説明

ゲームプログラム、ゲーム装置及びゲーム方法

【課題】 プレイヤがキャラクタに対する命令を容易かつ迅速に指示することができるようにする。
【解決手段】 本ゲームプログラムによって実現されるゲームでは、複数の形体66にキャラクタに対する命令67,68,69が関連付けられる。そして、軌跡形体40,41,42,43,44が認識される。このとき、軌跡形体40,41,42,43,44の形成範囲に位置するキャラクタ60,61が、選択キャラクタとして選択される。また、軌跡形体40,41,42,43,44が複数の形体66のいずれか1つに一致するか否かが判断される。そして、軌跡形体40,41,42,43,44が複数の形体66のいずれか1つに一致すると判断された場合に、一致した形体に対応する命令が選択キャラクタ60,61に実行される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、特に、接触入力式のモニタにキャラクタが表示されるゲームをコンピュータに実現させるためのゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から種々のビデオゲームが提案されている。種々のビデオゲームは、ゲーム機本体とは独立した入力部たとえばコントローラの各種入力釦やゲーム機本体に一体に設けられた各種入力釦を操作することにより、モニタに表示されたキャラクタに各種の指示を与えることができるようになっている。たとえば、一般的なゲーム装置は、モニタと、モニタとは別体のゲーム機本体と、ゲーム機本体とは別体のコントローラとを有している。コントローラには、複数の入力釦が配置されている。また、携帯型のゲーム装置は、ゲーム機本体と、ゲーム機本体の略中央部に設けられた液晶モニタと、液晶モニタの両側に配置された複数の入力釦とを有している。このようなゲーム装置では、方向指示釦および決定釦等からなる複数の入力釦の少なくともいずれか1つを操作することによって、モニタに表示されたキャラクタに各種の指示を与えることができるようになっている。
【0003】
このように、キャラクタへの指示が入力釦から行われるビデオゲームの1つとして、モニタに選手キャラクタを表示させて競技を行わせる対戦ビデオゲームたとえばサッカーゲームが知られている。このサッカーゲームにおいてプレイヤが選手キャラクタに各種の命令を指示する場合、まず、プレイヤは、方向指示釦を操作することにより、指示対象となる選手キャラクタを選択する。そして、決定釦を操作することにより、指示対象となる選手キャラクタを決定する。次に、プレイヤは、方向指示釦を操作することにより、この選手キャラクタに対する命令をコマンド群から選択する。そして、決定釦を操作することにより、この選手キャラクタに対する命令を決定する。すると、プレイヤは、決定された命令に対応した動作を、この選手キャラクタに実行させることができる。なお、プレイヤが複数の選手キャラクタに各種の命令を指示する場合は、プレイヤが上記と同様の操作を各選手キャラクタに対して個別に実行することによって、プレイヤは、複数の選手キャラクタに命令を指示することができるようになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のサッカーゲームでは、プレイヤが複数の入力釦を操作することによって、プレイヤが選手キャラクタに各種の命令を指示することができるようになっている。このようなサッカーゲームにおいて、プレイヤが所定の命令を対象となる選手キャラクタに的確に指示するためには、プレイヤは、プレイが継続的に実行されている間に、所定の命令を対象となる選手キャラクタにできるだけ早く指示することが望ましい。しかしながら、プレイヤが所定の命令を対象となる選手キャラクタに指示するときには、プレイヤは複数の入力釦を繰り返し操作する必要がある。このため、プレイヤが所定の命令を対象となる選手キャラクタに早く指示しようとすればするほど、プレイヤは入力釦を誤操作してしまうおそれがある。特に、プレイヤが所望の命令を複数の選手キャラクタに指示する場合、命令を指示する選手キャラクタが多くなればなるほど、プレイヤは、複数の入力釦を操作する回数が増加するともに、複数の選手キャラクタへの命令指示を終了するまでに多くの時間を要してしまう。このため、プレイヤは入力釦を誤操作してしまう可能性が高くなるだけでなく、プレイヤから複数の選手キャラクタへの命令が、適切なタイミングで実行できなくなるおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、プレイヤがキャラクタに対する命令を容易かつ迅速に指示することができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係るゲームプログラムは、接触入力式のモニタにキャラクタが表示されるゲームを実現可能なコンピュータに、以下の機能を実現させるためのプログラムである。
【0007】
(1)複数の同じ形体および複数の異なる形体のうち少なくとも1つに、少なくとも1つのキャラクタに対する命令を関連付ける関連付け機能。
【0008】
(2)少なくとも1度指示手段をモニタに接触させモニタ上で移動させたときの軌跡を、軌跡形体又は複数の軌跡形体として認識する形体認識機能。
【0009】
(3)軌跡形体又は複数の軌跡形体の形成範囲に位置する少なくとも1つのキャラクタを、選択キャラクタとして選択するキャラクタ選択機能。
【0010】
(4)軌跡形体が複数の同じ形体および複数の異なる形体のいずれか1つに一致するか否か、又は複数の軌跡形体が複数の同じ形体又は複数の異なる形体に一致するか否かを判断する形体判断機能。
【0011】
(5)軌跡形体が複数の同じ形体および複数の異なる形体のいずれか1つに一致する、又は複数の軌跡形体が複数の同じ形体又は複数の異なる形体に一致すると判断された場合に、一致した形体又は一致した複数の形体に対応する命令を選択キャラクタに実行させる命令実行機能。
【0012】
このプログラムによって実現されるゲームでは、関連付け機能において、複数の同じ形体および複数の異なる形体のうち少なくとも1つに、少なくとも1つのキャラクタに対する命令が関連付けられる。形体認識機能においては、少なくとも1度、指示手段をモニタに接触させモニタ上で移動させたときの軌跡が、軌跡形体又は複数の軌跡形体として認識される。キャラクタ選択機能においては、軌跡形体又は複数の軌跡形体の形成範囲に位置する少なくとも1つのキャラクタが、選択キャラクタとして選択される。形体判断機能においては、軌跡形体が複数の同じ形体および複数の異なる形体のいずれか1つに一致するか否か、又は複数の軌跡形体が複数の同じ形体又は複数の異なる形体に一致するか否かが判断される。命令実行機能においては、軌跡形体が複数の同じ形体および複数の異なる形体のいずれか1つに一致する、又は複数の軌跡形体が複数の同じ形体又は複数の異なる形体に一致すると判断された場合に、一致した形体又は一致した複数の形体に対応する命令を選択キャラクタに実行させる。
【0013】
このゲームプログラムでは、まず、複数の同じ形体および複数の異なる形体のうち少なくとも1つに、少なくとも1つのキャラクタに対する命令が関連付けられる。次に、少なくとも1度、指示手段をモニタに接触させモニタ上で移動させたときの軌跡が、軌跡形体又は複数の軌跡形体として認識される。このとき、軌跡形体又は複数の軌跡形体の形成範囲に位置する少なくとも1つのキャラクタが、選択キャラクタとして選択される。また、軌跡形体が複数の同じ形体および複数の異なる形体のいずれか1つに一致するか否か、又は複数の軌跡形体が複数の同じ形体又は複数の異なる形体に一致するか否かが判断される。そして、軌跡形体が複数の同じ形体および複数の異なる形体のいずれか1つに一致する、又は複数の軌跡形体が複数の同じ形体又は複数の異なる形体に一致すると判断された場合に、一致した形体又は一致した複数の形体に対応する命令が選択キャラクタに実行される。
【0014】
たとえば、サッカーゲームにおいて、攻撃参加命令が、丸図形のような形体に予め関連付けられているとする。そして、チャージング命令が、2つの三角図形のような複数の同じ形体に関連付けられているとする。
【0015】
丸図形が形成できるようにプレイヤが指示手段たとえばタッチペンや指等をモニタ上で移動させると、1つの軌跡形体たとえば丸軌跡図形が認識される。このとき、丸軌跡図形の形成範囲に位置する少なくとも1つの選手キャラクタが、選択選手キャラクタとして選択される。また、丸軌跡図形が認識されたときには、丸軌跡図形が丸図形に一致するか否かが判断され、丸軌跡図形が丸図形に一致すると判断された場合、丸図形に対応する攻撃参加命令を、選択選手キャラクタに実行させることができる。
【0016】
一方で、2つの三角図形が形成できるようにプレイヤがタッチペンをモニタ上で移動させると、複数の軌跡形体たとえば2つの三角軌跡図形が認識される。このとき、2つの三角軌跡図形の形成範囲に位置する少なくとも1つの選手キャラクタが、選択選手キャラクタとして選択される。また、2つの三角軌跡図形が認識されたときには、2つの三角軌跡図形が2つの三角図形に一致するか否かが判断され、2つの三角軌跡図形が2つの三角図形に一致すると判断された場合、2つの三角図形に対応するチャージング命令を、選択選手キャラクタに実行させることができる。
【0017】
このように、本ゲームプログラムでは、プレイヤが、指示手段たとえばタッチペンや指等をモニタ上で移動させ軌跡形体を認識させるだけで、キャラクタの選択とキャラクタに対する命令とを同時に実行することができる。すなわち、プレイヤは、キャラクタに対する命令を容易かつ迅速に指示することができる。
【0018】
請求項2に係るゲームプログラムでは、請求項1のゲームプログラムにおいて、複数の釦からなる入力手段の所定の釦を操作し且つ複数回指示手段をモニタに接触させモニタ上で移動させたときの軌跡が、複数の軌跡形体として認識される。この機能は、形体認識機能において実現される。この場合、複数の釦からなる入力手段の所定の釦を操作することにより、指示手段をモニタに接触させモニタ上で移動させたときの軌跡をモニタ上に複数形成することができ、複数の軌跡形体を認識させることができる。これにより、プレイヤは、複数のキャラクタの選択と複数のキャラクタに対する命令とを、容易かつ迅速に指示することができる。
【0019】
請求項3に係るゲームプログラムでは、請求項1又は2のゲームプログラムにおいて、所定時間内で、複数回、指示手段をモニタに接触させモニタ上で移動させたときの軌跡が、複数の軌跡形体として認識される。この機能は、形体認識機能において実現される。この場合、所定時間内であれば、指示手段をモニタに接触させモニタ上で移動させたときの軌跡をモニタ上に複数形成することができ、複数の軌跡形体を認識させることができる。これにより、プレイヤは、複数のキャラクタの選択と複数のキャラクタに対する命令とを、容易かつ迅速に指示することができる。
【0020】
請求項4に係るゲームプログラムでは、請求項1から3のいずれかのゲームプログラムにおいて、少なくとも一部が軌跡形体の内方に位置する少なくとも1つのキャラクタが、選択キャラクタとして選択される。この機能は、キャラクタ選択機能において実現される。この場合、少なくとも1つのキャラクタの少なくとも一部が軌跡形体の内方に位置していれば、この少なくとも1つのキャラクタを選択キャラクタとして選択することができる。これにより、プレイヤは、キャラクタの選択とキャラクタに対する命令とを、容易かつ迅速に指示することができる。
【0021】
請求項5に係るゲームプログラムは、請求項1から4のいずれかのゲームプログラムにおいて、コンピュータに、以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
(6)複数の釦からなる入力手段の所定の釦を操作することで、関連付け機能により関連付けられた少なくとも1つの形体と命令との関係を、モニタに表示する関連付け表示機能。
【0022】
このプログラムによって実現されるゲームでは、関連付け表示機能において、複数の釦からなる入力手段の所定の釦を操作することで、関連付け機能により関連付けられた少なくとも1つの形体と命令との関係が、モニタに表示される。
【0023】
このゲームプログラムでは、複数の釦からなる入力手段の所定の釦を操作すると、関連付け機能により関連付けられた少なくとも1つの形体と命令との関係が、モニタに表示される。これにより、プレイヤは、入力手段の所定の釦を操作するだけで、関連付け機能により関連付けられた少なくとも1つの形体と命令との関係を、モニタ上で瞬時に確認することができる。このようにしておけば、プレイ中以外では、プレイヤは、利用可能な命令や利用可能な命令と形体との関係をモニタ上で容易に確認することができる。また、プレイ中では、プレイヤは、現在利用可能な命令や現在利用可能な命令と形体との関係をプレイ中に瞬時に確認した後に、キャラクタの選択とキャラクタに対する命令とを、容易かつ迅速に指示することができる。
【0024】
請求項6に係るゲームプログラムは、請求項1から5のいずれかのゲームプログラムにおいて、コンピュータに、以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
(7)命令実行機能により選択キャラクタに実行させる命令を報知するための表示子を、モニタに表示する表示子表示機能。
【0025】
このプログラムによって実現されるゲームでは、表示子表示機能において、命令実行機能により選択キャラクタに実行させる命令を報知するための表示子が、モニタに表示される。このゲームプログラムでは、命令実行機能により選択キャラクタに命令を実行させるときに、命令を報知するための表示子がモニタに表示されるので、プレイヤは、選択キャラクタに指示した命令を、表示子によって確認することができる。
【0026】
請求項7に係るゲームプログラムは、請求項1から6のいずれかのゲームプログラムにおいて、コンピュータに、以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
(8)複数の同じ形体および複数の異なる形体のうち少なくとも1つとキャラクタに対する命令との関連付けを変更可能な関連付け変更機能。
【0027】
このプログラムによって実現されるゲームでは、関連付け変更機能において、複数の同じ形体および複数の異なる形体のうち少なくとも1つとキャラクタに対する命令との関連付けが、変更可能になっている。このゲームプログラムでは、プレイヤが形体とキャラクタに対する命令との関連付けを任意に変更することができるので、プレイヤは、キャラクタに対する命令を判別しやすいような形体を、キャラクタに対する命令に割り当てることができる。これにより、プレイヤは、指示手段をモニタ上で躊躇することなく移動させ軌跡形体を認識させることができ、キャラクタに対する命令を迅速に指示することができる。
【0028】
請求項8に係るゲームプログラムは、請求項1から7のいずれかのゲームプログラムにおいて、コンピュータに、以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
(9)軌跡形体をモニタに表示する軌跡表示機能。
このプログラムによって実現されるゲームでは、軌跡表示機能において、軌跡形体がモニタに表示される。このゲームプログラムでは、指示手段をモニタに接触させモニタ上で移動させたときの軌跡形体がモニタに表示される。これにより、プレイヤは、指示手段により形成された軌跡形体を視覚的に判断することができるので、所望の命令をキャラクタに対して正確に指示することができる。
【0029】
請求項9に係るゲーム装置は、接触入力式のモニタにキャラクタが表示されるゲームを実現可能なゲーム装置である。このゲーム装置は、関連付け手段と、形体認識手段と、キャラクタ選択手段と、形体判断手段と、命令実行手段とを備えている。関連付け手段においては、複数の同じ形体および複数の異なる形体のうち少なくとも1つに、少なくとも1つのキャラクタに対する命令が関連付けられる。形体認識手段においては、少なくとも1度指示手段をモニタに接触させモニタ上で移動させたときの軌跡が、軌跡形体又は複数の軌跡形体として認識される。キャラクタ選択手段においては、軌跡形体又は複数の軌跡形体の形成範囲に位置する少なくとも1つのキャラクタが、選択キャラクタとして選択される。形体判断手段においては、軌跡形体が複数の同じ形体および複数の異なる形体のいずれか1つに一致するか否か、又は複数の軌跡形体が複数の同じ形体又は複数の異なる形体に一致するか否かが判断される。命令実行手段においては、軌跡形体が複数の同じ形体および複数の異なる形体のいずれか1つに一致する、又は複数の軌跡形体が複数の同じ形体又は複数の異なる形体に一致すると判断された場合に、一致した形体又は一致した複数の形体に対応する命令が選択キャラクタに実行される。
【0030】
請求項10に係るゲーム方法は、接触入力式のモニタにキャラクタが表示されるゲームを実現可能なゲーム方法である。このゲーム方法は、関連付けステップと、形体認識ステップと、キャラクタ選択ステップと、形体判断ステップと、命令実行ステップとを備えている。関連付けステップにおいては、複数の同じ形体および複数の異なる形体のうち少なくとも1つに、少なくとも1つのキャラクタに対する命令が関連付けられる。形体認識ステップにおいては、少なくとも1度指示手段をモニタに接触させモニタ上で移動させたときの軌跡が、軌跡形体又は複数の軌跡形体として認識される。キャラクタ選択ステップにおいては、軌跡形体又は複数の軌跡形体の形成範囲に位置する少なくとも1つのキャラクタが、選択キャラクタとして選択される。形体判断ステップにおいては、軌跡形体が複数の同じ形体および複数の異なる形体のいずれか1つに一致するか否か、又は複数の軌跡形体が複数の同じ形体又は複数の異なる形体に一致するか否かが判断される。命令実行ステップにおいては、軌跡形体が複数の同じ形体および複数の異なる形体のいずれか1つに一致する、又は複数の軌跡形体が複数の同じ形体又は複数の異なる形体に一致すると判断された場合に、一致した形体又は一致した複数の形体に対応する命令が選択キャラクタに実行される。
【発明の効果】
【0031】
本発明では、まず、複数の同じ形体および複数の異なる形体のうち少なくとも1つに、少なくとも1つのキャラクタに対する命令が関連付けられる。次に、少なくとも1度、指示手段をモニタに接触させモニタ上で移動させたときの軌跡が、軌跡形体又は複数の軌跡形体として認識される。このとき、軌跡形体又は複数の軌跡形体の形成範囲に位置する少なくとも1つのキャラクタが、選択キャラクタとして選択される。また、軌跡形体が複数の同じ形体および複数の異なる形体のいずれか1つに一致するか否か、又は複数の軌跡形体が複数の同じ形体又は複数の異なる形体に一致するか否かが判断される。そして、軌跡形体が複数の同じ形体および複数の異なる形体のいずれか1つに一致する、又は複数の軌跡形体が複数の同じ形体又は複数の異なる形体に一致すると判断された場合に、一致した形体又は一致した複数の形体に対応する命令が選択キャラクタに実行される。このように、本発明では、プレイヤが、指示手段をモニタ上で移動させ軌跡形体を認識させるだけで、キャラクタの選択とキャラクタに対する命令とを同時に実行することができる。すなわち、プレイヤは、キャラクタに対する命令を容易かつ迅速に指示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
〔ゲーム装置の構成〕
図1は、本発明に係るゲームプログラムを適用しうるコンピュータの一例としての携帯ゲーム機1の外観図である。また、図2は、携帯ゲーム機1の一例としての制御ブロック図である。
【0033】
携帯ゲーム機1は、図1に示すように、主に、本体2と、液晶モニタ部3と、入力部4と、カートリッジ装着部5と、通信部23(図2参照)とを有している。本体2は、上部筐体2aと下部筐体2bとを有している。上部筐体2aと下部筐体2bとは、互いに開閉自在に連結されている。液晶モニタ部3は、上部筐体2aに設けられた第1液晶モニタすなわち上部液晶モニタ3aと、下部筐体2bに設けられた第2液晶モニタすなわち下部液晶モニタ3bとからなっている。ここでは、たとえば、上部液晶モニタ3aが非接触入力式のモニタすなわち非タッチパネル式のモニタになっており、下部液晶モニタ3bが接触入力式のモニタすなわちタッチパネル式のモニタになっている。非タッチパネル式のモニタは液晶パネルからなっており、タッチパネル式のモニタは液晶パネルとタッチパネルとからなっている。タッチパネル式のモニタでは、液晶パネルの表示面とタッチパネルのデータ入力面とは、積層一体型に構成されている。入力部4は、下部筐体2bの左側中央部に配置された十字状の方向指示釦4aと、下部筐体2bの左側上部に左右に配置されたセレクト釦4bおよびスタート釦4cと、下部筐体2bの右側中央部に配置された指示釦4dと、下部筐体2bの右側上部に配置された電源釦4eと、下部筐体2bの左右の隅角部に配置されたL釦4fおよびR釦4gとからなっている。カートリッジ装着部5は下部筐体2bの下部に設けられている。このカートリッジ装着部5には、たとえばゲーム用カートリッジが装着可能になっている。通信部23は、本体2たとえば上部筐体2aに内蔵されている。この通信部23においては、たとえば、ローカルワイヤレスネットーワーク機能や、ワイヤレスLANによるインターネット接続機能等が提供される。なお、ゲーム機1には、音量調整用釦やイヤホンジャック等も設けられているが、これらについては説明を省略する。
【0034】
携帯ゲーム機1は、図2に示すように、制御装置10を内部に有している。制御装置10は、マイクロプロセッサを利用したCPU(Central Processing Unit)11と、主記憶装置としてのROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、画像処理回路14と、サウンド処理回路15と、通信制御回路20とが、バス16を介してそれぞれ接続されている。
【0035】
CPU11は、ゲームプログラムからの命令を解釈し、各種のデータ処理や制御を行う。ROM12は、ゲーム機1の基本的な制御(たとえば起動制御)に必要なプログラム等を格納する。RAM13は、CPU11に対する作業領域を確保する。画像処理回路14は、CPU11からの描画指示に応じて液晶モニタ部3を制御して、上部液晶モニタ3aおよび下部液晶モニタ3bの少なくともいずれか一方に所定の画像を表示する。また、画像処理回路14にはタッチ入力検出回路14aが含まれている。タッチパネルに指示手段たとえばタッチペンや指等を直接的に接触させたときに、接触位置の座標データがタッチ入力検出回路14aからCPU11へと供給され、接触位置がCPU11に認識される。また、液晶パネルに表示された対象物の位置において、タッチパネルに指示手段を直接的に接触させると、対象物の座標データがタッチ入力検出回路14aからCPU11へと供給され、対象物がCPUに認識される。サウンド処理回路15は、CPU11からの発音指示に応じたアナログ音声信号を生成してスピーカ22に出力する。通信制御回路20は、通信部23に含まれており、ゲーム機1を他のゲーム機等にワイヤレスで接続するために用いられる。通信制御回路20は、バス16を介してCPU11に接続されている。通信制御回路20は、CPU11からの命令に応じて、ゲーム機1をローカルワイヤレスネットーワーク又はワイヤレスLANによるインターネットに接続するための接続信号を制御し発信する。
【0036】
バス16には、制御装置10とは別体の外部記憶装置17が接続される。たとえば、外部記憶装置17には本体2たとえば下部筐体2bに着脱自在に装着されるゲーム用カートリッジ等がある。外部記憶装置17の内部には、記憶媒体としてのROM18と、書き換え可能なユーザ用メモリとしてのメモリ19が設けられる。ROM18には、コンピュータとしてのゲーム機1を機能させるためのゲームプログラムと、ゲームプログラムの実行に必要な各種データとが予め記録されている。この各種データには、各種キャラクタ画像データたとえば各種パネル画像データや属性画像データ等が含まれている。メモリ19には、たとえばフラッシュメモリのような書き換え可能なメモリが使用される。このメモリ19には、たとえば、ゲームのセーブデータ等が必要に応じて記録される。なお、外部記憶装置17の記憶媒体には、半導体記憶素子に限らず、磁気記憶媒体、光学式記憶媒体、光磁気記憶媒体等の各種の記憶媒体を使用してもよい。なお、バス16と各要素との間には必要に応じてインターフェース回路が介在しているが、ここではそれらの図示は省略した。
【0037】
以上のような構成のゲーム機1では、外部記憶装置17のROM18に記録されたゲームプログラムがロードされ、ロードされたゲームプログラムがCPU11で実行されることにより、プレイヤは様々なジャンルのゲームを液晶モニタ部3上で遊戯することができる。また、通信制御回路20を介して、ワイヤレスネットワークにゲーム機1を接続したり、他のゲーム機と通信ケーブル等を介して接続したりすることで、他のゲーム機との間でデータのやり取りや対戦型のゲームを行うことができる。
【0038】
〔ゲーム装置における各種処理概要〕
本ゲーム機1において実行されるゲームは、たとえばサッカーゲームである。図3は、本発明で主要な役割を果たす機能すなわち命令システム機能を説明するための機能ブロック図である。
【0039】
本ゲーム機1では、タッチパネル式のモニタに選手キャラクタが表示される。このゲーム機1は、主に、関連付け手段50と、形体認識手段51と、キャラクタ選択手段52と、形体判断手段53と、命令実行手段54と、関連付け表示手段55と、表示子表示手段56と、関連付け変更手段57と、軌跡表示手段58とを備えている。
【0040】
関連付け手段50は、複数の同じ形体および複数の異なる形体のうち少なくとも1つに、少なくとも1つの選手キャラクタに対する命令を関連付ける機能によって実現される手段である。関連付け手段50では、外部記憶装置17たとえばROM18やメモリ19からRAM13へと読み込まれた複数の同じ形体データおよび複数の異なる形体データのうち少なくとも1つに、少なくとも1つの選手キャラクタに対する命令が、CPU11によって関連付けられる。そして、関連付けされた形体データと命令との関係は、RAM13に格納される。
【0041】
形体認識手段51は、少なくとも1度指示手段をモニタに接触させモニタ上で移動させたときの軌跡を、軌跡形体又は複数の軌跡形体として認識する機能によって実現される手段である。
【0042】
形体認識手段51では、指示手段たとえばタッチペンや指等をモニタに接触させモニタ上で移動させると、接触位置の座標データが軌跡座標データとしてタッチ入力検出回路14aからCPU11へと順次供給される。そして、CPU11に順次供給された軌跡座標データに基づいて、指示手段によりモニタ上に形成された軌跡がCPU11に認識される。すると、CPU11に認識された軌跡が、1つめの軌跡形体データとしてCPU11に認識される。ここで、軌跡形体データには、形体データと軌跡座標データとが含まれる。
【0043】
このとき、所定時間内において、再度、指示手段たとえばタッチペンや指等をモニタに接触させモニタ上で移動させると、軌跡座標データがタッチ入力検出回路14aからCPU11へと順次供給される。そして、CPU11に順次供給された軌跡座標データに基づいて、指示手段によりモニタ上に形成された軌跡がCPU11に認識される。すると、CPU11に認識された2つめの軌跡が、2つめの軌跡形体データとしてCPU11に認識される。このように、順次、指示手段をモニタに接触させモニタ上で移動させることによって、複数の軌跡形体データを、CPU11に認識させることができる。
【0044】
また、入力部4の所定の釦たとえばL釦4fが押された状態で、再度、指示手段たとえばタッチペンや指等をモニタに接触させモニタ上で移動させると、軌跡座標データがタッチ入力検出回路14aからCPU11へと順次供給される。そして、CPU11に順次供給された軌跡座標データに基づいて、指示手段によりモニタ上に形成された軌跡がCPU11に認識される。すると、CPU11に認識された2つめの軌跡が、2つめの軌跡形体データとしてCPU11に認識される。このように、順次、指示手段をモニタに接触させモニタ上で移動させることによって、複数の軌跡形体データを、CPU11に認識させることができる。
なお、上記のようにCPU11に認識された軌跡形体データは、CPU11によってRAM13に格納される。
【0045】
キャラクタ選択手段52は、軌跡形体又は複数の軌跡形体の形成範囲に位置する少なくとも1つの選手キャラクタを、選択キャラクタとして選択する機能によって実現される手段である。キャラクタ選択手段52では、軌跡形体データ又は複数の軌跡形体データとに含まれる軌跡座標データとモニタに表示された選手キャラクタの座標データとに基づいて、軌跡形体又は複数の軌跡形体の形成範囲に位置する少なくとも1つの選手キャラクタが、選択キャラクタとしてCPU11に認識され選択される。たとえば、少なくとも1つの選手キャラクタの座標データが、1つの軌跡形体データに含まれる軌跡座標データ又は複数の軌跡形体データそれぞれに含まれる軌跡座標データの内方に位置する場合に、少なくとも1つの選手キャラクタが、選択キャラクタとしてCPU11に認識され選択される。
【0046】
形体判断手段53は、軌跡形体が複数の同じ形体および複数の異なる形体のいずれか1つに一致するか否か、又は複数の軌跡形体が複数の同じ形体又は複数の異なる形体に一致するか否かを判断する機能によって実現される手段である。形体判断手段53では、1つの軌跡形体データが複数の同じ形体データおよび複数の異なる形体データのいずれか1つに一致するか否かが、CPU11によって判断される。また、形体判断手段53では、複数の軌跡形体データが複数の同じ形体データ又は複数の異なる形体データに一致するか否かが、CPU11によって判断される。
【0047】
命令実行手段54は、軌跡形体が複数の同じ形体および複数の異なる形体のいずれか1つに一致する、又は複数の軌跡形体が複数の同じ形体又は複数の異なる形体に一致すると判断された場合に、一致した形体又は一致した複数の形体に対応する命令を選択キャラクタに実行させる機能によって実現される手段である。命令実行手段54では、軌跡形体データが複数の同じ形体データおよび複数の異なる形体データのいずれか1つに一致すると、CPU11により判断された場合に、CPU11は、一致した形体データに対応する命令を、選択キャラクタに実行させる。また、命令実行手段54では、複数の軌跡形体データが複数の同じ形体データ又は複数の異なる形体データに一致すると、CPU11により判断された場合に、CPU11は、一致した複数の形体データに対応する命令を、選択キャラクタに実行させる。
【0048】
関連付け表示手段55は、複数の釦からなる入力手段の所定の釦を操作することで、関連付け手段50により関連付けられた少なくとも1つの形体と命令との関係を、モニタに表示する機能によって実現される手段である。関連付け表示手段55では、複数の釦からなる入力部4の所定の釦を操作することで、CPU11により関連付けられた、少なくとも1つの形体データと命令との対応関係が、CPU11によりRAM13からモニタへと供給され、たとえばテーブル化されたコマンド一覧としてモニタに表示される。
【0049】
表示子表示手段56は、命令実行手段54により選択キャラクタに実行させる命令を報知するための表示子を、モニタに表示する機能によって実現される手段である。表示子表示手段56では、外部記憶装置17たとえばROM18やメモリ19に格納された表示子が、CPU11からの命令に基づいて、RAM13に読み込まれ、モニタに表示される。この表示子は、選択キャラクタに実行させる命令を報知するためのものである。たとえば、表示子は、CPU11が選択キャラクタに実行させる命令に対応したアイコン等からなる。
【0050】
関連付け変更手段57は、複数の同じ形体および複数の異なる形体のうち少なくとも1つと選手キャラクタに対する命令との関連付けを変更可能な機能によって実現される手段である。関連付け変更手段57では、複数の同じ形体データおよび複数の異なる形体データのうち少なくとも1つと選手キャラクタに対する命令との関連付けが、入力部4の複数の釦および指示手段の少なくともいずれか1つからの入力信号に応じて、CPU11より変更される。
【0051】
軌跡表示手段58は、軌跡形体をモニタに表示する機能によって実現される手段である。軌跡表示手段58では、指示手段たとえばタッチペンや指等をモニタに接触させモニタ上で移動させたときの軌跡座標データに基づいて、指示手段により形成された軌跡形体がモニタに表示される。
【0052】
〔サッカーゲームの命令システムの概要〕
次に、本実施形態におけるサッカーゲームの命令システムについて、具体的に説明する。
本サッカーゲームにおいては、タッチパネル式のモニタに選手キャラクタが表示される。たとえば、非タッチパネル式のモニタである上部液晶モニタ3aには、フィールドに配置された選手キャラクタが表示される(図示しない)。また、タッチパネル式のモニタである下部液晶モニタ3bの上部には、図4に示すように、ボールキャラクタ近傍の選手キャラクタ60,61,70,71が表示される。そして、下部液晶モニタ3bの下部には、フィールドに配置された選手キャラクタのプレイ位置を示すための全体マップ80が表示されている。全体マップでは、選手キャラクタが、選手キャラクタ表示子たとえば選手キャラクタアイコン81で表示されている。
【0053】
本発明における命令システムは、タッチパネル式のモニタである下部液晶モニタ3bに表示された選手キャラクタ60,61,70,71に対して機能する。この命令システムでは、プレイヤが、指示手段75たとえばタッチペン75や指等を下部液晶モニタ3bに接触させることによって、各種の命令を選手キャラクタ60,61,70,71に指示することができる。
【0054】
このゲームにおいては、形体たとえば図形や記号等と選手キャラクタに対する命令とが関連付けられている。このような関連付けは、たとえば、図5に示す関連テーブル65のようになっている。なお、このような形体66と命令67,68,69との関係は、サッカーの試合がスタートする前に、プレイヤが任意に変更することができるようになっている(図11を参照:S1とS2との間で変更可能)。
【0055】
図5に示すように、対象となる選手キャラクタが1つである場合、たとえば、1つの丸図形には攻撃参加命令、1つの三角図形には守備専念命令、1つの矩形図形にはプレス命令、1つのスクラッチ図形には選手キャラクタごとに登録された特殊技を発動させるためのスペシャル命令が関連付けられている。特殊技には、たとえばマルセイユ・ルーレット等がある。そして、対象となる選手キャラクタが1つである場合、たとえば、1つの「D」記号には直接シュート(セットプレイ時)、1つの「C」記号にはセンタリング(セットプレイ時)、1つの「S」記号にはショートコーナー(セットプレイ時)、1つの「×」記号には命令取り消し命令が関連付けられている。
【0056】
また、対象となる選手キャラクタが複数である場合、たとえば、1つの丸図形にはカウンターアタック命令やサイドアタック命令、1つの三角図形にはオフサイドトラップ命令やスローアタック命令、1つの矩形図形にはゾーンプレス命令が関連付けられている。ここで、1つの図形に複数の命令が関連付けられているものについては、選手キャラクタのプレイ状況に応じて、複数の命令のいずれか1つがCPU11により選択される。
【0057】
さらに、複数の図形又は複数の記号たとえば2つの図形又は2つの記号においては、2つの丸図形にはドリブルでフェイント突破命令、2つの三角図形にはチャージング命令、2つの矩形図形にはスライディングチャージ命令、2つの「×」記号には全命令取り消し命令が関連付けられている。なお、この場合の関連付けは、対象となる選手キャラクタが1つであっても複数であっても適用される。
【0058】
図4では、プレイヤが指揮する選手キャラクタ60,61が、下部液晶モニタ3bの中央部および左側上方部に表示されている。そして、相手プレイヤたとえばAI(Artificial Intelligence)プレイヤが指揮する選手キャラクタ70,71が、下部液晶モニタ3bの右側部および左側下方部に表示されている。
【0059】
たとえば、図6に示すように、下部液晶モニタ3bの中央部に位置する選手キャラクタ60を円形で囲めるようにタッチペン75を移動させると、モニタ上でタッチペン75を接触移動させることにより形成された丸軌跡図形40が、下部液晶モニタ3bに表示される。すると、丸軌跡図形40の形成範囲たとえば内方に位置する選手キャラクタ60が、選択キャラクタとして選択される。そして、関連テーブル65が参照され、丸軌跡図形40が関連テーブル65の図形に一致した場合、一致した図形ここでは丸図形に対応する攻撃参加命令を、選択キャラクタ60に実行させることができる。このとき、攻撃参加命令が選手キャラクタ60に受け付けられたことを報知する表示子85たとえば「攻撃参加」という文字表示子がモニタに表示される。なお、表示子85は、文字ではなく、命令を表現するアイコンであっても良い。また、表示子85は、文字とアイコンの両方で表現しても良い。
【0060】
たとえば、図7に示すように、下部液晶モニタ3bの中央部に位置する選手キャラクタ60に対してタッチペン75をスクラッチ移動させる。このとき、タッチペン75をモニタ上で所定時間内に複数回往復(たとえば2往復/秒)させることができれば、スクラッチ移動させることにより形成されたスクラッチ軌跡図形41が、下部液晶モニタ3bに表示される。すると、スクラッチ軌跡図形41の形成範囲たとえば内方に位置する選手キャラクタ60が、選択キャラクタとして選択される。そして、関連テーブル65が参照され、スクラッチ軌跡図形41が関連テーブル65の図形に一致した場合、一致した図形ここではスクラッチ図形に対応するスペシャル命令を、選択キャラクタ60に実行させることができる。このとき、スペシャル命令が選手キャラクタ60に受け付けられたことを報知する表示子85たとえば「スペシャル」という文字表示子がモニタに表示される。なお、表示子は、文字ではなく、命令を表現するアイコンであっても良い。また、表示子85は、文字とアイコンの両方で表現しても良い。
【0061】
たとえば、図8に示すように、所定時間内で、下部液晶モニタ3bの中央部に位置する選手キャラクタ60を2つの円形で囲めるようにタッチペン75を2度接触移動させると、モニタ上でタッチペン75を接触移動させることにより形成された2つの丸軌跡図形42が、下部液晶モニタ3bに表示される。すると、2つの丸軌跡図形42の形成範囲たとえば内方に位置する選手キャラクタ60が、選択キャラクタとして選択される。そして、関連テーブル65が参照され、2つの丸軌跡図形42が関連テーブル65の図形に一致した場合、一致した図形ここでは2つの丸図形に対応するドリブルでフェイント突破命令を、選択キャラクタ60に実行させることができる。このとき、攻撃参加命令が選手キャラクタ60に受け付けられたことを報知する表示子85たとえば「D&F」(ドリブルでフェイント)という文字表示子がモニタに表示される。なお、表示子は、文字ではなく、命令を表現するアイコンであっても良い。また、表示子85は、文字とアイコンの両方で表現しても良い。
【0062】
たとえば、図9に示すように、下部液晶モニタ3bの中央部および左側上方部に位置する2つの選手キャラクタ60,61を三角形で一括に囲めるようにタッチペン75を移動させると、モニタ上でタッチペン75を接触移動させることにより形成された三角軌跡図形43が、下部液晶モニタ3bに表示される。すると、三角軌跡図形43の形成範囲たとえば内方に位置する2つの選手キャラクタ60,61が、選択キャラクタとして選択される。そして、関連テーブル65が参照され、三角軌跡図形43が関連テーブル65の図形に一致した場合、一致した図形ここでは三角図形に対応するスローアタック命令を、2つの選択キャラクタ60,61に同時に実行させることができる。このとき、スローアタック命令が選手キャラクタ60,61に受け付けられたことを報知する表示子85たとえば「スローアタック」という文字表示子がモニタに表示される。なお、表示子は、文字ではなく、命令を表現するアイコンであっても良い。また、表示子85は、文字とアイコンの両方で表現しても良い。
【0063】
たとえば、入力部4の所定の釦たとえばL釦4fが押された状態で、図10に示すように、下部液晶モニタ3bの中央部および左側上方部に位置する2つの選手キャラクタ60,61を円形で囲めるようにタッチペン75を順次移動させると、モニタ上でタッチペン75を順次接触移動させることにより形成された2つの丸軌跡図形44が、下部液晶モニタ3bに表示される。すると、2つの丸軌跡図形44の形成範囲たとえば内方に位置する2つの選手キャラクタ60,61が、選択キャラクタとして選択される。そして、関連テーブル65が参照され、2つの丸軌跡図形44が関連テーブル65の図形に一致した場合、一致した図形ここでは2つの丸図形に対応するカウンターアタック命令を、2つの選択キャラクタ60,61に同時に実行させることができる。このとき、カウンターアタック命令が選手キャラクタ60,61に受け付けられたことを報知する表示子85たとえば「カウンターアタック」という文字表示子がモニタに表示される。なお、表示子は、文字ではなく、命令を表現するアイコンであっても良い。また、表示子85は、文字とアイコンの両方で表現しても良い。
【0064】
なお、プレイヤは、上記のように選択キャラクタ60,61に指示される各種の命令を、全体マップに表示された選手キャラクタアイコン81に対しても指示することができる。また、プレイヤは、上記のように選択キャラクタ60,61に指示された各種の命令を、「×」記号に対応する取り消し命令よって取り消すことができる。このとき、取り消し命令が選手キャラクタに受け付けられたことを報知する表示子たとえば「取り消し」という文字表示子や「×」というアイコンを、モニタに表示するようにしても良い。さらに、プレイヤは、入力部4の所定の釦たとえばセレクト釦4bを押すことで、関連テーブル65をモニタに表示することができる。さらに、各種の命令が選手キャラクタに受け付けられたことを、軌跡図形40,41,42,43,44や軌跡記号の点滅やサイズ変更および効果音等の少なくともいずれか1つの報知機能によって、プレイヤに報知するようにしても良い。
【0065】
〔サッカーゲームの命令システム実行時の処理フロー〕
本実施形態におけるサッカーゲームの命令システムの各種処理概要を、図11に示すフローチャートを用いて説明する。
このサッカーゲームでは、サッカーの試合がスタートすると、命令システムを機能させるために、複数の同じ形体および複数の異なる形体のうち少なくとも1つに、少なくとも1つの選手キャラクタに対する命令が関連付けられている(S1)。
【0066】
まず、プレイヤがタッチペン75を下部液晶モニタ3bに接触させ下部液晶モニタ3b上で移動させると、タッチペン75を接触移動させたときの軌跡が、軌跡形体データ40,41,43又は複数の軌跡形体データ42,44として認識される(S2)。すると、軌跡形体データ40,41,43又は複数の軌跡形体データ42,44の形成範囲に位置する少なくとも1つの選手キャラクタ60,61が、選択キャラクタとして選択される(S3)。
【0067】
次に、軌跡形体データ40,41,43が複数の同じ形体データおよび複数の異なる形体データのいずれか1つに一致するか否か、又は複数の軌跡形体データ42,44が複数の同じ形体データ又は複数の異なる形体データに一致するか否かが、判断される(S4)。このとき、軌跡形体データ40,41,43が複数の同じ形体データおよび複数の異なる形体データのいずれか1つに一致する、又は複数の軌跡形体データ42,44が複数の同じ形体データ又は複数の異なる形体データに一致すると判断された場合(S4でYes)、一致した形体データ又は一致した複数の形体データに対応する命令67,68,69を、選択キャラクタ60,61に実行させる(S5)。そして、命令が選手キャラクタ60,61に受け付けられたことを報知する表示子85が下部液晶モニタ3bに表示される(S6)。一方で、軌跡形体データ40,41,43が複数の同じ形体データおよび複数の異なる形体データのいずれか1つに一致しない、又は複数の軌跡形体データ42,44が複数の同じ形体データ又は複数の異なる形体データに一致しないと判断された場合(S4でNo)、選択キャラクタ60,61は一連のプレイを継続して続行する(S7)。
【0068】
最後に、選手キャラクタがプレイを実行中であるか否かが判断され(S8)、選手キャラクタがプレイを実行中であると判断された場合(S8でYes)、指示手段たとえばタッチペン75からの次なる命令指示を待機した状態になる(S2)。一方で、選手キャラクタがプレイを実行中でないと判断された場合(S8でNo)、命令システムは停止又は終了する(S9)。
なお、上記のような命令システムの処理の実行中に(S1〜S9)、入力部4の所定の釦たとえばセレクト釦4bが押されると、関連テーブル65がモニタに表示される。
【0069】
〔他の実施形態〕
(a) 前記実施形態では、ゲームプログラムを適用しうるコンピュータの一例としての携帯ゲーム機1を用いた場合の例を示したが、ゲーム装置は、前記実施形態に限定されず、複数のモニタが別体に構成されたゲーム装置、複数のモニタがゲーム装置本体に一体に構成された業務用ゲーム装置、ゲームプログラムを実行することによってゲーム装置として機能するパーソナルコンピュータやワークステーションなどにも同様に適用することができる。
【0070】
(b) 本発明には、前述したようなゲームを実行するプログラムおよびこのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も含まれる。この記録媒体としては、カートリッジ以外に、たとえば、コンピュータ読み取り可能なフレキシブルディスク、半導体メモリ、CD−ROM、DVD、MO、ROMカセット、その他のものが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明に係るゲームプログラムを適用しうるコンピュータの一例としての携帯ゲーム機の外観図。
【図2】前記携帯ゲーム機の一例としての制御ブロック図。
【図3】前記携帯ゲーム機の一例としての機能ブロック図。
【図4】タッチパネル式のモニタに表示される各種キャラクタを説明するための図。
【図5】命令システムにおける関連テーブルを説明するための図。
【図6】命令システムにおいて、1つの丸軌跡図形によって命令を選択キャラクタに指示する場合の例を説明するための図。
【図7】命令システムにおいて、スクラッチ軌跡図形によって命令を選択キャラクタに指示する場合の例を説明するための図。
【図8】命令システムにおいて、2つの丸軌跡図形によって命令を選択キャラクタに指示する場合の例を説明するための図。
【図9】命令システムにおいて、三角軌跡図形によって命令を複数の選択キャラクタに指示する場合の例を説明するための図。
【図10】命令システムにおいて、2つの丸軌跡図形によって命令を複数の選択キャラクタに指示する場合の例を説明するための図。
【図11】命令システムを説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
【0072】
1 携帯ゲーム機
3 液晶モニタ部
3a 上部液晶モニタ(非タッチパネル式のモニタ)
3b 下部液晶モニタ(タッチパネル式のモニタ)
4 入力部(入力手段)
60,61 選手キャラクタ,選択キャラクタ
65 関連テーブル
66 形体
67,68,69 命令
75 タッチペン(指示手段)
85 表示子
40 丸軌跡図形(軌跡形体)
41 スクラッチ軌跡図形(軌跡形体)
42 2つの丸軌跡図形(複数の軌跡形体)
43 三角軌跡図形
44 2つの丸軌跡図形(複数の軌跡形体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接触入力式のモニタにキャラクタが表示されるゲームを実現可能なコンピュータに、
複数の同じ形体および複数の異なる形体のうち少なくとも1つに、少なくとも1つの前記キャラクタに対する命令を関連付ける関連付け機能と、
少なくとも1度指示手段を前記モニタに接触させ前記モニタ上で移動させたときの軌跡を、軌跡形体又は複数の軌跡形体として認識する形体認識機能と、
前記軌跡形体又は複数の前記軌跡形体の形成範囲に位置する少なくとも1つのキャラクタを、選択キャラクタとして選択するキャラクタ選択機能と、
前記軌跡形体が複数の同じ前記形体および複数の異なる前記形体のいずれか1つに一致するか否か、又は複数の前記軌跡形体が複数の同じ前記形体又は複数の異なる前記形体に一致するか否かを判断する形体判断機能と、
前記軌跡形体が複数の同じ前記形体および複数の異なる前記形体のいずれか1つに一致する、又は複数の前記軌跡形体が複数の同じ前記形体又は複数の異なる前記形体に一致すると判断された場合に、一致した前記形体又は一致した複数の前記形体に対応する前記命令を前記選択キャラクタに実行させる命令実行機能と、
を実現させるためのゲームプログラム。
【請求項2】
前記形体認識機能では、複数の釦からなる入力手段の所定の前記釦を操作し且つ複数回前記指示手段を前記モニタに接触させ前記モニタ上で移動させたときの軌跡が、複数の前記軌跡形体として認識される、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記形体認識機能では、所定時間内において、複数回前記指示手段を前記モニタに接触させ前記モニタ上で移動させたときの軌跡が、複数の軌跡形体として認識される、
請求項1又は2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記キャラクタ選択機能では、少なくとも一部が前記軌跡形体の内方に位置する少なくとも1つのキャラクタが、前記選択キャラクタとして選択される、
請求項1から3のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記コンピュータに、
複数の釦からなる入力手段の所定の前記釦を操作することで、関連付け機能により関連付けられた少なくとも1つの前記形体と前記命令との関係を、前記モニタに表示する関連付け表示機能を、
さらに実現させるための請求項1から4のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記コンピュータに、
前記命令実行機能により前記選択キャラクタに実行させる前記命令を報知するための表示子を、前記モニタに表示する表示子表示機能を、
さらに実現させるための請求項1から5のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記コンピュータに、
複数の同じ前記形体および複数の異なる前記形体のうち少なくとも1つと前記キャラクタに対する前記命令との関連付けを変更可能な関連付け変更機能を、
さらに実現させるための請求項1から6のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項8】
前記コンピュータに、
前記軌跡形体をモニタに表示する軌跡表示機能を、
さらに実現させるための請求項1から7のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項9】
接触入力式のモニタにキャラクタが表示されるゲームを実現可能なゲーム装置であって、
複数の同じ形体および複数の異なる形体のうち少なくとも1つに、少なくとも1つの前記キャラクタに対する命令を関連付ける関連付け手段と、
少なくとも1度指示手段を前記モニタに接触させ前記モニタ上で移動させたときの軌跡を、軌跡形体又は複数の軌跡形体として認識する形体認識手段と、
前記軌跡形体又は複数の前記軌跡形体の形成範囲に位置する少なくとも1つのキャラクタを、選択キャラクタとして選択するキャラクタ選択手段と、
前記軌跡形体が複数の同じ前記形体および複数の異なる前記形体のいずれか1つに一致するか否か、又は複数の前記軌跡形体が複数の同じ前記形体又は複数の異なる前記形体に一致するか否かを判断する形体判断手段と、
前記軌跡形体が複数の同じ前記形体および複数の異なる前記形体のいずれか1つに一致する、又は複数の前記軌跡形体が複数の同じ前記形体又は複数の異なる前記形体に一致すると判断された場合に、一致した前記形体又は一致した複数の前記形体に対応する前記命令を前記選択キャラクタに実行させる命令実行手段と、
を備えるゲーム装置。
【請求項10】
接触入力式のモニタにキャラクタが表示されるゲームを実現可能なゲーム方法であって、
複数の同じ形体および複数の異なる形体のうち少なくとも1つに、少なくとも1つの前記キャラクタに対する命令を関連付ける関連付けステップと、
少なくとも1度指示手段を前記モニタに接触させ前記モニタ上で移動させたときの軌跡を、軌跡形体又は複数の軌跡形体として認識する形体認識ステップと、
前記軌跡形体又は複数の前記軌跡形体の形成範囲に位置する少なくとも1つのキャラクタを、選択キャラクタとして選択するキャラクタ選択ステップと、
前記軌跡形体が複数の同じ前記形体および複数の異なる前記形体のいずれか1つに一致するか否か、又は複数の前記軌跡形体が複数の同じ前記形体又は複数の異なる前記形体に一致するか否かを判断する形体判断ステップと、
前記軌跡形体が複数の同じ前記形体および複数の異なる前記形体のいずれか1つに一致する、又は複数の前記軌跡形体が複数の同じ前記形体又は複数の異なる前記形体に一致すると判断された場合に、一致した前記形体又は一致した複数の前記形体に対応する前記命令を前記選択キャラクタに実行させる命令実行ステップと、
を備えるゲーム方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−122407(P2006−122407A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−315538(P2004−315538)
【出願日】平成16年10月29日(2004.10.29)
【出願人】(000105637)コナミ株式会社 (106)
【Fターム(参考)】