説明

ガソリンの共製造を伴ってプロピレンを製造するための、4個および/または5個の炭素原子を有するオレフィンを含む装入原料の直接転化方法

本発明は、C4/C5オレフィン留分(例えば、スチームクラッキングおよび/または接触分解)からプロプレンを製造する方法であって、任意の選択的水素化と、イソブチレンの選択的オリゴマー化と、n−ブチレンのオリゴクラッキングを含む方法に関する。本発明は、プロピレンにおける良好な収率による高転化率および良好な量のガソリン製造の最大化を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭化水素装入原料のプロピレンへの少なくとも部分的な転化を可能にする方法であって、該炭化水素挿入原料は、炭素数が大部分について4または5に等しいオレフィンを含み、この留分(本明細書の以降の記載ではC4/C5留分と称されることになる)は、ほとんどの場合、FCC装置またはスチームクラッキング装置に由来するものである、方法に関する。
【0002】
用語「FCC」は、約350℃超の沸点を有するオイルフラクション、例えば、真空留出液、場合によっては脱アスファルト油または常圧残渣の流動床接触分解の方法を表現する。
【0003】
C4/C5オレフィン留分は、過剰になる場合がある程大量に、石油精製業者およびスチームクラッキング設備において入手可能である。
【0004】
しかしながら、精製装置におけるそれらの再循環には問題がある:
− 一方で、軽質オレフィンの収率がパラフィン留分の収率より低く、それらがコークを形成する相対的により高い傾向を有するために、スチームクラッキングへのそれらの再循環は問題を提示する;および
− 他方で、FCCへのそれらの再循環が、より苛酷な条件または特定の触媒の使用を必要とし、これは、FCC手順を大きく改変することになる。
【0005】
本発明による方法の装入原料はまた、チャンバーまたは流動床コーキング装置、ビスブレーキング装置またはフィッシャー・トロプシュ合成装置に由来するC4/C5、さらにはより大きいフラクションを含み得る。
【0006】
装入原料はまた、スチームクラッキングされたガソリンのフラクションを含み得る。
【0007】
要約すると、本発明による方法の装入原料は、したがって、C4/C5オレフィン留分、すなわち、典型的には、軽質オレフィン装入原料であって、大部分(すなわち、50%超、好ましくは少なくとも60%)について、C4および/またはC5オレフィンであって、その終留点が一般的には320℃以下、たいていの場合250℃以下であるものを含有するものである。しばしば、本発明のオレフィン装入原料はまた、不飽和度がより高い化合物、例えば、ジエン(ジオレフィン)、特に、4または5個の炭素原子を有するもの(特にブタジエン)および少量のアセチレン化合物であって、2〜10個の炭素原子を有し得るものを含む。
【0008】
本発明の主題である方法は、選択的水素化、イソ−オレフィンのオリゴマー化およびn−オレフィンのオリゴクラッキングの接触反応を連続して使用する。
【背景技術】
【0009】
特許文献1には、(エチレン+n−ブテン)混合物をプロピレンに転化するメタセシスの方法が記載されている。
【0010】
本発明による方法はメタセシスを用いず、C4およびC5オレフィン以外のもの(例えばエチレン)を大量に用いる必要性を回避し、そのようなオレフィンは、当然、不純物として発生し得る。したがって、大規模なエチレン消費、高コストの生成物を必要としない。さらに、スチームクラッキングの現場にそれが適用される場合、本発明の方法は、エチレンを装入原料として用いることのみならず、プロピレンと共にエチレンを共製造することも可能にする。エチレンの共製造は、典型的には、プロピレンの製造より少ないので、これは、スチームクラッキング装置のプロピレン−エチレン比を増加させることを可能にし、このことは、市場の趨勢と一致している。
【0011】
特許文献2に記載されている方法は、軽質オレフィンからの単一段階でのプロピレンの製造のための別法であって、ZSM−5ゼオライトを含む触媒を用いるFCC法の変形であると考えられ得るものである。この方法の典型的な操作条件は、600℃近くの温度および0.1〜0.2MPa(1MPa=10Pa=10bar)の圧力である。これらの条件において、プロピレンの収率は約30%であり、反応しなかったC4およびC5留分を再循環させることにより50%にまで増加させ得る。この方法の欠点は、流動床技術が出資の観点から高価であり、比較的繊細なプロセス制御を必要とすることである。さらに、それは、摩耗により触媒の相当な損失をもたらす。
【0012】
本発明による方法は、別のタイプの方法を目的とし、FCCを用いない。
【0013】
単一段階オリゴクラッキング方法の族(すなわち、C4/C5フラクションの事前のオリゴマー化が全くない場合)において、非特許文献1に記載される方法も挙げられ得る。これは、固定床方法であり、触媒は、水蒸気の存在中で作用するZSM−5タイプのゼオライトである。温度は500℃近くであり、圧力は0.1〜0.2MPaである。報告されたサイクル時間は1000時間程度である。触媒は現場で再生され、その全耐用期間、すなわち、それが完全に新しくされる前に反応器においてそれが用いられる時間の長さは、約15月である。報告されたプロピレン収率は約40%であり;それは、反応しなかったC4およびC5留分を再循環させることにより60%に上げられ得る。
【0014】
この方法は、比較的高いプロピレン収率を得ることを可能にする。しかしながら、それは大量の水蒸気の使用を必要とし、本発明ではこのようなことがなく、本発明では、オレフィンについての所望レベルの分圧が有利に得られる。本発明による方法では外側からの水の添加がない。
【0015】
特許文献3〜5に記載された方法も挙げられ得る。これらは、MFIタイプのゼオライト触媒であって、ジエンおよび芳香族の生成の原因となる水素転移反応を制限するために高いSi/Al比(180〜1000)を有するものを用いるオリゴクラッキング法を開示する。温度は550℃近くであり、圧力は0.1MPa近くであり、空間速度は10〜30h−1である。この方法は、固定−、移動−または流動床反応器を用いる可能性を含む。用いられる触媒は、MFIタイプのゼオライトであって、そのSi/Al比(ケイ素/アルミニウム原子比)が180以上であるもの、好ましくはSi/Al比が300〜1000であるZSM−5ゼオライトを有する。
【0016】
特許文献6に記載される方法も挙げられ得る。これは、オリゴクラッキング法であり、これも、MFIタイプのゼオライト触媒であって、180〜1000のSi/Al比を有するもの、または、MELタイプのゼオライト触媒であって、150〜800のSi/Al比を有するものを用いており、これらの高いSi/Al比はジエンおよび芳香族の生成の原因となる水素転移反応を制限するために必要とされる。温度は500〜600℃であり、オレフィン分圧は0.01〜0.2MPaであり、空間速度は5〜30h−1である。
【0017】
特許文献7(これが最も近い従来技術であると考えられ得る)には、下記連続段階を包含する、オレフィン留分からエチレンおよびプロピレンを製造する方法が記載されている:
a)エチレン、プロピレン、次いでジオレフィンの分離(例えば、選択的水素化による);
b)酸化された化合物を形成する(例えば、エーテル化による)ために酸化剤および酸触媒を用いるイソ−オレフィンの転化によるn−オレフィンおよびイソオレフィンの分離;
c)酸化された化合物の分離および
d)エチレンおよびプロピレンを得るための小細孔触媒(例えばゼオライト性または好ましくはSAPOを含む非ゼオライト性)を用いるn−オレフィンのクラッキング。
【0018】
代替において、オリゴマー化により、酸化された化合物の分離からの流出物の一部を処理して、オレフィンの流れを得、これを、クラッキング装置に再循環させることが提案される。この段階の目的はクラッキング装置に入る装入原料からパラフィンを除去することである。
【0019】
本発明はまた、n−オレフィンおよびイソオレフィンを分離するが、酸化剤を使用しない装置を用いる。このような剤(メタノール、エタノール)の欠点は、分離装置(蒸留、水による洗浄等)を必要とすることであり、メタノールに関して汚染さらには毒性の問題を提起する。
【0020】
さらに、本発明による方法は、プロピレンの形成をもたらすが追加的な量の優良品質のガソリンの形成ももたらす。
【特許文献1】仏国特許発明第2608595号明細書
【特許文献2】国際公開第01/04237号パンフレット
【特許文献3】国際公開第99/29805号パンフレット
【特許文献4】欧州特許第0921181号明細書
【特許文献5】欧州特許出願公開第0921179号明細書
【特許文献6】欧州特許出願公開第1195424号明細書
【特許文献7】米国特許第6049017号明細書
【非特許文献1】プロダクション・オフ・プロピレン・フロム・ロー・バリュード・オレフィンズ(Production of Propylene from Low Valued Olefins)」、定期刊行物「ハイドロカーボン・エンジニアリング(Hydrocarbon Engineering)」、1999年5月
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0021】
(本発明の要約)
本発明は、C4/C5オレフィンのC4/C5留分を、プロピレンおよびガソリンに転化する方法であって、下記連続段階:
1)ジオレフィンおよびアセチレン不純物のレベルが1000ppmより大きい場合に、Ni、PdおよびPtによって形成される群から選択される少なくとも1種の金属を非酸耐火性酸化物担体上に担持されて含む少なくとも1種の触媒を用いる前記留分を選択的に液相水素化して、多くとも1000ppmの不飽和含有量を有する流出物を得る;
2)段階(1)からの流出物の少なくとも一部のイソオレフィンを選択的にオリゴマー化し、その後に蒸留して、ガソリンフラクションおよび10重量%未満のイソブテンを含有する少なくとも1種の残りの留分を得る;および
3)段階(2)の残りの留分の少なくとも一部についての、形状選択性および50〜500のSi/Al原子比を有する少なくとも1種のゼオライトを含む触媒を用いるn−オレフィンをオリゴクラッキングし(単一段階で作動する)、その後に分離して、ガソリンフラクション、プロピレンおよび残留C4/C5留分を得る
を包含する方法に関する。
【0022】
C4およびC5オレフィン装入原料は、一般的に、スチームクラッキングまたは接触分解(FCC)装置に由来する。
【0023】
オリゴクラッキング段階からの芳香物リッチなガソリン留分は、有利には、少なくとも一部において、選択的オリゴマー化からのガソリン留分と混合されて、少なくとも94のRONオクタン価を有するガソリンを形成し得る。
【0024】
それはまた、少なくとも一部において、芳香族抽出複合体に送られ得る。
【0025】
本発明による方法は、最終的には、少なくとも19%、好ましくは22%超のプロピレン収率が得られることを可能にする。
【0026】
本発明はまた、設備であって、
− Ni、PdおよびPtによって形成される群から選択される少なくとも1種の金属を非酸耐火酸化物担体上に担持されて含む少なくとも1種の触媒を含む選択的水素化装置であって、処理されるべきC4/C5オレフィン留分および水素の導入用および流出物の排出用の導管が取り付けられた装置と、
− イソオレフィンの選択的オリゴマー化のための装置であって、乾燥装置と、脱硫装置と、少なくとも1種の酸の選択的オリゴマー化触媒を含む反応装置と、を連続的に含み、前記連続装置間の流出物の通過用、水素化装置からの流出物の少なくとも一部の導入用および流出物の排出用の導管が取り付けられた装置と、
− ガソリンフラクションと少なくとも1種の残り留分を分離する蒸留塔と、
− n−オレフィンをオリゴクラッキングするための装置であって、形状選択性および50〜500のSi/Al原子比を有する少なくとも1種のゼオライトを含む触媒を含み、オリゴマー化流出物の蒸留からの残り留分の少なくとも一部の導入用および流出物の排出用の導管が取り付けられた装置と、
− ガソリンフラクション、プロピレンおよび残留C4/C5留分を分離する蒸留塔と、
− 前記残留C4/C5留分の少なくとも一部をオリゴマー化装置またはオリゴクラッキング装置に再循環させる導管と、
− オリゴマー化およびオリゴクラッキング装置からのガソリンフラクションを混合するための帯域と
を含むものに関する。
【0027】
特に、この設備において、水素化装置は、装入原料の下降流を伴う固定床反応器と、得られた流出物を、前記流出物および水素の上昇向流を伴う第2の固定床反応器に搬送する導管とを含む。
【0028】
場合によっては、設備はまた、オリゴクラッキング流出物の導入用の導管および脱芳香族化ガソリンの排出用の排出導管が取り付けられた芳香族抽出装置を含む。
【0029】
図1は、本発明による方法および設備の概要を示しており、該図は、下記の詳細な説明のより良好な理解を可能にするであろう。
【0030】
処理されるべき装入原料(1)は、選択的水素化装置(a)に導入され、流出物(2)を生じさせる。
【0031】
別の起源の装入原料(2’)がこの流出物(2)に加えられ得るが、その際の条件は前記装入原料(2’)の不飽和レベルが10〜1000ppm、好ましくは50〜300ppmである。典型的には、装入原料(2’)は、水素化処理される必要がないFCCガソリンであり得る。
【0032】
結果として生じる装入原料(2)+(2’)は、選択的オリゴマー化装置(b)に注入される。この選択的オリゴマー化装置(b)は、蒸留塔(d)での分離後に、
− 頂部における、大部分がC4およびC5フラクションによって構成される、より軽質の炭化水素留分(4);および
− 底部における、大部分がC8オレフィンによって構成されるが、C16までの化合物の所定比率を含有し得る、オリゴマー化物(oligomerate)(3);
を生じさせる。
【0033】
流れ(4)に対応するC4/C5留分は、再循環流(5)と混合され、パージされた後に、オリゴクラッキング装置(c)に送られる。
【0034】
オリゴクラッキング装置(c)は、蒸留塔(d’)での分離後に、
− 頂部における、エチレンリッチな軽質留分(7);
− プロピレンリッチな流出物(6);
− 大部分が飽和化合物によって構成されるC4およびC5炭化水素を含有する中間フラクション(8):このフラクション少なくとも一部は、流れ(5)によってオリゴクラッキング装置への導入口に再循環させられる;および
− 底部における、芳香族およびオレフィン化合物を含む重質流出物(9):このものの沸点は、ガソリンの範囲、すなわち、典型的には20〜250℃の範囲に位置付けられる
を生じさせる。
【0035】
本発明による方法の変形において、蒸留塔(d’)からの再循環物(8)は、選択的オリゴマー化装置(b)への導入口に送られる流れ(5’)を構成する。
【0036】
当然、フラクション(8)の一部が流れ(5)によってオリゴクラッキング装置への導入口に再循環させられ、他の部分が、流れ(5’)によってオリゴマー化装置への導入口に再循環させられる変形は、全体的に、本発明の範囲内に残る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
(本発明の詳細な説明)
スチームクラッキング装置またはFCC(接触分解)からの粗装入原料は、一般的に、ジエン(ジオレフィン)化合物を含有しており、これは、オリゴマー化およびオリゴクラッキング装置において用いられる触媒に有毒である。
【0038】
ジエンおよびアセチレン不純物のレベルが1000ppmより大きい場合、装入原料は選択的水素化によって処理され、不純物のレベルが低減させられる。有利には、300ppm超、さらには10ppmのこれらの不純物を含有する全装入原料が処理される。
【0039】
− それ故に、スチームクラッキングに由来する装入原料(C4/C5オレフィン留分)の場合、ジエンおよびアセチレンのモノオレフィンへの選択的水素化のこの段階は義務的である。この選択的水素化は、溶媒中の吸着によってジオレフィンタイプの化合物を抽出するために用いられる装置において予め処理された後に、スチームクラッキング装置からの粗留分またはC4留分のいずれかを処理し得る。ブタジエンの抽出のためのこのタイプの方法は、当業者に知られている。
【0040】
− 接触分解(FCC)に由来する装入原料(C4/C5オレフィン留分)の場合、選択的水素化段階は任意であるが、それは下流の処理過程の実施をより容易にする。
【0041】
それ故に、非常に有利な方法では、段階(1)においてC4/C5のスチームクラッキングオレフィン留分が処理され、段階(2)において段階(1)からの流出物の少なくとも一部およびC4/C5接触分解オレフィンが処理される。
【0042】
この第1の選択的水素化段階の主目的は、ジオレフィン(またはジエン)をモノオレフィンに転化することである。本発明の方法に従ってモノオレフィンのみがプロピレンに転化され得る。したがって、処理されるべき装入原料のモノオレフィン含有量を最大にすることが重要である。
【0043】
この第1段階の別目的は、存在する他の不純物、特に、下流段階において用いられる触媒に有毒なアセチレン化合物から装入原料を精製することである。
【0044】
処理されるべきジオレフィン含有量が多い場合、転化は直列の2つの反応器を用いて行われ、場合によっては、流出物のフラクションの、選択的水素化装置への導入口への再循環を伴う。この再循環はまた、反応の全体的な加熱の制御を可能にする。
【0045】
選択的水素化段階の終了時の流出物の不飽和物含有量(ジオレフィンまたは不飽和物)は、多くとも1000ppm、好ましくは多くとも300ppm、しばしば10〜1000ppm、好ましくは50〜300ppmである。
【0046】
この選択的水素化段階において用いられる触媒は、一般的には、非酸耐火性アルミナまたは酸化物担体上に担持された第VIII族の金属(典型的にはNiまたはPd)によって構成される。触媒の表面におけるポリマー化反応を制限するために、外部の酸表面積は広すぎてはならない。好ましい担体は、アルミナによって構成される。
【0047】
金属(好ましくはパラジウム)の含有量は、0.1〜5重量%でなければならず、好ましくは0.2〜0.6重量%である。ニッケルが金属として用いられる場合、その含有量は5〜25重量%、好ましくは7〜20重量%である。
【0048】
操作条件は、流出物が液体状態のままであるように選ばれ、すなわち、典型的には20〜150℃、5〜40barの圧力である。
【0049】
反応のために用いられる触媒の量は、典型的には、新鮮な処理された装入原料の容積(m)当たり触媒2〜8mに位置付けられる。
【0050】
水素は、一般的には5〜30モル%の速度で化学量論以上に、好ましくは10〜20モル%の速度で化学量論以上の量で導入される。
【0051】
有利には、反応は、主反応については一般的に下降流で(これは、1.5重量%超のジオレフィンが転化されるべき流出物中に存在する場合である)、アルミナ上に担持されたPdによって好ましくは構成される触媒により、固定床反応器において行われるが、反応の終了期については、一般的には水素との上昇並流で、アルミナ上に担持されたPd/Agによって好ましくは構成される触媒による、固定床反応器において行われる。
【0052】
この配置は、転化率を増加させるという利点を有する。
【0053】
本発明による方法の第2段階は、2期で進行する、第1段階からの流出物の全てのイソオレフィン(イソブテン、イソペンテン)の選択的オリゴマー化からなる。
【0054】
イソブテンの選択的オリゴマー化は、特許FR−B−2 492 365において詳細に記載されている。
【0055】
選択的オリゴマー化の第1期は、装入原料の乾燥および脱硫からなる。
【0056】
2つの機能(乾燥および脱硫)は、同一の反応器において行われ、シーブ(sieve)を用いる。これらのシーブは、一般的には、異なる細孔サイズを有する一連のゼオライト(3A、4A、5A、13Xゼオライト)または場合によっては活性化されたアルミナによって構成される。乾燥および脱硫を行うために用いられるシーブは、一般的には、交互の反応−再生サイクルにおいて用いられる。
【0057】
乾燥および脱硫期は、一般的には、液相において、室温近くの温度(20〜70℃)、1〜15barの低圧で行われる。
【0058】
再生期は、乾燥した高温ガス、例えば窒素を、200〜400℃の温度で反応器に送ることからなる。
【0059】
オリゴマー化段階の第2期は、イソオレフィン(イソブテン、イソペンテン)の選択的オリゴマー化からなる。操作の選択性は、まさに、n−オレフィン(n−ブテン、n−ペンテン)をオリゴマー化することなくイソブテンをオリゴマー化することにかかっている。
【0060】
この段階において用いられる触媒は、酸触媒、例えば、シリカ−アルミナタイプの触媒、固体のリン酸タイプの樹脂または触媒である。好ましくは、この段階において用いられる触媒は、特許FR−B−2 463 802に記載されるようなシリカ−アルミナタイプの触媒であって、そのシリカ含有量が、60〜95重量%、好ましくは70〜90重量%であり、添加物として0.1〜5重量%の酸化亜鉛を有するものである。これは、一般的には、100%までアルミナにより作製される。
【0061】
操作条件は、一般的には(特に、上記触媒の場合には)、
− 温度:反応器に入る際には20〜80℃、反応器を出る際には50または65〜95℃;
− 圧力:10〜50bar;
− 触媒の質量単位当たり装入原料の容積流量:0.05〜5h−1、好ましくは0.1〜3h−1
【0062】
選択的オリゴマー化段階は、一般的には、直列のN個の固定床反応器において行われ、それらのそれぞれは、冷却器に続けられる。
【0063】
選ばれる数Nは、所望のn−ブテン選択性によって決まる。典型的にはそれは2〜4である。処理過程への導入口において一定のイソブテン含有量を維持するために、場合によっては、これらのN個の反応器への導入口への外部の再循環が用いられる。この再循環は、反応器を出る際に直接的に利用される流出物または蒸留塔の底部において回収されるオリゴマー化物のいずれかによって構成される。
【0064】
N個の冷却器のそれぞれの温度は、用いられる触媒系の活性の損失を補償するように操作の間に調節される。
【0065】
N個の反応器の下流で蒸留による分離が行われ、C6〜C16の範囲の炭化水素を本質的に含み、C8炭化水素の大部分をしばしば含み、したがって、例えばC6〜C16またはC8〜C16オリゴマーを含むガソリンフラクションが分離され、かつ、パラフィンおよびC5のn−オレフィンおよびイソオレフィンを本質的に含む残りのC4およびC5留分の1以上が回収される。
【0066】
この残りのC4/C5留分は、典型的には、4個および/または5個の炭素原子を有する大部分の軽質オレフィンについて20〜80重量%のオレフィンを含有する。留分の残りは、イソオレフィン(本質的にはC5のイソオレフィン)およびパラフィンによって構成される。
【0067】
C4イソオレフィンの含有量は、一般的には10重量%未満である。
【0068】
選択的オリゴマー化段階の終了時に生じさせられた少なくとも1種のC4/C5留分(および好ましくは、全部の残りの留分)は、単一段階で操作する接触オリゴクラッキング装置に送られる。
【0069】
典型的には、単一段階オリゴクラッキング装置において用いられる触媒は、形状選択性を有する少なくとも1種のゼオライトを含み、このゼオライトのSi/Al原子比は50〜500、好ましくは60〜160、より一層良好には75〜150である。
【0070】
さらに、形状選択性を有するゼオライトは、以下の構造型の一つによって構成される第1の群に属し得る:MEL、MFI、NES、EUO、FER、CHA、MFSおよびMWW。好ましくは、それは、MFI(ZSM−5等)およびMEL(ZSM−11等)から選ばれる。
【0071】
形状選択性を有するゼオライトはまた、以下のゼオライトによって構成される第2の群に属し得る:NU−85、NU−86、NU−88およびIM−5。
【0072】
特に、以下の市販ZSM−5ゼオライトの一つが用いられ得る:
−Zeolyst International,Valley Forge,PA,19482 USAからのCBV 28014(Si/Al比:140)およびCBV 1502(Si/Al原子比:75)、および
Sud-Chemie(Munich,ドイツ)からのSi/Al原子比が125であるペンタシル型ZSM−5。
【0073】
形状選択性を示すこれらのゼオライトの利点の一つは、それらの使用が、より良好なプロピレン/イソブテン選択性、すなわち、前記オリゴクラッキング装置の流出物中のより高いプロピレン/イソブテン比をもたらすことである。
【0074】
ゼオライト(単数種または複数種)は、シリカ、ジルコニア、アルミナまたはシリカ−アルミナをベースとするマトリクス中に分散させられ得、ゼオライトの比率は、しばしば15〜90重量%、好ましくは30〜80重量%である。
【0075】
本発明の枠組み内の好ましい範囲に含まれるSi/Al原子比は、ゼオライトの製造の時点または続く脱アルミニウムによって得られ得る。
【0076】
好ましい触媒は、ゼオライトおよびマトリクスによって構成されるものである。
【0077】
触媒は、一般的には移動床において用いられるが、好ましくは、一般的には1〜3mmの径を有する球の形態である。
【0078】
触媒はまた、固定床の状態で用いられ得、この場合、用いられる反応器(単数または複数)は、周知の「スイング(swing)」技術に従って反応次いで再生に交互に作動する。
【0079】
再生期は、典型的には、例えば、空気/窒素混合物、酸素が激減した空気(例えば、ヒューム(fume)の再流通による)または単純な空気による触媒上に形成された炭素堆積物の燃焼期を含む。
【0080】
再生は、場合によっては、本発明の特徴でないことからここでは詳しく説明されることがない触媒の処理および再生の他の期を含み得る。
【0081】
接触オリゴクラッキング装置は、通常、単一段階において、約450℃〜580℃の温度、一般的には0.5〜6h−1の空間速度で操作される。
【0082】
操作圧力は、一般的には0.1〜0.5MPaである。
【0083】
オリゴクラッキング触媒の再生の条件は、一般的には400〜650℃の温度を用い、圧力は、ほとんどの場合オリゴクラッキング圧力に近い。
【0084】
オリゴクラッキングによって生じさせられた流出物は、プロピレンとガソリンフラクションを分離するために蒸留される;残留C4/C5フラクションも得られる。
【0085】
したがって、プロピレンは、流出物の蒸留によって直接的に分離される。場合によっては、蒸留されたプロピレンを処理するために、いわゆる超分別蒸留塔(superfractionation distillation column)が加えられ得る。
【0086】
一般的に、本方法の新しい装入原料に含まれるオレフィンの量に関連した通過当たりのプロピレンの収率は、19重量%より高く、好ましくは22重量%より高い。
【0087】
残留C4−C5フラクションは、有利には、少なくとも一部において、オリゴクラッキング装置への導入口および/または選択的オリゴマー化装置への導入口に再循環させられ得る。好ましくは、それは、オリゴクラッキング段階に少なくとも再循環させられる。
【0088】
選択的オリゴマー化装置に入る装入原料の流量に対する前記C4/C5留分の再循環流量は、有利には、1〜5の比で変動し得るが、好ましくは3〜5である。
【0089】
オリゴクラッキング装置から、一方ではオリゴクラッキング装置への、他方では選択的オリゴマー化装置へのC4/C5留分の再循環流量の配分は、操作者の望みに従って行われる。特に、所定の場合において、この再循環流量の全体が、選択的オリゴマー化装置への導入口に送られ得、他の場合には、この再循環流量の全体がオリゴクラッキング装置への導入口に送られ得る。
【0090】
単一段階でオリゴクラッキング装置によって生じさせられたガソリンフラクションは芳香族ガソリンであるが、これは、有利には94のRONに少なくとも等しいオクタン価を有するガソリンを形成するために選択的オリゴマー化装置によって生じさせられたオレフィンガソリンフラクション(多分枝オレフィンを豊富に含む)と完全にまたは部分的に混合されるか、または、好ましくはその後にガソリンプールと混合されるために芳香族抽出複合体に部分的にまたは完全に送られ得る。
【0091】
(実施例)
実施例は、図1を用いる異なる流れに従ってより良好に理解されることになる。物質収支上に現れる流れの数は図1に対応するものである。
【0092】
(実施例1)
装入原料(1)は、粗C4スチームクラッキング留分である。装入原料(2’)は、粗C4 FCC留分である。
【0093】
選択的水素化装置は、2つの反応器を用いる。
【0094】
− 第1の反応器は、69m/gの比表面積を有するアルミナ上の0.3重量%のPdのPd/Al触媒を用いる。それは、50℃で断熱的に、下降公差床(descending crossed bed)において、30絶対バールで操作する。反応が液相のままであるために、装入原料流量の質量の20倍に等しい再循環が用いられる。全体的なH/ブタジエン比は1.05モル/モルである。
【0095】
− 第2の反応器(「最終反応器」と呼ばれる)は、上昇流を有する反応器であり、アルミナ上に担持されたPd+Ag触媒、すなわち、69m/gのBET比表面積を有するアルミナ上に担持された0.2重量%のPdおよび0.1重量%のAgの触媒を用いる。温度は35℃に設定され、圧力は26バールに設定される。
【0096】
性能の数値は、表1の物質収支に与えられる。
【0097】
選択的水素化装置を出る際に、粗FCC装入原料および選択的水素化からの装入原料が混合される。結果として生じる混合物は、Axensによって市販される3Aおよび13Xモレキュラーシーブ上で乾燥させられかつ脱硫される。
【0098】
このようにして処理された混合物は、イソブテンの選択的オリゴマー化のための装置に送られる。この装置は、1の全体的VVHで、90%のシリカおよび10%のアルミナを含む触媒を用いて、30〜50℃の温度および20バールの圧力で操作する。
【0099】
蒸留塔(d)は、C8−C16オリゴマーリッチなガソリン留分からC4/C5リッチな留分を分離する。
【0100】
C4/C5留分のフラクション(再循環率 1トン/処理トン、すなわち、質量の50%)が熱希釈剤として用いられる。
【0101】
オリゴクラッキングは、2.8絶対バール、510℃、反応器に入る装入原料に対して3.5h−1のPPHで操作する反応器において行われる。
【0102】
気相の下降流を有する単一の断熱反応器が用いられる。
【0103】
2つの連続する再生の間のサイクル時間は48時間である。
【0104】
用いられた触媒は、Si/Al原子比が140であるZSM−5ゼオライト30%と、ガンマアルミナ70%とを含む。それは、「油適」技術によって形状化された3mm径を有する球の形態に調製され、それは移動床内を流れる。
【0105】
オリゴクラッキング装置からのC4留分は、表1の物質収支に従って、オリゴクラッキング処理過程に再循環させられる。
【0106】
オリゴマー化装置からのガソリン留分は、96.5のRONおよび84のMONを有する。オリゴクラッキング装置からのガソリン留分は、96.5のRONおよび88.5のMONを有する。これらの2種のガソリンを混合することにより、96.5に等しいRONおよび85のMONを有するガソリンが得られる。
【0107】
C3留分の収率は19%である。このC3留分は95%のプロピレンを含む。
【0108】
ガソリン留分の全体的な収率は43%である。
【0109】
【表1】

【0110】
(実施例2)
データは、以下の点を除いて実施例1のものと同一である:
− 装入原料(1)が粗C4スチームクラッキング留分である;
− 装入原料(2’)が粗C4 FCC留分である;
− 再循環物(5)は、表2の物質収支に与えられるようなC4およびC5留分の一部を含む;
オリゴマー化物のRONは依然として96.5である:
全体的なC3留分の収率は22%である;
ガソリン留分の全体的な収率は38%である。
【0111】
【表2】

【0112】
(実施例3)
実施例3のデータは、以下の点を除き実施例1のものと同一である:
− 装入原料(1)が粗C4スチームクラッキング留分である;
− 装入原料(2’)が粗C4 FCC留分である;
− 再循環物(5’)は、選択的オリゴマー化装置に送られる;
− オリゴクラッキング装置のサイクル時間は72時間に延ばされる;この再循環物(5’)はここで表3の物質収支において示されるようなC4およびC5留分の一部を含む;
全体的なC3留分の収率は22%である;
C4オレフィンのC3留分への転化率は47%である;
オリゴマー化物のRONは94.5に変わり、MONは82に変わる。
【0113】
【表3】

【0114】
(実施例4)
実施例4のデータは、以下の点を除き実施例1のものと同一である:
− 装入原料(1)は、粗C4スチームクラッキング留分である;
− 装入原料(2’)は、粗C4 FCC留分、粗C5 FCC留分およびC4留分について記載されたのと同様にジエンを除去するための処理をも経た粗C5スチームクラッキング留分の混合物である;
− 再循環物(5)は、オリゴクラッキング装置に送られる;
− オリゴクラッキング装置のサイクル時間は48時間である;この再循環物(5)はここで表4の物質収支において規定されるようなC4およびC5留分の一部を含む;
− オリゴクラッキング装置のサイクル時間は48時間である。
【0115】
全体的なC4留分の収率は28%である。
【0116】
C4−C5オレフィンのC3留分への転化率は42%である。
【0117】
オリゴマー化物のRONは94.5に変わり、MONは82に変わる。
【0118】
【表4】

【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】図1は、本発明による方法および設備の概要を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
C4/C5オレフィン留分のプロピレンおよびガソリンへの転化方法であって、
1)ジオレフィンおよびアセチレン不純物のレベルが1000ppmより高い場合に、Ni、PdおよびPtによって形成される群から選ばれる少なくとも1種の金属を非酸耐火性酸化物担体上に担持されて含む少なくとも1種の触媒を用いて前記留分を選択的に液相水素化して、多くとも1000ppmの不飽和物含有量を有する流出物を得る段階と、
2)段階(1)からの流出物の少なくとも一部のイソオレフィンを選択的にオリゴマー化し、その後に蒸留して、ガソリンフラクションと、10重量%未満のイソブテンを含有する少なくとも1つの残りの留分とを得る段階と、
3)段階(2)の残りの留分の少なくとも一部について単一段階で操作して、形状選択性を有し、Si/Al原子比が50〜500である少なくとも1種のゼオライトを含む触媒を用いて、n−オレフィンをオリゴクラッキングし、その後に分離を行って、ガソリンフラクション、プロピレンおよび残留C4/C5留分を得る段階と
の連続段階を包含する、方法。
【請求項2】
選択的オリゴマー化段階において用いられる触媒は、シリカ−アルミナタイプの酸触媒であり、そのシリカ含有量は60〜95重量%であり、添加物として0.1〜5重量%の酸化亜鉛を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
選択的オリゴマー化段階において用いられる操作条件は、
− 温度:20〜95℃;
− 圧力:10〜50bar;
− 触媒の質量単位当たりの装入原料の容積流量:0.05〜5h−1
である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
オリゴクラッキング段階において用いられる触媒は、形状選択性を有するゼオライトであり、このゼオライトのSi/Al比は75〜150であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
オリゴクラッキング段階において用いられる触媒のゼオライトは、MEL、MFI、NES、EUO、FER、CHA、MFSおよびMWWタイプのゼオライトによって形成される群から選ばれることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
ゼオライトはZSM−5である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
オリゴクラッキング段階において用いられる触媒のゼオライトは、NU−85、NU−86、NU−88およびIM−5ゼオライトによって形成される群から選ばれることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
オリゴクラッキング段階は、1〜3mmの径を有する球の形態の触媒を有する移動床で操作する装置によって実施される、請求項1〜7にいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
オリゴクラッキングの段階(3)からの残留C4/C5留分は、少なくとも一部、オリゴマー化の段階(2)に再循環させられる、請求項1〜8のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
オリゴクラッキングの段階(3)からの残留C4/C5留分は、少なくとも一部、オリゴクラッキングの段階(3)に再循環させられる、請求項1〜9のいずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
オリゴクラッキングの段階(3)からの残留C4/C5留分は、少なくとも一部、オリゴクラッキングの段階および/または選択的オリゴマー化段階に、選択的オリゴマー化段階に入る装入原料に対する流量比1〜5で再循環させられる、請求項1〜10のいずれか1つに記載の方法。
【請求項12】
選択的オリゴマー化段階からのガソリンフラクションは、オリゴクラッキング段階からのガソリンフラクションと混合されて、少なくとも94に等しいRONを有するガソリンが得られる、請求項1〜11のいずれか1つに記載の方法。
【請求項13】
オリゴクラッキング段階からのガソリンフラクションは、少なくとも一部、芳香族の抽出に付される、請求項1〜12のいずれか1つに記載の方法。
【請求項14】
段階(1)においてスチームクラッキングからのC4/C5オレフィン留分が処理され、段階(2)において、段階(1)からの流出物の少なくとも一部および接触分解からのC4/C5オレフィン留分が処理される、請求項1〜13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項15】
段階(1)の触媒は、アルミナおよびPdによって構成される、請求項1〜14のいずれか1つに記載の方法。
【請求項16】
設備であって、
− 選択的水素化装置であって、Ni、PdおよびPtによって形成される群から選ばれる少なくとも1種の金属を非酸耐火性酸化物担体上に担持されて含む少なくとも1種の触媒を含み、処理されるべきC4/C5オレフィン留分および水素の導入用および流出物の排出用の導管が取り付けられた、装置と、
− イソオレフィンの選択的オリゴマー化のための装置であって、乾燥装置と、脱硫装置と、少なくとも1種の選択的オリゴマー化の酸触媒を含有する反応装置とを連続して含み、前記連続装置間の流出物の通過用、水素化装置からの流出物の少なくとも一部の導入用、および流出物の排出用の導管が取り付けられた、装置と、
− ガソリンフラクションと少なくとも1種の残りの留分を分離する蒸留塔と、
− n−オレフィンのオリゴクラッキングのための装置であって、形状選択性を有し、Si/Al原子比が50〜500である少なくとも1種のゼオライトを含む触媒を含み、オリゴマー化流出物の蒸留からの残りの留分の少なくとも一部の導入用および流出物の排出用の導管が取り付けられた、装置と、
− ガソリンフラクション、プロピレンおよび残留C4/C5留分を分離する蒸留塔と、
− 前記残留C4/C5留分の少なくとも一部の、オリゴマー化装置またはオリゴクラッキング装置への再循環用の導管と、
オリゴマー化およびオリゴクラッキング装置からのガソリンフラクションを混合するための帯域と
を含む設備。
【請求項17】
前記水素化装置は、装入原料の下降流による固定床反応器と、得られた流出物を前記流出物および水素の上昇並流による第2の固定床反応器に搬送する導管とを含む、請求項16に記載の設備。
【請求項18】
芳香族抽出装置をさらに含み、該芳香族抽出装置には、オリゴクラッキング流出物の導入用の導管および脱芳香族化されたガソリンの排出用の導管が取り付けられている、請求項16または17に記載の設備。

【図1】
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【公表番号】特表2008−524421(P2008−524421A)
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−547561(P2007−547561)
【出願日】平成17年12月13日(2005.12.13)
【国際出願番号】PCT/FR2005/003141
【国際公開番号】WO2006/067305
【国際公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(500393413)アンスティテュ フランセ デュ ペトロール (32)
【Fターム(参考)】