説明

ガラス基板の板厚測定装置

【課題】ガラス基板を薄型化しても正確に板厚を計測できる板厚測定装置を提供する。
【解決手段】薄型化処理されたフラットパネルディスプレイ用の貼合せガラス基板GLを受入れて、そのガラス基板について複数の検査ラインLN1〜LN3で板厚を計測する板厚測定装置40である。ガラス基板が搬送される搬送路に直交して、ガラス基板の表面側と裏面側に配置される三組の変位センサSiと、変位センサからの出力信号に基づいて各センサとガラス基板GLの表面との離間距離D1,D2を算出する第一手段と、第一手段の算出値と予め特定されている一対のセンサの離間距離D0とに基づいて搬送中の前記ガラス基板の板厚Tを算出する第二手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学研磨処理などによって薄型化されたガラス基板を搬送しつつ、その板厚を正確に測定できる板厚測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
フラットパネルディスプレイ(以下FPDと称す)は、CRTディスプレイのブラウン管のように膨らみを持った表示装置と対比される用語であり、奥行きが少なく省スペースで、且つ、表示パネルに膨らみがない点に大きな特徴があり、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなどが実用化されている。FPDのうち、特に、液晶ディスプレイは、テレビ受像機だけでなく、携帯電話機やコンピュータ機器などの表示装置としても広く普及している。
【0003】
ところで、液晶ディスプレイの軽量化と薄型化の要請に基づき、最近では、液晶ディスプレイを構成する貼合せガラス基板を極限まで化学研磨する方法が好適に採用されている。具体的には、複数の表示パネル領域PN・・・PNを設けた第一と第二のガラス基板60,60を貼合せ、貼り合わせガラス基板GLの外周62を厳重に封止した状態で、フッ酸を含んだ水溶液に浸漬させて化学研磨して薄型化している(図9参照)。この化学研磨方法によれば、複数枚の表示パネルPN・・・PNをまとめて製造できるだけでなく、機械研磨に比べて処理速度が速いので、生産性に優れるという利点がある。また、貼合せガラス基板GLを限界まで薄型化できるので表示パネルPNの薄型化と軽量化の更なる要請にも応えることができる。
【0004】
化学研磨によって薄型化された貼合せガラス基板は、その後、貼合せガラス基板ごとに、複数の検査ポイントで板厚が計測され、板厚のバラツキが所定範囲内であるか否かが検査される。この板厚検査には、例えば、超音波センサが使用され、第1のガラス基板での反射波R1と、第2ガラス基板の反射波R2を抽出することで板厚を特定している(図10参照)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、液晶ディスプレイのガラス基板は、730mm×920mm、厚さ0.7mmの第4世代から、1100mm×1300mm、厚さ0.7mmの第5世代、1500mm×1850mm、厚さ0.7mmの第6世代へと世代交代するなかで、10μm未満の板厚のバラツキさえ要求される場合がある。
【0006】
しかるに、従来の方法では、1mm未満まで薄型化されたガラス基板の板厚を正確に測定することが困難であった。すなわち、ガラス基板の板厚が薄いために、2つの反射波R1,R2の経路に殆ど差がなく両者を区別して抽出することが困難であった。
【0007】
特に、液晶ディスプレイ用の貼合せガラス基板では、第一と第二のガラス基板の間の封入物からの散乱波Rnも存在するので、正確な板厚測定が殆ど不可能であった。
【0008】
また、表示パネルの生産性を更に向上させるには、搬送路を移動中のガラス基板について、その板厚を測定するのが望ましいが、移動中のガラス基板は、搬送路上でガラス面が微妙に脈動しているので、従来の装置では正確な測定が不可能であった。
【0009】
本発明は、これらの問題点に鑑みてなされたものであって、ガラス基板を薄型化しても正確に板厚を計測できる板厚測定装置を提供することを目的とする。また、搬送中に脈動するガラス基板であっても、製造効率を損なうことなく、正確な板厚値をリアルタイムに取得することができ、ガラス基板内の板厚のバラツキを管理できる板厚測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、本発明は、1mm未満まで薄型化されたガラス基板を受入れて、複数N列の検査ラインについて、搬送中の前記ガラス基板の板厚を連続的に計測して、そのバラツキを管理する板厚測定装置であって、前記ガラス基板が搬送される搬送路に直交して、前記ガラス基板の表面側と裏面側に固定的に配置されて対面する上下一対N組のセンサヘッドによって、前記複数N列の検査ラインに、(前記ガラス基板の管理目標である)仮想基準面に直交する基準線に対する傾斜角度θで放射波を固定的に送信し、その正反射波を前記基準線に対する傾斜角度θの固定位置で受信するN組の計測部と、前記ガラス基板の通過を監視する通過センサ部と、前記通過センサ部及び前記N組の計測部からの信号を受けるコントローラと、を有して構成され、前記N組の計測部には、前記センサヘッドからの出力信号に基づいて前記ガラス基板の板厚値を特定する測定手段と、前記板厚値を前記コントローラに連続的に出力する出力手段とが各々設けられ、前記コントローラは、前記通過センサ部からのON/OFF信号に基づいて、搬送中のガラス基板を把握し、個々のガラス基板毎に、前記出力手段が出力する板厚値を所定個数だけ取得して、1mm未満のガラス基板の板厚のバラツキをリアルタイムに管理することを特徴とする。
【0011】
実施例では、3組の計測部が設けられ、全体としてレーザ変位計41を構成している。個々の計測部は、実施例では、上下1組のセンサヘッドと、1個のセンサコントローラと、1個のアナログコントローラとで構成されている。
【0012】
前記センサヘッドは、レーザ光を放射する放射部と、前記ガラス基板からの反射波を受信する受光部とを有し、前記受光部には、CCD(Charge Coupled Devices)で構成された位置検出素子が設けられているのが好適である。本発明の測定対象は、1mm未満まで薄型化されたガラス基板であるため、板厚のバラツキも、通常100μm以下となり、板厚バラツキによる受信点のズレも微少であるため、散乱光を活用することなく正反射光のみを使用することができる。正反射光を活用するので感度が高く、正確な計測が可能となる。
【0013】
この発明の場合には、前記計測手段は、前記ガラス基板の表面側及び裏面側の仮想基準面からの変位量ΔD1,ΔD2をリアルタイムに特定する第一手段と、前記変位量ΔD1,ΔD2と前記2つの仮想基準面の間の離間距離(板厚の目標値)との関係に基づいて前記ガラス基板の板厚を特定する第2手段とを有して構成するのが好適である。なお、仮想基準面は、管理目標となる完全平坦な理想ガラス基板の表面及び裏面を意味する。
【0014】
一方、本発明の放射波は、レーザ光ではなく、これを超音波信号で構成するのも好適である。この場合も、基準線(典型的には鉛直線)に対する傾斜角度θで放射波を固定的に送信し、その正反射波を、前記基準線に対する傾斜角度θの固定位置で受信する。本発明の測定対象が1mm未満まで薄型化されたガラス基板であるため、板厚バラツキによる受信点のズレも微少であり、傾斜角度θの固定位置で反射波を受信することができる。また、傾斜角θ(≠0)の分だけ、超音波検査信号の移動距離が長くなるので、板厚の微少なバラツキを確実に計測することができる。
【0015】
上記した発明の場合、前記計測手段は、前記放射波の送信タイミングと前記正反射波の受信タイミングとの時間差に基づいて、前記ガラス基板の表面及び裏面までの最短距離D1,D2を特定する第一手段と、前記2つの最短距離D1,D2と予め特定されている送受信点の離間距離D0との関係に基づいて前記ガラス基板の板厚を特定する第2手段とを有して構成されるのが好適である。
【0016】
何れにしても、本発明が対象とするガラス基板は、二枚のガラス基板を貼合せて構成されているフラットパネルディスプレイ用ガラス基板であるのが典型的である。また、このガラス基板は、起立状態と降下状態の動作状態を有する載置部を具備する入力部装置と組合せて使用され、前記ガラス基板は、係員の手動操作によって起立状態の載置部に載せられた後、前記載置部が降下状態に変化することで前記搬送路に渡されるのが典型的である。
【0017】
また、前記出力手段は、特定された板厚値Tを、アナログ信号として前記コントローラに伝送するのが効果的である。この場合には、N組の計測部とコントローラとを接続する信号線がN本で足りるので、検査ラインの列数Nをいくら増やしても機器構成上の弊害とならない。
【0018】
例えば、N本の信号線によってデジタル信号を伝送するには、シリアル通信方式を採るしかなく、この通信方式では伝送時間が長くかかり、多数の計測点についての大量の計測データを高速でリアルタイムに伝送することができない。一方、大量の計測データを高速でリアルタイムに取得するため、パラレル通信方式を採用すると、その分だけ、計測部とコントローラとを接続する信号線が多くなり(例えば16×N本)、検査ラインの列数Nを、極めて少なくするしかない。
【発明の効果】
【0019】
上記した本発明によれば、ガラス基板を薄型化しても正確に板厚を計測できる板厚測定装置を実現できる。また、移動中のガラス基板であっても、その板厚を正確に計測できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。図1は、実施例に係る板厚測定装置40を備えた後処理装置EQUを示すブロック図である。図1では、平面図(a)と、正面図(b)と、左側面図(c)とを概略的に図示している。この後処理装置EQUでは、化学研磨処理によって1mm未満まで薄型化したガラス基板について、洗浄処理、乾燥処理、及び板厚測定処理を連続的に実行している。
【0021】
ガラス基板GLは、特に限定されないが、本実施例では、二枚のガラス基板60,60の間に、液晶封入領域61を設けた液晶ディスプレイ用の貼合せガラス基板GLを対象としている(図9参照)。化学研磨処理も、特に限定されないが、前記した貼合せガラス基板GLの周縁62が耐酸性の封止剤で封止された状態で、例えば、フッ酸を主成分とする研磨液中に浸漬されることで均一に薄型化される。
【0022】
図1に示す後処理装置EQUは、研磨処理を終えた貼合せガラス基板GLを受入れる導入部1と、受入れた貼合せガラス基板GLの上下面を水洗浄する洗浄部2と、エアーナイフAKを用いた水切り部3と、乾燥した貼合せガラス基板GLの板厚を計測する計測部4と、計測処理を終えた貼合せガラス基板GLを取り出す導出部5とで構成されている。そして、計測部4には、板厚測定装置40が配置されている。
【0023】
後処理装置EQUでは、導入部1から導出部5に向けて、同一平面上に複数の回転ローラRL・・・RLが設けられ、この回転ローラRLの上を貼合せガラス基板GLが水平に搬送される過程で、研磨液の洗浄処理と、乾燥処理と、板厚測定処理とが自動的に実行される。なお、導入部1と導出部5とは、実質的に同一構成であるが、正反対の動作をする。
【0024】
図2は、計測部4を構成する板厚測定装置40を示すブロック図である。この板厚測定装置40は、貼合せガラス基板GLの表裏面側の仮想基準面STu,STdまでの離間距離の変位量ΔD(図4(c)参照)を測定するレーザ変位計41と、貼合せガラス基板GLの通過を監視する通過センサ部42と、レーザ変位計41及び通過センサ部42からのデータを受けるPLC(programmable logic controller)43と、本装置の初期設定その他の作業時に使用されるタッチパネル44と、貼合せガラス基板GLの板厚Tを含む管理データを保存するパソコン(personal computer)45とで構成されている。
【0025】
PLC43は、通過センサ部42からON/OFF信号を受ける入力ポート43aと、レーザ変位計41から板厚信号Tを受けるADコンバータ43bと、パソコン45とデータを送受するイーサネットコントローラ(Ethernet controller)43cと、タッチパネル44とシリアルデータを送受するシリアル入出ポート43dと、前記各部の動作を制御するCPUユニット43eとを備えて構成されている。なお、イーサネット(Ethernet)は、登録商標である。
【0026】
レーザ変位計41は、センサヘッドSiから有意な検出信号が得られると所定の演算処理を実行し、その演算結果を板厚アナログ信号Tとして、PLC43に連続的に伝送するよう構成されている。一方、PLC43は、通過センサ部42からのON信号に基づいて、ガラス基板GLが計測部4に達したことを確認すると、以下の計測動作を実行する。
【0027】
先ず、PLC43は、レーザ変位計41から受けた板厚アナログ信号Tを、ADコンバータ43bでデジタル変換し、この板厚データに時刻情報(年月日と時分秒)を付加して内部レジスタに順次記憶する。そして、PLC43は、所定個数の板厚データの取得を終え、通過センサ部42からOFF信号を受けると、準備完了フラグをON状態にして今回の計測動作を完了する。
【0028】
一方、パソコン45は、フラグセンス処理によって、準備完了フラグのON状態を把握し、イーサネットケーブルを通して、PLC43から板厚データを含む管理データを収集し、帳票表示やグラフ表示を実行する。また、収集した板厚データの値Tが上限値又は下限値を超える異常時には、アラーム表示を行う。なお、1枚の貼合せガラス基板GLに対して、PLC43のサンプリング回数は80回であるので、1枚のガラス基板GL当り、3×80=240点の板厚データが取得される。
【0029】
PLC43による上記の動作を実現するため、通過センサ部42は、2つの光電センサSNと、各光電センサSNの出力を増幅するプリアンプAMPとで構成されている。光電センサSNは、発光部と受光部とを備えるが、この実施例では、発光部からの検査光が、貼合せガラス基板GLで反射されて受光部に達するか否かを判定している。なお、2つの光電センサSNは、例えば、レーザ変位計41に近接して、その上流位置に配置される。
【0030】
したがって、通過センサ部42は、計測部4に貼合せガラス基板GLが達するとON信号を出力し、その後、貼合せガラス基板GLが計測部4を通過し終わるとOFF信号を出力する。
【0031】
レーザ変位計41は、放射部TRと受光部RVとを有するセンサヘッドSiと、所定の周期で上下の放射部TRを同期して動作させ、上下の受光部RVからのアナログ信号を受けるセンサコントローラCT1〜CT3と、センサコントローラCTiから受ける距離信号τijに基づいて貼合せガラス基板GLの板厚Tを算出するアナログコントローラANC1〜ANC3とで構成されている。
【0032】
この板厚測定装置40では、図3(b)の通りに配置された6個のセンサヘッドSiが使用される。そして、各センサヘッドSiの放射部TRから貼合せガラス基板GLに向けてレーザ光が放射され、貼合せガラス基板GLからの正反射波は、CCD(Charge Coupled Devices)で構成された位置検出素子(Position Sensitive Detector)が配置された受光部RVで受信されるように配置されている。
【0033】
放射部TRは、水平面を移動する貼合せガラス基板GLに対して、鉛直線(ガラス基板の仮想基準面に直交する基準線)に対して角度θでレーザ光を放射するよう配置されている(図4(c)参照)。そのため、ガラス基板の表面又は裏面が、それぞれの仮想基準面STu,STdから変位する変位量ΔDは、原理式として、ΔX/(2×sinθ)となる。ここで、ΔXは、ガラス基板の表面又は裏面が、それぞれ仮想基準面STu,STdに一致する場合と比較した場合の受光点のズレであり、受信するレーザ光の直交方向に計測される。
【0034】
図3は、上記のように機能する6個のセンサヘッドSiの配置状態を示す図面であり、計測部4の平面図(a)と、正面図(b)と、A−A矢視図(c)とが概略的に示されている。図示の通り、左右の垂直板46R,46Lと、垂直板46に掛け渡された上下の保持レール47U,47Dとで、矩形枠FMが形成され、矩形枠FMによってガラス基板GLの搬送路を囲っている。すなわち、保持レール47Uは、ガラス基板GLの上方に掛け渡され、保持レール47Dは、ガラス基板GLの下方に掛け渡されている。
【0035】
ここで、矩形枠FMは、熱変形その他の変形が極めて少ない素材で構成されている。また、センサヘッドSiと、ガラス基板の仮想基準面との位置関係や離間距離が、定期的に校正されることで正確な計測を担保している。
【0036】
上方の保持レール47には、装着部48を経由して、センサヘッドS1u〜S3uが固着されている。また、下方の保持レール47には、装着部48を経由して、センサヘッドS1d〜S3dが固着されている。上下のセンサヘッドSiu,Sidは、その間を水平方向に搬送される貼合せガラス基板GLに対して、上下対称の位置に配置され、上下のセンサヘッドSiu,Sidの放射部TR,TRの間の鉛直距離は、精密に所定値D0に管理されている(図4(a)参照)。
【0037】
そして、上下一対のセンサヘッドSiu,Sidによって、貼合せガラス基板GLの検査ラインLN1〜LN3が特定されている。図3(d)に示す通り、左右位置及び中央位置の検査ラインLN1〜LN3に沿って、貼合せガラス基板GLの板厚Tを測定するようになっている。
【0038】
図3のように配置された上下一対のセンサヘッドSiu,Sidは、センサコントローラCTiに接続されている(図2参照)。センサコントローラCT1〜CT3は、所定の周期で6個のセンサヘッドSiの放射部TRを上下一斉に駆動すると共に、受光部RVからのセンサ信号を受信する。なお、図4(b)に示すように、貼合せガラス基板GLからは、第1ガラス基板60aの表面反射波RF1と、第1ガラス基板60aの裏面反射波RF2と、液晶封入領域61からの不規則な反射波RF3と、第2ガラス基板60bの表面反射波RF4と、第2ガラス基板60bの裏面反射波RF5などが得られるが、表面反射波RF1以外は取得されないよう構成されている。
【0039】
したがって、センサコントローラCTi(=CT1〜CT3)では、上下のセンサヘッドSiu,Sidから受ける表面反射波RF1に基づいて変位量ΔDij(i=1〜3,j=1〜2)を特定し、距離信号τijをアナログコントローラANCiに出力する。
【0040】
出力する距離信号τij(i=1〜3,j=1〜2)としては、変位量ΔDijをそのまま、τij=ΔDijとして出力しても良いし、上下のセンサヘッドSiu,Sidからガラス基板(表面側の仮想基準面STuと、裏面側の仮想基準面STd)までの基準距離D1,D2を加味した、τij=Dj+ΔDijとしても良い。なお、i=1〜3,j=1〜2である。
【0041】
何れにしても、アナログコントローラANCi(=ANC1〜ANC3)は、センサコントローラCTiから受けた距離信号τijに基づいて、ガラス基板の板厚信号Tを出力する。ここでは、ガラス基板の表面側の仮想基準面STuと、裏面側の仮想基準面STdとの離間距離(目標板厚)がT0であるとすると、例えば、第1の検査ラインLN1について、上側のセンサヘッドS1uの受光部RVから得られる変位量ΔD11と、下側のセンサヘッドS1dの受光部RVから得られる変位量ΔD12とに基づいて、ガラス基板の板厚Tが、T=T0−ΔD11−ΔD12と特定される。なお、ΔD11とΔD12とは、ガラス基板の仮想基準面からの変位量であるから、正又は負の数値となる。
【0042】
一方、距離信号τijとして、Dj+ΔDijが得られる場合には、例えば、第1の検査ラインLN1について、上側のセンサヘッドS1uの受光部RVから得られる距離信号D1+ΔD11と、下側のセンサヘッドS1dの受光部RVから得られる距離信号D2+ΔD12とに基づいて、ガラス基板の板厚Tが、T=(D0−D1−D2)−ΔD11−ΔD12=T0−ΔD11−ΔD12と特定される。
【0043】
このように、本実施例では、複数の反射波RF1〜RF5のうち表面反射波RF1のみを使用して、仮想基準面からの変位量ΔDi1,ΔDi2に基づいてガラス基板の板厚Tを特定している。したがって、上下の放射部TR,TRの鉛直離間距離D0の機械的精度を高めるだけで、回転ローラRLで構成される搬送路の機械的精度の良否に拘わらず、正確に貼合せガラス基板GLの板厚Tを測定することができる。
【0044】
図5は、アナログコントローラANCiがセンサコンとローラCTjから受信する距離信号τijと、アナログコントローラANCiがPLC43に出力する板厚アナログ信号Tとを図示したタイムチャートである。
【0045】
図5に示すように、距離信号τijが波打って変位するのは、例えば、貼合せガラス基板GLが回転ローラRLの回転に伴って搬送されるためである(但し、誇張して記載されている)。しかし、仮に、貼合せガラス基板GLが波打って搬送されたとしても、貼合せガラス基板GLの表面側と、裏面側とは逆方向に変位するので(図5(a)(b)参照)、貼合せガラス基板GLの板厚Tは、T0−ΔDi1−ΔDi2の関係から正確に特定される(図5(c)参照)。
【0046】
ところで、本実施例では、距離信号τijや、貼合せガラス基板GLの板厚Tを、それぞれアナログ信号で伝送している。そのため、少ない信号線で、大量の情報を迅速に伝送することができ、その結果、精密な板厚管理を実現することができる。
【0047】
但し、図2の回路構成に何ら限定されるものではなく、図8に示す通り、センサヘッドSiから受けたセンサ信号に基づいて、板厚を算出するコントローラCTL1〜CTL3を設けても良い。更にまた、必ずしも、PLC43は必須ではなく、パソコン45によってPLC43の機能を代行しても良い。
【0048】
なお、上記の実施例では、変位センサを使用したが、必ずしも、これに限定される必要はなく超音波センサなどを使用しても良い。但し、この場合にも、貼合せガラス基板GLからは、第1ガラス基板60aの表面反射波RF1と、第1ガラス基板60aの裏面反射波RF2と、液晶封入領域61からの不規則な反射波RF3と、第2ガラス基板60bの表面反射波RF4と、第2ガラス基板60bの裏面反射波RF5などが得られるが、表面反射波RF1以外は使用しない。また、板厚のバラツキが小さいので傾斜角θの検査信号を放射することができる。
【0049】
超音波センサを使用する場合、放射点Pからガラス基板GLまでの鉛直距離Dは、検査信号の往路伝搬距離Lとの関係でD=L×COS(θ)となる(図5(e))。ここで、往路伝搬距離Lは、放射点Pと受信点Qの離間距離δと、検査信号の伝搬時間tとに基づいて、L=(t×v+δ)/2のように特定されるので、ガラス基板GLまでの鉛直距離Dは、D=(t×v+δ)/2×COS(θ)と算出される。なお、δは、受信波に沿って測定した相対距離であり、vは、超音波の進行速度である。
【0050】
このように、センサヘッドSiとガラス基板GLまでの鉛直距離Dは、D=(t×v+δ)/2×COS(θ)となるので、アナログコントローラANCi(=ANC1〜ANC3)は、センサコントローラCTiから受けた時間差信号tijに基づいて、放射部TRからガラス基板までの離間距離D1,D2を算出する。
【0051】
例えば、第1の検査ラインLN1について、上側のセンサヘッドS1uの放射部から貼合せガラス基板GLの上表面までの鉛直距離D1が、D1=(t11×v+δ1)/2×COS(θ)と算出され、下側のセンサヘッドS1dの放射部TRから貼合せガラス基板GLの下表面までの鉛直距離D2が、D2=(t12×v+δ2)/2×COS(θ)と算出される。ここで、t11とt12は、放射波の放射タイミングと表面反射波RF1の受信タイミングとの時間差であり、δ1とδ2は、受信波に沿って算出される放射点Pと受信点Qとの相対距離であり、それぞれ、上下のセンサヘッドS1u,S1dについての値である。
【0052】
次に、アナログコントローラANCiでは、算出した離間距離D1,D2に基づいて、貼合せガラス基板GLの板厚Tを算出する。具体的には、上下の放射部TR,TRの鉛直離間距離D0に基づいて、貼合せガラス基板GLの板厚Tを、T=D0−D1−D2と算出することになる。
【0053】
続いて、図1の後処理装置EQUを構成する他の部分を説明する。図6及び図7は、導入部1(導出部5)の構成を示す斜視図であり、貼合せガラス基板GLを保持する載置部10と、載置部10を起伏させる駆動部20とを図示している。載置部10と駆動部20は、駆動部20の出力軸21を通して連結されており、駆動部20のピストン往復運動に対応して、載置部10が水平面に位置する降下状態(図6参照)と、60〜80°程度の姿勢に立ち上がる起立状態に切り換るようになっている。
【0054】
図6を参照しつつ載置部10について更に説明すると、図示の載置部10は、櫛状に形成された一対の回動アーム11,11と、回動アーム11の基端に固着される固定ブロック12,12と、貼合せガラス基板GLを支持する複数の支持板13・・・13とを中心に構成されている。
【0055】
これら各部11〜13は、例えば、アルミ合金からなり、回動アーム11と固定ブロック12とは、アルミ溶接その他の方法で一体化されている。そして、回動アーム11と固定ブロック12には、出力軸21を受入れる貫通穴が形成されている。なお、貫通穴はキー溝KYを有しており、このキー溝KYに、出力軸21のキーが嵌合することで、出力軸21の回転が回動アーム11,11に確実に伝達されるようになっている。
【0056】
図6(b)に示すように、回動アーム11は、全体としてL字状の本体部BDYと、本体部BDYから突出する櫛歯部CMBとで一体的に構成されている。櫛歯部CMBの配列ピッチは、回転ローラRLの配列ピッチと同一であるが、櫛歯部CMBと回転ローラRLとは互いに半ピッチずれており、回動アーム11の降下状態(図6)では、隣接する回転ローラRL,RLの間に、櫛歯部CMBが進入するようになっている。但し、櫛歯部CMBには、一箇所だけ欠落部SPが設けられており、この欠落部SPを利用して、作業員が貼合せガラス基板GLの裏面まで手を延ばし、確実に貼合せガラス基板GLを把持できるようにしている。なお、回動アーム11の最降下状態では、それまで回動アーム11に保持されていた貼合せガラス基板GLは、回転ローラRLに保持される(図6(b)参照)。
【0057】
図6(b)に示すように、櫛歯部CMBの先端はU字状に突出しており、言い換えると、櫛歯部CMBの先端には、支持板13の板厚に対応した切欠14が形成されている。そして、支持板13の両端が切欠14に嵌合された状態で、回動アーム11の先端に阻止板15が固着され、この阻止板15によって支持板13が回動アーム11に固定的に保持される。
【0058】
支持板13は、詳細には、上下幅の異なる二種類の支持板13A,13Bに区分される。このうち、回動アーム11の基端側に配置される支持板13Aは、その他の支持板13Bより幅広であり、支持板13Aの貼合せガラス基板GL周縁との接触面には、クッション材16が貼着されて貼合せガラス基板GLを保護している。
【0059】
一方、その他の支持板13Bには、各々複数個のOリング17が巻着されて、支持板13B上の貼合せガラス基板GLの裏面を保護している。但し、先に説明した通り、図6に示す載置部10の降下状態では、貼合せガラス基板GLは、Oリング17との接触を離れて、回転ローラRLに接触している。
【0060】
図7は、駆動部20の具体的構成を例示する斜視図である。この駆動部20は、出力軸21の両端を回転可能に軸支する保持部22A,22Bと、一方側の保持部22Aから突出する出力軸21に固着される連結腕23と、連結腕23を揺動させる駆動源24とで構成されている。
【0061】
駆動源24は、揺動自在に配置されたシリンダ25と、不図示の制御装置に制御されて往復運動するピストン26とで構成されている。ここで、ピストン26の先端には、円柱穴が径方向に貫通して設けられており、この円柱穴に挿通された貫通ピン27が連結腕23に固定されている。なお、貫通ピン27は、ピストン26の円柱穴に遊嵌されており、その結果、連結腕23とピストン26とは、互いに回動可能に連結される。また、シリンダ25の基端部は、支持軸28によって軸支されており、駆動源24全体として揺動可能に構成されている。
【0062】
連結腕23と駆動源24は上記の通りに連結されているので、ピストン26がシリンダ25に引き込まれる第1状態では(図1(d)参照)、載置部10が水平状態まで降下する。一方、ピストン26がシリンダ25から突出するアナログ状態では(図1(b)参照)、載置部10が水平状態から60°〜80°程度立ち上がって起立する。
【0063】
以上の点も踏まえて図1に示す後処理装置EQUの動作内容を説明する。係員が制御装置(不図示)に対する適宜なスイッチ操作を行うと、導入部1の駆動部20は、第1状態から第2状態に移行し、その結果、導入部1の載置部10は、降下状態から起立状態に立ち上がる。
【0064】
この時、導入部1の位置には、化学研磨処理を終えた貼合せガラス基板GLが搬送されているので、係員はその貼合せガラス基板GLを1枚保持し、起立状態の載置部10に載せる。この載置作業時に係員は、貼合せガラス基板GLの上下方向中央の左右縁を把持するが、回動アーム11,11には櫛歯の欠落部SPが設けられているので、この欠落部SPを利用することで、把持した貼合せガラス基板GLをやさしく載置部10に載せることが可能となる。なお、この載置状態では、貼合せガラス基板GLの下方周縁は、支持板13Aのクッション材16に当接し、貼合せガラス基板GLの裏面は、支持板13BのOリング17に当接する。
【0065】
その後、係員が更にスイッチ操作を行うと、導入部1の駆動部20は、第2状態から第1状態にゆっくり移行し、導入部1の載置部10は、起立状態から降下状態に戻る。先に説明した通り、載置部10の最降下状態では、貼合せガラス基板GLの裏面は、Oリング17との接触を離れて、回転ローラRLに接触している。
【0066】
そのため、載置部10が最降下状態に至った状態で回転ローラRLを回転させることで、導入部1に受け入れられた貼合せガラス基板GLは、水洗浄部2に送られることになる。水洗浄部2を移動する貼合せガラス基板GLの表裏面には、洗浄水が流されるので、化学研磨処理で付着したガラス表面の研磨液が洗い流されることになる。
【0067】
このような水洗浄部2の動作を経た貼合せガラス基板GLは、その後、水切り部3に送られる。そして、水切り部3では、図1の右方向に搬送中の貼合せガラス基板GLに対して、細い線状に形成された高圧エアーが、勢い良く吹き付けられることによって、貼合せガラス基板GLの表裏面に付着している洗浄水が確実に除去される。そして、貼合せガラス基板GLのその後の搬送によって、貼合せガラス基板の表裏面は乾燥状態となる。
【0068】
このようにして表裏面が清浄化された状態で、貼合せガラス基板GLは、計測部4を通過する。計測部4は、搬送路を移動する貼合せガラス基板GLの上下位置にセンサヘッドSiu,Sidを配置した板厚測定装置40が設けられている(図2参照)。そして、板厚測定装置40では、貼合せガラス基板GLの表面及び裏面で反射される各レーザ光に基づいて、上下のセンサヘッドSiu,Sidと貼合せガラス基板GLとの距離D1,D2を特定し、D0−D1−D2の計算に基づいて、貼合せガラス基板GLの板厚を算出する。そして、1枚の貼合せガラス基板GLについて、3つの検査ラインLN1〜LN3で合計240個の板厚データを取得してパソコン45に保存する。
【0069】
その後、貼合せガラス基板GLは、導出部5の位置に移動して停止する。導出部5は、図6及び図7に示す導入部1と同一構成であり、貼合せガラス基板GLが搬入された状態では、導出部5の載置部10は、降下状態で待機している。
【0070】
載置部10の上に貼合せガラス基板GLが搬入された状態で、係員が適宜なスイッチ操作を行うと、これに応答して載置部10はゆっくり上昇動作を開始し、それまで回転ローラRLに保持されていた貼合せガラス基板GLは、載置部10の支持板13Bに引き渡されて上昇する。なお、この上昇過程で、ガラス基板GLが、支持板13BのOリング17上を滑ろうとする、貼合せガラス基板GLの下方側の周縁はクッション材16で受け止められるので、貼合せガラス基板GLが滑って破損するおそれはない。
【0071】
載置部10は、限界位置まで上昇して静止するので、その後、係員は、回動アーム11の欠落部SPを利用して、貼合せガラス基板GLの裏側に手を回しガラス基板GLを把持する。そして、把持した貼合せガラス基板を導出部5から取り出す。取り出された貼合せガラス基板GLは、化学研磨処理によって所定厚さまで薄型化されているので、その後は、貼合せガラス基板GLの周縁の封止を解除して、液晶の封入工程などの次処理に移行される。
【0072】
以上の通り、本実施例では、特徴的な構成を有する板厚測定装置40を備えるので、化学研磨処理を終えた貼合せガラス基板GLの板厚を、ガラス基板の搬送中に正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】板厚測定装置を配置した後処理装置の全体構成を図示したものである。
【図2】板厚測定装置の回路構成を示すブロック図である。
【図3】センサヘッドの配置位置を示す図面である。
【図4】計測動作を説明する図面である。
【図5】板厚測定装置の各部の動作を説明するタイムチャートである。
【図6】導入部の一部を示す斜視図である。
【図7】導入部の別の一部を示す斜視図である。
【図8】別の板厚測定装置の回路構成を示すブロック図である。
【図9】貼合せガラス基板の概略構成を図示したものである。
【図10】従来技術の問題点を説明する図面である。
【符号の説明】
【0074】
GL ガラス基板
40 板厚測定装置
LN1〜LN3 検査ライン
T 板厚
Si センサ
41 計測部
42 通過センサ部
43 コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1mm未満まで薄型化されたガラス基板を受入れて、複数N列の検査ラインについて、搬送中の前記ガラス基板の板厚を連続的に計測して、そのバラツキを管理する板厚測定装置であって、
前記ガラス基板が搬送される搬送路に直交して、前記ガラス基板の表面側と裏面側に固定的に配置されて対面する上下一対N組のセンサヘッドによって、前記複数N列の検査ラインに、前記ガラス基板の管理目標である仮想基準面に直交する基準線に対する傾斜角度θで放射波を固定的に送信し、その正反射波を前記基準線に対する傾斜角度θの固定位置で受信するN組の計測部と、
前記ガラス基板の通過を監視する通過センサ部と、
前記通過センサ部及び前記N組の計測部からの信号を受けるコントローラと、を有して構成され、
前記N組の計測部には、前記センサヘッドからの出力信号に基づいて前記ガラス基板の板厚値を特定する測定手段と、前記板厚値を前記コントローラに連続的に出力する出力手段とが各々設けられ、
前記コントローラは、前記通過センサ部からのON/OFF信号に基づいて、搬送中のガラス基板を把握し、個々のガラス基板毎に、前記出力手段が出力する板厚値を所定個数だけ取得して、1mm未満のガラス基板の板厚のバラツキをリアルタイムに管理する板厚測定装置。
【請求項2】
前記センサヘッドは、レーザ光を放射する放射部と、前記ガラス基板からの正反射波を受信する受光部とを有し、前記受光部には、CCDで構成された位置検出素子が設けられている請求項1に記載の板厚測定装置。
【請求項3】
前記計測手段は、前記ガラス基板の表面側及び裏面側の仮想基準面からの変位量ΔD1,ΔD2をリアルタイムに特定する第一手段と、前記変位量ΔD1,ΔD2と前記2つの仮想基準面の間の離間距離との関係に基づいて前記ガラス基板の板厚を特定する第2手段とを有して構成されている請求項1又は2に記載の板厚測定装置。
【請求項4】
前記放射波は、超音波信号である請求項1に記載の板厚測定装置。
【請求項5】
前記計測手段は、前記放射波の送信タイミングと前記正反射波の受信タイミングとの時間差に基づいて、前記ガラス基板の表面及び裏面までの最短距離D1,D2を特定する第一手段と、前記2つの最短距離D1,D2と予め特定されている送受信点の離間距離D0との関係に基づいて前記ガラス基板の板厚を特定する第2手段とを有して構成されている請求項4に記載の板厚測定装置。
【請求項6】
前記ガラス基板は、二枚のガラス基板を貼合せて構成されているフラットパネルディスプレイ用ガラス基板である請求項1〜5の何れかに記載の板厚測定装置。
【請求項7】
起立状態と降下状態の動作状態を有する載置部を具備する入力部装置と組合せて使用され、前記ガラス基板は、係員の手動操作によって起立状態の載置部に載せられた後、前記載置部が降下状態に変化することで前記搬送路に渡される
請求項1〜6の何れかに記載の板厚測定装置。
【請求項8】
前記出力手段は、算出された板厚値Tをアナログ信号で前記コントローラに伝送する請求項1〜7の何れかに記載の板厚測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−298504(P2007−298504A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−97144(P2007−97144)
【出願日】平成19年4月3日(2007.4.3)
【出願人】(000195937)西山ステンレスケミカル株式会社 (44)
【Fターム(参考)】