説明

キナーゼ阻害剤としての1,4−置換ピラゾロピリミジン

本発明は、式
【化1】


の1,4−置換ピラゾロピリミジン化合物、1,4−置換ピラゾロピリミジン化合物を含む医薬組成物、処置における1,4−置換ピラゾロピリミジン化合物の使用またはタンパク質キナーゼの不適当な活性に依存する疾患の処置用医薬製剤の製造におけるそれらの使用、1,4−置換ピラゾロピリミジン化合物を投与することを含む処置法、このクラスの新規化合物の製造法、およびそれらの合成のための新規中間体および各工程に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温血動物の診断的および治療的処置において使用するための、とりわけタンパク質キナーゼの不適当な活性に依存する疾患(=障害)の処置のための1,4−置換ピラゾロピリミジン;タンパク質キナーゼの不適当な活性に依存する疾患の処置用医薬製剤の製造のためのそのクラスの化合物の使用;タンパク質キナーゼの不適当な活性に依存する疾患の処置におけるそのクラスの化合物の使用;新規1,4−置換ピラゾロピリミジン化合物、1,4−置換ピラゾロピリミジン化合物を含む医薬、処置における1,4−置換ピラゾロピリミジン化合物の使用またはタンパク質キナーゼの不適当な活性に依存する疾患のまたは処置用医薬製剤の製造におけるその使用、1,4−置換ピラゾロピリミジン化合物を投与することを含む処置法、そのクラスの新規化合物の製造法、および新規中間体およびその合成のための部分的工程(partial step)に関する。
【0002】
ある種の4−置換ヒドラゾノピラゾロピリミジンは、例えば糖尿病およびTIE−2キナーゼ関連疾患の処置におけるGSK3キナーゼ阻害剤としての使用について記載されている、WO04/009602、WO04/009596またはWO04/009597参照。他方で、ある種のアシル−またはアシルアミノ−置換アリールアミノ−ピラゾロピリミジンはp38−阻害剤として記載されている、WO03/099280参照。
【0003】
過去数年で、Eph受容体チロシンキナーゼおよびそれらのリガンドであるエフリンの基本的役割が確立できた。14種の異なるEph受容体の目録が作られ、リガンドに対するそれらの親和性に基づいてEphAまたはEphBサブクラスに分類された。8種のエフリンがグリセロホスファチジルイノシトール(GPI)−結合型(エフリンA)または膜貫通型(エフリンB)いずれかの膜タンパク質として同定されている。Eph受容体とそれらのリガンド間のシグナル伝達は、直接細胞−細胞接触部位に限定される。接触の結果が、細胞間の相互の二方向事象の誘導である。エフリンおよびそれらの受容体のある場所への発現は、組織パターン形成および空間的に非常に限定された細胞位置の組織化に影響を有すると仮定される。とりわけ具体的な効果は、細胞移動、接着および体節形成である。
【0004】
EphB4(別名HTK)およびそのリガンド、エフリンB2(HTKL)は、血管網の確立および決定に重要な役割を有する。静脈上皮上で、EphB4は特異的に発現されるが、一方、血管発生初期の間、エフリンB2は動脈内皮細胞上に特異的におよび相互に発現される。機能不全遺伝子は、マウスで胚致死に至り、胚はエフリンB2およびEphB4欠損のいずれの場合も毛細血管結合の形成の同じ欠損を示す。両方とも胚形成中の造血および血管発生の間の最初の位置において発現される。適切な造血、内皮、血管芽細胞および原始的中胚葉発生のための必須の役割が確立された。EphB4欠損は、胚幹細胞の中胚葉分化結果の改変をもたらす。乳腺組織中のEphB4の異所発現は、障害された構築、異常な組織機能および悪性腫瘍への素因をもたらす(例えばN. Munarini et al., J. Cell. Sci. 115, 25-37(2002)参照)。これらおよび他のデータから、不適当なEphB4発現が悪性腫瘍の形成におそらく関与し、故に、EphB4の阻害が悪性腫瘍、例えば癌などと戦うためにツールであると期待できると結論付けられる。
【0005】
abl癌原遺伝子から癌遺伝子への変換は、慢性骨髄性白血病(CML)の患者で観察されている。染色体転座が染色体22上のbcr遺伝子を染色体9からのabl遺伝子に結合させ、それによりフィラデルフィア染色体が産生される。得られる融合タンパク質は、Ablチロシンタンパク質キナーゼのカルボキシ末端に結合したBcrタンパク質のアミノ末端を有する。結果として、本Ablキナーゼドメインは不適当に活性となり、骨髄中の造血細胞のクローンの過剰な増殖を駆動する。この融合タンパク質の阻害剤であるGleevecTMまたはGlivec(登録商標)(Novartisの商標)の活性成分によるこのチロシンキナーゼの阻害は、CMLに対する非常に活性な処置であることが示されている。故にAblチロシンキナーゼの不適当な発現の阻害が悪性腫瘍、とりわけ白血病を軽減できるという一般的概念が例証された。
【0006】
細胞で見られるチロシンキナーゼc−Srcの構成的に発現されたウイルス形態c−Src(ラウス肉腫ウイルス、レトロウイルス)は、Srcタンパク質チロシンキナーゼの不適当な発現が、形質転換細胞から出発して、どのように悪性腫瘍に至り得るかの例である。Srcタンパク質チロシンキナーゼの阻害は、形質転換腫瘍細胞、例えば結合組織腫瘍の調節解除された増殖の阻害に至り得る。従って、またここで、c−Srcまたはその修飾もしくは変異形態の阻害は、増殖性疾患の処置に有益な効果を示すことが期待される。
【0007】
これが本発明の問題に至る:非常に多数のタンパク質キナーゼ阻害剤ならびに多数の増殖性疾患および他のタンパク質キナーゼ関連疾患の観点から、タンパク質キナーゼ阻害剤として、故にこれらのセリン/スレオニンおよび/または好ましくはPTK(タンパク質チロシンキナーゼ)のようなタンパク質チロシンキナーゼ関連疾患の処置において有用な新規クラスの化合物を提供する必要性が存在する。必要とされているのは、とりわけ限られた数のまたは単独のタンパク質キナーゼに対する高親和性および/または選択性のような有益な特性を有する、新規クラスの薬学的に有益なタンパク質キナーゼ、とりわけPTK阻害化合物である。
【0008】
本発明は、下記式Iの1,4−置換ピラゾロピリミジンが、下記のキナーゼのような、1種以上のタンパク質キナーゼ、とりわけ好ましいとして記載のキナーゼに、少なくとも活性を、好ましくは選択的に示すとの予期しない発見に基づく。これらの化合物は、故に有効な薬剤の基礎として使用できる。加えて、それらはさらに有益な薬学的に有用な特性、とりわけ下記に定義のある種のタンパク質キナーゼに対する良好な選択性を示す。
【0009】
下記の新規クラスの1,4−置換ピラゾロピリミジン式Iの化合物のメンバーは、タンパク質キナーゼ、とりわけ、好ましくはc−Abl、c−Srcおよび/またはとりわけエフリン受容体キナーゼ、とりわけEphB4キナーゼの1種以上のようなPTK;および/またはこれらのいずれか1種もしくはそれ以上の1種以上の改変または変異した形態(例えば構成的に活性化されたBcr−Ablまたはv−Srcのような各癌原遺伝子の癌遺伝子への変換をもたらす形態)の特異的なタイプまたはクラスまたはグループの阻害剤であることが判明した。これらの活性の観点から、本化合物は、このようなタイプのキナーゼ、とりわけ上記のキナーゼおよび最もとりわけ好ましいとして上記のキナーゼの不適当な、とりわけ異常または過剰な活性と関連する疾患の処置に使用できる。
【0010】
本発明は、特に温血動物の診断的または好ましくは治療的処置に使用するための、とりわけタンパク質キナーゼ、とりわけタンパク質チロシンキナーゼ、とりわけc−Abl、c−Srcおよび/またはとりわけエフリン受容体キナーゼ、とりわけEphB4キナーゼの1種以上の不適当な活性;および/またはこれらのいずれか1種もしくはそれ以上の1種以上の改変または変異した形態(例えば構成的に活性化されたBcr−Ablまたはv−Srcのような各癌原遺伝子から癌遺伝子への変換をもたらす形態)に依存した疾患または障害の処置に使用するための式I
【化1】

{式中、
は式Ib
【化2】

〔式中、Raはメチル、エチル、メトキシ、ハロまたはトリフルオロメチルであり;
Reは水素、メチル、エチル、メトキシ、ハロまたはトリフルオロメチルであり、そして
Rb、RcおよびRdは水素およびフェニル置換基から独立して選択される。〕
の部分であり;
は非置換もしくは置換アリールであり;
は水素、非置換もしくは置換アルキル、非置換もしくは置換アリールまたは非置換もしくは置換ヘテロシクリルであり;そして
は水素または非置換もしくは置換アルキルである。}
の1,4−置換ピラゾロピリミジン化合物または、1個以上の塩形成基が存在するとき、(好ましくは薬学的に許容される)その塩に関する。
【0011】
本発明は、別のおよび好ましい態様において、タンパク質キナーゼ、とりわけタンパク質チロシンキナーゼ、とりわけc−Abl、c−Srcおよび/またはとりわけエフリン受容体キナーゼ、とりわけEphB4キナーゼの1種以上の不適当な活性;および/またはこれらのいずれか1種もしくはそれ以上の1種以上の改変または変異した形態(例えば構成的に活性化されたBcr−Ablまたはv−Srcのような各癌原遺伝子から癌遺伝子への変換をもたらす形態)に依存する疾患または障害の処置用医薬製剤の製造における、式Iの化合物の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用、またはタンパク質キナーゼ、とりわけタンパク質チロシンキナーゼ、とりわけ上記のキナーゼの不適当な活性に依存する疾患の処置における該化合物の使用に関する。
【0012】
本発明のさらに別の態様は、
が式Ib
【化3】

〔式中、Raはメチル、エチル、メトキシ、ハロまたはトリフルオロメチルであり;
Reは水素、メチル、エチル、メトキシ、ハロまたはトリフルオロメチルであり、そして
Rb、RcおよびRdは水素、非置換もしくは置換アルキル、非置換もしくは置換アルケニル、非置換もしくは置換アルキニル、非置換もしくは置換アリール、非置換もしくは置換ヘテロシクリル、ヒドロキシ、エステル化またはエーテル化ヒドロキシ、非置換、モノもしくはジ置換アミノ(ここで、該置換基は非置換もしくは置換アルキルおよび非置換もしくは置換アリール;ハロ、ニトロ、シアノ、メルカプト、置換メルカプト、スルホおよび置換スルホニルから独立して選択され、ここで、該置換基は非置換もしくは置換アルキルおよび非置換もしくは置換アリールから選択される)から独立して選択される。〕
の部分であり;
は非置換もしくは置換アリールであり;
は水素、非置換もしくは置換アルキル、非置換もしくは置換アリールまたは非置換もしくは置換ヘテロシクリルであり;そして
は水素または非置換もしくは置換アルキルである、
ただし、Rが4−メトキシフェニルであり、Rが水素であり、そしてRが水素であるならば、Rは5−フルオロ−2−メチルフェニルおよび2−メチルフェニル以外である;およびRは非置換もしくは置換3−ニトロフェニル以外である
上記の式Iの新規1,4−置換ピラゾロピリミジン化合物、または(好ましくは薬学的に許容される)その塩に関する。
【0013】
本発明の他の態様は、温血動物の診断的または好ましくは治療的処置に使用するための、とりわけタンパク質キナーゼ、好ましくはタンパク質チロシンキナーゼの不適当な活性に依存する疾患の診断的および治療的処置に使用するための、
が5−フルオロ−2−メチルフェニルおよび2−メチルフェニルであり、
が4−低級アルコキシフェニルであり、
が水素であり、
が水素である;
式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩、および/または不適当なタンパク質キナーゼ、とりわけチロシンキナーゼ活性、とりわけここで好ましいとして記載のチロシンキナーゼの1種以上に依存する疾患または障害の処置用医薬製剤の製造のためのこのような化合物の使用に関する。
【0014】
本発明のさらに別の態様は、温血動物の診断的または好ましくは治療的処置に使用するための、とりわけタンパク質キナーゼ、とりわけタンパク質チロシンキナーゼの不適当な活性に依存する疾患診断的および治療的処置に使用するための、
が非置換もしくは置換3−ニトロフェニルであり;
が置換アリールであり;
が水素または非置換もしくは置換アルキルであり;そして
が水素または非置換もしくは置換アルキルである、
式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0015】
本発明の他の態様は、とりわけタンパク質キナーゼ、とりわけタンパク質チロシンキナーゼの不適当な活性に依存する疾患または障害の処置に有用な、1,4−置換ピラゾロピリミジン式Iの化合物、とりわけ新規式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む、医薬製剤に関する。
【0016】
タンパク質キナーゼを記載するとき、これは全てのタイプのタンパク質キナーゼ、とりわけセリン/スレオニンおよび/または好ましくはタンパク質チロシンキナーゼ、例えばタンパク質キナーゼC、c−Abl、Bcr−Abl、c−Kit、c−Raf、Flt−1、Flt−3、PDGFR−キナーゼ、c−Src、FGF−R1、FGF−R2、FGF−R3、FGF−R4、カゼインキナーゼ(CK−1、CK−2、G−CK)、Pak、ALK、ZAP70、Jak1、Jak2、Axl、Cdk1、cdk4、cdk5、Met、FAK、Pyk2、Syk、インスリン受容体キナーゼ、Tie−2またはBcr−Ablのようなキナーゼの構成的活性化変異(活性化キナーゼ)、c−Kit、c−Raf、Flt−3、FGF−R3、PDGF−受容体、VEGF−受容体、S−1P、IGF−1受容体、および/またはMet、および/またはこれらのいずれか1種もしくはそれ以上の1種以上の改変または変異した形態に関する。好ましいのはタンパク質チロシンキナーゼである。
【0017】
タンパク質(とりわけチロシン)キナーゼを前記および後記で記載するとき、これは、特記されない限り、好ましくはc−Abl、c−Srcおよび/またはとりわけエフリン受容体キナーゼ、とりわけEphB4キナーゼの1種以上;および/またはこれらのいずれか1種もしくはそれ以上の1種以上の改変または変異した形態(例えば構成的に活性化されたBcr−Ablまたはv−Srcのような各癌原遺伝子から癌遺伝子への変換をもたらす形態)に関する。
【0018】
本発明は、さらに別の態様において、処置における(好ましくは新規)式Iの化合物の使用、またはタンパク質キナーゼ、とりわけチロシンタンパク質チロシンキナーゼの不適当な活性に依存する疾患の処置用医薬製剤の製造におけるその使用;新規1,4−置換ピラゾロピリミジン式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、全ての式Iの化合物について上記の処置法;および/または新規式Iの化合物、および新規中間体および式Iの化合物の合成のための各工程に関する。
【0019】
前記および後記で使用する一般的用語または記号は、好ましくは本明細書の文脈内で、下記意味を有する:
結合に垂直な波線を使用する各場合、これはその結合の終わりを示し、それを介して、ある部分が対応する分子の残りに結合している。
【0020】
用語“低級”または“C−C−“は、最大7個まで(7個を含む)、とりわけ最大4個まで(4個を含む)の炭素原子を有する部分を定義し、該部分は分枝(1回以上)または直鎖である。低級またはC−C−アルキルは、例えば、n−ペンチル、n−ヘキシルまたはn−ヘプチルまたは好ましくはC−C−アルキル、とりわけメチル、エチル、n−プロピル、sec−プロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルである。
【0021】
ハロまたはハロゲンは好ましくはフルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード、最も好ましくはフルオロ、クロロまたはブロモである。
【0022】
フェニル置換基Rb、RcおよびRd(同様に好ましい水素以外のとき)は、好ましくは
− 置換基−Y−B(式中、Yは−C(=O)NR−、−NRC(=O)−、NRC(=O)NR−、−NRSO−、C(=O)−、−OC(=O)−、または−CO−であり、そしてBはアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリール、シクロアルキルであるか、またはYが−C(=O)NR−であるとき、Bはまた−C(=O)R、−C(=O)Rおよび−COであってよく、ここでRは水素または非置換もしくは置換C−C(または好ましくはC−C)−アルキルであり、そしてRおよびRは、互いに独立して、水素、非置換もしくは置換アルキル、非置換もしくは置換アリール、シクロアルキル、非置換もしくは置換ヘテロシクリルまたは、同じ窒素原子に結合しているとき、ヘテロシクリル環を形成できる);置換基Rb、RcおよびRdの少なくとも1個が−Y−Bであるならば、対応する式Iの化合物は、好ましくはc−Abl、c−Srcおよび/またはとりわけエフリン受容体キナーゼ、とりわけEphB4キナーゼから選択されるタンパク質チロシンキナーゼの不適当な活性;および/またはこれらのいずれか1種もしくはそれ以上の1種以上の改変または変異した形態(例えば構成的に活性化されたBcr−Ablまたはv−Srcのような各癌原遺伝子から癌遺伝子への変換をもたらす形態)に依存する疾患の処置に使用するためである;
− および/または、好ましくはまたは、ハロ、とりわけフルオロ、低級アルキル、置換低級アルキル、例えばハロ低級アルキル、例えばトリフルオロメチル、低級アルケニル、低級アルキニル、フェニル、フェニル−低級アルキル、例えばベンジル、低級アルカノイル、ヒドロキシ、エーテル化またはエステル化ヒドロキシ、例えば低級アルコキシまたは低級アルカノイルオキシ、アミノ低級アルコキシ、フェノキシまたはフェニル−低級アルコキシ、例えばベンジルオキシ、アミノ、モノ−またはジ置換アミノ(ここで、該置換基は非置換もしくは置換アルキルまたは非置換もしくは置換アリール、例えばモノ−またはジ−低級アルキルアミノ、アミジノ、ニトロ、シアノ、シアノ−低級アルキル、カルバモイル、グアニジノ、ウレイド、非置換もしくは置換メルカプト、例えば低級アルキルチオ、ハロゲン−低級アルキルチオ、フェニルチオ、フェニル−低級アルキルチオ、低級アルキル−フェニルチオ、低級アルキルスルフィニル、フェニルスルフィニル、フェニル−低級アルキルスルフィニル、低級アルキルフェニルスルフィニル、低級アルカンスルホニル、フェニルスルホニル、フェニル−低級アルキルスルホニル、低級アルキルフェニルスルホニル、スルホンアミド、または−NRから選択され、ここで、RおよびRはN原子と一体となって、1〜4個の窒素、酸素または硫黄原子を含む3〜8員ヘテロ環式環(例えばピペラジノ、低級アルキル−ピペラジノ、アゼチジノ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、イミダゾリノ)である)から選択される置換基、
− またはRa、RbおよびRcの2個以上が一体となってフェニル環の隣接C−原子に結合する低級アルキレンジオキシ架橋、例えばメチレンまたはエチレンジオキシを形成する。
【0023】
(“非置換”)アルキルは、好ましくは1〜12個の炭素原子を有するか、またはとりわけ7個、好ましくは1〜5個(5個を含む)の炭素原子の低級アルキルであり、そして直鎖または分枝鎖である;好ましいのは上記で定義の低級アルキルである。置換アルキルにおいて、該アルキル(これは好ましくは直前に定義の通り)は、非置換もしくは置換、例えばハロ、ハロ−低級アルキル、例えばトリフルオロメチル、アミノ、ニトロまたはシアノで置換されているフェニル;ヒドロキシ−低級アルキル、例えばヒドロキシメチル、低級−アルコキシ−低級アルキル、(低級−アルコキシ)−低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルカノイル−低級アルキル、フェノキシ−低級アルキル、フェニル−低級アルコキシ−低級アルキル、例えばベンジルオキシ−低級アルキル、ハロ−低級アルキル、例えばトリフルオロメチル、低級アルケニル、低級アルキニル、低級アルカノイル、例えばアセチル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、フェノキシ、フェニル−低級アルコキシ、例えばベンジルオキシ、アミノ、モノ−ジ−置換アミノ(ここで、該アミノ置換基は、低級アルキル、低級アルカノイル、フェニルおよびフェニル−低級アルキルから独立して選択される);アミノ低級アルコキシ;アミジノ、シアノ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、例えばメトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニルまたはイソプロポキシカルボニル、フェニル−低級アルコキシカルボニル、例えばベンジルオキシカルボニル、低級アルカノイル、ベンゾイル、カルバモイル、N−モノ−またはN,N−ジ置換カルバモイル、例えばN−モノ−またはN,N−ジ−低級アルキルカルバモイルまたはN−モノ−またはN,N−ジ−(ヒドロキシ−低級アルキル)−カルバモイル、アミジノ、グアニジノ、ウレイド、メルカプト、スルホ、低級アルキルチオ、スルホンアミド、ベンゾスルホンアミド、フェニル、フェニル−低級アルキル、例えばベンジル、フェノキシ、フェニル−低級アルコキシ、例えばベンジルオキシ、フェニルチオ、フェニル−低級アルキルチオ、低級アルキル−フェニルチオ、低級アルキルスルフィニル、フェニルスルフィニル、フェニル−低級アルキルスルフィニル、アルキルフェニルスルフィニル、低級アルカンスルホニル、フェニルスルホニル、フェニル−低級アルキルスルホニル、アルキルフェニルスルホニル、ハロゲン−低級アルキルメルカプト、ハロゲン−低級アルキルスルホニル、例えばトリフルオロメタンスルホニル、または−NR(ここで、RおよびRはN原子と一体となって、1個以上の炭素環原子に加えて1〜4個の窒素(ここで、NH中のHの代わりに低級アルキルが存在できる)、酸素または硫黄原子を含む3〜8員ヘテロ環式環(例えばアゼピノ、ジアゼピノ(例えば1,4−ジアゼピノ)、(とりわけN−)低級アルキル−ジアゼピノ、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペラジノ、(とりわけN−)低級アルキル−ピペラジノ、ピロリジノ、イミダゾリジノ、(とりわけN−)低級アルキル−イミダゾリジノ、ピラゾリジノ、(とりわけN−)低級アルキルピラゾリジノ、アゼチジノまたはアジリジノ)である)から独立して選択される1個以上、好ましくは3個まで、例えば1個または2個の置換基で置換される。
【0024】
用語“3〜8員”は3個から8個の環原子を有することを意味する。
【0025】
アルケニルは、好ましくは2〜12個、より好ましくは3〜7個、さらに好ましくは3個または4個の炭素原子を、例えばビニルまたはアリル中に有し、(化学的に可能である限り、ある場合、例えば二重結合、例えばアミノまたはヒドロキシに隣接した活性水素を有する置換基の場合、互変異性または化学的不安定性が起こり得るように)置換アルキルの置換基として記載したものから独立して選択される1個以上の置換基で置換されている。
【0026】
アルキニルは、好ましくは2〜12個、より好ましくは3〜7個、さらに好ましくは3個または4個の炭素原子を、例えばビニルまたはアリル中に有し、(化学的に可能である限り、ある場合、例えば三重結合、例えばアミノまたはヒドロキシに隣接した活性水素を有する置換基の場合、互変異性または化学的不安定性が起こり得るように)置換アルキルの置換基として記載したものから独立して選択される1個以上の置換基で置換されている。
【0027】
アルコキシにおいて、アルキル部分は好ましくは上記で定義の通りである;好ましいのは低級アルコキシ、例えばメトキシまたはエトキシである。
【0028】
アリールは、好ましくは20個を超えない炭素原子、とりわけ16個を超えない炭素原子の芳香族性炭素環式系であり、好ましくは単、二または三環式であり、非置換または、置換アリールとして、好ましくは“置換アルキル”の下に上記で定義のものから独立して選択される1個以上、好ましくは3個まで、例えば1個または2個の置換基で置換されており、および/または、アリールRの場合、環が非置換であるか、または(i)好ましくは環窒素原子を介して結合しており、1個以上の炭素環原子に加えて、1〜4個の窒素(NHのHの代わりに低級アルキルが存在できる)、酸素または硫黄原子を含む、3〜8員ヘテロ環式環(例えばアゼピニル、ジアゼピニル(例えば1,4−ジアゼピニル)、(とりわけN−)低級アルキル−ジアゼピニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、(とりわけN−)低級アルキル−ピペラジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、(とりわけN−)低級アルキル−イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、(とりわけN−)低級アルキルピラゾリジニル、アゼチジニルまたはアジリジニル)で;(ii)アミノ−低級アルキルまたはN−モノまたはN,N−ジ置換アミノ−低級アルキル(ここで、該アミノ置換基は好ましくは低級アルキル、低級アルカノイル、フェニルおよびフェニル−低級アルキルから独立して選択される)、または(iii)ヒドロキシ−低級アルキル、例えばヒドロキシメチル、またはエーテル化またはエステル化ヒドロキシ−低級アルキル、例えば低級−アルコキシ−低級アルキル、(低級−アルコキシ)−低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルカノイル−低級アルキル、フェノキシ−低級アルキル、フェニル−低級アルコキシ−低級アルキル、例えばベンジルオキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−カルボニルオキシ−低級アルキル、例えばtert−ブトキシカルボニルオキシ−低級アルキルまたはフェニル−低級アルコキシカルボニルオキシ−低級アルキル、例えばベンジルオキシカルボニルオキシ−低級アルキルで置換されている、好ましくは環窒素原子を介して結合している、1個以上の炭素環原子に加えて、1〜4個の窒素(ここで、NH中のHの代わりに、低級アルキルが存在できる)、酸素または硫黄原子を含む、3〜8員ヘテロ環式環(例えばアゼピニル、ジアゼピニル(例えば1,4−ジアゼピニル)、(とりわけN−)低級アルキル−ジアゼピニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、(とりわけN−)低級アルキル−ピペラジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、(とりわけN−)低級アルキル−イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、(とりわけN−)低級アルキルピラゾリジニル、アゼチジニルまたはアジリジニル)で置換されている。例えば、アリールは、とりわけフェニル、ナフチル、インデニル、アズレニルおよびアントリルから選択され、好ましくはフェニルであり、好ましくはいずれの場合も非置換もしくは直前に記載のとおり、とりわけ低級アルコキシまたは3〜8員環、アミノ−低級アルキル、N−モノ−またはN,N−ジ−置換アミノ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキルもしくはエステル化ヒドロキシ−低級アルキルで置換された3〜8員ヘテロ環式環で置換されており、いずれの場合も好ましくはこの段落に記載の通りである。
【0029】
シクロアルキルは、好ましくは3〜9個の環炭素原子の飽和モノ−または二環式炭化水素基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチルである。
【0030】
非置換もしくは置換ヘテロシクリルにおいて、ヘテロシクリルは、好ましくは結合している環において不飽和、飽和または部分的に飽和であるヘテロ環式ラジカルであり、好ましくは単環式または本発明の広い局面において二環式または三環式環であり;3〜24個、より好ましくは4〜16個の環原子を有し;ここで少なくとも式Iの分子の残りの部分に結合している環において1個以上、好ましくは1〜4個、とりわけ1個または2個の炭素環原子が、窒素、酸素および硫黄から成る群から選択されるヘテロ原子で置換されており、本結合している環は、好ましくは4〜12個、とりわけ5〜7個の環原子を有し;ヘテロシクリルは、非置換もしくは“置換アルキル”または“置換アリール”の下に定義の置換基から成る群から独立して選択される1個以上、とりわけ1〜3個の置換基で置換されており;とりわけオキシラニル、アジリニル、1,2−オキサチオラニル、イミダゾリル、チエニル、フリル、テトラヒドロフリル、ピラニル、チオピラニル、チアンスレニル、イソベンゾフラニル、ベンゾフラニル、クロメニル、2H−ピロリル、ピロリル、ピロリニル、ピロリジニル、イミダゾリル、イミダゾリジニル、ベンゾイミダゾリル、ピラゾリル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラニオール(pyranyol)、チアゾリル、イソチアゾリル、ジチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピペリジル、ピペラジニル、ピリダジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、インドリジニル、イソインドリル、3H−インドリル、インドリル、ベンゾイミダゾリル、クマリル、インダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、プリニル、4H−キノリジニル、イソキノリル、キノリル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソキノリル、デカヒドロキノリル、オクタヒドロイソキノリル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ジベンゾチオフェニル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリル、キナゾリニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、ベータ−カルボリニル、フェナンスリジニル、アクリジニル、ペリミジニル、フェナンスロリニル、フラザニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、クロメニル、イソクロマニルおよびクロマニルから成る群から選択されるヘテロシクリルラジカルであり、このラジカルの各々は、非置換もしくは低級アルキル、とりわけメチルまたはtert−ブチル、低級アルコキシ、とりわけメトキシ、およびハロ、とりわけブロモまたはクロロから成る群から選択される1〜2個のラジカルで置換されている。
【0031】
エーテル化またはエステル化ヒドロキシは、好ましくは上記で定義の通りの非置換もしくは置換低級アルキルでエーテル化されたヒドロキシであり、より好ましくは低級−アルコキシ、(低級−アルコキシ)−低級アルコキシ、フェノキシ、フェニル−低級アルコキシ、例えばベンジルオキシ、または有機炭酸またはスルホン酸でエステル化されたヒドロキシ、例えば低級アルカノイルオキシ、低級アルコキシ−カルボニルオキシ、例えばtert−ブトキシカルボニルオキシ、フェニル−低級アルコキシ−カルボニルオキシ、例えばベンジルオキシカルボニルオキシ、メチルフェニルスルホニルオキシまたは低級−アルキルスルホニルオキシである。
【0032】
モノ−またはジ置換アミノにおいて、アミノ基−NHの一方または両方の水素原子が、好ましくは(他に具体的に示していない限り)非置換もしくは置換アルキル(ここで、置換アルキルの場合、該置換基は“置換アルキル”下に記載のものから独立して選択される)、非置換もしくは置換アリール(ここで、該置換基は“置換アリール”の下に、好ましくは“置換アルキル”の下に定義の通りである)、および非置換もしくは置換低級アルカノイル(ここで、置換アルカノイルの場合、該置換基は“置換アルキル”の下に定義のものから独立して選択される)から独立して選択される置換基で置換されている、例えば低級−アルカノイルアミノであり;好ましくは、モノ−またはジ置換アミノにおいて、該置換基は、低級アルカノイルから、またはより好ましくは低級アルキルおよびフェニル−低級アルキルから選択され、例えばモノ−またはジ−低級アルキルアミノまたはモノ−またはジ−(フェニル−低級アルキル)−アミノである。
【0033】
低級アルカノイルは、好ましくは、7個まで、より好ましくは4個までの炭素原子を有する炭酸のアシル部分であり、例えば、ホルミルまたは好ましくはアセチル、プロピオニルまたはブチロイルである。
【0034】
置換メルカプトにおいて、メルカプトの水素は、好ましくは上記で定義の通りである非置換もしくは置換低級アルキルで置換されており、より好ましくは低級−アルキルチオ、(低級−アルコキシ)−低級アルキルチオ、フェニルチオ、フェニル−低級アルキルチオ、例えばベンジルチオであるか;または有機炭酸により置換されており、例えば低級アルカノイルチオ、低級アルコキシ−カルボニルチオ、例えばtert−ブトキシカルボニルチオ、フェニル−低級アルコキシカルボニルチオ、例えばベンジルオキシカルボニル−チオである。
【0035】
非置換もしくは置換アリールRは、好ましくは単環式アリール、より好ましくはフェニルであり、それは非置換であるか、またはとりわけ(とりわけm−またはp−位を)、
− 環が、非置換であるか、または好ましくは環炭素または窒素原子を介して結合しており、1個以上の炭素環原子に加えて、1〜4個の窒素(NHのHの代わりに低級アルキルが存在できる)、酸素または硫黄原子を含む3〜8員ヘテロ環式環(例えばアゼピニル、ジアゼピニル(例えば1,4−ジアゼピニル)、(とりわけN−)低級アルキル−ジアゼピニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、(とりわけN−)低級アルキル−ピペラジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、(とりわけN−)低級アルキル−イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、(とりわけN−)低級アルキルピラゾリジニル、アゼチジニルまたはアジリジニルで置換されている、好ましくは環窒素原子を介して結合しており、1個以上の炭素環原子に加えて、1〜4個の窒素(NHのHの代わりに低級アルキルが存在できる)、酸素または硫黄原子を含む3〜8員ヘテロ環式環(例えばアゼピニル、ジアゼピニル(例えば1,4−ジアゼピニル)、(とりわけN−)低級アルキル−ジアゼピニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、(とりわけN−)低級アルキル−ピペラジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、(とりわけN−)低級アルキル−イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、(とりわけN−)低級アルキルピラゾリジニル、アゼチジニルまたはアジリジニル)である置換基で
− アミノ−低級アルキルまたはN−モノまたはN,N−ジ置換アミノ−低級アルキル(ここで、該アミノ置換基は、好ましくは低級アルキル、低級アルカノイル、フェニルおよびフェニル−低級アルキルから独立して選択され、例えばN,N−ジ−(低級アルキル)アミノ−低級アルキル、例えばN,N−ジメチルアミノ−低級アルキルである)で、または
− ヒドロキシ−低級アルキル、例えばヒドロキシメチル、またはエーテル化またはエステル化ヒドロキシ−低級アルキル、例えば低級−アルコキシ−低級アルキル、(低級−アルコキシ)−低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルカノイル−低級アルキル、フェノキシ−低級アルキル、フェニル−低級アルコキシ−低級アルキル、例えばベンジルオキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−カルボニルオキシ−低級アルキル、例えばtert−ブトキシカルボニルオキシ−低級アルキルまたはフェニル−低級アルコキシカルボニルオキシ−低級アルキル、例えばベンジルオキシカルボニルオキシ−低級アルキルで;または
− 本発明のより一般的な局面において、低級アルコキシ、例えばメトキシで
置換されている。
【0036】
非置換もしくは置換アルキルRは、上記で非置換もしくは置換アルキルについて定義の通りである;好ましいのは非置換もしくは置換低級アルキル、とりわけ低級アルキル、例えばメチルまたはエチル、またはモノ−またはジ置換アミノ−低級アルキル(ここで、低級アルキルは好ましくはメチル、エチル、プロピルまたはブチルであり、より好ましくは末端炭素原子(式Iの環から最も遠い)で、非置換のまたは好ましくはモノ−またはジ置換アミノ(ここで、モノ−またはジ置換アミノは上記で定義の通り、好ましくはモノ−またはジ−低級アルキルアミノ、例えば3−(N,N−ジメチルアミノ)−プロピルにおける、例えばN,N−ジメチルアミノまたはN,N−ジエチルアミノである)により置換されているである)である。
【0037】
は好ましくは水素である。
【0038】
塩は、とりわけ式Iの化合物の薬学的に許容される塩である。それらは、塩形成基、例えば塩基性または酸性基が存在するときに形成でき、それらは、例えばin 4〜10のpH範囲の水性溶液中、少なくとも部分的に解離した形で存在できるか、またはとりわけ固体形で単離できる。
【0039】
このような塩は、例えば、酸付加塩として、好ましくは有機または無機酸と、塩基性窒素原子(例えばイミノまたはアミノ基)を有する式Iの化合物から形成され、とりわけ薬学的に許容される塩である。適当な無機酸は、例えば、ハロゲン酸、例えば塩酸、硫酸、またはリン酸である。適当な有機酸は、例えば、カルボン酸、ホスホン産、スルホン酸またはスルファミン酸、例えば酢酸、プロピオン酸、乳酸、フマル酸、コハク酸、クエン酸、アミノ酸、例えばグルタミン酸またはアスパラギン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、メチルマレイン酸、安息香酸、メタン−またはエタン−スルホン酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、1,5−ナフタレン−ジスルホン酸、N−シクロヘキシルスルファミン酸、N−メチル−、N−エチル−またはN−プロピル−スルファミン酸、または他の有機プロトン酸、例えばアスコルビン酸である。
【0040】
負に荷電したラジカル、例えばカルボキシまたはスルホの存在下、塩はまた塩基と、例えば金属またはアンモニウム塩、例えばアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウムまたはカルシウム塩、またはアンモニアまたは適当な有機アミン、例えば3級モノアミン、例えばトリエチルアミンまたはトリ(2−ヒドロキシエチル)アミン、またはヘテロ環式塩基、例えばN−エチル−ピペリジンまたはN,N'−ジメチルピペラジンとのアンモニウム塩を形成し得る。
【0041】
塩基性基と酸基が同じ分子内に存在するとき、式Iの化合物はまた分子内塩を形成できる。
【0042】
単離または精製目的で、薬学的に許容されない塩、例えばピクリン酸塩または過塩素酸塩を使用することも可能である。治療的使用のために、薬学的に許容される塩または遊離化合物のみが使用され(適用可能であるとき医薬製剤中に包含されて)、故にこれらが好ましい。
【0043】
遊離形の化合物と、中間体として、例えば本化合物またはその塩の精製または同定において使用できる塩を含むその塩の形の化合物の密接な関係の観点から、前記および後記で、とりわけ式Iの化合物に関して“化合物”および“中間体”の全ての言及は、適当であり、好都合であり、そして他に明確に記載されていない限り、1個以上のその塩または遊離化合物と1個以上のその塩の混合物も言及すると理解すべきであり、この各々は、全ての溶媒和物、式Iの化合物のエステルまたはアミドのような代謝前駆体、またはこれらのいずれか1個以上の塩も含むことを意図する。異なる結晶形を得ることができる可能性があるならば、これらも含まれる。
【0044】
化合物、塩、医薬製剤、疾患、障害などについて複数表現を使用するとき、これは、1個(好ましい)またはそれ以上の単独の化合物、塩、医薬製剤、疾患、障害などを意味することを意図し、単数表現が使用されているとき、これは複数または好ましくはその単独のものを含むことを意図する。
【0045】
ある場合、本発明の化合物は1個以上のキラル中心を含むか、または他の不斉(エナンチオマーをもたらす)を示すか、または、例えば1個以上のキラル中心または1個以上の不斉のためにまたはZ/E(またはcis−trans)異性(ジアステレオマー)を可能にする環もしくは二重結合のために、他の方法で1個以上の立体異性体の形で存在できる可能性がある。本発明は2個以上のこのような異性体の混合物、例えばエナンチオマーの混合物、とりわけラセミ体、ならびに好ましくは精製された異性体、とりわけ精製されたエナンチオマーまたはエナンチオマーが富化された混合物の両方を含む。
【0046】
式Iの化合物は、価値ある薬理学的特性を有し、タンパク質キナーゼ依存性疾患または障害、とりわけタンパク質チロシンキナーゼ、好ましくは好ましいとして上記の1種以上のキナーゼの不適当な発現に依存する疾患または障害の処置において、例えば、タンパク質チロシンキナーゼ、とりわけ上記の好ましいキナーゼの1種以上の不適当な活性に依存する1種以上の増殖性疾患の処置のための医薬としてまたは医薬製剤の基礎として有用である。
【0047】
用語“処置”または“治療”は、該疾患または障害の、とりわけ上記または下記の1種以上の疾患または障害の予防的(例えば疾患または障害の発症の予防または遅延)または好ましくは治療的(軽減、治癒、症状緩和、症状軽減、患者の状態軽減、キナーゼ調節および/またはキナーゼ阻害を含むが、これらに限定されない)処置に関する。
【0048】
温血動物(または患者)は、好ましくは哺乳動物、とりわけヒトである。
【0049】
“不適当な”キナーゼ活性は、好ましくは、キナーゼ、とりわけ上記または下記のキナーゼが、その状況では高すぎるキナーゼ活性を示す(例えば遺伝子増幅もしくは染色体再配列または異常型遺伝子、例えば癌遺伝子を発現する、例えば誤った基質特異性または例えば正常量で産生される機能亢進性タンパクに至る異常な活性を発現するウイルスのような微生物による感染が原因の、例えば1種以上の調節解除、過剰発現および/またはその他)および/または不適当なキナーゼ活性をもたらすキナーゼの例えば修飾(例えばリン酸化、開裂など)により、上記および下記のキナーゼ依存性疾患または障害に至るまたはそれを支持する、温血動物の状態に関する。このような不適当なキナーゼ活性は、例えば、正常より高い活性、またはさらに正常かまたは正常範囲より低くさえあるが、前の、同時のまたは後の過程、例えばシグナル伝達または他の経路に対する調節効果などのために、直接的または間接的な疾患または障害の支持または持続にいたる活性、および/または疾患または障害の大発生および/または存在を何らかの他の方法で支持する活性を含み得る。関連するタンパク質キナーゼ、とりわけタンパク質チロシンキナーゼの不適当な活性は、障害または疾患を支持する他の機構に平行して依存していてもいなくてもよく、および/または予防的または治療的効果は、タンパク質キナーゼ、とりわけタンパク質チロシンキナーゼ、とりわけ阻害の好ましい標的である好ましいとして記載のキナーゼの阻害に加えて他の機構を含んでいてもいなくてもよい。故に“依存性”は“とりわけ依存性”、(とりわけ疾患または障害が、ただ一つのタンパク質キナーゼ、好ましくはタンパク質チロシンキナーゼに真に排他的に依存している場合)、好ましくは“主に依存性”、より好ましくは“本質的にのみ依存性”として解釈すべきである。
【0050】
タンパク質キナーゼ、とりわけタンパク質チロシンキナーゼの不適当な活性に依存性の疾患または障害が記載されているとき(下記段落の“使用”の定義におけるようなおよびまたとりわけ式Iの化合物を、好ましくはタンパク質(好ましくはチロシン)キナーゼの不適当な活性に依存性の疾患または障害の処置である診断的または治療的処置における使用に関して記載したとき)、これは、好ましくはc−Abl、c−Srcおよび/またはとりわけエフリン受容体キナーゼ、とりわけEphB4キナーゼの1種以上の不適当な活性;および/またはこれらのいずれか1種もしくはそれ以上の1種以上の改変または変異した形態(例えば構成的に活性化されたBcr−Ablまたはv−Srcのような各癌原遺伝子から癌遺伝子への変換をもたらす形態)に依存する何らかの1種以上の疾患または障害に関する。
【0051】
下記でまたは上記で用語“使用”が(動詞または名詞として)記載されているとき(式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の使用に関して)、これは(文脈において異なる指示がない限り)、下記の本発明の態様のいずれか1個以上を各々含む(特記しない限り):適当であり、好都合である限り、特記されていないならば;タンパク質(好ましくはチロシン)キナーゼの不適当な活性に依存する疾患または障害の処置における使用、タンパク質(好ましくはチロシン)キナーゼの不適当な活性に依存する疾患または障害の処置;タンパク質(好ましくはチロシン)キナーゼの不適当な活性に依存する疾患または障害の処置における1個以上の式Iの化合物の使用法;タンパク質(好ましくはチロシン)キナーゼの不適当な活性に依存する疾患または障害の処置のための1個以上の式Iの化合物を含む医薬製剤;およびタンパク質(好ましくはチロシン)キナーゼ、とりわけ好ましいとして記載のタンパク質チロシンキナーゼのいずれか1個以上の不適当な活性に依存する疾患または障害の処置において使用するための1個以上の式Iの化合物。
【0052】
式Iの化合物は価値ある薬理学的特性を示し、タンパク質キナーゼ、とりわけタンパク質チロシンキナーゼ依存性疾患の処置において、例えば、増殖性疾患を処置する薬剤として使用できる。
【0053】
下記の試験系の典型例の記載において、下記の略語は下記の意味を有する:DMSO=ジメチルスルホキシド;DTT=ジチオスレイトール;EDTA=四酢酸エチレンジアミン;MOI=感染多重度;PMSF=p−トルエンスルホニルフルオリド;Tris=トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン。“阻害剤”は、特記しない限り、試験する式Iの化合物である。
【0054】
エフリンB4受容体(EphB4)キナーゼの阻害剤としての式Iの化合物の(とりわけ重要かつ好ましい)効果は、下記の通り証明できる:
Bac−to−BacTM(Invitrogen Life Technologies, Basel, Switzerland)GST−融合発現ベクターの産生:EphBクラスの完全細胞質コード領域を、ヒト胎盤または脳に各々由来するcDNAライブラリーからPCRにより増幅する。ヒトEphB4受容体(SwissProt Database, Accession No. P54760)のアミノ酸領域566−987を発現する組み換えバキュロウイルスを産生する。GST配列をpFastBac1(登録商標)ベクター(Invitrogen Life Technologies, Basel, Switzerland)にクローン化し、PCR増幅する。EphB4−受容体ドメインをコードするcDNA各々を、GST配列に対してフレーム内3'プライム側で、この修飾FastBac1ベクターにクローン化し、pBac−to−BacTMドナーベクターを産生する。この形質転換に由来する単一コロニーを摂取し、小規模プラスミド製造のための一晩培養物を得る。プラスミドDNAの制限酵素分析は、数クローンが予測したサイズの挿入を含むことを確認する。自動配列決定により、挿入および約50bpのフランキングベクター配列が両方の鎖で確認される。
【0055】
ウイルスの産生:各キナーゼのためのウイルスを、特記しない限りGIBCOにより提供されるプロトコールに従い産生する。簡単に言うと、キナーゼドメインを含むトランスファーベクターを、DH10Bac細胞系(GIBCO)にトランスフェクトし、選択寒天プレート上で平板培養する。ウイルスゲノム(細菌により運搬)への融合配列がないコロニーは青色である。単一白色コロニーを選び出し、ウイルスDNA(bacmid)を標準プラスミド精製法により細菌から単離する。Sf9細胞またはSf21細胞を、次いでウイルスDNAを含む25cmフラスコに、Cellfectin試薬をそのプロトコールに従い使用してトランスフェクトする。
【0056】
GST標識キナーゼの精製:遠心分離した細胞ライセートを、2mL グルタチオン−セファロースカラム(Pharmacia)に載せ、10mLの25mM Tris−HCl、pH7.5、2mM EDTA、1mM DTT、200mM NaClで3回洗浄する。GST標識タンパク質を次いで25mM Tris−HCl、pH7.5、10mM 還元−グルタチオン、100mM NaCl、1mM DTT、10%グリセロールを10回適用(各1mL)することにより溶出し、−70℃で貯蔵する。
【0057】
タンパク質キナーゼアッセイ:タンパク質キナーゼの活性を、阻害剤の存在下または非存在下で、[γ33P]ATPから基質としてのグルタミン酸とチロシン(ポリ(Glu,Tyr))のポリマーへの33Pの取り込みの測定によりアッセイする。精製GST−EphB(30ng)でのキナーゼアッセイは、環境温度で15−30分、20mM Tris・HCl、pH7.5、10mM MgCl、3−50mM MnCl、0.01mM NaVO、1%DMSO、1mM DTT、3μg/mL ポリ(Glu,Tyr)4:1(Sigma;St. Louis, Mo., USA)および2.0−3.0μM ATP(γ−[33P]−ATP 0.1μCi)を含む30μLの最終容量で行う。アッセイを、20μLの125mM EDTAの添加により停止させる。その後、40μlの反応混合物を、予め5分メタノールに浸したImmobilon-PVDF膜(Millipore, Bedford, MA, USA)に移し、水で濯ぎ、次いで5分0.5%HPOに浸し、真空源が接続されていない真空マニホルド上にマウントする。全サンプルをスポットした後、真空を接続し、各ウェルを200μl 0.5%HPOで濯ぐ。膜を取り出し、シェーカー上で4回1.0%HPOおよび1回エタノールで洗浄する。膜を環境温度で乾燥させ、Packard TopCount96ウェルフレームにマウントし、10μL/ウェルのMicroscintTM(Packard)の添加後に計数する。IC50値を、デュプリケートの各化合物の、4濃度(通常0.01、0.1、1および10μM)の阻害パーセントの直線回帰分析により計算する。1単位のタンパク質キナーゼ活性を、37℃で1nmoleの33P ATPが[γ33P]ATPから基質タンパク質に1分あたりタンパク質1mgあたり移動するとして定義する。式Iの化合物は、1nMまで下がった、好ましくは0.001−5.0μMのIC50値でEphB4阻害を示す。
【0058】
本発明の化合物のc−Ablタンパク質−チロシンキナーゼ活性阻害剤としての効果は、下記の通り証明できる:
インビトロ酵素アッセイを、96ウェルプレートで、下記の改変をしたGeissler et al. in Cancer Res. 1992;52:4492-4498に記載の通りのフィルター結合アッセイとして行う。Bhat et al. in J. Biol. Chem. 1997;272:16170-16175に記載の通り、c−AblのHis標識キナーゼドメインをクローン化し、バキュロウイルス/Sf9系で発現させる。37kD(c−Ablキナーゼ)のタンパク質を、コバルト金属キレートカラム、続くアニオン交換カラムの2段階方により精製し、1−2mg/LのSf9細胞の収率である(Bhat et al.、引用された文献)。c−Ablキナーゼの純度は、クーマシー・ブルー染色後SDS−PAGEで判断して>90%である。本アッセイは下記のものを含む(30μLの総量):1%DMSO存在下、c−Ablキナーゼ(50ng)、20mM Tris・HCl、pH7.5、10mM MgCl、10μM NaVO、1mM DTTおよび30μg/mL ポリ−Ala,Glu,Lys,Tyr−6:2:5:1(Poly-AEKY, Sigma P1152)を使用して0.06μCi/アッセイ [γ33 P]−ATP(5μM ATP)。反応を、10μLの250mM EDTAの添加により停止させ、30μLの反応混合物を、予め5分メタノールに浸したImmobilon-PVDF膜(Millipore, Bedford, MA, USA)に移し、水で洗浄し、次いで5分0.5%HPOに浸し、真空源が接続されていない真空マニホルド上にマウントする。全サンプルをスポットした後、真空を接続し、各ウェルを200μL 0.5%HPOで濯ぐ。膜を取り出し、シェーカー上で0.5%HPO(4回)および1回エタノールで洗浄する。膜を環境温度で乾燥させ、Packard TopCount96ウェルフレームにマウントし、10μL/ウェルのMicroscintTM(Packard)の添加後に計数する。この試験系を使用して、式Iの化合物は、c−Abl阻害に関して、例えば0.002〜100μM、通常0.002〜5μMの範囲の阻害のIC50値を示し得る。
【0059】
あるいは、EphB4受容体自己リン酸化を下記の通り測定できる:
EphB4受容体自己リン酸化の阻害は、ヒトEphB4(SwissProt Acc No P54760)を永久に発現するトランスフェクトされたA375ヒト黒色腫細胞(ATCC Number:CRL-1619)を、6ウェル細胞培養プレート中完全培養培地(10%ウシ胎児血清=FCS添加)に播種し、37℃で5%CO下、約90%コンフルエンシーを示すまでインキュベートするような細胞でのインビトロ実験により確認できる。試験すべき化合物を、次いで培養培地(FCS非添加、0.1%ウシ血清アルブミン添加)で希釈し、細胞に添加する。(コントロールは化合物を含まない培地を含む)。リガンド誘発自己リン酸化を、1μg/ml 可溶性エフリンB2−Fc(s−エフリンB2−Fc:R&D Biosystems, Cat Nr 496-EB)および0.1μM オルト−バナデートの添加により誘発する。さらに20分、37℃でインキュベーション後、細胞を氷冷PBS(リン酸緩衝化食塩水)で2回洗浄し、200μl 溶解緩衝液/ウェルに直ぐに溶解させる。次いで、溶解物を遠心分離して細胞核を除去し、上清のタンパク質濃度を、市販のタンパク質アッセイ(PIERCE)を使用して決定する。融解物を次いで直ぐに使用するか、または必要であれば、−20℃で貯蔵する。
【0060】
サンドイッチELISAを、EphB4リン酸化を測定するために行う:リン酸化EphB4タンパク質を捕捉するために、100ng/ウェルのエフリンB2−Fc(s−エフリンB2−Fc:R&D Biosystems, Cat Nr 496-EB)をMaxiSorb(Nunc)ELISAプレートに固定する。プレートを次いで洗浄し、残った遊離のタンパク質結合部位を、リン酸緩衝化食塩水とTween 20(登録商標)(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、ICI/Uniquema)(PBST)中の3%TopBlock(登録商標)(Juro, Cat. # TB232010)で飽和させる。細胞融解物(100μgタンパク質/ウェル)を、次いでこれらのプレートで、1時間、室温でインキュベートする。ウェルを3回PBSで洗浄し、アルカリホスファターゼに結合した抗ホスホチロシン抗体(PY 20 Alkaline Phosphate conjugated:ZYMED, Cat Nr03-7722)を添加し、さらに1時間インキュベートする。プレートを再び洗浄し、捕捉したリン酸化受容体に対する抗ホスホチロシン抗体の結合を、次いで10mM D−ニトロフェニルホスフェートを基質として使用して証明および定量し、0.5時間−1時間後の405nmのODを測定する。
【0061】
ポジティブコントロール(バナデートおよびs−エフリンB2−Fcで刺激)とネガティブコントロール(刺激なし)のシグナルの差異が最大EphB4リン酸化(=100%)に対応する。試験物質の活性を最大EphB4リン酸化の阻害%として計算し、ここで、最大の半分の阻害を誘発する物質の濃度をIC50(50%阻害のための阻害用量)として定義する。
【0062】
式Iの化合物はまた、とりわけ、動物、とりわけヒト細胞を含む哺乳動物細胞の増殖調節および形質転換において役割を有するc−Srcキナーゼのような他のチロシンタンパク質キナーゼも阻害できる。適当なアッセイはAndrejauskas-Buchdunger et al., Cancer Res. 52, 5353-8(1992)に記載されている。この試験系を使用して、式Iの化合物は、c−Srcに関して、例えば0.01〜100μM、通常0.1〜10μMの範囲のIC50値を示し得る。
【0063】
他方、式Iの化合物は、好ましくは種々の他のタンパク質チロシンまたはセリン/スレオニンキナーゼにはむしろ弱い阻害を示し、故に望まない有害な薬物反応の危険性の低下を伴う有用な選択性を示す。
【0064】
例えば、KDRタンパク質−チロシンキナーゼ活性の阻害剤としての本発明の化合物の活性は、下記の通り証明できる:VEGF誘発受容体自己リン酸化の阻害は、ヒトVEGF−R2受容体(KDR)を永久に発現するトランスフェクトされたCHO細胞のような細胞で確認でき、それを6ウェル細胞培養プレート中の完全培養培地(10%ウシ胎児血清=FCS添加)に播種し、37℃で5%CO下、それらが約80%コンフルエンシーを示すまでインキュベートする。試験すべき化合物を、次いで培養培地(FCS非添加、0.1%ウシ血清アルブミン添加)で希釈し、細胞に添加する。コントロールは試験化合物を含まない培地を含む。2時間、37℃でインキュベーション後、組み換えVEGFを添加する;最終VEGF濃度は20ng/mlである。さらに5分、37℃でインキュベーションした後、細胞を氷冷PBS(リン酸緩衝化食塩水)で2回洗浄し、100μl 溶解緩衝液/ウェルに直ぐに溶解する。次いで、溶解物を遠心分離して細胞核を除去し、上清のタンパク質濃度を、市販のタンパク質アッセイ(BIORAD)を使用して決定する。融解物を次いで直ぐに使用するか、または必要であれば、−20℃で貯蔵する。このプロトコールを使用して、式Iの選択的化合物は、EphB4チロシンキナーゼに関するよりも好ましくは少なくとも4倍高い、より好ましくは20倍を超えて高い、KDR阻害に関するIC50値を示すことを見ることができる。
【0065】
Tekの相対的に低い阻害が下記の通り証明できる:このキナーゼの発現、精製およびアッセイ法は記載されている。Fabbro et al., Pharmacol. Ther. 82(2-3)293-301(1999)。式Iの選択的化合物は、直線回帰分析により計算して、EphB4阻害に関するよりも好ましくは少なくとも4倍、より好ましくは20倍を超えて高い、Tek阻害に関するIC50値を示すことを見ることができる。
【0066】
結果は、好ましい式Iの化合物の有益な選択性特性を示し、ここで、選択性は、必ずしも1種のみのキナーゼが有益な程度まで阻害されることを意味せず、選択的に2種以上のキナーゼが、他のキナーゼと比較して強く阻害され得ることも意味する。
【0067】
式Iの化合物の抗腫瘍活性をインビボで証明する実験もある。例えば、式Iの化合物、例えば下記実施例1のものが、血管形成をインビボで阻害するか否かを試験するために、マウスの増殖因子インプラントモデルにおけるVEGF、bFGF、S−1P、PDGFまたはIGF−1のような血管形成因子により誘発される血管形成応答に対するその効果を試験する:増殖因子(2μg/mlヒトVEGF)を含むまたは含まないヘパリン(20単位/ml)含有0.8%w/v寒天で満たした多孔性テフロンチャンバー(容量0.5mL)を、C57/C6マウスの背側腹部にインプラントする。マウスを、チャンバーをインプラントした日から開始して、その後4日間継続して、試験化合物(例えば5、10、25、50または100mg/kg p.o. 1日1回)または媒体で処置する。処置の最後に、マウスを殺し、チャンバーを摘出する。チャンバーの周りで増殖する血管が新生された組織を注意深く摘出し、秤量し、血液含量を組織のヘモグロビン含量の測定により評価する(Drabkins method;Sigma, Deisenhofen, Germany)。内皮マーカーの指標としてのTie−2タンパク質レベルを、血管形成応答を定量するために特異的ELISAにより決定する。これらの増殖因子が、チャンバーの周囲を増殖するこの組織(線維芽細胞および小血管を含むことにより、血液学的に特徴付けられる)の重量、血液含量およびTie−2タンパク質レベルの用量依存的増加を誘発し、この応答が中和抗体、例えばVEGFを特異的に中和する抗体により遮断されることが以前に示されている(Wood JM et al., Cancer Res. 60(8), 2178-2189, (2000);およびSchlaeppi et al., J. Cancer Res. Clin. Oncol. 125, 336-342, (1999)参照)。このモデルで、上記の濃度の式Iの化合物で阻害を示すことができる。
【0068】
本発明の好ましい意味において、式Iの化合物を使用できる、タンパク質(好ましくはチロシン)キナーゼ、とりわけ好ましいとして上記で特徴付けられたキナーゼの不適当な活性に依存する疾患または障害は、過増殖性状態、例えば1種以上の白血病、過形成、線維症(とりわけ肺であるが、また他のタイプの線維症、例えば腎線維症も)、血管形成、乾癬、アテローム性動脈硬化症および血管平滑筋増殖、例えば狭窄または血管形成術後の再狭窄を含む、1種以上の増殖性疾患(不適当なものへの1つの依存を意味する)である。さらに、式Iの化合物は血栓症および/または強皮症の処置に使用できる。
【0069】
好ましいのは、腫瘍または癌疾患、とりわけ好ましくは良性またはとりわけ悪性腫瘍または癌疾患から選択される、増殖性障害(とりわけタンパク質(好ましくはチロシン)キナーゼ、とりわけここで好ましいとして記載のキナーゼの不適当な活性に依存するもの)、より好ましくは固形腫瘍、例えば脳、腎臓、肝臓、副腎、膀胱、乳房、胃(とりわけ胃腫瘍)、卵巣、結腸、直腸、前立腺、膵臓、肺(例えば小または大細胞肺癌腫)、膣、甲状腺、の癌腫、肉腫、神経膠芽腫、多発性骨髄腫または消化器癌、とりわけ結腸癌腫または結腸直腸腺腫、または頭頚部の腫瘍、例えば、とりわけ、例えば乳癌腫におけるように上皮性特性の新生物を含む、頭頚部の扁平上皮癌腫;上皮過増殖(癌以外)、とりわけ乾癬;前立腺肥大;または白血病に対する治療(予防を含む)における式Iの化合物の使用である。
【0070】
式Iの化合物またはその使用は、腫瘍の緩解をもたらすことならびに腫瘍転移巣の形成および(微小も含む)転移巣の増殖の阻止を可能にする。式Iの化合物を、数種の、とりわけ、個々のタンパク質(好ましくはチロシン)キナーゼ、とりわけ好ましいとして記載のキナーゼが関与する限りにおいて、免疫系の疾患の処置に使用することも可能である;さらに、式Iの化合物はまた、とりわけ好ましいとして記載のタンパク質チロシンキナーゼから選択される、少なくとも1種のタンパク質(好ましくはチロシン)キナーゼがシグナル伝達に関与している場所である、中枢および末梢神経系の疾患の処置にも使用できる。
【0071】
慢性骨髄性白血病(CML)において、造血幹細胞(HSC)中の相互にバランスの取れた染色体転座がBCR−ABLハイブリッド遺伝子を産生する。後者は、発癌性Bcr−Abl融合タンパク質をコードする。ABLは、細胞増殖、接着およびアポトーシスの制御において重要な役割を有する非常に制御されたタンパク質チロシンキナーゼをコードするが、BCR−ABL融合遺伝子は、構成的に活性化されたキナーゼとしてコードし、それはHSCを形質転換して調節解除されたクローン増殖、骨髄間質に対する減少した接着および変異原性刺激に対する減少したアポトーシス応答を示す表現型を産生し、これはより悪性形質転換の漸進的な蓄積を可能にする。得られる顆粒球は成熟リンパ球への発達ができず、循環に放出され、成熟細胞の欠損および増加した感染感受性に至る。Bcr−AblのATP競合阻害剤は、キナーゼが分裂促進的および抗アポトーシス経路を活性化するのを阻止することは(例えばP−3キナーゼおよびSTAT5)、BCR−ABL表現型細胞の死に至り、故にCMLに対する有効な治療を提供すると記載されている。Bcr−Abl阻害剤として本発明に従い有用な3,4−置換ピラゾロピリミジン−誘導体、とりわけ式Iの化合物は、故にその過剰発現に関連する疾患、とりわけ白血病、例えばCMLまたはALLのような白血病の処置にとりわけ適する。
【0072】
血管形成は、約1−2mmの最大直径を超えて増殖する腫瘍のために絶対的必須要件として見なされている;この限界まで、酸素および栄養素は、腫瘍細胞に拡散により供給され得る。全ての腫瘍は、その起源および原因に関係なく、故に、一定のサイズに到達した後のその増殖を血管形成に依存する。3つの主要機構が腫瘍に対する血管形成阻害剤の活性において役割を有する:1)アポトーシスと増殖の間のバランスにより達成される正味の腫瘍増殖がないとの結果をもたらす、血管、とりわけ毛細管の無血管性の残りの腫瘍への増殖の阻害;2)腫瘍へのおよび腫瘍からの血流がないことによる、腫瘍細胞の移動阻止;および3)内皮細胞増殖の阻止、故に通常血管を裏打ちする内皮細胞により周りの組織に及ぼすパラクリン増殖刺激効果を無くす。
【0073】
式Iの化合物は、KDRおよびエフリン受容体キナーゼ、とりわけEphB4キナーゼ、およびおそらく他のタンパク質キナーゼを阻害する、および故に血管形成を調節する能力を考慮して、対応する受容体(好ましくはチロシン)キナーゼの不適当な活性、とりわけその過剰発現に関連する疾患または障害に対する使用のためにとりわけ適している。多くの疾患の中で、とりわけ(例えば虚血性)網膜症、(例えば加齢性)黄斑変性症、乾癬、肥満、血管芽腫、血管腫、炎症性疾患、例えばリウマチ様またはリウマチ性炎症性疾患、とりわけ関節炎、例えばリウマチ性関節炎、または他の慢性炎症性障害、例えば慢性喘息、動脈または移植後アテローム性動脈硬化症、子宮内膜症、およびとりわけ新生物疾患、例えばいわゆる固形腫瘍(とりわけ胃腸管、膵臓、乳房、胃、頸、膀胱、腎臓、前立腺、卵巣、子宮内膜、肺、脳の癌、黒色腫、カポジ肉腫、頭頚部の扁平細胞癌腫、悪性胸膜中皮腫、リンパ腫または多発性骨髄腫)およびさらに液性腫瘍(例えば白血病)が、とりわけ重要である。
【0074】
式Iの化合物は、とりわけ持続性の血管形成により引き金を引かれる疾患、例えば再狭窄、例えば、ステント誘発再狭窄;クローン病;ホジキン病;眼疾患、例えば糖尿病性網膜症および血管新生緑内障;腎臓疾患、例えば糸球体腎炎;糖尿病性腎症;炎症性腸疾患;悪性腎硬化症;血栓性微小血管性症候群(thrombotic microangiopathic syndrome);(例えば慢性)移植拒絶反応および糸球体症;線維性疾患、例えば肝臓の硬変;メサンギウム細胞増殖性疾患;神経組織の損傷の予防または処置;およびバルーンカテーテル処置後の血管再閉塞の阻止のために、血管プロステーシスにおける使用のために、または例えば、ステントのような機械的装置挿入後に血管開放を維持するために、免疫抑制剤として、瘢痕のない創傷治癒における補助として、および老人斑および接触性皮膚炎の処置のために使用される。
【0075】
好ましくは、本発明は、ここに記載の固形腫瘍および/またはここに記載の液体腫瘍、例えば白血病の処置における式Iの化合物、または薬学的に許容される塩の使用に関する。
【0076】
製造法
式Iの化合物は、他の化合物に関して原則として知られた方法に準じ、したがって式Iの新規化合物に関しては、類似方法として新規である方法で、好ましくは式II
【化4】

〔式中、RおよびRは式Iの化合物について定義の通りであり、そしてXはヒドロキシまたは脱離基(とりわけハロ)である。〕
のピラゾロピリミジン化合物を、式III
【化5】

〔式中、RおよびRは式Iの化合物について定義の通りである。〕
のアミノ化合物と反応させ;
望むならば、式Iの化合物を異なる式Iの化合物に変換し、得られる式Iの化合物の塩を、遊離化合物または異なる塩に変換し、得られる遊離の式Iの化合物をその塩に変換し、および/または得られる式Iの化合物の異性体混合物を個々の異性体に分割する、工程を含む、工程により、製造する。
【0077】
反応は、それ自体当分野で既知の条件下で、好ましくは適当な溶媒、例えばN,N−ジ−低級アルキル−低級アルカノイルアミド、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、またはアルコール、例えばヒドロキシ−低級アルカン、例えばメタノールまたはエタノール中、好ましくは15℃〜160℃、例えば室温乃至150℃の温度でまたは還流下に行う。反応は、好ましくは不活性ガス、例えば窒素またはアルゴン下行い、好ましくは溶媒は水を含まない、とりわけ無水溶媒である。
【0078】
式IIIの化合物の脱離基Xは、好ましくはハロ、好ましくはヨード、ブロモまたはとりわけクロロ、メチルフェニルスルホニルオキシ、例えばトルイルオキシ、または過フルオロアルキルスルホニルオキシ(例えば−O−SO−(C2f+1)(式中、f=1、2または4である)である。
【0079】
所望により行う反応および変換
式Iの化合物は、異なる式Iの化合物に変換できる。例えば、Rがハロフェニル、とりわけ4−ブロモフェニルである化合物を、Rが、環が非置換であるかもしくは(i)とりわけ上記で定義の通りの、好ましくは環炭素または窒素原子を介して結合しており、1個以上の炭素環原子に加えて、1〜4個の窒素(NHのHの代わりに低級アルキルが存在できる)、酸素または硫黄原子を含む3〜8員ヘテロ環式環;(ii)好ましくは上記で定義の通りのアミノ−低級アルキルまたはN−モノまたはN,N−ジ置換アミノ−低級アルキル;または(iii)とりわけ上記で定義の通りのヒドロキシ−低級アルキルまたはエーテル化またはエステル化ヒドロキシ−低級アルキルで置換されている、1個以上の炭素環原子に加えて1〜4個の窒素(NHのHの代わりに低級アルキルが存在できる)、酸素または硫黄原子を含む3〜8員ヘテロ環式環(例えばアゼピノ、ジアゼピノ(例えば1,4−ジアゼピノ)、(とりわけN−)低級アルキル−ジアゼピノ、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペラジノ、(とりわけN−)低級アルキル−ピペラジノ、ピロリジノ、イミダゾリジノ、(とりわけN−)低級アルキル−イミダゾリジノ、ピラゾリジノ、(とりわけN−)低級アルキルピラゾリジノ、アゼチジノまたはアジリジノ)で、(とりわけ4−)置換されているフェニルである、対応する化合物に変換できる。反応は、好ましくはR=ハロフェニルである出発化合物と、−NH−を含む相補的なヘテロ環式環挿入化合物(これは、ハロ部分の代わりに窒素を含む)を、強塩基、例えばアルカリ金属アルコラート、例えばカリウムtert−ブトキシドと、適当な溶媒、例えばエーテル、例えばテトラヒドロフラン中、触媒、とりわけパラジウム錯体触媒、例えば2−(ジメチルアミノ)フェロセン−1−イル−パラジウム(II)クロライドジノルボルニル−ホスフィン錯体存在下、好ましくは高温で、例えば50℃乃至還流温度、例えば105〜115℃でインキュベートする慣用のカップリング条件下で行う。
【0080】
少なくとも1個の塩形成基を有する式Iの化合物の塩は、それ自体既知の方法で製造できる。例えば、酸基を有する式Iの化合物の塩は、例えば、本化合物を金属化合物、例えば適当な有機カルボン酸のアルカリ金属塩、例えば2−エチルヘキサン酸のナトリウム塩、有機アルカリ金属またはアルカリ土類金属化合物、例えば対応する水酸化物、炭酸塩または炭酸水素塩、例えばナトリウムもしくはカリウムの水酸化物、炭酸塩または炭酸水素塩、対応するカルシウム化合物またはアンモニアまたは適当な有機アミンで処理することにより形成でき、化学量論量またはわずかに過剰の塩形成剤を好ましくは使用する。式Iの化合物の酸付加塩は慣用法で、例えば本化合物を、酸または適当なアニオン交換試薬で処理することにより得られる。酸性および塩基性の塩形成基、例えば遊離カルボキシ基と遊離アミノ基を含む式Iの化合物の分子内塩は、例えば塩、例えば酸付加塩を等電点まで、例えば弱塩基の添加により中和することにより、またはイオン交換体で処理することにより、形成し得る。
【0081】
式Iの化合物の塩は、遊離化合物に慣用法で変換でき;金属およびアンモニウム塩は、例えば、適当な酸、および酸付加塩での処理により、例えば、適当な塩基性試薬での処理により変換できる。両方の場合、適当なイオン交換体を使用できる。
【0082】
立体異性体混合物、例えばジアステレオマーの混合物を、適当な分離法の手段により、それ自体既知の方法で対応する異性体に分離できる。ジアステレオマー混合物は、例えば個々のジアステレオマーに、分別結晶、クロマトグラフィー、溶媒分配、および類似の方法により分離できる。この分離は、出発化合物の一つのレベルでまたは式Iの化合物自体のレベルのいずれかで行い得る。エナンチオマーは、ジアステレオマー塩の形成を介して、例えばエナンチオマー的に純粋なキラル酸の形成を介して、またはキラルリガンドのクロマトグラフ支持体を使用したクロマトグラフィー、例えばHPLCにより分離できる。
【0083】
中間体および最終生成物を、標準法に従い、例えばクロマトグラフ法、分配法、(再)結晶化などを使用して、後処理および/または精製できる。
【0084】
出発物質
出発物質は、例えば、好ましくは下記の通り製造される:
式IIのピラゾロピリミジン化合物を、好ましくは式IV
【化6】

〔式中、RおよびRは、式Iの化合物について定義の通りであり、−C(−OH)=N−部分は互変異性体−C(=O)−NH−と平衡であってよく、またはこれらの2個の互変異性体形のいずれか一方が強く優勢でもよい。〕
の4−ヒドロキシ−ピラゾロピリミジノと、メチルフェニルスルホン酸または過フルオロアルカンスルホン酸の無水物、例えば対応するスルホニルクロライドまたはブロマイド、または好ましくは酸ハライド、例えばホスゲン、オキサロイルクロライド、より好ましくは無機酸ハライド、例えば塩化チオニル、チオニルブロマイド、スルフリルクロライド、三塩化リン、三臭化リン、五塩化リン、五臭化リン、ホスホリルブロマイドまたはとりわけホスホリルクロライド(POCl=オキシ塩化リン)から、五塩化リン(故にLがClである式IVの化合物となる)の非存在下または存在下、好ましくは湿気を除きながら、望むとき(好ましくは化学量論量より少ない)3級窒素塩基、例えばトリエチルアミンまたはピリジンの存在下、製造する。反応は不活性溶媒または好ましくは(とりわけ無水物または酸ハライドが、少なくとも反応温度でまたは室温で既に液体であるとき)溶媒非存在下で行う。好ましい反応温度は、高温、例えば50〜約100℃または還流温度である。
【0085】
式IVの化合物は、好ましくは式V
【化7】

〔式中、Rは式Iの化合物について定義の通りである。〕
のピラゾールアミド化合物と、式VI
【化8】

〔式中、Rは式Iの化合物について定義の通りである。〕
のアミドの反応により得ることができる。反応は、好ましくは脱水条件下、とりわけポリリン酸の非存在下(式VI中のRが水素であるとき好ましい)または存在下(式VI中のRが置換アルキルであるとき好ましい)、90℃乃至還流温度、例えば100〜195℃の好ましい温度で行う。
【0086】
別法として、Rが式Iで定義の通りであり、そしてRが水素である式IVの化合物を、Rが式Iで定義の通りである式Vの化合物と、トリ−低級アルキルオルトホルメート、例えばトリエチルオルトホルメートを、例えば氷酢酸中、高温で、例えば30〜80℃で反応させることにより、製造できる。
【0087】
さらに別法として、式IVの化合物を、下記式VIIの化合物から、式VI*
【化9】

〔式中、Rは式Iの化合物について定義の通りである。〕
の酸と、ポリリン酸中、例えば50℃乃至反応混合物の還流温度、例えば80〜120℃の範囲の高温で反応させることにより直接得ることができる。
【0088】
が式Iの化合物について定義の通りである式Vの化合物は、好ましくは式VII
【化10】

〔式中、Rは式Iの化合物について定義の通りである。〕
のカルボニトリル化合物から、強酸、好ましくは濃い(例えば約96%)硫酸での、好−10℃〜約25℃、例えば0℃乃至室温の好ましい温度での加水分解により得る。
【0089】
式VIIの化合物から、Rが式Iの化合物について定義の通りであり、そしてRが水素である式IVの化合物を、式VIIのカルボニトリルとギ酸の、高温での、好ましくは還流条件下の反応により直接得ることも可能である。
【0090】
式VIIの化合物は、好ましくは式VIII
【化11】

〔式中、Rは式Iの化合物について定義の通りである。〕
のヒドラジン化合物と、低級アルコキシメチレンマロニトリル、好ましくはエトキシメチレンマロニトリルの反応により得る。反応は、好ましくはアルコール、例えばエタノールまたはイソプロパノール中、3級窒素塩基、例えばトリ−低級アルキルアミン、例えばトリエチルアミンの非存在下または存在下(とりわけ式VIIIの化合物の塩形、例えば塩酸塩を使用するとき)、0℃乃至還流温度、例えば室温乃至還流温度の好ましい温度で行う。
【0091】
式IIIのアミノ化合物、式VIIIの化合物、ならびに他の出発物質は当分野で既知であり、市販されておりおよび/または標準法に従い、例えば実施例に記載の方法に準じてまたはその方法により製造できる。
【0092】
一般方法条件
下記は一般に前記および後記の全ての方法に適用するが、上記および下記に具体的に記載の反応条件が好ましい:
前記および後記の何らかの反応において、適当であればまたは望むとき、具体的に記載されていなくてさえ、記載の反応に包含させる意図がない官能基を保護するために保護基を使用し得、それらは適当なまたは望む段階で挿入および/または除去できる。保護基の使用を含む反応は、故に保護および/または脱保護の具体的記載が本明細書になくても、可能な限り包含される。
【0093】
本明細書の範囲内で、文脈から他に解釈されない限り、特定の望む式Iの最終生成物の構成要素ではない、容易に除去できる基のみを、“保護基”と呼ぶ。官能基のこのような保護基による保護、保護基自体、およびその除去に適当な反応は、例えば標準参考書、例えばJ. F. W. McOmie, “Protective Groups in Organic Chemistry”, Plenum Press, London and New York 1973, in T. W. Greene and P. G. M. Wuts, “Protective Groups in Organic Synthesis”, Third edition, Wiley, New York 1999, in “The Peptides”; Volume 3 (editors: E. Gross and J. Meienhofer), Academic Press, London and New York 1981, in “Methoden der organischen Chemie” (Methods of Organic Chemistry), Houben Weyl, 4th edition, Volume 15/I, Georg Thieme Verlag, Stuttgart 1974, in H.-D. Jakubke and H. Jeschkeit, “Aminosaeuren, Peptide, Proteine” (Amino acids, Peptides, Proteins), Verlag Chemie, Weinheim, Deerfield Beach, and Basel 1982, and in Jochen Lehmann, “Chemie der Kohlenhydrate: Monosaccharide und Derivate” (Chemistry of Carbohydrates: Monosaccharides and Derivatives), Georg Thieme Verlag, Stuttgart 1974に記載されている。保護基の特徴は、それらが容易に(すなわち望まない二次反応なしに)、例えば加溶媒分解、還元、光分解またはあるいは生理学的条件下(例えば酵素開裂により)、除去できることである。
【0094】
上記の方法の全てはそれ自体既知の、好ましくは具体的に記載の反応条件下で、溶媒または希釈剤(好ましくは使用する試薬に対して不活性であり、それらを溶解する溶媒または希釈剤)の非存在下、または慣習的に存在下、触媒、縮合剤または中和剤、例えばイオン交換体、例えばH形態の、例えばカチオン交換体の存在下または非存在下、反応および/または反応体に依存して、低温、常温または高温で、例えば約−100℃〜約190℃の温度範囲、好ましくは約−80℃〜約150℃、例えば−80〜−60℃、室温で、−20〜40℃または還流温度で、大気圧下または密閉容器中、適当であれば圧力下、および/または不活性雰囲気、例えばアルゴンまたは窒素雰囲気下行う。
【0095】
いずれかの特定の反応に適する溶媒を選択し得る溶媒は、具体的に記載のものか、または例えば、方法の記載において特に指示がない限り、水、エステル、例えば低級アルキル−低級アルカノエート、例えば酢酸エチル、エーテル、例えば脂肪族エーテル、例えばジエチルエーテル、または環状エーテル、例えばテトラヒドロフランまたはジオキサン、液体芳香族性炭化水素、例えばベンゼンまたはトルエン、アルコール、例えばメタノール、エタノールまたは1−または2−プロパノール、ニトリル、例えばアセトニトリル、ハロゲン化炭化水素、例えば塩化メチレンまたはクロロホルム、酸アミド、例えばジメチルホルムアミドまたはジメチルアセトアミド、塩基、例えばヘテロ環式窒素塩基、例えばピリジンまたはN−メチルピロリジン−2−オン、カルボン酸無水物、例えば低級アルカン酸無水物、例えば酢酸無水物、環状、直鎖または分枝鎖炭化水素、例えばシクロヘキサン、ヘキサンまたはイソペンタン、またはこれらの混合物、例えば水性溶液である。このような溶媒混合物はまた、例えばクロマトグラフィーまたは分配による後処理にも使用できる。
【0096】
本発明は、中間体として方法の任意の段階で得られる化合物を出発物質として使用して残りの工程を行うか、または出発物質を反応条件下で使用するかまたは誘導体の形、例えば保護された形または塩の形で使用するか、または本発明の方法により得られる化合物を、本方法条件下で製造し、さらにその場で処理する形態にも関する。本発明の方法において、出発物質は、好ましくは、好ましいとして記載の式Iの化合物をもたらすものを使用する。実施例に記載のものと同一または類似した反応条件が特に好ましい。
【0097】
本発明の好ましい態様:
下記の好ましい態様ならびにより一般的な範囲の前記および後記の態様において、任意の1個以上または全ての一般的表現を、対応する上記および下記に記載のより具体的な定義に置き換えることができ、故に、より強い本発明の好ましい態様を作ることができる。
【0098】
本発明の好ましい態様は、
が式Ib
【化12】

〔式中、
Raがメチル、エチル、メトキシ、ハロまたはトリフルオロメチルであり、
Reが水素、メチル、エチル、メトキシ、ハロまたはトリフルオロメチルであり、そして
Rb、RcおよびRdが水素(好ましい)、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、ヒドロキシ、C−C−アルコキシ、アミノ、N−モノ−またはN,N−ジ−(C−C−アルキル)−アミノ;ハロ(好ましい)、ニトロおよびシアノから独立して選択される。〕
の部分であり;
が置換フェニルであり、ここで、置換基が環が非置換であるか、または
(i)好ましくは環炭素または窒素原子を介して結合しており、1個以上の炭素環原子に加えて、1〜4個の窒素(ここで、NHのHの代わりにC−C−アルキルが存在できる)、酸素または硫黄原子を含む、3〜8員ヘテロ環式環(例えばアゼピニル、ジアゼピニル(例えば1,4−ジアゼピニル)、(とりわけN−)C−C−アルキル−ジアゼピニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、(とりわけN−)C−C−アルキル−ピペラジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、(とりわけN−)C−C−アルキル−イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、(とりわけN−)C−C−アルキルピラゾリジニル、アゼチジニルまたはアジリジニル)
(ii)アミノ−C−C−アルキルまたはN−モノまたはN,N−ジ置換アミノ−C−C−アルキルアミノ−C−C−アルキルまたはN−モノまたはN,N−ジ置換アミノ−C−C−アルキル(ここで、該アミノ置換基は、C−C−アルキル、C−C−アルカノイル、フェニルおよびフェニル−C−C−アルキルから独立して選択される)、例えばN,N−ジ−(C−C−アルキル)アミノ−C−C−アルキル、例えばN,N−ジメチルアミノ−C−C−アルキル、または
(iii)ヒドロキシ−C−C−アルキル、例えばヒドロキシメチル、C−C−−アルコキシ−C−C−アルキル、(C−C−アルコキシ)−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−アルカノイル−C−C−アルキル、フェノキシ−C−C−アルキル、フェニル−C−C−アルコキシ−低級アルキル、例えばベンジルオキシ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−カルボニルオキシ−C−C−アルキル、例えばtert−ブトキシカルボニルオキシ−C−C−アルキルまたはフェニル−C−C−アルコキシカルボニルオキシ−C−C−アルキル、例えばベンジルオキシカルボニルオキシ−C−C−アルキルのいずれかで置換されている、好ましくは環窒素原子を介して結合しており、1個以上の炭素環原子に加えて、1〜4個の窒素(ここで、−NH−のHの代わりにC−C−アルキルが存在できる)、酸素または硫黄原子を含む、3〜8員ヘテロ環式環(例えばアゼピニル、とりわけアゼピノ、ジアゼピニル(例えば1,4−ジアゼピニル)、とりわけジアゼピノ、(とりわけN−)C−C−アルキル−ジアゼピニルまたは好ましくはN−C−C−アルキルジアゼピノ、ピペリジニル、とりわけピペリジノ、モルホリニル、とりわけモルホリノ、チオモルホリニル、とりわけチオモルホリノ、ピペラジニル。とりわけピペラジノ、(とりわけN−)C−C−アルキル−ピペラジニル、とりわけN−C−C−アルキル−ピペラジノ、ピロリジニル、とりわけピロリジノ、イミダゾリジニル、とりわけイミダゾリジノ、(とりわけN−)C−C−アルキル−イミダゾリジニル、好ましくはN−C−C−アルキル−イミダゾリジノ、ピラゾリジニル、とりわけピラゾリジノ、(とりわけN−)C−C−アルキルピラゾリジニル、好ましくはC−C−アルキルピラゾリジノ、アゼチジニル、とりわけアゼチジノ、またはアジリジニル、とりわけアジリジノ);
N−モノ−またはN,N−ジ−(C−C−アルキル)−アミノ−C−C−アルキル−アミノおよびハロから成る群から選択される1個以上、好ましくは1個または2個、とりわけ1個の置換基であり;
が水素、C−C−アルキルまたはアミノ−、N−モノ−またはN,N−ジ−(C−C−アルキル)−アミノ−C−C−アルキル、フェニルまたはピリジルであり;そして
が水素である、
式Iの化合物またはその塩に関する。
【0099】
とりわけ好ましいのは、
が上記の通りの式Ibの部分であり、ここで、
Raがメチル、エチル、メトキシ、ハロまたはトリフルオロメチルであり、
Reが水素、メチル、エチル、メトキシ、ハロまたはトリフルオロメチルであり、
そしてRb、RcおよびRdが水素およびハロから独立して選択され;
がフェニルまたは、とりわけ3位または4位をブロモで置換されたフェニル、または好ましくは4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)、4−モルホリン−4−イル−、4−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)、4−(4−モルホリン−4−イル−ピペリジン−1−イル)、4−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル、3−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル、4−(4−ジエチルアミノ−ピペリジン−1−イル)、4−(4−ジプロピルアミノ−ピペリジン−1−イル)、4−((R,S)−、4−((R)−または4−((S)−3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)、4−(4−メチル−[1,4]−ジアゼパン−1−イル)、4−[4−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]、3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)、または2−(N,N−ジメチルアミノ)−エチルアミノであり、
が水素、C−C−アルキル、とりわけメチル、またはアミノ−、N−モノ−またはN,N−ジ−(C−C−アルキル)−アミノ−C−C−アルキル、とりわけ(3−ジメチルアミノ−プロピル、フェニルまたはピリジルであり、そして
が水素である、
式Iの化合物または(好ましくは薬学的に許容される)その塩である。
【0100】
非常に好ましいのは、タンパク質キナーゼ、とりわけタンパク質チロシンキナーゼ、さらにとりわけ好ましいとしてここに記載の1個以上のキナーゼの不適当な活性に依存する疾患または障害、とりわけ増殖性疾患の処置法であって、このような処置を必要とする動物、とりわけヒトに、式Iの化合物(好ましくは新規として記載のまたは上記で温血動物の診断的または治療的処置における使用について記載の)を投与することを含み、処置すべき増殖性疾患は、好ましくは良性またはとりわけ悪性腫瘍、より好ましくは脳、腎臓、肝臓、副腎、膀胱、乳房、胃(とりわけ胃腫瘍)、卵巣、結腸、直腸、前立腺、膵臓、肺、膣、甲状腺の癌腫、肉腫、神経膠芽腫、多発性骨髄腫または消化器癌、とりわけ結腸癌腫または結腸直腸腺腫、または頭頚部の腫瘍、上皮過増殖、とりわけ乾癬、前立腺過形成、とりわけ上皮性特性の新生物、好ましくは乳癌腫、または白血病である。アテローム性動脈硬化症、血栓症、乾癬、強皮症および線維症の処置のために、式Iの化合物は価値がある。その処置に式Iの化合物を使用し得る他の疾患または障害は、アテローム斑破裂、骨関節症、慢性呼吸器疾患(例えばCOPD、喘息)、糸球体腎炎、神経変性疾患(例えばアルツハイマー、パーキンソン)および糖尿病合併症である。
【0101】
最も好ましいのは、下記で‘実施例'の下に例示の式Iの化合物、または(好ましくは薬学的に許容される)その塩、または上記で定義の通りのその“使用”である。
【0102】
本発明のさらなる態様
本発明のさらなる態様は、温血動物の診断的または好ましくは治療的処置において使用するための、とりわけタンパク質キナーゼ、とりわけタンパク質チロシンキナーゼ、とりわけc−Abl、c−Srcおよび/またはとりわけエフリン受容体キナーゼ、とりわけEphB4キナーゼの1個以上の不適当な活性;および/またはこれらのいずれか1個もしくはそれ以上の1個以上の改変または変異した形態(例えば構成的に活性化されたBcr−Ablまたはv−Srcのような各癌原遺伝子から癌遺伝子への変換をもたらす形態)に依存する疾患または障害の処置において使用するための、式I
【化13】

{式中、
は式Ib
【化14】

〔式中、Raはメチル、エチル、メトキシ、ハロまたはトリフルオロメチルであり;
Reは水素、メチル、エチル、メトキシ、ハロまたはトリフルオロメチルであり、そして
Rb、RcおよびRdは水素およびフェニル置換基から独立して選択される。〕
の部分であり;
は非置換もしくは置換アリールであり;
は水素または非置換もしくは置換アルキルであり;そして
は水素または非置換もしくは置換アルキルである。}
の化合物、または1個以上の塩形成基が存在するとき(好ましくは薬学的に許容される)その塩に関する。
【0103】
本発明のさらなる態様は、
が式Ib
【化15】

〔式中、Raはメチル、エチル、メトキシ、ハロまたはトリフルオロメチルであり;
Reは水素、メチル、エチル、メトキシ、ハロまたはトリフルオロメチルであり、そして
Rb、RcおよびRdは水素(好ましい)、非置換もしくは置換アルキル、非置換もしくは置換アルケニル、非置換もしくは置換アルキニル、非置換もしくは置換アリール、非置換もしくは置換ヘテロシクリル、ヒドロキシ、エステル化またはエーテル化ヒドロキシ、非置換、モノもしくはジ置換アミノ(ここで、該置換基は非置換もしくは置換アルキルおよび非置換もしくは置換アリール;ハロ(好ましい)、ニトロ、シアノ、メルカプト、置換メルカプト、スルホおよび置換スルホニルから独立して選択され、ここで、該置換基は非置換もしくは置換アルキルおよび非置換もしくは置換アリールから選択される)から独立して選択される。〕の部分であり;
が非置換または好ましくは置換アリールであり;
が水素または非置換もしくは置換アルキルであり;そして
が水素または非置換もしくは置換アルキルであるが、
ただし、Rが4−メトキシフェニルであり、Rが水素であり、そしてRが水素であるとき、Rは、5−フルオロ−2−メチルフェニルおよび2−メチルフェニル以外のRについて定義した部分である;およびRは、非置換もしくは置換3−ニトロフェニル以外のRについて定義した部分である、
式Iの化合物に関する。
【0104】
本発明のさらなる態様は、
が式Ib
【化16】

〔式中、Raはメチル、エチル、メトキシ、ハロまたはトリフルオロメチルであり;
Reは水素、メチル、エチル、メトキシ、ハロまたはトリフルオロメチルであり、そして
Rb、RcおよびRdは水素(好ましい)、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、ヒドロキシ、C−C−アルコキシ、アミノ、N−モノ−またはN,N−ジ−(C−C−アルキル)−アミノ;ハロ(好ましい)、ニトロおよびシアノから独立して選択される。〕
の部分であり;
が置換フェニルであり、ここで、該置換基が、環が非置換であるか、または
(j)好ましくは環炭素または窒素原子を介して結合しており、1個以上の炭素環原子に加えて、1〜4個の窒素(ここで、NHのHの代わりに、C−C−アルキルが存在できる)、酸素または硫黄原子を含む、3〜8員ヘテロ環式環(例えばアゼピニル、ジアゼピニル(例えば1,4−ジアゼピニル)、(とりわけN−)C−C−アルキル−ジアゼピニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、(とりわけN−)C−C−アルキル−ピペラジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、(とりわけN−)C−C−アルキル−イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、(とりわけN−)C−C−アルキルピラゾリジニル、アゼチジニルまたはアジリジニル)
(ii)アミノ−C−C−アルキルまたはN−モノまたはN,N−ジ置換アミノ−C−C−アルキル(ここで、該アミノ置換基は、C−C−アルキル、C−C−アルカノイル、フェニルおよびフェニル−C−C−アルキルから独立して選択される)、例えばN,N−ジ−(C−C−アルキル)アミノ−C−C−アルキル、例えばN,N−ジメチルアミノ−C−C−アルキル、または
(iii)ヒドロキシ−C−C−アルキル、例えばヒドロキシメチル、C−C−−アルコキシ−C−C−アルキル、(C−C−アルコキシ)−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−アルカノイル−C−C−アルキル、フェノキシ−C−C−アルキル、フェニル−C−C−アルコキシ−低級アルキル、例えばベンジルオキシ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−カルボニルオキシ−C−C−アルキル、例えばtert−ブトキシカルボニルオキシ−C−C−アルキルまたはフェニル−C−C−アルコキシカルボニルオキシ−C−C−アルキル、例えばベンジルオキシカルボニルオキシ−C−C−アルキル;のいずれかで置換されている、好ましくは環窒素原子を介して結合しており、1個以上の炭素環原子に加えて、1〜4個の窒素(ここで、−NH−のHの代わりにC−C−アルキルが存在できる)、酸素または硫黄原子を含む、3〜8員ヘテロ環式環(例えばアゼピニル、とりわけアゼピノ、ジアゼピニル(例えば1,4−ジアゼピニル)、とりわけジアゼピノ、(とりわけN−)C−C−アルキル−ジアゼピニルまたは好ましくはN−C−C−アルキルジアゼピノ、ピペリジニル、とりわけピペリジノ、モルホリニル、とりわけモルホリノ、チオモルホリニル、とりわけチオモルホリノ、ピペラジニル。とりわけピペラジノ、(とりわけN−)C−C−アルキル−ピペラジニル、とりわけN−C−C−アルキル−ピペラジノ、ピロリジニル、とりわけピロリジノ、イミダゾリジニル、とりわけイミダゾリジノ、(とりわけN−)C−C−アルキル−イミダゾリジニル、好ましくはN−C−C−アルキル−イミダゾリジノ、ピラゾリジニル、とりわけピラゾリジノ、(とりわけN−)C−C−アルキルピラゾリジニル、好ましくはC−C−アルキルピラゾリジノ、アゼチジニル、とりわけアゼチジノ、またはアジリジニル、とりわけアジリジノ);
およびハロから成る群から選択される1個以上、好ましくは1個または2個、とりわけ1個の置換基であり;
が水素、C−C−アルキルまたはアミノ−、N−モノ−またはN,N−ジ−(C−C−アルキル)−アミノ−C−C−アルキルであり;そして
が水素である、
式Iの化合物(好ましくは薬学的に許容される)その塩;またはこのような化合物および/または塩の使用である。
【0105】
本発明のさらなる態様は、
が上記の通りの式Ibの部分であり、ここで、
Raがメチル、エチル、メトキシ、ハロまたはトリフルオロメチルであり、
Reが水素、メチル、エチル、メトキシ、ハロまたはトリフルオロメチルであり、
そしてRb、RcおよびRdが水素およびハロから独立して選択され;
がフェニルまたは、とりわけ3位または4位をハロ、とりわけブロモで置換されたフェニル、または好ましくは4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)、4−モルホリン−4−イル−、4−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)、4−(4−モルホリン−4−イル−ピペリジン−1−イル)、4−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル、4−(4−ジエチルアミノ−ピペリジン−1−イル)、4−(4−ジプロピルアミノ−ピペリジン−1−イル)、4−((R,S)−、4−((R)−または4−((S)−3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)、4−(4−メチル−[1,4]−ジアゼパン−1−イル)、4−[4−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]または3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)であり、
が水素、C−C−アルキル、とりわけメチル、またはアミノ−、N−モノ−またはN,N−ジ−(C−C−アルキル)−アミノ−C−C−アルキル、とりわけ(3−ジメチルアミノ−プロピルであり、そして
が水素である、
式Iの化合物または(好ましくは薬学的に許容される)その塩に関する。
【0106】
医薬組成物
本発明はまた、(好ましくは新規)式Iの化合物を含む医薬組成物、治療的(本発明のより広い局面においてはまた予防的)処置におけるそれらの使用、または、不適当なタンパク質(とりわけチロシン)キナーゼ活性に依存する障害または疾患、とりわけ好ましいとして記載の疾患または障害の処置法、該使用のための化合物ならびに、とりわけ該使用のための医薬製剤およびそれらの製造法に関する。より一般的に、医薬製剤は式Iの化合物の場合有用である。
【0107】
薬理学的に許容される本発明の化合物は、1個以上の無機または有機の、固体または液体の、薬学的に許容される担体(担体物質)と一緒にまたは混合されて有効量の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を活性成分として含む医薬組成物に存在し得るか、その製造のために用い得る。
【0108】
本発明はまた、タンパク質(とりわけチロシン)キナーゼ活性の阻害に応答する疾患の処置(これは、本発明のより広い局面において、予防(=防御))のための、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を、好ましくは該阻害に有効な量で、少なくとも1種の薬学的に許容される担体と共に含む、温血動物、とりわけヒト(または温血動物、とりわけヒト由来の細胞または細胞系、例えばリンパ球)への投与に適当な医薬組成物に関する。
【0109】
本発明の医薬組成物は、温血動物(とりわけヒト)への経腸、例えば経鼻、直腸または経口、または非経腸、例えば筋肉内または静脈内投与用であり、薬理学的活性成分を単独で、または相当量の薬学的に許容される担体と共に含む。活性成分の用量は、温血動物の種、体重、年齢および個々の状態、個々の薬物動態学的データ、処置すべき疾患および投与形態に依存する。
【0110】
本発明は、タンパク質(とりわけチロシン)キナーゼの不適当な活性に依存する疾患の阻害に応答する疾患の処置法であって;予防的またはとりわけ治療的有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩を、とりわけ記載の疾患のためにこのような処置が必要な温血動物、例えばヒトに投与することを含む、方法にも関する。
【0111】
体重約70kgの温血動物、例えばヒトに投与すべき式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の用量は、好ましくは約3mg〜約10g、より好ましくは約10mg〜約1.5g、最も好ましくは約100mg〜約1000mg/ヒト/日であり、好ましくは例えば同じサイズであり得る1−3回の単一用量に分割する。通常、子供は成体の用量の半分を投与する。
【0112】
本医薬組成物は、約1%〜約95%、好ましくは約20%〜約90%の活性成分を含む。本発明の医薬組成物は、例えば、単位投与形態、例えばアンプル、バイアル、坐薬、糖衣錠、錠剤またはカプセルの形態であり得る。
【0113】
本発明の医薬組成物は、それ自体既知の方法で、例えば慣用の溶解、凍結乾燥、混合、造粒または糖衣工程により製造する。
【0114】
活性成分の溶液、およびまた懸濁液、およびとりわけ等張水性溶液または懸濁液を好ましくは使用し、例えば、活性成分を単独でまたは担体、例えばマンニトールと共に含む凍結乾燥組成物の場合、このような溶液または懸濁液を使用前に産生することが可能である。本医薬組成物は滅菌してよくおよび/または賦形剤、例えば防腐剤、安定化剤、湿潤剤および/または乳化剤、可溶化剤、浸透圧調整用塩および/または緩衝剤を含んでよく、それ自体既知の方法で、例えば慣用の溶解または凍結乾燥工程により製造する。該溶液または懸濁液は、増粘物質、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルピロリドンまたはゼラチンを含み得る。
【0115】
油中の懸濁液は、油成分として、注射目的のために慣用の植物、合成、半合成油を含む。とりわけ酸成分として8−22個、とりわけ12−22個の炭素原子を有する長鎖脂肪酸、例えばラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸または対応する不飽和酸、例えばオレイン酸、エライジン酸、エルカ酸、ブラシジン酸またはリノール酸を含む液体脂肪酸エステルを特記でき、所望により、抗酸化剤、例えばビタミンE、β−カロテンまたは3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエンが添加される。これらの脂肪酸エステルのアルコール成分は、最大6個の炭素原子を有し、モノ−またはポリ−ヒドロキシ、例えばモノ−、ジ−またはトリ−ヒドロキシ、アルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールまたはペンタノールまたはそれらの異性体だけでなく、またとりわけグリコールおよびグリセロールである。脂肪酸エステルの下記例を、故に特記する:エチルオレエート、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、“Labrafil M 2375”(ポリオキシエチレングリセロールトリオレエート、Gattefosse, Paris)、“Miglyol 812”(C8〜C12の鎖長の飽和脂肪酸のトリグリセリド、Huels AG, Germany)だけでなく、とりわけ植物油、例えば綿実油、アーモンド油、オリーブ油、ヒマシ油、ゴマ油、ダイズ油および落花生油。
【0116】
注射または輸液組成物は、滅菌条件下に慣用法で製造する;同じことが組成物のアンプルまたはバイアルへの注入および容器の密封にも適用される。
【0117】
経口投与用医薬組成物は、活性成分と固体担体を合わせ、所望により得られた混合物を造粒し、該混合物を、所望によりまたは必要に応じて、適当な賦形剤の添加後、錠剤、糖衣錠コアまたはカプセルに加工することにより得ることができる。活性成分が一定量拡散または放出することを可能にするプラスチック担体にそれらを包含させることも可能である。
【0118】
適当な担体は、とりわけ増量剤、例えば糖、例えばラクトース、サッカロース、マンニトールまたはソルビトール、セルロース製剤および/またはリン酸カルシウム、例えばリン酸三カルシウムまたはリン酸水素カルシウム、および結合剤、例えばコーン、小麦、コメまたはジャガイモデンプンを例えば使用したデンプンペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースおよび/またはポリビニルピロリドン、および/または、所望により、崩壊剤、例えば上記デンプン、および/またはカルボキシメチルデンプン、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸またはその塩、例えばアルギン酸ナトリウムである。賦形剤は、とりわけ流動調節剤および滑剤、例えばケイ酸、タルク、ステアリン酸またはその塩、例えばステアリン酸マグネシウムもしくはカルシウム、および/またはポリエチレングリコールである。糖衣錠コアは、適当な、所望により腸溶性のコーティングを施され、とりわけ、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールおよび/または二酸化チタンを含み得る濃縮糖溶液、または適当な有機溶媒中のコーティング溶液、または、腸溶性コーティングの製造のために、適当なセルロース製剤、例えばエチルセルロースフタレートまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートの溶液を使用する。カプセルは、ゼラチン製の乾燥充填カプセルおよびゼラチンと可塑剤、例えばグリセロールまたはソルビトールから成る軟密封カプセルである。乾燥充填カプセルは、顆粒の形の活性成分を、例えば増量剤、例えばラクトース、結合剤、例えばデンプン、および/または流動促進剤、例えばタルクまたはステアリン酸マグネシウム、および所望により安定化剤と共に含み得る。軟カプセルにおいて、活性成分は、好ましくは適当な油性賦形剤、例えば脂肪油、パラフィン油または液体ポリエチレングリコールに溶解または懸濁し、安定化剤および/または抗微生物剤を添加することも可能である。染料または色素を錠剤または糖衣錠コーティングまたはカプセル殻に、例えば同定目的のためにまたは活性成分の異なる用量を示すために添加し得る。
【0119】
式Iの化合物はまた生物学的活性剤と、優先的に他の抗増殖剤と組み合わせて有利に使用できる。このような抗増殖剤は、アロマターゼ阻害剤;抗エストロゲン;トポイソメラーゼI阻害剤;トポイソメラーゼII阻害剤;微小管活性化剤;アルキル化剤;ヒストンデアセチラーゼ阻害剤;細胞分化過程を誘発する化合物;シクロオキシゲナーゼ阻害剤;MMP阻害剤;mTOR阻害剤;抗新生物代謝拮抗剤;プラチン化合物;タンパク質または脂質キナーゼ活性を標的/減少する化合物およびさらなる抗血管形成化合物;タンパク質または脂質ホスファターゼの活性を標的、減少または阻害する化合物;ゴナドレリンアゴニスト;抗アンドロゲン;メチオニンアミノペプチダーゼ阻害剤;ビスホスホネート;生物学的応答修飾剤;抗増殖性抗体;ヘパラナーゼ阻害剤;Ras発癌性アイソフォームの阻害剤;テロメラーゼ阻害剤;プロテアソーム阻害剤;血液学的悪性腫瘍の処置に使用する薬剤;Flt−3の活性を標的、減少または阻害する化合物;Hsp90阻害剤;およびテモゾロミド(TEMODAL(登録商標))を含むが、これらに限定されない。
【0120】
ここで使用する用語“アロマターゼ阻害剤”は、エストロゲン産生、すなわち基質アンドロステンジオンおよびテストステロンからエストロンおよびエストラジオールへの変換を各々を阻害する化合物に関する。本用語ステロイド、とりわけアタメスタン、エキセメスタンおよびフォルメスタンおよび、特に、非ステロイド、とりわけアミノグルテチミド、ログレチミド(roglethimide)、ピリドグルテチミド、トリロスタン、テストラクトン、ケトコナゾール、ボロゾール、ファドロゾール、アナストロゾールおよびレトロゾールは、を含むが、これらに限定されない。エキセメスタンは、例えば、AROMASINの商品名の下に例えば市販の形で投与できる。フォルメスタンは、例えば、LENTARONの商品名の下に例えば市販の形で投与できる。ファドロゾールは、例えば、AFEMAの商品名の下に例えば市販の形で投与できる。アナストロゾールは、例えば、ARIMIDEXの商品名の下に例えば市販の形で投与できる。レトロゾールは、例えば、FEMARAまたはFEMARの商品名の下に例えば市販の形で投与できる。アミノグルテチミドは、例えば、ORIMETENの商品名の下に例えば市販の形で投与できる。アロマターゼ阻害剤である化学療法剤を含む本発明の組合せは、特にホルモン受容体陽性腫瘍、例えば乳房腫瘍の処置に有用である。
【0121】
ここで使用する用語“抗エストロゲン”は、エストロゲン受容体レベルでエストロゲンに拮抗する化合物に関する。本用語は、タモキシフェン、フルベストラント、ラロキシフェンおよびラロキシフェンヒドロクロライドを含むが、これらに限定されない。タモキシフェンは、例えば、NOLVADEXの商品名の下に例えば市販の形で投与できる。ラロキシフェンヒドロクロライドは、例えば、EVISTAの商品名の下に例えば市販の形で投与できる。フルベストラントは、US4,659,516に記載の通り製剤でき、またはそれは、例えば、FASLODEXの商品名の下に例えば市販の形で投与できる。抗エストロゲンである化学療法剤を含む本発明の組合せは、エストロゲン受容体陽性腫瘍、例えば乳房腫瘍の処置に有用である。
【0122】
ここで使用する用語“抗アンドロゲン”は、男性ホルモンの生物学的効果を阻害する全ての物質に関し、ビカルタミド(CASODEX)を含むが、これに限定されず、それは例えばUS4,636,505に記載の通り製剤できる。
【0123】
ここで使用する用語“ゴナドレリンアゴニスト”は、アバレリクス、ゴセレリンおよび酢酸ゴセレリンを含むが、これらに限定されない。ゴセレリンはUS4,100,274に記載され、それは、例えば、ZOLADEXの商品名の下に例えば市販の形で投与できる。アバレリクスは、例えばUS5,843,901に記載の通り製剤できる。
【0124】
ここで使用する用語“トポイソメラーゼI阻害剤”は、トポテカン、ギマテカン(gimatecan)、イリノテカン、カンプトテカン(camptothecian)およびその類似体、9−ニトロカンプトテシンおよび巨大分子カンプトテシン結合PNU−166148(WO99/17804の化合物A1)を含むが、これらに限定されない。イリノテカンは、例えば商品名CAMPTOSARの下に例えば市販の形で、投与できる。トポテカンは、例えば、HYCAMTINの商品名の下に例えば市販の形で投与できる。
【0125】
ここで使用する用語“トポイソメラーゼII阻害剤”は、アントラサイクリン類、例えばドキソルビシン(リポソーム製剤、例えばCAELYXを含む)、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシンおよびネモルビシン(nemorubicin)、アントラキノン類ミトキサントロンおよびロソキサントロン、およびポドフィロトキシン類エトポシドおよびテニポシドを含むが、これらに限定されない。エトポシドは、例えば、ETOPOPHOSの商品名の下に例えば市販の形で投与できる。テニポシドは、例えば、VM 26-BRISTOLの商品名の下に例えば市販の形で投与できる。ドキソルビシンは、例えば、ADRIBLASTINまたはADRIAMYCINの商品名の下に例えば市販の形で投与できる。エピルビシンは、例えば、FARMORUBICINの商品名の下に例えば市販の形で投与できる。イダルビシンは、例えば、ZAVEDOSの商品名の下に例えば市販の形で投与できる。ミトキサントロンは、例えば、NOVANTRONの商品名の下に例えば市販の形で投与できる。
【0126】
用語“微小管活性剤”は、微小管安定化剤、微小管脱安定化剤および微小管重合化阻害剤に関し、タキサン類、例えばパクリタキセルおよびドセタキセル、ビンカアルカロイド、例えば、ビンブラスチン、とりわけ硫酸ビンブラスチン、ビンクリスチン、とりわけ硫酸ビンクリスチン、およびビノレルビン、ディスコデルモライド、コヒチン(cochicine)ならびにエポチロンおよびその誘導体、例えばエポチロンBまたはその誘導体を含むが、これらに限定されない。パクリタキセルは、例えば市販の形で、例えばタキソールで投与できる。ドセタキセルは、例えば、タキソテールの商品名の下に例えば市販の形で投与できる。硫酸ビンブラスチンは、例えば、VINBLASTIN R.P.の商品名の下に例えば市販の形で投与できる。硫酸ビンクリスチンは、例えば、FARMISTINの商品名の下に例えば市販の形で投与できる。ディスコデルモライドは、例えば、US5,010,099に記載の通り得ることができる。また包含されるのは、WO98/10121、US6,194,181、WO98/25929、WO98/08849、WO99/43653、WO98/22461およびWO00/31247に記載のエポチロン誘導体である。とりわけ好ましいのはエポチロンAおよび/またはBである。
【0127】
ここで使用する用語“アルキル化剤”は、シクロホスファミド、イフォスファミド、メルファランまたはニトロソウレア(BCNUまたはGliadel)を含むが、これらに限定されない。シクロホスファミドは、例えば、CYCLOSTINの商品名の下に例えば市販の形で投与できる。イフォスファミドは、例えば、HOLOXANの商品名の下に例えば市販の形で投与できる。
【0128】
用語“ヒストンデアセチラーゼ阻害剤”または“HDAC阻害剤”は、ヒストンデアセチラーゼを阻害しかつ抗増殖性活性を有する化合物に関する。これはWO02/22577に記載の化合物、とりわけN−ヒドロキシ−3−[4−[[(2−ヒドロキシエチル)[2−(1H−インドル−3−イル)エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミド、N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドル−3−イル)−エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドおよび薬学的に許容されるそれらの塩を含む。さらにとりわけスベロイルアニリドヒドロキサム酸(SAHA)を含む。
【0129】
用語“抗新生物抗代謝物”は、5−フルオロウラシル(5−FU);カペシタビン;ゲムシタビン;DNA脱メチル化剤、例えば5−アザシチジンおよびデシタビン;メトトレキサート;エダトレキサート;および葉酸アンタゴニスト、例えばペメトレキセドを含むが、これらに限定されない。カペシタビンは、例えば、XELODAの商品名の下に例えば市販の形で投与できる。ゲムシタビンは、例えば、GEMZARの商品名の下に例えば市販の形で投与できる。また含まれるのはモノクローナル抗体トラスツマブであり、これは、例えば、HERCEPTINの商品名の下に例えば市販の形で投与できる。
【0130】
ここで使用する用語“プラチン化合物”は、カルボプラチン、シスプラチン、シスプラスチンおよびオキサリプラチンを含むが、これらに限定されない。カルボプラチンは、例えば、CARBOPLATの商品名の下に例えば市販の形で投与できる。オキサリプラチンは、例えば、ELOXATINの商品名の下に例えば市販の形で投与できる。
【0131】
ここで使用する用語“タンパク質または脂質キナーゼ活性を標的/減少する化合物およびさらなる抗血管形成化合物”は下記を含むがこれらに限定されない:タンパク質チロシンキナーゼおよび/またはセリンおよび/またはスレオニンキナーゼ阻害剤または脂質キナーゼ阻害剤、例えば:
a)血小板由来増殖因子−受容体(PDGFR)の活性を標的、減少または阻害する化合物、例えばPDGFRの活性を標的、減少または阻害する化合物、とりわけPDGF受容体を阻害する化合物、例えばN−フェニル−2−ピリミジン−アミン誘導体、例えばイマチニブ、SU101、SU6668、およびGFB−111;
b)線維芽細胞増殖因子−受容体(FGFR)の活性を標的、減少または阻害する化合物;
c)インシュリン様増殖因子I受容体(IGF−IR)の活性を標的、減少または阻害する化合物、とりわけIGF−IRを阻害する化合物、例えばWO02/092599に記載の化合物;
d)Trk受容体チロシンキナーゼファミリーの活性を標的、減少または阻害する化合物;
e)Axl受容体チロシンキナーゼファミリーの活性を標的、減少または阻害する化合物;
f)c−Met受容体の活性を標的、減少または阻害する化合物;
g)c−Kit受容体チロシンキナーゼ−(PDGFRファミリーの一部)の活性を標的、減少または阻害する化合物、例えばc−Kit受容体チロシンキナーゼファミリーの活性を標的、減少または阻害する化合物、とりわけc−Kit受容体を阻害する化合物、例えばイマチニブ;
h)c−Ablファミリーのメンバーおよびそれらの遺伝子融合生成物(例えばBCR−Ablキナーゼ)の活性を標的、減少または阻害する化合物、例えばc−AbIファミリーメンバーおよびそれらの遺伝子融合生成物の活性を標的、減少または阻害する化合物、例えばN−フェニル−2−ピリミジン−アミン誘導体、例えばイマチニブ;PD180970;AG957;NSC680410;またはParkeDavisのPD173955;
i)セリン/スレオニンキナーゼのタンパク質キナーゼC(PKC)およびRafファミリーのメンバー、MEK、SRC、JAK、FAK、PDKおよびRas/MAPKファミリーメンバーのメンバー、またはPI(3)キナーゼファミリー、またはPI(3)−キナーゼ関連キナーゼファミリー、および/またはサイクリン依存性キナーゼファミリー(CDK)のメンバーの活性を標的、減少または阻害する化合物およびとりわけUS5,093,330に記載のスタウロスポリン誘導体、例えばミドスタウリン;さらなる化合物の例は、例えばUCN−01、safingol、BAY43−9006、Bryostatin 1、Perifosine;Ilmofosine;RO318220およびRO320432;GO6976;Isis3521;LY333531/LY379196;イソキノリン化合物、例えばWO00/09495に記載のもの;FTIs;PD184352またはQAN697(P13K阻害剤);
j)タンパク質−チロシンキナーゼの活性を標的、減少または阻害する化合物、例えばメシル酸イマチニブ(GLIVEC/GLEEVEC)またはチルホスチン。チルホスチンは、好ましくは低分子量(Mr<1500)化合物、またはその薬学的に許容される塩、とりわけベンジリデンマロニトリルクラスまたはS−アリールベンゼンマロニトリルまたは二基質キノリンクラスの化合物から選択される化合物、さらにとりわけチルホスチンA23/RG−50810;AG99;チルホスチンAG213;チルホスチンAG1748;チルホスチンAG490;チルホスチンB44;チルホスチンB44(+)エナンチオマー;チルホスチンAG555;AG494;チルホスチンAG556、AG957およびアダホスチン(4−{[(2,5−ジヒドロキシフェニル)メチル]アミノ}−安息香酸アダマンチルエステル;NSC680410、アダホスチン)から成る群から選択される任意の化合物;および
k)上受容体チロシンキナーゼ(ホモまたはヘテロ二量体としてのEGFR、ErbB2、ErbB3、ErbB4)の皮細胞増殖因子ファミリーの活性を標的、減少または阻害する化合物、例えば上皮細胞増殖因子受容体ファミリーの活性を標的、減少または阻害する化合物、とりわけEGF受容体チロシンキナーゼファミリーのメンバー、例えばEGF受容体、ErbB2、ErbB3およびErbB4を阻害するまたはEGFまたはEGF関連リガンドに結合する化合物、タンパク質または抗体、および特にWO97/02266、例えば実施例39の化合物、またはEP0564409、WO99/03854、EP0520722、EP0566226、EP0787722、EP0837063、US5,747,498、WO98/10767、WO97/30034、WO97/49688、WO97/38983およびとりわけ、WO96/30347(例えばCP358774として既知の化合物)、WO96/33980(例えば化合物ZD1839)およびWO95/03283(例えば化合物ZM105180)に一般的におよび具体的に記載の化合物、タンパク質またはモノクローナル抗体;例えばトラスツマブ(Herpetin)、セツキシマブ、Iressa、エルロチニブ(TarcevaTM)、CI−1033、EKB−569、GW−2016、E1.1、E2.4、E2.5、E6.2、E6.4、E2.11、E6.3またはE7.6.3、およびWO03/013541に記載の7H−ピロロ−[2,3−d]ピリミジン誘導体。
【0132】
さらなる抗血管形成化合物は、その活性について、例えばタンパク質または脂質キナーゼ阻害に関係ない他の機構を有する化合物、例えばサリドマイド(THALOMID)およびTNP−470を含む。
【0133】
タンパク質または脂質ホスファターゼの活性を標的、減少または阻害する化合物は、例えばホスファターゼ1、ホスファターゼ2A、PTENまたはCDC25の阻害剤、例えばオカダ酸またはその誘導体である。
【0134】
細胞分化過程を誘発する化合物は、例えばレチノイン酸、α−、γ−またはβ−トコフェロールまたはα−、γ−またはβ−トコトリエノールである。
【0135】
ここで使用する用語“シクロオキシゲナーゼ阻害剤”は、例えばCox−2阻害剤、5−アルキル置換2−アリールアミノフェニル酢酸および誘導体、例えばセレコキシブ(CELEBREX)、ロフェコキシブ(VIOXX)、エトリコキシブ、バルデコキシブまたは5−アルキル−2−アリールアミノフェニル酢酸、例えば5−メチル−2−(2'−クロロ−6'−フルオロアニリノ)フェニル酢酸、ルミラコキシブを含むが、これらに限定されない。
【0136】
用語“mTOR阻害剤”は、ラパマイシン(mTOR)の哺乳動物標的を阻害し、かつ抗増殖性活性を有する化合物、例えばシロリムス(Rapamune(登録商標))、エベロリムス(CerticanTM)、CCI−779およびABT578に関する。
【0137】
ここで使用する用語“ビスホスホネート”は、エチドロン酸、クロドロン酸、チルドロン酸、パミドロン酸、アレンドロン酸、イバンドロン酸、リセドロン酸およびゾレドロン酸を含むが、これらに限定されない。“エチドロン酸”は、例えば、DIDRONELの商品名の下に例えば市販の形で投与できる。“クロドロン酸”は、例えば、BONEFOSの商品名の下に例えば市販の形で投与できる。“チルドロン酸”は、例えば、SKELIDの商品名の下に例えば市販の形で投与できる。“パミドロン酸”は、例えば、AREDIATMの商品名の下に例えば市販の形で投与できる。“アレンドロン酸”は、例えば、FOSAMAXの商品名の下に例えば市販の形で投与できる。“イバンドロン酸”は、例えば、BONDRANATの商品名の下に例えば市販の形で投与できる。“リセドロン酸”は、例えば、ACTONELの商品名の下に例えば市販の形で投与できる。“ゾレドロン酸”は、例えば、ZOMETAの商品名の下に例えば市販の形で投与できる。
【0138】
ここで使用する用語“ヘパラナーゼ阻害剤”は、硫酸ヘパリン分解を標的、減少または阻害する化合物に関する。本用語は、PI−88を含むが、これに限定されない。
【0139】
ここで使用する用語“生物学的応答修飾剤”は、リンホカインまたはインターフェロン、例えばインターフェロンγに関する。
【0140】
ここで使用する用語“Ras発癌性アイソフォーム、例えばH−Ras、K−Ras、またはN−Rasの阻害剤”は、Rasの発癌性活性を標的、減少または阻害する化合物、例えば“ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤”、例えばL−744832、DK8G557またはR115777(Zarnestra)に関する。
【0141】
ここで使用する用語“テロメラーゼ阻害剤”は、テロメラーゼの活性を標的、減少または阻害する化合物に関する。テロメラーゼの活性を標的、減少または阻害する化合物は、とりわけテロメラーゼ受容体を阻害する化合物、例えばテロメスタチンである。
【0142】
ここで使用する用語“メチオニンアミノペプチダーゼ阻害剤”は、メチオニンアミノペプチダーゼの活性を標的、減少または阻害する化合物である。メチオニンアミノペプチダーゼの活性を標的、減少または阻害する化合物は、例えばベンガミドまたはその誘導体である。
【0143】
ここで使用する用語“プロテアソーム阻害剤”は、プロテアソームの活性を標的、減少または阻害する化合物に関する。プロテアソームの活性を標的、減少または阻害する化合物は、例えばPS−341およびMLN341を含む。
【0144】
ここで使用する用語“マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤”または(“MMP阻害剤”)は、コラーゲンペプチド摸倣性および非ペプチド摸倣性阻害剤、テトラサイクリン誘導体、例えばヒドロキサメートペプチド模倣性阻害剤バチマスタットおよびその経口生物利用可能類似体マリマスタット(BB−2516)、プリノマスタット(AG3340)、メタスタット(NSC683551)、BMS−279251、BAY12−9566、TAA211、MMI270BまたはAAJ996を含むが、これらに限定されない。
【0145】
ここで使用する用語“血液学的悪性腫瘍の処置に使用する薬剤”は、FMS様チロシンキナーゼ阻害剤、例えばFlt−3の活性を標的、減少または阻害する化合物;インターフェロン、1−b−D−アラビノフランシルシトシン(ara−c)およびビスルファン;およびALK阻害剤、例えば未分化リンパ腫キナーゼを標的、減少または阻害する化合物を含むが、これらに限定されない。
【0146】
用語“Flt−3の活性を標的、減少または阻害する化合物”は、とりわけFlt−3を阻害する化合物、タンパク質または抗体、例えばPKC412、ミドスタウリン、スタウロスポリン誘導体、SU11248およびMLN518である。
【0147】
ここで使用する用語“HSP90阻害剤”は、HSP90の内因性ATPase活性を標的、減少または阻害する化合物;HSP90クライアントタンパク質をユビキチンプロテアソーム経路を介して分解、標的、減少または阻害する化合物を含むが、これらに限定されない。HSP90の内因性ATPase活性を標的、減少または阻害する化合物は、とりわけHSP90のATPase活性を阻害する化合物、タンパク質または抗体、例えば,17−アリルアミノ,17−デメトキシゲルダナマイシン(17AAG)、ゲルダナマイシン誘導体;他のゲルダナマイシン関連化合物;ラジシコールおよびHDAC阻害剤である。
【0148】
ここで使用する用語“抗増殖性抗体“は、トラスツマブ(HerceptinTM)、トラスツマブ−DM1、ベバシズマブ(AvastinTM)、リツキシマブ(リツキサン(登録商標))、PRO64553(抗CD40)および2C4抗体を含むが、これらに限定されない。抗体は、例えば完全なモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、少なくとも2個の完全な抗体から形成された多特異的抗体、および所望の生物学的活性を示す限り、抗体フラグメントを意味する。
【0149】
急性骨髄性白血病(AML)の処置のために、式Iの化合物は、標準白血病治療と、とりわけAMLの処置に使用される治療と組合せて使用できる。特に、式Iの化合物は、例えばファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤および/またはAMLの処置に有用な多の薬剤、例えばダウノルビシン、アドリアマイシン、Ara−C、VP−16、テニポシド、ミトキサントロン、イダルビシン、カルボプラチンおよびPKC412と組み合わせて投与できる。
【0150】
コード番号、一般名または商品名により同定した活性剤の構造は、標準概論“The Merck Index”の現行版からまたはデータベース、例えばPatents International(例えばIMS World Publications)から取り得る。
【0151】
式Iの化合物と組み合わせて使用できる上記化合物は、例えば上記で引用した文献に記載の通り、製造および投与できる。
【0152】
式Iの化合物はまた、既知の治療法、例えばホルモンまたはとりわけ放射線の投与と組み合わせて有利に使用できる。
【0153】
式Iの化合物は、特に放射線増感剤として、とりわけ放射線治療に低い感受性を示す腫瘍の処置のために、使用し得る。
【0154】
“組合せ”は、一つの投与単位形に固定して組み合わせた、または、式Iの化合物と組合せパートナーを独立して同時に、またはとりわけ組合せパートナーが協同的な、例えば相乗作用を示すことができる時間間隔内で別々に投与できる組合せ投与のための複数パーツのキット、または任意のその組合せを意味する。
【実施例】
【0155】
下記実施例は、範囲を限定することなく本発明を説明するために提供する。
【0156】
温度は摂氏で測定する。特記しない限り、反応はRTで行う。
【0157】
TLCのR値は、核物質が移動した距離対溶離剤先端が移動した距離の比率を示す。TLCのR値は、5×10cm TLCプレート、シリカゲルF254、Meck, Darmstadt, Germanyで測定する;使用する溶媒系は、20%ヘキサン/80%(tert−ブチルメチルエーテルと2%トリエチルアミン)である。印をしたR値のためのさらなる溶媒系は:
* 5%ヘキサン/95%(tert−ブチルメチルエーテルと5%トリエチルアミン)
** 75%(酢酸エチルと5%トリエチルアミン)/25%メタノール
*** 20%ヘキサン/80%(酢酸エチルと5%トリエチルアミン)
【0158】
特記しない限り、分析用HPLC条件は下記の通りである:
カラム:逆相材料Nucleosil 100-3 C18(Macherey & Nagel, Dueren, Germany)を詰めた(70×3mm)。220および254nmでのUV吸収により検出。保持時間(t)は分で示す。流速:1.8mL/分。
勾配:5%→100%AのB溶液4分+0.4分100%A。A:アセトニトリル;B:水+0.1%TFA。
【0159】
で示す方法:
カラム:逆相材料5μm XTerra 100-3 C18(Waters Corp., Milford, MA, U.S.A.)を詰めた(50×4.6mm)。220および254nmでのUV吸収により検出。保持時間(t)は分で示す。流速:2mL/分。
勾配:5%→100%AのB溶液4分+0.4分100%A。A:アセトニトリル+0.07%ギ酸;B:水+0.1%ギ酸。
【0160】
で示す方法:
カラム:逆相材料5μm XTerra 100-3 C18(Waters Corp., Milford, MA, U.S.A.)を詰めた(50×4.6mm)。220および254nmでのUV吸収により検出。保持時間(t)は分で示す。流速:2mL/分。
勾配:5%→100%AのB溶液8分+1.5分100%A。A:アセトニトリル+0.07%ギ酸;B:水+0.1%ギ酸。
【0161】
で示す方法:
カラム:Column Engineering, Inc., Matrix, 3μm C18 150×4.6mm(Lot # 205)
215および254nmでのUV吸収により検出。カラム温度は35℃および保持時間(tR)は分で示す。流速:1mL/分。
勾配:水(0.1%TFA)/アセトニトリル(0.1%TFA)=98/2 1分。100%アセトニトリル(0.1%TFA)まで10分。100%に2分固定(総ラン時間:13分)
【0162】
使用する短縮形および略語は下記の意味を有する:
【表1】

【0163】
実施例1:{1−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−o−トリル−アミン・3TFA
[1−(4−ブロモ−フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−o−トリル−アミン(50mg、0.12mmol)、N−メチルピペラジン(30μL、0.24mmol)、およびカリウムtert−ブトキシド(60mg、0.48mmol)を1mLの脱気したTHFにアルゴン雰囲気下添加する。パラジウム触媒として、2−(ジメチルアミノ)フェロセン−1−イル−パラジウム(II)クロライドジノルボルニル−ホスフィン錯体(8mg;0.012mmol)を添加し、反応混合物を110℃で20分撹拌する。THFを蒸発させ、残った残渣をDMAに溶解する。得られた懸濁液を濾過し、溶液をMPLCで精製する:
カラム:70gの逆相材料POLYGOPREP60-50 C18(GFS Chemicals, Inc., Powell, OH)。254nmでのUV吸収により検出。流速:30mL/分。
勾配:0〜2分:20%B。2〜15分:20〜40%B。15〜17分:40%B。17〜18分:40〜95%B。18〜19分:95%B。
A:水+0.1%TFA;B:アセトニトリル+0.1%TFA。
【0164】
純粋フラクションをプールし、ACNを減圧下除去し、水を凍結乾燥により除去し、残りをtBuOHに溶解し、凍結乾燥して表題化合物を褐色固体として得る。HPLC t=1.80分;MS−ES+:(M+H)+=400。1H-NMR(400 MHz, CDCl3):β(ppm)=13.50(s, 1H), 8.33(s, 1H), 7.85(d,2H), 7.35-7.45(m, 4H), 7.03(d, 2H), 6.80(s, 2H), 3.70(s, 4H), 3.45(s, 4H), 2.90(s, 3H), 2.35(s, 3H). Rf*=0.11。
【0165】
出発物質は下記の通り製造する:
工程1.1:[1−(4−ブロモ−フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−o−トリル−アミン・TFA
1−(4−ブロモ−フェニル)−4−クロロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン(300mg、0.97mmol)を2mLの3−ペンタノールに溶解する。o−トルイジン(110μL、1.02mmol)を添加し、混合物を150℃で15分、電子レンジ中で撹拌する。3−ペンタノールを蒸発させ、残渣をDMAに溶解し、RP−HPLCで精製する:
カラム:5μm、19×50mm、逆相物質X-Terra RP18(水s, Milford, MA)を充填
220nmでのUV吸収により検出。流速:20mL/分。
勾配:0〜1.5分:30%B。1.5〜4分:30〜65%B。4〜7分:65%B。7〜9分:65〜95%B。9〜10分:95%B。(AおよびBは実施例1の通り)。
【0166】
純粋フラクションをプールし、ACNを減圧下除去し、水を凍結乾燥により除去し、表題化合物をオフホワイト色粉末として得る。
HPLC t=2.93分;MS−ES+:(M+H)+=381。
【0167】
工程1.2:1−(4−ブロモ−フェニル)−4−クロロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン
1−(4−ブロモ−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン(3g;0.01mol)を18mLのオキシ塩化リンに溶解する。反応混合物を、一晩撹拌および還流する。過剰なオキシ塩化リンを減圧下蒸発させ、得られたシロップ状物質を破砕氷上に注ぐ。水性溶液をクロロホルムで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。クロロホルムを蒸発させ、表題化合物を灰色固体として得る。HPLC t=3.20分;MS−ES+:(M+H)+=310。
【0168】
工程1.3:1−(4−ブロモ−フェニル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン
5−アミノ−1−(4−ブロモ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド(5g、0.018mol)を14mLのホルムアミドと180℃で4時間加熱する。反応混合物をRTに冷却し、一晩冷蔵庫に放置する。生成物を濾過し、水で洗浄し、乾燥させる。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=2.24分;MS−ES+:(M+H)+=292。
【0169】
工程1.4:5−アミノ−1−(4−ブロモ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド
5−アミノ−1−(4−ブロモ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリルを使用する以外、実施例2 工程2.2に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=1.80分;MS−ES+:(M+H)+=282。
【0170】
工程1.5:5−アミノ−1−(4−ブロモ−フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル
4−ブロモフェニルヒドラジン塩酸を1当量TEAとEtOH中で使用する以外、実施例2 工程2.3に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=2.07分;MS−ES+:(M+H)+=264。
【0171】
実施例2:[6−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−1−フェニル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−o−トリル−アミン・2TFA
6−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−1−フェニル−1,5−ジヒドロ−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン(40mg、0.13mmol)を1mL オキシ塩化リン中1時間加熱する。得られる溶液を蒸発させ、トルエンと2回同時蒸発(co-evaporation)させる。2−トルイジン(16μL、0.15mmol)の500μL 3−ペンタノール溶液を添加し、混合物を100℃で2時間加熱する。得られる溶液を蒸発させ、DMAに溶解し、分取RP−HPLCにより精製する。純粋フラクションをプールし、ACNを減圧下除去し、水を凍結乾燥により除去し、残りをtBuOHに溶解し、凍結乾燥して表題化合物を白色粉末として得る。HPLC t=2.23分;MS−ES+:(M+H)+=387。
【0172】
出発物質は下記の通り製造する:
工程2.1:6−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−1−フェニル−1,5−ジヒドロ−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン
5−アミノ−1−フェニル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド(404mg、2mmol)および4−(ジメチルアミノ)酪酸塩酸塩(337mg、2mmol)をポリリン酸中、8時間、100℃で撹拌する。得られるシロップ状物質を50mL 水に添加し、1時間撹拌する。30mL 30%水性アンモニアを冷却しながら添加し、得られるオフホワイト色固体を濾過し、数mLの水で洗浄し、乾燥させる。HPLC t=1.54分;MS−ES+:(M+H)+=298.4。
【0173】
工程2.2:5−アミノ−1−フェニル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド
5−アミノ−1−フェニル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(10g)、54mmol)を濃硫酸に0℃で少しずつ添加し、1時間、RTで撹拌する。得られる溶液を200g 破砕氷に注ぎ、90mL 30%水性アンモニアを添加する。得られるオフホワイト色固体を濾過し、数mLの水で洗浄し、乾燥させる。HPLC t=1.30分;MS−ES+:(M+H)+=203.3。
【0174】
工程2.3:5−アミノ−1−フェニル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル
10.81gフェニルヒドラジン(0.1mol)および12.25g エトキシメチレンマロノニトリルの50mL iPrOH中の懸濁液を1時間、RTで撹拌する。得られる溶液を一晩4℃に冷却し、得られるオフホワイト色結晶を濾過し、数mLの氷冷iPrOHで洗浄し、乾燥させる。HPLC t=1.61分;MS−ES+:(M+H)+=185.3。
【0175】
実施例3:[1−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−o−トリル−アミン・2TFA
モルホリンをN−メチルピペラジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=2.26分;MS−ES+:(M+H)+=387。R=0.35。
【0176】
実施例4:(2,6−ジメチル−フェニル)−{1−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン・3TFA
工程1.1において、2,6−ジメチルアニリンを使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=1.88分;MS−ES+:(M+H)+=414。R*=0.12。
【0177】
実施例5:{1−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−o−トリル−アミン・3TFA
工程1.5において3−ブロモフェニルヒドラジン塩酸を1当量TEAと共にEtOH中で使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=1.87分;MS−ES+:(M+H)+=400。R*=0.16。
【0178】
実施例6:(2,6−ジメチル−フェニル)−{1−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン・3TFA
工程1.5において、3−ブロモフェニルヒドラジン塩酸を1当量TEAと共にEtOH中で使用し、工程1.1において2,6−ジメチルアニリンを使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=1.97分;MS−ES+:(M+H)+=414。R*=0.16。
【0179】
実施例7:{1−[4−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−o−トリル−アミン・3TFA
4−ピロリジン−1−イル−ピペリジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=1.95分;MS−ES+:(M+H)+=454。R=0.13。
【0180】
実施例8:(2,6−ジメチル−フェニル)−{1−[4−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン・3TFA
4−ピロリジン−1−イル−ピペリジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.1において2,6−ジメチルアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=2.02分;MS−ES+:(M+H)+=468。R*=0.13。
【0181】
実施例9:{1−[4−(4−モルホリン−4−イル−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−o−トリル−アミン・3TFA
4−ピペリジン−4−イル−モルホリンをN−メチルピペラジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=1.84分;MS−ES+:(M+H)+=470。R*=0.16。
【0182】
実施例10:(2,6−ジメチル−フェニル)−{1−[4−(4−モルホリン−4−イル−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン・3TFA
4−ピペリジン−4−イル−モルホリンをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.1において2,6−ジメチルアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=1.94分;MS−ES+:(M+H)+=484。R*=0.16。
【0183】
実施例11:(1−{4−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−o−トリル−アミン・4TFA
1−メチル−4−ピペリジン−4−イル−ピペラジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=1.75分;MS−ES+:(M+H)+=483。1H-NMR(400 MHz, D6-DMSO):β(ppm)=9.80(s, 1H), 8.30(s, 1H), 7.83(d, 2H), 7.39 - 7.43(m, 4H), 3.60(m, 2H), 3.55(s, 4H), 3.25(s, 4H), 2.82(s, 3H), 2.78(m, 2H), 2.22(s, 3H), 2.07(m, 2H), 1.69(m, 2H)。
【0184】
実施例12:(2,6−ジメチル−フェニル)−(1−{4−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−アミン・4TFA
1−メチル−4−ピペリジン−4−イル−ピペラジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.1において2,6−ジメチルアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=1.84分;MS−ES+:(M+H)+=497。R*=0.32。
【0185】
実施例13:{1−[4−(4−ジエチルアミノ−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−o−トリル−アミン・3TFA
4−ジエチルアミノ−ピペリジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=1.98分;MS−ES+:(M+H)+=456。1H-NMR(400 MHz, CDCl3):β(ppm)=13.0(s, 1H), 8.3(s, 1H), 7.75(d, 2H), 7.45 - 7.48(m, 4H), 7.0(d, 2H), 6.65(s, 1H), 3.85(m, 4H), 3.10(m, 1H), 2.90(m, 4H), 2.45(s, 3H), 2.10(m, 10H)。R*=0.14。
【0186】
実施例14:{1−[4−(4−ジ−n−プロピルアミノ−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−o−トリル−アミン・3TFA
4−ジプロピルアミノ−ピペリジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=2.18分;MS−ES+:(M+H)+=484。R=0.14。
【0187】
実施例15:{1−[4−((R)−3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−o−トリル−アミン・3TFA
(R)−3−ジメチルアミノ−ピロリジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=1.85分;MS−ES+:(M+H)+=414。R=0.67。
【0188】
実施例16:{1−[4−((S)−3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−o−トリル−アミン・3TFA
(S)−3−ジメチルアミノ−ピロリジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=1.90分;MS−ES+:(M+H)+=414。R=0.67。
【0189】
実施例17:{1−[4−(4−メチル−[1,4]−ジアゼパン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−o−トリル−アミン・3TFA
4−メチル−[1,4]ジアゼパンをN−メチルピペラジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=1.84分;MS−ES+:(M+H)+=414。R*=0.12
【0190】
実施例18:(1−{4−[4−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−o−トリル−アミン・4TFA
4−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=1.64分;MS−ES+:(M+H)+=483。R=0.32。
【0191】
実施例19:{6−メチル−1−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−o−トリル−アミン・3TFA
工程1.3の代わりに、工程2.1(実施例2)を、4−(ジメチルアミノ)酪酸塩酸塩の代わりに酢酸を使用して行う以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=1.83分;MS−ES+:(M+H)+=414。R*=0.11
【0192】
実施例20:{6−メチル−1−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−o−トリル−アミン・3TFA
工程1.3の代わりに、工程2.1(実施例2)を、4−(ジメチルアミノ)酪酸塩酸塩の代わりに酢酸を使用して行う以外、実施例5に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=1.84分;MS−ES+:(M+H)+=414。R*=0.11
【0193】
実施例21:[1−(4−メトキシ−フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−o−トリル−アミン・TFA
工程1.5において、4−メトキシフェニルヒドラジン塩酸を使用する以外、実施例1 工程1.5から1.1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物を白色固体として得る。HPLC t=2.37分;MS−ES+:(M+H)+=332。
【0194】
実施例22:(2,6−ジメチル−フェニル)−[1−(4−メトキシ−フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−アミン・TFA
工程1.5において、4−メトキシフェニルヒドラジン塩酸を使用し、工程1.1において2,6−ジメチルアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1 工程1.5から1.1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物を白色固体として得る。HPLC t=2.48分;MS−ES+:(M+H)+=346。R=0.63。
【0195】
実施例23:(5−フルオロ−2−メチル−フェニル)−[1−(4−メトキシ−フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−アミン・TFA
工程1.5において4−メトキシフェニルヒドラジン塩酸を使用し、工程1.1において5−フルオロ−2−メチルアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1 工程1.5から1.1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物を白色固体として得る。HPLC t=2.53分;MS−ES+:(M+H)+=350。R=0.64
【0196】
実施例24:[1−(3−メトキシ−フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−o−トリル−アミン・TFA
工程1.5において3−メトキシフェニルヒドラジン塩酸を使用する以外、実施例1 工程1.5から1.1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物を白色固体として得る。HPLC t=2.40分;MS−ES+:(M+H)+=332。R=0.67。
【0197】
実施例25:(2,6−ジメチル−フェニル)−[1−(3−メトキシ−フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−アミン・TFA
工程1.5において3−メトキシフェニルヒドラジン塩酸を使用し、工程1.1において2,6−ジメチルアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1 工程1.5から1.1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物を白色固体として得る。HPLC t=2.43分;MS−ES+:(M+H)+=446。R=0.67。
【0198】
実施例26:(6−メチル−1−フェニル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−o−トリル−アミン・TFA
工程2.1において、酢酸を4−(ジメチルアミノ)酪酸塩酸塩の代わりに使用する以外、実施例2に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物を白色固体として得る。HPLC t=2.46分;MS−ES+:(M+H)+=316。R=0.78。
【0199】
実施例27:[6−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−1−フェニル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−(2,6−ジメチル−フェニル)−アミン・2TFA
2,6−ジメチルアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例2に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物を白色固体として得る。HPLC t=2.30分;MS−ES+:(M+H)+=401。R=0.75
【0200】
実施例28:[6−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−1−フェニル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−(2−クロロ−フェニル)−アミン・2TFA
2−クロルアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例2に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物を白色固体として得る。HPLC t=2.32分;MS−ES+:(M+H)+=407。R=0.75。
【0201】
実施例29:{1−[4−(4−ジエチルアミノ−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−(2,6−ジメチル−フェニル)−アミン・3TFA
4−(ジエチルアミノ)−ピペリジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.1において2,6−ジメチルアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=2.91分;MS−ES+:(M+H)+=470。R***=0.25。
【0202】
実施例30:(2,6−ジメチル−フェニル)−{1−[4−(4−ジプロピルアミノ−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン・3TFA
4−(ジプロイルアミノ)−ピペリジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.1において2,6−ジメチルアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=3.21分;MS−ES+:(M+H)+=498。R***=0.33。
【0203】
実施例31:(2,6−ジメチル−フェニル)−{1−[4−((R)−3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン・3TFA
る(R)−3−ジメチルアミノ−ピロリジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.1において2,6−ジメチルアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=2.46分;MS−ES+:(M+H)+=428。R***=0.85。
【0204】
実施例32:(2,6−ジメチル−フェニル)−(1−{4−[4−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−アミン・4TFA
4−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イルをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.1において2,6−ジメチルアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=2.21分;MS−ES+:(M+H)+=497。
【0205】
実施例33:(5−フルオロ−2−メチル−フェニル)−{1−[4−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン・3TFA
4−ピロリジン−1−イル−ピペリジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.1において5−フルオロ−2−メチルアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=2.66分;MS−ES+:(M+H)+=472。R**=0.42。
【0206】
実施例34:(5−フルオロ−2−メチル−フェニル)−{1−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン・3TFA
工程1.1において5−フルオロ−2−メチルアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=2.34分;MS−ES+:(M+H)+=418。R**=0.44。
【0207】
実施例35:(5−フルオロ−2−メチル−フェニル)−(1−{4−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−アミン・4TFA
4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピペリジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.1において5−フルオロ−2−メチルアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=2.32分;MS−ES+:(M+H)+=501。R**=0.31。
【0208】
実施例36:{1−[4−(4−ジエチルアミノ−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−(5−フルオロ−2−メチル−フェニル)−アミン・3TFA
4−ジエチルアミノ−ピペリジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.1において5−フルオロ−2−メチルアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=2.71分;MS−ES+:(M+H)+=474。R**=0.39。
【0209】
実施例37:{1−[4−(4−ジプロイルアミノ−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−(5−フルオロ−2−メチル−フェニル)−アミン・3TFA
4−ジプロイルアミノ−ピペリジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.1において5−フルオロ−2−メチルアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=2.78分;MS−ES+:(M+H)+=502。R**=0.58。
【0210】
実施例38:{1−[4−((R)−3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−(5−フルオロ−2−メチル−フェニル)−アミン・3TFA
(R)−3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イルをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.1において5−フルオロ−2−メチルアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=2.46分;MS−ES+:(M+H)+=432。R**=0.40。
【0211】
実施例39:{1−[4−((S)−3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−(5−フルオロ−2−メチル−フェニル)−アミン・3TFA
(S)−3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イルをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.1において5−フルオロ−2−メチルアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=2.53分;MS−ES+:(M+H)+=432。
【0212】
実施例40:(5−フルオロ−2−メチル−フェニル)−(1−{4−[4−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−アミン・4TFA
4−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.1において5−フルオロ−2−メチルアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=1.90分;MS−ES+:(M+H)+=501。R**=0.19。
【0213】
実施例41:(2−クロロ−フェニル)−{1−[4−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン・3TFA
4−ピロリジン−1−イル−ピペリジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.1において2−クロルアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=2.66分;MS−ES+:(M+H)+=474。R**=0.38。
【0214】
実施例42:(2−クロロ−フェニル)−{1−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン・3TFA
工程1.1において2−クロルアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=3.28分;MS−ES+:(M+H)+=420。R**=0.41。
【0215】
実施例43:(2−クロロ−フェニル)−(1−{4−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−アミン・4TFA
4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピペリジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.1において2−クロルアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=2.17分;MS−ES+:(M+H)+=503。
【0216】
実施例44:(2−クロロ−フェニル)−{1−[4−(4−ジエチルアミノ−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン・3TFA
4−ジエチルアミノ−ピペリジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.1において2−クロルアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=2.72分;MS−ES+:(M+H)+=476。
【0217】
実施例45:(2−クロロ−フェニル)−{1−[4−(4−ジプロイルアミノ−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン・3TFA
4−ジプロイルアミノ−ピペリジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.1において2−クロルアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=4.28分;MS−ES+:(M+H)+=504。R**=0.56。
【0218】
実施例46:(2−クロロ−フェニル)−{1−[4−((S)−3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン・3TFA
(S)−3−ジメチルアミノ−ピロリジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.1において2−クロルアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=3.33分;MS−ES+:(M+H)+=434。R**=0.40。
【0219】
実施例47:(2−クロロ−フェニル)−{1−[4−((R)−3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン・3TFA
(R)−3−ジメチルアミノ−ピロリジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.1において2−クロルアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=2.51分;MS−ES+:(M+H)+=434。R**=0.40。
【0220】
実施例48:(2−クロロ−フェニル)−(1−{4−[4−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−アミン・4TFA
4−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.1において2−クロルアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=2.24分;MS−ES+:(M+H)+=503。R**=0.18。
【0221】
実施例49:(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−{1−[4−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン・3TFA
4−ピロリジン−1−イル−ピペリジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.1において2−メチル−4−フルオロアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=2.59分;MS−ES+:(M+H)+=472。R**=0.37。
【0222】
実施例50:(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−{1−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン・3TFA
工程1.1において2−メチル−4−フルオロアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=2.13分;MS−ES+:(M+H)+=418。R**=0.37。
【0223】
実施例51:(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−(1−{4−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−アミン・4TFA
4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピペリジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.1において2−メチル−4−フルオロアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=3.00分;MS−ES+:(M+H)+=501。R**=0.29。
【0224】
実施例52:{1−[4−(4−ジエチルアミノ−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−アミン・3TFA
4−ジエチルアミノ−ピペリジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.1において2−メチル−4−フルオロアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=2.63分;MS−ES+:(M+H)+=474。
【0225】
実施例53:{1−[4−(4−ジプロピルアミノ−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−アミン・3TFA
4−ジプロピルアミノ−ピペリジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.1において2−メチル−4−フルオロアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=2.93分;MS−ES+:(M+H)+=502。R**=0.52。
【0226】
実施例54:{1−[4−((R)−3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−アミン・3TFA
(R)−3−ジメチルアミノ−ピロリジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.1において2−メチル−4−フルオロアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=2.41分;MS−ES+:(M+H)+=432。R**=0.34。
【0227】
実施例55:{1−[4−((S)−3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−アミン・3TFA
(S)−3−ジメチルアミノ−ピロリジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.1において2−メチル−4−フルオロアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=2.41分;MS−ES+:(M+H)+=432。R**=0.34。
【0228】
実施例56:(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−(1−{4−[4−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−アミン・4TFA
4−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.1において2−メチル−4−フルオロアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=2.17分;MS−ES+:(M+H)+=501。R**=0.16。
【0229】
実施例57:(4−フルオロ−2,6−ジメチル−フェニル)−{1−[4−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン・3TFA
4−ピロリジン−1−イル−ピペリジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.1において2,6−ジメチル−4−フルオロアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=2.66分;MS−ES+:(M+H)+=486。R**=0.34。
【0230】
実施例58:(4−フルオロ−2,6−ジメチル−フェニル)−{1−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン・3TFA
工程1.1において2,6−ジメチル−4−フルオロアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=2.44分;MS−ES+:(M+H)+=432。
【0231】
実施例59:(4−フルオロ−2,6−ジメチル−フェニル)−(1−{4−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−アミン・4TFA
4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピペリジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.1において2,6−ジメチル−4−フルオロアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=3.41分;MS−ES+:(M+H)+=512。
【0232】
実施例60:{1−[4−(4−ジエチルアミノ−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−(4−フルオロ−2,6−ジメチル−フェニル)−アミン・3TFA
4−ジエチルアミノ−ピペリジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.1において2,6−ジメチル−4−フルオロアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=2.73分;MS−ES+:(M+H)+=488。R**=0.39。
【0233】
実施例61:{1−[4−(4−ジプロピルアミノ−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−(4−フルオロ−2,6−ジメチル−フェニル)−アミン・3TFA
4−ジプロピルアミノ−ピペリジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.1において2,6−ジメチル−4−フルオロアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=4.43分;MS−ES+:(M+H)+=516。
【0234】
実施例62:{1−[4−((R)−3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−(4−フルオロ−2,6−ジメチル−フェニル)−アミン・3TFA
(R)−3−ジメチルアミノ−ピロリジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.1において2,6−ジメチル−4−フルオロアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=3.54分;MS−ES+:(M+H)+=446。
【0235】
実施例63:{1−[4−((S)−3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−(4−フルオロ−2,6−ジメチル−フェニル)−アミン・3TFA
(S)−3−ジメチルアミノ−ピロリジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.1において2,6−ジメチル−4−フルオロアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=3.52分;MS−ES+:(M+H)+=446。
【0236】
実施例64:(2−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−{1−[4−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン・3TFA
4−ピロリジン−1−イル−ピペリジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.1において2−クロロ−4−フルオロアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=2.64分;MS−ES+:(M+H)+=492。R**=0.25。
【0237】
実施例65:(2−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−{1−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン・3TFA
工程1.1において2−クロロ−4−フルオロアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=3.25分;MS−ES+:(M+H)+=438。R**=0.29。
【0238】
実施例66:(2−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−(1−{4−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−アミン・4TFA
4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピペリジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.1において2−クロロ−4−フルオロアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=2.37分;MS−ES+:(M+H)+=521。R**=0.20。
【0239】
実施例67:(2−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−{1−[4−(4−ジエチルアミノ−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン・3TFA
4−ジエチルアミノ−ピペリジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.1において2−クロロ−4−フルオロアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=2.41分;MS−ES+:(M+H)+=494。R**=0.27。
【0240】
実施例68:(2−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−{1−[4−(4−ジプロピルアミノ−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン・3TFA
4−ジプロピルアミノ−ピペリジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.1において2−クロロ−4−フルオロアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=4.28分;MS−ES+:(M+H)+=522。
【0241】
実施例69:(2−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−{1−[4−((S)−3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン・3TFA
(S)−3−ジメチルアミノ−ピロリジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.1において2−クロロ−4−フルオロアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=3.56分;MS−ES+:(M+H)+=452。
【0242】
実施例70:(2−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−{1−[4−((R)−3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン・3TFA
(R)−3−ジメチルアミノ−ピロリジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.1において2−クロロ−4−フルオロアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=3.55分;MS−ES+:(M+H)+=452。
【0243】
実施例71:(2−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−(1−{4−[4−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−アミン・4TFA
4−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.1において2−クロロ−4−フルオロアニリンをo−トルイジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=1.94分;MS−ES+:(M+H)+=521。R**=0.27。
【0244】
実施例72:N,N−ジメチル−N'−[4−(4−o−トリルアミノ−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−フェニル]−エタン−1,2−ジアミン・3TFA
N,N−ジメチル−エタン−1,2−ジアミンをN−メチルピペラジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。表題化合物をオフホワイト色固体として得る。HPLC t=1.87分;MS−ES+:(M+H)+=416。
【0245】
実施例73:(1−{3−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−o−トリル−アミン
1−メチル−4−(ピペリジン−4−イル)−ピペラジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.5において3−ブロモフェニルヒドラジンを4−ブロモフェニルヒドラジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。粗生成物を逆相クロマトグラフィーにより精製した。表題化合物を、遊離塩基としてオフホワイト色固体として得る。
HPLC:t=7.260分。;MS−ES:(M+H)+=483;TLC:R=0.52(CHCl/MeOH=4/1)
【0246】
実施例74:(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−(1−{3−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−アミン
1−メチル−4−(ピペリジン−4−イル)−ピペラジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.1において4−フルオロ−2−メチルアニリンをo−トルイジンの代わりに使用し、工程1.5において3−ブロモフェニルヒドラジンを4−ブロモフェニルヒドラジンの代わりに使用する以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。粗生成物を逆相クロマトグラフィーにより精製した。表題化合物を、遊離塩基としてオフホワイト色固体として得る。
HPLC:t=7.202分。;MS−ES:(M+H)+=501;TLC:R=0.60(CHCl/MeOH=4/1)
【0247】
実施例75:(1−{4−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−6−フェニル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−o−トリル−アミン
1−メチル−4−(ピペリジン−4−イル)−ピペラジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.3の代わりに、工程2.1(実施例2)を、4−(ジメチルアミノ)酪酸塩酸塩の代わりに安息香酸を使用して行う以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。粗生成物を逆相クロマトグラフィーにより精製した。表題化合物を、遊離塩基としてオフホワイト色固体として得る。
HPLC:t=8.816分。;MS−ES:(M+H)+=559;TLC:R=0.51(CHCl/MeOH=9/1)
【0248】
実施例76:{1−[4−(4−ジエチルアミノ−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−6−フェニル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−o−トリル−アミン
4−ジエチルアミノ−ピペリジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.3の代わりに、工程2.1(実施例2)を、4−(ジメチルアミノ)酪酸塩酸塩の代わりに安息香酸を使用して行う以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。粗生成物を逆相クロマトグラフィーにより精製した。表題化合物を、遊離塩基としてオフホワイト色固体として得る。
HPLC:t=10.054分。;MS−ES:(M+H)+=532;TLC:R=0.33(CHCl/MeOH=9/1)
【0249】
実施例77:(1−{4−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−6−ピリジン−2−イル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−o−トリル−アミン
1−メチル−4−(ピペリジン−4−イル)−ピペラジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.3の代わりに、工程2.1(実施例2)を、4−(ジメチルアミノ)酪酸塩酸塩の代わりにピコリン酸を使用して行う以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。粗生成物を逆相クロマトグラフィーにより精製した。表題化合物を、遊離塩基としてオフホワイト色固体として得る。
HPLC:t=7.147分。;MS−ES:(M+H)+=560;TLC:R=0.16(CHCl/MeOH=4/1)
【0250】
実施例78:(1−{4−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−6−ピリジン−3
−イル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−o−トリル−アミン
1−メチル−4−(ピペリジン−4−イル)−ピペラジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.3の代わりに、工程2.1(実施例2)を、4−(ジメチルアミノ)酪酸塩酸塩の代わりにニコチン酸を使用して行う以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。粗生成物を逆相クロマトグラフィーにより精製した。表題化合物を、遊離塩基としてオフホワイト色固体として得る。
HPLC:t=7.236分。;MS−ES:(M+H)+=560;TLC:R=0.57(CHCl/MeOH=4/1)
【0251】
実施例79:(1−{4−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−6−ピリジン−4
−イル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−o−トリル−アミン
1−メチル−4−(ピペリジン−4−イル)−ピペラジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.3の代わりに、工程2.1(実施例2)を、4−(ジメチルアミノ)酪酸塩酸塩の代わりにイソニコチン酸を使用して行う以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。粗生成物を逆相クロマトグラフィーにより精製した。表題化合物を、遊離塩基としてオフホワイト色固体として得る。
HPLC:t=7.298分。;MS−ES:(M+H)+=560;TLC:R=0.48(CHCl/MeOH=4/1)
【0252】
実施例80:{1−[4−(4−ジエチルアミノ−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−6−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−o−トリル−アミン
4−ジエチルアミノ−ピペリジンをN−メチルピペラジンの代わりに使用し、工程1.3の代わりに、工程2.1(実施例2)を、4−(ジメチルアミノ)酪酸塩酸塩の代わりにイソニコチン酸を使用して行う以外、実施例1に記載のものと同じ方法を使用する。粗生成物を逆相クロマトグラフィーにより精製した。表題化合物を、遊離塩基としてオフホワイト色固体として得る。
HPLC:t=7.297分。;MS−ES:(M+H)+=533;TLC:R=0.60(CHCl/MeOH=4/1)
【0253】
下記実施例化合物を、前記実施例に準じて製造する:
【表2】

【0254】
実施例82:軟カプセル
各々活性成分として0.05gの前記実施例の何れか一つに記載の式Iの化合物の何れか1個を含む5000個の軟ゼラチンカプセルを、下記の通り製造する:
【表3】

製造法:粉砕した活性成分を、Lauroglykol(プロピレングリコールラウレート、Gattefosse S.A., Saint Priest, France)に懸濁し、湿式微粉機中で、約1〜3μmの粒子径が得られるまで挽く。次いで、混合物の0.419g分を軟ゼラチンカプセルにカプセル充填機を使用して入れる。
【0255】
実施例83:式Iの化合物を含む錠剤
活性成分として100mgの前記実施例の何れか一つに記載の式Iの化合物の何れか1個を含む錠剤を、下記組成で、下記標準法により製造する:
【表4】

製造法:活性成分を担体物質と混合し、打錠機(Korsch EKO、型直径10mm)の手段により圧縮する。
Avicel(登録商標)は微結晶性セルロース(FMC, Philadelphia, USA)である。PVPPXLは架橋ポリビニルポリピロリドン(BASF, Germany)である。Aerosil(登録商標)は二酸化硅素(Degussa, Germany)である。
【0256】
実施例84:EphB4キナーゼ活性の阻害
一般的な記載において上記した試験系を使用して、とりわけ実施例21、23および27の化合物をEphB4キナーゼを阻害する能力について試験する。下記IC50値(μmol/l)が見られる:
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
温血動物の診断的または治療的処置に使用するための、式I
【化1】

{式中、
は式Ib
【化2】

〔式中、Raはメチル、エチル、メトキシ、ハロまたはトリフルオロメチルであり;
Reは水素、メチル、エチル、メトキシ、ハロまたはトリフルオロメチルであり、そして
Rb、RcおよびRdは水素およびフェニル置換基から独立して選択される。〕
の部分であり;
は非置換もしくは置換アリールであり;
は水素、非置換もしくは置換アルキル、非置換もしくは置換アリールまたは非置換もしくは置換ヘテロシクリルであり;そして
は水素または非置換もしくは置換アルキルである。}
の化合物または1個以上の塩形成基が存在するときその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
タンパク質キナーゼ、好ましくはタンパク質チロシンキナーゼ、とりわけc−Abl、c−Srcおよび/または好ましくはエフリン受容体キナーゼ、さらにとりわけEphB4キナーゼの1種以上の不適当な活性;および/またはこれらのいずれか1種もしくはそれ以上の1種以上の改変または変異した形態、例えば構成的に活性化されたBcr−Ablまたはv−Srcのような各癌原遺伝子から癌遺伝子への変換をもたらす形態に依存する疾患の処置において使用するための、請求項1記載の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
タンパク質キナーゼ、好ましくはタンパク質チロシンキナーゼ、とりわけc−Abl、c−Srcおよび/またはとりわけエフリン受容体キナーゼ、さらにとりわけEphB4キナーゼの1種以上の不適当な活性;および/またはこれらのいずれか1種もしくはそれ以上の1種以上の改変または変異した形態、例えば構成的に活性化されたBcr−Ablまたはv−Srcのような各癌原遺伝子から癌遺伝子への変換をもたらす形態に依存する疾患または障害の処置用医薬製剤の製造における、請求項1に記載の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項4】
式I
【化3】

{式中、
は式Ib
【化4】

〔式中、Raはメチル、エチル、メトキシ、ハロまたはトリフルオロメチルであり;
Reは水素、メチル、エチル、メトキシ、ハロまたはトリフルオロメチルであり、そして
Rb、RcおよびRdは水素、非置換もしくは置換アルキル、非置換もしくは置換アルケニル、非置換もしくは置換アルキニル、非置換もしくは置換アリール、非置換もしくは置換ヘテロシクリル、ヒドロキシ、エステル化またはエーテル化ヒドロキシ、非置換、モノもしくはジ置換アミノ(ここで、該置換基は非置換もしくは置換アルキルおよび非置換もしくは置換アリール;ハロ、ニトロ、シアノ、メルカプト、置換メルカプト、スルホならびに置換スルホニルから独立して選択され、さらにこれらの置換基は非置換もしくは置換アルキルおよび非置換もしくは置換アリールから選択される)から独立して選択される。〕
の部分であり;
は非置換もしくは置換アリール;
は水素、非置換もしくは置換アルキル、非置換もしくは置換アリールまたは非置換もしくは置換ヘテロシクリルであり;そして
は水素または非置換もしくは置換アルキルである。
ただし、Rが4−メトキシフェニルであり、Rが水素であり、そしてRが水素であるならば、Rは5−フルオロ−2−メチルフェニルおよび2−メチルフェニル以外である;およびRは非置換もしくは置換3−ニトロフェニル以外である。}
の化合物またはその塩。
【請求項5】
が請求項4に記載の式Ibの部分であり、ここで、
Raがメチル、エチル、メトキシ、ハロまたはトリフルオロメチルであり、
Reが水素、メチル、エチル、メトキシ、ハロまたはトリフルオロメチルであり、そして
Rb、RcおよびRdが水素(好ましい)、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、ヒドロキシ、C−C−アルコキシ、アミノ、N−モノ−またはN,N−ジ−(C−C−アルキル)−アミノ;ハロ(好ましい)、ニトロおよびシアノから独立して選択され;
が置換フェニルであり、ここで、該置換基が、環が非置換であるか、または
(i)好ましくは環炭素または窒素原子を介して結合しており、1個以上の炭素環原子に加えて、1〜4個の窒素(ここで、NHのHの代わりに、C−C−アルキルが存在できる)、酸素または硫黄原子を含む、3〜8員ヘテロ環式環(例えばアゼピニル、ジアゼピニル(例えば1,4−ジアゼピニル)、(とりわけN−)C−C−アルキル−ジアゼピニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、(とりわけN−)C−C−アルキル−ピペラジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、(とりわけN−)C−C−アルキル−イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、(とりわけN−)C−C−アルキルピラゾリジニル、アゼチジニルまたはアジリジニル)
(ii)アミノ−C−C−アルキルまたはN−モノまたはN,N−ジ置換アミノ−C−C−アルキル(ここで、該アミノ置換基は、C−C−アルキル、C−C−アルカノイル、フェニルおよびフェニル−C−C−アルキルから独立して選択される)、例えばN,N−ジ−(C−C−アルキル)アミノ−C−C−アルキル、例えばN,N−ジメチルアミノ−C−C−アルキル、または
(iii)ヒドロキシ−C−C−アルキル、例えばヒドロキシメチル、C−C−−アルコキシ−C−C−アルキル、(C−C−アルコキシ)−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−アルカノイル−C−C−アルキル、フェノキシ−C−C−アルキル、フェニル−C−C−アルコキシ−低級アルキル、例えばベンジルオキシ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−カルボニルオキシ−C−C−アルキル、例えばtert−ブトキシカルボニルオキシ−C−C−アルキルまたはフェニル−C−C−アルコキシカルボニルオキシ−C−C−アルキル、例えばベンジルオキシカルボニルオキシ−C−C−アルキルのいずれかで置換されている、好ましくは環窒素原子を介して結合しており、1個以上の炭素環原子に加えて、1〜4個の窒素(ここで、−NH−のHの代わりにC−C−アルキルが存在できる)、酸素または硫黄原子を含む、3〜8員ヘテロ環式環(例えばアゼピニル、とりわけアゼピノ、ジアゼピニル(例えば1,4−ジアゼピニル)、とりわけジアゼピノ、(とりわけN−)C−C−アルキル−ジアゼピニルまたは好ましくはN−C−C−アルキルジアゼピノ、ピペリジニル、とりわけピペリジノ、モルホリニル、とりわけモルホリノ、チオモルホリニル、とりわけチオモルホリノ、ピペラジニル、とりわけピペラジノ、(とりわけN−)C−C−アルキル−ピペラジニル、とりわけN−C−C−アルキル−ピペラジノ、ピロリジニル、とりわけピロリジノ、イミダゾリジニル、とりわけイミダゾリジノ、(とりわけN−)C−C−アルキル−イミダゾリジニル、好ましくはN−C−C−アルキル−イミダゾリジノ、ピラゾリジニル、とりわけピラゾリジノ、(とりわけN−)C−C−アルキルピラゾリジニル、好ましくはC−C−アルキルピラゾリジノ、アゼチジニル、とりわけアゼチジノ、またはアジリジニル、とりわけアジリジノ);
N−モノ−またはN,N−ジ−(C−C−アルキル)−アミノ−C−C−アルキル−アミノおよびハロから成る群から選択される1個以上、好ましくは1個または2個、とりわけ1個の置換基であり;
が水素、C−C−アルキルまたはアミノ−、N−モノ−またはN,N−ジ−(C−C−アルキル)−アミノ−C−C−アルキル、フェニルまたはピリジルであり;そして
が水素である、
請求項4記載の式Iの化合物またはその塩。
【請求項6】
が上記の通りの式Ibの部分であり、ここで、
Raがメチル、エチル、メトキシ、ハロまたはトリフルオロメチルであり、
Reが水素、メチル、エチル、メトキシ、ハロまたはトリフルオロメチルであり、
そしてRb、RcおよびRdが水素およびハロから独立して選択され;
がフェニルまたは、とりわけ3位または4位をブロモで置換されたフェニル、または好ましくは4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)、4−モルホリン−4−イル−、4−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)、4−(4−モルホリン−4−イル−ピペリジン−1−イル)、4−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル、3−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル、4−(4−ジエチルアミノ−ピペリジン−1−イル)、4−(4−ジプロピルアミノ−ピペリジン−1−イル)、4−((R,S)−、4−((R)−または4−((S)−3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)、4−(4−メチル−[1,4]−ジアゼパン−1−イル)、4−[4−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]、3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)、または2−(N,N−ジメチルアミノ)−エチルアミノであり、
が水素、C−C−アルキル、とりわけメチル、またはアミノ−、N−モノ−またはN,N−ジ−(C−C−アルキル)−アミノ−C−C−アルキル、とりわけ(3−ジメチルアミノ−プロピル、フェニルまたはピリジルであり、そして
が水素である、
式Iの化合物、または(好ましくは薬学的に許容される)その塩。
【請求項7】
{1−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−o−トリル−アミン、
[6−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−1−フェニル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−o−トリル−アミン、
[1−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−o−トリル−アミン、
(2,6−ジメチル−フェニル)−{1−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン、
{1−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−o−トリル−アミン、
(2,6−ジメチル−フェニル)−{1−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン、
{1−[4−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−o−トリル−アミン、
(2,6−ジメチル−フェニル)−{1−[4−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン、
{1−[4−(4−モルホリン−4−イル−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−o−トリル−アミン、
(2,6−ジメチル−フェニル)−{1−[4−(4−モルホリン−4−イル−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン、
(1−{4−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−o−トリル−アミン、
(2,6−ジメチル−フェニル)−(1−{4−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−アミン、
{1−[4−(4−ジエチルアミノ−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−o−トリル−アミン、
{1−[4−(4−ジプロピルアミノ−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−o−トリル−アミン、
{1−[4−((R)−3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−o−トリル−アミン、
{1−[4−((S)−3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−o−トリル−アミン、
{1−[4−(4−メチル−[1,4]ジアゼパン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−o−トリル−アミン、
(1−{4−[4−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−o−トリル−アミン、
{6−メチル−1−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−o−トリル−アミン、
{6−メチル−1−[3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−o−トリル−アミン、
(2,6−ジメチル−フェニル)−[1−(4−メトキシ−フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−アミン、
[1−(3−メトキシ−フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−o−トリル−アミン、
(2,6−ジメチル−フェニル)−[1−(3−メトキシ−フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−アミン、
(6−メチル−1−フェニル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−o−トリル−アミン、
[6−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−1−フェニル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−(2,6−ジメチル−フェニル)−アミン、
[6−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−1−フェニル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−(2−クロロ−フェニル)−アミン、
{1−[4−ブロモフェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−o−トリル−アミン、
{1−[4−(4−ジエチルアミノ−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−(2,6−ジメチル−フェニル)−アミン、
(2,6−ジメチル−フェニル)−{1−[4−(4−ジプロピルアミノ−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン、
(2,6−ジメチル−フェニル)−{1−[4−((R)−3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン、
(2,6−ジメチル−フェニル)−(1−{4−[4−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−アミン、
(5−フルオロ−2−メチル−フェニル)−{1−[4−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン、
(5−フルオロ−2−メチル−フェニル)−{1−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン、
(5−フルオロ−2−メチル−フェニル)−(1−{4−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−アミン、
{1−[4−(4−ジエチルアミノ−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−(5−フルオロ−2−メチル−フェニル)−アミン、
{1−[4−(4−ジプロイルアミノ−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−(5−フルオロ−2−メチル−フェニル)−アミン、
{1−[4−((R)−3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−(5−フルオロ−2−メチル−フェニル)−アミン、
{1−[4−((S)−3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−(5−フルオロ−2−メチル−フェニル)−アミン、
(5−フルオロ−2−メチル−フェニル)−(1−{4−[4−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−アミン、
(2−クロロ−フェニル)−{1−[4−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン、
(2−クロロ−フェニル)−{1−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン、
(2−クロロ−フェニル)−(1−{4−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−アミン、
(2−クロロ−フェニル)−{1−[4−(4−ジエチルアミノ−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン、
(2−クロロ−フェニル)−{1−[4−(4−ジプロイルアミノ−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン、
(2−クロロ−フェニル)−{1−[4−((S)−3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン、
(2−クロロ−フェニル)−{1−[4−((R)−3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン、
(2−クロロ−フェニル)−(1−{4−[4−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−アミン、
(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−{1−[4−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン、
(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−{1−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン、
(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−(1−{4−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−アミン、
{1−[4−(4−ジエチルアミノ−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−アミン、
{1−[4−(4−ジプロピルアミノ−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−アミン、
{1−[4−((R)−3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−アミン、
{1−[4−((S)−3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−アミン、
(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−(1−{4−[4−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−アミン、
(4−フルオロ−2,6−ジメチル−フェニル)−{1−[4−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン、
(4−フルオロ−2,6−ジメチル−フェニル)−{1−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン、
(4−フルオロ−2,6−ジメチル−フェニル)−(1−{4−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−アミン、
{1−[4−(4−ジエチルアミノ−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−(4−フルオロ−2,6−ジメチル−フェニル)−アミン、
{1−[4−(4−ジプロピルアミノ−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−(4−フルオロ−2,6−ジメチル−フェニル)−アミン、
{1−[4−((R)−3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−(4−フルオロ−2,6−ジメチル−フェニル)−アミン、
{1−[4−((S)−3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−(4−フルオロ−2,6−ジメチル−フェニル)−アミン、
(2−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−{1−[4−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン、
(2−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−{1−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン、
(2−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−(1−{4−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−アミン、
(2−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−{1−[4−(4−ジエチルアミノ−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン、
(2−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−{1−[4−(4−ジプロピルアミノ−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン、
(2−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−{1−[4−((S)−3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン、
(2−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−{1−[4−((R)−3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−アミン、
(2−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−(1−{4−[4−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−フェニル}−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−アミン、
N,N−ジメチル−N'−[4−(4−o−トリルアミノ−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−フェニル]−エタン−1,2−ジアミン、
(1−{3−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−o−トリル−アミン、
(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−(1−{3−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−アミン、
(1−{4−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−6−フェニル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−o−トリル−アミン、
{1−[4−(4−ジエチルアミノ−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−6−フェニル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−o−トリル−アミン、
(1−{4−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−6−ピリジン−2−イル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−o−トリル−アミン、
(1−{4−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−6−ピリジン−3−イル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−o−トリル−アミン、
(1−{4−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−6−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−o−トリル−アミン、および
{1−[4−(4−ジエチルアミノ−ピペリジン−1−イル)−フェニル]−6−ピリジン−4−イル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル}−o−トリル−アミン
からなる群から選択される、請求項4または5のいずれかに記載の式Iの化合物またはその塩。
【請求項8】
温血動物の診断的または治療的処置に使用するための、[1−(4−メトキシ−フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−o−トリル−アミンおよび(5−フルオロ−2−メチル−フェニル)−[1−(4−メトキシ−フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−アミンから成る群から選択される、請求項1記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
タンパク質キナーゼ、好ましくはタンパク質チロシンキナーゼ、とりわけc−Abl、c−Srcおよび/またはとりわけエフリン受容体キナーゼ、さらにとりわけEphB4キナーゼの1種以上の不適当な活性;および/またはこれらのいずれか1種もしくはそれ以上の1種以上の改変または変異した形態、例えば構成的に活性化されたBcr−Ablまたはv−Srcのような各癌原遺伝子から癌遺伝子への変換をもたらす形態に依存する増殖性疾患の処置における、または処置用医薬組成物の製造のための、
[1−(4−メトキシ−フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−o−トリル−アミン、
(5−フルオロ−2−メチル−フェニル)−[1−(4−メトキシ−フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル]−アミンおよび
(1−フェニル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)−o−トリル−アミン
から成る群から選択される請求項1記載の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項10】
温血動物の診断的または治療的処置に使用するための、とりわけタンパク質チロシンキナーゼの不適当な活性に依存する疾患の診断的および治療的処置に使用するための、
が5−フルオロ−2−メチルフェニルおよび2−メチルフェニルであり、
が4−低級アルコキシフェニルであり、
が水素であり、
が水素である;
請求項1記載の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
温血動物の診断的または好ましくは治療的処置に使用するための、とりわけタンパク質チロシンキナーゼの不適当な活性に依存する疾患の診断的および治療的処置に使用するための、
が非置換もしくは置換3−ニトロフェニルであり;
が置換アリールであり;
が水素または非置換もしくは置換アルキルであり;そして
が水素または非置換もしくは置換アルキルである、
請求項1記載の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
式II
【化5】

〔式中、RおよびRは式Iの化合物について定義の通りであり、そしてXはヒドロキシまたは脱離基である。〕
のピラゾロピリミジン化合物と、式III
【化6】

〔式中、RおよびRは式Iの化合物について定義の通りである。〕
のアミノ化合物と反応させ;
望むならば、式Iの化合物を異なる式Iの化合物に変換し、得られる式Iの化合物の塩を、遊離化合物または異なる塩に変換し、得られる遊離の式Iの化合物をその塩に変換し、および/または得られる式Iの化合物の異性体混合物を個々の異性体に分割する、工程を含む、請求項4から7のいずれかに記載の式Iの化合物またはその塩の製造法。
【請求項13】
請求項4から7のいずれかに記載の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩および薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項14】
動物、とりわけ哺乳動物の診断的および/または治療的処置に使用するための、請求項4から7のいずれかに記載の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項15】
タンパク質キナーゼ、好ましくはタンパク質チロシンキナーゼ、とりわけc−Abl、c−Srcおよび/またはとりわけエフリン受容体キナーゼ、さらにとりわけEphB4キナーゼの1種以上の不適当な活性;および/またはこれらのいずれか1種もしくはそれ以上の1種以上の改変または変異した形態、例えば構成的に活性化されたBcr−Ablまたはv−Srcのような各癌原遺伝子から癌遺伝子への変換をもたらす形態に依存する疾患または障害の処置における、または処置用医薬製剤の製造のための、請求項4から7のいずれかに記載の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項16】
タンパク質キナーゼ、好ましくはタンパク質チロシンキナーゼ、とりわけc−Abl、c−Srcおよび/またはとりわけエフリン受容体キナーゼ、さらにとりわけEphB4キナーゼの1種以上の不適当な活性;および/またはこれらのいずれか1種もしくはそれ以上の1種以上の改変または変異した形態、例えば構成的に活性化されたBcr−Ablまたはv−Srcのような各癌原遺伝子から癌遺伝子への変換をもたらす形態に依存する増殖性疾患の処置における、または処置用医薬製剤の製造のための、請求項4から7のいずれかに記載の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項17】
タンパク質キナーゼ、とりわけタンパク質チロシンキナーゼの不適当な活性に依存する疾患の処置法であって、予防的またはとりわけ治療的有効量の請求項1から10のいずれかに記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩を、とりわけ記載の疾患のためにこのような処置が必要な温血動物、例えばヒトに投与することを含む、方法。

【公表番号】特表2008−519790(P2008−519790A)
【公表日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−540577(P2007−540577)
【出願日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【国際出願番号】PCT/EP2005/012045
【国際公開番号】WO2006/050946
【国際公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】