説明

ケーブル支持具

【課題】ケーブルの架設に要するケーブル長さの短縮化を図りながら配管類に沿ってケーブルを体裁良く配設することができ、しかも、配管類の配設経路の近傍に既設の配管やケーブル等が存在する施工条件下においても、無理なく容易にケーブルを架設することができるようにする。
【解決手段】配管類を支持する支持具Bの板状構成部分22に対してそれの板幅方向の一側方から脱着可能に装着される第1取付け部1と、ケーブルCを脱着可能に支持する第2取付け部2とが備えられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調用配管や給湯管等の配管類の配設経路に沿って制御・電力・通信等に用いられるケーブルを配設する、或いは、ケーブルを所定配設経路に沿って単独で配設する場合等に用いられるケーブル支持具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のケーブル支持具では、吊りボルトの上下複数箇所を抱持可能な抱持片を備えたボルト抱持部の背面に、ケーブルを上方から挿入装着可能な側面略鉤形状のフック部を設けていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−11119号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のケーブル支持具では、例えば、吊りボルトに固定の支持金具に横架姿勢で受け止め支持されている配管類の配設経路に沿ってケーブルを配設する場合、前記吊りボルトにおける支持金具の取付け位置よりも上方又は下方に偏位した部位に、前記ボルト抱持部の複数の抱持片を抱持させ、このボルト抱持部の背面のフック部にケーブルを横架姿勢で支持させることになる。
【0005】
そのため、ケーブル支持具が吊りボルトに対して配管類の支持金具の取付け位置よりも上方に偏位した部位に取り付けられる分だけ、ケーブルが吊りボルトの取付け位置において配管類から離れて山形状となり、見栄えが悪くなるとともに、ケーブルの架設に要するケーブル長さも長くなる不都合がある。
【0006】
しかも、前記支持金具に受け止め支持されている配管類の配設経路の上下両側に既設の配管やケーブル等が存在する場合では、前記吊りボルトにおける支持金具の取付け位置よりも上方又は下方に偏位した部位に、ケーブル支持具を取り付けるためのスペースを確保することができないため、その箇所の施工条件に対応した特殊な取付け金具を準備する必要があり、ケーブルの架設に手間取るとともに、ケーブル架設コストの高騰化を招来する不都合がある。
【0007】
本発明は、上述の実状に鑑みて為されたものであって、その主たる課題は、ケーブルの架設に要するケーブル長さの短縮化を図りながら配管類に沿ってケーブルを体裁良く配設することができ、しかも、配管類の配設経路の近傍に既設の配管やケーブル等が存在する施工条件下においても、無理なく容易にケーブルを架設することのできるケーブル支持具を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のケーブル支持具による第1の特徴構成は、配管類を支持する支持具の板状構成部分に対してそれの板幅方向の一側方から脱着可能に装着される第1取付け部と、ケーブルを脱着可能に支持する第2取付け部とが備えられている点にある。
【0009】
上記構成によれば、例えば、吊りボルトに固定の支持具に横架姿勢で受け止め支持されている配管類の配設経路に沿ってケーブルを配設する場合でも、配管類を支持している支持具の板状構成部分に第1取付け部を直接取り付けることができるので、配管類の配設位置とケーブルの配設位置との偏位差が少なくなる。
【0010】
そのため、従来のケーブル支持具に比してケーブルの架設に要するケーブル長さの短縮化を図りながら配管類に沿ってケーブルを体裁良く配設することができ、しかも、配管類の配設経路の近傍に既設の配管やケーブル等が存在する施工条件下においても、支持具の空きスペースに対応する板状構成部分を使用して無理なく容易にケーブルを架設することができる。
【0011】
本発明のケーブル支持具による第2の特徴構成は、前記第1取付け部と第2取付け部とが、それらの装着口部の装着方向を異ならした状態で樹脂にて形成されているとともに、前記第1取付け部の装着方向での長さが支持具の板状構成部分の板幅よりも大に構成されている点にある。
【0012】
上記構成によれば、前記第1取付け部の装着口部の装着方向と第2取付け部の装着口部の装着方向とを異ならせることによって、第2取付け部に対するケーブルの取付け作業を、支持具に受け止め支持されている配管類との干渉を抑制しながら容易に行うことができるとともに、樹脂製の第1取付け部の装着方向での長さが支持具の板状構成部分の板幅よりも大であるため、第2取付け部に支持されたケーブルが配管類用の支持具と接触して損傷することを抑制することができる。
【0013】
本発明のケーブル支持具による第3の特徴構成は、前記第1取付け部に、吊りボルトに挾持状態で外嵌可能なボルト抱持部が形成されている、又は、前記第2取付け部には、吊りボルトに挾持状態で外嵌可能なボルト抱持部が形成されているとともに、前記第1取付け部の内面には、ケーブルを受止め支持可能なケーブル受け部が形成されている点にある。
【0014】
上記構成によれば、ケーブルを単独で吊りボルトに支持させる必要が生じても、第1取付け部に形成されているボルト抱持部を介して吊りボルトに挾持状態で抱持させることができるとともに、第2取付け部をそのまま使用してケーブルを支持することができる。
又は、通常、ケーブルの取付けに使用される第2取付け部を、それに形成したボルト抱持部を介して吊りボルトに挾持状態で抱持させることができるとともに、通常、配管類用の支持具への取付けに使用される第1取付け部において、それの内面に形成したケーブル受け部にケーブルを支持させることができる。
【0015】
したがって、一種類のケーブル支持具を用いて二種の使用形態に対応することができるから、二種類のケーブル支持具を準備する場合に比して製造コストの低廉化を図ることができるとともに、ケーブル支持具の管理も有利に行うことができる。
【0016】
本発明のケーブル支持具による第4の特徴構成は、前記第1取付け部の装着口部に、当該第1取付け部の内部に係入位置する支持具の板状構成部分における板幅方向両側の側辺のうち、係入方向後位側の側辺との当接によって当該支持具の板状構成部分の離脱移動を阻止する離脱阻止部が形成されている点にある。
【0017】
上記構成によれば、配管類用の支持具の板状構成部分に第1取付け部が装着されている状態で第2取付け部にケーブルを取付ける際、第1取付け部とこれの内部に係入位置する支持具の板状構成部分とに相対離脱方向の外力が作用しても、第1取付け部の装着口部に形成されている離脱阻止部と支持具の板状構成部分における係入方向後位側の側辺との当接によって両者の相対離脱移動を阻止することができる。
【0018】
本発明のケーブル支持具による第5の特徴構成は、前記第1取付け部の装着口部に、当該第1取付け部の弾性復元力に抗して開口幅を縮小した状態で装着口部を閉止するロック状態と装着口部を開放するロック解除状態とに切り替え操作可能な第1ロック手段が設けられている点にある。
【0019】
上記構成によれば、前記第1取付け部の装着口部に設けられている第1ロック手段をロック解除状態にして、この第1取付け部を配管類用の支持具の板状構成部分に装着したのち、第1ロック手段をロック状態に切り替え操作すると、第1取付け部とこれの内部に係入位置する支持具の板状構成部分との相対離脱移動を接当阻止することができるとともに、このロック状態においては、第1取付け部の弾性復元力に抗して装着口部の開口幅を縮小した状態となるため、支持具の板状構成部分に対して第1取付け部をがたつきの少ない状態で取付けることができる。
【0020】
本発明のケーブル支持具による第6の特徴構成は、前記第2取付け部の装着口部に、当該第2取付け部の弾性復元力に抗して開口幅を縮小した状態で装着口部を閉止するロック状態と装着口部を開放するロック解除状態とに切り替え操作可能な第2ロック手段が設けられている点にある。
【0021】
上記構成によれば、前記第2取付け部の装着口部に設けられている第2ロック手段をロック解除状態にして、この第2取付け部にケーブルを装着したのち、第2ロック手段をロック状態に切り替え操作すると、第2取付け部とこれの内部に係入位置するケーブルとの相対離脱移動を接当阻止することができるとともに、このロック状態においては、第2取付け部の弾性復元力に抗して装着口部の開口幅を縮小した状態となるため、第2取付け部に対してケーブルをがたつきの少ない状態で支持することができる。
【0022】
本発明による第7の特徴構成は、前記離脱阻止部に、第1取付け部内に係入した支持具の板状構成部分における係入方向後位側の側辺が離脱側への移動に伴って係合する係合凹部が形成されている点にある。
【0023】
上記構成によれば、配管類用の支持具の板状構成部分に第1取付け部が装着された時点で、第1取付け部の装着口部に形成されている離脱阻止部の係合凹部に支持具の板状構成部分における係入方向後位側の側辺が係合している場合、又は、第1取付け部とこれの内部に係入位置する支持具の板状構成部分との相対離脱移動の初期段階で、前記離脱阻止部の係合凹部に支持具の板状構成部分における係入方向後位側の側辺が係合する場合のいずれにおいても、第1取付け部と支持具の板状構成部分との相対離脱阻止機能を高めることができる。
【0024】
本発明による第8の特徴構成は、前記第1取付け部の内面の奥側部位に、当該第1取付け部内に係入した支持具の板状構成部分における係入方向前位側の側辺と当接して、前記離脱阻止部とで支持具の係脱方向での移動を阻止する位置決め部が形成されている点にある。
【0025】
上記構成によれば、配管類用の支持具の板状構成部分に第1取付け部が装着された時点では、第1取付け部の装着口部に形成されている離脱阻止部と支持具の板状構成部分における係入方向後位側の側辺とが当接又は近接し、且つ、第1取付け部の内面の奥側部位に形成した位置決め部と支持具の板状構成部分における係入方向前位側の側辺とが当接又は近接する状態にあるから、第1取付け部とこれの内部に係入位置する支持具の板状構成部分とに相対離脱方向の外力が作用しても、第1取付け部と支持具の板状構成部分とを所定の装着状態に安定的に維持することができる。
【0026】
本発明による第9の特徴構成は、前記ボルト抱持部の内面に、吊りボルトのネジ部に係合可能な係合凸部が形成されている点にある。
【0027】
上記構成によれば、ケーブルを単独で吊りボルトに支持させる必要が生じたとき、通常、ケーブルの取付けに使用される第2取付け部を、それに形成したボルト抱持部を介して吊りボルトに挾持状態で抱持させると、このボルト抱持部の内面に形成された係合凸部が吊りボルトのネジ部に係合するから、吊りボルトに対して第2取付け部をずり落ちの無い状態で確実、強固に取付けることができる。
【0028】
本発明による第10の特徴構成は、前記第1ロック手段を構成するに、前記第1取付け部の装着口部における一方の先端に係止爪を形成し、前記第1取付け部の装着口部における他方の先端には、前記係止爪が係入可能な係止孔を備え、且つ、他方の先端との境界箇所側に形成したヒンジ部を支点として係止爪側に揺動可能な係止操作片を形成するとともに、前記係止操作片の背面には、当該係止操作片の係止孔に係入して背面側に突出する係止爪の先端と同じ位置又は当該係止爪の先端よりも外方側位置に操作面を備えた操作部が形成されている点にある。
【0029】
上記構成によれば、前記第1取付け部の装着口部に設けられている第1ロック手段の係止操作片をロック解除状態にして、第1取付け部を配管類用の支持具の板状構成部分に装着したのち、ヒンジ部を支点として係止操作片を係止爪側に揺動操作し、当該係止操作片の係止孔に係止爪を係入させたロック状態に切り替えると、第1取付け部の内部に係入位置する支持具の板状構成部分における係入方向後位側の側辺と係止操作片との当接によって離脱移動を確実に阻止することができる。
しかも、前記係止操作片は、第1取付け部の内部に係入位置する支持具の板状構成部分における係入方向後位側の側辺に向って揺動操作する関係上、支持具の板状構成部分や配管類と干渉しない係止操作片の背面側を指で押圧操作することになるが、この場合でも、係止操作片の背面に形成した操作部の操作面は、係止操作片の係止孔に係入して背面側に突出する係止爪の先端と同じ位置又は当該係止爪の先端よりも外方側位置にあるから、係止操作片の係止孔から突出する係止爪の先端を気にすることなく容易にロック操作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本願発明の第1実施形態を示し、配管類用の支持具にケーブル支持具を取付けたときの斜視図
【図2】配管類用の支持具にケーブル支持具を取付けたときの断面図
【図3】ケーブル支持具の正面図
【図4】図3におけるケーブル支持具の底面図
【図5】(a)はケーブル支持具の第1取付け部を配管類用の支持具に装着する直前の斜視図、(b)は装着後に第1ロック手段をロック状態に切り換えたときの斜視図
【図6】(c)はケーブル支持具の第2取付け部にケーブルを装着したときの斜視図、(d)は装着後に第2ロック手段をロック状態に切り換えたときの斜視図
【図7】ケーブル支持具の第2取付け部を吊りボルトに装着する直前の斜視図
【図8】ケーブル支持具の第2取付け部を吊りボルトに装着したときの断面図
【図9】図8におけるIX−IX線断面図
【図10】ケーブル支持具の第2取付け部を吊りボルトに装着したときの要部の拡大断面図
【図11】別の配管類用の支持具にケーブル支持具を取付けたときの断面図
【図12】本願発明の第2実施形態を示すケーブル支持具の正面図
【図13】図12におけるケーブル支持具の底面図
【図14】本願発明の第3実施形態を示すケーブル支持具の正面図
【図15】本願発明の第4実施形態を示し、(a)はケーブル支持具の第1取付け部を配管類用の支持具に装着したときの斜視図、(b)は装着後に第1ロック手段をロック状態に切り換えたときの斜視図
【図16】(a)はケーブル支持具の正面図、(b)は第1ロック手段をロック状態に切り換えたときのケーブル支持具の一部切り欠き正面図
【発明を実施するための形態】
【0031】
〔第1実施形態〕
図1〜図10は、空調用配管や給湯管等の配管類Pの配設経路に沿って制御・電力・通信等に用いられるケーブルCを配設する、或いは、ケーブルCを所定配設経路に沿って単独で配設する場合等に用いられるケーブル支持具Aを示す。
【0032】
前記配管類Pを横架姿勢で支持する支持具Bとしては従来から種々の形態のものが開発されているが、この第1実施形態の第1実施例では、図1、図2に示すように、躯体に固定された吊りボルト20に対して側方から脱着自在で、且つ、二本の配管類Pを上下方向に積み重ねた状態で支持可能な板金製の第1支持具B1を使用している。
【0033】
この第1支持具B1は、二本の配管類Pに対する受止め支持空間Sを現出する状態で略しの字状に湾曲形成された板金製の支持部材21の前側板部21Aの上端部に、前記受止め支持空間Sの上部を閉止可能な板金製の蓋部材22が揺動開閉自在に枢着されているとともに、前記支持部材21の後側板部21Bの上端部には、前記吊りボルト20に対して係脱可能な略Jの字状の上部フック23が、受止め支持空間Sとは反対側の後方側に折り曲げ形成されている。
【0034】
前記支持部材21の後側板部21Bの背面には、吊りボルト20に対して支持部材21に支持された配管類Pの管軸芯方向から係脱可能な下部フック24Aと、当該下部フック24Aの係合方向とは反対方向から吊りボルト20に当接可能な移動規制部24Bとを上下に折り曲げ形成してある移動規制部材24が取付けられているとともに、前記移動規制部材24には、吊りボルト20に対して上部フック23及び下部フック24Aを係合方向に弾性力で押付け付勢する板バネ部材25が設けられている。
【0035】
そして、前記ケーブル支持具Aは、図1〜図6に示すように、第1支持具B1の板状構成部分である支持部材21と蓋部材22とのうち、配管類Pを架設した状態で受止め支持空間Sに存在する空きスペースに対応する蓋部材22の装着可能部位に対してそれの板幅方向の一側方から脱着可能に装着される第1取付け部1と、ケーブルCを脱着可能に支持する第2取付け部2とが、それらの装着口部1G,2Gの装着方向を90度異ならした状態で背中合わせにして樹脂(例えば、PP等)にて一体形成(成形)されているとともに、前記第1取付け部1の装着方向での長さ(全長)Lが第1支持具B1の蓋部材22の板幅Wよりも大に構成されている。
【0036】
そのため、前記第1取付け部1を第1支持具B1の蓋部材22に差し込み装着した状態では、樹脂製の第1取付け部1が蓋部材22の幅方向両側辺よりも外方に突出するため、第2取付け部2に支持されたケーブルCが第1支持具B1と接触して損傷することを抑制することができる。
【0037】
前記第1取付け部1の装着口部1Gには、当該第1取付け部1の弾性復元力に抗して開口幅を縮小した状態で装着口部1Gを閉止するロック状態と、前記装着口部1Gを開放するロック解除状態とに切り替え操作可能な第1ロック手段3が設けられているとともに、前記第2取付け部2の装着口部2Gには、当該第2取付け部2の弾性復元力に抗して開口幅を縮小した状態で装着口部2Gを閉止するロック状態と、前記装着口部2Gを開放するロック解除状態とに切り替え操作可能な第2ロック手段4が設けられている。
【0038】
前記第1取付け部1の装着口部1Gに設けられている第1ロック手段3をロック解除状態にして、第1取付け部1を第1支持具B1の蓋部材22に差し込み装着したのち、第1ロック手段3をロック状態に切り替え操作すると、第1取付け部1とこれの内部に係入位置する第1支持具B1の蓋部材22との相対離脱移動を接当阻止することができるとともに、このロック状態では、第1取付け部1の弾性復元力に抗して装着口部1Gの開口幅を縮小した状態となるため、第1支持具B1の蓋部材22に対して第1取付け部1をがたつきの無い又は少ない状態で取付けることができる。
【0039】
また、前記第2取付け部2の装着口部2Gに設けられている第2ロック手段4をロック解除状態にして、この第2取付け部2にケーブルCを装着したのち、第2ロック手段4をロック状態に切り替え操作すると、第2取付け部2とこれの内部に係入位置するケーブルCとの相対離脱移動を接当阻止することができるとともに、このロック状態では、第2取付け部2の弾性復元力に抗して装着口部2Gの開口幅を縮小した状態となるため、第2取付け部2に対してケーブルCをがたつきの無い又は少ない状態で支持することができる。
【0040】
前記第1取付け部1は、図3〜図6に示すように、第1支持具B1の蓋部材22の外側面に当接する一直線状の内面を備えた第1壁部1Aと、この第1壁部1Aの奥側に連続する半円弧状の第2壁部1Bと、この第2壁部1Bの他端側から第1壁部1Aと平行に延びる第3壁部1Cと、この第3壁部1Cの他端側から第1壁部1A側に向って斜めに延びる第4壁部1Dと、この第4壁部1Dの他端側から装着口部1G側に向って第1壁部1Aと平行に延びる第5壁部1Eと、この第5壁部1Eの他端側から外方に向って斜めに延びる第6壁部1Fとから構成されている。
【0041】
そして、前記第1壁部1Aの直線状内面と第2壁部1Bの弧状内面と第3壁部1Cの直線状内面と第4壁部1Dの傾斜内面とをもって、ケーブルCを受止め支持可能なケーブル受け部5が形成されている、換言すれば、前記ケーブルCを収納可能なケーブル支持空間S2が形成され、さらに、前記第5壁部1Eの直線状内面を加えた状態では、前記ケーブル支持空間S2に連続する状態で第1支持具B1の蓋部材22の装着部位を収納する支持具装着空間S1が形成されている。
【0042】
前記第5壁部1Eの直線状内面は、前記第1ロック手段3がロック状態にある状態では、前記支持具装着空間S1内に位置する第1支持具B1の蓋部材22に形成されている二条の補強リブ22cのうち、装着口部1G側に位置する補強リブ22cを第1壁部1Aの直線状内面側に押圧する押圧面1eに構成されている。
【0043】
前記第6壁部1Fとこれに対面する第1壁部1Aの前端部とをもって、装着口側ほど開口幅が大きくなる拡開状の装着口部1Gが構成されているとともに、前記第6壁部1Fの傾斜内面が、第1支持具B1の蓋部材22の装着部位に対して第1取付け部1を差し込み装着する際、第6壁部1F及び第5壁部1Eを第1壁部1Aから離間する側に弾性変形させて蓋部材22の係入通路を現出するための係入ガイド面1fに構成されている。
【0044】
前記第1取付け部1の装着口部1Gを構成する一方の第1壁部1Aの前端部には、第1取付け部1の支持具装着空間S1内に係入した第1支持具B1の蓋部材22における板幅方向両側の側辺22a,22bのうち、係入方向後位側の側辺22bとの当接によって第1支持具B1の蓋部材22の離脱移動を阻止する離脱阻止部6が、第6壁部1Fに向って突出形成され、この離脱阻止部6には、支持具装着空間S1内に係入した第1支持具B1の蓋部材22における係入方向後位側の側辺22bが離脱側への移動に伴って係合する係合凹部6aが形成されている。
【0045】
前記離脱阻止部6の第6壁部1Fに対面する角部には、第6壁部1Fの係入ガイド面1fとの間に蓋部材22の係入通路を構成する傾斜面6bが形成されている。
【0046】
前記第1取付け部1の支持具装着空間S1に臨む第1壁部1Aの直線状内面の奥側部位には、支持具装着空間S1内に係入した第1支持具B1の蓋部材22における係入方向前位側の側辺22aと当接して、前記離脱阻止部6の係合凹部6aとで第1支持具B1の蓋部材22の係脱方向での相対移動を阻止する段差面状の位置決め部7が、前記第2壁部1Bの弧状内面1bに対して一段落ち込む状態で窪み形成されている。
【0047】
前記離脱阻止部6の係合凹部6aの奥側壁面と段差面状の位置決め部7との対向面間の寸法が、第1支持具B1の蓋部材22の板幅Wよりも若干大きく構成されている。
【0048】
そして、前記第1支持具B1の蓋部材22の装着部位に対して第1取付け部1を差し込み装着する際、蓋部材22における係入方向前位側の側辺22aを、一旦、段差面状の位置決め部7を通過して第2壁部1Bの弧状内面1b側に移動させ、蓋部材22における係入方向後位側の側辺22bが離脱阻止部6を通過した時点で第1取付け部1を離脱側に移動操作し、蓋部材22における係入方向後位側の側辺22bを離脱阻止部6の係合凹部6aに係合させるとともに、蓋部材22における係入方向前位側の側辺22aを位置決め部7に落し込み状態で係合させる。
【0049】
そのため、第1支持具B1の蓋部材22の装着部位に対して第1取付け部1が差し込み装着された時点では、蓋部材22における板幅方向両側の側辺22a,22bが位置決め部7及び離脱阻止部6の係合凹部6aの奥側壁面と対面状態にあり、且つ、蓋部材22における係入方向後位側の側辺22bが離脱阻止部6の係合凹部6a内に係合しているため、第1取付け部1とこれの支持具装着空間S1内に係入位置する第1支持具B1の蓋部材22とに相対離脱方向の外力が作用しても、第1取付け部1と第1支持具B1の蓋部材22とを所定の装着状態に安定的に維持することができるとともに、両者の相対離脱阻止機能を高めることができる。
【0050】
次に、前記第2取付け部2を構成するに、図3〜図6に示すように、第1取付け部1の第1壁部1Aにおける板幅方向の一側辺に、吊りボルト20に挾持状態で外嵌可能な部分筒状のボルト抱持部2Aが、それの内面2aと第1壁部1Aの外面1aとが面一に連続する状態で一体形成されているとともに、前記ボルト抱持部2Aの周方向他端部側には、装着口部2Gの装着口側ほど第1壁部1Aの外面1aから離間する傾斜壁部2Bが一体形成されている。
【0051】
そして、前記第1壁部1Aの外面1aとボルト抱持部2Aの内面2a及び傾斜壁部2Bの内面2bとをもって、ケーブルCを受止め支持可能なケーブル受け部5が形成されている、換言すれば、ケーブルCを収納可能なケーブル支持空間S3が形成され、このケーブル支持空間S3内の一部に、前記ボルト抱持部2Aの内面2aをもって構成される吊りボルト収納空間S4が形成されているとともに、前記傾斜壁部2Bとこれに対面する第1壁部1Aの外面1aとをもって、装着口側ほど開口幅が大きくなる拡開状の装着口部2Gが構成されている。
【0052】
前記ボルト抱持部2Aの内面2aと傾斜壁部2Bの内面2bとの境界相当部位2Cが第1壁部1Aの外面1a側に略V字状の突出して、前記吊りボルト20の外径(山径)よりも小なる幅狭間隔の仮止め保持部に構成されているとともに、前記ボルト抱持部2Aの内面2aのボルト軸芯方向の二箇所には、吊りボルト20のネジ部(ネジ谷)に係合可能なネジ螺旋方向に沿う約1/3周長の係合凸部8が形成されている。
【0053】
そのため、図7〜図10に示すように、吊りボルト20の装着部位に対して第2取付け部2を差し込み装着する際、吊りボルト20と第1壁部1Aの外面1a及び傾斜壁部2Bの内面との当接状態での押し込み操作に連れて、傾斜壁部2B及びボルト抱持部2Aが第1壁部1Aの外面1aから離間する側に弾性変形させられ、吊りボルト20が幅狭間隔の仮止め保持部を通過した時点でボルト抱持部2Aに挾持保持される。
しかも、吊りボルト20にボルト抱持部2Aが挾持保持され状態では、ボルト抱持部2Aの内面2aに形成された係合凸部8が吊りボルト20のネジ部に係合するから、吊りボルト20に対して第2取付け部2をずり落ちの無い状態で確実、強固に取付けることができる。
【0054】
前記第1ロック手段3を構成するに、図3〜図6に示すように、前記第1取付け部1の第6壁部1Fの先端には、該第6壁部1Fの幅よりも小なる幅の係止爪3Aが一体形成されているとともに、前記第1取付け部1の第1壁部1Aの先端には、前記係止爪3Aが係入可能な係止孔3Bを備え、且つ、第1壁部1Aとの境界箇所に形成した薄肉のヒンジ部3Cを支点として係止爪3A側に揺動操作可能な係止操作片3Dが一体形成されている。
【0055】
前記第1取付け部1が無負荷状態にある条件下においては、前記係止操作片3Dにおけるヒンジ部3Cの揺動中心位置から係止孔3Bまでの距離が、前記ヒンジ部3Cの揺動中心位置から係止爪3Aの先端までの距離よりも若干短く設定されているため、係止操作片3Dの係止孔3Bを係止爪3Aに係合させる場合には、第1取付け部1の弾性復元力に抗して係止爪3Aをヒンジ部3C側に引き寄せ操作する必要がある。
【0056】
前記係止爪3Aの係止部3aは、前記ヒンジ部3Cの存在側とは反対側に突出形成されているため、前記係止操作片3Dの係止孔3Bを係止爪3Aに係合させた状態では、第1取付け部1の弾性復元力を利用して、係止爪3Aの係止部3aと係止操作片3Dの係止孔3Bの周縁との係合代が大きくなる方向に弾性付勢することができる。
【0057】
前記係止操作片3Dの係止孔3B内の両側辺部には、係止孔3Bに対する係止爪3Aの係脱移動を許容する位置で当該係止爪3Aの基部3bの一側面に当接して、係止孔3Bに係入した係止爪3Aを係脱許容位置で仮保持する仮保持突起3Eが形成されている。
【0058】
この一対の仮保持突起3Eは、係脱許容位置で仮保持されている係止爪3Aをヒンジ部3Cから離間する側へ強制押し込み操作したとき、係止爪3Aの基部3bの乗り越え移動を許容し、乗り越え移動した状態では、係止爪3Aの基部3bの他側面が一対の仮保持突起3Eに当接し、係止爪3Aの係止部3aと係止孔3Bの周縁との係合代が最も大きくなるロック操作位置で係止爪3Aが係止保持される。
【0059】
前記第2ロック手段4を構成するに、図3〜図6に示すように、前記第2取付け部2の傾斜壁部2Bの先端には、該傾斜壁部2Bの幅よりも小なる幅の係止爪4Aが一体形成されているとともに、前記第1取付け部1の第1壁部1Aにおける板幅方向の他側辺には、前記係止爪4Aが係入可能な係止孔4Bを備え、且つ、第1壁部1Aとの境界箇所に形成した薄肉のヒンジ部4Cを支点として係止爪4A側に揺動操作可能な係止操作片4Dが一体形成されている。
【0060】
前記第1取付け部1が無負荷状態にある条件下においては、前記係止操作片4Dにおけるヒンジ部4Cの揺動中心位置から係止孔4Bまでの距離が、前記ヒンジ部4Cの揺動中心位置から係止爪4Aの先端までの距離よりも若干短く設定されているため、係止操作片4Dの係止孔4Bを係止爪4Aに係合させる場合には、第2取付け部2の弾性復元力に抗して係止爪4Aをヒンジ部4C側に引き寄せ操作する必要がある。
【0061】
前記係止爪4Aの係止部4aは、前記ヒンジ部4Cの存在側とは反対側に突出形成されているため、前記係止操作片4Dの係止孔4Bを係止爪4Aに係合させた状態では、第2取付け部2の弾性復元力を利用して、係止爪4Aの係止部4aと係止操作片4Dの係止孔4Bの周縁との係合代が大きくなる方向に弾性付勢することができる。
【0062】
前記係止操作片4Dの係止孔4B内の両側辺部には、係止孔4Bに対する係止爪4Aの係脱移動を許容する位置で当該係止爪4Aの基部4bの一側面に当接して、係止孔4Bに係入した係止爪4Aを係脱許容位置で仮保持する仮保持突起4Eが形成されている。
【0063】
この一対の仮保持突起4Eは、係脱許容位置で仮保持されている係止爪4Aをヒンジ部4Cから離間する側へ強制押し込み操作したとき、係止爪4Aの基部4bの乗り越え移動を許容し、乗り越え移動した状態では、係止爪4Aの基部4bの他側面が一対の仮保持突起4Eに当接し、係止爪4Aの係止部4aと係止孔4Bの周縁との係合代が最も大きくなるロック操作位置で係止爪4Aが係止保持される。
【0064】
図11は、前記配管類Pを横架姿勢で支持する支持具Bの他の例として、吊りボルト20の下端部に螺合固定される板金製の取付け部材30と、該取付け部材30の一対の取付け片30aにボルト31.ナット32で固定連結される一対の連結片33aを備え、且つ、複数本の配管類Pに対する受止め支持空間Sを現出する状態で略円環状に湾曲形成された板金製の支持部材33とからなる第2支持具B2を使用した第2実施例を示す。
【0065】
この第2実施例においても、前記第2支持具B2の板状構成部分である支持部材33のうち、複数本の配管類Pを架設した状態で受止め支持空間Sに存在する空きスペースに対応する部位に、前記ケーブル支持具Aの第1取付け部1を、支持部材33の板幅方向の一側方から差し込み装着するとともに、ケーブル支持具Aの第2取付け部2に、ケーブルCを脱着可能に架設することになる。
【0066】
尚、当該第1実施形態の第1実施例では、ケーブル支持具Aの第1取付け部1を、配管類Pを架設した状態で受止め支持空間Sに存在する空きスペースに対応する蓋部材22の装着可能部位に差し込み装着したが、配管類Pを架設した状態で受止め支持空間Sに存在する空きスペースに対応する支持部材21の前側板部21Aの上側部位にケーブル支持具Aの第1取付け部1を差し込み装着してもよい。
【0067】
〔第2実施形態〕
図12、図13は、第1実施形態で説明したケーブル支持具Aの変形例を示し、前記第1取付け部1に形成されていた第1ロック手段3及び位置決め部7を削除して、ケーブル支持具Aの簡素化を図ったものである。
【0068】
また、この第2実施形態では、前記ボルト抱持部2Aの内面2aのボルト軸芯方向の全域に、吊りボルト20のネジ部(ネジ谷)に係合可能なネジ螺旋方向に沿う多数の係合凸部8が、吊りボルト20のネジピッチと同じピッチで形成されている。
【0069】
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
また、上述の第2実施形態においては、図12に示すように、第1支持具B1の蓋部材22に第1取付け部1が装着された時点で、第1取付け部1の装着口部1Gに形成されている離脱阻止部6の係合凹部6aに蓋部材22における係入方向後位側の側辺22bを係合させたが、蓋部材22における係入方向後位側の側辺22bが離脱阻止部6の係合凹部6aに係合しない状態でセットしてもよい。
【0070】
この場合、第1取付け部1とこれの内部に係入位置する第1支持具B1の蓋部材22との相対離脱移動の初期段階で、前記離脱阻止部6の係合凹部6aに蓋部材22における係入方向後位側の側辺22bが係合することになり、第1取付け部1と第1支持具B1の蓋部材22との相対離脱を阻止する機能を高い状態に維持することができる。
【0071】
さらに、この第2実施形態の変形例として、前記第2取付け部2に形成されていた第2ロック手段4を削除して、ケーブル支持具Aの更なる簡素化を図ってもよい。
【0072】
〔第3実施形態〕
図14は、第1実施形態で説明したケーブル支持具Aの変形例を示し、前記第1取付け部1に、吊りボルト20に挾持状態で外嵌可能な部分筒状のボルト抱持部1Hを形成するとともに、前記ボルト抱持部1Hの円弧状内面1hのボルト軸芯方向の一箇所又は複数箇所には、吊りボルト20のネジ部(ネジ谷)に係合可能なネジ螺旋方向に沿う係合凸部8が形成されている。
【0073】
そして、前記第1壁部1Aの直線状内面とボルト抱持部1Hの円弧状内面1hと第3壁部1Cの直線状内面と第4壁部1Dの傾斜内面とをもって、ケーブルCを受止め支持可能なケーブル受け部5が形成されている、換言すれば、前記ケーブルCを収納可能なケーブル支持空間S2が形成され、さらに、前記第5壁部1Eの直線状内面を加えた状態では、前記ケーブル支持空間に連続する状態で第1支持具B1の蓋部材22の装着部位を収納する支持具装着空間S1が形成されている。
【0074】
前記ケーブル支持空間S2内の一部に、前記ボルト抱持部2Aの内面2aをもって構成される吊りボルト収納空間S4が形成されている。
【0075】
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
【0076】
〔第4実施形態〕
図15、図16は、第1実施形態で説明したケーブル支持具Aの変形例を示し、前記第1ロック手段3の係止操作片3Dの背面に、当該係止操作片3Dの係止孔3Bに係入して背面側に突出する係止爪3Aの係止部3aの先端と同じ位置に操作面3fを備えた操作部3Fが形成されている。
【0077】
前記操作部3Fは、係止操作片3Dの背面の幅方向複数箇所に一体形成された操作リブから構成され、この複数の操作リブの端面をもって前記操作面3fが構成されている。
【0078】
そして、前記第1取付け部1を第1支持具B1の蓋部材22に装着し、ヒンジ部3Cを支点として係止操作片3Dを係止爪3A側に揺動操作する際、前記係止操作片3Dは、蓋部材22における係入方向後位側の側辺22aに向って揺動操作することになる。
そのため、蓋部材22や配管類P等と干渉しない係止操作片3Dの背面側を指で押圧操作することになるが、この場合でも、係止操作片3Dの背面に形成された操作部3Fの操作面3fは、係止操作片3Dの係止孔3Bに係入して背面側に突出する係止爪3Aの係止部3aの先端と同じ位置にあるから、係止操作片3Dの係止孔3Bから突出する係止爪3Aの先端を気にすることなく容易にロック操作することができる。
【0079】
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
また、当該第4実施形態では、前記係止操作片3Dの背面に形成した操作部3Fの操作面3fを、係止操作片3Dの係止孔3Bに係入して背面側に突出する係止爪3Aの係止部3aの先端と同じ位置に構成したが、この操作部3Fの操作面3fを、係止操作片3Dの係止孔3Bに係入して背面側に突出する係止爪3Aの係止部3aの先端よりも外方側位置に構成してもよい。
【0080】
さらに、前記第2ロック手段4においては、第2取付け部2にケーブルCを装着したのち、ヒンジ部4Cを支点として係止操作片4Dを係止爪4A側に揺動操作する際、この係止操作片4Dを第1支持具B1の蓋部材22の外面から離れる側に起立させるため、当該係止操作片4Dの周縁を指で摘んで手前に揺動操作することになり、その揺動操作が係止爪4Aの先端と干渉することはない。
【0081】
ただ、前記係止操作片4Dが背面側から押圧操作される可能性もあることを考慮して、当該係止操作片4Dの背面に、これの係止孔4Bに係入して背面側に突出する係止爪4Aの係止部4aの先端と同じ位置又は係止爪4Aの係止部4aの先端よりも外方側位置に操作面を備えた操作部を形成してもよい。
【0082】
〔その他の実施形態〕
(1)上述の第1実施形態において、ケーブル支持具Aの第2取付け部2を、第1取付け部1と同じ形状に形成して、第1取付け部1及び第2取付け部2のいずれにおいても、第1支持具B1の蓋部材22に対してそれの板幅方向の一側方から脱着可能に装着することができ、且つ、ケーブルCを脱着可能に支持することができるように構成してもよい。
【0083】
(2)上述の第3実施形態において、ケーブル支持具Aの第2取付け部2を、第1取付け部1と同じ形状に形成して、第1取付け部1及び第2取付け部2のいずれにおいても、第1支持具B1の蓋部材22に対してそれの板幅方向の一側方から脱着可能に装着することができ、且つ、ケーブルCを脱着可能に支持することができ、さらに、吊りボルト20に挾持状態で外嵌装着することができるように構成してもよい。
【0084】
(3)上述の第1実施形態において、ケーブル支持具Aの第1取付け部1と第2取付け部2とを別々に製作して、この第1取付け部1と第2取付け部2とを背中合わせにして連結しても良く、さらに、別々に製作された第1取付け部1と第2取付け部2とを背中合わせにした状態で相対回転自在に枢支連結してもよい。
【0085】
(4)上述の第1実施形態では、前記第1取付け部1の装着口部1Gに設けた第1ロック手段3を、ロック状態への切り替え時において、第1取付け部1の弾性復元力に抗して開口幅を縮小した状態で装着口部1Gを閉止するように構成したが、この装着口部1Gの開口幅を一定又は略一定に維持した状態で当該装着口部1Gを閉止するように構成してもよい。
【0086】
(5)上述の第1実施形態では、前記第2取付け部2の装着口部2Gに設けた第2ロック手段4を、ロック状態への切り替え時において、第2取付け部2の弾性復元力に抗して開口幅を縮小した状態で装着口部2Gを閉止するように構成したが、この装着口部2Gの開口幅を一定又は略一定に維持した状態で当該装着口部2Gを閉止するように構成してもよい。
【0087】
(6)上述の各実施形態では、前記第1取付け部1の装着方向での長さ(全長)Lを第1支持具B1の蓋部材22の板幅Wよりも大に構成したが、この第1取付け部1の装着方向での長さLを第1支持具B1の蓋部材22の板幅Wと同一又はそれよりも少し小さく構成してもよい。
この場合、第1支持具B1の蓋部材22に対して第1取付け部1を挾持状態で装着することになる。
【0088】
(7)上述の各実施形態では、前記配管類Pを支持する支持具Bとして、配管類Pを横架姿勢で支持するタイプの支持具B1,B2について説明したが、配管類Pを縦向き姿勢で支持するタイプの支持具であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本願発明は、架設に要するケーブル長さの短縮化を図りながら配管類に沿ってケーブルを体裁良く配設することのできるケーブル支持具として良好に利用することができる。
【符号の説明】
【0090】
B 支持具
B1 第1支持具
B2 第2支持具
C ケーブル
L 第1取付け部の長さ
P 配管類
W 板幅
1 第1取付け部
1G 装着口部
1H ボルト抱持部
2 第2取付け部
2A ボルト抱持部
2G 装着口部
3 第1ロック手段
3A 係止爪
3B 係止孔
3C ヒンジ部
3D 係止操作片
3F 操作部
3f 操作面
4 第2ロック手段
5 ケーブル受け部
6 離脱阻止部
6a 係合凹部
20 吊りボルト
22 板状構成部分(蓋部材)
33 板状構成部分(支持部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管類を支持する支持具の板状構成部分に対してそれの板幅方向の一側方から脱着可能に装着される第1取付け部と、ケーブルを脱着可能に支持する第2取付け部とが備えられているケーブル支持具。
【請求項2】
前記第1取付け部と第2取付け部とが、それらの装着口部の装着方向を異ならした状態で樹脂にて形成されているとともに、前記第1取付け部の装着方向での長さが支持具の板状構成部分の板幅よりも大に構成されている請求項1記載のケーブル支持具。
【請求項3】
前記第1取付け部には、吊りボルトに挾持状態で外嵌可能なボルト抱持部が形成されている、又は、前記第2取付け部には、吊りボルトに挾持状態で外嵌可能なボルト抱持部が形成されているとともに、前記第1取付け部の内面には、ケーブルを受止め支持可能なケーブル受け部が形成されている請求項1又は2記載のケーブル支持具。
【請求項4】
前記第1取付け部の装着口部には、当該第1取付け部内に係入した支持具の板状構成部分における板幅方向両側の側辺のうち、係入方向後位側の側辺との当接によって当該支持具の板状構成部分の離脱移動を阻止する離脱阻止部が形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のケーブル支持具。
【請求項5】
前記第1取付け部の装着口部には、当該第1取付け部の弾性復元力に抗して開口幅を縮小した状態で装着口部を閉止するロック状態と装着口部を開放するロック解除状態とに切り替え操作可能な第1ロック手段が設けられている請求項1〜4のいずれか1項に記載のケーブル支持具。
【請求項6】
前記第2取付け部の装着口部には、当該第2取付け部の弾性復元力に抗して開口幅を縮小した状態で装着口部を閉止するロック状態と装着口部を開放するロック解除状態とに切り替え操作可能な第2ロック手段が設けられている請求項1〜5のいずれか1項に記載のケーブル支持具。
【請求項7】
前記離脱阻止部には、第1取付け部内に係入した支持具の板状構成部分における係入方向後位側の側辺が離脱側への移動に伴って係合する係合凹部が形成されている請求項4記載のケーブル支持具。
【請求項8】
前記第1取付け部の内面の奥側部位には、当該第1取付け部内に係入した支持具の板状構成部分における係入方向前位側の側辺と当接して、前記離脱阻止部とで支持具の係脱方向での移動を阻止する位置決め部が形成されている請求項4又は7記載のケーブル支持具。
【請求項9】
前記ボルト抱持部の内面には、吊りボルトのネジ部に係合可能な係合凸部が形成されている請求項3記載のケーブル支持具。
【請求項10】
前記第1ロック手段を構成するに、前記第1取付け部の装着口部における一方の先端に係止爪を形成し、前記第1取付け部の装着口部における他方の先端には、前記係止爪が係入可能な係止孔を備え、且つ、他方の先端との境界箇所側に形成したヒンジ部を支点として係止爪側に揺動可能な係止操作片を形成するとともに、前記係止操作片の背面には、当該係止操作片の係止孔に係入して背面側に突出する係止爪の先端と同じ位置又は当該係止爪の先端よりも外方側位置に操作面を備えた操作部が形成されている請求項5記載のケーブル支持具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−211674(P2012−211674A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−78563(P2011−78563)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000119830)因幡電機産業株式会社 (147)
【Fターム(参考)】