説明

ガス化ガスの精製方法及び装置

【課題】廃タイヤ、廃プラスチック等の高カロリーかつ揮発分リッチな廃棄物をガス化処理し、高カロリーガスを得る場合に、ガスに含まれる、タール、軽油、ダイオキシン等の不純物を適切に除去し、得られたガスを製鉄所に既存のコークス炉ガスラインに合流させて問題なく精製することができるようにすること。
【解決手段】可燃性廃棄物を熱分解しガス化させる熱分解炉2と、熱分解炉2で生成した熱分解ガスを酸素及び水蒸気と反応させて改質する改質炉13とを備え、改質炉13で生成した改質ガスを精製して燃料ガスを得るガス化ガスの精製装置において、改質ガスを飽和温度以下の90〜70℃に冷却する第1のガス冷却器14を設け、第1のガス冷却器14から出たガスを、ダイオキシン類濃度を基準値以下とした後に、製鉄所に既存のコークス炉に付随するドライメーン22でコークス炉ガス精製設備24に合流させて精製する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃タイヤ、廃プラスチック等の可燃性廃棄物を熱分解して得られた熱分解ガスを精製して燃料ガスとする方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
廃棄物の処理方法としては、焼却処分あるいは埋め立て処分が一般的であるが、近年、廃棄物の持つエネルギーを有効利用するために、廃棄物を熱分解して可燃性ガス、タール・軽油、飛散チャーを含有する熱分解ガスを得て、この熱分解ガスを精製して燃料ガスとして利用する方法が実施されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、シュレッダーダスト等の銅含有有機性廃棄物を乾留処理(熱分解)して得られた乾留ガス(熱分解ガス)とコークス炉ガスを混合し、この混合ガスを精製し、燃料ガスとして利用する方法が開示されている。しかし、この方法を廃プラスチック等の揮発分リッチな廃棄物の処理に適用した場合、ガス中タールがガス冷却時に析出・固化し、ワックス化してコークス炉ガス精製設備等の配管中に付着・閉塞することで長期運転の阻害要因となっていた。
【0004】
そのため、ガスを水等で洗浄しタールを除去することが一般的に行われているが、特許文献1に記載のように、製鉄所の安水で洗浄し、その排水を製鉄所の安水処理設備(活性汚泥法)で処理する場合、排水中に含まれる重金属分、有害な有機化合物等の影響で活性汚泥の活性が阻害される場合があった。
【0005】
これに対して、特許文献2に記載されているように有機性廃棄物をガス化後、酸素及び水蒸気と反応させて、改質反応により、ガス中タールや軽油を低減させる方法もある。ただし、改質温度を1100℃程度以上とすると、ガス中のメタン等炭化水素ガスの高カロリー成分も熱分解により、H、COに低分子化し、ガスカロリーが下がる。ガスカロリーが低下すると、ガスとしての用途範囲が狭くなる。一方、改質温度が1000℃程度以下であればガス中にタール・軽油が残り、十分ではない。
【0006】
また、廃棄物に含まれる塩素分はガス中に塩化水素として揮発するため、コークス炉ガス精製設備や他のガス利用先において腐食のおそれがある。さらに、廃棄物に含まれる塩素分はダイオキシン類等の有害な有機塩素化合物発生の原因となる。
【0007】
このように、とくに揮発分リッチな廃棄物を熱分解してガス化する場合、熱分解ガスに十分なガス精製処理を行わずにコークス炉ガスに合流させると、そのガス中に含まれるタール、軽油、ダイオキシン類等有機塩素化合物により種々の問題を生じる。
【0008】
一方、特許文献3には、有機系廃棄物をガス化し、その残渣を高炉、コークス炉に入れてリサイクルする方法が開示されているが、重金属類や残渣となるタール、灰、チャー類は、重金属類やダイオキシン類の有機塩素化合物を多く含むため、これを他の生産設備の原料として使用することは好ましくない。
【特許文献1】特開2003−39056号公報
【特許文献2】特開2004−238535号公報
【特許文献3】特開2001−221415号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、廃タイヤ、廃プラスチック等の高カロリーかつ揮発分リッチな廃棄物をガス化処理し、高カロリーガスを得る場合に、ガスに含まれる、タール、軽油、ダイオキシン等の不純物を適切に除去し、得られたガスを製鉄所に既存のコークス炉ガスラインに合流させて問題なく精製することができるようにすることにある。
【0010】
他の課題は、熱分解によって発生するチャーやタール等の持つ熱量を有効利用すると共に、チャー、タールに含まれる重金属類やダイオキシン類等の有機ハロゲン化合物による環境汚染を防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るガス化ガスの精製方法は、可燃性廃棄物を熱分解炉でガス化させ、この熱分解ガスを改質炉で酸素及び水蒸気と反応させて改質し、この改質ガスを精製して燃料ガスを得るガス化ガスの精製方法において、改質ガスを第1のガス冷却器に導入し、水噴霧又は液中燃焼によりガス温度を断熱飽和温度以下の90〜70℃に冷却し、得られたガスを、ダイオキシン類濃度を基準値(0.1ng−TEQ/mN(酸素濃度12%換算値))以下とした後に、製鉄所に既存のコークス炉に付随するドライメーンでコークス炉ガスラインに合流させて精製すると共に、第1のガス冷却器の凝縮・捕集物を排出し、その凝縮・捕集物から水分を分離し、得られたチャー、タール、軽油等の可燃物を熱分解炉に戻して再度熱分解してガス化させる、又は、熱分解炉に熱源を供給するための燃料として利用することを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明に係るガス化ガスの精製装置は、可燃性廃棄物を熱分解しガス化させる熱分解炉と、熱分解炉で生成した熱分解ガスを酸素及び水蒸気と反応させて改質する改質炉とを備え、改質炉で生成した改質ガスを精製して燃料ガスを得るガス化ガスの精製装置において、改質ガスを水噴霧又は液中燃焼によりガス温度を断熱飽和温度以下の90〜70℃に冷却する第1のガス冷却器を設け、第1のガス冷却器から出たガスを、ダイオキシン類濃度を基準値(0.1ng−TEQ/mN(酸素濃度12%換算値))以下とした後に、製鉄所に既存のコークス炉に付随するドライメーンでコークス炉ガスラインに合流させて精製すると共に、第1のガス冷却器の凝縮・捕集物を排出する機構と、その凝縮・捕集物からチャー、タール、軽油等の可燃物を分離し熱分解炉に戻す機構を設け、さらに、分離した可燃物を再度熱分解してガス化させる、又は、熱分解炉に熱源を供給するための燃料として利用する機構を設けたことを特徴とするものである。
【0013】
本発明においては、第1のガス冷却器の後流側に第2のガス冷却器を設け、第1のガス冷却器から出たガスを第2のガス冷却器に導入し、冷却水と熱交換させることによりガス温度を40℃以下とし、含有する水蒸気を凝縮させると共にガス中に含まれる軽油を凝縮してガス側から除去し、さらに、第2のガス冷却器の後流側に電気集塵機を設け、第2のガス冷却器から出たガスを電気集塵機に導入し、ガス中に残留するダスト、ミスト状のタール、軽油及び水滴を除去することができる。
【0014】
また、第2のガス冷却器にて冷却されたガスを加熱し、ガス供給先までの経路においてガス温度をガスに含まれるタール分の凝縮温度以上に維持することもできる。
【0015】
また、第1のガス冷却器及び第2のガス冷却器の水相にHCl、HS等の酸性ガスを吸収させてガス側の酸性ガスを除去すると共に、水相に、NaOH、安水(NH)等の水溶液を中和剤として注入して、そのpHを5〜9の範囲に調整することもできる。
【0016】
また、電気集塵機から出たガスをガス加熱器(蒸気等を用いた間接熱交換器)に通し、蒸気等の熱を用いてガスを昇温させるか、ガス排送機で昇圧することにより昇温させた後、活性炭として活性コークス又は粒状活性炭を充填した活性炭充填層若しくは活性炭移動層にガスを通し、ダイオキシン類等の微量有機ハロゲン化合物を吸着により、ガス中から除去・低減することもできる。
【0017】
また、第1のガス冷却器、第2のガス冷却器及び電気集塵機から発生する排水は、ガス化の処理によって生じる熱、つまり熱分解炉、外熱用の燃焼炉若しくはその燃焼炉排ガスを完全燃焼させる2次燃焼炉にて焼却処理することが望ましいが、熱効率の向上を図るため、原料の水分量が高く、炉内では処理できない場合には、発生した排水を製鉄所に既存の安水活性汚泥処理に合流させて処理することもできる。
【0018】
また、第1のガス冷却器、第2のガス冷却器及び電気集塵機から発生する排水に対して、(1)固形物、タール及び軽油の加圧浮上による分離、又は比重差による分離、(2)排水を冷却後、水層にアルカリを加え、pH9.5以上12以下に調整して、排水に含まれる金属を凝集沈殿させることによる分離、(3)アンモニアストリッピングによる窒素、アンモニアの除去のいずれか又はすべてを事前処理として実施し、製鉄所に既存の安水活性汚泥処理に合流させて処理することもできる。
【0019】
また、第1のガス冷却器の補給水又は第1のガス冷却器及び第2のガス冷却器に使用する中和剤としては、製鉄所のコークス炉ガス精製過程で得られる副生安水を使用することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、可燃性廃棄物の熱分解によって得られた熱分解ガスを事前処理して、チャー、タール、軽油、HS、HCl、HCN、ダイオキシン類等の含有量を低減するので、揮発分リッチな廃棄物をガス化処理する場合であっても、得られたガスを製鉄所に既存のコークス炉ガスラインに合流させて問題なく精製することができる。したがって、製鉄所内の既存設備を有効に利用することができ、ガス精製コストを低減できる。
【0021】
また、第1のガス冷却器の凝縮・捕集物から水分を分離したチャー、タール、軽油等の可燃物を熱分解炉に戻して再度熱分解してガス化させる、又は、熱分解炉に熱源を供給する燃料として利用することで、熱分解によって発生するチャーやタール等の持つ熱量を有効利用できると共に、チャー、タールに含まれる重金属類、ダイオキシン類等の有機ハロゲン化合物による環境汚染を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0023】
図1は、本発明に係るガス化ガスの精製装置を示す構成図である。
【0024】
まず、ガス化プロセスと燃焼排ガス処理プロセスについて説明する。図1に示す装置では、廃タイヤ、廃プラスチック等の揮発分リッチな可燃性廃棄物を対象にガス化する。対象物は、熱分解炉2の滞留時間内で熱分解ガス化が完了するように、破砕機1により事前に一定の大きさ以下まで破砕した後に熱分解炉2に投入する。その際、対象と炉形式の組合せによっては、金属、不燃物等の処理不適物が含まれる場合があり、そのときは磁力選別、風力選別、手選別等により処理不適物を除去する。
【0025】
熱分解炉2に投入された廃棄物は外部燃料を燃焼して得た熱、若しくは廃棄物を部分燃焼して自身の持つエネルギーを消費して得た熱によって熱分解温度まで加熱し、熱分解ガスを発生させる。炉形式としては、実施例ではロータリーキルンを利用しているが、そのほか、シャフト炉、流動層炉等が利用可能である。即ち、外熱式キルンや2塔流動層炉のように外部間接加熱で熱分解ガス化する方式、あるいは、シャフト炉、流動層炉のように廃棄物を部分燃焼させて熱分解する部分燃焼方式が利用可能である。
【0026】
また、必要に応じて廃棄物の事前処理、熱分解ガスの精製工程等で発生する排水を熱分解炉2又は熱分解炉2に熱を供給する燃焼炉16に噴霧して乾燥・焼却処理することもできる。
【0027】
外部間接加熱にてガス化する場合には、熱分解ガス側に、熱源を得るための燃焼排ガスが混入しないため、熱分解ガスの発熱量、有用成分の濃度を高く維持することができ、ガスとしての価値は高くできるが、熱源を得るための燃焼排ガスが別系統で発生するため、図1に示すとおり別系統の排ガス処理が必要となる。
【0028】
別系統の排ガスの処理方法としては、必要に応じて2次燃焼炉3を設け、温度と滞留時間を規定値以上に確保してダイオキシン類や他の未燃分を完全分解する。また、この2次燃焼炉3では、廃棄物の事前処理や熱分解ガスの精製工程等で発生する排水を噴霧して、乾燥・焼却処理することもできる。2次燃焼炉3としては、鋼板製若しくは伝熱管によって炉殻を構成し、内面に耐火物を内張りすることが多い。ダイオキシン類の分解を促進するために2次燃焼炉3内の温度は一定レベル(850℃、好ましくは900℃以上)に維持される。2次燃焼炉3内の温度は炉内に設けられた温度計の温度指示値がある目標値になるように燃焼空気量、若しくは希釈空気量を調整することで維持される。
【0029】
2次燃焼炉3にて完全燃焼されたガスは熱交換機4に導入し、廃熱を回収する。熱交換機4としてはボイラ、温水発生器、空気予熱器等が該当する。
【0030】
ボイラにて廃熱回収した場合、得られた蒸気はタービンを駆動して電力に変換することができ、また、熱分解炉2内の攪拌ガス、後述する改質炉13での改質反応ための水蒸気源として利用することができる。ボイラは自然循環式の水管ボイラでボイラ壁も伝熱面とし熱回収効率の向上を図る。尚、処理対象物が塩素及び硫黄を含有する廃棄物である場合、廃棄物に含まれる塩素分、アルカリ金属類の影響で灰の融点が低くなる傾向がある。そのため、内部の伝熱管にダストが付着して伝熱効率が低下するあるいはボイラが閉塞する可能性がある。そこで、付着を防止するために、蒸気駆動式のスートブロアを設けることが多い。
【0031】
一方、温水発生器にて廃熱回収した場合には近隣の設備での余熱利用が可能となる。また、空気予熱器にて廃熱回収した場合には加熱された空気は熱分解炉2における熱分解用燃焼空気、燃焼炉16の燃焼空気等に利用することができる。
【0032】
熱回収された排ガスは排ガス減温塔5にて水噴霧され、後流に設置される除塵機6(バグフィルター、電気集塵機等)にて除塵が可能となる温度(200℃以下)までガス温度を低減される。除塵機6にバグフィルターを用いる場合には、ガス中に含まれる塩化水素ガス、ダイオキシンを吸着するために、除塵機6入り側において吹込装置7にて消石灰や活性炭を吹き込むことができる。
【0033】
排ガスは誘引通風機8によって吸引されているが、誘引通風機8は一般的に、除塵機6出側に設置される。これにより、誘引通風機8のインペラーにダスト付着して重量バランスが崩れる等のダストトラブルを防ぐことができる。
【0034】
誘引通風機8にて昇圧されたガスは、必要に応じて、排ガス再加熱器9(蒸気式間接化熱方式、外部燃料追い焚き方式等)にて180℃〜250℃に加熱されたのち触媒反応層あるいは活性炭充填層10に通ガスされ、ガス中のダイオキシン類、NOxが分解、吸着される。触媒にてNOxを分解する際には触媒の上流側にアンモニアを吹き込むことで高いNOx分解性能が得られる。
【0035】
除塵機6、触媒等でガス処理された排ガスは煙突11から大気に放散される。煙突11では排ガス分析計を設置して排ガス中のNOx、SOx、HCl等、大気汚染物質の排出量を監視しており、排出量の増減に応じて消石灰、アンモニア等の薬剤を増減させ、排ガス中の大気汚染物質の排出量を規定値以下に抑えることができる。
【0036】
2次燃焼炉3、熱交換機4、排ガス減温塔5、除塵機6からは廃棄物由来のダストが捕集される。捕集されたダストは集められ、灰処理設備12にて薬剤(キレート)と混合し、重金属等有害物質の溶出を防止する措置をした後に最終処分場に処分する等、廃棄物として処理される。また、飛灰中の鉛、亜鉛等の重金属濃度が高い場合には、重金属類を抽出・濃縮し、リサイクルすることも可能である。
【0037】
次に、ガス化プロセスにより生成した熱分解ガスの精製プロセスについて説明する。上述のとおり、図1に示す装置では、廃タイヤ、廃プラスチック等の揮発分リッチな廃棄物を熱分解炉2でガス化する。図1に示す熱分解炉2は間接加熱方式の乾留キルンであって、無酸素状態で熱分解ガス化する。熱分解生成物としては、常温に冷却すると凝縮する液成分と常温でもガス体のガス成分及び熱分解残渣としての固体成分がある。乾留キルンの場合、ガス成分は、可燃性のH,CO,CHを主成分とし、そのほか、可燃性のC2〜C4の炭化水素ガス、不燃性のCO、Nが含まれる。また、液成分は、油成分及び凝縮水がある。油は重質分(タール)から軽質分(軽油)まで分布があり、凝縮水にはHClやHSといった酸性成分及びNHが含まれる。固体成分は、有機物が炭化して固定炭素主体物になったカーボン残渣(チャー)と無機成分主体の不燃残渣がある。
【0038】
廃プラスチック等の揮発分リッチな可燃性廃棄物は、低温域で熱分解するため、熱分解生成物はタール、軽油といった油成分が多く、ガス成分は多くない。このような場合、油成分をガスに転換してガス収率を上げる目的で改質炉13を設ける。改質炉13では、純酸素をノズルを介して高流速で導入し、可燃成分を部分的に燃焼することによる発生熱で温度上昇させ、油成分を熱分解させることによりガスとチャーに転換させる。また、その際、導入酸素に水蒸気を混合することで、水性ガス化反応によるチャー生成抑制とガス化率向上、炉内攪拌強化、反応温度の均一化を図る。
【0039】
改質温度は概ね700〜1000℃の範囲であり、炉出口のガス温度を測定し、その温度が目標値となるように酸素、水蒸気の量を調整する。この改質によりタール、軽油は、CO,CO、H、CH、HO等のガスとチャー(スス)に転換される。改質温度を高く設定すると改質効率が上がり、タール、軽油の含有量を低減でき、さらにはダイオキシン類等の微量の有機ハロゲン化合物も低減できるが、同時にメタン、エタン、プロパン等の炭化水素ガスも分解して、CO、Hとなるため、ガスカロリーは低下しガスボリュームが増加する。
【0040】
また、熱効率の観点から、改質に使用する水蒸気は上述の熱交換機5(ボイラ)での熱回収によって得られた水蒸気であることが望ましく、蒸気の温度は高い方が良い(200℃以上、好ましくは400℃以上)。但し、高すぎる場合には、ボイラ伝熱管にて腐食が発生するため、蒸気温度は400〜450℃程度が適している。尚、蒸気の製造に外部燃料を用いる場合にはこの限りではない。
【0041】
高温の改質ガスは、プレクーラ14(第1のガス冷却器)内で水噴霧することによって急冷する。改質ガスはガス温度が高く、水分不飽和であるため、噴霧された水は瞬時に気化し、水1kg当たり640kcalの蒸発潜熱を奪う。その結果、ガスは急速冷却され、断熱飽和温度を僅かに下回る温度(70〜90℃)まで冷却される。ガス温度低下に伴い、沸点が高いタールは凝縮し、水噴霧により、微細なチャーは水滴に捕捉される。その結果、未蒸発の噴霧水と共に、チャー、タールはプレクーラ14底部に溜まり、タールデカンタ15(分離装置)に流出する。捕集されたタールは、水温によって性状が変化する。即ち、温度が高いとタールが重質になり、低ければ軽質になる。タールは冷えると粘度が上昇・硬化してハンドリングが困難になり、タールと水の比重も温度の影響を受ける。通常、経験的には冷却温度を80〜85℃に調整し、適宜スチームトレース等により保温して温度維持するのが良い。尚、プレクーラ14では水噴霧ではなく液中燃焼によって改質ガスを急冷しても良い。
【0042】
熱分解ガスには、HCl(塩化水素)、HS(硫化水素)、HCN(青酸)等の酸性ガス及びNH(アンモニア)、アルカリ塩ダスト、水溶性有機分が含まれ、これらは水中に溶解し、通常、水は、HClによって酸性を示す。設備の酸腐食を防止するために、プレクーラ14の噴霧水(補給水)にはアルカリを添加してpH調整し、濃縮を避けるために適正にブローして希釈する。アルカリとしては、苛性ソーダ、水酸化マグネシウム、消石灰乳、アンモニア水等が用いられ、アルカリ添加量を適切に調整するために、循環水のpHを測定し、pHが目標値(好ましくは5以上9以下)となるよう管理している。また、設備の近傍にコークス炉がある場合には、噴霧水としてコークス炉で副生する安水を用いることで、運転費用を安価に抑えることができる。また、改質温度が高い場合、タールが減り、チャーが生成するのでタールとチャーの比率がチャーリッチになる。
【0043】
プレクーラ14にて冷却することで改質ガスに含まれる有害物質(ダイオキシン、重金属等)の大部分は凝集し、液体若しくは固体となり、タール、チャーは水に混濁した状態でプレクーラ14の底部に沈降、堆積する。但し、プレクーラ14を出たガス中にはミスト状態、ガス状態として飛散していくものも存在する。これらの飛散を削減する方法として、噴霧水を高圧で噴霧する、ミストの粒径を小さくする等の対策がある。
【0044】
上述のとおり、プレクーラ14で水中に捕集されたチャー・タールは、水と共にタールデカンタ15に流出させる。通常、タールは比重が水よりも重く、タールデカンタ15の底に沈んだタールを掻上げて分離できる。また、改質温度を上げてチャーリッチになる場合は、チャーはタールを伴って塊状で成長しやすく、また、比重が軽くなるため、連続的に加圧浮上により固液分離して取り出すのが良い。
【0045】
タールデカンタ15で水相から分離回収したタール、チャー及び熱分解炉2から排出される熱分解残渣中の固定炭素主体物は可燃性であり、燃料として利用可能である。しかしながら、塩素、アンモニア、ダイオキシン類をはじめ、環境上注意が必要な物質を含むため、生産設備用の燃料としては適さない。
【0046】
したがって、本発明では廃棄物焼却炉として構成される燃焼炉の燃料、即ち、熱分解炉2用の燃料若しくは原料として利用する。具体的には、1)図1に示すように熱分解炉2が間接加熱式であれば、高温熱源である燃焼炉16の燃料若しくは熱分解炉2の原料として利用し、又は、2)部分燃焼方式であれば熱分解炉に再投入して、部分燃焼により熱分解させることができる。これによりタール・チャーは、熱源もしくはガスとして有効に回収することができる。このように、副生物を燃料として利用することで、熱分解炉用の外部燃料、廃棄物の一部を削減することができ、得られるガスの量を増大できる。水相からの分離方法としては、デカンタのほか、加圧浮上、フィルタープレス、遠心分離等の技術が利用できる。
【0047】
チャー・タールを分離した水は循環使用するが、塩類等の濃縮とそれによる装置腐食を防ぐために、適宜抜き出しブローを行う。ブロー水は、固形物(SS)、COD、油分(n−HEX)、ダイオキシン類等を含むので適切に排水処理を行い放流される。
【0048】
プレクーラの水噴霧によるガス冷却及びガス洗浄ではダイオキシン類の除去が不十分となる場合には、後流にプライマリークーラ17(第2のガス冷却器)を設置し、さらに冷却により、40℃以下にガス温度の低下を図る。ガス温度が低下すると、ガス相の水蒸気及び軽油分リッチなタールはさらに凝縮により液化し、ダイオキシン類は油層に溶け込んで、ガス相から分離される。その結果、プライマリークーラ17では、凝縮水とタールが分離回収され、同時にダイオキシン類、チャー等のダスト類もガス相から除去できる。プライマリークーラ17の装置方式としては、間接熱交換方式、水噴霧方式が採用できる。間接熱交換方式では、プライマリークーラ17内に設置された伝熱管の中に15℃〜30℃程度の冷却水を流し、ガスを間接的に冷却する。水噴霧方式では15℃〜30℃程度の冷却水をプライマリークーラ17内にて噴霧し、低温の水とガスとの間で直接熱交換することでガスを冷却する。
【0049】
凝縮水には、ガスに含まれる酸性ガス成分が溶解し、強酸性で腐食性を現すことから、アルカリ薬剤を投入し、pH=5〜9となるように中和する。アルカリには苛性ソーダ、アンモニア水を用いることが好ましい。このためプライマリークーラ17内壁には、アルカリを添加した凝縮水を循環して装置内に噴霧し、凝縮水を洗い流すことで、凝縮水が酸性になることを防止する。また、この水噴霧は同時に凝縮する軽質タール成分の壁、伝熱管への付着成長を防止し、ダスト類,タールミスト類の捕捉除去の効果もある。このプライマリークーラ17で使用するアルカリ性の水(中和剤)としては、コークス炉で副生する安水を用いることで、運転費用を安価に抑えることができる。
【0050】
ここで、プレクーラ14出口で、ガスに残留するチャー、タールミストが多い場合には、プレクーラ14とプライマリークーラ17の間に電気集塵機(図示せず)を設置し、チャー等のダスト類、軽油主体のタールミスト、水蒸気ミストを除去することもできる。これにより、ガス中のダイオキシン類濃度はさらに低減し、また後流のプライマリークーラ17へのダスト類、油類の負荷が低減し、内壁での付着、閉塞等のトラブルを防止しやすくなる。
【0051】
実施例では、図1に示すように、プライマリークーラ17の後流側に電気集塵機18を設け、ガス中に含まれる軽油主体のタールミスト等の粒子状物質を捕集することにより、いわゆる粒子状のダイオキシン類も捕捉し、ガス中ダイオキシン類濃度の低減を図るようにしている。
【0052】
得られたガスはブロア19(ガス排送機)によって、後述するコークス炉ガス精製設備24に送られるが、ブロア19の後流側に活性炭充填層若しくは活性炭移動層21を設け、その中にガスを通すことによってダイオキシンを吸着する。ここで活性炭は、活性コークス、粒状活性炭である。ブロア昇圧による温度上昇のみでは、ガス温度が飽和温度より低く、活性炭充填層若しくは活性炭移動層21内の冷えやすい部分で軽油、水分の凝縮が起こる場合には、ブロア19と活性炭充填層若しくは活性炭移動層21の間に、蒸気間接熱交換式のガス加熱器20を設け、ガス温度を、上記凝縮が防止できる温度まで、上昇させることができる。
【0053】
以上の工程により、ガス中のダイオキシン類濃度を基準値(0.1ng−TEQ/mN(酸素濃度12%換算値))以下にする。そして、本発明では、この清浄化されたガスをコークス炉22のコークス炉ガス(COG)精製設備24に混合することで、ガス配送〜ガス利用まで既設のインフラを利用する。設備の設置位置によってはガス洗浄からCOGラインまでの距離が長い場合がある。この場合にはガス移送中に放熱等でガス温度が低下し、ガスダクト中に軽油成分が析出固化し、ダクト閉塞等の問題があった。そのために電気集塵機にて軽油分、凝縮水のミストを除去した後に、再度ガス温度を上昇させ、ガス供給先での温度が軽油成分の凝縮温度以上になるようにコントロールする。
【0054】
コークス炉ガス精製設備24に接続する前の段階では硫化水素、軽油等の不純物除去操作が十分ではなく、また、塩化水素等の塩素系ガスも一部残留する。これらの不純物によって、ガス利用先での腐食、温度低下に伴う軽油成分の凝縮・液化、ナフタリン、アントラセン等の析出によるガスラインやバーナでの閉塞等が起こる場合があり、既存ガスラインの利用は難しい。したがって、コークス炉ガス精製設備24における既存の脱硫装置(硫黄分、塩素分除去)、軽油除去装置(軽油スクラバー)を利用することでガス精製の純度を上げ、上記問題を回避することができる。
【0055】
コークス炉ガス精製設備24の利用を狙ってCOGラインへ合流させる場合は、COG精製機能のすべてを利用することが可能で圧力も大気圧に近い、ドライメーン23とすることが好ましい。
【0056】
ドライメーン23ではコークス炉22にて発生したガスに安水を噴霧・洗浄し、ガスを冷却することでガスからタール、スラッジを分離している。廃棄物のガス化炉、ガス精製設備にて精製されたガス化ガスはドライメーン23にてCOGと混合される。ドライメーン23では安水と共に、COGに含まれるタール分、スラッジ分が回収され、安水デカンタ25に移される。安水デカンタ25では、安水、タール、スラッジの混合液は比重差により、重力沈降され、タール、安水、スラッジに分離される。分離されたタールは回収され、タール製品として有効利用される。また、回収された安水は循環利用される。
【0057】
上述のプライマリークーラ17及び電気集塵機18の副生物(軽質タール、軽油、チャー、水の混合物)は油水分離槽26にて油分と水分に分けられ、そのうち油分は上述のタールデカンタ15で水相から分離回収したタール、チャー等と同様に熱分解炉2若しくは燃焼炉16にて熱源として利用することが好ましい。また、プライマリークーラ17及び電気集塵機18の副生物は油水分離槽26を介さずに、直接タールデカンタ15に合流させても良い。
【0058】
一方、水分は有害物を多く含みそのままでは放流できないため、一旦排水槽27に溜めて、その後水処理を行う必要がある。水処理の方法としては活性汚泥法が最適である。
【0059】
本実施例では、COG精製過程から出る余剰安水を処理する安水活性汚泥処理設備28において安水と本排水を合流して処理するようにしている。
【0060】
但し、廃棄物を熱分解したガスの洗浄過程で生じた排水には、亜鉛、鉛等の重金属類、種々の有害な有機化合物、特にダイオキシン類等の有機塩素化合物、シアン化合物やベンゾニトリル等が含まれており、活性汚泥が阻害を受けるので活性を高く保つことが難しい。そこで、既設の安水活性汚泥処理設備28に合流し効率的に処理するためには、阻害物質を事前処理により除去することが望ましい。
【0061】
事前処理の方法としては、1)SS分離、2)凝集沈殿、3)安水蒸留のいずれか若しくはすべてを適応することが有効である。
【0062】
SS分離はタール及びSS(固形物)を含む排水を加圧浮上又は比重差により分離する技術である。凝集沈殿はSS分離により分離された水層を冷却後アルカリの薬剤を加え、pHを9.5〜12.0に調整し、重金属等を凝集沈殿させる技術である。安水蒸留はSS分離により分離された水層のアンモニアストリッピングによって窒素、アンモニアを除去する技術である。これらの処理のいずれか又はすべてを実施することにより、水中のダイオキシン類濃度を10pg−TEQ/L以下とする。
【0063】
図2は、本発明に係るガス化ガスの精製装置の他の例を示す構成図である。同図に示す例は、図1に示す構成においてブロア19の後流側のガス加熱器20及び活性炭充填層若しくは活性炭移動層21を省略し、ガス化ガスをブロア19から直接COGラインに合流させるようにしたものである。ガス化ガス中のダイオキシン類の濃度が低い場合には、この例によってもダイオキシン類濃度を基準値以下にすることが可能であり、設備も簡略化される。
【0064】
また、図2の例では図1における油水分離槽26も省略し、プライマリークーラ17及び電気集塵機18の凝縮・捕集物を直接タールデカンタ15に合流させるようにして、設備を簡略化している。即ち、プライマリークーラ17及び電気集塵機18の凝縮・捕集物のうち油分(可燃分)はタールデカンタ15で分離され、プレクーラ14の凝縮・捕集物から分離されたタール、チャー等と同様に熱分解炉2若しくは燃焼炉16にて熱源として利用される。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明に係るガス化ガスの精製装置を示す構成図である。
【図2】本発明に係るガス化ガスの精製装置の他の例を示す構成図である。
【符号の説明】
【0066】
1 破砕機
2 熱分解炉
3 2次燃焼炉
4 熱交換機
5 排ガス減温塔
6 除塵機
7 吹込装置
8 誘引通風機
9 排ガス再加熱器
10 触媒反応層あるいは活性炭充填層
11 煙突
12 灰処理設備
13 改質炉
14 プレクーラ(第1のガス冷却器)
15 タールデカンタ(分離装置)
16 燃焼炉
17 プライマリークーラ(第2のガス冷却器)
18 電気集塵機
19 ブロア(ガス排送機)
20 ガス加熱器
21 活性炭充填層若しくは活性炭移動層
22 コークス炉
23 ドライメーン
24 コークス炉ガス精製設備
25 安水デカンタ
26 油水分離槽
27 排水槽
28 安水活性汚泥処理設備

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可燃性廃棄物を熱分解炉でガス化させ、この熱分解ガスを改質炉で酸素及び水蒸気と反応させて改質し、この改質ガスを精製して燃料ガスを得るガス化ガスの精製方法において、
改質ガスを第1のガス冷却器に導入し、水噴霧又は液中燃焼によりガス温度を断熱飽和温度以下の90〜70℃に冷却し、得られたガスを、ダイオキシン類濃度を基準値(0.1ng−TEQ/mN(酸素濃度12%換算値))以下とした後に、製鉄所に既存のコークス炉に付随するドライメーンでコークス炉ガスラインに合流させて精製すると共に、
第1のガス冷却器の凝縮・捕集物を排出し、その凝縮・捕集物から水分を分離し、得られたチャー、タール、軽油等の可燃物を熱分解炉に戻して再度熱分解してガス化させる、又は、熱分解炉に熱源を供給するための燃料として利用することを特徴とするガス化ガスの精製方法。
【請求項2】
第1のガス冷却器から出たガスを第2のガス冷却器に導入し、冷却水と熱交換させることによりガス温度を40℃以下とし、含有する水蒸気を凝縮させると共にガス中に含まれる軽油を凝縮してガス側から除去し、
第2のガス冷却器から出たガスを電気集塵機に導入し、ガス中に残留するダスト、ミスト状のタール、軽油及び水滴を除去する請求項1に記載のガス化ガスの精製方法。
【請求項3】
第2のガス冷却器にて冷却されたガスを加熱し、ガス供給先までの経路においてガス温度をガスに含まれるタール分の凝縮温度以上に維持する請求項2に記載のガス化ガスの精製方法
【請求項4】
第1のガス冷却器及び第2のガス冷却器の水相にHCl、HS等の酸性ガスを吸収させてガス側の酸性ガスを除去すると共に、水相に、NaOH、安水(NH)等の水溶液を中和剤として注入して、そのpHを5〜9の範囲に調整する請求項2又は3に記載のガス化ガスの精製方法。
【請求項5】
電気集塵機から出たガスを、蒸気等を用いた間接熱交換器で熱交換、又はガス排送機で昇圧することにより昇温させた後、活性炭として活性コークス又は粒状活性炭を充填した活性炭充填層若しくは活性炭移動層にガスを通し、ダイオキシン類等の微量有機ハロゲン化合物を吸着により、ガス中から除去・低減する請求項2〜4のいずれかに記載のガス化ガスの精製方法。
【請求項6】
第1のガス冷却器、第2のガス冷却器及び電気集塵機から発生する排水の一部又は全てを熱分解炉若しくは熱分解炉に熱を供給する燃焼炉、又はその燃焼炉排ガスを完全燃焼させる2次燃焼炉にて焼却処理し、焼却処理後の残余分、又は全量を製鉄所に既存の安水活性汚泥処理に合流させる請求項2〜5のいずれかに記載のガス化ガスの精製方法。
【請求項7】
第1のガス冷却器、第2のガス冷却器及び電気集塵機から発生する排水に対して、
(1)固形物、タール及び軽油の加圧浮上による分離、又は比重差による分離
(2)排水を冷却後、水層にアルカリを加え、pH9.5以上12以下に調整して、排水に含まれる金属を凝集沈殿させることによる分離、
(3)アンモニアストリッピングによる窒素、アンモニアの除去、
のいずれか又はすべてを事前処理として実施し、製鉄所に既存の安水活性汚泥処理に合流させる請求項6に記載のガス化ガスの精製方法。
【請求項8】
第1のガス冷却器の補給水又は第1のガス冷却器及び第2のガス冷却器に使用する中和剤として、製鉄所のコークス炉ガス精製過程で得られる副生安水を使用する請求項4に記載のガス化ガスの精製方法。
【請求項9】
可燃性廃棄物を熱分解しガス化させる熱分解炉と、熱分解炉で生成した熱分解ガスを酸素及び水蒸気と反応させて改質する改質炉とを備え、改質炉で生成した改質ガスを精製して燃料ガスを得るガス化ガスの精製装置において、
改質ガスを水噴霧又は液中燃焼によりガス温度を断熱飽和温度以下の90〜70℃に冷却する第1のガス冷却器を設け、第1のガス冷却器から出たガスを、ダイオキシン類濃度を基準値(0.1ng−TEQ/mN(酸素濃度12%換算値))以下とした後に、製鉄所に既存のコークス炉に付随するドライメーンでコークス炉ガスラインに合流させて精製すると共に、
第1のガス冷却器の凝縮・捕集物を排出する機構と、その凝縮・捕集物からチャー、タール、軽油等の可燃物を分離し熱分解炉に戻す機構を設け、さらに、分離した可燃物を再度熱分解してガス化させる、又は、熱分解炉に熱源を供給するための燃料として利用する機構を設けたことを特徴とするガス化ガスの精製装置。
【請求項10】
第1のガス冷却器の後流側に第2のガス冷却器を設け、第1のガス冷却器から出たガスを第2のガス冷却器に導入し、冷却水と熱交換させることによりガス温度を40℃以下とし、含有する水蒸気を凝縮させると共にガス中に含まれる軽油を凝縮してガス側から除去し、
第2のガス冷却器の後流側に電気集塵機を設け、第2のガス冷却器から出たガスを電気集塵機に導入し、ガス中に残留するダスト、ミスト状のタール、軽油及び水滴を除去するようにした請求項9に記載のガス化ガスの精製装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−39613(P2007−39613A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−228009(P2005−228009)
【出願日】平成17年8月5日(2005.8.5)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【出願人】(306022513)新日鉄エンジニアリング株式会社 (897)
【Fターム(参考)】