説明

クイック・アセンブリ・ヒンジ・セクションを有するピボット取り付け可能ヒンジ部品及びその使用方法

本発明による非制限の一実施例では、窓がクイック・リリース・ヒンジ部品によって自動車のボディにピボット取り付けされる。一対のインジェクタ92が自動車のボディにピボット取り付けされ、一対のレシーバ94が窓の主表面に取り付けられる。インジェクタは、それぞれ、外側に向かって展開しているタブ108を有する一対のたわみフィンガ104、106を有しており、レシーバ94は、それぞれ、タブ係合部分116、119を有する通路113を有している。インジェクタ92のタブ108がレシーバ94の通路113に挿入され、タブ係合部分116、119と係合して、レシーバ94及びインジェクタ92が分離可能に一体に固着され、それにより窓が自動車ボディにピボット取り付けされる。タブを移動させてタブ係合部分との係合を解除し、インジェクタ及びレシーバを分離することによってレシーバ及びインジェクタが分離され、自動車ボディから窓が分離される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、剛直な基板をピボット取り付けするためのクイック・アセンブリ部材、たとえば自動車ボディに窓をピボット取り付けするためのクイック・アセンブリ部材を有するピボット取り付け可能ヒンジ部品に関し、より詳細には、任意選択で自動車のリア・ウィンドウに取り付けられる受取り部材即ちレシーバに挿入される、任意選択で自動車の後端部にピボット取り付けされる注入可能部材即ちインジェクタを備えた、レシーバ及びインジェクタを一体に固着し(たとえば解放可能に固着し)、窓を自動車ボディにピボット取り付けするためのピボット取り付けヒンジ部品に関する。また、本発明は、クイック・アセンブリ部材即ちレシーバ及びインジェクタを有するヒンジ部品の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術の説明でとりわけ重要なヒンジは、第1の剛直ヒンジ部品及び第2の剛直ヒンジ部品を備えている。個々のヒンジ部品の面は、通路を有する、間隔を隔てた突起を有している。これらの部品の突起は連動しており、整列した位置で通路にピンが挿入され、それによりヒンジ部品がピボット取り付けされる。当業者には理解されるように、第1及び第2のヒンジ部品は、ピボット取り付けによって一体にされる部品に固着されたプレートであってもよい。他の実例では、一方の部品がピボット取り付けされ、且つ、もう一方の部品に結合された他のヒンジ部品がピボット取り付けされる、通路を有する突起を形成することができる。実例として、自動車ボディは、自動車ボディの一部として形成されたヒンジ部品がピボット取り付けされる突起、及び自動車ボディに接着結合され、溶接され、ボルト止めされ、或いはねじ止めされるヒンジ部品を有している。自動車ボディにピボット取り付けされる部品に他のヒンジ部品を固着することも可能であり、或いは自動車ボディにピボット取り付けされる部品を使用して他のヒンジ部品を形成することも可能である。
【0003】
次に、自動車ボディに窓を移動可能に取り付けるための構造について考察する。現在、サイド・ドア及びリア・ドアを備えた自動車の利用が可能である。窓は、ドアの内部に取り付けられた、窓を上下に移動させるためのエレベータ構造の上に取り付けることができ、窓は、自動車ボディ、たとえば米国特許第5,551,197号で考察されているように取り付けられた側パネルにピボット取り付けすることができ、窓は、スライド・サイド・ドアの窓開口にピボット取り付けすることができ、窓は、リア・ドアの窓開口にピボット取り付けすることができ、及び/又は窓は、自動車ボディの後部部分にピボット取り付けすることができる。背景技術の説明で重要なことは、自動車ボディの窓開口にピボット取り付けされた窓、又は自動車ボディにピボット取り付けされた窓の交換である。
【0004】
より詳細には、窓をピボット取り付けするヒンジがリア・ウィンドウに接着結合されている実例では、窓は、窓を自動車ドア又は自動車ボディにピボット取り付けしているファスナを取り外すことによって交換される。窓が機械式ファスナ、たとえばナットとボルトのアセンブリによってヒンジに固着されている実例では、個々のヒンジのナットとボルトのアセンブリを分離することにより、壊れた窓と新しい窓が交換される。機械式ファスナによって固着されたヒンジ部品を有する窓には、付加的な限界がある。詳細には、ナットとボルトの構造を締め付けすぎると、ガラス窓を破壊することになる。ドアが閉じた位置で窓を開閉することができ、ドアが開いた位置で窓を開けることができるよう、自動車ドア、たとえばリア・ドアのピボット位置と同じピボット位置でピボット取り付けされた窓の交換は、壊れた窓を取り外すためには、ドア及び窓のヒンジ部品をピボット取り付けしているピンを外さなければならず、ドア及び交換した窓をピボット取り付けするためにピンを挿入しなければならないため、より労働集約的である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
理解されるように、現在利用可能な、部品を一体にピボット取り付けするために使用されるヒンジ部品、たとえば自動車ボディ又はドアの窓開口に窓をピボット取り付けするために使用されるヒンジ部品が抱えている弱点のないヒンジ部品が提供されることが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1の面及び反対側の第2の面、並びに第1の面から第2の面に向かって展開している溝を有する第1の部材と、第1の部品及び第2の部品を有する分離可能固着構造であって、固着構造の第1の部品が第1の部材の溝を介してアクセス可能である分離可能固着構造と、第1の端部部分及び反対側の第2の端部部分を有する第2の部材とを備えたヒンジ部品であって、第2の部材の第1の端部部分が固着構造の第2の部品を備え、第2の部材の第1の端部部分及び第1の部材の溝が、固着構造の第1の部品と第2の部品を互いに係合させるために第2の部材の第1の端部部分を第1の部材の溝に挿入することができるように互いに寸法決めされ、第1の部材の第2の面又は第2の部材の第2の端部部分が、第1の部材の第2の面又は第2の部材の第1の端部部分を取り付けるための軸受取りオリフィスを有するヒンジ部品に関している。本発明による非制限の一実施例では、第1の部材はレシーバとして構成されており、第2の部材はインジェクタとして構成されている。溝は通路であり、インジェクタの第1の端部部分の固着構造の第2の部品は、タブとして構成された拡張部分を有する少なくとも1つのたわみフィンガを備えており、固着構造の第1の部品は、少なくとも1つのたわみフィンガのタブと係合するタブ係合部分を備えている。
【0007】
また、本発明により、受取り部材の一方の端部から反対側の端部に向かって展開している通路、受取り部材の面に存在している、面から通路まで展開している開口、及び受取り部材の一方の端部から面にかけて取り付けられた、もう一方の端部にリッジを有するたわみ部材であって、たわみ部材が非バイアス位置に位置している場合にリッジが通路の中へ展開するたわみ部材を有するレシーバと、第1の端部部分及び反対側の第2の端部部分を有するインジェクタであって、第1の端部部分が、インジェクタの第1の端部に向かう傾斜表面及び第1の端部から間隔を隔てた溝を有し、第1の端部部分が受取り部材に挿入されるように寸法決めされたインジェクタとを備えたヒンジ部品であって、第1の端部が受取り部材の通路の中へ移動すると、リッジが、たわみ部材のバイアス作用に対抗して、インジェクタの溝とリッジが整列するまで移動し、インジェクタの溝とリッジが整列すると、たわみ部材のバイアス作用によってリッジが溝の中へ移動してレシーバ及びインジェクタを一体に解放可能に固着し、レシーバ又はインジェクタが、レシーバ又はインジェクタを取り付けるための軸受取りオリフィスを有するヒンジ部品が提供される。
【0008】
さらに、本発明により、第1の部材と、第2の部材とを備えたヒンジ部品であって、第1の部材及び第2の部材がそれぞれ第1の端部部分及び反対側の第2の端部部分を有し、端部部分と端部部分の間に中央部分を備え、第1及び第2の部材の中央部分が鋸歯表面を有し、第1の部材の鋸歯表面及び第2の部材の鋸歯表面が互いに連動するように寸法決めされ、端部部分が、鋸歯表面が連動した状態で第1の部材を第2の部材に固着するための固着構造を有し、第1又は第2の部材が、軸係合部分を有する部材をピボット取り付けするための軸係合部分を有するヒンジ部品が提供される。
【0009】
本発明の他の非制限実施例によれば、第1の端部部分及び反対側の第2の端部部分を有する第1の部材であって、第1の部材の端部部分と端部部分の間に中央部分を有する第1の部材と、第1の端部部分及び反対側の第2の端部部分を有する第2の部材であって、第2の部材の表面の端部部分と端部部分の間に中央部分を有する第2の部材と、第1の部材の中央部分に固着されたヴェルクロ条片の第1の部品と、第2の部材の中央部分のヴェルクロ条片の第2の部品と、2つの部品からなる第1の係合構造であって、第1の係合構造の第1の部品が第1の部材の第1の端部部分を取り付け、第1の係合構造の第2の部品が第2の部材の第1の端部部分を取り付ける第1の係合構造と、2つの部品からなる第2の係合構造であって、第2の係合構造の第1の部品が第1の部材の第2の端部部分を取り付け、第2の係合構造の第2の部品が第2の部材の第2の端部部分を取り付ける第2の係合構造とを備え、第1の部材又は第2の部材が、軸係合部分を有する第1の部材又は第2の部材を取り付けるための軸係合部分を有するヒンジ部品が提供される。
【0010】
また、本発明により、表面を有するシート部材であって、窓、ドア、ピボット取り付け剛直基板及びそれらの組合せのグループから選択され、また、ガラス、ガラス・セラミックス、プラスチック、木材、金属、複合材及びそれらの組合せから選択される材料でできたシート部材と、シート部材の表面に取り付けられた少なくとも1つのヒンジ部品であって、(1)第1の面及び反対側の第2の面を有し、且つ、第1の面から第2の面に向かって展開している通路、及び通路内のタブ係合部分を有するレシーバであって、タブ係合部分が、通路の中に展開しているニブ、通路の壁に存在している、たわみフィンガのタブを受け取るための開口、通路の一部であって、レシーバの第1の端部からの距離が、間隔を隔てた壁と壁の間を隔てている距離が長くなって通路内にレッジを提供する移行領域まで長くなると、通路の間隔を隔てた壁と壁の間の間隔が狭くなる部分、及びそれらの組合せから選択されるレシーバ、及び(2)第1の端部部分及び反対側の第2の端部部分を有するインジェクタであって、第1の端部部分が、拡張端部部分を有する少なくとも1つのたわみフィンガを有する取り付け部材を備えたインジェクタから選択されるヒンジ部品とを備えた物品が提供される。
【0011】
さらに、本発明により、表面を有するシート部材であって、窓、ドア、ピボット取り付け剛直基板及びそれらの組合せから選択され、また、ガラス、ガラス・セラミックス、プラスチック、木材、金属及びそれらの組合せから選択される材料でできたシート部材と、シート部材の表面に取り付けられた少なくとも1つのヒンジ部品であって、(1)受取り部材の一方の端部から反対側の端部に向かって展開している通路、受取り部材の面に存在している、面から通路まで展開している開口、及び受取り部材の一方の端部から面にかけて取り付けられた、もう一方の端部にリッジを有するたわみ部材であって、たわみ部材が非バイアス位置に位置している場合にリッジが通路の中へ展開するたわみ部材を有するレシーバ、及び(2)第1の端部部分及び反対側の第2の端部部分を有するインジェクタであって、第1の端部部分が、インジェクタの第1の端部に向かう傾斜表面及び第1の端部から間隔を隔てた溝を有するインジェクタから選択されるヒンジ部品とを備えた物品が提供される。
【0012】
本発明の他の非制限実施例によれば、表面を有するシート部材であって、窓、ドア、ピボット取り付け剛直基板及びそれらの組合せから選択され、また、ガラス、ガラス・セラミックス、プラスチック、木材、金属及びそれらの組合せから選択される材料でできたシート部材と、シート部材の表面に取り付けられた少なくとも1つのヒンジ部品であって、ヒンジ部品が、第1の端部部分及び反対側の第2の端部部分を有し、且つ、端部部分と端部部分の間に中央部分を備えた部材を備え、中央部分が鋸歯表面を有し、部材の鋸歯表面及び端部部分が、2つの部品からなる固着構造のうちの一方の部品を有するヒンジ部品とを備えた物品が提供される。
【0013】
また、本発明により、表面を有するシート部材であって、窓、ドア、ピボット取り付け剛直基板及びそれらの組合せから選択され、また、ガラス、ガラス・セラミックス、プラスチック、木材、金属及びそれらの組合せから選択される材料でできたシート部材と、シート部材の表面に取り付けられた少なくとも1つのヒンジ部品であって、ヒンジ部品が、第1の端部部分、反対側の第2の端部部分及び端部部分と端部部分の間の中央部分を有し、且つ、ヒンジ部品の中央部分に固着されたヴェルクロ条片の第1の部品又は第2の部品、ヒンジ部品の第1の端部部分の上に配置された2つの部品からなる第1の係合構造の一方の部品、及び部材の第2の端部部分の上に配置された2つの部品からなる第2の係合構造の一方の部品を有するヒンジ部品とを備えた物品が提供される。
【0014】
本発明によれば、部品の表面に取り付けられ、且つ、車両ボディにピボット取り付けされた、或いは車両のボディに取り付けられたコンポーネントにピボット取り付けされた少なくとも1つのヒンジ部品を備えた取り付け構造によってピボット取り付けされる部品を有するタイプの車両における改善が提供される。この改善には、第1の部材、第2の部材及び解放可能固着構造を備えたクイック・リリース・ヒンジ部品であって、第1の部材又は第2の部材が部品の表面に取り付けられ、第2の部材又は第1の部材がそれぞれ車両ボディ又は車両ボディに取り付けられたコンポーネントにピボット取り付けされるクイック・リリース・ヒンジ部品が含まれており、第1の部材は、第1の面及び反対側の第2の面、並びに第1の面から第2の面に向かって展開している通路を有しており、分離可能固着構造は、第1の部品及び第2の部品を有しており、固着構造の第1の部品は、第1の部材の通路を介してアクセス可能であり、第2の部材は、第1の端部部分及び反対側の第2の端部部分を有しており、第2の部材の第1の端部部分は、固着構造の第2の部品を備えており、第2の部材の第1の端部部分及び第1の部材の通路は、固着構造の第1の部品と第2の部品を互いに係合させるために第2の部材の第1の端部部分を第1の部材の通路に挿入することができるように互いに寸法決めされ、また、第1の部材の第2の面又は第2の部材の第2の端部部分は、車両ボディにピボット取り付けされるか、或いは車両ボディに取り付けられたコンポーネントにピボット取り付けされる。
【0015】
本発明により、さらに、部品の表面に取り付けられ、且つ、車両ボディにピボット取り付けされた、或いは車両ボディに取り付けられたコンポーネントにピボット取り付けされた少なくとも1つのヒンジ部品を備えた取り付け構造によってピボット取り付けされる部品を有するタイプの車両における改善が提供される。この改善には、レシーバ及びインジェクタを備えたクイック・リリース・ヒンジ部品であって、レシーバ又はインジェクタが部品の表面に取り付けられ、インジェクタ又はレシーバがそれぞれ車両ボディ又は車両ボディに取り付けられたコンポーネントにピボット取り付けされるクイック・リリース・ヒンジ部品が含まれており、レシーバは、受取り部材の一方の端部から反対側の端部に向かって展開している通路、受取り部材の面に存在している、面から通路まで展開している開口、及び受取り部材の一方の端部から面にかけて取り付けられた、もう一方の端部にリッジを有するたわみ部材であって、たわみ部材が非バイアス位置に位置している場合にリッジが通路の中へ展開するたわみ部材を有しており、インジェクタは、第1の端部部分及び反対側の第2の端部部分を有しており、第1の端部部分は、取り付け部材の第1の端部に向かう傾斜表面及び第1の端部から間隔を隔てた溝を有しており、第1の端部部分は、受取り部材に挿入されるように寸法決めされており、第1の端部が受取り部材の通路の中へ移動すると、フィンガが、たわみ部材のバイアス作用に対抗して、取り付け部材の溝とリッジが整列するまで移動し、取り付け部材の溝とリッジが整列すると、フィンガのバイアス作用によってリッジが溝の中へ移動して受取り部材及び取り付け部材を一体に固着し、レシーバ又はインジェクタは、レシーバ又はインジェクタを取り付けるための軸受取りオリフィスを有している。
【0016】
他の非制限実施例では、本発明により、部品の表面に取り付けられ、且つ、車両ボディにピボット取り付けされた、或いは車両ボディに取り付けられたコンポーネントにピボット取り付けされた少なくとも1つのヒンジ部品を備えた取り付け構造によってピボット取り付けされる部品を有するタイプの車両における改善が提供される。この改善には、第1の部材及び第2の部材を備えたクイック・リリース・ヒンジ部品であって、第1の部材又は第2の部材が部品の表面に取り付けられ、第2の部材又は第1の部材がそれぞれ車両ボディ又は車両ボディに取り付けられたコンポーネントにピボット取り付けされるクイック・リリース・ヒンジ部品が含まれており、第1及び第2の部材は、それぞれ第1の端部部分、反対側の第2の端部部分及び端部部分と端部部分の間の中央部分を備えており、第1及び第2の部材の中央部分は鋸歯表面を有しており、第1の部材の鋸歯表面及び第2の部材の鋸歯表面は、互いに連動するように寸法決めされ、端部部分が、鋸歯表面が連動した状態で第1の部材を第2の部材に固着するための固着構造を有しており、第1又は第2の部材は、軸係合部分を有する部材をピボット取り付けするための軸係合部分を有している。
【0017】
また、本発明により、部品の表面に取り付けられ、且つ、車両ボディにピボット取り付けされた、或いは車両ボディに取り付けられたコンポーネントにピボット取り付けされた少なくとも1つのヒンジ部品を備えた取り付け構造によってピボット取り付けされる部品を有するタイプの車両における改善が提供される。この改善には、第1の部材及び第2の部材を備えたクイック・リリース・ヒンジ部品であって、第1の部材又は第2の部材が部品の表面に取り付けられ、第2の部材又は第1の部材がそれぞれ車両ボディ又は車両ボディに取り付けられたコンポーネントにピボット取り付けされるクイック・リリース・ヒンジ部品が含まれており、第1の部材は、第1の端部部分及び反対側の第2の端部部分を有しており、第1の部材の端部部分と端部部分の間に中央部分を有している。第2の部材は、第1の端部部分及び反対側の第2の端部部分を有しており、第2の部材の表面の端部部分と端部部分の間に中央部分を有し、且つ、第1の部材の中央部分に固着されたヴェルクロ条片の第1の部品、第2の部材の中央部分に配置されたヴェルクロ条片の第2の部品、2つの部品からなる第1の係合構造であって、第1の係合構造の第1の部品が第1の部材の第1の端部部分を取り付け、第1の係合構造の第2の部品が第2の部材の第1の端部部分を取り付ける第1の係合構造、2つの部品からなる第2の係合構造であって、第2の係合構造の第1の部品が第1の部材の第2の端部部分を取り付け、第2の係合構造の第2の部品が第2の部材の第2の端部部分を取り付ける第2の係合構造を有しており、第1の部材又は第2の部材は、軸係合部分を有する第1の部材又は第2の部材をピボット取り付けするための軸係合部分を有している。
【0018】
また、本発明により、第1及び第2の物品を分離する方法が提供される。第1の物品は第2の物品にピボット取り付けされ、ガラス、ガラス・セラミックス、プラスチック、木材、金属、複合材及びそれらの組合せから選択される材料でできている。第1の物品は、第1の物品の表面に取り付けられたヒンジ部品の第1のセクションを有しており、第2の物品は、第2の物品に取り付けられたヒンジ部品の第2のセクションの端部部分を有している。ヒンジ部品の第1及び第2のセクションは、ヒンジ部品の第1又は第2のセクションに取り付けられた少なくとも1つのたわみフィンガによって互いに分離可能に固着されている。ヒンジ部品の第2又は第1のセクションは、それぞれ、フィンガと係合するフィンガ係合部分を有している。この方法には、第1の移動ステップとして構成された、少なくとも1つのフィンガをフィンガ係合部分から遠ざかる方向に移動させるステップと、ヒンジ部品の第1及び第2のセクションを分離するための第2の移動ステップとして構成された、ヒンジ部品の第1及び第2のセクションを互いに移動させるステップが含まれている。非制限の一実施例では、ヒンジ部品の第1のセクションは、フィンガ係合部分を有するレシーバであり、ヒンジ部品の第2のセクションの端部部分は、第2の物品にピボット取り付けされている。ヒンジ部品の第2のセクションは、少なくとも1つのフィンガを有するインジェクタである。ヒンジ部品は第1のヒンジ部品であり、さらに、フィンガ係合部分を有するレシーバと、少なくとも1つのたわみフィンガ及び端部部分を有するインジェクタとを有する第2のヒンジ部品を備えている。第2のヒンジ部品のインジェクタの端部部分は、第1のヒンジ部品のインジェクタから間隔を隔てた自動車ボディにピボット取り付けされており、この方法には、さらに、第1の移動ステップに続いて、第2のヒンジのインジェクタの少なくとも1つのフィンガを第2のヒンジのレシーバのフィンガ係合部分から遠ざかる方向に移動させるステップと、第2のヒンジ部品のインジェクタ及びレシーバを分離するための第3の移動ステップとして構成された、第2のヒンジ部品のレシーバ及びインジェクタを互いに移動させるステップが含まれている。
【0019】
さらに、本発明により、第1の物品を第2の物品に固着する方法が提供される。第1の物品は、ガラス、ガラス・セラミックス、プラスチック、木材、金属及びそれらの組合せから選択される材料でできている。第1の物品は、第1の物品の表面に取り付けられたヒンジ部品の第1のセクションを有しており、第2の物品は、第2の物品に取り付けられたヒンジ部品の第2のセクションの一部を有している。ヒンジ部品の第1及び第2のセクションは、ヒンジ部品の第1又は第2のセクションに取り付けられた少なくとも1つのたわみフィンガによって分離可能に固着されている。ヒンジ部品の第2又は第1のセクションは、それぞれ、フィンガと係合するフィンガ係合部分を有している。この方法には、ヒンジ部品の第1及び第2のセクションを一体に固着するために、フィンガ及びフィンガ係合部分を互いに向かって移動させ、且つ、係合させるステップが含まれている。
【実施例】
【0020】
以下で説明する、本発明による特徴が組み込まれたクイック・アセンブリ受取り部材即ちレシーバ及び注入可能部材即ちインジェクタを有するヒンジ部品の非制限実施例は、車両ボディへの窓のピボット取り付け、たとえば自動車の後部へのリフト・ゲート・ウィンドウのピボット取り付け、自動車ボディへの側パネルのピボット取り付け、及び/又はスライド可能自動車ドアの窓開口への窓のピボット取り付けを対象としているが、理解されるように、本発明はそれらに限定されず、本発明を使用して任意の複数の部品即ち部品を一体にピボット取り付けすることができ、いくつか例を挙げると、たとえばドアをドア・フレームにピボット取り付けし、住宅用窓を窓割りへピボット取り付けし、また、蓋を容器のボディにピボット取り付けすることができる。また、本発明は、自動車への窓のピボット取り付けに限定されず、本発明を使用して任意のタイプの車両、たとえば陸上車両、水上又は水中車両、航空機又は宇宙船及びそれらの組合せに窓をピボット取り付けすることができる。さらに、本発明の説明では窓はガラス窓であるが、本発明には窓の材料に制限はなく、窓には、任意のタイプの材料、たとえばプラスチック、透明ガラス、着色ガラス、コーティング・ガラス、セラミックス、ガラス・セラミックス、金属、木材、複合材及びそれらの組合せを使用することができる。また、本発明の説明では窓は整形強化ガラスの単片であるが、本発明はそれには限定されず、窓は、平らな強化ガラス、整形焼きなましガラス又は平らな焼きなましガラス、或いは整形熱強化ガラス又は平らな熱強化ガラス、積層ガラス、積層ガラス及びプラスチック層、スペーサによって分離された一対のガラス・シート及びそれらの組合せであってもよい。
【0021】
本発明についての以下の説明は、1つのヒンジ部品を対象としているが、本発明は、他のヒンジ部品の構成及び設計に制限されない。たとえば、本発明を制限するものではないが、他のヒンジ部品に本発明によるクイック・アセンブリ・レシーバ及びインジェクタを持たせることも可能であり、或いはヒンジ部品を一体にピボット取り付けするためのピンを受け取る通路を有する他のヒンジ部品の突起を、結合すべき部品と共に形成することも可能であり、たとえば自動車ボディと共に形成することができる。
【0022】
本発明の非制限実施例についての以下の説明では、「内部」、「外部」、「左」、「右」、「上」、「下」、「水平」、「垂直」などの空間又は方向を表す用語は、図面に示されている本発明に関するものである。しかしながら、本発明は、様々な代替配向を仮定することが可能であり、したがってこのような用語を本発明を制限するものとして捕えてはならないことを理解されたい。また、本明細書及び特許請求の範囲に使用されている、寸法、物理特性などを表しているすべての数字は、すべての実例において、「約」という用語によって修正されるものであることを理解されたい。したがって、特に指示がない場合、以下の本明細書及び特許請求の範囲に示されている数値は、本発明を実践することによって得ることが追求される所望の特性によって様々に変化する。少なくとも、また、特許請求の範囲に対する等価物の教義の適用を制限する試行としてではなく、個々の数値パラメータは、報告されている有効数字の数に照らして、且つ、通常の丸め技法を適用することによって少なくとも解釈すべきである。さらに、本明細書において開示されているすべてのレンジ(範囲)は、そのレンジに包含されている任意のサブレンジ(下位の範囲)及びすべてのサブレンジが包含されていることを理解されたい。たとえばレンジが「1ないし10」と記述されている場合、最小値1と最大値10(1及び10を含む)の間の任意のサブレンジ及びすべてのサブレンジ、つまり、最小値1又はそれ以上で始まり、最大値10又はそれ以下で終わるすべてのサブレンジ、及びそれらの間のすべてのサブレンジ、たとえば1ないし6.3又は5.5ないし10或いは2.7ないし6.1が含まれているものとして理解されたい。また、本明細書に使用されているように、「の上に配置された」或いは「の上で支えられた」などの表現は、何々の上に配置され、或いは何々の上で支えられていることを意味しており、必ずしもその表面に直接接触している必要はない。たとえば、自動車の窓の開口「の上に配置された」窓、或いは自動車の窓の開口「に対して配置された」窓は、窓と開口の間に位置している1つ又は複数の他の材料の存在を排除するものではない。
【0023】
また、本発明は他の実施例が可能であるために、本発明の非制限実施例についての説明においては、本発明のアプリケーションは、図に示し、且つ、説明する特定の非制限実施例の詳細に限定されないことを理解されたい。さらに、本明細書に使用されている専門用語は、説明を目的としたものにすぎず、本発明を制限するものではない。また、特に指示がない限り、同様の参照番号は同様の構成要素を表している。
【0024】
図1は、自動車22の後部入口20を示したものである。後部入口20は、ドア23及びリア・ウィンドウ24を備えている。ドア23の上面25及びリア・ウィンドウ24の上部周縁エッジ26は、28及び29で自動車のボディ32にピボット取り付けされている。本発明の実践においては、ドア23は、通常の任意の方法で後部入口20でボディ32にピボット取り付けされ、リア・ウィンドウ24は、以下で説明する方法で本発明に従って自動車ボディ32にピボット取り付けされる。とりわけ図2及び3を参照すると、本発明を制限するものではないが、ドア23は、ヒンジ・コンポーネント即ち部品34、たとえば外部脚部38を有するU字形部材36をドア23の頂面40に設け、且つ、円筒状部材41を自動車ボディ32の後部入口の頂部に設けることによって自動車のボディ32にピボット取り付けされている。U字形部材36の間隔を隔てた脚部38の孔(図示せず)及び円筒状部材41の通路を通っているピン42は、ドア24を自動車22のボディ32にピボット取り付けしている。
【0025】
図1に示すように、ドア23の開口46の周囲にたわみガスケット44が取り付けられている。図3に示すように、リア・ウィンドウ24が閉じた位置にある場合、リア・ウィンドウとたわみガスケットが係合して自動車の内部への水の移動が防止される。
【0026】
必要に応じて図1〜4を参照すると、本発明を制限するものではないが、本発明によるヒンジ部品51のレシーバ50は、リア・ウィンドウ24の内側の表面52の、リア・ウィンドウ24の上部周縁エッジ26に隣接する、それぞれ間隔を隔てた2つの位置54及び55に堅固に取り付けられている。レシーバ50は、上で説明した水封を提供するためには、図3に示すようにたわみガスケット44の上方に取り付けられることが好ましい。リア・ウィンドウ24の内側の表面52の位置54及び55は、それぞれピボット位置28及び29と整列している。本発明によるヒンジ部品51のインジェクタ58は、以下で説明する方法でレシーバ50に接続され、且つ、以下で説明する方法でピン42によって円筒状部材41にピボット取り付けされており(図2及び3参照)、ドア24が開くとリア・ウィンドウに上向きの枢軸回転を提供し、また、ドアが開位置以外の位置、たとえば閉位置に位置している場合、リア・ウィンドウに上向き及び下向きの枢軸回転を提供している。
【0027】
図1及び4を参照すると、本発明を制限するものではないが、当業者には理解されるように、リア・ウィンドウ24のそれぞれの面に、リア・ウィンドウの開閉を容易にし、且つ、開位置におけるリア・ウィンドウの維持を容易にするためのピストン68が提供されている。ピストン68のピストン・シリンダ72の一方の端部70は、ドア23にピボット取り付けされており、ピストン・ロッド76の端部74は、任意の便利な方法で、リア・ウィンドウ24の内側の表面52に堅固に取り付けられたプレート78にピボット取り付けされている。リア・ウィンドウ24の内側の表面52に、リア・ウィンドウを閉位置でロックするためのラッチ80が堅固に取り付けられている。ピストン68、プレート78及びラッチ80は、本発明を制限するものではなく、本発明の実践に際しては、リア・ウィンドウをドアに固着し、リア・ウィンドウを開位置に偏らせ、且つ、リア・ウィンドウを開位置で維持するための任意のタイプのロック構造を使用することができる。以上の観点から、ピストン68、プレート78及びラッチ80に関しては、これ以上の説明は不要であろう。
【0028】
とりわけレシーバ51、ピストン68、ピストン・シリンダ72、プレート78及びラッチ80を目立たないようにするために、美観の点から、本発明を制限するものではないブラック・セラミック・バンド81がリア・ウィンドウ24の内側の表面52に適用されている。
【0029】
以上から理解されるように、本発明は、リア・ウィンドウ24の表面へのレシーバの取り付け、及び自動車22のボディ32へのインジェクタのピボット取り付けに限定されない。より詳細には、本発明には、自動車のボディへの本発明によるヒンジ部品のレシーバのピボット取り付け、及び窓の表面へのインジェクタの固着が意図されている。本発明には、さらに、自動車にピボット取り付けされる部品又は自動車のコンポーネントにピボット取り付けされる部品の、ばね鋼を使用した製造、及び枢軸回転作用を提供するための「C」字形部品(図18参照)の提供が意図されている。
【0030】
次に、図5〜13に示す、本発明によるクイック・アセンブリ・レシーバ及びインジェクタを有するヒンジ部品51のいくつかの非制限実施例について説明するが、理解されるように、本発明はそれらに限定されない。図5に示すヒンジ部品90の非制限実施例は、インジェクタ92及びレシーバ94を備えている。インジェクタ92はボディ96を備えており、ボディ96は、一対の間隔を隔てた延長部分98を有する上部端部部分即ち上端部97を備えている。延長部分98の間の距離は、自動車22のボディ32に取り付けられた円筒状部材41の長さと同じか或いはそれ以上であり、また、ドアの頂部に取り付けられたヒンジ部品34のU字形ヒンジ部材36の外部脚部38の厚さと同じか或いはそれ以上である(図1及び2参照)。本発明によるこの構造のヒンジ部品90を使用することにより、たとえばヒンジ部品90のインジェクタ92をピン42(図3参照)の周りに枢軸回転させることができ、それによりドアが閉じると、且つ/又はドアを開閉する際に、リア・ウィンドウ24を開位置に向けて持ち上げ、且つ/又は開位置に置くことができ、また、リア・ウィンドウを閉位置に向けて降ろし、且つ/又は閉位置に置くことができる。インジェクタ92のボディ96は、円筒状部材41からリア・ウィンドウ24への円滑な移行を提供するように形状化されている。本発明を制限するものではないが、インジェクタ92のボディ96は、カバー・プレート101(図2及び3にのみ示されている)を任意の方法、たとえば見栄えを良くするために円筒状部材41及びインジェクタの一部を覆うためのナットとボルトのアセンブリによってボディ96に固着するための孔100を有している。
【0031】
ボディ96の下部端部部分即ち反対側102は、一対の間隔を隔てたフィンガ104及び106を有している。フィンガとフィンガの間の間隔は、ボディ96からの距離が長くなるほど広くなっており、フィンガは、外側に向かって展開しているタブ108及び110で終端している。フィンガ104及び106の幅及び/又は厚さは、バイアス力の下で互いに向かって移動し、且つ、バイアス力が除去されると非バイアス位置に戻るように寸法決めされている。たとえば、本発明を制限するものではないが、インジェクタは、ポリブチレンテレフタレート(「PBT」とも呼ばれている)から成形されている。フィンガの長さは約62ミリメートル(「mm」)であり、幅は約20mmである。フィンガの幅は、ボディ96の上端部97からタブに向かう距離が長くなるにつれて若干細くなっている。フィンガのボディ96に隣接している部分の間隔は40mmであり、タブ部分における間隔は63mmである。フィンガ及びタブの厚さは、それぞれ約5mmである。
【0032】
本発明を制限するものではないが、見栄えを良くするために、端部部分97と102の間のボディ96の部分111は、面112の内側で凹んでおり、カバー・プレート101(図2及び3参照)と協同してドア23のヒンジ部品34を受け取っている。
【0033】
レシーバ94は、上面112からレシーバ94のボディ114を通って展開している通路113を備えている。通路内には、図5に示すように、互いに対向している、それぞれフィンガ104及び106のタブ108及び110を受け取るための距離だけ互いに間隔を隔て、且つ、それぞれフィンガ104及び106のタブ108及び110を受け取るための距離だけ面118即ち底面118から間隔を隔てた一対の突起即ちニブ116が存在している。通路113は、非バイアス位置でフィンガを受け取るように寸法決めされている。フィンガ104及び106のタブ108及び110は通路113の中へ移動するため、タブ108及び110は、それぞれニブ116と係合する。フィンガを通路の中へ引き続いて強制することによってフィンガにバイアス力が印加され、タブがそれぞれニブの上をスライドすると、互いに向かってフィンガが移動する。フィンガのタブがニブを通過すると、フィンガは、互いに遠ざかる方向に非バイアス位置まで移動し、タブが溝119の中へ移動して、インジェクタ92及びレシーバ94が解放可能又は分離可能に一体に固着又はロックされ、本発明によるクイック・アセンブリ・レシーバ及びインジェクタを有するヒンジ部品の非制限実施例が提供される。
【0034】
理解されるように、本発明は、本発明によるレシーバ及びインジェクタの製造プロセス或いは製造プロセスに使用される材料に制限されない。たとえば、本発明を制限するものではないが、インジェクタ92及びレシーバ94は、任意の材料、たとえば本発明を制限するものではないが、バイアス力の下でフィンガをたわませ、且つ、バイアス力が除去されるとフィンガを非バイアス位置に復帰させることができる金属、プラスチック、プラスチック強化繊維ガラス、複合材、木材又はそれらの組合せを使用して構築することができる。言い換えると、選択される材料は、フィンガに印加されるバイアス力より大きい機械的可縮性を有していなければならない。また、インジェクタ92及びレシーバ94は、同じ材料を使用して構築することも、或いは異なる材料を使用して構築することも可能である。インジェクタ及びレシーバは、任意の方法で構築することができ、たとえば部品を機械加工し、成形し(たとえば圧縮成形し)、射出成形し、鋳造し、鍛造し、押出し成形又は引出し成形し、或いは機械加工コンポーネント部品又は成形コンポーネント部品から組み立てることができる。理解されるように、材料の選択及び部品の組立てに際しては、設計及び材料の構造的安定性を考慮しなければならない。本発明の実践に際しては、係合部材及びレシーバは、GE Polymerから購入した射出成形PBTを使用して形成された。設計の構造的安定性に関して、また、係合部材及び保持力のある部材に作用する応力に関しては、コンピュータ・プログラムを利用して適切な設計基準を決定することができる。Michigan州Troy在所のAltair Engineeringから、Hypermesh(登録商標)の名前で知られているこのようなコンピュータ・プログラムの1つを入手することができる。
【0035】
レシーバ94は、リア・ウィンドウ24(図4参照)の内側の表面52に通常の任意の方法で堅固に取り付けられており、たとえば、本発明を制限するものではないが、リア・ウィンドウ24の製造プロセスの間にガラス片に孔を穿ち、ナットとボルトのアセンブリを使用してレシーバをリア・ウィンドウに固着することができ、若しくは任意のタイプの接着材の層を使用して、又は任意のタイプの接着材の層を個々の面に有する両面テープを使用してレシーバをリア・ウィンドウに接着することができる。本発明の実践に際しては、図5に示すタイプのレシーバは、DowがBetamate(登録商標)73100/73005の名前で販売している2成分ウレタン接着剤を使用してガラス窓に固着されている。
【0036】
レシーバ94及びインジェクタ92は、任意の便利な方法で互いに分離即ち解放され、たとえば、本発明を制限するものではないが、細長い部材120(図5には1つだけ示されている)がレシーバ94の底面118のスロット121の各々に挿入され、且つ、それぞれフィンガ104及び106のタブ108及び110の底の孔122に挿入される。細長い部材120は互いに向かって移動し、それによりフィンガ104及び106が互いに向かってバイアスされ、タブ108及び110がそれぞれ溝119の外へ移動して、それぞれニブ116を通過する。インジェクタ92及びレシーバ94は互いに対して移動し、たとえば、本発明を制限するものではないが、レシーバがインジェクタから遠ざかる方向に移動する。タブがそれぞれニブを通過すると、細長い部材120がそれぞれタブの孔122及びレシーバの底面のスロット121から除去される。フィンガが通路から除去され、レシーバ及びインジェクタが互いに分離される。
【0037】
本発明による非制限の一実施例では、タブ108及び110とニブ116の係合を容易にするために、上で説明した、タブ108及び110とニブ116の係合を解除するためにフィンガ104及び106が機械的にバイアスされる方法と類似した方法で、フィンガ104及び106を互いに向けて機械的にバイアスすることができることを理解されたい。
【0038】
当業者には理解されるように、本発明は、インジェクタ92及びレシーバ94を分離するための、フィンガ104及び106を互いに向けてバイアスするツールに限定されない。たとえば、本発明を制限するものではないが、一対のプライヤの機械構造をツールとして使用し、プライヤのジョーを一体で移動させることも可能である。タブをそれぞれ溝の外へ移動させるために、プライヤのジョーを細長い部材120に交換し、或いはジョーの形状を細長い部材120の形状に造り直すことができる。また、図5に示すレシーバ94は、閉じた底面118を有している。理解されるように、底面118は、通路113の開放端面であってもよい。
【0039】
クイック・アセンブリ・レシーバ及びインジェクタを有する本発明によるヒンジ部品は、リア・ウィンドウの取外し及び交換プロセスを単純なプロセスにしている。より詳細には、たとえば壊れた窓を交換するために、積荷を運ぶために、或いは何らかの都合でリア・ウィンドウの取外しを必要とする場合、ピストン・ロッド76の端部74がプレート78から取り外され、且つ、上で説明したようにレシーバ及びインジェクタが分離される。インジェクタのフィンガ104及び106を上で説明したようにレシーバの通路113の中へ移動させ、タブ113をそれぞれ溝119の中へ移動させることにより、交換する窓或いは取り外された窓がインジェクタに取り付けられる。ピストン・ロッド76の端部74がプレートに接続される。別法としては、ピストン68の端部70をドアから取り外し、窓と共にピストン68を取り外すことも可能である。
【0040】
引き続いて図5を参照すると、本発明を制限するものではないが、インジェクタ92は、フィンガ104及び106が展開しているプレート部材即ちカラー123を備えることができる。カラー123は、フィンガ104及び106のタブ108及び110がそれぞれ溝119に収まると、レシーバ94の面112で通路113にぴったりと嵌合するように寸法決めされている。レシーバ94に挿入されたカラー123は、インジェクタとレシーバ94が係合すると、インジェクタ92のフィンガ104及び106の揺動を制限している。
【0041】
本発明についての説明では、本発明によるヒンジ部品及びドアのヒンジ部品は、同じピンによって同じ円筒状部材41に取り付けられている。本発明には、個別のシリンダへの同じピン又は異なるピンを使用したドアのヒンジ部品の取り付け及び本発明によるヒンジ部品の取り付けが意図されている。また、本発明には、リア・ウィンドウの内側の表面又は外側の表面へのレシーバ又はインジェクタの取り付けが意図されている。
【0042】
以上から理解されるように、本発明によるクイック・リリース・レシーバ及びインジェクタは、快適な見栄え及び空気力学的に許容可能な形状を提供し、且つ、輪郭の変化に起因するヒンジ部品に対する応力を小さくするために、リア・ウィンドウの形状及び自動車ボディ部品の輪郭と調和するように輪郭が施され、且つ、適合されている。これらの特徴については当業者に良く知られており、これらの主題に関するこれ以上の説明は不要であろう。
【0043】
図6を参照すると、番号130で示す、本発明によるクイック・アセンブリ・レシーバ及びインジェクタを有するヒンジ部品の他の非制限実施例が示されている。ヒンジ部品130は、インジェクタ132及びレシーバ134を備えている。ヒンジ部品130を自動車ボディにピボット取り付けするためのインジェクタ132のボディ136の上部端部部分135は、図6には示されていないが、図5に示すインジェクタ92の上部端部部分97及び自動車ボディへのその取り付けに関する説明は、自動車ボディへのインジェクタ132の取り付けにも適用される。インジェクタ132のボディ136の下部端部部分137は、互いに間隔を隔てた一対のフィンガ139及び140を備えており、フィンガとフィンガの間に整列部材142を備えている。フィンガ139及び140は、それぞれ外側に展開しているタブ144を有している。
【0044】
レシーバ134は、レシーバ137の面146に開口を有する通路145を有している。通路145は、レシーバのボディ147の中を部材155及び158によって分離された3つの通路148、149及び150まで展開している。本発明を制限するものではないが、特定の実施例では、部材155及び158は、整列部材154の幅より若干長い距離で間隔を隔てている。通路148、149及び150は、ボディ147を通って面146の反対側の面151まで展開している。外側の通路148及び150は、それぞれ、フィンガ139及び140のタブ144を以下で説明する方法で捕獲し、インジェクタ132及びレシーバを解放可能に一体で固着するためのニブ152を有している。中央の通路149は、整列部材142を受けている。本発明を制限するものではないが、レシーバ134は、レシーバを形成するために必要な材料の量を少なくするための側方空洞153を有している。整列部材142の端部154は、丸い角又はマイタ(斜めの角度)が施された角を有しており、また、フィンガ139及び140の端部156も丸くなっており、それぞれの通路内への整列部材及びフィンガの挿入を容易にし、且つ、フィンガが互いに向かって移動するためのフィンガ139及び140のタブのそれぞれニブ152を越える移動を容易にしている。タブ144がそれぞれニブを越えて移動すると、フィンガ139及び140は、それぞれ非バイアス位置へ移動する。フィンガが非バイアス位置に向かって移動すると、フィンガ139及び140の外側に向かって対向している溝157が、隣接するニブを越えて移動し、それによりインジェクタ132及びレシーバ34が一体でロック又は固着される。フィンガ139及び140の端部156は孔120を備えており、レシーバ及びインジェクタを分離する際のフィンガ139及び140の互いに向かうバイアスを許容し、それによりタブはそれぞれニブを越えて移動することができる。ニブ152がそれぞれフィンガ139及び140の溝157内に位置すると、インジェクタ132のプレート部材即ちショルダ159が通路145内に位置する。整列部材154は、フィンガとその通路との整列を容易にしている。レシーバ134の通路内のインジェクタのショルダ159及び通路149内の整列部材142は、インジェクタ132及びレシーバ134の互いの揺動を小さくしている。
【0045】
図7は、番号160で示す、本発明によるクイック・アセンブリ・レシーバ及びインジェクタを有するヒンジ部品のさらに他の非制限実施例を示したものである。ヒンジ部品160は、レシーバ162及びインジェクタ166を備えている。インジェクタ166は、窓22の表面、たとえば窓26の内側の表面52に取り付けられている。インジェクタ166は、一対の外部整列部材168及び169を備えており、その間隔を隔てた部材168と169の間に、間隔を隔てた2つのフィンガ171及び172を備えている。フィンガ171及び172は、それぞれ外側に向かって展開しているタブ174を有している。インジェクタは、図7に示すように窓の縁を越えて展開している整列部材168、169及びフィンガ171、172を使用してガラスに取り付けることができ、或いはレシーバ162が整列部材及びフィンガを以下で説明する方法で受け取ることができるよう、ガラスの表面に、ガラスの表面から間隔を隔てて整列部材及びフィンガを配置することができる。
【0046】
図7に示す構造では、ヒンジ部品160のレシーバ162は、上部部分に中空シリンダ176が取り付けられたボディ175を備えている。延長部分176は自動車に取り付けられており、延長部分177及びシリンダ176を通っているピン42がレシーバ162を自動車のボディにピボット取り付けしている。ドア23(図7には示されていない)のヒンジ部品34は、屋根の、窓がピボット取り付けされている位置から間隔を隔てた位置にピボット取り付けされている。レシーバのボディ175の下部端部部分178は、それぞれ外部整列部材168及び169を受け取るための一対の外部通路179、180、及びニブ182を有する中央通路181を備えている。ニブ182は、通路181の対向する壁183及び184の各々に形成されており、図5に示すヒンジ90に関連して既に説明したようにフィンガ171及び172のタブ174を捕獲している。レシーバ162及びインジェクタ166は、タブ174をニブ182を越えて移動させるために、整列部材168及び169をそれぞれ通路179及び180にスライドさせ、且つ、フィンガ171及び172を中央通路181にスライドさせることによって一体に結合される。レシーバ164及びインジェクタ166は、細長いロッド(図5にのみ示されている)の端部を図7に示す水平方向の溝186を通してそれぞれフィンガ171及び172のニブ174の孔190に挿入することによって分離される。細長いロッドは、水平方向の溝186に沿って互いに向かって移動し、フィンガを互いに向かってバイアスさせてそれぞれニブ181を通過させる。ニブを通過すると、レシーバ及びインジェクタが互いに離れる方向に移動する。細長いロッドは、図7に示す垂直方向の溝192(図7には1つだけ示されている)に沿って移動し、それによりフィンガが通路181の外へ移動し、タブ174がそれぞれニブ182を越えて移動する。タブ174がそれぞれニブ182を越えて移動すると、タブの孔190及び垂直方向の溝192から細長いロッドが除去され、インジェクタ166及びレシーバ192が分離される。理解されるように、水平方向の溝186及び垂直方向の溝192は、それらを結合して、タブがそれぞれニブ182を通過して移動する際に、フィンガを互いに向かってバイアスさせ、且つ、フィンガを互いに向かって保持するだけの十分に大きい開口にすることができる。
【0047】
理解されるように、本発明は、上で説明したクイック・アセンブリ・ヒンジの非制限実施例に制限されず、本発明には、1つ又は複数のレシーバ及び/又は1つ又は複数のインジェクタを有する構造が意図されている。たとえば、本発明を制限するものではないが、図8に番号200で示す、クイック・アセンブリ・レシーバ及びインジェクタを有するヒンジ部品は、1つのレシーバ202及び2つのインジェクタ204、206を備えている。レシーバ202の一方の面、たとえば面208は、インジェクタ204に接続されており、もう一方の面、たとえば面210は、第2のインジェクタ206に接続されている。インジェクタ204のボディ212は、面213に、図5に示すヒンジ90の間隔を隔てた部材98、又は図7に示すヒンジ160のシリンダ41と類似した、インジェクタ204を自動車にピボット取り付けするための一対の間隔を隔てた延長部分即ちシリンダを有している(いずれも図示せず)。インジェクタ204のボディ212の反対側の端部部分216は、内側に向かって対向しているタブ219を有する一対のフィンガ217及び218を有している。第2のインジェクタ206は、上で説明したように窓26の内側の表面52に堅固に取り付けられたボディ220を有している。インジェクタ206のボディ220は、それぞれ内側に向かって対向しているタブ224を有する一対の間隔を隔てたフィンガ222及び223を有している。
【0048】
レシーバ202は、面208から面210まで展開している一対の通路230及び232を有している。壁238は、通路230及び232を分離しており、その両面にそれぞれ一対の間隔を隔てたニブを有している。つまり、通路230と対向している壁238の一方の面に、ニブ240及び241を有し、通路232と対向している壁238の面に、ニブ243及び244を有している。図8に示すように、インジェクタ204のフィンガ217及び218がレシーバの面208からそれぞれ通路230及び232に挿入されると、フィンガ217及び218のタブ219がニブ240及び241を通過し、フィンガ217及び218がレシーバ202の中に捕獲される。同様に、インジェクタ206のフィンガ222及び223がレシーバの面210からそれぞれ通路230及び232に挿入されると、フィンガ222及び223のタブ224がニブ243及び244を通過し、フィンガ222及び223がレシーバ202の中に捕獲される。この方法によれば、インジェクタ204、206及びレシーバ202が解放可能に一体で固着され、リア・ウィンドウ24が自動車のボディにピボット取り付けされる。
【0049】
インジェクタ204のフィンガ217、218及びインジェクタ206のフィンガ222、223は、任意の便利な方法、たとえば溝構造、たとえば図7に示す水平方向の溝186及び垂直方向の溝192を使用して、たとえばフィンガ、たとえばフィンガ217及び218を互いに離れる方向に移動させ、且つ/又はフィンガ222及び223を互いに離れる方向に移動させることによってそれぞれ通路から取り外すことができる。
【0050】
理解されるように、レシーバ202及びインジェクタ204、206の位置は、互いに入れ換えることができる。たとえば、本発明を制限するものではないが、一方のレシーバを自動車のボディにピボット取り付けし、もう一方のレシーバをガラスに固着することができる。外側に向かって対向するタブを両面に備えた一対の間隔を隔てたフィンガを有するインジェクタによって2つのレシーバが一体で固着され、それにより自動車のボディに窓がピボット取り付けされる。
【0051】
本発明によるクイック・アセンブリ・レシーバ及びインジェクタを有するヒンジ部品の他の実施例には、インジェクタのタブをレシーバ内で固着するための異なる構造が意図されている。たとえば、本発明を制限するものではないが、図9を参照すると、番号250で示すヒンジ部品のロック構造は、「T」字形通路253を有するレシーバ252を備えている。通路253は、レシーバ252の面257に向かって展開し、且つ、内側に向かって傾斜している、通路253の部分258と交差している壁256を有する開放端部分254を有している。部分255は、レシーバ252の幅を拡張しており、レシーバの側壁の各々に、レッジ266を形成している開口259及び260を備えている。外側に向かって展開しているタブ267を有するフィンガ263及び264が通路253の部分254の中へ移動すると、タブ267と通路253の内側に向かって傾斜している壁256が係合し、フィンガ263及び264が互いに向かってバイアスされる。タブが移行位置258を通過して移動すると、フィンガに対するバイアス作用が除去され、フィンガのタブがそれぞれ隣接する開口の中へ移動し、インジェクタ及びレシーバが一体に固着される。
【0052】
フィンガ263及び264のタブ267は、任意の便利な方法、たとえば細長いロッド(図示せず)の端部をレシーバ252の面からそれぞれ開口259及び260の中へ移動させ、それぞれフィンガ263及び264のタブ267と係合させることによって通路253の部分258から取り外される。ロッドは、互いに向かって移動し、タブ267を部分254を通って移動させることができ、且つ、インジェクタ及びレシーバを互いに離れる方向に移動させてそれらを分離することができる位置までタブ267を移動させる。理解されるように、タブは、ロッドの端部とタブの間の係合をより強くするための孔を備えることができる。
【0053】
図10及び11を参照すると、番号270で示す、本発明によるクイック・アセンブリ・レシーバ及びインジェクタを有するヒンジ部品の他の非制限実施例が示されている。ヒンジ部品270は、レシーバ271及びインジェクタ272を備えている。レシーバ271又はインジェクタ272は、上で説明したように自動車22のボディ32にピボット取り付けすることができ、また、インジェクタ272又はレシーバ271は、上で説明したように窓26に固着することができる。レシーバ271は、インジェクタ272を受け取るための開放端275を有するハウジング274を備えており、たわみフィンガ276は、ハウジング274の内部278に向かってバイアスされている。フィンガ276は、インジェクタが以下で説明するようにレシーバ271のハウジング274に挿入されると、インジェクタ272の溝281に位置する拡張リッジ即ちレッジ280(図11に明確に示されている)を有している。
【0054】
インジェクタ272は、底部表面284及び反対側の上部表面285を有するプレート部材282を備えている。上部表面285は、プレート部材282の端部286から間隔を隔てた溝281を有している。溝281とプレート部材278の端部286の間の上部表面285の部分288は、下に向かって傾斜が付いており、レシーバ271のハウジング274への端部286の挿入を容易にしている。図10及び11に示すように、溝281のもう一方の側即ち左側のプレート部材282の上部表面285の残りの部分289は、本発明を制限するものではないが、ハウジング274内へスライドするように寸法決めされていることが好ましく、ハウジング274の内壁と溝281の左側のプレート部材282の外部表面の間の間隔は、図10及び11に示すように、最小の間隔、たとえば0.08cm(1/32インチ)ないし0.16cm(1/16インチ)である。この方法によれば、ハウジング内に捕獲された際のプレート部材の揺動が最小になり、また、レシーバ271のフィンガ276のレッジ280の疲労摩耗が抑制される。
【0055】
本発明の実践においては、それには限定されないが、インジェクタ272の端部286がレシーバ271のハウジング274内へ移動し、レッジ280がインジェクタ272の傾斜表面288に沿ってスライドすると、たわみフィンガ276が図11に想像線で示すように上向きに移動する。溝281がレッジ280の下方へ移動すると、フィンガ276のバイアス作用によってフィンガが下向きに移動し、それによりレッジがインジェクタ272の溝281の中へ移動し、プレート部材282がハウジング274内に解放可能に固着される。プレート部材282は、任意の便利な方法でハウジング274から取り外される。たとえば、本発明を制限するものではないが、細長い部材291(図11参照)の湾曲端290がレッジ280の孔292の中に置かれ、細長い部材291をハウジング274から離れる方向に移動させることによってフィンガ280が持ち上がり、レッジ280が溝の外へ移動する。プレート部材282がハウジング274の外へ移動し、レシーバ271及びインジェクタ272が分離される。
【0056】
必要に応じて図12、12A及び13A〜13Cを参照すると、番号330で示す、本発明によるクイック・リリース・インジェクタ332及びレシーバ334を有するヒンジ部品の他の非制限実施例が示されている。ヒンジ部品330のインジェクタ332は、図12に示すように、上部端部部分338及び下部端部部分340を有するボディ336を有している。上部端部部分338は、図5に示すヒンジ部品90の延長部分98を自動車22(図2及び3に示されている)に取り付ける方法と類似した方法で、ピン42を使用してインジェクタ332をシリンダ41にピボット取り付けするための延長部分98を有している。インジェクタ332のボディ336の下部端部部分340は、インジェクタ332のボディ336を係合構造344に接続しているプレート部材342を有している。係合構造344は、係合構造344の端部348の手前で終端し、フィンガ352、353及び354の端部と端部の間に、以下で説明する方法でレシーバ334をインジェクタから解放するための間隔350を提供している一対の溝346を備えている。本発明の実践に際しては、中央のフィンガ353は、外側のフィンガ352及び354より幅が広くなっているが、本発明はそれには制限されず、フィンガの幅は、同じ幅にすることも異なる幅にすることも可能であり、外側のフィンガの幅を中央のフィンガの幅より広くすることも可能である。
【0057】
個々のフィンガの端部348に隣接して、以下で説明する方法でレシーバ334と係合するための切欠き356が施されている。図13A〜13Cに示すように、フィンガ352、353及び354の厚さは、プレート部材342からの距離が湾曲位置358まで減少するにつれて薄くなっている。図13Aを参照すると、フィンガが非バイアス位置に位置している場合、フィンガ352、353及び354の各々の端部348及び切欠き356は、プレート部材342の底部表面が位置している平面362より下方に位置している。フィンガ352、353及び354は、図13Aに示すように、以下で説明する方法で個々のフィンガの端部348を上に向かって移動させ、湾曲位置358でフィンガを図13Bに示し、且つ、以下で説明するバイアス位置に湾曲させるだけの十分なたわみ性を有している。
【0058】
レシーバ334は、インジェクタ332の係合構造344を受け取るための通路370を有している。通路370の壁372の端部371は、レシーバの端部374の手前で終端している。壁372の一部は、通路370に沿った一対の間隔を隔てた溝376(挿入図12Aにそのうちの1つが示されている)を有している。この溝は、インジェクタ及びレシーバ334が、図13Cに示し、且つ、以下で説明する係合位置に位置すると、インジェクタ332の係合構造344の間隔を隔てた溝346と整列する。インジェクタの係合構造344及びレシーバの通路370は、係合構造が通路に挿入されると、図13Cに示すように、インジェクタ332のボディ336とレシーバの面378が隣接し、且つ、フィンガ352、353及び354の各々の切欠き356と壁372の端部371が係合するような寸法決めにされている。
【0059】
必要に応じて図13A〜13Bを参照すると、インジェクタ332の係合構造344の端部348がレシーバの通路370の中へ矢印380の方向にレシーバ334の面378へ向かって移動する。インジェクタのボディ336が係合構造に従ってレシーバ334の通路370の中へ入ると、端部348が通路370の壁372の内側の表面382と係合し、矢印384の方向に上に向かってバイアスされる。係合構造344が引き続いて通路の中へ移動すると、インジェクタ332のボディ336とレシーバ334の面378が隣接し、フィンガ352、353及び354の端部348がレシーバの通路370の壁372の端部371を通過してフィンガが非バイアス位置へ移動し、フィンガの切欠き356と端部371が係合する。この方法によれば、レシーバ及びインジェクタが分離可能に一体に固着される。
【0060】
インジェクタ332は、任意の便利な方法でレシーバ334から解放される。たとえば、本発明を制限するものではないが、フィンガ352と353の間、及びフィンガ353と354の間の溝346、並びにレシーバの溝376に、図13Cに示す細長い部材386を挿入することによって解放される(図12及び12Aを参照されたい)。細長い部材(図13Cに1つだけ示されている)が矢印384の方向に上に向かって移動し、それによりフィンガがバイアス位置へ移動し、且つ、フィンガの切欠き356が通路370の端部371から離れる方向に移動する。インジェクタのフィンガが通路の端部371を通過すると、インジェクタ及びレシーバが互いに離れる方向に引っ張られ、インジェクタ及びレシーバが分離される。
【0061】
インジェクタ332のプレート部材342及び係合構造344、並びにレシーバの通路370は、プレート部材342が係合構造344について通路に入り、通路の内側の壁と係合するように寸法決めされている。この方法によれば、通路の内側の壁と表面接触しているフィンガ352、353及び354の端部が、湾曲位置358付近でバイアス位置へ上向きにバイアスされ、フィンガの端部が通路から出ると非バイアス位置へ移動し、フィンガの切欠き356が通路の面374を通過して移動する。また、通路370の内側の壁とインジェクタ332のプレート部材342の外部表面の間の間隔を最小化することにより、インジェクタとレシーバ間の揺動が最小化される。
【0062】
理解されるように、レシーバ及びインジェクタの外形は、それらが取り付けられる窓の外形及び表面を考慮して構成しなければならない。たとえば、本発明を制限するものではないが、図12を参照すると、プレート部材342の面390の長さは、反対側の面391の長さより短く、また、レシーバの面394の長さは、反対側の面395の長さより短くなっている。また、本発明を制限するものではないが、インジェクタ334のボディ336及びレシーバ334のボディは、美観のため、また、レシーバ及びインジェクタの形成に必要な材料の量を少なくするための空洞397を備えている。
【0063】
図12及び13に示すレシーバ及びインジェクタは、ステレオ・リソグラフィ・プロセスとして知られているプロセスを使用して構築されている。レシーバ334の通路370の幅は70mmであり、長さは60mmである。壁372の深さは50mmであり、反対側の壁379の深さは60mmである。インジェクタのプレート部材342の厚さは8mmであり、幅は68mmである。面390の長さは25mmであり、面391の長さは30mmである。フィンガ352、353及び354の切欠き356から湾曲位置358までの距離は35mmである。切欠き356に隣接しているフィンガの厚さは8mmであり、湾曲位置358に隣接している厚さは3mmである。切欠きの深さは、壁372の端部371の一部と係合するだけの十分な深さである。
【0064】
理解されるように、切欠きの深さは、通路370の壁372の端部371と係合するだけの十分な深さでなければならず、また、フィンガのたわみも、振動による切欠きと端部371の係合解除を回避するだけの十分な剛性を有していなければならない。また、これらの実例では、自動車がでこぼこの地形又は岩だらけの地形で使用される場合、図13Cに想像線で示す、通路の壁372を貫通し、インジェクタのプレート342を通って通路の壁378にねじ込まれるねじ396を使用して、インジェクタ332をレシーバ内に固着することができる。ねじ396には、専用工具を使用したねじの取外しを必要とする安全キャップを施すことができる。ねじ396と共に、或いはねじの代わりに、フィンガ352、353及び354と壁378の内側の表面の間の通路370にシム(図示せず)を設け、ねじ(図示せず)を使用して所定の位置に保持することも可能である。
【0065】
図14は、番号400で示す、本発明によるクイック・アセンブリ・レシーバ及びインジェクタを有するヒンジ部品のさらに他の非制限実施例を示したものである。ヒンジ部品400は、第1の部材402及び第2の部材404を備えている。上で説明したように、第1の部材402又は第2の部材404は、自動車22のボディ32にピボット取り付けすることができ、また、部材404又は部材402は、リア・ウィンドウ26に固着することができる。部材402及び部材404は、それぞれ、図14に示すように連結している鋸歯表面406を有している。より詳細には、部材402の鋸歯表面406の歯408は、部材404の鋸歯表面407の溝410の中に位置しており、部材404の鋸歯表面407の歯412は、部材402の鋸歯表面406の溝414の中に位置している。理解されるように、いずれの部材もインジェクタ及びレシーバの機能を有しているため、部材402及び404は、いずれがレシーバであっても或いはインジェクタであってもよい。より詳細には、部材の歯はインジェクタの機能を有しており、また、歯と歯の間の溝はレシーバの機能を有している。部材402及び404は、任意の便利な方法で一体に保持されており、たとえば、本発明を制限するものではないが、部材402の通路418を貫通し、部材404のねじが切られた孔420にねじ込まれたねじ416によって保持されている。理解されるように、本発明には、部材402及び404を一体に固着する方法に制限はなく、知られている任意の締付け構造を使用することができ、たとえば、本発明を制限するものではないが、ヴェルクロの登録商標で販売されている固着係合条片を使用して部材402及び404を一体に固着することができる。
【0066】
図15は、番号440で示す、本発明によるクイック・アセンブリ・レシーバ及びインジェクタを有するヒンジ部品のさらに他の非制限実施例を示したものである。ヒンジ440は、第1の部材442及び第2の部材444を備えている。上で説明したように、第1の部材442又は第2の部材444は、自動車22のボディ32にピボット取り付けすることができ、また、部材444又は部材442は、リア・ウィンドウ26に固着することができる。部材442又は部材444は、主表面、たとえば部材442の表面448又は部材444の表面450に接着されたヴェルクロ(登録商標)取り付け構造446の一方の部品を有しており、また、部材444又は部材442は、主表面、たとえば部材444の表面450又は部材442の表面448に接着されたヴェルクロ取り付け構造のもう一方の部品を有している。
【0067】
部材442及び444は、引っ張りによるヴェルクロ構造の分離を防止するために、任意の便利な方法で一体に固着されており、たとえば、図14に示すねじとボルトの構造を使用して固着されており、或いは図15に示すように、部材442又は444のうちのいずれか一方の端部部分の各々に丸い部材454を取り付け、もう一方の部材444又は442の孔456を受け取ることによって固着されている。間隔を隔てた脚部(図示せず)を有するインサート458が孔458の中へ移動し、インサートの脚部の端部が丸い部材454の周りへ移動して、部材454が孔456の中に解放可能に固着又は係合される。インサート458を持ち上げると部材454が解放され、ヴェルクロ構造を分離するだけの十分な力で部材を引っ張って分離することにより、部材442及び444が分離される。
【0068】
図16を参照すると、本発明による追加非制限実施例を有する自動車498が示されている。より詳細には、サイド・ドア510の窓開口508の上面506の502及び504に窓500がピボット取り付けされている。窓500は、上で説明した本発明によるレシーバ又はインジェクタをドア510の上側506に取り付け、且つ、それぞれヒンジ部品のインジェクタ又はレシーバを表面、たとえば、本発明を制限するものではないが、窓500の内側の表面(図示せず)に取り付けることによってピボット取り付けすることができる。
【0069】
引き続いて図16を参照すると、本発明を使用して、側パネル又はサイド・ウィンドウ530を自動車ボディ498にピボット取り付けすることができる。必要に応じて図16〜18を参照すると、以下の説明では、窓530は、レシーバ334(図18参照)及び図12、12a及び13A〜13Cに示すヒンジ部品330のインジェクタ332と類似したインジェクタ534を有する、本発明による一対のヒンジ部品532によって自動車ボディ498にピボット取り付けされている。窓530は、その内側の表面536の周縁エッジ部分に、自動車の外側から見えないようにレシーバ334を隠すためのセラミック・バンド81を備えている。窓530の内側の表面536の、ヒンジ532とは反対側に、窓を開閉するためのラッチ538が取り付けられている。ラッチ538は、当分野で使用されているタイプのラッチであり、これ以上の説明は不要であろう。
【0070】
とりわけ図18を参照すると、インジェクタ534は、上で説明した、図12、12A及び13A〜13Cに示すヒンジ部品330の下部端部部分340と類似した、ヒンジ部品330に関連して上で説明したようにレシーバ334の通路370に取り付けられた下部端部部分540を有している。インジェクタ534の端部部分540の面(図示せず)は、図12に示すインジェクタ332の面390及び391とは異なり(これらは長さが異なっている)、同じ長さを有している。インジェクタ534の上部ボディ部分542は湾曲しており、インジェクタ534を窓開口に隣接する自動車ボディのセクション548に取り付けるための孔544を有している。インジェクタは、ばね鋼でできていることが好ましく、湾曲した上部ボディ部分542は、窓、たとえばラッチ538を有する窓部分を自動車ボディのセクション548から離れる方向に移動させるためにバイアスされている。レシーバ334は、任意の材料を使用して構築することができる。窓530を閉位置へ移動させると、たとえばラッチを有する窓部分を自動車ボディのセクション548へ向けて移動させると、窓は、インジェクタ534の上部ボディ部分542のバイアス作用に対抗して移動する。
【0071】
本発明の実践に際しては、本発明を制限するものではないが、インジェクタ534の上部ボディ542は、通常の任意の方法で自動車ボディ498のセクション548に固着されており、たとえば溶接によって、或いは図18に示すように小ねじ550を使用して固着されている。上で説明した、図13A〜13Cに示す、インジェクタ332とレシーバ334を係合させ、且つ、係合を解除する方法で、インジェクタ534の端部部分540とレシーバ334を係合させることによって窓530が自動車ボディ498にピボット取り付けされ、また、インジェクタ534の端部部分とレシーバの係合を解除することによって自動車ボディから窓が取り外される。
【0072】
以上の説明では、本発明による非制限実施例のインジェクタのタブは、レシーバの外壁を越えて展開していない。以上の説明から理解されるように、本発明には、たとえば、本発明を制限するものではないが、図19に示す、本発明によるクイック・アセンブリ・レシーバ582及びインジェクタ584を有するヒンジ部品580のように、レシーバの壁を越えて展開しているタブ部分を有することが意図されている。インジェクタ582は、レシーバ584の孔592を貫通して展開する部分を有するタブ590を個々に有する一対のフィンガ586及び587を備えている。孔592は、レシーバの外側の表面594からレシーバ内の通路596まで展開している。本発明の実践においては、インジェクタのたわみフィンガ586及び587は、通路596の中へ移動する。タブ590が通路の中へ移動すると、フィンガ586及び587が互いに向かってバイアスされる。タブ590がそれぞれ孔592と整列すると、タブは、孔を通って移動し、フィンガは非バイアス位置へ移動する。
【0073】
タブは、容易にアクセス可能であるため、フィンガ586と587の間の通路596にシム600を挿入することが推奨される。シムは、シムの孔602とレシーバの孔604が整列するまでレシーバの通路の中へ移動する。孔には、レシーバのフィンガ586と587の間の位置でシムを固着し、インジェクタのタブ590をレシーバの孔592の中に維持し、インジェクタとレシーバの不注意による分離を防止するためのねじ(図示せず)が取り付けられている。シム600は、通常の任意の方法でインジェクタのフィンガとフィンガの間から取り外され、たとえばフィンガとフィンガの間にシムを挿入するステップと逆のステップを実行することによって取り外される。
【0074】
理解されるように、クイック・アセンブリ・レシーバ及びインジェクタを有するヒンジ部品の非制限実施例のコンポーネントを相互に交換し、本発明によるヒンジ部品の追加非制限実施例を提供することができる。
【0075】
図に示し、且つ、上で説明した本発明の形態は、本発明による非制限の実施例の実例を示したものである。特許請求の範囲で特許請求されている主題によって定義されている本発明の教示を逸脱することなく、様々な変更を加えることができることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】それぞれ本発明による特徴が組み込まれたクイック・アセンブリ・レシーバ及びインジェクタを有する一対の間隔を隔てたヒンジ部品によって自動車ボディにピボット取り付けされた、開いた位置にあるリア・ウィンドウ、及び閉じた位置にあるドアを示す、自動車の後端部の正面図である。
【図2】本発明による特徴が組み込まれた、リア・ウィンドウを自動車ボディにピボット取り付けしたクイック・アセンブリ・レシーバ及びインジェクタを示す、ドア及び窓のピボット位置の部分拡大図である。
【図3】図2の線3−3に沿って取った図である。
【図4】図1に示す窓の破断平面図である。
【図5】本発明による特徴が組み込まれたクイック・アセンブリ・レシーバ及びインジェクタを有するヒンジ部品の非係合位置における非制限実施例を示す、分かり易くするために一部を除去した立面図である。
【図6】本発明による特徴が組み込まれたクイック・アセンブリ・レシーバ及びインジェクタを有するヒンジ部品の非係合における他の非制限実施例を示す、分かり易くするために一部を除去した部分正面図である。
【図7】本発明による特徴が組み込まれたクイック・アセンブリ・レシーバ及びインジェクタを有するヒンジ部品のさらに他の非制限実施例を示す、図6と同様の図である。
【図8】本発明による特徴が組み込まれた1つのレシーバ及び2つのインジェクタを備えたクイック・アセンブリを有するヒンジ部品の係合位置における他の非制限実施例の正面図である。
【図9】本発明による特徴が組み込まれたクイック・アセンブリ・レシーバ及びインジェクタを有するヒンジ部品の係合位置におけるさらに他の非制限実施例を示す、図8と同様の図である。
【図10】本発明による特徴が組み込まれたクイック・アセンブリ・レシーバ及びインジェクタを有するヒンジ部品の非係合位置における他の非制限実施例の立面図である。
【図11】図10に示すクイック・アセンブリ・レシーバ及びインジェクタの係合位置における側断面図である。
【図12】本発明による特徴が組み込まれたクイック・アセンブリ・レシーバ及びインジェクタを有するヒンジ部品の非係合位置における他の非制限実施例の立面図である。
【図12A】図12に示すレシーバの端部部分の分解図である。
【図13A】図12の線13Aに沿って取った図である。
【図13B】レシーバ内のインジェクタの端部部分を示す、図13Aと同様の図である。
【図13C】本発明の教示に従ってレシーバと係合したインジェクタを示し、且つ、インジェクタの端部部分の移動を制限するための非制限構造を想像で示す、図13Aと同様の図である。
【図14】本発明による特徴が組み込まれたヒンジ部品の、クイック・アセンブリ・レシーバ及びインジェクタが係合位置にあり、且つ、同じ表面構成を有するさらに他の実施例の側断面図である。
【図15】本発明による特徴が組み込まれたヒンジ部品の、クイック・アセンブリ・レシーバ及びインジェクタが係合位置にある他の非制限実施例の側面図である。
【図16】本発明による非制限実施例に従ってピボット取り付けされたサイド・ウィンドウ、及び本発明による非制限実施例に従ってピボット取り付けされた窓を有するサイド・ドアの部分斜視図である。
【図17】図16に示すサイド・ウィンドウの内側の表面を示す側面図である。
【図18】図17の線18−18に沿って取った図である。
【図19】本発明によるクイック・アセンブリ・レシーバ及びインジェクタを有するヒンジ部品の他の非制限実施例の断面を示す部分正面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面及び反対側の第2の面、並びに前記第1の面から前記第2の面に向かって展開している溝を有する第1の部材と、
第1の部品及び第2の部品を有する分離可能固着構造であって、前記固着構造の前記第1の部品が前記第1の部材の前記溝を介してアクセス可能である分離可能固着構造と、
第1の端部部分及び反対側の第2の端部部分を有する第2の部材とを備えたヒンジ部品であって、前記第2の部材の前記第1の端部部分が前記固着構造の前記第2の部品を備え、前記第2の部材の前記第1の端部部分及び前記第1の部材の前記溝が、前記固着構造の前記第1の部品と前記第2の部品を互いに係合させるために前記第2の部材の前記第1の端部部分を前記第1の部材の前記溝に挿入することができるように互いに寸法決めされ、
前記第1の部材の前記第2の面又は前記第2の部材の前記第2の端部部分が、前記第1の部材の前記第2の面又は前記第2の部材の前記第1の端部部分を取り付けるための軸受取りオリフィスを有するヒンジ部品。
【請求項2】
前記第1の部材がレシーバとして構成され、前記第2の部材がインジェクタとして構成され、前記溝が通路であり、前記インジェクタの前記第1の端部部分の前記固着構造の前記第2の部品が、タブとして構成された拡張部分を有する少なくとも1つのたわみフィンガを備え、前記固着構造の前記第1の部品が、前記少なくとも1つのたわみフィンガの前記タブと係合するタブ係合部分を備えた、請求項1に記載のヒンジ部品。
【請求項3】
前記固着構造の前記第1の部品の前記タブ係合部分が、前記通路の中に展開しているニブ、前記通路の壁に存在している、前記少なくとも1つのたわみフィンガの前記タブを受け取るための開口、前記レシーバの外部表面から前記通路の内部へ展開しているオリフィス、前記通路の一部であって、前記レシーバの前記第1の端部からの距離が、間隔を隔てた壁と壁の間を隔てている距離が長くなって前記通路内にレッジを提供する移行部分まで長くなると、前記通路の間隔を隔てた壁と壁の間の間隔が狭くなる部分、及びそれらの組合せから選択される、請求項2に記載のヒンジ部品。
【請求項4】
前記少なくとも1つのたわみフィンガが第1のたわみフィンガであり、前記インジェクタが、前記インジェクタの前記第1の端部部分に第2のたわみフィンガをさらに備え、前記第1及び第2のたわみフィンガが互いに間隔を隔て、且つ、外側に向かって展開しているタブを有する、請求項2に記載のヒンジ部品。
【請求項5】
前記第1のフィンガの前記タブが前記第2のフィンガから遠ざかる方向に展開し、前記第2のフィンガの前記タブが前記第1のフィンガから遠ざかる方向に展開し、前記固着構造の前記第1の部品の前記タブ係合部分が、前記たわみフィンガの前記タブを受け取るための、前記通路の対向する壁から前記通路の中へ展開しているレッジ、又は前記通路の対向する壁に位置している開口を備えた、請求項4に記載のヒンジ部品。
【請求項6】
前記第1のフィンガの前記タブが前記第2のフィンガに向かって展開し、前記第2のフィンガの前記タブが前記第1のフィンガに向かって展開し、前記固着構造の前記第1の部品の前記タブ係合部分が前記通路内に中間壁を備え、前記中間壁の第1の面が前記通路の前記第1の面と隣接する壁から間隔を隔て、前記中間壁の反対側の第2の面が前記通路の前記第2の面と隣接する壁から間隔を隔て、前記中間壁の前記第1及び第2の面が、前記たわみフィンガの前記タブを受け取るための、外側に向かって、且つ、前記通路の隣接する壁に向かって前記通路の中へ展開しているレッジ、又は前記中間部分の前記第1及び第2の面に位置している開口を有する、請求項4に記載のヒンジ部品。
【請求項7】
前記第1のフィンガの前記タブが前記第2のフィンガに向かって展開し、前記第2のフィンガの前記タブが前記第1のフィンガから遠ざかる方向に展開している、請求項4に記載のヒンジ部品。
【請求項8】
前記インジェクタの前記第1の端部部分から遠ざかる方向に展開し、且つ、前記第1及び第2のフィンガから間隔を隔てた少なくとも1つの位置決め部材をさらに備え、前記通路が、前記第1及び第2のフィンガ並びに前記少なくとも1つの位置決め部材を受け取るように寸法決めされたコンパートメントを有する、請求項4に記載のヒンジ部品。
【請求項9】
前記少なくとも1つの位置決め部材が、前記第1のフィンガと第2のフィンガの間に、前記第1及び第2のフィンガから間隔を隔てて配置された、請求項8に記載のヒンジ部品。
【請求項10】
前記少なくとも1つの位置決め部材が第1の位置決め部材であり、第2の位置決め部材をさらに備え、前記第1及び第2の位置決め部材が互いに間隔を隔て、前記第1及び第2のフィンガのうちの少なくともいずれか一方が、前記第1の位置決め部材と第2の位置決め部材の間に位置している、請求項8に記載のヒンジ部品。
【請求項11】
前記インジェクタの前記第1の端部部分が、前記少なくとも1つのフィンガから間隔を隔てた少なくとも1つの位置決め部材をさらに備え、前記第1の部材の前記通路が第1の通路であり、前記第1の部材が、前記第1の通路から間隔を隔てた、前記少なくとも1つの位置決め部材を受け取るための第2の通路をさらに備えた、請求項2に記載のヒンジ部品。
【請求項12】
前記レシーバの前記第2の面又は前記インジェクタの前記第2の端部がばね鋼でできており、「C」字形形状を有するべく湾曲し、軸受取りオリフィスを形成している、請求項2に記載のヒンジ部品。
【請求項13】
前記レシーバの前記第2の面又は前記インジェクタの前記第2の端部部分が、それぞれ前記軸受取りオリフィスを有する一対の間隔を隔てた延長部分、又は前記軸受取りオリフィスを有する円筒状部材のいずれかを備えた、請求項4に記載のヒンジ部品。
【請求項14】
前記通路が、前記第1のフィンガを受け取るように寸法決めされた第1の通路であり、前記第1の通路から間隔を隔てた、前記第2のフィンガを受け取るための第2の通路をさらに備えた、請求項4に記載のヒンジ部品。
【請求項15】
前記第1及び第2の通路が、前記レシーバの前記第1の面から間隔を隔てた開口を有し、第3の通路が前記第1及び第2の通路の前記開口から前記レシーバの前記第1の面まで展開し、前記インジェクタの前記第1の端部部分が、前記第1及び第2のフィンガが展開しているプレート部材を備え、前記プレート部材及び前記第3の通路が、前記第1及び第2のフィンガがそれぞれ第1及び第2の通路内に位置している場合に、前記プレート部材が前記第3の通路内に位置し、且つ、横方向の運動が最小になるように互いに寸法決めされた、請求項14に記載のヒンジ部品。
【請求項16】
前記レシーバが、前記固着構造の前記第1及び第2の部品が係合している場合に、前記フィンガのうちの少なくとも1つの一部に対する前記レシーバを介した外部からのアクセスを可能にしている開口を有する、請求項4に記載のヒンジ部品。
【請求項17】
前記たわみフィンガのうちの少なくとも1つが、前記固着構造の前記第1及び第2の部品が係合している場合に、前記レシーバの前記開口を介して外部からアクセスすることができる孔を有する、請求項16に記載のヒンジ部品。
【請求項18】
前記レシーバの前記開口が、前記第1及び第2のフィンガがそれぞれ通路内に位置している場合に、前記少なくとも1つのたわみフィンガの前記孔と前記レシーバの前記開口が整列するように前記レシーバの端部から前記通路の隣接する壁まで展開している、請求項17に記載のヒンジ部品。
【請求項19】
前記第1の部材がレシーバとして構成され、前記第2の部材がインジェクタとして構成され、前記通路が前記レシーバを通って前記第1の面から前記レシーバの前記第2の面に向かって展開し、前記固着構造の前記第1の部品が、レッジとして構成された、前記レシーバの前記第1の面から間隔を隔てた前記通路の外縁であり、前記固着構造の前記第2の部品が、たわみフィンガの端部に隣接する切欠きであり、前記インジェクタの前記第1の端部部分の長さ及び前記通路の深さが、それぞれ、前記たわみフィンガが前記通路内に位置している場合に、前記たわみフィンガの前記切欠きと前記レッジが係合し、それにより前記レシーバ及び前記インジェクタが分離可能に一体に固着されるように互いに寸法化された長さ及び深さである、請求項1に記載のヒンジ部品。
【請求項20】
前記たわみフィンガが複数のたわみフィンガのうちの1つのフィンガであり、前記複数のたわみフィンガのうちの選択されたたわみフィンガが、前記複数のたわみフィンガのうちの前記選択されたたわみフィンガの端部に隣接する切欠きを有する、請求項19に記載のヒンジ部品。
【請求項21】
前記通路の前記レッジが、前記レシーバの前記第1の面と第2の面の間に、前記レシーバの前記第1及び第2の面から間隔を隔てて配置された、請求項20に記載のヒンジ部品。
【請求項22】
前記インジェクタの前記第2の端部部分が、水平方向の平面に位置しているプレート部材を備え、前記複数のフィンガが、前記切欠きが前記平面から間隔を隔てるように前記プレート部材から一定の角度で前記水平方向の平面まで展開し、前記通路及び前記プレート部材が、前記プレート部材の一部が前記通路内に位置している場合に、前記複数のたわみフィンガの前記端部が前記水平方向の平面に向かってバイアスされ、また、前記プレート部材の追加部分が前記通路内に位置している場合に、前記複数のたわみフィンガのうちの前記選択されたたわみフィンガの前記切欠きと前記レッジが係合するように互いに寸法決めされた、請求項21に記載のヒンジ部品。
【請求項23】
前記レッジに隣接する前記通路が一対の間隔を隔てた溝を有し、前記インジェクタの前記第1の端部部分が、前記複数のたわみフィンガのうちの前記選択されたたわみフィンガの前記切欠きと前記レッジが係合すると、前記レシーバの前記溝と整列する間隔を隔てた溝を有する、請求項22に記載のヒンジ部品。
【請求項24】
前記複数のたわみフィンガがそれぞれ切欠きを有し、個々のフィンガとフィンガの間の空間が、前記フィンガの前記端部から前記プレート部材に向かって所定の距離にわたって展開し、且つ、溝に接続され、前記レシーバ及び前記インジェクタが係合すると、前記インジェクタの前記溝のうちの選択された溝と前記通路の前記溝のうちの選択された溝が重畳し、前記フィンガとフィンガの間の前記空間を介してアクセス可能になる、請求項23に記載のヒンジ部品。
【請求項25】
前記インジェクタの前記第2の端部部分が一対の間隔を隔てた延長部分を有し、前記延長部分がそれぞれ軸受取りオリフィスを有し、前記インジェクタがばね鋼でできた、請求項24に記載のヒンジ部品。
【請求項26】
前記フィンガとフィンガの間に、前記フィンガの互いの間隔を維持するためのシムをさらに備えた、請求項4に記載のヒンジ部品。
【請求項27】
受取り部材の一方の端部から反対側の端部に向かって展開している通路、前記受取り部材の面に存在している、前記面から前記通路まで展開している開口、及び前記受取り部材の一方の端部から前記面にかけて取り付けられた、もう一方の端部にリッジを有するたわみ部材であって、前記たわみ部材が非バイアス位置に位置している場合に前記リッジが前記通路の中へ展開するたわみ部材を有するレシーバと、
第1の端部部分及び反対側の第2の端部部分を有するインジェクタであって、前記第1の端部部分が、前記インジェクタの第1の端部に向かう傾斜表面及び前記第1の端部から間隔を隔てた溝を有し、前記第1の端部部分が前記受取り部材に挿入されるように寸法決めされたインジェクタとを備えたヒンジ部品であって、前記第1の端部が前記受取り部材の前記通路の中へ移動すると、前記リッジが、前記たわみ部材のバイアス作用に対抗して、前記インジェクタの前記溝と前記リッジが整列するまで移動し、前記インジェクタの前記溝と前記リッジが整列すると、前記たわみ部材のバイアス作用によって前記リッジが前記溝の中へ移動して前記レシーバ及び前記インジェクタを一体に解放可能に固着し、
前記レシーバ又は前記インジェクタが、前記レシーバ又は前記インジェクタを取り付けるための軸受取りオリフィスを有するヒンジ部品。
【請求項28】
前記リッジに、フィンガを前記通路から遠ざかる方向に移動させるための孔をさらに備えた、請求項27に記載のヒンジ部品。
【請求項29】
第1の部材と、第2の部材とを備えたヒンジ部品であって、前記第1の部材及び第2の部材がそれぞれ第1の端部部分及び反対側の第2の端部部分を有し、前記端部部分と端部部分の間に中央部分を備え、前記第1及び第2の部材の前記中央部分が鋸歯表面を有し、前記第1の部材の前記鋸歯表面及び前記第2の部材の前記鋸歯表面が互いに連動するように寸法決めされ、前記端部部分が、前記鋸歯表面が連動した状態で前記第1の部材を前記第2の部材に固着するための固着構造を有し、
前記第1又は第2の部材が、軸係合部分を有する部材をピボット取り付けするための前記軸係合部分を有するヒンジ部品。
【請求項30】
第1の端部部分及び反対側の第2の端部部分を有する第1の部材であって、前記第1の部材の前記端部部分と端部部分の間に中央部分を有する第1の部材と、
第1の端部部分及び反対側の第2の端部部分を有する第2の部材であって、前記第2の部材の表面の前記端部部分と端部部分の間に中央部分を有する第2の部材と、
前記第1の部材の前記中央部分に固着されたヴェルクロ条片の第1の部品と、
前記第2の部材の前記中央部分のヴェルクロ条片の第2の部品と、
2つの部品からなる第1の係合構造であって、前記第1の係合構造の第1の部品が前記第1の部材の前記第1の端部部分を取り付け、前記第1の係合構造の第2の部品が前記第2の部材の前記第1の端部部分を取り付ける第1の係合構造と、
2つの部品からなる第2の係合構造であって、前記第2の係合構造の第1の部品が前記第1の部材の前記第2の端部部分を取り付け、前記第2の係合構造の第2の部品が前記第2の部材の前記第2の端部部分を取り付ける第2の係合構造とを備え、
前記第1の部材又は前記第2の部材が、軸係合部分を有する前記第1の部材又は前記第2の部材を取り付けるための前記軸係合部分を有するヒンジ部品。
【請求項31】
前記第1及び第2の係合構造の前記第1の部品が、前記第1及び第2の部材の前記第1の端部部分に取り付けられた丸い表面部分を有する部材を備え、前記第1及び第2の係合構造の前記第2の部品が、前記丸い表面部分を有する前記部材を受け取るための凹所を前記第1及び第2の部材の前記第2の端部部分に備えた、請求項30に記載のヒンジ部品。
【請求項32】
表面を有するシート部材であって、窓、ドア、ピボット取り付け剛直基板及びそれらの組合せのグループから選択され、また、ガラス、ガラス・セラミックス、プラスチック、木材、金属、複合材及びそれらの組合せから選択される材料でできたシート部材と、
前記シート部材の前記表面に取り付けられた少なくとも1つのヒンジ部品であって、(1)第1の面及び反対側の第2の面を有し、且つ、前記第1の面から前記第2の面に向かって展開している通路、及び前記通路内のタブ係合部分を有するレシーバであって、前記タブ係合部分が、前記通路の中に展開しているニブ、前記通路の壁に存在している、たわみフィンガのタブを受け取るための開口、前記通路の一部であって、前記レシーバの第1の端部からの距離が、間隔を隔てた壁と壁の間を隔てている距離が長くなって前記通路内にレッジを提供する移行領域まで長くなると、前記通路の間隔を隔てた壁と壁の間の間隔が狭くなる部分、及びそれらの組合せから選択されるレシーバ、及び(2)第1の端部部分及び反対側の第2の端部部分を有するインジェクタであって、前記第1の端部部分が、拡張端部部分を有する少なくとも1つのたわみフィンガを有する取り付け部材を備えたインジェクタから選択されるヒンジ部品とを備えた物品。
【請求項33】
前記インジェクタの前記少なくとも1つのたわみフィンガが第1のたわみフィンガであり、前記インジェクタが、前記インジェクタの前記第1の端部部分に第2のたわみフィンガをさらに備え、前記第1及び第2のたわみフィンガが互いに間隔を隔て、且つ、拡張タブを有する、請求項32に記載の物品。
【請求項34】
前記レシーバの前記通路が、前記レシーバを通って前記レシーバの前記第1の面から前記第2の面に向かって展開し、前記レシーバの前記第1の面から間隔を隔てた前記通路の外縁がレッジとして構成され、前記インジェクタの前記たわみフィンガが複数のフィンガのうちの1つのフィンガであり、前記複数のフィンガのうちの選択されたフィンガが、前記複数のフィンガのうちの前記選択されたフィンガの端部に隣接する切欠きを有し、前記レシーバの前記通路の前記レッジが、前記レシーバの前記第1の面と第2の面の間に、前記レシーバの前記第1及び第2の面から間隔を隔てて配置され、前記インジェクタの前記第2の端部部分が、水平方向の平面に位置しているプレート部材を備え、前記複数のフィンガが、前記切欠きが前記平面から間隔を隔てるように前記プレート部材から一定の角度で前記水平方向の平面まで展開し、前記レッジに隣接する前記通路が一対の間隔を隔てた溝を有し、前記インジェクタの前記第1の部分が、前記複数のフィンガの前記選択されたフィンガの前記切欠きと前記レッジが係合すると、前記通路の前記溝と整列する間隔を隔てた溝を有する、請求項32に記載の物品。
【請求項35】
部品の表面に取り付けられ、且つ、車両ボディにピボット取り付けされた、或いは前記車両のボディに取り付けられたコンポーネントにピボット取り付けされた少なくとも1つのヒンジ部品を備えた取り付け構造によってピボット取り付けされる部品を有するタイプの車両において、改善が、
第1の部材、第2の部材及び解放可能固着構造を備えたクイック・リリース・ヒンジ部品であって、前記第1の部材又は前記第2の部材が前記部品の前記表面に取り付けられ、前記第2の部材又は前記第1の部材がそれぞれ前記車両ボディ又は前記車両ボディに取り付けられたコンポーネントにピボット取り付けされるクイック・リリース・ヒンジ部品を含み、
前記第1の部材が、第1の面及び反対側の第2の面、並びに前記第1の面から前記第2の面に向かって展開している通路を有し、
前記分離可能固着構造が第1の部品及び第2の部品を有し、前記固着構造の前記第1の部品が、前記第1の部材の前記通路を介してアクセス可能であり、
前記第2の部材が第1の端部部分及び反対側の第2の端部部分を有し、前記第2の部材の前記第1の端部部分が前記固着構造の前記第2の部品を備え、前記第2の部材の前記第1の端部部分及び第1の部材の前記通路が、前記固着構造の前記第1の部品と前記第2の部品を互いに係合させるために前記第2の部材の前記第1の端部部分を前記第1の部材の前記通路に挿入することができるように互いに寸法決めされ、
前記第1の部材の前記第2の面又は前記第2の部材の前記第2の端部部分が、前記車両ボディにピボット取り付けされるか、或いは前記車両ボディに取り付けられたコンポーネントにピボット取り付けされる車両。
【請求項36】
前記第1の部材がレシーバとして構成され、前記第2の部材がインジェクタとして構成され、前記インジェクタの前記第1の端部部分の前記固着構造の前記第2の部品が、タブを有する少なくとも1つのたわみフィンガを備え、前記固着構造の前記第1の部品が、前記少なくとも1つのたわみフィンガの前記タブと係合するタブ係合部分を前記レシーバ内に備えた、請求項35に記載の車両。
【請求項37】
前記第1の部材がレシーバとして構成され、前記第2の部材がインジェクタとして構成され、前記通路が前記レシーバを通って前記第1の面から前記レシーバの前記第2の面に向かって展開し、前記固着構造の前記第1の部品が、レッジとして構成された、前記レシーバの前記第1の面から間隔を隔てた前記通路の外縁であり、前記たわみフィンガが複数のたわみフィンガのうちの1つのフィンガであり、前記固着構造の前記第2の部品が、前記複数のたわみフィンガの選択されたフィンガの端部に隣接する切欠きであり、前記インジェクタの前記第1の端部部分の長さ及び前記通路の深さが、それぞれ、前記たわみフィンガが前記通路内に位置している場合に、前記フィンガの前記切欠きと前記レッジが係合し、それにより前記レシーバ及び前記インジェクタが分離可能に一体に固着されるように互いに寸法決めされ、前記通路の前記レッジが、前記レシーバの前記第1の面と第2の面の間に、前記レシーバの前記第1及び第2の面から間隔を隔てて配置され、前記インジェクタの前記第1の端部部分の前記第2の端部部分が、水平方向の平面に位置しているプレート部材を備え、前記複数のフィンガが、前記切欠きが前記平面から間隔を隔てるように前記プレート部材から一定の角度で前記水平方向の平面まで展開し、前記通路及び前記プレート部材が、前記プレート部材の一部が前記通路内に位置している場合に、前記複数のフィンガの前記端部が前記水平方向の平面に向かってバイアスされ、また、前記プレート部材の追加部分が前記通路内に位置している場合に、前記複数のフィンガのうちの前記選択されたフィンガの前記切欠きと前記レッジが係合するように互いに寸法決めされ、前記レッジに隣接する前記通路が一対の間隔を隔てた溝を有し、前記インジェクタの前記第2の部分が間隔を隔てた溝を有し、前記選択されたフィンガの前記切欠きと前記レッジが係合すると、前記通路の前記溝と前記インジェクタの前記溝が整列し、前記インジェクタの前記第2の部分が一対の間隔を隔てた延長部分を有し、前記延長部分がそれぞれ軸受取りオリフィスを有し、前記複数のフィンガがそれぞれ切欠きを有し、個々のフィンガとフィンガの間の空間が、前記フィンガの前記端部から前記プレート部材に向かって所定の距離にわたって展開し、且つ、溝に接続され、前記レシーバ及び前記インジェクタが一体になると、前記インジェクタの前記溝のうちの特定の溝と前記通路の前記溝のうちの特定の溝が重畳し、前記フィンガとフィンガの間の前記空間を介してアクセス可能になる、請求項35に記載の車両。
【請求項38】
第1及び第2の物品を分離する方法であって、前記第1の物品が前記第2の物品にピボット取り付けされ、前記第1の物品が、ガラス、ガラス・セラミックス、プラスチック、木材、金属、複合材及びそれらの組合せから選択される材料でできており、前記第1の物品が、前記第1の物品の表面に取り付けられたヒンジ部品の第1のセクションを有し、前記第2の物品が、前記第2の物品に取り付けられた前記ヒンジ部品の第2のセクションの端部部分を有し、前記ヒンジ部品の前記第1及び第2のセクションが、前記ヒンジ部品の前記第1又は第2のセクションに取り付けられた少なくとも1つのたわみフィンガによって互いに分離可能に固着され、前記ヒンジ部品の前記第2又は第1のセクションが、それぞれ、前記フィンガと係合するフィンガ係合部分を有し、
第1の移動ステップとして構成された、前記少なくとも1つのフィンガを前記フィンガ係合部分から遠ざかる方向に移動させるステップと、
前記ヒンジ部品の前記第1及び第2のセクションを分離するための第2の移動ステップとして構成された、前記ヒンジ部品の前記第1及び第2のセクションを互いに移動させるステップとを含む方法。
【請求項39】
前記第1の物品が、陸上車両の窓又は壊れた窓の一部であり、前記第2の物品が前記陸上車両のボディ部分である、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記ヒンジ部品の前記第1のセクションが、前記フィンガ係合部分を有するレシーバであり、前記ヒンジ部品の前記第2のセクションの前記端部部分が、前記第2の物品にピボット取り付けされ、前記ヒンジ部品の前記第2のセクションが、前記少なくとも1つのフィンガを有するインジェクタであり、前記ヒンジ部品が第1のヒンジ部品であり、フィンガ係合部分を有するレシーバと、少なくとも1つのたわみフィンガ及び端部部分を有するインジェクタとを有する第2のヒンジ部品をさらに備え、前記第2のヒンジ部品の前記インジェクタの前記端部部分が、前記第1のヒンジ部品の前記インジェクタから間隔を隔てた自動車ボディにピボット取り付けされ、前記方法が、前記第1の移動ステップの実行に続いて、前記第2のヒンジの前記インジェクタの前記少なくとも1つのフィンガを前記第2のヒンジの前記レシーバの前記フィンガ係合部分から遠ざかる方向に移動させるステップと、前記第2のヒンジ部品の前記インジェクタ及び前記レシーバを分離するための第3の移動ステップとして構成された、前記第2のヒンジ部品の前記レシーバ及び前記インジェクタを互いに移動させるステップとをさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
第1の物品を第2の物品に固着する方法であって、前記第1の物品が、ガラス、ガラス・セラミックス、プラスチック、木材、金属及びそれらの組合せから選択される材料でできており、前記第1の物品が、第1の物品の表面に取り付けられたヒンジ部品の第1のセクションを有し、前記第2の物品が、前記第2の物品に取り付けられた前記ヒンジ部品の第2のセクションの一部を有し、前記ヒンジ部品の前記第1及び第2のセクションが、前記ヒンジ部品の前記第1又は第2のセクションに取り付けられた少なくとも1つのたわみフィンガによって分離可能に固着され、前記ヒンジ部品の前記第2又は第1のセクションが、それぞれ、前記フィンガと係合するフィンガ係合部分を有し、
前記ヒンジ部品の前記第1及び第2のセクションを一体に固着するために、前記フィンガ及び前記フィンガ係合部分を互いに向かって移動させ、且つ、係合させるステップを含む方法。
【請求項42】
前記第1の物品が、陸上車両の窓又は壊れた窓の一部であり、前記第2の物品が前記陸上車両のボディ部分である、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記ヒンジ部品の前記第1のセクションが、前記フィンガ係合部分を有するレシーバであり、前記窓の第1の表面に取り付けられ、前記ヒンジ部品の前記第2のセクションの前記端部部分が前記自動車にピボット取り付けされ、前記ヒンジ部品の前記第2のセクションが、前記少なくとも1つのフィンガを有するインジェクタであり、前記ヒンジ部品が第1のヒンジ部品であり、フィンガ係合部分を有する、前記第1のヒンジ部品の前記レシーバから間隔を隔てた前記窓の前記第1の表面に取り付けられたレシーバと、少なくとも1つのたわみフィンガ及び端部部分を有するインジェクタとを有する第2のヒンジ部品をさらに備え、前記第2のヒンジ部品の前記インジェクタの前記端部部分が、前記第1のヒンジ部品の前記インジェクタから間隔を隔てた前記自動車ボディにピボット取り付けされ、前記第1の移動ステップの実行に続いて、前記第2のヒンジ部品の前記第1及び第2のセクションを一体に固着するために、前記第2のヒンジ部品の前記インジェクタの前記フィンガ及び前記第2のヒンジ部品の前記レシーバを互いに向かって移動させ、且つ、係合させるステップを実行するステップをさらに含む、請求項42に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図12A】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公表番号】特表2008−507644(P2008−507644A)
【公表日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−522626(P2007−522626)
【出願日】平成17年7月18日(2005.7.18)
【国際出願番号】PCT/US2005/025444
【国際公開番号】WO2006/020235
【国際公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(399074983)ピーピージー・インダストリーズ・オハイオ・インコーポレイテッド (60)
【氏名又は名称原語表記】PPG Industries Ohio,Inc.
【Fターム(参考)】