説明

グリセリン変性シリコーン及びそれを含む化粧料

【課題】増粘、濁り等の問題の無い、グリセリン変性シリコーンを提供する。
【解決手段】下記式(1)で表されるグリセリン変性シリコーン


式(1)中、Rは、互いに異なっていてよく且つ部分的にハロゲン置換されていてよい、炭素数1〜30の、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アミノアルキル基、又はカルボキシアルキル基であり、R2は、互いに異なっていてよい、下記式(3)で表されるオルガノシロキシアルキル基であり、


(式(3)中、Rは炭素数1〜30の部分的にハロゲン置換されていてよいアルキル基、gは1〜5の数、hは1〜500の数である)Rは、グリセリン由来の基が、ポリオキシアルキレン基を含む基を介して、シリコーン主鎖に結合されている基である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリグリセリン変性シリコーン及びこれを含む化粧料に関する。該ポリグリセリン変性シリコーンは水への溶解性、各種油剤に対する乳化性能及び粉体の分散性を有する。
【背景技術】
【0002】
シリコーン油は、そのさっぱりした感触、安全性等の優れた特性から、化粧料に多用されている。シリコーン油を、水、炭化水素等の油剤、粉体等と、均一に乳化するために、各種の水溶性基で変性したシリコーン界面活性剤が使用されている。代表的なものとして、ポリオキシアルキレン変性シリコーン、長鎖アルキル基を有するポリオキシアルキレン変性シリコーン、多価アルコール変性シリコーン(特許文献1、2)が知られている。
【0003】
ポリオキシアルキレン変性シリコーンは、水と混合することにより増粘し、化粧料にべたつき感を与える傾向がある。これに対して、多価アルコール変性、なかでもグリセリン変性シリコーンはこのような問題がなく、毛髪化粧料等の感触の良さが要求される化粧料にも配合される(特許文献3、4)。
【0004】
しかし、グリセリン変性シリコーンは、原料のグリセリンとシリコーンが相溶性でないため、グリセリン鎖の長いものは製造が難しい。また、水を含む化粧料に配合した場合、白濁を生じる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−146832号公報
【特許文献2】特開2004−169015号公報
【特許文献3】特開2004−231607号公報
【特許文献4】特開2005−97151号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、上記増粘、濁り等の問題の無い、グリセリン変性シリコーンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、種々、検討した結果、ポリオキシアルキレン基を介してグリセリル基を備えた下記シリコーンが、従来のグリセリン変性シリコーンとも、ポリエーテル変性シリコーンとも異なる優れた特性を有することを見出した。即ち、本発明は、下記式(1)で表されるグリセリン変性シリコーンである。
【0008】
【化1】

[式(1)中、Rは、互いに異なっていてよく且つ部分的にハロゲン置換されていてよい、炭素数1〜30の、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アミノアルキル基、又はカルボキシアルキル基であり、
2は、互いに異なっていてよい、下記式(3)で表されるオルガノシロキシアルキル基であり、
【0009】
【化2】

(式(3)中、Rは炭素数1〜30の部分的にハロゲン置換されていてよいアルキル基、gは1〜5の数、hは1〜500の数である)
は、下記式(4)で表される基であり、
【0010】
【化3】

(式(4)中、Qは炭素数2〜20の2価の基であり、rは1〜200の数、sは0〜200の数であり、Rは水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、又は−(CO)−Rで示される有機基、但しRは1〜30の炭化水素基、であり、tは1〜10の数である)
aは0.5〜2.5の数、bは0〜1.5の数、cは0.001〜1.5の数である。]
また、本発明は上記グリセリン変性シリコーンを含む化粧料である。
【発明の効果】
【0011】
上記本発明のグリセリン変性シリコーンは親水性が高く、透明性な化粧料を与えることができる。また、油剤の乳化性、粉体の分散性に優れ、経時安定性が高く、皮膚上での伸びが軽く、べたつきの無いしっとりとした感触の化粧料を与えることができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のポリグリセリン変性シリコーンは、式(4)で表される基Rを有することを特徴とする。即ち、グリセリン由来の基が、ポリオキシアルキレン基を含む基を介して、シリコーン主鎖に結合されていることを特徴とする。
【0013】
【化4】

式(4)において、rは1〜200の数、sは0〜200の数である。好ましくは、rは1〜40の数、sは0〜40の数であり、より好ましくは、rは1〜10の数、sは0〜9の数である。最も好ましくはsがrより小さく、特に好ましくはs=0であり、rは1〜5である。なお、式(2)〜(4)における各数値は、ポリマーが分子量分布を有するため、平均値である。
【0014】
は、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、又は−(CO)−Rで示される有機基であり、ここでRは1〜30の炭化水素基であり、最も好ましくは、水素原子である。tは1〜10の数であり、好ましくは1〜5の数、より好ましくは1〜3の数である。
【0015】
なお、上記式(4)において、オキシエチレン基と、オキシプロピレン基は、ブロック状に結合されている必要はなく、ランダム状に結合されていてもよく、いずれの基がグリセリン誘導単位と結合されていてもよい。
【0016】
Qは炭素数2〜20の2価の基であり、例としては、−(CH2)2−、−(CH2)3−、−CH2CH(CH3)CH2−、−(CH2)4−、−(CH2)5−、−(CH2)6−、−(CH2)7−、−(CH2)8−、−(CH2)2−CH(CH2CH2CH3)−、−CH2−CH(CH2CH3)−、−CH2−CH(CH3)−COO(CH2)2−等を挙げることができる。これらのうち、−(CH2)2−、−(CH2)3−、−CH2CH(CH3)CH2−が好ましく、より好ましくは−(CH2)3−である。
【0017】
上記式(1)において、R1は互いに異なっていてよく且つ部分的にハロゲン置換されていてよい、炭素数1〜30の、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アミノアルキル基、カルボキシアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基、3−アミノプロピル基、3−[(2−アミノエチル)アミノ]プロピル基などのアミノ置換アルキル基、3−カルボキシプロピル基等のカルボキシ置換アルキル基、トリフロロプロピル基、ノナフロロオクチル基などの一部の水素がハロゲンに置換された基が挙げられる。好ましくは、R全体の50%以上、更に好ましくは70%以上がメチル基である。
【0018】
は、本発明の効果を妨げない範囲で、下記式(2)のポリオキシアルキレン基を含む基であってよい。
【0019】
【化5】

式(2)においてR4は、水素原子、又は炭素数1〜30の、部分的にハロゲン置換されていてよい炭化水素基、もしくは炭素数2〜30のアシル基であり、例えば上記Rについて例示した基が包含される。dは0〜15の整数、好ましくは、dは3〜5あるいは11である。e=f=0の場合には、アリルエーテル、ペンテニルエーテル、ウンデセニルエーテル残基となり、R4の置換基によって、例えばアリルステアリルエーテル残基、ペンテニルベヘニルエーテル残基もしくはウンデセニルオレイルエーテル残基などとなる。
【0020】
e、fは、夫々独立に0〜50の数、好ましくは2〜30の数、但しe+fは1〜200、である。なお、上記(2)のポリオキシアルキレン部分がエチレンオキサイド単位とプロピレンオキサイド単位の両方からなる場合には、これら両単位のブロック重合体、ランダム重合体の何れであっても良い。
【0021】
式(1)において、R2は、互いに独立に、下記式(3)
【0022】
【化6】

で表されるオルガノシロキシアルキル基である。ここで、hは1〜500の数であり、好ましくは3〜100の数であり、より好ましくは3〜30である。hが500より大きいものは調製が難しい。gは1〜5の数であって、ビニル基またはアリル基から誘導することができる点で、好ましくは、2または3である。Rは、炭素数1〜30の、ハロゲン置換されていてよいアルキル基であり、上記Rについて例示したものであってよい。
【0023】
式(1)において、aは、0.5〜2.5、好ましくは、1.0〜2.3の数である。aが、0.5より小さいと、油剤との相溶性に劣り、一方、2.5より大きいと親水性に乏しくなり、いずれの場合も、安定な油中水型乳化物を得難い。bは0〜1.5の数であり、1.5より大きいと親水性に乏しくなり、安定な油中水型乳化物を得難くなる。cは0.001〜1.5の数で、好ましくは、0.05〜1.0である。cが0.001より小さいと、親水性に乏しくなり、1.5より大きいと、親水性が高くなりすぎるため、いずれの場合にも、安定な油中水型乳化物を得難い。
【0024】
式(1)で表されるシリコーンの重量平均分子量は、乳化剤として使用する場合には、500〜20,000であることが好ましく、特に1,000〜10,000であることが好ましい。また、皮膚洗浄組成物に使用する場合には、500〜4,000が好ましく、より好ましくは2,000以下、特に1,500以下であることが好ましい。粉体の分散剤として使用する場合には、500〜200,000であることが好ましく、より好ましくは1000〜100,000、特に好ましくは1000〜10,000である。
【0025】
また、本発明のシリコーンは、下記式で表される構成単位、即ち、分岐を有していてもよい。
【0026】
【化7】

(Rは上記で説明したとおりである)
【0027】
本発明のシリコーンは、主鎖になるオルガノハイドロジェンポリシロキサンのSiH結合と、式(4)で表される基の末端部に不飽和結合を含む基Q’を有する下記式(I)で表される化合物を、
【0028】
【化8】


が式(2)で表される基である場合には、式(III)で表される不飽和基と、ポリオキシアルキレン基を有する化合物を、
【0029】
【化9】

bが0より大きい場合には、式(II)で表される不飽和基を有するシリコーン化合物を、
【0030】
【化10】

さらに、Rが長鎖アルキル基である場合には対応するアルケン化合物を、夫々、白金触媒又はロジウム触媒の存在化に、付加反応させることにより調製することができる。上記式(I)〜(III)中のr、s、t、g、h、d、e、f、R、Rはそれぞれ前記のものと同じである。主鎖となるオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、直鎖状、環状のいずれでもよいが、付加反応が円滑に進む点では、直鎖状であることが好ましい。
【0031】
上式(I)で示す化合物は、Qの末端に二重結合を有する式(IV)で表される水酸基含有化合物とグリシドールを、式(IV)の化合物に対し0.1〜3モル%のアルカリ触媒存在下で、温度100度〜130度の条件で重合させることによって調製することができる。
【0032】
【化11】

【0033】
オルガノハイドロジェンポリシロキサンと、上記式(I)〜(III)の化合物、場合によってはアルケン化合物との合計、の混合割合は、SiH結合1モルに対して上記各化合物の末端不飽和基の合計のモル比で0.5〜2.0、好ましくは0.8〜1.2である。
【0034】
上記付加反応で使用する、白金触媒又はロジウム触媒としては、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸−ビニルシロキサン錯体等の触媒が好適に使用される。なお、使用量は触媒量であってよいが、白金又はロジウム量で50ppm以下であることが好ましく特に20ppm以下であることが好ましい。
【0035】
上記付加反応は、有機溶剤中で行ってもよい。有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール等の脂肪族アルコール、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族または脂環式炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。付加反応条件としては、有機溶剤の還流下で1〜10時間反応させることが一般的である。
【0036】
本発明は、上記本発明のシリコーン(以下「A)シリコーン」という場合がある)を含む化粧料にも関する。その配合量は、用途に応じて異なるが、乳化剤として用いる場合には、化粧料総質量に対して、0.01〜20質量%、好ましくは0.1〜10質量%、洗浄剤として用いる場合には0.1〜40質量%、好ましくは2〜30質量%、粉体の分散剤として用いる場合には、粉体に対して0.1〜30質量%、好ましくは0.5〜10質量%である。
【0037】
化粧料としては、口紅、油性ファンデーション等のメークアップ化粧料、皮膚化粧料、頭髪化粧料、外用医薬品、洗顔料、メークアップ除去剤など、外用される種々の化粧料が包含される。
【0038】
本発明の化粧料は、上記各化粧料に通常配合される種々の成分、例えばB)油剤、C)アルコール性水酸基を有する化合物、D)水、E)粉体、F)着色剤、G)界面活性剤、H)架橋型オルガノポリシロキサン、I)シリコーン樹脂等を含むことができる。以下、順次説明する。
【0039】
B)油剤は、固体、半固体、液状であってよい。例えば、天然動植物油脂類及び半合成油脂の例としては、アボガド油、アマニ油、アーモンド油、イボタロウ、エノ油、オリーブ油、カカオ脂、カポックロウ、カヤ油、カルナウバロウ、肝油、キャンデリラロウ、牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、キョウニン油、鯨ロウ、硬化油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サトウキビロウ、サザンカ油、サフラワー油、シアバター、シナギリ油、シナモン油、ジョジョバロウ、スクワレン、セラックロウ、タートル油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、豚脂、ナタネ油、日本キリ油、ヌカロウ、胚芽油、馬脂、パーシック油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ヒマワリ油、ブドウ油、ベイベリーロウ、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミツロウ、ミンク油、綿実油、綿ロウ、モクロウ、モクロウ核油、モンタンロウ、ヤシ油、硬化ヤシ油、トリヤシ油脂肪酸グリセライド、羊脂、落花生油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、卵黄油等が挙げられる。但し、POEはポリオキシエチレンを意味する。
【0040】
炭化水素油としては、オゾケライト、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリエチレン・ポリピロピレンワックス、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等;高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。
【0041】
高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、POEコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、モノオレイルグリセリルエーテル(セラキルアルコール)等が挙げられる。
【0042】
エステル油としては、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、イソノナン酸イソノニル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等;グリセライド油としては、アセトグリセリル、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセリル等が挙げられる。
【0043】
シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン,メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等の直鎖或いは分岐状のオルガノポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン等の環状シロキサン、高重合度のガム状ジメチルポリシロキサン、ガム状のジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等のシリコーンゴム、及びシリコーンゴムの環状シロキサン溶液、トリメチルシロキシケイ酸、トリメチルシロキシケイ酸の環状シロキサン溶液、ステアロキシシリコーン等の高級アルコキシ変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、シリコーン樹脂及びシリコーンレジンの溶解物等が挙げられる。フッ素系油剤としては、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカリン、パーフルオロオクタン等が挙げられる。
【0044】
これらの油剤の配合量は、化粧料総質量の1〜99質量%であってよい。
【0045】
C)アルコール性水酸基を有する化合物としては、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール;ソルビトール、マルトース等の糖アルコール;コレステロール、シトステロール、フィトステロール、ラノステロール等のステロール;ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジブチレングリコール等の多価アルコールが包含される。
【0046】
D)水は、精製水、蒸留水、脱イオン水を使用することができる。その配合量は、化粧料全体の1〜99質量%の範囲で、剤型に応じて調整することができる。
【0047】
E)粉体としては、通常の化粧料に使用されるものであれば、その形状(球状、針状、板状等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、いずれのものも使用することができ、例えば無機粉体、有機粉体、界面活性剤金属塩粉体、有色顔料、パール顔料、金属粉末顔料、天然色素等があげられる。
【0048】
無機粉体としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン、シリカ等が挙げられる。
【0049】
有機粉体としては、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタンパウダー、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、テトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロースパウダー、シルクパウダー、ナイロンパウダー、12ナイロンパウダー、6ナイロンパウダー、ジメチルシリコーンを架橋した構造を持つ架橋型シリコーン微粉末、ポリメチルシルセスキオキサンの微粉末、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂等の樹脂粉体、微結晶繊維粉体、デンプン粉末、ラウロイルリジン粉末等が挙げられる。
【0050】
また、微粒子酸化チタン、微粒子鉄含有酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化セリウム及びそれらの複合体等の紫外線を吸収散乱する粉体も挙げられる。
【0051】
これらの粉体は本発明の効果を妨げない範囲で、粉体を複合化したものや、一般油剤、アミノ酸、シリコーン油、フッ素化合物、界面活性剤等で処理したもの、加水分解性シリル基やケイ素原子に直接結合した水素原子を有する直鎖状及び/又は分岐状のオルガノポリシロキサン、加水分解性シリル基やケイ素原子に直接結合した水素原子を有し長鎖アルキルで共変性された直鎖状及び/又は分岐状オルガノポリシロキサン、加水分解性シリル基やケイ素原子に直接結合した水素原子を有しポリオキシアルキレンで共変性された直鎖状及び/又は分岐状オルガノポリシロキサン、加水分解性シリル基やケイ素原子に直接結合した水素原子を有するアクリル−シリコーン系共重合体等も使用することができ、必要に応じて一種、又は二種以上用いることができる。粉体処理剤の市販品としては、AES−3083、KF−99P、KF−9901、KF−9908、KF−9909、KP−574(何れも信越化学工業(株)製)等がある。
【0052】
F)着色剤としては顔料、染料がある。有色顔料の例としては、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色系顔料、γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色系顔料、シリカ被覆鉄顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色系顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色系顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの、及びこれらの粉体を複合化した合成樹脂粉体等が挙げられる。
【0053】
パール顔料としては、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、シリカ被覆雲母チタン、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等が挙げられる。
【0054】
金属粉末顔料としては、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー、ステンレスパウダー等が挙げられる。
【0055】
タール色素としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等;天然色素としては、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等が挙げられる。
【0056】
粉体、着色剤の配合量は、剤型に応じて、化粧料全体の0〜99質量%とすることができるが、特に粉体化粧料の場合の配合量は、化粧料全体の80〜90質量%が好適である。
【0057】
G)界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性の界面活性剤等を用いることができる。アニオン性界面活性剤としては、ステアリン酸ナトリウムやパルミチン酸トリエタノールアミン等の脂肪酸セッケン、アルキルエーテルカルボン酸及びその塩、アミノ酸と脂肪酸の縮合物塩、アルカンスルホン酸塩、アルケンスルホン酸塩、脂肪酸エステルのスルホン酸塩、脂肪酸アミドのスルホン酸塩、ホルマリン縮合系スルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、第二級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキル及びアリルエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩、ロート油等の硫酸エステル塩類、アルキルリン酸塩、エーテルリン酸塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩、アミドリン酸塩、N−アシルアミノ酸系活性剤等が包含される。
【0058】
カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアミノアルコール脂肪酸誘導体等のアミン塩、アルキル四級アンモニウム塩、芳香族四級アンモニウム塩、ピリジウム塩、イミダゾリウム塩等が挙げられる。
【0059】
非イオン性界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン(特許第2137062号、特開平7−330907号公報参照)、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン(特開昭61−90732号、特開平9−59386号公報参照)、特開2001−055307に記載のシリコーン分岐状ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンおよびシリコーン分岐状ポリオキシアルキレン・長鎖アルキル基共変性オルガノポリシロキサン、ポリグリセリン変性オルガノポリシロキサン(特公昭62−34039号、特許第2613124号、特許第2844453号、特開2002−179798号公報参照)、ポリグリセリン・長鎖アルキル基共変性オルガノポリシロキサン、特開2002−179798に記載のポリグリセリン変性分岐状オルガノポリシロキサンおよびポリグリセリン・長鎖アルキル基共変性分岐状オルガノポリシロキサン、アルカノールアミド、糖エーテル、糖アミド等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、ベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体、アミドアミン型等が挙げられる。
【0060】
これらの界面活性剤の中でも、分子中にポリオキシエチレン鎖を有する直鎖或いは分岐状のオルガノポリシロキサン、分子中にポリグリセリン鎖を有する直鎖或いは分岐状のオルガノポリシロキサン、或いはそれぞれのアルキル共変性オルガノポリシロキサンである界面活性剤が好ましい。市販品としては、KF−6011、KF−6012、KF−6013、KF−6015、KF−6016、KF-6017、KF−6028、KF−6028P、KF−6038、KF−6100、KF−6104、KF−6105(何れも信越化学工業(株)製)等がある。また、HLBとしては1〜10である界面活性剤が好ましく、配合量は、化粧料全体の0.1〜20質量%であることが好ましく特に0.2〜10質量%の範囲が好適である。
【0061】
本発明の化粧料には、その目的に応じてH)1種又は2種以上の架橋型オルガノポリシロキサンを用いることもできる。
【0062】
H)架橋型オルガノポリシロキサンは、液状油に対し、自重以上の該液状油を含んで膨潤するものであることが好ましい。液状油としては、A)シリコーン、B)成分中の液状のシリコーン油、炭化水素油、エステル油、天然動植物油、半合成油等、フッ素系油を用いることができ、たとえば、0.65mm2/秒(25℃)〜100.0mm2/秒(25℃)の低粘度シリコーン油、流動パラフィン、スクワラン、イソドデカン等の炭化水素油やトリオクタノイン等のグリセライド油、イソノナン酸イソトリデシル、N−アシルグルタミン酸エステル、ラウロイルサルコシン酸エステル等のエステル油、マカデミアンナッツ油などの天然動植物油が挙げられる。
【0063】
また、この架橋型オルガノポリシロキサンの架橋剤は、分子中に二つ以上のビニル性反応部位を持ち、かつ、ケイ素原子に直接結合した水素原子との間で反応することにより架橋構造を形成するものであることが好ましい。分子中に二つ以上のビニル性反応部位を持つものとしては、分子中に二つ以上のビニル基を有するオルガノポリシロキサン、分子中に二つ以上のアリル基を有するポリオキシアルキレン、分子中に二つ以上のアリル基を有するポリグリセリン、α、ω−アルケニルジエンなどが挙げられる。更に、この架橋型オルガノポリシロキサンは、ポリオキシアルキレン部分、ポリグリセリン部分、アルキル部分、アルケニル部分、アリール部分、及びフルオロアルキル部分からなる群から選択される少なくとも1種の部分を分子中に含有していても良い。これらの架橋型オルガノポリシロキサンは市販されており、例えば、シリコーン油でペースト状にしたKSG−15、KSG−16、KSG−18、KSG−1610、USG−103、KSG−210、KSG−240、KSG−710、炭化水素油やトリグリセライド油でペースト状にしたUSG−106、KSG−41、KSG−42、KSG−43、KSG−44、KSG−310、KSG−320、KSG−330、KSG−340、KSG−810、KSG−820、KSG−830、KSG−840(何れも信越化学工業(株)製)等がある。
【0064】
架橋型オルガノポリシロキサンの配合量は、化粧料の総量に対して0.01〜40質量%であることが好ましく、特に0.1〜30質量%であることが好ましい。
【0065】
本発明の化粧料には、その目的に応じてI)シリコーン樹脂を用いることもできる。このシリコーン樹脂はアクリル/シリコーングラフト又はブロック共重合体のアクリルシリコーン樹脂であることが好ましく、さらに、ピロリドン部分、長鎖アルキル部分、ポリオキシアルキレン部分及びフルオロアルキル部分、カルボン酸などのアニオン部分の中から選択される少なくとも1種の部分を分子中に含有するアクリルシリコーン樹脂が好ましい。市販品としては、シリコーン油や炭化水素油、アルコールに溶解したKP−541、KP−543、KP−545、KP−549、KP−550、KP−571、KP−575、KP−581(何れも信越化学工業(株)製)等がある。
【0066】
このシリコーン樹脂は、構成成分としてMQ、MDQ、MT、MTQ、MDT、MDTQと表されるシリコーン網状化合物であることが好ましい。このM、D、T、Qは、それぞれ、RSiO0.5単位、RSiO単位、RSiO1.5単位、SiO単位を示すものであり、シリコーン業界では一般に使用されるものである。シリコーン網状樹脂は一般にMQレジンあるいはMT、MDTレジンとして知られており、MDQ、MTQ、MDTQと示される部分を有することもある。具体的にはデカメチルシクロペンタシロキサンやジメチコンなどの溶解物として市販されているものであり、ピロリドン部分、長鎖アルキル部分、ポリオキシアルキレン部分及びフルオロアルキル部分、アミノ部分の中から選択される少なくとも1種の部分を分子中に含有していても良い。
【0067】
アクリルシリコーン樹脂やシリコーン網状化合物等のシリコーン樹脂を用いる場合、その配合量は、化粧料の総量に対して0.1〜20質量%であることが好ましく、特に1〜10質量%であることが好ましい。
【0068】
本発明の化粧料には、その目的に応じてJ)シリコーンワックスを含むこともできる。このシリコーンワックスは、5員環以上のラクトン化合物の開環重合物であるポリラクトンを結合させたポリラクトン変性ポリシロキサンであることが好ましい。
【0069】
あるいは、このシリコーンワックスは、ピロリドン部分、長鎖アルキル部分、ポリオキシアルキレン部分、フルオロアルキル部分、カルボン酸などのアニオン部分の中から選択された少なくとも一つの部分を分子中に含有するアクリル変性ポリシロキサンであることが好ましい。市販品としては、長鎖アルキル基を有するワックスとして、KP−561P、KP−562P(何れも信越化学工業(株)製)等がある。
【0070】
あるいは、このシリコーンワックスが、オレフィンワックスと1分子1個以上のSiH結合を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを付加反応させることによって得られるシリコーン変性オレフィンワックスであることが好ましい。また、オレフィンワックスは、エチレンと少なくとも1種のジエンを共重合して得られるもの、または、エチレンと炭素数3〜12のα-オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンと少なくとも1種のジエンを共重合して得られるものであり、このジエンとしては、ビニルノルボルネンが好適である
【0071】
シリコーンワックスの配合量は、化粧料の総量に対して0.1〜20質量%であることが好ましく、特に1〜10質量%であることが好ましい。
【0072】
更に、本発明の化粧料には、本発明の効果を妨げない範囲で、通常の化粧料に使用される成分、油溶性ゲル化剤、有機変性粘土鉱物、樹脂、制汗剤、紫外線吸収剤、紫外線吸収散乱剤、保湿剤、防腐剤、抗菌剤、香料、塩類、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤、清涼剤、抗炎症剤、美肌用成分(美白剤、細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、血行促進剤、皮膚収斂剤、抗脂漏剤等)、ビタミン類、アミノ酸類、核酸、ホルモン、包接化合物、毛髪用固形化剤等を添加することができる。
【0073】
油溶性ゲル化剤としては、アルミニウムステアレート、マグネシウムステアレート、ジンクミリステート等の金属セッケン;N−ラウロイル−L−グルタミン酸−α,γ−ジ−n−ブチルアミン等のアミノ酸誘導体;デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリン2−エチルヘキサン酸パルミチン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル;ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル;フラクトオリゴ糖ステアリン酸エステル、フラクトオリゴ糖2−エチルヘキサン酸エステル等のフラクトオリゴ糖脂肪酸エステル;モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトールのベンジリデン誘導体、ジメチルベンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー、ジメチルジオクタデシルアンモニウムモンモリナイトクレー等の有機変性粘土鉱物等から選ばれるゲル化剤が挙げられる。
【0074】
制汗剤としては、アルミニウムクロロハイドレート、塩化アルミニウム、アルミニウムセスキクロロハイドレート、ジルコニルヒドロキシクロライド、アルミニウムジルコニウムヒドロキシクロライド、アルミニウムジルコニウムグリシン錯体等から選ばれる制汗剤が挙げられる。
【0075】
紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸等の安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸メチル等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸メチル、サリチル酸オクチル、サリチル酸トリメチルシクロヘキシル等のサリチル酸系紫外線吸収剤、パラメトキシケイ皮酸オクチル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ウロカニン酸エチル等のウロカニン酸系紫外線吸収剤、4−t−ブチル−4’−メトキシ−ジベンゾイルメタン等のジベンゾイルメタン系紫外線吸収剤、フェニルベンズイミダゾールスルフォン酸等が挙げられ、紫外線吸収散乱剤としては、微粒子酸化チタン、微粒子鉄含有酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化セリウム及びそれらの複合体等、紫外線を吸収散乱する粉体が挙げられ、これらの紫外線吸収散乱剤をあらかじめ油剤に分散させた分散物を用いることもできる。
【0076】
保湿剤としては、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンチレングリコール、グルコース、キシリトール、マルチトール、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ピロリドンカルボン酸塩、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド、卵黄レシチン、大豆レシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファジチルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴリン脂質等がある。
【0077】
防菌防腐剤としては、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール等、抗菌剤としては、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、フェノキシエタノール等がある。
【0078】
塩類としては無機塩、有機酸塩、アミン塩及びアミノ酸塩が挙げられる。無機塩としては、たとえば、塩酸、硫酸、炭酸、硝酸等の無機酸のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、ジルコニウム塩、亜鉛塩等;有機酸塩としては、例えば酢酸、デヒドロ酢酸、クエン酸、りんご酸、コハク酸、アスコルビン酸、ステアリン酸等の有機酸類の塩;アミン塩及びアミノ酸塩としては、例えば、トリエタノールアミン等のアミン類の塩、グルタミン酸等のアミノ酸類の塩等がある。また、その他、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸等の塩、アルミニウムジルコニウムグリシン錯体等や、更には、化粧品処方の中で使用される酸−アルカリの中和塩等も使用することができる。
【0079】
酸化防止剤としては、トコフェロール、p−t−ブチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、フィチン酸等、pH調整剤としては、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、dl−リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等、キレート剤としては、アラニン、エデト酸ナトリウム塩、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸等、清涼剤としては、L−メントール、カンフル等、抗炎症剤としては、アラントイン、グリチルリチン酸及びその塩、グリチルレチン酸及びグリチルレチン酸ステアリル、トラネキサム酸、アズレン等が挙げられる。
【0080】
美肌用成分としては、胎盤抽出液、アルブチン、グルタチオン、ユキノシタ抽出物等の美白剤、ロイヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体、幼牛血液抽出液等の細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等の血行促進剤、酸化亜鉛、タンニン酸等の皮膚収斂剤、イオウ、チアントロール等の抗脂漏剤等が挙げられる。
【0081】
ビタミン類としては、ビタミンA油、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等のビタミンA類、リボフラビン、酪酸リボフラビン、フラビンアデニンヌクレオチド等のビタミンB2類、ピリドキシン塩酸塩、ピリドキシンジオクタノエート、ピリドキシントリパルミテート等のビタミンB6類、ビタミンB12及びその誘導体、ビタミンB15及びその誘導体等のビタミンB類、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−硫酸ナトリウム、 L−アスコルビン酸リン酸ジエステルジカリウム等のビタミンC類、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール等のビタミンD類、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール等のビタミンE類、ビタミンH、ビタミンP、ニコチン酸、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド等のニコチン酸類、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテル、アセチルパントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類、ビオチン等がある。
【0082】
アミノ酸類としては、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、シスチン、システイン、メチオニン、トリプトファン等、核酸としては、デオキシリボ核酸等、ホルモンとしては、エストラジオール、エテニルエストラジオール等が挙げられる。
【0083】
毛髪固定用高分子化合物としては、両性、アニオン性、カチオン性、非イオン性の各高分子化合物が挙げられ、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体等の、ポリビニルピロリドン系高分子化合物、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸アルキルハーフエステル共重合体等の酸性ビニルエーテル系高分子化合物、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体等の酸性ポリ酢酸ビニル系高分子、(メタ)アクリル酸/アルキル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/アルキル(メタ)アクリレート/アルキルアクリルアミド共重合体等の酸性アクリル系高分子化合物、N−メタクリロイルエチル−N、N−ジメチルアンモニウム・α−N−メチルカルボキシベタイン/アルキル(メタ)アクリレート共重合体、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレート/アクリル酸オクチルアミド共重合体等の両性アクリル系高分子化合物が挙げられる。また、セルロースまたはその誘導体、ケラチンおよびコラーゲンまたはその誘導体等の天然由来高分子化合物、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル、アクリル系共重合物、ウレタン樹脂、各種ゴム(NBR、SBR、SIS、SBS、EPDM等)、塩素化ポリエチレン等の合成樹脂も好適に用いることができる。
【0084】
本発明においての化粧料の形態としては、粉体、油性、油中水型エマルション、水中油型エマルション、非水エマルション、W/O/WやO/W/Oなどのマルチエマルションなどの形態が挙げられ、例えば、化粧水、乳液、クリーム、クレンジング、パック、マッサージ料、美容液、美容オイル、洗浄剤、脱臭剤、ハンドクリーム、リップクリーム、しわ隠し製品等のスキンケア化粧料、メークアップ下地、コンシーラー、白粉、リキッドファンデーション、クリームファンデーション、油性ファンデーション、クリームアイシャドウ、マスカラ、アイライナー、アイブロウ等のメークアップ化粧料、エナメル、アンダーコート、オーバーコート等の美爪料、制汗剤化粧料、日焼け止めオイルや日焼け止め乳液や日焼け止めクリームなどの紫外線防御化粧料等が挙げられる。
【0085】
また、これらの化粧料の製品形態としては、液状、乳液状、クリーム状、ペースト状、ゲル状、ムース状、スプレー状等、種々の形態を選択することができる。
【0086】
さらに、これらの化粧料を皮膚、爪、眉毛、あるいは、まつげに塗布または転写させる場合には、指を用いるのも良く、また、ブラシ、チップ、パフ、ヘラ等、種々のアプリケーターを選択し用いることができる。
【実施例】
【0087】
以下に、実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。尚、特に断りがない限り、以下に記載する「%」は「質量%」を意味する。また、本発明のシリコーンの実施例番号はローマ数字で、化粧料組成物の実施例番号はアラビア数字で表した。
【0088】
<実施例I>
反応器に、下記式(5)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン25gと、下記式(6)のポリオキシアルキレン基含有化合物を82g、及びイソプロピルアルコール64gを混合し、これに塩化白金酸3%のエタノール溶液を0.03g加え、溶剤の還流下8時間反応させた。次に反応液を減圧留去し、ろ過することによって下記式(7)で表されるシリコーンを得た。該シリコーンは、褐色透明な液状物質であり、25℃における、粘度が63000mm/s、屈折率が1.470であった。
【0089】
【化12】

【0090】
【化13】

【0091】
【化14】

【0092】
<実施例II>
反応器に、下記式(8)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン160gと、上記平均組成式(6)のポリオキシアルキレン基含有化合物を51g、及びエタノール140gを混合し、これに塩化白金酸3%のエタノール溶液を0.04g加え、溶剤の還流下8時間反応させた。反応液を減圧留去し、ろ過することによって下記式(9)で表されるシリコーンを得た。
該シリコーンは、淡褐色透明な液状物質であり、25℃における、粘度が960000mm/s、屈折率が1.422であった。
【0093】
【化15】

【0094】
【化16】

(R*1は上述のとおり)
【0095】
<実施例III>
反応器に、下記平均組成式(10)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン338gと、下記式(11)のポリオキシアルキレン基含有化合物995g及びイソプロピルアルコール402gを混合し、これに塩化白金酸3%のエタノール溶液を0.2g加え、溶剤の還流下8時間反応させた。反応液を減圧留去し、下記式(12)のシリコーンを得た。該シリコーンは、淡褐色透明な液状物質であり、25℃における粘度が、1800mm/s、屈折率が1.460であった。
【0096】
【化17】

【0097】
【化18】

【0098】
【化19】

【0099】
<実施例IV>
反応器に、上記平均組成式(8)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン192gと、上記平均組成式(11)のポリオキシアルキレン基含有化合物を73g、及びエタノール185gを混合し、これに塩化白金酸3%のエタノール溶液を0.04g加え、溶剤の還流下8時間反応させた。反応液を減圧留去し、ろ過することによって下記式(13)で表されるシリコーンを得た。
該シリコーンは、淡褐色透明な液状物質であり、25℃における、粘度が30000mm/s、屈折率が1.423であった。
【0100】
【化20】

(R*2は上述のとおり)
【0101】
<実施例V>
反応器に、下記式(14)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン65.6gと、下記式(15)で示されるオルガノポリシロキサン24g、1-ドデセン10.8g、式(11)のポリオキシアルキレン基含有化合物27g、イソプロピルアルコール30g、塩化白金酸3%のエタノール溶液0.03gを添加し、溶剤の還流下5時間反応させた。
【0102】
【化21】

【0103】
【化22】

【0104】
次いで反応液を減圧留去し下記式(16)で表されるシリコーンを得た。該シリコーンは、淡黄色透明な液状物質であり、25℃における、粘度が2500mm/s、屈折率が1.433であった。
【0105】
【化23】

(R*2は上述のとおり)
【0106】
<実施例VI>
反応器に、下記式(17)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン120gと、上記式(15)で示されるオルガノポリシロキサン84g、1-ドデセン51g、上記式(11)のポリオキシアルキレン基含有化合物60g、イソプロピルアルコール95g、塩化白金酸3%のエタノール溶液0.05gを添加し、溶剤の還流下5時間反応させた。反応液を減圧留去し下記式(18)で表されるシリコーンを得た。該シリコーンは、淡黄色透明な液状物質であり、25℃における、粘度が710mm/s、屈折率が1.432であった。
【0107】
【化24】

【0108】
【化25】

(R*2及びR*3は上述のとおり)
【0109】
<実施例VII>
反応器に、下記式(19)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン217.6gと、上記式(11)のポリオキシアルキレン基含有化合物60g、イソプロピルアルコール110g、塩化白金酸3%のエタノール溶液0.04gを添加し、溶剤の還流下5時間反応させた。次いで反応液を減圧留去し下記式(20)で表されるシリコーンを得た。該シリコーンは、淡黄色透明な液状物質であり、25℃における、粘度が710mm/s、屈折率が1.417であった。
【0110】
【化26】

(o+p+q=55(平均値)、X,Y,Z中、1つはMe、2つはHである)
【0111】
【化27】


(o+p+q=55(平均値)、X、Y、Z中、1つはMe、2つは上記R*2である)
【0112】
<比較例I>
反応器に、上記式(5)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン50gと、ポリグリセリンアリルエーテル97g、及びイソプロピルアルコール90gを混合し、これに塩化白金酸3%のエタノール溶液を0.03g加え、溶剤の還流下8時間反応させた。次に、0.005Nの塩酸水溶液を23g添加して、未反応のアリルエーテル基を加水分解し、5%重曹水約0.3gで中和した。反応液を減圧留去し、ろ過することによって下記式(21)で表されるシリコーンを得た。該シリコーンは、淡黄色透明な液状物質であり、25℃における、粘度が430,000mm/s、屈折率が1.469であった。
【0113】
【化28】

【0114】
<比較例II>
反応器に、上記式(8)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン160gと、ポリグリセリンアリルエーテルを30g、及びエタノール133gを混合し、これに塩化白金酸3%のエタノール溶液を0.04g加え、溶剤の還流下8時間反応させた。反応液を減圧留去し、ろ過することによって下記式(22)で表されるシリコーンを得た。該シリコーンは、白濁粘調物質であり、25℃における、粘度が130000mm/s、屈折率が1.417であった。
【0115】
【化29】

(R*5は上述のとおり)
【0116】
<比較例III>
反応器に、上記式(10)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン360gと、下記式(23)のポリオキシアルキレン基含有化合物を700g、及びイソプロピルアルコール320gを混合し、これに塩化白金酸3%のエタノール溶液を0.2g加え、溶剤の還流下8時間反応させた。次に、反応液を減圧留去し下記式(24)で表されるシリコーンを得た。
該シリコーンは、淡黄色透明な液状物質であり、25℃における、粘度が510mm/s、屈折率が1.454であった。
【0117】
【化30】

【0118】
【化31】

【0119】
<比較例IV>
反応器に、上記式(8)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン130gと、上記式(23)のポリオキシアルキレン基含有化合物40g、及びイソプロピルアルコール43gを混合し、これに塩化白金酸3%のエタノール溶液を0.03g加え、溶剤の還流下8時間反応させた。反応液を減圧留去し、ろ過することによって下記式(25)で表されるシリコーンを得た。該シリコーンは、無色透明液状物質であり、25℃における、粘度が820mm/s、屈折率が1.419であった。
【0120】
【化32】


(R*6は上述のとおり)
【0121】
<比較例V>
反応器に、上記式(5)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン165gと、上記式(23)のポリオキシアルキレン基含有化合物を230g、グリセリンモノアリルエーテル66gを、イソプロピルアルコール280gを混合し、これに塩化白金酸3%のエタノール溶液を0.14g加え、溶剤の還流下16時間反応させた。次に、反応液を減圧留去し下記式(26)で表されるシリコーンを得た。
該シリコーンは、黄濁色の液状物質であり、25℃における、粘度が790mm/s、屈折率が1.448であった。
【0122】
【化33】

(R*5及びR*6は上述のとおり)
【0123】
<比較例VI>
反応器に、下記平均組成式(27)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン985gと、上記式(23)のポリオキシアルキレン基含有化合物1400g、グリセリンモノアリルエーテル300g及びエタノール1400gを混合し、これに塩化白金酸3%のエタノール溶液を0.5g加え、溶剤の還流下12時間反応させた。反応液を減圧留去し、下記式(28)のシリコーンを得た。該シリコーンは、淡褐色透明な液状物質であり、25℃における、粘度が3200mm/s、屈折率が1.422であった。
【0124】
【化34】

【0125】
【化35】

(R*6及びR*7は上述のとおり)
【0126】
<水溶性の評価>
実施例I、III、比較例I、III、Vのシリコーンを用いて、濃度1%の水溶液を調整し、各測定温度にて24時間静置させた後の外観を目視観察して評価した。結果を表1に示す。表1において、各記号は以下の意味である。
○:透明、△:微濁〜白濁、×:分離
【0127】
また各水溶液を皮膚に塗布した際の官能評価を上記の基準に従って行った。結果を表2に示す。
塗布時および塗布後のべたつき


塗布時および塗布後の密着感


塗布時および塗布後のきしみ

【0128】
【表1】

【0129】
【表2】


上表から分かるように、実施例I、IIIは、比較例I、III、Vに比べて、水溶性のみならず熱安定性にも優れていた。また、皮膚に塗布した際の感触も良好であった。
【0130】
<実施例1:W/Oエマルション、乳化安定性の評価>
下記表3の配合にてW/Oエマルションを調製した。
【0131】
【表3】

【0132】
(評価)
得られた乳化物の塗布時のべたつき、密着感、きしみのなさ、塗布後のべたつき、密着感、きしみのなさについて前記した基準で評価を行ない、その平均で判定した。それらの結果を表4に示す。
【0133】
【表4】

【0134】
得られたエマルションを35℃の恒温室にて所定時間保存した後に回転粘度を測定した。調製直後の粘度を1としたときの、所定時間後の粘度の割合を表5に示す。
【0135】
【表5】


上表から、比較例1、2のように側鎖にポリエーテル基を含まないシリコーンから調製したエマルションでは、1日後に急激な粘度低下が起こるのに対して、実施例1では、数日後でも安定性を有していることが確認された。
【0136】
<実施例2,3:サンスクリーン剤、粉体分散性の評価>
表6に示すサンスクリーン剤を調製し、その品質について評価した。
【0137】
【表6】

(注1)KSG−210(信越化学(株)社製)
(注2)KF−6019(信越化学(株)社製)

酸化亜鉛分散物
下記のシリコーン化合物10gをデカメチルシクロペンタシロキサン40gに溶解し、酸化亜鉛(MZ505S、テイカ(株)社製)50gを加え、ビーズミルを用いて分散させ、酸化亜鉛分散物を得た。
(a)実施例IIのシリコーン化合物
(b)実施例IVのシリコーン化合物
(c)比較例IIのシリコーン化合物

(製造方法)
A:成分1〜5を均一に混合した。
B:成分6〜8を均一に混合した。
C:AにBを添加して乳化した。
D:Cに9〜12を加えサンスクリーン剤を得た。
【0138】
表6の品質の評価は次のようにして行なった。
粉体の分散安定性
サンスクリーン剤を室温にて1ヶ月静置した後、粉体の凝集性を観察し、下記基準より判定した。

評価基準

【0139】
使用感評価
得られたサンスクリーン剤について、50名の女性パネラーに、さらさら感、伸び、化粧膜の透明性、肌のべたつき感、日焼け止め効果について、下記基準により5段階に点数付けし、平均点を取って評価した。

評価基準


評価基準

【0140】
表6の結果から明らかなように、本発明の実施例2、3は粉体の凝集がなく、分散性に優れていた。また、使用感に関してもいずれの項目で良好でもあった。それに対し、側鎖にポリエーテル基を含まないシリコーンで処理された粉体を含む比較例3は、僅かに粉体の凝集がみられ、化粧膜の透明性が劣り、使用感においても充分な感触を得ることができなかった。
【0141】
以下、各種化粧料の実施例を示す。以下において、経時変化は、化粧料を密閉容器に入れて25℃の恒温室に一ヶ月間静置させた後の外観観察で評価した。
【0142】
実施例4:クリーム

(注1)セリサイトに対し2%のKF-9909(信越化学工業(株)社製)を添加後加熱処理した
(注2)KSP−100(信越化学工業(株)社製)
【0143】
(製造方法)
A:成分1〜6を混合した。
B:成分7〜12を混合溶解した。
C:AをBに加えて攪拌混合した。
以上のようにして得られたクリームは、キメが細かく、のび広がりが軽くべたつきや油っぽさがない上しっとりとしてみずみずしく、さっぱりとした使用感を与えると共に、化粧持ちも非常に良く、温度変化や経時による変化がなく安定性に優れていることが分かった。
【0144】
実施例5:O/Wクリーム

(注1) KSG−16(信越化学工業(株)社製)
(注2)メトローズSM−4000(信越化学工業(株)社製)
(注3)セピゲル305(SEPIC製)
(注4)マイカチタンに対し2%の(実施例II)を添加後、加熱処理したもの
【0145】
(製造方法)
A:成分3〜10を混合した。
B:成分1〜2を混合溶解し、Aに加えて攪拌乳化した。
以上のようにして得られた水中油型クリームは、キメが細かく、のび広がりが軽くべたつきや油っぽさがない上しっとりとしてみずみずしく、さっぱりとした使用感を与えると共に、化粧持ちも非常に良く、温度変化や経時による変化がなく安定性に優れていることが分かった。
【0146】
実施例6:O/Wクリーム

(注1) KSG−43(信越化学工業(株)社製)
(注2)KSG−18A(信越化学工業(株)社製)
(注3)メトローズSM−4000(信越化学工業(株)社製)
(注4)セピゲル305(SEPIC製)
【0147】
(製造方法)
A:成分3、5〜12を混合した。
B:成分1、2、4を混合した。
C:AをBに加えて攪拌乳化した。
以上のようにして得られた水中油型クリームは、キメが細かく、のび広がりが軽くべたつきや油っぽさがない上しっとりとしてみずみずしく、さっぱりとした使用感を与えると共に、化粧持ちも非常に良く、温度変化や経時による変化がなく安定性に優れていることが分かった。
【0148】
実施例7:O/Wクリーム

(注1) KSG−42(信越化学工業(株)社製)
(注2) KSG−16(信越化学工業(株)社製)
(注3) KF−6011(信越化学工業(株)社製)
(注4)セピゲル305(SEPIC製)
【0149】
(製造方法)
A:成分1〜4を混合した。
B:成分5〜12を混合溶解した。
C:AをBに加えて攪拌乳化した。
以上のようにして得られた水中油型クリームは、キメが細かく、のび広がりが軽くべたつきや油っぽさがない上しっとりとしてみずみずしく、さっぱりとした使用感を与えると共に、化粧持ちも非常に良く、温度変化や経時による変化がなく安定性に優れていることが分かった。
【0150】
実施例8:O/W型UVカットクリーム

(注1) KSG−18A(信越化学工業(株)社製)
(注2) KSG−43(信越化学工業(株)社製)
(注3) SPD-T5(信越化学工業(株)社製)
(注4) KF−6011(信越化学工業(株)社製)
(注5)セピゲル305(SEPIC社製)
(注6)メトローズSM−4000(信越化学工業(株)社製)
【0151】
(製造方法)
A:成分5〜8及び10、12を混合した。
B:成分1〜3を混合し、Aに加えて攪拌乳化した。
C:成分4をBに加え、さらに成分9、11を加えて均一にした。
以上のようにして得られたUVカットクリームは、のびが軽くさっぱりとして、べたつきや油感がなく、透明感があり、化粧持ちも良いものであった。また、温度変化や経時による変化がなく、使用性も安定性に非常に優れていた。
【0152】
実施例9:洗顔料

(注1)ペグノールL−6(東邦化学工業(株)社製)
(注2)ユニセーフA−LM(日本油脂(株)社製)
【0153】
(製造方法)
A:成分1〜7及び9を加えて均一に溶解した。
B:Aに成分8を加えて洗顔料を得た。
以上のようにして得られた洗顔料を用いたところ、化粧料や皮脂汚れとのなじみが良く、汚れ落ちも非常に良好で、使用時の伸びも軽く、後肌もしっとりとしていて、使用性も使用感も非常に良い洗顔料であった。
【0154】
実施例10:メーキャップ除去剤

【0155】
(製造方法)
A:成分1〜7及び9を加えて均一に溶解した。
B:Aに成分8を加えてメーキャップ除去剤を得た。
以上のようにして得られたメーキャップ除去剤を用いてファンデーションを除去したところ、ファンデーションとのなじみも良く汚れ落ちも非常に良好で、使用時の伸びも軽く、後肌もしっとりとしていて使用性も使用感も非常に良いメークアップ除去剤であった。
【0156】
実施例11:サンタンクリーム

(注1)KP−561P(信越化学工業(株)社製)
【0157】
(製造方法)
A:成分1〜7及び16、17を加熱溶解した。
B:成分15と19の一部を加熱攪拌後、成分8〜12を添加し分散処理した。
C:成分13、14及び19の残部を均一溶解し、Bと混合した。
D:攪拌下、AにCを添加して乳化し、冷却して成分18を添加しサンタンクリームを得た。
以上のようにして得られたサンタンクリームは、きめが細かく、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがなく、しっとりとしてみずみずしく、さっぱりとした使用感を与えた。また、経時変化がなく、安定性にも優れている事が確認された。
【0158】
実施例12:サンカットクリーム

(注1)KP−545(信越化学工業(株)社製)
(注2)KSG−240(信越化学工業(株)社製)
(注3)酸化亜鉛に対し5%のAES−8303(信越化学工業(株)社製)を添加後、加熱処理したもの
【0159】
(製造方法)
A:成分1の一部に成分2を加えて均一にし成分7を添加してビーズミルにて分散した。
B:成分1の残部と成分3〜6を均一に混合した。
C:成分8〜10及び12を均一に混合した。
D:BにCを加えて乳化し、A及び成分11を添加してサンカットクリームを得た。
以上のようにして得られたサンカットクリームは、ベタツキがなく、のび広がりも軽く、しかも密着性に優れ、おさまりも良く、つやのある仕上がりで化粧持ちも非常に優れており、温度や経時に対しても非常に安定であることが確認された。
【0160】
実施例13:サンカット乳液

(注1)KSG−210(信越化学工業(株)社製)
(注2)SPD−T5(信越化学工業(株)社製)
(注3)SPD−Z5(信越化学工業(株)社製)
【0161】
(製造方法)
A:成分1〜5を均一に混合した。
B:成分8〜10及び12を混合し、溶解した。
C:AにBを加えて乳化し、成分6、7及び11を添加してサンカット乳液を得た。
以上のようにして得られたサンカット乳液は、ベタツキがなく、のび広がりも軽く、しかも密着性に優れ、おさまりも良く、つやのある仕上がりで化粧持ちも非常に優れており、温度や経時に対しても非常に安定であることが確認された。
【0162】
実施例14:サンカット乳液

(注1)KSG−710(信越化学工業(株)社製)
(注2)KSG−15(信越化学工業(株)社製)
(注3)SPD−Z6(信越化学工業(株)社製)
(注4)SPD−T5(信越化学工業(株)社製)
【0163】
(製造方法)
A:成分1〜6を均一に混合した。
B:成分9〜11及び13を混合し、溶解した。
C:AにBを加えて乳化し、成分7、8及び12を添加してサンカット乳液を得た。
以上のようにして得られたサンカット乳液は、ベタツキがなく、のび広がりも軽く、しかも密着性に優れ、おさまりも良く、つやのある仕上がりで化粧持ちも非常に優れており、温度や経時に対しても非常に安定であることが確認された。
【0164】
実施例15:W/Oハンドクリーム

(注1)アミン当量70,000g/モル
【0165】
(製造方法)
A:成分1、3を加熱混合し、成分2、4,5、6および10を加熱添加した。
B:成分7〜9及び12を加熱混合した。
C:BをAに徐添して乳化した後冷却し、成分11を加えてハンドクリームを得た。
以上のようにして得られたハンドクリームはべたつきがなく、伸び広がりも軽く、しかもしっとりとした使用感を有し、水仕事から効果的に皮膚を保護し、また、経時変化がなく、安定性にも優れている事が確認された。
【0166】
実施例16:O/Wハンドクリーム

(注1)KP−545(信越化学工業(株)社製)
(注2)KP−561P(信越化学工業(株)社製)
【0167】
(製造方法)
A:成分1〜9を混合、加熱溶解した。
B:成分10〜12及び14を混合、加熱した。
C:AにBを加えて乳化し、冷却した後、成分13を添加してO/Wハンドクリームを得た。
以上のようにして得られた水中油型クリームは、ベタツキがなく、のび広がりも軽く、しかも、密着性に優れ、おさまりも良く、つやのある仕上がりで化粧持ちも非常に優れており、温度変化や経時による変化がなく安定性に優れていることが分かった。
【0168】
実施例17:保湿クリーム

(注1)KP−7002(信越化学工業(株)社製)
(注2)KMP−590(信越化学工業(株)社製)
(注3)アエロジルR972(日本アエロジル(株)社製)
【0169】
(製造方法)
A:成分1〜5及び成分8、9を均一に混合し、成分6〜7を加えて均一に分散した。
B:成分10〜13及び15を加えて溶解した。
C:BをAに徐添して乳化した後冷却し、成分14を加えて保湿クリームを得た。
以上のようにして得られた保湿クリームは、のび広がりも軽く、みずみずしくさっぱりとしてべたつきがなくしっとりとし、温度や経時による変化もない、使用性及び安定性にも非常に優れていることが確認された。
【0170】
実施例18:乳液

(注1)KMP−590(信越化学工業(株)社製)
(注2)アエロジルR972(日本アエロジル(株)社製)
【0171】
(製造方法)
A:成分1〜5を均一に混合し、成分6〜7を加えて均一に分散した。
B:成分14に成分8〜10を加えて溶解し、更に成分11、12を均一に混合した後添加した。
C:BをAに徐添して乳化した後冷却し、成分13を加えて乳液を得た。
以上のようにして得られた乳液は、のび広がりも軽く、さらっとしてべたつきがなくしっとりとし、温度や経時による変化もない、使用性及び安定性にも非常に優れていることが確認された。
【0172】
実施例19:美容液

【0173】
(製造方法)
A:成分1〜4を混合した。
B:成分5〜8及び10を均一溶解した。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、成分9を添加し美容液を得た。
以上のようにして得られた美容液は、きめが細かく、のび広がりが軽く、ベタツキがなく、しっとりとしてみずみずしく、また、温度変化や経時による変化がなく非常に安定性にも優れていることが確認された。
【0174】
実施例20:O/W/O型乳液

(注1)KSG−210(信越化学工業(株)社製)
(注2)KSG−43(信越化学工業(株)社製)
【0175】
(製造方法)
A:成分1〜4を均一に混合した。
B:成分5〜9を加熱混合し、均一にした。
C:成分10〜12を加熱混合した。
D:Bを攪拌しながらCを加えて乳化し、冷却した。
E:Aを攪拌しながらDを加えて乳化した。
以上のようにして得られた乳液は、のびが軽くさっぱりとして、べたつきや油感がなく、透明感があり化粧持ちが良く、温度や経時による変化もなく、使用性も安定性も非常に優れているO/W/O型乳液であった。
【0176】
実施例21:O/W/O型乳液

(注1)KSG−310(信越化学工業(株)社製)
(注2)KSG−41(信越化学工業(株)社製)
【0177】
(製造方法)
A:成分1〜4を均一に混合した。
B:成分5〜9を加熱混合し、均一にした。
C:成分10〜12を加熱混合した。
D:Bを攪拌しながらCを加えて乳化し、冷却した。
E:Aを攪拌しながらDを加えて乳化した。
以上のようにして得られた乳液は、のびが軽くさっぱりとして、べたつきや油感がなく、透明感があり化粧持ちが良く、温度や経時による変化もなく、使用性も安定性も非常に優れているO/W/O型乳液であった。
【0178】
実施例22:O/W/O型リキッドファンデーション

(注1)KSG−210(信越化学工業(株)社製)
【0179】
(製造方法)
A:成分1〜4を均一に混合した。
B:成分5〜10を加熱混合し、均一にした。
C:成分11〜13を加熱混合した。
D:Bを攪拌しながらCを加えて乳化し、冷却した。
E:Aを攪拌しながらDを加えて乳化した。
以上のようにして得られたリキッドファンデーションは、のびが軽くさっぱりとして、べたつきや油感がなく、透明感があり化粧持ちが良く、温度や経時による変化もなく、使用性も安定性も非常に優れているO/W/O型リキッドファンデーションであった。
【0180】
実施例23:日焼け止め乳液

(注1)KSP−100(信越化学工業(株)社製)
(注2)アエロジルR972(日本アエロジル(株)社製)
【0181】
(製造方法)
A:成分1の一部に成分5〜6を均一に溶解した。
B:成分1の残部と成分2〜4を混合し、Aを加え、更に成分7〜8を混合して均一に分散した。
C:成分13に成分9を加えて溶解し、更に均一に混合した成分10、11を添加した。
D:CをBに徐添して乳化し、成分12を加えて日焼け止め乳液を得た。
以上のようにして得られた日焼け止め乳液は、のび広がりが軽い上、さらっとしてべたつきのないものであった。また、経時変化がなく安定性にも優れている事が確認された。
【0182】
実施例24:液状ファンデーション

(注1)KF−6028(信越化学工業(株)社製)
(注2)アエロジルRY200(日本アエロジル(株)社製)
【0183】
(製造方法)
A:成分8〜12を均一に混合した。
B:成分1〜7及び16を70℃で加熱混合した後、Aを加えて均一に分散混合した。
C:成分13〜18を70℃に加温、Bに添加して乳化し、冷却して成分17を加え、液状ファンデーションを得た。
以上のようにして得られた液状ファンデーションは、べたつきがなくのび広がりも軽い上、さっぱりとした清涼感を与え、乳化状態が良好で、化粧持ちにも優れたものであった。また、経時変化がなく、安定性にも優れている事が確認された。
【0184】
実施例25:液状ファンデーション

(注1)FL−5(信越化学工業(株)社製)
(注2)KMP−590(信越化学工業(株)社製)
(注3)パーフルオロアルキルエチルリン酸ジエタノールアミン塩にて5%被覆したもの
【0185】
(製造方法)
A:成分7〜13を均一に混合した。
B:成分1〜6を70℃で加熱混合し、Aを加えて均一に分散混合した。
C:成分14〜17及び19を40℃に加温、Bに徐添して乳化し、冷却した後更に成分18を加え、液状ファンデーションを得た。
以上のようにして得られた液状ファンデーションは、べたつきがなく、のび広がりも軽く、しかも、さっぱりとした高い清涼感を有し、温度や経時変化による変化がなく、安定性にも優れている事が確認された。
【0186】
実施例26:リップクリーム

【0187】
A:成分1〜8を加熱混合した。
B:成分9〜16及び18を加熱溶解した。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化した後、成分17を添加してカプセルに充填し、リップクリームを得た。
以上のようにして得られた固形状の油中水型リップクリームは、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがなく、しっとりとしてみずみずしく、さっぱりとした使用感を与えた。また、経時変化がなく、安定性にも優れている事が確認された。
【0188】
実施例27:乳液

【0189】
(製造方法)
A:成分1〜7を加熱混合した。
B:成分8〜10及び12を加熱溶解した。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却した後成分11を添加する事によって乳液を得た。
以上のようにして得られた乳液は、キメが細かい上、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがなく、しっとりとしてみずみずしいさっぱりとした使用感を与えた。また、経時変化がなく、安定性にも優れている事が確認された。
【0190】
実施例28:日焼け止めクリーム

【0191】
(製造方法)
A:成分1〜5を混合した。
B:成分6〜8及び10を混合した。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却した後成分9を添加することによって日焼け止めクリームを得た。
以上のようにして得られた日焼け止めクリームは、キメが細かい上、のび広がりが軽く、またしっとりとしてみずみずしい上油っぽさやべたつきがなく、使用性が非常に良い事が分かった。更に、耐水性や耐汗性に優れて化粧持ちが良く、紫外線防止効果も持続される上、経時変化がなく、安定性にも優れている事が確認された。
【0192】
実施例29:脱臭剤

【0193】
(製造方法)
A:成分1〜3を混合した。
B:成分5を4に溶解し、成分6〜9を混合した。
C:Aを激しく攪拌しながらBを加えて乳化した。
D:エアゾール缶にCを65g、噴射剤(n−ブタン、イソブタン、プロパン混合物)35gを加え、脱臭剤を得た。
以上のようにして得られた脱臭剤は、高濃度に使用してもたれることがないだけでなく、べたつきもなく、さらっとしていて、しかも効果の持続する非常に優れた使用性を有している事が分かった。また、経時変化がなく、安定性にも優れている事が確認された。
【0194】
実施例30:洗い流しタイプパック化粧料

【0195】
(製造方法)
A:成分1〜2及び8を混合した。
B:成分4〜7及び9を均一混合した後、成分3を混合攪拌した。
C:BにAを添加し乳化させ、ペースト状の洗い流しタイプのパック化粧料を得た。
以上のようにして得られた洗い流しタイプのパック化粧料は、塗布時ののび広がりが軽い上、洗浄効果に優れ、洗い流した後はしっとりとしてべたつきがなく、肌がつるつるとした感触となる非常に優れた使用感を持つだけでなく、経時変化がなく、安定性にも優れている事が確認された。
【0196】
実施例31:ロールオンタイプ制汗剤

(注1)KSG−21(信越化学工業(株)社製)
(注2)KSG−15(信越化学工業(株)社製)
【0197】
(製造方法)
A:成分1〜6を混合した。
B:Aに成分7〜9を加え、均一に分散した。
以上のようにして得られたロールオンタイプの制汗剤は、のびが軽く、清涼感があってさっぱりとして、べたつきや油感はなかった。また、経時変化がなく、安定性にも優れている事が確認された。
【0198】
実施例32:制汗剤

【0199】
(製造方法)
A:成分1、2を混合した。
B:成分4を5に溶解し、成分3を加えた。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、制汗剤を得た。
以上のようにして得られた制汗剤は、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさが無い上、あまり白くならず、さっぱりとした使用感を与えると共に、温度や経時による変化がなく安定性にも優れている事が確認された。
【0200】
実施例33:アイライナー

(注1)TMF−1.5(信越化学工業(株)社製)
(注2)KF−7312T(信越化学工業(株)社製)
(注3)黒酸化鉄 40%,KP−574(信越化学工業(株)社製) 10%,デカメチルシクロペンタシロキサン 50%をビーズミルにて分散させた分散物
【0201】
(製造方法)
A:成分1〜4を混合し、成分5を加えて均一に混合分散した。
B:成分6〜9を混合した。
C:BをAに徐添して乳化し、アイライナーを得た。
以上のようにして得られたアイライナーは、のびが軽くて描きやすく、清涼感があってさっぱりとし、更にベタツキが無い使用感であった。また、温度変化や経時による変化もなく、使用性も安定性も非常に優れており、耐水性、耐汗性に優れることはもとより、化粧持ちも非常に良いことが確認された。
【0202】
実施例34:クリームアイシャドウ

(注1)KF−9909(信越化学工業(株)社製)3gをイソプロピルアルコールに溶解し、各粉体97gを加えて分散させ、溶媒を留去して得られた処理粉体
【0203】
(製造方法)
A:成分1〜4を混合し、成分5〜7を添加して均一に分散した。
B:成分8〜10及び12を均一溶解した。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、成分11を添加してアイシャドウを得た。
以上のようにしてえられたクリームアイシャドウは、のび広がりが軽い上、油っぽさや粉っぽさがなく、みずみずしく、さっぱりとした使用感を与えると共に、耐水性や撥水性、耐汗性が良好で持ちも良く、化粧崩れしにくい上、温度変化や経時による変化がなく、安定性にも優れていることが分かった。
【0204】
実施例35:アイライナー

(注1)KF−6038(信越化学工業(株)社製)
(注2)KP−545(信越化学工業(株)社製)
(注3)KF−9909(信越化学工業(株)社製)2gをイソプロピルアルコールに溶解し、黒酸化鉄98gを加えて分散させ、溶媒を留去し得られたシリコーン処理黒酸化鉄
【0205】
(製造方法)
A:成分1〜6を加温混合し、成分7を添加して均一に分散した。
B:成分8〜10加温溶解した。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、アイライナーを得た。
以上のようにしてえられたアイライナーは、のびが軽くて油っぽさや粉っぽさがない上、みずみずしくさっぱりとした使用感を与えると共に、耐水性や撥水性、耐汗性が良好で持ちも良く、化粧崩れしにくい上、温度変化や経時による変化がなく、安定性にも優れていることが分かった。
【0206】
実施例36:W/Oハンドクリーム

(注1)アミン当量70,000g/モル
【0207】
(製造方法)
A:成分1、3を加熱混合し、成分2、4、5、6および10を加熱添加した。
B:成分7〜9及び12を加熱混合した。
C:BをAに徐添して乳化した後冷却し、成分11を加えてハンドクリームを得た。
以上のようにして得られたハンドクリームはべたつきがなく、伸び広がりも軽く、しかもしっとりとした使用感を有し、水仕事から効果的に皮膚を保護し、また、経時変化がなく、安定性にも優れている事が確認された。
【0208】
実施例37:W/O/W型クリーム

(注1)KSG−210(信越化学工業(株)社製)
(注2)KSG−44(信越化学工業(株)社製)
【0209】
(製造方法)
A:成分8〜10を混合した。
B:成分1〜7を混合し、Aに加えて攪拌乳化した。
C:成分11〜13及び15を混合し、Bを攪拌下、添加して乳化した。
D:Cに成分14を加えて均一にした。
以上のようにして得られたクリームは、のびが軽くさっぱりとして、べたつきや油感がなく、透明感があり化粧持ちが良いものであった。なく、また、温度や経時による変化もなく、使用性も安定性も非常に優れているW/O/W型クリームであった。
【0210】
実施例38:非水エマルション


(注1)KSG−15(信越化学工業(株)社製)
(注2)KSG−43(信越化学工業(株)社製)
【0211】
(製造方法)
A:成分1〜6を均一に混合した。
B:成分7をAに加え均一に乳化した。
以上のようにして得られた非水エマルションは、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがなく、後肌のしっとりした、安定性の良い非水エマルションであった。
【0212】
実施例39:O/W型サンカット乳液


(注1)KP−545(信越化学工業(株)社製)
(注2)(実施例V)10gをデカメチルシクロペンタシロキサン50gに溶解し、それに酸化チタン(MT−100TV、テイカ(株)社製)40gを分散させて得られた酸化チタン分散物。
(注3)酸化亜鉛分散物;(実施例VII)8gをデカメチルシクロペンタシロキサン42gに溶解し、それに酸化亜鉛(MZ505S、テイカ(株)社製)50gを分散させて得られた酸化亜鉛分散物。
(注4)ポリエーテル変性シリコーン;KF−6011P(信越化学工業(株)社製)
(注5)ポリエーテル変性シリコーン;KF−6013P(信越化学工業(株)社製)
【0213】
(製造方法)
A:成分7〜11を均一に混合した。
B:成分1〜6を均一に混合分散し、Aに加え乳化しサンカット乳液を得た。
以上のようにして得られたサンカット乳液は、キメが細かく、のび広がりが軽く、ベタツキがない上しっとりとしてみずみずしく、化粧持ちも良いため、紫外線防止効果も持続し、また、温度変化や経時による変化がなく、非常に安定性に優れていることが分かった。
【0214】
実施例40:O/W/O型乳液

(注1)KSG−810(信越化学工業(株)社製)
(注2)KSG−41(信越化学工業(株)社製)
【0215】
(製造方法)
A:成分1〜4を均一に混合した。
B:成分5〜9を加熱混合し、均一にした。
C:成分10〜12を加熱混合した。
D:Bを攪拌しながらCを加えて乳化し、冷却した。
E:Aを攪拌しながらDを加えて乳化した。
以上のようにして得られた乳液は、のびが軽くさっぱりとして、べたつきや油感がなく、透明感があり化粧持ちが良く、温度や経時による変化もなく、使用性も安定性も非常に優れているO/W/O型乳液であった。

【0216】
実施例41:パウダーファンデーション

(注1)KSG−44(信越化学工業(株)社製)
(注2)シリコーン(実施例V)3gをイソプロピルアルコールに溶解し、各粉体97gを加えて分散させ、溶媒を留去して得られた処理粉体
(注3)KF−9909(信越化学工業(株)社製)2gをイソプロピルアルコールに溶解し、各粉体98gを加えて分散させ、溶媒を留去し得られた処理粉体
(注4)KSP−300(信越化学工業(株)社製)
(注5)KMP−590(信越化学工業(株)社製)
【0217】
(製造方法)
A:成分4〜13を混合、均一にした。
B:成分1〜3を均一に混合し、Aに加えて均一にした。
C:Bに成分14を添加し、金型にプレス成型してパウダーファンデーションを得た。
以上のようにして得られたパウダーファンデーションは、ベタツキがなくのび広がりも軽いものであった。また、密着感に優れ、おさまりも良く、つやのある仕上がりが得られるパウダーファンデーションであることが確認された。
【0218】
実施例42:クリームファンデーション

(注1)KSG−210(信越化学工業(株)社製)
(注2)KSG−43(信越化学工業(株)社製)
(注3)KSP−200(信越化学工業(株)社製)
(注4)KF−9909(信越化学工業(株)社製)2gをイソプロピルアルコールに溶解し、顔料98gを加えて分散させ、溶媒を留去し得られた処理顔料
(注5)KP−545(信越化学工業(株)社製)
【0219】
(製造方法)
A:成分1〜7を混合した。
B:成分10〜14を混合溶解し、Aに加えて攪拌乳化した。
C:成分8〜9を混合し、Bに加えて均一にした。
以上のようにして得られたクリームファンデーションは、ベタツキがなくのび広がりも軽いものであった。また、密着感に優れ、おさまりも良く、マット感のある仕上がりが得られるクリームファンデーションであることが確認された。

【0220】
実施例43:W/O型コンパクトファンデーション

(注1)KSG−41(信越化学工業(株)社製)
(注2)KSG−330(信越化学工業(株)社製)
(注3)AES−3083(信越化学工業(株)社製)2gをイソプロピルアルコールに溶解し、顔料98gを加えて分散させ、溶媒を留去し得られた処理顔料
【0221】
(製造方法)
A:成分1〜8を加熱混合した。
B:成分9〜13を混合均一にした。
C:成分14〜15を混合し、Bを加えて均一にし、加温した。
D:CをAに加えて乳化した。
以上のようにして得られたコンパクトファンデーションは、油剤が多いにも関わらず、油っぽさやベタツキがなく、のび広がりも軽く、さっぱりとした使用性を持つものであった。また、密着感に優れ、おさまりも良く、化粧もちに優れたW/O型コンパクトファンデーションであることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0222】
以上詳述したように、グリセリン変性シリコーンは親水性が高く、且つ調製が容易である。該シリコーンを配合した本発明の化粧料は、しっとりした肌触りでありながらべたつかず軽い感触を持ち、且つ、肌にきしみ感を与えることが無い上、安定性にも優れる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)で表されるグリセリン変性シリコーン

[式(1)中、Rは、互いに異なっていてよく且つ部分的にハロゲン置換されていてよい、炭素数1〜30の、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アミノアルキル基、又はカルボキシアルキル基であり、
2は、互いに異なっていてよい、下記式(3)で表されるオルガノシロキシアルキル基であり、

(式(3)中、Rは炭素数1〜30の部分的にハロゲン置換されていてよいアルキル基、gは1〜5の数、hは1〜500の数である)
は、下記式(4)で表される基であり、

(式(4)中、Qは炭素数2〜20の2価の基であり、rは1〜200の数、sは0〜200の数であり、Rは水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、又は−(CO)−Rで示される有機基、但しRは1〜30の炭化水素基、であり、tは1〜10の数である)
aは0.5〜2.5の数、bは0〜1.5の数、cは0.001〜1.5の数である。]
【請求項2】
tが1〜3の数である、請求項1記載のグリセリン変性シリコーン。
【請求項3】
rが1〜5の数であり、sが0である、請求項1または2記載のグリセリン変性シリコーン。
【請求項4】
がメチル基である、請求項1〜3のいずれか1項記載のグリセリン変性シリコーン。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項記載のグリセリン変性シリコーンを含有してなる化粧料。
【請求項6】
化粧料が乳化された形態であり、前記グリセリン変性シリコーンを、化粧料総質量に対して、0.01〜20質量%で含む請求項5記載の化粧料。
【請求項7】
化粧料が洗浄用化粧料であり、前記グリセリン変性シリコーンを、化粧料総質量に対して、0.01〜40質量%で含む請求項5記載の化粧料。

【公開番号】特開2009−256616(P2009−256616A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−53404(P2009−53404)
【出願日】平成21年3月6日(2009.3.6)
【出願人】(000002060)信越化学工業株式会社 (3,361)
【Fターム(参考)】