説明

ガス処理装置および半導体製造装置

【課題】PFC含有ガスを効率よく分解処理し、PFC分解処理剤の交換回数をより低減させたガス処理装置を提供すること。
【解決手段】ガス処理装置1は、PFC(パーフルオロ化合物)を含むガスを処理するガス処理装置1であって、PFCを含むガス中に含まれるHOを低減させる水分除去装置10と、水分除去装置10でHOが低減されたPFCを含むガスを導入し、PFCを分解処理するAlとCaOの複合酸化物を含む分解処理剤が充填されたPFC処理装置20を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フッ素含有化合物を含むガスの処理装置に関する。特に、本発明は、ガス中に含まれるパーフルオロ化合物(PFC)を分解・処理して、フッ素を回収するガス処理装置およびこの装置を備える半導体製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体の製造過程で排出される排ガスには、CFを始めとするパーフルオロ化合物(PFC)が含まれる。このパーフルオロ化合物は、温室効果ガスとして社会的にその抑制・削減が求められている。
【0003】
従来から、排ガス中に含まれるパーフルオロ化合物の処理方法には様々な方法が採られてきた。例えば、CF等またはフッ化硫黄を含むガスを、酸化アルミニウムとアルカリ土類金属の酸化物を混合した分解処理剤に接触させて分解処理する方法(特許文献1、特許文献2)である。また、PFC含有ガスを、アルミナとアルカリ土類金属の炭酸塩から生成される分解処理剤に接触させて分解処理する方法(特許文献3)である。さらに、PFC含有ガスを水酸化アルミニウムと水酸化カルシウムとの混合物を含む分解処理剤と接触させて分解処理する方法(特許文献4)である。
【0004】
こうした分解処理剤は、分解処理の耐用時間がより長いことが要求される。耐用時間が長いほど、実際の半導体等の製造現場において分解処理剤の交換回数を減らすことができ、その結果、作業効率が向上しかつランニングコストの削減が可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−224565号公報
【特許文献2】特開2002−370013号公報
【特許文献3】特開2001−190959号公報
【特許文献4】特開2005−262128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明は、酸化アルミニウム(Al)と酸化カルシウム(CaO)の混合物よりも耐用時間が長い分解処理剤を用いたガス処理装置を提供し、さらに実際の使用においてこの分解処理剤の耐用時間をより長くすることのできる、前処理ユニットを備えたガス処理装置、およびこの装置を備えた半導体製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様に係るガス処理装置は、例えば図1に示すように、PFC(パーフルオロ化合物)を含むガスを処理するガス処理装置1であって、PFCを含むガス中に含まれるHOを低減させる水分除去装置10と、水分除去装置10でHOが低減されたPFCを含むガスを導入し、PFCを分解処理するAlとCaOの複合酸化物を含む分解処理剤が充填されたPFC処理装置20を備える。
【0008】
このように構成すると、ガス処理装置のPFC処理装置には分解処理剤としてAlとCaOの複合酸化物が充填されるため、AlとCaOの混合物を用いた場合よりも分解処理剤の耐用時間を延ばすことができる。さらに、PFCを含むガスすなわちPFC含有ガス中に水分が含まれている場合、PFC処理装置の前段階においてPFC含有ガス中に含まれる水分量を低減させ、分解処理剤であるAlとCaOの複合酸化物の処理性能が水分により低下するのを抑制することができる。その結果、実際の使用における分解処理剤の耐用時間を延ばすことができる。なお、本願の「PFC」はパーフルオロ化合物を意味し、「パーフルオロ化合物」とはCFもしくはCなどのパーフルオロカーボン類、CHFもしくはCHなどのハイドロフルオロカーボン類、六弗化硫黄(SF)、または三弗化窒素(NF)のいずれかの化合物をいう。
【0009】
本発明の第2の態様に係るガス処理装置は、例えば図2に示すように、PFCを含むガスと、酸性ガスおよび/または腐食性ガスを含むガスを処理するガス処理装置であって、酸性ガスおよび/または腐食性ガスを除去する第1の乾式除害装置160と、第1の乾式除害装置160の下流側に配置され、PFCを除去するために、PFCを分解処理するAlとCaOの複合酸化物を含む分解処理剤が充填されたPFC処理装置20を備える。すなわち、乾式除害装置160は酸性ガスおよび腐食性ガスのうち少なくとも1つを除去する装置である。
【0010】
このように構成すると、PFCを含むガス中にHBr等の酸性ガスや腐食性ガスが含まれている場合に、第1の乾式除害装置で酸性ガス等を予め除去してからPFC処理装置にPFC含有ガスを導入することができ、PFC処理装置内のAlとCaOの複合酸化物の負荷が減り、高価なAlとCaOの複合酸化物の寿命を延ばすことができる。さらに、PFC処理装置が酸性ガス等により腐食するのを防ぐことができる。
【0011】
本発明の第3の態様に係るガス処理装置は、例えば図6に示すように、上記本発明の第2の態様に係るガス処理装置において、加熱装置を有し、第1の乾式除害装置160よりも高い温度でPFCを除去する第2の乾式除害装置170を備え、第2の乾式除害装置170は、PFCを含むガスの流れに対して、第1の乾式除害装置160の下流側であって、PFC処理装置20の上流側に配置される。
【0012】
このように構成すると、PFC処理装置の前処理として、加熱装置を有する第2の乾式除害装置により予めPFCを分解除去できるため、PFC処理装置内のAlとCaOの複合酸化物の負荷を軽減することができる。
【0013】
本発明の第4の態様に係るガス処理装置は、例えば図8に示すように、上記本発明の第3の態様に係るガス処理装置において、第2の乾式除害装置170が、PFC処理装置20と一体として形成される。
【0014】
このように構成すると、第2の乾式除害装置の備える加熱装置で加熱されたPFCを含むガスをそのままPFC処理装置内に流入させることができる。そのため、ガスの有する熱のロスが少ない状態で、第2の乾式除害装置で加熱されたガスによりPFC処理装置内のAlとCaOの複合酸化物を加熱することができる。
【0015】
本発明の第5の態様に係るガス処理装置は、上記本発明の第2の態様乃至第4の態様のいずれか一の態様に係るガス処理装置において、第1の乾式除害装置160の下流側であって、PFC処理装置20の上流側に、PFCを含むガス中に含まれるHOを低減させる水分除去装置10を備える。
【0016】
このように構成すると、PFC処理装置に充填された、分解処理剤であるAlとCaOの複合酸化物の処理性能が水分により低下するのを抑制することができる。
【0017】
本発明の第6の態様に係るガス処理装置は、上記本発明の第1または第5の態様に係るガス処理装置において、HOを低減させる水分除去装置10が、ミストトラップ、水分吸着剤、および熱交換器のうち少なくとも一つを有する装置である。
【0018】
このように構成すると、PFC含有ガス中に最大で飽和水蒸気量分が含まれる水分量を、PFC含有ガスをミストトラップまたは熱交換器で冷却し飽和水蒸気量を低減させることにより、減らすことができる。また、水分吸着剤を使用することにより、PFC含有ガス中に含まれる水分を水分吸着剤に吸着させ減らすことができる。
なお、ミストトラップ(または熱交換器)と、水分吸着剤を組合せて使用した場合は、ミストトラップ(または熱交換器)である程度水分量を低減させた後に水分吸着剤でさらに低減させることができるため、ミストトラップ(または熱交換器)の冷却温度を高目にとることで冷却水用の熱交換器容量を小さくすることができるとともに、水分吸着剤の使用可能時間を延ばすことができる。
【0019】
本発明の第7の態様に係るガス処理装置は、上記本発明の第1の態様乃至第6の態様のいずれか一の態様に係るガス処理装置において、AlとCaOの複合酸化物は、平均粒子系(メディアン系)55μm以上160μm以下のAl(OH)と、Ca(OH)とのモル比が3:7〜5:5である混合物を430℃以上890℃以下の温度範囲で、窒素流又は空気流中で焼成して得られる複合酸化物である。
【0020】
このように構成すると、分解処理性能がより高いAlとCaOの複合酸化物を備えるガス処理装置を構成することができる。
【0021】
本発明の第8の態様に係る半導体製造装置は、例えば図2に示すように、半導体基板をエッチングするエッチング装置110、120、130と、エッチング装置110、120、130でエッチングされた半導体基板上の不要となったレジストを除去するアッシング装置140と、エッチング装置110、120、130および/またはアッシング装置140から排出されるPFCを含むガスを処理する、上記第1乃至第7のいずれか1の態様に係るガス処理装置を備える。すなわち、ガス処理装置はエッチング装置110、120、130およびアッシング装置140のうち少なくとも1つの装置から排出されるPFCを含むガスを処理するガス処理装置である。なお、アッシング装置は、業界によりレジスト除去装置と呼称されることがある。
【0022】
このように構成すると、エッチング装置またはアッシング装置から排出されたPFCを含むガスを効率よく処理することができる。
実際、半導体製造工場における半導体の製造プロセスによっては、排ガス中に水分が多く含まれる場合があり、そのような場合は水分が邪魔をして、AlとCaOの複合酸化物の性能が十分に活かされないことがある。特に、アッシング系のプロセスでは、最大で飽和水蒸気量分の水分が排ガスの処理槽に流入する可能性がある。しかし、その場合でも水分除去装置を備える本発明の半導体製造装置では、効率よくPFCを含むガスを処理することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、ガス処理装置が備えるPFC処理装置において、分解処理剤としてAlとCaOの複合酸化物を用いているため、AlとCaOの混合物からなる分解処理剤を用いた場合よりも、分解処理剤の耐用時間を延ばすことができる。
さらに、PFC処理装置の前段階でPFC含有ガス中の水分量を低減させ、AlとCaOの複合酸化物の処理性能を向上させているため、実際の使用において分解処理剤の耐用時間がより長いガス処理装置を提供することができる。さらに、ガス処理装置が乾式除害装置を備えることにより、AlとCaOの複合酸化物の処理性能を向上させることができる。さらに、このようなガス処理装置を備えた半導体製造装置を提供することができる。その結果、本発明のガス処理装置および半導体製造装置では、AlとCaOの複合酸化物の交換頻度を低減し、作業効率を向上させ、装置のランニングコストを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態に係るガス処理装置1の備える、水分除去装置とPFC処理装置との位置関係を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るガス処理装置1および2が実際の半導体工場において適用される場合の一例である。
【図3】本発明の実施の形態に係るガス処理装置1および3が実際の半導体工場において適用される場合の他の例である。
【図4】(a)(b)は、ガス処理装置が備える水分除去装置の例を示す図である。
【図5】PFC処理装置の縦断面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るガス処理装置4の構成を示す図である。
【図7】(a)(b)は、第2の乾式除害装置が第1の乾式除害装置と一体として形成された装置の概略図である。
【図8】(a)(b)は、第2の乾式除害装置がPFC処理装置と一体として形成された装置の概略図である。
【図9】本発明の実施の形態に係るガス処理装置5の構成を示す図である。
【図10】PFC分解処理剤を調製するために使用する焼成装置の概略図である。
【図11】PFC分解処理剤を調製するために使用する別の態様での焼成装置の概略図である。
【図12】比較例1で用いたガス処理装置における試料の採取箇所を示す模式図である。
【図13】CF処理システムを示す概略図である。
【図14】PFC分解処理剤のXRD分析データである。
【図15】XRD分析による結晶性Alのライブラリーピークデータである。
【図16】PFC分解処理剤のフッ素固定を示すXRD分析データである。
【図17】比較例1で用いた対照系のXRD分析データである。
【図18】CF通ガス後の比較例1で用いた対照系のXRD分析データである。
【図19】CF通ガス後のAlとCaOの複合酸化物のXRD分析データである。
【図20】AlとCaOの複合酸化物の製造に使用するロータリーキルンの概略図である。
【図21】水分を含有させた、CF処理システムを示す概略図である。
【図22】水分量3.26mg/minを含むCF処理後のPFC分解処理剤のXRDチャートである。
【図23】表11の関係をグラフに表したものである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において互いに同一または相当する部材には同一あるいは類似の符号を付し、重複した説明は省略する。また、本発明は、以下の実施の形態に制限されるものではない。
【0026】
まず、図1を参照して本発明の第1の実施の形態に係るガス処理装置1の構成を説明する。ガス処理装置1は、PFCを含むガス中の水分量を低減させる水分除去装置10とガス中に含まれるPFCを分解処理するPFC処理装置20から構成される。また、図1に示すように、水分除去装置10はPFC処理装置20の前処理用の装置として配置される。これは、PFC処理装置20に導入されるPFC含有ガス中には水分が多く含まれる場合があり、こうした水分がPFC処理装置20に充填された分解処理剤(AlとCaOの複合酸化物)の処理性能を低下させるためである(なお、AlとCaOの複合酸化物の詳細については後述する)。そのため、PFC処理装置20の前処理用の装置として水分除去装置10を備えることにより、実際の運用時に生ずるPFC含有ガス中に含まれる水分の量を低減させる。なお、ガス処理装置1において、水分除去装置10とPFC処理装置20は一体として構成された1台の装置であっても、また、別々の装置であってもよい。さらに、水分除去装置10は、ガスの流れに対してPFC処理装置20の上流側に配置されればよく、PFC処理装置20の直前でなくてもよい。
【0027】
図2を参照して、本発明の第1の実施の形態に係るガス処理装置1が実際の半導体製造工場において適用される場合の例を説明する。半導体製造装置である、酸化膜エッチング装置110、Polyシリコンエッチング装置120、メタルエッチング装置130からそれぞれ排出される排ガスは、真空ポンプ150により吸引されさらに下流に配置された第1の乾式除害装置160に送られる。第1の乾式除害装置160では、排ガス中に含まれる酸性ガスや腐食性ガス、有害性ガスが、第1の乾式除害装置160に充填された処理剤により分解処理される、または処理剤により吸着除去される。
図2では、水分除去装置10は、特に水分を多く排出することがあるアッシング装置140の下流に設置されている。アッシング装置140から排出され、水分除去装置10により水分量が低減された排ガスは、第1の乾式除害装置160から排出される排ガスと合流し、さらに下流のPFC処理装置20に送られる。PFC処理装置20では、排ガス中に含まれるPFCが分解処理される。なお、図2では、3台のPFC処理装置20が1台の水分除去装置10を共有し、ガス処理装置1を構成している。このように、ガス処理装置1は、水分除去装置10またはPFC処理装置20をそれぞれ複数台備え構成してもよい。
【0028】
なお、酸化膜エッチング装置110は、半導体ウェハ上に酸化膜の薄膜を形成しフォトレジストでパターンを形成した後にエッチングにより不要な薄膜を除去する装置であり、Polyシリコンエッチング装置120ではポリシリコン(多結晶珪素)の薄膜が用いられ、メタルエッチング装置130では金属薄膜が用いられる。アッシング装置140は、エッチング工程後半導体ウェハ上の不要となったレジストを除去する。
【0029】
酸化膜エッチング装置110から排出されるガスとしてはCF、CHF、Cなどの他、副生成ガスとしてのSiF、CO、COF、HF等がある。Polyシリコンエッチング装置120から排出されるガスとしてはHBr、Cl、CFなどの他、副生成ガスとしてのSiF、Br、HCl、HF等がある。メタルエッチング装置130から排出されるガスとしてはBCl、Cl、CFなどの他、副生成ガスとしてのAlCl等がある。アッシング装置140から排出されるガスとしてはCF、O、HOなどの他、副生成ガスとしてのSiF、HF、CO等がある。
【0030】
図3を参照して、本発明の第1の実施の形態に係るガス処理装置1が実際の半導体製造工場において適用される場合の他の例を説明する。図3では、第1の乾式除害装置160とアッシング装置140から排出される排ガスを一旦集合配管にまとめ、この集合配管途中に水分除去装置10を設置する。さらにその下流に1台以上のPFC処理装置20を設ける。図3の場合も、3台のPFC処理装置20が1台の水分除去装置10を共有し、ガス処理装置1を構成している。
【0031】
以下に、本発明の第1の実施の形態に係るガス処理装置1が備える、水分除去装置10、PFC処理装置20、およびPFC処理装置20に充填されるPFC分解処理剤としてのAlとCaOの複合酸化物について説明する。
【0032】
まず、図4(a)を参照して、本発明の第1の実施の形態に係るガス処理装置1を構成する水分除去装置10を説明する。水分除去装置10としては、PFC処理装置20にPFC含有ガスを導入する配管途中に冷却手段としてのミストトラップ10aを設ける。PFC含有ガス中に含まれる水分量は、最大で飽和水蒸気量となる。したがって、ミストトラップに少なくともPFC含有ガスよりも低温の水を供給しPFC含有ガスの温度を下げ飽和水蒸気量を減らすことにより、PFC含有ガス中に含まれる水分量を低減させる。
【0033】
図4(a)に示すように、ミストトラップ10aの内部にはスプレー11が配置されている。スプレー11により冷却水12が配管内を流れるPFC含有ガスに直接噴出される。その結果、PFC含有ガスの温度が下がり、同時にPFC含有ガスの飽和水蒸気量も低減する。よって、PFC含有ガス中に含まれていた水分量は、冷却後の温度の飽和水蒸気量まで下がり、冷却前と冷却後のPFC含有ガス中に含まれる水分量の差分を液体の水として除去することができる。また、冷却水12を直接PFC含有ガスに噴出しているため、PFC含有ガスを洗浄することも可能となる。
なお、図4(b)に示すように、ミストトラップ10aの代わりに、熱交換器14を用いた冷却装置10cを用いてもよい。この場合は、冷却水の循環使用が可能になり、また、冷却水はPFC含有ガスと直接接触することはなく、PFC含有ガスから除去した水分を含む排水の処理負担を減らすことができる。
【0034】
AlとCaOの複合酸化物をPFC処理装置20の分解処理剤として用いた場合には、後述の[試験例6]で示すように、PFC含有ガス中に含まれる水分の平均水分濃度は、12.4mg/L(1.29mg/min)以下であることが望ましいことが解っている。よって、PFC含有ガスを冷却する場合は、飽和水蒸気量が所定の濃度、例えば1.2mg/min以下になる温度、すなわち飽和水蒸気量が11.54mg/L以下になる13℃以下に冷却することが好ましい。
【0035】
または、工場のレイアウト上、冷却用の水が使えないような場合には、シリカゲルやゼオライト等の水分吸着剤13を備える水分吸着装置10bを、PFC処理装置20にPFC含有ガスを導入する配管の途中に設ける。この水分吸着装置10b内にPFC含有ガスを通過させることにより、PFC含有ガス中に含まれる水分を水分吸着剤13と接触・吸着させ、PFC含有ガス中の水分量を低減させることができる。さらに、ミストトラップ10aまたは冷却装置10cと、水分吸着装置10bを組合せることにより、より効果的にPFC含有ガス中の水分量を低減させることができる。例えば、PFC含有ガスをミストトラップ10aまたは冷却装置10cで20〜25℃まで一旦冷却し、その後水分吸着剤13を備えた水分吸着装置10bで水分量を低減させることで、冷却水用の熱交換器容量を小さくすることができる。
【0036】
なお、オプションとして、配管途中に異常検知手段としての湿度計を設置してもよい。また、半導体製造装置等から排出される排ガス(PFC含有ガス)に含まれる水溶性ガスを、湿式除害装置(水スクラバー等)で処理した場合など、PFC含有ガス中に大量の水分が合流することがある。そのような場合には、PFC処理装置20に充填されたAlとCaOの複合酸化物の耐用時間が極端に短くなるおそれがあるため(後述の[試験例6]参照)、配管途中に湿度計等を設置し水分の流入を検知したら、警報または異常信号を発信するようにしてもよい。この場合、HBr、Cl等の腐食性の高いガスも含まれている場合には、表面に耐腐食性の高い材質のコーティングを施すなどの耐腐食性を有する湿度計を用いるとよい。
【0037】
図5を参照して、本発明の第1の実施の形態に係るガス処理装置1を構成するPFC処理装置20を説明する。図5は、PFC処理装置20の縦断面図であり、PFC処理装置20は、ガス中に含まれるPFCを分解処理する。PFC処理装置20は、棒状の内部ヒーター31と、内部ヒーター31から所定間隔をおいて、筒状に配された外部ヒーター32とを具備する装置本体30からなり、内部ヒーター31及び外部ヒーター32との間にPFC分解処理剤を充填する処理剤配置部33が形成されている。
【0038】
更に詳述すると、PFC処理装置20は、装置本体30と、装置本体30にPFC含有ガスを導入するガス導入管40、及び装置本体30から反応後の生成ガスを排出する排気管50を具備する。装置本体30は、円柱状の形状であり、その両端にはそれぞれガス導入管40や排気管50と連結するための開口であるガス導入部38及びガス排出部39がそれぞれ中央部に形成された蓋体30a,30bが設けられている。また、装置本体30内の処理剤配置部33には、AlとCaOの複合酸化物が充填される。
【0039】
蓋体の形成材料は特に制限されず、ステンレスなどこの種のガス処理装置に通常用いられる材料を適宜用いることができる。
【0040】
外部ヒーター32の外周に空気層35が形成されるように外部ヒーター32を覆って保温材34が配されている。保温材34は、蓋体30a,30bの周囲にも配されている。このように、装置本体30の外周全体に亘って保温材34を配することで、外部ヒーター32と保温材34との所定の間隔(空気層35)を開けることができるように構成されている。
【0041】
保温材34の形成材料としては、無機質ファイバ−(SiO55%、Al15%、CaO17%、B8%、その他酸化物5%)で補強したセラミック粉末(SiO60〜65%、TiO30〜35%、Al2〜3%、その他酸化物<1%)等を挙げることができる。
【0042】
空気層35の厚さは、0.6〜1cmとするのが好ましい。
【0043】
PFC処理装置20において、内部ヒーター31はその長手方向に2分割されて第1の内部ヒーター31aおよび第2の内部ヒーター31bが形成されている。また、外部ヒーター32はその長手方向に2分割されて第1の外部ヒーター32a及び第2の外部ヒーター32bが形成されている。そして、第1及び第2の内部ヒーター31a、31b並びに第1及び第2の外部ヒーター32a、32bは、それぞれ独立して温度制御することができる。
【0044】
具体的には、第1の内部ヒーター31a、第2の内部ヒーター31b、第1の外部ヒーター32aおよび第2の外部ヒーター32bは、それぞれ電源に接続されており(不図示)、各電源から供給する電流量を制御することにより各ヒーターの温度をそれぞれ独立して制御することができる。このように処理剤配置部33の内部と外周にヒーターを分割して配置し、装置本体30内部の温度を場所により微調節して、内部の温度をより容易に均一にすることができる。
【0045】
さらに、PFC処理装置20内にはPFC含有ガスを導入するガス導入部38側に整流板37が配されている。整流板37は、好ましくは耐化学薬品性および耐熱性を有する円盤状の板状体であり、ニッケル合金または多孔質材料により形成されている。
【0046】
次に、PFC処理装置20を用いた場合のPFCの処理方法について説明する。PFC処理装置20に充填される分解処理剤には、後述のAlとCaOの複合酸化物が用いられる。
【0047】
まず、AlとCaOの複合酸化物をPFC処理装置20の処理剤配置部33に充填する。本実施の形態は、特許文献4に記載された方法のように装置本体内にAl(OH)とCa(OH)を充填して、Al(OH)とCa(OH)とPFC含有ガスを高温下で接触させてPFC含有ガスの除去処理を行うのではなく、予めAl(OH)とCa(OH)の混合物を焼成して調製したAlとCaOの複合酸化物を処理剤配置部33に充填する。その上で、内部ヒーター31および外部ヒーター32によりPFC分解処理剤全体に均一な熱エネルギーを与えることによって、従来の処理方法に比して、PFCガスの分解処理が効率よく進行する。
【0048】
水分除去装置10により含有水分量を低減させたPFC含有ガスは、ガス導入管40を通ってガス導入部38から装置本体30内に導入される。
【0049】
次いで、PFC含有ガスは整流板37と接触することにより、装置内部に均一に拡散される。次に、PFC含有ガス中のPFCは、処理剤配置部33に配置されたAlとCaOの複合酸化物に接触して、最終的に分解処理される。この際、別に設けたセンサー(不図示)により内部の温度を複数個所モニタリングしながら、各内部ヒーター31a,31b、外部ヒーター32a,32bへの電流量を調節して各ヒーターの温度を制御し、その結果として装置本体30の内部の温度を微調節して均一な温度に保持する。
【0050】
この際の処理温度は、約550〜約850℃であり、好ましくは約600〜約850℃であり、約650℃〜約750℃が最も好ましい。約550℃未満であると、PFCのうちCFの分解率が低下し、約850℃を超えると、AlとCaOの複合酸化物の結晶化が徐々に進み、熱劣化してしまう。
【0051】
また、装置本体30の大きさにもよるが、装置本体30の内部容量が99リットルであれば、ガスの導入量は、50〜250リットル/分とするのが、処理反応を効率よく行うために好ましい。
【0052】
AlとCaOの複合酸化物を用いた処理により、ガス中のPFCなどのフッ素含有化合物、酸性ガス、酸化性ガスが分解される。PFC含有ガス中にCOが含まれる場合や、処理反応によってCOが発生することが考えられる場合には、酸素供給管(不図示)より酸素をPFC含有ガスに加えて、装置本体30内でCOのCOへの酸化を同時に行うことができる。反応によって発生したCO、HOなどは、排気管50を通って排出される。
【0053】
処理後、反応後の残留物が装置本体30内に残留する。これを取出して、含まれるフッ化カルシウムを分離回収し、酸などで処理することによって、フッ化カルシウムからフッ素を生成させることができる。
【0054】
次に、図2および図3を参照して本発明の第2の実施の形態に係るガス処理装置2および第3の実施の形態に係るガス処理装置3の構成を説明する。半導体製造装置等から排出される排ガスに、フッ素以外の原子からなる有害成分(例えばHBr、Cl、BCl等)が含まれている場合は、図2および図3に示すように、第1の乾式除害装置160を別途設置するとよい。このように、ガス処理装置2(図2参照)は、酸性ガスおよび腐食性ガスの少なくとも一方を除去する第1の乾式除害装置160と、第1の乾式除害装置160の下流側に配置され、ガス中に含まれるPFCを分解処理するPFC処理装置20から構成される。また、ガス処理装置3(図3参照)は、ガス処理装置2において、第1の乾式除害装置160の下流側でありPFC処理装置20の上流側に水分除去装置10を備える。
ガス処理装置2は、PFC処理装置20および第1の乾式除害装置160を1台ずつ備えてもよく、ガス処理装置3は、PFC処理装置20、第1の乾式除害装置160および水分除去装置10を1台ずつ備えてもよく、または、図2および図3に示すようにそれぞれの装置を複数台ずつ備えても良い。
【0055】
なお、本実施の形態の第1の乾式除害装置160とは、処理のために水を使わない装置であり、火炎もヒーターも使わず、処理剤を充填したカラムにガスを流すことにより処理するものをいう。ヒーターを使わない第1の乾式除害装置160で酸性ガス等を予め除去したPFC含有ガスをPFC処理装置20に導入することにより、PFC処理装置20内のAlとCaOの複合酸化物の負荷が減り、高価なAlとCaOの複合酸化物の寿命を延ばすことができる。
【0056】
第1の乾式除害装置160では、HBr等の酸性ガスまたは腐食性ガスの除去には合成ゼオライトが用いられる。合成ゼオライトで除去できないBClとClには、イオン交換樹脂、鉄・マンガン系の金属酸化物、Ca(OH)等からなるアルカリ剤、または活性炭が用いられる。また、PFC含有ガス中に上記の複数の組成が含まれる場合は、上記の合成ゼオライト、イオン交換樹脂、金属酸化物、アルカリ剤、活性炭を適宜組合せた第1の乾式除害装置160を設置するとよい。なお、COに関しては、PFC処理装置20に充填されたAlとCaOの複合酸化物でも処理することができる。
【0057】
なお、第1の乾式除害装置160をPFC処理装置20の上流側に配置すると、BClから発生するホウ素粒子を、PFC処理装置20の手前で除去することができる。そのため、PFC処理装置20内にホウ素粒子等の固形物が混入し、固形物により分解処理剤の活性点がおおわれ、性能が低下するのを防ぐことができる。さらに、粒子による目詰まりによりPFC処理装置20内をガスが流れにくくなることを防ぐことができる。
【0058】
図2および図3では、各半導体製造装置110〜130に個別に第1の乾式除害装置160を接続しているが、各装置110〜140からの排ガス(PFC含有ガス)を集合配管にまとめ、その下流に共有の第1の乾式除害装置160を設けてもよい。また、第1の乾式除害装置160と水分除去装置10の順序を入れ替えてもよい。なお、シリカゲル等の吸着剤で水分をとる場合は、第1の乾式除害装置160の下流に水分除去装置10を設置すると、酸性ガスで水分吸着剤が破過することを防ぐことができる。
【0059】
次に、図6を参照して、本発明の第4の実施の形態に係るガス処理装置4の構成を説明する。図6に示すように、ガス処理装置4は、ガス処理装置2(図2参照)の構成にさらに第2の乾式除害装置170を備える。第2の乾式除害装置170は、PFC処理装置20での処理温度よりも低い温度で処理可能な一部のPFC(例えば、CHF、C等)を前処理として分解処理し、PFC含有ガス中のPFC量を減らすことで、PFC処理装置20に充填されたAlとCaOの複合酸化物の負荷を低減する。その結果、AlとCaOの複合酸化物の分解処理剤としての耐用時間をより長くすることができる。
【0060】
例えば、第2の乾式除害装置170に、処理剤としてFe−Mn系金属酸化物を充填する。Fe−Mn系金属酸化物を用いることにより、PFCのうち、CHFを200〜300℃の温度範囲で分解処理することができる。また、Cを100℃前後で分解処理することができる。
このように、第2の乾式除害装置170は、PFC処理装置20の処理温度(約550〜約750℃)よりも低い温度で分解処理可能なPFCを、前処理としてPFC含有ガスから除去する。
【0061】
したがって、図6に示すように、第2の乾式除害装置170は、PFC含有ガスの流れに対して、第1の乾式除害装置160の下流側であって、PFC処理装置20の上流側に配置される。このように配置すると、PFC含有ガス中に、酸性ガスおよび腐食性ガスの少なくとも一方が含まれている場合に、これらの有害性ガスを除去した後、PFC処理装置20の前処理として、一部のPFCを除去できるため好ましい。
【0062】
なお、本実施の形態の第2の乾式除害装置170とは、処理のために水を使わない装置であるが、第1の乾式除害装置160とは異なり、加熱装置を有し、処理剤を充填したカラムにPFC含有ガスを流すことにより処理するものをいう。
【0063】
以下に、第2の乾式除害装置170の構造について説明する。第2の乾式除害装置170は、図6に示すように、第1の乾式除害装置160と分離した装置であってもよく、または、図7(a)に示すように、第1の乾式除害装置160と一体となった装置であってもよい。または、図8(a)に示すように、第2の乾式除害装置170は、PFC処理装置20と一体となった装置であってもよい。
【0064】
図7(a)を参照して、第2の乾式除害装置170が第1の乾式除害装置160と一体として形成された場合について説明する。第1の乾式除害装置160は、円筒状のカラム161を有する。第2の乾式除害装置170は、2重構造の円筒状のカラムを有し、内側のカラム171はカラム161と連結している。カラム171は、カラム171よりも大きい径を有するカラム172でその外表面を覆われており、カラム171とカラム172により空間aが形成されている。カラム161とカラム171は、それぞれ内部に充填する処理剤で2層を形成することにより、区別することができる。または、カラム161とカラム171の境界に、ガス通過孔が形成された多孔性のメッシュ部材200を配置させてもよい。なお、多孔性のメッシュ部材200が処理剤に含まれる粉状物により目詰まりを起こすことを防止するため、メッシュ部材200近傍には処理剤よりも大径のアルミナボール(例えば3/8インチアルミナボール)やアルミナシリンダーリングを充填してもよい。
【0065】
図7(a)に示すように、PFC含有ガスは、まず第1の乾式除害装置160に接続された配管(不図示)から第1の乾式除害装置160に導入される。PFC含有ガス中に含まれる酸性ガス等は、カラム161に充填された処理剤166(例えば合成ゼオライト)により常温で除去される。次に、酸性ガス等が除去されたPFC含有ガスは、第2の乾式除害装置170のカラム171内に流入する。PFC含有ガス中のCHF等は、カラム171に充填された処理剤176(Fe−Mn系金属酸化物)により300℃以下の(ただし常温よりも高い)温度で分解除去される。さらに、CHF等が除去されたPFC含有ガスは、PFC処理装置20内に導入される。PFC含有ガス中のPFCは、PFC処理装置20内に充填された処理剤36(AlとCaOの複合酸化物)により550〜750℃の温度で分解除去される。さらに、PFC処理装置20から排出されるガスは、第2の乾式除害装置のカラム171とカラム172で形成された空間aに導入される。そのため、550〜750℃に加熱されたガスの廃熱により、カラム171に充填された処理剤176を加熱することができる。このように、PFC処理装置20から排出されたガスが導入された空間aが加熱装置として機能する。なお、空間aの内部に熱伝導を高めるための伝熱フィン175を設けてもよい。
【0066】
なお、一体として形成された第1の乾式除害装置160と第2の乾式除害装置170を、PFC処理装置20と1つのボックス内に構成すると、PFC処理装置20から排出されたガスの熱が失われるのを抑えることができ好ましい。また、第2の乾式除害装置170では、カラム171の中央部に図5に示すような内部ヒーター31(図7(a)では不図示)を設置してもよい。
さらに、図7(a)では、半導体製造装置等から、真空ポンプ150によりガスが吸引され、ガスの流れが、第1の乾式除害装置160→第2の乾式除害装置170(カラム171)→PFC処理装置20→第2の乾式除害装置170(空間a)となるように、構成されている。
【0067】
または、図7(b)に示すように、第2の乾式除害装置170は、カラム171の内側にカラム171よりも小さい径を有する、二重管構造のカラム173を形成してもよい。この場合は、カラム171とカラム173から形成される空間に処理剤176が充填される。また、PFC処理装置20から排出されるガスを、カラム173の内側の空間bに導入することにより、PFC処理装置20から排出されるガスの廃熱で処理剤176を加熱する。すなわち、空間bが加熱装置として機能する。なお、カラム173を二重管構造にし、空間b内の中央部に内管174を設置し、ガスが空間bから内管174を通過後排出されるようにすると、空間bの内部まで十分にガスを導入できるため好ましい。さらに、カラム171の外表面に別の加熱装置としての外部ヒーター32を備え、処理剤176を加熱してもよい。
【0068】
図8(a)を参照して、第2の乾式除害装置170がPFC処理装置20と一体として形成された構造について説明する。図5に示すPFC処理装置20では、外部ヒーター32は長手方向に2分割されているが、図8(a)では、外部ヒーター32を3分割し、PFC含有ガスの導入側に加熱装置としての第3の外部ヒーター32cを形成する。同様に図5に示す内部ヒーター31(図8(a)では不図示)も長手方向に3分割してもよい。
さらに、第2の乾式除害装置170とPFC処理装置20は、1台の装置本体30を分割した態様でそれぞれ構成される。装置本体30の外部ヒーター32cで加熱される領域には、処理剤176(Fe−Mn系金属酸化物)が充填される。装置本体30の外部ヒーター32a、32bで加熱される領域には、処理剤36(AlとCaOの複合酸化物)が充填される。このように、第2の乾式除害装置170は装置本体30の一部と外部ヒーター32cを備え、PFC処理装置20は装置本体30の他部と外部ヒーター32a、32bを備える。
【0069】
なお、装置本体30の処理剤配置部33内は、処理剤176と処理剤36を2層に充填することにより、第2の乾式除害装置170とPFC処理装置20に区別することができる。または、処理剤176と処理剤36の境界に、ガス通過孔が形成された多孔性のメッシュ部材200を設置してもよい。
このように構成すると、第2の乾式除害装置170とPFC処理装置20でヒーター構造を共通化できるため、装置の小形化が可能となる。さらに、第2の乾式除害装置170で加熱されたPFC含有ガスをそのままPFC処理装置20内に導入できるため、熱のロスが少なく効率良く処理剤36を加熱することができる。
【0070】
図8(a)に示すように、PFC含有ガスは、まず第1の乾式除害装置160に接続された配管(不図示)から第1の乾式除害層装置160に導入される。PFC含有ガス中に含まれる酸性ガス等は、第1の乾式除害層装置160に充填された処理剤166(例えば合成ゼオライト)により常温で除去される。次に、酸性ガス等が除去されたPFC含有ガスは、第2の乾式除害装置170内に流入する。PFC含有ガス中のCHF等は、第2の乾式除害装置170に充填された処理剤176(Fe−Mn系金属酸化物)により300℃以下の(ただし常温よりも高い)温度で分解除去される。さらに、CHF等が除去されたPFC含有ガスは、PFC処理装置20内に導入される。PFC含有ガス中のPFCは、PFC処理装置20内に充填された処理剤36(AlとCaOの複合酸化物)により550〜750℃の温度で分解除去される。
【0071】
または、図8(b)に示すように、第2の乾式除害装置170が2重管構造となるように、装置本体30内に円筒状の内管21を形成してもよい。この場合は、内管21の内側に処理剤176を充填し、内管21と装置本体30により空間cが形成される。このように、第2の乾式除害装置170は、装置本体30の一部と内管21を備える。
さらに、PFC処理装置20が2重管構造となるように、装置本体30内に、内管21よりも径の小さい円筒状の内管22を形成する。この場合、内管22の外側に処理剤36が充填される。このように、PFC処理装置20は、装置本体30の他部、内管22、およびヒーター32a、32bを備える。なお、内管22は内管21と連結しており、内管21から排出されたガスを、PFC処理装置20の装置本体30の内部まで導く。
また、内管21の内側空間と内管22の内側空間との境界、および、処理剤36が充填された処理剤配置部33と空間cとの境界は、ガス通過孔が形成された多孔性のメッシュ部材200で仕切られている。
【0072】
図8(b)に示すように、PFC含有ガスは、まず第1の乾式除害装置160に接続された配管(不図示)から第1の乾式除害層装置160に導入される。PFC含有ガス中に含まれる酸性ガス等は、第1の乾式除害層装置160に充填された処理剤166(例えば合成ゼオライト)により常温で除去される。次に、酸性ガス等が除去されたPFC含有ガスは、第2の乾式除害装置170の内管21内に流入する。PFC含有ガス中のCHF等は、内管21内に充填された処理剤176(Fe−Mn系金属酸化物)により300℃以下の(ただし常温よりも高い)温度で分解除去される。さらに、CHF等が除去されたPFC含有ガスは、内管22を通りPFC処理装置20の処理剤配置部33内に流入する。PFC含有ガス中のPFCは、PFC処理装置20の処理剤配置部33内に充填された処理剤36(AlとCaOの複合酸化物)により550〜750℃の温度で分解除去される。その後、550〜750℃の温度でPFCが分解除去されたガスは、第2の乾式除害装置170に形成された空間cに流入する。このように、PFC処理装置20から排出されるガスの廃熱により、処理剤176を加熱する。すなわち、空間cが加熱装置として機能する。このように、PFC処理装置20で加熱されたガスをそのまま第2の乾式除害装置170内に導入できるため、熱のロスが少なく効率良く処理剤176を加熱することができる。なお、第2の乾式除害装置170では、内管21の中央部に図5に示すような内部ヒーター31(図8(b)では不図示)を設置してもよい。
【0073】
次に、図9を参照して、本発明の第5の実施の形態に係るガス処理装置5の構成を説明する。ガス処理装置5は、ガス処理装置4にさらに水分除去装置10を備える。図9に示すように、第2の乾式除害装置170からの各PFC含有ガスを集合配管にまとめ、その下流に共有の水分除去装置を設置してもよい。または、水分除去装置10は、第1の乾式除害装置160の下流であって、第2の乾式除害装置170の上流に設置してもよい。すなわち、水分除去装置10は、PFC含有ガスの流れに対して、PFC処理装置20の前処理としてガス中の水分を除去できる位置に配置されることが好ましい。また、図9には1台の水分除去装置10が配置されているが、複数台の水分除去装置10を備えても良い。
【0074】
なお、半導体製造装置等から排出される排ガスに、フッ素以外の原子からなる有害成分(例えばHBr、Cl、BCl等)が含まれていない、または微量である場合は、ガス処理装置4(図6参照)およびガス処理装置5(図9参照)において、第1の乾式除害装置160を含めない構成としてもよい。この場合は、第2の乾式除害装置170の処理温度を比較的低温(350℃以下)に維持し、易分解性のPFCを分解除去する。続いて、PFC処理装置20の処理温度を比較的高温(550〜750℃)に維持し、難分解性のPFCを分解除去する。
【0075】
以下に、PFC処理装置20に充填されるPFC分解処理剤としてのAlとCaOの複合酸化物について詳細に説明する。
PFC処理装置20の処理剤配置部33(図5参照)に充填されるPFC分解処理剤には、平均粒子径(メディアン径)55μm以上160μm以下のAl(OH)と、Ca(OH)とのモル比が3:7〜5:5である混合物を430℃以上890℃以下の温度範囲で、窒素流又は空気流中で焼成して得られるAlとCaOの複合酸化物が用いられる。
または、平均粒子径(メディアン径)60μm以上160μm以下のAl(OH)と、Ca(OH)とのモル比が3:7〜5:5である混合物を430℃以上890℃以下の温度範囲で、窒素流又は空気流中で焼成することにより得られるAlとCaOの複合酸化物が用いられる。なお、焼成温度は、AlとCaOの複合酸化物でPFC含有ガスを処理する処理温度と同程度かそれより低くすることが好ましい。
【0076】
なお、AlとCaOの複合酸化物は、本願において「PFC分解剤」および「フッ素固定剤」として機能する。以下では、前者はPFCの分解までを行うことを意味し、後者がさらにフッ素をCaFなどの固形物として回収することまでを包含する概念として使い分ける。ただし、「PFC分解剤」と「フッ素固定剤」の構成成分は同一であり、両者を包含する場合、つまりPFCを分解しさらにフッ素で固定することを意図する場合には、「PFC分解処理」および「PFC分解処理剤」と表現する。
【0077】
[AlとCaOの複合酸化物の原材料]
AlとCaOの複合酸化物の原材料であるAl(OH)は、その平均粒子径が55μm以上、好ましくは60μm以上160μm以下、より好ましくは90μm以上120μm以下である。ここで、平均粒子径とは、メディアン径を意味し、粒子径ごとに頻度(含有量)を積算し、含有量の累積が最小粒子径からはじめて50%になる点での粒子径である。なお、メディアン径の測定では、レーザ回折・散乱法を使用し、体積基準でD50を測定する。その他の測定方法として、ガス吸着法による比表面積/細孔分布測定、水銀圧入法による細孔分布測定、定容積膨張法による乾式密度測定を用いても良い。
【0078】
平均粒子径が上記範囲外であると、PFC分解処理剤としての所望の処理性能が得られず、試験例により後述するように、短時間でCF除去率が95%以下に劣化してしまい、実用に耐えない。
【0079】
AlとCaOの複合酸化物の原材料であるCa(OH)の平均粒子径はAl(OH)の平均粒径によって変動するが、Al(OH)よりもCa(OH)の平均粒子径(メディアン径)は小さい方が好ましい。Ca(OH)の平均粒子径(メディアン径)としては、好ましくは1μm以上10μm以下、より好ましくは3μm以上8μm以下、最も好ましくは4μm以上6μm以下である。
【0080】
Al(OH)とCa(OH)とは、平均粒子径の大きいAl(OH)を核にして、その表層にCa(OH)が効率よく配置されることで活性が維持されると考えられる。よって、Ca(OH)の粒径がAl(OH)の平均粒径に比べて小さすぎるとAl(OH)の表面全体を隙間なく覆い、PFCとの接触を阻止して結果的にPFCの分解を阻害し、逆にCa(OH)の粒径がAl(OH)の平均粒径に比べて大きすぎるとPFC分解時のFとの接触効率が低下し結果的に分解が不充分となり、何れの場合もPFCの分解効率を下げると考えられる。
【0081】
上記混合物におけるAl(OH)とCa(OH)とのモル比は、3:7〜5:5、好ましくは3:7〜4:6である。Al(OH)とCa(OH)とのモル比が上記範囲外であると、PFC分解処理剤としての所望の処理性能が得られず、試験例により後述するように、短時間でCF除去率が95%以下に劣化してしまい、実用に耐えない。
【0082】
[AlとCaOの複合酸化物の調製方法]
AlとCaOの複合酸化物は、上記混合物を430℃以上890℃以下の温度範囲、好ましくは580℃〜850℃、より好ましくは650℃〜780℃の温度範囲で、窒素流又は空気流中で焼成することにより得られる。
【0083】
Al(OH)とCa(OH)との混合物の焼成温度は、脱水可能な温度であってかつ失活しない温度範囲であることが必要になる。Al(OH)の脱水温度は約270℃であり、Ca(OH)の脱水温度は約430℃であるから、少なくとも430℃以上であることが好ましい。温度範囲が890℃を超えると、試験例により後述するように、CF除去率が低下する。これは、高熱処理により酸化アルミニウムが結晶化してしまい、活性が劣化することによると考えられる。なお、焼成温度は、AlとCaOの複合酸化物でPFC含有ガスを処理する処理温度と同程度かそれより低くすることが好ましい。
【0084】
Al(OH)とCa(OH)との混合物は、窒素流又は空気流中で焼成する。窒素流又は空気流は一定時間で流入方向を逆転させることが好ましい。焼成により進行する脱水反応の結果、発生する水分を混合物周囲に滞留させず、速やかに蒸発・退去させるためである。高熱高湿雰囲気でAl(OH)とCa(OH)との混合物を焼成し続けると、水分の存在により酸化アルミニウムが結晶化(活性点における微細構造レベルでの結晶化を意味する)してしまい、活性が劣化すると考えられる。よって、Al(OH)や焼成により得られる酸化アルミニウムなどの周囲に不活性ガスを流すことによって、発生する水分を速やかに除去することが必要である。窒素流又は空気流の向流気流は、例えば、Al(OH)とCa(OH)との混合物をカラムに充填して、カラムの上下から窒素流又は空気流を送るなどして与えることができる。
【0085】
焼成時間は特に限定されず、使用するAl(OH)とCa(OH)との量によっても変動するが、一般的に6〜12時間とするのが脱水効果やエネルギー消費効率の点で好ましく、8〜10時間とするのがさらに好ましい。技術的にはCa(OH)が脱水する温度(約430℃)まで昇温した後、さらに1〜2時間焼成することで充分であると考えられる。焼成温度に達するまでの昇温速度が速すぎると脱水が不充分な場合が生じ、遅すぎると経済的理由(エネルギーや時間を消費する)から好ましくない。通常は、100℃/hrの昇温速度が最適である。また、焼成時間が長すぎると、PFC分解処理剤が焼成中に燃料から発生するCOを過吸着してしまい、フッ素吸着性能が低下するので好ましくない。
【0086】
上記の調製方法により得られるAlとCaOの複合酸化物は、後述するXRD(X線回折)分析により示されるように非晶質AlとCaOとの複合酸化物である。上記複合酸化物における非晶質AlとCaOとの含有比は、モル比でAl:CaO=1:10.5〜1:12.5であるのが、PFC分解処理剤としての活性維持の点で好ましく、1:10.5〜1:12であるのが更に好ましい。
【0087】
[AlとCaOの複合酸化物の特性]
また上記の製法により得られるAlとCaOの複合酸化物は、その水分含量が5wt%よりも低いことが好ましく、0.8wt%以上5wt%以下であることがより好ましく、1.5wt%以上3.5wt%以下であるとさらに好ましい。なお、最も好ましくは、2.7wt%以下である。水分含量が高くなると、後述するようにCF除去率が低下する。従来、水分含量が高いほどCF除去率は高くなると考えられており、フッ素含有被処理物の処理時には水分を添加していたことを考え合わせると、このPFC分解処理剤において水分含量が少ないほどCF除去率が高くなるという知見は特異的である。
【0088】
本願のPFC分解処理剤には、さらに耐熱性向上剤を混合することもできる。耐熱性向上剤としては、ZrO、Laを好ましく挙げることができる。耐熱性向上剤の配合比率は、好ましくはAl(OH)1モルに対して0.01〜0.5モルであり、より好ましくはAl(OH)1モルに対して0.05〜0.4モルであり、最も好ましくはAl(OH)1モルに対して0.08〜0.35モルである。耐熱性向上剤の配合比率が上記範囲外であると、その使用温度においてPFC分解処理剤の結晶化が徐々に進んで、長期に渡る活性の維持が困難となる。
【0089】
本願のPFC分解処理剤は、Al(OH)とCa(OH)の混合物の焼成品のNa含有量が0.03wt%以下であることが好ましい。Naが多量に存在すると、PFCの分解作用を起こす活性点にNa+が選択的に吸着してしまい、PFCの分解反応を阻害するので好ましくない。
【0090】
本願のPFC分解処理剤には、さらに酸化力向上助剤を混合することもできる。酸化力向上助剤としては、Pd、Pt、Rh、Ruなどを好ましく挙げることができる。酸化力向上助剤の配合割合は、好ましくはAl(OH)1モルに対して0.005〜0.1モルであり、より好ましくはAl(OH)1モルに対して0.01〜0.07モルであり、最も好ましくはAl(OH)1モルに対して0.02〜0.05モルである。酸化力向上助剤の配合比率が上記範囲外であると、PFCのうち炭素数の多いCやC等の分解が進まず、比較的早期に除去性能の低下が始まる。
【0091】
本願のPFC分解処理剤により処理することのできるフッ素含有化合物としては,CHF、CF、C、C、SF、NFなどのパーフルオロ化合物等を挙げることができる。このようなパーフルオロ化合物(PFC)を含むガスとしては、半導体工業で半導体製造装置の内面等をドライクリーニングする工程や、各種成膜をエッチングする工程で排出される排ガスなどを挙げることができる。
【0092】
また、本願のPFC分解処理剤は、PFCなどに加えて、酸化性ガス、酸性ガスなども分解処理することができる。半導体製造工程から排出される排ガス中には、PFCばかりでなく、他にF、Cl、Br等の酸化性ガス、HF、SiF、COF、HCl、HBr、SiCl、SiBr等の酸性ガスなどが含まれる場合がある。従来、F、Cl、Br等の酸化性ガスを湿式処理する方法があるが、水だけでは完全に処理することができず、アルカリ剤や還元剤を併用するため管理や装置が複雑になる上にコストがかかる等の問題点があった。PFC分解処理剤によれば、これらの酸化性ガスや酸性ガスも、PFC等のフッ素含有化合物と共に分解処理することができる。
【0093】
[AlとCaOの複合酸化物の構造と反応]
AlとCaOの複合酸化物は、以下のように酸素を介して緩やかに結合していると考えられる。
【0094】
【化1】

【0095】
AlとCaOの複合酸化物をフッ素化合物と接触させると、(Al_O)部分の触媒作用により
CF→C+4F
の分解反応が進み、(O_Ca)部分からの酸素(O)とカルシウム(Ca)とにより
C+2O→CO
4F+2Ca→2CaF
の酸化還元反応が進むと考えられる。
【0096】
このように、AlとCaOの複合酸化物を用いてフッ素含有化合物を含む排ガスを処理すると、PFCが分解されて、反応途中にHF等の中間生成物が生成されることなく、フッ化カルシウム(CaF)が生成される。フッ化カルシウムは、フッ素製造の原料として知られる蛍石の主成分であり、酸で処理することによってフッ素ガスを発生させることができる。したがって、AlとCaOの複合酸化物を用いると、極めて効率的にフッ素含有化合物を含むガスからフッ素を再利用可能な形態で回収することができる。
【0097】
また、AlとCaOの複合酸化物と、フッ素含有化合物を含む被処理ガスとを接触させることを特徴とする、フッ素含有化合物を含む被処理ガスからのフッ素回収方法が提供される。このとき、AlとCaOの複合酸化物と、フッ素含有化合物を含む被処理ガスとを550℃〜850℃の温度で接触させることが好ましく、より好ましくは600〜800℃の範囲であり、約650℃〜750℃が最も好ましい。
【0098】
以下に、AlとCaOの複合酸化物を更に具体的に説明する。
[試験例1]
【0099】
[PFC分解処理剤A]
以下の調製例は、いずれも発生する水分を焼成容器内から速やかに排出させ、Al(OH)とCa(OH)との混合物と水分との接触を回避する調製方法を採用した。
【0100】
図10に示すように、均一に加熱できるように外部ヒーターを全周に具備する小型のカラム(寸法:径150mm×高さ850mm)に、Al(OH)とCa(OH)との混合物(Al(OH)の平均粒子径90μm、Ca(OH)の平均粒子径5μm、Al(OH)とCa(OH)との配合割合3:7)14Lを充填して、カラム内部に多量の水蒸気が滞留しないようにN流量:50L/minを上向流と下向流とで与えた。外部ヒーターの温度を調整して、最初にN上向流を5〜6時間流してAl(OH)とCa(OH)との混合物層のうち上層の半分を420℃以上で焼成し、次にN下向流を2〜3時間流してAl(OH)とCa(OH)との混合物層のうち下層の半分を420℃以上に焼成した。 なお、上記調整方法において、Al(OH)とCa(OH)のモル比は3:7であり、焼成により得られた試料は、表1の試料No.1−1である。
【0101】
各焼成温度で得られたPFC分解処理剤Aについて、水分含有量とCF除去率を測定した結果を表1に示す。CF除去率は、PFC分解処理剤49mlを図13に示すガス処理システム(ただし、ミニカラムは第1筒目だけとした)のミニカラム(径22mm×高さ300mm)に充填して、CF流入濃度:1.0%、ガス流量:410ml/min、処理温度:750℃で3時間、通ガスした後の除去率を求めた。なお、試料No.1−0は焼成前のAl(OH)とCa(OH)との混合物を意味する。また、濃度1.0%とは体積パーセントを意味する。
【0102】
表1は、焼成温度と水分含有量およびCF除去率との関係を示す。
【表1】

焼成温度は、充填されたAl(OH)とCa(OH)との混合物層の温度を内部に挿入した熱電対により実測した値である。また、表中の記号「>」は、例えば99.9%を超えることを示す(以下同様)。
【0103】
表1より、420℃でも水分含有量が12wt%と低下しているが、Ca(OH)の脱水温度は約430℃であるから、少なくとも430℃以上であることが好ましく、500℃以上がより好ましいことがわかる。また、910℃の焼成温度では、水分含有量が1.6wt%でCF除去率が96.8%と低下していることがわかる。これは、熱劣化の影響と思われる。
【0104】
表1より焼成温度は580℃〜780℃が好適であることがわかる。焼成処理コストを考慮して600℃の焼成温度で焼成したPFC分解処理剤について、水分含有量とCF除去率との関係をさらに検討した。
【0105】
Al(OH)とCa(OH)との混合物(Al(OH)の平均粒子径90μm、Ca(OH)の平均粒子径5μm、Al(OH)とCa(OH)とのモル比での混合割合3:7)をミニカラム(径22mm×高さ300mm)に充填し、これをセラミックス製管状炉に装着させ、窒素を410ml/minで送り込みながら600℃に昇温した。水分調整は、焼成時間を調整することによって行った。具体的には、焼成時間5時間で水分含有量2.7wt%、焼成時間11時間で水分含有量1.6wt%、焼成時間24時間で水分含有量0.8wt%のPFC分解処理剤が得られた。
【0106】
こうして得たPFC分解処理剤1−8〜1−10を各49ml、図13に示すガス処理システム(ただし、ミニカラムは第1筒目だけとした)のミニカラムに充填し、CF流入濃度:1.0%、ガス流量:410ml/min、処理温度:750℃で5時間通ガスした後(CFガス出し3時間後にCFの供給を一旦止め、窒素昇温(窒素のみで410ml/min、750℃加熱)を12時間行い、その後、CFガス出し(CF流入濃度:1.0%、ガス流量:410ml/min、処理温度:750℃)を2時間再開した。この通ガス方法によれば、初期性能と寿命の両方を評価することができる。)のCF除去率を求めた。結果を表2に示す。
【0107】
【表2】

【0108】
表2から、水分含有量が0.8wt%〜2.7wt%の間で有意差がなく、水分含有量1wt%以下でも高いCF除去率が達成されることがわかる。
得られたPFC分解処理剤(表1の試料No.1−3)のXRD分析チャートを図14に示す。上段のピークデータは得られたPFC分解処理剤(試料No.1−3)の生データからの解析ピークであり、下段のカードピークはライブラリーデータからのCaOの特性ピークである。得られたPFC分解処理剤(試料No.1−3)のピークはCaOのライブラリーデータピークと完全に一致する。参考として図15に結晶性アルミナの標準X線回折スペクトルを示すが、上記で得られたPFC分解処理剤(試料No.1−3)にはAlの特性ピークが見られない。また、後述する比較例のXRDチャートではCa(OH)のピークが観察されることとの対比から、Ca(OH)は全量が焼成によりCaOに変化しているといえる。これらのことから、本願のPFC分解処理剤には、焼成により発生する水分がすべて除かれ、水熱反応が進まないため、結晶性Alが生じていないと考えられる。
[PFC分解処理剤B]
図11に示すように、箱体の内部に収納棚を有する直接燃焼炉を用いて、各収納棚にAl(OH)とCa(OH)との混合物を厚さ10mmに広げて20kgとなるように充填し、空気を20m/minで流し、100℃/hrの昇温速度で6時間かけて600℃まで昇温させ、さらに600℃で6時間焼成し、PFC分解処理剤Bを得た。得られたPFC分解処理剤Bの水分含有率は2.8wt%であった。
【0109】
このPFC分解処理剤Bの49mlを図13に示すガス処理システム(ただし、ミニカラムは第1筒目だけとした)のミニカラム(径22mm×高さ300mm)に充填し、CF流入濃度:1.0%、ガス流量:410ml/min、処理温度:750℃で3時間、通ガスした後のCF除去率を求めたところ99.9%以上と高い除去率を示した。
[PFC分解処理剤C]
図20に示すようにロ−タリキルンは片側に投入口を設け、反対側に排出口を設けた円筒形の内筒(径約60cm×長さ4〜5m)を有し、これの下側の半周に内筒に接することなく、隙間を設けてヒ−タ−を設置している。内筒は投入口から排出口に向かって緩やかな下降傾斜があり、内筒を回転させることで、投入した剤を排出口に移動させている。移動する間に、剤はヒ−タで加熱された内筒の内側で、間接的に加熱される。内筒の中にはガスの強制送気は行わず、内部で発生したガスの上昇気流により、大気が排出口から自然吸引され、剤の流れとは逆方向に排気される構造となっている。このようなロ−タリ−キルンに、Al(OH)とCa(OH)との混合物(Al(OH)の平均粒子径90μm、Ca(OH)の平均粒子径5μm、Al(OH)とCa(OH)とのモル比での混合割合3:7)を20kg/minの量で投入し、620℃±20℃で約1時間焼成して、PFC分解処理剤Cを得た。ロータリーキルンを用いて間接的に加熱することによって燃料から発生するCOの過吸着を避けた。得られたPFC分解処理剤Cの水分含有率は2.6wt%であった。
【0110】
このPFC分解処理剤Cの49mlを図13に示すガス処理システム(ただし、ミニカラムは第1筒目だけとした)のミニカラムに充填し、CF流入濃度:1.0%、ガス流量:410ml/min、処理温度:750℃で3時間通ガスした後のCF除去率を求めたところ99.9%以上と高い除去率を示した。
[PFC分解処理試験]
[PFC分解処理剤A]でミニカラムにより焼成したPFC分解処理剤(表1の試料No.1−3)を図12に示すガス処理装置に充填し、ここにCF、C、CHF、CO、COF、SiF、HF、Fを含む模擬ガスを通ガスした。図12に示すガス処理装置は、カラム外周と中心部にヒーターを具備し、焼成カラム内を均一な温度に昇温しやすく構成されている。PFC分解処理剤層の処理温度は750℃に制御し、排ガス流量は150L/minとした。
【0111】
表3は、入口ガス組成および8時間処理後の出口ガス組成を示す。
【表3】

なお、表中の記号「<」は、例えば0.2ppm未満であることを示す(以下同様)。
【0112】
表3より、8時間後のガス処理装置出口でPFC、CO、酸性ガスはすべて検出限界以下に良好に処理されていた。上記ガスを処理した後に、PFC分解処理剤(試料No.1−3)のXRD分析を行った。図16に示すXRDチャートから、CaOの特性ピークのほかにCaFのX線回折ピークが出現しており、PFC分解処理剤中のCaにFが固定されたことが確認された。
[比較例1]
【0113】
比較例として、図12に示すガス処理装置(大型カラム。径350mm×高さ850mm)にAl(OH)とCa(OH)との混合物を94L充填して、N流量:60L/minを下向流に流し、300℃で8時間、500℃で9時間、次いで750℃で8時間かけて焼成した。図12の大型カラム内の混合物を縦方向に9等分し、上からNo.1〜No.9とし、焼成後、図12に示す各層ごとに一定量を採取して、熱分析により水分含有量を測定し、XRD分析により結晶性化合物を同定した。
図17に、試料No.5についてのXRD分析チャートの例を示す。CaOとCa(OH)のピークが観察された。
【0114】
また、得られた焼成体49mlを図13に示すガス処理システム(ただし、ミニカラムは第1筒目だけとした)のミニカラム(径22mm×高さ300mm)に充填して、CF流入濃度:1.0%、ガス流量:410ml/min、処理温度:750℃で3時間、通ガスした後の除去率を求めた。結果を表4に示す。なお、表中、試料No.とは図12に示す採取した層の位置を示す。また、試料No.0は、未焼成のAl(OH)とCa(OH)との混合物を意味する。
【0115】
表4は、対照系焼成条件および水分含有量、XRD分析結果、CF除去率を示す。
【表4】

【0116】
表4より、採取位置によって水分含有量およびXRD分析結果に差異が見られ、均一な焼成が行われていないことがわかる。特に中段層〜下段層から採取した焼成体のCF除去率が非常に低くなっている。これは、750℃以上の高温条件下で焼成を行う際に発生する水分が混合物の周囲に滞留して高温多湿条件を創製し、水熱合成反応が生じ、結晶化を促進させ、活性を低下させたものと考えられる。
【0117】
また、CF除去後の試料についてXRD分析を行った。例として、表4中の試料No.5のXRD分析チャートを図18に示す。図17のXRD分析チャートと比較すると、Ca(OH)が消失し、代わりにCaFのピークが観察される。
[試験例2]
【0118】
図13に示す構成のガス処理システムを用いて、750℃で1.5時間焼成した本願のPFC分解処理剤の処理性能を調べた。外周にセラミックス製管状炉を取り付けたSUS製ミニカラム(径22mm×高さ300mm)2本を直列に接続させて、各ミニカラムに本発明のPFC分解処理剤49mlを充てんし、PFC分解処理剤層が750℃で安定したところでCF流入濃度:1.0%、ガス流量:410ml/minでCFの通ガスを開始した。性能の比較は、ミニカラムの2筒目の出口でCF除去率が95%を下回るまでの処理時間を計測し、処理時間が長いほど性能が良好であると判断した。表5には、平均粒子径120μmのAl(OH)を用いた場合のAl(OH)対Ca(OH)のモル比を変数として性能を比較した結果を示す。
【0119】
表5は、Al(OH)対Ca(OH)のモル比とCF処理性能を示す。
【表5】

【0120】
表5より、同じ平均粒子径であれば、Al(OH):Ca(OH)のモル比が、3:7〜5:5の範囲で良好な処理性能を示し、3:7の時に処理性能が最大となることがわかる。次に、図13に示すガス処理システムを用いて、同じ処理条件にて、Al(OH):Ca(OH)のモル比を3:7として750℃で1.5時間焼成した場合のAl(OH)の平均粒子径とCF処理性能との関係を調べた。その際に、Ca(OH)は平均粒子径(メディアン径)5μmのもの用いた。
【0121】
表6は、Al(OH)の平均粒子径とCF処理性能を示す。
【表6】

【0122】
表6より、Al(OH)の平均粒子径が大きいほど、処理性能が向上する傾向が認められた。上述の各試験例の結果から、性能上はAl(OH):Ca(OH)のモル比が3:7でAl(OH)の平均粒子径が120μmである場合に最も高いCF処理性能が得られることがわかる。しかし、工業ベースでこの組成を用いて量産すると、粉末品の回収率が悪く、コスト高になるため、同じモル比で平均粒子径を90μmにして製品化を図った。この組成で同じ条件で性能評価したところ、CF除去率が95%時の処理時間は34.8時間となり、最適組成と比較して大きな差がないことを確認した。さらに、Al(OH)を篩いにかけずに使用した場合には、平均粒子径が55μmであったが、CF除去率が95%時の処理時間は31.2時間であることが確認できた。この処理時間は、Al(OH)を篩いにかけて得られる平均粒子径60μmの処理時間31.5時間と差がない。CF除去率が95%時の処理時間は30時間以上であれば実用に耐えることから、製造コスト(篩い分け)と性能とのバランスを考慮すれば、Al(OH)は平均粒子径55μm以上でよいことになる。
【0123】
また、CF除去試験後のPFC分解処理剤についてXRD分析を行った。XRDチャートを図19に示す。CaOのピークの他に、CaFのピークが観察され、PFC分解処理剤中のCaにFが固定されたことがわかる。
[試験例3]
【0124】
本願のPFC分解処理剤は、非晶質AlとCaOとの複合酸化物であると考えられる。比較のため、市販のα型結晶質Al(粒径20μmの粉末)とCaO(粉末)とのモル比3:7の単純混合物を圧縮成型して1〜4mmの粉砕品を調製し、図13に示すガス処理システム(ただし、ミニカラムは第1筒目だけとした)でCF処理を行った。ガス処理システムのミニカラムに単純混合物49mlを充填し、650℃で安定したところでCF流入濃度:1.0%、ガス流量:410ml/minでCFの通ガスを開始し、処理時間によるCF除去率の変化をみた。本発明のPFC分解処理剤(表1の試料No.1−3)を用いて650℃の処理温度で行った場合のCF除去率と合わせて表7に示す。
【0125】
表7は、フッ素固定剤(PFC分解処理剤)とα型結晶質AlとCaO(粉末)との単純混合物との比較を示す。
【表7】

【0126】
表7に示す結果から明らかなように、α−AlとCaOの単純混合物では、PFC分解処理剤とくらべて、活性が低いだけでなく、処理開始後短時間で実用に耐えない程度に性能が劣化してしまう。
[試験例4]
【0127】
[PFC分解処理剤A]で調製したPFC分解処理剤(試料No.1−3)100Lを実機反応槽(直径350mm×高さ850mm、外部ヒーターおよび内部ヒーター装備)に充填し、窒素ガス50L/minを流し込みながら750℃まで8時間かけて昇温し、フィールド評価を行った。実機反応槽で処理する実排ガスは、PFC(CF、C、C、C、C、C、CHF、CH、NF)と酸性ガス(COF、SiF、F、HF)とCO、CH、NO、Hを含んでいた。フィールド評価は、実排ガス流量150L/min、パージ用空気10L/minを導入し、反応槽内を750℃に制御して、PFC除去率が86〜88%になった時点で処理を終了し、処理終了時点でのPFC分解処理剤(フッ素固定剤)のF吸着量を測定して行った。対照として、実機反応槽にAl(OH)およびCa(OH)を焼成せずにそのまま充填し、窒素ガス50L/minを流し込みながら300℃で8時間、ついで500℃で8時間、さらに750℃で8時間かけて昇温し、同様にフィールド評価を行った。
【0128】
表8は、実機反応槽でのフィールド評価を示す。
【表8】

* F吸着量をすべてCFであると仮定して換算した値
**充填量71kgに換算した値
【0129】
対照混合物の処理後のカラムからは、水がでてきた。
表8より、本願のPFC分解処理剤は、未焼成の対照混合物と異なり実排ガス処理中に水分を発生せず、F吸着量(CF処理量)で約2倍強の処理を行うことができたことがわかる。
[試験例5]
【0130】
PFCの分解作用に対するNaの影響を調べた。
Na含有量とCF処理性能の関係を求めるため、PFC分解処理剤を次の条件で焼成し、Na含有量の異なる処理剤を調製した。表9に、Na含有量の異なるPFC分解処理剤による処理能力の比較を示す。PFC分解処理剤は、Al(OH)の平均粒子径90μm、Ca(OH)の平均粒子径5μmを、Al(OH)とCa(OH)との配合比率3対7として混合し、ミニカラム(径22mm×高さ300mm)に充てんし、これをセラミックス製管状炉に装着し、N、410mL/minを送気しながら、600℃で5時間焼成した。これらPFC分解処理剤の各49mLを図13に示すガス処理システム(ただし、ミニカラムは1筒目だけとした)のミニカラムに充てんし、CF流入濃度:1.0%、ガス流量:410mL/min、処理温度:750℃で3〜4時間通ガスした後に、窒素のみで410mL/min、750℃で加熱し、再度CF流入濃度:1.0%、ガス流量:410mL/min、処理温度:750℃で、CF除去率が95%に低下するまでの処理時間を求めた。Na含有量が少ないほど処理時間が長くなる傾向があり、Na含有量とCF処理性能の間に相関がみられた。
【0131】
表9は、Na含有量とCF処理性能との関係を示す。
【表9】

【0132】
処理耐用時間は長い方が好ましいため、焼成品のNa含有量は、好ましくは0.03wt%以下、より好ましくは0.01wt%以下である。このような処理剤を得るために、原料として、0.03wt%以下、好ましくは0.01wt%以下のNaを含むAl(OH)と、0.03wt%以下、好ましくは0.01wt%以下のNaを含むCa(OH)を用いるとよい。
[試験例6]
【0133】
排ガス中に含まれる水分の影響を調べた。
排ガス中に含まれる水分量とCFに対するPFC分解処理剤の処理性能との関係を求めるため、まず、次の条件でPFC分解処理剤を調整した。PFC分解処理剤は、Al(OH)の平均粒子径90μm、Ca(OH)の平均粒子径5μmを、Al(OH)とCa(OH)とのモル比での配合比率を3対7として混合し、ミニカラム(径22mm×高さ300mm)に充てんし、これをセラミックス製管状炉に装着し、N、410mL/minを送気しながら、600℃で5時間焼成した。
【0134】
次に、このPFC分解処理剤49mLを図21に示すガス処理システムのミニカラムに充てんし、CF流入濃度:1420ppm(CF1%をNで希釈して1420ppmとしたもの)、ガス流量:104mL/min、SV:127hr−1、処理温度:750℃で通ガスし、CF除去率が95%に低下するまでの処理時間を求めた。なお、上記ガス流に含まれるガスとは、水分を同化させたNに所定量のCFを加えたものである。導入する水分量は、爆気ビンの加熱温度で調整した。
表10は、導入した水分量を示す。
【表10】

【0135】
表11に水分含有量の異なるCFガスに対するPFC分解処理剤の処理性能を示す。水分導入量に応じて、PFC分解処理剤の処理性能が低下するのが確認された。また、水分導入量0.95mg/minでは、水分添加なしの場合と処理性能は変わらないことが解った。
【0136】
表11は、水分量と処理性能の関係を示す。
【表11】

【0137】
さらに、排ガスに含まれる水分量は最大で飽和水蒸気量であり、30℃における飽和水蒸気量は30.3mg/Lである。よって、半導体製造装置、例えばHOを使用する可能性の高いアッシング装置から排出される排ガス中には、30℃で最大30.3mg/Lの水分が含まれる可能性がある。この水分量は、表11の平均水分量3.26mg/minに最も近い値であり、水分添加なしの場合と比べると、PFC分解処理剤の処理時間が約1/4に低下することがわかる。
【0138】
この結果は、排ガス中に水分が含まれると、AlとCaOの複合酸化物においてAlの活性が遮られるとともに、酸化カルシウムが水酸化カルシウムに変わってしまい、フッ素成分が十分に処理されないためと考えられる。
CaO+HO→Ca(OH)
【0139】
図22は、水分量3.26mg/minを含むCFガスを処理後のPFC分解処理剤のXRDチャートである。CaF、CaOの他にCa(OH)が同定され、HO導入によりCa(OH)が生成していることが確認された。
【0140】
図23は、表11の関係をグラフに表したものである。図23より、被処理ガス中の水分量は、好ましくは1.2mg/min以下、より好ましくは1.0mg/min以下であることがわかる。こうすると、PFC分解処理剤の耐用時間を約300時間以上維持することができる。
【0141】
なお、本発明者らは、特許文献4に記載の方法をスケールアップした実機に適用した場合、加熱によって装置内に発生する水分が蒸発せず水分過剰の状態になって、酸化アルミニウムがα化(結晶化)してアルミニウムの活性が低下すること(活性点での微細構造の変化、例えば、OH基が活性点に吸着することによる変質や活性点での局所的なα化が進み、不活性化すること)を確認し、焼成時に水分過剰の状態を回避して結晶化を阻止することでアルミニウムの活性を高く維持したPFC分解処理剤を得ることができることを見出し、PFC分解処理剤(AlとCaOの複合酸化物)を完成するに至った。さらに、AlとCaOの複合酸化物では、AlとCaOの単純混合物よりも分解処理剤としての処理性能を向上させることができることを解明した。
【0142】
このAlとCaOの複合酸化物を用いた本発明の実施の形態に係るガス処理装置では、分解処理剤の耐用時間を延ばすことができ、さらに、PFC分解処理の前段階で排ガス中の水分量を低減させることにより、AlとCaOの複合酸化物の耐用時間をより向上させることができる。したがって、処理剤の交換回数を減らすことができ、作業効率を向上させ、ランニングコストを削減できるガス処理装置およびこの装置を備えた半導体製造装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0143】
1、2、3、4、5 ガス処理装置
10 水分除去装置
10a ミストトラップ
10b 水分吸着装置
10c 冷却装置
11 スプレー
12 冷却水
13 水分吸着剤
14 熱交換器
20 PFC処理装置
21、22、174 内管
30 装置本体
30a、30b 蓋体
31 内部ヒーター
31a 第1の内部ヒーター
31b 第2の内部ヒーター
32 外部ヒーター
32a 第1の外部ヒーター
32b 第2の外部ヒーター
32c 第3の外部ヒーター
33 処理剤配置部
34 保温材
35 空気層
36、166、176 処理剤
37 整流板
38 ガス導入部
39 ガス排出部
40 ガス導入管
50 排気管
110 酸化膜エッチング装置
120 Polyシリコンエッチング装置
130 メタルエッチング装置
140 アッシング装置
150 真空ポンプ
160 第1の乾式除害装置
170 第2の乾式除害装置
161、171、172、173 カラム
175 伝熱フィン
200 メッシュ部材
a、b、c 空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
PFC(パーフルオロ化合物)を含むガスを処理するガス処理装置であって;
前記PFCを含むガス中に含まれるHOを低減させる水分除去装置と;
前記水分除去装置でHOが低減された前記PFCを含むガスを導入し、前記PFCを分解処理するAlとCaOの複合酸化物を含む分解処理剤が充填されたPFC処理装置を備える;
ガス処理装置。
【請求項2】
PFCを含むガスと、酸性ガスおよび/または腐食性ガスを含むガスを処理するガス処理装置であって;
前記酸性ガスおよび/または前記腐食性ガスを除去する第1の乾式除害装置と;
前記第1の乾式除害装置の下流側に配置され、前記PFCを除去するために、前記PFCを分解処理するAlとCaOの複合酸化物を含む分解処理剤が充填されたPFC処理装置を備える;
ガス処理装置。
【請求項3】
加熱装置を有し、前記第1の乾式除害装置よりも高い温度で前記PFCを除去する第2の乾式除害装置を備え;
前記第2の乾式除害装置は、前記PFCを含むガスの流れに対して、前記第1の乾式除害装置の下流側であって、前記PFC処理装置の上流側に配置される、
請求項2に記載のガス処理装置。
【請求項4】
前記第2の乾式除害装置は、前記PFC処理装置と一体として形成された;
請求項3に記載のガス処理装置。
【請求項5】
前記第1の乾式除害装置の下流側であって、前記PFC処理装置の上流側に、前記PFCを含むガス中に含まれるHOを低減させる水分除去装置を備える;
請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載のガス処理装置。
【請求項6】
Oを低減させる前記水分除去装置は、ミストトラップ、水分吸着剤、および熱交換器のうち少なくとも一つを有する装置である;
請求項1または請求項5に記載のガス処理装置。
【請求項7】
前記AlとCaOの複合酸化物は、平均粒子系(メディアン系)55μm以上160μm以下のAl(OH) と、Ca(OH) とのモル比が、3:7〜5:5である混合物を430℃以上890℃以下の温度範囲で、窒素流又は空気流中で焼成して得られる複合酸化物である;
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のガス処理装置。
【請求項8】
半導体基板をエッチングするエッチング装置と;
前記エッチング装置でエッチングされた半導体基板上の不要となったレジストを除去するアッシング装置と;
前記エッチング装置および/または前記アッシング装置から排出されるPFCを含むガスを処理する、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のガス処理装置を備える;
半導体製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2010−131584(P2010−131584A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−127308(P2009−127308)
【出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)
【Fターム(参考)】