説明

ガス分析装置

【課題】複数個所の排ガス及び大気ラインを連続的に切替えて、ガス中の有機化合物を簡便・迅速に、しかも精度を保ちながら効率よくオンライン分析するのに適したガス状有機化合物分析装置を提供する。
【解決手段】燃焼炉、有機化合物分解処理プラントなどの排ガスや大気等の試料ガスを導入するための複数のサンプリングノズルと、該ノズルから試料ガスを導く複数の配管と、該配管の前段または後段に配置され試料ガス中の灰、ダストを取り除くための複数のフィルタと、前記複数の試料ガスラインを切替えるライン切替装置と、前記ライン切替装置によって選択された前記試料ガス内の有機化合物類を分析する分析装置とを備え、更に前記ライン切替装置によって選択された前記試料ガスが、ダイレクトに分析装置に導かれるダイレクト機構と、有機化合物類を濃縮及び脱着させるための吸脱着装置に導かれる吸脱着機構を設け、前記ダイレクト機構と吸脱着機構を任意に切替えられるようする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼炉、有機化合物分解処理プラント等から排出される排ガスあるいは大気中のダイオキシン類、芳香族類等の有害有機化合物を、他の夾雑成分の影響を受けずに効率よく連続的に分析するガス分析装置に係り、特に分析結果を通信手段を介して伝達する所謂オンライン分析するのに適したガス分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
廃棄物処理法改正(H14/12/1)により焼却炉排ガス中のダイオキシン排出規制が行われ、更に「PCB廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」によるPCBの全廃に伴い、PCB分解処理プラントが建設され処理が開始されている。
【0003】
その動向に合わせ、排ガスや処理ガス、作業環境のガス化された有害有機化合物の濃度が規制内に抑制されているかを定期的に監視する必要がある。規制値は将来的に低下することが予想されるため、上記物質を迅速にしかも高精度に分析する装置が望まれている。
【0004】
従来、ダイオキシン前駆体のオンライン連続分析計として、
特許文献1には、オンラインで排ガス中のダイオキシン前駆体等を高精度で連続測定する方法が記載されている。
【0005】
【特許文献1】特許第3654046号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1記載のガス分析装置では、測定ラインは1ラインのみで、硫化水素、塩化水素以外の夾雑成分に関しては特に言及していないので、他の夾雑成分の影響は不明であり、夾雑成分の濃度によっては分析装置の感度が低下する可能性がある。
【0007】
本発明の目的は、複数個所の排ガス及び大気ラインを連続的に切替えて、ガス中の有機化合物を簡便・迅速に、しかも精度を保ちながら効率よく分析するのに適したガス状有機化合物分析装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のガス状有機化合物分析装置は、燃焼炉、有機化合物分解処理プラントなどの排ガスや大気等の試料ガスを導入するための複数のサンプリングノズルと、該ノズルから試料ガスを導く複数の配管と、該配管の前段または後段に配置され試料ガス中の灰、ダストを取り除くための複数のフィルタと、前記複数の試料ガスラインを切替えるライン切替装置と、前記ライン切替装置によって選択された前記試料ガス内の有機化合物類を分析する分析装置とを備え、更に前記ライン切替装置によって選択された前記試料ガスが、ダイレクトに分析装置に導かれるダイレクト機構と、有機化合物類を濃縮及び脱着させるための吸脱着装置に導かれる吸脱着機構を設け、前記ダイレクト機構と吸脱着機構を任意に切替えられるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数個所の排ガス及び大気ラインを連続的に切替えて、ガス中の有機化合物を簡便・迅速に、しかも精度を保ちながら効率よくオンライン分析するのに適したガス状有機化合物分析装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
分析対象ガスを分析装置に導入するためのラインを複数設け、それらを切替えて測定する場合には、図1に示す構成が考えられる。
【0011】
構成としては、煙道1a、1b、1cからの試料ガスを導入する複数のサンプリング部100a、100b、100cと、試料ガスを導く複数の導入配管4a、4b、4cと、導入されたガスを切替える前処理部200と、切替えられたガスを分析する分析計300で構成される。
【0012】
サンプリング部100a、100b、100cはサンプリングノズル2a、2b、2cとダストフィルタ3a、3b、3cから構成され、前処理部200には試料ガスを吸引する吸引ポンプ6a、6b、6cと、任意にラインを切替え、開閉するバルブ10a、10b、10cと、必要に応じ流量計7a、7b、7cが設けられている。分析計300は質量分析計などの分析部310と流量計320と吸引ポンプ330で構成される。
【0013】
動作としては、各ラインの試料ガスを流量計7により一定流量吸引ポンプ6a、6b、6cで常時引いておく。測りたいラインのみのバルブ(例えば10a)を開にし、他のバルブ(10b、10c)は閉とする。
【0014】
測定ガスは吸引ポンプ330により、開のバルブ10aを通して分析部310に導かれ分析される。同様に、他の測りたいラインのバルブ10bを開け、他のバルブ10aまたは10cを閉じることにより、切替えて測定ができる。
【0015】
図5にダイレクト測定による切替シーケンスを示す。この方式でも複数ラインを切替えて測定できるが、ダイレクトに測定するために、各ラインの夾雑成分等により、分析装置の感度が低下して測れないラインが発生する場合が想定される。
【0016】
その問題を解決するための改良された構成を図2に示す。
【0017】
本装置は主に、煙道1a、1b、1cから測定ガスを導入する複数のサンプリング部100a、100b、100cと、導入した試料ガスを導く複数の導入配管4a、4b、4cと、導入されたガスラインを切替え、更にダイレクト測定と吸脱着測定を切替える前処理部200と、切替えられたガスを分析する分析計300で構成される。
【0018】
サンプリング部100a、100b、100cはサンプリングノズル2a、2b、2cとダストフィルタ3a、3b、3cから構成され、比較的高質量の有機化合物を測定する場合、吸着や化学反応を防ぐために試料ガスとほぼ同程度の温度100〜250℃程度に保持されている。
【0019】
腐食性物質も含まれる場合が有るので、通常は耐食性のあるSUSやガラス、それ相当以上の材料が使用される。複数の導入配管4も同様に通常耐食性のある材料を使用し、温度100〜250℃程度に保持されている。
【0020】
前処理部200には各ラインの試料ガスを吸引する吸引ポンプ6a、6b、6cとその流量を測定する流量計7a、7b、7c、各ラインを任意に開閉するバルブ10a、10b、10cが設けられ、また選択された測定ガスラインをダイレクト機構25に導くバルブ15、吸脱着機構60に切替えるバルブ11を設けている。
【0021】
なお、バルブ15とバルブ11は、切替手段(切替機構)になる。
【0022】
吸脱着機構60は、導入配管4a、4b、4cから導入された試料ガスを導くためのバルブ11とドライエアーや窒素などのクリーンガス30と該ガス30を導くためのバルブ12、及び導入した試料ガスを吸着する吸着管20と吸着管20に試料ガスを導くための吸引ポンプ50、吸引したガス量を測定する流量計40、更に吸着時のガスを排気するためのバルブ13と脱着時のガスを分析計300に導くためのバルブ14で構成される。
【0023】
なお、バルブ11とバルブ12は、試料ガスラインとクリーンガスラインの切替え機構になる。バルブ14とバルブ13は、吸着管を通ったガスを排気するラインと分析計に導くラインを切替える切替機構になる。
【0024】
吸着管20は耐熱性、耐食性を必要とするためガラス類などの容器を使い、吸着材23としてはTenax,ポリウレタン、XAD−2等の樹脂が使われる。吸着管20の入口にはガラスまたは金属フィルタ24が設けられており、ガス以外の成分を除去する。
【0025】
ただし、サンプリング部100a、100b、100cのダストフィルタ3a、3b、3cでの除去で足りる場合にはフィルタ24は特に設けなくてもかまわない。吸着管20には吸着管20を冷却するための冷却器22が設けられ、試料ガスをポンプ50で吸引すると試料ガスが吸着、濃縮されるようになっている。
【0026】
冷却器22は必要な冷却温度によってFANやペルチェなどの冷却器を使う。また、吸着管20には吸着管20を300〜400℃程度まで加熱する加熱器21が設けられ、吸着後の脱着時に加温しながら分析計300の吸引ポンプ330で吸引することにより、脱着されたガスが分析部310で測定される構造となっている。
【0027】
また、吸着管20は消耗品であるため、定期的に交換が必要である。交換後に漏れがないか確認するために圧力計26を設け、ドライエアー30などでガスを封じ込めて圧力低下による洩れチェックを行うことができる。
【0028】
更に試料ガスが危険なガスの場合、吸着管を無作為に取外しするとガス洩れを起こし、安全上問題になる。このため、シーケンスが実行している間は吸着管を交換できないようカバーを設け、鍵をつける構造(図示せず)とすることも考慮すべきことである。鍵は人が介在しないよう自動ロックにすることが効果的である。
【0029】
分析計300は分析部310と流量計320と吸引ポンプ330で構成される。分析部310はダイレクト機構25からのガスや吸着管20で濃縮されたガスの成分分析や定量化を行う質量分析計などで構成され、特にAPCI(大気圧化学イオン化)法と呼ばれるガスをイオン化して質量分析を行う質量分析計が好ましい。
【0030】
これによると、ダイレクト機構や吸着管の脱着されたガスを瞬時に測定する事ができる。図に記載されていないが、前処理部200のシーケンス制御や分析計300の制御、データ処理はPLCやPC、専用制御ボードによって行う。
【0031】
以下、図2を用い動作の説明を行う。
【0032】
煙道内の試料ガスは各吸引ポンプ6a(6aのみ図示、6b,6cは図示せず)により各サンプリングノズル2a、2b、2cを通し吸引される。吸引された試料ガスは各ダストフィルタ3a、3b、3cでダストが除去された後、各導入配管4a、4b、4cを経由して前処理部200に導かれる。
【0033】
前処理部200に導かれるまでは試料ガスは加熱器(ヒータ)5cで100〜250℃程度に保温され、吸着の発生を極力抑えている。前処理部200に導かれた試料ガスは、測定したいラインのバルブ10a、10b、10c(図では10a)を開にし、他のラインのバルブ10a、10b、10c(図では10b、10c)を閉にして1ラインのみ選択されて分析計300に導かれる。
【0034】
分析計300に導かれる前に、試料ガスが比較的きれいで夾雑成分が少ない場合には、バルブ15を開にしてダイレクト機構25を経由して分析計300に導かれる。
【0035】
試料ガスに夾雑成分が多い場合には、ぞのまま分析計300に導かれると測定感度が落ちるか測定不能になるため、バルブ11を開にして吸脱着機構60に導き、ガスをクリーンな状態にした後、分析計300に導かれる。
【0036】
ダイレクト機構にするか吸脱着機構にするかは事前にガス成分が分かっていれば、あらかじめ制御部に設定して選択されたラインに応じて切り分けを行う。ガス成分が分からない場合は、実際に測定してダイレクトでだめな場合は吸脱着機構60に切替えることができる。
【0037】
ダイレクト機構25が選択されると、バルブ15が開、バルブ11が閉となり試料ガスはそのまま分析計300に導かれ、分析部310で分析される。吸脱着機構60が選択されるとバルブ15が閉、バルブ11が開となり、試料ガスは吸引ポンプ50によって吸着管20に導かれる。
【0038】
吸着流量は流量計40によって積算し濃度換算に使用する。吸着管20では冷却器22で0〜100℃近辺に冷却する事によりガス状有機物が吸着され、一定時間経過後、濃縮された試料ガス成分が吸着管20に溜まることになる。それ以外の無機物は吸着管20を通過し、排気ライン8を通して排出される。
【0039】
冷却器22の温度を変える事により、無機物以外にも不要な有機化合物を通過することができる。例えば、吸着時の温度を高めにすれば、低質量数有機化合物は沸点が低く気化しやすいので、吸着管を透過する。
【0040】
測定したい対象物が吸着する、または気化しない温度上限近傍に冷却温度を設定すれば、それ以下の温度で気化する成分は吸着管20を通り抜けるので、可能な限りの余分な夾雑成分を除去することができ、コンタミの影響を小さくすることができる。
【0041】
吸着後、バルブ11とバブル13を閉にし、バルブ12とバルブ14を開にして脱着を行う。吸着管20を加熱器21によって徐々にまたは一気に約300〜400℃まで上げていき、ドライエアーやドライ窒素などのクリーンガスガス30を押し込む事で吸着管20に濃縮された有機物が徐々にまた一気に脱着していき、分析計300に導かれていく。
【0042】
これをガスクロや質量分析計で測定する事により成分を分析する事ができる。特にAPCI法では瞬時にガスをイオン化し質量分析計でその信号を捕らえる事ができるので吸着管内の成分を数分で測定する事ができる。
【0043】
ここで分析が終了するが、通常は吸着管をクリーンするために測定後も過熱して余分な成分を取り除く事を行う。高質量の夾雑成分が多い場合は、吸着管の加熱温度を上げてクリーンにすることも可能である。
【0044】
高次の夾雑物がほとんどない場合にはクリーン工程を省くこともある。これで一連の吸着、脱着、クリーン化が行われ、次の吸着が始まるまで待機状態となる。
【0045】
図6にダイレクトと吸脱着混合時のシーケンスを示す。各試料ガスラインを4a→4b→4cの順に切替えて測定し、また、4a、4bラインはダイレクト、4cラインは吸脱着を行うとした場合、まず4aラインのバルブ10aとダイレクト機構のバルブ15を開にし、少なくともバルブ10b、10c、11、14を閉とする。
【0046】
それにより4aラインのガスが分析部300に導かれ測定される。次に一定時間後、4bラインに切替える時は同様にバルブ10aを閉、10bを開にすれば4bラインの測定を行う。
【0047】
次に4cラインに切り替わる時は、バルブ10a、10bを閉にし、10cを開にする。
同時にダイレクト機構のバルブ15を閉、吸脱着機構のバルブ11、13を開にして吸着管にガスを導いて吸着を行う。
【0048】
一定時間吸着後、脱着のためにバルブ11、13を閉にし、バルブ12,14を開にして吸着管に濃縮されたガスを分析部300に導き測定する。吸着された対象成分が放出されたのち、吸着管に残留する吸雑成分を吐き出すために、クリーニングを行う。
【0049】
バルブは脱着時のままで、その温度かそれ以上に温度を上げてクリーニングする。以上で一連のシーケンスが終了する。以下同じシーケンスを繰り返す。また、状況により、切替ラインの順序を変えたり、異常ラインをスキップしたりすることも可能である。
【0050】
また、全体ライン数を増やしたり、ダイレクトと吸脱着するラインも数を変更したりすることも可能である。
【0051】
このように本発明の実施例によれば、複数個所の排ガス及び大気ラインを連続的に切替えて、ガス中の有機化合物を簡便・迅速に、しかも精度を保ちながら効率よくオンライン分析することができる。
【0052】
しかも、測定ガスの性状に応じ、ダイレクトと吸脱着を切替えることができ、測定精度の保持が可能という効果が有る。
【0053】
また、本発明の他の実施例を図3、図4に示す。
【0054】
図3は吸脱着機構を2セット設けた場合で、それぞれの吸脱着機構成は図2と同じである。図2では吸脱着を行う試料ラインが1つの場合を説明したが、1つの吸脱着機構で2つの試料ラインを吸脱着することも可能である。
【0055】
しかし、吸脱着シーケンスはダイレクトに比べ時間がかかるので、2ラインを吸脱着すると更に時間がかかり、全ライン切替の時間が長くなる場合がある。そのため、吸脱着を同時に進め、切替時間を短縮するために吸脱着機構を複数設けた例が図3である。
【0056】
つまり、1つの吸脱着機構が脱着している間に、もう1つの吸脱着機構は吸着を行うことで時間短縮を図る方式である。
【0057】
図3の例では、ダイレクト機構に吸脱着機構を2つ設け、各試料ガスに応じてラインを切替える。図7にダイレクトと吸脱着機構が複数ある場合のシーケンスを示す。
【0058】
各試料ガスラインを4a→4b→4cの順に切替えて測定し、また、4aラインはダイレクト、4b、4cラインは吸脱着を行うとした場合、まず4aラインのバルブ10aとダイレクト機構のバルブ15を開にし、少なくともバルブ10b、10c、11a、11b、14a、14bを閉とする。
【0059】
それにより4aラインのガスが分析部300に導かれ測定される。次に一定時間後、4bラインに切り替わる時は、バルブ10a、10cを閉にし、10bを開にする。同時にダイレクト機構のバルブ15を閉、上段の吸脱着機構のバルブ11a、13aを開にして吸着管にガスを導いて吸着を行う。
【0060】
この間はまだ下段の吸脱着機構のバルブ11b、13bは閉のままである。4bラインの吸着が終わると、脱着のためにバルブ11a、13aを閉にし、バルブ12a,14aを開にして吸着管に濃縮されたガスを分析部300に導き測定する。
【0061】
ここで、4bラインの吸着が終わり脱着が始まる時に、測定ガスを4Cラインに切替え、下段の吸脱着機構でバルブ11b、13bを開にして吸着を行う。この間は上段の吸脱着機構と下段の吸脱着機構が干渉することがなく、上段では脱着を下段では吸着を同時に行うことができる。
【0062】
上段の吸脱着機構のクリーニングも下段の吸脱着機構が吸着を行っている時に行えばいい。上段の吸脱着機構で脱着が、下段の吸脱着機構で吸着が終了したら、バルブ11b、13b、12a,14aを閉、バルブ12b,14bを開にして下段の吸脱着機構での脱着を行う。
【0063】
以上で一連のシーケンスが終了する。測定ガスの吸脱着したいラインが3つ以上ある場合は2つの吸脱着機構を交互に使い吸脱着を同時に行うことができる。
【0064】
このように本発明の他の実施例によれば、吸脱着を複数やる場合でも吸着と脱着を同時に行えるので、切替時間を短縮することができ迅速な測定が可能になるという効果が有る。
【0065】
また、図4はダイレクトと吸脱着機構をあらかじめ決めた場合で、吸脱着機構の構成は図2と同じである。ただし、ダイレクトと吸脱着機構を切替えるバルブ11,15は設けていない。この場合は動作としては図2と同じでバルブ11,15を省略した動きとなる。
【0066】
このように本発明の他の2つ目の実施例によれば、吸脱着をやるラインがあらかじめ決まっていれば、ダイレクトラインと吸着管ラインが互いに混ざることがないので、切替時のコンタミの影響を無くすことができ、より精度が高い測定ができるという効果がある。
【0067】
また、バルブ等の切替部品を省力できるので構成や操作がシンプルになるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】切替機構付のオンライン分析装置の構成図。
【図2】本発明に基づく切替機構及び吸脱着機構付のオンライン分析装置一実施例の構成図。
【図3】本発明に基づく切替機構及び複数の吸脱着機構付の他の実施例。
【図4】本発明に基づく切替機構及び吸脱着機構付の他の実施例。
【図5】切替機構付のダイレクト測定シーケンス。
【図6】本発明によるダイレクト及び吸脱着混合測定シーケンス。
【図7】本発明の他の実施例によるダイレクト及び吸脱着混合測定シーケンス。
【符号の説明】
【0069】
1a、1b、1c…煙道、2a、2b、2c…サンプリングノズル、3a、3b、3c…ダストフィルタ、4a、4b、4c…導入配管、5a、5b、5c…加熱器(ヒータ)、6a、6b、6c…吸引ポンプ、7a、7b、7c…流量計、8…排気ライン、10a、10b、10c…バルブ、11〜15…バルブ、20…吸着管、21…加熱器、22…冷却器、23…吸着剤、24…フィルタ、25…ダイレクト機構、26…圧力計、30…エアーまたは窒素、40…流量計、50…吸引ポンプ、60…吸脱着機構、100a、100b、100c…サンプリング部、200…前処理部、300…分析計、310…分析部、320…流量計、330…吸引ポンプ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析対象ガスをガス取り入れ口から分析装置に直接導く直接配管と、
分析対象ガスを濃縮、脱着させるための吸脱着装置を介して前記分析装置に導く間接配管と、を備え、
更に、前記直接配管と間接配管を切替える切替手段と、を備えたことを特徴とするガス分析装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記間接配管を複数ライン備えたことを特徴とするガス分析装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記直接配管と前記間接配管を、分析対象ガスの種類に応じて切り替え、かつそれら異なる種類のガスが混ざらないように切り替え手段を動作させる機構を備えたことを特徴とするガス分析装置。
【請求項4】
請求項1、2、3のいずれかにおいて、
前記吸脱着装置は吸着管と該吸着管を加熱及び冷却する機構と、試料ガスラインとクリーンガスラインを切替える切替機構と、吸着管を通ったガスを排気するラインと分析計に導くラインを切替える切替機構を備えたことを特徴とするガス分析装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記吸着管の冷却機構の温度は測定対象成分が吸着するまたは気化しない上限温度近傍に設定したことを特徴とするガス分析装置。
【請求項6】
請求項4において、
前記吸脱着装置には圧力計を設け、吸着管前後のガスを封じ込めて、圧力低下による吸着管近傍のガス洩れを検知する手段を備えたことを特徴とするガス分析装置。
【請求項7】
請求項4において、
前記吸脱着装置の吸着管の着脱機構に鍵をつけ、特定条件の時に外れるようにしたことを特徴とするガス分析装置。
【請求項8】
請求項1、2、3のいずれかにおいて、
前記切り替え手段の切替シーケンスは自動と手動の選択が可能であり、複数の試料ガスラインをダイレクト機構と吸脱着機構に任意に割振りできるように設定したことを特徴とするガス分析装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載のガス分析装置が、分析結果を通信回線を介して伝達するオンラインガス分析装置であることを特徴とするガス分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−248114(P2007−248114A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−69014(P2006−69014)
【出願日】平成18年3月14日(2006.3.14)
【出願人】(000233549)株式会社日立ハイテクコントロールシステムズ (130)
【Fターム(参考)】