説明

カード用コネクタ

【課題】カバー部材が備える位置決め部材によってカードの種類を識別するようにして、厚さ寸法が微小で小型であるとともに、複数種類のカードを確実に識別することができ、カードを誤った位置に装填したり、誤った姿勢で装填することを確実に防止することができ、複数種類のカードを排他的に確実に装填することができるようにする。
【解決手段】複数種類のカードを収容する空洞部を備えるハウジングと、ハウジングに一端が回動可能に取付けられ、ハウジング及びハウジングに収容されたカードの上方を覆って蓋をするためのカバー部材とを有し、カバー部材は、カードをその種類毎の位置に排他的に位置決めして保持する位置決め部材を備え、カードは、開位置にあるカバー部材に位置決めされて保持され、カバー部材が閉位置になると、空洞部内に収容される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード用コネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ビデオカメラ、音楽プレーヤ、ゲーム機、車両用ナビゲーション装置等の電子機器においては、SIM(Subscriber Identity Module)カード、MMC(R)(Multi Media Card)、SD(R)(Secure Digital)カード、ミニSD(R)カード、メモリスティック(R)、スマートメディア(R)等の各種メモリカードを利用するために、カード用コネクタを備えている。
【0003】
近年、電子機器の多様化に伴って、メモリカードも多様化される傾向にある。そのため、1種類のメモリカードだけでなく、2種類のメモリカードを装填(てん)することができるカード用コネクタが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
図29は従来のカード用コネクタを示す図である。
【0005】
図において、811はカード用コネクタのハウジングであり、また、861は第1のカード901及び第2のカード902を保持するホルダ部材であってハウジング811に回転可能に取付けられている。前記第1のカード901及び第2のカード902は、互いに大きさが相違するだけでなく、ボディに形成された第1の切欠部911及び第2の切欠部912の位置も、第1の接続パッド951及び第2の接続パッド952の数及び配列も相違する。
【0006】
そこで、前記ホルダ部材861には、第1のカード901を収納するための第1の収納部871、及び、第2のカード902を収納するための第2の収納部872が、各々、形成されている。さらに、前記ホルダ部材861は、第1のカード901及び第2のカード902を挿入するための挿入ガイド862、ハウジング811に対して回転可能に取付けられた回転軸863、及び、ホルダ部材861を回転させるための回転操作アーム864を備える。
【0007】
また、前記ハウジング811の基板部812には、第1の窓孔(あな)部821及び第2の窓孔部822が形成されている。そして、第1の窓孔部821の各々には、第1のカード901の第1の接続パッド951と接触する第1の端子851が収納され、第2の窓孔部822の各々には、第2のカード902の第2の接続パッド952と接触する第2の端子852が収納されている。さらに、前記ハウジング811は、前記回転軸863が取付けられる軸受部813、前記回転操作アーム864を保持するアーム固定部814、及び、収容凹部815を備える。
【0008】
これにより、大きさの相違する第1のカード901と第2のカード902とを重ねるようにして同時に装填し、使用することができる。
【特許文献1】特開2003−132976号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、前記従来のカード用コネクタは、大きさ、形状等の相違する第1のカード901及び第2のカード902を重ねて装填するので、ハウジング811及びホルダ部材861の厚さ方向の寸法が大きくなり、コネクタ全体が大型化してしまい、小型の電子機器に装着することが困難である。しかし、通常の電子機器の使用状況では、2枚のカードを同時に装填することは必要とされておらず、むしろ、種類が相違し、大きさ、形状、接続パッドの配列等の相違する複数のカードを選択的に装填することが要求されている。
【0010】
また、カードを他の種類のカードのために設定された位置に装填してしまうこと、すなわち、誤装填を防止する機能も要求されているが、前記従来のカード用コネクタでは、特に小型の第1のカード901をより大型の第2のカード902の装填位置に装填してしまう可能性がある。
【0011】
本発明は、前記従来のカード用コネクタの問題点を解決して、カバー部材が備える位置決め部材によってカードの種類を識別するようにして、厚さ寸法が微小で小型であるとともに、複数種類のカードを確実に識別することができ、カードを誤った位置に装填したり、誤った姿勢で装填することを確実に防止することができ、複数種類のカードを排他的に確実に装填することができるカード用コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そのために、本発明のカード用コネクタにおいては、一端縁に沿って配列された複数の端子部材を一方の面に備え、幅の相違する複数種類のカードを収容する空洞部を備えるハウジングと、該ハウジングに取付けられ、各種類のカードの端子部材と接触する複数種類の接続端子と、前記ハウジングに一端が回動可能に取付けられ、前記ハウジング及び該ハウジングに収容された前記カードの少なくとも一部の上方を覆って蓋(ふた)をするためのカバー部材とを有するカード用コネクタであって、前記カバー部材は、前記カードをその種類毎の位置に排他的に位置決めして保持する位置決め部材を備え、前記カードは、開位置にあるカバー部材に位置決めされて保持され、該カバー部材が閉位置になると、前記空洞部内に収容される。
【0013】
本発明の他のカード用コネクタにおいては、さらに、前記カードの種類毎の位置は、最も幅の狭い種類の位置がカバー部材の一端に最も近く、幅が広い種類の位置ほど他端に近くなるように設定されている。
【0014】
本発明の更に他のカード用コネクタにおいては、さらに、前記位置決め部材は、前記カードの種類毎の幅に対応して配設され、前記カードの幅方向の位置決めを行う側面位置決め部材を含む。
【0015】
本発明の更に他のカード用コネクタにおいては、さらに、前記側面位置決め部材は、前記カードの側面部と係合する部分及びカードの一方の面と係合する部分を含む。
【0016】
本発明の更に他のカード用コネクタにおいては、さらに、前記側面位置決め部材は、前記カードの左右両側に対応する位置に配設されて対を成し、n番目の種類のカードに対応する左右の側面位置決め部材同士の間隔は、n−1番目の種類のカードの幅より広く、n+1番目の種類のカードの幅より狭くなるように設定されている{ただし、nは自然数である。}。
【0017】
本発明の更に他のカード用コネクタにおいては、さらに、前記n番目の種類のカードに対応する側面位置決め部材は、n+1番目の種類のカードの前端面と当接し、前記カードの前後方向の位置決めを行う。
【0018】
本発明の更に他のカード用コネクタにおいては、さらに、前記カードの左右いずれか一側に対応する位置に配設された側面位置決め部材は、カバー部材の前後方向に延在する直線上に並ぶように配列されている。
【0019】
本発明の更に他のカード用コネクタにおいては、さらに、前記位置決め部材は、1番目の種類のカードの前端面と当接し、前記カードの前後方向の位置決めを行う前端位置決め部材を含む。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、カード用コネクタは、カバー部材が備える位置決め部材によってカードの種類を識別する。これにより、カード用コネクタは、厚さ寸法が微小で小型であるとともに、複数種類のカードを確実に識別することができる。また、カードを誤った位置に装填したり、誤った姿勢で装填したりすることを確実に防止することができ、複数種類のカードを排他的に確実に装填することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
図1は本発明の第1の実施の形態におけるカード用コネクタを示す第1の斜視図、図2は本発明の第1の実施の形態におけるカード用コネクタを示す第2の斜視図、図3は本発明の第1の実施の形態におけるカード用コネクタを示す側面図、図4は本発明の第1の実施の形態におけるカード用コネクタを示す第3の斜視図、図5は本発明の第1の実施の形態におけるカード用コネクタを示す第4の斜視図、図6は本発明の第1の実施の形態におけるカード用コネクタを示す分解図である。なお、図1〜3(a)はシェルを開いた状態を示す図、図3(b)〜5はシェルを閉じた状態を示す図である。
【0023】
図において、1は本実施の形態におけるカード用コネクタであり、図示されない電子機器に取付けられる。そして、前記カード用コネクタ1の内部には複数種類、すなわち、n種類(nは自然数)のカードが排他的に装填され、前記カード用コネクタ1を介して、前記電子機器にn種類のカードが排他的に装着される。なお、本実施の形態においては、nが2である場合について説明する。
【0024】
この場合、後述される2種類のカード、すなわち、1番目の種類のカードである第1カード101a及び2番目の種類のカードである第2カード101bのいずれかが排他的に装填され、前記カード用コネクタ1を介して、前記電子機器に第1カード101a又は第2カード101bが装着される。なお、前記電子機器は、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、PDA、デジタルカメラ、ビデオカメラ、音楽プレーヤ、ゲーム機、車両用ナビゲーション装置等であるが、いかなる種類の機器であってもよい。
【0025】
また、第1カード101a及び第2カード101bは、例えば、SIMカード、MMC(R)、SD(R)カード、ミニSD(R)カード、メモリスティック(R)、スマートメディア(R)、T−Flash(Trans Flash)メモリカード等のICカードであり、いかなる種類のカードであってもよいが、本実施の形態においては、第1カード101aがマイクロSD(R)カードであり、第2カード101bがメモリスティックマイクロ(R)であるものとして説明する。第2カード101bは、第1カード101aより幅が広くなっている。
【0026】
なお、本実施の形態において、カード用コネクタ1の各部の構成及び動作を説明するために使用される上、下、左、右、前、後等の方向を示す表現は、絶対的なものでなく相対的なものであり、カード用コネクタ1又はその部品が図に示される姿勢である場合に適切であるが、カード用コネクタ1又はその部品の姿勢が変化した場合には、姿勢の変化に応じて変更して解釈されるべきものである。
【0027】
ここで、前記カード用コネクタ1は、合成樹脂等の絶縁性材料によって一体的に成形された第1カード101a及び第2カード101bのいずれかを1枚だけ収容するハウジング11と、金属等の導電性材料から成る板材に打抜き、折曲げ等の加工を施すことによって成形され、ハウジング11に回動可能に取付けられたカバー部材としてのシェル61とを有する。該シェル61は、電磁シールドとしての機能を備えるとともに、ハウジング11の上方を覆って蓋をする部材であり、図1〜3(a)は、シェル61が蓋を開けた開位置にある状態を示している。また、図3(b)〜5に示されるように、シェル61が蓋を閉じた閉位置にある状態において、カード用コネクタ1は、概略扁(へん)平な直方体のような形状、又は、長方形の厚板のような形状を備える。
【0028】
図5に特によく示されるように、ハウジング11は、前縁側、すなわち、手前側(図2における右側)が略U字状又はコ字状に切取られた形状を備える底壁部12、及び、該底壁部12の両側の縁に沿って延在し、底壁部12から立設する側壁部としての左側壁部13L及び右側壁部13Rを有する。ここで、底壁部12には、方形の第1端子収容凹部16a及び第2端子収容凹部16bが形成され、前記第1端子収容凹部16aには第1端子51aが複数本並んで配設され、前記第2端子収容凹部16b内には第2端子51bが複数本並んで配設されている。そして、第1端子収容凹部16aは、奥側に形成され、第2端子収容凹部16bは第1端子収容凹部16aよりも手前側に形成されている。なお、図に示される例において、第1端子収容凹部16a及び第2端子収容凹部16bは、底壁部12を貫通する開口として形成されているが、必ずしも開口である必要はなく、有底の凹入部であってもよい。
【0029】
前記第1端子51aは、第1カード101a用の接続端子であり、金属板等のばね性を備える導電性の板材から成り、カンチレバー状に形成され、その基端部54aが底壁部12における第1端子収容凹部16aよりも奥側の第1端子取付部14aに取付けられている。具体的には、該第1端子取付部14aの表面に形成された第1端子取付溝15aの各々に、各第1端子51aの基端部54aが装填されている。また、第1端子51aの先端部は、第1端子収容凹部16a内において、手前側に向けて斜め上方に延在し、底壁部12の上面より上方に突出する接触部53aとなっている。該接触部53aは、第1カード101aの第1面118aに配設された後述される端子部材としてのコンタクトパッド151aの各々に弾性的に当接して電気的に接続される。さらに、前記第1端子51aの基端部54aから前記接触部53aと反対側に延出するソルダーテール部52aは、第1端子取付部14aの奥側の縁から奥に向けて突出し、前記電子機器における配線基板等に形成された信号線、コンタクトパッド、端子等、すなわち、相手側端子部材に、はんだ付等によって電気的に接続される。
【0030】
一方、前記第2端子51bは、第2カード101b用の接続端子であり、金属板等のばね性を備える導電性の板材から成り、カンチレバー状に形成され、その基端部54bが底壁部12における第2端子収容凹部16bよりも手前側の第2端子取付部14bに取付けられている。具体的には、該第2端子取付部14bの表面に形成された第2端子取付溝15bの各々に、各第2端子51bの基端部54bが装填されている。また、第2端子51bの先端部は、第2端子収容凹部16b内において、奥側に向けて斜め上方に延在し、底壁部12の上面より上方に突出する接触部53bとなっている。該接触部53bは、第2カード101bの第1面118bに配設された後述される端子部材としてのコンタクトパッド151bの各々に弾性的に当接して電気的に接続される。さらに、前記第2端子51bの基端部54bから前記接触部53bと反対側に延出するソルダーテール部52bは、第2端子取付部14bの手前側の縁から手前に向けて突出し、前記電子機器における配線基板等に形成された信号線、コンタクトパッド、端子等、すなわち、相手側端子部材に、はんだ付等によって電気的に接続される。
【0031】
そして、底壁部12の左方の側縁に沿って前後方向に延在する左側壁部13Lの手前側端及び奥側端には、取付用補助金具としての左手前ネイル56L及び左奥ネイル57Lが取付けられている。同様に、底壁部12の右方の側縁に沿って前後方向に延在する右側壁部13Rの手前側端及び奥側端には、取付用補助金具としての右手前ネイル56R及び右奥ネイル57Rが取付けられている。これら、左手前ネイル56L及び左奥ネイル57L並びに右手前ネイル56R及び右奥ネイル57Rは、カード用コネクタ1を電子機器における配線基板等に固定するために、該配線基板等に形成された接続部に、はんだ付等の固定手段によって固定される。
【0032】
また、左側壁部13Lの内方には第1カード101aの前端寄りの後述される左側の側面部117aと係合する第1左側係合凸部21Laが形成され、右側壁部13Rの内方には第1カード101aの前端寄りの後述される右側の側面部117aと係合する第1右側係合凸部21Raが形成されている。そして、底壁部12、第1端子取付部14a、第1左側係合凸部21La及び第1右側係合凸部21Raによって、空洞部としての第1カード収容空洞部22aが画定される。さらに、該第1カード収容空洞部22aの手前側には、底壁部12、第1左側係合凸部21La及び第1右側係合凸部21Raの手前側の縁、左側壁部13L並びに右側壁部13Rによって、空洞部としての第2カード収容空洞部22bが画定される。なお、該第2カード収容空洞部22bの手前側の面は開放されている。また、第1カード収容空洞部22a及び第2カード収容空洞部22bの上面も開放されている。
【0033】
前記第1カード収容空洞部22aは、幅方向の寸法が第1カード101aの後端寄りの部分の幅方向の寸法及び第2カード101bの幅方向の寸法より小さく、第1カード101aの前端寄りの部分が排他的に収容される部分である。これに対し、第2カード収容空洞部22bは、幅方向の寸法が第1カード収容空洞部22aの幅方向の寸法より大きく、第1カード101a及び第2カード101bの両者が収容される部分である。
【0034】
また、前記左側壁部13L及び右側壁部13Rの外側面には、シェル61を閉位置で維持するためのシェル係合部19が形成されている。該シェル係合部19は、側壁側から見て概略L字状かつ内方へ凹状に形成されているので、シェル61のシェル係合片69は、シェル係合部19の鉛直方向部分から進入して、水平方向部分に係合される。なお、図に示される例においては、シェル係合部19が左右に2つずつ形成されているが、シェル係合部19の数は任意に設定することができ、例えば、左右に1つずつ形成されていてもよい。また、シェル係合片69の数も、シェル係合部19と同様に、任意に設定することができる。
【0035】
さらに、前記左側壁部13L及び右側壁部13Rの外側面における奥側の端部近傍には、前後方向に向けて延在する支軸係合溝18が形成されている。該支軸係合溝18内には、シェル61の回動支軸68が、回動可能に、かつ、スライド可能に挿入されている。
【0036】
一方、シェル61は、概略矩(く)形状の天板部62と、該天板部62の両側縁に沿って前後方向に延在する側面部としての左側面部63L及び右側面部63Rとを有する。なお、左側面部63L及び右側面部63Rは、天板部62と一体的に形成された金属板等から成る部材であり、天板部62に対してほぼ直角となるように折曲げることによって形成されている。そして、左側面部63L及び右側面部63Rの奥側(図1及び2における下側)の端部には回動支軸68が形成されている。ここで、該回動支軸68は、左側面部63L及び右側面部63Rの奥側の内側面から内方へ向いて突出し、ハウジング11の支軸係合溝18内に回動可能に、かつ、スライド可能に挿入されている。これにより、前記シェル61は、ハウジング11に対して回動可能に、かつ、前後方向にスライド可能となっている。
【0037】
そして、天板部62において、シェル61が閉位置にあるときハウジングの底面と対向する面である内面(図3(b)における下側面)には、前端位置決め部材としての前端位置決め突起64と、側面位置決め部材としての一対の第1カード用側面部保持突起65a及び一対の第2カード用側面部保持突起65bとが、位置決め部材として、一体的に形成されている。図に示される例において、前端位置決め突起64、第1カード用側面部保持突起65a及び第2カード用側面部保持突起65bは、金属板等から成る天板部62の一部を切起こして折曲げることによって、天板部62から直角方向(図3(b)における下方向)に突出するように形成されている。
【0038】
ここで、前端位置決め突起64は、天板部62の奥側の縁に沿って形成され、第1カード101aの後述される前端面116aと当接し、シェル61に保持された第1カード101aの前後方向の位置決めを行う。
【0039】
また、第1カード用側面部保持突起65aは、天板部62における前端位置決め突起64より手前側(図1及び2における上側)に形成され、第1カード101aの前端寄りの左右の側面部117aと、各々係合し、シェル61に保持された第1カード101aの左右方向、すなわち、幅方向の位置決めを行う。この場合、左右の第1カード用側面部保持突起65a同士の間隔は、第1カード101aの前端寄りの左右の側面部117a同士の間隔、すなわち、第1カード101aの前端寄りの部分の幅と等しいかやや大きい程度であって、第2カード101bの幅より狭くなるように設定されている。なお、第1カード用側面部保持突起65aの先端部は、天板部62とほぼ平行になるように折曲げられており、第1カード101aの第1面118aと係合する。
【0040】
これにより、シェル61が開位置から閉位置に姿勢変化をする間、第1カード101aは、第1カード用側面部保持突起65aによって、シェル61に保持された状態が維持される。また、第1カード用側面部保持突起65aの手前側端66は、第2カード101bの後述される前端面116bと当接し、シェル61に保持された第2カード101bの前後方向の位置決めを行う。
【0041】
さらに、第2カード用側面部保持突起65bは、天板部62における第1カード用側面部保持突起65aより手前側(図1及び2における上側)に形成され、第2カード101bの前端寄りの後述される左右の側面部117bと、各々係合し、シェル61に保持された第2カード101bの左右方向、すなわち、幅方向の位置決めを行う。この場合、左右の第2カード用側面部保持突起65b同士の間隔は、第2カード101bの左右の側面部117b同士の間隔、すなわち、第2カード101bの幅と等しいかやや大きい程度であって、第1カード101aの幅より広くなるように設定されている。なお、第2カード用側面部保持突起65bの先端部は、天板部62とほぼ平行になるように折曲げられており、第2カード101bの第1面118bと係合する。
【0042】
これにより、シェル61が開位置から閉位置に姿勢変化をする間、第2カード101bは、第2カード用側面部保持突起65bによって、シェル61に保持された状態が維持される。
【0043】
なお、天板部62には、付勢部材としての板ばね67が形成されている。該板ばね67は、天板部62の一部を切起こして形成されたカンチレバー状の部材であり、自由端が天板部62から突出し、第2カード用側面部保持突起65bによって保持された第2カード101bの第2面119bに当接し、第2カード101bを第2カード用側面部保持突起65bの先端部に押付ける。これにより、第2カード101bは、安定して保持された状態となり、がたつくことがない。また、前記板ばね67は、第1カード用側面部保持突起65aによって保持された第1カード101aの左側の側面部117bに当接する。これにより、第1カード101aは、後端寄りの部分においても、幅方向の位置決めが行われるので、安定して保持された状態となり、がたつくことがない。
【0044】
さらに、天板部62には、第1カード101a及び第2カード101bの後述される凹部112a及び112bと係合するカード係合部71が、天板部62から直角方向に突出するように形成されている。なお、カード係合部71には、前記凹部112a及び112b内に進入する係合凸部72が、内側面から突出するように形成されている。図に示される例において、前記カード係合部71と右側の第2カード用側面部保持突起65bとが同じ部位に形成されているが、右側の第2カード用側面部保持突起65bとカード係合部71とは、相互に離間した部位に形成することもできる。
【0045】
また、左側面部63L及び右側面部63Rは、各々、下側(図3(b)における下側)端縁、すなわち、天板部62と反対側の端縁に、シェル係合片69を備える。該シェル係合片69は、左側面部63L及び右側面部63Rから突出するように一体的に形成された舌片状の部材であり、左側面部63L及び右側面部63Rに対してほぼ直角となるように折曲げることによって形成され、天板部62とほぼ平行に内方へ向いて突出する。そして、前記シェル係合片69は、シェル61を回動させてハウジング11の上方を覆って蓋をすると、ハウジング11の左側壁部13L及び右側壁部13Rの外側面に形成されたシェル係合部19の鉛直方向部分に上から進入し、さらに、シェル61を手前側にスライドさせると、シェル係合部19の水平方向部分と係合して、シェル61が開くことを防止する。
【0046】
次に、第1カード101a及び第2カード101bについて説明する。
【0047】
図7は本発明の第1の実施の形態における第1カードを示す図、図8は本発明の第1の実施の形態における第2カードを示す図である。なお、図7及び8において、(a)は第1面を示す上面図、(b)は第2面を示す下面図である。
【0048】
前述のように、本実施の形態において、第1カード101aは、マイクロSD(R)カードであり、図7に示されるような略長方形の板状の形状を有し、各寸法は、長さ(図7における上下)が15.0〔mm〕、幅(図7における左右)が11.0〔mm〕、厚さ(図7における図面に垂直な方向の寸法)が0.7〔mm〕である。そして、第1面118aの前端寄りの位置には、複数のコンタクトパッド151aが一端縁(前端面116a側の端縁)に沿って並んだ状態で配設されている。
【0049】
なお、第1カード101aの一方の側壁(図7(a)における右側壁)には凹部112aが形成され、さらに、前端寄りには前方切欠部115aが形成されている。該前方切欠部115aは、第1カード101aの前壁と前記一方の側壁との角部を所定範囲に亘(わた)って欠落させたものであり、略台形の形状を備える。これにより、第1カード101aの前端寄りの部分には後端寄りの部分よりも幅の狭い幅狭部が形成され、その幅寸法は9.7〔mm〕である。ここでは、前記幅狭部における左右の側面を、第1カード101aの側面部117aとして説明する。
【0050】
また、第2カード101bは、メモリスティックマイクロ(R)であり、図8に示されるような略長方形の板状の形状を有し、各寸法は、長さ(図8における上下)が15.0〔mm〕、幅(図8における左右)が12.5〔mm〕、厚さ(図8における図面に垂直な方向)が1.2〔mm〕である。そして、第1面118bの前端寄りの位置には、複数のコンタクトパッド151bが一端縁(前端面116b側の端縁)に沿って並んだ状態で配設されている。また、第2カード101bの左右の側壁には凹部112bが形成されている。
【0051】
なお、第2カード101bのコンタクトパッド151bの数、ピッチ等は、第1カード101aのコンタクトパッド151aの数、ピッチ等と相違する。そのため、第2カード101bのコンタクトパッド151bに対応する第2端子51bの数、ピッチ等も、第1カード101aのコンタクトパッド151aに対応する第1の端子51aの数、ピッチ等と相違する。なお、117bは側面部である。
【0052】
次に、前記構成のカード用コネクタ1にカードを装填する動作について説明する。まず、第1カード101aを装填する場合について説明する。
【0053】
図9は本発明の第1の実施の形態におけるカード用コネクタのシェルに第1カードを取付けた状態を示す図、図10は本発明の第1の実施の形態における第1カードを取付けたシェルを閉じた状態を示す図、図11は本発明の第1の実施の形態における第1カードを取付けたシェルを閉じた状態の部分断面図であり図10のZ−Z矢視断面図である。
【0054】
まず、図9に示されるように、シェル61が蓋を開けた状態とする、すなわち、開位置とする。この場合、第1カード101aの装填を容易に行うことができるように、シェル61とハウジング11との角度が90度以上となるように、大きく開けておくことが望ましい。
【0055】
続いて、電子機器の利用者等が手指等によって、第1カード101aをシェル61に取付ける。この場合、第1カード101aの姿勢を、コンタクトパッド151aが形成された第1面118aが手前を向き、第2面119aが天板部62に対向し、前端面116aが下を向き、左右の側面部117aが左側面部63L及び右側面部63Rに対向するような姿勢にする。そして、第2面119aが天板部62を摺(しゅう)接するようにして、第1カード101aをシェル61の上方から下方に移動させる。
【0056】
このとき、第1カード101a全体が左右の第2カード用側面部保持突起65bの間を通過し、さらに、先端寄りの幅狭部が左右の第1カード用側面部保持突起65aの間に進入するように、第1カード101aを移動させる。左右の第2カード用側面部保持突起65b同士の間隔が、第2カード101bの幅と等しいかやや大きい程度であって、第1カード101aの幅より広くなるように設定されているので、第1カード101aは、左右の第2カード用側面部保持突起65bの間をスムーズに通過する。また、第1カード101aの第2面119aを天板部62に摺接させることによって、第1カード用側面部保持突起65aの先端部と第1カード101aの第1面118aとを係合させる。
【0057】
そして、前端面116aが前端位置決め突起64と当接すると、第1カード101aは、移動を停止して位置決めされる。これにより、図9に示されるように、第1カード101aがシェル61に位置決めされて保持された状態となる。この場合、カード係合部71の係合凸部72が第1カード101aの凹部112a内に進入して係合するので、カード用コネクタ1又は第1カード101aが衝撃等の外力を受けても、第1カード101aがシェル61から離脱してしまうことがなく、また、第1カード101aの位置ずれが生じることもない。
【0058】
続いて、前記利用者等が手指等によって、シェル61を回動支軸68を中心にして回動させて倒し、蓋を閉じた状態とする、すなわち、閉位置にする。これにより、シェル61に保持された第1カード101aは、ハウジング11の第1カード収容空洞部22a及び第2カード収容空洞部22b内に収容される。この際、シェル係合片69は、ハウジング11の左側壁部13L及び右側壁部13Rの外側面に形成されたシェル係合部19の鉛直方向部分に上から進入する。続いて、利用者等が手指等によってシェル61を手前側にスライドさせると、シェル係合片69がシェル係合部19の水平方向部分と係合して、シェル61が開くことを防止する。
【0059】
これにより、図10及び11に示されるような状態となり、カード用コネクタ1に第1カード101aを装着する動作が終了する。この場合、第1カード101aは、前端寄りの幅狭部がハウジング11の第1カード収容空洞部22a内に収容され、幅狭部よりも後端寄りの部分が第2カード収容空洞部22b内に収容される。そして、コンタクトパッド151aの各々は、対応する第1端子51aの接触部53aに接触し、第1端子51aと電気的に接続され、さらに、ソルダーテール部52aを介して、前記電子機器における配線基板等に形成された相手側端子部材に電気的に接続される。この場合、第1端子51aは、コンタクトパッド151aによって上から押されることによって弾性的に変形し、これにより、ばね力を発揮して接触部53aをコンタクトパッド151aに押圧する。したがって、コンタクトパッド151aと第1端子51aとの接触が確実に維持される。
【0060】
また、第1カード101aは、シェル61に保持された状態において、前端面116aが前端位置決め突起64と当接し、左右の側面部117aが左右の第1カード用側面部保持突起65aと係合し、凹部112aがカード係合部71と係合しているので、前後左右に正確に位置決めされている。そのため、シェル61を閉位置にすると、第1カード101aをハウジング11の空洞部内において正確な位置に収容させることができ、各コンタクトパッド151aが対応する第1端子51aと正確に対向して接触させることができる。したがって、電子機器の利用者等は、第1カード101aをシェル61に取付けてシェル61を回動させるとういう単純な作業を行うことによって、第1カード101aをカード用コネクタ1内の正確な位置に装填することができる。
【0061】
次に、第2カード101bを装填する場合について説明する。
【0062】
図12は本発明の第1の実施の形態におけるカード用コネクタのシェルに第2カードを取付けた状態を示す図、図13は本発明の第1の実施の形態における第2カードを取付けたシェルを閉じた状態を示す図、図14は本発明の第1の実施の形態における第2カードを取付けたシェルを閉じた状態の部分断面図であり図13のY−Y矢視断面図である。
【0063】
第2カード101bを装填する場合も、第1カード101aの場合と同様、図12に示されるように、シェル61を開位置とする。この場合、第2カード101bの装填を容易に行うことができるように、シェル61とハウジング11との角度が90度以上となるように、大きく開けておくことが望ましい。
【0064】
続いて、電子機器の利用者等が手指等によって、第2カード101bをシェル61に取付ける。この場合、第2カード101bの姿勢を、コンタクトパッド151bが形成された第1面118bが手前を向き、第2面119bが天板部62に対向し、前端面116bが下を向き、左右の側面部117bが左側面部63L及び右側面部63Rに対向するような姿勢にする。そして、第2面119bが天板部62を摺接するようにして、第2カード101bをシェル61の上方から下方に移動させる。
【0065】
このとき、第2カード101bの先端寄りの部分が左右の第2カード用側面部保持突起65bの間に進入するように、第2カード101bを移動させる。また、該第2カード101bの第2面119bを天板部62に摺接させることによって、第2カード用側面部保持突起65bの先端部と第2カード101bの第1面118bとを係合させる。
【0066】
そして、前端面116bが左右の第1カード用側面部保持突起65aと当接すると、第2カード101bは、移動を停止して位置決めされる。左右の第1カード用側面部保持突起65a同士の間隔が、第1カード101aの前端寄りの部分の幅と等しいかやや大きい程度であって、第2カード101bの幅より狭くなるように設定されているので、第2カード101bは、左右の第1カード用側面部保持突起65aの間に進入することができず、前端面116bが第1カード用側面部保持突起65aに当接する。この場合、該第1カード用側面部保持突起65aが第2カード101bのための前端位置決め部材として第1カード101aの前端位置決め突起64と同じように機能する。
【0067】
これにより、図12に示されるように、第2カード101bがシェル61に、位置決めされて保持された状態となる。この場合、カード係合部71の係合凸部72が第2カード101bの凹部112b内に進入して係合するので、カード用コネクタ1又は第2カード101bが衝撃等の外力を受けても、第2カード101bがシェル61から離脱してしまうことがなく、また、第2カード101bの位置ずれが生じることもない。
【0068】
続いて、前記利用者等が手指等によって、シェル61を回動支軸68を中心にして回動させて倒し、閉位置にする。これにより、シェル61に保持された第2カード101bは、ハウジング11の第2カード収容空洞部22b内に収容される。なお、第2カード101bのいずれの部分も、第1カード収容空洞部22a内には収容されない。この際、シェル係合片69は、ハウジング11の左側壁部13L及び右側壁部13Rの外側面に形成されたシェル係合部19の鉛直方向部分に上から進入する。続いて、利用者等が手指等によってシェル61を手前側にスライドさせると、シェル係合片69がシェル係合部19の水平方向部分と係合して、シェル61が開くことを防止する。
【0069】
これにより、図13及び14に示されるような状態となり、カード用コネクタ1に第2カード101bを装着する動作が終了する。この場合、第2カード101bは、全体が第2カード収容空洞部22b内に収容される。そして、コンタクトパッド151bの各々は、対応する第2端子51bの接触部53bに接触し、第2端子51bと電気的に接続され、さらに、ソルダーテール部52bを介して、前記電子機器における配線基板等に形成された相手側端子部材に電気的に接続される。この場合、第2端子51bは、コンタクトパッド151bによって上から押されることによって弾性的に変形し、これにより、ばね力を発揮して接触部53bをコンタクトパッド151bに押圧する。したがって、コンタクトパッド151bと第2端子51bとの接触が確実に維持される。
【0070】
また、第2カード101bは、シェル61に保持された状態において、前端面116bが第1カード用側面部保持突起65aと当接し、左右の側面部117bが左右の第2カード用側面部保持突起65bと係合し、凹部112bがカード係合部71と係合しているので、前後左右に正確に位置決めされている。そのため、シェル61を閉位置にすると、第2カード101bをハウジング11の空洞部内において正確な位置に収容させることができ、各コンタクトパッド151bが対応する第2端子51bと正確に対向して接触させることができる。したがって、電子機器の利用者等は、第2カード101bをシェル61に取付けてシェル61を回動させるとういう単純な作業を行うことによって、第2カード101bをカード用コネクタ1内の正確な位置に装填することができる。
【0071】
このように、本実施の形態においては、開位置のシェル61に複数種類、すなわち、n種類(n=2)のカードとして、第1カード101a及び第2カード101bのいずれかを排他的に取付け、シェル61を閉位置にすることによって、第1カード101a及び第2カード101bの各々をハウジング11の空洞部内において対応する位置に収容させ、対応する端子、すなわち、第1端子51a及び第2端子51bと各々電気的に接続させるようになっている。
【0072】
そして、シェル61は、カードの位置決め部材として、n種類のカード用側面部保持突起、すなわち、第1カード用側面部保持突起65a及び第2カード用側面部保持突起65bを備え、カードの側面部を対応するカード用側面部保持突起と係合させることによって、カードが識別される。つまり、左右の第1カード用側面部保持突起65aと左右の側面部を係合させることができるカードは、第2カード101bではなく、第1カード101aであり、左右の第2カード用側面部保持突起65bと左右の側面部を係合させることができるカードは、第1カード101aではなく、第2カード101bであるから、第1カード用側面部保持突起65a及び第2カード用側面部保持突起65bによって第1カード101aと第2カード101bとが識別される。
【0073】
したがって、カード用コネクタ1が小型の電子機器内の狭いスペース内に実装され、カード用コネクタ1の前後左右に空きスペースがない場合であっても、蓋を開けた状態のシェル61に沿ってスライドさせるようにカードを上方から移動させることによってカードをシェル61に取付けた後に、シェル61を閉じるだけでカードの装填が完了するので、カードの装填が正確、かつ、容易に行われる。さらに、n種類のカードを排他的に装填するので、シェル61及びハウジング11の厚さ方向の寸法を増加させる必要がなく、その結果、カード用コネクタ1をロープロファイル化(低背化・小型化)することができる。
【0074】
また、シェル61及びハウジング11における各カードの位置は、軸方向(シェル61及びハウジング11並びに各カードの前後方向)にずれるように設定され、各カードに対応する端子の位置も、隣接する組の端子と軸方向にずれて設定されている。したがって、ハウジング11を大型化することなく、コンタクトパッドの数、ピッチ等が相違するn種類のカードを装填することができる。
【0075】
さらに、すべての種類のカードを同じ向き及び方向の姿勢(コンタクトパッドが形成されていない第2面が天板部62に対向し、コンタクトパッドが形成されている前端が下を向く姿勢)にして、シェル61に取付けることができる。したがって、カードを正確な向き及び姿勢で装填することができ、カードの誤装填が発生する可能性が低下する。
【0076】
さらに、より大型のカード、すなわち、第2カード101bをシェル61に取付ける際には、1段小型のカード、すなわち、第1カード101aのためのカード用側面部保持突起、すなわち、第1カード用側面部保持突起65aが前端位置決め部材として機能する。したがって、シェル61が備えるカードの位置決め部材の数を減少させることができ、シェル61の構造を簡素化することができる。
【0077】
さらに、1つのカード用コネクタ1にn種類のカードを装填することができるので、電子機器に各種のカードに対応するコネクタを複数実装する必要がなく、電子機器を小型化及び高密度化することができる。
【0078】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
【0079】
図15は本発明の第2の実施の形態におけるカード用コネクタを示す第1の斜視図、図16は本発明の第2の実施の形態におけるカード用コネクタを示す第2の斜視図、図17は本発明の第2の実施の形態におけるカード用コネクタを示す第3の斜視図、図18は本発明の第2の実施の形態におけるカード用コネクタを示す第4の斜視図である。なお、図15及び16はシェルを開いた状態を示す図、図17及び18はシェルを閉じた状態を示す図である。
【0080】
本実施の形態においては、n種類のカードが排他的に装填されるカード用コネクタ1の他の例として、nが4である場合について説明する。つまり、本実施の形態におけるカード用コネクタ1は、前記第1カード101a及び第2カード101bに加えて、更なる2種類のカード、すなわち、第3タイプのカードである第3カード101c、及び、第4タイプのカードである第4カード101dのいずれかが排他的に装填されるようになっている。第1カード101a〜第4カード101dはいかなる種類のカードであってもよいが、ここでは、第1カード101a及び第2カード101bが、前記第1の実施の形態と同様に、マイクロSD(R)カード及びメモリスティックマイクロ(R)であり、第3カード101cがミニSD(R)カードであり、第4カード101dがSD(R)カードであるものとして説明する。
【0081】
この場合、カードの幅は、第1カード101aが最も狭く、第2カード101bが第1カード101aより広く、第3カード101cが第2カード101bより広く、第4カード101dが第3カード101cより広くて最も広くなっている。つまり、n番目の種類のカードは、n−1番目の種類のカードより幅が広くなっている。
【0082】
ハウジング11の底壁部12には、方形の第1端子収容凹部16a、第2端子収容凹部16b、第3端子収容凹部16c及び第4端子収容凹部16dが形成され、前記第1端子収容凹部16aには第1端子51aが複数本並んで配設され、前記第2端子収容凹部16b内には第2端子51bが複数本並んで配設され、前記第3端子収容凹部16cには第3端子51cが複数本並んで配設され、前記第4端子収容凹部16d内には第4端子51dが複数本並んで配設されている。そして、第1端子収容凹部16aは、奥側に形成され、第2端子収容凹部16bは第1端子収容凹部16aよりも手前側に形成され、第3端子収容凹部16cは第2端子収容凹部16bよりも手前側に形成され、第4端子収容凹部16dは第3端子収容凹部16cよりも手前側に形成されている。なお、図に示される例において、第1端子収容凹部16a〜第4端子収容凹部16dは、底壁部12を貫通する開口として形成されているが、必ずしも開口である必要はなく、有底の凹入部であってもよい。
【0083】
前記第1端子51aは、第1カード101a用の接続端子であり、金属板等のばね性を備える導電性の板材から成り、カンチレバー状に形成され、その基端部54aが底壁部12における第1端子収容凹部16aよりも奥側の第1端子取付部14aに取付けられている。具体的には、該第1端子取付部14aによって各第1端子51aの基端部54aが保持されている。なお、第1端子51aの他の点については、前記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0084】
また、前記第2端子51bは、第2カード101b用の接続端子であり、金属板等のばね性を備える導電性の板材から成り、カンチレバー状に形成され、その基端部54bが底壁部12における第2端子収容凹部16bよりも手前側の第2端子取付部14bに取付けられている。具体的には、該第2端子取付部14bによって各第2端子51bの基端部54bが保持されている。なお、第2端子51bの他の点については、前記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0085】
さらに、前記第3端子51cは、第3カード101c用の接続端子であり、金属板等のばね性を備える導電性の板材から成り、カンチレバー状に形成され、その基端部が底壁部12における第3端子収容凹部16cよりも手前側の第3端子取付部14cに取付けられている。また、第3端子51cの先端部は、第3端子収容凹部16c内において、奥側に向けて斜め上方に延在し、底壁部12の上面より上方に突出する接触部53cとなっている。該接触部53cは、第3カード101cの第1面118cに配設された端子部材としてのコンタクトパッド151cの各々に弾性的に当接して電気的に接続される。さらに、前記第3端子51cの基端部から前記接触部53cと反対側に延出するソルダーテール部52cは、第3端子取付部14cの手前側の縁から手前に向けて突出し、前記電子機器における配線基板等に形成された信号線、コンタクトパッド、端子等、すなわち、相手側端子部材に、はんだ付等によって電気的に接続される。
【0086】
さらに、前記第4端子51dは、第4カード101d用の接続端子であり、金属板等のばね性を備える導電性の板材から成り、カンチレバー状に形成され、その基端部が底壁部12における第4端子収容凹部16dよりも手前側の第4端子取付部14dに取付けられている。また、第4端子51dの先端部は、第4端子収容凹部16d内において、奥側に向けて斜め上方に延在し、底壁部12の上面より上方に突出する接触部53dとなっている。該接触部53dは、第4カード101dの第1面118dに配設された端子部材としてのコンタクトパッド151dの各々に弾性的に当接して電気的に接続される。さらに、前記第4端子51dの基端部から前記接触部53dと反対側に延出するソルダーテール部52dは、第4端子取付部14dの手前側の縁から手前に向けて突出し、前記電子機器における配線基板等に形成された信号線、コンタクトパッド、端子等、すなわち、相手側端子部材に、はんだ付等によって電気的に接続される。
【0087】
そして、ハウジング11の上面には、最も奥に第1カード収容空洞部22aが画定され、該第1カード収容空洞部22aの手前側には第2カード収容空洞部22bが画定され、該第2カード収容空洞部22bの手前側には第3カード収容空洞部22cが画定され、該第3カード収容空洞部22cの手前側には第4カード収容空洞部22dが画定される。なお、該第4カード収容空洞部22dの手前側の面は開放されている。また、第1カード収容空洞部22a〜第4カード収容空洞部22dの上面も開放されている。
【0088】
前記第1カード収容空洞部22aは、幅方向の寸法が第1カード101aの後端寄りの部分の幅方向の寸法及び第2カード101bの幅方向の寸法より小さく、第1カード101aの前端寄りの部分が排他的に収容される部分である。また、第2カード収容空洞部22bは、幅方向の寸法が第1カード収容空洞部22aの幅方向の寸法より大きく、第1カード101a及び第2カード101bの両者が収容される部分である。さらに、第3カード収容空洞部22cは、幅方向の寸法が第2カード収容空洞部22bの幅方向の寸法より大きく、第1カード101a及び第2カード101bの両者並びに第3カード101cの前端寄りの部分が収容される部分である。さらに、第4カード収容空洞部22dは、幅方向の寸法が第3カード収容空洞部22cの幅方向の寸法より大きく、第2カード101b、第3カード101c及び第4カード101dが収容される部分である。
【0089】
そして、天板部62において、シェル61が閉位置にあるときハウジングの底面と対向する面である内面には、前端位置決め突起64、一対の第1カード用側面部保持突起65a、一対の第2カード用側面部保持突起65b、一対の第3カード用側面部保持突起65c及び一対の第4カード用側面部保持突起65dが一体的に形成されている。図に示される例において、前端位置決め突起64、第1カード用側面部保持突起65a〜第4カード用側面部保持突起65dは、金属板等から成る天板部62の一部を切起こして折曲げることによって、天板部62から直角方向に突出するように形成されている。
【0090】
ここで、前端位置決め突起64は、前記第1の実施の形態と同様に、第1カード101aの前端面116aと当接し、シェル61に保持された第1カード101aの前後方向の位置決めを行う。
【0091】
また、第1カード用側面部保持突起65aは、前記第1の実施の形態と同様に、第1カード101aの前端寄りの左右の側面部117aと、各々係合し、シェル61に保持された第1カード101aの幅方向の位置決めを行う。この場合、左右の第1カード用側面部保持突起65a同士の間隔は、第1カード101aの前端寄りの部分の幅と等しいかやや大きい程度であって、第2カード101bの幅より狭くなるように設定されている。
【0092】
なお、第1カード用側面部保持突起65aの先端部が第1カード101aの第1面118aと係合するので、シェル61が開位置から閉位置に姿勢変化をする間、第1カード101aは、第1カード用側面部保持突起65aによって、シェル61に保持された状態が維持される。また、第1カード用側面部保持突起65aの手前側端66は、第2カード101bの前端面116bと当接し、シェル61に保持された第2カード101bの前後方向の位置決めを行う。
【0093】
さらに、第2カード用側面部保持突起65bは、前記第1の実施の形態と同様に、天板部62における第1カード用側面部保持突起65aより手前側に形成され、第2カード101bの前端寄りの左右の側面部117bと、各々係合し、シェル61に保持された第2カード101bの幅方向の位置決めを行う。この場合、左右の第2カード用側面部保持突起65b同士の間隔は、第2カード101bの幅と等しいかやや大きい程度であって、第1カード101aの幅より広く、第3カード101cの幅より狭くなるように設定されている。
【0094】
なお、第2カード用側面部保持突起65bの先端部は、天板部62とほぼ平行になるように折曲げられており、第2カード101bの第1面118bと係合する。これにより、シェル61が開位置から閉位置に姿勢変化をする間、第2カード101bは、第2カード用側面部保持突起65bによって、シェル61に保持された状態が維持される。また、第2カード用側面部保持突起65bの手前側端66は、第3カード101cの前端面116cと当接し、シェル61に保持された第3カード101cの前後方向の位置決めを行う。
【0095】
さらに、第3カード用側面部保持突起65cは、天板部62における第2カード用側面部保持突起65bより手前側に形成され、第3カード101cの前端寄りの左右の側面部117cと、各々係合し、シェル61に保持された第3カード101cの幅方向の位置決めを行う。この場合、左右の第3カード用側面部保持突起65c同士の間隔は、第3カード101cの前端寄りの部分の幅と等しいかやや大きい程度であって、第2カード101bの幅より広く、第4カード101dの幅より狭くなるように設定されている。
【0096】
なお、第3カード用側面部保持突起65cの先端部は、天板部62とほぼ平行になるように折曲げられており、第3カード101cの第1面118cと係合する。これにより、シェル61が開位置から閉位置に姿勢変化をする間、第3カード101cは、第3カード用側面部保持突起65cによって、シェル61に保持された状態が維持される。また、第3カード用側面部保持突起65cの手前側端66は、第4カード101dの前端面116dと当接し、シェル61に保持された第4カード101dの前後方向の位置決めを行う。
【0097】
さらに、第4カード用側面部保持突起65dは、天板部62における第3カード用側面部保持突起65cより手前側に形成され、第4カード101dの左右の側面部117dと、各々係合し、シェル61に保持された第4カード101dの幅方向の位置決めを行う。この場合、左右の第4カード用側面部保持突起65d同士の間隔は、第4カード101dの幅と等しいかやや大きい程度であって、第3カード101cの幅より広くなるように設定されている。
【0098】
なお、第4カード用側面部保持突起65dの先端部は、天板部62とほぼ平行になるように折曲げられており、第4カード101dの第1面118dと係合する。これにより、シェル61が開位置から閉位置に姿勢変化をする間、第4カード101dは、第4カード用側面部保持突起65dによって、シェル61に保持された状態が維持される。
【0099】
なお、その他の点の構成については、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0100】
次に、前記構成のカード用コネクタ1にカードを装填する動作について説明する。まず、第1カード101aを装填する場合について説明する。
【0101】
図19は本発明の第2の実施の形態におけるカード用コネクタのシェルに第1カードを取付けた状態を示す図である。
【0102】
まず、図に示されるように、シェル61を開位置とする。続いて、電子機器の利用者等が手指等によって、第1カード101aをシェル61に取付ける。この場合、第1カード101aの姿勢を、コンタクトパッド151aが形成された第1面118aが手前を向き、第2面119aが天板部62に対向し、前端面116aが下を向き、左右の側面部117aが左側面部63L及び右側面部63Rに対向するような姿勢にする。そして、第2面119aが天板部62を摺接するようにして、第1カード101aをシェル61の上方から下方に移動させる。
【0103】
このとき、第1カード101aの先端寄りの幅狭部が左右の第1カード用側面部保持突起65aの間に進入するように、第1カード101aを移動させる。左右の第2カード用側面部保持突起65b同士の間隔、左右の第3カード用側面部保持突起65c同士の間隔、及び、左右の第4カード用側面部保持突起65d同士の間隔が、第1カード101aの幅より広くなるように設定されているので、第1カード101aは、左右の第2カード用側面部保持突起65b〜第4カード用側面部保持突起65dの間をスムーズに通過する。また、第1カード101aの第2面119aを天板部62に摺接させることによって、第1カード用側面部保持突起65aの先端部と第1カード101aの第1面118aとを係合させる。
【0104】
そして、前端面116aが前端位置決め突起64と当接すると、第1カード101aは、移動を停止して位置決めされる。これにより、図に示されるように、第1カード101aがシェル61に位置決めされて保持された状態となる。
【0105】
続いて、前記利用者等が手指等によって、シェル61を回動支軸68を中心にして回動させて倒し、閉位置にする。これにより、シェル61に保持された第1カード101aは、ハウジング11の第1カード収容空洞部22a、第2カード収容空洞部22b及び第3カード収容空洞部22c内に収容され、カード用コネクタ1に第1カード101aを装着する動作が終了する。
【0106】
なお、その他の点の動作については、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0107】
次に、第2カード101bを装填する場合について説明する。
【0108】
図20は本発明の第2の実施の形態におけるカード用コネクタのシェルに第2カードを取付けた状態を示す図である。
【0109】
まず、図に示されるように、シェル61を開位置とする。続いて、電子機器の利用者等が手指等によって、第2カード101bをシェル61に取付ける。この場合、第2カード101bの姿勢を、コンタクトパッド151bが形成された第1面118bが手前を向き、第2面119bが天板部62に対向し、前端面116bが下を向き、左右の側面部117bが左側面部63L及び右側面部63Rに対向するような姿勢にする。そして、第2面119bが天板部62を摺接するようにして、第2カード101bをシェル61の上方から下方に移動させる。
【0110】
このとき、第2カード101bの先端寄りの部分が左右の第2カード用側面部保持突起65bの間に進入するように、第2カード101bを移動させる。そして、左右の第3カード用側面部保持突起65c同士の間隔、及び、左右の第4カード用側面部保持突起65d同士の間隔が、第2カード101bの幅より広くなるように設定されているので、第2カード101bは、左右の第3カード用側面部保持突起65c及び第4カード用側面部保持突起65dの間をスムーズに通過する。また、第2カード101bの第2面119bを天板部62に摺接させることによって、第2カード用側面部保持突起65bの先端部と第2カード101bの第1面118bとを係合させる。
【0111】
そして、前端面116bが左右の第1カード用側面部保持突起65aと当接すると、第2カード101bは、移動を停止して位置決めされる。左右の第1カード用側面部保持突起65a同士の間隔が、第2カード101bの幅より狭くなるように設定されているので、第2カード101bは、左右の第1カード用側面部保持突起65aの間に進入することができず、前端面116bが第1カード用側面部保持突起65aに当接する。この場合、該第1カード用側面部保持突起65aが第2カード101bのための前端位置決め部材として機能する。
【0112】
これにより、図に示されるように、第2カード101bがシェル61に、位置決めされて保持された状態となる。
【0113】
続いて、前記利用者等が手指等によって、シェル61を回動支軸68を中心にして回動させて倒し、閉位置にする。これにより、シェル61に保持された第2カード101bは、ハウジング11の第2カード収容空洞部22b、第3カード収容空洞部22c及び第4カード収容空洞部22d内に収容され、カード用コネクタ1に第2カード101bを装着する動作が終了する。
【0114】
なお、その他の点の動作については、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0115】
次に、第3カード101cを装填する場合について説明する。
【0116】
図21は本発明の第2の実施の形態におけるカード用コネクタのシェルに第3カードを取付けた状態を示す図である。
【0117】
まず、図に示されるように、シェル61を開位置とする。続いて、電子機器の利用者等が手指等によって、第3カード101cをシェル61に取付ける。この場合、第3カード101cの姿勢を、コンタクトパッド151cが形成された第1面118cが手前を向き、第2面が天板部62に対向し、前端面116cが下を向き、左右の側面部117cが左側面部63L及び右側面部63Rに対向するような姿勢にする。そして、第2面が天板部62を摺接するようにして、第3カード101cをシェル61の上方から下方に移動させる。
【0118】
このとき、第3カード101cの先端寄りの幅狭部が左右の第3カード用側面部保持突起65cの間に進入するように、第3カード101cを移動させる。そして、左右の第4カード用側面部保持突起65d同士の間隔が、第3カード101cの幅より広くなるように設定されているので、第3カード101cは、左右の第3カード用側面部保持突起65c及び第4カード用側面部保持突起65dの間をスムーズに通過する。また、第3カード101cの第1面118cの反対側の図示されない第2面を天板部62に摺接させることによって、第3カード用側面部保持突起65cの先端部と第3カード101cの第1面118cとを係合させる。
【0119】
そして、前端面116cが左右の第2カード用側面部保持突起65bと当接すると、第3カード101cは、移動を停止して位置決めされる。左右の第2カード用側面部保持突起65b同士の間隔が、第3カード101cの幅より狭くなるように設定されているので、第3カード101cは、左右の第2カード用側面部保持突起65bの間に進入することができず、前端面116cが第2カード用側面部保持突起65bに当接する。この場合、該第2カード用側面部保持突起65bが第3カード101cのための前端位置決め部材として機能する。
【0120】
これにより、図に示されるように、第3カード101cがシェル61に位置決めされて保持された状態となる。
【0121】
続いて、前記利用者等が手指等によって、シェル61を回動支軸68を中心にして回動させて倒し、閉位置にする。これにより、シェル61に保持された第3カード101cは、ハウジング11の第3カード収容空洞部22c及び第4カード収容空洞部22d内に収容され、カード用コネクタ1に第3カード101cを装着する動作が終了する。
【0122】
なお、その他の点の動作については、前記第1カード101a及び第2カード101bの場合と同様であるので、その説明を省略する。
【0123】
次に、第4カード101dを装填する場合について説明する。
【0124】
図22は本発明の第2の実施の形態におけるカード用コネクタのシェルに第4カードを取付けた状態を示す図である。
【0125】
まず、図に示されるように、シェル61を開位置とする。続いて、電子機器の利用者等が手指等によって、第4カード101dをシェル61に取付ける。この場合、第4カード101dの姿勢を、コンタクトパッド151dが形成された第1面118dが手前を向き、第1面118dの反対側の図示されない第2面が天板部62に対向し、前端面116dが下を向き、左右の側面部117dが左側面部63L及び右側面部63Rに対向するような姿勢にする。そして、第2面が天板部62を摺接するようにして、第4カード101dをシェル61の上方から下方に移動させる。
【0126】
このとき、第4カード101dの先端寄りの部分が左右の第4カード用側面部保持突起65dの間に進入するように、第4カード101dを移動させる。また、該第4カード101dの第2面を天板部62に摺接させることによって、第4カード用側面部保持突起65dの先端部と第4カード101dの第1面118dとを係合させる。
【0127】
そして、前端面116dが左右の第3カード用側面部保持突起65cと当接すると、第4カード101dは、移動を停止して位置決めされる。左右の第3カード用側面部保持突起65c同士の間隔が、第4カード101dの幅より狭くなるように設定されているので、第4カード101dは、左右の第3カード用側面部保持突起65cの間に進入することができず、前端面116dが第3カード用側面部保持突起65cに当接する。この場合、該第3カード用側面部保持突起65cが第4カード101dのための前端位置決め部材として機能する。
【0128】
これにより、図に示されるように、第4カード101dがシェル61に、位置決めされて保持された状態となる。
【0129】
続いて、前記利用者等が手指等によって、シェル61を回動支軸68を中心にして回動させて倒し、閉位置にする。これにより、シェル61に保持された第4カード101dは、ハウジング11の第4カード収容空洞部22d内に収容され、カード用コネクタ1に第4カード101dを装着する動作が終了する。
【0130】
なお、その他の点の動作については、前記第1カード101a〜第3カード101cの場合と同様であるので、その説明を省略する。
【0131】
このように、本実施の形態においては、開位置のシェル61に複数種類、すなわち、n種類(n=4)のカードとして、第1カード101a〜第4カード101dのいずれかを排他的に取付け、シェル61を閉位置にすることによって、第1カード101a〜第4カード101dの各々をハウジング11の空洞部内において対応する位置に収容させ、対応する端子、すなわち、第1端子51a〜第4端子51dと各々電気的に接続させるようになっている。
【0132】
そして、シェル61は、カードの位置決め部材として、n種類のカード用側面部保持突起、すなわち、第1カード用側面部保持突起65a〜第4カード用側面部保持突起65dを備え、カードの側面部を対応するカード用側面部保持突起と係合させることによって、カードが識別される。つまり、n番目の左右のカード用側面部保持突起と左右の側面部とを係合させることができるカードは、n番目の種類のカードだけとなっているので、カードの側面部を対応するカード用側面部保持突起と係合させることによって、カードを識別することができる。
【0133】
換言すると、n番目の種類のカードがn−1番目の種類のカードより幅が広く、かつ、n+1番目の種類のカードより幅が狭くなっているとともに、n番目の左右のカード用側面部保持突起同士の間隔がn−1番目の種類のカードの幅より広く、かつ、n+1番目の種類のカードの幅より狭くなっているので、カード用側面部保持突起と係合させることによってカードの種類が自動的に識別され、ハウジング11の空洞部内において種類に対応する位置に収容される。
【0134】
また、n番目の左右のカード用側面部保持突起がn+1番目の種類のカードのための前端位置決め部材として機能する。したがって、シェル61が備えるカードの位置決め部材の数を減少させることができ、シェル61の構造を簡素化することができる。
【0135】
その他の点の効果については、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0136】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1及び第2の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1及び第2の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
【0137】
図23は本発明の第3の実施の形態におけるカード用コネクタのシェルを示す斜視図、図24は本発明の第3の実施の形態におけるカード用コネクタのシェルを示す側面図である。なお、図23及び24はシェルを模式的に示す図である。
【0138】
本実施の形態においても、前記第2の実施の形態と同様に、4種類のカードが排他的に装填されるカード用コネクタ1について説明する。
【0139】
本実施の形態においては、第1カード用側面部保持突起65a〜第4カード用側面部保持突起65dの左右いずれか一方が、シェル61の前後方向に延在する直線上に並ぶように配列されている。図に示される例においては、右方のカード用側面部保持突起がシェル61の右側側縁に沿って直線上に並んで配列されている。また、前端位置決め突起64は、左右の第1カード用側面部保持突起65aの間に対応する位置に配設されている。
【0140】
その他の点の構成については、前記第2の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0141】
次に、前記構成のシェル61にカードを取付ける動作について説明する。まず、第1カード101aを取付ける場合について説明する。
【0142】
図25は本発明の第3の実施の形態におけるカード用コネクタのシェルに第1カードを取付けた状態を示す図である。
【0143】
前記第2の実施の形態と同様に、第1カード101aの姿勢を、コンタクトパッド151aが形成された第1面118aが手前を向き、第2面が天板部62に対向し、前端面116aが下を向くような姿勢にする。そして、第2面が天板部62を摺接するようにして、第1カード101aをシェル61の上方から下方に移動させる。
【0144】
このとき、第1カード101aの先端寄りの部分が左右の第1カード用側面部保持突起65aの間に進入するように、第1カード101aを移動させる。左右の第2カード用側面部保持突起65b同士の間隔、左右の第3カード用側面部保持突起65c同士の間隔、及び、左右の第4カード用側面部保持突起65d同士の間隔が、第1カード101aの幅より広くなるように設定されているので、第1カード101aは、左右の第2カード用側面部保持突起65b〜第4カード用側面部保持突起65dの間をスムーズに通過する。また、第1カード101aの第2面を天板部62に摺接させることによって、第1カード用側面部保持突起65aの先端部と第1カード101aの第1面118aとを係合させる。
【0145】
そして、前端面116aが前端位置決め突起64と当接すると、第1カード101aは、移動を停止して位置決めされる。これにより、図に示されるように、第1カード101aがシェル61に位置決めされて保持された状態となる。
【0146】
なお、その他の点の動作については、前記第2の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0147】
次に、第2カード101bを取付ける場合について説明する。
【0148】
図26は本発明の第3の実施の形態におけるカード用コネクタのシェルに第2カードを取付けた状態を示す図である。
【0149】
前記第2の実施の形態と同様に、第2カード101bの姿勢を、コンタクトパッド151bが形成された第1面118bが手前を向き、第2面が天板部62に対向し、前端面116bが下を向くような姿勢にする。そして、第2面が天板部62を摺接するようにして、第2カード101bをシェル61の上方から下方に移動させる。
【0150】
このとき、第2カード101bの先端寄りの部分が左右の第2カード用側面部保持突起65bの間に進入するように、第2カード101bを移動させる。そして、左右の第3カード用側面部保持突起65c同士の間隔、及び、左右の第4カード用側面部保持突起65d同士の間隔が、第2カード101bの幅より広くなるように設定されているので、第2カード101bは、左右の第3カード用側面部保持突起65c及び第4カード用側面部保持突起65dの間をスムーズに通過する。また、第2カード101bの第2面を天板部62に摺接させることによって、第2カード用側面部保持突起65bの先端部と第2カード101bの第1面118bとを係合させる。
【0151】
そして、前端面116bが左右の第1カード用側面部保持突起65aと当接すると、第2カード101bは、移動を停止して位置決めされる。左右の第1カード用側面部保持突起65a同士の間隔が、第2カード101bの幅より狭くなるように設定されているので、第2カード101bは、左右の第1カード用側面部保持突起65aの間に進入することができず、前端面116bが第1カード用側面部保持突起65aに当接する。この場合、該第1カード用側面部保持突起65aが第2カード101bのための前端位置決め部材として機能する。
【0152】
これにより、図に示されるように、第2カード101bがシェル61に、位置決めされて保持された状態となる。
【0153】
なお、その他の点の動作については、前記第2の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0154】
次に、第3カード101cを取付ける場合について説明する。
【0155】
図27は本発明の第3の実施の形態におけるカード用コネクタのシェルに第3カードを取付けた状態を示す図である。
【0156】
前記第2の実施の形態と同様に、第3カード101cの姿勢を、コンタクトパッド151cが形成された第1面118cが手前を向き、第2面が天板部62に対向し、前端面116cが下を向くような姿勢にする。そして、第2面が天板部62を摺接するようにして、第3カード101cをシェル61の上方から下方に移動させる。
【0157】
このとき、第3カード101cの先端寄りの部分が左右の第3カード用側面部保持突起65cの間に進入するように、第3カード101cを移動させる。そして、左右の第4カード用側面部保持突起65d同士の間隔が、第3カード101cの幅より広くなるように設定されているので、第3カード101cは、左右の第3カード用側面部保持突起65c及び第4カード用側面部保持突起65dの間をスムーズに通過する。また、第3カード101cの第2面を天板部62に摺接させることによって、第3カード用側面部保持突起65cの先端部と第3カード101cの第1面118cとを係合させる。
【0158】
そして、前端面116cが左右の第2カード用側面部保持突起65bと当接すると、第3カード101cは、移動を停止して位置決めされる。左右の第2カード用側面部保持突起65b同士の間隔が、第3カード101cの幅より狭くなるように設定されているので、第3カード101cは、左右の第2カード用側面部保持突起65bの間に進入することができず、前端面116cが第2カード用側面部保持突起65bに当接する。この場合、該第2カード用側面部保持突起65bが第3カード101cのための前端位置決め部材として機能する。
【0159】
これにより、図に示されるように、第3カード101cがシェル61に位置決めされて保持された状態となる。
【0160】
なお、その他の点の動作については、前記第2の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0161】
次に、第4カード101dを取付ける場合について説明する。
【0162】
図28は本発明の第3の実施の形態におけるカード用コネクタのシェルに第4カードを取付けた状態を示す図である。
【0163】
前記第2の実施の形態と同様に、第4カード101dの姿勢を、コンタクトパッド151dが形成された第1面118dが手前を向き、第2面が天板部62に対向し、前端面116dが下を向くような姿勢にする。そして、第2面が天板部62を摺接するようにして、第4カード101dをシェル61の上方から下方に移動させる。
【0164】
このとき、第4カード101dが左右の第4カード用側面部保持突起65dの間に進入するように、第4カード101dを移動させる。また、第4カード101dの第2面を天板部62に摺接させることによって、第4カード用側面部保持突起65dの先端部と第4カード101dの第1面118dとを係合させる。
【0165】
そして、前端面116dが左右の第3カード用側面部保持突起65cと当接すると、第4カード101dは、移動を停止して位置決めされる。左右の第3カード用側面部保持突起65c同士の間隔が、第4カード101dの幅より狭くなるように設定されているので、第4カード101dは、左右の第3カード用側面部保持突起65cの間に進入することができず、前端面116dが第3カード用側面部保持突起65cに当接する。この場合、該第3カード用側面部保持突起65cが第4カード101dのための前端位置決め部材として機能する。
【0166】
これにより、図に示されるように、第4カード101dがシェル61に、位置決めされて保持された状態となる。
【0167】
なお、その他の点の動作については、前記第2の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0168】
このように、本実施の形態においては、第1カード用側面部保持突起65a〜第4カード用側面部保持突起65dの左右いずれか一方が、シェル61の前後方向に延在する直線上に並ぶように配列されている。そして、n番目の種類のカードがn−1番目の種類のカードより幅が広く、かつ、n+1番目の種類のカードより幅が狭くなっているとともに、n番目の左右のカード用側面部保持突起同士の間隔がn−1番目の種類のカードの幅より広く、かつ、n+1番目の種類のカードの幅より狭くなっている。
【0169】
これにより、カードをカード用側面部保持突起と係合させることによってカードの種類が自動的に識別される。
【0170】
また、n番目の左右のカード用側面部保持突起がn+1番目の種類のカードのための前端位置決め部材として機能する。したがって、シェル61が備えるカードの位置決め部材の数を減少させることができ、シェル61の構造を簡素化することができる。なお、第1カード用側面部保持突起65a〜第4カード用側面部保持突起65dのいずれか一方が連続して形成された1つの部材から成る板状の複数カード用側面部保持突起として形成してもよい。この場合、該複数カード用側面部保持突起に摺動させてカードを挿入すれば、挿入位置を合せることなく容易に、かつ、確実に挿入することができる。
【0171】
その他の点の効果については、前記第1及び2の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0172】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0173】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるカード用コネクタを示す第1の斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるカード用コネクタを示す第2の斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるカード用コネクタを示す側面図であって、(a)はシェルを開いた状態を示す図、(b)はシェルを閉じた状態を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるカード用コネクタを示す第3の斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるカード用コネクタを示す第4の斜視図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態におけるカード用コネクタを示す分解図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態における第1カードを示す図であって、(a)は第1面を示す上面図、(b)は第2面を示す下面図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態における第2カードを示す図であって、(a)は第1面を示す上面図、(b)は第2面を示す下面図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態におけるカード用コネクタのシェルに第1カードを取付けた状態を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態における第1カードを取付けたシェルを閉じた状態を示す図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態における第1カードを取付けたシェルを閉じた状態の部分断面図であり図10のZ−Z矢視断面図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態におけるカード用コネクタのシェルに第2カードを取付けた状態を示す図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態における第2カードを取付けたシェルを閉じた状態を示す図である。
【図14】本発明の第1の実施の形態における第2カードを取付けたシェルを閉じた状態の部分断面図であり図13のY−Y矢視断面図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態におけるカード用コネクタを示す第1の斜視図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態におけるカード用コネクタを示す第2の斜視図である。
【図17】本発明の第2の実施の形態におけるカード用コネクタを示す第3の斜視図である。
【図18】本発明の第2の実施の形態におけるカード用コネクタを示す第4の斜視図である。
【図19】本発明の第2の実施の形態におけるカード用コネクタのシェルに第1カードを取付けた状態を示す図である。
【図20】本発明の第2の実施の形態におけるカード用コネクタのシェルに第2カードを取付けた状態を示す図である。
【図21】本発明の第2の実施の形態におけるカード用コネクタのシェルに第3カードを取付けた状態を示す図である。
【図22】本発明の第2の実施の形態におけるカード用コネクタのシェルに第4カードを取付けた状態を示す図である。
【図23】本発明の第3の実施の形態におけるカード用コネクタのシェルを示す斜視図である。
【図24】本発明の第3の実施の形態におけるカード用コネクタのシェルを示す側面図である。
【図25】本発明の第3の実施の形態におけるカード用コネクタのシェルに第1カードを取付けた状態を示す図である。
【図26】本発明の第3の実施の形態におけるカード用コネクタのシェルに第2カードを取付けた状態を示す図である。
【図27】本発明の第3の実施の形態におけるカード用コネクタのシェルに第3カードを取付けた状態を示す図である。
【図28】本発明の第3の実施の形態におけるカード用コネクタのシェルに第4カードを取付けた状態を示す図である。
【図29】従来のカード用コネクタを示す図である。
【符号の説明】
【0174】
1 カード用コネクタ
11、811 ハウジング
12 底壁部
13L 左側壁部
13R 右側壁部
14a 第1端子取付部
14b 第2端子取付部
14c 第3端子取付部
14d 第4端子取付部
15a 第1端子取付溝
15b 第2端子取付溝
16a 第1端子収容凹部
16b 第2端子収容凹部
16c 第3端子収容凹部
16d 第4端子収容凹部
18 支軸係合溝
19 シェル係合部
21La 第1左側係合凸部
21Ra 第1右側係合凸部
22a 第1カード収容空洞部
22b 第2カード収容空洞部
22c 第3カード収容空洞部
22d 第4カード収容空洞部
51a 第1端子
51b 第2端子
51c 第3端子
51d 第4端子
52a、52b、52c、52d ソルダーテール部
53a、53b、53c、53d 接触部
54a、54b 基端部
56L 左手前ネイル
56R 右手前ネイル
57L 左奥ネイル
57R 右奥ネイル
61 シェル
62 天板部
63L 左側面部
63R 右側面部
64 前端位置決め突起
65a 第1カード用側面部保持突起
65b 第2カード用側面部保持突起
65c 第3カード用側面部保持突起
65d 第4カード用側面部保持突起
66 手前側端
67 板ばね
68 回動支軸
69 シェル係合片
71 カード係合部
72 係合凸部
101a 第1カード
101b 第2カード
101c 第3カード
101d 第4カード
112a、112b 凹部
115a 前方切欠部
116a、116b、116c、116d 前端面
117a、117b、117c、117d 側面部
118a、118b、118c、118d 第1面
119a、119b 第2面
151a、151b、151c、151d コンタクトパッド
812 基板部
813 軸受部
814 アーム固定部
815 収容凹部
821 第1の窓孔部
822 第2の窓孔部
851 第1の端子
852 第2の端子
861 ホルダ部材
862 挿入ガイド
863 回転軸
864 回転操作アーム
871 第1の収納部
872 第2の収納部
901 第1のカード
902 第2のカード
911 第1の切欠部
912 第2の切欠部
951 第1の接続パッド
952 第2の接続パッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)一端縁に沿って配列された複数の端子部材(151a〜d)を一方の面に備え、幅の相違する複数種類のカード(101a〜d)を収容する空洞部(22a〜d)を備えるハウジング(11)と、
(b)該ハウジング(11)に取付けられ、各種類のカード(101a〜d)の端子部材(151a〜d)と接触する複数種類の接続端子(51a〜d)と、
(c)前記ハウジング(11)に一端が回動可能に取付けられ、前記ハウジング(11)及び該ハウジング(11)に収容された前記カード(101a〜d)の少なくとも一部の上方を覆って蓋をするためのカバー部材(61)とを有するカード用コネクタ(1)であって、
(d)前記カバー部材(61)は、前記カード(101a〜d)をその種類毎の位置に排他的に位置決めして保持する位置決め部材(64、65a〜d)を備え、
(e)前記カード(101a〜d)は、開位置にあるカバー部材(61)に位置決めされて保持され、該カバー部材(61)が閉位置になると、前記空洞部(22a〜d)内に収容されることを特徴とするカード用コネクタ(1)。
【請求項2】
前記カード(101a〜d)の種類毎の位置は、最も幅の狭い種類の位置がカバー部材(61)の一端に最も近く、幅が広い種類の位置ほど他端に近くなるように設定されている請求項1に記載のカード用コネクタ(1)。
【請求項3】
前記位置決め部材(64、65a〜d)は、前記カード(101a〜d)の種類毎の幅に対応して配設され、前記カード(101a〜d)の幅方向の位置決めを行う側面位置決め部材(65a〜d)を含む請求項1に記載のカード用コネクタ(1)。
【請求項4】
前記側面位置決め部材(65a〜d)は、前記カード(101a〜d)の側面部(115a〜d)と係合する部分及びカード(101a〜d)の一方の面と係合する部分を含む請求項3に記載のカード用コネクタ(1)。
【請求項5】
前記側面位置決め部材(65a〜d)は、前記カード(101a〜d)の左右両側に対応する位置に配設されて対を成し、
n番目の種類のカード(101a〜d)に対応する左右の側面位置決め部材(65a〜d)同士の間隔は、n−1番目の種類のカード(101a〜d)の幅より広く、n+1番目の種類のカード(101a〜d)の幅より狭くなるように設定されている請求項3に記載のカード用コネクタ(1)。
{ただし、nは自然数である。}
【請求項6】
前記n番目の種類のカード(101a〜d)に対応する側面位置決め部材(65a〜d)は、n+1番目の種類のカード(101a〜d)の前端面(116a〜d)と当接し、前記カード(101a〜d)の前後方向の位置決めを行う請求項5に記載のカード用コネクタ(1)。
【請求項7】
前記カード(101a〜d)の左右いずれか一側に対応する位置に配設された側面位置決め部材(65a〜d)は、カバー部材(61)の前後方向に延在する直線上に並ぶように配列されている請求項5に記載のカード用コネクタ(1)。
【請求項8】
前記位置決め部材(64、65a〜d)は、1番目の種類のカード(101a)の前端面(116a)と当接し、前記カード(101a)の前後方向の位置決めを行う前端位置決め部材(64)を含む請求項3に記載のカード用コネクタ(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2009−110686(P2009−110686A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−278765(P2007−278765)
【出願日】平成19年10月26日(2007.10.26)
【出願人】(591043064)モレックス インコーポレイテド (441)
【氏名又は名称原語表記】MOLEX INCORPORATED
【Fターム(参考)】