説明

キャリブレーション状態確認装置、キャリブレーション制御装置、キャリブレーション状態確認方法及びキャリブレーション制御方法

【課題】簡易な手法で表示装置が正確にキャリブレーションされているか否かを確認する。
【解決手段】表示装置のキャリブレーション状態確認装置においてキャリブレーション間隔設定時間を表示装置の種類に応じて予め設定する設定手段と、使用時間累積測定手段と、キャリブレーション間隔設定時間を経過したか否かの判断手段と、経過したと判断した場合に三原色RGBの階調値の組み合わせにより明るさ及び色が均一に指定された均一パターンを生成する均一パターン生成手段と、三原色RGBがそれぞれ最小階調値をもつ第1副領域と、三原色RGBがそれぞれ最大階調値をもつ第2副領域とを所定の面積比で混在させた参照パターン生成手段と、表示装置の画面上に第1領域と第2領域とによって構成されるテストパターンを定義し、第1領域内には均一パターンを、第2領域内には参照パターンを、テストパターンとして表示させるよう制御する表示制御手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャリブレーション状態確認装置等に関し、さらに具体的には所定の表示装置が正確にキャリブレーションされているか否かを確認することができるキャリブレーション状態確認装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スキャナ、デジタルカメラ等の入力装置、モニタ等の表示装置、プリンタ等の出力装置において表現される画像の色・階調再現特性を、どのデバイスで表現しても同一にするために、カラーマネジメントという技術が一般的に用いられている。当該カラーマネジメントでは、デバイスを所定の状態にキャリブレーションし、その特性をファイルに記述する方法が一般的である。また、ICC(International Color Consortium)という団体が、カラーマネジメントの標準化を進めており、ICCの提唱するカラーマネジメントでは、特性ファイルのことをプロファイルと呼ぶ。
【0003】
ここで特に、モニタ等の表示装置のキャリブレーション手法としては、例えば、特許文献1に記載のような方法が知られており、表示装置のキャリブレーションを行うことによって、正確な色で画像を表示装置に表示することが可能となる。
【特許文献1】特開2000−29444号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、表示装置を利用する利用者が実際に表示装置を使用する際、その表示装置がキャリブレーションされているかを知ることは困難であるという問題が生じていた。また、表示装置がキャリブレーションされていたとしても、表示装置を長時間使用すると、経時変化による劣化によって、階調再現特性が変化するため、使用時に正確にキャリブレーションされているとは限らず、表示装置上に表示された画像の色が正確なものであるという保障がないということが問題となっていた。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、簡易な手法で、表示装置が正確にキャリブレーションされているか否かを確認することができるキャリブレーション状態確認装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、表示装置のキャリブレーション状態を確認するキャリブレーション状態確認装置において、前記キャリブレーションを実行してから次回前記キャリブレーションを実行するまでの時間としてのキャリブレーション間隔設定時間を、前記表示装置の種類に応じて予め設定指示される設定手段と、前記表示装置の使用時間を累積測定する使用時間累積測定手段と、前記表示装置の使用時間が、前記予め設定指示されたキャリブレーション間隔設定時間を経過したか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により前記表示装置の使用時間が前記予め設定指示されたキャリブレーション間隔設定時間を経過したと判断した場合に、三原色RGBの階調値の組み合わせにより明るさ及び色が均一に指定された均一パターンを生成する均一パターン生成手段と、原色RGBがそれぞれ最小階調値をもつ第1副領域と、三原色RGBがそれぞれ最大階調値をもつ第2副領域と、を所定の面積比で混在させた参照パターンを生成する参照パターン生成手段と、前記表示装置の画面上に前記第1領域と前記第2領域とによって構成されるテストパターンを定義し、前記第1領域内には前記均一パターンを、前記第2領域内には前記参照パターンを、前記テストパターンとして表示させるよう制御する表示制御手段と、を有すること特徴とする。
【0007】
これによれば、表示装置の使用時間がキャリブレーション間隔設定時間を経過した場合にテストパターンを表示させることにより、定期的に表示装置のキャリブレーション状態を確認できるため、表示装置が正確にキャリブレーションされているか否かを確認することができる。よって、表示装置のキャリブレーション状態を正確に維持することが可能となる。
【0008】
また、表示装置の種類に応じてキャリブレーション間隔設定時間が設定できるため、表示装置の種類に応じてキャリブレーション状態を正確に維持することができる。
【0009】
上記課題を解決するための請求項2に記載の発明は、表示装置のキャリブレーション状態を確認するキャリブレーション状態確認装置において、前記表示装置がネットワークを介して所定の画像を受信して前記画像を表示した場合に、三原色RGBの階調値の組み合わせにより明るさ及び色が均一に指定された均一パターンを生成する均一パターン生成手段と、三原色RGBがそれぞれ最小階調値をもつ第1副領域と、三原色RGBがそれぞれ最大階調値をもつ第2副領域と、を所定の面積比で混在させた参照パターンを生成する参照パターン生成手段と、前記表示装置の画面上に前記第1領域と前記第2領域とによって構成されるテストパターンを定義し、前記第1領域内には前記均一パターンを、前記第2領域内には前記参照パターンを、前記テストパターンとして表示させるよう制御する表示制御手段と、を有すること特徴とする。
【0010】
これによれば、表示装置がネットワークを介して所定の画像を受信して画像を表示した場合に、テストパターンを作成し、作成されたテストパターンを表示装置の表示部に表示させることによって、表示装置がネットワークを介して所定の画像を受信して画像を表示したタイミングで、商品の色が表示装置上で正確に表現されているか否か(表示装置が正確にキャリブレーションされているか否か)を確認することができる。よって、商品の色が表示装置上で正確に表現されているか否かを確認することができる。
【0011】
上記課題を解決するための請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のキャリブレーション状態確認装置において、前記キャリブレーションを実行してから次回前記キャリブレーションを実行するまでの時間としてのキャリブレーション間隔設定時間を、前記表示装置の種類に応じて予め設定指示される設定手段と、前記表示装置の使用時間を累積測定する使用時間累積測定手段と、前記表示装置の使用時間が、前記予め設定指示されたキャリブレーション間隔設定時間を経過したか否かを判断する判断手段と、を更に有することを特徴とする。
【0012】
これによれば、表示装置の使用時間が予め表示装置の種類に応じて設定されたキャリブレーション間隔設定時間を経過し、かつ、表示装置がネットワークを介して所定の画像を受信して画像を表示した場合に、テストパターンを作成し、作成されたテストパターンを表示装置に表示させることによって、表示装置の種類に応じて定期的に表示装置が正確にキャリブレーションされているか否かを確認することができることに加えて、表示装置がネットワークを介して所定の画像を受信して画像を表示したタイミングで、商品の色が表示装置上で正確に表現されているか否か(表示装置が正確にキャリブレーションされているか否か)を確認することができる。よって、商品の色が表示装置上で正確に表現されているか否かを確認することができる。
【0013】
上記課題を解決するための請求項4に記載の発明は、請求項1又は請求項3に記載のキャリブレーション状態確認装置において、前記使用時間累積測定手段は、前記表示装置に具備された照明手段が点灯状態の場合には、前記使用時間を累積測定することを特徴とする。
【0014】
これによれば、表示装置の種類に応じて照明手段が点灯状態にある場合に使用時間累積測定手段により使用時間を累積測定するか否かを設定することができるため、表示装置の種類に応じて正確にキャリブレーション状態を維持することができる。
【0015】
上記課題を解決するための請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の表示装置のキャリブレーション状態確認装置を含むキャリブレーション制御装置において、前記表示制御手段により前記表示装置の画面上に表示された前記テストパターンを目視する利用者により、前記第1領域と前記第2領域との明るさ及び色が一致してないと入力指示された場合に、前記表示装置のキャリブレーション制御を実行するキャリブレーション実行手段を更に有することを特徴とする。
【0016】
これによれば、表示装置の使用時間がキャリブレーション間隔設定間隔を経過した場合にテストパターンを表示させることにより、定期的に表示装置のキャリブレーション状態を確認できるため、表示装置が正確にキャリブレーションされているか否かを確認することができ、正確にキャリブレーションされていないと判断された場合には、更に、正確な表示装置のキャリブレーション状態を維持するためにキャリブレーションを実行することができるため、表示装置を正確な表示装置のキャリブレーション状態を維持することが可能となる。
【0017】
上記課題を解決するための請求項6に記載の発明は、表示装置のキャリブレーション状態を確認するキャリブレーション状態確認方法において、前記キャリブレーションを実行してから次回前記キャリブレーションを実行するまでの時間としてのキャリブレーション間隔設定時間を、前記表示装置の種類に応じて予め設定指示される設定工程と、前記表示装置の使用時間を累積測定する使用時間累積測定工程と、前記表示装置の使用時間が、前記予め設定指示されたキャリブレーション間隔設定時間を経過したか否かを判断する判断工程と、前記判断工程により前記表示装置の使用時間が前記予め設定指示されたキャリブレーション間隔設定時間を経過したと判断した場合に、三原色RGBの階調値の組み合わせにより明るさ及び色が均一に指定された均一パターンを生成する均一パターン生成工程と、三原色RGBがそれぞれ最小階調値をもつ第1副領域と、三原色RGBがそれぞれ最大階調値をもつ第2副領域と、を所定の面積比で混在させた参照パターンを生成する参照パターン生成工程と、前記表示装置の画面上に前記第1領域と前記第2領域とによって構成されるテストパターンを定義し、前記第1領域内には前記均一パターンを、前記第2領域内には前記参照パターンを、前記テストパターンとして表示させるよう制御する表示制御工程と、を有すること特徴とする。
【0018】
これによれば、表示装置の使用時間がキャリブレーション間隔設定時間を経過した場合にテストパターンを表示させることにより、定期的に表示装置のキャリブレーション状態を確認できるため、表示装置が正確にキャリブレーションされているか否かを確認することができる。よって、表示装置のキャリブレーション状態を正確に維持することが可能となる。
【0019】
また、表示装置の種類に応じてキャリブレーション間隔設定時間が設定できるため、表示装置の種類に応じてキャリブレーション状態を正確に維持することができる。
【0020】
上記課題を解決するための請求項7に記載の発明は、表示装置のキャリブレーション状態を確認するキャリブレーション状態確認方法において、前記表示装置がネットワークを介して所定の画像を受信して前記画像を表示した場合に、三原色RGBの階調値の組み合わせにより明るさ及び色が均一に指定された均一パターンを生成する均一パターン生成工程と、三原色RGBがそれぞれ最小階調値をもつ第1副領域と、三原色RGBがそれぞれ最大階調値をもつ第2副領域と、を所定の面積比で混在させた参照パターンを生成する参照パターン生成工程と、前記表示装置の画面上に前記第1領域と前記第2領域とによって構成されるテストパターンを定義し、前記第1領域内には前記均一パターンを、前記第2領域内には前記参照パターンを、前記テストパターンとして表示させるよう制御する表示制御工程と、を有すること特徴とする。
【0021】
これによれば、表示装置がネットワークを介して所定の画像を受信して画像を表示した場合に、テストパターンを作成し、作成されたテストパターンを表示装置に表示させることによって、表示装置がネットワークを介して所定の画像を受信して画像を表示したタイミングで、商品の色が表示装置上で正確に表現されているか否か(表示装置が正確にキャリブレーションされているか否か)を確認することができる。よって、商品の色が表示装置上で正確に表現されているか否かを確認した後に商品を購入することができる。
【0022】
上記課題を解決するための請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のキャリブレーション状態確認方法において、前記キャリブレーションを実行してから次回前記キャリブレーションを実行するまでの時間としてのキャリブレーション間隔設定時間を、前記表示装置の種類に応じて予め設定指示される設定工程と、前記表示装置の使用時間を累積測定する使用時間累積測定工程と、前記表示装置の使用時間が、前記予め設定指示されたキャリブレーション間隔設定時間を経過したか否かを判断する判断工程と、を更に有することを特徴とする。
【0023】
これによれば、表示装置の使用時間が予め表示装置の種類に応じて設定されたキャリブレーション間隔設定時間を経過し、かつ、表示装置がネットワークを介して所定の画像を受信して画像を表示した場合に、テストパターンを作成し、作成されたテストパターンを表示装置に表示させることによって、表示装置の種類に応じて定期的に表示装置が正確にキャリブレーションされているか否かを確認することができることに加えて、表示装置がネットワークを介して所定の画像を受信して画像を表示したタイミングで、商品の色が表示装置上で正確に表現されているか否か(表示装置が正確にキャリブレーションされているか否か)を確認することができる。よって、商品の色が表示装置上で正確に表現されているか否かを確認することができる。
【0024】
上記課題を解決するための請求項9に記載の発明は、請求項6又は請求項8に記載のキャリブレーション状態確認方法において、前記使用時間累積測定工程は、前記表示装置に具備された照明手段が点灯状態の場合には、前記使用時間を累積測定することを特徴とする。
【0025】
これによれば、表示装置の種類に応じて照明手段が点灯状態にある場合に使用時間累積測定手段により使用時間を累積測定するか否かを設定することができるため、表示装置の種類に応じて正確にキャリブレーション状態を維持することができる。
【0026】
上記課題を解決するための請求項10に記載の発明は、請求項6乃至10のいずれか一項に記載の表示装置のキャリブレーション状態確認装置を含むキャリブレーション制御方法において、前記表示制御工程により前記表示装置の画面上に表示された前記テストパターンを目視する利用者により、前記第1領域と前記第2領域との明るさ及び色が一致してないと入力指示された場合に、前記表示装置のキャリブレーション制御を実行するキャリブレーション実行工程を更に有することを特徴とする。
【0027】
これによれば、表示装置の使用時間がキャリブレーション間隔設定間隔を経過した場合にテストパターンを表示させることにより、定期的に表示装置のキャリブレーション状態を確認できるため、表示装置が正確にキャリブレーションされているか否かを確認することができ、正確にキャリブレーションされていないと判断された場合には、更に、正確な表示装置のキャリブレーション状態を維持するためにキャリブレーションを実行することができるため、表示装置を正確な表示装置のキャリブレーション状態を維持することが可能となる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、表示装置の使用時間がキャリブレーション間隔設定時間を経過した場合にテストパターンを表示させることにより、定期的に表示装置のキャリブレーション状態を確認できるため、表示装置が正確にキャリブレーションされているか否かを確認することができる。よって、表示装置のキャリブレーション状態を正確に維持することが可能となる。
【0029】
また、表示装置の種類に応じてキャリブレーション間隔設定時間が設定できるため、表示装置の種類に応じてキャリブレーション状態を正確に維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
(1)第1実施形態
以下、本発明の第1実施形態について図面を用いて説明する。
【0031】
本実施形態は、本発明のキャリブレーション状態確認装置等を所定の表示装置が正確にキャリブレーションされているか否かを確認する際に適用する場合について説明するものである。
【0032】
なお、キャリブレーション制御装置は、キャリブレーション状態確認装置を含むものであり、以下キャリブレーション制御装置として説明する。
【0033】
[キャリブレーション制御装置]
まず、本実施形態に係るキャリブレーション制御装置について、図1を用いて概念的に説明する。図1は、本発明のキャリブレーション制御装置1と表示装置2を示す概略図である。
【0034】
図1に示すように、当該キャリブレーション制御を実行するキャリブレーション制御装置1は、キャリブレーション制御を実行する対象としてのモニタ等の表示装置2とネットワークを介して互いに情報の授受が可能に接続されている。
【0035】
ここで、表示装置2は、後述するようにキャリブレーション制御装置1に外部接続された表示装置であり、例えば、液晶モニタ、プラズマディスプレイ、ブラウン管、有機ELモニタ等、光の三原色R(赤)、G(緑)、B(青)の加法混色によって色再現を行う表示装置であればよい。
【0036】
このような構成からなる本実施形態におけるキャリブレーション制御装置1において、まず、表示装置2にキャリブレーションを実行してから次回前記キャリブレーションを実行するまでの時間(キャリブレーション間隔設定時間)を表示装置2の種類に応じて予め設定しておく。表示装置2の使用時間を累積測定し、使用時間が予め設定したキャリブレーション間隔設定時間を経過したか否かを判断し、表示装置2の使用時間が予め設定されたキャリブレーション間隔設定時間を経過したと判断した場合に、三原色RGBの階調値の組み合わせを指定し、明るさ及び色が均一の均一パターンを生成し、三原色RGBがそれぞれ最小階調値をもつ第1副領域と、三原色RGBがそれぞれ最大階調値をもつ第2副領域と、を所定の面積比で混在させた参照パターンを生成する。そして、表示装置2の画面上に第1領域と第2領域とによって構成されるテストパターンを定義し、第1領域内には均一パターンを、第2領域内には参照パターンを、テストパターンとして表示させる(図2参照)。
【0037】
これにより、表示装置が正確にキャリブレーションされているか否かを確認することができる。
【0038】
[キャリブレーション制御装置の構造及び機能]
次に、図3を用いて、本実施形態にかかるキャリブレーション制御装置を構成する各部の構造及び機能について説明する。
【0039】
図3は、本発明のキャリブレーション制御装置の概要構成を示すブロック図である。
【0040】
同図に示すようにキャリブレーション制御装置1は、演算機能を有するCPU(Central Processing Unit)、作業用RAM(Random Access Memory)、各種データ及びプログラムを記憶するROM(Read Only Memory)等から構成され、設定手段、使用時間累積測定手段、判断手段、均一パターン生成手段、参照パターン生成手段、表示制御手段、キャリブレーション実行手段として機能する制御部11と、記憶部12と、外部機器接続部13、を備えて構成されており、制御部11、記憶部12、及び外部機器接続部13はバス14を介して相互に接続されている。
【0041】
制御部11は、図示しないCPU、作業用RAM、本発明のキャリブレーション制御プログラム等を含む各種制御プログラムやデータ等を記憶するROM及び発振回路等を備えて構成されており、図示しない操作部からの操作信号に基づいて、当該操作信号に含まれている操作情報に対応する動作を実現すべく上記各構成部材を制御するための制御情報を生成し、バス14を介して当該制御情報を該当する構成部材に出力して当該各構成部材の動作を統轄制御する。また、制御部11は、ROM等に記憶されたキャリブレーション制御プログラムを実行することにより、他の構成部材と協動して本発明の均一パターン生成手段、参照パターン生成手段、表示手段、使用時間累積測定手段、判断手段、キャリブレーション実行手段として機能するようになっている。
【0042】
記憶部12は、表示装置2の表示部に表示すべき情報等を蓄積記憶し、必要に応じて蓄積記憶情報として制御部11に出力する。
【0043】
外部接続部13は、キャリブレーション制御装置1に内蔵されたビデオカード、及び、VGAケーブル、DVIケーブル、BNCケーブルなどを介して表示装置2へ指示信号を送出するためのものである。更に、シリアル方式、USB方式、IEEE1394、或いはその他の適宜な方式で測色器からのデータを受信するように構成されている。
【0044】
[均一パターンと参照パターンについて]
(第1テストパターン)
図2に示すようにテストパターン3は、キャリブレーション制御を実行する対象としての表示装置2の画面上に表示されるものである。具体的には、このテストパターン3は、第1領域10と第2領域20とによって構成されている。図示の例では、第1領域10は円形状の領域であり、第2領域20はこれを取り囲むような枠状の領域である。
【0045】
ここで、図4を用いてテストパターン3について詳細に説明する。
【0046】
第1領域10には、明るさ及び色が均一な均一パターンを表示させるようにし、第2領域20内には、所定の参照輝度をもった参照パターンを表示させるようにする。
【0047】
具体的に説明すると、第1領域10には明るさ及び色が均一な均一パターン(別言すれば、全画素が同一の階調値(RGB値)をもつ)が表示され、三原色RGBの階調値の組み合わせを利用者がキャリブレーション制御装置1の図示しない入力部を用いた入力操作によって指定することによって生成(構成)されるものである。
【0048】
第2領域20には、三原色RGBがそれぞれ最小階調値(8bits/colorにおけるRGB値:0)をもつ帯状の第1副領域21と、三原色RGBがそれぞれ最大階調値(8bits/colorにおけるRGB値:255)をもつ帯状の第2副領域22と、を所定の面積比で混在させることにより生成(構成)される。例えば、図示するように、第1領域と第2領域を交互に配置することにより構成される。いわば、白黒のストライプ模様が形成されている。ここで、第1副領域21と第2副領域22との面積比を1:1に設定すれば(別言すれば、白黒のストライプの幅がすべて等しくなるように設定すれば)、ここの副領域21、22は最低輝度0%もしくは最高輝度100%で表示されているものの、ある程度の距離だけ離れて目視すれば、擬似的に50%の輝度で表示されている領域として認識されることとなる。もちろん、そのためには、白黒のストライプの幅を、ある程度小さく設定し、ストライプ模様のパターンの肉眼観察が困難になるようにしておく必要がある。
【0049】
このように示すテストパターン3において、周囲の枠領域を形成している第2領域20は、擬似的に50%の輝度を示す参照パターンとして機能する。
【0050】
(第2テストパターン)
図5に示すように、テストパターン3の参照パターンは、第1テストパターンとは異なり、第1副領域31(図における黒いセル)と第2副領域32(図における白いセル)とによる市松模様をなす。
【0051】
具体的には、第1副領域31(黒)と第2副領域32(白)は、同一の形状及び大きさをもった単位セルによって構成され、この単位セルの二次元配列によって参照パターンが構成される。このように、同一の形状および大きさをもった単位セルの二次元配列によって構成された参照パターンは、ストライプ模様からなる参照パターンに比べて、観察時の擬似的な均一性をより高める効果を有する。利用者による目視測定時には、参照パターンは、ある程度の視距離から観察されることになるので、ストライプ模様のパターンも市松模様のパターンも、実際には、その模様自体が直接利用者に認識されることは無く、いずれもほぼグレーの一様なパターンとして認識される。しかし、市松模様の方が、より細かな単位セルから構成されているため、観察時の均一性はより向上することになる。
【0052】
(テストパターンを用いたキャリブレーション状態の確認方法について)
階調再現特性(ガンマ特性)を示す指標としてのガンマ値:γを有する表示装置2において、入力信号[In]と表示輝度[Out]の関係は、
[Out] =([In]/255)γ
の式で表される。
【0053】
ここで、例えば、ガンマ値:γ=1.8、表示輝度50%の表示装置2は、
0.5=([In]/255)1.8
であり、この式から入力信号[In]=174となる。
【0054】
(A)参照パターンの設定について
γ=1.8にキャリブレーションされた表示装置2において、最大輝度の50%の輝度を持つグレーを実現するためには、参照パターンは、白色面積率50%にすればよい。
【0055】
よって、図4に示すように、白黒のストライプ模様の第1副領域21と第2副領域22との面積比を1:1に設定すれば、擬似的に50%の輝度で表示されている領域として認識されることとなる。
【0056】
また、図5に示すように、同一の形状及び大きさをもった単位セルによって構成された白黒の市松模様の第1副領域21と第2副領域22との面積比を1:1に設定すれば、擬似的に50%の輝度で表示されている領域として認識されることとなる。
【0057】
(B)均一パターンの設定について
γ=1.8の場合、上記の計算によりRGB値は174にすれば、最大輝度の50%の輝度を持つグレーを実現することができるため、均一パターンのRGB値を174にする。
【0058】
ここで、上記(A)(B)のようにそれぞれ設定した参照パターンと均一パターンが同じ明るさ、色に見えれば、表示装置がγ=1.8に正確にキャリブレーションされていると判断できることになる。
【0059】
(その他のテストパターン)
以上テストパターン3について説明したが、より高精度にキャリブレーション状態を確認する場合について説明する。図6は、輝度75%、50%、25%のパターンを表した図である。γ=1.8にキャリブレーションされた表示装置2における均一パターンのRGB値は、217、174、118である。このように様々な輝度をもつパターンを表示させることにより、明、暗についてそれぞれキャリブレーション状態を確認することが可能となる。なお、図6では、説明の便宜上、第2副領域を構成する各単位セルの境界線を書いて示してあるが、実際には、この白いセル間の境界線は表示されない。
【0060】
これらの3通りの参照パターンでは、いずれも、2行2列に配置された4つの単位セルにより1つのセルグループが構成されている。ここで、各セルグループを構成する4つの単位セルのうち、斜めに隣接する一対の単位セルによって第1の副領域(黒)を構成し、残りの一対の単位セルによって第2の副領域(白)を構成すれば、面積比1:1となる図6(B)に示す参照パターンを構成することができる。また、各セルグループを構成する4つの単位セルのうち、1つの単位セルによって一方の副領域を構成し、残りの3つのセルによって他方の副領域を構成し、面積3:1、もしくは1:3となる参照パターンを構成すれば、図6(C)もしくは図6(A)に示す参照パターンを構成することができる。いずれの場合も、形成される参照パターンは、2行2列に配置された4つの単位セルからなるセルグループの繰り返しパターンとなるので、擬似的な均一性を十分確保することができる。
【0061】
[使用時間累積測定について]
続いて、使用時間累積測定について説明する。
【0062】
使用時間累積測定は、表示装置の使用時間を累積測定するものであり、具体的には、表示装置の電源が入れられた(ONされた)状態において表示装置の使用時間を累積して測定するものとする。表示装置は電源がONされている状態において経時変化による劣化により階調再現特性が変化するため、電源がONされた場合の累積時間を測定し、ある一定の時間が経過した場合にはキャリブレーションを行うものとする。これにより、表示装置の電源が切られた(OFFされた)状態において経時変化による劣化により階調再現特性が変化することがないため、表示装置の電源がOFFされた場合には使用時間として累積時間の測定は行わないものとする。このように使用時間を累積測定し、その累積時間がキャリブレーション間隔設定時間以上経過したかを判断するためにタイマーを設置しておく。
【0063】
[キャリブレーション間隔設定時間について]
図7を用いてキャリブレーション間隔設定時間について説明する。
【0064】
キャリブレーション間隔設定時間とは、キャリブレーションを実行してから次回キャリブレーションを実行するまでの時間をいい、このキャリブレーション間隔設定時間を表示装置の種類に応じて予め設定しておくことにより、表示装置の種類に応じて適切な間隔でキャリブレーション状態の確認を行うことができる。
【0065】
図7は、表示装置の種類に応じたキャリブレーション間隔設定時間及びスタンバイ時間測定の有無を示す図である。
【0066】
図7に示すように、例えば、表示装置としては液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、ブラウン管(CRT)、有機EL表示装置等が挙げられ、それぞれの表示装置の性質によって、表示装置の電源が入れられた(ONされた)状態において生じる経時変化による劣化の度合いや、階調再現特性の変化が異なるため、このような表示装置の種類に応じてキャリブレーション間隔設定を行うものとする。
【0067】
具体的には、表示装置の電源が入れられた(ONされた)状態、つまり、表示装置に具備された照明手段が点灯している状態においては表示装置に経時変化による劣化が生じる。しかし、照明手段が点灯している際に生じる経時変化による劣化の度合いや、階調再現特性の変化も表示装置の種類によって異なる。よって、このような表示装置の種類に応じてキャリブレーション間隔設定を行うものとすることにより種々の表示装置においてキャリブレーション状態を確認でき、適切な状態を維持することができる。
【0068】
ここで、例えば、キャリブレーション間隔設定時間を、液晶表示装置(LCD)は1500時間、プラズマディスプレイ(PDP)は750時間、ブラウン管(CRT)は500時間、有機EL表示装置は100時間と設定するものとする。このように、入力手段を用いて、それぞれの表示装置の種類によって、キャリブレーション間隔設定時間を任意に設定することができる。
【0069】
[スタンバイ時間の累積測定について]
図7を用いてスタンバイ時間の累積測定について説明する。
【0070】
基本的には上記したように、表示装置の電源が入れられた(ONされた)状態においてのみ上記使用時間累積測定手段によりそれぞれの表示装置2の使用時間を累積測定するものである。
【0071】
ここで、表示装置2に具備された照明手段がスタンバイ状態の場合においても累積測定を行うか否かが問題となる。例えば、図7に示すように、液晶モニタ(LCD)、ブラウン管(CRT)がスタンバイ状態である場合には、累積測定を行い、プラズマディスプレイ(PDP)、有機EL表示装置がスタンバイ状態である場合には、累積測定を行わないと設定することができる。これも上記と同様に、表示装置2の種類によっては、スタンバイ状態であっても表示装置2の照明手段が稼働している場合があり、このような場合においては経時変化による劣化等が生じてしまう。よって、表示装置2の種類に合わせて表示装置2に具備された照明手段がスタンバイ状態の場合において累積測定を行うか否かを任意に設定することにより、種々の表示装置においてキャリブレーション状態を確認でき、適切な状態を維持することができる。
【0072】
[キャリブレーション制御処理]
次に、図8を用いてキャリブレーション制御処理について説明する。
図8は、キャリブレーション制御処理を示すフローチャートであり、当該フローチャートにより示される処理は、制御部11内の図示しないROM等の制御に基づいて実行されるものである。
【0073】
まず、キャリブレーション制御装置1により表示装置2の電源がONされたか否かを判断する(ステップS11)。
【0074】
具体的には、上述の[使用時間累積測定について]によって説明したように、表示装置2の電源がONされた場合に表示装置2の使用時間を累積測定するため、表示装置2の電源がONされたか否かを判断する。
【0075】
次に、表示装置2の電源がONされた場合(ステップS11:Yes)には、タイマーを作動させる(ステップS12)。
【0076】
具体的には、上述の[使用時間累積測定について]によって説明したように、表示装置2の電源がONされた場合に、表示装置2の使用時間を累積測定するため、表示装置2の電源がONされた場合にはタイマーを作動させる。
【0077】
なお、表示装置2の電源がONされていない場合(ステップS11:No)には、表示装置2の電源がONされるまで待機する。
【0078】
次に、タイマーにより累積測定された表示装置2の使用時間(タイマーカウント)がキャリブレーション間隔よりも大きいか否かを判断する(ステップS13)。
【0079】
具体的には、上述の[キャリブレーション間隔設定時間について]によって説明したように、キャリブレーション間隔設定時間を表示装置2の種類に応じて予め設定しておき、それぞれの種類の表示装置2に応じたキャリブレーション間隔設定時間を経過した場合には、後述するようにテストパターンを表示する等によりキャリブレーション状態を確認して、正確なキャリブレーション状態を保つことができるため、表示装置2の種類に応じて予め設定した時間を経過しているか否かの判断を行う。
【0080】
次に、タイマーにより累積測定された表示装置2の使用時間がキャリブレーション間隔よりも大きい場合(ステップS13:Yes)には、テストパターンを作成し(ステップS14)、作成されたテストパターンを表示装置2の表示部に表示させる(ステップS15)。
【0081】
具体的には、タイマーにより累積測定された表示装置2の使用時間がキャリブレーション間隔よりも大きい場合には、キャリブレーション状態の確認を行うために、上述の[参照パターンと均一パターンについて]によって説明したような均一パターンと参照パターンを生成する。
【0082】
更に、表示装置2の画面上に第1領域と第2領域とによって構成されるテストパターン3を定義し、第1領域内には生成した均一パターンを、第2領域内には生成した参照パターンを、テストパターン3として表示する。
【0083】
これにより、後述するが利用者が目視により表示装置2に表示されたテストパターン3に表示されている参照パターンと均一パターンが同一見えるか否かを判断することができる。
【0084】
ここで、タイマーカウントがキャリブレーション間隔よりも小さい場合(ステップS13:No)には、表示装置の電源がOFFされたか否かの判断を行う(ステップS21)。
【0085】
次に、利用者が目視により表示装置2に表示されたテストパターンに表示されている参照パターンと均一パターンが同一に見えたかを判断した結果、利用者によりキャリブレーション制御装置に同一に見えたとの入力がなされたか否かを判断する(ステップS16)。
【0086】
テストパターンに表示されている参照パターンと均一パターンが同一に見えたとキャリブレーション制御装置1に入力された場合(図2に示すように、OKボタンが押された場合)(ステップS16:Yes)には、テストパターンを消去する(ステップS23)。
【0087】
参照パターンと均一パターンが同一に見えたということにより、キャリブレーションが正確に行われているということが判断できる。
【0088】
次に、テストパターンに表示されている参照パターンと均一パターンが同一に見えたとキャリブレーション制御装置に入力されなかった場合(図2に示すように、NGボタンが押された場合)(ステップS16:No)には、テストパターンを消去し(ステップS17)、キャリブレーションを実行し(ステップS18)、プロファイルを作成する(ステップS19)。なお、キャリブレーション実行処理、プロファイル作成処理については、本発明の出願人により出願された特願2005−173890号公報を参照するものとする。
【0089】
次に、タイマーカウントをリセットする(ステップS20)。
【0090】
キャリブレーションを行った場合には、表示装置2は正確にキャリブレーションを行われた状態であるため、次回キャリブレーションを行うまでの使用時間を累積測定するために、タイマーカウントをリセットし、新たに累積測定を開始する。
【0091】
次に、表示装置2の電源がOFFされたか否かの判断をする(ステップS21)。
【0092】
具体的には、表示装置2の電源がONされた状態において表示装置2の使用時間を累積して測定するものであるため、表示装置2の電源がOFFされていれば、表示装置2の使用時間を累積して測定する必要はないためである。
【0093】
次に、表示装置2の電源がOFFされた場合(ステップS21:Yes)には、タイマーを停止する(ステップS22)。
【0094】
具体的には、表示装置2の電源がONされた場合に表示装置2の使用時間を累積して測定するものであるため、表示装置2の電源がOFFされた場合には使用時間の累積測定を一時中断するものとする。
【0095】
次に、表示装置2の電源がOFFされなかった場合(ステップS21:No)には、タイマーを作動させ(ステップS12)、これ以降上記同様の処理を行う。
【0096】
具体的には、表示装置2の電源がONされた場合に表示装置2の使用時間を累積して測定するものであるため、表示装置2の電源がONされている間は使用時間を累積して測定するものとする。
【0097】
(2)第2実施形態
以下、本発明の第2実施形態について図面を用いて説明する。
【0098】
例えば、Webカタログ等、現物を見ずに、モニタ等の表示装置2で商品を確認し購入するような場合、商品の色が表示装置2上で正確に表現されることが必要であるため、所定の表示装置2が正確にキャリブレーションされているか否かを判断する必要がある。
【0099】
このような場合に本発明のキャリブレーション制御装置1を適用する場合について説明するものである。
【0100】
なお、上記第1実施形態とは異なる形態であるが、基本的には同様の動作を行うものであるため、ここでは特に異なる部分について詳細に説明する。
【0101】
[キャリブレーション制御装置]
まず、表示装置2がネットワークを介して所定の画像を受信して前記画像を表示した場合に、三原色RGBの階調値の組み合わせを指定し、明るさ及び色が均一の均一パターンを生成し、三原色RGBがそれぞれ最小階調値をもつ第1副領域と、三原色RGBがそれぞれ最大階調値をもつ第2副領域と、を所定の面積比で混在させた参照パターンを生成する。そして、表示装置2の画面上に第1領域と第2領域とによって構成されるテストパターンを定義し、前記第1領域内には前記均一パターンを、第2領域内には前記参照パターンを、テストパターンとして表示させる(図9参照)。
【0102】
これにより、簡易な手法で、表示装置2が正確にキャリブレーションされているかどうかを確認することができる。
【0103】
[キャリブレーション制御処理]
次に、図10を用いてキャリブレーション制御処理について説明する。
図10は、キャリブレーション制御処理を示すフローチャートであり、当該フローチャートにより示される処理は、制御部11内の図示しないROM等の制御に基づいて実行されるものである。
【0104】
まず、表示装置2がネットワークを介して所定の画像を受信して画像を表示したか否かを判断する(ステップS51)。
【0105】
表示装置2がネットワークを介して所定の画像を受信して画像を表示した場合(ステップS51:Yes)には、テストパターン3を作成し(ステップS52)、作成されたテストパターン3を表示装置2の表示部に表示させる(ステップS53)。
【0106】
これ以降の動作は第1実施形態と同様である。
【0107】
以上説明したように、Webカタログ等、現物を見ずに、表示装置で商品を確認し購入するような場合、商品の色が表示装置上で正確に表現されることが必要であり、所定の表示装置が正確にキャリブレーションされているか否かを判断する必要がある。
【0108】
表示装置がネットワークを介して所定の画像を受信して画像を表示した場合に、テストパターンを作成し、作成されたテストパターンを表示装置の表示部に表示させることによって、表示装置がネットワークを介して所定の画像を受信して画像を表示したタイミングで、商品の色が表示装置上で正確に表現されているか否か(表示装置が正確にキャリブレーションされているか否か)を確認することができる。よって、商品の色が表示装置上で正確に表現されているか否かを確認した後に商品を購入することができる。
【0109】
(3)第3実施形態
以下、本発明の第3実施形態について図面を用いて説明する。
【0110】
本実施形態は、上記第1実施形態とは異なる形態であるが、基本的には同様の動作を行うものであるため、ここでは特に異なる部分について詳細に説明する。
【0111】
[キャリブレーション制御装置]
まず、表示装置2にキャリブレーションを実行してから次回前記キャリブレーションを実行するまでの時間(キャリブレーション間隔設定時間)を表示装置2の種類に応じて予め設定しておく。表示装置2の使用時間を累積測定し、表示装置2の使用時間が予め設定されたキャリブレーション間隔設定時間を経過し、かつ、表示装置2がネットワークを介して所定の画像を受信して画像を表示した場合に、三原色RGBの階調値の組み合わせを指定し、明るさ及び色が均一の均一パターンを生成し、三原色RGBがそれぞれ最小階調値をもつ第1副領域と、三原色RGBがそれぞれ最大階調値をもつ第2副領域と、を所定の面積比で混在させた参照パターンを生成する。そして、表示装置2の画面上に第1領域と第2領域とによって構成されるテストパターンを定義し、前記第1領域内には前記均一パターンを、第2領域内には前記参照パターンを、テストパターンとして表示させる(図9参照)。
【0112】
これにより、簡易な手法で、表示装置2が正確にキャリブレーションされているかどうかを確認することができる。
【0113】
[キャリブレーション制御処理]
次に、図11を用いてキャリブレーション制御処理について説明する。
【0114】
図11は、キャリブレーション制御処理を示すフローチャートであり、当該フローチャートにより示される処理は、制御部11内の図示しないROM等の制御に基づいて実行されるものである。
【0115】
まず、キャリブレーション制御装置1により表示装置2の電源がONされたか否かを判断し(ステップS61)、表示装置2の電源がONされた場合(ステップS61:Yes)には、タイマーを作動させる(ステップS62)。
【0116】
次に、タイマーにより累積測定された表示装置2の使用時間がキャリブレーション間隔よりも大きいか否かを判断し(ステップS63)、累積測定された表示装置2の使用時間がキャリブレーション間隔よりも大きい場合(ステップS63:Yes)には、表示装置2がネットワークを介して所定の画像を受信して画像を表示したか否かを判断する(ステップS64)。
【0117】
表示装置2がネットワークを介して所定の画像を受信して画像を表示した場合(ステップS64:Yes)には、テストパターン3を作成し(ステップS65)、作成されたテストパターン3を表示装置2の表示部に表示させる(ステップS66)。
【0118】
これ以降の動作は第1実施形態と同様である。
【0119】
以上説明したように、Webカタログ等、現物を見ずに、表示装置で商品を確認し購入するような場合、商品の色が表示装置上で正確に表現されることが必要であり、所定の表示装置が正確にキャリブレーションされているか否かを判断する必要がある。
【0120】
表示装置の使用時間が予め表示装置の種類に応じて設定されたキャリブレーション間隔設定時間を経過し、かつ、表示装置がネットワークを介して所定の画像を受信して画像を表示した場合に、テストパターンを作成し、作成されたテストパターンを表示装置の表示部に表示させることによって、表示装置の種類に応じて定期的に表示装置が正確にキャリブレーションされているか否かを確認することができることに加えて、表示装置がネットワークを介して所定の画像を受信して画像を表示したタイミングで、商品の色が表示装置上で正確に表現されているか否か(表示装置が正確にキャリブレーションされているか否か)を確認することができる。よって、商品の色が表示装置上で正確に表現されているか否かを確認した後に商品を購入することができる。
【0121】
なお、本実施形態においては、表示装置の使用時間が予め設定されたキャリブレーション間隔設定時間を経過し、かつ、表示装置がネットワークを介して所定の画像を受信して画像を表示した場合に、テストパターンを作成し、表示する場合について説明したが、予め設定されたキャリブレーション間隔設定時間を経過していない場合においても、表示装置がネットワークを介して所定の画像を受信して画像を表示した場合には、キャリブレーションを実行すると設定することによりキャリブレーションを実行するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】本発明のキャリブレーション制御装置と表示装置を示す概略図である。
【図2】表示装置の表示部に表示されたテストパターンを示す概略図である。
【図3】本発明のキャリブレーション制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図4】テストパターン内の第1領域内に表示される均一パターン及び第2領域内に表示される参照パターンを示す概略図である。
【図5】テストパターン内の第1領域内に表示される均一パターン及び第2領域内に表示される参照パターンを示す概略図である。
【図6】テストパターン内の第1領域内に表示される均一パターン及び第2領域内に表示される参照パターンを示す概略図である。
【図7】表示装置の種類に応じたキャリブレーション間隔設定時間及びスタンバイ時間測定の有無を示す図である。
【図8】本発明のキャリブレーション制御処理を示すフローチャートである。
【図9】表示装置の表示部に表示されたテストパターンを示す概略図である。
【図10】本発明のキャリブレーション制御処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明のキャリブレーション制御処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0123】
1・・・キャリブレーション制御装置
2・・・表示装置
3・・・テストパターン
11・・・制御部
12・・・記憶部
13・・・外部機器接続部
14・・・バス
10・・・第1領域
20・・・第2領域
21・・・第1副領域
22・・・第2副領域
31・・・第1副領域
32・・・第2副領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置のキャリブレーション状態を確認するキャリブレーション状態確認装置において、
前記キャリブレーションを実行してから次回前記キャリブレーションを実行するまでの時間としてのキャリブレーション間隔設定時間を、前記表示装置の種類に応じて予め設定指示される設定手段と、
前記表示装置の使用時間を累積測定する使用時間累積測定手段と、
前記表示装置の使用時間が、前記予め設定指示されたキャリブレーション間隔設定時間を経過したか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により前記表示装置の使用時間が前記予め設定指示されたキャリブレーション間隔設定時間を経過したと判断した場合に、三原色RGBの階調値の組み合わせにより明るさ及び色が均一に指定された均一パターンを生成する均一パターン生成手段と、
三原色RGBがそれぞれ最小階調値をもつ第1副領域と、三原色RGBがそれぞれ最大階調値をもつ第2副領域と、を所定の面積比で混在させた参照パターンを生成する参照パターン生成手段と、
前記表示装置の画面上に前記第1領域と前記第2領域とによって構成されるテストパターンを定義し、前記第1領域内には前記均一パターンを、前記第2領域内には前記参照パターンを、前記テストパターンとして表示させるよう制御する表示制御手段と、
を有すること特徴とするキャリブレーション状態確認装置。
【請求項2】
表示装置のキャリブレーション状態を確認するキャリブレーション状態確認装置において、
前記表示装置がネットワークを介して所定の画像を受信して前記画像を表示した場合に、
三原色RGBの階調値の組み合わせにより明るさ及び色が均一に指定された均一パターンを生成する均一パターン生成手段と、
三原色RGBがそれぞれ最小階調値をもつ第1副領域と、三原色RGBがそれぞれ最大階調値をもつ第2副領域と、を所定の面積比で混在させた参照パターンを生成する参照パターン生成手段と、
前記表示装置の画面上に前記第1領域と前記第2領域とによって構成されるテストパターンを定義し、前記第1領域内には前記均一パターンを、前記第2領域内には前記参照パターンを、前記テストパターンとして表示させるよう制御する表示制御手段と、
を有すること特徴とするキャリブレーション状態確認装置。
【請求項3】
請求項2に記載のキャリブレーション状態確認装置において、
前記キャリブレーションを実行してから次回前記キャリブレーションを実行するまでの時間としてのキャリブレーション間隔設定時間を、前記表示装置の種類に応じて予め設定指示される設定手段と、
前記表示装置の使用時間を累積測定する使用時間累積測定手段と、
前記表示装置の使用時間が、前記予め設定指示されたキャリブレーション間隔設定時間を経過したか否かを判断する判断手段と、
を更に有することを特徴とするキャリブレーション状態確認装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項3に記載のキャリブレーション状態確認装置において、
前記使用時間累積測定手段は、前記表示装置に具備された照明手段が点灯状態の場合には、前記使用時間を累積測定することを特徴とするキャリブレーション状態確認装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の表示装置のキャリブレーション状態確認装置を含むキャリブレーション制御装置において、
前記表示制御手段により前記表示装置の画面上に表示された前記テストパターンを目視する利用者により、前記第1領域と前記第2領域との明るさ及び色が一致してないと入力指示された場合に、前記表示装置のキャリブレーション制御を実行するキャリブレーション実行手段を更に有することを特徴とするキャリブレーション制御装置。
【請求項6】
表示装置のキャリブレーション状態を確認するキャリブレーション状態確認方法において、
前記キャリブレーションを実行してから次回前記キャリブレーションを実行するまでの時間としてのキャリブレーション間隔設定時間を、前記表示装置の種類に応じて予め設定指示される設定工程と、
前記表示装置の使用時間を累積測定する使用時間累積測定工程と、
前記表示装置の使用時間が、前記予め設定指示されたキャリブレーション間隔設定時間を経過したか否かを判断する判断工程と、
前記判断工程により前記表示装置の使用時間が前記予め設定指示されたキャリブレーション間隔設定時間を経過したと判断した場合に、三原色RGBの階調値の組み合わせにより明るさ及び色が均一に指定された均一パターンを生成する均一パターン生成工程と、
三原色RGBがそれぞれ最小階調値をもつ第1副領域と、三原色RGBがそれぞれ最大階調値をもつ第2副領域と、を所定の面積比で混在させた参照パターンを生成する参照パターン生成工程と、
前記表示装置の画面上に前記第1領域と前記第2領域とによって構成されるテストパターンを定義し、前記第1領域内には前記均一パターンを、前記第2領域内には前記参照パターンを、前記テストパターンとして表示させるよう制御する表示制御工程と、
を有すること特徴とするキャリブレーション状態確認方法。
【請求項7】
表示装置のキャリブレーション状態を確認するキャリブレーション状態確認方法において、
前記表示装置がネットワークを介して所定の画像を受信して前記画像を表示した場合に、
三原色RGBの階調値の組み合わせにより明るさ及び色が均一に指定された均一パターンを生成する均一パターン生成工程と、
三原色RGBがそれぞれ最小階調値をもつ第1副領域と、三原色RGBがそれぞれ最大階調値をもつ第2副領域と、を所定の面積比で混在させた参照パターンを生成する参照パターン生成工程と、
前記表示装置の画面上に前記第1領域と前記第2領域とによって構成されるテストパターンを定義し、前記第1領域内には前記均一パターンを、前記第2領域内には前記参照パターンを、前記テストパターンとして表示させるよう制御する表示制御工程と、
を有すること特徴とするキャリブレーション状態確認方法。
【請求項8】
請求項7に記載のキャリブレーション状態確認方法において、
前記キャリブレーションを実行してから次回前記キャリブレーションを実行するまでの時間としてのキャリブレーション間隔設定時間を、前記表示装置の種類に応じて予め設定指示される設定工程と、
前記表示装置の使用時間を累積測定する使用時間累積測定工程と、
前記表示装置の使用時間が、前記予め設定指示されたキャリブレーション間隔設定時間を経過したか否かを判断する判断工程と、
を更に有することを特徴とするキャリブレーション状態確認方法。
【請求項9】
請求項6又は請求項8に記載のキャリブレーション状態確認方法において、
前記使用時間累積測定工程は、前記表示装置に具備された照明手段が点灯状態の場合には、前記使用時間を累積測定することを特徴とするキャリブレーション状態確認方法。
【請求項10】
請求項6乃至10のいずれか一項に記載の表示装置のキャリブレーション状態確認装置を含むキャリブレーション制御方法において、
前記表示制御工程により前記表示装置の画面上に表示された前記テストパターンを目視する利用者により、前記第1領域と前記第2領域との明るさ及び色が一致してないと入力指示された場合に、前記表示装置のキャリブレーション制御を実行するキャリブレーション実行工程を更に有することを特徴とするキャリブレーション制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−101901(P2007−101901A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−291747(P2005−291747)
【出願日】平成17年10月4日(2005.10.4)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】