説明

カラー画像形成装置

【課題】記録媒体の搬送を妨げずに前記検知手段による記録媒体上のパッチ読み取り精度を向上させること。
【解決手段】1つ以上の露光装置と1つ以上の電子写真プロセスユニットを用いてトナー画像形成を行い、記録媒体上へトナー画像を転写後、記録媒体上トナー画像に定着器を用いて所望の熱と圧力を与えることにより記録媒体へトナー画像を定着するカラー画像形成装置であって、記録媒体定着後の記録媒体搬送路に、記録媒体上に形成されたパッチ列の濃度又は色度を検知する手段と、前記検知手段の一部に配置された記録媒体との接触面と、記録媒体搬送時に、該記録媒体を前記接触面に対して付勢する付勢手段を有しており、且つ、前記接触面と前記付勢手段の間で記録媒体を挟持する力を複数段階可変にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光体に形成された潜像をトナーにより現像し、記録媒体にトナー転写、定着して記録を行う電子写真方式のカラー画像形成装置に関するものである。特に、複写機、プリンタ等の機能を有する画像記録装置やそれらの機能を兼ね備える複合機、ワークステーション等の出力機器として用いられるカラー画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
感光体の周囲に帯電装置、現像装置を配置した複数の電子写真プロセスユニットを装置内に並置させ、各プロセスユニット内の感光体表面にレーザ、LED光等を用いた露光装置により光学像を結像させることで感光体表面に潜像を形成し、その潜像を現像装置によりトナーを用いて可視化した後、中間転写ベルトに順次トナー転写した後、記録媒体に一括して定着し、カラー画像を形成する画像形成装置は、近年実用化されている。
【0003】
又、カラープリンタ、カラー複写機等の電子写真方式を採用したカラー画像形成装置には出力画像の更なる高画質化が求められている。
【0004】
ところが、カラー画像形成装置は、環境の変化や長時間の使用による装置各部の変動があると、得られる画像の色が変動する場合がある。特に、電子写真方式のカラー画像形成装置の場合、僅かな環境変動でも色の変動が生じ、カラーバランスを崩す恐れがあるので、色及び色の階調性を安定して再現するための手段を有している。例えば、各色のトナーに対して、絶対湿度に応じた数種類の露光量や現像バイアスなどのプロセス条件、ルックアップテーブル(LUT)等の階調補正手段を持ち、温湿度センサによって測定された絶対湿度に基づいて、そのときのプロセス条件や階調補正の最適値を選択している。
【0005】
又、装置各部の変動が起こっても一定の色及び色の階調性が得られるように、各色のトナー単色で濃度検知用トナーパッチを中間転写体や感光体等の上に形成し、その未定着単色トナーパッチの濃度を未定着トナー用濃度検知センサ(以下、濃度センサとする)で検知し、その検知結果より露光量、現像バイアス等のプロセス条件やLUT等の階調補正手段にフィードバックを掛けて濃度制御を行うことで、安定した色及び色の階調性を得るように構成している。
【0006】
但し、前記濃度センサを用いた濃度制御はパッチを中間転写体や感光ドラム等の上に形成し検知するもので、その後に行われる記録媒体への転写及び定着による画像のカラーバランスの変化については制御していない。記録媒体へのトナー像の転写における転写効率や、定着による加熱及び加圧によってもカラーバランスが変化する。この変化には、前記濃度センサを用いた濃度制御では対応できない。
【0007】
そこで、記録媒体上にシアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の単色の階調パッチや、C,M,Y混色のパッチを形成し、定着後に記録媒体上のパッチの濃度又は色度を検知するセンサ(以下、カラーセンサと言う)を設置したカラー画像形成装置が考案されている。
【0008】
従来のカラーセンサによる計測においては、カラーセンサによる計測部において記録媒体のバタツキを抑えるために搬送ガイドを施したものがある。この搬送ガイドにより記録媒体のバタツキが抑制され、センサと記録媒体との距離変動や、バタツキによる記録媒体の傾きの変動による、センサ読み取り誤差を抑えている8特許文献1参照)。
【0009】
これらのカラー画像形成装置では、検知した結果を画像形成部の露光量やプロセス条件、濃度−階調特性を補正するためのキャリブレーションテーブル等へフィードバックすることで、記録媒体上に形成した最終出力画像の濃度又は色度制御を行うことができる。カラー画像形成装置の出力画像を外部の画像読取装置又は濃度計・色度計で検知し、同様の制御を行うことも可能であるものの、本方式はカラー画像形成装置内で制御が完結する点で優れている。
【0010】
【特許文献1】特開平11−316476号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1(特開平11−316476号公報)で説明されている例では、センサ計測部における記録媒体の搬送ガイドを固定し、対を成す搬送ガイドの隙間に記録媒体を搬送してバタツキを抑制していたために、記録媒体によってはバタツキ抑制が不十分になる可能性があること、搬送ガイドの隙間の分バタツキを生じる余地があることからセンシング精度に影響を与えていた。
【0012】
又、記録媒体へトナー定着後の記録媒体搬送路において、前記検知手段の一部に配置された記録媒体との接触面と、該記録媒体を前記接触面に対して付勢する付勢手段の間で、記録媒体を挟持してバタツキを抑制するために必要な力は、記録媒体の厚みが薄い場合は小さく、記録媒体の厚みが厚い場合は大きいことが確認されている。
【0013】
しかしながら、記録媒体を挟持する力は大き過ぎると記録媒体の搬送を妨げてしまい、記録媒体の厚みが薄いほど、搬送を妨げずに挟持できる力の大きさは小さいことも確認されている。そのため、記録媒体のバタツキを抑制するために強い挟持力を与えると、厚みの薄い記録媒体は搬送を妨げられてしまう。よって、記録媒体の搬送を妨げずにセンシングを高精度に行うためには記録媒体の種類や厚みに応じた対策を行うことが考えられる。そのため、記録媒体のバタツキを抑制するために強い挟持力を与えると、厚みの薄い記録媒体は搬送を妨げられてしまう。よって、記録媒体の搬送を妨げずにセンシングを高精度に行うためには記録媒体の種類や厚みに応じた対策を行うことが考えられる(図12参照)。
【0014】
本発明は、記録媒体定着後の記録媒体搬送路における記録媒体搬送時に、前記検知手段の一部に配置された記録媒体との接触面と、該記録媒体を前記接触面に対して付勢する付勢手段を有し、且つ、前記接触面と前記付勢手段の間で記録媒体を挟持する力を複数段階可変にすることにより、記録媒体の搬送を妨げずに前記検知手段による記録媒体上のパッチ読み取り精度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、1つ以上の露光装置と1つ以上の電子写真プロセスユニットを用いてトナー画像形成を行い、記録媒体上へトナー画像を転写後、記録媒体上トナー画像に定着器を用いて所望の熱と圧力を与えることにより記録媒体へトナー画像を定着するカラー画像形成装置であって、記録媒体定着後の記録媒体搬送路に、記録媒体上に形成されたパッチ列の濃度又は色度を検知する手段と、前記検知手段の一部に配置された記録媒体との接触面と、記録媒体搬送時に、該記録媒体を前記接触面に対して付勢する付勢手段を有しており、且つ、前記接触面と前記付勢手段の間で記録媒体を挟持する力を複数段階可変にしたことを特徴とする。
【0016】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記検知手段の一部に配置された記録媒体との接触面は、前記接触面の上流と下流に配置された記録媒体搬送ローラの間で、湾曲した記録媒体搬送路内に配置されていることを特徴とする。
【0017】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記付勢手段は、搬送時の記録媒体と接触する平面を有し、且つ、前記平面が搬送時の記録媒体と略平行に形成されていることを特徴とする。
【0018】
請求項4記載の発明は、請求項1又は3記載の発明において、前記付勢手段において、前記記録媒体との接触部が、記録媒体の搬送方向と略平行に形成されたリブ形状であることを特徴とする。
【0019】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記付勢手段として回転可能に支持されたローラの外周面を用い、前記検知手段の一部に配置された記録媒体との接触面と前記ローラの外周面の間で、記録媒体を挟持する力を付与するように構成されたことを特徴とする。
【0020】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記付勢手段として回転駆動可能に支持されたローラの外周面を用い、前記検知手段の一部に配置された記録媒体との接触面と前記ローラの外周面の間で、記録媒体を挟持する力を付与するように構成されたことを特徴とする。
【0021】
請求項7記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記接触面と前記付勢手段の間で記録媒体を挟持する力を可変にする機構は、前記接触面側は固定され、前記付勢手段側が可動とすることで記録媒体を挟持することを特徴とする。
【0022】
請求項8記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記接触面と前記付勢手段の間で記録媒体を挟持する力を可変にする機構は、前記付勢手段側は固定され、前記接触面側が可動とすることで記録媒体を挟持することを特徴とする。
【0023】
請求項9記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記接触面と前記付勢手段の間で記録媒体を挟持する力を可変にする機構は、前記接触面側と前記付勢手段側の双方が可動とすることで記録媒体を挟持することを特徴とする。
【0024】
請求項10記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記接触面と前記付勢手段の間で記録媒体を挟持する力を可変にする機構は、画像形成装置内に設置された駆動装置から伝達される動力により、前記接触面と前記付勢手段の間で記録媒体を挟持する力を可変にすることを特徴とする。
【0025】
請求項11記載の発明は、請求項1〜10の何れかに記載の発明において、前記接触面と前記付勢手段の間で記録媒体を挟持する力の設定を複数段階用意されており、ユーザーが記録媒体を挟持する力の大きさを指示可能な構成としたことを特徴とする。
【0026】
請求項12記載の発明は、請求項1〜10の何れかに記載の発明において、記録媒体搬送路に記録媒体の種類を検知する検知手段を有し、前記接触面と前記付勢手段の間で記録媒体を挟持する力の変更を、前記記録媒体の種類を検知する手段による情報に基づいて画像形成装置内で自動設定することを特徴とする。
【0027】
請求項13記載の発明は、請求項1〜10の何れかに記載の発明において、記録媒体搬送路に記録媒体の種類を検知する検知手段を有し、前記接触面と前記付勢手段の間で記録媒体を挟持する力の変更を、前記記録媒体の種類を検知する手段による情報に基づいてユーザーが選択可能としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
請求項1記載の発明によれば、前記接触面と前記付勢手段の間で記録媒体を挟持する力を複数段階可変にすることにより、記録媒体の搬送を妨げずに前記検知手段による記録媒体上のパッチ読み取り精度を向上させることが可能となる。
【0029】
請求項2記載の発明によれば、前記検知手段や前記検知手段の一部に配置された記録媒体との接触面を、記録媒体搬送路が湾曲した所にも配置可能とすることで、画像形成装置の小型化が可能となる。
【0030】
請求項3記載の発明によれば、搬送時の記録媒体と略平行に形成された、前記検知手段の一部に配置された記録媒体の接触面と、平面を有する付勢手段とで、記録媒体を挟持することにより、前記検知手段による記録媒体上のパッチ読み取り精度を向上させることが可能となる。
【0031】
請求項4記載の発明によれば、前記付勢手段と記録媒体の接触面積を減少させることにより、記録媒体の搬送を妨げずに前記検知手段による記録媒体上のパッチ読み取り精度を向上させることが可能となる。
【0032】
請求項5記載の発明によれば、前記付勢手段と記録媒体の接触面積を減少させることにより、記録媒体の搬送を妨げずに前記検知手段による記録媒体上のパッチ読み取り精度を向上させることが可能となる。
【0033】
請求項6記載の発明によれば、前記付勢手段と記録媒体の接触面積を減少させることにより、記録媒体の搬送を妨げずに前記検知手段による記録媒体上のパッチ読み取り精度を向上させること、回転駆動可能に支持されたローラによりにより記録媒体の搬送能力を補うことが可能となる。
【0034】
請求項7記載の発明によれば、前記付勢手段の間で記録媒体を挟持する力を可変にする機構において、前記接触面側は固定され、前記付勢手段側が可動とすることで、前記接触面と前記付勢手段の双方を可動とするより、記録媒体を挟持する部分のズレを低減することが可能となる。
【0035】
請求項8記載の発明によれば、前記付勢手段の間で記録媒体を挟持する力を可変にする機構において、前記付勢手段側は固定され、前記接触面側が可動とすることで、前記接触面と前記付勢手段の双方を可動とするより、記録媒体を挟持する部分のズレを低減することが可能となる。
【0036】
請求項9記載の発明によれば、前記付勢手段の間で記録媒体を挟持する力を可変にする機構において、前記接触面側と前記付勢手段側の双方が可動とすることで、記録媒体を挟時する必要の無いときは記録媒体と接触しない位置にまで双方の機構を退避して、記録媒体による前記接触面や前記付勢手段への削れや汚れを低減することが可能となる。
【0037】
請求項10記載の発明によれば、前記接触面と前記付勢手段の間で記録媒体を挟持する力の設定の変更を行う際に、ユーザーが画像形成装置の分解や部品交換等の作業を行う手間を省くことが可能となる。
【0038】
請求項11記載の発明によれば、前記接触面と前記付勢手段の間で記録媒体を挟持する力の設定の変更を行う際に、使用する環境や記録媒体に応じて、複数段階設定可能な付勢力の中からユーザーが任意に選択することにより、前記検知手段による記録媒体上のパッチ読み取り精度を向上させることが可能となる。
【0039】
請求項12記載の発明によれば、前記接触面と前記付勢手段の間で記録媒体を挟持する力の設定の変更を行う際に、前記接触面と前記付勢手段の間で記録媒体を挟持する力の設定をユーザーが行う手間を省き、ユーザビリティの向上を図ることが可能となる。
【0040】
請求項13記載の発明によれば、前記接触面と前記付勢手段の間で記録媒体を挟持する力の設定の変更を行う際に、前記接触面と前記付勢手段の間で記録媒体を挟持する力の設定を自動設定で行いたくない場合に、ユーザーが設定を行うことを可能にすることでユーザビリティの向上を図ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
<実施の形態1>
以下、本発明を画像記録装置に適用した実施の形態について図1〜図3、図11及び13を用いて具体的に説明する。
【0042】
初めに従来におけるカラー画像形成装置の構成を示す断面図を図11に示し、それを用いて具体的な動作機能を説明する。
【0043】
これらのプリンタの動作として、通常プリントモード、テストモードがある。
【0044】
先ず、通常プリントモードの動作について説明する。
【0045】
図示した画像形成装置は4ドラムフルカラー方式のカラー画像形成装置であり、50Y,50M,50C,50Kは感光ドラムであり、これらはそれぞれイエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの各色の現像剤(トナー)を備えた各画像形成ステーションに設けられている。
【0046】
各感光ドラム50Y,50M,50C,50Kの表面には、それぞれに対応したレーザスキャナ装置51Y,51M,51C,51kから、図示しない画像データ入力部からの画像データに基づいて発せられたレーザ光により露光され潜像が形成され、更にそれぞれイエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの各色の現像材によって現像されトナー像が形成される。
【0047】
52は中間転写ベルトで、各感光ドラム50Y,50M,50C,50Kで形成された各色毎のトナー像が一次転写される。給紙カセット53には記録媒体であるシートPが積載されており、給紙ローラ54により給紙され、フィード・リタードローラ対55、搬送ローラ対56,57により搬送され、駆動停止しているレジストローラ対59に搬送される。
【0048】
又、マルチ給紙部40からの給紙が指定された場合は、マルチ給紙トレー41に記録媒体であるシートPが積載されており、マルチ給紙ローラ42により給紙され、搬送ローラ対57により搬送され、駆動停止しているレジストローラ対59に搬送される。
【0049】
上記シートPは、レジストローラ対59により斜行が補正された後、所定のタイミングで二次転写部60へ搬送されて中間転写ベルト52上のトナー像が転写され、次いで二次転写装置60の二次転写ローラ60aと中間転写ベルト52により定着器61に搬送されてトナー像の定着が行われる。
【0050】
画像形成面を下にして排紙するFD排紙が指定された場合、フラッパ67を図示しない制御手段及び駆動手段により動かすことにより、
前記定着器61を通過したシートPは、フラッパ67の上側を通過し、排紙ローラ対62に搬送され搬送路69に搬送される。搬送路69に搬送されたシートPは、排紙ローラ対68,63によって搬送され排紙トレー64上に画像形成面を下にして排出積載される。
又、画像形成面を上にして排紙するFU排紙が指定された場合、フラッパ67を図示しない制御手段及び駆動手段により動かすことにより、
前記定着器61を通過したシートPは、フラッパ67の下側を通過し、排紙ローラ対65によって搬送され排紙トレー66上に画像形成面を上にして排出積載される。
【0051】
次に、テストモードの動作について説明する。
【0052】
プリンタ上の図示しない操作パネル又はプリンタに接続されたパーソナルコンピュータ等でテストモードが指定されたとき、或は図示しない制御部が環境の変化、装置各部の変動等の検知結果により自動的にテストモードを行う場合、図示しない信号発生回路からテストパターン(パッチ)信号を発生し、テストパターン(パッチ)信号データに基づいて発せられたレーザ光により各感光ドラムの表面が露光され潜像が形成される。
【0053】
以下、通常プリントモードの動作と同じプロセスにて中間転写ベルト52上にテストパターンが形成された後、2次転写ローラ60a部にて別途搬送されたシートP上にテストパターントナー像が転写された後、更に定着器へ搬送されてテストパターントナー像が記録シートP上に定着される。
【0054】
図13中にシートP上に形成されたパッチパターン81a,81b,81c…及びカラーセンサ等の設置状態を示す。カラーセンサS1はシートP上の表面となるP1側に形成されたパッチ81をパッチ81aから順次検知し、検知した結果を図示しない画像形成部へフィードバックし、記録媒体上に形成するトナー画像の色度制御を行う。このとき、カラーセンサS1の両側にはローラ対Rが設置され、その対向部に対向ローラCRを設置し、記録紙Pを狭持搬送することにより、カラーパッチ測定時記録紙の搬送する。
【0055】
その後、排紙ローラ対で搬送された記録紙Pは、排紙ローラ対によって搬送され、排紙トレー上にパッチ形成面を下にして排出積載される。
【0056】
図1にカラーセンサS1を含む記録紙搬送ユニット100を示す。これは従来例図11における定着後の記録紙搬送経路69内における記録紙搬送部であり、記録紙は図1中上矢印方向に複数のガイドリブ及び図示されていない複数の対向ガイドリブによって形成される空間内を、排紙ローラ対62,68によって狭持搬送される。
【0057】
図2にカラーセンサS1ユニット部を含む要部拡大図を示す。
【0058】
図2において、カラーセンサS1を支持し記録紙搬送ユニット部に固定されたフォルダー101、カラーセンサS1に対向する対向ローラ102、カラーセンサS1に対向して記録紙を狭持する付勢板103、該付勢板103を揺動動作させる回動軸106、回動軸を動かすモータ108、カラーセンサS1の横に光学中心に対して線対称に設置されたコロ110の構成を示す。
【0059】
図3に図2で示した図を真横から見た図を示す。
【0060】
このとき、本体駆動列より常時回転駆動される対向ローラ102にコロ110は当接回転している。対向ローラ102は、軸部材に対して中央部及び端部以外を所謂ウレタン製の粘弾性部材で被覆している。
【0061】
又、カラーセンサS1表面と付勢板103との間を下から上向き矢印方向に記録紙が搬送される。又、付勢板103は、付勢手段として搬送時の記録媒体と接触する平面を有し、且つ、前記平面が搬送時の記録媒体と略平行に形成されている構成とする。
【0062】
図2に示す通り、カラーセンサS1を擁するフォルダー101が固定され、カラーセンサS1表面と付勢板103が当接した際の付勢板103からカラーセンサS1表面への付勢力を、モータ108による回動軸106の回転量によって制御可能としたものである。そのため、複数の付勢力の設定をプログラム上で用意しておき、ユーザーが付勢力を選択することにより、記録紙に応じた付勢力の設定変更を行い、記録紙の搬送を妨げずにカラーセンサS1による記録紙上のパッチ読み取り精度を向上させることが可能となる。
【0063】
<実施の形態2>
実施の形態1では、定着後の搬送経路が所謂重力方向に対して平行である縦方向の経路において説明しているが、前記検知手段の一部に配置された記録媒体との接触面は、前記接触面の上流と下流に配置された記録媒体搬送ローラの間で、湾曲した記録媒体搬送路内に配置されていることを特徴とする構成であっても良い。
【0064】
図4にカラーセンサS1を含む記録紙搬送ユニット100を示す。
【0065】
図4に示すように、これは従来例の図11における定着後の記録紙搬送経路69内における記録紙搬送部が、前記接触面の上流ローラ対62と下流ローラ対68の間の区間において屈折している場合を示している。図5に図4で示した図を真横から見た図を示す。
【0066】
記録紙は、図5中上矢印方向に複数のガイドリブおよび図示されていない複数の対向ガイドリブによって形成される空間内を、排紙ローラ対62及び68によって狭持搬送される構成とする。そのため、前記検知手段や前記検知手段の一部に配置された記録紙との接触面を、記録紙搬送路が直線状でない所にも配置することで、画像形成装置内の空間を有効活用でき、装置の小型化が可能となる。
【0067】
<実施のの形態3>
実施の形態1では、付勢手段として搬送時の記録媒体と接触する平面を有し、且つ、前記平面が搬送時の記録媒体と略平行に形成されていることを特徴とする付勢板を用いたが、付勢板が記録媒体の搬送方向と略平行に形成されたリブ形状であることを特徴とする付勢板であっても良い。
【0068】
図6にリブ形状を有する付勢板を示す。
【0069】
図6に示すように、付勢板105が記録紙の搬送方向に略平行に形成されたリブ形状109を有する構成とすることで、付勢板と記録紙の接触面積を減らすことにより、付勢板による記録紙の搬送を妨げる抵抗力を軽減することができ、同一の記録紙においてリブ形状を有さない付勢板時よりも、より強い付勢力の設定が可能となる。よって、記録紙の搬送を妨げるために、バタツキを抑制してセンシング精度を満たす強い付勢力の設定が困難であった記録紙にも対応可能となる。
【0070】
<実施の形態4>
実施の形態1では、付勢手段として搬送時の記録媒体と接触する平面を有し、且つ、前記平面が搬送時の記録媒体と略平行に形成されていることを特徴とする付勢板を用いたが、付勢手段として回転可能に支持されたローラを配置し、前記検知手段の一部に配置された記録媒体との接触面と前記ローラの外周面の間で記録媒体を挟持する力を付与するような構成であっても良い。
【0071】
図7にカラーセンサS1ユニット部を含む要部拡大図を示す。
【0072】
図7において、カラーセンサS1を支持し記録紙搬送ユニット部の一部に懸架揺動するフォルダー101、カラーセンサS1に対向して記録紙を挟持する対向ローラ102、カラーセンサS1をフォルダー101ごと動作させるカム軸104、該カム軸104を回動させるモータ108の構成を示す。図8に図7を横から見た図を示す。
【0073】
図8において、フォルダー101を対向ローラ102側に押し出すカム107、該カム107とフォルダー101の間に設置するバネ111の構成を示す。
【0074】
図8に示すように、カム107を設置したカム軸104をモータ108により回転させることによって、カラーセンサS1を含めたフォルダー101ごと押し出されることにより、カラーセンサS1の一部に配置された記録紙との接触面と対向ローラ102との間で記録紙を挟持し、カム107の位相により記録紙を挟持する力の設定変更を行うことが可能となる。そのため、前記付勢手段が回転可能であることより、付勢板使用時よりも記録紙の搬送を妨げる抵抗力を軽減することが可能となる。よって、付勢板使用時よりも記録紙の搬送を妨げずに、カラーセンサS1による記録紙上のパッチ読み取り精度を向上させることが可能となる。
【0075】
<実施の形態5>
実施の形態4では、付勢手段として回転可能に支持されたローラを配置し、前記検知手段の一部に配置された記録媒体との接触面と前記ローラの外周面の間で、記録媒体を挟持する力を付与するような構成であったが、付勢手段として回転駆動可能に支持されたローラを配置された構成であっても良い。
【0076】
図7にカラーセンサS1ユニット部を含む要部拡大図を示す。
【0077】
図7において、カラーセンサS1に対向して記録紙を挟持しながら駆動する対向ローラ102の構成を示す。図8に図7を横から見た図を示す。
【0078】
図8に示すように、カム107を設置したカム軸104をモータ108により回転させることによって、カラーセンサS1を含めたフォルダー101ごと押し出されることにより、カラーセンサS1の一部に配置された記録紙との接触面と対向ローラ102との間で記録紙を挟持し、カム107の位相により記録紙を挟持する力の設定変更を行うことが可能となる。そのため、前記付勢手段が回転駆動可能であることより、付勢板使用時よりも記録紙の搬送を妨げる抵抗力を軽減することが可能となる。よって、回転可能に支持されたローラ使用時よりも記録紙の搬送を妨げずに、カラーセンサS1による記録紙上のパッチ読み取り精度を向上させることが可能となる。
【0079】
<実施の形態6>
実施の形態1では、前記接触面と前記付勢手段の間で記録媒体を挟持する力を可変にする機構は、前記接触面側は固定され、前記付勢手段側が可動とすることで記録媒体を挟持することを特徴とする構成であったが、前記接触面側と前記付勢手段側の双方が可動とすることで記録媒体を挟持することを特徴とする構成であっても良い。
【0080】
図9にカラーセンサS1ユニット部を含む要部拡大図を示す。図10に図9で示した図を真横から見た図を示す。
【0081】
図10において、カム107を設置したカム軸104、フォルダー101を付勢板103側に押し出すカム107の構成を示す。
【0082】
図10に示すように、カム107を設置したカム軸104を回転させることによって、カラーセンサS1を含めたフォルダー101ごと押し出され、モータ108による回動軸106の回転により付勢板103もカラーセンサS1表面へ付勢を行うことにより、記録紙を挟持する。その際に、付勢板103からカラーセンサS1表面への付勢力を、モータ108による回動軸106の回転量によって制御可能とする。
【0083】
そのため、カラーセンサS1を使用するときは複数の付勢力の設定をプログラム上で用意しておき、ユーザーが付勢力を選択することにより、記録紙に応じた付勢力の設定変更を行い、記録紙の搬送を妨げずにカラーセンサS1による記録紙上のパッチ読み取り精度を向上させることが可能となる。
【0084】
又、カラーセンサS1を使用しないときは記録紙と接触しない位置にまでカラーセンサS1表面と付勢板103を退避して、カラーセンサS1表面や付勢板103への、記録紙による削れや汚れを低減することが可能となる。
【0085】
<実施の形態7>
実施の形態1では、複数の記録媒体を挟持する力の設定をプログラム上で用意しておき、ユーザーが前記検知手段の一部に配置された記録媒体との接触面と前記付勢手段の間で記録媒体を挟持する力を選択することにより設定変更を行っているが、記録媒体搬送路に記録媒体の種類を検知する検知手段を有し、記録媒体を挟持する力の変更を、前記記録媒体の種類を検知する手段による情報に基づいて画像形成装置内で自動設定可能としたことを特徴とする構成であっても良い)特開2001−335185号公報参照)。
【0086】
本実施の形態での記録媒体を挟持する力の設定を変更するアルゴリズムの例を図14に示すフローチャートに従って説明する。
【0087】
先ず、記録媒体の種類を検知する検知手段により厚紙か薄紙かを判別し、記録媒体の種類に応じた画像形成を行う。次に、色味検知を行うか否かを判別し、行う場合は既に取得している記録媒体の種類についての情報に基づいて前記検知手段の一部に配置された記録媒体との接触面と前記付勢手段の間で記録媒体を挟持する力を、厚紙のときは強く設定し、薄紙のときは弱く設定して色味検知を行う構成とする。そのため、前記接触面と前記付勢手段の間で記録媒体を挟持する力の設定の際に、前記接触面と前記付勢手段の間で記録媒体を挟持する力の設定をユーザーが行う手間を省き、ユーザビリティの向上を図ることが可能となる。
【0088】
<実施の形態8>
実施の形態7においては、記録媒体搬送路に記録媒体の種類を検知する検知手段を有し、記録媒体を挟持する力の変更を、前記記録媒体の種類を検知する手段による情報に基づいて画像形成装置内で自動設定可能としているが、前記記録媒体の種類を検知する手段による情報に基づいてユーザーが選択可能としたことを特徴とする構成であっても良い。
【0089】
本実施の形態での、記録媒体を挟持する力の設定を変更するアルゴリズムの例を図14に従って説明する。
【0090】
図14における色味検知後の厚紙か薄紙かを判断する段階において、画像形成装置が自動で判断するだけでなく、ユーザーが判断して記録媒体を挟持する力を選択可能とすることで、ユーザーの要望に幅広く応えることが可能となる。よって、自動設定にしておいた記録媒体を挟持する力について微調整を行いたいといった場合にも対応可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の実施の形態1に係る記録紙搬送ユニットの斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るカラーセンサユニット要部の斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係るカラーセンサユニットの側面図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係る記録紙搬送ユニットの斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係る記録紙搬送ユニットの側面図である。
【図6】本発明の実施の形態3に係るリブ付き付勢板の説明図である。
【図7】本発明の実施の形態4,5に係るカラーセンサユニット要部の斜視図である。
【図8】本発明の実施の形態4,5に係るカラーセンサユニットの側面図である。
【図9】本発明の実施の形態6に係るカラーセンサユニット要部の斜視図である。
【図10】本発明の実施の形態6に係るカラーセンサユニットの側面図である。
【図11】従来のカラー画像形成装置の断面図である。
【図12】従来の記録媒体の厚みと圧力の関係図である。
【図13】従来のカラーセンサ周辺要部及び色パッチを示す図である。
【図14】本発明の実施の形態7,8に係る記録媒体を挟持する力の選択・決定フローチャートである。
【符号の説明】
【0092】
P 記録媒体
50 感光ドラム
51 レーザスキャナ装置
52 中間転写ベルト
53 給紙カセット
54 給紙ローラ
55 フィード・リタードローラ
56,57,70 搬送ローラ対
59 レジストローラ対
60 2次転写部
60a 2次転写ローラ
61 定着器
62,63,65,68 排紙ローラ対
64,66 排紙トレー
67 フラッパ
69 搬送路
81 濃度パッチ
S1 カラーセンサ
R カラーセンサーコロ対
CR 対向ローラ
100 搬送ユニット
101 センサーフォルダー
102 対向ローラ
103 付勢板
104 カム軸
105 リブ付き付勢板
106 回動軸
107 カム
108 モータ
109 リブ
110 コロ
111 バネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の露光装置と1つ以上の電子写真プロセスユニットを用いてトナー画像形成を行い、記録媒体上へトナー画像を転写後、記録媒体上トナー画像に定着器を用いて所望の熱と圧力を与えることにより記録媒体へトナー画像を定着する画像形成装置であって、記録媒体定着後の記録媒体搬送路に、記録媒体上に形成されたパッチ列の濃度又は色度を検知する手段と、前記検知手段の一部に配置された記録媒体との接触面と、記録媒体搬送時に、該記録媒体を前記接触面に対して付勢する付勢手段を有しており、且つ、前記接触面と前記付勢手段の間で記録媒体を挟持する力を複数段階可変にしたことを特徴とするカラー画像形成装置。
【請求項2】
前記検知手段の一部に配置された記録媒体との接触面は、前記接触面の上流と下流に配置された記録媒体搬送ローラの間で、湾曲した記録媒体搬送路内に配置されていることを特徴とする請求項1記載のカラー画像形成装置。
【請求項3】
前記付勢手段は、搬送時の記録媒体と接触する平面を有し、且つ、前記平面が搬送時の記録媒体と略平行に形成されていることを特徴とする請求項1記載のカラー画像形成装置。
【請求項4】
前記付勢手段において、前記記録媒体との接触部が、記録媒体の搬送方向と略平行に形成されたリブ形状であることを特徴とする請求項1又は3記載のカラー画像形成装置。
【請求項5】
前記付勢手段として回転可能に支持されたローラの外周面を用い、前記検知手段の一部に配置された記録媒体との接触面と前記ローラの外周面の間で、記録媒体を挟持する力を付与するように構成されたことを特徴とする請求項1記載のカラー画像形成装置。
【請求項6】
前記付勢手段として回転駆動可能に支持されたローラの外周面を用い、前記検知手段の一部に配置された記録媒体との接触面と前記ローラの外周面の間で、記録媒体を挟持する力を付与するように構成されたことを特徴とする請求項5記載のカラー画像形成装置。
【請求項7】
前記接触面と前記付勢手段の間で記録媒体を挟持する力を可変にする機構は、前記接触面側は固定され、前記付勢手段側が可動とすることで記録媒体を挟持することを特徴とする請求項1記載のカラー画像形成装置。
【請求項8】
前記接触面と前記付勢手段の間で記録媒体を挟持する力を可変にする機構は、前記付勢手段側は固定され、前記接触面側が可動とすることで記録媒体を挟持することを特徴とする請求項1記載のカラー画像形成装置。
【請求項9】
前記接触面と前記付勢手段の間で記録媒体を挟持する力を可変にする機構は、前記接触面側と前記付勢手段側の双方が可動とすることで記録媒体を挟持することを特徴とする請求項1記載のカラー画像形成装置。
【請求項10】
前記接触面と前記付勢手段の間で記録媒体を挟持する力を可変にする機構は、画像形成装置内に設置された駆動装置から伝達される動力により、前記接触面と前記付勢手段の間で記録媒体を挟持する力を可変にすることを特徴とする請求項1記載のカラー画像形成装置。
【請求項11】
前記接触面と前記付勢手段の間で記録媒体を挟持する力の設定を複数段階用意されており、ユーザーが記録媒体を挟持する力の大きさを指示可能な構成としたことを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載のカラー画像形成装置。
【請求項12】
記録媒体搬送路に記録媒体の種類を検知する検知手段を有し、前記接触面と前記付勢手段の間で記録媒体を挟持する力の変更を、前記記録媒体の種類を検知する手段による情報に基づいて画像形成装置内で自動設定することを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載のカラー画像形成装置。
【請求項13】
記録媒体搬送路に記録媒体の種類を検知する検知手段を有し、前記接触面と前記付勢手段の間で記録媒体を挟持する力の変更を、前記記録媒体の種類を検知する手段による情報に基づいてユーザーが選択可能としたことを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載のカラー画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−143420(P2006−143420A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−337212(P2004−337212)
【出願日】平成16年11月22日(2004.11.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】