説明

ガス供給ユニット及びガス供給システム

【課題】 小型で安価なガス供給湯ユニット及びガス供給システムを提供すること。
【解決手段】 作用ガス搬送管路上に配設されるものであり、複数の流体制御機器2〜6,9が流路ブロック12〜17を介して連通して作用ガスを制御するガス供給ユニット11Aにおいて、複数の流体制御機器に含まれる入口開閉弁4を一側面に取り付けられる第1流路ブロック14と、複数の流体制御機器に含まれるパージ弁9を一側面に取り付けられる第2流路ブロック17とを有し、第1流路ブロック14と第2流路ブロック17を作用ガスの搬送方向に対して垂直方向に積層し、入口開閉弁4とパージ弁9を、作用ガス搬送管路上に配設されたマスフローコントローラ5とユニット11Aを取り付ける取付面との間に配設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、供給ガスの搬送管路上に配設され、複数の流体制御機器を用いて供給ガスを制御するガス供給ユニット及びガス供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、半導体製造工程では、ホトレジスト加工のエッチング等に腐食性ガスを使用されている。ホトレジスト加工(ホトレジスト塗布、露光、現像、エッチング)は、半導体製造工程において複数回繰り返されるため、実際の半導体製造工程では、腐食ガスを必要に応じて供給するガス供給ユニットが使用されている。
【0003】
図15は、ガス供給ユニットの回路図の一例である。
ガス供給ユニットは、図中左端から図中右端に向かって作用ガスとパージガスが流れる。作用ガス供給源1には、レギュレータ2、圧力センサ3、入口開閉弁(特許請求の範囲の「第1流体制御機器」に相当。)4、マスフローコントローラ5、出口開閉弁6が順次接続し、出口開閉弁6の出力ポートに真空チャンバ7が接続している。一方、パージガス供給源8には、パージ弁(特許請求の範囲の「第2流体制御機器」に相当。)9が接続している。パージ弁9の出力ポートは、入口開閉弁4とマスフローコントローラ5との間に接続している。
【0004】
図16は、図15に示す回路を具体化した従来のガス供給ユニット100の側面図である。
従来のガス供給ユニット100は、レギュレータ2が入力ブロック101と流路ブロック102の上面に上方からボルトで固定され、入力ポートが入力ブロック101を介して作用ガス供給源1に連通する。圧力センサ3は、流路ブロック102,103の上面に上方からボルトで固定され、入力ポートがレギュレータの出力ポートに連通する。入口開閉弁4は、流路ブロック103,104の上面に上方からボルトで固定され、入力ポートが圧力センサ3の出力ポートに連通する。パージ弁9は、流路ブロック104,105及びパージブロック108の上面に上方からボルトで固定され、作用ガス入力ポートが入口開閉弁4の出力ポートに連通し、パージガス入力ポートがパージブロック108を介してパージガス供給源8に連通する。マスフローコントローラ5は、流路ブロック105,106の上面に上方からボルトで固定され、入力ポートがパージ弁9の共通出力ポートに連通する。出口開閉弁6は、流路ブロック106と出力ブロック107の上面に上方からボルトで固定され、出力ポートが出力ブロック107を介して真空チャンバ7に連通する。ガス供給ユニット100は、各機器2〜9をブロック101〜107の上面に上方からボルトで固定するため、全ての機器2〜9を配管で接続する場合と比べて、全長が短くなり、小型化できる(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
一方、マスフローコントローラ5は、流路ブロック105,106に持ち上げられ、取付面との間に隙間がある。そこで、流路ブロック105,106に交換頻度の少ない入口開閉弁4又は出口開閉弁6を横向きに取り付けて、マスフローコントローラ5と取付面との間に配設し、ガス供給ユニットの全長をさらに短くする技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】特開平11−159649
【特許文献2】国際公開第02/093053号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のガス供給ユニット100は、機器2〜9をブロック101〜107に上方から取り付けたり、マスフローコントローラ5と取付面との間に機器を配設するなどして小型化を図っているものの、近年の作用ガス供給ユニットに対する小型化の要求から見ると、未だ不十分であった。すなわち、機器2〜4と取付面との間に無駄な空間が存在し、設置スペースが大きくなっていた。また、1個の機器を2つのブロックに固定して他の機器に連結するため、ブロック数が多く、さらに機器とブロックの接続部分をシールするシール箇所も多かった。そのため、従来のガス供給ユニットは、ブロックやシール部材などの材料費やシール箇所の加工費などが嵩み、コスト高であった。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、小型で安価なガス供給ユニット及びガス供給システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係るガス供給ユニットは以下の構成を有する。
(1)作用ガス搬送管路上に配設されるものであり、複数の流体制御機器が流路ブロックを介して連通して作用ガスを制御するガス供給ユニットにおいて、複数の流体制御機器に含まれる第1流体制御機器を一側面に取り付けられる第1流路ブロックと、複数の流体制御機器に含まれる第2流体制御機器を一側面に取り付けられる第2流路ブロックとを有し、第1流路ブロックと第2流路ブロックを作用ガスの搬送方向に対して垂直方向に積層し、第1流体制御機器と第2流体制御機器を、作用ガス搬送管路上に配設された流体制御機器とユニットを取り付ける取付面との間に配設したものであることを特徴とする。
【0010】
(2)請求項1に記載するガス供給ユニットにおいて、第1流路ブロックは、上側面と下側面に少なくとも1個ずつポートが開設されており、それらのポートが第1流体制御機器を介して互いに連通しており、第2流路ブロックは、上側面と、第2流体制御機器を取り付けられる側面と対向する対向側面とに少なくとも1個ずつポートが開設されており、それらのポートが第2流体制御機器を介して互いに連通していることを特徴とする。
【0011】
(3)請求項2に記載するガス供給ユニットにおいて、第1流路ブロックは、第1流体制御機器を取り付けられる側面と対向する対向側面に少なくとも1個のポートが開設され、上側面と下側面に開設されたポートに第1流体制御機器を介して互いに連通していることを特徴とする。
【0012】
(4)請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載するガス供給ユニットにおいて、
第1流路ブロック又は第2流路ブロックを、作用ガス搬送管路上に配設された流路ブロックに接続するバイパス配管が、流体制御機器と取付面との間に配設されていることを特徴とする。
【0013】
また、上記目的を達成するために、本発明のガス供給システムは以下の構成を有する。
(5)請求項1乃至請求項4の何れか一つに記載するガス供給ユニットの両端に取り付けられて当該ガス供給ユニットを水平に保持する一対のブラケットを有し、一対のブラケットを取付部材に固定することにより、ガス供給ユニットを集積したものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
続いて、本発明の作用効果について説明する。
本発明のガス供給ユニットは、例えば作用ガスを左右方向に供給する場合には、第1流路ブロックと第2流路ブロックを作用ガスの搬送方向に対して垂直方向、すなわち上下方向に積層することにより、第1流路ブロックの一側面に取り付けられた第1流体制御機器と、第2流路ブロックの一側面に取り付けられた第2流体制御機器が、作用ガス供給管路上に配設された流体制御機器とユニットを取り付ける取付面との間の隙間に横向きに配設される。そのため、ガス供給ユニットに搭載される複数の流体制御機器のうち、作用ガス搬送管路上に並べられる流体制御機器は、第1流体制御機器と第2流体制御機器を省いたものとなる。しかも、第1流路ブロックと第2流路ブロックは、上下方向に積層され、ユニットの全長方向に無駄な空間を作らないので、1個の流体制御機器を2個の流路ブロックに固定する場合と比べて流路ブロック間の無駄な空間が少なくなる。ここで、第1,第2流体制御機器は、第1,第2流路ブロックにそれぞれ直接取り付けられている。そのため、ガス供給ユニットは、1個の機器を2個の流路ブロックに固定する場合と比べてブロックの数やシール箇所が減少する。
よって、本発明のガス供給ユニットによれば、作用ガス搬送管路上に配設される流体制御機器の数を減らすとともに、流路ブロック間の無駄な空間を少なくするので、ユニットの全長を短くして小型化を図ることができる。また、本発明のガス供給ユニットによれば、ブロック数やシール箇所が減るため、材料費や加工費を削減し、低廉化を図ることができる。
【0015】
第1流路ブロックと第2流路ブロックを上下に積層すると、第1流路ブロックの下側面と第2流路ブロックの上側面に開設したポートが互いに連通する。第1流路ブロックは、上側面と下側面に開設したポートが第1流体制御機器を介して連通し、第2流路ブロックは、上側面と第2流体制御機器を取り付けられる側面に対向する側面とに開設されたポートが第2流体制御機器を介して連通しているので、第2流路ブロックの側面に開口するポートに供給した流体を第2流体制御機器、第1流体制御機器を介して第1流路ブロックの上側面に開口するポートから出力して、作用ガス搬送管路上に配設される流体制御機器に供給することができる。
よって、本発明のガス供給ユニットによれば、第1,第2流路ブロックを積層するだけで、第1,第2流体制御機器で流体制御可能な流路を上下方向に簡単に形成することができる。
【0016】
特に、第1流路ブロックが、上側面と下側面のポートに加え、第1流体制御機器を取り付けられる側面と対向する側面にポートを開設し、それらのポートを第1流体制御機器を介して相互に連通するようにされた場合には、第1流体制御機器と異なる流体制御機器や流路ブロックなどを側面に直接当接させて連結することができ、作用ガス搬送管路上に配設される流体制御機器の数や流路ブロック間の無駄な隙間を減らしてユニットの小型化を図ることができる。
【0017】
このように、第1流路ブロックと第2流路ブロックを上下方向に積層すると、作用ガス搬送管路上に配設される流体制御機器と取付面との間の隙間が余ることがある。このような場合には、バイパス配管の一端を第1流路ブロック又は第2流路ブロックに接続し、他端を作用ガス搬送管路上に配設される流路ブロックに接続することにより、バイパス配管を作用ガス搬送管路上に配設される流体制御機器と取付面との間に配設すれば、1ライン分の占有スペースでバイパス配管を設けることができる。
【0018】
上記ガス供給ユニットは、両端に取り付けられた一対のブラケットにより水平に保持され、そのブラケットを取付部材に固定することにより集積される。このようにしてシステム化されたガス供給システムは、小型化で低廉化なガス供給ユニットを使用するので、システム自体の小型化や低廉化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、本発明に係るガス供給ユニット、ガス供給システム及び流路ブロックの実施形態について図面を参照して説明する。
【0020】
(第1実施形態)
本発明のガス供給ユニットの第1実施形態について説明する。図1は、ガス供給ユニット11Aの側面図である。
ガス供給ユニット11Aは、図16に示す従来のガス供給ユニット100との差異を明確にするために、図15に示す回路を具体化するように構成されている。図16と同一の構成部品には、同一符号を付している。ガス供給ユニット11Aは、流体制御機器としてレギュレータ2、圧力センサ3、入口開閉弁4、マスフローコントローラ5、出口開閉弁6、パージ弁9を備え、機器2〜9をブロック12,13,14,15,16,17に取り付けてスティック状に連結している。機器2〜9及びブロック12〜17は、耐熱性や剛性を鑑みて、ステンレス等の剛性を有する金属を材質としている。ガス供給ユニット11Aは、流路ブロック(特許請求の範囲の「第1流路ブロック」に相当。)14と流路ブロック(「特許請求の範囲の「第2流路ブロック」に相当。)17をガス搬送方向に対して垂直に、すなわち縦方向に積み上げている点に特徴を有する。
【0021】
ガス供給ユニット11Aは、レギュレータ2が入力ブロック12と流路ブロック13の上面に上方からボルトで固定され、レギュレータ2の入力ポートが入力ブロック12を介して作用ガス供給源1に連通している。流路ブロック13は、レギュレータ2の出力ポートに接続するポートから図中右側面に開設されたポートへと作用ガスを流す流路がL字型に形成され、その流路から分岐した分岐流路が上面に開口している。圧力センサ3は、分岐流路に位置合わせされ、流路ブロック13の上面に上方からボルトで固定されており、流路ブロック13を流れる作用ガスの流体圧力を計測する。
【0022】
流路ブロック14は、流路ブロック13の図中左側面から貫き通されたボルトを締結されて、流路ブロック13に固定されている。流路ブロック14の図中右側面には、入口開閉弁4が横向きに取り付けられている。つまり、入口開閉弁4は、マスフローコントローラ5と取付面との間に配設されている。入口開閉弁4は、エアオペレイト式の開閉制御弁であって、流路ブロック14によってボディを構成されている。流路ブロック14については後述する。
【0023】
マスフローコントローラ5は、流路ブロック14と流路ブロック15の上面に上方からボルトで固定され、入力ポートが入口開閉弁4の共通出力ポートに連通している。出口開閉弁6は、流路ブロック15と出力ブロック16の上面に上方からネジで固定され、出力ポートが出力ブロック16を介して真空チャンバ7に連通している。なお、流路ブロック15は、マスフローコントローラ5を水平に保持するために、流路ブロック14と同一の高さを有するが、出力ブロック16に汎用品を用いるために、流路ブロック16の高さに合わせて出口開閉弁6を固定する段差を設けている。
【0024】
一方、流路ブロック14は、流路ブロック17に下方から貫き通したボルトを締結され、流路ブロック17を下面に固定されている。パージ弁9は、流路ブロック14の図中右側面に横向きに螺合されている。つまり、パージ弁9は、入口開閉弁4と縦方向に並べられてマスフローコントローラ5と取付面との間に配設されている。パージ弁9は、エアオペレイト式の開閉制御弁であって、流路ブロック17によってボディを構成されている。流路ブロック17には、パージ配管18を介してパージブロック19が接続し、パージ弁9のパージガス入力ポートをパージガス供給源8に連通させている。
【0025】
次に、流路ブロック14について説明する。図2は、ガス供給ユニット11Aで使用する流路ブロック14の構造を示す図であって、(a)は入口開閉弁4を取り付けられた流路ブロック14の要部断面図であり、(b)は流路ブロック14の左側面図であり、(c)は流路ブロック14の上側面図であり、(d)は流路ブロック14の下側面図である。
図2(a)に示すように、流路ブロック14は、略立方体形状をなす。流路ブロック14の右側面には、入口開閉弁4を螺設するための取付孔21が円筒形状に穿設されている。流路ブロック14は、図中左側面から取付孔21と同軸上に第1ポート22が開設され、ストレート状の流路を介して取付孔21の中央に連通している。また、流路ブロック14は、図中上側面に第2ポート23が開設される一方、図中下側面に第3ポート24が開設されている。第2,第3ポート23,24は、L字型の流路を介して取付孔21に連通している。取付孔21の底面には、第1ポート22に連通する開口部の周りに弁座25が設けられ、弁座25を挟んで上下対称位置に第2,第3ポート23,24に連通する流路が開口している。流路ブロック14の取付孔21は、ダイアフラム弁体26で気密に区画され、第1〜第3ポート22,23,24に連通する弁室27を形成している。
【0026】
また、図2(b)〜(c)に示すように、流路ブロック14には、第1ポート22、第2ポート23、第3ポート24を挟んで対称位置に、一対のボルト孔28,28,29,29,30,30がそれぞれ形成されている。
【0027】
次に、流路ブロック17について説明する。図3は、ガス供給ユニット11Aで使用する流路ブロック17の構造を示す図であって、(a)は流体制御機器を取り付けられた流路ブロックの要部断面図であり、(b)は流路ブロックの左側面図であり、(c)は流路ブロックの上側面図であり、(d)は流路ブロックの下側面図である。
図3(a)に示すように、流路ブロック17は、略立方体形状をなす。流路ブロック17の右側面には、パージ弁9を螺設するための取付孔31が円筒形状に穿設されている。流路ブロック17は、図中左側面から取付孔31と同軸上に第1ポート32が開設され、ストレート状の流路を介して取付孔31の中央に連通している。また、流路ブロック17は、図中上側面に第2ポート33が開設され、L字型の流路を介して取付孔31に連通している。取付孔31の底面には、第1ポート32に連通する開口部の周りに弁座35が設けられ、弁座35の外側に第2ポート33に連通する流路が開口している。流路ブロック17の取付孔31は、ダイアフラム弁体36で気密に区画され、第1,第2ポート32,33に連通する弁室37を形成している。
【0028】
また、図3(b)に示すように、流路ブロック17の左側面には、第1ポート32を挟んで対称位置に、一対のボルト孔38,38がそれぞれ形成されている。また、流路ブロック17には、図3(c),(d)に示すように、第2ポート33を挟んで左右対称位置にボルトを貫き通すための貫通孔39,39が形成され、さらに、下側面には、図3(d)に示すように、ボルトの頭部を係止するための段差40,40が設けられている。
【0029】
このような流路ブロック14,17は、縦方向に積層され、ボルトで固定される。流路ブロック14,17は、回路に応じて並べ替えることができるように、外形を同一形状にして互換性を持たせている。流路ブロック14の第2ポート23、第3ポート24及び流路ブロック17の第2ポート33は、流路ブロック14,17を積層したときに同軸状に列ぶように形成されている。そのため、例えば、パージガスを供給しない回路であれば、パージブロック19、パージ配管18、パージ弁9を省き、流路ブロック14に変えて流路ブロック17を一段で使用することも可能である。なお、このような互換性を持たせるには、流路ブロック17は、貫通孔39の内周面に雌ネジを形成してボルトをねじ込めるようにしておくことが望ましい。
【0030】
流路ブロック14と流路ブロック17は、次のようにしてガス供給ユニット11Aに組み付けられる。図1に示すように、流路ブロック14は、第1ポート22を流路ブロック13の図中右側面に開設されたポートにガスケット(図示せず)を介して位置合わせし、流路ブロック13の図中左側面側から右側面側に向かって貫き通したボルトを左側面のボルト孔28,28に締結することにより、流路ブロック13と一体化される。流路ブロック14は、マスフローコントローラ5に上方から貫き通したボルトを上側面のボルト孔30,30に締結することにより、マスフローコントローラ5と一体化される。流路ブロック14の下側面には、流路ブロック14の第3ポート24と流路ブロック17の第2ポート33との間にガスケット(図示せず)を介在させて、流路ブロック17の上側面が当接され、流路ブロック17の貫通孔39,39に下方から貫き通したボルトを流路ブロック14のボルト孔29,29に締結することにより、流路ブロック14,17が一体化される。流路ブロック17は、第1ポート32とパージ配管18との間にガスケットを配設し、パージ配管18の固定ブロックに貫き通したボルトを左側面のボルト孔38,38に締結することにより、パージ配管18と一体化される。なお、このとき、各ボルトは、各ガスケットを均一な力で押し潰すように締結することが望ましい。各ポートの周りのシール力を均一にするためである。
【0031】
このようなガス供給ユニット11Aは、ブラケット41,42に支持されて取付プレート10に固定され、ガス供給システムを構成する。ブラケット41,42は、金属板の両端を反対側に折り曲げて、ガス供給ユニット11Aの下面に当接する当接部41a,42aと、取付プレート10に当接する当接部41b,42bを設けている。ガス供給ユニット11Aは、ブラケット41,42が当接部41a,42aに貫き通したボルトをブロック12,13,16にそれぞれ締結することにより固定され、そのブラケット41,42の当接部41b,42bにボルトを貫き通して取付プレート10に締結することにより、取付面から持ち上げられるようにして取付プレート10に固定される。
【0032】
なお、このとき、パージ配管18はブラケット41に形成した貫通孔もしくは溝に貫き通すので、パージ配管18をレギュレータ2と圧力センサ3の下方でストレート状に設けることができ、ガス供給ユニット11Aの幅方向に余分なスペースを占有しない。また、パージブロック19がブラケット41の外側に設けられているので、ガス供給ユニット11Aの増設時にパージラインを設けやすい。
【0033】
次に、ガス供給ユニット11Aの作用効果について説明する。
このようなガス供給ユニット11Aは、作用ガスとパージガスの何れも供給しないときには、入口開閉弁4、出口開閉弁6、パージ弁9を閉弁している。
【0034】
ガス供給ユニット11Aは、作用ガスを供給するときには、パージ弁9を閉弁した状態で、入口開閉弁4と出口開閉弁6を開弁する。すると、作用ガス供給源1から入力ブロック12に供給された作用ガスが、レギュレータ2で圧力調整された後、流路ブロック13を介して流路ブロック14の第1ポート22に入力する。作用ガスは、パージ弁9が閉弁しているため、第1ポート22から弁座25、弁室27を介して第2ポート23へと供給される。作用ガスは、流路ブロック14の第2ポート23からマスフローコントローラ5に入力すると、流量調整され、出口開閉弁6を通り出力ブロック16を介して真空チャンバ7に出力される。
【0035】
ガス供給ユニット11Aは、その後パージを行うときには、入口開閉弁4を閉弁した後、パージ弁9を開弁する。パージガス供給源8からパージブロック19に供給されたパージガスは、パージ配管18を介して流路ブロック17の第1ポート32に入力する。パージガスは、第1ポート32から弁座35、弁室37を介して第2ポート33に供給され、流路ブロック14の第3ポート24に入力する。パージガスは、第3ポート24に連通する流路から弁室27に流入すると、弁座25の周りを二方向に分かれて流れた後、第2ポート23に連通する流路に流れ込む。パージガスは、第2ポート23からマスフローコントローラ5に入力し、さらに、流路ブロック15、出口開閉弁6、出力ブロック16を介して真空チャンバ7へ出力される。このとき、パージガスは、入口開閉弁4、流路ブロック14、マスフローコントローラ5、流路ブロック15、出口開閉弁6、出力ブロック16に残留する作用ガスを流体圧で押し出し、ガス置換を行う。その後、ガス供給ユニット11Aは、パージ弁9を閉弁し、パージを完了する。
【0036】
従って、本実施形態のガス供給ユニット11Aによれば、流路ブロック14と流路ブロック17を入力ブロック12側から出力ブロック16側へ流れる作用ガスの搬送方向に対して垂直方向、すなわち図中上下方向に積層することにより、流路ブロック14の一側面に取り付けられた入口開閉弁4と、流路ブロック17の一側面に取り付けられたパージ弁9が、作用ガス供給管路上に配設されたマスフローコントローラ5とユニット11Aを取り付ける取付面との間の隙間に横向きに配設される。そのため、ガス供給ユニット11Aに搭載される複数の流体制御機器2,3,4,5,6,9のうち、作用ガス搬送管路上に並べられる流体制御機器は、入口開閉弁4とパージ弁9を省いたものとなる。しかも、流路ブロック14と流路ブロック17は、上下方向に積層され、ユニット11Aの全長方向に無駄な隙間Sを作らないので、1個の流体制御機器を2個の流路ブロックに固定する場合と比べて、流路ブロック間の無駄な隙間Sが少なくなる。ここで、入口開閉弁4とパージ弁9は、流路ブロック14,17にそれぞれ直接取り付けられている。そのため、ガス供給ユニット11Aは、従来技術(図16参照)のように入口開閉弁4やパージ弁9をそれぞれ2個の流路ブロックにわたって固定する必要がなく、ブロックの数やシール箇所が減少する。
【0037】
上記効果について同一回路を具体化したガス供給ユニット11A,100を比較して具体的に説明する。図4は、ガス供給ユニット11Aの寸法及びシール位置を示す図である。図5は、図16に示す従来のガス供給ユニット100の寸法及びシール位置を示す図である。上述したように、ガス供給ユニット11Aと従来のガス供給ユニット100は、図15に示す同一回路を具体化したものである。
ガス供給ユニット11Aは、入力ブロック12と流路ブロック13との間だけに全長方向の隙間Sがあるのに対して、従来のガス供給ユニット100は、入力ブロック101と流路ブロック102との間、流路ブロック102と流路ブロック103の間、流路ブロック103と流路ブロック104との間の3カ所に隙間Sがあり、ガス供給ユニット11Aは、従来のガス供給ユニット100と比べて全長方向の隙間量が少ない。また、ガス供給ユニット11Aは、従来のガス供給ユニット100と比べて入口開閉弁4とパージ弁9をラインに沿って設置されておらず、入口開閉弁4とパージ弁9の設置スペースを省くことができる。これにより、従来のガス供給ユニット100の全長が269mmであるのに対して、ガス供給ユニット11Aの全長が178mmになり、ガス供給ユニット11Aは従来のガス供給ユニット100と比べて全長を3分の2程度に削減することができた。
【0038】
なお、ガス供給ユニット11Aは、流路ブロック14,17を積層したことにより全高が202mmとなり、全高が142mmである従来のガス供給ユニット100より高さ方向のスペースを必要とする。しかし、半導体製造装置等では、全長方向や幅方向のスペースを狭小化する要望が高いものの、高さ方向のスペースを小さくする要望は少なく、ガス供給ユニット11Aのように全高が高くなっても、殆ど問題ない。
【0039】
また、ガス供給ユニット11Aは、入口開閉弁4とパージ弁9を流路ブロック14,17に直接取り付けたことにより、図4に示すように総ブロック数が7個であるのに対して、従来の流路ブロック100は、入口開閉弁4と出口開閉弁9を流路ブロック103,104,105に固定しているため、図5に示すように総ブロック数が8個であり、ガス供給ユニット11Aは従来のガス供給ユニット100と比べてブロックを1個減らすことができた。そして、ガス供給ユニット11Aは、図4に示すようにシール箇所Xが11カ所であるのに対して、従来のガス供給ユニット100は、図5に示すようにシール箇所Xが14カ所であり、ガス供給ユニット11Aは、ブロック数の減少に伴って従来のガス供給ユニット100と比べてシール箇所Xを3カ所減らすことができた。
【0040】
よって、本実施形態のガス供給ユニット11Aによれば、作用ガス搬送管路上に配設される流体制御機器の数を減らすとともに、流路ブロック間の無駄な隙間Sを少なくするので、ユニット11Aの全長を短くして小型化を図ることができる。また、本実施形態のガス供給ユニット11Aによれば、ブロック数やシール箇所Xが減るため、材料費や加工費を削減し、低廉化を図ることができる。
【0041】
流路ブロック14と流路ブロック17を上下に積層すると、流路ブロック14の下側面に開設した第3ポート24と流路ブロック17の上側面に開設した第2ポート33が互いに連通する。流路ブロック14は、上側面に開設された第2ポート23と下側面に開設された第3ポート24が入口開閉弁4を介して連通し、流路ブロック17は、上側面に開設された第2ポート33とパージ弁9を取り付けられる右側面に対向する左側面に開設された第1ポート32がパージ弁9を介して連通しているので、流路ブロック17の第1ポート32に供給したパージガスをパージ弁9、入口開閉弁4を介して流路ブロック14の上側面に開口する第2ポート23から出力して、作用ガス搬送管路上に配設されるマスフローコントローラ5に供給することができる。
よって、本実施形態のガス供給ユニット11Aによれば、流路ブロック14,17を積層するだけで、入口開閉弁4、パージ弁9で流体制御可能な流路を上下方向に簡単に形成することができる。
【0042】
特に、流路ブロック14が、上側面と下側面の第2,第3ポート23,24に加え、入口開閉弁4を取り付けられる右側面と対向する左側面に第1ポート22を開設し、それらのポート22,23,24を入口開閉弁4を介して相互に連通させているので、流路ブロック13を流路ブロック14の右側面に直接当接させて連結することができ、流路ブロック13,14間の無駄な隙間をなくしてユニット11Aの小型化を図ることができる。
【0043】
上記ガス供給ユニット11Aは、両端に取り付けられた一対のブラケット41,42により水平に保持され、そのブラケット41,42を取付プレート10にボルトで固定することにより集積される。このようにしてシステム化されたガス供給システムは、小型化で低廉化なガス供給ユニット11Aを使用するので、システム自体の小型化や低廉化を図ることができる。
【0044】
(第2実施形態)
続いて、ガス供給ユニットの第2実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態のガス供給ユニットは、第1実施形態と異なる回路を備える。図6は、ガス供給ユニットの回路図である。なお、第1実施形態と同一構成部品については、図面に同一符号を付し、説明を適宜省略する。
本実施形態のガス供給ユニットは、パージラインから分岐してマスフローコントローラ5の下流側に接続するバイパスラインを備える点で第1実施形態と相違する。バイパスラインには、流速を増加させるノズル54と、第2パージ弁9が配設されている。また、入口開閉弁4の上流側には、流量調整弁51が設けられ、作用ガス供給源1から入力した作用ガスを微小流量で入口開閉弁4に供給している。また、第1パージ弁(特許請求の範囲の「第1流体制御機器」に相当。)53の上流側には、逆止弁52が設けられ、作用ガスの逆流を防止している。
【0045】
図7は、ガス供給ユニット11Bの側面図である。
本実施形態のガス供給ユニット11Bは、図6に示す回路を具体化したものである。ガス供給ユニット11Bは、マスフローコントローラ5と取付面との間に流路ブロック14,55,17を縦方向に積層し、それも伴って形成されるマスフローコントローラ5と取付面との間の隙間を利用してバイパス配管56を設けている。ここで、本実施形態のガス供給ユニット11Bは、第1実施形態のガス供給ユニット11Aと同一構成を含んでいる。よって、本実施形態では、第1実施形態と相違する構成を中心に説明し、共通する構成については第1実施形態と同一符号を図面に付し、説明を適宜省略することにする。
【0046】
ガス供給ユニット11Bは、流路ブロック14,17の間に流路ブロック55を配設し、3個の流路ブロックを積層している。流路ブロック14,17,55は、外形が同一形状に形成され、縦方向に棒状に連結されている。
【0047】
流路ブロック55は、おおよそ流路ブロック14と同一の流路構造を有する。すなわち、図中右側面に第1パージ弁53が螺合され、第1パージ弁53を取り付けられる右側面と対向する左側面に第1ポートが形成され、下側面に第2ポートが形成され、上側面に第3ポートが形成されている。流路ブロック55は、図中左側面に逆止弁52を直接取り付けられ、逆止弁52が第1ポートに連通している。逆止弁52には、パージ配管18を介してパージブロック19が連結し、パージガスが第1パージ弁53側にのみ流れるようにされている。なお、流路ブロック55は、第2ポートが流路ブロック17の第2ポート33に対応する位置に開設されており、第2ポートと第3ポートとが同軸上に形成されていない点が流路ブロック14と異なる。
【0048】
バイパス配管56は、流路ブロック17と流路ブロック57に固定されている。流路ブロック17は、マスフローコントローラ5の下流にバイパス配管56を配設するために、第1実施形態と180度反転して配設されている。そのため、第2パージ弁9は、取付面と作用ガス搬送管路上の流量調整弁51との間に横向きに配設され、逆止弁52と上下に並べられている。流路ブロック17の第2ポート33には、ノズル54が装填されている。また、第1ポート32には、バイパス配管56が連通している。バイパス配管56は、固定ブロック56aに挿通されたボルトを流路ブロック17のボルト孔38,38に締結することにより、流路ブロック17と一体化されている。
【0049】
バイパス配管56の他端は、マスフローコントローラ5の下流側に設けられた流路ブロック57に固定されている。バイパス配管56は、固定ブロック56bを流路ブロック57の下端面に当接させ、流路ブロック57に上方から貫き通されたボルトを固定ブロック56bに締結することにより、流路ブロック57と一体化されている。マスフローコントローラ5は、流路ブロック14と流路ブロック57の上面に載置され、上方からボルトで固定される。出口開閉弁6は、流路ブロック57と出力ブロック58の上面にボルトで固定される。ここで、流路ブロック57は、マスフローコントローラ5に連通する入力ポートと、出口開閉弁6に連通する出力ポートとが、下面に開口するパージガス入力ポートに連通し、マスフローコントローラ5側から流れてくるパージガスとバイパス配管56から流れてくるパージガスを合流させて出口開閉弁6に供給するようになっている。
【0050】
図8は、ガス供給ユニット11Bの平面図である。
このようにガス供給ユニット11Bは、バイパス配管56がマスフローコントローラ5と取付面との間に配設され、作用ガス供給ラインから幅方向にはみ出して設けられない。
【0051】
次に、図6に示す回路を実現した従来のガス供給ユニット200を検討する。図9は、図6に示す回路を具体化した従来のガス供給ユニット200の側面図である。
ガス供給ユニット200は、1個の機器を2個の流路ブロックに取り付ける構造を備える。ガス供給ユニット200は、入力ブロック201、流量調整弁51、流路ブロック202、パージブロック203、切替ブロック204、流路ブロック205、分岐ブロック206、流路ブロック207、マスフローコントローラ5、流路ブロック208、第2パージ弁9、流路ブロック209、出口開閉弁6、出力ブロック210により、作用ガス供給ラインを構成する。また、ガス供給ユニット200は、逆止弁52、パージブロック203、第1パージ弁53、切替ブロック204、入口開閉弁4、流路ブロック205、分岐ブロック206、流路ブロック207により、パージガスラインを構成する。従って、従来のガス供給ユニット200は、入口開閉弁4、逆止弁52、第1パージ弁53、第2パージ弁9を作用ガス搬送管路上に配設している分だけ、本実施形態のガス供給ユニット11Bより全長が長くなっている。また、従来のガス供給ユニット200は、パージブロック203及び切替ブロック204の下方及びマスフローコントローラ5の下方にある隙間Sを無駄にしている。
【0052】
図10は、図6に示す回路を具体化した従来のガス供給ユニット200の平面図である。
ガス供給ユニット200は、分岐ブロック206、上流側バイパスブロック211、バイパス配管212、下流側バイパスブロック213によってバイパスラインを構成する。このとき、バイパス配管212は、ガス供給ユニット200の幅方向に突きだす。つまり、ガス供給ユニット200は、作用ガス供給ラインとバイパスラインがユニットの幅方向に並列な2ラインに設けられる。そのため、従来のガス供給ユニット200は、本実施形態のガス供給ユニット11Bより幅方向の設置スペースが大きい。
【0053】
従って、本実施形態のガス供給ユニット11Bによれば、バイパス配管56の一端を流路ブロック17に接続し、他端を作用ガス搬送管路上に配設される流路ブロック57に接続することにより、バイパス配管56を作用ガス搬送管路上に配設されるマスフローコントローラ5と取付面との間に配設しているので、1ライン分の占有スペースでバイパス配管56を設けることができる。
【0054】
また、本実施形態のガス供給ユニット11Bは、流路ブロック55の第1パージ弁53を取り付けた側面と対向する側面に第1ポートを設け、逆止弁52を直接取り付けているので、作用ガス搬送管路上に配設される流体制御機器を減らすことができる。
また、流路ブロック14,55,17を上下に積み重ねると、マスフローコントローラ5の下方だけでなく、流量調整弁51の下方にも空間ができる。ガス供給ユニット11Bは、流路ブロック55,17の両側にできる空間を利用して、流路ブロック55,17を挟んで反対向きに流体制御機器52,53,9やバイパス配管9を設けているので、ユニットの下方にできる隙間を有効活用して装置サイズを効率的に小さくすることができる。
【0055】
(第3実施形態)
続いて、本発明のガス供給ユニットの第3実施形態について図面を参照して説明する。図11は、ガス供給ユニットの回路図である。
本実施形態では、第1実施形態と異なる回路を備える。すなわち、入力側と出力側にフィルタ61,63を設けたり、手動弁62をフィルタ61とレギュレータ62との間に配設したり、パージ弁9の上流側に逆止弁52を設けている点で第1実施形態と相違している。
【0056】
図12は、図11に示す回路を具体化したガス供給ユニット11Cの側面図である。
ガス供給ユニット11Cは、入力ブロック12と流路ブロック64の上面に手動弁62が上方からボルトで固定されている。入力ブロック12には、入力ポートにフィルタ61が取り付けられ、フィルタで不純物を除去された作用ガスが手動弁62に入力するようにされている。レギュレータ2は、流路ブロック64と流路ブロック13の上面に上方からボルトで固定され、入力ポートが手動弁62の出力ポートに連通し、出力ポートが流路ブロック13、流路ブロック14を介して入口開閉弁4に連通している。また、出力ブロック16には、フィルタ63が内蔵され、フィルタ63で不純物を除去したガスを真空チャンバ7に出力するようにされている。なお、流路ブロック17は、第1ポート32に連通するように逆止弁52が図中左側面にボルトで固定され、逆止弁52、パージ配管18を介してパージブロック19に連通している。
【0057】
従って、本実施形態のガス供給ユニット11Cによれば、作業者が操作する手動弁62、レギュレータ2や定期的なメンテナンスを要するフィルタ61,63、作業者が視認する必要のある圧力センサ3など、一定の作業を要する機器については、ブロック12,64,13に取り付けて作用ガス搬送管路上に配設し、作業性の低い逆止弁52などについては、作用ガス搬送管路上に配設される機器62,2,3,5と取付面との間に配設しているので、作業性やメンテナンス性を損なうことなくユニット11Cを小型化することができる。
【0058】
(第4実施形態)
続いて、本発明の第4実施形態について図面を参照して説明する。図13は、ガス供給ユニット11Dの側面図である。
本実施形態のガス供給ユニット11Dは、流路ブロック14に替えて流路ブロック(特許請求の範囲の「第1流路ブロック」に相当。)73を使用する点、レギュレータ2に替えて手動弁62を使用する点、さらに、圧力センサ3を直接流路ブロック73に固定する点が第1実施形態と相違している。よって、ここでは、第1実施形態と相違する点について説明し、共通する点については図面に同一符号を付し、説明を適宜省略する。
【0059】
手動弁62は、入力ブロック71と流路ブロック72の上面に上方からボルトで固定されており、圧力センサ3は、流路ブロック72と流路ブロック73の上面に上方からボルトで固定されている。入力ブロック71と流路ブロック72は、同一形状をなし、入力ブロック71は上方から作用ガスを導入するようにされている。入力ブロック71と流路ブロック72は、第1実施形態の入力ブロック12や流路ブロック13と比べて高さが低くされている。これは、圧力センサ3の出力ポートが流路ブロック73の上面に開口するポートに直に接続するため、流路ブロック72の図中右側面にポートを設ける必要がないからである。このように、高さの低いブロック71,72を使用することにより、軽量化やコストダウンを図ることができる。一方、流路ブロック73は、2個の流体制御機器(ここでは圧力センサ3とマスフローコントローラ5)を上面に固定する関係上、流路ブロック17と比べて全長方向の幅寸法が大きくされている。
【0060】
図14は、流路ブロック73の構造を示す図であって、(a)は流体制御機器を取り付けられた流路ブロック73の要部断面図であり、(b)は流路ブロック73の上側面図であり、(c)は流路ブロック73の下側面図である。
流路ブロック73は、基本的に図2に示す流路ブロック14と同一の流路構造を有するが、上側面に第1ポート74と第2ポート23が設けられている点で第1実施形態の流路ブロック14と相違する。流路ブロック73の上端面には、図4(b)に示すように、第1ポート74の両側にボルト孔75,75が形成され、圧力センサ3の下端面との間でガスケット(図示せず)を押し潰したときに均一にシールされるようになっている。
【0061】
このようなガス供給ユニット11Dは、入力ブロック71に入力した作用ガスが、流路ブロック72、圧力センサ3を介して流路ブロック73の第1ポート74に入力する。入口開閉弁4が開弁し、パージ弁9が閉弁していれば、作用ガスは、流路ブロック73の弁座25から弁室27、第2ポート23に出力され、さらに、マスフローコントローラ5、出口開閉弁6を通って真空チャンバ7に供給される。
一方、入口開閉弁4が閉弁し、パージ弁9が開弁していれば、作用ガスは流路ブロック73の弁座25から弁室27に流出せず、パージガスがパージ弁9から入口開閉弁4の第3ポート24、弁室27、第2ポート23を通ってマスフローコントローラ5に供給され、さらに出口開閉弁6を通って真空チャンバ7に排出される。
【0062】
従って、本実施形態のガス供給ユニット11Dによれば、ユニット11Dに搭載する流体制御機器の種類に応じて積層する流路ブロック14,17,73のポート開設位置を変更すれば、具体化できる回路の自由度を広げることができる。
【0063】
尚、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、色々な応用が可能である。
【0064】
(1)例えば、上記実施の形態では、半導体製造装置に取り付けるガス供給ユニット11A〜11Dについて説明したが、CVD装置、エッチング装置など各種産業分野にガス供給ユニット11A〜11Dを使用してもよい。
【0065】
(2)例えば、上記実施の形態では、取付プレート10にガス供給ユニット11A〜11Dを固定したが、取付部材としてレールを使用してもいい。この場合、ブラケット41,42をレールに係合可能な形状とし、レールに沿ってガス供給ユニット11A〜11Dを移動させて所定位置で固定するようにすれば、ガス供給ユニット11A〜11Dをより簡単にシステム化することができる。
【0066】
(3)例えば、上記実施の形態では、各種流路ブロックや流体制御機器の材質を耐熱性や剛性を有する金属としたが、腐食性の高いガスを制御する場合などには、PTFEやPPなどの樹脂を流路ブロックや流体制御機器の材質としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の第1実施形態に係り、ガス供給ユニットの側面図である。
【図2】同じく、ガス供給ユニットで使用する流路ブロックの構造を示すものであって、(a)は流体制御機器を取り付けられた流路ブロックの要部断面図であり、(b)は流路ブロックの左側面図であり、(c)は流路ブロックの上側面図であり、(d)は流路ブロックの下側面図である。
【図3】同じく、ガス供給ユニットで使用する流路ブロックの構造を示す図であって、(a)は流体制御機器を取り付けられた流路ブロックの要部断面図であり、(b)は流路ブロックの左側面図であり、(c)は流路ブロックの上側面図であり、(d)は流路ブロックの下側面図である。
【図4】同じく、ガス供給ユニットの寸法及びシール箇所を示す図である。
【図5】図16に示す従来のガス供給ユニットの寸法及びシール位置を示す図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係り、ガス供給ユニットの回路図である。
【図7】同じく、ガス供給ユニットの側面図である。
【図8】同じく、ガス供給ユニットの平面図である。
【図9】同じく、図6に示す回路を具体化した従来のガス供給ユニットの側面図である。
【図10】同じく、図6に示す回路を具体化した従来のガス供給ユニットの平面図である。
【図11】本発明の第3実施形態に係り、ガス供給ユニットの回路図である。
【図12】同じく、図11に示す回路を具体化したガス供給ユニットの側面図である。
【図13】本発明の第4実施形態に係り、ガス供給ユニットの側面図である。
【図14】同じく、流路ブロックの構造を示す図であって、(a)は流体制御機器を取り付けられた流路ブロックの要部断面図であり、(b)は流路ブロックの下側面図であり、(c)は流路ブロックの上側面図である。
【図15】ガス供給ユニットの回路図の一例である。
【図16】図15に示す回路を具体化した従来のガス供給ユニットの側面図である。
【符号の説明】
【0068】
2〜6,9 流体制御機器
4 入口開閉弁
9 パージ弁
11A〜11D ガス供給ユニット
14 第1流路ブロック
17 第2流路ブロック
22 第1ポート
23 第2ポート
24 第3ポート
32 第1ポート
33 第2ポート
51〜53 流体制御機器
53 第1パージ弁
56 バイパス配管
61〜63 流体制御機器
74 第1ポート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作用ガス搬送管路上に配設されるものであり、複数の流体制御機器が流路ブロックを介して連通して作用ガスを制御するガス供給ユニットにおいて、
前記複数の流体制御機器に含まれる第1流体制御機器を一側面に取り付けられる第1流路ブロックと、
前記複数の流体制御機器に含まれる第2流体制御機器を一側面に取り付けられる第2流路ブロックとを有し、
前記第1流路ブロックと前記第2流路ブロックを前記作用ガスの搬送方向に対して垂直方向に積層し、前記第1流体制御機器と前記第2流体制御機器を、前記作用ガス搬送管路上に配設された流体制御機器とユニットを取り付ける取付面との間に配設したものであることを特徴とするガス供給ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載するガス供給ユニットにおいて、
前記第1流路ブロックは、上側面と下側面に少なくとも1個ずつポートが開設されており、それらのポートが前記第1流体制御機器を介して互いに連通しており、
前記第2流路ブロックは、上側面と、前記第2流体制御機器を取り付けられる側面と対向する対向側面とに少なくとも1個ずつポートが開設されており、それらのポートが前記第2流体制御機器を介して互いに連通していることを特徴とするガス供給ユニット。
【請求項3】
請求項2に記載するガス供給ユニットにおいて、
前記第1流路ブロックは、前記第1流体制御機器を取り付けられる側面と対向する対向側面に少なくとも1個のポートが開設され、前記上側面と前記下側面に開設されたポートに前記第1流体制御機器を介して互いに連通していることを特徴とするガス供給ユニット。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載するガス供給ユニットにおいて、
前記第1流路ブロック又は前記第2流路ブロックを、前記作用ガス搬送管路上に配設された流路ブロックに接続するバイパス配管が、前記流体制御機器と前記取付面との間に配設されていることを特徴とするガス供給ユニット。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れか一つに記載するガス供給ユニットの両端に取り付けられて当該ガス供給ユニットを水平に保持する一対のブラケットを有し、前記一対のブラケットを取付部材に固定することにより、前記ガス供給ユニットを集積したものであることを特徴とするガス供給システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−234110(P2006−234110A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−51544(P2005−51544)
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【出願人】(000106760)シーケーディ株式会社 (627)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】