とする。
【0012】
これにより、予約が受け付けられたカラオケ楽曲について再生順序が決定されるとき、同一の特定のカポタスト位置となる複数のカラオケ楽曲があった場合には、それら複数のカラオケ楽曲は連続で再生される。これにより、それら複数のカラオケ楽曲が連続再生される間は、上記装着位置変更作業が不要となるので、確実に利用者の利便性を向上することができる。
【0013】
第3発明は、上記第1又は第2発明において、前記再生順序決定手段は、前記予約受付手段が前記複数のカラオケ楽曲の予約を受け付けたときに前記カラオケ楽曲再生手段により既に再生中の前記カラオケ楽曲データがあった場合には、当該再生中のカラオケ楽曲データと前記受け付けられた前記複数のカラオケ楽曲それぞれに対応する前記複数のカラオケ楽曲データとを合わせたカラオケ楽曲データ群において隣接する順番の2つのカラオケ楽曲データにおける互いの前記カポタスト位置データの差分を0とする又は最小化するように、前記複数のカラオケ楽曲データの再生順序を、決定することを特徴とする。
【0014】
これにより、再生順序決定手段がカラオケ楽曲データの再生順序を決定する際、予約された複数のカラオケ楽曲それぞれのカポタスト位置のみならず、現在再生されているカラオケ楽曲に対応した現在のカポタスト位置も加味して、上記装着位置変更作業における労力負担低減を図ることができる。この結果が、さらに確実に利用者の利便性を向上することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、複数のカラオケ楽曲再生時において、曲間におけるカポタストの装着位置変更作業の労力負担を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態のカラオケ装置の主要構成を示す説明図である。
【図2】楽器接続ボードの前面パネルの説明図、及び、楽器接続ボードの背面パネルの説明図である。
【図3】楽器接続ボードの内部に設けられた拡張I/Oポートと各フォンジャックとの接続関係を示す機能ブロック図である。
【図4】カラオケ装置に備えられた制御装置の前面パネルの説明図、及び、制御装置の背面パネルの説明図である。
【図5】制御装置の制御系の主要構成を示す機能ブロック図である。
【図6】サーバーから制御装置へ送信される曲データの主要構成を示す説明図、及び、MIDIデータ、MIDIデータの演奏部分の構成を示す説明図、エレキギターの音源を指定するMIDIデータ#4を削除した演奏部分の構成を示す説明図、及び、ミュートデータ#4が付加された演奏部分の構成を示す説明図である。
【図7】データテーブルの説明図である。
【図8】リモコンの外観を示す上面図である。
【図9】カラオケ楽曲の再生に合わせてモニタに表示される表示例を表す図である。
【図10】カポタストテーブルの説明図である。
【図11】カラオケ装置のCPUにより実行される予約曲配列処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】予約曲配列処理によるセット結果を示す説明図である。
【図13】カラオケ装置のCPUにより実行される楽曲再生処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】ステップS200の詳細手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。この例では、利用者がカラオケ装置の演奏と共に自らエレキギターを演奏するために、エレキギターの楽曲パートを除いたマイナスワン再生状態でのカラオケ楽曲データの再生を意図する場合を例にとって説明する。
【0018】
<主要構成>
図1は、本実施形態のカラオケ装置の主要構成を示す説明図である。図1に示すように、カラオケ装置10には、歌詞を示す歌詞テロップ、歌詞テロップの背景に表示する背景映像、選曲番号を示す映像などをCRTに表示するモニタテレビ(以下、モニタと略称する)13(表示手段)と、歌唱者用のモニタ14(表示手段)と、エレキギター4やエレキベースギターなどの電子楽器を接続するための楽器接続ボード8と、複数の楽器の楽音により構成されるカラオケ用の楽曲(カラオケ楽曲。以下、適宜「曲」と略称する)の選曲、及び曲の再生の予約などの選曲制御、選曲された曲の送信要求を示すリクエスト信号のサーバーへの送信、及びリクエスト信号により示される曲に対応する曲データ(カラオケ楽曲データ)の受信などの通信制御、受信された曲データに含まれる楽音種類指定情報たるMIDIデータのうち楽器接続ボード8に接続された楽器と同じ種類の楽器の音源を指定するMIDIデータの削除、等を行う制御装置(コマンダ)20とが備えられている。
【0019】
上記楽器接続ボード8に接続されたエレキギター4には、図1中の拡大図に示すように、この例では、利用者が自らの演奏を容易にするために、ネック90にカポタスト92が取り付けられている。このカポタスト92は、エレキギター4のネック90に張られた複数の弦を、カラオケ楽曲の演奏キーに応じたネック90の所定のフレット位置で押え込むように装着され、カラオケ楽曲のエレキギター演奏パートを弾きやすい演奏キーに変更するなどの目的で使用されるものである(カポタスト位置と演奏キーの変更の関係については後述する)。
【0020】
さらに、カラオケ装置10には、この例では、楽器接続ボード8から入力される楽器の演奏信号、マイクロフォン17,18から入力される音声信号及び曲の再生信号のミキシング、音声と曲との音量バランス、エコー調整、ディレイ調整、ミキシング信号の増幅、再生される曲の音程制御(キーコントロール)、高音、低音の制御(トーンコントロール)などを行うアンプ16と、このアンプ16から出力される増幅信号を音として再生するフロアータイプの1組のスピーカ11,11と、天井吊下げ用の1組のスピーカ12,12と、制御装置20を遠隔操作するリモコン60とが備えられている。
【0021】
<楽器接続ボード>
楽器接続ボード8の構成について図2を参照して説明する。図2(a)は、楽器接続ボード8の前面パネルの説明図であり、図2(b)は、楽器接続ボード8の背面パネルの説明図である。図2(a)に示すように、楽器接続ボード8の前面パネルの左上には、楽器接続ボード8の電源を立ち上げるための電源ボタン81が設けられており、その右方には、電子ドラム1の出力端子であるフォンプラグを接続する接続端子たるフォンジャック82と、キーボード2のフォンプラグを接続するフォンジャック83と、エレキベースギター3のフォンプラグを接続するフォンジャック84と、エレキギター4のフォンプラグを接続するフォンジャック85と、外部チューナー5のプラグを接続するジャック86とが設けられている(なお、本実施形態では内部チューナー93も別途設けられている。後述の図5参照)。また、図2(b)に示すように、楽器接続ボード8の背面パネルには、各フォンジャック82,83,84,85に入力される演奏信号をそれぞれ出力する出力端子87が設けられている。
【0022】
<フォンジャックの接続関係>
図3は、楽器接続ボード8の内部に設けられた拡張I/Oポートと各フォンジャック82〜85との接続関係を示す説明図である。なお、各フォンジャック82〜85への楽器の接続は、それぞれ同一であるため、ここでは、エレキギター4をフォンジャック85に接続する場合を代表に説明する。フォンジャック85には、エレキギター4のフォンプラグ4aの挿入によりONし、離脱によりOFFするスイッチが設けられている。スイッチは、拡張I/Oポート88の検知ポートP03に接続されている。スイッチには、5Vの直流電圧が印加されている。
【0023】
そして、エレキギター4のフォンプラグ4aがフォンジャック85に挿入されると、スイッチがONし、拡張I/Oポート88の検知ポートP03に現れる電圧は、0V(ローレベル)から5V(ハイレベル)に変化し、この変化は、背面の出力端子87を介して後述する制御装置20に備えられたCPU45(後述)により検出される。一方、エレキギター4から出力される演奏信号は、フォンプラグ4aを介して背面の出力端子87へ出力され、この出力された演奏信号は、制御装置20の入力端子44(後述の図4及び図5参照)へ入力される。そして、音声制御回路52において、音源信号のエレキギターの楽曲パート部をエレキギター4の演奏信号と置き換えたマイナスワン再生状態で、音声出力端子41(後述の図4及び図5参照)へ出力される。
【0024】
また、図3に示すように、電子ドラム1の演奏信号は、フォンジャック82を介して拡張I/Oポート88の検知ポートP00に、キーボード2の演奏信号は、フォンジャック83を介して検知ポートP01に、エレキベースギター3の演奏信号は、フォンジャック84を介して検知ポートP02にそれぞれ入力される。さらに、フォンジャック84,85は、チューニングメーター5を接続する出力端子86に接続されており、エレキベースギター3及びエレキギター4の音程をチューニングできるようになっている。
【0025】
以上のように、楽器接続ボード8は、各楽器のフォンプラグが接続されたことを検出するとともに、接続された楽器の1つの演奏信号を選択し、その選択された演奏信号6を信号制御装置20の入力端子44へ出力する役割をする。
【0026】
<制御装置の概略>
上記制御装置20の装備について図4を参照して説明する。図4(a)は、制御装置20の前面パネルの説明図であり、図4(b)は、制御装置20の背面パネルの説明図である。図4(a)に示すように、制御装置20の前面パネルには、選曲する曲の選曲番号の入力などにより曲の予約を行うための0〜9のボタンからなるテンキー21と、選曲を確定するための選曲ボタン22とが設けられており、テンキー21の上には、選曲された曲の選曲番号を6桁の数字でLED表示する選曲番号表示体23が設けられている。
【0027】
また、選曲番号表示体23の左には、再生が予約されている曲の数をLED表示する予約曲数表示体24が設けられており、その下には、予約の取り消を行うための取り消しボタン25と、演奏を停止させる演奏停止ボタン26と、歌っている途中で最初から歌い直すための歌い直しボタン27と、予約曲の間に割り込んで予約するための割り込みボタン28とが設けられている。さらに、前面パネルの左上には、リモコン60から送信される光信号を受光する受光部38が設けられており、左下には、制御装置20の電源を立ち上げる電源ボタン39が設けられている。
【0028】
また、テンキー21の右には、再生する曲のキーを低くコントロールするためのフラットキー29と、再生する曲のキーを標準にコントロールするための標準キー30と、再生する曲のキーを高くコントロールするためのシャープキー31とが設けられており、それらキーの下には、ボーカルのメロディーラインの音量を設定するボーカルボタン32と、2コーラス目までを再生する2コーラスカットボタン33と、曲の後奏部分をカットする後奏カットボタン34とが設けられている。さらに、それらボタンの下には、カラオケとBGM用とを切り替えるカラオケ切替ボタン35と、LAN回線15(後述の図5参照)を介して入力されるデータを曲データから有線放送、テレビ放送などに切り替える入力切替ボタン36と、モニタ13,14の表示をカラオケボックスなどが提供しているサービス情報の表示に切り替えるサービスボタン37とが設けられている。
【0029】
また、図4(b)に示すように、制御装置20の背面パネルには、LAN回線15を接続する通信端子40が設けられており、この通信端子40の右方には、楽器接続ボード8の出力端子87(図2(b)参照)と接続される入力端子44が設けられている。この入力端子44の右方には、アンプ16の音声入力端子(図示省略)と接続される音声出力端子41と、モニタ13の映像入力端子(図示省略)と接続される映像出力端子42と、モニタ14の映像入力端子(図示省略)と接続される映像出力端子43とが設けられている。
【0030】
<制御系>
上記制御装置20の制御系の構成について図5を参照して説明する。図5は、制御装置20の制御系の主要構成を示す機能ブロック図である。制御装置20には、上記各種制御をプログラムにしたがって実行するCPU45が備えられている。CPU45には、リモコン60から送信されるデータ、選曲された曲の選曲番号を示す選曲番号データ、予約された曲の選曲番号データなどを一時保存するためのRAM46と、データテーブル78(後述の図7参照)及びCPU45により実行されるプログラムなどが記憶されたROM47とが接続されている。
【0031】
また、CPU45には、モニタ13,14に歌詞テロップや各種メッセージ映像を表示するための文字映像データが記憶されたビデオRAM48と、サーバー58から送信される曲データ100(後述の図6参照)を受信するためのLANボード50と、このLANボード50により受信された曲データ100を一時保存するためのRAM49とが接続されている。
【0032】
さらに、CPU45には、RAM49から読み出された曲データ100に含まれるMIDIデータ110(後述の図6参照)を入力するとともに、その入力されたMIDIデータ110により指定される音源から音源信号を出力するMIDI音源ボード51が接続されている。また、CPU45には、上記出力された音源信号を入力してアンプ16により増幅可能な信号に変換する音声制御回路52と、曲データ100に含まれるジャンルデータ150(後述の図6参照)により特定されるジャンルの背景映像を示す背景映像データを読み出すCD−ROMプレーヤ53とが接続されている。
【0033】
また、CPU45には、CD−ROMプレーヤ53から読み出された背景映像データ、及びRAM49から読み出された曲データ100に含まれる歌詞テロップデータ140(後述の図6参照)を入力し、モニタ13の表示画面に表示される背景映像中に歌詞テロップがスーパーインポーズされた映像を作成したり、曲の進行にしたがって歌詞テロップの色を変えたりする映像制御を行う映像制御回路54が接続されている。
【0034】
さらに、CPU45には、受光部38により受光された光信号をデジタル信号に変換する変換回路55と、制御装置20の前面パネルに設けられた各種ボタン及びキー(前述のテンキー21、選曲ボタン22等)を押したときに点灯するLED(前述の選曲番号表示体23、予約曲数表示体24等)と、上記LEDへ表示信号を出力する表示回路56と、上記各種ボタン及びキーを押したときに発生するスイッチング信号を入力する入力回路57とが接続されている。
【0035】
さらに、CPU45には、エレキギター4等のギターから出力される演奏信号を入力し、当該信号に基づき調音(詳細は後述)を実行可能な内部チューナー93が接続されている。
【0036】
<曲データ>
曲データの主要構成について図6を参照して説明する。図6(a)は、サーバー58から制御装置20へ送信される曲データの主要構成を示す説明図である。曲データ100は、曲の演奏部分を示すMIDIデータ110、歌詞テロップ(字幕)を示す歌詞テロップデータ140、及び曲のジャンルを示すジャンルデータ150などから構成されている。MIDIデータ110の先頭には、図6(b)に示すように、曲の始まりをカウントするための曲カウントデータ120を付加することができる。曲カウントデータ120としては、例えば、ドラムの音を出すためのMIDI音源を指定するMIDIデータ#1(後述の図6(c)参照)が用いられる。
【0037】
MIDIデータの構成について図6(c)を参照して説明する。図6(c)は、曲データ100中のMIDIデータ110の演奏部分の構成を示す説明図である。MIDIデータ110は、この例では、図6(c)に示すように、電子ドラムの音源を指定するMIDIデータ#1、キーボードの音源を指定するMIDIデータ#2、エレキベースギターの音源を指定するMIDIデータ#3、エレキギターの音源を指定するMIDIデータ#4、音源から音源信号を出力させることを指定するノートONデータ112、音の強さ(音源信号の出力レベル)を指定するレベルデータ114、及び音源から音源信号を出力させないことを指定するノートOFFデータ116などのデータから構成されており、曲データ(原曲)を演奏するときの音高キー(原曲キー)も、曲データの製作時に決まられている。
【0038】
楽器の音源を指定するMIDIデータ、例えばエレキギターの音源を指定するMIDIデータ#4を削除した場合は、MIDIデータ110は、図6(d)に示すデータ構成となる。これにより、曲データが、エレキギター演奏パートを除いたマイナスワン再生状態で再生される。また、MIDIデータ110には、図6(e)に示すように、例えばMIDIデータ#4により発生するエレキギターの音をミュートするためのミュートデータ118を付加することができる。この場合も、上記同様、曲データはエレキギター演奏パートを除いたマイナスワン状態で再生される。
【0039】
<データテーブル>
ここで、データテーブル78について図7を参照して説明する。本実施形態では、一例として、上記のようなマイナスワン再生状態での再生を実現するために、各フォンジャック82,83,84,85のいずれに各楽器が接続されたかどうかを自動検出し、その検出結果に応じて上述したMIDIデータの削除処理が行われる。データテーブル78は、上記処理を行うために、上記楽器接続ボード8の拡張I/Oポート88により検知された検知データに基づいて、削除すべきMIDIデータを設定するためのものである。図7において、D0〜D7は、図3に示すように、拡張I/Oポート88の検知ポートP00〜P07に対応するCPU45の入力ポートをそれぞれ示し、そのうちの入力ポートD4〜D7は、楽器接続ボード8に上記楽器以外の楽器を接続するための予備の検知ポートP04〜P07にそれぞれ対応する入力ポートである。本実施形態では、この入力ポートD4〜D7は用いないため、Xで表されているが、そのXは、どんな値でもよい。
【0040】
たとえば、エレキギター4のみを接続した場合は、エレキギター4のフォンプラグ4aを接続するフォンジャック85に対応する検知ポートP03の入力レベルがローレベルからハイレベルに変化する。この結果、当該検知ポートP03に対応するCPU45の入力ポートD3では「1」が検出され、その他の楽器に対応した入力ポートD0,D1,D2では「0」が検出される結果、削除すべきMIDIデータを指定する指定データは、X8Hになる(図7中の矢印で示す段のデータ参照)。このように、CPU45は、エレキギター4のみが接続された場合に、図7のテーブルを用いて指定データX8Hを検出し、これによって楽器接続ボード8にエレキギター4が接続されたと判定するとともに、削除する対象となるMIDIデータがMIDIデータ#4であると認識する。その他の楽器(エレキベースギター、キーボード、電子ドラム)がそれぞれ単体で接続された場合や複数の楽器が接続された場合も、上記同様、CPU45は、図7のテーブルを用いて指定データを検出するとともに、削除対象となるMIDIデータを認識する(詳細な説明は省略)。
【0041】
<リモコン>
リモコン60の構成について、その外観を示す図8を参照して説明する。図8に示すように、リモコン60の上部には、選曲番号をバックライト付きの液晶で表示する選曲番号表示部61が設けられており、その下には、上記制御装置20のカラオケ切替ボタン35と同じ作用をするカラオケ切替ボタン62と、制御装置20の入力切替ボタン36と同じ作用をする外部映像ボタン63と、サーバー58が用意しているテレビゲームを行う状態に切り替えるゲームボタン64とが設けられている。
【0042】
また、それらボタンの下には、曲間や曲の再生終了後に拍手や歓声の音を再生するように設定するための拍手ボタン65と、制御装置20の上記フラットキー29及びシャープキー31とそれぞれ同じ機能のフラットキー66及びシャープキー67とが設けられており、それらの下には、テンキー68と、選曲ボタン69と、演奏停止ボタン70と、歌い直しボタン71と、取り消しボタン72と、割り込みボタン73とが設けられている。さらに、割り込みボタン73の右には、ボーカルメロディーの音量を小さくするマイナスボタン74と、音量を大きくするプラスボタン75とが設けられている。そして、上記各ボタンを押すと、どのボタンが押されたかを示す光信号が、リモコン60の上部に設けられた送信窓76から発信される。
【0043】
<本実施形態の特徴>
以上の基本構成において、本実施形態の特徴は、ギター楽器演奏パートを含む複数のカラオケ楽曲の予約を受け付けた場合に、ギター演奏する利用者の前述のカポタスト92の付け替えの労力負担を低減できるように、複数のカラオケ楽曲データの再生順序を決定することにある。以下、その詳細を順に説明する。
【0044】
<カポタスト位置の表示>
上述したように、エレキギター4のネック90にはカポタスト92が装着されている。このカポタスト92は、一般に、エレキギター、アコースティックギター、クラシックギター等のギターや、ベースギター、ウクレレ、マンドリン、バンジョー等のフレットを備えたギター楽器により所望の和音を奏でるときに、各弦における運指位置が複雑な場合に、その運指位置を簡素化した弾きやすい演奏キーに変更して、演奏者の運指負担を軽減するものである。
【0045】
本実施形態では、上記演奏者の運指負担の軽減を図るために、各カラオケ楽曲の再生時に、当該カラオケ楽曲の上記ギター楽器演奏パートを奏でるのに好適なカポタスト位置が、上記モニタ13,14に表示される。
【0046】
図9に、カラオケ楽曲の再生に合わせてモニタ13,14に表示される表示例を示す。この例では、図9(a)に示すように、エレキギター4のネック90にカポタスト92の装着なしで演奏する場合の原曲キーはF#mである。そして、歌詞「あの言葉さえ言わなければ」に対応した曲のコード進行は、F#m→C#m7→Dadd9→C#m7→・・・となって、例えば初心者がエレキギター4で演奏するには比較的運指が難しいコードになっている。これに対し、エレキギター4のネック90の2フレットにカポタスト92を装着すると、図9(b)に示すように、上記の曲の、利用者(演奏者)が演奏すべき見かけ上の演奏キーがEmに変更され、演奏キー変更後の上記歌詞「あの言葉さえ言わなければ」に対応した(見かけ上の)コード進行は、Em→Bm7→Cadd9→Bm7→・・・となり、運指位置を簡素化した運指が容易なロー・コードとすることができる。
【0047】
<カポタストテーブル>
本実施形態では、上記のような表示を行うために、カポタストテーブル80が用いられる。このカポタストテーブル80の一例を図10に示す。
【0048】
図10に示されるように、このカポタストテーブル80では、原曲の演奏キーと、エレキギターのカポタスト位置と、カポタスト使用後の(見かけ上の)演奏キーと、の対応関係がテーブル化されている。図示のように、このテーブル80では、原曲の演奏キーに対して、好適なカポタスト位置が一意的に設定されている。なお、この例では、カポタスト位置は、カポタストを装着すべきフレットの位置をフレット数で表している(なおフレット「0」はカポタスト不要であることを示す)。前述の例に沿うと、原曲キーが「F#m」である場合には、カポタスト位置は「2」に決定される。これにより、前述したように、演奏者が演奏すべき見かけの演奏キーが「Em」となる。
【0049】
このようなカポタストテーブル80を用いることで、例えば曲データ100から原曲の演奏キーが取得されると、対応するカポタスト92の装着位置が一意的に決定され、当該装着位置と、当該装着により変更されロー・コード等の簡単な運指とされた見かけ上の演奏キーとが、上述のようにモニタ13,14に表示される。なお、このカポタストテーブル80は、予め例えば制御装置20のROM47に記憶されている。そして、カラオケ楽曲の再生時にROM47から読み出したカポタストテーブル80に基づき、カラオケ楽曲の再生に応じて、カポタスト位置がモニタ13,14に表示される。
【0050】
<複数曲再生時のカポタスト装着位置の移動>
ここで、通常、ギターネックへのカポタスト92の位置は楽曲ごとに個別に設定される。したがって、このカラオケ装置10において複数のカラオケ楽曲の予約がなされた場合に、1つのカラオケ楽曲と他のカラオケ楽曲とで、エレキギター4のネック90におけるカポタスト位置が互いに異なる場合があり得る。この場合、そのままでは、利用者(演奏者)は、1つのカラオケ楽曲に対して設定されたある位置にカポタスト92を装着して当該1つのカラオケ楽曲のエレキギター4の演奏を楽しんだ後、次のカラオケ楽曲に対して設定された別の位置にカポタスト92を装着する必要がある。すなわち、カポタスト取り外し→取り外したカポタスト92を別の位置へ移動→移動した新たな位置でカポタスト92を再装着、という装着位置変更作業が必要となる。一般に、カポタストは、ギターに張られた複数の弦がずれずに押さえ込めるようギターネックに堅固に装着される構造であることから、装着するにも取り外しするにも移動するにも大きな手間を要する。
【0051】
そこで、本実施形態では、上述のテンキー21,68や選曲ボタン22,69等によって複数のカラオケ楽曲の予約がなされた場合において、ギター演奏をする利用者のカポタスト92の付け替えの労力負担を低減できるように、複数のカラオケ楽曲データの再生順序を決定する。
【0052】
<予約曲配列処理>
上記の複数のカラオケ楽曲データの再生順序を決定するために、上記制御装置20において実行される、予約曲配列処理の処理内容を図11に示す。
【0053】
図11において、このフローは、利用者からの、ギター楽器演奏パートを含むカラオケ楽曲の予約が新規に受け付けられ、現在再生中又は再生準備中の曲(以下適宜、単に「現在曲」という)以外の予約中の曲(以下適宜、単に「予約曲」という)が複数曲となった場合に、開始される。したがって、上記現在曲の他に新規にまとめて複数曲が予約された場合にこのフローが開始されるほか、現在曲のほかに1曲の予約曲がある状態で次に1曲以上が追加で予約されることで予約曲の合計が複数曲となった場合、さらには複数曲の予約曲がある状態で次に1曲以上が追加で予約された場合、のいずれにおいても開始される。そして、このフローの後述するステップS10〜ステップS105の手順において既に再生順序が決定済みの予約曲(再生されておらず、再生準備中にもなっていない)がある状態で、新規に1曲以上が追加されると、当該1曲以上の追加曲を含むすべての予約曲について、後述のステップS10〜ステップS105の手順により再度配列処理が実行されるのである。なお、上記した利用者からのカラオケ楽曲の予約を受け付ける制御装置20のCPU45の機能が、各請求項記載の予約受付手段として機能する。
【0054】
図11において、まず、ステップS10において、制御装置20のCPU45は、サーバー58からダウンロードしてRAM49に保存されている予約曲の曲データ100から、のN曲分について、上記原曲の演奏キー(原曲キー)を表すキー情報を取り込む。ここで、Nは2以上の整数である。なお、各曲のキー情報は、上記曲データ100に予め含まれているものを取得してもよい。あるいは、キー情報を、MIDIデータから公知の手法で検出してもよい。MIDIデータから検出する場合は、MIDIデータ110における演奏の終了部分(いわゆる帰結コードとなっている場合が多い)のコードを演奏キーとして検出してもよいし、あるいは演奏開始部分のコードを演奏キーとして検出してもよい。取り込まれたキー情報は、制御装置20の例えばRAM49に記憶される。ステップS10が終了すると、ステップS15に移る。
【0055】
ステップS15では、CPU45は、上記ステップS15で取り込んだ上記予約曲N曲分のキー情報から、図10のカポタストテーブル80を参照して、上記予約曲N曲分のカポタスト位置(フレット位置)を算出する。すなわち、前述したように、カポタストテーブル80を介して、曲データ100とカポタスト位置データとが対応付けられることとなる。なお、カポタスト位置データは、曲のキー情報から上記カポタストテーブル80を用いて算出するのではなく、予め曲データ100に含まれていてもよい。この場合、曲データ100に組み込まれる形でカポタスト位置データは曲データ1000に対応付けられることとなる。そしてこの場合にはカポタストテーブル80は不要となる。その後、ステップS20に移る。
【0056】
ステップS20では、CPU45は、上記N曲の予約曲を所定順序(例えば、予約受付順、曲名順、歌手名順、等)に沿って処理する際の、処理順序を表す変数nをn=1に初期化した後、ステップS25に移る。
【0057】
ステップS25では、CPU45は、n番目の予約曲について上記ステップS15で算出された上記カポタスト位置が、上記現在曲についての上記カポタスト位置と同じ位置であるか(同じフレットか)否かを判定する。なお、このフローの手順には明確には表れていないが、この時点で、現在曲についても、上述したように上記ステップS10及びステップS15と同様の手法で、取得された曲のキー情報からカポタストテーブル80を用いてカポタスト位置が決定され、上述のようにモニタ14,15に表示されている。したがって、このステップS25では、当該現在曲のカポタスト位置と、n番目の予約曲のカポタスト位置とが比較されるのである。
【0058】
n番目の予約曲のカポタスト位置が現在曲のカポタスト位置と同じである場合(すなわち、n番目の予約曲のカポタスト位置と上記現在曲のカポタスト位置との偏差が±0の場合)は、ステップS25の判定が満たされ(ステップS25:YES)、ステップS30に移る。なお、以下適宜、現在曲とカポタスト位置が同一である曲を「同カポタスト位置の曲」という。一方、上記n番目の予約曲のカポタスト位置が上記現在曲とのカポタスト位置と異なる場合(すなわち、n番目の予約曲のカポタスト位置と上記現在曲のカポタスト位置との偏差が0以外の数値の場合)は判定が満たされず(ステップS25:NO)、後述のステップS45に移る。なお、以下適宜、このように現在曲とカポタスト位置が異なる曲を「異カポタスト位置の曲」という。
【0059】
また、既に述べたように、各曲のカポタスト92の位置は、カポタスト92を装着するネック90のフレット数によって「2」「4」のように表す、カポタスト92の装着なしで演奏する曲の場合は、便宜的に、カポタスト位置を「0」として表す。
【0060】
ステップS30では、CPU45は、現在処理中である当該n番目の曲よりも前に、既に再生順序が設定(セット)済みである他の予約曲(以下適宜、「セット済みの他の予約曲」という)であって、当該他の予約曲のカポタスト位置が上記現在曲と同じである曲(=同カポタスト位置の曲)があるか否かを判定する。上記セット済みの他の予約曲の中に、上記同カポタスト位置の曲がない場合(すなわち、上記セット済みの他の予約曲はすべて異カポタスト位置の曲である場合)は判定が満たされず(ステップS30:NO)、ステップS35に移る。一方、上記セット済みの他の予約曲の中に、同カポタスト位置の曲がある場合は判定が満たされ(ステップS30:YES)、ステップS40に移る。
【0061】
ステップS35では、CPU45は、上記n番目の予約曲の再生順序を上記現在曲の次の順番にセットする。このステップS35でのセット結果の一例を図12(a)に示す。
【0062】
図12(a)において、新セット曲132は、ステップS35の処理によって新たに再生順序がセットされた上記n番目の予約曲の曲データを表し、既セット曲131は、新セット曲132の再生順序のセットの時点より前に既に再生順序がセットされていた他の予約曲の曲データを表す。また、新セット曲132、既セット曲131のデータを表す枠内に添えた数値は、それぞれ、新セット曲132、既セット曲131の現在曲130とのカポタスト位置の偏差を示す。したがって、上記同カポタスト位置の曲では当該偏差の値は「±0」となり、上記異カポタスト位置の曲では当該偏差の値は「±0」以外の値となる。なお、この例では、現在曲のカポタスト位置に対し、予約曲のカポタストの位置が、すべてフレット数が増大するプラス側に位置する(又は同じ位置にある)場合を例にとって説明するが、フレット数が減少するマイナス側に位置する場合にも適用できることは言うまでもない。また隣り合う2つの曲、例えば新セット曲132と既セット曲131との間の枠外に添えた数値は、新セット曲132と既セット曲131とのカポタスト位置の差分を示す。
【0063】
図12(a)に示す例では、新セット曲132は、カポタスト位置の偏差が±0である。既セット曲131は、カポタスト位置の偏差が+1のものと、カポタスト位置の偏差が+2のものとの2つがある。新セット曲132のカポタスト位置の偏差は、いずれの既セッ曲131のカポタスト位置の偏差よりも小さいので、新セット曲132の再生順序は上記ステップS35において現在曲130の次の順番にセットされる。
【0064】
以上のようにしてステップS35が終了すると、後述のステップS100に移る。
【0065】
一方、ステップ40では、上記セット済みの他の予約曲の中に、同カポタスト位置の曲があることから、CPU45は、上記n番目の予約曲の再生順序を、上記セット済みの他の同カポタスト位置の曲の最後尾に付け足して、セットする。このステップS40のセット結果の一例を図12(b)に示す。
【0066】
図12(b)において、この例では、既セット曲131は、カポタスト位置の上記偏差が±0のものが2つ、カポタスト位置の上記偏差が+1と+2のものとがそれぞれ1つで、計4つ存在する。新セット曲132は、カポタスト位置の上記偏差が±0であるので、カポタスト位置の偏差が±0の同カポタスト位置の曲である2つの既セット曲131の最後尾に付け足す形で割り込んで再生順序がセットされる。なお、カポタスト位置の偏差が+1と+2の2つの既セット曲131,131は、カポタスト位置の偏差が小さい順に新セット曲131に続くようにセット位置が変更される。
【0067】
以上のようにしてステップS40が終了すると、後述のステップS100に移る。
【0068】
一方、上記ステップS25の判定が満たされずに移行するステップS45では、CPU45は、上記セット済みの他の予約曲であって、当該他の予約曲のカポタスト位置が上記現在曲と異なる曲(=異カポタスト位置の曲)があるか否かを判定する。上記セット済みの他の予約曲の中に、上記異カポタスト位置の曲がある場合は判定が満たされ(ステップS45:YES)、後述のステップS65に移る。一方、上記セット済みの他の予約曲の中に、上記異カポタスト位置の曲がない場合は、判定が満たされず(ステップS45:NO)、ステップS50に移る。この場合は、現在処理対象となっている当該n番目の曲だけが異カポタスト位置の曲である。
【0069】
ステップS50では、CPU45は、上記ステップS30と同様、上記セット済みの他の予約曲の中に同カポタスト位置の曲があるか否かを判定する。上記セット済みの他の予約曲の中に同カポタスト位置の曲がある場合は判定が満たされ(ステップS50:YES)、ステップS55に移る。上記セット済みの他の予約曲の中に、同カポタスト位置の曲がない場合は判定が満たされず(ステップS50:NO)、ステップS60に移る。
【0070】
ステップS55では、CPU45は、上記n番目の予約曲の再生順序を、上記セット済みの他の同カポタスト位置の曲の最後尾の次の順番にセットする。このステップS55のセット結果の一例を図12(c)に示す。
【0071】
図12(c)において、既セット曲131は、カポタスト位置の偏差が±0である同カポタスト位置の曲である。新セット曲132は、カポタスト位置の上記偏差が+1であって異カポタスト位置の曲であることから、同カポタスト位置の曲である既セット曲131の次の順番にセットされる。
【0072】
ステップS55が終了すると、後述のステップS100に移る。
【0073】
一方、ステップS60では、CPU45は、上記n番目の予約曲の再生順序を、上記現在曲の次の順番にセットする。このステップS60でのセット結果の一例を図12(d)に示す。
【0074】
図12(d)において、この時点で処理対象としている上記n番目の予約曲である新セット曲132は、上記ステップS45及びステップS50での判定が満たされない結果、この時点での唯一の予約曲(既セット曲がない)であり、かつ異カポタスト位置の曲である。この例では、新セット曲132は、カポタスト位置の上記偏差が+1である。そして、現在曲130の他には、異カポタスト位置の曲も同カポタスト位置の曲も、既セット曲は何もないので、新セット曲132は、現在曲130の次の順番にセットされる。
【0075】
ステップS60が終了すると、後述のステップS100に移る。
【0076】
一方、上記ステップS25の判定が満たされて移行するステップS65では、CPU45は、上記セット済みの他の予約曲であって、当該他の予約曲のカポタスト位置の上記偏差が、現在処理対象としている上記n番目の予約曲のカポタスト位置の上記偏差と同一である曲があるか否かを判定する。上記セット済みの他の予約曲中に、カポタスト位置の偏差が上記n番目の予約曲のカポタスト位置の偏差と同一である曲がある場合(すなわち、上記セット済みの他の予約曲中のカポタスト位置と上記n番目の予約曲のカポタスト位置との差分が0の場合)は判定が満たされ(ステップS65:YES)、後述のステップS95に移る。一方、上記セット済みの他の予約曲中に、カポタスト位置の偏差が上記n番目の予約曲のカポタスト位置の偏差と異なる曲しかない場合(すなわち、上記セット済みの他の予約曲中のカポタスト位置と上記n番目の予約曲のカポタスト位置との差分が0以外の数値の場合)は判定が満たされず(ステップS65:NO)、ステップS70に移る。
【0077】
ステップS70では、CPU45は、上記セット済みの他の予約曲であって、かつ、カポタスト位置の上記偏差が上記n番目の予約曲のカポタスト位置の上記偏差よりも小さい曲があるか否かを判定する。上記セット済みの他の予約曲中の上記偏差が、すべて上記n番目の予約曲の上記偏差よりも大きい場合は判定が満たされず(ステップS70:NO)、ステップS75に移る。一方、上記セット済みの他の予約曲中に、上記偏差が上記n番目の予約曲の上記偏差よりも小さい曲がある場合は、判定が満たされ(ステップS70:YES)、後述のステップS90に移る。
【0078】
ステップS75では、CPU45は、上記ステップS30や上記ステップS50と同様、上記セット済みの他の予約曲の中に同カポタスト位置の曲があるか否かを判定する。上記セット済みの他の予約曲中に同カポタスト位置の曲がない場合は判定が満たされず(ステップS75:NO)、ステップS80に移る。上記セット済みの他の予約曲中に同カポタスト位置の曲がある場合は判定が満たされ(ステップS75:YES)、後述のステップS85に移る。
【0079】
ステップS80では、CPU45は、上記n番目の予約曲の再生順序を、現在曲の次の順番にセットする。このステップS80のセット結果の一例を図12(e)に示す。
【0080】
図12(e)において、新セット曲132はカポタスト位置の偏差が+1で、上記異カポタスト位置の曲である。しかしながら、既セット曲131は、カポタスト位置の偏差が+2のものが1つと、+3のものが2つとが存在するのみであり、上記同カポタスト位置の曲はない。新セット曲132は、同カポタスト位置の既セット曲131がないことから、現在曲130の次の順番にセットされる。
【0081】
ステップS80が終了すると、後述のステップS100に移る。
【0082】
一方ステップS85では、CPU45は、上記n番目の予約曲の再生順序を、上記セット済みの他の同カポタスト位置の曲の最後尾に付け足して、セットする。このステップS85のセット結果の一例を図12(f)に示す。
【0083】
図12(f)において、この例では、新セット曲132はカポタスト位置の上記偏差が+1で、異カポタスト位置の曲である。既セット曲131は、カポタスト位置の上記偏差が±0の同カポタスト位置の曲2つと、上記偏差が+2、+3である異カポタスト位置の曲がそれぞれ1つである。この結果、新セット曲132は、同カポタスト位置の既セット曲131の最後尾に付け足す形で割り込んで再生順序がセットされる。
【0084】
以上のようにしてステップS85が終了すると、後述するステップS100に移る。
【0085】
ステップS90では、CPU45は、上記n番目の予約曲の再生順序を、上記偏差が当該n番目の予約曲の上記偏差よりも小さい、セット済みの他の予約曲の最後尾の次の順番にセットする。このステップS90のセット結果の一例を図12(g)に示す。
【0086】
図12(g)において、この例では、新セット曲132は、カポタスト位置の上記偏差が+2である、異カポタスト位置の曲である。既セット曲131は、カポタスト位置の偏差が+1のものが2つ、+2のものが1つ、+3のものが2つである。そして、これらのうち、偏差+1の2つの既セット曲131,131が、新セット曲132よりも上記偏差が小さい。したがって、新セット曲132は、上記偏差が小さい既セット曲131,131の最後尾の次の順番にセットされる。
【0087】
ステップS90が終了すると、後述のステップS100に移る。
【0088】
一方、ステップS95では、CPU45は、上記n番目の予約曲の再生順序を、上記偏差が当該n番目の予約曲の上記偏差と同一である、セット済みの他の予約曲の最後尾に付け足してセットする。このステップS95のセット結果の一例を図12(h)に示す。
【0089】
図12(h)において、この例では、新セット曲132は、カポタスト位置の上記偏差が+3である、異カポタスト位置の曲である。既セット曲131は、カポタスト位置の上記偏差が+1のものが2つ、+3のものが3つ、+4のもの、+5のものがそれぞれ1つである。これらのうち、偏差+3の3つの既セット曲131は、新セット曲132と上記偏差が同一である。したがって、新セット曲132は、それら偏差が+3で同一である3つの既セット曲131,131,131の最後尾に付け足してセットされる。
【0090】
ステップS95が終了すると、後述のステップS100に移る。
【0091】
上記ステップS35、ステップS40、ステップS55、ステップS60、ステップS80、ステップS85、ステップS90、ステップS95から移行したステップS100では、CPU45は、nに1を加えた後、ステップS105に移る。
【0092】
ステップS105では、CPU45は、上記nが上記Nに達したか否かを判定する。nがNに達していない場合(n<N)は判定が満たされず(ステップS105:NO)、上記ステップS20に戻り、同様の手順を繰り返す。nがNに達していた場合(n=N)は判定が満たされ(ステップS105:YES)、このフローを終了する。
【0093】
以上において、上記ステップS10〜ステップS105の手順の全体が、各請求項記載の再生順序決定手段として機能する。
【0094】
<楽曲再生処理>
カラオケ装置10による楽曲再生時にCPU45により実行される処理内容を、図13に示す。図13において、このフローは、例えばカラオケ装置10の利用者が、制御装置20の電源ボタン39を押して制御装置20の電源を立ち上げると、図11のフローと連動して開始される。すなわち、この図13のフローは、上述の図11のフローと同時並行して行われる。このような同時並行処理は、例えば、コンピュータのOS等でしばしば行われる、「マルチタスク処理」と同様の公知の方式により、1つの制御装置に行わせることができる。上記制御装置20の電源を立ち上がりに連動して、アンプ16、楽器接続ボード8及びモニタ13,14の電源が立ち上がる。なお、前述したように、この例では、カラオケ装置10の利用者は、楽器接続ボード8にエレキギター4を接続して演奏する場合を例にとって説明する。すなわち、利用者がエレキギター4のフォンプラグ4aを楽器接続ボード8のフォンジャック85に接続することで、拡張I/Oポート88の検知ポートP03に現れる電圧がローレベルからハイレベルに変化する。
【0095】
図13において、まず、ステップS115において、CPU45は、検知ポートPO0〜PO3で検知した楽器種類を、拡張I/Oポート88を介して入力ポートD0ないしD7から指定データとして読み込む。その後、ステップS120に移る。
【0096】
ステップS120では、CPU45は、上記ステップS115で読み込んだデータに基づいてROM47に記憶されている上記データテーブル78から指定データを検索する。この例では、前述のように検知ポートP03に現れる電圧がローレベルからハイレベルに変化していることから、CPU45によって、検知ポートP03に対応する入力ポートD3からデータ「1」が検出される。この結果、CPU45は、データテーブル78から入力ポートD3のデータが「1」であり、かつ他の入力ポートD0,D1及びD2のデータが「0」の場合に対応する、指定データX8Hを取得する。この指定データX8Hは、データテーブル78に示すように、エレキギターのMIDI音源を指定するMIDIデータ#4を削除することを指定する。ステップS120が終了したら、ステップS125に移る。
【0097】
ステップS125では、CPU45は、上記ステップS120で検索された指定データ(この例では指定データX8H)をRAM46に一時保存する。その後、ステップS130に移る。
【0098】
ステップS130では、CPU45は、上記図11の予約曲配列処理で設定された予約曲の再生順序に従い、次に再生する順番の予約曲を特定する。
【0099】
その後、ステップS200に移り、上記内部チューナー93を用いてギター楽器(この例ではエレキギター4)のチューニング処理を行った後、ステップS135に移る。なお、ステップS200のチューニング処理については後述の図14で説明する。
【0100】
ステップS135では、CPU45は、ステップS130で次の再生順であるとして特定した予約曲の曲番号データをRAM46に一時保存するとともに、LANボード50を介し、上記曲番号に対応する曲データ100の送信を要求するリクエスト信号を、LAN回線15を介してサーバー58へ送信する。これにより、サーバー58は、図示しない記憶装置から上記リクエスト信号に示される曲番号に対応する曲データ100を検索して読み出し、その読み出された曲データ100を、LAN回線15を介して制御装置20に送信する。こうしてステップS135が終了したら、ステップS140に移る。
【0101】
ステップS140では、CPU45は、LANボード50を介し、サーバー58からLAN回線15を介して送信された曲データ100を受信する。その後、ステップS145に移る。
【0102】
ステップS145では、CPU45は、上記ステップS140で受信した曲データ100をRAM49に一時保存させる。その後、ステップS150に移る。
【0103】
ステップS150では、CPU45は、上記ステップS145でRAM46に記憶されている指定データ(前述の例では指定データX8H)を読み出す。その後、ステップS155に移る。
【0104】
ステップS155では、CPU45は、前述のステップS145でRAM49に記憶されているMIDIデータ110の読み出しを開始する。その後、ステップS160に移る。
【0105】
ステップS160では、CPU45は、ステップS150で読み出した指定データ(この例では指定データX8H)に基づき、上記ステップS155で読み出されこの時点で処理対象としているMIDIデータが上記指定データで指定されたMIDIデータ(この例では、エレキギター4のMIDI音源を指定するMIDIデータ#4)であるか否かを判定する。上記指定されたMIDIデータであれば判定が満たされ(ステップS160:YES)、ステップS170に移る。上記指定されたMIDIデータでなければ判定が満たされず(ステップS160:NO)、後述のステップS175に移る。
【0106】
ステップS170では、CPU45は、この時点での処理対象のMIDIデータの削除を行う。これにより、後述のようにステップS155〜ステップS185が繰り返されるとき、ステップS155でエレキギター4のMIDI音源を指定するMIDIデータ#4を含むデータが読み出されたときに限り、当該MIDIデータ#4が削除される(前述の図6(d)参照)。なお、削除に代えて、前述の図6(e)に示したようにミュートするためのデータ118の付加を行ってもよい。この結果、エレキギターの楽曲パートを除いたマイナスワン状態でのカラオケ楽曲データの再生を実現することができる。ステップS170が終了したら、ステップS175に移る。
【0107】
ステップS175では、CPU45は、ステップS155で読み出された後にステップS160〜ステップS170の処理を経たMIDIデータ110を、図示しないシーケンサを介して、CPU45に内蔵されたタイマのカウントにしたがってMIDI音源ボード51に書き込む。ステップS175が終了したら、ステップS180に移る。
【0108】
ステップS180では、CPU45は、MIDI音源ボード51に制御信号を出力し、上記ステップS175で書き込んだMIDIデータに対応した音源信号を、MIDI音源ボード51から出力させる。MIDI音源ボード51から出力される音源信号は、音声制御回路52へ出力されるとともに、アンプ16により増幅可能な音楽信号に変換され、この変換された音楽信号は、音声出力端子41からアンプ16へ出力される。また、マイクロフォン17,18から入力された音声信号は、アンプ16に内蔵されたミキシング回路9において上記音楽信号とミキシングされる。このとき、エレキギター4のフォンプラグ4aから出力された演奏信号は、楽器接続ボード8及び出力端子87、及び制御装置20を介してミキシング回路9に入力され、上記音声信号及び音楽信号とミキシングされる。そして、そのミキシングされたミキシング信号は、アンプ16に内蔵された図示しない増幅回路により増幅された後にスピーカ11及びスピーカ12へ出力され、両スピーカによって再生される。ステップS180が終了すると、ステップS185に移る。
【0109】
ステップS185では、CPU45は、曲データ100の再生が終了したか(言い換えれば、ステップS155でのMIDIデータの読み出しが曲データ100の最後のMIDIデータまで終了したか)否かを判定する。曲データ100の再生が終了するまでは判定が満たされず(ステップS185:NO)、上記ステップS155に戻り、同様の手順を繰り返す。曲データ100の再生が終了すると判定が満たされ(ステップS185:YES)、ステップS190に移る。
【0110】
ステップS190では、CPU45は、利用者により予約された全予約曲の再生が終了したしたか否かを判定する。全予約曲の再生が終了するまでは判定が満たされず(ステップS190:NO)、上記ステップS130に戻り、同様の手順を繰り返す。全予約曲の再生が終了した場合は判定が満たされ(ステップS190:YES)、その後、このフローを終了する。
【0111】
以上において、上記ステップS180の手順が、各請求項記載のカラオケ楽曲再生手段として機能する。
【0112】
<チューニング処理>
次に、上記ステップS200のチューニング処理について図14により説明する。上述したように、このチューニング処理は、CPU45が上記内部チューナー93を制御することによって行われる。図14において、まず、ステップS210において、CPU45は、ギター楽器(この例ではエレキギター4)の弦の番号を表す変数KをK=1に初期化する。その後、ステップS215に移る。
【0113】
ステップS215では、CPU45は、モニタ14,15に制御信号を出力して、モニタ14,15に「チューニングしますか?」等の案内表示を表示させる。その後、ステップS220に移る。
【0114】
ステップS220では、CPU45は、例えばリモコン60の適宜のボタンとうにより利用者によりチューニングする旨の選択操作が行われたか否かを判定する。利用者が上記ステップS215でのモニタ14,15の案内表示を見て、エレキギター4のチューニングを意図し(特にカポタスト92を装着する場合は音程が狂いやすくチューニングが頻繁に必要となる場合がある)、上記選択操作を行った場合はステップS220の判定が満たされ(ステップS220:YES)、ステップS225に移る。利用者が上記選択操作をしなかった場合は判定が満たされず(ステップS220:NO)、このフローを終了する。
【0115】
ステップS225では、CPU45は、モニタ14,15に制御信号を出力し、「K弦を弾いてください」の表示が行われる。ちなみに最初は上記ステップS210の処理により、K=1であり「1弦を弾いてください」の表示が行われる(以下、Kの他の値についても同様)。ステップS225が終了すると、ステップS230に移る。
【0116】
利用者が、ステップS225でのモニタ14,15の表示を見て、カポタスト92を取り外した後にエレキギター4のK弦(例えば1弦)を弾くことで、これに対応する上記演奏信号がCPU45を介し内部チューナー93に入力される。ステップS230では、CPU45は、内部チューナー93から出力される調音結果に基づき、上記内部チューナー93に入力された演奏信号の音程がK弦演奏音の基準音(例えばA=440Hz等。予め内部チューナー93内に固定的に設定されている)より高い音程へずれている(いわゆるシャープ側へずれている)か否かを判定する。K弦の演奏信号がシャープ側へずれている場合は判定が満たされ(ステップS230:YES)、ステップS235に移る。K弦の演奏信号がシャープ側へずれていない場合は判定が満たされず(ステップS230:NO)、後述のステップS240に移る。
【0117】
ステップS235では、CPU45は、モニタ14,15に制御信号を出力して、K弦の開放弦の調律状態が高い方向へずれている旨の表示(例えば記号「♯」によるシャープ表示)を行う。その後、上記ステップS225に戻り、同様の手順を繰り返す。
【0118】
一方、ステップS240では、CPU45は、内部チューナー93から出力される調音結果に基づき、上記内部チューナー93に入力された演奏信号の音程がK弦演奏音の基準音より低い音程へずれている(いわゆるフラット側へずれている)か否かを判定する。K弦の演奏信号がフラット側へずれている場合は判定が満たされ(ステップS240:YES)、ステップS245に移る。K弦の演奏信号がフラット側へずれていない場合は判定が満たされず(ステップS240:NO)、後述のステップS250に移る。
【0119】
ステップS245では、CPU45は、モニタ14,15に制御信号を出力して、K弦の開放弦の調律状態が低い方向へずれている旨の表示(例えば記号「♭」のフラット表示)を行う。その後、上記ステップS225に戻り、同様の手順を繰り返す。
【0120】
ステップS250では、CPU45は、上記ステップS230及びステップS240の判定が満足されなかったこと(すなわち、K弦の開放弦の調律状態にずれが生じていないこと)に対応して、モニタ14,15に制御信号を出力し、調律完了(音程のずれがない)旨の調律OK表示を行う。その後、ステップS255に移る。
【0121】
ステップS255では、CPU45は、Kに1を加えた後、ステップS260に移る。
【0122】
ステップS260では、CPU45は、Kが、当該ギター楽器の弦数の最大値(この例では6)に達したか否かを判定する。Kが6に達していない場合(K<6)は判定が満たされず(ステップS250:NO)、上記ステップS225に戻って同様の手順を繰り返す。Kが6に達した場合(K=6)は判定が満たされ(ステップS260:YES)、ステップS265に移る。
【0123】
ステップS265では、CPU45は、モニタ14,15に制御信号を出力し、エレキギター4の全ての弦のチューニングが終了した旨の「チューニング完了しました」の表示を行う。その後、上記図13のステップS135に移る。
【0124】
なお、以上は、内部チューナー93は、チューニング実行時において、カポタスト92が外された状態でのギターの各開放弦の演奏信号と、予め定められたK弦(K=1〜6等)の基準音との対比を行ったが、これに限られない。すなわち、ネック90にカポタスト92が装着されたままの状態で、内部チューナー93が上記対比を行ってもよい。この場合、操作者が適宜の操作によって内部チューナー93に対しカポタスト92の位置を操作入力することで、内部チューナー93は、上記基準音に対して上記カポタスト92の位置に応じてシフトした修正基準音と上記演奏信号との対比を行えばよい。あるいは、内部チューナー93が各音程(例えばC,C#,D,D#,E,F,F#,G,G#,A,A#,Bの12音程、あるいは、それらの中から部分的に抜粋したものでもよい)の絶対音程信号をそれぞれ記憶しており、上記カポタスト92を装着した状態の演奏信号が、それら絶対音程信号のうちいずれか近いもの1つに近づき一致するように、上記「シャープ」「フラット」の表示を行ってもよい。この場合、上記のような操作者によるカポタスト92の位置を操作入力を行わなくても、ギターのチューニングを行うことができる。
【0125】
以上説明したように、本実施形態のカラオケ装置10においては、利用者のカラオケ楽曲の予約が受け付けられると、その予約に対応して、ギター楽器演奏パート(この例ではエレキギター演奏パート)を含むカラオケ楽曲データが再生される。そのとき、カラオケ楽曲データに対し、予め当該ギター楽器演奏パートのカポタスト位置データが対応付けられており、当該カラオケ楽曲データの再生時にはモニタ14,15によって当該カポタスト位置データが表示される。
【0126】
そして、本実施形態では、上記のようにギター演奏パートを含むカラオケ楽曲の予約曲が複数となった場合(前述のように予約曲数の積み増しで合計で複数曲になった場合を含む)には、利用者の労力負担を低減できるように、複数のカラオケ楽曲データの再生順序を、図11のフローのステップS10〜ステップS105の各手順の処理によって決定する(前述のように、一度決定された再生順序の再配列を含む)。すなわち、隣接する順番の2つのカラオケ楽曲データの互いのカポタスト位置データが、同一となる(上記差分が0となる)か、若しくは、上記差分が最小化されるように、順序を決定する(図11のステップS35、ステップS40、ステップS55、ステップS60、ステップS80、ステップS85、ステップS90参照)。これにより、それら複数のカラオケ楽曲は、1曲が終了して次の曲へ移るときのカポタスト92の位置変更がないか若しくは移動距離が最小となるような順番に配列されることとなる。例えば前述の図12(a)〜(h)の例では、隣接する順番の曲どうしのカポタスト位置の上記差分の値は、図12(h)の一部を除き、「0」(カポタスト92の位置の変更無し)又は「1」(カポタスト92の位置はフレット1つずらすだけで足りる)、となっている。このようにして、本実施形態では、複数のカラオケ楽曲再生時の曲間で利用者により行われるカポタスト92の装着位置の変更作業の労力負担を低減することができ、利用者の利便性を向上することができる。
【0127】
また、本実施形態では特に、現在再生中又は再生準備中の曲の順番はそのままにしておき、それ以降の複数のカラオケ楽曲データの予約について、上述のように互いにカポタスト位置が同一であるカラオケ楽曲データを連続して再生するようにしたり、隣接する順番のカラオケ楽曲データどうしの上記差分がなるべく小さい値となるように、再生順序を決定する。これにより、少なくとも、同一の特定のカポタスト位置となる複数のカラオケ楽曲は連続で再生される。これにより、それら複数のカラオケ楽曲が連続再生される間は、上記カポタスト92の装着位置変更作業が不要となり、確実に利用者の利便性を向上することができる。
【0128】
なお、上記実施形態のように、現在再生中又は再生準備中の曲の順番はそのままにしつつ、それ以降の複数のカラオケ楽曲データの再生順序を決定するとき、現在再生中又は再生準備中の曲の次の順序で再生されるカラオケ楽曲データについては、現在再生中又は再生準備中の曲のカポタスト位置を加味して、当該カポタスト位置からの上記差分がなるべく少なくなるように、再生順序の決定を行うようにしてもよい。すなわち、複数のカラオケ楽曲の予約を受け付けたときに既に再生中のカラオケ楽曲データがあった場合には、当該再生中のカラオケ楽曲データと上記受け付けられた複数のカラオケ楽曲それぞれに対応する複数のカラオケ楽曲データとを合わせたカラオケ楽曲データ群において隣接する順番の2つのカラオケ楽曲データにおける互いの前記カポタスト位置データの差分を0とする又は最小化するように、複数のカラオケ楽曲データの再生順序が、決定される。その場合は、上記図11のステップS10及びステップS15において、現在再生中又は現在再生準備中の曲を含めてキー情報の取り込み及びカポタスト位置算出を行った後、現在再生中又は現在再生準備中の曲の順序を強制的に1番目に設定し、2番目以降の再生順序について、残りの複数の予約曲についてステップS20〜ステップS105と同等の手順を用いて順序決定を行えば足りる。
【0129】
これにより、カラオケ楽曲データの再生順序を決定する際、予約された複数のカラオケ楽曲それぞれのカポタスト位置のみならず、現在再生されているカラオケ楽曲に対応した現在のカポタスト位置も加味して、上記カポタスト92の装着位置の変更作業における労力負担低減を図ることができる。この結果が、さらに確実に利用者の利便性を向上することができる。
【0130】
なお、以上において、図3等の各図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0131】
また、図11、図13、図14に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0132】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0133】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0134】
4 エレキギター(ギター楽器)
10 カラオケ装置
13,14 モニタ(表示手段)
20 制御装置
45 CPU
80 カポタストテーブル
90 ネック
92 カポタスト
100 楽曲データ
110 MIDIデータ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者によるカラオケ楽曲の予約を受け付け可能な予約受付手段と、
前記カラオケ楽曲に対応して用意され、ギター楽器演奏パートを含む複数の楽器演奏パートから構成されるとともに前記ギター楽器演奏パートのカポタスト位置データが対応付けられたカラオケ楽曲データを、再生可能なカラオケ楽曲再生手段と、
前記カラオケ楽曲再生手段での前記カラオケ楽曲データの再生に応じて、当該カラオケ楽曲データに対応する前記カポタスト位置データを表示する、表示手段と、
前記予約受付手段が複数の前記カラオケ楽曲の予約を受け付けた場合に、それら複数のカラオケ楽曲それぞれに対応する複数の前記カラオケ楽曲データの前記カラオケ楽曲再生手段における再生順序を、隣接する順番の2つの前記カラオケ楽曲データにおける互いの前記カポタスト位置データの差分を0とする又は最小化するように決定する、再生順序決定手段と、
を有することを特徴とするカラオケ装置。
【請求項2】
請求項1記載のカラオケ装置において、
前記再生順序決定手段は、複数の前記カラオケ楽曲の予約のうち、最初に演奏されるべき予約楽曲データと、それ以降の予約楽曲データと、を比較し、
互いに前記カポタスト位置データが同一である複数のカラオケ楽曲データを連続して再生するように、それ以降の予約楽曲データに対して、前記カラオケ楽曲再生手段における再生順序を決定する
ことを特徴とするカラオケ装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のカラオケ装置において、
前記再生順序決定手段は、
前記予約受付手段が前記複数のカラオケ楽曲の予約を受け付けたときに前記カラオケ楽曲再生手段により既に再生中の前記カラオケ楽曲データがあった場合には、当該再生中のカラオケ楽曲データと前記受け付けられた前記複数のカラオケ楽曲それぞれに対応する前記複数のカラオケ楽曲データとを合わせたカラオケ楽曲データ群において隣接する順番の2つのカラオケ楽曲データにおける互いの前記カポタスト位置データの差分を0とする又は最小化するように、前記複数のカラオケ楽曲データの再生順序を、決定する
ことを特徴とするカラオケ装置。
【請求項1】
利用者によるカラオケ楽曲の予約を受け付け可能な予約受付手段と、
前記カラオケ楽曲に対応して用意され、ギター楽器演奏パートを含む複数の楽器演奏パートから構成されるとともに前記ギター楽器演奏パートのカポタスト位置データが対応付けられたカラオケ楽曲データを、再生可能なカラオケ楽曲再生手段と、
前記カラオケ楽曲再生手段での前記カラオケ楽曲データの再生に応じて、当該カラオケ楽曲データに対応する前記カポタスト位置データを表示する、表示手段と、
前記予約受付手段が複数の前記カラオケ楽曲の予約を受け付けた場合に、それら複数のカラオケ楽曲それぞれに対応する複数の前記カラオケ楽曲データの前記カラオケ楽曲再生手段における再生順序を、隣接する順番の2つの前記カラオケ楽曲データにおける互いの前記カポタスト位置データの差分を0とする又は最小化するように決定する、再生順序決定手段と、
を有することを特徴とするカラオケ装置。
【請求項2】
請求項1記載のカラオケ装置において、
前記再生順序決定手段は、複数の前記カラオケ楽曲の予約のうち、最初に演奏されるべき予約楽曲データと、それ以降の予約楽曲データと、を比較し、
互いに前記カポタスト位置データが同一である複数のカラオケ楽曲データを連続して再生するように、それ以降の予約楽曲データに対して、前記カラオケ楽曲再生手段における再生順序を決定する
ことを特徴とするカラオケ装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のカラオケ装置において、
前記再生順序決定手段は、
前記予約受付手段が前記複数のカラオケ楽曲の予約を受け付けたときに前記カラオケ楽曲再生手段により既に再生中の前記カラオケ楽曲データがあった場合には、当該再生中のカラオケ楽曲データと前記受け付けられた前記複数のカラオケ楽曲それぞれに対応する前記複数のカラオケ楽曲データとを合わせたカラオケ楽曲データ群において隣接する順番の2つのカラオケ楽曲データにおける互いの前記カポタスト位置データの差分を0とする又は最小化するように、前記複数のカラオケ楽曲データの再生順序を、決定する
ことを特徴とするカラオケ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−76822(P2013−76822A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216296(P2011−216296)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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