ガス栓
【課題】リセット手段の構成の簡素化及び部材点数の減少を図り、リセット手段によるリセット操作及びリセット操作の解除を行うこと。
【解決手段】リセット操作は、過流出防止弁H2における被操作部H3をガス流通路1の上流側へ押圧する操作であり、リセット手段Rは、スライド弁Gの上流側端部からガス流通路1の上流側に延びるようにスライド弁Gに一体的に形成された押圧操作部R1と、閉じ位置と開き位置との間でのスライド弁Gの移動を、押圧操作部R1を被操作部H3に直接当接させて押圧操作部R1にてリセット操作を行わせる押圧操作部R1の動きに変換する運動変換機構R2とを備えている。
【解決手段】リセット操作は、過流出防止弁H2における被操作部H3をガス流通路1の上流側へ押圧する操作であり、リセット手段Rは、スライド弁Gの上流側端部からガス流通路1の上流側に延びるようにスライド弁Gに一体的に形成された押圧操作部R1と、閉じ位置と開き位置との間でのスライド弁Gの移動を、押圧操作部R1を被操作部H3に直接当接させて押圧操作部R1にてリセット操作を行わせる押圧操作部R1の動きに変換する運動変換機構R2とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス流通路が内部に形成された筒状のガス栓本体に、閉じ位置と開き位置との間で前記ガス栓本体の軸方向に移動自在なスライド弁と、前記ガス流通路のガス流通方向で前記スライド弁よりも上流側に配置された過流出防止弁と、前記ガス流通方向で前記スライド弁と前記過流出防止弁との間に配置されて、前記閉じ位置と前記開き位置との間での前記スライド弁の移動により前記過流出防止弁をリセットさせるリセット操作を行うリセット手段とが備えられているガス栓に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のようなガス栓としてのガスコンセントは、ガス管が接続されたガス接続具をガス栓本体に装着することで、ガス接続具に備えられた押圧部にてスライド弁を閉じ位置からガス流通路の上流側に押圧してガス流通路を開弁してガス接続具に接続されたガス器具へのガス供給を行う。スライド弁は、付勢部材により閉じ位置に復帰するように付勢されているので、ガス接続具をガス栓本体から取り外すことで、スライド弁に対する押圧部による押圧が解除されて、付勢部材の付勢力によりスライド弁が閉じ位置に復帰してガス器具へのガス供給が停止される。
【0003】
このようなガス栓では、ガス接続具に接続されたガス管が破れる等により一定以上の流量のガスが流れることがあるので、このような場合に、ガス供給を停止する必要がある。そこで、従来、ガス流通路のガス流量が一定以上となると、その一定以上のガス流量の流動圧により、初期位置からガス流通路を閉じる作動位置に移動する過流出防止弁が備えられている。
過流出防止弁が作動位置に移動することでガス流通を阻止しているが、ガス器具へのガス供給を再開させるためには、過流出防止弁を作動位置から初期位置に復帰させることが必要である。そこで、使用者によってガス接続具をガス栓本体から取り外すという動作が行われることで、過流出防止弁における被操作部をガス流通路の上流側へ押圧するリセット操作を行うリセット手段を備えており、リセット手段によるリセット操作によって過流出防止弁を作動位置から初期位置に復帰させるようにしている(例えば、特許文献1、2参照。)。
リセット手段は、ガス接続具のガス栓本体からの取り外しによりリセット操作を行うだけでなく、ガス接続具がガス栓本体に装着されている場合には、リセット操作を解除しておき、過流出防止弁の初期位置から作動位置への移動を許容しておくことが必要である。
【0004】
特許文献1に記載のガス栓では、リセット手段が、ガス流通路のガス流通方向に直交する流路径方向に沿う軸心周りに揺動自在なL字状の第1レバーと第2レバーとを備えている。第1レバーは、ガス栓本体にガス接続具が装着された場合に、スライド弁の上流側端部に備えられた押し用突部によってガス流通路の上流側に押圧されて、第2レバーの揺動を規制する規制位置からガス流通路の上流側に揺動されて第2レバーの揺動を許容している。第2レバーは、作動位置に移動することでガス流通路の下流側に突出された過流出防止弁の軸部をガス流通路の上流側へ押圧する側に揺動するように付勢手段により付勢されている。ガス栓本体にガス接続具が装着されている場合には、第1レバーによって第2レバーの揺動を規制することで、過流出防止弁の軸部がガス流通路の下流側へ突出する突出代を確保して、過流出防止弁の軸部をガス流通路の上流側に押圧するリセット操作を解除している。このようにリセット操作を解除することで、過流出防止弁が初期位置から作動位置へ移動できることになる。ガス栓本体からガス接続具が取り外された場合には、押し用突部が第1レバーを押圧してガス流通路の上流側に揺動させることで第2レバーを付勢力により揺動させ、過流出防止弁の軸部をガス流通路の上流側に押圧するリセッ
ト操作を行い、過流出防止弁を作動位置から初期位置に復帰させている。
【0005】
特許文献2に記載のガス栓では、過流出防止弁における被操作部がガス栓本体の軸方向に移動自在に備えられ、被操作部がガス流通路の上流側へ押圧するリセット操作を受けることで、作動位置に位置する過流出防止弁を初期位置に復帰させるように構成されている。リセット手段は、スライド弁の上流側端部に設けられたオーム記号状の板バネと、ガス栓本体の軸方向に移動自在に支持されたピンとを備えている。ガス接続具をガス栓本体に装着した場合に、閉じ位置からガス流通路の上流側へスライド弁が移動すると、スライド弁と板バネとが一体的に移動して板バネの両端部がピンに当接してピンを上流側に押圧移動させ、そのピンの押圧移動によってピンにて被操作部をガス流通路の上流側へ押圧するリセット操作を行っている。そして、更にスライド弁がガス流通路の上流側へ移動することで、板バネの両端部が拡径されてその両端部の間にピンが嵌り込んで板バネとピンとの当接が解除されて、リセット操作が解除されている。
【0006】
一方、上記のようなガス栓として、ガス栓本体へのガス接続具の装着とは関係なく、操作つまみ等の操作部に対する回転操作に伴って開閉弁である回動弁を回転させて開閉を行ってガスの供給及び停止を切り替える所謂回転式のガス栓(例えば、特許文献3を参照。)などが知られている。また、ガスコンロ等に内蔵されガス流入路とガス流出路との間の開閉を行ってガスの供給及び停止を切り替える開閉弁として、操作ボタン等の操作部に対する押圧操作に伴って開閉弁であるスライド弁をスライドさせて開閉を行う所謂プッシュプッシュ式の開閉弁(例えば、特許文献4を参照。)などが知られており、上記ガス栓についても、この開閉弁と同様にプッシュプッシュ式に構成することが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開平3−65071号公報
【特許文献2】特開平10−169812号公報
【特許文献3】特公平02−021660号公報
【特許文献4】特開平02−154918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献1に記載のガス栓では、スライド弁と過流出防止弁の軸部との間に、押し用突部に加え、第1レバーと第2レバーとの2つの揺動部材を備えることで、リセット操作及びリセット操作の解除を行うようにしている。また、上記特許文献2に記載のガス栓においても、スライド弁と過流出防止弁における被操作部との間に、板バネに加え、ガス栓本体の軸方向に移動自在なピンを備えることで、リセット操作及びリセット操作の解除を行うようにしている。このように、上記特許文献1、2に記載のガス栓では、押し用突部や板バネにて被操作部に対してリセット操作を行うのではなく、押し用突部や板バネと被操作部との間に、別の部材を備えなければならず、構成の複雑化及び部材点数の増加を招いている。しかも、上記特許文献1、2に記載のガス栓では、スライド弁の移動に伴う動きを別の部材を介して過流出防止弁の軸部や被操作部に伝達してリセット操作及びリセット操作の解除を行うようにしており、別の部材を介するが故に、スライド弁の移動に伴う動きを確実に過流出防止弁の軸部や被操作部へ伝達し難いものとなっており、リセット操作及びリセット操作の解除を確実に行えない可能性があった。また、スライド弁の移動に伴う動きを確実に被操作部へ伝達しようとすると、別の部材の配置位置等を精度よく調整しなければならない、或いは、別の部材を精度よく製作しなければならない等の問題も生じるものとなっていた。
【0009】
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、リセット手段の構成の簡素化及び部材点数の減少を図り、リセット手段によるリセット操作及びリセット操作の解除を行うことができるガス栓を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明のガス栓は、
ガス流通路が内部に形成された筒状のガス栓本体に、閉じ位置と開き位置との間で前記ガス栓本体の軸方向に移動自在なスライド弁と、前記ガス流通路のガス流通方向で前記スライド弁よりも上流側に配置された過流出防止弁と、前記ガス流通方向で前記スライド弁と前記過流出防止弁との間に配置されて、前記閉じ位置と前記開き位置との間での前記スライド弁の移動により前記過流出防止弁をリセットさせるリセット操作を行うリセット手段とが備えられているガス栓であって、その特徴構成は
前記リセット操作は、前記過流出防止弁における被操作部を前記ガス流通路の上流側へ押圧する操作であり、前記リセット手段は、前記スライド弁の上流側端部から前記ガス流通路の上流側に延びるように前記スライド弁に一体的に形成された押圧操作部と、前記閉じ位置と前記開き位置との間での前記スライド弁の移動を、前記押圧操作部を前記被操作部に直接当接させて前記押圧操作部にて前記リセット操作を行わせる前記押圧操作部の動きに変換する運動変換機構とを備えている点にある。
【0011】
本特徴構成によれば、スライド弁が閉じ位置と開き位置との間で移動する場合に、押圧操作部がスライド弁と一体的に移動するが、運動変換機構によって、スライド弁の移動が被操作部に直接当接させて押圧操作部にてリセット操作を行わせる押圧操作部の動きに変換される。例えば、運動変換機構は、スライド弁の移動途中に押圧操作部を被操作部に直接当接させてリセット操作を行わせ、スライド弁の移動終了時に押圧操作部を被操作部から離間させてリセット操作を解除させるように、スライド弁の移動を押圧操作部の動きに変換することができる。また、例えば、運動変換機構は、スライド弁が閉じ位置から開き位置に移動する場合に、ガス流通路のガス流通方向に沿う軸心周りに押圧操作部を回転させ、その回転途中に押圧操作部を被操作部に直接当接させてリセット操作を行わせ、その回転終了時に押圧操作部を被操作部から離間させてリセット操作を解除させるように、スライド弁の移動を押圧操作部の動きに変換することができる。更に、例えば、運動変換機構は、ガス流通路のガス流通方向に沿って押圧操作部を移動させるだけでなく、ガス流通路のガス流通方向に沿う軸心周りに押圧操作部を回転させながら、押圧操作部を被操作部に直接当接させてリセット操作を行わせるように、スライド弁の移動を押圧操作部の動きに変換することができる。したがって、リセット手段としては、押圧操作部をスライド弁に一体的に形成し、運動変換機構を備えるだけでよく、リセット手段の構成の簡素化及び部材点数の減少を図り、リセット操作及びリセット操作の解除を行うことができる。しかも、運動変換機構は、押圧操作部が被操作部に対して直接当接するようにスライド弁の移動を押圧操作部の動きに変換するので、被操作部をガス流通路の上流側へ押圧するリセット操作を確実に行うことができる。
【0012】
本発明のガス栓の更なる特徴構成は、
前記運動変換機構は、前記閉じ位置と前記開き位置との間での前記スライド弁の移動途中に前記押圧操作部にて前記リセット操作を行わせるように、前記スライド弁の移動を前記押圧操作部の動きに変換している点にある。
【0013】
本特徴構成によれば、運動変換機構は、閉じ位置と開き位置との間でのスライド弁の移動途中に押圧操作部を被操作部に直接当接させてリセット操作を行わせ、閉じ位置と開き位置との間でのスライド弁の移動終了時に押圧操作部を被操作部から離間させてリセット操作を解除させるように、スライド弁の移動を押圧操作部の動きに変換することができる。これにより、スライド弁の移動によって、リセット操作及びリセット操作の解除を行うための押圧操作部の動きに適切に変換することができ、リセット操作及びリセット操作の解除を適切に行うことができる。
【0014】
本発明のガス栓の更なる特徴構成は、
前記押圧操作部を前記被操作部に直接当接させて前記押圧操作部にて前記リセット操作を行わせる第1操作位置と、前記押圧操作部を前記被操作部から離間させて前記リセット操作を解除する第1操作解除位置とが、前記ガス流通路のガス流通方向に沿う軸心周りでの周方向に異なる位置に設定されており、前記運動変換機構は、前記スライド弁が前記閉じ位置と前記開き位置との間で移動する場合に、前記ガス流通路のガス流通方向に沿って前記押圧操作部を移動させるスライド移動変換状態と前記ガス流通路のガス流通方向に沿う軸心周りに前記押圧操作部を回転させる回転運動変換状態とに切り換える形態で、前記スライド弁の移動を前記押圧操作部の動きに変換している点にある。
【0015】
本特徴構成によれば、運動変換機構をスライド移動変換状態に切り換えた場合には、ガス流通方向に沿ったスライド弁の移動をそのまま押圧操作部の動きとして変換すればよく、運動変換機構の構成を簡易なものとすることができる。そして、リセット操作を行う第1操作位置とリセット操作を解除する第1操作解除位置とが、ガス流通路のガス流通方向に沿う軸心周りでの周方向に異なる位置に設定されているので、運動変換機構を回転運動変換状態に切り換えて、ガス流通方向に沿う軸心周りに押圧操作部を回転させて、第1操作位置を通過させたのち第1操作解除位置まで押圧操作部を回転させることができる。これにより、押圧操作部が第1操作位置を通過する際に、リセット操作を行うことができながら、最終的に押圧操作部を第1操作解除位置に位置させて、リセット操作を解除することができる。したがって、運動変換機構の構成の簡素化を図りながら、スライド弁の移動を押圧操作部の動きに変換させてリセット操作及びリセット操作の解除を適切且つ確実に行うことができる。
【0016】
本発明のガス栓の更なる特徴構成は、
前記押圧操作部を前記被操作部に直接当接させて前記押圧操作部にて前記リセット操作を行わせる第2操作位置と、前記押圧操作部を前記被操作部から離間させて前記リセット操作を解除する第2操作解除位置とが、前記ガス流通路のガス流通方向に沿う軸心周りでの周方向に異なる位置に設定されており、前記運動変換機構は、前記スライド弁が前記閉じ位置と前記開き位置との間で移動する場合に、その移動開始から移動終了まで前記ガス流通路のガス流通方向に沿う軸心周りに前記押圧操作部を回転させる形態で、前記スライド弁の移動を前記押圧操作部の動きに変換している点にある。
【0017】
本特徴構成によれば、リセット操作を行う第2操作位置とリセット操作を解除する第2操作解除位置とが、ガス流通路のガス流通方向に沿う軸心周りでの周方向に異なる位置に設定されており、運動変換機構が、スライド弁の移動開始から移動終了までガス流通路のガス流通方向に沿う軸心周りに押圧操作部を回転させるので、第2操作位置を通過させたのち第2操作解除位置まで押圧操作部を回転させることができる。これにより、押圧操作部が第1操作位置を通過する際に、リセット操作を行うことができながら、最終的に押圧操作部を第1操作解除位置に位置させて、リセット操作を解除することができる。そして、運動変換機構は、スライド弁の移動を押圧操作部の回転運動に変換するだけであるので、その構成を簡易なものとすることができる。
【0018】
本発明のガス栓の更なる特徴構成は、
前記スライド弁を支持する支持部材が、前記ガス流通路のガス流通方向に摺動自在に前記ガス流通路に備えられ、前記運動変換機構は、前記支持部材の外周に形成された係合案内溝と、前記ガス流通路の内壁部に形成されて前記係合案内溝に係合された被係合部とを備えている点にある。
【0019】
本特徴構成によれば、被係合部が係合案内溝に係合することで、支持部材をそのままガス栓本体の軸方向に沿って移動させる或いは支持部材をガス流通方向に沿う軸心周りで回転させて、ガス栓本体の軸方向に沿って押圧操作部を移動させる或いはガス流通方向に沿う軸心周りで押圧操作部を回転させることができる。このように、被係合部を係合案内溝に係合させるという簡易な構成によって、スライド弁の移動を押圧操作部の動きに適切に変換することができる。
【0020】
本発明のガス栓の更なる特徴構成は、
前記押圧操作部を前記被操作部に直接当接させて前記押圧操作部にて前記リセット操作を行わせる第3操作位置と、前記押圧操作部を前記被操作部から離間させて前記リセット操作を解除する第3操作解除位置とが、前記ガス流通路のガス流通方向に異なる位置に設定されており、前記運動変換機構は、前記スライド弁が前記閉じ位置と前記開き位置との間で移動する場合に、その移動開始から移動終了まで前記ガス流通路のガス流通方向に沿って前記押圧操作部を移動させる形態で、前記スライド弁の移動を前記押圧操作部の動きに変換している点にある。
【0021】
本特徴構成によれば、リセット操作を行う第3操作位置とリセット操作を解除する第3操作解除位置は、ガス流通方向に異なる位置に設定されており、運動変換機構が、スライド弁の移動開始から移動終了までガス流通方向に沿って押圧操作部を移動させるので、第3操作位置を通過させたのち第3操作解除位置まで押圧操作部を移動させることができる。これにより、押圧操作部が第3操作位置を通過する際に、リセット操作を行うことができながら、最終的に押圧操作部を第3操作解除位置に位置させて、リセット操作を解除することができる。そして、運動変換機構は、ガス流通方向に沿ったスライド弁の移動をそのまま押圧操作部の動きとして変換すればよく、運動変換機構の構成を簡易なものとすることができる。
【0022】
本発明のガス栓の更なる特徴構成は、
前記押圧操作部が前記第3操作位置に到達した場合に、更なる前記スライド弁の移動によって前記押圧操作部が前記ガス流通路のガス流通方向に沿って移動することを許容する状態で、前記押圧操作部と前記被操作部とを当接させる当接部が備えられている点にある。
【0023】
押圧操作部が第3操作位置に到達した場合に、その押圧操作部が被操作部に当接してガス流通路の上流側に押圧するリセット操作を行うので、押圧操作部が被操作部に当接したままであると、その当接により押圧操作部の移動が規制され、押圧操作部が第3操作解除位置まで到達できなくなる可能性がある。そこで、本特徴構成によれば、押圧操作部が第3操作位置に到達したときに、更なるガス流通路の上流側へのスライド弁の移動によって第3操作位置からガス流通路の上流側への移動を許容する状態で、押圧操作部と被操作部とを当接させる当接部を備えており、この当接部によって押圧操作部が第3操作解除位置まで移動できることになる。したがって、リセット操作を行う第3操作位置とリセット操作を解除する第3操作解除位置をガス流通方向に異なる位置に設定した場合であっても、第3操作位置を通過させる形態で最終的に第3操作解除位置まで押圧操作部を適切に移動させることができる。
【0024】
本発明のガス栓の更なる特徴構成は、
前記ガス流通路は、上流側から順に、前記過流出防止弁、前記リセット手段、前記スライド弁を備えて、前記ガス栓本体の軸方向に沿う直線状に設けられている点にある。
【0025】
本特徴構成によれば、ガス流通路は、過流出防止弁、リセット手段、スライド弁の全てを備えながら、ガス栓本体の軸方向に沿う直線状に設けられているので、ガス栓本体をコンパクトに構成することができながら、過流出防止弁とリセット手段とスライド弁とをガス栓本体の軸方向に隣接する状態で直線状に並べて配置することができる。したがって、過流出防止弁とリセット手段とスライド弁との位置関係を簡易なものとすることができ、スライド弁の移動を利用して過流出防止弁をリセットさせるリセット手段の構成の簡素化をより一層図ることができるとともに、リセット手段によるリセット操作及びリセット操作の解除についても適切に行うことができる。しかも、ガス栓本体を直線状とすることで、ガス栓を設置する場合に、ガス栓本体に接続するガス配管と同軸にガス栓を設置することが可能となり、設置スペースの縮小を図ることができる。更に、ガス栓本体を直線状とすることで、ガス栓を壁内に埋め込む形態や壁を貫通する形態にて設置する場合に、壁に形成する開口部の面積を小さくすることができる。
【0026】
本発明のガス栓の更なる特徴構成は、
前記スライド弁が、前記ガス栓本体に対するガス接続具の装着及び取り外しに伴って前記閉じ位置と前記開き位置との間で移動する点にある。
【0027】
即ち、本発明に係るガス栓は、スライド弁が前記ガス栓本体に対するガス接続具の装着及び取り外しに伴って前記閉じ位置と前記開き位置との間で移動するようにして、所謂ガスコンセントとして構成できる。
【0028】
このように本発明のガス栓は、スライド弁が操作部に対する押圧操作に伴って前記閉じ位置と前記開き位置との間で移動するようにして、所謂プッシュプッシュ式のガスコックとして構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】第1実施形態におけるガス接続具をガス栓本体から取り外している状態でのガス接続具とガス栓との断面図
【図2】第1実施形態におけるガス接続具をガス栓本体に装着している状態でのガス接続具とガス栓との断面図
【図3】第1実施形態におけるガス栓の動きを示す断面図
【図4】ガス栓の要部を示す断面図
【図5】ガス栓の要部を示す斜視図
【図6】第2実施形態におけるガス栓の動きを示す断面図
【図7】第3実施形態におけるガス栓の動きを示す断面図
【図8】第3実施形態におけるガス栓の動きを示す断面図
【図9】別実施形態におけるガス栓の断面図
【図10】第4実施形態のガス栓の開栓時の状態を示す側断面図
【図11】第4実施形態のガス栓のスライド弁及び操作機構部を示す分解斜視図
【図12】第4実施形態のガス栓の過流出防止弁の作動時の状態を示す側断面図
【図13】第4実施形態のガス栓の閉栓動作途中の状態を示す側断面図
【図14】第4実施形態のガス栓の閉栓時の状態を示す側断面図
【図15】第4実施形態における閉栓動作時のガイド溝におけるガイドピンの位置の遷移状態を説明する説明図
【図16】第4実施形態における開栓動作時のガイド溝におけるガイドピンの位置の遷移状態を説明する説明図
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明に係るガス栓の実施形態を図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
この第1実施形態のガス栓は、図1及び図2に示すように、ガス流通路1が内部に形成された円筒状のガス栓本体2を備えており、そのガス栓本体2にガス接続具100を装着することでガス流通路1でのガス流通によりガス接続具100に接続されたガス器具へのガス供給を行い、ガス栓本体2からガス接続具100を取り外すことでガス流通路1でのガス流通を停止してガス器具へのガス供給を停止する、所謂ガスコンセントとして構成されている。図1は、ガス接続具100をガス栓本体2から取り外している状態を示しており、図2は、ガス接続具100をガス栓本体2に装着している状態を示している。
【0031】
ガス栓本体2には、ガス流通路1を開閉自在なスライド弁Gと、ガス流通路1でのガス流量が一定以上の過流量となった場合にガス流通を阻止する過流出防止弁H2と、ガス接続具100のガス栓本体2からの取り外しが行われた場合に過流出防止弁H2をリセットさせるリセット操作を行うリセット手段Rとが備えられている。ここで、リセット操作は、過流出防止弁H2における被操作部材H3をガス流通路1の上流側へ押圧する操作となっている。
【0032】
ガス流通路1は、その流路断面を円形状とし、ガス栓本体2の軸方向(図1及び図2中X方向)に沿う直線状に設けられており、ガス栓本体2の軸方向とガス流通路1のガス流通方向が同一方向となっている。ガス流通路1は、流路径が変更された複数の流路部位1a〜1fから構成されており、ガス流通方向の上流側(図1及び図2中X方向)から順に、過流出防止弁H2を備えた過流出防止機構H、リセット手段R、スライド弁Gが備えられている。複数の流路部位として、ガス流通方向の上流側から順に、第1流路部位1a、第2流路部位1b、第3流路部位1c、第4流路部位1d、第5流路部位1e、第6流路部位1fが備えられている。第1流路部位1aは、ガス流入口(図示省略)に連通されており、第2流路部位1bは、第1流路部位1aよりも流路径が小さく形成されており、過流出防止機構Hが配置されている。第3流路部位1cは、第2流路部位1bよりも流路径が小さく形成されている。第4流路部位1dは、第3流路部位1cよりも流路径が大きく形成されており、第5流路部位1eは、第4流路部位1dよりも流路径が小さく形成されている。第6流路部位1fは、上流側よりも下流側の方が流路径を小さくする傾斜状に形成されており、ガス栓本体2の先端部に形成されたガス流出口3に連通されている。
【0033】
スライド弁Gは、ガス流通路1における第5流路部位1eを閉弁自在な第1弁体G1と、ガス流通路1における第6流路部位1fを閉弁自在な第2弁体G2と、第1弁体G1と第2弁体G2を支持する支持部材G3とを備えている。支持部材G3は、ガス栓本体2の軸方向に移動自在にガス流通路1に備えられており、第1弁体G1を固定支持しており、第2弁体G2をガス栓本体2の軸方向に移動自在に支持している。支持部材G3の下流側部位には、図5に示すように、その周囲でのガスの流通を許容する切欠部G4が周方向に間隔を隔てて複数備えられている。
【0034】
第1弁体G1は、第4流路部位1dと第5流路部位1eとに亘ってガス栓本体2の軸方向に沿って移動自在に設けられている。第1弁体G1の上流側端部部位の外径が第5流路部位1eの流路径と同一となっており、第1弁体G1が着座する弁座部が第5流路部位1eの内壁部にて構成されている。第1弁体G1は、第5流路部位1eに移動した場合に第5流路部位1eを閉じる閉じ位置に位置し、第4流路部位1dに移動した場合にガス流通を許容する開き位置に位置する。第1弁体G1は、第1付勢部材F1によって閉じ位置に復帰するように付勢されており、ガス接続具100がガス栓本体2から取り外されている場合には、閉じ位置に位置して第5流路部位1eを閉弁している。
【0035】
第2弁体G2は、第5流路部位1eと第6流路部位1fとに亘ってガス栓本体2の軸方向に沿って移動自在に設けられている。第2弁体G2の下流側端部部位の外径が第6流路部位1fの傾斜部位の流路径と同一となっており、第2弁体G2が着座して閉弁する弁座部が第6流路部位1fの傾斜部位にて構成されている。第2弁体G2は、第6流路部位1fに移動した場合に第6流路部位1fを閉じる閉じ位置に位置し、第5流路部位1eに移動した場合にガス流通を許容する開き位置に位置する。第2弁体G2は、第2付勢部材F2によって閉じ位置に復帰するように付勢されており、ガス接続具100がガス栓本体2から取り外されている場合には、閉じ位置に位置して第6流路部位1fを閉弁している。
このようにして、スライド弁Gを構成する第1弁体G1と第2弁体G2の両者は、ガス栓本体2の軸方向に沿って閉じ位置と開き位置との間で移動自在で、ガス流通路1を閉じる閉じ位置に復帰するように付勢されている。
【0036】
ガス栓本体2に対して装着及び取り外し自在なガス接続具100について説明する。このガス接続具100は、既に公知の構成であるので、詳細な説明は省略して簡単に説明する。
ガス接続具100は、第1コイルバネ101により前方側(図1及び図2中X方向の右側)に付勢される突出部材102と、ロック用ボール103と、ロック用ボール103の位置を径方向の内側から規制するとともに、ガス栓本体2の先端部に当接して押圧されて引退する内径部材104と、ガス栓本体2に装着される際にスライド弁Gを押圧する棒状の押圧部105とを備えている。
【0037】
ガス接続具100をガス栓本体2に装着する場合には、図2に示すように、ガス栓本体2の先端部が内径部材104に当接して内径部材104を第2コイルバネ106の付勢力に抗して引退させる。内径部材104の引退によりロック用ボール103が径方向の内側に移動して、ガス栓本体2に形成された嵌込溝2aにロック用ボール103が嵌り込んで、突出部材102が第1コイルバネ101の付勢力により前方側(図2中X方向の右側)に突出する。このように、ガス接続具100のロック用ボール103がガス栓本体2の嵌込溝2aに嵌り込むことで、ガス接続具100がガス栓本体2に外嵌装着される。ガス接続具100がガス栓本体2に装着される際に、ガス接続具100の押圧部105にてスライド弁Gが押圧される。この押圧部105によるスライド弁Gに対する押圧によって、第1弁体G1と第2弁体G2の両者が、ガス栓本体2の軸方向に沿ってガス流通路1の上流側(図2中X方向の右側)に移動して、閉じ位置から開き位置に移動することになり、ガス流通路1が開弁されてガス器具へのガス供給が行われる。
【0038】
ガス接続具100をガス栓本体2から取り外す場合には、突出部材102を第1コイルバネ101の付勢力に抗して押込操作することで、嵌込溝2aへのロック用ボール103の嵌り込みが解除されるので、ガス接続具100をガス栓本体2から取り外すことができる。そして、ガス接続具100をガス栓本体2から取り外すと、スライド弁Gに対する押圧部105による押圧が解除され、第1弁体G1と第2弁体G2の両者が、付勢部材F1,F2の付勢力によって、ガス栓本体2の軸方向に沿ってガス流通路1の下流側(図2中X方向の右側)に移動して、開き位置から閉じ位置に復帰されてガス流通路1が閉弁される。
【0039】
過流出防止機構Hは、ガス流通路1の第2流路部位1bに配置されており、内部にガスを流通する流路が形成された筒状部材H1を備えている。筒状部材H1の内部には、ガス流通を許容する初期位置とガス流通を阻止する作動位置とにガス栓本体2の軸方向に移動自在な過流出防止弁H2と、リセット手段Rからリセット操作としてのガス流通路1の上流側への押圧操作を受ける被操作部材H3(被操作部に相当する)と、過流出防止弁H2及び被操作部材H3をガス栓本体2の軸方向に移動自在に支持する支持部材H4とが備えられている。
【0040】
過流出防止弁H2は、第3付勢部材F3によって、作動位置よりも上流側の初期位置に復帰するように付勢されており、当接部材H5に当接することで初期位置に位置保持されている。そして、過流出防止弁H2は、ガス流量が一定以上の過流量となると、そのガス流量の流動圧によって初期位置から作動位置に移動自在に備えられており、作動位置に移動した過流出防止弁H2が弁座部H6に着座してガス流通を阻止している。
【0041】
支持部材H4は、その内部がガス栓本体2の軸方向に貫通する円筒状に形成されている。支持部材H4の上流側部位は、過流出防止弁H2の軸部H2aに外嵌して、ガス栓本体2の軸方向に移動自在に過流出防止弁H2を支持している。支持部材H4の下流側部位は、被操作部材H3に外嵌して、ガス栓本体2の軸方向に移動自在に被操作部材H3を支持している。
【0042】
被操作部材H3の上流側部位H3aは、ガス栓本体2の軸方向に延びる棒状に形成されており、支持部材H4に内嵌されて、ガス栓本体2の軸方向に移動自在に支持されている。被操作部材H3の下流側部位は、ガス流通路1の流路径方向の中央部に下流側に突出する頭部H3bが備えられた概略円錐状に形成されている。頭部H3bの径方向の外側には、径方向の外側に延びる脚部H3cを備えており、その脚部H3cの先端部が筒状部材H1に形成された係合溝H1aに係合されている。図示は省略するが、脚部H3cは、周方向で間隔を隔てて複数備えられており、脚部H3c同士の間をガスが流通している。被操作部材H3は、第4付勢部材F4によって下流側部位の頭部H3bが筒状部材H1からガス流通路1の下流側に突出する突出位置に復帰するように付勢されており、脚部H3cが係合溝H1aの端部に当接して突出位置に位置保持されている。
【0043】
支持部材H4は、初期位置に位置する過流出防止弁H2と突出位置に位置する被操作部材H3との間に、初期位置から作動位置までの移動量に相当する間隔を隔てる状態で、過流出防止弁H2と被操作部材H3をガス栓本体2の軸方向に移動自在に支持している。これにより、過流出防止機構Hは、突出位置に位置する被操作部材H3がガス流通路1の上流側へ押圧されるリセット操作が解除されている場合に、過流出防止弁H2の初期位置から作動位置への移動を許容している。
一方、一定以上のガス流量の流動圧によって過流出防止弁H2が作動位置に移動すると、作動位置に移動した過流出防止弁H2と突出位置に位置する被操作部材H3とが当接するようになっている。突出位置に位置する被操作部材H3がガス流通路1の上流側へ押圧されるリセット操作を受けた場合には、被操作部材H3と過流出防止弁H2との当接により被操作部材H3と過流出防止弁H2が一体的にガス流通路1の上流側へ移動することになり、過流出防止弁H2の弁座部H6への着座が解除されて、上流側からのガス圧が解除され、第3付勢部材F3の付勢力によって過流出防止弁H2が初期位置に復帰される。このようにして、過流出防止機構Hは、突出位置に位置する被操作部材H3がガス流通路1の上流側へ押圧されるリセット操作を受けた場合に、過流出防止弁H2を初期位置に復帰させている。
【0044】
リセット手段Rは、ガス接続具100のガス栓本体2からの取り外しが行われた場合のガス栓本体2の軸方向でのスライド弁Gの開き位置から閉じ位置への移動途中に、過流出防止弁H2を初期位置に復帰させるために(リセットさせるために)被操作部材H3の頭部H3bをガス流通路1の上流側へ押圧するリセット操作を行い、スライド弁Gの移動終了時には、被操作部材H3の頭部H3bに対するリセット操作を解除するように構成されている。また、リセット手段Rは、ガス接続具100をガス栓本体2に装着する場合のガス栓本体2の軸方向でのスライド弁Gの閉じ位置から開き位置への移動途中に、過流出防止弁H2を初期位置に復帰させるために被操作部材H3の頭部H3bをガス流通路1の上流側へ押圧するリセット操作を行い、スライド弁Gの移動終了時には、被操作部材H3の頭部H3bに対するリセット操作を解除するように構成されている。
【0045】
リセット手段Rは、スライド弁Gである第1弁体G1の上流側端部からガス流通路1の上流側に延びるように第1弁体G1に一体的に形成された押圧操作部R1と、閉じ位置と開き位置との間でのスライド弁Gの移動を、押圧操作部R1を被操作部材H3の頭部H3bに直接当接させて押圧操作部R1にてリセット操作を行わせる押圧操作部R1の動きに変換する運動変換機構R2とを備えている。
押圧操作部R1は、ガス流通路1の上流側に延びてその上流側端部を球面状とし、第1弁体G1に一体形成された突起部にて構成されている。運動変換機構R2は、閉じ位置と開き位置との間でのスライド弁Gの移動途中に押圧操作部R1にてリセット操作を行わせるように、スライド弁Gの移動を押圧操作部R1の動きに変換している。
【0046】
上述の如く、リセット操作は、押圧操作部R1を被操作部材H3の頭部H3bに直接当接させてその頭部H3bをガス流通路1の上流側に押圧する操作である。そこで、図3に示すように、押圧操作部R1を被操作部材H3の頭部H3bに直接当接させて押圧操作部R1にてリセット操作を行わせる第1操作位置(図3(d)参照)と、押圧操作部R1を被操作部材H3の頭部H3bから離間させてリセット操作を解除する第1操作解除位置(図3(b)及び(c))とが、ガス流通路1のガス流通方向に沿う軸心周りでの周方向に異なる位置に設定されている。
【0047】
被操作部材H3の頭部H3bは、ガス流通路1の流路径方向の中央部から端部側に外れた偏心位置に配置されており、第1操作位置は、図3(d)に示すように、偏心位置に配置された頭部H3bに押圧操作部R1を直接当接させる偏心位置となっている。それに対して、第1操作解除位置は、図3(b)及び(c)に示すように、ガス流通路1の軸心周りでの周方向で第1操作位置とは異なる位置であり、押圧操作部R1を被操作部材H3の頭部H3bから離間させる位置となっている。また、図3(a)では、ガス栓本体2の軸方向において、押圧操作部R1を被操作部材H3の頭部H3bから離間させる位置となっている。
【0048】
運動変換機構R2は、図4及び図5に示すように、第1弁体G1と第2弁体G2を支持する支持部材G3の外周に形成された係合案内溝R3と、ガス流通路1の内壁部に形成されて係合案内溝R3に係合された突起状の被係合部R4とを備えている。支持部材G3は、ガス流通路1のガス流通方向に摺動自在にガス流通路1に備えられている。係合案内溝R3は、ガス流通路1の上流側部位がガス流通方向に沿う直線状の直線溝R3aとなっており、その直線溝R2cの下流側端部から下流側に連続する連続部位が傾斜溝R3bとなっている。これにより、スライド弁Gの移動中に被係合部R4が直線溝R3aに係合案内されている場合には、支持部材G3をそのままガス栓本体2の軸方向に沿って移動させて、押圧操作部R1をガス流通路1のガス流通方向に沿って移動させるスライド移動変換状態に切り換えられる。また、スライド弁Gの移動中に被係合部R4が傾斜溝R3bに係合案内されている場合には、ガス流通路1のガス流通方向に沿う軸心周りに支持部材G3を回転させて、押圧操作部R1をガス流通路1のガス流通方向に沿う軸心周りに回転させる回転運動変換状態に切り換えられる。このように、運動変換機構R2は、スライド移動変換状態と回転運動変換状態とに切り換える形態で、スライド弁Gの移動を押圧操作部R1の動きに変換している。
【0049】
運動変換機構R2は、閉じ位置から開き位置へスライド弁Gが移動する場合に、図3(a)の状態から図3(b)の状態になるように、その移動初期にはスライド移動変換状態として、ガス流通方向に沿って上流側に押圧操作部R1を移動させて、その後、スライド移動変換状態から回転運動変換状態に切り換えて、ガス流通路1のガス流通方向に沿う軸心周りに押圧操作部R1を回転させている。そして、運動変換機構R2は、回転運動変換状態に切り換えた状態で、第1操作位置を通過させた後、最終的に第1操作解除位置まで押圧操作部R1を回転させている。
逆に、開き位置から閉じ位置へスライド弁Gが移動する場合に、運動変換機構R2は、その移動初期には、図3(c)の状態から図3(d)の状態になるように、回転運動変換状態として、ガス流通路1のガス流通方向に沿う軸心周りに押圧操作部R1を回転させて、その後、回転運動変換状態からスライド移動変換状態に切り換えて、ガス流通方向に沿って下流側に押圧操作部R1を移動させている。そして、運動変換機構R2は、移動初期の回転運動変換状態において、第1操作解除位置から第1操作位置を通過させて押圧操作部R1を回転させている。
【0050】
以下、図3に基づいて、スライド弁G、過流出防止機構H、リセット手段Rの動きについて説明する。
図3(a)は、ガス接続具100をガス栓本体2から取り外している状態を示している。図3(b)は、ガス接続具100をガス栓本体2に装着した状態を示している。図3(c)は、ガス接続具100をガス栓本体2に装着しているときに、過流出防止弁H2が初期位置から作動位置に移動した状態を示している。図3(d)は、ガス接続具100をガス栓本体2から取り外すことでリセット操作を行う状態を示している
【0051】
図3(a)に示すように、ガス接続具100をガス栓本体2から取り外している場合には、スライド弁Gが閉じ位置に位置しており、ガス流通路1がスライド弁Gにて閉弁されている。このとき、運動変換機構R2は、被係合部R4を係合案内溝R3の上流側端部まで係合案内しており、この係合案内によって、ガス流通方向で被操作部材H3の頭部H3bから離れる位置に押圧操作部R1を位置させている。
【0052】
図3(b)に示すように、ガス接続具100をガス栓本体2に装着すると、ガス接続具100の押圧部105がスライド弁Gをガス流通路1の上流側に押圧して、スライド弁Gが閉じ位置から開き位置に移動してガス流通路1を開弁させる。このとき、運動変換機構R2は、被係合部R4を係合案内溝R3にて係合案内することで、スライド弁Gの移動を押圧操作部R1の移動に変換している。運動変換機構R2は、スライド弁Gの移動初期にスライド移動変換状態として、ガス流通路1のガス流通方向に沿って上流側に押圧操作部R1を移動させて、その後、回転運動変換状態に切り換えて、ガス流通路1のガス流通方向に沿う軸心周りに押圧操作部R1を回転させている。そして、運動変換機構R2は、回転運動変換状態に切り換えた状態で、第1操作位置を通過させた後、最終的に第1操作解除位置まで押圧操作部R1を回転させている。図3(b)は、押圧操作部R1を第1操作解除位置まで回転させた状態を示している。
【0053】
図3(c)に示すように、ガス流量が一定以上の過流量となると、そのガス流量の流動圧によって過流出防止弁H2がガス栓本体2の軸方向に沿ってガス流通路1の下流側に移動して、過流出防止弁H2が初期位置から作動位置へ移動する。これにより、過流出防止弁H2が作動位置に移動することでガス流通が阻止される。
【0054】
図3(d)に示すように、ガス接続具100をガス栓本体2から取り外すと、ガス接続具100の押圧部105によるスライド弁Gに対するガス流通路1の上流側への押圧が解除されて、第1付勢部材F1及び第2付勢部材F2の付勢力によってスライド弁Gが開き位置から閉じ位置に移動する。このとき、運動変換機構R2は、被係合部R4を係合案内溝R3にて係合案内することで、スライド弁Gの移動を押圧操作部R1の移動に変換している。運動変換機構R2は、スライド弁Gの移動初期に回転運動変換状態として、ガス流通路1のガス流通方向に沿う軸心周りに押圧操作部R1を回転させている。ここで、運動変換機構R2は、第1操作解除位置から第1操作位置を通過させて押圧操作部R1を回転させている。その後、運動変換機構R2は、回転運動変換状態からスライド移動変換状態に切り換えて、ガス流通路1のガス流通方向に沿って下流側に押圧操作部R1を移動させている。図3(d)は、押圧操作部R1を第1操作位置に回転させた状態を示している。
【0055】
このように、運動変換機構R2は、スライド弁Gが開き位置から閉じ位置まで移動する場合に、その移動途中で被操作部材H3の頭部H3bに当接させる第1操作位置を通過させ、その移動終了時に被操作部材H3の頭部H3bから離間させる位置まで押圧操作部R1を移動させている。押圧操作部R1が第1操作位置を通過する際に、リセット操作が行われて、過流出防止弁H2を初期位置に復帰させることができるとともに、最終的には押圧操作部R1を被操作部材H3の頭部H3bから離間させる位置に位置させて、リセット操作を解除して、過流出防止弁H2の初期位置から作動位置への移動を許容することができる。
【0056】
運動変換機構R2は、ガス接続具100をガス栓本体2に装着することによって閉じ位置から開き位置にスライド弁Gが移動する場合にも、第1操作位置を通過させる形態で最終的に第1操作解除位置まで押圧操作部R1を移動させるので、ガス接続具100をガス栓本体2から取り外す場合に限らず、ガス接続具100をガス栓本体2に装着する場合にも、リセット操作を行い、その後、リセット操作を解除することができる。
【0057】
ガス接続具100をガス栓本体2に装着する場合には、図3(a)から図3(b)にて示す状態となり、ガス接続具100の押圧部105によってスライド弁Gが閉じ位置から開き位置に移動されるので、このスライド弁Gの移動が行われる場合にも、運動変換機構R2は、スライド移動変換状態から回転運動変換状態に切り換えた状態において、第1操作位置を通過させる形態で最終的に第1操作解除位置まで押圧操作部R1を回転させている。したがって、押圧操作部R1が第1操作位置を通過する場合に、リセット操作を行うことができ、最終的に、押圧操作部R1を第1操作解除位置に位置させて、リセット操作を解除することができる。このように、ガス接続具100のガス栓本体2から取り外しを行った場合、及び、ガス接続具100のガス栓本体2への装着を行った場合の両者において、リセット操作を行うことができるので、過流出防止弁H2の初期位置への復帰を確実に行うことができる。
【0058】
<第2実施形態>
この第2実施形態は、上記第1実施形態において、運動変換機構R2が、スライド弁Gの移動を押圧操作部R1のどのような動きに変換するのかの別実施形態である。その他の構成については、上記第1実施形態と同様であるので、その他の構成については説明を省略し、以下、図6に基づいて、スライド弁Gの移動を押圧操作部R1のどのような動きに変換するのかを中心に説明する。
【0059】
上記第1実施形態では、運動変換機構R2は、被係合部R4を直線状と傾斜状との係合案内溝R3にて係合案内することで、スライド移動変換状態と回転運動変換状態とに切り換える形態で、スライド弁Gの移動を押圧操作部R1の動きに変換している。
【0060】
この第2実施形態では、図6に示すように、係合案内溝R3が全長に亘って傾斜状に形成されている。そして、運動変換機構R2は、被係合部R4を係合案内溝R3にて係合案内することで、スライド弁Gが閉じ位置と開き位置との間で移動する場合に、その移動開始から移動終了までガス流通路1のガス流通方向に沿う軸心周りに押圧操作部R1を回転させる形態で、スライド弁Gの移動を押圧操作部R1の動きに変換している。
【0061】
上記第1実施形態と同様に、押圧操作部R1を被操作部材H3の頭部H3bに直接当接させて押圧操作部R1にてリセット操作を行わせる第2操作位置(図6(d)参照)と、押圧操作部R1を被操作部材H3の頭部H3bから離間させてリセット操作を解除する第2操作解除位置(図6(b)及び(c))とが、ガス流通路1のガス流通方向に沿う軸心周りでの周方向に異なる位置に設定されている。
【0062】
運動変換機構R2は、閉じ位置から開き位置へスライド弁Gが移動する場合に、図6(a)の状態から図6(b)の状態になるように、その移動開始から移動終了まで、ガス流通路1のガス流通方向に沿う軸心周りに押圧操作部R1を回転させて、第2操作位置(図6(d)参照)を通過させたのち第2操作解除位置(図6(b)参照)まで押圧操作部R1を回転させている。
逆に、開き位置から閉じ位置へスライド弁Gが移動する場合に、運動変換機構R2は、図6(c)の状態から図6(d)を経て図6(a)の状態になるように、その移動開始から移動終了まで、ガス流通路1のガス流通方向に沿う軸心周りに押圧操作部R1を回転させて、第1操作解除位置から第1操作位置を通過させて押圧操作部R1を回転させている。
【0063】
以下、図6に基づいて、スライド弁G、過流出防止機構H、リセット手段Rの動きについて説明する。
図6(a)は、ガス接続具100をガス栓本体2から取り外している状態を示している。図6(b)は、ガス接続具100をガス栓本体2に装着した状態を示している。図6(c)は、ガス接続具100をガス栓本体2に装着しているときに、過流出防止弁H2が初期位置から作動位置に移動した状態を示している。図6(d)は、ガス接続具100をガス栓本体2から取り外すことでリセット操作を行う状態を示している
【0064】
図6(a)に示すように、ガス接続具100をガス栓本体2から取り外している場合には、スライド弁Gが閉じ位置に位置しており、ガス流通路1がスライド弁Gにて閉弁されている。このとき、運動変換機構R2は、被係合部R4を係合案内溝R3の上流側端部まで係合案内しており、この係合案内によって、ガス流通方向で被操作部材H3の頭部H3bから離れる位置まで押圧操作部R1を移動させている。
【0065】
図6(b)に示すように、ガス接続具100をガス栓本体2に装着すると、ガス接続具100の押圧部105がスライド弁Gをガス流通路1の上流側に押圧して、スライド弁Gが閉じ位置から開き位置に移動してガス流通路1を開弁させる。このとき、運動変換機構R2は、スライド弁Gの移動に伴って、被係合部R4を係合案内溝R3にて係合案内して押圧操作部R1を回転させている。このスライド弁Gの移動による押圧操作部R1の回転は、その移動開始から移動終了まで、ガス流通路1のガス流通方向に沿う軸心周りに押圧操作部R1を回転させて、第2操作位置(図6(d)参照)を通過させたのち第2操作解除位置(図6(b)参照)まで押圧操作部R1を回転させている。図6(b)は、押圧操作部R1を第2操作解除位置まで回転させた状態を示している。
【0066】
図6(c)に示すように、ガス流量が一定以上の過流量となると、そのガス流量の流動圧によって過流出防止弁H2がガス栓本体2の軸方向に沿ってガス流通路1の下流側に移動して、過流出防止弁H2が初期位置から作動位置へ移動する。これにより、過流出防止弁H2が作動位置に移動することでガス流通が阻止される。
【0067】
図6(d)に示すように、ガス接続具100をガス栓本体2から取り外すと、ガス接続具100の押圧部105によるスライド弁Gに対するガス流通路1の上流側への押圧が解除されて、第1付勢部材F1及び第2付勢部材F2の付勢力によってスライド弁Gが開き位置から閉じ位置に移動する。このとき、運動変換機構R2は、スライド弁Gの移動に伴って、被係合部R4を係合案内溝R3にて係合案内して押圧操作部R1を回転させている。このスライド弁Gの移動による押圧操作部R1の回転は、その移動開始から移動終了まで、ガス流通路1のガス流通方向に沿う軸心周りに押圧操作部R1を回転させて、第2操作解除位置から第2操作位置を通過させたのち、最終的に、図6(a)に示すように、ガス流通方向で被操作部材H3の頭部H3bから離れる位置まで押圧操作部R1を回転させている。図6(d)は、押圧操作部R1を第2操作位置に位置させた状態を示している。
【0068】
運動変換機構R2は、ガス接続具100をガス栓本体2に装着することにより閉じ位置から開き位置にスライド弁Gが移動する場合にも、第2操作位置を通過させる形態で最終的に第2操作解除位置まで押圧操作部R1を移動させるので、ガス接続具100をガス栓本体2から取り外す場合に限らず、ガス接続具100をガス栓本体2に装着する場合にも、リセット操作を行い、その後、リセット操作を解除することができる。
【0069】
ガス接続具100をガス栓本体2に装着する場合には、図6(a)から図6(b)にて示す状態となり、ガス接続具100の押圧部105によってスライド弁Gが閉じ位置から開き位置に移動されるので、このスライド弁Gの移動が行われる場合にも、運動変換機構R2は、第2操作位置を通過させる形態で最終的に第2操作解除位置まで押圧操作部R1を回転させている。したがって、押圧操作部R1が第2操作位置を通過する場合に、リセット操作を行うことができ、最終的に、押圧操作部R1を第2操作解除位置に位置させて、リセット操作を解除することができる。このように、ガス接続具100のガス栓本体2から取り外しを行った場合、及び、ガス接続具100のガス栓本体2への装着を行った場合の両者において、リセット操作を行うことができるので、過流出防止弁H2の初期位置への復帰を確実に行うことができる。
【0070】
<第3実施形態>
この第3実施形態も、上記第2実施形態と同様に、運動変換機構R2が、スライド弁Gの移動を押圧操作部R1のどのような動きに変換するのかの別実施形態である。その他の構成については、上記第1実施形態と同様であるので、その他の構成については説明を省略し、以下、図7及び図8に基づいて、スライド弁Gの移動を押圧操作部R1のどのような動きに変換するのかを中心に説明する。
【0071】
この第3実施形態では、上記第1及び第2実施形態のような係合案内溝R3や被係合部R4は設けられておらず、運動変換機構R2は、スライド弁Gが閉じ位置と開き位置との間で移動する場合に、その移動開始から移動終了までガス流通路1のガス流通方向に沿って押圧操作部R1を移動させる形態で、スライド弁Gの移動を押圧操作部R1の動きに変換している。そして、押圧操作部R1を被操作部材H3の頭部H3bに直接当接させて押圧操作部R1にてリセット操作を行わせる第3操作位置(図8(e)参照)と、押圧操作部R1を被操作部材H3の頭部H3bから離間させてリセット操作を解除する第3操作解除位置(図7(b)及び(c)参照)とが、ガス流通路1のガス流通方向に異なる位置に設定されている。
【0072】
押圧操作部R1が第3操作位置に到達した場合に、その押圧操作部R1が被操作部材H3の頭部H3bに当接してガス流通路1の上流側に押圧するリセット操作を行うので、押圧操作部R1が被操作部材H3の頭部H3bに当接したままであると、その当接により押圧操作部R1の移動が規制され、押圧操作部R1が第3操作解除位置まで到達できなくなる可能性がある。そこで、押圧操作部R1が第3操作位置に到達した場合に、更なるスライド弁Gの移動によって押圧操作部R1がガス流通路1のガス流通方向に沿って移動することを許容する状態で、押圧操作部R1と被操作部材H3の頭部H3bとを当接させる当接部R5が備えられている。
【0073】
当接部R5は、押圧操作部R1の上流側端部部位に形成された第1押圧操作部側当接傾斜面R6aと、被操作部材H3の頭部H3bの下流側端部部位に形成された第1被操作部側当接傾斜面R7aとから構成されている。第1押圧操作部側当接傾斜面R6aは、ガス流通路1の上流側に傾斜する傾斜状に形成されており、第1被操作部側当接傾斜面R7aは、ガス流通路1の下流側に傾斜する傾斜状に形成されている。
閉じ位置から開き位置へスライド弁Gが移動する場合に、図8(e)に示すように、押圧操作部R1が第3操作位置に到達すると、押圧操作部R1の第1押圧操作部側当接傾斜面R6aが頭部H3bの第1被操作部側当接傾斜面R7aに当接することで、頭部H3bをガス流通路1の上流側へ押圧するリセット操作を行いながら、更なるスライド弁Gの移動によって第3操作位置からそれよりも上流側への押圧操作部R1の移動を許容している。ここで、被操作部材H3は、多少の揺動を許容する状態で支持部材H4に支持されており、押圧操作部R1の第1押圧操作部側当接傾斜面R6aが頭部H3bの第1被操作部側当接傾斜面R7aに当接することに加え、被操作部材H3が揺動することで、押圧操作部R1が第3操作位置からそれよりも上流側へ移動している。
【0074】
押圧操作部R1の上流側端部部位には、第1押圧操作部側当接傾斜面R6aの下流側に隣接して下流側に傾斜する第2押圧操作部側当接傾斜面R6bが形成されている。被操作部材H3の頭部H3bにも、第1被操作部側当接傾斜面R7aの上流側に隣接して上流側に傾斜する第2被操作部側当接傾斜面R7bが形成されている。
図示は省略するが、開き位置から閉じ位置からにスライド弁Gが移動する場合に、押圧操作部R1の第2押圧操作部側当接傾斜面R6bが頭部H3bの第2被操作部側当接傾斜面R7bに当接して、更なるスライド弁Gの下流側への移動によって押圧操作部R1が頭部H3bよりも下流側に移動するのを許容している。ここで、第1押圧操作部側当接傾斜面R6aは第2押圧操作部側当接傾斜面R6bよりも長く形成されており、第1被操作部側当接傾斜面R7aも第2被操作部側当接傾斜面R7bよりも長く形成されている。これにより、第1押圧操作部側当接傾斜面R6aが第1被操作部側当接傾斜面R7aに当接している間にリセット操作を確実に行うことができながら、第2押圧操作部側当接傾斜面R6bが第2被操作部側当接傾斜面R7bに当接していることで、スライド弁Gの移動の妨げにならないようにしている。
【0075】
以下、図7及び図8に基づいて、スライド弁G、過流出防止機構H、リセット手段Rの動きについて説明する。
図7(a)は、ガス接続具100をガス栓本体2から取り外している状態を示している。図7(b)は、ガス接続具100をガス栓本体2に装着した状態を示している。図7(c)は、ガス接続具100をガス栓本体2に装着しているときに、過流出防止弁H2が初期位置から作動位置に移動した状態を示している。図7(d)は、ガス接続具100をガス栓本体2から取り外した状態を示している。図8(e)は、ガス接続具100をガス栓本体2に装着してリセット操作を行った状態を示している。
【0076】
図7(a)に示すように、ガス接続具100をガス栓本体2から取り外している場合には、スライド弁Gが閉じ位置に位置しており、ガス流通路1がスライド弁Gにて閉弁されている。このとき、押圧操作部R1は、スライド弁Gが閉じ位置に位置することで、ガス流通方向で被操作部材H3の頭部H3bから離れた位置に位置している。
【0077】
図7(b)に示すように、ガス接続具100をガス栓本体2に装着すると、ガス接続具100の押圧部105がスライド弁Gをガス流通路1の上流側に押圧して、スライド弁Gが閉じ位置から開き位置に移動してガス流通路1を開弁させる。このとき、押圧操作部R1は、スライド弁Gの移動に伴ってスライド弁Gと一体的にガス流通方向に沿って上流側に移動している。第3操作位置に到達すると押圧操作部R1の第1押圧操作部側当接傾斜面R6aが頭部H3bの第1被操作部側当接傾斜面R7aに当接し、更なるスライド弁Gの移動によって第3操作位置からそれよりも上流側の第3操作解除位置へ押圧操作部R1が移動している。図7(b)は、押圧操作部R1が操作位置よりも上流側の第3操作解除位置まで移動した状態を示している。
【0078】
図7(c)に示すように、ガス流量が一定以上の過流量となると、そのガス流量の流動圧によって過流出防止弁H2がガス栓本体2の軸方向に沿ってガス流通路1の下流側に移動して、過流出防止弁H2が初期位置から作動位置へ移動する。これにより、過流出防止弁H2が作動位置に移動することでガス流通が阻止される。
【0079】
図7(d)に示すように、ガス接続具100をガス栓本体2から取り外すと、ガス接続具100の押圧部105によるスライド弁Gに対するガス流通路1の上流側への押圧が解除されて、第1付勢部材F1及び第2付勢部材F2の付勢力によってスライド弁Gが開き位置から閉じ位置に移動する。このとき、スライド弁Gの移動に伴って押圧操作部R1もガス流通方向に沿って下流側に移動するが、押圧操作部R1の第2押圧操作部側当接傾斜面R6bが頭部H3bの第2被操作部側当接傾斜面R7bに当接して、更なるスライド弁Gの下流側への移動によって、最終的に、押圧操作部R1は、図7(a)にて示すように、ガス流通方向で被操作部材H3の頭部H3bから離れた位置まで移動する。
【0080】
再度、ガス接続具100をガス栓本体2に装着すると、図8(e)に示すように、ガス接続具100の押圧部105がスライド弁Gをガス流通路1の上流側に押圧して、スライド弁Gが閉じ位置から開き位置に移動してガス流通路1を開弁させる。このとき、押圧操作部R1は、スライド弁Gの移動に伴ってスライド弁Gと一体的にガス流通方向に沿って移動する。押圧操作部R1が、第3操作位置に到達すると押圧操作部R1の第1押圧操作部側当接傾斜面R6aが頭部H3bの第1被操作部側当接傾斜面R7aに当接し、押圧操作部R1が頭部H3bに直接当接してリセット操作を行う。このリセット操作によって、過流出防止弁H2が初期位置に復帰される。そして、第1押圧操作部側当接傾斜面R6aと第1被操作部側当接傾斜面R7aとの当接によって、更なるスライド弁Gの移動によって第3操作位置からそれよりも上流側の第3操作解除位置へ押圧操作部R1が移動しており、最終的に、図7(b)に示すように、スライド弁Gの移動終了時には第3操作解除位置まで押圧操作部R1が移動される。
【0081】
<第4実施形態>
これまで説明してきた実施の形態では、本発明に係るガス栓を、ガス栓本体2に対するガス接続具100の装着及び取り外しに伴ってスライド弁Gを閉じ位置と開き位置との間で移動させてガス器具へのガスの供給と停止との切り替えを行う所謂ガスコンセントとして構成したが、以下に、本発明に係るガス栓を、操作部に対する手動操作に伴ってスライド弁を閉じ位置と開き位置との間で移動させてガス器具へのガスの供給と停止との切り替えを行う、所謂ツマミ付きガス栓として構成した実施形態について、図10〜図16に基づいて説明する。尚、これまで説明してきた実施形態と同様の構成については、説明を割愛する場合がある。
【0082】
本実施形態のつまみ付きガス栓として構成されたガス栓は、図10及び図11に示すように、弁収容部5と、当該弁収容部5に対して夫々が開口するガス流入路1A及びガス流出路1Bが、内部に形成されたガス栓本体2と、弁収容部5に収容され、ガス流入路1Aとガス流出路1Bとの間の開閉を行う弁機構部Aと、操作部11に対する操作に伴って弁機構部Aを開閉させる操作機構部Bとを備えている。
以下、ガス栓本体2、弁機構部A、及び操作機構部Bの詳細構成について、順次説明する。
【0083】
〔ガス栓本体〕
ガス流入路1A及びガス流出路1Bの夫々は、互いの軸線X、Yを直角に交差する状態でガス栓本体2の内部に配置された円形断面を有する流路である。具体的には、ガス流入路1Aの軸線Xを上下方向に配置すると共に、ガス流出路1Bの軸線Yを横向きに配置することで、本実施形態のガス栓は所謂L型のガス栓として構成されている。このように構成されたL型のガス栓は、下から上に向けてガス栓本体2に流入したガスgを横向きに吐出して、側方に配置されたガス機器(図示せず)等に供給する。尚、本実施形態においてガス栓を上記L型のガス栓として構成するのではなく、例えば、ガス流出路1Bを斜め下向きに設けるなど、ガス流入路1Aとガス流出路1Bとの交差角度は適宜改変可能である。
また、弁収容部5は、ガス流入路1Aの上方延長上にガス栓本体2の内部に形成された円形断面を有する空間であり、弁収容部5の下方にはガス流入路1Aが開口し、弁収容部5の側方にはガス流出路1Bが開口することになる。
【0084】
〔弁機構部〕
ガス流入路1A及びガス流出路1Bの何れか一方の特定ガス流通路をガス流入路1Aとし、同特定ガス流通路の軸線である特定軸線をガス流入路1Aの軸線Xとすると、弁機構部Aは、当該特定ガス流通路であるガス流入路1Aの弁収容部5に対する開口部1Aaに形成された弁座部6と、同特定軸線である軸線Xに沿ってスライドして弁座部6に対して着座して当該開口部1Aaを閉塞する閉じ位置と、軸線Xに沿ってスライドして弁座部6に対して離間して当該開口部1Aaを開放する開き位置との間で変位するスライド弁G'とを有して構成されている。
即ち、スライド弁G'は、上下方向に配置されたガス流入路1Aの軸線Xに沿って、上下方向にスライドする。そして、そのスライド範囲の下端位置が、スライド弁G'が弁座部6に着座して開口部1Aaを閉塞する閉じ位置であり、同範囲の上端位置が、スライド弁G'が弁座部6に対して離間して当該開口部1Aaを開放する開き位置となる。よって、本実施形態において、閉じ位置側とは下方側を示し、開き位置側とは上方側を示すことになる。
尚、当該第4実施形態にあっては、第1弁体G1にはガスの流通を許容する第1切欠部G4及び第2切欠部G5を設けてあり、ガス流通路1において第1弁体G1の上流側と下流側との間で常にガスの流通を許容するように構成してある。
ここで、図13及び図14にはスライド弁G'が閉じ位置にある状態が示されており、図10及び図12にはスライド弁G'が開き位置にある状態が示されている。
【0085】
〔操作機構部〕
操作機構部Bは、操作者による操作部11に対する下向きの押圧操作をスライド弁G'に伝達させて当該スライド弁G'と共にスライド可能なスライド部Cと、スライド部Cを軸線Xに沿って閉じ位置側から開き位置側に向かう上向きに付勢する軸線付勢手段Dと、スライド部Cのスライドをガイドするガイド部20とからなる。
操作部11は、ガス流入路1Aの軸線Xと同軸上に配置されガス栓本体2の上部を覆う逆カップ状の操作ボタン10の上底部の上面として設けられている。
また、操作ボタン10は、軸線Xに沿って上下方向にスライド可能に設けられており、更に操作ボタン10の上底部の下面とガス栓本体2の上面との間には、ガス栓本体2に対し操作ボタン10を上向きに付勢するコイルバネ13が介挿されている。
尚、このコイルバネ13は、巻線部分が隣接間において互いに離間している通常のコイルバネが利用されており、軸線Xに沿って圧縮力を受けることで同軸線Xに沿って膨張力を発生する。
【0086】
スライド部Cは、軸線X周りに回転自在に設けられたガイドピン18と、当該ガイドピン18を軸線X周りの方向に付勢する回転付勢手段Eとを有して構成されている。
ガイドピン18は、軸線Xと同軸上に配置され当該軸線Xに沿ってスライド可能な円柱状の軸部材17の外表面において、軸部材17の円形断面の径外方向に向けて突出形成されている。
一方、回転付勢手段Eは、操作ボタン10における上底部の下面に一端部が固定され、上記軸部材17の上面に他端部が固定されて、ガス流入路1Aの軸線Xと同軸上に配置されたねじりコイルバネ15で構成されている。
尚、このねじりコイルバネ15は、巻線部分が隣接間において互いに密着しているコイルバネであり、ある回転方向にねじりモーメントを受けることで当該回転方向とは逆の回転方向(図10における右方向)に反発力を発生する。更に、かかるねじりコイルバネ15は、巻線部分が隣接間において互いに密着していることで、一端側から受けた操作部11の軸線Xに沿った下方向の押圧力を、他端側の軸部材17に伝達することができる。
ねじりコイルバネ15の両端部には、突起部16が設けられており、突起部16を含む巻線部分が、操作ボタン10における上底部の下面に形成された溝部12、及び軸部材17の上面に形成された溝部19に嵌め込まれることで、ねじりコイルバネ15の両端が操作ボタン10及び軸部材17に固定されている。
【0087】
軸線付勢手段Dは、巻線部分が隣接間において互いに離間している通常のコイルバネ24からなり、軸線Xに沿って圧縮力を受けることで同軸線Xに沿って膨張力を発生する。
このコイルバネ24は、スライド弁G'の下面と、弁収容部5の下方に設けられた筒状部材H1の上面との間に軸線Xに沿って圧縮状態で介挿されており、筒状部材H1の上面に対してスライド弁G'を上向きに付勢する形態で、スライド弁G'とスライド部Cとを軸線Xに沿って閉じ位置側から開き位置側に向かう上向きに付勢する。
【0088】
ガイド部20は、ガイドピン18が挿入されて当該ガイドピン18の軸線X上のスライド及び軸線X周りの回転を誘導するガイド溝22を外表面に形成した筒状部材21で構成されている。
更に、このガイド溝22には、操作部11に押圧力を付加してスライド弁G'を開き位置から閉じ位置まで変位させるときにガイドピン18をねじりコイルバネ15の付勢力に抗して回転させる回転誘導部22a、22bと、続いて当該押圧力を抜いたときにスライド弁G'を閉じ位置に維持する状態でコイルバネ24及びねじりコイルバネ15により付勢されるガイドピン18が係止する係止部22cとが形成されている。
そして、このような構成により、本実施形態のガス栓は、詳細については後述するが、操作部11に対する一の押圧操作により閉栓動作が行われ、それに続く操作部11に対する一の押圧操作により開栓動作が行われる所謂プッシュプッシュ式の開閉動作を実現している。
【0089】
図15(a)に示すように、このガイド溝22において、回転誘導部22a、22bの閉じ位置側の端部が、ねじりコイルバネ15の軸線X周りの付勢力に抗する回転方向において係止部22cより回転奥側(例えば図15(a)において左側)に位置する。回転誘導部22a、22bの閉じ位置側の端部から係止部22cにかけて、ガイド溝22がコイルバネ24の軸線Xに沿った付勢方向側(即ち上方側)に膨出してなる膨出部22dが形成されている。
よって、ガイドピン18が、その膨出部22dを介して、回転誘導部22a、22bの閉じ位置側の端部から係止部22cに向けてガイド溝22の上辺に沿って直接的に移動可能となり、係止部22cに適切に係止されるようになる。尚、この膨出部22dの形状等は適宜変更可能であり、また、膨出部22dを省略して、閉じ位置側回転誘導部22bの途中に上方に切れ込む係止部22cを形成し、閉じ位置側の端部にガイドピン18がある状態で操作部11に付加する押圧力f11を取り除いたときに、ガイドピン18が閉じ位置側回転誘導部22bを若干逆行しその途中にある係止部22cに係止されるように構成しても構わない。
【0090】
この回転誘導部22a、22bは、軸線X周りの方向において係止部22cよりも閉じ位置側に配置された閉じ位置側回転誘導部22bと係止部22cよりも開き位置側に配置された開き位置側回転誘導部22aとからなる。
更に、ガス流入路1Aの軸線Xの直交面をSとすると、閉じ位置側回転誘導部22bにおける直交面Sに対するガイド溝22のリード角αbが、開き位置側回転誘導部22aの同リード角αaよりも小さく設定されている。
即ち、閉栓動作において、操作部11に押圧力が付加され回転誘導部22a、22bに沿って誘導されるガイドピン18は、開き位置側から係止部22cが形成された位置までの間は開き位置側回転誘導部22aに沿って変位し、その係止部22cが形成された位置からそれよりも回転奥側に形成された閉じ位置側の端部までの間は閉じ位置側回転誘導部22bに沿って変位することになる。
そして、閉じ位置側回転誘導部22bのリード角αbが、開き位置側回転誘導部22aのリード角αaよりも小さいので、ねじりコイルバネ15の付勢力に抗してガイドピン18を閉じ位置側回転誘導部22bに沿って変位させるために必要な操作部11に対する押圧力は、開き位置側回転誘導部22aに沿って変位させるときよりも大きくなる。
以下、ガイド溝22の詳細構成について、本実施形態のガス栓の開閉動作時におけるガイド溝22におけるガイドピン18の遷移状態とあわせて、図15及び図16等に基づいて説明する。尚、図15及び図16において、ガイド溝22は、筒状部材21の外周面を平面に展開したときの状態で示されている。
【0091】
〔閉栓動作時〕
先ず、本実施形態のガス栓の閉栓動作時のガイド溝22におけるガイドピン18の位置の遷移状態について、図15等に基づいて説明する。
スライド弁G'が開き位置にあって開栓しているとき(図10参照)には、ガイドピン18は、図15(a)に示すように、ガイド溝22において回転誘導部22aの開き位置側の端部(図15(a)において右上端部)に位置している。
次に、操作部11に押圧力f11を付加し、その押圧力f11がスライド部Cに伝達されると、スライド部Cに設けられたガイドピン18は、図15(b)に示すように、ガイド溝22において開き位置側回転誘導部22aと閉じ位置側回転誘導部22bとの境界部に移動する。
この移動の際に、ガイドピン18は、コイルバネ24による軸線Xに沿った閉じ位置側から開き位置側へ向かう上向きの付勢力fdに抗して開き位置側から閉じ位置側へ向かう下向きに変位すると共に、ねじりコイルバネ15による軸線X周りの方向への付勢力feに抗して回転することになる。
即ち、開き位置側回転誘導部22aと閉じ位置側回転誘導部22bとの境界部に位置するガイドピン18には、図15(b)において、上向きの付勢力fdと右向きの付勢力feとが付加された状態となっている。
【0092】
更に、操作部11に比較的大きい押圧力f11を付加すると、ガイドピン18は、図15(c)に示すように、ガイド溝22において閉じ位置側回転誘導部22bの回転奥側(図15(c)の左側)の端部に移動し、それに伴ってスライド弁G'は閉じ位置(図13参照)に変位する。
この移動の際においても、ガイドピン18は、コイルバネ24による上向きの付勢力fdとねじりコイルバネ15による右向きの付勢力feに抗して左下方向に移動することになり、移動後のガイドピン18には、上向きの付勢力fdと右向きの付勢力feとが付加された状態となっている。
尚、これら付勢力fd、feは、ガイドピン18の左下方向への変位量が増加するに伴って増加するが、説明を簡単にするためにそれらの符号は同じものを使用する。
【0093】
次に、上記のように操作部11に対して付加していた押圧力f11を取り除くと、図15(d)に示すように、コイルバネ24による上向きの付勢力fdとねじりコイルバネ15による右向きの付勢力feによって、ガイドピン18は、膨出部22dに沿って右上方向にある係止部22cに当接する位置まで移動する。
そして、係止部22cのガイドピン18が当接する壁面の角度が、付勢力fd、feの合力が付加されているガイドピン18が回転誘導部22a、22b側に変位することを防止する角度に設定されているので、当該ガイドピン18の位置は係止部22cに係止された状態で保たれることになり、結果、図14に示すように、スライド弁G'が閉じ位置で維持されて、閉栓動作が完了する。
【0094】
〔開栓動作時〕
次に、本実施形態のガス栓の開栓動作時のガイド溝22におけるガイドピン18の位置の遷移状態について、図16等に基づいて説明する。
スライド弁G'が閉じ位置にあって閉栓しているとき(図14参照)には、ガイドピン18は、図16(a)に示すように、係止部22cに係止される位置にある。
次に、操作部11に比較的小さな押圧力f11'を付加し、その押圧力f11'がスライド部Cに伝達されると、スライド部Cに設けられたガイドピン18は、図16(b)に示すように、付勢力fd、feに抗して左下向きに若干変位することで、係止部22cにおける係止が解除された位置に変位する。
この際に、操作部11に付加される押圧力f11'は、上述した閉栓動作時に付加した押圧力f11よりも小さなものとなっているため、ガイドピン18は、例えば閉じ位置側回転誘導部22bに沿って閉じ位置側に変位することはない。
更に、閉じ位置側回転誘導部22bのリード角αbが開き位置側回転誘導部22aのリード角αaよりも小さく、ねじりコイルバネ15の付勢力feに抗してガイドピン18を閉じ位置側回転誘導部22bに沿って閉じ位置側へ変位させるためには比較的大きな押圧力が必要となるので、その押圧力よりも小さな押圧力f11'で操作部11を押圧した場合には、ガイドピン18が閉じ位置側回転誘導部22bに沿って回転奥側に変位することはない。
【0095】
次に、上記のように操作部11に対し付加されていた押圧力f11'を取り除くと、図16(c)に示すように、コイルバネ24による上向きの付勢力fdとねじりコイルバネ15による右向きの付勢力feによって、ガイドピン18は、開き位置側回転誘導部22aに沿って右上方向に移動し、結果、図10に示すように、それに伴ってスライド弁G'が閉じ位置から開き位置まで変位して、開栓動作が完了する。
尚、本実施形態では、ガイド溝22の回転誘導部を開き位置側回転誘導部22aと閉じ位置側回転誘導部22bとで構成したが、当該回転誘導部を一様のもので構成しても構わない。また、回転誘導部22a、22bのリード角αa、αbについては、一様のものとせずに、例えば開き位置側から閉じ位置側にかけて徐々に減少させるなど、適宜改変可能である。
【0096】
〔リセット手段〕
本実施形態のガス栓は、一定以上の流量のガスgが流れると当該ガス供給を遮断するために、図10に示すように、特定ガス流通路としてのガス流入路1Aには、過流出防止弁H2を備えた過流出防止機構Hが設けられており、更に、閉じ位置と開き位置との間でのスライド弁G'の移動により過流出防止弁H2をリセットさせるリセット操作を行うリセット手段Rが設けられている。
ここで、過流出防止弁H2及びリセット手段Rの構成については、上記第1実施形態と同様の構成を採用しているため詳細な説明は割愛するが、当該実施形態においては、リセット手段Rは、第1弁体G1の上流側端部からガス流通路1の上流側に伸びるように第1弁体G1に一体的に形成された押圧操作部R1と、閉じ位置と開き位置との間でのスライド弁G’の移動を、押圧操作部R1を被操作部材H3の頭部H3bに直接当接させて押圧操作部R1にリセット操作を行わせる押圧操作部R1の動きに変換する運動変換機構R2とから成り、スライド弁G’の移動に伴って、この押圧操作部R1が被操作部材H3の頭部H3bに当接する形態で、リセット操作が行われる。即ち、スライド弁G'が開き位置にあるときに過流出防止弁H2が作動位置に移動することでガス流通が阻止された状態(図12参照)で、スライド弁G'の閉じ位置と開き位置との間の移動途中(図12と図13との間)には、押圧操作部R1が被操作部材H3の頭部H3bに押圧させて頭部H3bに対してリセット操作を行う操作位置を通過し、スライド弁G'の移動終了時(図14)には、押圧操作部R1がリセット操作を解除する操作解除位置まで移動する。これにより、過流出防止弁H2の弁座部H6への着座が解除されて、第3付勢部材F3の付勢力によって過流出防止弁H2が初期位置に復帰される形態で、リセット操作が行われる。
【0097】
<別実施形態>
(1)上記第1〜第4実施形態では、過流出防止機構Hが、過流出防止弁H2とは別に、被操作部材H3を備えているが、例えば、過流出防止弁H2が作動位置に移動した場合に過流出防止弁H2の軸部をガス流通路1の下流側に突出させるとともに、その突出した過流出防止弁H2の軸部を被操作部として、その過流出防止弁H2の軸部に対してリセット操作を行うようにすることもできる。
【0098】
(2)上記第1〜第3実施形態では、ガス流通路1を構成する複数の流路部位の全てについてその中心軸を同一として、ガス流通路1を一直線状に設けているが、例えば、図9に示すように、ガス流通路1の上流側部位を構成する流路部位とガス流通路1の中間部位を構成する流路部位とガス流通路1の下流側部位を構成する流路部位とでその中心軸を流路径方向にずらした直線状のガス流通路1を形成することもできる。このように、ガス流通路1をガス栓本体2の軸方向に沿う直線状に設けるとは、上記第1〜第3実施形態の如く、一直線とするものに限らず、図9に示すように、流路径方向にずらした流路部位から構成されるものも含まれるものとする。そして、図9に示すものでも、上記第1〜第3実施形態と同様に、ガス栓本体2自体は直線状に設けることができ、ガス栓本体2をコンパクトに構成することができる。
図9は、上記第1実施形態を示す図1について、流路径方向にずらした直線状のガス流通路1を形成した場合の例を示している。図示は省略するが、上記第2実施形態を示す図6、及び、上記第3実施形態を示す図7についても、流路径方向にずらした直線状のガス流通路1を形成して実施することができる。
【0099】
(3)上記つまみ付きガス栓の実施形態では、図3に対応する実施形態のリセット手段Rを備えた例を示したが、これに限らず、図6〜9に対応する実施形態のリセット手段Rを備えても、本願の目的を達成することができる。
【0100】
(4)これまで説明した実施形態では、スライド弁Gの外面がガス流通路1の内面に着座してガス流通路1を閉止する例を示したが、例えば、ガス流通路1の内面にシール部材を設け、当該シール部材にスライド弁Gが着座する形態で、ガス流通路1を閉止するようにしても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明は、ガス流通路が内部に形成された筒状のガス栓本体に、閉じ位置と開き位置との間で前記ガス栓本体の軸方向に移動自在なスライド弁と、前記ガス流通路のガス流通方向で前記スライド弁よりも上流側に配置された過流出防止弁と、前記ガス流通方向で前記スライド弁と前記過流出防止弁との間に配置されて、前記閉じ位置と前記開き位置との間での前記スライド弁の移動により前記過流出防止弁をリセットさせるリセット操作を行うリセット手段とが備えられ、リセット手段の構成の簡素化及び部材点数の減少を図り、リセット手段によるリセット操作及びリセット操作の解除を行うことができる各種のガス栓に適応することができる。
【符号の説明】
【0102】
1 ガス流通路
2 ガス栓本体
G スライド弁
G3 支持部材
H2 過流出防止弁
H3 被操作部材(被操作部)
R リセット手段
R1 押圧操作部
R2 運動変換機構
R3 係合案内溝
R4 被係合部
R5 当接部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス流通路が内部に形成された筒状のガス栓本体に、閉じ位置と開き位置との間で前記ガス栓本体の軸方向に移動自在なスライド弁と、前記ガス流通路のガス流通方向で前記スライド弁よりも上流側に配置された過流出防止弁と、前記ガス流通方向で前記スライド弁と前記過流出防止弁との間に配置されて、前記閉じ位置と前記開き位置との間での前記スライド弁の移動により前記過流出防止弁をリセットさせるリセット操作を行うリセット手段とが備えられているガス栓に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のようなガス栓としてのガスコンセントは、ガス管が接続されたガス接続具をガス栓本体に装着することで、ガス接続具に備えられた押圧部にてスライド弁を閉じ位置からガス流通路の上流側に押圧してガス流通路を開弁してガス接続具に接続されたガス器具へのガス供給を行う。スライド弁は、付勢部材により閉じ位置に復帰するように付勢されているので、ガス接続具をガス栓本体から取り外すことで、スライド弁に対する押圧部による押圧が解除されて、付勢部材の付勢力によりスライド弁が閉じ位置に復帰してガス器具へのガス供給が停止される。
【0003】
このようなガス栓では、ガス接続具に接続されたガス管が破れる等により一定以上の流量のガスが流れることがあるので、このような場合に、ガス供給を停止する必要がある。そこで、従来、ガス流通路のガス流量が一定以上となると、その一定以上のガス流量の流動圧により、初期位置からガス流通路を閉じる作動位置に移動する過流出防止弁が備えられている。
過流出防止弁が作動位置に移動することでガス流通を阻止しているが、ガス器具へのガス供給を再開させるためには、過流出防止弁を作動位置から初期位置に復帰させることが必要である。そこで、使用者によってガス接続具をガス栓本体から取り外すという動作が行われることで、過流出防止弁における被操作部をガス流通路の上流側へ押圧するリセット操作を行うリセット手段を備えており、リセット手段によるリセット操作によって過流出防止弁を作動位置から初期位置に復帰させるようにしている(例えば、特許文献1、2参照。)。
リセット手段は、ガス接続具のガス栓本体からの取り外しによりリセット操作を行うだけでなく、ガス接続具がガス栓本体に装着されている場合には、リセット操作を解除しておき、過流出防止弁の初期位置から作動位置への移動を許容しておくことが必要である。
【0004】
特許文献1に記載のガス栓では、リセット手段が、ガス流通路のガス流通方向に直交する流路径方向に沿う軸心周りに揺動自在なL字状の第1レバーと第2レバーとを備えている。第1レバーは、ガス栓本体にガス接続具が装着された場合に、スライド弁の上流側端部に備えられた押し用突部によってガス流通路の上流側に押圧されて、第2レバーの揺動を規制する規制位置からガス流通路の上流側に揺動されて第2レバーの揺動を許容している。第2レバーは、作動位置に移動することでガス流通路の下流側に突出された過流出防止弁の軸部をガス流通路の上流側へ押圧する側に揺動するように付勢手段により付勢されている。ガス栓本体にガス接続具が装着されている場合には、第1レバーによって第2レバーの揺動を規制することで、過流出防止弁の軸部がガス流通路の下流側へ突出する突出代を確保して、過流出防止弁の軸部をガス流通路の上流側に押圧するリセット操作を解除している。このようにリセット操作を解除することで、過流出防止弁が初期位置から作動位置へ移動できることになる。ガス栓本体からガス接続具が取り外された場合には、押し用突部が第1レバーを押圧してガス流通路の上流側に揺動させることで第2レバーを付勢力により揺動させ、過流出防止弁の軸部をガス流通路の上流側に押圧するリセッ
ト操作を行い、過流出防止弁を作動位置から初期位置に復帰させている。
【0005】
特許文献2に記載のガス栓では、過流出防止弁における被操作部がガス栓本体の軸方向に移動自在に備えられ、被操作部がガス流通路の上流側へ押圧するリセット操作を受けることで、作動位置に位置する過流出防止弁を初期位置に復帰させるように構成されている。リセット手段は、スライド弁の上流側端部に設けられたオーム記号状の板バネと、ガス栓本体の軸方向に移動自在に支持されたピンとを備えている。ガス接続具をガス栓本体に装着した場合に、閉じ位置からガス流通路の上流側へスライド弁が移動すると、スライド弁と板バネとが一体的に移動して板バネの両端部がピンに当接してピンを上流側に押圧移動させ、そのピンの押圧移動によってピンにて被操作部をガス流通路の上流側へ押圧するリセット操作を行っている。そして、更にスライド弁がガス流通路の上流側へ移動することで、板バネの両端部が拡径されてその両端部の間にピンが嵌り込んで板バネとピンとの当接が解除されて、リセット操作が解除されている。
【0006】
一方、上記のようなガス栓として、ガス栓本体へのガス接続具の装着とは関係なく、操作つまみ等の操作部に対する回転操作に伴って開閉弁である回動弁を回転させて開閉を行ってガスの供給及び停止を切り替える所謂回転式のガス栓(例えば、特許文献3を参照。)などが知られている。また、ガスコンロ等に内蔵されガス流入路とガス流出路との間の開閉を行ってガスの供給及び停止を切り替える開閉弁として、操作ボタン等の操作部に対する押圧操作に伴って開閉弁であるスライド弁をスライドさせて開閉を行う所謂プッシュプッシュ式の開閉弁(例えば、特許文献4を参照。)などが知られており、上記ガス栓についても、この開閉弁と同様にプッシュプッシュ式に構成することが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開平3−65071号公報
【特許文献2】特開平10−169812号公報
【特許文献3】特公平02−021660号公報
【特許文献4】特開平02−154918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献1に記載のガス栓では、スライド弁と過流出防止弁の軸部との間に、押し用突部に加え、第1レバーと第2レバーとの2つの揺動部材を備えることで、リセット操作及びリセット操作の解除を行うようにしている。また、上記特許文献2に記載のガス栓においても、スライド弁と過流出防止弁における被操作部との間に、板バネに加え、ガス栓本体の軸方向に移動自在なピンを備えることで、リセット操作及びリセット操作の解除を行うようにしている。このように、上記特許文献1、2に記載のガス栓では、押し用突部や板バネにて被操作部に対してリセット操作を行うのではなく、押し用突部や板バネと被操作部との間に、別の部材を備えなければならず、構成の複雑化及び部材点数の増加を招いている。しかも、上記特許文献1、2に記載のガス栓では、スライド弁の移動に伴う動きを別の部材を介して過流出防止弁の軸部や被操作部に伝達してリセット操作及びリセット操作の解除を行うようにしており、別の部材を介するが故に、スライド弁の移動に伴う動きを確実に過流出防止弁の軸部や被操作部へ伝達し難いものとなっており、リセット操作及びリセット操作の解除を確実に行えない可能性があった。また、スライド弁の移動に伴う動きを確実に被操作部へ伝達しようとすると、別の部材の配置位置等を精度よく調整しなければならない、或いは、別の部材を精度よく製作しなければならない等の問題も生じるものとなっていた。
【0009】
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、リセット手段の構成の簡素化及び部材点数の減少を図り、リセット手段によるリセット操作及びリセット操作の解除を行うことができるガス栓を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明のガス栓は、
ガス流通路が内部に形成された筒状のガス栓本体に、閉じ位置と開き位置との間で前記ガス栓本体の軸方向に移動自在なスライド弁と、前記ガス流通路のガス流通方向で前記スライド弁よりも上流側に配置された過流出防止弁と、前記ガス流通方向で前記スライド弁と前記過流出防止弁との間に配置されて、前記閉じ位置と前記開き位置との間での前記スライド弁の移動により前記過流出防止弁をリセットさせるリセット操作を行うリセット手段とが備えられているガス栓であって、その特徴構成は
前記リセット操作は、前記過流出防止弁における被操作部を前記ガス流通路の上流側へ押圧する操作であり、前記リセット手段は、前記スライド弁の上流側端部から前記ガス流通路の上流側に延びるように前記スライド弁に一体的に形成された押圧操作部と、前記閉じ位置と前記開き位置との間での前記スライド弁の移動を、前記押圧操作部を前記被操作部に直接当接させて前記押圧操作部にて前記リセット操作を行わせる前記押圧操作部の動きに変換する運動変換機構とを備えている点にある。
【0011】
本特徴構成によれば、スライド弁が閉じ位置と開き位置との間で移動する場合に、押圧操作部がスライド弁と一体的に移動するが、運動変換機構によって、スライド弁の移動が被操作部に直接当接させて押圧操作部にてリセット操作を行わせる押圧操作部の動きに変換される。例えば、運動変換機構は、スライド弁の移動途中に押圧操作部を被操作部に直接当接させてリセット操作を行わせ、スライド弁の移動終了時に押圧操作部を被操作部から離間させてリセット操作を解除させるように、スライド弁の移動を押圧操作部の動きに変換することができる。また、例えば、運動変換機構は、スライド弁が閉じ位置から開き位置に移動する場合に、ガス流通路のガス流通方向に沿う軸心周りに押圧操作部を回転させ、その回転途中に押圧操作部を被操作部に直接当接させてリセット操作を行わせ、その回転終了時に押圧操作部を被操作部から離間させてリセット操作を解除させるように、スライド弁の移動を押圧操作部の動きに変換することができる。更に、例えば、運動変換機構は、ガス流通路のガス流通方向に沿って押圧操作部を移動させるだけでなく、ガス流通路のガス流通方向に沿う軸心周りに押圧操作部を回転させながら、押圧操作部を被操作部に直接当接させてリセット操作を行わせるように、スライド弁の移動を押圧操作部の動きに変換することができる。したがって、リセット手段としては、押圧操作部をスライド弁に一体的に形成し、運動変換機構を備えるだけでよく、リセット手段の構成の簡素化及び部材点数の減少を図り、リセット操作及びリセット操作の解除を行うことができる。しかも、運動変換機構は、押圧操作部が被操作部に対して直接当接するようにスライド弁の移動を押圧操作部の動きに変換するので、被操作部をガス流通路の上流側へ押圧するリセット操作を確実に行うことができる。
【0012】
本発明のガス栓の更なる特徴構成は、
前記運動変換機構は、前記閉じ位置と前記開き位置との間での前記スライド弁の移動途中に前記押圧操作部にて前記リセット操作を行わせるように、前記スライド弁の移動を前記押圧操作部の動きに変換している点にある。
【0013】
本特徴構成によれば、運動変換機構は、閉じ位置と開き位置との間でのスライド弁の移動途中に押圧操作部を被操作部に直接当接させてリセット操作を行わせ、閉じ位置と開き位置との間でのスライド弁の移動終了時に押圧操作部を被操作部から離間させてリセット操作を解除させるように、スライド弁の移動を押圧操作部の動きに変換することができる。これにより、スライド弁の移動によって、リセット操作及びリセット操作の解除を行うための押圧操作部の動きに適切に変換することができ、リセット操作及びリセット操作の解除を適切に行うことができる。
【0014】
本発明のガス栓の更なる特徴構成は、
前記押圧操作部を前記被操作部に直接当接させて前記押圧操作部にて前記リセット操作を行わせる第1操作位置と、前記押圧操作部を前記被操作部から離間させて前記リセット操作を解除する第1操作解除位置とが、前記ガス流通路のガス流通方向に沿う軸心周りでの周方向に異なる位置に設定されており、前記運動変換機構は、前記スライド弁が前記閉じ位置と前記開き位置との間で移動する場合に、前記ガス流通路のガス流通方向に沿って前記押圧操作部を移動させるスライド移動変換状態と前記ガス流通路のガス流通方向に沿う軸心周りに前記押圧操作部を回転させる回転運動変換状態とに切り換える形態で、前記スライド弁の移動を前記押圧操作部の動きに変換している点にある。
【0015】
本特徴構成によれば、運動変換機構をスライド移動変換状態に切り換えた場合には、ガス流通方向に沿ったスライド弁の移動をそのまま押圧操作部の動きとして変換すればよく、運動変換機構の構成を簡易なものとすることができる。そして、リセット操作を行う第1操作位置とリセット操作を解除する第1操作解除位置とが、ガス流通路のガス流通方向に沿う軸心周りでの周方向に異なる位置に設定されているので、運動変換機構を回転運動変換状態に切り換えて、ガス流通方向に沿う軸心周りに押圧操作部を回転させて、第1操作位置を通過させたのち第1操作解除位置まで押圧操作部を回転させることができる。これにより、押圧操作部が第1操作位置を通過する際に、リセット操作を行うことができながら、最終的に押圧操作部を第1操作解除位置に位置させて、リセット操作を解除することができる。したがって、運動変換機構の構成の簡素化を図りながら、スライド弁の移動を押圧操作部の動きに変換させてリセット操作及びリセット操作の解除を適切且つ確実に行うことができる。
【0016】
本発明のガス栓の更なる特徴構成は、
前記押圧操作部を前記被操作部に直接当接させて前記押圧操作部にて前記リセット操作を行わせる第2操作位置と、前記押圧操作部を前記被操作部から離間させて前記リセット操作を解除する第2操作解除位置とが、前記ガス流通路のガス流通方向に沿う軸心周りでの周方向に異なる位置に設定されており、前記運動変換機構は、前記スライド弁が前記閉じ位置と前記開き位置との間で移動する場合に、その移動開始から移動終了まで前記ガス流通路のガス流通方向に沿う軸心周りに前記押圧操作部を回転させる形態で、前記スライド弁の移動を前記押圧操作部の動きに変換している点にある。
【0017】
本特徴構成によれば、リセット操作を行う第2操作位置とリセット操作を解除する第2操作解除位置とが、ガス流通路のガス流通方向に沿う軸心周りでの周方向に異なる位置に設定されており、運動変換機構が、スライド弁の移動開始から移動終了までガス流通路のガス流通方向に沿う軸心周りに押圧操作部を回転させるので、第2操作位置を通過させたのち第2操作解除位置まで押圧操作部を回転させることができる。これにより、押圧操作部が第1操作位置を通過する際に、リセット操作を行うことができながら、最終的に押圧操作部を第1操作解除位置に位置させて、リセット操作を解除することができる。そして、運動変換機構は、スライド弁の移動を押圧操作部の回転運動に変換するだけであるので、その構成を簡易なものとすることができる。
【0018】
本発明のガス栓の更なる特徴構成は、
前記スライド弁を支持する支持部材が、前記ガス流通路のガス流通方向に摺動自在に前記ガス流通路に備えられ、前記運動変換機構は、前記支持部材の外周に形成された係合案内溝と、前記ガス流通路の内壁部に形成されて前記係合案内溝に係合された被係合部とを備えている点にある。
【0019】
本特徴構成によれば、被係合部が係合案内溝に係合することで、支持部材をそのままガス栓本体の軸方向に沿って移動させる或いは支持部材をガス流通方向に沿う軸心周りで回転させて、ガス栓本体の軸方向に沿って押圧操作部を移動させる或いはガス流通方向に沿う軸心周りで押圧操作部を回転させることができる。このように、被係合部を係合案内溝に係合させるという簡易な構成によって、スライド弁の移動を押圧操作部の動きに適切に変換することができる。
【0020】
本発明のガス栓の更なる特徴構成は、
前記押圧操作部を前記被操作部に直接当接させて前記押圧操作部にて前記リセット操作を行わせる第3操作位置と、前記押圧操作部を前記被操作部から離間させて前記リセット操作を解除する第3操作解除位置とが、前記ガス流通路のガス流通方向に異なる位置に設定されており、前記運動変換機構は、前記スライド弁が前記閉じ位置と前記開き位置との間で移動する場合に、その移動開始から移動終了まで前記ガス流通路のガス流通方向に沿って前記押圧操作部を移動させる形態で、前記スライド弁の移動を前記押圧操作部の動きに変換している点にある。
【0021】
本特徴構成によれば、リセット操作を行う第3操作位置とリセット操作を解除する第3操作解除位置は、ガス流通方向に異なる位置に設定されており、運動変換機構が、スライド弁の移動開始から移動終了までガス流通方向に沿って押圧操作部を移動させるので、第3操作位置を通過させたのち第3操作解除位置まで押圧操作部を移動させることができる。これにより、押圧操作部が第3操作位置を通過する際に、リセット操作を行うことができながら、最終的に押圧操作部を第3操作解除位置に位置させて、リセット操作を解除することができる。そして、運動変換機構は、ガス流通方向に沿ったスライド弁の移動をそのまま押圧操作部の動きとして変換すればよく、運動変換機構の構成を簡易なものとすることができる。
【0022】
本発明のガス栓の更なる特徴構成は、
前記押圧操作部が前記第3操作位置に到達した場合に、更なる前記スライド弁の移動によって前記押圧操作部が前記ガス流通路のガス流通方向に沿って移動することを許容する状態で、前記押圧操作部と前記被操作部とを当接させる当接部が備えられている点にある。
【0023】
押圧操作部が第3操作位置に到達した場合に、その押圧操作部が被操作部に当接してガス流通路の上流側に押圧するリセット操作を行うので、押圧操作部が被操作部に当接したままであると、その当接により押圧操作部の移動が規制され、押圧操作部が第3操作解除位置まで到達できなくなる可能性がある。そこで、本特徴構成によれば、押圧操作部が第3操作位置に到達したときに、更なるガス流通路の上流側へのスライド弁の移動によって第3操作位置からガス流通路の上流側への移動を許容する状態で、押圧操作部と被操作部とを当接させる当接部を備えており、この当接部によって押圧操作部が第3操作解除位置まで移動できることになる。したがって、リセット操作を行う第3操作位置とリセット操作を解除する第3操作解除位置をガス流通方向に異なる位置に設定した場合であっても、第3操作位置を通過させる形態で最終的に第3操作解除位置まで押圧操作部を適切に移動させることができる。
【0024】
本発明のガス栓の更なる特徴構成は、
前記ガス流通路は、上流側から順に、前記過流出防止弁、前記リセット手段、前記スライド弁を備えて、前記ガス栓本体の軸方向に沿う直線状に設けられている点にある。
【0025】
本特徴構成によれば、ガス流通路は、過流出防止弁、リセット手段、スライド弁の全てを備えながら、ガス栓本体の軸方向に沿う直線状に設けられているので、ガス栓本体をコンパクトに構成することができながら、過流出防止弁とリセット手段とスライド弁とをガス栓本体の軸方向に隣接する状態で直線状に並べて配置することができる。したがって、過流出防止弁とリセット手段とスライド弁との位置関係を簡易なものとすることができ、スライド弁の移動を利用して過流出防止弁をリセットさせるリセット手段の構成の簡素化をより一層図ることができるとともに、リセット手段によるリセット操作及びリセット操作の解除についても適切に行うことができる。しかも、ガス栓本体を直線状とすることで、ガス栓を設置する場合に、ガス栓本体に接続するガス配管と同軸にガス栓を設置することが可能となり、設置スペースの縮小を図ることができる。更に、ガス栓本体を直線状とすることで、ガス栓を壁内に埋め込む形態や壁を貫通する形態にて設置する場合に、壁に形成する開口部の面積を小さくすることができる。
【0026】
本発明のガス栓の更なる特徴構成は、
前記スライド弁が、前記ガス栓本体に対するガス接続具の装着及び取り外しに伴って前記閉じ位置と前記開き位置との間で移動する点にある。
【0027】
即ち、本発明に係るガス栓は、スライド弁が前記ガス栓本体に対するガス接続具の装着及び取り外しに伴って前記閉じ位置と前記開き位置との間で移動するようにして、所謂ガスコンセントとして構成できる。
【0028】
このように本発明のガス栓は、スライド弁が操作部に対する押圧操作に伴って前記閉じ位置と前記開き位置との間で移動するようにして、所謂プッシュプッシュ式のガスコックとして構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】第1実施形態におけるガス接続具をガス栓本体から取り外している状態でのガス接続具とガス栓との断面図
【図2】第1実施形態におけるガス接続具をガス栓本体に装着している状態でのガス接続具とガス栓との断面図
【図3】第1実施形態におけるガス栓の動きを示す断面図
【図4】ガス栓の要部を示す断面図
【図5】ガス栓の要部を示す斜視図
【図6】第2実施形態におけるガス栓の動きを示す断面図
【図7】第3実施形態におけるガス栓の動きを示す断面図
【図8】第3実施形態におけるガス栓の動きを示す断面図
【図9】別実施形態におけるガス栓の断面図
【図10】第4実施形態のガス栓の開栓時の状態を示す側断面図
【図11】第4実施形態のガス栓のスライド弁及び操作機構部を示す分解斜視図
【図12】第4実施形態のガス栓の過流出防止弁の作動時の状態を示す側断面図
【図13】第4実施形態のガス栓の閉栓動作途中の状態を示す側断面図
【図14】第4実施形態のガス栓の閉栓時の状態を示す側断面図
【図15】第4実施形態における閉栓動作時のガイド溝におけるガイドピンの位置の遷移状態を説明する説明図
【図16】第4実施形態における開栓動作時のガイド溝におけるガイドピンの位置の遷移状態を説明する説明図
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明に係るガス栓の実施形態を図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
この第1実施形態のガス栓は、図1及び図2に示すように、ガス流通路1が内部に形成された円筒状のガス栓本体2を備えており、そのガス栓本体2にガス接続具100を装着することでガス流通路1でのガス流通によりガス接続具100に接続されたガス器具へのガス供給を行い、ガス栓本体2からガス接続具100を取り外すことでガス流通路1でのガス流通を停止してガス器具へのガス供給を停止する、所謂ガスコンセントとして構成されている。図1は、ガス接続具100をガス栓本体2から取り外している状態を示しており、図2は、ガス接続具100をガス栓本体2に装着している状態を示している。
【0031】
ガス栓本体2には、ガス流通路1を開閉自在なスライド弁Gと、ガス流通路1でのガス流量が一定以上の過流量となった場合にガス流通を阻止する過流出防止弁H2と、ガス接続具100のガス栓本体2からの取り外しが行われた場合に過流出防止弁H2をリセットさせるリセット操作を行うリセット手段Rとが備えられている。ここで、リセット操作は、過流出防止弁H2における被操作部材H3をガス流通路1の上流側へ押圧する操作となっている。
【0032】
ガス流通路1は、その流路断面を円形状とし、ガス栓本体2の軸方向(図1及び図2中X方向)に沿う直線状に設けられており、ガス栓本体2の軸方向とガス流通路1のガス流通方向が同一方向となっている。ガス流通路1は、流路径が変更された複数の流路部位1a〜1fから構成されており、ガス流通方向の上流側(図1及び図2中X方向)から順に、過流出防止弁H2を備えた過流出防止機構H、リセット手段R、スライド弁Gが備えられている。複数の流路部位として、ガス流通方向の上流側から順に、第1流路部位1a、第2流路部位1b、第3流路部位1c、第4流路部位1d、第5流路部位1e、第6流路部位1fが備えられている。第1流路部位1aは、ガス流入口(図示省略)に連通されており、第2流路部位1bは、第1流路部位1aよりも流路径が小さく形成されており、過流出防止機構Hが配置されている。第3流路部位1cは、第2流路部位1bよりも流路径が小さく形成されている。第4流路部位1dは、第3流路部位1cよりも流路径が大きく形成されており、第5流路部位1eは、第4流路部位1dよりも流路径が小さく形成されている。第6流路部位1fは、上流側よりも下流側の方が流路径を小さくする傾斜状に形成されており、ガス栓本体2の先端部に形成されたガス流出口3に連通されている。
【0033】
スライド弁Gは、ガス流通路1における第5流路部位1eを閉弁自在な第1弁体G1と、ガス流通路1における第6流路部位1fを閉弁自在な第2弁体G2と、第1弁体G1と第2弁体G2を支持する支持部材G3とを備えている。支持部材G3は、ガス栓本体2の軸方向に移動自在にガス流通路1に備えられており、第1弁体G1を固定支持しており、第2弁体G2をガス栓本体2の軸方向に移動自在に支持している。支持部材G3の下流側部位には、図5に示すように、その周囲でのガスの流通を許容する切欠部G4が周方向に間隔を隔てて複数備えられている。
【0034】
第1弁体G1は、第4流路部位1dと第5流路部位1eとに亘ってガス栓本体2の軸方向に沿って移動自在に設けられている。第1弁体G1の上流側端部部位の外径が第5流路部位1eの流路径と同一となっており、第1弁体G1が着座する弁座部が第5流路部位1eの内壁部にて構成されている。第1弁体G1は、第5流路部位1eに移動した場合に第5流路部位1eを閉じる閉じ位置に位置し、第4流路部位1dに移動した場合にガス流通を許容する開き位置に位置する。第1弁体G1は、第1付勢部材F1によって閉じ位置に復帰するように付勢されており、ガス接続具100がガス栓本体2から取り外されている場合には、閉じ位置に位置して第5流路部位1eを閉弁している。
【0035】
第2弁体G2は、第5流路部位1eと第6流路部位1fとに亘ってガス栓本体2の軸方向に沿って移動自在に設けられている。第2弁体G2の下流側端部部位の外径が第6流路部位1fの傾斜部位の流路径と同一となっており、第2弁体G2が着座して閉弁する弁座部が第6流路部位1fの傾斜部位にて構成されている。第2弁体G2は、第6流路部位1fに移動した場合に第6流路部位1fを閉じる閉じ位置に位置し、第5流路部位1eに移動した場合にガス流通を許容する開き位置に位置する。第2弁体G2は、第2付勢部材F2によって閉じ位置に復帰するように付勢されており、ガス接続具100がガス栓本体2から取り外されている場合には、閉じ位置に位置して第6流路部位1fを閉弁している。
このようにして、スライド弁Gを構成する第1弁体G1と第2弁体G2の両者は、ガス栓本体2の軸方向に沿って閉じ位置と開き位置との間で移動自在で、ガス流通路1を閉じる閉じ位置に復帰するように付勢されている。
【0036】
ガス栓本体2に対して装着及び取り外し自在なガス接続具100について説明する。このガス接続具100は、既に公知の構成であるので、詳細な説明は省略して簡単に説明する。
ガス接続具100は、第1コイルバネ101により前方側(図1及び図2中X方向の右側)に付勢される突出部材102と、ロック用ボール103と、ロック用ボール103の位置を径方向の内側から規制するとともに、ガス栓本体2の先端部に当接して押圧されて引退する内径部材104と、ガス栓本体2に装着される際にスライド弁Gを押圧する棒状の押圧部105とを備えている。
【0037】
ガス接続具100をガス栓本体2に装着する場合には、図2に示すように、ガス栓本体2の先端部が内径部材104に当接して内径部材104を第2コイルバネ106の付勢力に抗して引退させる。内径部材104の引退によりロック用ボール103が径方向の内側に移動して、ガス栓本体2に形成された嵌込溝2aにロック用ボール103が嵌り込んで、突出部材102が第1コイルバネ101の付勢力により前方側(図2中X方向の右側)に突出する。このように、ガス接続具100のロック用ボール103がガス栓本体2の嵌込溝2aに嵌り込むことで、ガス接続具100がガス栓本体2に外嵌装着される。ガス接続具100がガス栓本体2に装着される際に、ガス接続具100の押圧部105にてスライド弁Gが押圧される。この押圧部105によるスライド弁Gに対する押圧によって、第1弁体G1と第2弁体G2の両者が、ガス栓本体2の軸方向に沿ってガス流通路1の上流側(図2中X方向の右側)に移動して、閉じ位置から開き位置に移動することになり、ガス流通路1が開弁されてガス器具へのガス供給が行われる。
【0038】
ガス接続具100をガス栓本体2から取り外す場合には、突出部材102を第1コイルバネ101の付勢力に抗して押込操作することで、嵌込溝2aへのロック用ボール103の嵌り込みが解除されるので、ガス接続具100をガス栓本体2から取り外すことができる。そして、ガス接続具100をガス栓本体2から取り外すと、スライド弁Gに対する押圧部105による押圧が解除され、第1弁体G1と第2弁体G2の両者が、付勢部材F1,F2の付勢力によって、ガス栓本体2の軸方向に沿ってガス流通路1の下流側(図2中X方向の右側)に移動して、開き位置から閉じ位置に復帰されてガス流通路1が閉弁される。
【0039】
過流出防止機構Hは、ガス流通路1の第2流路部位1bに配置されており、内部にガスを流通する流路が形成された筒状部材H1を備えている。筒状部材H1の内部には、ガス流通を許容する初期位置とガス流通を阻止する作動位置とにガス栓本体2の軸方向に移動自在な過流出防止弁H2と、リセット手段Rからリセット操作としてのガス流通路1の上流側への押圧操作を受ける被操作部材H3(被操作部に相当する)と、過流出防止弁H2及び被操作部材H3をガス栓本体2の軸方向に移動自在に支持する支持部材H4とが備えられている。
【0040】
過流出防止弁H2は、第3付勢部材F3によって、作動位置よりも上流側の初期位置に復帰するように付勢されており、当接部材H5に当接することで初期位置に位置保持されている。そして、過流出防止弁H2は、ガス流量が一定以上の過流量となると、そのガス流量の流動圧によって初期位置から作動位置に移動自在に備えられており、作動位置に移動した過流出防止弁H2が弁座部H6に着座してガス流通を阻止している。
【0041】
支持部材H4は、その内部がガス栓本体2の軸方向に貫通する円筒状に形成されている。支持部材H4の上流側部位は、過流出防止弁H2の軸部H2aに外嵌して、ガス栓本体2の軸方向に移動自在に過流出防止弁H2を支持している。支持部材H4の下流側部位は、被操作部材H3に外嵌して、ガス栓本体2の軸方向に移動自在に被操作部材H3を支持している。
【0042】
被操作部材H3の上流側部位H3aは、ガス栓本体2の軸方向に延びる棒状に形成されており、支持部材H4に内嵌されて、ガス栓本体2の軸方向に移動自在に支持されている。被操作部材H3の下流側部位は、ガス流通路1の流路径方向の中央部に下流側に突出する頭部H3bが備えられた概略円錐状に形成されている。頭部H3bの径方向の外側には、径方向の外側に延びる脚部H3cを備えており、その脚部H3cの先端部が筒状部材H1に形成された係合溝H1aに係合されている。図示は省略するが、脚部H3cは、周方向で間隔を隔てて複数備えられており、脚部H3c同士の間をガスが流通している。被操作部材H3は、第4付勢部材F4によって下流側部位の頭部H3bが筒状部材H1からガス流通路1の下流側に突出する突出位置に復帰するように付勢されており、脚部H3cが係合溝H1aの端部に当接して突出位置に位置保持されている。
【0043】
支持部材H4は、初期位置に位置する過流出防止弁H2と突出位置に位置する被操作部材H3との間に、初期位置から作動位置までの移動量に相当する間隔を隔てる状態で、過流出防止弁H2と被操作部材H3をガス栓本体2の軸方向に移動自在に支持している。これにより、過流出防止機構Hは、突出位置に位置する被操作部材H3がガス流通路1の上流側へ押圧されるリセット操作が解除されている場合に、過流出防止弁H2の初期位置から作動位置への移動を許容している。
一方、一定以上のガス流量の流動圧によって過流出防止弁H2が作動位置に移動すると、作動位置に移動した過流出防止弁H2と突出位置に位置する被操作部材H3とが当接するようになっている。突出位置に位置する被操作部材H3がガス流通路1の上流側へ押圧されるリセット操作を受けた場合には、被操作部材H3と過流出防止弁H2との当接により被操作部材H3と過流出防止弁H2が一体的にガス流通路1の上流側へ移動することになり、過流出防止弁H2の弁座部H6への着座が解除されて、上流側からのガス圧が解除され、第3付勢部材F3の付勢力によって過流出防止弁H2が初期位置に復帰される。このようにして、過流出防止機構Hは、突出位置に位置する被操作部材H3がガス流通路1の上流側へ押圧されるリセット操作を受けた場合に、過流出防止弁H2を初期位置に復帰させている。
【0044】
リセット手段Rは、ガス接続具100のガス栓本体2からの取り外しが行われた場合のガス栓本体2の軸方向でのスライド弁Gの開き位置から閉じ位置への移動途中に、過流出防止弁H2を初期位置に復帰させるために(リセットさせるために)被操作部材H3の頭部H3bをガス流通路1の上流側へ押圧するリセット操作を行い、スライド弁Gの移動終了時には、被操作部材H3の頭部H3bに対するリセット操作を解除するように構成されている。また、リセット手段Rは、ガス接続具100をガス栓本体2に装着する場合のガス栓本体2の軸方向でのスライド弁Gの閉じ位置から開き位置への移動途中に、過流出防止弁H2を初期位置に復帰させるために被操作部材H3の頭部H3bをガス流通路1の上流側へ押圧するリセット操作を行い、スライド弁Gの移動終了時には、被操作部材H3の頭部H3bに対するリセット操作を解除するように構成されている。
【0045】
リセット手段Rは、スライド弁Gである第1弁体G1の上流側端部からガス流通路1の上流側に延びるように第1弁体G1に一体的に形成された押圧操作部R1と、閉じ位置と開き位置との間でのスライド弁Gの移動を、押圧操作部R1を被操作部材H3の頭部H3bに直接当接させて押圧操作部R1にてリセット操作を行わせる押圧操作部R1の動きに変換する運動変換機構R2とを備えている。
押圧操作部R1は、ガス流通路1の上流側に延びてその上流側端部を球面状とし、第1弁体G1に一体形成された突起部にて構成されている。運動変換機構R2は、閉じ位置と開き位置との間でのスライド弁Gの移動途中に押圧操作部R1にてリセット操作を行わせるように、スライド弁Gの移動を押圧操作部R1の動きに変換している。
【0046】
上述の如く、リセット操作は、押圧操作部R1を被操作部材H3の頭部H3bに直接当接させてその頭部H3bをガス流通路1の上流側に押圧する操作である。そこで、図3に示すように、押圧操作部R1を被操作部材H3の頭部H3bに直接当接させて押圧操作部R1にてリセット操作を行わせる第1操作位置(図3(d)参照)と、押圧操作部R1を被操作部材H3の頭部H3bから離間させてリセット操作を解除する第1操作解除位置(図3(b)及び(c))とが、ガス流通路1のガス流通方向に沿う軸心周りでの周方向に異なる位置に設定されている。
【0047】
被操作部材H3の頭部H3bは、ガス流通路1の流路径方向の中央部から端部側に外れた偏心位置に配置されており、第1操作位置は、図3(d)に示すように、偏心位置に配置された頭部H3bに押圧操作部R1を直接当接させる偏心位置となっている。それに対して、第1操作解除位置は、図3(b)及び(c)に示すように、ガス流通路1の軸心周りでの周方向で第1操作位置とは異なる位置であり、押圧操作部R1を被操作部材H3の頭部H3bから離間させる位置となっている。また、図3(a)では、ガス栓本体2の軸方向において、押圧操作部R1を被操作部材H3の頭部H3bから離間させる位置となっている。
【0048】
運動変換機構R2は、図4及び図5に示すように、第1弁体G1と第2弁体G2を支持する支持部材G3の外周に形成された係合案内溝R3と、ガス流通路1の内壁部に形成されて係合案内溝R3に係合された突起状の被係合部R4とを備えている。支持部材G3は、ガス流通路1のガス流通方向に摺動自在にガス流通路1に備えられている。係合案内溝R3は、ガス流通路1の上流側部位がガス流通方向に沿う直線状の直線溝R3aとなっており、その直線溝R2cの下流側端部から下流側に連続する連続部位が傾斜溝R3bとなっている。これにより、スライド弁Gの移動中に被係合部R4が直線溝R3aに係合案内されている場合には、支持部材G3をそのままガス栓本体2の軸方向に沿って移動させて、押圧操作部R1をガス流通路1のガス流通方向に沿って移動させるスライド移動変換状態に切り換えられる。また、スライド弁Gの移動中に被係合部R4が傾斜溝R3bに係合案内されている場合には、ガス流通路1のガス流通方向に沿う軸心周りに支持部材G3を回転させて、押圧操作部R1をガス流通路1のガス流通方向に沿う軸心周りに回転させる回転運動変換状態に切り換えられる。このように、運動変換機構R2は、スライド移動変換状態と回転運動変換状態とに切り換える形態で、スライド弁Gの移動を押圧操作部R1の動きに変換している。
【0049】
運動変換機構R2は、閉じ位置から開き位置へスライド弁Gが移動する場合に、図3(a)の状態から図3(b)の状態になるように、その移動初期にはスライド移動変換状態として、ガス流通方向に沿って上流側に押圧操作部R1を移動させて、その後、スライド移動変換状態から回転運動変換状態に切り換えて、ガス流通路1のガス流通方向に沿う軸心周りに押圧操作部R1を回転させている。そして、運動変換機構R2は、回転運動変換状態に切り換えた状態で、第1操作位置を通過させた後、最終的に第1操作解除位置まで押圧操作部R1を回転させている。
逆に、開き位置から閉じ位置へスライド弁Gが移動する場合に、運動変換機構R2は、その移動初期には、図3(c)の状態から図3(d)の状態になるように、回転運動変換状態として、ガス流通路1のガス流通方向に沿う軸心周りに押圧操作部R1を回転させて、その後、回転運動変換状態からスライド移動変換状態に切り換えて、ガス流通方向に沿って下流側に押圧操作部R1を移動させている。そして、運動変換機構R2は、移動初期の回転運動変換状態において、第1操作解除位置から第1操作位置を通過させて押圧操作部R1を回転させている。
【0050】
以下、図3に基づいて、スライド弁G、過流出防止機構H、リセット手段Rの動きについて説明する。
図3(a)は、ガス接続具100をガス栓本体2から取り外している状態を示している。図3(b)は、ガス接続具100をガス栓本体2に装着した状態を示している。図3(c)は、ガス接続具100をガス栓本体2に装着しているときに、過流出防止弁H2が初期位置から作動位置に移動した状態を示している。図3(d)は、ガス接続具100をガス栓本体2から取り外すことでリセット操作を行う状態を示している
【0051】
図3(a)に示すように、ガス接続具100をガス栓本体2から取り外している場合には、スライド弁Gが閉じ位置に位置しており、ガス流通路1がスライド弁Gにて閉弁されている。このとき、運動変換機構R2は、被係合部R4を係合案内溝R3の上流側端部まで係合案内しており、この係合案内によって、ガス流通方向で被操作部材H3の頭部H3bから離れる位置に押圧操作部R1を位置させている。
【0052】
図3(b)に示すように、ガス接続具100をガス栓本体2に装着すると、ガス接続具100の押圧部105がスライド弁Gをガス流通路1の上流側に押圧して、スライド弁Gが閉じ位置から開き位置に移動してガス流通路1を開弁させる。このとき、運動変換機構R2は、被係合部R4を係合案内溝R3にて係合案内することで、スライド弁Gの移動を押圧操作部R1の移動に変換している。運動変換機構R2は、スライド弁Gの移動初期にスライド移動変換状態として、ガス流通路1のガス流通方向に沿って上流側に押圧操作部R1を移動させて、その後、回転運動変換状態に切り換えて、ガス流通路1のガス流通方向に沿う軸心周りに押圧操作部R1を回転させている。そして、運動変換機構R2は、回転運動変換状態に切り換えた状態で、第1操作位置を通過させた後、最終的に第1操作解除位置まで押圧操作部R1を回転させている。図3(b)は、押圧操作部R1を第1操作解除位置まで回転させた状態を示している。
【0053】
図3(c)に示すように、ガス流量が一定以上の過流量となると、そのガス流量の流動圧によって過流出防止弁H2がガス栓本体2の軸方向に沿ってガス流通路1の下流側に移動して、過流出防止弁H2が初期位置から作動位置へ移動する。これにより、過流出防止弁H2が作動位置に移動することでガス流通が阻止される。
【0054】
図3(d)に示すように、ガス接続具100をガス栓本体2から取り外すと、ガス接続具100の押圧部105によるスライド弁Gに対するガス流通路1の上流側への押圧が解除されて、第1付勢部材F1及び第2付勢部材F2の付勢力によってスライド弁Gが開き位置から閉じ位置に移動する。このとき、運動変換機構R2は、被係合部R4を係合案内溝R3にて係合案内することで、スライド弁Gの移動を押圧操作部R1の移動に変換している。運動変換機構R2は、スライド弁Gの移動初期に回転運動変換状態として、ガス流通路1のガス流通方向に沿う軸心周りに押圧操作部R1を回転させている。ここで、運動変換機構R2は、第1操作解除位置から第1操作位置を通過させて押圧操作部R1を回転させている。その後、運動変換機構R2は、回転運動変換状態からスライド移動変換状態に切り換えて、ガス流通路1のガス流通方向に沿って下流側に押圧操作部R1を移動させている。図3(d)は、押圧操作部R1を第1操作位置に回転させた状態を示している。
【0055】
このように、運動変換機構R2は、スライド弁Gが開き位置から閉じ位置まで移動する場合に、その移動途中で被操作部材H3の頭部H3bに当接させる第1操作位置を通過させ、その移動終了時に被操作部材H3の頭部H3bから離間させる位置まで押圧操作部R1を移動させている。押圧操作部R1が第1操作位置を通過する際に、リセット操作が行われて、過流出防止弁H2を初期位置に復帰させることができるとともに、最終的には押圧操作部R1を被操作部材H3の頭部H3bから離間させる位置に位置させて、リセット操作を解除して、過流出防止弁H2の初期位置から作動位置への移動を許容することができる。
【0056】
運動変換機構R2は、ガス接続具100をガス栓本体2に装着することによって閉じ位置から開き位置にスライド弁Gが移動する場合にも、第1操作位置を通過させる形態で最終的に第1操作解除位置まで押圧操作部R1を移動させるので、ガス接続具100をガス栓本体2から取り外す場合に限らず、ガス接続具100をガス栓本体2に装着する場合にも、リセット操作を行い、その後、リセット操作を解除することができる。
【0057】
ガス接続具100をガス栓本体2に装着する場合には、図3(a)から図3(b)にて示す状態となり、ガス接続具100の押圧部105によってスライド弁Gが閉じ位置から開き位置に移動されるので、このスライド弁Gの移動が行われる場合にも、運動変換機構R2は、スライド移動変換状態から回転運動変換状態に切り換えた状態において、第1操作位置を通過させる形態で最終的に第1操作解除位置まで押圧操作部R1を回転させている。したがって、押圧操作部R1が第1操作位置を通過する場合に、リセット操作を行うことができ、最終的に、押圧操作部R1を第1操作解除位置に位置させて、リセット操作を解除することができる。このように、ガス接続具100のガス栓本体2から取り外しを行った場合、及び、ガス接続具100のガス栓本体2への装着を行った場合の両者において、リセット操作を行うことができるので、過流出防止弁H2の初期位置への復帰を確実に行うことができる。
【0058】
<第2実施形態>
この第2実施形態は、上記第1実施形態において、運動変換機構R2が、スライド弁Gの移動を押圧操作部R1のどのような動きに変換するのかの別実施形態である。その他の構成については、上記第1実施形態と同様であるので、その他の構成については説明を省略し、以下、図6に基づいて、スライド弁Gの移動を押圧操作部R1のどのような動きに変換するのかを中心に説明する。
【0059】
上記第1実施形態では、運動変換機構R2は、被係合部R4を直線状と傾斜状との係合案内溝R3にて係合案内することで、スライド移動変換状態と回転運動変換状態とに切り換える形態で、スライド弁Gの移動を押圧操作部R1の動きに変換している。
【0060】
この第2実施形態では、図6に示すように、係合案内溝R3が全長に亘って傾斜状に形成されている。そして、運動変換機構R2は、被係合部R4を係合案内溝R3にて係合案内することで、スライド弁Gが閉じ位置と開き位置との間で移動する場合に、その移動開始から移動終了までガス流通路1のガス流通方向に沿う軸心周りに押圧操作部R1を回転させる形態で、スライド弁Gの移動を押圧操作部R1の動きに変換している。
【0061】
上記第1実施形態と同様に、押圧操作部R1を被操作部材H3の頭部H3bに直接当接させて押圧操作部R1にてリセット操作を行わせる第2操作位置(図6(d)参照)と、押圧操作部R1を被操作部材H3の頭部H3bから離間させてリセット操作を解除する第2操作解除位置(図6(b)及び(c))とが、ガス流通路1のガス流通方向に沿う軸心周りでの周方向に異なる位置に設定されている。
【0062】
運動変換機構R2は、閉じ位置から開き位置へスライド弁Gが移動する場合に、図6(a)の状態から図6(b)の状態になるように、その移動開始から移動終了まで、ガス流通路1のガス流通方向に沿う軸心周りに押圧操作部R1を回転させて、第2操作位置(図6(d)参照)を通過させたのち第2操作解除位置(図6(b)参照)まで押圧操作部R1を回転させている。
逆に、開き位置から閉じ位置へスライド弁Gが移動する場合に、運動変換機構R2は、図6(c)の状態から図6(d)を経て図6(a)の状態になるように、その移動開始から移動終了まで、ガス流通路1のガス流通方向に沿う軸心周りに押圧操作部R1を回転させて、第1操作解除位置から第1操作位置を通過させて押圧操作部R1を回転させている。
【0063】
以下、図6に基づいて、スライド弁G、過流出防止機構H、リセット手段Rの動きについて説明する。
図6(a)は、ガス接続具100をガス栓本体2から取り外している状態を示している。図6(b)は、ガス接続具100をガス栓本体2に装着した状態を示している。図6(c)は、ガス接続具100をガス栓本体2に装着しているときに、過流出防止弁H2が初期位置から作動位置に移動した状態を示している。図6(d)は、ガス接続具100をガス栓本体2から取り外すことでリセット操作を行う状態を示している
【0064】
図6(a)に示すように、ガス接続具100をガス栓本体2から取り外している場合には、スライド弁Gが閉じ位置に位置しており、ガス流通路1がスライド弁Gにて閉弁されている。このとき、運動変換機構R2は、被係合部R4を係合案内溝R3の上流側端部まで係合案内しており、この係合案内によって、ガス流通方向で被操作部材H3の頭部H3bから離れる位置まで押圧操作部R1を移動させている。
【0065】
図6(b)に示すように、ガス接続具100をガス栓本体2に装着すると、ガス接続具100の押圧部105がスライド弁Gをガス流通路1の上流側に押圧して、スライド弁Gが閉じ位置から開き位置に移動してガス流通路1を開弁させる。このとき、運動変換機構R2は、スライド弁Gの移動に伴って、被係合部R4を係合案内溝R3にて係合案内して押圧操作部R1を回転させている。このスライド弁Gの移動による押圧操作部R1の回転は、その移動開始から移動終了まで、ガス流通路1のガス流通方向に沿う軸心周りに押圧操作部R1を回転させて、第2操作位置(図6(d)参照)を通過させたのち第2操作解除位置(図6(b)参照)まで押圧操作部R1を回転させている。図6(b)は、押圧操作部R1を第2操作解除位置まで回転させた状態を示している。
【0066】
図6(c)に示すように、ガス流量が一定以上の過流量となると、そのガス流量の流動圧によって過流出防止弁H2がガス栓本体2の軸方向に沿ってガス流通路1の下流側に移動して、過流出防止弁H2が初期位置から作動位置へ移動する。これにより、過流出防止弁H2が作動位置に移動することでガス流通が阻止される。
【0067】
図6(d)に示すように、ガス接続具100をガス栓本体2から取り外すと、ガス接続具100の押圧部105によるスライド弁Gに対するガス流通路1の上流側への押圧が解除されて、第1付勢部材F1及び第2付勢部材F2の付勢力によってスライド弁Gが開き位置から閉じ位置に移動する。このとき、運動変換機構R2は、スライド弁Gの移動に伴って、被係合部R4を係合案内溝R3にて係合案内して押圧操作部R1を回転させている。このスライド弁Gの移動による押圧操作部R1の回転は、その移動開始から移動終了まで、ガス流通路1のガス流通方向に沿う軸心周りに押圧操作部R1を回転させて、第2操作解除位置から第2操作位置を通過させたのち、最終的に、図6(a)に示すように、ガス流通方向で被操作部材H3の頭部H3bから離れる位置まで押圧操作部R1を回転させている。図6(d)は、押圧操作部R1を第2操作位置に位置させた状態を示している。
【0068】
運動変換機構R2は、ガス接続具100をガス栓本体2に装着することにより閉じ位置から開き位置にスライド弁Gが移動する場合にも、第2操作位置を通過させる形態で最終的に第2操作解除位置まで押圧操作部R1を移動させるので、ガス接続具100をガス栓本体2から取り外す場合に限らず、ガス接続具100をガス栓本体2に装着する場合にも、リセット操作を行い、その後、リセット操作を解除することができる。
【0069】
ガス接続具100をガス栓本体2に装着する場合には、図6(a)から図6(b)にて示す状態となり、ガス接続具100の押圧部105によってスライド弁Gが閉じ位置から開き位置に移動されるので、このスライド弁Gの移動が行われる場合にも、運動変換機構R2は、第2操作位置を通過させる形態で最終的に第2操作解除位置まで押圧操作部R1を回転させている。したがって、押圧操作部R1が第2操作位置を通過する場合に、リセット操作を行うことができ、最終的に、押圧操作部R1を第2操作解除位置に位置させて、リセット操作を解除することができる。このように、ガス接続具100のガス栓本体2から取り外しを行った場合、及び、ガス接続具100のガス栓本体2への装着を行った場合の両者において、リセット操作を行うことができるので、過流出防止弁H2の初期位置への復帰を確実に行うことができる。
【0070】
<第3実施形態>
この第3実施形態も、上記第2実施形態と同様に、運動変換機構R2が、スライド弁Gの移動を押圧操作部R1のどのような動きに変換するのかの別実施形態である。その他の構成については、上記第1実施形態と同様であるので、その他の構成については説明を省略し、以下、図7及び図8に基づいて、スライド弁Gの移動を押圧操作部R1のどのような動きに変換するのかを中心に説明する。
【0071】
この第3実施形態では、上記第1及び第2実施形態のような係合案内溝R3や被係合部R4は設けられておらず、運動変換機構R2は、スライド弁Gが閉じ位置と開き位置との間で移動する場合に、その移動開始から移動終了までガス流通路1のガス流通方向に沿って押圧操作部R1を移動させる形態で、スライド弁Gの移動を押圧操作部R1の動きに変換している。そして、押圧操作部R1を被操作部材H3の頭部H3bに直接当接させて押圧操作部R1にてリセット操作を行わせる第3操作位置(図8(e)参照)と、押圧操作部R1を被操作部材H3の頭部H3bから離間させてリセット操作を解除する第3操作解除位置(図7(b)及び(c)参照)とが、ガス流通路1のガス流通方向に異なる位置に設定されている。
【0072】
押圧操作部R1が第3操作位置に到達した場合に、その押圧操作部R1が被操作部材H3の頭部H3bに当接してガス流通路1の上流側に押圧するリセット操作を行うので、押圧操作部R1が被操作部材H3の頭部H3bに当接したままであると、その当接により押圧操作部R1の移動が規制され、押圧操作部R1が第3操作解除位置まで到達できなくなる可能性がある。そこで、押圧操作部R1が第3操作位置に到達した場合に、更なるスライド弁Gの移動によって押圧操作部R1がガス流通路1のガス流通方向に沿って移動することを許容する状態で、押圧操作部R1と被操作部材H3の頭部H3bとを当接させる当接部R5が備えられている。
【0073】
当接部R5は、押圧操作部R1の上流側端部部位に形成された第1押圧操作部側当接傾斜面R6aと、被操作部材H3の頭部H3bの下流側端部部位に形成された第1被操作部側当接傾斜面R7aとから構成されている。第1押圧操作部側当接傾斜面R6aは、ガス流通路1の上流側に傾斜する傾斜状に形成されており、第1被操作部側当接傾斜面R7aは、ガス流通路1の下流側に傾斜する傾斜状に形成されている。
閉じ位置から開き位置へスライド弁Gが移動する場合に、図8(e)に示すように、押圧操作部R1が第3操作位置に到達すると、押圧操作部R1の第1押圧操作部側当接傾斜面R6aが頭部H3bの第1被操作部側当接傾斜面R7aに当接することで、頭部H3bをガス流通路1の上流側へ押圧するリセット操作を行いながら、更なるスライド弁Gの移動によって第3操作位置からそれよりも上流側への押圧操作部R1の移動を許容している。ここで、被操作部材H3は、多少の揺動を許容する状態で支持部材H4に支持されており、押圧操作部R1の第1押圧操作部側当接傾斜面R6aが頭部H3bの第1被操作部側当接傾斜面R7aに当接することに加え、被操作部材H3が揺動することで、押圧操作部R1が第3操作位置からそれよりも上流側へ移動している。
【0074】
押圧操作部R1の上流側端部部位には、第1押圧操作部側当接傾斜面R6aの下流側に隣接して下流側に傾斜する第2押圧操作部側当接傾斜面R6bが形成されている。被操作部材H3の頭部H3bにも、第1被操作部側当接傾斜面R7aの上流側に隣接して上流側に傾斜する第2被操作部側当接傾斜面R7bが形成されている。
図示は省略するが、開き位置から閉じ位置からにスライド弁Gが移動する場合に、押圧操作部R1の第2押圧操作部側当接傾斜面R6bが頭部H3bの第2被操作部側当接傾斜面R7bに当接して、更なるスライド弁Gの下流側への移動によって押圧操作部R1が頭部H3bよりも下流側に移動するのを許容している。ここで、第1押圧操作部側当接傾斜面R6aは第2押圧操作部側当接傾斜面R6bよりも長く形成されており、第1被操作部側当接傾斜面R7aも第2被操作部側当接傾斜面R7bよりも長く形成されている。これにより、第1押圧操作部側当接傾斜面R6aが第1被操作部側当接傾斜面R7aに当接している間にリセット操作を確実に行うことができながら、第2押圧操作部側当接傾斜面R6bが第2被操作部側当接傾斜面R7bに当接していることで、スライド弁Gの移動の妨げにならないようにしている。
【0075】
以下、図7及び図8に基づいて、スライド弁G、過流出防止機構H、リセット手段Rの動きについて説明する。
図7(a)は、ガス接続具100をガス栓本体2から取り外している状態を示している。図7(b)は、ガス接続具100をガス栓本体2に装着した状態を示している。図7(c)は、ガス接続具100をガス栓本体2に装着しているときに、過流出防止弁H2が初期位置から作動位置に移動した状態を示している。図7(d)は、ガス接続具100をガス栓本体2から取り外した状態を示している。図8(e)は、ガス接続具100をガス栓本体2に装着してリセット操作を行った状態を示している。
【0076】
図7(a)に示すように、ガス接続具100をガス栓本体2から取り外している場合には、スライド弁Gが閉じ位置に位置しており、ガス流通路1がスライド弁Gにて閉弁されている。このとき、押圧操作部R1は、スライド弁Gが閉じ位置に位置することで、ガス流通方向で被操作部材H3の頭部H3bから離れた位置に位置している。
【0077】
図7(b)に示すように、ガス接続具100をガス栓本体2に装着すると、ガス接続具100の押圧部105がスライド弁Gをガス流通路1の上流側に押圧して、スライド弁Gが閉じ位置から開き位置に移動してガス流通路1を開弁させる。このとき、押圧操作部R1は、スライド弁Gの移動に伴ってスライド弁Gと一体的にガス流通方向に沿って上流側に移動している。第3操作位置に到達すると押圧操作部R1の第1押圧操作部側当接傾斜面R6aが頭部H3bの第1被操作部側当接傾斜面R7aに当接し、更なるスライド弁Gの移動によって第3操作位置からそれよりも上流側の第3操作解除位置へ押圧操作部R1が移動している。図7(b)は、押圧操作部R1が操作位置よりも上流側の第3操作解除位置まで移動した状態を示している。
【0078】
図7(c)に示すように、ガス流量が一定以上の過流量となると、そのガス流量の流動圧によって過流出防止弁H2がガス栓本体2の軸方向に沿ってガス流通路1の下流側に移動して、過流出防止弁H2が初期位置から作動位置へ移動する。これにより、過流出防止弁H2が作動位置に移動することでガス流通が阻止される。
【0079】
図7(d)に示すように、ガス接続具100をガス栓本体2から取り外すと、ガス接続具100の押圧部105によるスライド弁Gに対するガス流通路1の上流側への押圧が解除されて、第1付勢部材F1及び第2付勢部材F2の付勢力によってスライド弁Gが開き位置から閉じ位置に移動する。このとき、スライド弁Gの移動に伴って押圧操作部R1もガス流通方向に沿って下流側に移動するが、押圧操作部R1の第2押圧操作部側当接傾斜面R6bが頭部H3bの第2被操作部側当接傾斜面R7bに当接して、更なるスライド弁Gの下流側への移動によって、最終的に、押圧操作部R1は、図7(a)にて示すように、ガス流通方向で被操作部材H3の頭部H3bから離れた位置まで移動する。
【0080】
再度、ガス接続具100をガス栓本体2に装着すると、図8(e)に示すように、ガス接続具100の押圧部105がスライド弁Gをガス流通路1の上流側に押圧して、スライド弁Gが閉じ位置から開き位置に移動してガス流通路1を開弁させる。このとき、押圧操作部R1は、スライド弁Gの移動に伴ってスライド弁Gと一体的にガス流通方向に沿って移動する。押圧操作部R1が、第3操作位置に到達すると押圧操作部R1の第1押圧操作部側当接傾斜面R6aが頭部H3bの第1被操作部側当接傾斜面R7aに当接し、押圧操作部R1が頭部H3bに直接当接してリセット操作を行う。このリセット操作によって、過流出防止弁H2が初期位置に復帰される。そして、第1押圧操作部側当接傾斜面R6aと第1被操作部側当接傾斜面R7aとの当接によって、更なるスライド弁Gの移動によって第3操作位置からそれよりも上流側の第3操作解除位置へ押圧操作部R1が移動しており、最終的に、図7(b)に示すように、スライド弁Gの移動終了時には第3操作解除位置まで押圧操作部R1が移動される。
【0081】
<第4実施形態>
これまで説明してきた実施の形態では、本発明に係るガス栓を、ガス栓本体2に対するガス接続具100の装着及び取り外しに伴ってスライド弁Gを閉じ位置と開き位置との間で移動させてガス器具へのガスの供給と停止との切り替えを行う所謂ガスコンセントとして構成したが、以下に、本発明に係るガス栓を、操作部に対する手動操作に伴ってスライド弁を閉じ位置と開き位置との間で移動させてガス器具へのガスの供給と停止との切り替えを行う、所謂ツマミ付きガス栓として構成した実施形態について、図10〜図16に基づいて説明する。尚、これまで説明してきた実施形態と同様の構成については、説明を割愛する場合がある。
【0082】
本実施形態のつまみ付きガス栓として構成されたガス栓は、図10及び図11に示すように、弁収容部5と、当該弁収容部5に対して夫々が開口するガス流入路1A及びガス流出路1Bが、内部に形成されたガス栓本体2と、弁収容部5に収容され、ガス流入路1Aとガス流出路1Bとの間の開閉を行う弁機構部Aと、操作部11に対する操作に伴って弁機構部Aを開閉させる操作機構部Bとを備えている。
以下、ガス栓本体2、弁機構部A、及び操作機構部Bの詳細構成について、順次説明する。
【0083】
〔ガス栓本体〕
ガス流入路1A及びガス流出路1Bの夫々は、互いの軸線X、Yを直角に交差する状態でガス栓本体2の内部に配置された円形断面を有する流路である。具体的には、ガス流入路1Aの軸線Xを上下方向に配置すると共に、ガス流出路1Bの軸線Yを横向きに配置することで、本実施形態のガス栓は所謂L型のガス栓として構成されている。このように構成されたL型のガス栓は、下から上に向けてガス栓本体2に流入したガスgを横向きに吐出して、側方に配置されたガス機器(図示せず)等に供給する。尚、本実施形態においてガス栓を上記L型のガス栓として構成するのではなく、例えば、ガス流出路1Bを斜め下向きに設けるなど、ガス流入路1Aとガス流出路1Bとの交差角度は適宜改変可能である。
また、弁収容部5は、ガス流入路1Aの上方延長上にガス栓本体2の内部に形成された円形断面を有する空間であり、弁収容部5の下方にはガス流入路1Aが開口し、弁収容部5の側方にはガス流出路1Bが開口することになる。
【0084】
〔弁機構部〕
ガス流入路1A及びガス流出路1Bの何れか一方の特定ガス流通路をガス流入路1Aとし、同特定ガス流通路の軸線である特定軸線をガス流入路1Aの軸線Xとすると、弁機構部Aは、当該特定ガス流通路であるガス流入路1Aの弁収容部5に対する開口部1Aaに形成された弁座部6と、同特定軸線である軸線Xに沿ってスライドして弁座部6に対して着座して当該開口部1Aaを閉塞する閉じ位置と、軸線Xに沿ってスライドして弁座部6に対して離間して当該開口部1Aaを開放する開き位置との間で変位するスライド弁G'とを有して構成されている。
即ち、スライド弁G'は、上下方向に配置されたガス流入路1Aの軸線Xに沿って、上下方向にスライドする。そして、そのスライド範囲の下端位置が、スライド弁G'が弁座部6に着座して開口部1Aaを閉塞する閉じ位置であり、同範囲の上端位置が、スライド弁G'が弁座部6に対して離間して当該開口部1Aaを開放する開き位置となる。よって、本実施形態において、閉じ位置側とは下方側を示し、開き位置側とは上方側を示すことになる。
尚、当該第4実施形態にあっては、第1弁体G1にはガスの流通を許容する第1切欠部G4及び第2切欠部G5を設けてあり、ガス流通路1において第1弁体G1の上流側と下流側との間で常にガスの流通を許容するように構成してある。
ここで、図13及び図14にはスライド弁G'が閉じ位置にある状態が示されており、図10及び図12にはスライド弁G'が開き位置にある状態が示されている。
【0085】
〔操作機構部〕
操作機構部Bは、操作者による操作部11に対する下向きの押圧操作をスライド弁G'に伝達させて当該スライド弁G'と共にスライド可能なスライド部Cと、スライド部Cを軸線Xに沿って閉じ位置側から開き位置側に向かう上向きに付勢する軸線付勢手段Dと、スライド部Cのスライドをガイドするガイド部20とからなる。
操作部11は、ガス流入路1Aの軸線Xと同軸上に配置されガス栓本体2の上部を覆う逆カップ状の操作ボタン10の上底部の上面として設けられている。
また、操作ボタン10は、軸線Xに沿って上下方向にスライド可能に設けられており、更に操作ボタン10の上底部の下面とガス栓本体2の上面との間には、ガス栓本体2に対し操作ボタン10を上向きに付勢するコイルバネ13が介挿されている。
尚、このコイルバネ13は、巻線部分が隣接間において互いに離間している通常のコイルバネが利用されており、軸線Xに沿って圧縮力を受けることで同軸線Xに沿って膨張力を発生する。
【0086】
スライド部Cは、軸線X周りに回転自在に設けられたガイドピン18と、当該ガイドピン18を軸線X周りの方向に付勢する回転付勢手段Eとを有して構成されている。
ガイドピン18は、軸線Xと同軸上に配置され当該軸線Xに沿ってスライド可能な円柱状の軸部材17の外表面において、軸部材17の円形断面の径外方向に向けて突出形成されている。
一方、回転付勢手段Eは、操作ボタン10における上底部の下面に一端部が固定され、上記軸部材17の上面に他端部が固定されて、ガス流入路1Aの軸線Xと同軸上に配置されたねじりコイルバネ15で構成されている。
尚、このねじりコイルバネ15は、巻線部分が隣接間において互いに密着しているコイルバネであり、ある回転方向にねじりモーメントを受けることで当該回転方向とは逆の回転方向(図10における右方向)に反発力を発生する。更に、かかるねじりコイルバネ15は、巻線部分が隣接間において互いに密着していることで、一端側から受けた操作部11の軸線Xに沿った下方向の押圧力を、他端側の軸部材17に伝達することができる。
ねじりコイルバネ15の両端部には、突起部16が設けられており、突起部16を含む巻線部分が、操作ボタン10における上底部の下面に形成された溝部12、及び軸部材17の上面に形成された溝部19に嵌め込まれることで、ねじりコイルバネ15の両端が操作ボタン10及び軸部材17に固定されている。
【0087】
軸線付勢手段Dは、巻線部分が隣接間において互いに離間している通常のコイルバネ24からなり、軸線Xに沿って圧縮力を受けることで同軸線Xに沿って膨張力を発生する。
このコイルバネ24は、スライド弁G'の下面と、弁収容部5の下方に設けられた筒状部材H1の上面との間に軸線Xに沿って圧縮状態で介挿されており、筒状部材H1の上面に対してスライド弁G'を上向きに付勢する形態で、スライド弁G'とスライド部Cとを軸線Xに沿って閉じ位置側から開き位置側に向かう上向きに付勢する。
【0088】
ガイド部20は、ガイドピン18が挿入されて当該ガイドピン18の軸線X上のスライド及び軸線X周りの回転を誘導するガイド溝22を外表面に形成した筒状部材21で構成されている。
更に、このガイド溝22には、操作部11に押圧力を付加してスライド弁G'を開き位置から閉じ位置まで変位させるときにガイドピン18をねじりコイルバネ15の付勢力に抗して回転させる回転誘導部22a、22bと、続いて当該押圧力を抜いたときにスライド弁G'を閉じ位置に維持する状態でコイルバネ24及びねじりコイルバネ15により付勢されるガイドピン18が係止する係止部22cとが形成されている。
そして、このような構成により、本実施形態のガス栓は、詳細については後述するが、操作部11に対する一の押圧操作により閉栓動作が行われ、それに続く操作部11に対する一の押圧操作により開栓動作が行われる所謂プッシュプッシュ式の開閉動作を実現している。
【0089】
図15(a)に示すように、このガイド溝22において、回転誘導部22a、22bの閉じ位置側の端部が、ねじりコイルバネ15の軸線X周りの付勢力に抗する回転方向において係止部22cより回転奥側(例えば図15(a)において左側)に位置する。回転誘導部22a、22bの閉じ位置側の端部から係止部22cにかけて、ガイド溝22がコイルバネ24の軸線Xに沿った付勢方向側(即ち上方側)に膨出してなる膨出部22dが形成されている。
よって、ガイドピン18が、その膨出部22dを介して、回転誘導部22a、22bの閉じ位置側の端部から係止部22cに向けてガイド溝22の上辺に沿って直接的に移動可能となり、係止部22cに適切に係止されるようになる。尚、この膨出部22dの形状等は適宜変更可能であり、また、膨出部22dを省略して、閉じ位置側回転誘導部22bの途中に上方に切れ込む係止部22cを形成し、閉じ位置側の端部にガイドピン18がある状態で操作部11に付加する押圧力f11を取り除いたときに、ガイドピン18が閉じ位置側回転誘導部22bを若干逆行しその途中にある係止部22cに係止されるように構成しても構わない。
【0090】
この回転誘導部22a、22bは、軸線X周りの方向において係止部22cよりも閉じ位置側に配置された閉じ位置側回転誘導部22bと係止部22cよりも開き位置側に配置された開き位置側回転誘導部22aとからなる。
更に、ガス流入路1Aの軸線Xの直交面をSとすると、閉じ位置側回転誘導部22bにおける直交面Sに対するガイド溝22のリード角αbが、開き位置側回転誘導部22aの同リード角αaよりも小さく設定されている。
即ち、閉栓動作において、操作部11に押圧力が付加され回転誘導部22a、22bに沿って誘導されるガイドピン18は、開き位置側から係止部22cが形成された位置までの間は開き位置側回転誘導部22aに沿って変位し、その係止部22cが形成された位置からそれよりも回転奥側に形成された閉じ位置側の端部までの間は閉じ位置側回転誘導部22bに沿って変位することになる。
そして、閉じ位置側回転誘導部22bのリード角αbが、開き位置側回転誘導部22aのリード角αaよりも小さいので、ねじりコイルバネ15の付勢力に抗してガイドピン18を閉じ位置側回転誘導部22bに沿って変位させるために必要な操作部11に対する押圧力は、開き位置側回転誘導部22aに沿って変位させるときよりも大きくなる。
以下、ガイド溝22の詳細構成について、本実施形態のガス栓の開閉動作時におけるガイド溝22におけるガイドピン18の遷移状態とあわせて、図15及び図16等に基づいて説明する。尚、図15及び図16において、ガイド溝22は、筒状部材21の外周面を平面に展開したときの状態で示されている。
【0091】
〔閉栓動作時〕
先ず、本実施形態のガス栓の閉栓動作時のガイド溝22におけるガイドピン18の位置の遷移状態について、図15等に基づいて説明する。
スライド弁G'が開き位置にあって開栓しているとき(図10参照)には、ガイドピン18は、図15(a)に示すように、ガイド溝22において回転誘導部22aの開き位置側の端部(図15(a)において右上端部)に位置している。
次に、操作部11に押圧力f11を付加し、その押圧力f11がスライド部Cに伝達されると、スライド部Cに設けられたガイドピン18は、図15(b)に示すように、ガイド溝22において開き位置側回転誘導部22aと閉じ位置側回転誘導部22bとの境界部に移動する。
この移動の際に、ガイドピン18は、コイルバネ24による軸線Xに沿った閉じ位置側から開き位置側へ向かう上向きの付勢力fdに抗して開き位置側から閉じ位置側へ向かう下向きに変位すると共に、ねじりコイルバネ15による軸線X周りの方向への付勢力feに抗して回転することになる。
即ち、開き位置側回転誘導部22aと閉じ位置側回転誘導部22bとの境界部に位置するガイドピン18には、図15(b)において、上向きの付勢力fdと右向きの付勢力feとが付加された状態となっている。
【0092】
更に、操作部11に比較的大きい押圧力f11を付加すると、ガイドピン18は、図15(c)に示すように、ガイド溝22において閉じ位置側回転誘導部22bの回転奥側(図15(c)の左側)の端部に移動し、それに伴ってスライド弁G'は閉じ位置(図13参照)に変位する。
この移動の際においても、ガイドピン18は、コイルバネ24による上向きの付勢力fdとねじりコイルバネ15による右向きの付勢力feに抗して左下方向に移動することになり、移動後のガイドピン18には、上向きの付勢力fdと右向きの付勢力feとが付加された状態となっている。
尚、これら付勢力fd、feは、ガイドピン18の左下方向への変位量が増加するに伴って増加するが、説明を簡単にするためにそれらの符号は同じものを使用する。
【0093】
次に、上記のように操作部11に対して付加していた押圧力f11を取り除くと、図15(d)に示すように、コイルバネ24による上向きの付勢力fdとねじりコイルバネ15による右向きの付勢力feによって、ガイドピン18は、膨出部22dに沿って右上方向にある係止部22cに当接する位置まで移動する。
そして、係止部22cのガイドピン18が当接する壁面の角度が、付勢力fd、feの合力が付加されているガイドピン18が回転誘導部22a、22b側に変位することを防止する角度に設定されているので、当該ガイドピン18の位置は係止部22cに係止された状態で保たれることになり、結果、図14に示すように、スライド弁G'が閉じ位置で維持されて、閉栓動作が完了する。
【0094】
〔開栓動作時〕
次に、本実施形態のガス栓の開栓動作時のガイド溝22におけるガイドピン18の位置の遷移状態について、図16等に基づいて説明する。
スライド弁G'が閉じ位置にあって閉栓しているとき(図14参照)には、ガイドピン18は、図16(a)に示すように、係止部22cに係止される位置にある。
次に、操作部11に比較的小さな押圧力f11'を付加し、その押圧力f11'がスライド部Cに伝達されると、スライド部Cに設けられたガイドピン18は、図16(b)に示すように、付勢力fd、feに抗して左下向きに若干変位することで、係止部22cにおける係止が解除された位置に変位する。
この際に、操作部11に付加される押圧力f11'は、上述した閉栓動作時に付加した押圧力f11よりも小さなものとなっているため、ガイドピン18は、例えば閉じ位置側回転誘導部22bに沿って閉じ位置側に変位することはない。
更に、閉じ位置側回転誘導部22bのリード角αbが開き位置側回転誘導部22aのリード角αaよりも小さく、ねじりコイルバネ15の付勢力feに抗してガイドピン18を閉じ位置側回転誘導部22bに沿って閉じ位置側へ変位させるためには比較的大きな押圧力が必要となるので、その押圧力よりも小さな押圧力f11'で操作部11を押圧した場合には、ガイドピン18が閉じ位置側回転誘導部22bに沿って回転奥側に変位することはない。
【0095】
次に、上記のように操作部11に対し付加されていた押圧力f11'を取り除くと、図16(c)に示すように、コイルバネ24による上向きの付勢力fdとねじりコイルバネ15による右向きの付勢力feによって、ガイドピン18は、開き位置側回転誘導部22aに沿って右上方向に移動し、結果、図10に示すように、それに伴ってスライド弁G'が閉じ位置から開き位置まで変位して、開栓動作が完了する。
尚、本実施形態では、ガイド溝22の回転誘導部を開き位置側回転誘導部22aと閉じ位置側回転誘導部22bとで構成したが、当該回転誘導部を一様のもので構成しても構わない。また、回転誘導部22a、22bのリード角αa、αbについては、一様のものとせずに、例えば開き位置側から閉じ位置側にかけて徐々に減少させるなど、適宜改変可能である。
【0096】
〔リセット手段〕
本実施形態のガス栓は、一定以上の流量のガスgが流れると当該ガス供給を遮断するために、図10に示すように、特定ガス流通路としてのガス流入路1Aには、過流出防止弁H2を備えた過流出防止機構Hが設けられており、更に、閉じ位置と開き位置との間でのスライド弁G'の移動により過流出防止弁H2をリセットさせるリセット操作を行うリセット手段Rが設けられている。
ここで、過流出防止弁H2及びリセット手段Rの構成については、上記第1実施形態と同様の構成を採用しているため詳細な説明は割愛するが、当該実施形態においては、リセット手段Rは、第1弁体G1の上流側端部からガス流通路1の上流側に伸びるように第1弁体G1に一体的に形成された押圧操作部R1と、閉じ位置と開き位置との間でのスライド弁G’の移動を、押圧操作部R1を被操作部材H3の頭部H3bに直接当接させて押圧操作部R1にリセット操作を行わせる押圧操作部R1の動きに変換する運動変換機構R2とから成り、スライド弁G’の移動に伴って、この押圧操作部R1が被操作部材H3の頭部H3bに当接する形態で、リセット操作が行われる。即ち、スライド弁G'が開き位置にあるときに過流出防止弁H2が作動位置に移動することでガス流通が阻止された状態(図12参照)で、スライド弁G'の閉じ位置と開き位置との間の移動途中(図12と図13との間)には、押圧操作部R1が被操作部材H3の頭部H3bに押圧させて頭部H3bに対してリセット操作を行う操作位置を通過し、スライド弁G'の移動終了時(図14)には、押圧操作部R1がリセット操作を解除する操作解除位置まで移動する。これにより、過流出防止弁H2の弁座部H6への着座が解除されて、第3付勢部材F3の付勢力によって過流出防止弁H2が初期位置に復帰される形態で、リセット操作が行われる。
【0097】
<別実施形態>
(1)上記第1〜第4実施形態では、過流出防止機構Hが、過流出防止弁H2とは別に、被操作部材H3を備えているが、例えば、過流出防止弁H2が作動位置に移動した場合に過流出防止弁H2の軸部をガス流通路1の下流側に突出させるとともに、その突出した過流出防止弁H2の軸部を被操作部として、その過流出防止弁H2の軸部に対してリセット操作を行うようにすることもできる。
【0098】
(2)上記第1〜第3実施形態では、ガス流通路1を構成する複数の流路部位の全てについてその中心軸を同一として、ガス流通路1を一直線状に設けているが、例えば、図9に示すように、ガス流通路1の上流側部位を構成する流路部位とガス流通路1の中間部位を構成する流路部位とガス流通路1の下流側部位を構成する流路部位とでその中心軸を流路径方向にずらした直線状のガス流通路1を形成することもできる。このように、ガス流通路1をガス栓本体2の軸方向に沿う直線状に設けるとは、上記第1〜第3実施形態の如く、一直線とするものに限らず、図9に示すように、流路径方向にずらした流路部位から構成されるものも含まれるものとする。そして、図9に示すものでも、上記第1〜第3実施形態と同様に、ガス栓本体2自体は直線状に設けることができ、ガス栓本体2をコンパクトに構成することができる。
図9は、上記第1実施形態を示す図1について、流路径方向にずらした直線状のガス流通路1を形成した場合の例を示している。図示は省略するが、上記第2実施形態を示す図6、及び、上記第3実施形態を示す図7についても、流路径方向にずらした直線状のガス流通路1を形成して実施することができる。
【0099】
(3)上記つまみ付きガス栓の実施形態では、図3に対応する実施形態のリセット手段Rを備えた例を示したが、これに限らず、図6〜9に対応する実施形態のリセット手段Rを備えても、本願の目的を達成することができる。
【0100】
(4)これまで説明した実施形態では、スライド弁Gの外面がガス流通路1の内面に着座してガス流通路1を閉止する例を示したが、例えば、ガス流通路1の内面にシール部材を設け、当該シール部材にスライド弁Gが着座する形態で、ガス流通路1を閉止するようにしても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明は、ガス流通路が内部に形成された筒状のガス栓本体に、閉じ位置と開き位置との間で前記ガス栓本体の軸方向に移動自在なスライド弁と、前記ガス流通路のガス流通方向で前記スライド弁よりも上流側に配置された過流出防止弁と、前記ガス流通方向で前記スライド弁と前記過流出防止弁との間に配置されて、前記閉じ位置と前記開き位置との間での前記スライド弁の移動により前記過流出防止弁をリセットさせるリセット操作を行うリセット手段とが備えられ、リセット手段の構成の簡素化及び部材点数の減少を図り、リセット手段によるリセット操作及びリセット操作の解除を行うことができる各種のガス栓に適応することができる。
【符号の説明】
【0102】
1 ガス流通路
2 ガス栓本体
G スライド弁
G3 支持部材
H2 過流出防止弁
H3 被操作部材(被操作部)
R リセット手段
R1 押圧操作部
R2 運動変換機構
R3 係合案内溝
R4 被係合部
R5 当接部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス流通路が内部に形成された筒状のガス栓本体に、閉じ位置と開き位置との間で前記ガス栓本体の軸方向に移動自在なスライド弁と、前記ガス流通路のガス流通方向で前記スライド弁よりも上流側に配置された過流出防止弁と、前記ガス流通方向で前記スライド弁と前記過流出防止弁との間に配置されて、前記閉じ位置と前記開き位置との間での前記スライド弁の移動により前記過流出防止弁をリセットさせるリセット操作を行うリセット手段とが備えられているガス栓において、
前記リセット操作は、前記過流出防止弁における被操作部を前記ガス流通路の上流側へ押圧する操作であり、前記リセット手段は、前記スライド弁の上流側端部から前記ガス流通路の上流側に延びるように前記スライド弁に一体的に形成された押圧操作部と、前記閉じ位置と前記開き位置との間での前記スライド弁の移動を、前記押圧操作部を前記被操作部に直接当接させて前記押圧操作部にて前記リセット操作を行わせる前記押圧操作部の動きに変換する運動変換機構とを備えているガス栓。
【請求項2】
前記運動変換機構は、前記閉じ位置と前記開き位置との間での前記スライド弁の移動途中に前記押圧操作部にて前記リセット操作を行わせるように、前記スライド弁の移動を前記押圧操作部の動きに変換している請求項1に記載のガス栓。
【請求項3】
前記押圧操作部を前記被操作部に直接当接させて前記押圧操作部にて前記リセット操作を行わせる第1操作位置と、前記押圧操作部を前記被操作部から離間させて前記リセット操作を解除する第1操作解除位置とが、前記ガス流通路のガス流通方向に沿う軸心周りでの周方向に異なる位置に設定されており、前記運動変換機構は、前記スライド弁が前記閉じ位置と前記開き位置との間で移動する場合に、前記ガス流通路のガス流通方向に沿って前記押圧操作部を移動させるスライド移動変換状態と前記ガス流通路のガス流通方向に沿う軸心周りに前記押圧操作部を回転させる回転運動変換状態とに切り換える形態で、前記スライド弁の移動を前記押圧操作部の動きに変換している請求項1又は2に記載のガス栓。
【請求項4】
前記押圧操作部を前記被操作部に直接当接させて前記押圧操作部にて前記リセット操作を行わせる第2操作位置と、前記押圧操作部を前記被操作部から離間させて前記リセット操作を解除する第2操作解除位置とが、前記ガス流通路のガス流通方向に沿う軸心周りでの周方向に異なる位置に設定されており、前記運動変換機構は、前記スライド弁が前記閉じ位置と前記開き位置との間で移動する場合に、その移動開始から移動終了まで前記ガス流通路のガス流通方向に沿う軸心周りに前記押圧操作部を回転させる形態で、前記スライド弁の移動を前記押圧操作部の動きに変換している請求項1又は2に記載のガス栓。
【請求項5】
前記スライド弁を支持する支持部材が、前記ガス流通路のガス流通方向に摺動自在に前記ガス流通路に備えられ、前記運動変換機構は、前記支持部材の外周に形成された係合案内溝と、前記ガス流通路の内壁部に形成されて前記係合案内溝に係合された被係合部とを備えている請求項3又は4に記載のガス栓。
【請求項6】
前記押圧操作部を前記被操作部に直接当接させて前記押圧操作部にて前記リセット操作を行わせる第3操作位置と、前記押圧操作部を前記被操作部から離間させて前記リセット操作を解除する第3操作解除位置とが、前記ガス流通路のガス流通方向に異なる位置に設定されており、前記運動変換機構は、前記スライド弁が前記閉じ位置と前記開き位置との間で移動する場合に、その移動開始から移動終了まで前記ガス流通路のガス流通方向に沿って前記押圧操作部を移動させる形態で、前記スライド弁の移動を前記押圧操作部の動きに変換している請求項1又は2に記載のガス栓。
【請求項7】
前記押圧操作部が前記第3操作位置に到達した場合に、更なる前記スライド弁の移動によって前記押圧操作部が前記ガス流通路のガス流通方向に沿って移動することを許容する状態で、前記押圧操作部と前記被操作部とを当接させる当接部が備えられている請求項6に記載のガス栓。
【請求項8】
前記ガス流通路は、上流側から順に、前記過流出防止弁、前記リセット手段、前記スライド弁を備えて、前記ガス栓本体の軸方向に沿う直線状に設けられている請求項1〜7の何れか一項に記載のガス栓。
【請求項9】
前記スライド弁が、前記ガス栓本体に対するガス接続具の装着及び取り外しに伴って前記閉じ位置と前記開き位置との間で移動する請求項1〜8の何れか1項に記載のガス栓。
【請求項10】
前記スライド弁が、操作部に対する押圧操作に伴って前記閉じ位置と前記開き位置との間で移動する請求項1〜8の何れか1項に記載のガス栓。
【請求項1】
ガス流通路が内部に形成された筒状のガス栓本体に、閉じ位置と開き位置との間で前記ガス栓本体の軸方向に移動自在なスライド弁と、前記ガス流通路のガス流通方向で前記スライド弁よりも上流側に配置された過流出防止弁と、前記ガス流通方向で前記スライド弁と前記過流出防止弁との間に配置されて、前記閉じ位置と前記開き位置との間での前記スライド弁の移動により前記過流出防止弁をリセットさせるリセット操作を行うリセット手段とが備えられているガス栓において、
前記リセット操作は、前記過流出防止弁における被操作部を前記ガス流通路の上流側へ押圧する操作であり、前記リセット手段は、前記スライド弁の上流側端部から前記ガス流通路の上流側に延びるように前記スライド弁に一体的に形成された押圧操作部と、前記閉じ位置と前記開き位置との間での前記スライド弁の移動を、前記押圧操作部を前記被操作部に直接当接させて前記押圧操作部にて前記リセット操作を行わせる前記押圧操作部の動きに変換する運動変換機構とを備えているガス栓。
【請求項2】
前記運動変換機構は、前記閉じ位置と前記開き位置との間での前記スライド弁の移動途中に前記押圧操作部にて前記リセット操作を行わせるように、前記スライド弁の移動を前記押圧操作部の動きに変換している請求項1に記載のガス栓。
【請求項3】
前記押圧操作部を前記被操作部に直接当接させて前記押圧操作部にて前記リセット操作を行わせる第1操作位置と、前記押圧操作部を前記被操作部から離間させて前記リセット操作を解除する第1操作解除位置とが、前記ガス流通路のガス流通方向に沿う軸心周りでの周方向に異なる位置に設定されており、前記運動変換機構は、前記スライド弁が前記閉じ位置と前記開き位置との間で移動する場合に、前記ガス流通路のガス流通方向に沿って前記押圧操作部を移動させるスライド移動変換状態と前記ガス流通路のガス流通方向に沿う軸心周りに前記押圧操作部を回転させる回転運動変換状態とに切り換える形態で、前記スライド弁の移動を前記押圧操作部の動きに変換している請求項1又は2に記載のガス栓。
【請求項4】
前記押圧操作部を前記被操作部に直接当接させて前記押圧操作部にて前記リセット操作を行わせる第2操作位置と、前記押圧操作部を前記被操作部から離間させて前記リセット操作を解除する第2操作解除位置とが、前記ガス流通路のガス流通方向に沿う軸心周りでの周方向に異なる位置に設定されており、前記運動変換機構は、前記スライド弁が前記閉じ位置と前記開き位置との間で移動する場合に、その移動開始から移動終了まで前記ガス流通路のガス流通方向に沿う軸心周りに前記押圧操作部を回転させる形態で、前記スライド弁の移動を前記押圧操作部の動きに変換している請求項1又は2に記載のガス栓。
【請求項5】
前記スライド弁を支持する支持部材が、前記ガス流通路のガス流通方向に摺動自在に前記ガス流通路に備えられ、前記運動変換機構は、前記支持部材の外周に形成された係合案内溝と、前記ガス流通路の内壁部に形成されて前記係合案内溝に係合された被係合部とを備えている請求項3又は4に記載のガス栓。
【請求項6】
前記押圧操作部を前記被操作部に直接当接させて前記押圧操作部にて前記リセット操作を行わせる第3操作位置と、前記押圧操作部を前記被操作部から離間させて前記リセット操作を解除する第3操作解除位置とが、前記ガス流通路のガス流通方向に異なる位置に設定されており、前記運動変換機構は、前記スライド弁が前記閉じ位置と前記開き位置との間で移動する場合に、その移動開始から移動終了まで前記ガス流通路のガス流通方向に沿って前記押圧操作部を移動させる形態で、前記スライド弁の移動を前記押圧操作部の動きに変換している請求項1又は2に記載のガス栓。
【請求項7】
前記押圧操作部が前記第3操作位置に到達した場合に、更なる前記スライド弁の移動によって前記押圧操作部が前記ガス流通路のガス流通方向に沿って移動することを許容する状態で、前記押圧操作部と前記被操作部とを当接させる当接部が備えられている請求項6に記載のガス栓。
【請求項8】
前記ガス流通路は、上流側から順に、前記過流出防止弁、前記リセット手段、前記スライド弁を備えて、前記ガス栓本体の軸方向に沿う直線状に設けられている請求項1〜7の何れか一項に記載のガス栓。
【請求項9】
前記スライド弁が、前記ガス栓本体に対するガス接続具の装着及び取り外しに伴って前記閉じ位置と前記開き位置との間で移動する請求項1〜8の何れか1項に記載のガス栓。
【請求項10】
前記スライド弁が、操作部に対する押圧操作に伴って前記閉じ位置と前記開き位置との間で移動する請求項1〜8の何れか1項に記載のガス栓。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図6】
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【図10】
【図11】
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【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−207782(P2012−207782A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−60451(P2012−60451)
【出願日】平成24年3月16日(2012.3.16)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年3月16日(2012.3.16)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】
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