コネクタユニットおよび電子機器
【課題】コネクタの破損を確実に回避することができるコネクタユニットおよび電子機器を提供する。
【解決手段】第1コネクタ27は第1部材45の進入時に収容空間31内に配置される。第1コネクタ27は、第1部材45に固定される第1種類のコネクタを受け止める。その一方で、第2コネクタ32は第2部材の進入時に収容空間31内に配置される。第2コネクタ32は、第2部材に固定される第2種類のコネクタを受け止める。第1コネクタ27には第2部材の第2種類のコネクタが誤って接触することはない。第2コネクタ32には第1部材45の第1種類のコネクタが誤って接触することはない。コネクタ27、32の破損は確実に回避される。しかも、第1部材45および第2部材は1の開口から差し込まれることができる。コネクタユニット21の利用者は開口25を確認する手間を省くことができる。コネクタユニット21の使いやすさは飛躍的に向上する。
【解決手段】第1コネクタ27は第1部材45の進入時に収容空間31内に配置される。第1コネクタ27は、第1部材45に固定される第1種類のコネクタを受け止める。その一方で、第2コネクタ32は第2部材の進入時に収容空間31内に配置される。第2コネクタ32は、第2部材に固定される第2種類のコネクタを受け止める。第1コネクタ27には第2部材の第2種類のコネクタが誤って接触することはない。第2コネクタ32には第1部材45の第1種類のコネクタが誤って接触することはない。コネクタ27、32の破損は確実に回避される。しかも、第1部材45および第2部材は1の開口から差し込まれることができる。コネクタユニット21の利用者は開口25を確認する手間を省くことができる。コネクタユニット21の使いやすさは飛躍的に向上する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PCカードを接続するコネクタユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
PCMCIAカードやExpressCard(以下、「エクスプレスカード」)は広く知られる。PCMCIAカードの規格やエクスプレスカードの規格は業界団体PCMCIAに基づき策定される。
【0003】
ノートブックパーソナルコンピュータ(以下、「ノートパソコン」)には、PCMCIAカードのための差し込み口と、エクスプレスカードのための差し込み口とが個別に形成される。個々の差し込み口内にはPCMCIAカードやエクスプレスカードに固有のコネクタが配置される。PCMCIAカードに固定されるコネクタやエクスプレスカードに固定されるコネクタはそれぞれ固有のコネクタに接続される。こうしてノートパソコンの機能は拡張される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
PCMCIAカード用の差し込み口の幅と、エクスプレスカード用の差し込み口の幅とは同一の大きさに設定される。したがって、ノートパソコンの利用者は差し込み口を判別しづらい。例えばエクスプレスカードがPCMCIAカード用の差し込み口に差し込まれてしまうと、エクスプレスカードのコネクタはPCMCIAカード用のコネクタに誤って接触してしまう。コネクタは破損してしまう。
【0005】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、コネクタの破損を確実に回避することができるコネクタユニットおよび電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明によれば、開口から第1および第2部材のいずれか一方を受け入れる収容空間を区画する本体と、第1部材の進入時に収容空間内に配置され、第1部材に固定される第1種類のコネクタを受け止める第1コネクタと、第2部材の進入時に収容空間内に配置され、第2部材に固定される第2種類のコネクタを受け止める第2コネクタとを備えることを特徴とするコネクタユニットが提供される。
【0007】
こうしたコネクタユニットでは、本体の収容空間には開口から第1および第2部材のいずれか一方が受け入れられる。第1コネクタは第1部材の進入時に収容空間内に配置される。第1コネクタは、第1部材に固定される第1種類のコネクタを受け止める。その一方で、第2コネクタは第2部材の進入時に収容空間内に配置される。第2コネクタは、第2部材に固定される第2種類のコネクタを受け止める。したがって、第1コネクタには第2部材の第2種類のコネクタが誤って接触することはない。同様に、第2コネクタには第1部材の第1種類のコネクタが誤って接触することはない。コネクタの破損は確実に回避されることができる。しかも、第1および第2部材は1の開口から差し込まれることができる。コネクタユニットの利用者は開口を確認する手間を省くことができる。コネクタユニットの使いやすさは飛躍的に向上する。
【0008】
こうしたコネクタユニットは、第2部材の進入を検知する検知部材と、第2部材の進入の検知に応じて収容空間に第2コネクタを進入させる駆動機構とをさらに備えてもよい。こうしたコネクタユニットでは、検知部材の働きで第2部材の進入は検知される。第2部材の進入の検知に応じて駆動機構は収容空間に第2コネクタを進入させる。したがって、第2部材の第2種類のコネクタは第2コネクタに受け止められることができる。第2部材と第1コネクタとの接触は確実に回避されることができる。コネクタの破損は確実に回避されることができる。
【0009】
その一方で、コネクタユニットは、第1部材の進入を検知する検知部材と、第1部材の進入の検知に応じて収容空間から第2コネクタを立ち退かせる駆動機構とをさらに備えればよい。こうしたコネクタユニットでは、前述とは反対に、検知部材の働きで第1部材の進入は検知される。第1部材の進入の検知に応じて駆動機構は収容空間から第2コネクタを立ち退かせる。したがって、第1部材の第1種類のコネクタは第1コネクタに受け止められることができる。第1部材と第2コネクタとの接触は確実に回避されることができる。コネクタの破損は確実に回避されることができる。
【0010】
以上のようなコネクタユニットは例えば電子機器に組み込まれることができる。この電子機器は、筐体と、筐体に区画される開口から第1および第2部材のいずれか一方を受け入れる収容空間を区画する本体と、第1部材の進入時に収容空間内に配置され、第1部材に固定される第1種類のコネクタを受け止める第1コネクタと、第2部材の進入時に収容空間内に配置され、第2部材に固定される第2種類のコネクタを受け止める第2コネクタとを備えればよい。
【発明の効果】
【0011】
以上のように本発明によれば、コネクタの破損を確実に回避することができるコネクタユニットおよび電子機器は提供されることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態を説明する。
【0013】
図1は本発明に係る電子機器の一具体例すなわちノートブックパーソナルコンピュータ(以下、「ノートパソコン」)11の構造を概略的に示す。このノートパソコン11は、第1筐体すなわち本体筐体12と、本体筐体12に連結される第2筐体すなわちディスプレイ用筐体13とを備える。本体筐体12やディスプレイ用筐体13は例えばポリカーボネートといった強化樹脂材料から構成されればよい。
【0014】
本体筐体12には例えばマザーボードが組み込まれる。マザーボード上には例えばCPU(中央演算処理装置)やメモリといった電子回路素子が搭載される。CPUは、例えばメモリに一時的に格納されるソフトウェアプログラムやデータに基づき様々な演算処理を実行する。ソフトウェアプログラムやデータは、同様に本体筐体12内に収容されるハードディスク駆動装置(HDD)といった大容量記憶装置に格納されればよい。
【0015】
本体筐体12にはキーボード14や入力ボタン15といった入力装置が組み込まれる。こういった入力装置14、15の働きでノートパソコン11の使用者はCPUに向けて様々な指令やデータを入力することができる。
【0016】
ディスプレイ用筐体13には、例えば液晶ディスプレイ(LCD)パネル16といった平面ディスプレイパネルが組み込まれる。LCDパネル16の表示画面はディスプレイ用筐体13の表面に露出する。表示画面にはCPUの演算処理に基づき様々なテキストやグラフィックスが表示されることができる。
【0017】
ディスプレイ用筐体13は、本体筐体12の一端に設定される回転軸17回りで回転自在に本体筐体12に結合される。こうしてディスプレイ用筐体13は本体筐体12に対して相対的に回転移動することができる。こういった回転移動に基づきディスプレイ用筐体13は本体筐体12に重ね合わせられることができる。
【0018】
本体筐体12にはPCカード用の開口すなわち差し込み口18が形成される。図2に示されるように、差し込み口18にはコネクタユニット21の前端が臨む。コネクタユニット21は本体筐体12の収容空間に収容される。コネクタユニット21には、後述されるように、差し込み口18からPCMCIAカードといった従来規格のPCカードやエクスプレスカード(ExpressCard)といった新規格のPCカードが差し込まれることができる。
【0019】
図3は本発明の第1実施形態に係るコネクタユニット21の外観を概略的に示す。コネクタユニット21は本体22を備える。本体22は、例えば本体筐体12の底板に固定されるプリント基板23と、プリント基板23上に実装されるカバー24とを備える。プリント基板23は前述のマザーボードに接続される。
【0020】
カバー24は、プリント基板23から直立する1対の直立壁24a、24aと、直立壁24a、24aを接続する天板24bとから構成される。直立壁24a、24a同士は平行に広がる。こうしてプリント基板23およびカバー24はPCカードの収容空間を区画する。収容空間の前端にはPCカード用の開口すなわち進入口25が区画される。進入口25は本体筐体12の差し込み口18に向き合わせられる。
【0021】
一方の直立壁24aには開口26が区画される。開口26内にはエクスプレスカード接続用のコネクタ27が外向きに配置される。コネクタ27は本発明の第2コネクタを構成する。コネクタ27は直立壁24aに沿って配置される。こうしてコネクタ27は本体22の収容空間の外側に配置される。コネクタ27は例えばフレキシブルプリント基板(図示されず)に基づきプリント基板23に接続されればよい。
【0022】
直立壁24a、24aの前端の前方にはフック部材28、28が配置される。フック部材28は、差し込み口18および進入口25の間に区画される空間に配置される。フック部材28には弾性伸縮部材すなわちコイルばね29が連結される。コイルばね29の弾性力の働きでフック部材28、28同士は相互に近づいたり遠ざかったりすることができる。こうしたフック部材28は例えば本体筐体12の内壁面に沿って配置されればよい。
【0023】
図4に示されるように、本体22の収容空間31にはPCMCIAカード接続用のコネクタ32が配置される。コネクタ32は進入口25に向き合わせられる。コネクタ32は本発明の第1コネクタを構成する。コネクタ32は例えば収容空間31の後端に沿って配置されればよい。コネクタ32は例えばプリント基板23上に実装されればよい。コネクタ32から延びる突片や導電端子はプリント基板23上の導電パターンに例えばはんだ付けされればよい。
【0024】
収容空間31には進入口25から後方に向かって相互に平行に延びる1対の案内部材33、33が収容される。案内部材33は直立壁24aの内壁面に沿って延びる。前述の開口26を区画する直立壁24aに沿って延びる案内部材33は開口26の前端よりも前方に後端を規定する。案内部材33、33同士の間には所定の間隔が確保される。この間隔はPCMCIAカードの幅や54mm幅のエクスプレスカードの幅に相当する。
【0025】
案内部材33、33には相互に向き合わせられる対向面に長溝34、34が形成される。長溝34は案内部材33の長手方向の全長にわたって形成されればよい。長溝34はPCMCIAカードの側端やエクスプレスカードの側端を受け入れる。案内部材33、33の働きでPCMCIAカードやエクスプレスカードはプリント基板23の表面に沿って収容空間31内を移動することができる。
【0026】
前述のコネクタ27は回転部材35に取り付けられる。回転部材35は、その一端に区画される回転軸36回りで回転移動することができる。回転軸36はプリント基板23の表面に直交する垂直方向に規定される。こうしてコネクタ27は、収容空間31から立ち退いて直立壁24aに沿って配置される第1位置と、収容空間31に進入してコネクタ32の前端に沿って配置される第2位置との間で揺動する。第2位置ではコネクタ27はコネクタ32および進入口25の間に配置される。
【0027】
回転部材35にはねじりコイルばね(図示されず)が連結される。ねじりコイルばねのコイルの中心軸は回転軸36に一致する。その結果、ねじりコイルばねは回転軸36回りに駆動力を発揮する。こうした駆動力は回転部材35を収容空間31外から収容空間31内に向かって回転移動させる。すなわち、駆動力はコネクタ27を第1位置から第2位置に向かって揺動させる。
【0028】
その一方で、収容空間31には検知部材37が配置される。検知部材37はプリント基板23の前端に平行に延びる。プリント基板23には収容空間31の前後方向に相互に平行に延びる2筋の貫通路38、38が形成される。貫通路38はプリント基板23を貫通する。貫通路38は、収容空間31の前端から後退する位置に前端を規定する。同様に、貫通路38は、収容空間31の後端から前進する位置に後端を規定する。
【0029】
回転部材35および検知部材37は連結ひも39で連結される。連結ひも39は、検知部材37の一端からプリント基板23の表面に沿って回転部材35の一端に延びる。連結ひも39は回転軸36とは反対側の回転部材35の一端に取り付けられる。コネクタ27が第1位置に配置されるとき、連結ひも39は直立壁24aの内壁面に沿って延びる。
【0030】
ここで、PCMCIAカードやエクスプレスカードは長溝34に案内されつつ移動する。その結果、PCMCIAカードやエクスプレスカードとプリント基板23の表面との間には所定の隙間が区画される。すなわち、PCMCIAカードやエクスプレスカードは、プリント基板23の表面から所定の高さを維持しつつプリント基板23の表面に沿って移動する。
【0031】
図5を併せて参照し、検知部材37の高さは、PCMCIAカードやエクスプレスカードの裏面とプリント基板23の表面との間隔よりも小さく設定されればよい。その結果、検知部材37の上端面と天板24bの内壁面との間にはPCMCIAカードやエクスプレスカードの移動空間が区画される。
【0032】
プリント基板23の裏面には移動片41が配置される。移動片41および検知部材37は貫通路38内で連結される。こうして貫通路38の案内に基づき検知部材37は移動片41とともに収容空間31の前後方向に移動することができる。後述されるように、検知部材37の前後移動に応じて第1位置および第2位置の間で回転部材35の回転移動すなわちコネクタ27の揺動は実現される。
【0033】
図6を併せて参照し、移動片41の前端には弾性伸縮部材すなわちコイルばね42の一端が取り付けられる。コイルばね42の他端は、プリント基板23の裏面から立ち上がる支柱43に受け止められる。こうして移動片41にはコイルばね42の弾性収縮力が作用する。この弾性収縮力の働きで移動片41すなわち検知部材37は貫通路38の前端に配置される。
【0034】
検知部材37が貫通路38の前端に配置されると、連結ひも39は直立壁24aの内壁面に沿って延びる。連結ひも39はぴんと張った状態に保持される。連結ひも39は回転部材37を引っ張る。その結果、回転軸36回りで回転部材35の回転は規制される。コネクタ27は第1位置に位置決めされる。なお、コイルばね42の弾性収縮力はねじりコイルばねの駆動力よりも大きく設定されればよい。
【0035】
その一方で、コイルばね42の弾性収縮力に抗して移動片41が貫通路38の後端に向かって移動するにつれて連結ひも39の緊張は緩められる。その結果、回転軸36回りで回転部材35の回転は許容される。回転部材35の回転移動に基づきコネクタ27は第2位置に位置決めされる。なお、回転部材35や連結ひも39、移動片41はコネクタ27の駆動機構を構成する。
【0036】
いま、図7に示されるように、差し込み口18から54mm幅のエクスプレスカード45が差し込まれる場面を想定する。周知の通り、エクスプレスカード45は34mm幅の突部46を区画する。突部46の前端にはコネクタ(図示されず)が固定される。このコネクタは本発明の第2種類のコネクタを構成する。図8を併せて参照し、エクスプレスカード45の裏面には突部46の前端に沿って突片47が区画される。突片47はエクスプレスカード45の裏面から立ち上がる。
【0037】
エクスプレスカード45は突部46から差し込み口18に差し込まれる。エクスプレスカード45の側端はフック部材28に接触する。フック部材28は差し込み口18から退く。コイルばね29には弾性伸張力が蓄積される。エクスプレスカード45は収容空間31内に進入する。エクスプレスカード45の側端は案内部材33の長溝34に受け入れられる。長溝34の案内に基づきエクスプレスカード45はプリント基板23の表面に沿って移動する。
【0038】
図9に示されるように、エクスプレスカード45の突片47はプリント基板23の表面に向かって突き出る。エクスプレスカード45が収容空間31内にさらに進入すると、検知部材37はエクスプレスカード45の突片47を受け止める。エクスプレスカード45の押し込みに基づき貫通路38に沿って後方に検知部材37の移動は引き起こされる。こうして検知部材37はエクスプレスカード45の進入を検知することができる。
【0039】
収容空間31の後方に向かって検知部材37が移動するにつれて連結ひも39の緊張は緩められる。連結ひも39の弛緩と同時に回転部材35の回転移動は許容される。したがって、図10に示されるように、連結ひも39はぴんとはった状態で維持される。ねじりコイルばねの駆動力に基づき回転軸36回りで回転部材35の回転移動は引き起こされる。コネクタ27は第1位置から第2位置に向かって揺動する。
【0040】
図11に示されるように、コネクタ27は収容空間31内の第2位置に位置決めされる。コネクタ27は進入口25に向き合わせられる。エクスプレスカード45のコネクタはコネクタ27に接続される。こうしてノートパソコン11の機能は拡張されることができる。このとき、コイルばね29の弾性伸張力の働きでエクスプレスカード45の後端はフック部材28に受け止められる。外部空間にエクスプレスカード45の脱落は防止される。
【0041】
図12に示されるように、エクスプレスカード45のコネクタがコネクタ27に接続されると、検知部材37すなわち移動片41は貫通路38の後端に受け止められる。コイルばね42の弾性収縮力は増大するものの、フック部材28の働きで進入口25に向かって移動片41すなわち検知部材37の移動は規制される。
【0042】
その一方で、エクスプレスカード45の排出にあたって例えばカード排出機構(図示されず)が利用される。カード排出機構は前述のフック部材28に連結される。カード排出機構の動作に連動してフック部材28は相互に遠ざかる方向に変位する。フック部材28は差し込み口18から退く。こうしてフック部材28とエクスプレスカード45の後端との接触は解消される。
【0043】
このとき、コイルばね42の弾性収縮力の働きで貫通路38に沿って前方に移動片41すなわち検知部材37の移動は引き起こされる。検知部材37は突片47に基づきエクスプレスカード45を進入口25に向かって前方に押し出す。エクスプレスカード45のコネクタとコネクタ27との接続は解消される。長溝32の案内に基づきエクスプレスカード45は差し込み口18から引き出される。
【0044】
同時に、進入口25に向かって前方に向かう検知部材33の移動に基づき、回転部材35のねじりコイルばねの駆動力に抗して連結ひも39は回転部材35を引っ張る。回転軸36回りで回転部材35の回転移動は引き起こされる。コネクタ27は第2位置から第1位置に向かって揺動する。検知部材37が貫通路38の前端に受け止められると、コネクタ27は収容空間31から立ち退く。コネクタ27は第1位置に位置決めされる。
【0045】
その一方で、図13に示されるように、本体筐体12の差し込み口18から34mm幅のエクスプレスカード48が差し込まれる場面を想定する。54mm幅のエクスプレスカード45と同様に、エクスプレスカード48の裏面には前端に沿って突片(図示されず)が区画される。差し込み口18からエクスプレスカード48が差し込まれると、前述と同様に、エクスプレスカード48の進入は検知部材37で検知される。
【0046】
次に、図14に示されるように、差し込み口18からPCMCIAカード49が差し込まれる場面を想定する。PCMCIAカード49は前端から後端まで54mm幅のエクスプレスカード45と同一の幅に規定される。PCMCIAカード49の前端にはコネクタ(図示されず)が固定される。このコネクタは本発明の第1種類のコネクタを構成する。ただし、PCMCIAカード49には前述の突部46や突片47は形成されない。
【0047】
収容空間31にPCMCIAカード49が進入すると、PCMCIAカード49の両側端は案内部材33の長溝34に受け入れられる。長溝34の案内に基づきPCMCIAカード49はプリント基板23の表面に沿って移動する。このとき、案内部材33の働きでPCMCIAカード49の裏面とプリント基板23の表面との間には所定の隙間が区画される。
【0048】
図15に示されるように、PCMCIAカード49はプリント基板23の表面から所定の高さで移動する。PCMCIAカード49の前端には突片が形成されないことから、PCMCIAカード49は検知部材37に接触することなく収容空間31を移動する。検知部材37の移動は回避される。コネクタ27は収容空間31の外側の第2位置で保持される。収容空間31内ではコネクタ32はPCMCIAカード49の前端に向き合わせられる。
【0049】
収容空間31にPCMCIAカード49がさらに進入すると、図16に示されるように、PCMCIAカード49のコネクタはコネクタ32に接続される。こうしてノートパソコン11の機能は拡張されることができる。このとき、コイルばね29の弾性伸張力の働きでPCMCIAカード49の後端はフック部材28に受け止められる。外部空間にPCMCIAカード49の脱落は防止される。
【0050】
以上のようなノートパソコン11では、検知部材37はエクスプレスカード45、48の進入を検知する。進入の検知に応じて収容空間31にはコネクタ27が受け入れられる。こうしてエクスプレスカード45、48の進入時にエクスプレスカード45、48のコネクタはコネクタ27に接続されることができる。その一方で、検知部材37はPCMCIAカード49の進入を検知することができない。コネクタ27の移動は回避される。収容空間31にはコネクタ32が受け入れられる。PCMCIAカード49の進入時にPCMCIAカード49は収容空間31のコネクタ32に接続される。その結果、コネクタ27、32の破損は確実に回避されることができる。エクスプレスカード45、48およびPCMCIAカード49は1の差し込み口18から差し込まれることができる。ノートパソコン11の利用者は差し込み口18を確認する手間を省くことができる。ノートパソコン11の使いやすさは飛躍的に向上する。
【0051】
図17は本発明の第2実施形態に係るコネクタユニット21aの構造を概略的に示す。このコネクタユニット21aでは、カバー24の天板24bに開口51が形成される。開口51には検知部材52の上端が臨む。前述のコネクタ27は連結部材53で検知部材52に連結される。コネクタ27およびプリント基板23はフレキシブルプリント基板(図示されず)に基づき接続されればよい。
【0052】
検知部材52は例えば収容空間31の後方で前述のコネクタ32の前端に沿って延びる。直立壁24aの内壁面には縦溝54が形成される。縦溝54はプリント基板23の表面に直交する垂直方向に延びる。縦溝54には検知部材52や連結部材53に区画される突片が受け入れられる。
【0053】
検知部材52の上端面には例えば弾性伸縮部材すなわちコイルばね(図示されず)が連結されればよい。コイルばねの弾性伸張力に基づき検知部材52にはプリント基板23の表面に向かって垂直方向に押し付け力が作用する。
【0054】
図18に示されるように、縦溝54の案内に基づき検知部材52および連結部材53は、コイルばねの弾性伸張力に抗してプリント基板23の表面に直交する垂直方向に移動することができる。こうした垂直移動に基づきコネクタ27は、収容空間31内に配置される第1位置から収容空間31外に配置される第2位置に移動することができる。なお、連結部材53および縦溝54はコネクタ27の駆動機構を構成する。
【0055】
図19に示されるように、収容空間31には進入口25からコネクタ27に向かって延びる第1収容空間56と、第1収容空間56に隣接して進入口25から延びる第2収容空間57とが区画される。第1および第2収容空間56、57の間には境界面58が規定される。ここでは、境界面58はカバー24の直立壁24aに平行に規定される。
【0056】
検知部材52は、第2収容空間57内でコネクタ32の前端から前方に向かって延びる。検知部材52の前端は少なくともコネクタ27の前端よりも進入口25に向かって前方に規定されればよい。検知部材52の前端は天板24bの前端に平行に規定される。検知部材52の側面は境界面58に沿って区画される。ここでは、検知部材52の側面と第1収容空間56の案内部材33との間隔は34mm幅のエクスプレスカード48の幅に等しく設定されればよい。
【0057】
図20に示されるように、検知部材52の前端には傾斜面52aが規定される。傾斜面52aおよびプリント基板23の表面の間では交差角αは所定の鋭角に規定される。ここでは、傾斜面52aは、第2収容空間57の後端から前端に向かうにつれてプリント基板23の表面から遠ざかる。その他、前述の第1実施形態と均等な構成や構造には同一の参照符号が付される。
【0058】
いま、差し込み口18からエクスプレスカード45が差し込まれる場面を想定する。エクスプレスカード45は突部46で第1収容空間56に進入する。同様に、エクスプレスカード45は第2収容空間57に進入する。エクスプレスカード45の両側端は案内部材33の長溝34に受け入れられる。エクスプレスカード45はプリント基板23の表面に沿って移動する。
【0059】
コイルばねの弾性伸張力に基づきコネクタ27は第1位置に位置決めされる。突部46は第1収容空間56内で検知部材52の側面および案内部材33の間に受け入れられる。こうしてエクスプレスカード45のコネクタはコネクタ27に接続される。ノートパソコン11の機能は拡張されることができる。このとき、第2収容空間57ではエクスプレスカード45の前端と検知部材52の傾斜面52aとの間で接触は回避される。
【0060】
なお、前述の34mm幅のエクスプレスカード48は前端から後端まで34mm幅に設定されることから、エクスプレスカード48は第1収容空間56のみに受け入れられる。エクスプレスカード48は第1収容空間56の案内部材33と検知部材52の側面との間に受け入れられる。したがって、エクスプレスカード48および検知部材52の接触は回避される。こうしてエクスプレスカード48はコネクタ27に接続される。
【0061】
次に、差し込み口18からPCMCIAカード49が差し込まれる場面を想定する。前述されるように、PCMCIAカード49には突部46は形成されないことから、PCMCIAカード49は第1および第2収容空間56、57に同時に進入する。PCMCIAカード49の両側端は案内部材33の長溝34に受け入れられる。PCMCIAカード49はプリント基板23の表面に沿って移動する。
【0062】
図22に示されるように、コイルばねの弾性伸張力に基づきコネクタ27は第1位置に位置決めされる。第2収容空間57では、PCMCIAカード49の前端は検知部材52の傾斜面52aに接触する。収容空間31にPCMCIAカード49がさらに進入すると、図23に示されるように、PCMCIAカード49の前端は傾斜面52aの後端に向かって傾斜面52a上を移動する。PCMCIAカード49は長溝34の案内に基づきプリント基板23の表面に沿って移動する。
【0063】
検知部材52および連結部材53は前述の縦溝54に受け入れられることから、プリント基板23の表面に沿って移動するPCMCIAカード49の駆動力は、傾斜面52aの働きでプリント基板23の表面に直交する垂直方向の検知部材52の駆動力に変換される。その結果、コイルばねの弾性伸張力に抗して検知部材52および連結部材53は開口51から第2収容空間57外に押し出される。コネクタ27は第2位置に位置決めされる。こうして検知部材52はPCMCIAカード49の進入を検知する。
【0064】
収容空間31にPCMCIAカード49がさらに進入すると、図24に示されるように、検知部材52および連結部材53はPCMCIAカード49の表面に受け止められる。その結果、収容空間31の後端に配置されるコネクタ32はPCMCIAカード49の前端に向き合わせられる。PCMCIAカード49の移動に基づき検知部材52および連結部材53はPCMCIAカード49の上端面を摺動する。PCMCIAカード49のコネクタはコネクタ32に接続される。ノートパソコン11の機能は拡張される。
【0065】
その一方で、PCMCIAカード49が差し込み口18から引き出されると、PCMCIAカード49の前端は傾斜面52aの前端に向かって傾斜面52a上を移動する。コイルばねの弾性伸張力に基づき縦溝54に沿って検知部材52および連結部材53の移動は引き起こされる。こうして検知部材52および連結部材53は収容空間31内に押し込まれる。コネクタ27は第2位置から第1位置に移動する。
【0066】
以上のようなコネクタユニット21aでは、検知部材52はPCMCIAカード49の進入を検知する。進入の検知に応じて収容空間31からコネクタ27は立ち退く。こうしてPCMCIAカード49の進入時にPCMCIAカード49のコネクタはコネクタ32に接続されることができる。その一方で、検知部材52はエクスプレスカード45、48の進入を検知しない。コネクタ27の移動は回避される。エクスプレスカード45、48の進入時にエクスプレスカード45、48はコネクタ27に接続される。コネクタ27、32の破損は確実に回避されることができる。その結果、エクスプレスカード45、48およびPCMCIAカード49は1の差し込み口18から差し込まれることができる。ノートパソコン11の利用者は差し込み口18を確認する手間を省くことができる。ノートパソコン11の使いやすさは飛躍的に向上する。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明に係る電子機器の一具体例すなわちノートブックパーソナルコンピュータの外観を概略的に示す斜視図である。
【図2】差し込み口の構造を概略的に示す部分拡大斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るコネクタユニットの構造を概略的に示す斜視図である。
【図4】本体の収容空間内の構造を概略的に示す斜視図である。
【図5】図3の5−5線に沿った部分拡大断面図である。
【図6】図5の6−6線に沿った部分拡大断面図である。
【図7】差し込み口から54mm幅のエクスプレスカードが差し込まれる様子を概略的に示す部分拡大斜視図である。
【図8】54mm幅のエクスプレスカードの構造を概略的に示す斜視図である。
【図9】図6に対応し、進入口からエクスプレスカードが差し込まれる様子を概略的に示す図である。
【図10】コネクタが揺動する様子を概略的に示す図である。
【図11】エクスプレスカードのコネクタがコネクタユニットのコネクタに接続される様子を概略的に示す図である。
【図12】図6に対応し、エクスプレスカードのコネクタがコネクタユニットのコネクタに接続される様子を概略的に示す図である。
【図13】34mm幅のエクスプレスカードの構造を概略的に示す斜視図である。
【図14】差し込み口からPCMCIAカードが差し込まれる様子を概略的に示す部分拡大斜視図である。
【図15】図6に対応し、進入口からPCMCIAカードが差し込まれる様子を概略的に示す図である。
【図16】PCMCIAカードのコネクタがコネクタユニットのコネクタに接続される様子を概略的に示す図である。
【図17】本発明の第2実施形態に係るコネクタユニットの構造を概略的に示す斜視図である。
【図18】検知部材が移動する様子を概略的に示す斜視図である。
【図19】本体の収容空間内の構造を概略的に示す図である。
【図20】図17の20−20線に沿った部分拡大断面図である。
【図21】進入口から54mm幅のエクスプレスカードが差し込まれる様子を概略的に示す部分拡大斜視図である。
【図22】進入口から54mm幅のPCMCIAカードが差し込まれる様子を概略的に示す部分拡大斜視図である。
【図23】図20に対応し、検知部材が移動する様子を概略的に示す部分拡大断面図である。
【図24】図20に対応し、検知部材が移動する様子を概略的に示す部分拡大断面図である。
【符号の説明】
【0068】
11 電子機器(ノートブックパーソナルコンピュータ)、12 筐体(本体筐体)、18 開口、21、21a コネクタユニット、22 本体、27 第2コネクタ、31 収容空間、32 第1コネクタ、37 検知部材、45、48 第2部材(エクスプレスカード)、49 第1部材(PCMCIAカード)、52 検知部材。
【技術分野】
【0001】
本発明は、PCカードを接続するコネクタユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
PCMCIAカードやExpressCard(以下、「エクスプレスカード」)は広く知られる。PCMCIAカードの規格やエクスプレスカードの規格は業界団体PCMCIAに基づき策定される。
【0003】
ノートブックパーソナルコンピュータ(以下、「ノートパソコン」)には、PCMCIAカードのための差し込み口と、エクスプレスカードのための差し込み口とが個別に形成される。個々の差し込み口内にはPCMCIAカードやエクスプレスカードに固有のコネクタが配置される。PCMCIAカードに固定されるコネクタやエクスプレスカードに固定されるコネクタはそれぞれ固有のコネクタに接続される。こうしてノートパソコンの機能は拡張される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
PCMCIAカード用の差し込み口の幅と、エクスプレスカード用の差し込み口の幅とは同一の大きさに設定される。したがって、ノートパソコンの利用者は差し込み口を判別しづらい。例えばエクスプレスカードがPCMCIAカード用の差し込み口に差し込まれてしまうと、エクスプレスカードのコネクタはPCMCIAカード用のコネクタに誤って接触してしまう。コネクタは破損してしまう。
【0005】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、コネクタの破損を確実に回避することができるコネクタユニットおよび電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明によれば、開口から第1および第2部材のいずれか一方を受け入れる収容空間を区画する本体と、第1部材の進入時に収容空間内に配置され、第1部材に固定される第1種類のコネクタを受け止める第1コネクタと、第2部材の進入時に収容空間内に配置され、第2部材に固定される第2種類のコネクタを受け止める第2コネクタとを備えることを特徴とするコネクタユニットが提供される。
【0007】
こうしたコネクタユニットでは、本体の収容空間には開口から第1および第2部材のいずれか一方が受け入れられる。第1コネクタは第1部材の進入時に収容空間内に配置される。第1コネクタは、第1部材に固定される第1種類のコネクタを受け止める。その一方で、第2コネクタは第2部材の進入時に収容空間内に配置される。第2コネクタは、第2部材に固定される第2種類のコネクタを受け止める。したがって、第1コネクタには第2部材の第2種類のコネクタが誤って接触することはない。同様に、第2コネクタには第1部材の第1種類のコネクタが誤って接触することはない。コネクタの破損は確実に回避されることができる。しかも、第1および第2部材は1の開口から差し込まれることができる。コネクタユニットの利用者は開口を確認する手間を省くことができる。コネクタユニットの使いやすさは飛躍的に向上する。
【0008】
こうしたコネクタユニットは、第2部材の進入を検知する検知部材と、第2部材の進入の検知に応じて収容空間に第2コネクタを進入させる駆動機構とをさらに備えてもよい。こうしたコネクタユニットでは、検知部材の働きで第2部材の進入は検知される。第2部材の進入の検知に応じて駆動機構は収容空間に第2コネクタを進入させる。したがって、第2部材の第2種類のコネクタは第2コネクタに受け止められることができる。第2部材と第1コネクタとの接触は確実に回避されることができる。コネクタの破損は確実に回避されることができる。
【0009】
その一方で、コネクタユニットは、第1部材の進入を検知する検知部材と、第1部材の進入の検知に応じて収容空間から第2コネクタを立ち退かせる駆動機構とをさらに備えればよい。こうしたコネクタユニットでは、前述とは反対に、検知部材の働きで第1部材の進入は検知される。第1部材の進入の検知に応じて駆動機構は収容空間から第2コネクタを立ち退かせる。したがって、第1部材の第1種類のコネクタは第1コネクタに受け止められることができる。第1部材と第2コネクタとの接触は確実に回避されることができる。コネクタの破損は確実に回避されることができる。
【0010】
以上のようなコネクタユニットは例えば電子機器に組み込まれることができる。この電子機器は、筐体と、筐体に区画される開口から第1および第2部材のいずれか一方を受け入れる収容空間を区画する本体と、第1部材の進入時に収容空間内に配置され、第1部材に固定される第1種類のコネクタを受け止める第1コネクタと、第2部材の進入時に収容空間内に配置され、第2部材に固定される第2種類のコネクタを受け止める第2コネクタとを備えればよい。
【発明の効果】
【0011】
以上のように本発明によれば、コネクタの破損を確実に回避することができるコネクタユニットおよび電子機器は提供されることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態を説明する。
【0013】
図1は本発明に係る電子機器の一具体例すなわちノートブックパーソナルコンピュータ(以下、「ノートパソコン」)11の構造を概略的に示す。このノートパソコン11は、第1筐体すなわち本体筐体12と、本体筐体12に連結される第2筐体すなわちディスプレイ用筐体13とを備える。本体筐体12やディスプレイ用筐体13は例えばポリカーボネートといった強化樹脂材料から構成されればよい。
【0014】
本体筐体12には例えばマザーボードが組み込まれる。マザーボード上には例えばCPU(中央演算処理装置)やメモリといった電子回路素子が搭載される。CPUは、例えばメモリに一時的に格納されるソフトウェアプログラムやデータに基づき様々な演算処理を実行する。ソフトウェアプログラムやデータは、同様に本体筐体12内に収容されるハードディスク駆動装置(HDD)といった大容量記憶装置に格納されればよい。
【0015】
本体筐体12にはキーボード14や入力ボタン15といった入力装置が組み込まれる。こういった入力装置14、15の働きでノートパソコン11の使用者はCPUに向けて様々な指令やデータを入力することができる。
【0016】
ディスプレイ用筐体13には、例えば液晶ディスプレイ(LCD)パネル16といった平面ディスプレイパネルが組み込まれる。LCDパネル16の表示画面はディスプレイ用筐体13の表面に露出する。表示画面にはCPUの演算処理に基づき様々なテキストやグラフィックスが表示されることができる。
【0017】
ディスプレイ用筐体13は、本体筐体12の一端に設定される回転軸17回りで回転自在に本体筐体12に結合される。こうしてディスプレイ用筐体13は本体筐体12に対して相対的に回転移動することができる。こういった回転移動に基づきディスプレイ用筐体13は本体筐体12に重ね合わせられることができる。
【0018】
本体筐体12にはPCカード用の開口すなわち差し込み口18が形成される。図2に示されるように、差し込み口18にはコネクタユニット21の前端が臨む。コネクタユニット21は本体筐体12の収容空間に収容される。コネクタユニット21には、後述されるように、差し込み口18からPCMCIAカードといった従来規格のPCカードやエクスプレスカード(ExpressCard)といった新規格のPCカードが差し込まれることができる。
【0019】
図3は本発明の第1実施形態に係るコネクタユニット21の外観を概略的に示す。コネクタユニット21は本体22を備える。本体22は、例えば本体筐体12の底板に固定されるプリント基板23と、プリント基板23上に実装されるカバー24とを備える。プリント基板23は前述のマザーボードに接続される。
【0020】
カバー24は、プリント基板23から直立する1対の直立壁24a、24aと、直立壁24a、24aを接続する天板24bとから構成される。直立壁24a、24a同士は平行に広がる。こうしてプリント基板23およびカバー24はPCカードの収容空間を区画する。収容空間の前端にはPCカード用の開口すなわち進入口25が区画される。進入口25は本体筐体12の差し込み口18に向き合わせられる。
【0021】
一方の直立壁24aには開口26が区画される。開口26内にはエクスプレスカード接続用のコネクタ27が外向きに配置される。コネクタ27は本発明の第2コネクタを構成する。コネクタ27は直立壁24aに沿って配置される。こうしてコネクタ27は本体22の収容空間の外側に配置される。コネクタ27は例えばフレキシブルプリント基板(図示されず)に基づきプリント基板23に接続されればよい。
【0022】
直立壁24a、24aの前端の前方にはフック部材28、28が配置される。フック部材28は、差し込み口18および進入口25の間に区画される空間に配置される。フック部材28には弾性伸縮部材すなわちコイルばね29が連結される。コイルばね29の弾性力の働きでフック部材28、28同士は相互に近づいたり遠ざかったりすることができる。こうしたフック部材28は例えば本体筐体12の内壁面に沿って配置されればよい。
【0023】
図4に示されるように、本体22の収容空間31にはPCMCIAカード接続用のコネクタ32が配置される。コネクタ32は進入口25に向き合わせられる。コネクタ32は本発明の第1コネクタを構成する。コネクタ32は例えば収容空間31の後端に沿って配置されればよい。コネクタ32は例えばプリント基板23上に実装されればよい。コネクタ32から延びる突片や導電端子はプリント基板23上の導電パターンに例えばはんだ付けされればよい。
【0024】
収容空間31には進入口25から後方に向かって相互に平行に延びる1対の案内部材33、33が収容される。案内部材33は直立壁24aの内壁面に沿って延びる。前述の開口26を区画する直立壁24aに沿って延びる案内部材33は開口26の前端よりも前方に後端を規定する。案内部材33、33同士の間には所定の間隔が確保される。この間隔はPCMCIAカードの幅や54mm幅のエクスプレスカードの幅に相当する。
【0025】
案内部材33、33には相互に向き合わせられる対向面に長溝34、34が形成される。長溝34は案内部材33の長手方向の全長にわたって形成されればよい。長溝34はPCMCIAカードの側端やエクスプレスカードの側端を受け入れる。案内部材33、33の働きでPCMCIAカードやエクスプレスカードはプリント基板23の表面に沿って収容空間31内を移動することができる。
【0026】
前述のコネクタ27は回転部材35に取り付けられる。回転部材35は、その一端に区画される回転軸36回りで回転移動することができる。回転軸36はプリント基板23の表面に直交する垂直方向に規定される。こうしてコネクタ27は、収容空間31から立ち退いて直立壁24aに沿って配置される第1位置と、収容空間31に進入してコネクタ32の前端に沿って配置される第2位置との間で揺動する。第2位置ではコネクタ27はコネクタ32および進入口25の間に配置される。
【0027】
回転部材35にはねじりコイルばね(図示されず)が連結される。ねじりコイルばねのコイルの中心軸は回転軸36に一致する。その結果、ねじりコイルばねは回転軸36回りに駆動力を発揮する。こうした駆動力は回転部材35を収容空間31外から収容空間31内に向かって回転移動させる。すなわち、駆動力はコネクタ27を第1位置から第2位置に向かって揺動させる。
【0028】
その一方で、収容空間31には検知部材37が配置される。検知部材37はプリント基板23の前端に平行に延びる。プリント基板23には収容空間31の前後方向に相互に平行に延びる2筋の貫通路38、38が形成される。貫通路38はプリント基板23を貫通する。貫通路38は、収容空間31の前端から後退する位置に前端を規定する。同様に、貫通路38は、収容空間31の後端から前進する位置に後端を規定する。
【0029】
回転部材35および検知部材37は連結ひも39で連結される。連結ひも39は、検知部材37の一端からプリント基板23の表面に沿って回転部材35の一端に延びる。連結ひも39は回転軸36とは反対側の回転部材35の一端に取り付けられる。コネクタ27が第1位置に配置されるとき、連結ひも39は直立壁24aの内壁面に沿って延びる。
【0030】
ここで、PCMCIAカードやエクスプレスカードは長溝34に案内されつつ移動する。その結果、PCMCIAカードやエクスプレスカードとプリント基板23の表面との間には所定の隙間が区画される。すなわち、PCMCIAカードやエクスプレスカードは、プリント基板23の表面から所定の高さを維持しつつプリント基板23の表面に沿って移動する。
【0031】
図5を併せて参照し、検知部材37の高さは、PCMCIAカードやエクスプレスカードの裏面とプリント基板23の表面との間隔よりも小さく設定されればよい。その結果、検知部材37の上端面と天板24bの内壁面との間にはPCMCIAカードやエクスプレスカードの移動空間が区画される。
【0032】
プリント基板23の裏面には移動片41が配置される。移動片41および検知部材37は貫通路38内で連結される。こうして貫通路38の案内に基づき検知部材37は移動片41とともに収容空間31の前後方向に移動することができる。後述されるように、検知部材37の前後移動に応じて第1位置および第2位置の間で回転部材35の回転移動すなわちコネクタ27の揺動は実現される。
【0033】
図6を併せて参照し、移動片41の前端には弾性伸縮部材すなわちコイルばね42の一端が取り付けられる。コイルばね42の他端は、プリント基板23の裏面から立ち上がる支柱43に受け止められる。こうして移動片41にはコイルばね42の弾性収縮力が作用する。この弾性収縮力の働きで移動片41すなわち検知部材37は貫通路38の前端に配置される。
【0034】
検知部材37が貫通路38の前端に配置されると、連結ひも39は直立壁24aの内壁面に沿って延びる。連結ひも39はぴんと張った状態に保持される。連結ひも39は回転部材37を引っ張る。その結果、回転軸36回りで回転部材35の回転は規制される。コネクタ27は第1位置に位置決めされる。なお、コイルばね42の弾性収縮力はねじりコイルばねの駆動力よりも大きく設定されればよい。
【0035】
その一方で、コイルばね42の弾性収縮力に抗して移動片41が貫通路38の後端に向かって移動するにつれて連結ひも39の緊張は緩められる。その結果、回転軸36回りで回転部材35の回転は許容される。回転部材35の回転移動に基づきコネクタ27は第2位置に位置決めされる。なお、回転部材35や連結ひも39、移動片41はコネクタ27の駆動機構を構成する。
【0036】
いま、図7に示されるように、差し込み口18から54mm幅のエクスプレスカード45が差し込まれる場面を想定する。周知の通り、エクスプレスカード45は34mm幅の突部46を区画する。突部46の前端にはコネクタ(図示されず)が固定される。このコネクタは本発明の第2種類のコネクタを構成する。図8を併せて参照し、エクスプレスカード45の裏面には突部46の前端に沿って突片47が区画される。突片47はエクスプレスカード45の裏面から立ち上がる。
【0037】
エクスプレスカード45は突部46から差し込み口18に差し込まれる。エクスプレスカード45の側端はフック部材28に接触する。フック部材28は差し込み口18から退く。コイルばね29には弾性伸張力が蓄積される。エクスプレスカード45は収容空間31内に進入する。エクスプレスカード45の側端は案内部材33の長溝34に受け入れられる。長溝34の案内に基づきエクスプレスカード45はプリント基板23の表面に沿って移動する。
【0038】
図9に示されるように、エクスプレスカード45の突片47はプリント基板23の表面に向かって突き出る。エクスプレスカード45が収容空間31内にさらに進入すると、検知部材37はエクスプレスカード45の突片47を受け止める。エクスプレスカード45の押し込みに基づき貫通路38に沿って後方に検知部材37の移動は引き起こされる。こうして検知部材37はエクスプレスカード45の進入を検知することができる。
【0039】
収容空間31の後方に向かって検知部材37が移動するにつれて連結ひも39の緊張は緩められる。連結ひも39の弛緩と同時に回転部材35の回転移動は許容される。したがって、図10に示されるように、連結ひも39はぴんとはった状態で維持される。ねじりコイルばねの駆動力に基づき回転軸36回りで回転部材35の回転移動は引き起こされる。コネクタ27は第1位置から第2位置に向かって揺動する。
【0040】
図11に示されるように、コネクタ27は収容空間31内の第2位置に位置決めされる。コネクタ27は進入口25に向き合わせられる。エクスプレスカード45のコネクタはコネクタ27に接続される。こうしてノートパソコン11の機能は拡張されることができる。このとき、コイルばね29の弾性伸張力の働きでエクスプレスカード45の後端はフック部材28に受け止められる。外部空間にエクスプレスカード45の脱落は防止される。
【0041】
図12に示されるように、エクスプレスカード45のコネクタがコネクタ27に接続されると、検知部材37すなわち移動片41は貫通路38の後端に受け止められる。コイルばね42の弾性収縮力は増大するものの、フック部材28の働きで進入口25に向かって移動片41すなわち検知部材37の移動は規制される。
【0042】
その一方で、エクスプレスカード45の排出にあたって例えばカード排出機構(図示されず)が利用される。カード排出機構は前述のフック部材28に連結される。カード排出機構の動作に連動してフック部材28は相互に遠ざかる方向に変位する。フック部材28は差し込み口18から退く。こうしてフック部材28とエクスプレスカード45の後端との接触は解消される。
【0043】
このとき、コイルばね42の弾性収縮力の働きで貫通路38に沿って前方に移動片41すなわち検知部材37の移動は引き起こされる。検知部材37は突片47に基づきエクスプレスカード45を進入口25に向かって前方に押し出す。エクスプレスカード45のコネクタとコネクタ27との接続は解消される。長溝32の案内に基づきエクスプレスカード45は差し込み口18から引き出される。
【0044】
同時に、進入口25に向かって前方に向かう検知部材33の移動に基づき、回転部材35のねじりコイルばねの駆動力に抗して連結ひも39は回転部材35を引っ張る。回転軸36回りで回転部材35の回転移動は引き起こされる。コネクタ27は第2位置から第1位置に向かって揺動する。検知部材37が貫通路38の前端に受け止められると、コネクタ27は収容空間31から立ち退く。コネクタ27は第1位置に位置決めされる。
【0045】
その一方で、図13に示されるように、本体筐体12の差し込み口18から34mm幅のエクスプレスカード48が差し込まれる場面を想定する。54mm幅のエクスプレスカード45と同様に、エクスプレスカード48の裏面には前端に沿って突片(図示されず)が区画される。差し込み口18からエクスプレスカード48が差し込まれると、前述と同様に、エクスプレスカード48の進入は検知部材37で検知される。
【0046】
次に、図14に示されるように、差し込み口18からPCMCIAカード49が差し込まれる場面を想定する。PCMCIAカード49は前端から後端まで54mm幅のエクスプレスカード45と同一の幅に規定される。PCMCIAカード49の前端にはコネクタ(図示されず)が固定される。このコネクタは本発明の第1種類のコネクタを構成する。ただし、PCMCIAカード49には前述の突部46や突片47は形成されない。
【0047】
収容空間31にPCMCIAカード49が進入すると、PCMCIAカード49の両側端は案内部材33の長溝34に受け入れられる。長溝34の案内に基づきPCMCIAカード49はプリント基板23の表面に沿って移動する。このとき、案内部材33の働きでPCMCIAカード49の裏面とプリント基板23の表面との間には所定の隙間が区画される。
【0048】
図15に示されるように、PCMCIAカード49はプリント基板23の表面から所定の高さで移動する。PCMCIAカード49の前端には突片が形成されないことから、PCMCIAカード49は検知部材37に接触することなく収容空間31を移動する。検知部材37の移動は回避される。コネクタ27は収容空間31の外側の第2位置で保持される。収容空間31内ではコネクタ32はPCMCIAカード49の前端に向き合わせられる。
【0049】
収容空間31にPCMCIAカード49がさらに進入すると、図16に示されるように、PCMCIAカード49のコネクタはコネクタ32に接続される。こうしてノートパソコン11の機能は拡張されることができる。このとき、コイルばね29の弾性伸張力の働きでPCMCIAカード49の後端はフック部材28に受け止められる。外部空間にPCMCIAカード49の脱落は防止される。
【0050】
以上のようなノートパソコン11では、検知部材37はエクスプレスカード45、48の進入を検知する。進入の検知に応じて収容空間31にはコネクタ27が受け入れられる。こうしてエクスプレスカード45、48の進入時にエクスプレスカード45、48のコネクタはコネクタ27に接続されることができる。その一方で、検知部材37はPCMCIAカード49の進入を検知することができない。コネクタ27の移動は回避される。収容空間31にはコネクタ32が受け入れられる。PCMCIAカード49の進入時にPCMCIAカード49は収容空間31のコネクタ32に接続される。その結果、コネクタ27、32の破損は確実に回避されることができる。エクスプレスカード45、48およびPCMCIAカード49は1の差し込み口18から差し込まれることができる。ノートパソコン11の利用者は差し込み口18を確認する手間を省くことができる。ノートパソコン11の使いやすさは飛躍的に向上する。
【0051】
図17は本発明の第2実施形態に係るコネクタユニット21aの構造を概略的に示す。このコネクタユニット21aでは、カバー24の天板24bに開口51が形成される。開口51には検知部材52の上端が臨む。前述のコネクタ27は連結部材53で検知部材52に連結される。コネクタ27およびプリント基板23はフレキシブルプリント基板(図示されず)に基づき接続されればよい。
【0052】
検知部材52は例えば収容空間31の後方で前述のコネクタ32の前端に沿って延びる。直立壁24aの内壁面には縦溝54が形成される。縦溝54はプリント基板23の表面に直交する垂直方向に延びる。縦溝54には検知部材52や連結部材53に区画される突片が受け入れられる。
【0053】
検知部材52の上端面には例えば弾性伸縮部材すなわちコイルばね(図示されず)が連結されればよい。コイルばねの弾性伸張力に基づき検知部材52にはプリント基板23の表面に向かって垂直方向に押し付け力が作用する。
【0054】
図18に示されるように、縦溝54の案内に基づき検知部材52および連結部材53は、コイルばねの弾性伸張力に抗してプリント基板23の表面に直交する垂直方向に移動することができる。こうした垂直移動に基づきコネクタ27は、収容空間31内に配置される第1位置から収容空間31外に配置される第2位置に移動することができる。なお、連結部材53および縦溝54はコネクタ27の駆動機構を構成する。
【0055】
図19に示されるように、収容空間31には進入口25からコネクタ27に向かって延びる第1収容空間56と、第1収容空間56に隣接して進入口25から延びる第2収容空間57とが区画される。第1および第2収容空間56、57の間には境界面58が規定される。ここでは、境界面58はカバー24の直立壁24aに平行に規定される。
【0056】
検知部材52は、第2収容空間57内でコネクタ32の前端から前方に向かって延びる。検知部材52の前端は少なくともコネクタ27の前端よりも進入口25に向かって前方に規定されればよい。検知部材52の前端は天板24bの前端に平行に規定される。検知部材52の側面は境界面58に沿って区画される。ここでは、検知部材52の側面と第1収容空間56の案内部材33との間隔は34mm幅のエクスプレスカード48の幅に等しく設定されればよい。
【0057】
図20に示されるように、検知部材52の前端には傾斜面52aが規定される。傾斜面52aおよびプリント基板23の表面の間では交差角αは所定の鋭角に規定される。ここでは、傾斜面52aは、第2収容空間57の後端から前端に向かうにつれてプリント基板23の表面から遠ざかる。その他、前述の第1実施形態と均等な構成や構造には同一の参照符号が付される。
【0058】
いま、差し込み口18からエクスプレスカード45が差し込まれる場面を想定する。エクスプレスカード45は突部46で第1収容空間56に進入する。同様に、エクスプレスカード45は第2収容空間57に進入する。エクスプレスカード45の両側端は案内部材33の長溝34に受け入れられる。エクスプレスカード45はプリント基板23の表面に沿って移動する。
【0059】
コイルばねの弾性伸張力に基づきコネクタ27は第1位置に位置決めされる。突部46は第1収容空間56内で検知部材52の側面および案内部材33の間に受け入れられる。こうしてエクスプレスカード45のコネクタはコネクタ27に接続される。ノートパソコン11の機能は拡張されることができる。このとき、第2収容空間57ではエクスプレスカード45の前端と検知部材52の傾斜面52aとの間で接触は回避される。
【0060】
なお、前述の34mm幅のエクスプレスカード48は前端から後端まで34mm幅に設定されることから、エクスプレスカード48は第1収容空間56のみに受け入れられる。エクスプレスカード48は第1収容空間56の案内部材33と検知部材52の側面との間に受け入れられる。したがって、エクスプレスカード48および検知部材52の接触は回避される。こうしてエクスプレスカード48はコネクタ27に接続される。
【0061】
次に、差し込み口18からPCMCIAカード49が差し込まれる場面を想定する。前述されるように、PCMCIAカード49には突部46は形成されないことから、PCMCIAカード49は第1および第2収容空間56、57に同時に進入する。PCMCIAカード49の両側端は案内部材33の長溝34に受け入れられる。PCMCIAカード49はプリント基板23の表面に沿って移動する。
【0062】
図22に示されるように、コイルばねの弾性伸張力に基づきコネクタ27は第1位置に位置決めされる。第2収容空間57では、PCMCIAカード49の前端は検知部材52の傾斜面52aに接触する。収容空間31にPCMCIAカード49がさらに進入すると、図23に示されるように、PCMCIAカード49の前端は傾斜面52aの後端に向かって傾斜面52a上を移動する。PCMCIAカード49は長溝34の案内に基づきプリント基板23の表面に沿って移動する。
【0063】
検知部材52および連結部材53は前述の縦溝54に受け入れられることから、プリント基板23の表面に沿って移動するPCMCIAカード49の駆動力は、傾斜面52aの働きでプリント基板23の表面に直交する垂直方向の検知部材52の駆動力に変換される。その結果、コイルばねの弾性伸張力に抗して検知部材52および連結部材53は開口51から第2収容空間57外に押し出される。コネクタ27は第2位置に位置決めされる。こうして検知部材52はPCMCIAカード49の進入を検知する。
【0064】
収容空間31にPCMCIAカード49がさらに進入すると、図24に示されるように、検知部材52および連結部材53はPCMCIAカード49の表面に受け止められる。その結果、収容空間31の後端に配置されるコネクタ32はPCMCIAカード49の前端に向き合わせられる。PCMCIAカード49の移動に基づき検知部材52および連結部材53はPCMCIAカード49の上端面を摺動する。PCMCIAカード49のコネクタはコネクタ32に接続される。ノートパソコン11の機能は拡張される。
【0065】
その一方で、PCMCIAカード49が差し込み口18から引き出されると、PCMCIAカード49の前端は傾斜面52aの前端に向かって傾斜面52a上を移動する。コイルばねの弾性伸張力に基づき縦溝54に沿って検知部材52および連結部材53の移動は引き起こされる。こうして検知部材52および連結部材53は収容空間31内に押し込まれる。コネクタ27は第2位置から第1位置に移動する。
【0066】
以上のようなコネクタユニット21aでは、検知部材52はPCMCIAカード49の進入を検知する。進入の検知に応じて収容空間31からコネクタ27は立ち退く。こうしてPCMCIAカード49の進入時にPCMCIAカード49のコネクタはコネクタ32に接続されることができる。その一方で、検知部材52はエクスプレスカード45、48の進入を検知しない。コネクタ27の移動は回避される。エクスプレスカード45、48の進入時にエクスプレスカード45、48はコネクタ27に接続される。コネクタ27、32の破損は確実に回避されることができる。その結果、エクスプレスカード45、48およびPCMCIAカード49は1の差し込み口18から差し込まれることができる。ノートパソコン11の利用者は差し込み口18を確認する手間を省くことができる。ノートパソコン11の使いやすさは飛躍的に向上する。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明に係る電子機器の一具体例すなわちノートブックパーソナルコンピュータの外観を概略的に示す斜視図である。
【図2】差し込み口の構造を概略的に示す部分拡大斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るコネクタユニットの構造を概略的に示す斜視図である。
【図4】本体の収容空間内の構造を概略的に示す斜視図である。
【図5】図3の5−5線に沿った部分拡大断面図である。
【図6】図5の6−6線に沿った部分拡大断面図である。
【図7】差し込み口から54mm幅のエクスプレスカードが差し込まれる様子を概略的に示す部分拡大斜視図である。
【図8】54mm幅のエクスプレスカードの構造を概略的に示す斜視図である。
【図9】図6に対応し、進入口からエクスプレスカードが差し込まれる様子を概略的に示す図である。
【図10】コネクタが揺動する様子を概略的に示す図である。
【図11】エクスプレスカードのコネクタがコネクタユニットのコネクタに接続される様子を概略的に示す図である。
【図12】図6に対応し、エクスプレスカードのコネクタがコネクタユニットのコネクタに接続される様子を概略的に示す図である。
【図13】34mm幅のエクスプレスカードの構造を概略的に示す斜視図である。
【図14】差し込み口からPCMCIAカードが差し込まれる様子を概略的に示す部分拡大斜視図である。
【図15】図6に対応し、進入口からPCMCIAカードが差し込まれる様子を概略的に示す図である。
【図16】PCMCIAカードのコネクタがコネクタユニットのコネクタに接続される様子を概略的に示す図である。
【図17】本発明の第2実施形態に係るコネクタユニットの構造を概略的に示す斜視図である。
【図18】検知部材が移動する様子を概略的に示す斜視図である。
【図19】本体の収容空間内の構造を概略的に示す図である。
【図20】図17の20−20線に沿った部分拡大断面図である。
【図21】進入口から54mm幅のエクスプレスカードが差し込まれる様子を概略的に示す部分拡大斜視図である。
【図22】進入口から54mm幅のPCMCIAカードが差し込まれる様子を概略的に示す部分拡大斜視図である。
【図23】図20に対応し、検知部材が移動する様子を概略的に示す部分拡大断面図である。
【図24】図20に対応し、検知部材が移動する様子を概略的に示す部分拡大断面図である。
【符号の説明】
【0068】
11 電子機器(ノートブックパーソナルコンピュータ)、12 筐体(本体筐体)、18 開口、21、21a コネクタユニット、22 本体、27 第2コネクタ、31 収容空間、32 第1コネクタ、37 検知部材、45、48 第2部材(エクスプレスカード)、49 第1部材(PCMCIAカード)、52 検知部材。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口から第1および第2部材のいずれか一方を受け入れる収容空間を区画する本体と、第1部材の進入時に収容空間内に配置され、第1部材に固定される第1種類のコネクタを受け止める第1コネクタと、第2部材の進入時に収容空間内に配置され、第2部材に固定される第2種類のコネクタを受け止める第2コネクタとを備えることを特徴とするコネクタユニット。
【請求項2】
請求項1に記載のコネクタユニットにおいて、前記第2部材の進入を検知する検知部材と、前記第2部材の進入の検知に応じて前記収容空間に第2コネクタを進入させる駆動機構とをさらに備えることを特徴とするコネクタユニット。
【請求項3】
請求項1に記載のコネクタユニットにおいて、前記第1部材の進入を検知する検知部材と、前記第1部材の進入の検知に応じて前記収容空間から第2コネクタを立ち退かせる駆動機構とをさらに備えることを特徴とするコネクタユニット。
【請求項4】
筐体と、筐体に区画される開口から第1および第2部材のいずれか一方を受け入れる収容空間を区画する本体と、第1部材の進入時に収容空間内に配置され、第1部材に固定される第1種類のコネクタを受け止める第1コネクタと、第2部材の進入時に収容空間内に配置され、第2部材に固定される第2種類のコネクタを受け止める第2コネクタとを備えることを特徴とする電子機器。
【請求項1】
開口から第1および第2部材のいずれか一方を受け入れる収容空間を区画する本体と、第1部材の進入時に収容空間内に配置され、第1部材に固定される第1種類のコネクタを受け止める第1コネクタと、第2部材の進入時に収容空間内に配置され、第2部材に固定される第2種類のコネクタを受け止める第2コネクタとを備えることを特徴とするコネクタユニット。
【請求項2】
請求項1に記載のコネクタユニットにおいて、前記第2部材の進入を検知する検知部材と、前記第2部材の進入の検知に応じて前記収容空間に第2コネクタを進入させる駆動機構とをさらに備えることを特徴とするコネクタユニット。
【請求項3】
請求項1に記載のコネクタユニットにおいて、前記第1部材の進入を検知する検知部材と、前記第1部材の進入の検知に応じて前記収容空間から第2コネクタを立ち退かせる駆動機構とをさらに備えることを特徴とするコネクタユニット。
【請求項4】
筐体と、筐体に区画される開口から第1および第2部材のいずれか一方を受け入れる収容空間を区画する本体と、第1部材の進入時に収容空間内に配置され、第1部材に固定される第1種類のコネクタを受け止める第1コネクタと、第2部材の進入時に収容空間内に配置され、第2部材に固定される第2種類のコネクタを受け止める第2コネクタとを備えることを特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2007−115520(P2007−115520A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−305520(P2005−305520)
【出願日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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