説明

ゲーミングマシン

【課題】興趣の高い遊技機を提供する。
【解決手段】JPシンボルが所定個数以上表示された場合に、その個数に対応したジャックポットが遊技者に付与される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リールを用いたゲーミングマシンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、所定の条件を満たした場合に、特別な賞(JP当選、ボーナスゲームへの移行)を付与するゲーミングマシンが知られている。例えば、下記特許文献1においては、ディスプレイ上に、特定のシンボルまたは特定のシンボル組合せが出現した場合に、ボーナスゲームが実行される。
【0003】
【特許文献1】米国特許第6517433号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、表示される同一シンボルの個数と付与される特別な賞とが対応付けられていると、遊技者は、ゲーム結果(表示されたシンボル)から付与される賞を容易に把握することができるため、興趣が高まるものと考えられる。しかしながら、上記のような遊技機においては、表示された特定シンボルの個数と付与される賞とが何ら関連づけられていないため、遊技者に与える興趣が高いとはいえない。
【0005】
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、所定の条件に基いて特別な賞を付与する遊技機において、処理を複雑にさせることなく、遊技者に対し高い興趣を与えることができるゲーミングマシンの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの側面に係る請求項1のゲーミングマシンは、複数のシンボルが描かれている複数のメカニカルリールと、上記複数のメカニカルリールのそれぞれの回転及び停止を行う複数のモータと、上記複数のシンボルが表示されるディスプレイと、複数のジャックポットを記憶するメモリと、以下の処理を実行するプロセッサと、(a)単位ゲームの開始を受け付ける処理、(b)上記単位ゲームの開始を受け付けたことを条件に、上記複数のモータにより上記複数のメカニカルリールの回転及び停止を行い、上記単位ゲームのゲーム結果として、上記ディスプレイに複数のシンボルを表示する処理、(c)上記ディスプレイに表示された特定シンボルの数を計数する処理、(d)計数した特定シンボルの数が所定個数以上である場合に、前記メモリに記憶されている複数のジャックポットのうち、上記計数した上記特定シンボルの数に対応したジャックポットを遊技者に付与する処理を備えることを特徴とする。
【0007】
上記メカニカルリールを用いたゲーミングマシンによれば、表示された特定シンボルの数と付与されるジャックポットとが対応付けられているから、表示された特定シンボルの数から付与されるジャックポットを容易に把握することができるので、遊技者に対し高い興趣を与えることが可能となる。
【0008】
また、本発明の1つの側面に係る請求項2のゲーミングマシンは、さらに、上記単位ゲームの開始を受け付ける条件として所定量のベットがなされたとき、当該所定量の一定割合をジャックポット量として、所定の上記メモリに累積記憶されることを特徴とする。
【0009】
上記メカニカルリールを用いたゲーミングマシンによれば、さらに、受け付けたベット量の一定割合がジャックポット量として、所定の上記メモリに累積記憶されるので、ベットを行う度にジャックポットが増加することになり、遊技者に対し高い興趣を与えることが可能となる。
【0010】
また、本発明の1つの側面に係る請求項3のゲーミングマシンは、さらに、初期ジャックポット量が異なり、ジャックポットが付与されると、上記初期ジャックポット量に初期化され、上記計数した上記特定シンボルの数が大きいほど、初期ジャックポット量が大きいジャックポットに対応づけられていることを特徴とする。
【0011】
上記メカニカルリールを用いたゲーミングマシンによれば、さらに、表示された特定シンボルの数によって、付与されるジャックポットが異なるので、遊技者に対し高い興趣を与えることが可能となる。
【0012】
また、本発明の1つの側面に係る請求項4のゲーミングマシンは、さらに、上記プロセッサは、上記計数した特定シンボルの数が上記所定個数よりも小さい場合は、当該計数した特定シンボルの数に応じて、予め定められた賞を遊技者に付与することを特徴とする。
【0013】
上記メカニカルリールを用いたゲーミングマシンによれば、さらに、表示された特定シンボルの数が所定個数より小さい場合は予め定められた通常の賞が付与されるので、特定シンボルの数に応じてジャックポットと通常の賞とが決定されることにより、表示された特定シンボルの数から付与される賞を容易に把握することができるので、遊技者に対し高い興趣を与えることが可能となる
【0014】
本発明の1つの側面に係る請求項5のゲーミングマシンは、複数のビデオリール及びそのビデオリールに描かれた複数のシンボルを表示するディスプレイと、複数のジャックポットを記憶するメモリと、以下の処理を実行するプロセッサと、(a)ゲームの開始を受け付ける処理、(b)上記単位ゲームの開始を受け付けたことを条件に、上記複数のビデオリールの回転及び停止を行い、上記単位ゲームのゲーム結果として、上記ディスプレイに複数のシンボルを表示する処理、(c)上記ディスプレイに表示された特定シンボルの数を計数する処理、(d)計数した特定シンボルの数が所定個数以上である場合に、前記メモリに記憶されている複数のジャックポットのうち、上記計数した上記特定シンボルの数に対応したジャックポットを遊技者に付与する処理を備えることを特徴とする。
【0015】
上記ビデオリールを用いたゲーミングマシンによれば、表示された特定シンボルの数と付与されるジャックポットとが対応付けられているから、表示された特定シンボルの数から付与されるジャックポットを容易に把握することができるので、遊技者に対し高い興趣を与えることが可能となる。
【0016】
また、本発明の1つの側面に係る請求項6のゲーミングマシンは、さらに、上記単位ゲームの開始を受け付ける条件として所定量のベットがなされたとき、当該所定量の一定割合をジャックポット量として、所定の上記メモリに累積記憶されることを特徴とする。
【0017】
上記ビデオリールを用いたゲーミングマシンによれば、さらに、受け付けたベット量の一定割合がジャックポット量として、所定の上記メモリに累積記憶されるので、ベットを行う度にジャックポットが増加することになり、遊技者に対し高い興趣を与えることが可能となる。
【0018】
また、本発明の1つの側面に係る請求項7のゲーミングマシンは、さらに、初期ジャックポット量が異なり、ジャックポットが付与されると、上記初期ジャックポット量に初期化され、上記計数した上記特定シンボルの数が大きいほど、初期ジャックポット量が大きいジャックポットに対応づけられていることを特徴とする。
【0019】
上記ビデオリールを用いたゲーミングマシンによれば、さらに、表示された特定シンボルの数によって、付与されるジャックポットが異なるので、遊技者に対し高い興趣を与えることが可能となる。
【0020】
また、本発明の1つの側面に係る請求項8のゲーミングマシンは、さらに、上記プロセッサは、上記計数した特定シンボルの数が上記所定個数よりも小さい場合は、当該計数した特定シンボルの数に応じて、予め定められた賞を遊技者に付与することを特徴とする。
【0021】
上記ビデオリールを用いたゲーミングマシンによれば、さらに、表示された特定シンボルの数が所定個数より小さい場合は予め定められた通常の賞が付与されるので、特定シンボルの数に応じてジャックポットと通常の賞とが決定されることにより、表示された特定シンボルの数から付与される賞を容易に把握することができるので、遊技者に対し高い興趣を与えることが可能となる
【0022】
本発明の1つの側面に係る請求項9のゲーミングマシンは、複数のシンボルを表示するディスプレイと、複数のジャックポットを記憶するメモリと、以下の処理を実行するプロセッサと、(a)単位ゲームの開始を受け付ける処理、(b)上記単位ゲームの開始を受け付けたことを条件に、上記複数のシンボルの可変表示を行い、その後、上記単位ゲームのゲーム結果として、上記ディスプレイに複数のシンボルを停止する処理、(c)上記ディスプレイのペイライン上に表示されたシンボルの組合せが、入賞組合せである場合に、当該入賞組合せに対応付けられている賞を付与する処理、(d)上記ディスプレイに表示された特定シンボルの数を計数する処理、(e)計数した特定シンボルの数が所定個数以上である場合に、前記メモリに記憶されている複数ジャックポットのうち、上記計数した上記特定シンボルの数に対応したジャックポットを遊技者に付与する処理を備えることを特徴とする。
【0023】
上記ゲーミングマシンによれば、通常の賞はペイライン上のシンボルの組合せに基いて付与され、ジャックポットはペイラインに関係なく特定シンボルの個数のみで付与されるので、遊技者に対し高い興趣を与えることが可能となる。また、メカニカルリール及びビデオリールのいずれにも適用することができる。
【0024】
また、本発明の1つの側面に係る請求項10のゲーミングマシンは、さらに、上記単位ゲームの開始を受け付ける条件として所定量のベットがなされたとき、当該所定量の一定割合をジャックポット量として、所定の上記メモリに累積記憶されることを特徴とする。
【0025】
上記ゲーミングマシンによれば、さらに、受け付けたベット量の一定割合がジャックポット量として、所定の上記メモリに累積記憶されるので、ベットを行う度にジャックポットが増加することになり、遊技者に対し高い興趣を与えることが可能となる。また、メカニカルリール及びビデオリールのいずれにも適用することができる。
【0026】
また、本発明の1つの側面に係る請求項11のゲーミングマシンは、さらに、初期ジャックポット量が異なり、ジャックポットが付与されると、上記初期ジャックポット量に初期化され、上記計数した上記特定シンボルの数が大きいほど、初期ジャックポット量が大きいジャックポットに対応づけられていることを特徴とする。
【0027】
上記ゲーミングマシンによれば、さらに、表示された特定シンボルの数によって、付与されるジャックポットが異なるので、遊技者に対し高い興趣を与えることが可能となる。また、メカニカルリール及びビデオリールのいずれにも適用することができる。
【0028】
また、本発明の1つの側面に係る請求項12のゲーミングマシンは、さらに、上記プロセッサは、上記計数した特定シンボルの数が上記所定個数よりも小さい場合は、当該計数した特定シンボルの数に応じて、予め定められた賞を遊技者に付与することを特徴とする。
【0029】
上記ゲーミングマシンによれば、さらに、表示された特定シンボルの数が所定個数より小さい場合は予め定められた通常の賞が付与されるので、特定シンボルの数に応じてジャックポットと通常の賞とが決定されることにより、表示された特定シンボルの数から付与される賞を容易に把握することができるので、遊技者に対し高い興趣を与えることが可能となる。また、メカニカルリール及びビデオリールのいずれにも適用することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明に係るゲーミングマシンによれば、表示された特定シンボルの個数と付与されるジャックポットとが対応づけられているから、遊技者はゲーム結果から付与される特別な賞を容易に把握することができるため、簡易な処理で遊技者に対し高い興趣を与えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明に係るゲーミングマシンの実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0032】
[第1実施形態]
第1実施形態に係るスロットマシン1について、図面を参照しつつ詳細に説明する。本実施形態に係るスロットマシン1は、液晶ディスプレイ等の画像表示装置を有し、画像表示装置に対して各種シンボルの画像を表示させることにより遊技を行ういわゆるビデオスロットマシンである。
【0033】
本実施形態に係るスロットマシン1では、シンボルが停止表示されたときに、JPシンボルが所定個数以上表示されていると、表示されているJPシンボルの数に応じたジャックポットが遊技者に対し付与される。図1における例では、JPシンボルであるLIONシンボルが10個表示されているので、その数に対応しているMiniジャックポットに当選する。
【0034】
本実施形態に係るスロットマシン1の概略構成について、図2に基づき説明する。図2は第1実施形態に係るスロットマシン1の外観斜視図である。
第1実施形態に係るスロットマシン1は、カジノなどの遊技場に設置されるアップライト型のスロットマシンである。なお、図2に示すスロットマシン1の外観は、本発明における単なる一例であり、本発明は当該外観に限定されるものではない。
【0035】
スロットマシン1は、キャビネット2を有している。キャビネット2は、所定の遊技態様を実行するための電気的又は機械的部品を収容する収納部である。
【0036】
スロットマシン1は、種々の遊技情報を表示するために、アッパー表示部3A、可変表示部3B、及び、アンダー表示部3Cをキャビネット2の前面に備えている。アッパー表示部3Aは、キャビネット2の上段にあり、可変表示部3Bは、キャビネット2の中段にあり、アンダー表示部3Cは、キャビネットの下段にある。
【0037】
アッパー表示部3Aは、液晶パネルで構成されている。演出画像、ゲーム時の配当テーブル、ゲームルール等がアッパー表示部3Aに表示される。
【0038】
可変表示部3Bは、液晶パネルで構成されている。可変表示部3Bは、例えば、図3に示すように、5列のリール表示部101〜105を有する。それぞれのリール表示部において、シンボル列の可変表示及び停止表示が行われる。リール表示部101〜105には、それぞれ、3つのシンボルが表示される。すなわち、可変表示部3Bには、図4に示すように、3x5のマトリクス状にシンボルが表示されることになる。また、シンボル表示部101〜105には、シンボル表示部111A〜111C、112A〜112C、113A〜113C、114A〜114C、及び、115A〜115Cを有する。なお、リールの数、及び、1リール表示部当たりの表示シンボルの数は可変である。
【0039】
可変表示部3Bの液晶パネルの前面には、タッチパネル4が設けられている。遊技者は、タッチパネル4を操作して各種の指示を入力することができる。また、ペイアウト数表示部5及びクレジット数表示部6が可変表示部3Bに設けられている。ペイアウト数表示部5及びクレジット数表示部6の表示位置は任意であり、例えば、可変表示部3Bの右下部分に設けられる。また、ベット数を表示するためのベット数表示部を設けてもよい。ペイアウト数表示部5には、遊技者に付与される配当額(すなわち、通常ゲームで所定のシンボルが所定数表示された場合に付与される配当額、及び、フリーゲーム中に獲得した累積配当額)が表示される。クレジット数表示部6には、現在遊技者が所有しているクレジット数が表示される。
【0040】
アンダー表示部3Cは、液晶パネルで構成されている。アンダー表示部3Cには、カードに記録されているポイント数、及び/又は、ゲームのポイント数が表示される。また、カードが挿入されていないとき、及び/又は、カードの読取が失敗したときは、その旨が表示される。
また、アンダー表示部3Cの周辺には、カード読取部19が配置されている。カード読取部19は、遊技者が所有するカードに記憶された情報を読み取ることができる。
【0041】
アッパー表示部3A、可変表示部3B、及び、アンダー表示部3Cは、例えば、液晶ディスプレイで構成されるが、これに限定されない。すなわち、各可変表示部は、CRTディスプレイ、プラズマディスプレイ、LEDディスプレイ、その他公知の表示装置であってもよい。
【0042】
腰パネル7は、アンダー表示部3Cの下側に位置し、プラスチックパネルで構成される。遊技機に関連するキャラクタの絵、及び、遊技機の名称等が描かれ、バックライトによって照らされる。腰パネル7は、液晶ディスプレイ、CRTディスプレイ、プラズマディスプレイ、LEDディスプレイ、その他公知の表示装置であってもよい。
【0043】
また、可変表示部3Bは、メカニカルリールと、メカニカルリールの前面に配置された透明液晶表示装置とからなるハイブリッド型の遊技機としてもよい。これにより、メカニカルリールに描かれた図柄は、透明液晶表示装置を介して視認される。また、透明液晶表示装置には、メカニカルリールの数と等しい表示窓を設け、当該表示窓を通じてメカニカルリールに描かれた図柄を視認できるよう構成することが望ましい。なお、以下の説明においては、主に、ビデオリールを用いた遊技機について説明を行うが、本発明が、適用可能な限度においてメカニカルリールを用いた遊技機にも適用可能であることはもちろんである。また、メカニカルリールを用いる場合は、メカニカルリールは、図示しないモータによって回転・停止が制御される。
【0044】
可変表示部3Bの下側には、操作テーブル8が手前側に突出されて設けられている。操作テーブル8には、両替ボタン、払い戻しボタン、ヘルプボタン、BETボタン、及び、スタートボタンなどの各種操作ボタン26が配置されている。これらのボタンの配置位置は任意である。また、必要に応じて、前記ボタンの一部を削除してもよいし、新たなボタンを追加、置換してもよい。また、操作テーブル8には、コイン投入部17、紙幣投入部18が配置されている。
【0045】
また、キャビネット2の下部には、コイン払出口と、コイン受け部21が形成されている。コイン払出口は、両替ボタンや払い戻しボタンの入力により、コインが払い出される部分である。そして、コイン受け部21は、コイン払出口から払い出されたコインを受ける部分である。コイン払出口の内部には、センサ等より構成されるコイン検出部が配置されている。コイン検出部は、コイン払出口から払い出されるコインの枚数を検出する。
【0046】
更に、スロットマシン1のキャビネット2の周囲には、入賞の際やフリーゲーム中に所定の点灯態様で点灯する発光部25が配置されている。更に、キャビネット2の側面には、音声の出力を行うスピーカ34が設けられている。なお、発光部25及びスピーカ34の配置位置は、任意である。
【0047】
スロットマシン1は、キャビネット2の上部にトッパー演出装置27を備える。このトッパー演出装置27は、矩形ボード形状を有しており、アッパー表示部3Aと略平行になるように配置されている。なお、トッパー演出装置27の形状は任意である。トッパー演出装置27には、種々の情報が表示される。
【0048】
次に、上述したスロットマシン1の内部構成について、図5及び図6を参照しつつ説明する。図5は、スロットマシン1全体の内部構成を示したブロック図である。図5に示すように、スロットマシン1は、後述する制御プログラムを実行するコントローラ41を含む主制御基板71を中心に複数の構成要素を有している。その主制御基板71は、コントローラ41と、乱数発生回路45、サンプリング回路46、クロックパルス発生回路47および分周器48、照明演出駆動回路61、ホッパー駆動回路63、払出完了信号回路65および表示部駆動回路67を有している。
【0049】
コントローラ41は、メインCPU42と、RAM43と、ROM44とを有している。メインCPU42は、ROM44に記憶されているプログラムに従って作動し、I/Oポート49を介して他の構成要素との信号の入出力を行って、スロットマシン1全体の動作制御を行う。RAM43はメインCPU42が作動する際に用いるデータやプログラムが記憶され、例えば、サンプリング回路46によりサンプリングされる乱数値がゲーム開始後、一時的に保持される。また、各リール表示部101〜105に対応するコードナンバが記憶されている。ROM44には、メインCPU42が実行するプログラムと、恒久的なデータが記憶されている。
【0050】
特に、ROM44に記憶されているプログラムには、ゲームプログラム及びゲームシステムプログラム(以下、ゲームプログラム等という)が含まれている。さらに、そのゲームプログラムには、抽選プログラムが含まれている。
【0051】
抽選プログラムは、可変表示部3Bの各リール表示部101〜105の中心位置、すなわち、シンボル表示部111B、112B、113B、114B、及び、115Bに停止されるシンボルに対応するコードナンバを決定するためのプログラムである。
【0052】
この抽選プログラムには、シンボル重み付けデータが含まれている。シンボル重み付けデータは、各コードナンバと、所定の乱数値範囲との対応関係を示すデータである。すなわち、1つのコードナンバに対しては、所定の乱数値範囲が対応付けられることにより、リール帯上の各シンボルについての抽選確率が設定される。そして、抽選により乱数値が抽出されることにより、当該乱数値から最終的に特定されるシンボルが可変表示部3B上の所定の領域に表示される。なお、配置されるシンボルを決定する際の抽選プログラムとしては、所定の乱数値範囲とシンボル組合せとの対応関係を示す重み付けデータを用いてもよい。その場合には、決定されたシンボル組合せが可変表示部3Bに表示される。
【0053】
乱数発生回路45は、メインCPU42の指示に従って作動し、一定範囲の乱数を発生させる。サンプリング回路46は、メインCPU42の指示に従い、乱数発生回路45が発生させた乱数の中から任意の乱数を抽出すると共に、その抽出した乱数をメインCPU42に入力する。クロックパルス発生回路47は、メインCPU42を作動させるための基準クロックを発生させ、分周器48はその基準クロックを一定周期で分周した信号をメインCPU42に入力する。
【0054】
更に、主制御基板71には、タッチパネル4が接続されている。このタッチパネル4は、可変表示部3Bの前面に配置され、遊技者により接触された部分の座標位置を特定し、特定した座標位置情報に基づいて遊技者がどこに触れたか、及び/又は、触れた箇所がどの方向に移動したのかを判別することができる。そして、判別に応じた信号が、I/Oポート49を介してメインCPU42に入力されるように構成されている。
【0055】
更に、主制御基板71には、遊技の実行を指示するための操作ボタン26(上述したスタートボタン等)が操作スイッチを介して接続されており、それらのボタン押下に応じた信号が、I/Oポート49を介してメインCPU42に入力されるようになっている。
【0056】
照明演出駆動回路61は、上述した発光部25及びトッパー演出装置27に照明演出を行わせるための演出信号を出力する。トッパー演出装置27は、発光部25を介して、照明演出駆動回路61に接続されている。
【0057】
ホッパー駆動回路63はメインCPU42の制御に従ってホッパー64を駆動させる。それによって、ホッパー64はコインの払出を行うための動作を行い、コイン払出口へとコインを払出する。払出完了信号回路65は、接続されているコイン検出部24からコインの枚数値データを受信し、受信した枚数値が設定された枚数の値に達したときにコインの払出完了を通知する信号をメインCPU42に入力する。コイン検出部24は、ホッパー64により払出されたコインの枚数を計測し、その計測した枚数値のデータを払出完了信号回路65に入力する。表示部駆動回路67は、ペイアウト数表示部5、クレジット数表示部6等の各種表示部の表示動作を制御する。
【0058】
更に、主制御基板71には副制御基板72が接続されている。副制御基板72は、図6に示すように、主制御基板71からコマンドを入力して、各表示部の表示制御、スピーカ34による音声の出力制御を行う。この副制御基板72は主制御基板71を構成する回路基板とは別の回路基板上に構成され、マイクロコンピュータ(以下「サブマイクロコンピュータ」という)73を主たる構成要素とし、スピーカ34から出力される音声を制御する音源IC78、増幅器としてのパワーアンプ79、及びアッパー表示部3A及び可変表示部3Bの表示制御手段として作動する画像制御回路81を有している。
【0059】
サブマイクロコンピュータ73は、主制御基板71から送信された制御命令に従って制御動作を行うサブCPU74と、プログラムROM75と、ワークRAM76と、I/Oポート77,80を有している。副制御基板72はクロックパルス発生回路、分周器、乱数発生器及びサンプリング回路を備えていないが、サブCPU74の動作プログラム上で乱数サンプリングを実行するように構成されている。プログラムROM75は、サブCPU74で実行する制御プログラムを記憶している。ワークRAM76は、上記制御プログラムをサブCPU74で実行するときの一時メモリとして構成されている。
【0060】
画像制御回路81は、画像制御CPU82、画像制御ワークRAM83、画像制御プログラムROM84、画像ROM86、ビデオRAM87及び画像制御IC88を有している。画像制御CPU82は、サブマイクロコンピュータ73で設定されたパラメータに基づき、画像制御プログラムROM84に記憶されている画像制御プログラムに従い、アッパー表示部3A及び可変表示部3Bで表示される画像を決定する。例えば、アッパー表示部3Aには配当テーブルやヘルプ画面を表示し、可変表示部3Bにはシンボル表示部111A〜111C、112A〜112C、113A〜113C、114A〜114C、及び115A〜115Cのそれぞれに対して、シンボルの可変表示及び停止表示を行う。
【0061】
画像制御プログラムROM84は、アッパー表示部3A及び可変表示部3Bにおける表示に関する画像制御プログラムや各種選択テーブルが記憶されている。画像制御ワークRAM83は、画像制御プログラムを画像制御CPU82で実行するときの一時メモリとして構成されている。画像制御IC88は、画像制御CPU82で決定された内容に応じた画像を形成し、アッパー表示部3A及び可変表示部3Bに出力する。
【0062】
画像ROM86は、画像を形成するためのドットデータを格納している。ビデオRAM87は、画像制御IC88で画像を形成するときの一時記憶手段として作動する。
【0063】
なお、上述してスロットマシン1の内部構成は、単なる一例であり、本発明は上記内部構成に限定されるものではない。例えば、着脱可能なメモリカード及び/又はPLD(Programmable Logic Device)を装着可能に構成し、必要な情報をメモリカード及び/又はPLD(Programmable Logic Device)から読み出すようにしてもよい。
【0064】
本発明に係るスロットマシン1では、遊技価値として、コイン、紙幣又はこれらに相当する電子的な有価情報(クレジット)が用いられる。但し、本発明に適用可能な遊技価値は、これに限定されるものではなく、例えば、メダル、トークン、電子マネー、チケットを挙げることができる。
【0065】
続いて、図7に基づき、シンボル表示部において可変表示されるリール帯に描かれているシンボルについて説明する。図7はリール表示部101〜105において可変表示されるリール帯に描かれるシンボルの種類の一例を示す図である。
【0066】
図7に示すように、リール帯には、LION(ライオン)シンボル45A、MEAT(ミート)シンボル45B、A(エース)シンボル45C、K(キング)シンボル45D、Q(クイーン)シンボル45E、J(ジャック)シンボル45F、CARシンボル45G、GORILLA(ゴリラ)シンボル45H、BANANA(バナナ)シンボル45I、ELEPHANT(エレファント)シンボル45J、APPLE(アップル)シンボル45Kが含まれる。なお、図7は、シンボルの種類を示す図であり、リール帯にこの順番で描かれるとは限らない。なお、1つのリール帯に描かれるシンボルの数は任意であり、また、描かれるシンボルの種類も任意である。
図7に示すシンボルが、例えば、図8に示されるようにリール帯に所定の順番で描かれている。図8は、各リール表示部において可変表示されるリール帯(外部リール)である。
【0067】
次に、上記構成を有するスロットマシン1において行われるゲームについて説明する。このゲームは、すべてのシンボルがスキャッタシンボルであり、可変表示部3B上の3x5マトリクス状のシンボル表示部111A〜111C、112A〜112C、113A〜113C、114A〜114C、及び、115A〜115Cに表示された同一シンボルの個数に基いて賞が付与されるゲームである。
【0068】
遊技者がBETボタンを操作してベット数を設定し、スタートボタンを押下することにより、各リール表示部101〜105において、リール帯が回転を開始する。これにより、図9に示すように各リール表示部101〜105において、リール帯に描かれたシンボル列が、上方向から下方向へとスクロールされる。そして、所定時間が経過すると、各リール表示部101〜105において、リール帯が停止表示される。それに伴って、各リール帯シンボル列の一部(各リール表示部101〜105に3個ずつの計15個のシンボル)が、図10に示すように可変表示部3B上のシンボル表示部にそれぞれ表示される。なお、スクロールの方向は、上方向から下方向のみに限らず、下方向から上方向でもよい。また、リール表示部ごとに、スクロールする方向が異なってもよい。また、ゲームごとに、スクロールの方向が異なってもよい。
【0069】
このゲームでは可変表示部3Bに表示された同一シンボルの個数に基いて、入賞組合せが決定され、当該入賞組合せに対応した賞が付与される。入賞組合せに入賞した場合には、当該入賞組合せに応じた配当額をベット数で乗算した額が遊技者に付与される。この点については後述する。
【0070】
次に、本実施形態に係るスロットマシン1にてゲームを行う場合の入賞組合せ及び付与される賞について図11に基づき説明する。図11は、本実施形態において利用される配当テーブルの内容を示している。配当テーブルは、入賞組合せと付与される賞とが対応づけられている。また、本実施形態においては、LIONシンボル45A、ELEPHANTシンボル45J、GORILLAシンボル45HをJPシンボルとしている。
【0071】
ここで、図11に示す配当額は、ベット数が「1」である場合の配当額を示している。すなわち、ベット数が「1」である場合には、図11に示す配当額が払い出されるが、ベット数が「2」以上である場合には、図11に示す配当額に当該ベット数を乗じた額が払い出される。また、ジャックポットについては、ベット数が所定以上の場合のみ当選し、ベット数が所定数より小さい場合は、図示しない所定の配当額が払い出されるように構成してもよい。
【0072】
ここで、シンボル表示部111A〜111C、112A〜112C、113A〜113C、114A〜114C、及び、115A〜115Cに、5個の「A」シンボルが表示されると、120クレジットにベット数を乗じた額が払い出される。
【0073】
また、シンボル表示部111A〜111C、112A〜112C、113A〜113C、114A〜114C、及び、115A〜115Cに、4個の「J」シンボルが表示されると、8クレジットにベット数を乗じた額が払い出される。
以下、同様にして、図11に示す入賞組合せ毎に配当額が設定されている。但し、シンボル表示部111A〜111C、112A〜112C、113A〜113C、114A〜114C、及び、115A〜115Cに表示されたシンボルが、図11に示した入賞組合せのいずれでもない場合は、ハズレであり、ハズレに対する払い出しは行われない。
【0074】
なお、図11に示される配当テーブルは一例であり、入賞組合せの種類及び配当額については、適宜設定可能である。また、複数の配当テーブルを備えておき、設定されるペイアウト率に応じて選択可能となるよう構成してもよい。
【0075】
図11に示されるように、本実施形態においては、複数のジャックポット(MiniJACKPOT、MajorJACKPOT、MegaJACKPOT)を有している。これらのジャックポットは、表示されたJPシンボルの数に対応づけられている。また、それぞれのジャックポットは、初期ジャックポット量が異なる。そして、ジャックポットが付与されると、初期ジャックポットに初期化されることになる。
【0076】
また、表示されたJPシンボルの数が大きいほど、初期ジャックポット量が大きいジャックポットに対応づけられている。これにより、表示されたJPシンボルの数が大きいほど、多くのコイン等を獲得することができる。
【0077】
それぞれのジャックポットは、所定量のベットがなされて単位ゲームの開始を受け付けたときに、その所定量の一定割合(例えば、1%)をジャックポット量として、累積記憶されることになる。なお、複数のジャックポットを用いたゲーミングマシンにおける累積記憶方法は適宜設定可能である。
【0078】
続いて、本実施形態に係るスロットマシン1において実行されるメイン制御プログラムについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。図12は、メイン制御プログラムのフローチャートである。
【0079】
まず、電源スイッチの投入(電源の投入)が行われると、主制御基板71、副制御基板72を夫々起動し、コントローラ41はステップ(以下、Sと略記する)1の初期設定処理を実行する。この初期設定処理において、メインCPU42は、ROM44に記憶されているBIOSを実行して、BIOSに組み込まれている圧縮データをRAM43に展開し、RAM43に展開されたBIOSの実行と、各種周辺装置の診断と初期化を行う。さらに、メインCPU42は、ゲームプログラム等をROM44からRAM43に書き込み、ペイアウト率設定用データ及び国識別情報を取得する。メインCPU42は、初期設定処理の実行中において、各プログラムに対する認証処理も行う。
【0080】
そして、S2においては、メインCPU42は、ゲームプログラム等をRAM43より順次読み出して実行し、メイン遊技処理を行う。このメイン遊技処理を実行することにより、第1実施形態に係るスロットマシン1でのゲームが行われる。そして、メイン遊技処理は、スロットマシン1に電源が供給されている間、繰り返し実行される。
【0081】
次に、上記S2のメイン遊技処理のサブ処理について図13に基づき説明する。図13は第1実施形態に係るスロットマシン1におけるメイン遊技処理プログラムのフローチャートである。なお、以下のフローチャートで示す各プログラムはスロットマシン1が備えているROM44やRAM43に記憶されており、メインCPU42により実行される。
【0082】
先ず、図13に示すように、S11において、メインCPU42はスタート受付処理を行う。このとき、スタート受付処理では、遊技者により、コインの投入や操作ボタン26内のBETボタンを用いたベット操作が行われる。
【0083】
そして、S12においてメインCPU42は、操作ボタン26内のスタートボタンが押下されたか否かについての判定を行う。この判定は、スタートボタンの押下に応じてメインCPU42に入力される信号に基づいて行われる。ここで、スタートボタンが押下されていない場合(S12:NO)には、再びスタート受付処理(S11)に戻る。これにより、ベット数の修正等の操作が可能となる。一方、スタートボタンが押下された場合(S12:YES)には、上記ベット操作に基づき設定されたベット数を、遊技者が現在所有するクレジット数から減算すると共に、ベット情報としてRAM43に格納する。その後、S13に進む。
【0084】
S13において、シンボル抽選処理が実行される。具体的には、メインCPU42は、RAM43に記憶された抽選プログラムを実行することにより、所定の乱数値範囲から乱数値をサンプリングし、サンプリングされた乱数値とテーブルに基づいて、それぞれのリール表示部の中心部分、すなわち、シンボル表示部111B、112B、113B、114B、及び、115Bに停止されるシンボルを決定する。
【0085】
ここで、S13における乱数値を利用した処理について説明する。図14は、ある1つのリール帯に描かれているシンボルとコードナンバとを対応付けたテーブルの一例である。このテーブルは、リール表示部ごとに有している。図15は、乱数値とコードナンバとを対応付けたテーブルの一例である。所定の乱数値範囲(例えば、0〜65535)からサンプルされた乱数値に基き、図15に示されるテーブルを利用してコードナンバを決定する。決定されたコードナンバと図14に示されるテーブルとを利用することにより、停止すべきシンボルが決定される。
【0086】
ここで、図15に示すように、コードナンバごとに対応付けられている乱数値の数が異なるので、図14に示されるそれぞれのシンボルにおける出現確率を制御することができる。例えば、図15においては、コードナンバ“4”には、乱数値“512”〜“760”が対応付けられ、コードナンバ“5”には、乱数値“761”〜“767”が対応付けられている。これにより、コードナンバ“4”の方がコードナンバ“5”よりも出現しやすいので、図14に示すリール帯においては、コードナンバ“4”に対応付けられているQシンボル45Eの方が、コードナンバ“5”に対応付けられているAシンボル45Cの方が表示される確率が高いことになる。
【0087】
また、リール表示部101に対し、図14に示されるリール帯を利用した場合において、“1136”がサンプリングされた場合、図15のテーブルに基づいて、コードナンバとして“08”が決定される。そして、図14に示すテーブルを利用することにより、コードナンバ“08”に対応するLIONシンボル45Aがシンボル表示部111Bに停止するものとして決定される。
【0088】
また、図16に示すように、サンプリングされる乱数値とシンボルとを直接対応づけてもよい。
【0089】
また、図17に示すように、サンプリングされる乱数値と入賞組合せとを直接対応づけ、当該テーブルを用いて停止すべきシンボルを決定してもよい。図17においては、サンプルされた乱数値に基いて、入賞組合せを先に決定し、決定されたシンボルが所定のシンボル表示部に停止されるように停止制御される。また、図17において、“70”がサンプリングされた場合は、ハズレである。
【0090】
図12に説明を戻す。S14でメインCPU42は、リール回転処理を行う。具体的には、メインCPU42は、リール表示部101〜105上で、それぞれリール帯を可変表示させることにより、リール帯が所定速度で可変表示する。その後、メインCPU42は、単位ゲームに対する演出パターン(可変表示部3Bへの画像の表示やスピーカ34からの音の出力等のパターン)を決定し、副制御基板72等に命じて、決定された演出パターンで演出を開始させる。ここで、単位ゲームとは、それぞれのリール帯の可変表示が開始し、その後、すべてのリール帯が停止表示される一連の処理のことをいう。そして、所定時間が経過すると所定の順序でリール表示部101〜105上のリール帯の回転が停止する。これにより、シンボル表示部111A〜111C、112A〜112C、113A〜113C、114A〜114C、及び、115A〜115Cのそれぞれにおいて、シンボルが停止表示される。なお、リール表示部上のリール帯の回転の停止に関し、全てのリール表示部一度に停止してもよいし、時間差で順に停止してもよい。
【0091】
例えば、シンボル表示部111Bには、S13で決定されたMEATシンボル45B(コードナンバ:8)が停止される。この場合、シンボル表示部111Aには、BONUSシンボル45G(コードナンバ:7)が表示され、また、シンボル表示部111Cには、MEATシンボル45B(コードナンバ:9)が表示されることになる。
【0092】
その後、S15においてメインCPU42は、可変表示部3Bに配置されたシンボルが、入賞組合せに該当するか否かについて判定する。この判定は、RAM43に記憶された各リール表示部101〜105ごとのコードナンバに基いて行われる。
【0093】
その結果、入賞組合せが成立していると判定された場合(S15:YES)には、S16へと移行する。一方、いずれの入賞組合せも成立していないと判定された場合(S15:NO)には、S17に移行する。なお、次回以降に継続してゲームを開始する場合には再びS11以降の処理が行われる。
【0094】
S16において、メインCPU42は、S15で決定された入賞組合せに応じた配当額、及び、入賞組合せに応じたジャックポットを遊技者に払い出す。
【0095】
ここで、ジャックポットが遊技者に払い出される処理について、具体的に説明する。本実施形態においては、LIONシンボル45A、ELEPHANTシンボル45J、GORILLAシンボル45HをJPシンボルとしている。そして、JPシンボルが所定個数以上表示されていると、複数あるジャックポットのいずれかが遊技者に払い出される。また、図11に示されるとおり、表示されたJPの個数が多いほど、より大きいジャックポットが払い出されることになる。
【0096】
例えば、図18に示す可変表示部3Bには、Aシンボル45Cが4つと、LIONシンボル4Aが9つ表示されているので、配当額“12”とMiniJACKPOTが払い出されることになる。
【0097】
以上説明したとおり、第1実施形態に係るスロットマシン1では、表示されたJPシンボルの数と付与されるジャックポットとが対応付けられているから、表示されたJPシンボルの数から付与されるジャックポットを容易に把握することができるので、遊技者に対し高い興趣を与えることが可能となる。
【0098】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係るスロットマシンについて説明する。なお、以下の説明においては、上述した第1実施形態に係るスロットマシン1の構成と同一符号は、前記第1実施形態に係るスロットマシン1等の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。
【0099】
第2実施形態に係るスロットマシンの概略構成は、第1実施形態に係るスロットマシン1とほぼ同じ構成である。また、各種制御処理も第1実施形態に係るスロットマシン1とほぼ同じ制御処理である。
ただし、第2実施形態に係るスロットマシン1では、通常ゲームとボーナスゲームとが存在し、ボーナスゲーム中においてのみジャックポットに入賞可能な構成となっている。
【0100】
第2実施形態に係るスロットマシンで実行されるメイン遊技処理のサブ処理について図19に基づき説明する。図19は第2実施形態に係るスロットマシンにおけるメイン遊技処理プログラムのフローチャートである。なお、図19にフローチャートで示す各プログラムはスロットマシンが備えているROM44及び/又はRAM43に記憶されており、メインCPU42により実行される。
【0101】
本実施形態で実行される通常ゲームは、すべてのシンボルがスキャッタシンボルであり、可変表示部3B上の3x5マトリクス状のシンボル表示部111A〜111C、112A〜112C、113A〜113C、114A〜114C、及び、115A〜115Cに表示された同一シンボルの個数に基いて賞が付与されるゲームである。
【0102】
図19に示すフローチャートにおいて、S21〜S24の処理は、図13におけるS11〜S14の処理と同様であるので説明を省略する。S25においては、利用する配当テーブルが第1実施形態とは異なる。
【0103】
図20は、本実施形態における通常ゲームで用いられる配当テーブルを示したものである。図20に示される配当テーブルでは、入賞組合せと付与される配当額とが対応づけられている。また、通常ゲームではジャックポットの払い出しは行われない。
【0104】
図19に説明を戻す。S25においてメインCPU42は、可変表示部3Bに配置されたシンボルが、入賞組合せに該当するか否かについて判定する。この判定は、RAM43に記憶された各リール表示部101〜105ごとのコードナンバに基いて行われる。
【0105】
その結果、入賞組合せが成立していると判定された場合(S25:YES)には、S26へと移行する。一方、いずれの入賞組合せも成立していないと判定された場合(S25:NO)には、S27に移行する。なお、次回以降に継続してゲームを開始する場合には再びS21以降の処理が行われる。
【0106】
S26において、メインCPU42は、S25で決定された入賞組合せに応じた配当額を遊技者に払い出す。
【0107】
次に、S27において、メインCPU42は、ボーナスゲームの開始トリガーが成立しているか否かを判定する。例えば、特定のシンボル(例えば、CARシンボル45G)の表示や、所定シンボルが所定個数以上表示されたことを移行の条件とすることができる。
【0108】
ボーナスゲームの開始トリガーが成立したと判定された場合(S27:YES)には、ボーナスゲーム処理へと移行し(S28)、通常ゲームからボーナスゲームへとゲームが切り換わる。なお、ボーナスゲーム処理についての詳細は、後述する。一方、ボーナスゲームの開始トリガーが成立していないと判定された場合(S27:NO)には、処理を終了する。
【0109】
次に、ボーナスゲームについて図21を参照しつつ説明する。図21は、ボーナスゲームプログラムのフローチャートである。
【0110】
ボーナスゲームの手順に関しては、ゲーム開始時にベット額に相当する遊技価値(クレジット)を消費しないことと、遊技者の操作ボタンの操作を必要とせずにゲームが自動的に連続して行われる点を除けば、通常ゲームと基本的には同様である。ここで、ボーナスゲームの回数は適宜設定可能である。また、実行可能なボーナスゲームの回数を複数有しておき、所定の条件に基いて、選択されるように構成してもよい。
【0111】
S31及びS32の処理は、図13におけるS13及びS14の処理、及び、図19におけるS23及びS24の処理と同じであるので、説明を省略する。
【0112】
S33において、可変表示部3Bに配置されたシンボルが、入賞組合せに該当するか否かについて判定する。この判定は、RAM43に記憶された各リール表示部101〜105ごとのコードナンバに基いて行われる。また、図11に示した配当テーブルが利用される。
【0113】
その結果、入賞組合せが成立していると判定された場合(S33:YES)には、S34へ移行する。一方、いずれの入賞組合せも成立していないと判定された場合(S33:NO)には、S35に移行する。
【0114】
S34において、S33で決定された入賞組合せに応じた配当額、及び、入賞組合せに応じたジャックポットを加算する。ここで加算された配当額は、後述するS36において遊技者に対し払い出される。
【0115】
S35では、ボーナスゲームが所定回数実行されたか否かを判断する。ボーナスゲームが所定回数実行されたと判断された場合(S35:YES)は、S36に進む。一方、所定回数実行されていないと判断された場合(S35:NO)は、S31に戻る。
【0116】
S36では、加算した配当額を遊技者に払いだす。なお、上述した処理においては、ボーナスゲームが所定回数終了した時点で、加算した配当額を一括して払い出したが、ボーナスゲームのたびに配当を払い出すことも可能である。
【0117】
以上説明したとおり、第2実施形態に係るスロットマシン1では、通常ゲームとボーナスゲームとが実行可能であり、ボーナスゲーム中に、表示されたJPシンボルの数と付与されるジャックポットとが対応付けられているから、表示されたJPシンボルの数から付与されるジャックポットを容易に把握することができるので、遊技者に対し高い興趣を与えることが可能となる。
【0118】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係るスロットマシンについて説明する。なお、以下の説明においては、上述した第1実施形態に係るスロットマシン1の構成と同一符号は、第2実施形態に係るスロットマシン1等の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。
【0119】
第3実施形態に係るスロットマシンの概略構成は、第1実施形態に係るスロットマシン1とほぼ同じ構成である。また、各種制御処理も第1実施形態に係るスロットマシン1とほぼ同じ制御処理である。
ただし、第3実施形態に係るスロットマシン1では、JPシンボル以外については、ペイライン上のシンボル組合せに基いて賞が付与され、JPシンボルについては、ペイラインに関係なく可変表示部3Bに表示された個数に基いて賞が付与される。
【0120】
図22には、シンボル表示部に表示されるペイラインの一部を点線で示している。なお、本発明においては、ペイラインの数は適宜設定可能であり、例えば、50、25、100とすることができる。また、ペイラインは、操作ボタン26内のペイラインボタンによって設定される。
【0121】
本実施形態における処理は、図13と基本的に同一である。ただし、用いられる配当テーブルが第1実施形態とは異なる。図23及び24は、本実施形態において用いられる配当テーブルの一例を示している。
【0122】
以上説明したとおり、第3実施形態に係るスロットマシン1では、JPシンボル以外については、ペイライン上のシンボル組合せに基いて賞が付与され、JPシンボルについては、ペイラインに関係なく可変表示部3Bに表示された個数に基いて賞が付与されるから、表示されたJPシンボルの数から付与されるジャックポットを容易に把握することができるので、遊技者に対し高い興趣を与えることが可能となる。
【0123】
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。例えば、上述したメカニカルリールと透明液晶表示装置とを備えたハイブリッドの遊技機の場合、通常ゲームはメカニカルリールを利用し、フリーゲームでは透明液晶表示装置に表示されるビデオリールを用いることができる。また、同一ゲームにおいても、所定のリールはメカニカルリールで処理し、その他のリールはビデオリールで実現することもできる。この場合、通常ゲームはメカニカルリールを利用し、フリーゲームではビデオリールを用いることができる。また、同一ゲームにおいても、所定のリールはメカニカルリールで処理し、その他のリールはビデオリールで実現することもできる。また、上記リール帯を複数用意しておき、設定されたペイアウト率によって選択できるようにしてもよい。
【0124】
また、上述した処理を実行するための遊技方法としても本発明は実現可能である。さらに、当該遊技方法をコンピュータで実行させるためのプログラム、及び、そのプログラムが記録された記録媒体としても本発明は実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】JPシンボルが所定個数以上表示され、ジャックポットに当選する様子を示した図である。
【図2】第1実施形態に係るスロットマシンの外観を示した図である。
【図3】第1実施形態に係るスロットマシンにおけるリール表示部を示した図である。
【図4】第1実施形態に係るスロットマシンにおけるシンボル表示部を示した図である。
【図5】第1実施形態に係るスロットマシンの内部構成を示したブロック図である。
【図6】第1実施形態に係るスロットマシンの特に副制御基板の内部構成を示したブロック図である
【図7】第1実施形態に係るスロットマシンの各リールを構成するシンボルを示した図である。
【図8】第1実施形態に係るスロットマシンの各リールを構成するシンボル列を示したである。
【図9】第1実施形態に係るスロットマシンの可変表示部においてリール帯が可変表示している様子を示した図である。
【図10】第1実施形態に係るスロットマシンの可変表示部においてシンボルが停止表示している様子を示した図である。
【図11】第1実施形態に係るスロットマシンの配当テーブルの内容を示した図である。
【図12】第1実施形態に係るスロットマシンにおけるメイン制御処理のフローチャートである。
【図13】第1実施形態に係るスロットマシンにおけるメイン遊技処理のフローチャートである。
【図14】第1実施形態に係るスロットマシンにおけるコードナンバとシンボルとを対応付けたテーブルを示した図である。
【図15】第1実施形態に係るスロットマシンにおける乱数値とコードナンバとを対応付けたテーブルを示した図である。
【図16】第1実施形態に係るスロットマシンにおける乱数値とシンボルとを対応付けたテーブルを示した図である。
【図17】第1実施形態に係るスロットマシンにおける乱数値と入賞組合せとを対応づけたテーブルを示した図である。
【図18】第1実施形態に係るスロットマシンの可変表示部においてシンボルが停止表示している様子を示した図である。
【図19】第2実施形態に係るスロットマシンにおけるメイン遊技処理のフローチャートである。
【図20】第2実施形態に係るスロットマシンの通常ゲームにおいて用いられる配当テーブルの内容を示した図である。
【図21】第2実施形態に係るスロットマシンにおけるボーナスゲーム処理のフローチャートである。
【図22】第3実施形態に係るスロットマシンにおけるペイラインを示した図である。
【図23】第3実施形態に係るスロットマシンにおける配当テーブルを示した図である。
【図24】第3実施形態に係るスロットマシンにおける配当テーブルを示した図である。
【符号の説明】
【0126】
1 スロットマシン
3B 可変表示部
45A LIONシンボル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のシンボルが描かれている複数のメカニカルリールと、
上記複数のメカニカルリールのそれぞれの回転及び停止を行う複数のモータと、
上記複数のシンボルが表示されるディスプレイと、
複数のジャックポットを記憶するメモリと、
以下の処理を実行するプロセッサと、
(a)単位ゲームの開始を受け付ける処理、
(b)上記単位ゲームの開始を受け付けたことを条件に、上記複数のモータにより上記複数のメカニカルリールの回転及び停止を行い、上記単位ゲームのゲーム結果として、上記ディスプレイに複数のシンボルを表示する処理、
(c)上記ディスプレイに表示された特定シンボルの数を計数する処理、
(d)計数した特定シンボルの数が所定個数以上である場合に、前記メモリに記憶されている複数のジャックポットのうち、上記計数した上記特定シンボルの数に対応したジャックポットを遊技者に付与する処理、
を備えることを特徴とするゲーミングマシン。
【請求項2】
上記単位ゲームの開始を受け付ける条件として所定量のベットがなされたとき、当該所定量の一定割合をジャックポット量として、所定の上記メモリに累積記憶される、
ことを特徴とする請求項1のゲーミングマシン。
【請求項3】
上記それぞれのジャックポットは、
初期ジャックポット量が異なり、
ジャックポットが付与されると、上記初期ジャックポット量に初期化され、
上記計数した上記特定シンボルの数が大きいほど、初期ジャックポット量が大きいジャックポットに対応づけられている、
ことを特徴とする請求項1のゲーミングマシン。
【請求項4】
上記プロセッサは、
上記計数した特定シンボルの数が上記所定個数よりも小さい場合は、当該計数した特定シンボルの数に応じて、予め定められた賞を遊技者に付与する、
ことを特徴とする請求項1のゲーミングマシン。
【請求項5】
複数のビデオリール及びそのビデオリールに描かれた複数のシンボルを表示するディスプレイと、
複数のジャックポットを記憶するメモリと、
以下の処理を実行するプロセッサと、
(a)ゲームの開始を受け付ける処理、
(b)上記単位ゲームの開始を受け付けたことを条件に、上記複数のビデオリールの回転及び停止を行い、上記単位ゲームのゲーム結果として、上記ディスプレイに複数のシンボルを表示する処理、
(c)上記ディスプレイに表示された特定シンボルの数を計数する処理、
(d)計数した特定シンボルの数が所定個数以上である場合に、前記メモリに記憶されている複数のジャックポットのうち、上記計数した上記特定シンボルの数に対応したジャックポットを遊技者に付与する処理、
を備えることを特徴とするゲーミングマシン。
【請求項6】
上記単位ゲームの開始を受け付ける条件として所定量のベットがなされたとき、当該所定量の一定割合をジャックポット量として、所定の上記メモリに累積記憶される、
ことを特徴とする請求項5のゲーミングマシン。
【請求項7】
上記それぞれのジャックポットは、
初期ジャックポット量が異なり、
ジャックポットが付与されると、上記初期ジャックポット量に初期化され、
上記計数した上記特定シンボルの数が大きいほど、初期ジャックポット量が大きいジャックポットに対応づけられている、
ことを特徴とする請求項5のゲーミングマシン。
【請求項8】
上記プロセッサは、
上記計数した上記特定シンボルの数が上記所定個数よりも小さい場合は、当該計数した特定シンボルの数に応じて、予め定められた賞を遊技者に付与する、
ことを特徴とする請求項5のゲーミングマシン。
【請求項9】
複数のシンボルを表示するディスプレイと、
複数のジャックポットを記憶するメモリと、
以下の処理を実行するプロセッサと、
(a)単位ゲームの開始を受け付ける処理、
(b)上記単位ゲームの開始を受け付けたことを条件に、上記複数のシンボルの可変表示を行い、その後、上記単位ゲームのゲーム結果として、上記ディスプレイに複数のシンボルを停止する処理、
(c)上記ディスプレイのペイライン上に表示されたシンボルの組合せが、入賞組合せである場合に、当該入賞組合せに対応付けられている賞を付与する処理、
(d)上記ディスプレイに表示された特定シンボルの数を計数する処理、
(e)計数した特定シンボルの数が所定個数以上である場合に、前記メモリに記憶されている複数ジャックポットのうち、上記計数した上記特定シンボルの数に対応したジャックポットを遊技者に付与する処理、
を備えることを特徴とするゲーミングマシン。
【請求項10】
上記単位ゲームの開始を受け付ける条件として所定量のベットがなされたとき、当該所定量の一定割合をジャックポット量として、所定の上記メモリに累積記憶される、
ことを特徴とする請求項9のゲーミングマシン。
【請求項11】
上記それぞれのジャックポットは、
初期ジャックポット量が異なり、
ジャックポットが付与されると、上記初期ジャックポット量に初期化され、
上記計数した上記特定シンボルの数が大きいほど、初期ジャックポット量が大きいジャックポットに対応づけられている、
ことを特徴とする請求項9のゲーミングマシン。
【請求項12】
上記プロセッサは、
上記計数した上記特定シンボルの数が上記所定個数よりも小さい場合は、当該計数した特定シンボルの数に応じて、予め定められた賞を遊技者に付与する、
ことを特徴とする請求項9のゲーミングマシン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2009−39165(P2009−39165A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−204234(P2007−204234)
【出願日】平成19年8月6日(2007.8.6)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】