説明

キートップ及び携帯電子機器

【課題】照光式のキートップにおいて、キートップ表面のうち文字や記号等の輪郭線以外の部分を平滑にできるキートップを提供することにある。
【解決手段】裏面から照明されるダイヤルキー53は、透光性の本体部61と、本体部61の裏面のうち第1の領域A1に設けられ、第1の色を有する透光性の第1透光層65と、本体部61の裏面のうち第1の領域とは異なる第2の領域A2に設けられ、第2の色を有する透光性の第2透光層66と、本体部61の表面のうち第1の領域A1及び第2の領域A2に跨る第3の領域A3に設けられ、第3の色を有する遮光性の有色遮光層64とを備え、第1の領域A1において第1の形状SH1に有色遮光層64が欠落した第1欠落部L1と、第2の領域A2において第2の形状SH2に有色遮光層64が欠落した第2欠落部L2とが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キートップ、より詳細には、裏面側から照射された光を文字や記号の形状で透過させる照光式のキートップ、及び、当該キートップを備えた携帯電話機等の携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
透光性を有するキートップ本体部の表面に遮光層を設け、当該遮光層の一部を文字や記号の形状に除去し、キートップの裏面側から照明することにより、文字や記号を発光させる技術が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
また、一のキートップにおいて、2以上の文字や記号を互いに異なる色で発光させる技術も知られている。図10は、そのような技術のキートップ501を模式的に示す図である。なお、キートップ501の紙面上方側がユーザの押圧を受ける表面であり、キートップ501を照明する発光素子(不図示)は紙面下方に配置される。キートップ501では、第1の色のシルク印刷を施した第1透光層503と、第2の色のシルク印刷を施した第2の透光層504とが設けられ、第1透光層503及び第2透光層504上に本体部502表面全体に亘る遮光層505が積層されている。そして、第1透光層503上において第1の形状SH1で遮光層505が除去されて第1透光層503が露出するとともに、第2透光層504上において第2の形状SH2で遮光層505が除去されて第2透光層504が露出することにより、第1の形状SH1と第2の形状SH2とで異なる色の発光文字を実現している。
【特許文献1】特開2004−87203号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図10に示した技術では、第1透光層503と第2透光層504との境界部Bに隙間がある場合には、境界部Bに溝部が形成される。逆に、境界部Bにおいて第1透光層503と第2透光層504とが重なる場合には、境界部Bに凸部が形成される。そして、境界部Bの溝部又は凸部は遮光層505の表面形状にも反映され、キートップ表面において、第1の形状SH1及び第2の形状SH2(文字や記号等)の輪郭とは無関係な位置に凹凸が形成されることになる。このような凹凸は、キートップの外観を著しく損なう。
【0005】
本発明の目的は、照光式のキートップにおいて、キートップ表面のうち文字や記号等の輪郭線以外の部分を平滑にできるキートップ及び当該キートップを備えた携帯電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点のキートップは、裏面から照明されるキートップであって、透光性の本体部と、前記本体部の裏面のうち第1の領域に設けられ、第1の色を有する透光性の第1有色透光層と、前記本体部の裏面のうち前記第1の領域とは異なる第2の領域に設けられ、第2の色を有する透光性の第2有色透光層と、前記本体部の表面のうち前記第1の領域及び前記第2の領域に跨る第3の領域に設けられ、第3の色を有する遮光性の有色遮光層と、を備え、前記第1の領域において第1の形状に前記有色遮光層が欠落した第1欠落部と、前記第2の領域において第2の形状に前記有色遮光層が欠落した第2欠落部と、が形成されている。
【0007】
好適には、前記第1の形状及び前記第2の形状はそれぞれ文字又は記号であり、前記第2の形状のフォントサイズは、前記第1の形状のフォントサイズよりも小さく、前記第2の色は前記第1の色よりも明度が高い。
【0008】
本発明の第2の観点のキートップは、裏面から照明されるキートップであって、無色又は第1の色を有する透光性の本体部と、前記本体部の表面に設けられ、第2の色を有する透光性の有色透光層と、前記有色透光層の表面側に積層され、第3の色を有する遮光性の有色遮光層と、を備え、第1の形状に前記有色透光層及び前記有色遮光層が欠落した第1欠落部と、第2の形状に前記有色遮光層が欠落して前記有色透光層が露出する第2欠落部と、が形成されている。
【0009】
好適には、前記第1の形状及び前記第2の形状はそれぞれ文字又は記号であり、前記第2の形状のフォントサイズは、前記第1の形状のフォントサイズよりも小さい。
【0010】
好適には、前記有色遮光層は、遮光性を有する遮光層と、前記遮光層の表面側に設けられ、前記第3の色を有する有色層と、を備える。
【0011】
好適には、前記キートップの裏面において前記第1欠落部及び前記第2欠落部に跨る乳白色の光拡散層を備える。
【0012】
本発明の第3の観点の携帯電子機器は、上記のいずれかのキートップと、前記キートップにより押圧操作可能な押圧スイッチと、前記押圧スイッチが設けられる基板と、前記基板に設けられ、前記キートップを裏面から照明する発光素子と、を備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、照光式キートップの表面のうち文字や記号等の輪郭線以外の部分を平滑にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(第1の実施形態)
図1及び図2は、本発明の第1の実施形態に係る携帯電話機1を示す外観斜視図である。携帯電話機1はいわゆる折り畳み式の携帯電話機として構成されており、図1は開状態を、図2(a)及び図2(b)は閉状態をそれぞれ示している。
【0015】
携帯電話機1は、受話筐体2と、送話筐体3とを備えている。受話筐体2及び送話筐体3は、それぞれの端部が連結部4により連結されており、携帯電話機1は、連結部4側を回動の中心として開閉可能である。
【0016】
受話筐体2は、閉状態で送話筐体3に対向する面側の正面側ケース6と、その背面側の背面側ケース7とを備えている。正面側ケース6及び背面側ケース7は、例えば樹脂によりそれぞれ成形されている。受話筐体2の正面側ケース6には、通話用のスピーカの放音口13が開口している。
【0017】
受話筐体2には、正面に画像を表示するメイン表示部11と、背面に画像を表示するサブ表示部12とが設けられている。メイン表示部11及びサブ表示部12は、例えば液晶表示ディスプレイによって構成されている。
【0018】
送話筐体3は、閉状態で受話筐体2に対向する面側の正面側ケース8と、その背面側の背面側ケース9と、背面側ケース9の背面側に被せられる蓋体10とを備えている。正面側ケース8、背面側ケース9及び蓋体10は、例えば樹脂によりそれぞれ成形されている。送話筐体3の正面側ケース8には通話用のマイクの集音口18が開口し、蓋体10には報知用スピーカの放音口19が開口している。
【0019】
送話筐体3には、ユーザの操作を受け付ける操作部17が設けられている。操作部17は、キートップとして、多方向キー51、決定キー52、ダイヤルキー53、ファンクションキー54を備えており、これらの各種キーは正面側ケース8より露出している。なお、以下では、操作部17の説明において、受話筐体2を上側に、送話筐体3を下側にして操作部17を正面から見たときの上下左右を、操作部17の上下左右として説明することがある。
【0020】
図3は、送話筐体3内部の概略構成を示す分解斜視図である。送話筐体3においては、正面側ケース8、キーアセンブリ21、基板アセンブリ22、背面側ケース9、蓋体10の順に積層される。キーアセンブリ21及び基板アセンブリ22は、正面側ケース8と背面側ケース9とをねじ等により互いに固定することにより、正面側ケース8及び背面側ケース9に挟まれて固定される。なお、正面側ケース8の開口周縁内側や背面側ケース9には、その内側にキーアセンブリ21や基板アセンブリ22を上下左右方向において位置決めするための不図示のボス等が設けられている。
【0021】
基板アセンブリ22は、基板26と、基板26のキーアセンブリ21側に被せられるシールドケース27と、シールドケース27上に配置されるフレキシブルプリント配線板(FPC、基板)28とを備えている。
【0022】
基板26は、例えば、硬質の樹脂をベースとした回路基板により構成されている。基板26には、無線通信を行うための高周波回路、携帯電話機1全体の動作を制御する制御回路等、各種の電子回路、電気素子が設けられている。
【0023】
シールドケース27は、例えば金属により形成されており、基板26に被せられるとともに基板26のグランド層に電気的に接続され、高周波回路等の基板26に設けられた各種の電子回路や電気素子をシールドしている。シールドケース27は、例えば略矩形の箱体状に形成され、基板26に平行でFPC28が載置される天面及び天面の周囲を囲む側面を有している。シールドケース27の内部には、各種電子回路や電気素子を区画するリブ(不図示)が設けられている。
【0024】
FPC28は、キーアセンブリ21側に、複数の押圧スイッチ31と、複数のLED(発光素子)32とを備えている。FPC28は不図示の信号線を介して基板26と電気的に接続されており、押圧スイッチ31の押圧に対応する信号を基板26の制御回路に出力する。また、FPC28は基板26を介してバッテリ(不図示)から供給される電力をLED32に供給してLED32を発光させる。
【0025】
押圧スイッチ31は、例えば、多方向キー51の上下左右に対応して4個、決定キー52に対応して1個、1個のダイヤルキー53に対応して1個(合計15個)、1個のファンクションキー54に対応して1個(合計4個)配置されている。LED32は押圧スイッチ31の4隅等に設けられ、押圧スイッチ31間に配置されている。
【0026】
図4(a)は、筐体外部側から見たキーアセンブリ21の斜視図、図4(b)は、筐体内部側から見たキーアセンブリ21の斜視図、図5は、キーアセンブリ21の分解斜視図である。なお、以下において、各種構成要素の図4(a)紙面上方側の面を表面又は天面、その裏側、すなわち、図4(b)紙面上方側の面を裏面ということがある。
【0027】
キーアセンブリ21は、キーシート24の天面に、各種キー51〜54が接合されて構成されている。キーシート24は、シート部材35と、インナーフレーム36と、光拡散シート37とが積層されて構成されている。
【0028】
各種キー51〜54は、各種キー51〜54は、図1及び図3に示すように、正面側ケース8に設けられた開口部8aから共に露出する。換言すれば、各種キー51〜54の間には何も介在しない。ただし、正面側ケース8に各種キー51〜54に対応する開口部を複数設け、各種キー51〜54の間に正面側ケース8の一部としてのフレームを介在させてもよい。
【0029】
シート部材35は、例えばシリコンゴムなどの軟質の材質により形成されている。また、シート部材35は、透光性を有し、LED32からの光を透過可能である。シート部材35は、図5に示すように、概ね矩形のシート状に形成され、各種キー51〜54に対応する位置に、換言すれば、押圧スイッチ31に対応する位置に、各種キー51〜54側へ突出する突出部41を複数有している。
【0030】
図4(b)及び図5に示すように、突出部41は、シート部材35の天面側へ突出するとともに、その裏側を窪ませるように形成されている。なお、突出部41の厚さは、突出部以外の部分よりも厚く形成されている。窪み側の略中央には、各種キー51〜54とは反対側に突出し、押圧スイッチ31に当接する押し子44が形成されている。押し子44は押圧スイッチ31に対して当接又は所定の微小隙間で対向する。
【0031】
各種キー51〜54は、突出部41に対して接合される。接合は例えば透光性を有する接着剤により行われる。各種キー51〜54が押下されると、押し子44が押圧スイッチ31を押圧する。突出部41の4隅側等には、LED32を収納するための複数の凹部46(図4(b))が設けられている。
【0032】
シート部材35の外周には、基板アセンブリ22に螺合される不図示のねじを挿通するための貫通孔47や、背面側ケース9のネジボス等に嵌合する切り欠き部48が設けられている。
【0033】
インナーフレーム36は、シート部材35よりも弾性係数(剛性)が高い材料で形成されている。例えば、シート部材35がシリコンゴムにより形成されているのに対し、インナーフレーム36は、ポリカーボネイト等の樹脂により形成されている。また、インナーフレーム36は、LED32からの光を透過可能な材質により形成されている。
【0034】
インナーフレーム36は、シート部材35と同程度の広さのシート状に形成されている。そして、インナーフレーム36には、突出部41が貫通する開口部49(図5)が複数形成されている。開口部49の形状は、例えば、突出部41が嵌合する形状である。インナーフレーム36は、シート部材35に対して接合されてもよいし、接合されなくてもよい。
【0035】
光拡散シート37は、例えば、光を透過可能な樹脂等に乳白色の光拡散物質が混入されて形成されており、光拡散シート37を透過する光を拡散可能である。光拡散シート37は、例えば平面視においてインナーフレーム36と同様の形状に形成され、突出部41が貫通する開口部50を複数有している。光拡散シート37は、インナーフレーム36に対して接合されてもよいし、接合されなくてもよい。
【0036】
図6は、ダイヤルキー53の一例を示す斜視図である。ダイヤルキー53では、第1の領域A1において、第1の形状SH1としての数字(図6では「3」)が一つ表され、第1の領域とは異なる(第1の領域A1と重ならない)第2の領域A2において、第2の形状SH2としてのひらがな(図6では「さ」)及びアルファベット(図6では「D」、「E」、「F」)が複数表されている。ダイヤルキー53では、第1の形状SH1及び第2の形状SH2においてLED32の光が透過され、それ以外の部分においてはLED32の光が遮断される。
【0037】
複数の第2の形状SH2のフォントサイズは、いずれも第1の形状SH1のフォントサイズよりも小さい。なお、フォントサイズは、例えば、フォントが装飾的な特異なものでないかぎり、そのフォントにおける文字や記号の最大高さ及び最大幅により特定される。フォントが装飾的な特異なものである場合にも、そのフォントにおける各文字や各記号の最大高さの平均及び最大幅の平均により特定可能である。一般に、フォントサイズが大きいほど、文字や記号を構成する線の太さと長さにより規定される文字や記号の面積(本願では、光が透過する面積)は小さく、また、文字や記号を構成する線が細い。すなわち、文字や記号を透過する光量が少なく、文字や記号が暗くなりやすい。
【0038】
図7は、ダイヤルキー53の構成を模式的に示す断面図である。図7において、紙面上方側がダイヤルキー53の天面側であり、ダイヤルキー53の紙面下方側にLED32(図3参照)が配置される。
【0039】
ダイヤルキー53は、本体部61と、本体部61の天面に設けられる遮光層62と、遮光層62に積層される有色層63と、本体部61の裏面に設けられる第1透光層(第1有色透光層)65及び第2透光層(第2有色透光層)66と、第1透光層65及び第2透光層66に積層される拡散層(光拡散層)67とを備えている。なお、遮光層62及び有色層63により有色遮光層64が構成されている。
【0040】
本体部61は、例えば、アクリル樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネイトなどの硬質の材質により形成されている。また、本体部61は透光性を有し、LED32からの光を透過可能である。なお、本体部61は、透光性を有すれば、無色でも有色でもよいし、半透明であってもよいし、光拡散性を有していてもよい。ただし、無色又は無色に近い色とすれば、後述する第1欠落部L1及び第2欠落部L2における色を第1透光層65及び第2透光層66の色により表すことが容易になる。
【0041】
遮光層62は、第1の領域A1及び第2の領域A2に跨る第3の領域A3に亘る広さで形成されている。例えば、遮光層62は、本体部61の天面全面に亘る広さで形成されている。遮光層62は、遮光性を有しており、LED32からの光を遮断する。なお、遮光性は、第1の実施形態においては、光を完全に遮断するもの(透過率0)でなくてもよく、LED32からダイヤルキー53に光が照射されても、第1透光層65と第2透光層66との境界を視認することができない程度にLED32からの光を遮断するものであればよい。
【0042】
遮光層62は適宜に形成してよい。例えば、黒色の塗料を本体部61に塗装することにより形成してもよいし、スパッタリングや蒸着により本体部61に金属メッキを施すことにより形成してもよいし、紙や樹脂等により形成された遮光性のシートを本体部61に貼付することにより形成してもよい。
【0043】
有色層63は、遮光層62の表面側に、遮光層62と同等の広さで積層されている。有色層63は、所定の色(第3の色)を有し、表面側からの光を反射して第3の色で視認可能である。なお、第3の色は、第1の形状SH1及び第2の形状SH2の背景色となる。第3の色は、無色透明以外のあらゆる色としてよい。例えば、青色、赤色、黄色はもちろん、白色、黒色であってもよいし、有色透明であってもよいし、金属色であってもよい。ただし、第1の形状SH1及び第2の形状SH2を、LED32からの透過光によってではなく、太陽光などのダイヤルキー53の表面へ入射して反射した光によって視認する場合には、有色層63の第3の色と、第1の形状SH1及び第2の形状SH2の色との双方が明度の低い色であると、第1の形状SH1及び第2の形状SH2の輪郭がぼやけてしまい、視認しづらくなる。従って、第3の色は、比較的明度の高い色であることが望ましい。
【0044】
有色層63は適宜に形成してよい。例えば、塗料を遮光層62上に塗装することにより形成してもよいし、スパッタリングや蒸着により遮光層62上に有色の金属メッキを施すことにより形成してもよいし、紙や樹脂等により形成された有色のシートを遮光層62上に貼付することにより形成してもよい。
【0045】
第1透光層65は、本体部61の裏面のうち、第1の領域A1に亘る広さで形成されている。換言すれば、本体部61の裏面のうち、第1の形状SH1(図6の例では「3」)を包含する広さで形成されている。第1の透光層65は有色透明である。すなわち、第1透光層65は、透光性を有するとともに所定の色(第1の色)を有し、LED32からの光のうち、第1の色に対応する光の成分のみを透過させる。なお、第1の色は、無色(無色透明)でなければよく、例えば、赤色、緑色、青色はもちろん、乳白色でもよい。ただし、有色層63の第3の色と異なる色であることが意匠上は好ましい。
【0046】
第1透光層65は適宜に形成してよい。例えば、シルク印刷等により有色透明の塗料を本体部61に塗装することにより形成してもよいし、樹脂等により形成された有色透明のシートを本体部61に貼付することにより形成してもよい。
【0047】
第2透光層66は、本体部61の裏面のうち、第2の領域A2に亘る広さで形成されている。換言すれば、本体部61の裏面のうち、第2の形状SH2(図6の例では「さ」、「D」、「E」、「F」)を包含する広さで形成されている。なお、第2透光層66は、複数の第2の領域A2全体に亘って一つ形成されていてもよいし、複数の第2の領域A2それぞれに対して一つずつ形成されていてもよい。第2の透光層66は有色透明である。すなわち、第2透光層66は、透光性を有するとともに第1の色とは異なる所定の色(第2の色)を有し、LED32からの光のうち、第2の色に対応する光の成分のみを透過させる。第2の色は、例えば第1の色よりも明度が高い色である。なお、第2の色は、無色(無色透明)でなければよく、例えば、赤色、緑色、青色はもちろん、乳白色でもよい。ただし、有色層63の第3の色及び第1透光層66の第2の色と異なる色であることが意匠上は好ましい。
【0048】
第2透光層66は適宜に形成してよい。例えば、シルク印刷等により有色透明の塗料を本体部61に塗装することにより形成してもよいし、樹脂等により形成された有色透明のシートを本体部61に貼付することにより形成してもよい。
【0049】
拡散層67は、本体部61の裏面のうち、第1の領域A1及び第2の領域A2に跨る広さで形成されている。例えば、本体部61の裏面全面に亘る広さで形成されている。拡散層67は光拡散性を有しており、LED32からの光を拡散しつつ表面側へ透過させる。また、表面側から入射した光を拡散しつつ表面側へ反射させることも可能である。拡散層67は、無色でも有色でもよい。ただし、無色又は無色に近い色とすれば、後述する第1欠落部L1及び第2欠落部L2における色を第1透光層65及び第2透光層66の色により表すことが容易になり、また、乳白色又は乳白色に近い色とすれば、第1透光層65及び第2透光層66の色を反映した第1欠落部L1及び第2欠落部L2の色を微調整することが容易になる。
【0050】
拡散層67は適宜に形成してよい。例えば、乳白色の光拡散物質を含んだ塗料をシルク印刷等により本体部61に塗装することにより形成してもよいし、乳白色の光拡散物質を含んだ樹脂等により形成されたシートを本体部61に貼付することにより形成してもよいし、本体部61に塗装した塗装膜や貼付する前後のシートの裏面をすりガラス状に粗面加工することにより形成してもよい。
【0051】
ダイヤルキー53は、第1の領域A1において第1の形状SH1に有色遮光層64が欠落した第1欠落部L1と、第2の領域A2において第2の形状SH2に有色遮光層64が欠落した第2欠落部L2とを有している。第1欠落部L1及び第2欠落部L2からは、本体部61の表面が露出している。
【0052】
第1欠落部L1及び第2欠落部L2は適宜に形成してよい。例えば、レーザ光を有色遮光層64に照射して、有色遮光層64を蒸発させて除去することにより形成してもよい。また、有色遮光層64がシートの貼付により設けられているような場合には、第1欠落部L1及び第2欠落部L2に相当する孔部が形成されたシートを形成し、当該シートを貼付することにより、第1欠落部L1及び第2欠落部L2を形成してもよい。
【0053】
なお、ダイヤルキー53の各層の形成方法、各層の形成方法の組み合わせ、及び、形成順序は適宜である。一例を挙げると、天面側では、順に、黒色塗料の塗装による遮光層62の形成工程、第3の色の塗料の塗装による有色層63の形成工程、レーザを利用した遮光層62及び有色層63の除去による第1欠落部L1及び第2欠落部L2の形成工程が行われ、裏面側では、順に、シルク印刷による第1透光層65の形成及び第2透光層66の形成工程、シルク印刷による拡散層67の形成工程が行われる。天面側及び裏面側のいずれの層を先に形成するかも適宜に設定してよい。
【0054】
以上の第1の実施形態によれば、ダイヤルキー53は、透光性の本体部61と、本体部61の裏面のうち第1の領域A1に設けられ、第1の色を有する透光性の第1透光層65と、本体部61の裏面のうち第1の領域A1とは異なる第2の領域A2に設けられ、第2の色を有する透光性の第2透光層66と、本体部61の表面のうち第1の領域A1及び第2の領域A2に跨る第3の領域A3に設けられ、第3の色を有する遮光性の有色遮光層64とを備え、第1の領域A1において第1の形状SH1に有色遮光層64が欠落した第1欠落部L1と、第2の領域A2において第2の形状SH2に有色遮光層64が欠落した第2欠落部L2とが形成されていることから、ダイヤルキー53を裏面側から照明したときに、第1の形状SH1を第1透光層65の第1の色が反映された色で、第2の形状SH2を第2透光層65の第2の色が反映された色でユーザに視認させることができ、また、LED32により照明されていないときに、第3の色を背景色として第1の形状SH1及び第2の形状SH2を視認させることができ、かつ、第1透光層65及び第2透光層66の境界部に形成された凹凸によりダイヤルキー53の表面に凹凸が生じることがない。
【0055】
一般に、小さい文字は大きい文字よりも視認しづらい。また、ダイヤルキー53では、文字が小さくなると、第1欠落部L1又は第2欠落部L2の面積(文字の線の太さ及び長さにより規定される有色遮光層64の除去面積)、すなわち、光路面積が小さくなることから、LED32からの第1欠落部L1及び第2欠落部L2を介した透過光や、太陽光などの第1欠落部L1及び第2欠落部L2を介して本体部61内部に入射した後、本体部61、第1透光層65、第2透光層66及び拡散層67の各境界面等において反射して第1欠落部L1及び第2欠落部L2から出射する反射光の光量が少なくなり、第1の形状SH1や第2の形状SH2が暗くなり、視認性が低下する。しかし、第1の実施形態では、第1の形状SH1の第1の色よりも、第1の形状SH1よりもフォントサイズが小さい第2の形状SH2の第2の色の明度を高くしていることから、第2の形状SH2の視認性が相対的に向上する。すなわち、第1の形状SH1及び第2の形状SH2を互いに異なる色にしつつ全体として視認性を向上させることができる。
【0056】
有色遮光層64が、遮光性を有する遮光層62と、遮光層の表面側に設けられ、第3の色を有する有色層63とからなることから、設計の自由度が向上する。すなわち、遮光層62は、遮光性を有してさえいればよいのであり、最終的な意匠を構成する色彩への影響をあまり考慮せずに、塗装、メッキ処理、シート貼付などの適宜な形成方法を選択することができ、その一方で、有色層63は、遮光性を考慮せずに、適宜な色相、彩度、明度の色を選択し、また、塗装、メッキ処理、シート貼付などの適宜な形成方法を選択できる。
【0057】
第1の形状SH1及び第2の形状SH2を、LED32からの透過光によってではなく、太陽光などのダイヤルキー53の表面へ入射して反射した光によって視認する場合には、有色遮光層64によって入射光は遮断されて本体部61内部は暗くなっており、第1透光層65及び第2透光層66の色は暗さ(黒)に吸収されて認識されづらい。しかし、ダイヤルキー53の裏面において第1欠落部L1及び第2欠落部L2に跨り、光を拡散する乳白色の拡散層67が形成されていることから、本体部61内部へ入射した光を拡散層67により拡散しつつ反射させ、第1の形状SH1及び第2の形状SH2を表す色を視認しやすい色に微調整することができる。
【0058】
(第2の実施形態)
図8は、本発明の第2の実施形態に係るダイヤルキー153の構成を模式的に示す断面図である。図8において、紙面上方側がダイヤルキー153の天面側である。ダイヤルキー153は、第1の実施形態のダイヤルキー53と同様に、携帯電話機1に配置されるものであり、図6に示したように第1の領域A1に第1の形状SH1が、第2の領域A2に第2の形状SH2が表されている。
【0059】
ダイヤルキー153は、本体部161と、本体部161の天面に設けられる透光層166と、透光層166に積層される遮光層162と、遮光層162に積層される有色層163と、本体部161の裏面に設けられる拡散層167とを備えている。なお、遮光層162及び有色層163により有色遮光層164が構成されている。
【0060】
本体部161は、第1の実施形態の本体部61と同様の構成を有するものである。すなわち、本体部161は、透光性を有し、LED32からの光を透過可能である。半透明でも光拡散性を有していてもよい。ただし、本体部161は、所定の色(第1の色)を有している。第1の色は、無色(無色透明)でなければよく、例えば、赤色、緑色、青色はもちろん、乳白色でもよい。ただし、本体部161を無色とすることも可能である。
【0061】
遮光層162は、第1の実施形態の遮光層62と同様の構成のものである。ただし、遮光層162は、第1の透光層166上に積層されている点で第1の実施形態と相違する。なお、第2の実施形態においても、遮光性は、光を完全に遮断するもの(透過率0)でなくてもよい。LED32からの光をある程度遮断して、後述する第1欠落部L11及び第2欠落部L12を透過した光を第1の形状SH1及び第2の形状SH2で視認できればよい。
【0062】
有色層163は、第1の実施形態の有色層63と同様の構成のものである。従って、有色層63は、所定の色(第3の色)を有し、表面側からの光を反射して第3の色で視認可能である。
【0063】
透光層166は、本体部161の表面のうち、第1の領域A1及び第2の領域A2に跨る広さで形成されている。例えば、本体部161の表面全面に亘る広さで形成されている。透光層166は有色透明である。すなわち、透光層166は、透光性を有するとともに第1の色とは異なる所定の色(第2の色)を有し、LED32からの光のうち、第2の色に対応する光の成分のみを透過させる。なお、第2の色は、無色(無色透明)でなければよく、例えば、赤色、緑色、青色はもちろん、乳白色でもよい。ただし、本体部161の第1の色及び有色層163の第3の色と異なる色であることが意匠上は好ましい。
【0064】
透光層166は適宜に形成してよい。例えば、シルク印刷等により有色透明の塗料を本体部161に塗装することにより形成してもよいし、樹脂等により形成された有色透明のシートを本体部161に貼付することにより形成してもよい。
【0065】
拡散層167は、第1の実施形態の拡散層67と同様の構成のものである。ただし、第2の実施形態では、本体部61の裏面に設けられている。なお、第1の実施形態と同様に、拡散層67は、無色でも有色でもよく、無色又は無色に近い色とすれば、後述する第1欠落部L11及び第2欠落部L12における色を本体部161や透光層166の色により表現することが容易になり、また、乳白色又は乳白色に近い色とすれば、本体部161及び透光層166の色を反映した第1欠落部L11及び第2欠落部L12の色を微調整することが容易になる。
【0066】
ダイヤルキー153は、第1の領域A1において第1の形状SH1に有色遮光層164及び透光層166が欠落した第1欠落部L11と、第2の領域A2において第2の形状SH2に有色遮光層164が欠落した第2欠落部L12とを有している。第1欠落部L11からは本体部161が露出し、第2欠落部L12からは透光層166が露出している。
【0067】
第1欠落部L11及び第2欠落部L12は適宜に形成してよい。例えば、有色遮光層164及び透光層166の双方を蒸発させて除去可能な強度及び時間でレーザ光を第1の領域A1に照射して第1欠落部L11を形成するとともに、有色遮光層164のみを蒸発させて除去可能な強度及び時間でレーザ光を第2の領域に照射して第2欠落部L12を形成してもよい。有色遮光層164及び透光層166のうち少なくとも一方を、第1欠落部L1や第2欠落部L2に相当する孔部が形成されたシートにより形成することとし、当該シートを貼付することにより、第1欠落部L11及び第2欠落部L12を形成してもよい。
【0068】
なお、ダイヤルキー153の各層の形成方法、各層の形成方法の組み合わせ、及び、形成順序は適宜である。一例を挙げると、天面側では、順に、シルク印刷による透光層166の形成工程、黒色塗料の塗装による遮光層162の形成工程、第3の色の塗料の塗装による有色層163の形成工程、レーザを利用した有色遮光層164の除去による第1欠落部L11の形成並びにレーザを利用した有色遮光層164及び透光層166の除去による第2欠落部L12の形成工程が行われ、裏面側では、シルク印刷による拡散層167の形成工程が行われる。天面側及び裏面側のいずれの層を先に形成するかも適宜に設定してよい。
【0069】
以上の第2の実施形態によれば、ダイヤルキー153は、第1の色を有する透光性の本体部161と、本体部161の表面に設けられ、第2の色を有する透光性の透光層166と、透光層166の表面側に積層され、第3の色を有する遮光性の有色遮光層164とを備え、第1の形状SH1に透光層166及び有色遮光層164が欠落した第1欠落部L11と、第2の形状SH2に有色遮光層164が欠落して透光層166が露出する第2欠落部とが形成されていることから、ダイヤルキー153を裏面側から照明したときに、第1の形状SH1を本体部161の第1の色が反映された色で、第2の形状SH2を本体部161の第1の色及び透光層166の第2の色の双方が反映された色でユーザに視認させることができ、すなわち、第1の形状SH1と第2の形状SH2とを互いに異なる色で視認させることができ、また、LED32により照明されていないときに、第3の色を背景色として第1の形状SH1及び第2の形状SH2を視認させることができ、かつ、本体部161の表面側において互いに異なる領域に異なる色の層を並列に設ける構成ではないからダイヤルキー153の表面に第1の形状SH1や第2の形状SH2の輪郭と異なる位置に凹凸が生じることもない。なお、本体部161を無色透明とした場合にも、第1の形状SH1にはLED32の色や拡散層167の色が反映され、第2の形状SH2には更に透光層166の第2の色が反映されるから、第1の形状SH1と第2の形状SH2とを異なる色で視認可能である。
【0070】
一般に、小さい文字は大きい文字よりも視認しづらい。また、ダイヤルキー153では、第1欠落部L11と第2欠落部L12とでは、第1欠落部L11の方が、第2欠落部L12よりも深く形成されており、反射光で視認する際に暗くなりやすい。しかし、第2の実施形態では、第1の形状SH1を第1欠落部L11により表すとともに、第1の形状SH1よりもフォントサイズが小さい第2の形状SH2を第2欠落部L12により表していることから、第2の形状SH2の視認性が相対的に向上する。すなわち、第1の形状SH1及び第2の形状SH2を互いに異なる色にしつつ全体として視認性を向上させることができる。
【0071】
なお、第1の実施形態と同様に、光を拡散する乳白色の拡散層167が形成されていることから、本体部161内部へ入射した光を拡散層167により拡散しつつ反射させ、第1の形状SH1及び第2の形状SH2を表す色を視認しやすい色に微調整することができる。
【0072】
(第3の実施形態)
図9は、本発明の第3の実施形態に係るダイヤルキー253の構成を模式的に示す断面図である。図9において、紙面上方側がダイヤルキー253の天面側である。ダイヤルキー253は、第1の実施形態のダイヤルキー53と同様に、携帯電話機1に配置されるものであり、図6に示したように第1の領域A1に第1の形状SH1が、第2の領域A2に第2の形状SH2が表されている。
【0073】
ダイヤルキー253は、本体部261と、本体部261の天面に設けられる透光層265と、透光層265に積層される遮光層262と、遮光層262に積層される第1有色層263と、第1有色層263に積層される第2有色層266と、本体部261の裏面に設けられる拡散層267とを備えている。なお、遮光層262及び第1有色層263により有色遮光層264が構成されている。
【0074】
本体部261は、第1の実施形態の本体部61と同様の構成を有するものである。すなわち、本体部261は、透光性を有し、LED32からの光を透過可能である。本体部261は、透光性を有すれば、無色でも有色でもよいし、半透明であってもよいし、光拡散性を有していてもよい。
【0075】
遮光層262は、第2の実施形態の遮光層162と同様の構成のものである。また、第1有色層263は、第2の実施形態の有色層163と同様の構成のものである。従って、第1有色層263は、所定の色(第3の色)を有し、表面側からの光を反射して第3の色で視認可能である。
【0076】
透光層265は、第2の実施形態の透光層166と同様の構成のものである。ただし、第2の実施形態では透光層166の色(第2の色)は第2の形状SH2に反映されたのに対し、第3の実施形態では透光層265の色(第1の色)は第1の形状SH1に反映される。
【0077】
第2有色層266は、第1有色層263の表面側に、第2の形状SH2で積層されている。第2有色層266は、第1有色層263の第3の色とは異なる所定の色(第2の色)を有し、表面側からの光を反射して第2の色で視認可能である。なお、第2の色は、無色透明以外のあらゆる色としてよい。例えば、青色、赤色、黄色はもちろん、白色、黒色であってもよいし、有色透明であってもよいし、金属色であってもよい。
【0078】
第2有色層266は適宜に形成してよい。例えば、シルク印刷等により塗料を第1有色層263上に塗装することにより形成してもよいし、スパッタリングや蒸着により第1有色層263上に有色の金属メッキを施すことにより形成してもよいし、紙や樹脂等により形成された有色のシートを第1有色層263上に貼付することにより形成してもよい。
【0079】
拡散層267は、第2の実施形態の拡散層167と同様の構成のものである。
【0080】
ダイヤルキー253は、第1の領域A1において第1の形状SH1に有色遮光層264が欠落して透光層265が露出した欠落部L21を有している。欠落部L21は、第2の実施形態の第2欠落部L12と同様に形成される。
【0081】
なお、ダイヤルキー253の各層の形成方法、各層の形成方法の組み合わせ、及び、形成順序は適宜である。一例を挙げると、天面側では、順に、シルク印刷による透光層265の形成工程、黒色塗料の塗装による遮光層262の形成工程、第3の色の塗料の塗装による第1有色層263の形成工程、シルク印刷による第2の形状SH2の第2有色層266の形成及びレーザを利用した有色遮光層264の除去による欠落部L21の形成工程が行われ、裏面側では、シルク印刷による拡散層267の形成工程が行われる。天面側及び裏面側のいずれの層を先に形成するかも適宜に設定してよい。
【0082】
以上の第3の実施形態によれば、ダイヤルキー253は、透光性の本体部261と、本体部261の表面に設けられ、第1の色を有する透光性の透光層265と、透光層265の表面側に積層され、第3の色を有する遮光性の有色遮光層264と、有色遮光層264の表面側に積層され、第3の色とは異なる第2の色を有する第2有色層266とを備え、第1の形状SH1に有色遮光層264が欠落した第1欠落部L21が形成されるとともに、第2有色層266が第2の形状SH2に形成されていることから、ダイヤルキー253を裏面側から照明したときに、第1の形状SH1を透光層265の第1の色が反映された色で表すことができるとともに、太陽光などによりダイヤルキー253を表面側から照明したときに、第1有色層263の第3の色を背景色として、第1の形状SH1を透光層265の第1の色が反映された色で表すことができるとともに、第2の形状SH2を第2有色層266の第2の色で表すことができ、かつ、本体部261の表面側において互いに異なる領域に異なる色の層を並列に設ける構成ではないからダイヤルキー253の表面に第1の形状SH1や第2の形状SH2の輪郭と異なる位置に凹凸が生じることもない。
【0083】
本発明は以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施してよい。
【0084】
本発明のキートップは、裏面から照明された光の一部を透過させるものであればよく、携帯電話機のダイヤルキーに限定されない。例えば、携帯電話機のファンクションキー等の他のキーであってもよいし、全く別の電子機器のキーであってもよい。本発明のキートップが利用されるキー装置は、キートップへの操作によりスイッチがオン、オフされるものであればよく、押圧式のものに限定されない。例えばスライド式のものであってもよい。また、本発明が適用される電子機器は、キートップへの操作により、通信部や表示部等の各部の動作が制御されるものであればよく、携帯電話機に限定されない。例えば、ノートパソコン、PDA等の携帯電子機器であってもよいし、自動車の操作パネル等の携帯電子機器以外の機器であってもよい。
【0085】
第1の形状及び第2の形状は、あらゆる形状を含む。文字や記号のように何らかの情報をユーザに伝達するものに限定されず、例えば、装飾を目的とする市松模様等の模様であってもよい。線により構成されてもよいし、矩形や円形等の図形により構成されるものであってもよい。また、第1の形状及び第2の形状の一例としての文字は、言語や数を表現するあらゆるものを含む。アラビア数字、ひらがな、アルファベットに限定されず、例えば、漢字、ギリシャ文字であってもよい。記号は、何らかの情報をユーザに伝達する形状のうち、文字以外の全てを含む。一般に文章中において利用される、+、−、#、@等の記号だけでなく、例えば、受話器を模した絵や本を模した絵も含まれる。
【0086】
第1の実施形態のように、本体部裏面に第1有色透光層及び第2有色透光層を設けるとともに、本体部表面の有色遮光層を欠落させて第1欠落部及び第2欠落部を形成する場合、第1欠落部及び第2欠落部においては、有色遮光層の下層の部材が露出すればよいのであり、本体部が露出しなくてもよい。例えば、第1の実施形態の本体部61と有色遮光層64との間に第1の透光層65及び第2の透光層66とは別の有色透光層を本体部61全面に設け、第1の欠落部L1及び第2の欠落部L2においては、有色遮光層64を欠落させて、上記別の有色透光層を露出させてもよい。
【0087】
第2の実施形態のように、第1の形状に有色透光層及び有色遮光層が欠落した第1欠落部と、第2の形状に有色遮光層が欠落して有色透光層が露出する第2欠落部とを形成する場合、第1欠落部においては、第2の欠落部において露出する有色透光層の下層の部材が露出すればよいのであり、本体部が露出しなくてもよい。例えば、第2の実施形態の本体部161と透光層166との間に、透光層166とは別の有色透光層を本体部161全面に設け、第1の欠落部L11においては、有色遮光層164及び透光層166を欠落させて上記別の有色透光層を露出させ、第2の欠落部L12においては、有色遮光層164のみを欠落させて透光層166を露出させてもよい。
【0088】
第1〜第3の実施形態の構成を適宜に組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の第1の実施形態の携帯電話機を開状態で示す外観斜視図。
【図2】図1の携帯電話機を閉状態で示す外観斜視図。
【図3】図1の携帯電話機の送話筐体を示す分解斜視図。
【図4】図1の携帯電話機のキーアセンブリを示す斜視図。
【図5】図4のキーアセンブリの分解斜視図。
【図6】図4のキーアセンブリのキートップの一例を示す斜視図。
【図7】図6のキートップの構成を模式的に示す断面図。
【図8】本発明の第2の実施形態のキートップの構成を模式的に示す断面図。
【図9】本発明の第3の実施形態のキートップの構成を模式的に示す断面図。
【図10】従来のキートップの構成を模式的に示す断面図。
【符号の説明】
【0090】
53…ダイヤルキー(キートップ)、51…本体部、65…第1透光層(第1有色透光層)、66…第2透光層(第2有色透光層)、A3…第3の領域、64…有色遮光層、A1…第1の領域、A2…第2の領域、SH1…第1の形状、SH2…第2の形状、L1…第1欠落部、L2…第2欠落部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
裏面から照明されるキートップであって、
透光性の本体部と、
前記本体部の裏面のうち第1の領域に設けられ、第1の色を有する透光性の第1有色透光層と、
前記本体部の裏面のうち前記第1の領域とは異なる第2の領域に設けられ、第2の色を有する透光性の第2有色透光層と、
前記本体部の表面のうち前記第1の領域及び前記第2の領域に跨る第3の領域に設けられ、第3の色を有する遮光性の有色遮光層と、
を備え、
前記第1の領域において第1の形状に前記有色遮光層が欠落した第1欠落部と、
前記第2の領域において第2の形状に前記有色遮光層が欠落した第2欠落部と、
が形成されている
ことを特徴とするキートップ。
【請求項2】
前記第1の形状及び前記第2の形状はそれぞれ文字又は記号であり、前記第2の形状のフォントサイズは、前記第1の形状のフォントサイズよりも小さく、
前記第2の色は前記第1の色よりも明度が高い
ことを特徴とする請求項1に記載のキートップ。
【請求項3】
裏面から照明されるキートップであって、
無色又は第1の色を有する透光性の本体部と、
前記本体部の表面に設けられ、第2の色を有する透光性の有色透光層と、
前記有色透光層の表面側に積層され、第3の色を有する遮光性の有色遮光層と、
を備え、
第1の形状に前記有色透光層及び前記有色遮光層が欠落した第1欠落部と、
第2の形状に前記有色遮光層が欠落して前記有色透光層が露出する第2欠落部と、
が形成されている
ことを特徴とするキートップ。
【請求項4】
前記第1の形状及び前記第2の形状はそれぞれ文字又は記号であり、前記第2の形状のフォントサイズは、前記第1の形状のフォントサイズよりも小さい
ことを特徴とする請求項3に記載のキートップ。
【請求項5】
前記有色遮光層は、
遮光性を有する遮光層と、
前記遮光層の表面側に設けられ、前記第3の色を有する有色層と、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のキートップ。
【請求項6】
前記キートップの裏面において前記第1欠落部及び前記第2欠落部に跨る乳白色の光拡散層を備える
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のキートップ。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のキートップと、
前記キートップにより押圧操作可能な押圧スイッチと、
前記押圧スイッチが設けられる基板と、
前記基板に設けられ、前記キートップを裏面から照明する発光素子と、
を備えた携帯電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−207444(P2007−207444A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−21552(P2006−21552)
【出願日】平成18年1月30日(2006.1.30)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】