説明

ケイ素及び炭素を含むバリヤー層のロールツーロールプラズマ強化化学蒸着法

本発明は、軟質基材上にバリヤー層を形成する方法及びプロセスを提供する。連続ロールツーロール法は、処理チャンバを通して基材を誘導するように構成された少なくとも1つのローラーを使用して、基材を処理チャンバに提供することを含む。該プロセスは、処理チャンバ内にある基材の少なくとも一部分を、ケイ素及び炭素含有前駆体ガスを含むプラズマに曝すことによって、バリヤー層を基材に近接して蒸着させることを含む。本発明は、構造単位SiC:Hに基づいたバリヤー層を含む、コーティングされた軟質基材をさらに対象とする。該バリヤー層は、高密度及び低多孔度を有する。さらに、該バリヤー層は、10−2〜10−3g.m−2−1の範囲の低い水蒸気透過速度(WVTR)を示し、非常に低い透過率用途に適切である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、バリヤー層の蒸着、より具体的には、ケイ素及び炭素を含むバリヤー層のロールツーロールプラズマ強化化学蒸着に関する。
【背景技術】
【0002】
バリヤー層は、環境における多種多様な潜在的損傷条件から保護するために、一般に使用される。例えば、疎水性バリヤー層は、水に対する保護をもたらすために使用することができ、不透明バリヤー層は、様々な種類の放射に対する保護をもたらすために使用することができ、耐引掻き性バリヤー層は、摩擦に対する保護をもたらすために使用することができる。バリヤー層は、薬及び食品の個装、並びに液晶及びダイオードディスプレーを含めた多数のフレキシブル電子デバイス、光起電及び光学デバイス(太陽電池を含めた)、並びに薄膜電池中の水分及び酸素に対する保護として、使用し得る。バリヤー層は、一般に、軟質プラスチックフィルム又は金属箔などの基材上に形成される。
【0003】
層間絶縁層又は環境バリヤーとしての使用に好適な水素化オキシ炭化ケイ素のフィルム、及びそのようなフィルムの製造方法は、当技術分野で知られている。例えば、Lobodaらの米国特許第6159871号は、水素化オキシ炭化ケイ素フィルムを製造するための化学蒸着法について記載している。Lobodaに記載されているCVD法は、メチル含有シラン及び酸素供給ガスを含む反応性ガス混合物を、基材を含有する蒸着チャンバ中に導入することを含む。25℃〜500℃の温度で、メチル含有シランと酸素供給ガスの間に反応が誘発される。該反応の間、誘電率が3.6以下の、水素、ケイ素、炭素及び酸素を含むフィルムを該基材上に生成する、制御された量の酸素が存在する。
【0004】
Lobodaの国際出願公開第WO02/054484号は、半導体材料でできた基材に成形された、固体デバイスのサブアセンブリを含む集積回路について記載している。該集積回路は、該固体デバイスを接続する金属線も含む。拡散バリヤー層は、少なくとも該金属線上に形成され、該拡散バリヤー層は、SiwCxOyHz(式中、wは10〜33の値、xは1〜66の値、yは1〜66の値、zは0.1〜60の値を有し、w+x+y+z=100原子%)という組成の合金フィルムである。
【0005】
Lobodaらの米国特許第6593655号は、その上にフィルムが形成された半導体デバイスについて記載している。該フィルムは、メチル含有シラン及び酸素供給ガスを含む反応性ガス混合物を、半導体デバイスを含有する蒸着チャンバ中に導入すること、並びに25℃〜500℃の温度で、メチル含有シランと酸素供給ガスの間に反応を誘発することによって製造される。該反応の間、誘電率が3.6以下の、水素、ケイ素、炭素及び酸素を含むフィルムを該半導体デバイス上に生成する、制御された量の酸素が存在する。
【0006】
Cernyらの米国特許第6667553号は、液晶デバイス、発光ダイオードディスプレーデバイス、及び有機発光ダイオードディスプレーデバイスなどの、基材について記載している。メチル含有シラン及び酸素供給ガスを含む反応性ガス混合物を、該基材を含有する蒸着チャンバ中に導入することによって、該基材上にフィルムが生成される。25℃〜500℃の温度で、メチル含有シランと酸素供給ガスの間に反応が誘発される。該反応の間、誘電率が3.6以下の、水素、ケイ素、炭素及び酸素を含むフィルムを該基材上に生成する、制御された量の酸素が存在する。該フィルムは、400nm〜800nmの範囲の波長の光に関して、95%以上の光透過率を有する。
【0007】
P.O’Connorの米国特許第20030215652号は、式SiOxCyHzの有機物含有層のプラズマ重合面を有する高分子コンテナについて記載している。そのプラズマ形成バリヤー系は、プラズマ層と該高分子コンテナの元来の表面の間の界面での式SiOxCyHzから、蒸着プロセスの間に該コンテナの新しい表面となった表面でのSiOxまで組成が変化する、連続プラズマ蒸着コーティングでもよい。その連続体は、酸化剤の非存在下でプラズマを誘起し、次いで、該プラズマへ酸化化合物を添加することによって形成される。該酸化剤の濃度は、前駆体モノマーを酸化するのに十分な濃度まで増大させられる。代替として、該基材界面の組成の連続体を有するバリヤー系は、酸化含量を変化させずに電力密度及び/又はプラズマ密度を増大させることによって、高密度の高バリヤー性部分を形成してもよい。さらに、酸素の増大及び増大させた電力密度/プラズマ密度の組合せは、勾配バリヤー系の高密度部分を発展させ得る。
【0008】
上記したものなどの従来の蒸着プロセスは、バリヤー層を基材上に蒸着させるために、バッチ処理を使用する。しかし、バッチ処理は、連続技法ではなく、一般に、該基材をプロセスチャンバ中へ入れ、該バリヤー層を該基材上に形成し、次いで、その上にバリヤー層が形成された基材をプロセスチャンバから取り出す必要がある。プロセスチャンバから該基材が取り出されると、次いで、バリヤー層が新しい基材の上に形成され得るように、別の基材がプロセスチャンバの中に入れられてもよい。該チャンバに基材を挿入する、及び/又は該チャンバから取り出すのに必要な時間は、バリヤー層を形成するのに必要な処理時間全体を増大させ、該系の製造量を減少させる。
【0009】
J.Madocksの特許出願第WO02/086185A1号は、連続ロールツーロール法により実現し得るペニング放電プラズマ源に関する。ペニング放電に類似した磁場及び電場配置は、2つの表面の間の領域で、電子ホール電流を効率的に捕捉する。電極のうちの少なくとも1つの近位に基材が置かれ、該プラズマに対して移動させられると、該基材はプラズマ処理され、プロセス条件に応じてコーティングされるか、又は何らかの方法で変性される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上述した問題の1種又は複数の影響に取り組むことを対象としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のいくつかの態様の基本的理解をもたらすために、簡素化した本発明の概要を以下で提示する。この概要は、本発明の網羅的な要約ではない。該概要は、本発明の鍵となる、又は決定的な要素を特定すること、或いは本発明の範囲を描写することを意図するものではない。その唯一の目的は、後で論じるより詳細な記載の前置きとして、いくつかの概念を簡略化した形態で提示することである。
【0012】
本発明の一実施形態では、バリヤー層を基材上に形成するための方法が提供される。連続ロールツーロール処理として規定された該方法は、処理チャンバを通して基材を誘導するように構成された少なくとも1つのローラーを使用して、該基材を処理チャンバに提供することを含む。該方法は、処理チャンバ内にある基材の少なくとも一部分を、ケイ素及び炭素含有前駆体ガスを含むプラズマに曝すことによって、バリヤー層を該基材に近接して蒸着させることも含む。
【0013】
本発明の別の実施形態では、あるプロセスに従って基材上にバリヤー層が形成される。該プロセスは、処理チャンバを通して基材を誘導するように構成された少なくとも1つのローラーを使用して、該基材を処理チャンバに提供することを含む。プラズマ強化化学蒸着法(PECVD)として規定された該プロセスは、処理チャンバ内にある基材の少なくとも一部分を、ケイ素及び炭素含有前駆体ガスを含むプラズマに曝すことによって、バリヤー層を該基材に近接して蒸着させることも含む。
【0014】
本発明のさらに別の実施形態では、バリヤー層を基材上に形成するための装置が提供される。該装置は、基材の少なくとも一部分を収容するように構成された処理チャンバを含み、該基材の前記少なくとも一部分を、プラズマに曝す。該装置は、ケイ素及び炭素含有前駆体ガスへの曝露によって、バリヤー層が該基材に近接して蒸着されるように、処理チャンバを通して該基材を誘導する少なくとも1つのローラーも含む。
【0015】
本発明のさらに別の実施形態では、バリヤー層を基材上に形成するための方法が提供される。該方法は、少なくとも1つのローラーを使用して、不活性ガス及び/又は酸化剤の添加の有無にかかわらず、ケイ素及び炭素含有前駆体ガスによって形成されたプラズマを含有する処理チャンバを通して、長さLの基材を誘導することを含む。該方法は、該基材が処理チャンバを通して誘導されているときに、該基材の長さLに沿った選択された部分で、バリヤー層を該基材の表面に近接して蒸着させることも含む。
【0016】
本発明で記載しているバリヤー層は、従来の水素化炭化又はオキシ炭化ケイ素フィルムより高密度及び低多孔度を有する。該バリヤー層は、一般に10−2〜10−3gm−2−1の範囲の低水蒸気透過速度を有する。
【0017】
本発明は、同様の参照番号が類似の要素を識別する、添付の図面と共に以下の記述を参照することによって理解し得る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に従って、ロールツーロール技法を使用してバリヤー層を蒸着させるのに使用し得る反応系の一例示的形態を概念的に図示する図である。
【図2】本発明に従ってコーティングされた基材の横断面図を示す図である。
【図3】本発明に従って形成されたバリヤーコーティングのFTIRを示す図である。
【図4】本発明に従って形成されたバリヤーコーティングの光透過率を示す図である。
【図5】炭化ケイ素ベースのバリヤーコーティングの光透過率を、気相中の酸素含量の関数として示す図である。
【図6】炭化ケイ素ベースのバリヤー層の光透過率を、反応系における電力の関数として示す図である。
【図7】表1は実施例1〜4のバリヤーコーティングのプロセスパラメーター及び特性をまとめた表である。水透過率試験を、38℃及び相対湿度(RH)100%で実施した。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、様々な変更形態及び代替形態が可能であるが、その具体的な実施形態を図面において例示的に示し、本明細書で詳細に記述する。しかし、具体的な実施形態の本明細書での記載は、開示する特定の形態に本発明を限定することを意図するものではなく、反対に、その目的は、添付の特許請求の範囲によって規定する本発明の範囲内に含まれる全ての変更形態、均等物、及び代替形態を包含することであることを理解されたい。
【0020】
本発明の例示的実施形態を以下で記載する。明確にするために、本明細書には、実際の実施方法の全ての特徴は記載しない。当然ながら、任意のそのような実際の実施形態の開発において、実施方法ごとに変化するであろう、システム関連及びビジネス関連の制約条件の順守などの、開発者に固有の目的を達成するために、多数の実施方法に固有の決定を下さなければならないことが理解されるであろう。さらに、そのような開発努力は、複雑で時間がかかる可能性があるが、それにもかかわらず、本開示の利益を得る当業者にとっては、日常的な仕事であろうということが理解されよう。
【0021】
次に、本発明について、添付図面を参照しながら記載する。説明のためだけに、当業者によく知られている詳細によって本発明を不明確にしないように、様々な構造、系及びデバイスを概略的に図面に示す。それにもかかわらず、添付図面は、本発明の例示的実施例を記載及び説明するために含まれる。本明細書で使用する単語及び熟語は、当業者によるそれらの単語及び熟語の理解と一致した意味を有するように理解及び解釈されたい。単語及び熟語の一貫した使用によって、該単語又は熟語の特別な定義、すなわち、当業者によって理解される通常及び通例の意味とは異なる定義を含むことは意図していない。ある用語又は熟語が特別な意味、すなわち、当業者によって理解されるもの以外の意味を有するように意図する場合は、そのような特別な定義は、該用語又は熟語の特別な定義を直接的及び明快に規定する定義的方法で、本明細書に明白に記載する。
【0022】
図1は、ロールツーロール技法を使用してバリヤー層を蒸着させるのに使用され得る、反応系100の一例示的実施形態を概念的に図示している。図示している実施形態では、反応系100は、水蒸気不透過性のコーティングされた軟質プラスチック基材を調製する、連続ロールツーロールプラズマ法を実施するのに使用される。ロールツーロール製造は、ロール、又はウェブが、該ウェブの経路を確定し、該ウェブの適切な張力及び位置を維持するために、ローラーを使用してプロセス機を通過するプロセスである。したがって、この技法は、「ウェブ処理」と呼ばれることがある。該ウェブは、一般に、該バリヤー層用の基材の役割を果たす軟質プラスチック又は金属箔材料の大きな連続ロールである。該基材が(1つ又は複数の)プロセスチャンバを通過すると、化学物質が導入され、機能層が形成される。図示している本実施形態では、反応系100は、プロセスチャンバ(図示せず)を含む。本開示の利益を得る当業者は、明確にする目的のためだけに、本発明に関する該反応系及びプロセスチャンバの特徴を図1に示し、本明細書で記載していることを理解するであろう。
【0023】
2個のローラー120(1〜2)は、軟質基材125をプロセスチャンバに提供するのに使用され得る。軟質基材125は、プラスチック基材又は金属箔でもよい。代替実施形態では、プラスチックフィルム基材125は、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエステル、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリフルオロカーボンなどによって形成され得る。ローラー120は、ローラー120とチャンバ壁の間の電圧差を確立するために使用され得る電圧源(図示せず)へ結合されてもいる。例えば、ローラー120は、プロセスチャンバ中に電場が形成されるように、陰極として、又は陽極としての役割を果たし得る。好ましい実施形態では、基材125を誘導するため、及び/又は基材125における張力を調整若しくは維持するために、追加のローラーも提供され得る。しかし、本開示の利益を得る当業者は、本発明を、図1に示すローラー120の特定の数及び/又は構成に限定していないことを理解されたい。代替実施形態では、基材125の部分をプロセスチャンバに提供するために、より多い、又は少ないローラー120が使用されてもよい。一実施形態では、ローラー120は、温度制御されてもよい。
【0024】
ガス源130は、1種又は複数のガスをプロセスチャンバに提供するために使用される。図1には単一のガス源130を示しているが、本開示の利益を得る当業者は、本発明を、単一のガス源130に限定していないことを理解されたい。代替実施形態では、ガスをプロセスチャンバに提供するために、任意の数のガス源130が使用されてもよい。一実施形態では、ガス源130は、オルガノシランなどの、シリコーン及び炭素を含有するガスを、プロセスチャンバに提供する。ガス源130は、水素及び/又は酸素、並びにアルゴン及び/又はヘリウムなどの、1種又は複数の不活性ガスも提供し得る。例えば、ガス源130は、不活性ガスとしてのアルゴンの有無にかかわらず、トリメチルシラン((CHSiH)からなるガス混合物を、ケイ素−炭素含有前駆体として提供し得る。プロセスチャンバ中のガスは、プロセスチャンバ内にプラズマ135を形成するために、イオン化され得る。次いで、プラズマ135は、磁場によってプロセスチャンバ中に閉じ込められる。この種のプラズマ源は、一般に、ペニング放出プラズマ源と呼ばれる。
【0025】
運転中、基材125は、ローラー120(2)の上を通ってプロセスチャンバへ入り、基材125の一側面をプロセスチャンバ中のプラズマに曝す。次いで、バリヤー層は、プラズマに曝されながら、基材125上へ蒸着され得る。例えば、バリヤー層は、ローラー120によって基材125がプロセスチャンバを通って誘導されるときにプラズマに曝される、基材125の部分の上へ蒸着され得る。例えば、ケイ素、炭素、及び水素を含むガスからプラズマが形成された場合、構造単位SiC:Hに基づいた水素化炭化ケイ素によって、非勾配バリヤー層が形成され得る。別の例として、ケイ素、炭素、水素及び酸素を含むガスからプラズマが形成された場合、構造単位SiOC:Hに基づいた水素化オキシ炭化ケイ素によって、バリヤー層が形成され得る。次いで、基材125は、追加ローラーの上を通ってプロセスゾーンから出ることができ、別のローラー120(2)によってプロセスゾーンへ誘導されて戻り、そこで、該バリヤー層の追加部分が形成され得るように、プロセスチャンバ中で再びプラズマに曝される。このように、バリヤーでコーティングされた連続プラスチックフィルムが製造され得る。
【0026】
図2は、コーティングされた基材200の横断面図を示している。図示している実施形態では、バリヤー層205は、軟質基材200上に蒸着されている。例えば、バリヤー層205は、本明細書で論じるように、プラズマ強化化学蒸着法(PEVCD)を使用して蒸着され得る。
【0027】
再び図1を参照すると、ウェブ速度(又はローラー速度)、プラズマ電力、ガスの圧力、濃度及び/又は流量などの、反応系100の運転パラメーターは、該バリヤー層の特定の特性を実現するために調整され得る。一実施形態では、運転パラメーターは、該バリヤー層が、従来の水素化炭化ケイ素及び/又はシロキサンフィルムと比較して、相対的に高密度及び低ナノ多孔度を有するように調整され得る。例えば、ペニング放出プラズマ源におけるプラズマのプラズマインピータンスが低いと、反応系100は、低圧で運転可能になる。低mTorr範囲(<50mTorr)で運転することによって、ガス種の平均自由路は、気相化学相互作用及び粒子形成を最小化するのに十分長くなる。このことは、300〜400Wの範囲のプラズマ電力を印加することにより、該バリヤー層の優れた蒸着物の、より大きいモノマー送出量及び蒸着速度(例えば、最大で200nm.m/分の動的蒸着速度)を可能にする。
【0028】
本明細書に記載している技法を使用して形成されたバリヤー層の特性は、様々な種類の測定学を適用することで求められ得る。例示的測定法としては、Tristanの分光計を使用して該バリヤー層の厚さ及び厚さ均一性を測定すること、MOCON社のPermatran−W透過試験装置及び/又は従来のCa試験を使用してバリヤー層性能を分析すること、Shimadzu社のUV2401PC分光計を用いて実施されるUV−VIS分光測定を介して該バリヤー層の光学特性を測定すること、エネルギー分散型X線分析法(EDAX)、ラザフォード後方散乱分光法(RBS)、及びフーリエ変換赤外(FTIR)分光法を使用して該バリヤー層の組成を測定すること、該バリヤー層の光学測定によって水接触角の表面湿潤性を測定すること、標準テープ試験を適用することによって該バリヤー層の接着性を測定すること、スチールウール試験を適用することによって該バリヤー層の引掻き耐性を測定すること、Veeco社のDimension500AFMを用いて原子間力顕微鏡(AFM)をタッピングモードで使用して該バリヤー層のフィルム表面粗さを測定すること、従来の熱湯試験を使用して、並びに走査電子顕微鏡(SEM)及び/又は光学顕微鏡試験を使用して熱安定性を測定することが挙げられる。
【0029】
図3は、本明細書で記載している技法の実施形態を使用して形成されたバリヤー層の実施形態の、フーリエ変換赤外(FTIR)スペクトルを示している。該バリヤー層のIR吸収を、cm−1での波数の関数としてプロットしている。図3で図示している実施形態では、該バリヤーコーティングは、構造単位SiC:Hに基づいた水素化炭化ケイ素、又は構造単位SiOC:Hに基づいた水素化オキシ炭化ケイ素によって形成される。IR吸収は、屈曲モード及び伸縮モードなどの、該バリヤー層材料の様々な化学結合振動に対応するピークを示す。静的条件で蒸着された該バリヤー層のFTIRスペクトル(図3)は、高密度プラズマ(HDP)プロセスの特徴である、水素含量が低減された、典型的なSiCベースの結合構造を示す。分光エリプソメトリーによって測定されたコーティングの、対応する屈折率(RI)の値も、図3(説明の枠)に示している。
【0030】
軟質プラスチック基材上にこのように形成されたバリヤーコーティングは、Mocon Inc.のPermatran−W透過試験装置及びDow Corning Co.で実施されたカルシウム(Ca)分解試験によって測定されたように、10−2〜10−3g.m−2−1の範囲の低水蒸気透過速度(WVTR)を有する。該バリヤー層は、高度に疎水性でもあり、例えば、該バリヤー層の水接触角は、85°より大きくてもよい。蒸着されたバリヤー層の厚さは、ウェブ速度にやはり依存し、該速度は、一般に、該バリヤー層の厚さが0.5と2.0μmの間であるように調整される。さらに、炭化ケイ素バリヤー層は、平滑である。平方自乗平均粗さ(rms)は、原子間力顕微鏡(AFM)によって測定されたように、該バリヤー層の厚さに応じて、2〜6nmの範囲内にある。該バリヤー層は、透明であり、一般に、ブランク基材及び図4で示すバリヤー層を用いてコーティングされた基材の紫外可視スペクトルから示されたような、電磁スペクトルの可視領域中の光に関しては、少なくとも55%である。図示している実施形態では、透過率を縦軸上にプロットし、光の波長をナノメートルで横軸にプロットしている。その線は、ブランクPEN基材、ブランクPET基材、及び水素化炭化ケイ素ベースのバリヤー層でコーティングされた基材に関する透過率を示している。該透過率は、一般に、波長の増大と共に増大し、約70〜90%の範囲に含まれる。さらに、該バリヤー層の透明度は、酸素添加反応によって改善され得る。オキシ炭化ケイ素バリヤー層は、図4(ダッシュ及び点線)から示すような電磁スペクトルの可視領域中の光に関して、少なくとも80%の透明度を有し得る。
【0031】
本明細書で記載している技法を使用して形成されたバリヤー層は、食品、飲料及び薬の個装中、並びに液晶及びダイオードディスプレーを含めた多数のフレキシブル電子デバイス、光起電及び光学デバイス(太陽電池を含めた)並びに薄膜電池中の水分及び酸素からの保護として使用され得る。
【実施例】
【0032】
以下の実施例は、本発明のコーティングされた基材及び方法をよりよく図示するために提示する。しかし、これらの実施例は、例示的なものであり、本発明を制限することを意図するものではない。各実施例では、バリヤーコーティング蒸着は、中間周波数範囲で作動する単一及び/又は二重非対称ペニング放出プラズマ源を利用して実施する。蒸着チャンバ中のローラーの温度は、18〜25℃に維持する。表1及び2は、本実施例に従って形成されたバリヤー層の物理的特性のいくつかを示し、図4、5及び6は、該バリヤー層の光学特性のいくつかを示している。
【0033】
(実施例1及び2)
バリヤーコーティング蒸着は、300〜500Wのプラズマ電力範囲で実施した(表1)。その蒸着プロセスは、ケイ素−炭素含有前駆体、すなわちトリメチルシラン((CHSiH)を蒸着チャンバへ、又はトリメチルシラン((CHSiH)を含む反応性ガス混合物、及びアルゴン(Ar)を、20〜30mTorrの圧力範囲で、最大で2.5のAr/((CHSiH)のガス流量比で、導入して実施した(表1)。バリヤーコーティングは、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム材料上に蒸着させた。蒸着させたバリヤー層の厚さは、一般に約0.75μmである。バリヤーコーティングは、ケイ素(Si)、炭素(C)、酸素(O)を混入物質として含有し、水素(H)を、Si/C=0.60〜0.65及びO/Si=0.075〜0.10という組成比で含有し、すなわち、該材料は、構造単位SiC:Hに基づいた水素化炭化ケイ素として分類し得る(表1、図3−実線)。バリヤー層は、Mocon Inc.のPermatran−W透過試験装置によって測定したように、10−3〜10−2g.m−2−1の範囲の低水蒸気等加速度(WVTR)を有する。バリヤー層は、平滑であり、良好に接着している。該バリヤー層は、可視光スペクトルの400nm範囲で高度に吸収性であることができ、コーティングしたプラスチック基材は、600nm以上の波長での可視光に関して、一般に50%より高い透明度を有する(図4、灰色の実線)。
【0034】
(実施例3及び4)
バリヤーコーティング蒸着は、250〜300Wの電力範囲で実施した(表1)。その蒸着プロセスは、ケイ素−炭素含有前駆体、すなわちトリメチルシラン((CHSiH)を含む反応性ガス混合物、アルゴン(Ar)及び酸素(O)を、30〜50mTorrの圧力範囲で、Ar/((CHSiH)=1.0〜1.5及びO/((CHSiH)=0.5〜1.25のガス流量比で、蒸着装置へ導入して実施した(表1)。本実施例では、該バリヤー層は、PET及びPEN軟質基材の両方の上に蒸着させた。蒸着させたバリヤー層の厚さは、一般に、1.5〜2.0μmの範囲である。バリヤーコーティングは、ケイ素(Si)、炭素(C)、酸素(O)及び水素(H)を、Si/C=0.95〜1.10及びO/Si=0.35〜1.0という組成比で含有し、すなわち、該材料は、構造単位SiOC:Hに基づいた水素化オキシ炭化ケイ素として分類し得る(表1、図3−ダッシュ及び点線)。バリヤー層は、Mocon Inc.のPermatran−W透過試験装置によって測定したように、10−3g.m−2−1の範囲の低水蒸気透過速度(WVTR)を有する。バリヤーコーティングは、平滑であり、平方自乗平均粗さ(rms)は、4〜6nmの範囲内にある。コーティングしたプラスチック基材は、500nm以上の波長での可視光に関して、一般に75%より高い透明度を有する(図4、ダッシュ及び点線)。さらに、該バリヤー層は、該プラスチック基材に良好に接着しており、標準テープ試験に耐える。さらに、コーティングしたプラスチック基材、各バリヤー層は、熱湯試験に耐える。
【0035】
図5は、プラスチック基材上の、酸素でドープした炭化ケイ素ベースのバリヤー層の光透過率を、気相中の酸素含量の関数として示している。図示している実施形態では、該バリヤーの透過率は、横軸上にプロットしている酸素流量の関数として、縦軸上にプロットしている。該バリヤー層の屈折率は、酸素含量の増大と共に低下する傾向があり、該バリヤー層の透過率は、酸素含量の増大と共に増大する傾向がある。
【0036】
図6は、プラスチック基材上の、酸素でドープした炭化ケイ素ベースのバリヤー層の光透過率を、該反応系における電力の関数として示している。図示している実施形態では、該バリヤーの透過率は、横軸上にプロットしている印加したワットでの電力の関数として、縦軸上にプロットしている。該バリヤー層の透過率は、印加した電力の増大と共に低下する傾向がある。
【0037】
ケイ素、炭素、水素、及び/又は酸素を含むバリヤー層のロールツーロール蒸着は、フレキシブル電子デバイスで利用されてもよい、バリヤープラスチックなどの、バリヤーコーティングしたフィルムを形成するのに非常に効果的な技法であり得る。例えば、本明細書で記載しているトリメチルシランPECVDバリヤー技術の実施形態を試験し、ロールツーロールコーティング装置を使用して首尾よく適合させた。本明細書で記載している該バリヤー層蒸着技術は、プロセス運転条件に対する広範囲の同調性を示し、バリヤー特性、及び最大で150nm.m/分の動的蒸着速度を実現した。ペニング放出プラズマ源によって供給されたエネルギー入力のため、「柔軟な」プロセス条件(200と300Wの間のプラズマ電力)を確立し得る。柔軟なプロセス条件は、高レベル、すなわち、WVTR<10−3g.m−2−1のバリヤー保護及びバリヤー改善因子BIF>1000を有する、応力が低下した耐亀裂性の透明コーティングの蒸着に特に適切であり得る。
【0038】
上で開示した具体的な実施形態は、本発明が、本明細書の教示の利益を得る当業者にとって明らかな、異なってはいるが等価な方法で変更及び実施され得るため、単に説明的なものである。さらに、以下の特許請求の範囲で記載するものの他に、装置の構成又は設計の詳細を限定することは意図していない。したがって、上で開示した具体的な実施形態を、改変又は変更することができ、そのような変形形態の全てが、本発明の範囲内であると見なされることは、明らかである。したがって、本明細書で追究した保護は、以下の特許請求の範囲で示す通りである。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理チャンバを通して基材を誘導するように構成された少なくとも1つのローラーを使用して、基材を処理チャンバに提供するステップと、
処理チャンバ内にある基材の少なくとも一部分を、ケイ素及び炭素含有前駆体ガスを含むプラズマに曝すことによって、バリヤー層を基材に近接して蒸着させるステップと
を含む方法。
【請求項2】
基材を処理チャンバに提供するステップが、処理チャンバに軟質ウェブ基材を提供するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
処理チャンバへ軟質ウェブ基材を提供するステップが、ポリエチレンナフタレートプラスチックフィルム及びポリエチレンテレフタレートプラスチックフィルムの少なくとも一方によって形成された軟質ウェブ基材を処理チャンバに提供するステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
基材を処理チャンバに提供するステップが、処理チャンバの線寸法より長い長さ寸法、及び処理チャンバの少なくとも1つの線寸法より小さい、又はおよそ等しい幅寸法を有する基材を提供するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つのローラーを使用して基材を処理チャンバに提供するステップが、基材において選択された張力を維持し、基材の選択された位置を維持するように構成された複数のローラーを使用して、基材を処理チャンバに提供するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
複数のローラーを使用して基材を処理チャンバに提供するステップが、基材の第1の部分が、処理チャンバの第1の側面の近位のプラズマに曝され、同時に、基材の第2の部分が、処理チャンバの第2の側面の近位のプラズマに曝され、第1の側面が第2の側面の反対側にあるように、複数のローラーを使用して基材を処理チャンバに提供するステップを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
基材の部分をプラズマに曝すステップが、基材の部分を磁場閉じ込めプラズマに曝すステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
基材の部分を磁場閉じ込めプラズマに曝すステップが、基材の部分をペニング放出プラズマ源によって形成された磁場閉じ込めプラズマに曝すステップを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
基材の部分を、ケイ素及び炭素含有前駆体ガスを含むプラズマに曝すステップが、基材の部分を、トリメチルシラン前駆体ガスを含むプラズマに曝すステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
基材の部分を、ケイ素及び炭素含有前駆体ガスを含むプラズマに曝すステップが、基材の部分を、ケイ素及び炭素含有前駆体ガス並びにアルゴンなどの不活性ガスを含むプラズマに曝すステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
基材の部分を、ケイ素及び炭素含有前駆体ガスを含むプラズマに曝すステップが、基材の部分を、ケイ素及び炭素含有前駆体ガス、不活性ガス並びに酸素などの酸化剤を含むプラズマに曝すステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
バリヤー層を蒸着させるステップが、構造単位SiC:Hに基づいた水素化炭化ケイ素を含むバリヤー層を蒸着させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
バリヤー層を蒸着させるステップが、高密度、低多孔度及び低水蒸気透過速度を有し、非常に低い透過率用途に適切な、構造単位SiC:Hに基づいた水素化炭化ケイ素を含む単一バリヤー層を蒸着させるステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
バリヤー層を蒸着させるステップが、構造単位SiOC:Hに基づいた水素化オキシ炭化ケイ素を含むバリヤー層を蒸着させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
バリヤー層を蒸着させるステップが、高密度、低多孔度及び低水蒸気透過速度を有し、非常に低い透過率用途に適切な、構造単位SiOC:Hに基づいた水素化炭化ケイ素を含む単一バリヤー層を蒸着させるステップを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
基材を処理チャンバに提供し、バリヤー層を蒸着させるステップが、標的バリヤー層厚さ及び標的バリヤー層ナノ多孔度の少なくとも一方に基づいて選択された、少なくとも1種の運転パラメーターに従って、基材を処理チャンバに提供し、バリヤー層を蒸着させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
処理チャンバを通して基材を誘導するように構成された少なくとも1つのローラーを使用して、基材を処理チャンバに提供するステップと、
処理チャンバ内にある基材の少なくとも一部分を、ケイ素及び炭素含有前駆体ガスを含むプラズマに曝すことによって、バリヤー層を基材に近接して蒸着させるステップと
を含むプロセスによって、基材上に形成されたバリヤー層。
【請求項18】
基材を処理チャンバに提供するステップが、軟質ウェブ基材を処理チャンバに提供するステップを含む、請求項17に記載のプロセスによって、基材上に形成されたバリヤー層。
【請求項19】
軟質ウェブ基材を処理チャンバに提供するステップが、ポリエチレンナフタレートプラスチックフィルム及びポリエチレンテレフタレートプラスチックフィルムの少なくとも一方によって形成された軟質ウェブ基材を処理チャンバに提供するステップを含む、請求項18に記載のプロセスによって基材上に形成されたバリヤー層。
【請求項20】
基材を処理チャンバに提供するステップが、処理チャンバの線寸法より長い長さ寸法、及び処理チャンバの少なくとも1つの線寸法より小さい、又はおよそ等しい幅寸法を有する基材を提供するステップを含む、請求項17に記載のプロセスによって基材上に形成されたバリヤー層。
【請求項21】
少なくとも1つのローラーを使用して基材を処理チャンバに提供するステップが、基材において選択された張力を維持し、基材の選択された位置を維持するように構成された複数のローラーを使用して基材を処理チャンバに提供するステップを含む、請求項17に記載のプロセスによって基材上に形成されたバリヤー層。
【請求項22】
複数のローラーを使用して基材を処理チャンバに提供するステップが、基材の第1の部分が、処理チャンバの第1の側面の近位のプラズマに曝され、同時に、基材の第2の部分が、処理チャンバの第2の側面の近位のプラズマに曝され、第1の側面が第2の側面の反対側にあるように、複数のローラーを使用して基材を処理チャンバに提供するステップを含む、請求項21に記載のプロセスによって基材上に形成されたバリヤー層。
【請求項23】
基材の部分をプラズマに曝すステップが、基材の部分を磁場閉じ込めプラズマに曝すステップを含む、請求項17に記載のプロセスによって基材上に形成されたバリヤー層。
【請求項24】
基材の部分を磁場閉じ込めプラズマに曝すステップが、基材の部分を、ペニング放出プラズマ源によって形成された磁場閉じ込めプラズマに曝すステップを含む、請求項23に記載のプロセスによって基材上に形成されたバリヤー層。
【請求項25】
基材の部分を、ケイ素及び炭素含有前駆体ガスを含むプラズマに曝すステップが、基材の部分を、トリメチルシラン前駆体ガスを含むプラズマに曝すステップを含む、請求項17に記載のプロセスによって基材上に形成されたバリヤー層。
【請求項26】
基材の部分を、ケイ素及び炭素含有前駆体ガスを含むプラズマに曝すステップが、基材の部分を、ケイ素及び炭素含有前駆体ガス並びにアルゴンなどの不活性ガスを含むプラズマに曝すステップを含む、請求項25に記載のプロセスによって基材上に形成されたバリヤー層。
【請求項27】
基材の部分を、ケイ素及び炭素含有前駆体ガスを含むプラズマに曝すステップが、基材の部分を、ケイ素及び炭素含有前駆体ガス、不活性ガス並びに酸素などの酸化剤を含むプラズマに曝すステップを含む、請求項26に記載のプロセスによって基材上に形成されたバリヤー層。
【請求項28】
バリヤー層を蒸着させるステップが、構造単位SiC:Hに基づいた水素化炭化ケイ素を含むバリヤー層を蒸着させるステップを含む、請求項17に記載のプロセスによって基材上に形成されたバリヤー層。
【請求項29】
バリヤー層を蒸着させるステップが、高密度、低多孔度及び低水蒸気透過速度を有し、非常に低い透過率用途に適切な、構造単位SiC:Hに基づいた水素化炭化ケイ素を含む単一バリヤー層を蒸着させるステップを含む、請求項17に記載のプロセスによって基材上に形成されたバリヤー層。
【請求項30】
バリヤー層を蒸着させるステップが、構造単位SiOC:Hに基づいた水素化オキシ炭化ケイ素を含むバリヤー層を蒸着させるステップを含む、請求項17に記載のプロセスによって基材上に形成されたバリヤー層。
【請求項31】
バリヤー層を蒸着させるステップが、高密度、低多孔度及び低水蒸気透過速度を有し、非常に低い透過率用途に適切な、構造単位SiOC:Hに基づいた水素化炭化ケイ素を含む単一バリヤー層を蒸着させるステップを含む、請求項17に記載のプロセスによって基材上に形成されたバリヤー層。
【請求項32】
基材を処理チャンバに提供し、バリヤー層を蒸着させるステップが、標的バリヤー層厚さ及び標的バリヤー層ナノ多孔度の少なくとも一方に基づいて選択された、少なくとも1種の運転パラメーターに従って、基材を処理チャンバに提供し、バリヤー層を蒸着させるステップを含む、請求項17に記載のプロセスによって基材上に形成されたバリヤー層。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−522828(P2010−522828A)
【公表日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−501040(P2010−501040)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【国際出願番号】PCT/US2008/055436
【国際公開番号】WO2008/121478
【国際公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【出願人】(590001418)ダウ コ−ニング コ−ポレ−ション (166)
【氏名又は名称原語表記】DOW CORNING CORPORATION
【Fターム(参考)】