説明

キャッシュ装置,キャッシュシステム及びキャッシュ方法

【課題】端末装置から受信したダウンロード要求の正当性を検証できるキャッシュ装置を提供することを目的とする。
【解決手段】キャッシュ装置11は,端末装置12から受信したダウンロード要求に対応するコンテンツをキャッシュ装置11で保持しているときは, プロバイダ装置10を利用して,端末装置12から受信したダウンロード要求の正当性を検証する。また,端末装置12から受信したダウンロード要求に対応するコンテンツをキャッシュ装置11で保持してないとき,ダウンロード装置13にダウンロード要求を転送し,ダウンロード装置13から送信されたダウンロードの正当性検証要求を中継する動作を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,端末装置を利用してインターネット上のサイトで購入されたコンテンツを端末装置にダウンロードさせるための技術に係わる。
【背景技術】
【0002】
動画,音楽,電子書籍等のコンテンツをインターネット上で販売するシステムが普及し,ユーザは,端末装置を利用して,コンテンツを販売しているサイトが運営されているサーバ装置であるプロバイダ装置にアクセスし,サイトで販売されているコンテンツを気軽に購入できるようになった。
【0003】
インターネット上でコンテンツを販売するシステムでは,プロバイダ装置で販売されている様々なコンテンツを記憶し,課金処理済みのコンテンツをユーザの端末装置に送信するサーバ装置であるダウンロード装置を,コンテンツを販売しているサイトが運営されているプロバイダ装置とは別に設置することが一般的になっている。
【0004】
コンテンツの購入・非購入に係わらず,プロバイダ装置で運営されている販売サイトにアクセスするユーザ数は多く,コンテンツの検索処理などユーザの操作に係わる処理と,ユーザの端末装置にコンテンツを送信する処理を別にすることで,プロバイダ装置の負荷を低減できるばかりか,複数のサイトで共通に利用できるダウンロード装置を設けることで,キャッシュ装置の維持費を低減することができる。
【0005】
コンテンツの販売を多国に展開するときなど,ダウンロード装置を利用するプロバイダ装置の数が多くなると,数多くのプロバイダ装置からのダウンロード要求をダウンロード装置が受けることになり,ダウンロード要求をプロバイダ装置が受けてからコンテンツを端末装置に送信するスループットが低下してしまうため,ダウンロード装置に代わりにダウンロード要求を受けるキャッシュ装置をプロバイダ装置毎に設けることで,ダウンロード装置の負荷を分散させる。
【0006】
ダウンロード装置の負荷を分散させるためのキャッシュ装置は,端末装置からダウンロード要求を受けたコンテンツがキャッシュ装置にキャッシュされていない場合,コンテンツの配信要求をダウンロード装置に行い,ダウンロード装置から配信されたコンテンツをキャッシュすると共に端末装置へ送信し,ダウンロード要求を受けたコンテンツをキャッシュしている場合,コンテンツの配信要求をダウンロード装置に行うことなく,キャッシュしているコンテンツを端末装置へ送信する処理を行うが,端末装置へ送信するコンテンツの課金処理を実施したプロバイダ装置を介さずに,キャッシュ装置から端末装置にコンテンツが直接送信されるため,ダウンロード要求の正当性をキャッシュ装置側で検証できない問題点が残る。
【0007】
コンテンツの送信先の端末装置の正当性をダウンロード装置側で検証するための発明としては,例えば,特許文献1において,プロバイダ装置からコンテンツの購入要求を受けると,アクセスキーを含むURI情報を生成し,該URI情報をプロバイダ装置に送信し,端末装置から該URI情報を受信すると,該URI情報に含まれるアクセスキーの正当性を判別し,正当なアクセスキーと判別できた場合に,端末装置にコンテンツを送信するサーバ装置が開示されている。
【0008】
また,特許文献2では,ダウンロード装置となる動画送信装置が、端末装置から動画送信要求が送信されると、送信要求された動画情報を再生する権利を端末装置のユーザが持っているか否かについて認証装置に問い合わせ,送信要求された動画情報を再生する権利をユーザが持っていない場合,動画送信を停止する動画送信方法が開示されている。
【0009】
更に,上述した特許文献1及び特許文献2で開示されている発明では,プロバイダ装置や端末装置から受信したメッセージの正当性をダウンロード装置側で検知することができなかったため,本出願人は,特願2009−268091号において,プロバイダ装置から受信した販売履歴の少なくとも一部から生成した認証コードを用い, プロバイダ装置や端末装置から受信したメッセージの正当性を検知できるダウンロード装置を既に提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許第3428979号公報
【特許文献2】特許第4069652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら,上述した発明は,ダウンロード装置の負荷を分散させるために設置されるキャッシュ装置に係わる発明ではない。そこで,本発明は,ダウンロード要求の正当性を検証できるキャッシュ装置,キャッシュシステム及びキャッシュ方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決する第1の発明は,プロバイダ装置で運営されているサイトで販売されたコンテンツを端末装置に送信するキャッシュ装置であって,前記端末装置から前記コンテンツのダウンロード要求を受信すると,ダウンロード要求された前記コンテンツを保持しているか確認し,ダウンロード要求された前記コンテンツを保持していない場合,前記サイトで販売している全ての前記コンテンツを管理している前記ダウンロード装置に前記端末装置から受信したダウンロード要求を転送し,ダウンロードの正当性検証要求を前記ダウンロード装置から受信すると,前記ダウンロード装置から受信したダウンロードの正当性検証要求を前記プロバイダ装置に転送し,前記プロバイダ装置から受信した正当性検証結果を前記ダウンロード装置に送信する処理を行い,前記ダウンロード装置から配信された前記コンテンツを保持した後に前記端末装置へ送信し,ダウンロード要求された前記コンテンツを保持している場合,前記端末装置から受信したダウンロードの正当性検証要求を前記プロバイダ装置に送信し,正当性検証に成功したことを示す正当性検証結果が前記プロバイダ装置から送信されると,ダウンロード要求された前記コンテンツを前記端末装置へ送信する送信手段を備えている。
【0013】
上述した第1の発明のキャッシュ装置によれば,前記端末装置から受信したダウンロード要求に対応する前記コンテンツを前記キャッシュ装置で保持しているときは, 前記プロバイダ装置を利用して,前記端末装置から受信したダウンロード要求の正当性を検証できる。また,前記端末装置から受信したダウンロード要求に対応する前記コンテンツを前記キャッシュ装置で保持してないとき,前記コンテンツを保持している前記ダウンロード装置に前記端末装置から受信したダウンロード要求を転送し,前記ダウンロード装置から送信されたダウンロードの正当性検証要求を中継する動作を行うことで,前記端末装置に送信する前記コンテンツを前記キャッシュ装置に配信する前記ダウンロード装置側で,前記端末装置から前記キャッシュ装置が受信したダウンロード要求の正当性を検証できるようになる。
【0014】
更に,第2の発明は,前記送信手段は,前記端末装置から受信したダウンロード要求を保持していない場合,初期値のダウンロードフラグを付与してダウンロード要求を保持し,前記コンテンツの送信が完了し前記端末装置からダウンロード完了要求を受けると,前記端末装置から受けたダウンロード完了要求に対応するダウンロード要求を保持しているダウンロード要求の中から検索し,検索したダウンロード要求に付与された前記ダウンロードフラグの値が初期値であれば,前記コンテンツのダウンロード完了要求を前記ダウンロード装置に転送し,ダウンロードに利用されたことを示す値に前記ダウンロードフラグを更新することを特徴とする第1の発明に記載のキャッシュ装置である。
【0015】
上述した第2の発明のキャッシュ装置によれば,ダウンロード要求に前記ダウンロードフラグを付与することで,前記キャッシュ装置は,前記ダウンロードフラグを参照することで,前記端末装置に送信したコンテンツが再ダウンロードである否かを前記キャッシュ装置側で判断できるようになる。ユーザが購入した前記コンテンツのダウンロードが完了した際,前記ダウンロード装置から前記プロバイダ装置にダウンロードの完了通知を送信する必要があるが,ユーザが購入済みの前記コンテンツを再ダウンロードした場合はダウンロードの完了通知を前記プロバイダ装置に送信する必要はなく,前記端末装置に送信するコンテンツが再ダウンロードである否かを前記キャッシュ装置側で判断できれば,ユーザが前記コンテンツを購入した際のダウンロードが行われたときのみ,前記キャッシュ装置が,ダウンロードが完了したことを前記ダウンロード装置に通知することができるようになる。
【0016】
更に,第3の発明は,コンテンツを販売しているサイトが運営されているプロバイダ装置と,前記サイトで販売されたコンテンツを前記端末装置に送信するキャッシュ装置と,前記サイトで販売している全ての前記コンテンツを管理しているダウンロード装置から少なくとも構成されるキャッシュシステムであって,前記プロバイダ装置は、前記コンテンツの購入に係わる課金処理が終了すると,前記コンテンツの販売履歴を生成し保持する販売手段と,ダウンロードの正当性検証要求を受信すると,ダウンロードの正当性検証要求で特定される前記販売履歴を用いてダウンロードの正当性を検証する正当性検証手段を備え,前記ダウンロード装置は,前記キャッシュ装置からダウンロード要求を受信すると,前記キャッシュ装置から受信したダウンロード要求に対するダウンロードの正当性検証要求を前記キャッシュ装置に送信し,正当性検証に成功したことを示す正当性検証結果が前記キャッシュ装置から送信されると,ダウンロード要求を受けた前記コンテンツを前記キャッシュ装置に配信する配信手段を備え,前記キャッシュ装置は,前記端末装置から前記コンテンツのダウンロード要求を受けると,前記ダウンロード要求された前記コンテンツを保持しているか確認し,ダウンロード要求された前記コンテンツを保持していない場合,前記サイトで販売している全ての前記コンテンツを管理している前記ダウンロード装置に前記端末装置から受けたダウンロード要求を転送し,前記ダウンロード装置からダウンロードの正当性検証要求を受信すると,前記ダウンロード装置から受信したダウンロードの正当性検証要求を前記プロバイダ装置に転送し,前記プロバイダ装置から受信した正当性検証結果を前記ダウンロード装置に送信する処理を行い,前記ダウンロード装置から配信された前記コンテンツを保持した後に前記端末装置へ送信し,ダウンロード要求された前記コンテンツを保持している場合,前記端末装置から受信したダウンロードの正当性検証要求を前記プロバイダ装置に送信し,正当性検証に成功したことを示す正当性検証結果が前記プロバイダ装置から送信されると,ダウンロード要求された前記コンテンツを前記端末装置へ送信する送信手段を備えていることを特徴とする。
【0017】
更に,第4の発明は,前記キャッシュ装置の前記送信手段は,前記端末装置から受信したダウンロード要求を保持していない場合,初期値のダウンロードフラグを付与してダウンロード要求を保持し,前記コンテンツの送信が完了し前記端末装置からダウンロード完了要求を受けると,前記端末装置から受けたダウンロード完了要求に対応するダウンロード要求を保持しているダウンロード要求の中から検索し,検索したダウンロード要求に付与された前記ダウンロードフラグの値が初期値であれば,前記コンテンツのダウンロード完了要求を前記ダウンロード装置に転送した後,ダウンロードに利用されたことを示す値に前記ダウンロードフラグを更新する手段で,前記ダウンロード装置は,ダウンロードの完了要求を前記キャッシュ装置から受けると,ダウンロードの完了要求に対応したダウンロードの完了通知を生成し前記プロバイダ装置に送信する完了通知生成手段を備えていることを特徴とする第3の発明に記載のキャッシュシステムである。
【0018】
更に,第5の発明は,コンテンツを販売しているサイトが運営されているプロバイダ装置と,前記サイトにアクセスルときに利用される端末装置と,前記サイトで販売されたコンテンツを端末装置に送信するキャッシュ装置と,前記サイトで販売している全ての前記コンテンツを管理しているダウンロード装置を利用したキャッシュ方法であって,前記キャッシュ装置が,前記コンテンツのダウンロード要求を前記端末装置から受信すると,ダウンロード要求された前記コンテンツを保持しているか確認するステップa,前記ステップaにおいて,ダウンロード要求された前記コンテンツを保持していない場合,前記キャッシュ装置が,前記サイトで販売している全ての前記コンテンツを管理している前記ダウンロード装置に前記端末装置から受けたダウンロード要求を転送するステップb1,前記ダウンロード装置が,前記キャッシュ装置から受信したダウンロード要求に対応するダウンロードの正当性検証要求を前記キャッシュ装置に送信するステップb2,前記キャッシュ装置が,前記ダウンロード装置から受信したダウンロードの正当性検証要求を前記プロバイダ装置に転送するステップb3,前記プロバイダ装置が,前記キャッシュ装置から受信したダウンロード要求の正当性検証要求で特定される前記販売履歴を用いて,ダウンロードの正当性を検証するステップb4,前記キャッシュ装置が,前記プロバイダ装置から受信した正当性検証結果を前記ダウンロード装置に転送するステップb5,前記ダウンロード装置が,前記キャッシュ装置から受信した正当性検証結果によって成功が示されるとき,ダウンロード要求された前記コンテンツを前記キャッシュ装置に配信するステップb6,前記キャッシュ装置が,前記ダウンロード装置から受信した前記コンテンツを保持した後に前記端末装置へ送信するステップb7が実行され,前記ステップaにおいて,ダウンロード要求された前記コンテンツを保持している場合,前記キャッシュ装置が,ダウンロードの正当性検証要求を前記プロバイダ装置に送信するステップc1,前記プロバイダ装置が,前記キャッシュ装置から受信したダウンロード要求の正当性検証要求で特定される前記販売履歴を用いて,ダウンロードの正当性を検証するステップc2,前記キャッシュ装置が,前記プロバイダ装置から受信した正当性検証結果によって成功が示されるとき,ダウンロード要求された前記コンテンツを前記端末装置へ送信するステップc3が実行されることを備えていることを特徴とするキャッシュ方法である。
【0019】
更に,第6の発明は,前記ステップaにおいて,前記キャッシュ装置は,前記端末装置から受けたダウンロード要求を保持していない場合,初期値のダウンロードフラグを付与してダウンロード要求を保持し,前記ステップb7または前記ステップcを実行した後,前記キャッシュ装置が,前記端末装置からダウンロード完了要求を受けると,前記端末装置から受けたダウンロード完了要求に対応するダウンロード要求を保持しているダウンロード要求の中から検索し,検索したダウンロード要求に付与された前記ダウンロードフラグの値が初期値であれば,前記コンテンツのダウンロード完了要求を前記ダウンロード装置に転送した後,ダウンロードに利用されたことを示す値に前記ダウンロードフラグを更新するステップdが実行されることを特徴とする第5の発明に記載のキャッシュ方法である。
【0020】
なお,第3の発明及び第4の発明はキャッシュシステムに係わる発明で,第3の発明及び第4の発明によれば,第1の発明及び第2の発明と同様の効果を得ることができる。また,第5の発明及び第6の発明はキャッシュ方法に係わる発明で,第5の発明から第6の発明によれば,第1の発明及び第2の発明と同様の効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0021】
このように,本発明によれば,端末装置から受信したダウンロード要求の正当性を検知できるキャッシュ装置,キャッシュシステム及びキャッシュ方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】キャッシュシステムの構成を説明する図。
【図2】サーバ装置に備えられたハードウェアを説明する図。
【図3】プロバイダ装置のブロック図。
【図4】ダウンロード装置のブロック図。
【図5】キャッシュ装置のブロック図。
【図6】コンテンツを販売するときに実行される処理の第1のフロー図。
【図7】コンテンツを販売するときに実行される処理の第2のフロー図。
【図8】コンテンツを販売するときに実行される処理の第3のフロー図。
【図9】コンテンツのリストを表示するウェブページを説明する図。
【図10】コンテンツの詳細を説明するウェブページを説明する図。
【図11】コンテンツの購入確認用のウェブページを説明する図。
【図12】ダウンロード用のウェブページを説明する図。
【図13】ダウンロード元のURIを説明する図。
【図14】コンテンツを再ダウンロードするときの手順を説明するフロー図。
【図15】購入履歴用のウェブページを説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
ここから,本発明の技術分野に係わる当業者が,本発明の内容を理解し,本願発明を実施できる程度に,本発明の実施形態について説明する。
【0024】
図1は,本実施形態におけるキャッシュシステム1の構成を説明する図である。図1で図示したキャッシュシステム1は,コンテンツを販売するシステム向けに開発されたシステムで,図1に図示したキャッシュシステム1には,少なくともインターネット14がネットワークとして含まれ,装置として,ユーザが所持する端末装置12と,動画,音楽,電子書籍等のコンテンツをインターネット14上で販売するための販売サイト(例えば,電子書籍サイト)が運営されているプロバイダ装置10と,プロバイダ装置10の販売サイトで販売されている全てのコンテンツを記憶している一台のダウンロード装置13と,端末装置12からのダウンロード要求をダウンロード装置13の代わりに受け取るキャッシュ装置11が含まれている。
【0025】
図1では,コンテンツを販売するシステムを多国(図1では,A国とB国)で展開する際のシステム構成を例示し,コンテンツを販売するシステムを多国で展開する際,複数のプロバイダ装置10が国毎に設けられ,国毎にキャッシュ装置11が設けられている。なお,ダウンロード装置13は,各国で共通の装置が1台のみ設けられている。
【0026】
図1で図示したキャッシュシステム1のキャッシュ装置11は,ダウンロード装置13の代理となる装置で,プロバイダ装置10で販売されたコンテンツのダウンロード要求は,コンテンツが販売された国のキャッシュ装置11に送信され,ダウンロード要求した端末装置12に対してキャッシュ装置11からコンテンツが送信されるように構成されている。
【0027】
図1で図示したキャッシュシステム1のように,ダウンロード装置13の負荷を分散させるために,ダウンロード装置13の代理となるキャッシュ装置11を設けると,コンテンツを販売したプロバイダ装置10を介さずに,ユーザが購入したコンテンツのダウンロード要求をキャッシュ装置11が受けることになるため,キャッシュ装置11側で受けたダウンロード要求の正当性をキャッシュ装置11側で検証できない問題点がある。
【0028】
この問題を解決する手法は様々考えられるが,図1で図示したキャッシュシステム1では,ダウンロード要求の正当性をプロバイダ装置10に問い合わせることで,ダウンロード要求した端末装置12の正当性を検証する。
【0029】
キャッシュ装置11は,端末装置12からダウンロード要求されたコンテンツをキャッシュしている場合,ダウンロード要求の正当性検証要求をプロバイダ装置10に行い,プロバイダ装置10から送信された正当性検証結果が成功の場合のみ,ダウンロード要求されたコンテンツをダウンロード要求した端末装置12に送信する。
【0030】
また,キャッシュ装置11は,端末装置12からダウンロード要求されたコンテンツをキャッシュしていない場合,キャッシュ装置11は,ダウンロード装置13の代理として機能できないため, 端末装置12から受けたダウンロード要求をダウンロード装置13に転送し,ダウンロード装置13から配信されたコンテンツをキャッシュすると共に,端末装置12へ送信する。
【0031】
なお,端末装置12からダウンロード要求されたコンテンツをキャッシュ装置11でキャッシュしていない場合,ダウンロード装置13が,キャッシュ装置11を介して,ダウンロード要求の正当性検証要求をプロバイダ装置10に行う。
【0032】
ここから,図1で図示したキャッシュシステム1を構成する各装置について説明する。キャッシュシステム1のユーザが利用する端末装置12としては,インターネット端末としての機能を備え,インターネット14上で公開されているウェブページを閲覧するためのコンピュータプログラム(ここでは,ブラウザ)が実装された汎用の装置を利用することができ,詳しくは,携帯電話,スマートフォン,パーソナルコンピュータなどの市販の装置を端末装置12として利用できる。
【0033】
キャッシュシステム1のプロバイダ装置10,キャッシュ装置11及びダウンロード装置13は,市販のサーバ装置を利用して実現されるサーバ装置で,市販のサーバ装置には,図2で図示したようなハードウェアが備えられていることが一般的である。
【0034】
図2は,プロバイダ装置10,キャッシュ装置11及びダウンロード装置13として利用されるサーバ装置2に備えられたハードウェアを説明する図である。
【0035】
市販のサーバ装置には,ハードウェアとして,CPU2a(CPU: Central Processing Unit)と、BIOSが実装されるROM2b(ROM: Read-Only Memory)と、コンピュータのメインメモリであるRAM2c(RAM: Random Access Memory)と、外部記憶装置として大容量のデータ記憶装置2d(例えば,ハードディスク)と,外部デバイスとデータ通信するための入出力インターフェース2eと、ネットワーク通信するためのネットワークインターフェース2fと、ディスプレイ2gと,文字入力デバイス2hと,ポインティングデバイス2iなどが備えられている。
【0036】
プロバイダ装置10として利用するサーバ装置2のデータ記憶装置2dには,本発明に係わるプロバイダ装置10として機能させるためのコンピュータプログラムが実装され,キャッシュ装置11として利用するサーバ装置2のデータ記憶装置2dには,本発明に係わるキャッシュ装置11として機能させるためのコンピュータプログラムが実装され,ダウンロード装置13として利用するサーバ装置2のデータ記憶装置2dには,本発明に係わるダウンロード装置13として機能させるためのコンピュータプログラムが実装されている。また,キャッシュ装置11やダウンロード装置13として利用されるサーバ装置2には,データ記憶装置2dに加え,数多くのコンテンツを記憶し,ダウンロード要求を受けてからコンテンツを送信できるまでの時間を短縮できるストレージシステムが接続されることが一般的である。
【0037】
図3は,キャッシュシステム1に含まれるプロバイダ装置10のブロック図である。図3に図示したように,コンテンツの販売サイトが運営されているプロバイダ装置10には,データベースとして,ユーザの販売履歴を記憶する販売履歴DB104と,コンピュータプログラムによって実現される機能として,コンテンツを販売する販売手段100と,端末装置12を操作するユーザを認証するユーザ認証手段101と,コンテンツの販売に係わる課金処理を実行する課金手段102と,ダウンロード要求の正当性検証要求をキャッシュ装置11から受けると,ダウンロード要求の正当性を確認する処理を実行し,ダウンロード要求の正当性検証結果をキャッシュ装置11に返信する正当性検証手段103が備えられている。
【0038】
プロバイダ装置10に備えられたユーザ認証手段101は,コンテンツを購入するユーザを認証する手段で,ユーザ認証の具体的な手法は任意でよいが,ユーザを識別するユーザID及びユーザの認証データ(例えば,パスワード)を入力するウェブページを端末装置12に表示させ,端末装置12から送信されたユーザIDと関連付けて記憶している参照データと,端末装置12から送信された認証データを照合する。
【0039】
また,プロバイダ装置10に備えられた課金手段102は,コンテンツの販売に係わる課金処理を実行する手段で,課金処理の具体的な手法は任意でよい。コンテンツの販売に係わる課金処理にクレジット決済が利用されるとき,プロバイダ装置10に備えられた課金手段102は,ユーザが入力したクレジット番号などの与信情報をクレジット会社のサーバに送信することで,ユーザが購入したコンテンツの決済を行う手段になる。また,コンテンツの販売に係わる課金処理に販売サイトのポイントが利用されるとき,プロバイダ装置10に備えられた課金手段102は,この時点で入力したユーザが所持しているポイント残高から,コンテンツの金額に対応するポイントを減算処理する手段になる。
【0040】
プロバイダ装置10に備えられた販売手段100は,ユーザから受けた操作に従い,端末装置12に表示させるウェブページを切り替えることで,ユーザに対してコンテンツを販売する手段である。
【0041】
プロバイダ装置10に備えられた販売手段100の詳細については,コンテンツを販売するときに実行される手順を追いながら説明するが,プロバイダ装置10の販売手段100は,コンテンツを販売する毎に,コンテンツの販売履歴を作成してダウンロード装置13に送信した後,ユーザ認証手段101が端末装置12から取得したユーザID及びユーザが利用した端末装置12の端末装置IDを付与して販売履歴DB104に記憶する手段である。
【0042】
プロバイダ装置10に備えられた正当性検証手段103は,プロバイダ装置10の正当性検証手段103が,正当性検証要求を受けたダウンロード要求の正当性を検証する内容は任意であるが,本実施形態では,正当性検証要求を受けたダウンロード要求に対応する販売履歴を販売履歴DB104から検索し,販売履歴の検索結果を利用して,正当性検証要求を受けたダウンロード要求の正当性を検証する。
【0043】
後述するように,キャッシュ装置11が端末装置12から受けるダウンロード要求には,ダウンロードするコンテンツを販売した販売サイトのサイトID,ダウンロードするコンテンツのコンテンツID及びダウンロード要求した端末装置12の端末装置IDが含まれ,プロバイダ装置10の正当性検証手段103は,ダウンロード要求に含まれるサイトIDが自サイトのサイトIDで,かつ,ダウンロード要求に含まれるコンテンツID及び端末装置IDを検索条件として販売履歴DB104から販売履歴が検索できたとき,正当性検証を成功とする。
【0044】
なお,プロバイダ装置10の販売手段100が販売履歴に課金情報を含ませるとき,プロバイダ装置10の正当性検証手段103は,検索した販売履歴に含まれる課金情報を参照し,ダウンロード要求の正当性検証の一項目に課金処理の正常終了を含ませることもできる。
【0045】
図4は,キャッシュシステム1に含まれるダウンロード装置13のブロック図である。図4に図示したように,コンテンツを複数記憶しているダウンロード装置13には,データベース(DB: DataBase)として,全てのプロバイダ装置10で取り扱われている全てのコンテンツを記憶したコンテンツDB131と,プロバイダ装置10から受信した販売履歴を記憶する販売履歴DB132と,プロバイダ装置10で運営されている販売サイトに係わる情報を記憶する販売サイトDB133が備えられ,コンピュータプログラムによって実現される機能として,キャッシュ装置11からダウンロード要求が転送されると,転送されたダウンロード要求に対応するダウンロードの正当性検証要求をキャッシュ装置11に送信し,キャッシュ装置11から受信したダウンロード要求の正当性検証結果に従い,配信要求されたコンテンツの送信を制御するコンテンツ配信手段130が備えられる。
【0046】
ダウンロード装置13に備えられたコンテンツDB131には,プロバイダ装置10で取り扱われている全てのコンテンツが,コンテンツの本体に加え,コンテンツの作者,出版者,税込み価格,コンテンツの識別子であるコンテンツID,コンテンツが送信可能か否かを示す情報などが属性情報として付加されて記憶される。
【0047】
また,ダウンロード装置13に備えられた販売履歴DB132には,プロバイダ装置10から送信された販売履歴が記憶される。
【0048】
ダウンロード装置13に備えられた販売サイトDB133には,プロバイダ装置10で運営されている販売サイトに係わる情報が販売サイト毎に記憶され,販売サイトに係わる情報には,販売サイトの識別子である販売サイトID,販売サイトのURI,販売サイトに対応するキャッシュ装置11のURIなどが含まれる。
【0049】
図5は,キャッシュシステム1に含まれるキャッシュ装置11のブロック図である。図5に図示したように,ダウンロード要求した端末装置12にコンテンツを送信するキャッシュ装置11には,データベースとして,端末装置12から受信したダウンロード要求を記憶するダウンロードDB112と,ダウンロード装置13から受信したコンテンツを記憶するキャッシュDB111と,プロバイダ装置10で運営されている販売サイトに係わる情報を記憶する販売サイトDB113が備えられ,コンピュータプログラムによって実現される機能として,コンテンツのダウンロード要求を端末装置12から受けると,ダウンロード要求されたコンテンツを端末装置12に送信するコンテンツ送信手段110が備えられる。
【0050】
キャッシュ装置11に備えられたキャッシュDB111には,ダウンロード装置13から受信したコンテンツが記憶され,キャッシュ装置11に備えられた販売サイトDB113の内容は,キャッシュ装置11に対応したプロバイダ装置10で運営されている販売サイトに係わる情報が記憶される。
【0051】
また,キャッシュ装置11に備えられたダウンロードDB112には,端末装置12から受信したダウンロード要求が記憶され,ダウンロードDB112に記憶するダウンロード要求には,コンテンツ送信手段110によってダウンロードフラグが付与される。
【0052】
ダウンロード要求にダウンロードフラグを付与することで,キャッシュ装置11は,ダウンロードフラグを参照することで,端末装置12に送信したコンテンツが再ダウンロードである否かをキャッシュ装置側11で判断できるようになる。
【0053】
ユーザが購入したコンテンツのダウンロードが完了した際,ダウンロード装置13からプロバイダ装置10にダウンロードの完了通知を送信する必要があるが,ユーザが購入済みのコンテンツを再ダウンロードした場合はダウンロードの完了通知をプロバイダ装置10に送信する必要はなく,端末装置12に送信するコンテンツが再ダウンロードであるか否かをキャッシュ装置11側で判断できれば,ユーザが前記コンテンツを購入した際のダウンロードが行われたときのみ,キャッシュ装置11が,ダウンロードが完了したことをダウンロード装置13に通知することができるようになる。
【0054】
ここから,コンテンツを販売するときに実行される処理を説明しながら,プロバイダ装置10に備えられた販売手段100,ダウンロード装置13に備えられたコンテンツ配信手段130,並びに,キャッシュ装置11に備えられたコンテンツ送信手段110を詳細に説明する。なお,コンテンツを販売するときに実行される処理の説明は,方法に係わる発明の説明も兼ねている。
【0055】
図6は,コンテンツを販売するときに実行される処理の第1のフロー図で,図7は,コンテンツを販売するときに実行される処理の第2のフロー図で,図8は,コンテンツを販売するときに実行される処理の第3のフロー図である。
【0056】
まず,図6で図示したフローについて説明する。ユーザが端末装置12上でブラウザを起動させ,プロバイダ装置10で運営されている販売サイトにアクセスすると(S1),プロバイダ装置10の販売手段100は,販売サイトで販売されているコンテンツを表示させるコンテンツ表示用のウェブページを端末装置12に送信する(S2)。
【0057】
図9は,コンテンツ表示用のウェブページに含まれ,販売サイトで販売されているコンテンツのリストを表示するウェブページ3aを説明する図である。図9では,コンテンツを電子書籍とし,図9に図示したように,コンテンツのリストを表示するウェブページ3aには,キーワードやジャンルによって検索するための検索ボタン3a1に加え,検索結果に含まれる一部のコンテンツのリスト3a2が表示され,コンテンツの概要を説明するテキスト3a3にコンテンツの詳細を説明するウェブページへのリンクが貼られている。
【0058】
ユーザが購入を希望するコンテンツ(ここでは,小説1)のテキスト3a3がブラウザ上でクリックされると,ブラウザで表示されるウェブページは,該テキストに貼られたリンク先にジャンプし,ユーザが購入を希望するコンテンツの詳細が記されたウェブページが端末装置12に表示される。
【0059】
図10は,コンテンツの詳細を説明するウェブページ3bを説明する図である。図10で図示したウェブページ3bには,ユーザによって選択されたコンテンツ(ここでは,小説1)の画像や詳細な説明文3b1に加え,コンテンツを購入する際にクリックするボタン3b2が表示されている。
【0060】
図10で図示したボタン3b2を表示するHTMLには,プロバイダ装置10のホスト名,コンテンツの購入に係わる処理を実行するプログラム名などが記述されたURIと,図10で表示されているコンテンツのコンテンツIDをプロバイダ装置10に引き渡すための要素が含まれている。
【0061】
図10で図示したボタン3b2がクリックされることで,引き渡されたコンテンツIDで特定されるコンテンツのコンテンツ購入要求が端末装置12からプロバイダ装置10に送信され(S3),該コンテンツ購入要求の内容には,少なくとも,コンテンツの購入に係わる処理を実行するプログラム名とユーザが購入するコンテンツのコンテンツIDが含まれる。
【0062】
プロバイダ装置10の販売手段100は,コンテンツ購入要求を端末装置12から受信すると,コンテンツの購入に係わる処理を開始し,まず,コンテンツの購入に係わる処理として,端末装置12から購入要求を受けたコンテンツのコンテンツ送信確認要求をダウンロード装置13に送信する(S4)。
【0063】
ここで,端末装置12から購入要求を受けたコンテンツの送信確認要求をするのは,販売サイトの運営者の都合に係わらず,コンテンツの制作者(例えば,出版社)側の都合でコンテンツの販売が停止になっていることがあるからである。
【0064】
なお,プロバイダ装置10がダウンロード装置13へ送信するコンテンツ送信確認要求の内容には,プロバイダ装置10で運営されている販売サイトのサイトID,コンテンツのコンテンツID,コンテンツのフォーマット,コンテンツの販売価格などが,プロバイダ装置10からキャッシュ装置11へ送信される。
【0065】
ダウンロード装置13のコンテンツ配信手段130は,コンテンツ送信確認要求をプロバイダ装置10から受信すると,コンテンツDB131を参照し,送信確認要求されたコンテンツが有効であるか否か確認し,コンテンツ送信確認要求を送信したプロバイダ装置10にコンテンツ送信確認結果を返信する(S5)。
【0066】
プロバイダ装置10の販売手段100は,ダウンロード装置13から受信したコンテンツ送信確認結果によって,コンテンツが有効であることが示されている場合,購入要求されたコンテンツの購入確認用のウェブページを動的に生成し,購入要求されたコンテンツの購入確認用のウェブページを端末装置12へ送信し(S6),コンテンツの購入確認用のウェブページが端末装置12のブラウザに表示される(S7)。
【0067】
図11は,コンテンツの購入確認用のウェブページ3cを説明する図である。図11で図示したコンテンツの購入確認用のウェブページ3cには,コンテンツのタイトル,販売価格など3c1に加え,コンテンツの購入の決定に利用されるボタン3c2と,コンテンツの購入のキャンセルに利用されるボタン3c3が表示されている。
【0068】
コンテンツの購入の決定に利用されるボタン3c2を表示するHTMLには,プロバイダ装置10のホスト名,コンテンツの購入に対する課金処理を実行するプログラム名などが記述されたURIと,コンテンツの購入確認用のウェブページ3cに表示されているコンテンツのコンテンツID及び端末装置12の端末装置IDをプロバイダ装置10に引き渡すための要素が含まれている。
【0069】
端末装置12の識別子である端末装置IDを取得する手法としては,プロバイダ装置10が端末装置12のブラウザに記憶させるクッキー(cookie)をパーソナルコンピュータに記憶させる手法あるが,端末装置12を携帯電話やスマートフォンとする場合,携帯電話やスマートフォンに実装されるUSIMに記憶されている個体識別番号を送信する属性を,コンテンツの購入の決定に利用されるボタン3c2を表示するHTMLに記述しておけばよい。
【0070】
図11で図示したボタン3c2がクリックされると,コンテンツ課金処理要求が端末装置12からプロバイダ装置10に送信され(S8),コンテンツ課金処理要求の内容には,少なくとも,コンテンツの購入に対する課金処理を実行するコンピュータプログラムの名称,コンテンツID及び端末装置IDが含まれる。
【0071】
コンテンツ課金処理要求を端末装置12から受けると,プロバイダ装置10の販売手段100は,まず,ユーザ認証手段101を作動させ,ユーザ認証手段101は,端末装置12を操作するユーザのユーザ認証に成功すると,プロバイダ装置10の課金手段102を作動させ,コンテンツの購入に対する課金処理を実行する(S9)。
【0072】
ユーザが購入を希望するコンテンツに対する課金処理が終了したことを課金手段102から受け取ると,プロバイダ装置10の販売手段100は,
・販売サイトの識別子であるサイトID
・コンテンツの識別子であるコンテンツID
・コンテンツの課金処理が終了したときの販売日時
・販売されたコンテンツの販売価格
などが含まれるコンテンツの販売履歴を生成し,生成した販売履歴をダウンロード装置13へ送信すると共に,ユーザ認証手段101がユーザ認証するとき端末装置12から取得したユーザID及び端末装置12から引き渡された端末装置IDを販売履歴に付与して,プロバイダ装置10の販売履歴DB104に記憶する。(S10)。
【0073】
ダウンロード装置13のコンテンツ配信手段130は,プロバイダ装置10から販売履歴及び端末装置IDが送信されると,販売履歴DB132に販売履歴を記憶し,販売履歴を記録したことをプロバイダ装置10に通知する(S11)。
【0074】
プロバイダ装置10の販売手段100は,ダウンロード装置13から,販売履歴を記録したことが通知されると,ユーザが購入したコンテンツのダウンロード元のURIを生成し,ダウンロード元のURIを含むダウンロード用のウェブページを動的に生成し,ダウンロード用のウェブページを端末装置12へ送信し(S12),ダウンロード用のウェブページが端末装置12のブラウザに表示される(S13)。
【0075】
図12は,ダウンロード用のウェブページを説明する図である。図12で図示したダウンロード用のウェブページ3dには,ユーザが購入したコンテンツの詳細内容3d1に加え,ユーザが購入したコンテンツを端末装置12にダウンロードさせるためのボタン3d2と,ユーザが購入したコンテンツのダウンロードをキャンセルするためのボタン3d3が含まれている。
【0076】
ユーザが購入したコンテンツを端末装置12にダウンロードさせるためのボタン3d2を表示するHTMLには,ユーザが購入したコンテンツのダウンロード元のURIと,端末装置12の端末装置IDをキャッシュ装置11に引き渡すための要素が含まれている。
【0077】
図13は,ユーザが購入したコンテンツのダウンロード元のURIを説明する図である。図13に図示したように,ユーザが購入したコンテンツのダウンロード元のURIには,httpを利用することを示すスキーム(http://)と,プロバイダ装置10に対応するキャッシュ装置11のホスト名(www.ChasheServer.xxx)と,コンテンツのダウンロード処理するコンピュータプログラム名(download),ダウンロード処理するプログラムに引き渡す変数として,ユーザがコンテンツを購入した販売サイトのサイトID(SiteID=XXXX),ユーザが購入したコンテンツのコンテンツID(ContentID=YYYYYYYY)が付加されている。
【0078】
図12で図示したボタン3d2がクリックされると,ユーザが購入したコンテンツのダウンロード要求が端末装置12からキャッシュ装置11に送信され(S14),ダウンロード要求の内容には,ダウンロード元のURIのパスに加え,ダウンロード要求した端末装置12の端末装置IDが含まれる。
【0079】
コンテンツのダウンロード要求を端末装置12から受けると,キャッシュ装置11のコンテンツ送信手段110は,端末装置12から受信したダウンロード要求をダウンロードDB112から検索する(S15)。
【0080】
ここでは,コンテンツの購入からのフローであるため,端末装置12から受信したダウンロード要求はダウンロードDB112に記憶されておらず,端末装置12から受信したダウンロード要求をダウンロードDB112から検索できないため,キャッシュ装置11のコンテンツ送信手段110は,ダウンロードフラグを初期値とし,端末装置12から受信したダウンロード要求をダウンロードDB112に記憶する(S16)。
【0081】
なお,端末装置12から受信したダウンロード要求をダウンロードDB112から検索できた場合,キャッシュ装置11のコンテンツ送信手段110は,再ダウンロードに係わる処理を実行するが,この処理については図14を参照しながら説明する。
【0082】
端末装置12から受信したダウンロード要求をダウンロードDB112から検索・記憶した後,キャッシュ装置11のコンテンツ送信手段110は,ダウンロード元のURIを分解して得られるコンテンツIDに対応するコンテンツをキャッシュDB111から検索し,この検索結果に応じて処理を分岐させる(S17)。
【0083】
キャッシュ装置11のコンテンツ送信手段110は,ダウンロード要求されたコンテンツがキャッシュDB111に記憶されておらず,検索できなかった場合は,「A」に進み,図7で図示したフローが実行される。また,ダウンロード要求されたコンテンツがキャッシュDB111に記憶されており,検索できた場合は,「B」に進み,図8で図示したフローが実行される。
【0084】
まず,図7を参照しながら,ダウンロード要求されたコンテンツがキャッシュ装置11のキャッシュDB111に記憶されていない場合に実行されるフローについて説明する。
【0085】
ダウンロード要求されたコンテンツがキャッシュ装置11のキャッシュDB111に記憶されていない場合,キャッシュ装置11は,端末装置12から受信したダウンロード要求の宛先をダウンロード装置13に変更することで,端末装置12から受信したダウンロード要求をダウンロード装置13に転送する(S18)。
【0086】
ダウンロード装置13のコンテンツ配信手段130は,ダウンロード要求がキャッシュ装置11から転送されると,キャッシュ装置11から転送されたダウンロード要求に対応するダウンロードの正当性検証要求をキャッシュ装置11に送信する(S19)。なお,ダウンロードの正当性検証要求には,ダウンロードの正当性を検証するプログラム名(ここでは,正当性検証手段103を作動させるプログラム名)に加え,ダウンロード要求に含まれるサイトID,コンテンツID及び端末装置IDが含まれる。
【0087】
キャッシュ装置11のコンテンツ送信手段110は,ダウンロード装置13からダウンロードの正当性検証要求を受信すると,販売サイトDB113を参照して,ダウンロードの正当性検証要求に含まれるサイトIDに対応するプロバイダ装置10を特定し,ダウンロードの正当性検証要求の宛先を特定したプロバイダ装置10に変更することで,ダウンロードの正当性検証要求をプロバイダ装置10に転送する(S20)。
【0088】
ダウンロードの正当性検証要求がキャッシュ装置11から転送されると,ダウンロードの正当性検証要求に含まれるサイトID及びコンテンツIDをパラメータとして,プロバイダ装置10の正当性検証手段103が作動し,キャッシュ装置11から送信された正当性検証要求の正当性を検証する処理を実行する(S21)。なお,プロバイダ装置10の正当性検証手段103の処理内容はすでに上述している。
【0089】
プロバイダ装置10の正当性検証手段103は,キャッシュ装置11から転送されたダウンロードの正当性検証要求に係わる処理が終了すると,ダウンロードの正当性検証要求を送信したキャッシュ装置11に対して,ダウンロードの正当性検証結果を送信する(S22)。なお,ダウンロードの正当性検証結果の内容には,正当性を検証したダウンロードの正当性検証要求に含まれるサイトID,コンテンツID及び端末装置IDに加え,正当性検証の結果を示すフラグが含まれる。
【0090】
キャッシュ装置11のコンテンツ送信手段110は,ダウンロードの正当性検証結果をプロバイダ装置10から受信すると,ダウンロードの正当性検証結果に含まれるコンテンツIDで特定されるコンテンツをキャッシュDB111から検索する(S23)。
【0091】
図7は,ダウンロードを要求されたコンテンツがキャッシュDB111にキャッシュされていない場合のフローで,ダウンロードの正当性検証結果に含まれるコンテンツIDで特定されるコンテンツはキャッシュDB111にキャッシュされていないため,ダウンロードの正当性検証結果に含まれるコンテンツIDで特定されるコンテンツをキャッシュDB111から検索できず,キャッシュ装置11のコンテンツ送信手段110は,プロバイダ装置10から受信したダウンロードの正当性検証結果の宛先をダウンロード装置13に変更することで,ダウンロードの正当性検証結果をダウンロード装置13に転送する(S24)。
【0092】
ダウンロード装置13のコンテンツ配信手段130は,キャッシュ装置11から受信したダウンロードの正当性検証結果で「成功」が示されている場合,キャッシュ装置11から受信した正当性検証結果に含まれるコンテンツIDで特定されるコンテンツをコンテンツDB131から検索し,検索したコンテンツをキャッシュ装置11に配信し(S25),キャッシュ装置11は,ダウンロード装置13から受信したコンテンツをキャッシュDB111にキャッシュする(S26)。なお,ダウンロード装置13は,キャッシュ装置11から受信したダウンロードの正当性検証結果で「失敗」が示されている場合,キャッシュ装置11にコンテンツを配信しない。
【0093】
キャッシュ装置11は,端末装置12からダウンロード要求を受けたコンテンツをダウンロード装置13から受信し,キャッシュ装置11は該コンテンツをキャッシュDB111にキャッシュした後,該コンテンツを端末装置12へ送信し(S27),該コンテンツが端末装置12にダウンロードされる(S28)。
【0094】
コンテンツのダウンロードが完了すると,端末装置12のブラウザの機能によって,該コンテンツのダウンロード完了要求がキャッシュ装置11に対して送信され(S29),このダウンロード完了要求の内容には,ダウンロードが終了したコンテンツのダウンロードURIのパスに加え,端末装置12の端末装置IDが含まれる。
【0095】
キャッシュ装置11のコンテンツ送信手段110は,端末装置12からダウンロード完了要求を受けると,ダウンロードDB112の中から,ダウンロード完了要求に対応するダウンロード要求を検索し,検索したダウンロード要求に付与されているダウンロードフラグの値が初期値であるか確認する(S30)。
【0096】
図7のフローでは,検索したダウンロード要求に付与されているダウンロードフラグの値は必ず初期値であるため,キャッシュ装置11のコンテンツ送信手段110は,検索したダウンロード要求に付与されているダウンロードフラグを,ダウンロードに利用されたことを示す値に更新する(S31)。
【0097】
キャッシュ装置11のコンテンツ送信手段110は,検索したダウンロード要求に付与されているダウンロードフラグを更新すると,端末装置12から受信したダウンロード完了要求の宛先をダウンロード装置13に変更することで,端末装置12から受信したダウンロード完了要求をダウンロード装置13に転送する(S32)。
【0098】
ダウンロード装置13は,ダウンロード完了要求をキャッシュ装置11から受けると,コンテンツのダウンロードが完了したことを示し,サイトID,コンテンツID,端末装置ID及びダウンロードの完了を示す情報などを含む完了通知を生成する(S33)。
【0099】
なお,ダウンロー装置14が,ダウンロードの完了通知を生成しプロバイダ装置10に送信するのは,ダウンロードの完了通知をプロバイダ装置10が受領した時点で,コンテンツの販売に係わる処理が終了となるからである。
【0100】
ダウンロード装置13はダウンロードの完了通知を生成すると,販売サイトDB133を利用して,ダウンロードの完了要求を転送したキャッシュ装置11に対応するプロバイダ装置10を特定し,特定したプロバイダ装置10へダウンロードの完了通知を送信し(S34),プロバイダ装置10がダウンロードの完了通知を受理すると(S35),図7で図示した手順は終了する。
【0101】
次に,図8を参照しながら,ダウンロード要求されたコンテンツがキャッシュ装置11のキャッシュDB111に記憶されている場合に実行されるフローについて説明する。
【0102】
ダウンロード要求されたコンテンツがキャッシュ装置11のキャッシュDB111に記憶されている場合,キャッシュ装置11のコンテンツ送信手段110は,ダウンロード装置13にダウンロード要求を転送することなく,端末装置12から受信したダウンロード要求に対応するダウンロードの正当性検証要求を,キャッシュ装置11に対応するプロバイダ装置10へ送信する(S40)。
【0103】
ダウンロードの正当性検証要求がキャッシュ装置11からプロバイダ装置10に送信されると,プロバイダ装置10の正当性検証手段103が作動し,ダウンロードの正当性を検証する処理を実行する(S41)。
【0104】
プロバイダ装置10の正当性検証手段103は,キャッシュ装置11から送信されたダウンロードの正当性検証要求に係わる処理が終了すると,ダウンロードの正当性検証要求を送信したキャッシュ装置11に対してダウンロードの正当性検証結果を送信する(S42)。
【0105】
キャッシュ装置11のコンテンツ送信手段110は,ダウンロードの正当性検証結果をプロバイダ装置10から受信すると,ダウンロードの正当性検証結果に含まれるコンテンツIDで特定されるコンテンツをキャッシュDB111から検索する(S43)。
【0106】
図8は,ダウンロードを要求されたコンテンツがキャッシュDB111にキャッシュされている場合のフローで,ダウンロードの正当性検証結果に含まれるコンテンツIDで特定されるコンテンツはキャッシュDB111にキャッシュされているため,ダウンロードの正当性検証結果に含まれるコンテンツIDで特定されるコンテンツをキャッシュDB111から検索でき,キャッシュ装置11のコンテンツ送信手段110は,プロバイダ装置10から受信したダウンロードの正当性検証結果で「成功」が示されている場合のみ,検索したコンテンツを,ダウンロード要求を送信した端末装置12に送信する(S44)。なお,キャッシュ装置11は,プロバイダ装置10から受信したダウンロードの正当性検証結果で「失敗」が示されている場合,端末装置12にコンテンツを配信しない。
【0107】
図7で図示したフローと同様に,キャッシュ装置11のコンテンツ送信手段110が,ダウンロード要求を受けたコンテンツを端末装置12へ送信することで,該コンテンツが端末装置12にダウンロードされ(S45),コンテンツのダウンロードが完了すると,端末装置12のブラウザの機能によって,該コンテンツのダウンロード完了要求がキャッシュ装置11に対して送信される(S46)。
【0108】
キャッシュ装置11のコンテンツ送信手段110は,端末装置12からダウンロード完了要求を受けると,ダウンロードDB112の中から,ダウンロード完了要求に対応するダウンロード要求を検索し,検索したダウンロード要求に付与されているダウンロードフラグの値が初期値であるか確認する(S47)。
【0109】
図8のフローは,コンテンツが販売されたときに実行されるフローで,図8のフローでは,検索したダウンロード要求に付与されているダウンロードフラグの値は必ず初期であるため,キャッシュ装置11のコンテンツ送信手段110は,検索したダウンロード要求に付与されているダウンロードフラグを,ダウンロードに利用されたことを示す値に更新する(S48)。
【0110】
キャッシュ装置11のコンテンツ送信手段110は,検索したダウンロード要求に付与されているダウンロードフラグを更新すると,端末装置12から受信したダウンロード完了要求の宛先をダウンロード装置13に変更することで,ダウンロード装置13にダウンロード完了要求を転送する(S49)。
【0111】
ダウンロード装置13は,ダウンロードの完了通知要求をキャッシュ装置11から受けると,ダウンロードの完了通知を生成する(S50)。
【0112】
ダウンロード装置13はダウンロードの完了通知を生成すると,販売サイトDB133を利用して,ダウンロード完了要求を転送したキャッシュ装置11に対応するプロバイダ装置10を特定し,特定したプロバイダ装置10へダウンロードの完了通知を送信し(S51),プロバイダ装置10がダウンロードの完了通知を受理すると(S52),図8で図示した手順は終了する。
【0113】
次に,図14を参照しながら,ユーザが購入したコンテンツを再ダウンロードするときの手順について説明する。図14は,コンテンツを再ダウンロードするときの手順を説明するフロー図で,本発明では,ユーザが購入したコンテンツを再ダウンロードしたとき,キャッシュ装置11からダウンロード装置13にダウンロード完了通知要求は行われず,ダウンロード装置13はダウンロードの完了通知を生成・送信しない。
【0114】
ユーザが端末装置12上で起動しているブラウザを操作し,プロバイダ装置10で運営されている販売サイトにアクセスし,ユーザ認証した後に再ダウンロードページにアクセスすることで再ダウンロード要求すると(S60),プロバイダ装置10の販売手段100は,ユーザが販売サイトで購入したコンテンツの履歴を表示する購入履歴用のウェブページを端末装置12に送信し(S61),端末装置12のブラウザ上に購入履歴用のウェブページが表示される(S62)。
【0115】
図15は,購入履歴用のウェブページを説明する図である。図15では,コンテンツを電子書籍とし,図15に図示したように,購入履歴用のウェブページ3eには,ユーザが購入したコンテンツのリスト3e1が表示され,コンテンツの概要を説明するテキスト3e2に,コンテンツをダウンロードするときのダウンロード元のURIと,端末装置12の端末装置IDをキャッシュ装置11に引き渡すための要素が含まれている。なお,コンテンツをダウンロードするときのダウンロード元のURIの内容は,上述した内容と同じである。
【0116】
図15で図示したテキスト3e2の一つがクリックされると,コンテンツのダウンロード要求が端末装置12からキャッシュ装置11に送信され(S63),ダウンロード要求の内容には,ダウンロード元のURIのパスに加え,ダウンロード要求した端末装置12の端末装置IDが含まれる。
【0117】
コンテンツの再ダウンロード要求を端末装置12から受信すると,キャッシュ装置11のコンテンツ送信手段110は,端末装置12から受信したダウンロード要求をダウンロードDB112から検索する(S64)。なお,ここでは,コンテンツの再ダウンロードのフローであるため,端末装置12から受信したダウンロード要求はダウンロードDB112に記憶されている。
【0118】
次に,キャッシュ装置11のコンテンツ送信手段110は,ダウンロード元のURIのパスを分解して得られるコンテンツIDに対応するコンテンツをキャッシュDB111から検索する(S65)。なお,ここでは,ダウンロード要求されたコンテンツを再ダウンロードするときなので,コンテンツはキャッシュDB111にキャッシュされている。
【0119】
ダウンロード要求されたコンテンツがキャッシュ装置11のキャッシュDB111に記憶されている場合,キャッシュ装置11のコンテンツ送信手段110は,端末装置12から受信したダウンロード要求に対応するダウンロードの正当性検証要求を,キャッシュ装置11に対応するプロバイダ装置10へ送信する(S66)。
【0120】
正当性検証要求がキャッシュ装置11からプロバイダ装置10に送信されると,正当性検証要求をパラメータとして,プロバイダ装置10の正当性検証手段103が作動し,正当性検証要求の正当性を検証する処理を実行する(S67)。
【0121】
プロバイダ装置10の正当性検証手段103は,キャッシュ装置11から送信されたダウンロードの正当性検証が終了すると,ダウンロードの正当性検証要求を送信したキャッシュ装置11に対してダウンロードの正当性検証結果を送信する(S68)。
【0122】
キャッシュ装置11のコンテンツ送信手段110は,ダウンロードの正当性検証結果をプロバイダ装置10から受信すると,ダウンロードの正当性検証結果に含まれるコンテンツIDで特定されるコンテンツをキャッシュDB111から検索する(S69)。
【0123】
図14は,再ダウンロードに係わるフローで,ダウンロードの正当性検証結果に含まれるコンテンツIDで特定されるコンテンツはキャッシュDB111にキャッシュされているため,ダウンロードの正当性検証結果に含まれるコンテンツIDで特定されるコンテンツをキャッシュDB111から検索でき,キャッシュ装置11のコンテンツ送信手段110は,プロバイダ装置10から受信したダウンロードの正当性検証結果で「成功」が示されている場合のみ,検索したコンテンツを,ダウンロード要求を送信した端末装置12に送信する(S70)。なお,キャッシュ装置11は,プロバイダ装置10から受信したダウンロードの正当性検証結果で「失敗」が示されている場合,端末装置12にコンテンツを配信しない。
【0124】
図7で図示したフローと同様に,キャッシュ装置11のコンテンツ送信手段110が,ダウンロード要求を受けたコンテンツを端末装置12へ送信することで,該コンテンツが端末装置12にダウンロードされ(S71),コンテンツのダウンロードが完了すると,端末装置12のブラウザの機能によって,該コンテンツのダウンロード完了要求がキャッシュ装置11に対して送信される(S72)。
【0125】
キャッシュ装置11のコンテンツ送信手段110は,端末装置12からダウンロード完了要求を受けると,ダウンロードDB112の中から,ダウンロード完了要求に対応するダウンロード要求を検索し,検索したダウンロード要求に付与されているダウンロードフラグの値が初期値であるか確認する(S73)。
【0126】
図14の処理では,ユーザが購入したコンテンツを再ダウンロードするため,検索したダウンロード要求に付与されているダウンロードフラグは,初期値ではなく,ダウンロードに利用されたこを示す値に更新されているため,キャッシュ装置11はダウンロード完了要求をダウンロード装置13に転送することなく,この手順を終了する。
【符号の説明】
【0127】
1 コンテンツダウンロードシステム
10 プロバイダ装置
100 販売手段
101 ユーザ認証手段
102 課金手段
103 正当性検証手段
104 販売履歴DB
11 キャッシュ装置
110 コンテンツ送信手段
111 キャッシュDB
112 ダウンロードDB
113 販売サイトDB
12 端末装置
13 ダウンロード装置
130 コンテンツ配信手段
131 コンテンツDB
132 販売履歴DB
133 販売サイトDB
14 インターネット


【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロバイダ装置で運営されているサイトで販売されたコンテンツを端末装置に送信するキャッシュ装置であって,
前記端末装置から前記コンテンツのダウンロード要求を受信すると,ダウンロード要求された前記コンテンツを保持しているか確認し,
ダウンロード要求された前記コンテンツを保持していない場合,前記サイトで販売している全ての前記コンテンツを管理している前記ダウンロード装置に前記端末装置から受信したダウンロード要求を転送し,ダウンロードの正当性検証要求を前記ダウンロード装置から受信すると,前記ダウンロード装置から受信したダウンロードの正当性検証要求を前記プロバイダ装置に転送し,前記プロバイダ装置から受信した正当性検証結果を前記ダウンロード装置に送信する処理を行い,前記ダウンロード装置から配信された前記コンテンツを保持した後に前記端末装置へ送信し,
ダウンロード要求された前記コンテンツを保持している場合,前記端末装置から受信したダウンロードの正当性検証要求を前記プロバイダ装置に送信し,正当性検証に成功したことを示す正当性検証結果が前記プロバイダ装置から送信されると,ダウンロード要求された前記コンテンツを前記端末装置へ送信する送信手段を備えていることを特徴とするキャッシュ装置。
【請求項2】
前記送信手段は,前記端末装置から受信したダウンロード要求を保持していない場合,初期値のダウンロードフラグを付与してダウンロード要求を保持し,前記コンテンツの送信が完了し前記端末装置からダウンロード完了要求を受けると,前記端末装置から受けたダウンロード完了要求に対応するダウンロード要求を保持しているダウンロード要求の中から検索し,検索したダウンロード要求に付与された前記ダウンロードフラグの値が初期値であれば,前記コンテンツのダウンロード完了要求を前記ダウンロード装置に転送し,ダウンロードに利用されたことを示す値に前記ダウンロードフラグを更新することを特徴とする,請求項1に記載のキャッシュ装置。
【請求項3】
コンテンツを販売しているサイトが運営されているプロバイダ装置と,前記サイトで販売されたコンテンツを前記端末装置に送信するキャッシュ装置と,前記サイトで販売している全ての前記コンテンツを管理しているダウンロード装置から少なくとも構成されるキャッシュシステムであって,
前記プロバイダ装置は、前記コンテンツの購入に係わる課金処理が終了すると,前記コンテンツの販売履歴を生成し保持する販売手段と,ダウンロードの正当性検証要求を受信すると,ダウンロードの正当性検証要求で特定される前記販売履歴を用いてダウンロードの正当性を検証する正当性検証手段を備え,
前記ダウンロード装置は,前記キャッシュ装置からダウンロード要求を受信すると,前記キャッシュ装置から受信したダウンロード要求に対するダウンロードの正当性検証要求を前記キャッシュ装置に送信し,正当性検証に成功したことを示す正当性検証結果が前記キャッシュ装置から送信されると,ダウンロード要求を受けた前記コンテンツを前記キャッシュ装置に配信する配信手段を備え,
前記キャッシュ装置は,前記端末装置から前記コンテンツのダウンロード要求を受けると,前記ダウンロード要求された前記コンテンツを保持しているか確認し,ダウンロード要求された前記コンテンツを保持していない場合,前記サイトで販売している全ての前記コンテンツを管理している前記ダウンロード装置に前記端末装置から受けたダウンロード要求を転送し,前記ダウンロード装置からダウンロードの正当性検証要求を受信すると,前記ダウンロード装置から受信したダウンロードの正当性検証要求を前記プロバイダ装置に転送し,前記プロバイダ装置から受信した正当性検証結果を前記ダウンロード装置に送信する処理を行い,前記ダウンロード装置から配信された前記コンテンツを保持した後に前記端末装置へ送信し,ダウンロード要求された前記コンテンツを保持している場合,前記端末装置から受信したダウンロードの正当性検証要求を前記プロバイダ装置に送信し,正当性検証に成功したことを示す正当性検証結果が前記プロバイダ装置から送信されると,ダウンロード要求された前記コンテンツを前記端末装置へ送信する送信手段を備えていることを特徴とするキャッシシステム。
【請求項4】
前記キャッシュ装置の前記送信手段は,前記端末装置から受信したダウンロード要求を保持していない場合,初期値のダウンロードフラグを付与してダウンロード要求を保持し,前記コンテンツの送信が完了し前記端末装置からダウンロード完了要求を受けると,前記端末装置から受けたダウンロード完了要求に対応するダウンロード要求を保持しているダウンロード要求の中から検索し,検索したダウンロード要求に付与された前記ダウンロードフラグの値が初期値であれば,前記コンテンツのダウンロード完了要求を前記ダウンロード装置に転送した後,ダウンロードに利用されたことを示す値に前記ダウンロードフラグを更新する手段で,
前記ダウンロード装置は,ダウンロードの完了要求を前記キャッシュ装置から受けると,ダウンロードの完了要求に対応したダウンロードの完了通知を生成し前記プロバイダ装置に送信する完了通知生成手段を備えていることを特徴とする,請求項3に記載のキャッシュシステム。
【請求項5】
コンテンツを販売しているサイトが運営されているプロバイダ装置と,前記サイトにアクセスルときに利用される端末装置と,前記サイトで販売されたコンテンツを端末装置に送信するキャッシュ装置と,前記サイトで販売している全ての前記コンテンツを管理しているダウンロード装置を利用したキャッシュ方法であって,
前記キャッシュ装置が,前記コンテンツのダウンロード要求を前記端末装置から受信すると,ダウンロード要求された前記コンテンツを保持しているか確認するステップa,
前記ステップaにおいて,ダウンロード要求された前記コンテンツを保持していない場合,
前記キャッシュ装置が,前記サイトで販売している全ての前記コンテンツを管理している前記ダウンロード装置に前記端末装置から受けたダウンロード要求を転送するステップb1,前記ダウンロード装置が,前記キャッシュ装置から受信したダウンロード要求に対応するダウンロードの正当性検証要求を前記キャッシュ装置に送信するステップb2,前記キャッシュ装置が,前記ダウンロード装置から受信したダウンロードの正当性検証要求を前記プロバイダ装置に転送するステップb3,前記プロバイダ装置が,前記キャッシュ装置から受信したダウンロード要求の正当性検証要求で特定される前記販売履歴を用いて,ダウンロードの正当性を検証するステップb4,前記キャッシュ装置が,前記プロバイダ装置から受信した正当性検証結果を前記ダウンロード装置に転送するステップb5,前記ダウンロード装置が,前記キャッシュ装置から受信した正当性検証結果によって成功が示されるとき,ダウンロード要求された前記コンテンツを前記キャッシュ装置に配信するステップb6,前記キャッシュ装置が,前記ダウンロード装置から受信した前記コンテンツを保持した後に前記端末装置へ送信するステップb7が実行され,
前記ステップaにおいて,ダウンロード要求された前記コンテンツを保持している場合,
前記キャッシュ装置が,ダウンロードの正当性検証要求を前記プロバイダ装置に送信するステップc1,前記プロバイダ装置が,前記キャッシュ装置から受信したダウンロード要求の正当性検証要求で特定される前記販売履歴を用いて,ダウンロードの正当性を検証するステップc2,前記キャッシュ装置が,前記プロバイダ装置から受信した正当性検証結果によって成功が示されるとき,ダウンロード要求された前記コンテンツを前記端末装置へ送信するステップc3が実行される,
ことを備えていることを特徴とするキャッシュ方法。
【請求項6】
前記ステップaにおいて,前記キャッシュ装置は,前記端末装置から受けたダウンロード要求を保持していない場合,初期値のダウンロードフラグを付与してダウンロード要求を保持し,
前記ステップb7または前記ステップcを実行した後,前記キャッシュ装置が,前記端末装置からダウンロード完了要求を受けると,前記端末装置から受けたダウンロード完了要求に対応するダウンロード要求を保持しているダウンロード要求の中から検索し,検索したダウンロード要求に付与された前記ダウンロードフラグの値が初期値であれば,前記コンテンツのダウンロード完了要求を前記ダウンロード装置に転送した後,ダウンロードに利用されたことを示す値に前記ダウンロードフラグを更新するステップdが実行されることを特徴とする,請求項5に記載のキャッシュ方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−123614(P2011−123614A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−279755(P2009−279755)
【出願日】平成21年12月9日(2009.12.9)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】