説明

カーボンナノチューブ配線板及びその製造方法

【課題】所定の方向に高配向するカーボンナノチューブによって所定のパターンに形成されたカーボンナノチューブ配線板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のカーボンナノチューブ配線板は、基板と、該基板に配設され且つカーボンナノチューブからなる配線パターンと、を備える。この製造方法は、炭化珪素3の表面にカーボンナノチューブの生成を抑制する抑制膜4(酸化珪素膜等)を形成する工程と、該抑制膜4を所定のパターンにエッチングする工程と、エッチング後の炭化珪素を微量酸素の含有する雰囲気において、該炭化珪素が分解して該炭化珪素の表面から珪素原子が失われる温度に加熱する工程と、を順次備え、上記パターンに従ってカーボンナノチューブからなる配線パターン2が形成された配線板を製造するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボンナノチューブ配線板及びその製造方法に関し、更に詳しくは、所定の方向に高配向するカーボンナノチューブによって所定のパターンに形成されたカーボンナノチューブ配線板及びその製造方法に関する。本発明のカーボンナノチューブ配線板は、電子放出素子、電界放出エミッタ、ガス分離膜、磁性材料、超伝導材料、二次電池の電極材料等に利用される。
【背景技術】
【0002】
カーボンナノチューブを得る方法としては、例えば、基板上にFe、Co及びNi等の触媒をコーティングして、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により垂直方向に伸びたカーボンナノチューブを得る方法であり、もう1つは炭化珪素単結晶を表面分解することにより、基板に対して垂直に伸びたカーボンナノチューブを得る方法である(特開平10−265208号公報)。
この方法を利用してカーボンナノチューブからなる所定のパターンを有する配線板を得るためには、触媒を用いたCVD法の場合、触媒を所定のパターンにて基板上に塗布することにより、パターンに従い形成されたカーボンナノチューブからなる配線パターンを得ることは可能であるが、チューブが曲がりやすく、また、触媒として用いた金属成分がチューブ内部に残るため、配線板の品質及び特性が劣ることがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであって、所定の方向に高配向するカーボンナノチューブによって所定のパターンに形成されたカーボンナノチューブ配線板及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、従来から行われている、炭化珪素の表面分解法によるカーボンナノチューブの生成が炭化珪素のC面上に限られていたことについて検討を重ねていたところ、この現象は原料である炭化珪素の表面、特にSi面に酸化膜が生成し、炭化珪素の分解を阻害しているためであることを見出した。そして、この酸化膜を取り除くことにより、炭化珪素のSi面にもカーボンナノチューブを生成させることができるという知見を得た。その結果、所望の位置に清浄な炭化珪素面を形成させ、それ以外には炭化珪素の分解を阻害するような成分を形成させ、炭化珪素を加熱することによって、所望の位置にカーボンナノチューブを形成させることができ、本発明を完成するに至った。
【0005】
本発明は以下に示される。
[1]基板と、該基板に配設され且つカーボンナノチューブからなる配線パターンと、を備えることを特徴とするカーボンナノチューブ配線板。
[2]上記基板が炭化珪素からなる上記[1]に記載のカーボンナノチューブ配線板。
[3]上記基板が導電性基板である上記[1]に記載のカーボンナノチューブ配線板。
[4]炭化珪素によって形成された所定のパターンを有する基板を、微量酸素を含有する雰囲気において、該炭化珪素が分解して該炭化珪素の表面から珪素原子が失われる温度に加熱することにより、生成したカーボンナノチューブからなる配線パターンが形成された配線板を製造することを特徴とするカーボンナノチューブ配線板の製造方法。
[5]炭化珪素の表面にカーボンナノチューブの生成を抑制する抑制膜を形成する工程と、該抑制膜を所定のパターンにエッチングする工程と、エッチング後の炭化珪素を微量酸素の含有する雰囲気において、該炭化珪素が分解して該炭化珪素の表面から珪素原子が失われる温度に加熱する工程と、を順次備え、上記パターンに従ってカーボンナノチューブからなる配線パターンが形成された配線板を製造することを特徴とするカーボンナノチューブ配線板の製造方法。
[6]上記抑制膜はSi−O、Si−Si及びSi−Nから選ばれる少なくとも1種の結合状態にある上記[5]に記載のカーボンナノチューブ配線板の製造方法。
[7]上記エッチングは、ガラスの腐食に用いられる処理剤により行う上記[5]又は[6]に記載のカーボンナノチューブ配線板の製造方法。
[8]上記処理剤は、フッ化水素酸、フッ化アンモニウム、フッ化カリウム及び水酸化カリウムから選ばれる少なくとも1種を含有する上記[7]に記載のカーボンナノチューブ配線板の製造方法。
[9]上記加熱温度は、1200〜2000℃である上記[5]乃至[8]のいずれかに記載のカーボンナノチューブ配線板の製造方法。
[10]上記炭化珪素がα−SiCである場合、カーボンナノチューブが(0001)面に対して垂直に配向している上記[5]乃至[9]のいずれかに記載のカーボンナノチューブ配線板の製造方法。
[11]上記炭化珪素がβ−SiCである場合、カーボンナノチューブが(111)面に対して垂直に配向している上記[5]乃至[9]のいずれかに記載のカーボンナノチューブ配線板の製造方法。
[12]上記[4]乃至[11]のいずれかに記載の方法により得られたことを特徴とするカーボンナノチューブ配線板。
【0006】
[13]基板に積層された炭化珪素層の表面にカーボンナノチューブの生成を抑制する抑制膜を形成する工程と、該抑制膜を所定のパターンにエッチングする工程と、エッチング後の基板を微量酸素の含有する雰囲気において、炭化珪素が分解して該炭化珪素の表面から完全に珪素原子が失われる温度に加熱する工程と、を順次備え、基板上に上記パターンに従ってカーボンナノチューブからなる配線パターンが形成された配線板を製造することを特徴とするカーボンナノチューブ配線板の製造方法。
[14]上記基板が導電性基板である上記[13]に記載のカーボンナノチューブ配線板の製造方法。
[15]上記基板の融点は1300℃以上である上記[13]又は[14]に記載のカーボンナノチューブ配線板の製造方法。
[16]上記抑制膜はSi−O、Si−Si及びSi−Nから選ばれる少なくとも1種の結合状態にある上記[13]乃至[15]のいずれかに記載のカーボンナノチューブ配線板の製造方法。
[17]上記エッチングは、ガラスの腐食に用いられる処理剤により行う上記[13]乃至[16]のいずれかに記載のカーボンナノチューブ配線板の製造方法。
[18]上記処理剤は、フッ化水素酸、フッ化アンモニウム、フッ化カリウム及び水酸化カリウムから選ばれる少なくとも1種を含有する上記[17]に記載のカーボンナノチューブ配線板の製造方法。
[19]上記加熱温度は、1200〜2000℃である上記[13]乃至[18]のいずれかに記載のカーボンナノチューブ配線板の製造方法。
[20]上記炭化珪素がα−SiCである場合、カーボンナノチューブが(0001)面に対して垂直に配向している上記[13]乃至[19]のいずれかに記載のカーボンナノチューブ配線板の製造方法。
[21]上記炭化珪素がβ−SiCである場合、カーボンナノチューブが(111)面に対して垂直に配向している上記[13]乃至[19]のいずれかに記載のカーボンナノチューブ配線板の製造方法。
[22]上記[13]乃至[21]のいずれかに記載の方法により得られたことを特徴とするカーボンナノチューブ配線板。
【発明の効果】
【0007】
本発明のカーボンナノチューブ配線板は、カーボンナノチューブの長さが1nm〜2μmと短いという性質上、配線パターンの厚みだけでなく、配線板自体の厚さを薄型とすることができ、小型で且つ高密度の製品への応用が期待される。特に基板が導電性基板である場合には、最終製品への工程を減らすことができる。
本発明のカーボンナノチューブ配線板の製造方法によれば、上記配線板を容易に製造することができる。また、炭化珪素の表面にカーボンナノチューブの生成を抑制する抑制膜を形成させ、これを所定のパターンにエッチングすることによって、加熱前の炭化珪素の表面を清浄なものとすることができ、より高配向のカーボンナノチューブを形成することができる。更に、清浄な表面であれば、炭化珪素の表面がC面であっても、Si面であっても、カーボンナノチューブを形成することができる。
抑制膜がSi−O、Si−Si及びSi−Nから選ばれる少なくとも1種の結合状態にある場合には、フッ化水素酸、フッ化アンモニウム、フッ化カリウム、水酸化カリウム等を含む処理液を用いたエッチングによって、効率よく炭化珪素の表面に生成した酸化膜等を除去し、炭化珪素の表面をより清浄なものとすることができる。
【0008】
更に、本発明のカーボンナノチューブ配線板の他の製造方法によれば、基板と、カーボンナノチューブからなる配線パターンとが接続状態にある配線板を容易に製造することができる。基板が、導電性基板である場合には、得られる配線板自体を最終製品とすることができ、また、この配線板を用いた電子部品等の最終製品への工程を減らすことができる。また、基板を構成する材料の融点が1300℃以上である場合には、カーボンナノチューブを形成した後に、変形等が発生しない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明を更に詳しく説明する。
本発明のカーボンナノチューブ配線板は、基板と、該基板に配設され且つカーボンナノチューブからなる配線パターンと、を備える。このような構成を有する配線板としては、図1〜図3で示されるような形態が挙げられる。図1は、基板1の表面にカーボンナノチューブが単独(1本)で又は2本以上の集合体(カーボンナノチューブ膜)となって配線パターン2を形成している例である。図2は、カーボンナノチューブからなる配線パターン2が基板1の内部に配設された例である。図3は、カーボンナノチューブが基板1の断面の中に嵌挿されたような例である。尚、図2及び図3において、カーボンナノチューブが基板1の表面(及び裏面)よりも突出したものであってもよい。
【0010】
上記基板としては特に限定されず、無機系材料(金属、合金、無機化合物等)からなるものであってもよいし、有機系材料(樹脂、ゴム、エラストマー等)からなるものであってもよい。更には、これらの複合材料からなるものであってもよい。
本発明においては、無機系材料が好ましく、なかでも、炭化珪素、グラファイト、アモルファスカーボン、モリブデン、タングステン等が特に好ましい。
また、基板の絶縁性も特に限定されず、導電体であってもよいし、絶縁体であってもよいが、導電性基板が好ましい。
基板の形状も特に限定されず、例えば、板状(多角形、円形、長尺形、L形等)、筒状、線状(直線、曲線、波線等)、塊状(立方体、直方体、円錐、角錘、球形、略球形等)等が挙げられる。また、各面は平滑であってもよいし、凹凸であってもよいし、網状であってもよい。
更に、基板の厚さも限定されない。
【0011】
上記配線パターンは、上記基板に配設されるものである。その位置は基板の表面でも裏面でも端面でもよい。配線パターンの形状は、直線状、曲線状、角状、円状、楕円状等が例示されるが特に限定されない。また、配線パターンは1種のみが配設されてもよいし、2種以上が配設されてもよい。複数の配線パターンを有する場合には、各配線パターンが接続していてもよいし、接続していなくてもよい。
また、基板に貫通孔等がある場合には、貫通孔の内壁に配線パターンを有するものであってもよい。
【0012】
上記基板に配設されたカーボンナノチューブは、どのような方法によって得たものであってもよい。基板上あるいは基板内部に位置する原料を反応させることによって得たものであってもよいし、他場所で製造されたカーボンナノチューブを所定の位置に配設してもよい。尚、上記原料、反応方法、他場所における製造方法等は特に限定されない。
カーボンナノチューブの長さは、好ましくは1nm〜2μm、より好ましくは3nm〜1μmである。この範囲の長さとすることによって、カーボンナノチューブの特性を十分に発揮する製品を提供することができる。
【0013】
本発明においては、カーボンナノチューブの製造原料として炭化珪素を用いることができ、所定の位置に炭化珪素を配置し、これを以下に示す方法で処理することによってカーボンナノチューブからなる配線パターンを得ることができる。この方法は、炭化珪素を微量酸素の含有する雰囲気において、炭化珪素が分解して炭化珪素の表面から珪素原子が失われる温度に加熱することにより、炭化珪素から珪素原子を除去してカーボンナノチューブを生成させるものである。
【0014】
基板が炭化珪素である場合には、上記加熱によってあらゆる表面にカーボンナノチューブが形成されてしまうおそれがあるので、所定の位置にカーボンナノチューブからなる配線パターンを形成させるためには、所定のパターン以外の部分(カーボンナノチューブの形成を希望しない部分)をマスキングする等の方法を採ることができる。マスキングの方法としては特に限定されず、カーボンナノチューブを得るための上記方法により、マスキング材が変質しないこと、マスキング材がパターンの位置に相当する炭化珪素へ悪影響を及ぼさないこと、カーボンナノチューブが正常に形成された後のマスキング材の効率的な除去が可能であること、等を考慮して適宜選択すればよい。通常は、半導体製造工程等で適用されるフォトリソグラフィ法、例えば、レジスト被膜を形成させる等の方法が採られる。マスキング材の除去法は、マスキング材の種類によって、形成されたカーボンナノチューブを破壊あるいは変質させないような方法、例えば、レーザー照射等を選択すればよい。
【0015】
また、基板が炭化珪素以外の材料である場合には、基板上あるいは基板内部の所定の位置に、その少なくとも一部が表出するように炭化珪素を形成あるいは配設し、上記加熱方法によって所定の位置にカーボンナノチューブを形成させて本発明の配線板を得ることができる。
【0016】
本発明のカーボンナノチューブ配線板を得るために用いる炭化珪素としては特に限定されない。結晶形はα−SiCでもβ−SiCでもいずれでもよい。また、単結晶でも多結晶でもよい。更に、多孔質であってもよい。多孔質の場合、気孔率等も特に限定されない。また、気孔の形状も球状であっても不規則なものであってもよく、閉じた気孔でも外部と通じた気孔であってもよい。更に、焼結体であってもよい。炭化珪素の形状も板状(円形、多角形、L形等)、線状(直線、曲線等)、塊状(立方体、直方体、球形、略球形等)等特に限定されない。
【0017】
カーボンナノチューブは、上記炭化珪素を、微量酸素を含有する雰囲気において加熱すると、Siが酸化されてSiOとして蒸発し、残ったCが筒状のチューブ構造をとって配列することで製造される。上記「微量酸素を含有する雰囲気」とは、微量の酸素を含有する環境(条件)であれば、特に限定されず、減圧状態であっても、常圧であっても、あるいは加圧状態であってもよいし、また、酸素以外の主たる気体の存在下であってもよい。好ましくは、真空中あるいは不活性ガス雰囲気である。
【0018】
微量酸素を含有する真空中において炭化珪素を加熱する場合、炭化珪素の分解により珪素原子を除去可能な限りにおいて、真空度及び加熱温度は特に限定されない。好ましい真空度は、10−4〜10−10Torrであり、より好ましくは10−5〜10−9Torrである。真空度が高すぎると、生成されるカーボンナノチューブ同士が食い合うことにより、一部のチューブが他を吸収して大きく成長する場合があり、カーボンナノチューブのサイズを制御することが困難になる。また、好ましい加熱温度は、1200〜2000℃であり、より好ましくは1400〜1800℃である。加熱温度が高すぎると、炭化珪素から珪素原子が失われる速度が大きくなり、カーボンナノチューブの配向が乱れやすくなるとともにチューブ径が大きくなる傾向がある。また、カーボン自身もCOとなり蒸発し、カーボンナノチューブ長も短くなり、更に消失してしまい、乱れたグラファイト層が形成されるので好ましくない。
尚、上記加熱温度に達するまでの昇温速度は特に限定されないが、通常、平均速度は5〜30℃/分、好ましくは5〜20℃/分である。多段階で加熱してもよい。また、上記加熱温度における保持時間も特に限定されず、通常30〜360分、好ましくは30〜240分である。上記加熱が終了した後、室温まで降温されるが、その速度も特に限定されない。多段階で降温してもよい。
【0019】
また、微量酸素を含有する不活性ガス雰囲気において炭化珪素を加熱する場合の不活性ガスとしては、He及びAr等が挙げられるが、Arが好ましい。含有される酸素の量は、好ましくは3%以下、より好ましくは1%以下である。尚、通常、下限は0.000001%である。酸素の量が多すぎると、カーボンナノチューブがエッチングされることがある。
不活性ガス雰囲気において炭化珪素を加熱する場合、炭化珪素の分解により珪素原子を除去可能な限りにおいて、雰囲気の圧力及び加熱温度は特に限定されない。好ましい加熱条件は真空中におけるものと同様とすることができる。
【0020】
上記炭化珪素を加熱する手段としては特に限定されず、電気炉、レーザービーム照射、直接通電加熱、赤外線照射加熱、マイクロ波加熱及び高周波加熱等の手段によることができる。
【0021】
原料である炭化珪素がα−SiCである場合、カーボンナノチューブは(0001)面に対して垂直に配向する傾向にある。また、炭化珪素がβ−SiCである場合、カーボンナノチューブは(111)面に対して垂直に配向する傾向にある。従って、原料である炭化珪素の結晶系が予め明らかな場合は、カーボンナノチューブの生成形成する方向を予想することができるため、目的に応じた炭化珪素の形状とする等によって、製品へのスピードアップも図れる。
【0022】
以上のように、炭化珪素によって形成された所定のパターンを有する基板を、微量酸素を含有する雰囲気において、該炭化珪素が分解して該炭化珪素の表面から珪素原子が失われる温度に加熱することにより、生成したカーボンナノチューブからなる配線パターンが形成された配線板を製造することを特徴とするカーボンナノチューブ配線板を得ることができる。
【0023】
しかし、本発明のカーボンナノチューブ配線板は、炭化珪素の表面にカーボンナノチューブの生成を抑制する抑制膜を形成する工程と、該抑制膜を所定のパターンにエッチングする工程と、エッチング後の炭化珪素を微量酸素の含有する雰囲気において、該炭化珪素が分解して該炭化珪素の表面から珪素原子が失われる温度に加熱する工程と、を順次備えることによって、炭化珪素自身を基板とし、より高配向のカーボンナノチューブからなる配線パターンを備えるカーボンナノチューブ配線板を製造することができる。
【0024】
上記抑制膜を構成する材料及び抑制膜を炭化珪素の表面に形成する方法は特に限定されない。カーボンナノチューブの原料である炭化珪素が変質、劣化等を引き起こさない材料が好ましい。そのような材料としては、Si−O、Si−Si及びSi−Nから選ばれる少なくとも1種の結合状態を有するSi系材料、即ち、SiO、N含有SiO、金属Si、Si等が挙げられる。これらのうち、SiOが好ましい。
SiOの形成方法としては特に限定されない。例えば、飽和水蒸気を含有する酸素あるいは空気を雰囲気として、通常、900〜1300℃、好ましくは1000〜1200℃で加熱することによって、均一な膜厚を有する抑制膜とすることができる。
尚、上記結合状態は、XPS(光電子分光法)による表面分析により容易に調べることができる。
【0025】
抑制膜の厚さは特に限定されず、好ましくは3〜500nm、より好ましくは10〜300nmである。この範囲の厚さとすることによって、所定のパターンへのエッチングを効率よく行うことができる。また、抑制膜の厚さが薄すぎると、エッチングの制御が困難になることがあり、その結果、所定のパターンの形状を維持できなくなる。
【0026】
抑制膜を形成させた後、所定のパターンにエッチングされるが、その方法は特に限定されず、湿式エッチングでもよいし、乾式エッチングでもよい。湿式エッチングの場合、通常は、炭化珪素を侵すおそれのない処理液を用いて行われる。上記処理液は上記抑制膜を腐食あるいは溶解させることができるものであれば特に限定されないが、酸又はアルカリの処理液が好ましく、ガラスの腐食に適した処理液が特に好ましい。例えば、腐食液としてフッ化水素酸水溶液、フッ化アンモニウム水溶液、フッ化カリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、(フッ化水素酸+硝酸)水溶液等が挙げられる。これらのうち、抑制膜がSiOからなる場合には、フッ化水素酸水溶液、フッ化アンモニウム水溶液、フッ化カリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液及び(フッ化水素酸+硝酸)水溶液が好ましい。また、抑制膜が金属Siからなる場合には、水酸化カリウム水溶液が好ましい。但し、溶融酸化ナトリウム溶液、炭酸ナトリウム・硝酸カリウム混合液等は炭化珪素にダメージを与えるため好ましくない。上記処理液は、炭化珪素の形状や目的等に応じて処理条件(処理方法、処理液の濃度、温度、処理時間等)を選択すればよい。処理方法としては浸漬法、吹きつけ法等があるが、浸漬法が好ましい。浸漬法による化学処理は、上記処理液の1種のみを用いて行ってもよいし、複数種類の処理液を混合せずに別々の工程で用いて行ってもよい。尚、炭化珪素を化学処理した後は、超純水等で洗浄し、加熱工程へ進めることが好ましい。
【0027】
上記フッ化水素酸水溶液を用いて化学処理する場合、その濃度は、好ましくは0.5〜49%、より好ましくは0.5〜20%、更に好ましくは5〜10%である。濃度が小さすぎると酸化膜の除去に長時間を要する傾向があり、大きすぎると酸化膜の除去を制御しにくい傾向がある。また、処理時間は、好ましくは5〜60分、より好ましくは5〜30分、更に好ましくは10〜20分である。処理時間が短すぎると酸化膜が表面に残留する傾向がある。尚、処理温度は、通常、10〜30℃である。
【0028】
上記フッ化アンモニウム水溶液あるいはフッ化カリウム水溶液を用いて化学処理する場合、各濃度は、好ましくは0.5〜40%、より好ましくは0.5〜20%、更に好ましくは5〜10%である。濃度が小さすぎると酸化膜の除去に長時間を要する傾向があり、大きすぎると酸化膜の除去を制御しにくい傾向がある。また、各処理時間は、好ましくは5〜60分、より好ましくは5〜30分、更に好ましくは10〜20分である。処理時間が短すぎると酸化膜が表面に残留する傾向がある。尚、処理温度は、通常、10〜30℃である。
【0029】
水酸化カリウム水溶液を用いて化学処理する場合、その濃度は、好ましくは0.5〜30%、より好ましくは0.5〜20%、更に好ましくは5〜15%である。濃度が小さすぎると酸化膜の除去に長時間を要する傾向があり、大きすぎると酸化膜の除去を制御しにくい傾向がある。また、処理時間は、好ましくは60〜420分、より好ましくは120〜360分、更に好ましくは180〜300分である。処理時間が短すぎると酸化膜が表面に残留する傾向がある。尚、処理温度は、通常、30〜80℃である。
【0030】
上記例示した処理液を複数用いる場合は、例えば、(1)フッ化水素酸水溶液を用いた後、水酸化カリウム水溶液を用いる方法、(2)フッ化アンモニウム水溶液を用いた後、水酸化カリウム水溶液を用いる方法等がある。
上記エッチングによって、炭化珪素の表面に存在するSiO膜等の抑制膜は0.2nm以下、好ましくは0〜0.1nmとわずかな厚さとなるに留まる。
【0031】
尚、所定のパターンをエッチングするためには、エッチングの前に、上記のように、所定のパターン以外の部分をマスキングする等の方法が採られる。
エッチングによって、所定のパターンに相当する部分の抑制膜が効率的に除去される。その後、必要に応じて、残りのマスキング材を除去し、上記のようにして加熱される。
【0032】
カーボンナノチューブの原料である炭化珪素は、Si原子のみ表面(以下、「Si面」という。)及びC原子のみの面(以下、「C面」という。)が交互に存在する性質を有する極性材料であるが、一般に、同条件で処理した場合、Si面及びC面それぞれから形成されるカーボンナノチューブの長さが異なることがある(Si面におけるカーボンナノチューブが短くなる傾向にある。)が、チューブ径はほぼ同じであり、物性もほぼ同じである。
【0033】
本発明の他のカーボンナノチューブ配線板の製造方法は、基板に積層された炭化珪素層の表面にカーボンナノチューブの生成を抑制する抑制膜を形成する工程と、該抑制膜を所定のパターンにエッチングする工程と、エッチング後の基板を微量酸素の含有する雰囲気において、炭化珪素が分解して該炭化珪素の表面から完全に珪素原子が失われる温度に加熱する工程と、を順次備えることによって、基板上に上記パターンに従ってカーボンナノチューブからなる配線パターンが形成された配線板を製造することを特徴とする。
【0034】
上記基板としては、カーボンナノチューブを生成させるための加熱によって原料である炭化珪素と反応しにくい材料からなるものであれば特に限定されない。また、上記基板を構成する材料の融点は、好ましくは1300℃以上、より好ましくは1600℃以上、更に好ましくは1800℃以上である。但し、上限は、通常4000℃である。上記基板を構成する材料の融点が低すぎるとカーボンナノチューブを形成中に基板の変形や融解が発生することがある。
また、上記基板は導電性を有することが好ましい。これによって、基板に形成されるカーボンナノチューブとの電気伝導性を利用した製品を容易に製造することができる。
尚、基板の形状、厚さ等は上記と同様とすることができる。
【0035】
上記基板上の炭化珪素層を形成する方法は特に限定されず、例えば、気相成長法、液相成長法等により基板上に形成することができる。これらのうち、気相成長法が好ましく、CVD法、MBE法及びスパッタ法等が挙げられる。
【0036】
上記抑制膜を炭化珪素層の表面に形成する工程以降は、上記と同様とすることができる。尚、炭化珪素は完全に分解するまで加熱されるため、炭化珪素層が所定のパターンに従って形成されている場合には、より高配向のカーボンナノチューブからなる配線パターンを備えるカーボンナノチューブ配線板を直接製造することができるが、炭化珪素層が基板を覆うように形成されている場合には、上記のように、所定のパターン以外の部分(カーボンナノチューブの形成を希望しない部分)をマスキングする等の方法を採ることができる。
【実施例】
【0037】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1
基板として六方晶炭化珪素(縦3mm、横3mm、厚さ0.3mm)を用い、(000−1)C面の所定の位置にカーボンナノチューブを形成させるために以下の処理を行った。
まず、炭化珪素の表面の酸化膜を除去するため、10%フッ化水素酸水溶液に室温下、30分間浸した後、超純水にて水洗した。次いで、飽和水蒸気雰囲気中、酸素ガスを流速100ml/分で導入しながら、室温から1150℃まで昇温速度20℃/分で加熱した後、1時間保持して熱処理を行い、炭化珪素の表面に厚さ約3nmのSiO膜、即ち抑制膜を形成させた。その後、炭化珪素を超純水にて洗浄し、不活性ガス中で十分乾燥させた後、所定のパターン以外の部分をマスキングするため、その部分にレジストを塗布した。そして、レジストの溶剤を蒸発させ、硬化させるため、80℃で30分間乾燥させレジスト被膜を形成させた。その後、フォトマスクを被せて、水銀ランプで露光した。現像した後、不要なレジストを硫酸水溶液にて除去し、リンス液にて洗浄した。次いで、レジスト被膜を加熱し炭化珪素との密着性を向上させた。その後、レジスト被膜が形成されていない部分のSiO膜を、10%フッ化水素酸溶液にて除去した後、基板を純水で洗浄した。炭化珪素表面に残ったレジストは硫酸水溶液にて除去し、純水にて洗浄した。
次に、得られた炭化珪素基板を、真空中(1×10−4Torr)、室温から1700℃まで加熱し保持時間2時間として炭化珪素を表面分解させた。その後、上記で形成したSiO膜を除去し、カーボンナノチューブ配線板を得た。以上の工程の概略説明図を図4に示す。
【0038】
配線パターンに相当する部分を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、図5に示すように基板に対して垂直にカーボンナノチューブが生成していることが分かった。カーボンナノチューブの長さは400nmであった。一方、SiO膜にて覆われていた炭化珪素表面にはカーボンナノチューブは生成していなかった(図6)。
また、炭化珪素の表面を抑制膜の形成前後においてXPSを用いてSi2pスペクトルを測定したところ、図7に示すように、抑制膜の形成前(点線)は、100.4eVあたりにピークを有するSi−Cを示唆しているのに対し、抑制膜の形成後(実線)は、102.8eVあたりにピークを有するSi−O(SiO)を示唆し、炭化珪素は表出せずSiO膜で被覆されていた。尚、表面電荷の若干の違いから発生するチャージアップは無視するものとする。
【0039】
実施例2
基板として六方晶炭化珪素(縦3mm、横3mm、厚さ0.3mm)を用い、(0001)Si面の所定の位置にカーボンナノチューブを形成させるために実施例1と同様の処理を行い、カーボンナノチューブ配線板を得た。
配線パターンに相当する部分を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、基板に対して垂直にカーボンナノチューブが生成していることが分かった。カーボンナノチューブの長さは260nmであった。一方、SiO膜にて覆われていた炭化珪素表面にはカーボンナノチューブは生成していなかった。
【0040】
実施例3
基板としてアモルファスカーボン基板(縦10mm、横10mm、厚さ3mm)を用い、所定の位置にカーボンナノチューブを形成させるために以下の処理を行った。
まず、基板をエタノール、続いてアセトンにて超音波洗浄を行って脱脂した。次いで、熱CVD法により(111)配向した炭化珪素多結晶を堆積させるために、基板を反応管の中に入れて、水素雰囲気下、800℃で20分間加熱した。基板温度が安定した後、原料ガスを導入し、成膜を開始した。Cの原料ガスとしてCHClを、Siの原料ガスとしてSiHを使用した。原料ガスは水素で10%に希釈・充填したボンベから供給され、反応室へ入る前にキャリアガスの水素と混合した。各ガス流量はHが340sccm、SiHClが14sccm、CHClが9.4sccmであった。炭化珪素膜を約0.4μm堆積させた後、基板を取り出した。
【0041】
次に、炭化珪素膜付き基板を10%フッ化水素酸水溶液に30分間浸し、炭化珪素膜の表面を清浄化した後、超純水にて水洗した。その後、スパッタリングによって、炭化珪素膜の表面に厚さ50nmのSi膜を形成させた。そして、炭化珪素膜の表面を超純水にて洗浄し、不活性ガス中で十分乾燥させた後、所定のパターン以外の部分をマスキングするため、その部分にレジストを塗布した。そして、レジストの溶剤を蒸発させ、硬化させるため、80℃で30分間乾燥させレジスト被膜を形成させた。その後、フォトマスクを被せて、水銀ランプで露光した。現像した後、不要なレジストを硫酸水溶液にて除去し、リンス液にて洗浄した。次いで、レジスト被膜を加熱し炭化珪素との密着性を向上させた。その後、レジスト被膜が形成されていない部分のSi膜を、1N−水酸化カリウム溶液にて除去し、純水で洗浄した。炭化珪素膜の表面に残ったレジストは硫酸水溶液にて除去し、純水にて洗浄した。そして、得られた炭化珪素膜付き基板を実施例1と同様にして加熱し、カーボンナノチューブ配線板を得た。
配線パターンに相当する部分を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、基板に対して垂直にカーボンナノチューブが生成していることが分かった。カーボンナノチューブの長さは380nmであった。一方、Si膜にて覆われていた炭化珪素膜の表面にはカーボンナノチューブは生成していなかった。
【0042】
実施例の効果
上記実施例で示したように、所定のパターンに高配向のカーボンナノチューブを形成させるために、前処理として、炭化珪素の表面にカーボンナノチューブの成長を抑制する抑制膜を形成し、エッチングを行い、清浄表面を有する状態で炭化珪素を表面分解することにより、高配向のカーボンナノチューブからなる配線パターンを有するカーボンナノチューブ配線板を容易に製造することができた。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明のカーボンナノチューブ配線板の一例を示す説明断面図である。
【図2】本発明のカーボンナノチューブ配線板の他の例を示す説明断面図である。
【図3】本発明のカーボンナノチューブ配線板の他の例を示す説明断面図である。
【図4】実施例1のカーボンナノチューブ配線板の製造方法を示す模式的説明図である。
【図5】実施例1で得られたカーボンナノチューブ配線板の中のカーボンナノチューブのTEM写真である。
【図6】実施例1で得られたカーボンナノチューブ配線板の抑制膜で覆われた炭化珪素表面のTEM写真である。
【図7】実施例1における抑制膜の形成前後の炭化珪素表面のXPSによるSi2pスペクトルである。
【符号の説明】
【0044】
1;基板、2;カーボンナノチューブ(膜)からなる配線パターン、3;炭化珪素、4;抑制膜、5;レジスト被膜。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、該基板に配設され且つカーボンナノチューブからなる配線パターンと、を備えることを特徴とするカーボンナノチューブ配線板。
【請求項2】
上記基板が炭化珪素からなる請求項1に記載のカーボンナノチューブ配線板。
【請求項3】
上記基板が導電性基板である請求項1に記載のカーボンナノチューブ配線板。
【請求項4】
炭化珪素によって形成された所定のパターンを有する基板を、微量酸素を含有する雰囲気において、該炭化珪素が分解して該炭化珪素の表面から珪素原子が失われる温度に加熱することにより、生成したカーボンナノチューブからなる配線パターンが形成された配線板を製造することを特徴とするカーボンナノチューブ配線板の製造方法。
【請求項5】
炭化珪素の表面にカーボンナノチューブの生成を抑制する抑制膜を形成する工程と、該抑制膜を所定のパターンにエッチングする工程と、エッチング後の炭化珪素を微量酸素の含有する雰囲気において、該炭化珪素が分解して該炭化珪素の表面から珪素原子が失われる温度に加熱する工程と、を順次備え、上記パターンに従ってカーボンナノチューブからなる配線パターンが形成された配線板を製造することを特徴とするカーボンナノチューブ配線板の製造方法。
【請求項6】
上記抑制膜はSi−O、Si−Si及びSi−Nから選ばれる少なくとも1種の結合状態にある請求項5に記載のカーボンナノチューブ配線板の製造方法。
【請求項7】
上記エッチングは、ガラスの腐食に用いられる処理剤により行う請求項5又は6に記載のカーボンナノチューブ配線板の製造方法。
【請求項8】
上記処理剤は、フッ化水素酸、フッ化アンモニウム、フッ化カリウム及び水酸化カリウムから選ばれる少なくとも1種を含有する請求項7に記載のカーボンナノチューブ配線板の製造方法。
【請求項9】
上記加熱温度は、1200〜2000℃である請求項5乃至8のいずれかに記載のカーボンナノチューブ配線板の製造方法。
【請求項10】
上記炭化珪素がα−SiCである場合、カーボンナノチューブが(0001)面に対して垂直に配向している請求項5乃至9のいずれかに記載のカーボンナノチューブ配線板の製造方法。
【請求項11】
上記炭化珪素がβ−SiCである場合、カーボンナノチューブが(111)面に対して垂直に配向している請求項5乃至9のいずれかに記載のカーボンナノチューブ配線板の製造方法。
【請求項12】
請求項4乃至11のいずれかに記載の方法により得られたことを特徴とするカーボンナノチューブ配線板。
【請求項13】
基板に積層された炭化珪素層の表面にカーボンナノチューブの生成を抑制する抑制膜を形成する工程と、該抑制膜を所定のパターンにエッチングする工程と、エッチング後の基板を微量酸素の含有する雰囲気において、炭化珪素が分解して該炭化珪素の表面から完全に珪素原子が失われる温度に加熱する工程と、を順次備え、基板上に上記パターンに従ってカーボンナノチューブからなる配線パターンが形成された配線板を製造することを特徴とするカーボンナノチューブ配線板の製造方法。
【請求項14】
上記基板が導電性基板である請求項13に記載のカーボンナノチューブ配線板の製造方法。
【請求項15】
上記基板の融点は1300℃以上である請求項13又は14に記載のカーボンナノチューブ配線板の製造方法。
【請求項16】
上記抑制膜はSi−O、Si−Si及びSi−Nから選ばれる少なくとも1種の結合状態にある請求項13乃至15のいずれかに記載のカーボンナノチューブ配線板の製造方法。
【請求項17】
上記エッチングは、ガラスの腐食に用いられる処理剤により行う請求項13乃至16のいずれかに記載のカーボンナノチューブ配線板の製造方法。
【請求項18】
上記処理剤は、フッ化水素酸、フッ化アンモニウム、フッ化カリウム及び水酸化カリウムから選ばれる少なくとも1種を含有する請求項17に記載のカーボンナノチューブ配線板の製造方法。
【請求項19】
上記加熱温度は、1200〜2000℃である請求項13乃至18のいずれかに記載のカーボンナノチューブ配線板の製造方法。
【請求項20】
上記炭化珪素がα−SiCである場合、カーボンナノチューブが(0001)面に対して垂直に配向している請求項13乃至19のいずれかに記載のカーボンナノチューブ配線板の製造方法。
【請求項21】
上記炭化珪素がβ−SiCである場合、カーボンナノチューブが(111)面に対して垂直に配向している請求項13乃至19のいずれかに記載のカーボンナノチューブ配線板の製造方法。
【請求項22】
請求項13乃至21のいずれかに記載の方法により得られたことを特徴とするカーボンナノチューブ配線板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−142440(P2007−142440A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−317745(P2006−317745)
【出願日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【分割の表示】特願2002−186655(P2002−186655)の分割
【原出願日】平成14年6月26日(2002.6.26)
【出願人】(000173522)財団法人ファインセラミックスセンター (147)
【Fターム(参考)】