カード用コネクタ
【課題】サイズ及び肉厚などが異なるカードを安心して簡単に装着できるカード用コネクタを提供する。
【解決手段】カード用コネクタ1は、カード収容穴内にカード13又は15が装着可能な電気絶縁体からなるコネクタハウジング2と、該コネクタハウジング2の前記カード収容穴内に配設されたコンタクト端子5、6と、前記コネクタハウジング2の前記カード収容穴の開放部を覆う開閉カバー3と、を備え、前記開閉カバー3は前記カード13又は15が装着される前方に前記カードの装着状態を検知する検知部材を備え、前記開閉カバー3の後方を回動自在に枢着し、前記カード収容穴内にカードを装着して前記開閉カバー3を閉じ、前記開閉カバー3の検知部材を前記カード13又は15の後端部に位置させて前記カード13又は15の装着状態を検知する。
【解決手段】カード用コネクタ1は、カード収容穴内にカード13又は15が装着可能な電気絶縁体からなるコネクタハウジング2と、該コネクタハウジング2の前記カード収容穴内に配設されたコンタクト端子5、6と、前記コネクタハウジング2の前記カード収容穴の開放部を覆う開閉カバー3と、を備え、前記開閉カバー3は前記カード13又は15が装着される前方に前記カードの装着状態を検知する検知部材を備え、前記開閉カバー3の後方を回動自在に枢着し、前記カード収容穴内にカードを装着して前記開閉カバー3を閉じ、前記開閉カバー3の検知部材を前記カード13又は15の後端部に位置させて前記カード13又は15の装着状態を検知する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパーソナルコンピュータや携帯型端末などの各種電子機器に取付けられて使用されるカード用コネクタに係り、詳しくは、外形サイズ及び肉厚が異なるメモリカード等の小型カードの差し込みが可能なカード用コネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
カード用コネクタは、例えば、パーソナルコンピュータや携帯型端末などの各種電子機器に取付けて、CPU或いはメモリ用ICなどを内蔵したカード、例えば、マイクロMMC(Multi Media Card)カード或いはマイクロSD(Super Density)カードなどの小型カードを差込んでこれら機器の機能を拡張するのに使用されている。
【0003】
この種のカード用コネクタの代表的なものの1つは、例えば、下記特許文献1に開示されている。このカード用コネクタは、前方にカード差込口及び内部にカード収容穴を有するコネクタハウジングと、このカード収容穴の奥部に装着された複数本のコンタクト端子とを備え、差込口からサイズ及び肉厚が異なる2種類のカードを差込むことができる構成となっている。また、このハウジングには、カード検知スイッチが設けられて、それぞれのカードの装着状態が検知できるようになっている。
【0004】
また、他の代表的なカード用コネクタは、下記特許文献2に開示されている。このコネクタは、前方及び上方が開放されたカード収容穴を設けたコネクタハウジングと、この収容穴の奥部に装着された複数本のコンタクト端子と、コネクタハウジングの上方開放部口を覆う蓋体とを備え、前方の開放部からサイズなどが異なる2種類のカードを差込むことができる構成となっている。
【特許文献1】特開2003−197296号公報
【特許文献2】米国特許第6,642,614号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらのコネクタによれば、コネクタハウジングの前方に差込口が形成されて、この差込口からサイズ及び肉厚が異なる2種類のカードを差込み、カードのコンタクトをコネクタのコンタクト端子に電気的に接続させることができる。
【0006】
しかしながら、これらのカード用コネクタは、いずれも組み立てられると差込口からカード収容穴の内部構造、例えば収容穴の形状及びコンタクト端子の配列状態などを検視することができなくなる。このため、ユーザーは、差込口にカードを差込む際に、カードに印刷された説明書き或いはマニュアルなどを確認し、それらの指示に従って差込口へ差込んでいる。ところが、このような確認作業は、面倒で煩わしく、ときどきこのような確認作業を行うことなくカードを差し込んで、この差し込みの途中でその挿入がストップされたときに差込口から抜き出して、方向或いは表裏を逆にして再度差込みを試みることが行われている。この差込みでも適正な接続がなされないときは、更にカードの前後を変更するなどした差込み作業が続行されている。このような接続作業は、面倒で煩わしいものとなり、しかもこのような不適切な差込みが強行されるとコネクタ或いはカードのいずれかが損傷或いは破損等してしまうことがある。この点、上記特許文献1に開示されたコネクタは、カードの装着状態を検知する検知スイッチが設けられているので、適正な装着状態を検知することができる。しかしながら、このような適正な装着がなされるまでは、上記の試行錯誤による接続作業が行われるので上記課題は解消されない。また、上記特許文献2に開示されたカード用コネクタは、上方の開口を蓋体で覆うようになっているのでカード収容穴の形成が容易になる。しかしながら、この蓋体はコネクタハウジングに接着剤などで接合されるので、組み立てられた状態では、同じ課題を有していることになる。
【0007】
また、これらのカード用コネクタは、異なる肉厚のカードに適用される共用コネクタとなっているので、この肉厚の差によって、それぞれのカードのコンタクトとコネクタのコンタクト端子までの距離が異なってしまう。このため、肉厚の厚いカードに合わせてコンタクト端子の弾性力を調整すると、肉厚が薄いカードのときにはコンタクト端子に所要の弾性力を与えることができなくなり、逆に、薄いカードに合わせてコンタクト端子の弾性力を調整すると、厚いカードのときに、コンタクト端子が過度に変位して応力限界を超えてしまいコンタクト端子が塑性変形してしまうことがある。
【0008】
また、肉厚だけでなくそのサイズ、すなわち外形の大きさが異なると、カード収容穴は、大型サイズ及び肉厚の厚いカードに合わせた大きさに形成される。そうすると、大型カードに適合するカード収容穴に小型サイズ及び薄肉厚のカードが収容されると、カード収容穴内では、両カードのサイズ及び肉厚の差分に相当する隙間が発生する。このため、小型サイズ及び薄肉厚のカードは、カード収容穴内で不安定な状態で収容されることになり、コネクタに何らかの衝撃などが加わると簡単に移動してしまい、その結果、カードとコネクタ間で接触不良を起し故障の原因となることがある。
【0009】
そこで、本発明は、このような従来技術が抱える課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、カード装着の際にカードが収容される収容穴内を検視できるようにして、サイズ及び肉厚などが異なるカードを安心して簡単に装着でき、しかもカードの誤装着をなくすることができるカード用コネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明のカード用コネクタは、対向する一対の第1、第2フレーム及び該第1、第2フレームの一端部を繋いだ第3フレームで三方が囲まれ、前方及び上方が開放された有底のカード収容穴が形成され、該カード収容穴内にカードが装着可能な電気絶縁体からなるコネクタハウジングと、
該コネクタハウジングの前記カード収容穴内に配設されたコンタクト端子と、
前記コネクタハウジングの前記カード収容穴の開放部を覆う開閉カバーと、を備え、
前記開閉カバーは前記カードが装着される前方に前記カードの装着状態を検知する検知部材を備え、前記開閉カバーの後方を前記第1、第2フレームに回動自在に枢着し、前記カード収容穴内にカードを装着して前記開閉カバーを閉じ、前記開閉カバーの検知部材を前記カードの後端部に位置させて前記カードの装着状態を検知することを特徴とする。
【0011】
また、上記発明において、前記カード収容穴は、サイズ及び肉厚が異なるカードを収容できる形状に形成されており、前記カード収容穴内には前記カードのコンタクトと接触される前記コンタクト端子が装着されていることを特徴とする。
【0012】
また、上記発明において、前記カード収容穴は、サイズ及び肉厚が異なる2種類の第1、第2カードを収容できる形状に形成されており、前記コンタクト端子は、前記カード収容穴内に設けられた前記第1、第2カードのそれぞれの接点と接触される第1、第2コンタクト端子からなることを特徴とする。
【0013】
また、上記発明において、前記第1コンタクト端子は、前記コネクタハウジングの前記第3フレームに固定され、前記第2コンタクト端子は前記コネクタハウジングの底部に固定されていることを特徴とする。
【0014】
また、上記発明において、前記開閉カバーは、前記第1、第2フレームの外方側壁面を覆う一対の第1、第2側板と、これらの側板の上端を繋いで前記カード収容穴の上方の開放部を覆う天井板と、前記カード収容穴の前方の開放部を覆う前方蓋板と、を有する金属板で形成されており、前記前方蓋板が前記検知部材になっていることを特徴とする。
【0015】
また、上記発明において、前記コネクタハウジングは、前記第1、第2フレームのいずれか一方に前記カードの装着状態を検知する第1スイッチ手段及び前記開閉カバーの開閉状態を検知する第2スイッチ手段が設けられていることを特徴とする。
【0016】
また、上記発明において、前記第1スイッチ手段は、固定接点を有する第1固定コンタクト端子と、前記固定接点に接離される可動接点及びカードの装着により前記可動接点を前記固定接点から切離する作動部を有する第1可動コンタクト端子と、からなり、前記第2スイッチ手段は、固定接点を有する第2固定コンタクト端子と、前記固定接点に接離される可動接点及び前記開閉カバーの開閉操作に連動して前記可動接点を前記固定接点から切離する作動突起を有する第2可動コンタクト端子とで構成されていることを特徴とする。
【0017】
また、上記発明において、前記第2可動コンタクト端子の前記作動突起は、前記開閉カバーの閉成操作に連動して前記第2スイッチ手段を一連のOFF−ON−OFF動作させて、最後のOFF状態で前記作動突起が前記フレームに設けた係止穴に係止されて前記開閉カバーが閉成状態にロックされることを特徴とする。
【0018】
また、上記発明において、前記第3フレームには、前記第2カードに比して長尺な前記第1カードの先端部が挿入される開口部が形成されて、前記第1カードが装着されたときに該第1カードの先端部が前記開口部に挿入されて位置決め固定されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明は上記構成を備えることにより以下に示すような優れた効果を奏する。すなわち、本発明によれば、カード用コネクタは、カードを装着するときに開閉カバーが開成されるので、この開成状態においてカード収容穴の内部を検視することが可能になる。したがって、カード装着時に、装着するカードの形状及び接点の位置とカード収容穴の形状及びコンタクト端子の配列との照合が可能になり、この照合後に、カードを装着することにより、カードを誤装着することなく安心して簡単に装着できる。また、このカード装着の際に、装着されるカードが正規の位置まで差込まれていないと、検知部材がカードの後端部に衝突してカバーの閉成ができなくなるので、コネクタとカードとの不完全接続を無くすことができる。
【0020】
また、本発明の好ましい態様によれば、カード収容穴は、サイズ及び肉厚が異なるカードを収容できる形状に形成すると共に、このカード収容穴内にカードのコンタクトと接触するコンタクト端子を装着することにより、カード用コネクタをサイズ及び肉厚の異なる複数種類のカードの共用コネクタとして使用することができる。
【0021】
また、本発明の好ましい態様によれば、このコネクタを、サイズ及び肉厚が異なる2種類のカード、例えば、マイクロSDカード及びマイクロMMCカード用として使用することが可能になる。
【0022】
また、本発明の好ましい態様によれば、開閉カバーは、第1、第2フレームの外方側壁面を覆う一対の第1、第2側板と、これらの側板の上端を繋いでカード収容穴の上方の開放部を覆う天井板と、カード収容穴の前方の開放部を覆う前方蓋板とを有する金属板で形成されて、この前方蓋板が検知部材となっているので、開閉カバーは、所定大きさの金属板を打ち抜き板金加工により簡単に作製できる。また、前方蓋板が検知部材になって開閉カバーの閉成時にカード収容穴の前方開放部が覆われるので、収容穴内への塵などの侵入が阻止されて安定した接続状態を維持できる。更に、この開閉カバーは、金属板で形成されているので、コネクタハウジングに取付けられるとコネクタを電磁遮蔽することができる。
【0023】
また、本発明の好ましい態様によれば、第1スイッチ手段により、カードが正規の状態に装着されているか否かを簡単に検知でき、また、第2スイッチ手段により、開閉カバーの開閉状態を検知できるので、カードの不完全装着及び開閉カバーの不完全閉成を未然に防止することができる。
【0024】
また、本発明の好ましい態様によれば、第2スイッチ手段により、開閉カバーの開閉状態を検知できるとともに、開閉カバーをロックすることができる。
【0025】
また、本発明の好ましい態様によれば、第1カードの装着時に、この第1カードの先端部が第3フレームに形成された開口部に挿入されて位置決め固定される。したがって、ガイド部材による位置決めと併せてこの開口部への挿入によって第1カードが位置決めされるので、カード収容穴内で正確に位置決め固定される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の最良の実施形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するためのカード用コネクタを例示するものであって、本発明をこのカード用コネクタに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものも等しく適応し得るものである。
【実施例1】
【0027】
図1に示すように、カード用コネクタ(以下、コネクタという)1は、サイズ及び肉厚が僅かに異なる2種類の第1カード及び第2カード、例えば、マイクロSD(Super Density)カード13及びマイクロMMC(Multi Media Card)カード15に適用される。そこで、先ず、これらのカードの概要を説明する。
【0028】
マイクロSDカード13は、長手方向の長さL1、前後端部13a、13bの幅長W1、W2(W1<W2)及び肉厚t1を有する長方形の板状体からなり、内部にICチップが収容されて、外周囲が電気絶縁性の合成樹脂でモールドされた成型体で形成されている。このマイクロSDカード13の側方の一辺(第1の側辺)131に位置決め突起13c及び係止溝13eが設けられ、他の辺132は直線状になっている。また、このマイクロSDカード13の表面には、内部のICチップに接続された複数個のコンタクト13dが設けられている。
【0029】
マイクロMMCカード15もマイクロSDカード13とほぼ同じ形状を有し、長手方向の長さL2、前後端部15a、15bの幅長W3、W4(W3<W4)及び肉厚t2を有するモールド成型体からなり、このマイクロMMCカード15も、一辺(第1の側辺)151に位置決め突起15cが設けられ、他辺(第2の側辺)152が直線状をなし、表面に複数個のコンタクト15dが設けられている。なお、コンタクト13d、15dは図1に示す各カード13、15の裏側に設けられており、破線で示されている。これらのマイクロSD及びマイクロMMCカード13、15の幅長、長さ及び肉厚の関係は、W3>W1、L1>L2、t2>t1となっている。
【0030】
コネクタ1は、これらのマイクロSD及びマイクロMMCカード13、15が装着されるカード収容穴24を有するコネクタハウジング(以下、ハウジングという)2と、このハウジング2に収容されてそれぞれのカードのコンタクト13d、15dに電気的に接触される第1、第2コンタクト端子5、6と、ハウジング2の上面に装着される開閉カバー3及びシールドカバー4と、を有している。
【0031】
以下、これらのハウジング2、開閉カバー3、シールドカバー4、及び第1、第2コンタクト端子5、6の構成を説明する。
図3及び図4は、ハウジング2の構成の理解を容易にするために、ハウジング2を異なる角度から斜視して図示したもので、ハウジング2は、一対の対向する第1、第2フレーム21、22及びこれらの第1、第2フレーム21、22の端部を繋ぐ第3フレーム23で囲まれており、前方、上方及び下方の一途の三方が開放された浅底のカード収容穴24を有する電気絶縁性の合成樹脂成型体で形成されている。このハウジング2は、その表面が前方から後方に向けて途中で2つに区分されて、前方は開閉カバー3で覆われる開閉カバー装着部i及び後方はシールドカバー4が装着されるシールドカバー装着部iiとなっている。
【0032】
一対の第1、第2フレーム21、22は、マイクロMMCカード15の最も幅広の幅長W4より僅かに幅広の間隔を空けて設けられ、最も長いマイクロSDカード13の長さL1より僅かに長い長さを有し、所定太さの角型の柱状体で形成されている。すなわち、第1フレーム21は、図3B及び図4Aに示すように、表裏壁面21A、21B及び内外壁面21C、21Dを有する角柱体で形成されている。また、第2フレーム22も同様に、表裏壁面22A、22B及び内外壁面22C、22Dを有する角柱体で形成されている。更に、第3フレーム23も表裏壁面23A、23B及び内外壁面23C、23Dを有する所定太さの角柱体で形成されている。
【0033】
第1フレーム21は、第2フレーム22より若干太く、図3B及び図4Bに示すように、この第1フレーム21の前後方向の2箇所に第1、第2スイッチ装着部S1、S2が設けられている。第1スイッチ装着部S1には、マイクロSD及びマイクロMMCカード13、15の装着状態を検知するスイッチ部材が取付けられ、第2スイッチ装着部S2には開閉カバー3の開閉状態を検知するスイッチ部材が取付けられる。
【0034】
第1スイッチ装着部S1は、図3Bに示すように、第1フレーム21の表壁面21Aから裏壁面21Bへ向かって所定の深さに切り欠いた凹状窪211と、この凹状窪211に連通した2本の取付け溝212、213とからなり、これらは第3フレーム23の近傍に設けられている。凹状窪211の底部は、後述する奥底板25Aより所定の高さh高くした台座21Eとなっている。この台座21Eは後述する側底板25C'と同じ高さであり、この台座21Eと側底板25C'とにより肉厚のマイクロMMCカード15が平行に支持される。また、取付け溝212は、第1フレーム21の表壁面21A上に形成され、その溝幅は後述する可動コンタクト端子7が差込まれる幅長となっている。この第1フレーム21の裏壁面21Bには可動コンタクト端子7の取付けタブ7Eが挿入される挿通溝212'が形成されている(図4B参照)。また、取付け溝213は第1フレーム21の裏壁面21Bに形成され、その溝幅は後述する固定コンタクト端子8が差込まれる幅長となっている。
【0035】
また、第2スイッチ装着部S2は、図4に示すように、第1フレーム21の外壁面21Dから所定の深さ窪んだ凹状窪214と、この凹状窪214に連通した2本の取付け溝215、216とで形成されている。この第2スイッチ装着部S2には、開閉カバー3の開閉状態を検知するスイッチ部材が装着される。更に、この第1フレーム21の外壁面21Dは、その前方部が外側へ膨出し、後方の第3フレーム23の近傍部は段差を経て前方部より一段後退した平坦面21D'となっており、この平坦面21D'にシールドカバー4が係止される係止突起21Pが形成されている。
【0036】
第1フレーム21の内壁面21Cは、図3A及び図3Bに示すように、その前方部では内壁面21Cに対向する第2フレーム22の内壁面22Cとの間に所定の幅長WH4を有しているが、第1スイッチ装着部S1の近傍に傾斜面21C'が形成されることで、この傾斜面21C'より後方部(つまり奥部)がカード収容穴24側に突出し、以って奥部では第2フレーム22の内壁面22Cとの間が縮幅され、幅長WH3となっている。傾斜面21C'はマイクロSD及びマイクロMMCカード13、15が誤った状態で装着された際には、このマイクロSD及びマイクロMMCカード13、15の位置決め突起13c、15cが衝突して更なる押し込みをブロックし、誤装着を阻止するものである。反対に、マイクロSD及びマイクロMMCカード13、15が適正な状態で装着された際には、その押し込みをスムーズにするガイド面となるものである。第1フレーム21の裏壁面21Bには、その前方に取付けタブが装着される取付け溝21Tが形成されている。
【0037】
一方、第2フレーム22の外壁面22Dは、図3Bに示すように、その前方部が外側へ膨出し、後方の第3フレーム23の近傍部は段差を経て前方部より一段後退した平坦面22D'となっており、この平坦面にシールドカバー4が係止される係止突起22Pが形成されている。外壁面22Dの前方部には、取付けタブが装着される取付け溝22Tが形成されている。
【0038】
第3フレーム23は、図4Aに示すように、表壁面23A及び外壁面23Dに第1コンタクト端子5が装着される幅長の複数本の取付け溝231が略等間隔に形成されている。また、内壁面23Cには、幅狭のマイクロSDカード13の前端部13aが挿入される大きさの開口232が形成されている(図3B参照)。この開口232は、マイクロSDカード13の前端部13aが差し込まれる大きさ、すなわち、長手方向の幅長がマイクロSDカード13の幅長W1より若干長く、高さがこのマイクロSDカード13の肉厚t1より若干高く形成されて、この開口へマイクロSDカード13の前端部13aが差し込まれたときに、このマイクロSDカード13の位置決め固定がなされる。
【0039】
第1、第2フレーム21、22間は、図3及び図4Aに示すように、第3フレーム23から各第1、第2フレーム21、22の前方に向かって底板25で連結されている。すなわち、各第1、第2フレーム21、22の裏壁面21B、22Bが所定厚の底板25で連結されている。この底板25は、両フレーム21、22間を連結する奥底板25Aと、この奥底板25Aから各第1、第2フレーム21、22に沿って分割されて延出された側底板25B、25Cとで形成されている。一方の側底板25Cは、第2フレーム22側が所定の高さh高い側底板25C'になっている。また、奥底板25Aには、第2コンタクト端子6が取付けられる複数本の取付け溝251が略等間隔に形成されている。
【0040】
このように第1、第2フレーム21、22及び第3フレーム23で三方が囲まれることによりカード収容穴24が形成されるが、図3Aに示すように、第1、第2フレーム21、22の内壁面21C、22C間の間隔WH4及び内壁面22Cと傾斜面21C'との間隔WH3は、幅広のマイクロMMCカード15を挿入できるようにマイクロMMCカード15の幅長W4、W3より若干広く形成されている。また、前端部から開口232の奥部へ至る長さLH1は、マイクロSDカード13が差込めるようにマイクロSDカード13の長さL1とほぼ等しく形成されている。なお、前端部から第3フレーム23の内壁面23Cまでの長さLH2は、マイクロMMCカード15の長さL2とほぼ等しく形成されている。
【0041】
開閉カバー3は、図5に示すように、ハウジング2のカード収容穴24を覆うもので、カード収容穴24の上方開放部を覆う天井板31と、この天井板31の両側端から下方へ折曲されてハウジング2の各側壁面を覆う一対の側板32、33と、同様に天井板31の前方から下方へ折曲されてカード収容穴24の前方開放部を覆う前方蓋板34とを有し、金属板の打ち抜き折曲加工で形成されている。この前方蓋板34は、カードの不適切な装着状態を検知する検知部材となっている。両側板32、33と前方蓋板34との間には隙間341、341が形成されている。一対の側板32、33は、後方へ所定長さ延出されて、これらの延出部32A、33Aの端部には互いに対向する側板面に向けて突出した枢軸突起321、331が設けられている。これらの延出部32A、33Aは弾性を有し、ハウジング2への開閉カバー3の取付けの際は、ハウジング2の側壁面に取付けられたシールドカバー4の側板42、43に圧接挟持される。この開閉カバー3は、金属板材で形成されているので、ハウジング2に装着されたときにコネクタをシールドする電磁遮蔽部材となる。
【0042】
シールドカバー4は、図6に示すように、ハウジング2のシールドカバー装着部iiに取付けられるもので、この装着部分の上方を覆う細長な天井板41と、この天井板41の両端から下方へ折曲された一対の側板42、43とを有し、金属板の打ち抜き折曲加工により形成されている。天井板41には、複数本のスリット411が略等間隔に形成されている。この間隔は、ハウジング2に装着される第1コンタクト端子5と対応し、これらのスリット411の幅長は、第1コンタクト端子5とシールドカバー4とが非接触となるような間隔になっている。
【0043】
次に、側板42、43の構造について説明する。なお、この側板42、43は同じ形状を有しているので、一方の側板42の形状のみについて説明する。側板42には、ハウジング2の係止突起21Pに係止される係止穴421と、開閉カバー3の枢軸突起321が枢着される枢着穴422と、基板、例えばプリント配線基板へ取付けられる一対の取付けタブ42A、42Aとが設けられている。ちなみに他の側板43にも同様の係止穴、枢着穴及び取付けタブ(図示省略)が設けられている。これらの側板42、43は弾性を有し、ハウジング2への取付けの際は、ハウジング2の各外壁面21D'、22D'に圧接挟持される。また、このシールドカバー4を金属板材で形成することにより、ハウジング2に装着したときに、外部ノイズをシールドする電磁遮蔽部材となる。
【0044】
図7は第1、第2コンタクト端子5、6を示している。第1コンタクト端子5は、一端にマイクロMMCカード15のコンタクト15dと接触される接点5Aと、他端にリード線に半田接続される接続部5Bと、この接続部5Bの近傍に設けられたハウジング2への固定部5Cとを有し、所定の幅長、長さ及び肉厚を有する良導電性の弾性帯状金属片で形成されている。この第1コンタクト端子5は、ハウジング2の第3フレーム23に取付けられて、マイクロMMCカード15のコンタクト15dと電気的に接続される。第2コンタクト端子6は、一端にマイクロSDカード13のコンタクト13dと電気的に接続される接点6Aと、他端にリード線に半田接続される接続部6Bと、この接続部6Bの近傍に設けられたハウジング2への固定部6Cとを有し、所定の幅長、長さ及び肉厚を有する良導電性の弾性帯状金属片で形成されている。この第2コンタクト端子6は、ハウジング2の奥底板25Aに取付けられて、マイクロSDカード13のコンタクト13dと接続される。
【0045】
図8は第1スイッチ手段SW1を構成する第1スイッチ部材を示している。この第1スイッチ手段SW1は、可動接点を有する可動コンタクト端子7と、固定接点を有する固定コンタクト端子8とで構成されている。可動コンタクト端子7は、先端に設けた可動接点7Aと、この接点から若干離れた個所に設けられて各カード13、15の第1の側辺131、151に当接される突出湾曲部7Cと、これらの可動接点7A及び突出湾曲部7Cに弾性を付与する湾曲部7Dと、後端に設けたリード線と半田接続される接続部7Bと、この接続部7Bの近傍に設けてハウジング2へ固定される取付けタブ7Eとを有し、所定の幅長、長さ及び肉厚を有する良導電性の弾性帯状金属片で形成されている。突出湾曲部7Cは、第1スイッチ手段SW1の作動部となっている。固定コンタクト端子8は、先端に設けられた固定接点8Aと、後端に設けたリード線と半田接続される接続部8Bと、この接続部8Bの近傍に設けてハウジング2へ固定される取付けタブ8Cとを有し、所定の幅長、長さ及び肉厚を有する良導電性の弾性帯状金属片で形成されている。
【0046】
図9は第2スイッチ手段SW2を構成する第2スイッチ部材を示している。この第2スイッチ手段SW2は、可動接点を有する可動コンタクト端子9と、固定接点を有する固定コンタクト端子10で構成されている。可動コンタクト端子9は、先端に設けた係止突起9Aと、この係止突起9Aの近傍に設けた可動接点9Cと、リード線に半田接続される接続部9Bと、この接続部9B近傍に設けられてハウジング2へ固定される取付けタブ9Dとを有し、所定の幅長、長さ及び肉厚を有する良導電性の弾性帯状金属片で形成されている。係止突起9Aは、開閉カバー3の側板32の内面に当接してこの可動コンタクト端子9の可動接点9Cを固定コンタクト端子10の固定接点10Aに接触させると共に開閉カバー3をロックする働きをする。固定コンタクト端子10は、先端に設けられた固定接点10Aと、リード線に半田接続される接続部10Cと、この接続部10Cの近傍に設けられてハウジング2へ固定される取付けタブ10Bとを有し、所定の幅長、長さ及び肉厚を有する良導電性の弾性帯状金属片で形成されている。
【0047】
図10は一対の取付けタブを示している。これらの取付けタブは、左右の取付けタブ11L、11Rからなり、ハウジング2の底部に取付けてコネクタ1を基板、例えばプリント配線基板へ固定するものである。これらの取付けタブのうち、左取付けタブ11Lは、ハウジング2の装着穴へ挿入するハウジング固定部111と、このハウジング固定部111の一端から延出され、基板へ半田により固定される基板固定部112とを有し、略L字状をした金属片で形成されている。他方の右取付けタブ11Rも同じようにハウジング固定部111及び基板固定部112を有するもので、左右取付けタブ11L、11Rはハウジング固定部111に対する基板固定部112、112の延出方向が異なっている。
【0048】
次に、図1〜図12を参照して、これらの部品を使用したコネクタ1の組み立て手順を説明する。先ず、図3及び図4に示すハウジング2に図7に示す第1、第2コンタクト端子5、6を取付ける。第1コンタクト端子5の取付けは、その固定部5Cをハウジング2の第3フレーム23の取付け溝231内への圧入固定することにより行われる。この取付けにより、第1コンタクト端子5は、図12Bに示すように、その接点5Aがカード収容穴24内へ位置し、接続部5Bが第3フレーム23の後方へ突出した状態となる。第2コンタクト端子6は、奥底板25Aの取付け溝251に取付けられる。この第2コンタクト端子6の取付けは、その固定部6Cを奥底板25Aの背面から取付け溝251を通して上方へ向かうようにインサート成形することにより行われる。この取付けにより、第2コンタクト端子6は、図12Bに示すように、その接点6Aがカード収容穴24内へ位置し、接続部6Bが奥底板25Aの下面へ突出した状態となる。
【0049】
続いて、このハウジング2の第1、第2スイッチ装着部S1、S2に、図8及び図9に示す第1、第2スイッチ部材を取付ける。第1スイッチ装着部S1への第1スイッチ部材の取付けは、可動コンタクト端子7を一方の取付け溝212に、固定コンタクト端子8を他方の取付け溝213にそれぞれ差込んで固定する。同様に第2スイッチ装着部S2への第2スイッチ部材の取付けは、可動コンタクト端子9を取付け溝215に、固定コンタクト端子10を取付け溝216へそれぞれ差込んで固定する。第1、第2スイッチ装着部S1、S2に第1、第2スイッチ部材を取付けることにより、図2に示す第1、第2スイッチ手段SW1、SW2が形成される。すなわち、第1スイッチ手段SW1は、可動コンタクト端子7の可動接点7Aが固定コンタクト端子8の固定接点8Aに接触し、突出湾曲部7Cがカード収容穴24内へ突出した状態となる。また、第2スイッチSW2は、可動コンタクト端子9の可動接点9Cが固定コンタクト端子10の固定接点10Aから離れた、すなわち切離された状態で対峙し、係止突起9Aが外方へ突出した状態となる。
【0050】
次いで、図6に示すシールドカバー4をハウジング2の後方シールドカバー装着部iiに取付ける。このシールドカバー4の取付けは、対向する両側板42、43の間隔を両側板の弾性に抗して広げてハウジング2の側壁21D'、22D'に当接し、両側板42、43の係合穴421、431をハウジング2の係止突起21P、22Pに係合させて固定することにより行われる。その後、このシールドカバー4に図5に示す開閉カバー3を取付ける。この開閉カバー3の取付けは、開閉カバー3の両側板の延出部32A、33Aを両側板の弾性に抗して広げて、これらの延出部に設けた枢軸突起321、331をシールドカバー4の枢着穴422に嵌め込み回動自在に固定する。この開閉カバー3のハウジング2への取付けにより、図11に示すように、開閉カバー3は開閉が自在となり、この開閉カバー3の開成時にカード収容穴24の内部を検視することが可能になる。その後、ハウジング2底部の取付け溝21T、22Tに図10に示す左右取付けタブ11L、11Rを取付けて、コネクタ1の組み立てを完了する。組み立てたコネクタ1は、不図示のプリント配線基板などに取付けられて使用される。
【0051】
次に、図1、図2、図11及び図12を参照して、カード収容穴24へのマイクロSD及びマイクロMMCカード13、15の装着及び開閉カバー3の閉成プロセスを説明する。先ず、以下には一方のマイクロMMCカード15をカード収容穴24内へ装着する場合について説明する。
初めに、マイクロMMCカード15を装着する前に開閉カバー3を開成する。この開閉カバー3の開成により、カード収容穴24の内部が露出されてその内部が検視できる状態になる。そこで、装着するマイクロMMCカード15のコンタクト15d及び位置決め突起15cと、カード収容穴24内の第1コンタクト端子5の配列状態及び穴形状を対比照合する。この照合結果に基づき、図1に示したマイクロMMCカード15のコンタクト15dを上方に位置させる。なお、マイクロMMCカード15の表裏が逆になっているときは、コンタクト15dが上方へ向くように変更する。次いで、このマイクロMMCカード15の位置決め突起15Cを設けた第1の側辺151を第1フレーム21の内壁面21Cに当接させ、裏面をカード収容穴24の側底板25B'に当接させ、同時に第2の側辺152を第2フレーム22の側底板25C及び内壁面22Cに当接させて挿入する。この挿入過程において、マイクロMMCカード15の前端部15aが開口232へ接近すると、このマイクロMMCカード15は、台座21Eに乗り上げながら第1の側辺151が可動コンタクト端子7の突出湾曲部7Cに当接する。これにより可動コンタクト端子7の突出湾曲部7Cが外方へ押動されてこの可動コンタクト端子7の可動接点7Aが固定コンタクト端子8の固定接点8Aから切離され、第1スイッチ手段SW1がOFFされる。この第1スイッチ手段SW1のOFFにより、マイクロMMCカード15が装着されたことが電気的に検知できる(図2参照)。したがって、このカードの装着は、装着するマイクロMMCカード15のコンタクト15d及び位置決め突起15cと、カード収容穴24内の第1コンタクト端子5の配列状態及び穴形状を対比照合した後に挿入することが可能になり、誤装着することなく極めて簡単に装着することができる。
【0052】
マイクロMMCカード15をカード収容穴24へ差込んだ後に開閉カバー3を閉成する。この閉成操作時に、マイクロMMCカード15が適正な位置まで差込まれていないと、図11Aに示すように、マイクロMMCカード15の後端部15bがカード収容穴24の前方の開放口から外へ飛び出してしまう。その結果、この飛び出した部分に開閉カバー3の前方蓋板34が衝突して開閉カバー3の閉成ができなくなる。したがって、この開閉カバー3のマイクロMMCカード15への衝突により、マイクロMMCカード15が不完全装着であることが簡単に検知できる。その後、マイクロMMCカード15が正規の位置まで差込まれると、開閉カバー3の閉成が可能になり開閉カバー3を閉成する。この開閉カバー3の閉成により、前方蓋板34が前方の開口部を覆うので、塵などの異物の侵入を阻止することができる。
【0053】
この開閉カバー3の閉成操作に連動して、第2スイッチ手段SW2が一連のOFF−ON−OFF動作をする。すなわち、開閉カバー3の閉成前は、第2スイッチ手段SW2がOFF状態になっている(図11Bの(B1)参照)。この状態で開閉カバー3を閉成すると、閉成の最初の段階で開閉カバー3の側板32の内壁面が第2スイッチ手段SW2の係止突起9Aに当接して、この係止突起9Aが内方へ押し込まれ、第2スイッチ手段SW2がOFFからONへ切り換わる(図11Bの(B2)参照)。同時に開閉カバー3の側板32、33に設けられた係合穴322に係止突起9Aが入り込み、開閉カバー3が閉成状態にロックされる(図11Bの(B3)参照)。
【0054】
次に、マイクロSDカード13の装着を説明する。マイクロSDカード13をカード収容穴24内へ装着する前に開閉カバー3を開成する。この開閉カバー3の開成により、カード収容穴24の内部が露出されるので、マイクロSDカード13はマイクロMMCカード15の装着と略同じプロセスで装着される。すなわち、マイクロSDカード13は、位置決め突起13Cを設けた一辺(第1の側辺)131を第1フレーム21の内壁面21Cに、裏面をカード収容穴24の側底板25Bにそれぞれ当接させ、同時に第2の側辺132を第2フレーム22の側底板25C及び内壁面22Cに当接させて挿入する。この挿入により、マイクロSDカード13の前端部13aが開口232内へ入り込み位置決め固定される。
【0055】
同時に、マイクロSDカード13の第1の側辺131が可動コンタクト端子7の突出湾曲部7Cに当接して、外方へ移動させてこのコンタクト端子7の可動接点7Aを固定コンタクト端子8の固定接点8Aから切離して第1スイッチ手段SW1をOFFさせる。この第1スイッチ手段SW1のOFFにより、このマイクロSDカード13が装着されたことを電気的に検知できる。このマイクロSDカード13をカード収容穴24内へ挿入した後に開閉カバー3を閉成する。この閉成操作は、マイクロMMCカード15のときと同じプロセスで行われる。
【0056】
なお、この実施形態のカード用コネクタ1は、マイクロSDカード13及びマイクロMMCカード15に適用するものとして説明したが、これらのカードに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施の形態に係るカード用コネクタの使用形態を説明する概要図である。
【図2】図1のカード用コネクタのII−II線断面図である。
【図3】コネクタハウジングを示し、図3Aは平面図、図3Bは斜視図である。
【図4】コネクタハウジングを示し、図4Aは図3Bのハウジングを別の角度から見た斜視図、図4Bは背面図である。
【図5】開閉カバーの斜視図である。
【図6】シールドカバーの斜視図である。
【図7】一対のコンタクト端子を示し、図7Aは第1コンタクト端子の斜視図、図7Bは第2コンタクト端子の斜視図である。
【図8】第1スイッチ部材を示し、図8Aは可動コンタクト端子の斜視図、図8Bは固定コンタクト端子の斜視図である
【図9】第2スイッチ部材を示し、図9Aは可動コンタクト端子、図9Bは固定コンタクト端子の斜視図である。
【図10】取付けタブを示し、図10Aは左取付けタブの斜視図、図10Bは右取付けタブの斜視図である。
【図11】開閉カバーの閉成操作を説明するもので、図11Aは斜視図、図11Bは図11AのXIB部分の側面図である。
【図12】カード用コネクタへのカードの装着状態を説明する説明図であって、図12Aは斜視図、図12Bは図12AのXII−XII線の断面図、図12CはマイクロSDカードが装着された状態の図12AのXII−XII線の断面図、図12DはマイクロMMCカードが装着された図12AのXII−XII線の断面図である。
【符号の説明】
【0058】
1 カード用コネクタ(コネクタ)
2 コネクタハウジング(ハウジング)
3 開閉カバー
4 シールドカバー
5、6 コンタクト端子
7、9 可動コンタクト端子
8、10 固定コンタクト端子
13、15 カード
21〜23 フレーム
24 カード収容穴
【技術分野】
【0001】
本発明はパーソナルコンピュータや携帯型端末などの各種電子機器に取付けられて使用されるカード用コネクタに係り、詳しくは、外形サイズ及び肉厚が異なるメモリカード等の小型カードの差し込みが可能なカード用コネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
カード用コネクタは、例えば、パーソナルコンピュータや携帯型端末などの各種電子機器に取付けて、CPU或いはメモリ用ICなどを内蔵したカード、例えば、マイクロMMC(Multi Media Card)カード或いはマイクロSD(Super Density)カードなどの小型カードを差込んでこれら機器の機能を拡張するのに使用されている。
【0003】
この種のカード用コネクタの代表的なものの1つは、例えば、下記特許文献1に開示されている。このカード用コネクタは、前方にカード差込口及び内部にカード収容穴を有するコネクタハウジングと、このカード収容穴の奥部に装着された複数本のコンタクト端子とを備え、差込口からサイズ及び肉厚が異なる2種類のカードを差込むことができる構成となっている。また、このハウジングには、カード検知スイッチが設けられて、それぞれのカードの装着状態が検知できるようになっている。
【0004】
また、他の代表的なカード用コネクタは、下記特許文献2に開示されている。このコネクタは、前方及び上方が開放されたカード収容穴を設けたコネクタハウジングと、この収容穴の奥部に装着された複数本のコンタクト端子と、コネクタハウジングの上方開放部口を覆う蓋体とを備え、前方の開放部からサイズなどが異なる2種類のカードを差込むことができる構成となっている。
【特許文献1】特開2003−197296号公報
【特許文献2】米国特許第6,642,614号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらのコネクタによれば、コネクタハウジングの前方に差込口が形成されて、この差込口からサイズ及び肉厚が異なる2種類のカードを差込み、カードのコンタクトをコネクタのコンタクト端子に電気的に接続させることができる。
【0006】
しかしながら、これらのカード用コネクタは、いずれも組み立てられると差込口からカード収容穴の内部構造、例えば収容穴の形状及びコンタクト端子の配列状態などを検視することができなくなる。このため、ユーザーは、差込口にカードを差込む際に、カードに印刷された説明書き或いはマニュアルなどを確認し、それらの指示に従って差込口へ差込んでいる。ところが、このような確認作業は、面倒で煩わしく、ときどきこのような確認作業を行うことなくカードを差し込んで、この差し込みの途中でその挿入がストップされたときに差込口から抜き出して、方向或いは表裏を逆にして再度差込みを試みることが行われている。この差込みでも適正な接続がなされないときは、更にカードの前後を変更するなどした差込み作業が続行されている。このような接続作業は、面倒で煩わしいものとなり、しかもこのような不適切な差込みが強行されるとコネクタ或いはカードのいずれかが損傷或いは破損等してしまうことがある。この点、上記特許文献1に開示されたコネクタは、カードの装着状態を検知する検知スイッチが設けられているので、適正な装着状態を検知することができる。しかしながら、このような適正な装着がなされるまでは、上記の試行錯誤による接続作業が行われるので上記課題は解消されない。また、上記特許文献2に開示されたカード用コネクタは、上方の開口を蓋体で覆うようになっているのでカード収容穴の形成が容易になる。しかしながら、この蓋体はコネクタハウジングに接着剤などで接合されるので、組み立てられた状態では、同じ課題を有していることになる。
【0007】
また、これらのカード用コネクタは、異なる肉厚のカードに適用される共用コネクタとなっているので、この肉厚の差によって、それぞれのカードのコンタクトとコネクタのコンタクト端子までの距離が異なってしまう。このため、肉厚の厚いカードに合わせてコンタクト端子の弾性力を調整すると、肉厚が薄いカードのときにはコンタクト端子に所要の弾性力を与えることができなくなり、逆に、薄いカードに合わせてコンタクト端子の弾性力を調整すると、厚いカードのときに、コンタクト端子が過度に変位して応力限界を超えてしまいコンタクト端子が塑性変形してしまうことがある。
【0008】
また、肉厚だけでなくそのサイズ、すなわち外形の大きさが異なると、カード収容穴は、大型サイズ及び肉厚の厚いカードに合わせた大きさに形成される。そうすると、大型カードに適合するカード収容穴に小型サイズ及び薄肉厚のカードが収容されると、カード収容穴内では、両カードのサイズ及び肉厚の差分に相当する隙間が発生する。このため、小型サイズ及び薄肉厚のカードは、カード収容穴内で不安定な状態で収容されることになり、コネクタに何らかの衝撃などが加わると簡単に移動してしまい、その結果、カードとコネクタ間で接触不良を起し故障の原因となることがある。
【0009】
そこで、本発明は、このような従来技術が抱える課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、カード装着の際にカードが収容される収容穴内を検視できるようにして、サイズ及び肉厚などが異なるカードを安心して簡単に装着でき、しかもカードの誤装着をなくすることができるカード用コネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明のカード用コネクタは、対向する一対の第1、第2フレーム及び該第1、第2フレームの一端部を繋いだ第3フレームで三方が囲まれ、前方及び上方が開放された有底のカード収容穴が形成され、該カード収容穴内にカードが装着可能な電気絶縁体からなるコネクタハウジングと、
該コネクタハウジングの前記カード収容穴内に配設されたコンタクト端子と、
前記コネクタハウジングの前記カード収容穴の開放部を覆う開閉カバーと、を備え、
前記開閉カバーは前記カードが装着される前方に前記カードの装着状態を検知する検知部材を備え、前記開閉カバーの後方を前記第1、第2フレームに回動自在に枢着し、前記カード収容穴内にカードを装着して前記開閉カバーを閉じ、前記開閉カバーの検知部材を前記カードの後端部に位置させて前記カードの装着状態を検知することを特徴とする。
【0011】
また、上記発明において、前記カード収容穴は、サイズ及び肉厚が異なるカードを収容できる形状に形成されており、前記カード収容穴内には前記カードのコンタクトと接触される前記コンタクト端子が装着されていることを特徴とする。
【0012】
また、上記発明において、前記カード収容穴は、サイズ及び肉厚が異なる2種類の第1、第2カードを収容できる形状に形成されており、前記コンタクト端子は、前記カード収容穴内に設けられた前記第1、第2カードのそれぞれの接点と接触される第1、第2コンタクト端子からなることを特徴とする。
【0013】
また、上記発明において、前記第1コンタクト端子は、前記コネクタハウジングの前記第3フレームに固定され、前記第2コンタクト端子は前記コネクタハウジングの底部に固定されていることを特徴とする。
【0014】
また、上記発明において、前記開閉カバーは、前記第1、第2フレームの外方側壁面を覆う一対の第1、第2側板と、これらの側板の上端を繋いで前記カード収容穴の上方の開放部を覆う天井板と、前記カード収容穴の前方の開放部を覆う前方蓋板と、を有する金属板で形成されており、前記前方蓋板が前記検知部材になっていることを特徴とする。
【0015】
また、上記発明において、前記コネクタハウジングは、前記第1、第2フレームのいずれか一方に前記カードの装着状態を検知する第1スイッチ手段及び前記開閉カバーの開閉状態を検知する第2スイッチ手段が設けられていることを特徴とする。
【0016】
また、上記発明において、前記第1スイッチ手段は、固定接点を有する第1固定コンタクト端子と、前記固定接点に接離される可動接点及びカードの装着により前記可動接点を前記固定接点から切離する作動部を有する第1可動コンタクト端子と、からなり、前記第2スイッチ手段は、固定接点を有する第2固定コンタクト端子と、前記固定接点に接離される可動接点及び前記開閉カバーの開閉操作に連動して前記可動接点を前記固定接点から切離する作動突起を有する第2可動コンタクト端子とで構成されていることを特徴とする。
【0017】
また、上記発明において、前記第2可動コンタクト端子の前記作動突起は、前記開閉カバーの閉成操作に連動して前記第2スイッチ手段を一連のOFF−ON−OFF動作させて、最後のOFF状態で前記作動突起が前記フレームに設けた係止穴に係止されて前記開閉カバーが閉成状態にロックされることを特徴とする。
【0018】
また、上記発明において、前記第3フレームには、前記第2カードに比して長尺な前記第1カードの先端部が挿入される開口部が形成されて、前記第1カードが装着されたときに該第1カードの先端部が前記開口部に挿入されて位置決め固定されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明は上記構成を備えることにより以下に示すような優れた効果を奏する。すなわち、本発明によれば、カード用コネクタは、カードを装着するときに開閉カバーが開成されるので、この開成状態においてカード収容穴の内部を検視することが可能になる。したがって、カード装着時に、装着するカードの形状及び接点の位置とカード収容穴の形状及びコンタクト端子の配列との照合が可能になり、この照合後に、カードを装着することにより、カードを誤装着することなく安心して簡単に装着できる。また、このカード装着の際に、装着されるカードが正規の位置まで差込まれていないと、検知部材がカードの後端部に衝突してカバーの閉成ができなくなるので、コネクタとカードとの不完全接続を無くすことができる。
【0020】
また、本発明の好ましい態様によれば、カード収容穴は、サイズ及び肉厚が異なるカードを収容できる形状に形成すると共に、このカード収容穴内にカードのコンタクトと接触するコンタクト端子を装着することにより、カード用コネクタをサイズ及び肉厚の異なる複数種類のカードの共用コネクタとして使用することができる。
【0021】
また、本発明の好ましい態様によれば、このコネクタを、サイズ及び肉厚が異なる2種類のカード、例えば、マイクロSDカード及びマイクロMMCカード用として使用することが可能になる。
【0022】
また、本発明の好ましい態様によれば、開閉カバーは、第1、第2フレームの外方側壁面を覆う一対の第1、第2側板と、これらの側板の上端を繋いでカード収容穴の上方の開放部を覆う天井板と、カード収容穴の前方の開放部を覆う前方蓋板とを有する金属板で形成されて、この前方蓋板が検知部材となっているので、開閉カバーは、所定大きさの金属板を打ち抜き板金加工により簡単に作製できる。また、前方蓋板が検知部材になって開閉カバーの閉成時にカード収容穴の前方開放部が覆われるので、収容穴内への塵などの侵入が阻止されて安定した接続状態を維持できる。更に、この開閉カバーは、金属板で形成されているので、コネクタハウジングに取付けられるとコネクタを電磁遮蔽することができる。
【0023】
また、本発明の好ましい態様によれば、第1スイッチ手段により、カードが正規の状態に装着されているか否かを簡単に検知でき、また、第2スイッチ手段により、開閉カバーの開閉状態を検知できるので、カードの不完全装着及び開閉カバーの不完全閉成を未然に防止することができる。
【0024】
また、本発明の好ましい態様によれば、第2スイッチ手段により、開閉カバーの開閉状態を検知できるとともに、開閉カバーをロックすることができる。
【0025】
また、本発明の好ましい態様によれば、第1カードの装着時に、この第1カードの先端部が第3フレームに形成された開口部に挿入されて位置決め固定される。したがって、ガイド部材による位置決めと併せてこの開口部への挿入によって第1カードが位置決めされるので、カード収容穴内で正確に位置決め固定される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の最良の実施形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するためのカード用コネクタを例示するものであって、本発明をこのカード用コネクタに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものも等しく適応し得るものである。
【実施例1】
【0027】
図1に示すように、カード用コネクタ(以下、コネクタという)1は、サイズ及び肉厚が僅かに異なる2種類の第1カード及び第2カード、例えば、マイクロSD(Super Density)カード13及びマイクロMMC(Multi Media Card)カード15に適用される。そこで、先ず、これらのカードの概要を説明する。
【0028】
マイクロSDカード13は、長手方向の長さL1、前後端部13a、13bの幅長W1、W2(W1<W2)及び肉厚t1を有する長方形の板状体からなり、内部にICチップが収容されて、外周囲が電気絶縁性の合成樹脂でモールドされた成型体で形成されている。このマイクロSDカード13の側方の一辺(第1の側辺)131に位置決め突起13c及び係止溝13eが設けられ、他の辺132は直線状になっている。また、このマイクロSDカード13の表面には、内部のICチップに接続された複数個のコンタクト13dが設けられている。
【0029】
マイクロMMCカード15もマイクロSDカード13とほぼ同じ形状を有し、長手方向の長さL2、前後端部15a、15bの幅長W3、W4(W3<W4)及び肉厚t2を有するモールド成型体からなり、このマイクロMMCカード15も、一辺(第1の側辺)151に位置決め突起15cが設けられ、他辺(第2の側辺)152が直線状をなし、表面に複数個のコンタクト15dが設けられている。なお、コンタクト13d、15dは図1に示す各カード13、15の裏側に設けられており、破線で示されている。これらのマイクロSD及びマイクロMMCカード13、15の幅長、長さ及び肉厚の関係は、W3>W1、L1>L2、t2>t1となっている。
【0030】
コネクタ1は、これらのマイクロSD及びマイクロMMCカード13、15が装着されるカード収容穴24を有するコネクタハウジング(以下、ハウジングという)2と、このハウジング2に収容されてそれぞれのカードのコンタクト13d、15dに電気的に接触される第1、第2コンタクト端子5、6と、ハウジング2の上面に装着される開閉カバー3及びシールドカバー4と、を有している。
【0031】
以下、これらのハウジング2、開閉カバー3、シールドカバー4、及び第1、第2コンタクト端子5、6の構成を説明する。
図3及び図4は、ハウジング2の構成の理解を容易にするために、ハウジング2を異なる角度から斜視して図示したもので、ハウジング2は、一対の対向する第1、第2フレーム21、22及びこれらの第1、第2フレーム21、22の端部を繋ぐ第3フレーム23で囲まれており、前方、上方及び下方の一途の三方が開放された浅底のカード収容穴24を有する電気絶縁性の合成樹脂成型体で形成されている。このハウジング2は、その表面が前方から後方に向けて途中で2つに区分されて、前方は開閉カバー3で覆われる開閉カバー装着部i及び後方はシールドカバー4が装着されるシールドカバー装着部iiとなっている。
【0032】
一対の第1、第2フレーム21、22は、マイクロMMCカード15の最も幅広の幅長W4より僅かに幅広の間隔を空けて設けられ、最も長いマイクロSDカード13の長さL1より僅かに長い長さを有し、所定太さの角型の柱状体で形成されている。すなわち、第1フレーム21は、図3B及び図4Aに示すように、表裏壁面21A、21B及び内外壁面21C、21Dを有する角柱体で形成されている。また、第2フレーム22も同様に、表裏壁面22A、22B及び内外壁面22C、22Dを有する角柱体で形成されている。更に、第3フレーム23も表裏壁面23A、23B及び内外壁面23C、23Dを有する所定太さの角柱体で形成されている。
【0033】
第1フレーム21は、第2フレーム22より若干太く、図3B及び図4Bに示すように、この第1フレーム21の前後方向の2箇所に第1、第2スイッチ装着部S1、S2が設けられている。第1スイッチ装着部S1には、マイクロSD及びマイクロMMCカード13、15の装着状態を検知するスイッチ部材が取付けられ、第2スイッチ装着部S2には開閉カバー3の開閉状態を検知するスイッチ部材が取付けられる。
【0034】
第1スイッチ装着部S1は、図3Bに示すように、第1フレーム21の表壁面21Aから裏壁面21Bへ向かって所定の深さに切り欠いた凹状窪211と、この凹状窪211に連通した2本の取付け溝212、213とからなり、これらは第3フレーム23の近傍に設けられている。凹状窪211の底部は、後述する奥底板25Aより所定の高さh高くした台座21Eとなっている。この台座21Eは後述する側底板25C'と同じ高さであり、この台座21Eと側底板25C'とにより肉厚のマイクロMMCカード15が平行に支持される。また、取付け溝212は、第1フレーム21の表壁面21A上に形成され、その溝幅は後述する可動コンタクト端子7が差込まれる幅長となっている。この第1フレーム21の裏壁面21Bには可動コンタクト端子7の取付けタブ7Eが挿入される挿通溝212'が形成されている(図4B参照)。また、取付け溝213は第1フレーム21の裏壁面21Bに形成され、その溝幅は後述する固定コンタクト端子8が差込まれる幅長となっている。
【0035】
また、第2スイッチ装着部S2は、図4に示すように、第1フレーム21の外壁面21Dから所定の深さ窪んだ凹状窪214と、この凹状窪214に連通した2本の取付け溝215、216とで形成されている。この第2スイッチ装着部S2には、開閉カバー3の開閉状態を検知するスイッチ部材が装着される。更に、この第1フレーム21の外壁面21Dは、その前方部が外側へ膨出し、後方の第3フレーム23の近傍部は段差を経て前方部より一段後退した平坦面21D'となっており、この平坦面21D'にシールドカバー4が係止される係止突起21Pが形成されている。
【0036】
第1フレーム21の内壁面21Cは、図3A及び図3Bに示すように、その前方部では内壁面21Cに対向する第2フレーム22の内壁面22Cとの間に所定の幅長WH4を有しているが、第1スイッチ装着部S1の近傍に傾斜面21C'が形成されることで、この傾斜面21C'より後方部(つまり奥部)がカード収容穴24側に突出し、以って奥部では第2フレーム22の内壁面22Cとの間が縮幅され、幅長WH3となっている。傾斜面21C'はマイクロSD及びマイクロMMCカード13、15が誤った状態で装着された際には、このマイクロSD及びマイクロMMCカード13、15の位置決め突起13c、15cが衝突して更なる押し込みをブロックし、誤装着を阻止するものである。反対に、マイクロSD及びマイクロMMCカード13、15が適正な状態で装着された際には、その押し込みをスムーズにするガイド面となるものである。第1フレーム21の裏壁面21Bには、その前方に取付けタブが装着される取付け溝21Tが形成されている。
【0037】
一方、第2フレーム22の外壁面22Dは、図3Bに示すように、その前方部が外側へ膨出し、後方の第3フレーム23の近傍部は段差を経て前方部より一段後退した平坦面22D'となっており、この平坦面にシールドカバー4が係止される係止突起22Pが形成されている。外壁面22Dの前方部には、取付けタブが装着される取付け溝22Tが形成されている。
【0038】
第3フレーム23は、図4Aに示すように、表壁面23A及び外壁面23Dに第1コンタクト端子5が装着される幅長の複数本の取付け溝231が略等間隔に形成されている。また、内壁面23Cには、幅狭のマイクロSDカード13の前端部13aが挿入される大きさの開口232が形成されている(図3B参照)。この開口232は、マイクロSDカード13の前端部13aが差し込まれる大きさ、すなわち、長手方向の幅長がマイクロSDカード13の幅長W1より若干長く、高さがこのマイクロSDカード13の肉厚t1より若干高く形成されて、この開口へマイクロSDカード13の前端部13aが差し込まれたときに、このマイクロSDカード13の位置決め固定がなされる。
【0039】
第1、第2フレーム21、22間は、図3及び図4Aに示すように、第3フレーム23から各第1、第2フレーム21、22の前方に向かって底板25で連結されている。すなわち、各第1、第2フレーム21、22の裏壁面21B、22Bが所定厚の底板25で連結されている。この底板25は、両フレーム21、22間を連結する奥底板25Aと、この奥底板25Aから各第1、第2フレーム21、22に沿って分割されて延出された側底板25B、25Cとで形成されている。一方の側底板25Cは、第2フレーム22側が所定の高さh高い側底板25C'になっている。また、奥底板25Aには、第2コンタクト端子6が取付けられる複数本の取付け溝251が略等間隔に形成されている。
【0040】
このように第1、第2フレーム21、22及び第3フレーム23で三方が囲まれることによりカード収容穴24が形成されるが、図3Aに示すように、第1、第2フレーム21、22の内壁面21C、22C間の間隔WH4及び内壁面22Cと傾斜面21C'との間隔WH3は、幅広のマイクロMMCカード15を挿入できるようにマイクロMMCカード15の幅長W4、W3より若干広く形成されている。また、前端部から開口232の奥部へ至る長さLH1は、マイクロSDカード13が差込めるようにマイクロSDカード13の長さL1とほぼ等しく形成されている。なお、前端部から第3フレーム23の内壁面23Cまでの長さLH2は、マイクロMMCカード15の長さL2とほぼ等しく形成されている。
【0041】
開閉カバー3は、図5に示すように、ハウジング2のカード収容穴24を覆うもので、カード収容穴24の上方開放部を覆う天井板31と、この天井板31の両側端から下方へ折曲されてハウジング2の各側壁面を覆う一対の側板32、33と、同様に天井板31の前方から下方へ折曲されてカード収容穴24の前方開放部を覆う前方蓋板34とを有し、金属板の打ち抜き折曲加工で形成されている。この前方蓋板34は、カードの不適切な装着状態を検知する検知部材となっている。両側板32、33と前方蓋板34との間には隙間341、341が形成されている。一対の側板32、33は、後方へ所定長さ延出されて、これらの延出部32A、33Aの端部には互いに対向する側板面に向けて突出した枢軸突起321、331が設けられている。これらの延出部32A、33Aは弾性を有し、ハウジング2への開閉カバー3の取付けの際は、ハウジング2の側壁面に取付けられたシールドカバー4の側板42、43に圧接挟持される。この開閉カバー3は、金属板材で形成されているので、ハウジング2に装着されたときにコネクタをシールドする電磁遮蔽部材となる。
【0042】
シールドカバー4は、図6に示すように、ハウジング2のシールドカバー装着部iiに取付けられるもので、この装着部分の上方を覆う細長な天井板41と、この天井板41の両端から下方へ折曲された一対の側板42、43とを有し、金属板の打ち抜き折曲加工により形成されている。天井板41には、複数本のスリット411が略等間隔に形成されている。この間隔は、ハウジング2に装着される第1コンタクト端子5と対応し、これらのスリット411の幅長は、第1コンタクト端子5とシールドカバー4とが非接触となるような間隔になっている。
【0043】
次に、側板42、43の構造について説明する。なお、この側板42、43は同じ形状を有しているので、一方の側板42の形状のみについて説明する。側板42には、ハウジング2の係止突起21Pに係止される係止穴421と、開閉カバー3の枢軸突起321が枢着される枢着穴422と、基板、例えばプリント配線基板へ取付けられる一対の取付けタブ42A、42Aとが設けられている。ちなみに他の側板43にも同様の係止穴、枢着穴及び取付けタブ(図示省略)が設けられている。これらの側板42、43は弾性を有し、ハウジング2への取付けの際は、ハウジング2の各外壁面21D'、22D'に圧接挟持される。また、このシールドカバー4を金属板材で形成することにより、ハウジング2に装着したときに、外部ノイズをシールドする電磁遮蔽部材となる。
【0044】
図7は第1、第2コンタクト端子5、6を示している。第1コンタクト端子5は、一端にマイクロMMCカード15のコンタクト15dと接触される接点5Aと、他端にリード線に半田接続される接続部5Bと、この接続部5Bの近傍に設けられたハウジング2への固定部5Cとを有し、所定の幅長、長さ及び肉厚を有する良導電性の弾性帯状金属片で形成されている。この第1コンタクト端子5は、ハウジング2の第3フレーム23に取付けられて、マイクロMMCカード15のコンタクト15dと電気的に接続される。第2コンタクト端子6は、一端にマイクロSDカード13のコンタクト13dと電気的に接続される接点6Aと、他端にリード線に半田接続される接続部6Bと、この接続部6Bの近傍に設けられたハウジング2への固定部6Cとを有し、所定の幅長、長さ及び肉厚を有する良導電性の弾性帯状金属片で形成されている。この第2コンタクト端子6は、ハウジング2の奥底板25Aに取付けられて、マイクロSDカード13のコンタクト13dと接続される。
【0045】
図8は第1スイッチ手段SW1を構成する第1スイッチ部材を示している。この第1スイッチ手段SW1は、可動接点を有する可動コンタクト端子7と、固定接点を有する固定コンタクト端子8とで構成されている。可動コンタクト端子7は、先端に設けた可動接点7Aと、この接点から若干離れた個所に設けられて各カード13、15の第1の側辺131、151に当接される突出湾曲部7Cと、これらの可動接点7A及び突出湾曲部7Cに弾性を付与する湾曲部7Dと、後端に設けたリード線と半田接続される接続部7Bと、この接続部7Bの近傍に設けてハウジング2へ固定される取付けタブ7Eとを有し、所定の幅長、長さ及び肉厚を有する良導電性の弾性帯状金属片で形成されている。突出湾曲部7Cは、第1スイッチ手段SW1の作動部となっている。固定コンタクト端子8は、先端に設けられた固定接点8Aと、後端に設けたリード線と半田接続される接続部8Bと、この接続部8Bの近傍に設けてハウジング2へ固定される取付けタブ8Cとを有し、所定の幅長、長さ及び肉厚を有する良導電性の弾性帯状金属片で形成されている。
【0046】
図9は第2スイッチ手段SW2を構成する第2スイッチ部材を示している。この第2スイッチ手段SW2は、可動接点を有する可動コンタクト端子9と、固定接点を有する固定コンタクト端子10で構成されている。可動コンタクト端子9は、先端に設けた係止突起9Aと、この係止突起9Aの近傍に設けた可動接点9Cと、リード線に半田接続される接続部9Bと、この接続部9B近傍に設けられてハウジング2へ固定される取付けタブ9Dとを有し、所定の幅長、長さ及び肉厚を有する良導電性の弾性帯状金属片で形成されている。係止突起9Aは、開閉カバー3の側板32の内面に当接してこの可動コンタクト端子9の可動接点9Cを固定コンタクト端子10の固定接点10Aに接触させると共に開閉カバー3をロックする働きをする。固定コンタクト端子10は、先端に設けられた固定接点10Aと、リード線に半田接続される接続部10Cと、この接続部10Cの近傍に設けられてハウジング2へ固定される取付けタブ10Bとを有し、所定の幅長、長さ及び肉厚を有する良導電性の弾性帯状金属片で形成されている。
【0047】
図10は一対の取付けタブを示している。これらの取付けタブは、左右の取付けタブ11L、11Rからなり、ハウジング2の底部に取付けてコネクタ1を基板、例えばプリント配線基板へ固定するものである。これらの取付けタブのうち、左取付けタブ11Lは、ハウジング2の装着穴へ挿入するハウジング固定部111と、このハウジング固定部111の一端から延出され、基板へ半田により固定される基板固定部112とを有し、略L字状をした金属片で形成されている。他方の右取付けタブ11Rも同じようにハウジング固定部111及び基板固定部112を有するもので、左右取付けタブ11L、11Rはハウジング固定部111に対する基板固定部112、112の延出方向が異なっている。
【0048】
次に、図1〜図12を参照して、これらの部品を使用したコネクタ1の組み立て手順を説明する。先ず、図3及び図4に示すハウジング2に図7に示す第1、第2コンタクト端子5、6を取付ける。第1コンタクト端子5の取付けは、その固定部5Cをハウジング2の第3フレーム23の取付け溝231内への圧入固定することにより行われる。この取付けにより、第1コンタクト端子5は、図12Bに示すように、その接点5Aがカード収容穴24内へ位置し、接続部5Bが第3フレーム23の後方へ突出した状態となる。第2コンタクト端子6は、奥底板25Aの取付け溝251に取付けられる。この第2コンタクト端子6の取付けは、その固定部6Cを奥底板25Aの背面から取付け溝251を通して上方へ向かうようにインサート成形することにより行われる。この取付けにより、第2コンタクト端子6は、図12Bに示すように、その接点6Aがカード収容穴24内へ位置し、接続部6Bが奥底板25Aの下面へ突出した状態となる。
【0049】
続いて、このハウジング2の第1、第2スイッチ装着部S1、S2に、図8及び図9に示す第1、第2スイッチ部材を取付ける。第1スイッチ装着部S1への第1スイッチ部材の取付けは、可動コンタクト端子7を一方の取付け溝212に、固定コンタクト端子8を他方の取付け溝213にそれぞれ差込んで固定する。同様に第2スイッチ装着部S2への第2スイッチ部材の取付けは、可動コンタクト端子9を取付け溝215に、固定コンタクト端子10を取付け溝216へそれぞれ差込んで固定する。第1、第2スイッチ装着部S1、S2に第1、第2スイッチ部材を取付けることにより、図2に示す第1、第2スイッチ手段SW1、SW2が形成される。すなわち、第1スイッチ手段SW1は、可動コンタクト端子7の可動接点7Aが固定コンタクト端子8の固定接点8Aに接触し、突出湾曲部7Cがカード収容穴24内へ突出した状態となる。また、第2スイッチSW2は、可動コンタクト端子9の可動接点9Cが固定コンタクト端子10の固定接点10Aから離れた、すなわち切離された状態で対峙し、係止突起9Aが外方へ突出した状態となる。
【0050】
次いで、図6に示すシールドカバー4をハウジング2の後方シールドカバー装着部iiに取付ける。このシールドカバー4の取付けは、対向する両側板42、43の間隔を両側板の弾性に抗して広げてハウジング2の側壁21D'、22D'に当接し、両側板42、43の係合穴421、431をハウジング2の係止突起21P、22Pに係合させて固定することにより行われる。その後、このシールドカバー4に図5に示す開閉カバー3を取付ける。この開閉カバー3の取付けは、開閉カバー3の両側板の延出部32A、33Aを両側板の弾性に抗して広げて、これらの延出部に設けた枢軸突起321、331をシールドカバー4の枢着穴422に嵌め込み回動自在に固定する。この開閉カバー3のハウジング2への取付けにより、図11に示すように、開閉カバー3は開閉が自在となり、この開閉カバー3の開成時にカード収容穴24の内部を検視することが可能になる。その後、ハウジング2底部の取付け溝21T、22Tに図10に示す左右取付けタブ11L、11Rを取付けて、コネクタ1の組み立てを完了する。組み立てたコネクタ1は、不図示のプリント配線基板などに取付けられて使用される。
【0051】
次に、図1、図2、図11及び図12を参照して、カード収容穴24へのマイクロSD及びマイクロMMCカード13、15の装着及び開閉カバー3の閉成プロセスを説明する。先ず、以下には一方のマイクロMMCカード15をカード収容穴24内へ装着する場合について説明する。
初めに、マイクロMMCカード15を装着する前に開閉カバー3を開成する。この開閉カバー3の開成により、カード収容穴24の内部が露出されてその内部が検視できる状態になる。そこで、装着するマイクロMMCカード15のコンタクト15d及び位置決め突起15cと、カード収容穴24内の第1コンタクト端子5の配列状態及び穴形状を対比照合する。この照合結果に基づき、図1に示したマイクロMMCカード15のコンタクト15dを上方に位置させる。なお、マイクロMMCカード15の表裏が逆になっているときは、コンタクト15dが上方へ向くように変更する。次いで、このマイクロMMCカード15の位置決め突起15Cを設けた第1の側辺151を第1フレーム21の内壁面21Cに当接させ、裏面をカード収容穴24の側底板25B'に当接させ、同時に第2の側辺152を第2フレーム22の側底板25C及び内壁面22Cに当接させて挿入する。この挿入過程において、マイクロMMCカード15の前端部15aが開口232へ接近すると、このマイクロMMCカード15は、台座21Eに乗り上げながら第1の側辺151が可動コンタクト端子7の突出湾曲部7Cに当接する。これにより可動コンタクト端子7の突出湾曲部7Cが外方へ押動されてこの可動コンタクト端子7の可動接点7Aが固定コンタクト端子8の固定接点8Aから切離され、第1スイッチ手段SW1がOFFされる。この第1スイッチ手段SW1のOFFにより、マイクロMMCカード15が装着されたことが電気的に検知できる(図2参照)。したがって、このカードの装着は、装着するマイクロMMCカード15のコンタクト15d及び位置決め突起15cと、カード収容穴24内の第1コンタクト端子5の配列状態及び穴形状を対比照合した後に挿入することが可能になり、誤装着することなく極めて簡単に装着することができる。
【0052】
マイクロMMCカード15をカード収容穴24へ差込んだ後に開閉カバー3を閉成する。この閉成操作時に、マイクロMMCカード15が適正な位置まで差込まれていないと、図11Aに示すように、マイクロMMCカード15の後端部15bがカード収容穴24の前方の開放口から外へ飛び出してしまう。その結果、この飛び出した部分に開閉カバー3の前方蓋板34が衝突して開閉カバー3の閉成ができなくなる。したがって、この開閉カバー3のマイクロMMCカード15への衝突により、マイクロMMCカード15が不完全装着であることが簡単に検知できる。その後、マイクロMMCカード15が正規の位置まで差込まれると、開閉カバー3の閉成が可能になり開閉カバー3を閉成する。この開閉カバー3の閉成により、前方蓋板34が前方の開口部を覆うので、塵などの異物の侵入を阻止することができる。
【0053】
この開閉カバー3の閉成操作に連動して、第2スイッチ手段SW2が一連のOFF−ON−OFF動作をする。すなわち、開閉カバー3の閉成前は、第2スイッチ手段SW2がOFF状態になっている(図11Bの(B1)参照)。この状態で開閉カバー3を閉成すると、閉成の最初の段階で開閉カバー3の側板32の内壁面が第2スイッチ手段SW2の係止突起9Aに当接して、この係止突起9Aが内方へ押し込まれ、第2スイッチ手段SW2がOFFからONへ切り換わる(図11Bの(B2)参照)。同時に開閉カバー3の側板32、33に設けられた係合穴322に係止突起9Aが入り込み、開閉カバー3が閉成状態にロックされる(図11Bの(B3)参照)。
【0054】
次に、マイクロSDカード13の装着を説明する。マイクロSDカード13をカード収容穴24内へ装着する前に開閉カバー3を開成する。この開閉カバー3の開成により、カード収容穴24の内部が露出されるので、マイクロSDカード13はマイクロMMCカード15の装着と略同じプロセスで装着される。すなわち、マイクロSDカード13は、位置決め突起13Cを設けた一辺(第1の側辺)131を第1フレーム21の内壁面21Cに、裏面をカード収容穴24の側底板25Bにそれぞれ当接させ、同時に第2の側辺132を第2フレーム22の側底板25C及び内壁面22Cに当接させて挿入する。この挿入により、マイクロSDカード13の前端部13aが開口232内へ入り込み位置決め固定される。
【0055】
同時に、マイクロSDカード13の第1の側辺131が可動コンタクト端子7の突出湾曲部7Cに当接して、外方へ移動させてこのコンタクト端子7の可動接点7Aを固定コンタクト端子8の固定接点8Aから切離して第1スイッチ手段SW1をOFFさせる。この第1スイッチ手段SW1のOFFにより、このマイクロSDカード13が装着されたことを電気的に検知できる。このマイクロSDカード13をカード収容穴24内へ挿入した後に開閉カバー3を閉成する。この閉成操作は、マイクロMMCカード15のときと同じプロセスで行われる。
【0056】
なお、この実施形態のカード用コネクタ1は、マイクロSDカード13及びマイクロMMCカード15に適用するものとして説明したが、これらのカードに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施の形態に係るカード用コネクタの使用形態を説明する概要図である。
【図2】図1のカード用コネクタのII−II線断面図である。
【図3】コネクタハウジングを示し、図3Aは平面図、図3Bは斜視図である。
【図4】コネクタハウジングを示し、図4Aは図3Bのハウジングを別の角度から見た斜視図、図4Bは背面図である。
【図5】開閉カバーの斜視図である。
【図6】シールドカバーの斜視図である。
【図7】一対のコンタクト端子を示し、図7Aは第1コンタクト端子の斜視図、図7Bは第2コンタクト端子の斜視図である。
【図8】第1スイッチ部材を示し、図8Aは可動コンタクト端子の斜視図、図8Bは固定コンタクト端子の斜視図である
【図9】第2スイッチ部材を示し、図9Aは可動コンタクト端子、図9Bは固定コンタクト端子の斜視図である。
【図10】取付けタブを示し、図10Aは左取付けタブの斜視図、図10Bは右取付けタブの斜視図である。
【図11】開閉カバーの閉成操作を説明するもので、図11Aは斜視図、図11Bは図11AのXIB部分の側面図である。
【図12】カード用コネクタへのカードの装着状態を説明する説明図であって、図12Aは斜視図、図12Bは図12AのXII−XII線の断面図、図12CはマイクロSDカードが装着された状態の図12AのXII−XII線の断面図、図12DはマイクロMMCカードが装着された図12AのXII−XII線の断面図である。
【符号の説明】
【0058】
1 カード用コネクタ(コネクタ)
2 コネクタハウジング(ハウジング)
3 開閉カバー
4 シールドカバー
5、6 コンタクト端子
7、9 可動コンタクト端子
8、10 固定コンタクト端子
13、15 カード
21〜23 フレーム
24 カード収容穴
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する一対の第1、第2フレーム及び該第1、第2フレームの一端部を繋いだ第3フレームで三方が囲まれ、前方及び上方が開放された有底のカード収容穴が形成され、該カード収容穴内にカードが装着可能な電気絶縁体からなるコネクタハウジングと、
該コネクタハウジングの前記カード収容穴内に配設されたコンタクト端子と、
前記コネクタハウジングの前記カード収容穴の開放部を覆う開閉カバーと、を備え、
前記開閉カバーは前記カードが装着される前方に前記カードの装着状態を検知する検知部材を備え、前記開閉カバーの後方を前記第1、第2フレームに回動自在に枢着し、前記カード収容穴内にカードを装着して前記開閉カバーを閉じ、前記開閉カバーの検知部材を前記カードの後端部に位置させて前記カードの装着状態を検知することを特徴とするカード用コネクタ。
【請求項2】
前記カード収容穴は、サイズ及び肉厚が異なるカードを収容できる形状に形成されており、前記カード収容穴内には前記カードのコンタクトと接触される前記コンタクト端子が装着されていることを特徴とする請求項1に記載のカード用コネクタ。
【請求項3】
前記カード収容穴は、サイズ及び肉厚が異なる2種類の第1、第2カードを収容できる形状に形成されており、前記コンタクト端子は、前記カード収容穴内に設けられた前記第1、第2カードのそれぞれの接点と接触される第1、第2コンタクト端子からなることを特徴とする請求項2に記載のカード用コネクタ。
【請求項4】
前記第1コンタクト端子は、前記コネクタハウジングの前記第3フレームに固定され、前記第2コンタクト端子は前記コネクタハウジングの底部に固定されていることを特徴とする請求項3に記載のカード用コネクタ。
【請求項5】
前記開閉カバーは、前記第1、第2フレームの外方側壁面を覆う一対の第1、第2側板と、これらの側板の上端を繋いで前記カード収容穴の上方の開放部を覆う天井板と、前記カード収容穴の前方の開放部を覆う前方蓋板と、を有する金属板で形成されており、前記前方蓋板が前記検知部材になっていることを特徴とする請求項1に記載のカード用コネクタ。
【請求項6】
前記コネクタハウジングは、前記第1、第2フレームのいずれか一方に前記カードの装着状態を検知する第1スイッチ手段及び前記開閉カバーの開閉状態を検知する第2スイッチ手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載されたカード用コネクタ。
【請求項7】
前記第1スイッチ手段は、固定接点を有する第1固定コンタクト端子と、前記固定接点に接離される可動接点及びカードの装着により前記可動接点を前記固定接点から切離する作動部を有する第1可動コンタクト端子と、からなり、前記第2スイッチ手段は、固定接点を有する第2固定コンタクト端子と、前記固定接点に接離される可動接点及び前記開閉カバーの開閉操作に連動して前記可動接点を前記固定接点から切離する作動突起を有する第2可動コンタクト端子とで構成されていることを特徴とする請求項6に記載のカード用コネクタ。
【請求項8】
前記第2可動コンタクト端子の前記作動突起は、前記開閉カバーの閉成操作に連動して前記第2スイッチ手段を一連のOFF−ON−OFF動作させて、最後のOFF状態で前記作動突起が前記フレームに設けた係止穴に係止されて前記開閉カバーが閉成状態にロックされることを特徴とする請求項7に記載のカード用コネクタ。
【請求項9】
前記第3フレームには、前記第2カードに比して長尺な前記第1カードの先端部が挿入される開口部が形成されて、前記第1カードが装着されたときに該第1カードの先端部が前記開口部に挿入されて位置決め固定されることを特徴とする請求項3に記載のカード用コネクタ。
【請求項1】
対向する一対の第1、第2フレーム及び該第1、第2フレームの一端部を繋いだ第3フレームで三方が囲まれ、前方及び上方が開放された有底のカード収容穴が形成され、該カード収容穴内にカードが装着可能な電気絶縁体からなるコネクタハウジングと、
該コネクタハウジングの前記カード収容穴内に配設されたコンタクト端子と、
前記コネクタハウジングの前記カード収容穴の開放部を覆う開閉カバーと、を備え、
前記開閉カバーは前記カードが装着される前方に前記カードの装着状態を検知する検知部材を備え、前記開閉カバーの後方を前記第1、第2フレームに回動自在に枢着し、前記カード収容穴内にカードを装着して前記開閉カバーを閉じ、前記開閉カバーの検知部材を前記カードの後端部に位置させて前記カードの装着状態を検知することを特徴とするカード用コネクタ。
【請求項2】
前記カード収容穴は、サイズ及び肉厚が異なるカードを収容できる形状に形成されており、前記カード収容穴内には前記カードのコンタクトと接触される前記コンタクト端子が装着されていることを特徴とする請求項1に記載のカード用コネクタ。
【請求項3】
前記カード収容穴は、サイズ及び肉厚が異なる2種類の第1、第2カードを収容できる形状に形成されており、前記コンタクト端子は、前記カード収容穴内に設けられた前記第1、第2カードのそれぞれの接点と接触される第1、第2コンタクト端子からなることを特徴とする請求項2に記載のカード用コネクタ。
【請求項4】
前記第1コンタクト端子は、前記コネクタハウジングの前記第3フレームに固定され、前記第2コンタクト端子は前記コネクタハウジングの底部に固定されていることを特徴とする請求項3に記載のカード用コネクタ。
【請求項5】
前記開閉カバーは、前記第1、第2フレームの外方側壁面を覆う一対の第1、第2側板と、これらの側板の上端を繋いで前記カード収容穴の上方の開放部を覆う天井板と、前記カード収容穴の前方の開放部を覆う前方蓋板と、を有する金属板で形成されており、前記前方蓋板が前記検知部材になっていることを特徴とする請求項1に記載のカード用コネクタ。
【請求項6】
前記コネクタハウジングは、前記第1、第2フレームのいずれか一方に前記カードの装着状態を検知する第1スイッチ手段及び前記開閉カバーの開閉状態を検知する第2スイッチ手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載されたカード用コネクタ。
【請求項7】
前記第1スイッチ手段は、固定接点を有する第1固定コンタクト端子と、前記固定接点に接離される可動接点及びカードの装着により前記可動接点を前記固定接点から切離する作動部を有する第1可動コンタクト端子と、からなり、前記第2スイッチ手段は、固定接点を有する第2固定コンタクト端子と、前記固定接点に接離される可動接点及び前記開閉カバーの開閉操作に連動して前記可動接点を前記固定接点から切離する作動突起を有する第2可動コンタクト端子とで構成されていることを特徴とする請求項6に記載のカード用コネクタ。
【請求項8】
前記第2可動コンタクト端子の前記作動突起は、前記開閉カバーの閉成操作に連動して前記第2スイッチ手段を一連のOFF−ON−OFF動作させて、最後のOFF状態で前記作動突起が前記フレームに設けた係止穴に係止されて前記開閉カバーが閉成状態にロックされることを特徴とする請求項7に記載のカード用コネクタ。
【請求項9】
前記第3フレームには、前記第2カードに比して長尺な前記第1カードの先端部が挿入される開口部が形成されて、前記第1カードが装着されたときに該第1カードの先端部が前記開口部に挿入されて位置決め固定されることを特徴とする請求項3に記載のカード用コネクタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−305787(P2008−305787A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−97673(P2008−97673)
【出願日】平成20年4月4日(2008.4.4)
【出願人】(506110586)エムイーエィ テクノロジーズ プライベート リミテッド (19)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月4日(2008.4.4)
【出願人】(506110586)エムイーエィ テクノロジーズ プライベート リミテッド (19)
【Fターム(参考)】
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