コンテナを監視し、コンテナの安全を保持する方法およびシステム(関連出願のクロスリファレンス)本特許出願は、2003年11月13日に出願され同時係属中の米国暫定特許出願第60/520120号の全体の開示から優先権を主張するとともに、目的のいかんによらず参照することによってその開示を組み込む。また、本特許出願は、目的のいかんによらず参照することによって、2003年9月17日に出願された同時係属中の米国特許出願第10/667282号、および2004年5月17日に出願された同時係属中の米国特許出願第10/847185号の全体の開示を組み込む。
コンテナの完全性を監視する方法およびシステムであって、コンテナはシステムに特定的に適合し、少なくとも1つのドアを備えて構成される。センサーはコンテナに固定され、コンテナの他の領域に対する、少なくとも1つのドアの近傍を検知して、センサーデータを提供し、コンテナの完全性に関してコンテナから通信を受ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナの安全性を監視して、その位置を追跡する方法およびシステムに関する。また特に、しかし限定するものではないが、供給網の初めから終わりまで一貫輸送貨物用コンテナの完全性を監視かつ追跡する方法およびシステムに関し、テロ、不法な出入国、貨物の盗難または粗悪化、および他の不正行為のような緊急の問題を阻止し、または予防するものである。
【背景技術】
【0002】
関連技術の歴史
世界中で出荷される貨物の大部分は、一貫輸送貨物用コンテナと呼ばれるもので輸送されている。本明細書に用いられる「コンテナ」という用語には、一般に、無線周波数信号を通さない、一貫輸送貨物用コンテナを含むがこれに限らずいかなるコンテナ(付属車輪の有無に関係なく)も含まれる。しかしながら、今後、無線周波数を透過させることが可能なポリカーボネート、または他の高度な非金属材料を部分的に用いてコンテナを構成することができるものと想定される。最も一般的な一貫輸送貨物用コンテナは、国際標準化機構(ISO)一貫輸送ドライコンテナとして知られるもので、ISOにより公表された特定の具体的な寸法上、機械的、およびその他の規格を満たし、貨物のすべての形態の陸海上輸送に対して、世界中で、互換性を有する標準化されたコンテナ、荷役設備、遠洋航行船、鉄道設備、および道路設備の開発および使用を奨励することにより国際貿易を促進するものである。現在、世界中を流通するこのようなコンテナは1900万個以上あり、腐敗しやすい品物を運搬する冷凍・冷蔵コンテナのような、より特化したコンテナもほぼ同数ある。アメリカ合衆国単独で、1年あたり約800万個、すなわち、1日あたり約2万個の積載コンテナを受け取り、毎年の着荷のすべての合計値の約半分にのぼっている。
【0003】
国際的に輸送されるすべての貨物の約90%がコンテナで運搬されていることから、コンテナ輸送は世界経済のバックボーンになっている。世界中で輸送されるコンテナが莫大な量であるために、個別の実査は実行不可能であり、現実には、アメリカ合衆国に入る約2〜4%のコンテナに対してのみ実査を行っているに過ぎない。貨物用コンテナを介したテロリストの生物装置、放射能装置、または爆発装置の導入の危険性は高く、世界貿易におけるコンテナの重要性を考慮すると、このような事件が国際経済に及ぼす影響は、壊滅的なものとなるかもしれない。
【0004】
十分な資源を、すべてのコンテナの実査を行うための取り組みに注いだとしても、このような取り組みは、重大な経済的結果をもたらすであろう。例えば、時間的遅延だけを考えても、工場の閉鎖や、顧客への商品の出荷に、好ましくない高い費用を要する遅延を引き起こすこともあり得る。
現在のコンテナのデザインは、コンテナまたはその内容物の安全を確立して、かつ監視する充分な機構を備えていない。典型的なコンテナはドア掛け金機構を備えて、プラスチックまたは金属の改ざん防止「シール」、またはボルトバリアの従来型「シール」を挿入してコンテナのドアを守る。従来のドア掛け金機構は、例えば、掛け金が取り付けられているドアから、掛け金の付属ボルトに穴をあけるなどの方法により、きわめて容易に破ることができる。また、現在使用されている従来のシール自体も、一般的な切断工具を用いて、かつかなり容易に複製されるシールで置換することにより、非常に簡単に破ることができる。
【0005】
最近、提案されたより高度な解決法は、電子式シール(「eシール」)である。これらのeシールは、従来のドアシールと同等であり、コンテナの付属品として、ぜい弱ではあるが、同じドア掛け金機構を介してコンテナに適用されるが、無線装置または電波反射装置のような電子装置を含み、設置後、eシールが切断されたり、破壊されたりした際にはeシールの通し番号、およびeシール信号を送信することができる。しかしながら、eシールは、コンテナの内部または内容物と通信できず、コンテナの内部または内容物に関連する情報を他の装置に送信しない。eシールは、コンテナの付属品であり、常設部分ではないため、例えば、eシールが単純に切断され、破棄されれば、その全体的な有用性は簡単に失われてしまう。その場合には、すべてのデータが失われる。
【0006】
通常、eシールは、低電力トランシーバを使用するか、または無線周波後方散乱技術を用いて、eシールタグから、例えば、ターミナルゲートに設置された読取り装置まで情報を伝達する。無線周波後方散乱は、レーダおよび無線を結合した放送技術に基づく、比較的高価な狭帯域の高電力無線技術を利用する。電波後方散乱技術は、読取り装置が比較的高い送信電力(すなわち、0.5〜3W)で無線信号を送出することを必要とし、この送信電力は、eシールからの変調されたデータまたは符号化されたデータと共に、読取り装置に反射されるか、または後方散乱される。
【0007】
さらに、eシールの利用は、現在、完全に公開された、暗号化されていない、不安定なエアインタフェースおよびプロトコルを用いており、eシールへの侵入およびその偽造をするのは比較的容易である。また、現在のeシールは、局所的に認可された1ギガヘルツより低い帯域のみにおいて作動するものであり、世界中の多くの国の無線規則が、現在、その帯域の使用を許可していないため、現在のeシールを、一貫輸送コンテナを用いる世界貿易で実用化することは、非現実的なものとなっている。
【0008】
さらに、侵入の代替形態、またはコンテナの内容物に関する不安を考えると、eシールは、コンテナの安全を監視することに効果的ではない。これはコンテナ内部にアクセスする従来の唯一の手段は、コンテナのドアを通ることであるため、コンテナが種々の方法で破られ、または危険にさらされる可能性があるからである。例えば、コンテナの標準的な通気孔を通して生物兵器をコンテナの中に注入したり、またはコンテナの側壁を切り開いて、内部にアクセスしたりすることも可能である。通常のシールおよびeシールは、コンテナのドアのセキュリティを監視する一形態にすぎず、両方とも損傷を受けやすい。従来のシールおよびeシールは、通常、単にコンテナのドア掛け金に掛けられているだけであり、船の荷積みや荷下ろしなどのコンテナ荷役中に、物理的損傷にさらされている。さらに、従来のシールおよびeシールは、コンテナの内容物を監視できない。
【0009】
無数の起こりうる問題、または脅威的な状況、あるいはその両方を防ぐために、コンテナの内部を監視する多重センサを利用する必要があると思われる。例えば、コンテナが爆弾、または爆弾の構成要素、あるいはその両方のような危険な放射性物質を輸送するために使用されることもあり得る。そういった状況では、このような重大な脅威の存在を検知するために、放射線センサーまたは爆発物センサーが必要になる。残念ながら、テロリストの脅威は、ひとつのカテゴリ限られたものではない。化学的および生物学的な戦闘が、社会全般に重大な脅威を引き起こしている。このため、両方の種類の検出器が必要であり、特定の状況では、放射線、ガス、および生物学的検出器が適切であると考えられる。しかしながら、このような検出器の利用に関して問題となるのは、センサーがコンテナの内部に配置される場合、このような検知したデータを外部へ伝送することである。標準的な一貫輸送コンテナが、無線信号を通さない鉄鋼から製造されているため、データ伝送に対応していない限り、このようなコンテナ内部に配設された、センサーからデータを送信する信頼性の高いシステムを有することは、事実上、不可能である。一貫輸送コンテナ内部に配設されたセンサーから、データを有効に送信できるとすると、温度、光、可燃性ガス、動き、放射能、生物学的状態などの状態または/および、安全パラメータを監視することができる。これらの態様は、参照することによって本明細書に組み込まれる、2004年5月17日出願の、同時係属中の米国特許出願第10/847185において、充分に規定、図示、説明されている。さらに、このようなセンサー取り付けの完全性は重要なことであり、外部プラスチックまたは金属の改ざん防止「シール」、またはボルトバリアの従来の「シール」の挿入してコンテナのドアを固定する前述のドア掛け金機構より高性能の監視システムを必要とする。
【0010】
上記に加えて、ドアの動きからコンテナの完全性を監視するのは、比較的複雑である場合がある。コンテナは、個々のコンテナの内部も、コンテナが互いに積み重ねられても、構造的に堅固に、かつ重量物を運べるように構成されているが、各コンテナはまた、通常、横向き積載に対応して設計され、主にコンテナの搬送中に生じる、(特に)海上輸送に固有の動的応力および動きに対応している。典型的なコンテナの現在のISO基準によると、横向き荷重による垂直軸上のドアパネル間の許容移動量は、互いに40ミリメートルほどである。従来、2つのコンテナドア間の物理的境界面に緊密な相互関係を維持することに基づく安全対策は、一般に、実用的ではなかった。上方に積み重ねられた他のコンテナの構造的応力および、輸送時の動きなどは、コンテナのねじれやコンテナドア間の相対的な上下運動を引き起こす。これは、「ラッキング」と呼ばれるものである。しかしながら、この相対的な上下運動が、通常、ドア間を感知できるほど水平方向に分離させることにはならない。
【特許文献1】米国特許出願第10/667282号明細書
【特許文献2】米国特許出願第10/847185号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、(i)費用効率がよく、常時使用可能であり、しかも信頼できる方法で、コンテナの他の領域に対するコンテナのドアの動きを監視し、(ii)コンテナに配設された他のセキュリティセンサー用にデータパスを提供し、世界中の受取人宛の危険なまたは違法な貨物が侵入または可能な代替手段を検知し、(iii)同時に、安全および物流効率の理由から、コンテナの輸送中の動きを追跡する手段を提供する方法およびシステムを提供することは有利であるといえる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、コンテナの完全性を効率的にかつ確実に監視し、コンテナの安全性を維持する方法およびシステムに関する。さらに詳細には、本発明の一態様は、少なくとも1つのドアを有するコンテナの完全性を監視するセンサーシステムを含む。そのシステムは、少なくとも1つのドアの位置を監視できる位置にコンテナに固定されたセンサー筐体、筐体に固定され、コンテナの他の領域に対する、少なくとも1つのドアの近傍を検知し、センサーデータを供給する。データ解釈装置は、コンテナの中に配置されて、センサーと通信しセンサーデータを解釈する。送信器は、コンテナ外のある場所へ、感知された近傍に関する情報を通信するために設けてある。
【0013】
上述の実施形態の他の態様では、センサー筐体は、コンテナの少なくとも1つのドアに固定されている。一実施形態では、センサー筐体は、コンテナの少なくとも1つのドアに一体的に取り付けられている。
さらなる態様では、上述のシステムの実施形態は、少なくとも1つのドアに隣接して第2のドアを有するコンテナ、少なくとも1つのドアに固定されたセンサー筐体、および筐体に固定され第2のドアに対する少なくとも1つのドアの近傍を検知して、センサーデータを供給するセンサーを含む。
【0014】
さらなる態様では、上述のシステムの実施形態は、無線周波数を透さない、開孔を備えて構成されたコンテナを含み、開孔はセンサー筐体の一部を受容するのに適合し、コンテナ取り付け時にコンテナの外方に露出して無線周波数信号を送受信する。システムの送信器は、筐体に固定されて、検出された近傍に対する警報、注意、及び/または他の情報を開孔を介してコンテナの外の場所へ通信する位置にある。この実施形態では、センサー筐体は、開孔と筐体を密封噛合するために、筐体の周囲に伸びるガスケットを有してもよい。 上述のシステムのさらなる実施形態は、リードスイッチ、ホール効果センサー、または他の種類の近接センサーを含むセンサーを有する。好ましい実施形態では、リング磁石を内蔵するホール効果センサーを利用する。
【0015】
本発明のさらなる実施形態は、コンテナの少なくとも1つのドアに固定されたセンサー筐体、その中を通って筐体の一部を受容するのに適した開孔を有する、コンテナの少なくとも1つのドア、筐体内に配置されたデータ解釈装置、筐体内に配置されて、コンテナに形成された開孔を介して、コンテナの外のある場所に情報を通信できる位置にある送信器を含む。
【0016】
さらに、本発明の他の実施形態は、センサープレートを有するコンテナ、ホール効果センサーを含むセンサー、少なくとも1つのドアに固定されたセンサー筐体を含み、ホール効果センサーおよびセンサープレートはコンテナ内に取り付けられ、機能的に相互作用して少なくとも1つのドアの位置を監視する。
他の態様では、本発明の実施形態は、コンテナの完全性の侵害を監視することができる、少なくとも1つのドアを有するタイプのコンテナを製造する方法を含む。この方法は、センサー、センサー筐体、データ解釈装置、および送信器を有するセンサーシステムを提供し、少なくとも1つのドアの位置を監視できる位置で、コンテナのセンサー筐体を構造的に監視することを含む。センサーは、筐体に固定され、コンテナの他の領域に対する、少なくとも1つのドアの近傍を検知して、センサーデータを提供して、データ解釈装置は、コンテナの中に配設されており、センサーデータを解釈するためにセンサーと通信する。最後に、送信器は、コンテナの外のある場所へ、感知された近傍に関する情報を通信するために、コンテナに設けてある。
【0017】
他の実施形態では、さらに方法は、ホール効果センサーの使用を含み、近傍の検出は、少なくとも1つのドアと、コンテナの他の領域との間のホール効果を測定する手順を含む。一実施形態では、ホール効果センサーは、リング磁石を内蔵する。
さらなる実施形態では、方法は、コンテナの少なくとも1つのドアにセンサー筐体を固定し、コンテナの少なくとも1つのドアに、その中を通って筐体の一部を受容する位置に開孔を形成し、筐体内にデータ解釈装置を固定し、筐体内の、コンテナに形成された開孔を介して、コンテナ外のある場所と情報を通信する位置に送信器を固定することを含む。
【0018】
さらなる実施形態では、方法は、ホール効果センサーを用いて、少なくとも1つのドアに筐体を固定し、コンテナ内にセンサープレートを固定して、ホール効果センサーおよびセンサープレートが、機能的に相互作用して、少なくとも1つのドアの位置を監視するようにすることを含む。
【発明の効果】
【0019】
以下に規定、図示、説明する種類のコンテナ用セキュリティ装置は、コンテナに設置あるいは一体的に構成し、コンテナおよびその内容物の完全性および状態を効果的に監視するものである。以下により詳細に示すが、本発明の原理に基づく装置は、例えばコンテナドアのようなコンテナの所定の箇所内に配置されてドアの位置を監視するように構成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に規定、図示、説明する種類のコンテナ用セキュリティ装置は、コンテナに構成または固定され、コンテナおよびその内容物の完全性および状態を効果的に監視するものである。以下により詳細に示すように、本発明の原理に基づく装置は、コンテナの所定の箇所内に配置されるように構成される。
図1Aは、本発明の原理に基づくシステムの構成要素間の通信を示す図である。システムは、装置12、少なくとも1つの種類の読取り装置16、サーバ15、およびソフトウェアバックボーン17を含む。装置12は、コンテナ10が安全を保障された後に、コンテナ10に検知されない侵害が発生しないことを確保する。コンテナ10は、読取り装置16により安全を保障されて、追跡される。各読取り装置16は、例えば、GSMまたはCDMA網を介して、またはインターネットを介してデータをサーバ15へ送信するPCに、データをダウンロードするケーブルを介して、データを送信するモデムなどの、サーバ15と通信するためのハードウェアまたはソフトウェアを備えることができる。読取り装置16からサーバ15までデータを送信する様々な通常の手段を、読取り装置16内に、または別個の装置として実施することができる。読取り装置16は、ハンドヘルド式読取り装置16(A)、可動読取り装置16(B)、または固定読取り装置16(C)として構成できる。ハンドヘルド式読取り装置16(A)を、例えば、携帯電話、携帯情報端末、またはラップトップコンピュータなどと共に作動できる。基本的に、可動読取り装置16(B)は、通常、可動設置(例えば、既存のGPS、AIS、または同様の測位システムを用いるトラック、列車、または、船舶などへの搭載)で利用される、GPSインタフェースを備えた固定読取り装置であり、安全を保障して、追跡して、ハンドヘルド式読取り装置16(A)と同様の方法でコンテナの完全性を判断する。例えば、港または船荷ヤードなどの固定設置では、通常、固定読取り装置16(C)は、クレーンまたはゲート上に設置される。主として、読取り装置16は、装置12とサーバ15の間の中継局として機能する。
【0021】
サーバ15は、例えば、ドア事象(例えば、セキュリティ侵害、コンテナセキュリティ検査、コンテナの武装および武装解除など)、位置とともに、任意の付加的な所望の周辺センサー情報(例えば、温度、動き、放射能など)のような安全保障処理の詳細に関する記録を保存する。サーバ15は、ソフトウェアバックボーン17と協動して、コンテナ10の最終確認位置を決定して、任意個数のコンテナに対する完全性照会処理を行い、または、他の管理機能を実行するために、認可された関係先にアクセス可能である。
【0022】
装置12は、例えば、直接拡散方式を利用する無線インタフェースのような短距離無線インタフェースを介して読取り装置16と通信する。無線インタフェースは、例えば、ブルートゥース、または免許不要の産業科学医療用(ISM)バンド、例えば、2.4ギガヘルツ周辺で作動する、他の任意の短距離低電力無線システムを用いることができる。具体的な解決策の必要性に応じて、例えば、最大100mまでの無線周波数範囲のような、関連する無線周波数範囲を提供する。
【0023】
読取り装置16は、例えば、TCP/IPを利用するネットワーク13を介して、例えば、ユニバール移動通信システム(UMTS)、汎欧州デジタルセルラーシステム(GSM)、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、パシフィックデジタルセルラーシステム(PDC)、広帯域ローカルエリアネットワーク(WLAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、衛星通信システム、船舶自動識別装置(AIS)、または、Mobitexのような任意の好適な技術を介して、サーバ15と通信できる。サーバ15は、任意の好適な有線または無線技術を介してソフトウェアバックボーン17と通信できる。システムの主要機能は、読取り装置から適正な要求があったときに、暗号化された武装キーを発行することであることに注目すべきであり、これについては、参照することによって本明細書の一部となっており、先に参照した同時係属中の米国特許出願第10/667,282においてより詳しく示され、図示され、説明されている。ソフトウェアバックボーン17は、サーバ15、読取り装置16、および装置12を介して、例えば、コンテナ10の追跡および武装のようなリアルタイムの監視サービスをサポートするようになされている。サーバ15、またはソフトウェアバックボーン17、あるいはその両方は、例えば、識別情報、追跡情報、ドア事象、ならびに装置12により、および装置12と相互運用可能に接続された任意の付加的な周辺センサーにより送信された他のデータなどの情報を保存するようになされている。また、ソフトウェアバックボーン17は、例えば、インターネットを介してアクセスできるユーザインタフェースを通して、認可された関係先が保存された情報にアクセスすることを可能とする。
【0024】
ここで図1Bを参照すると、例示的サプライチェーンのポイント(A)から(I)までの流れ2を図示する図が示されている。最初に、ポイント(A)を参照すると、コンテナ10は、荷送人などにより貨物を満載される。ポイント(B)では、積載されたコンテナは、高速道路または鉄道輸送により船積港に輸送される。ポイント(C)では、コンテナは、海洋船荷ヤードのような積荷港に到着する。
【0025】
ポイント(D)では、コンテナは、輸送業者により運行された船に積載される。ポイント(E)では、コンテナは、輸送業者により陸揚げ港へ輸送される。ポイント(F)では、コンテナは、船から陸上げされる。ポイント(F)での陸上げにつづいて、ポイント(G)で、コンテナは、トラックに積載されて、陸揚げ港から出発する。ポイント(H)では、コンテナは、ポイント(B)と同様の方法で所望場所へ陸上を輸送される。ポイント(I)では、所望場所に到着したときに、コンテナは荷受人により荷卸しされる。
【0026】
当業者にとって明らかであるように、視覚的な、または他の通常の検知手段の無い状態で、コンテナの安全が危険にさらされうる時点が、流れ2のポイントの中に何回もある。さらに、コンテナの内容物の状態は、コンテナの内容物が荷卸しされるポイント(H)まで、流れ2にかかわるいずれの関係者にも全くわからないままでありうる。
図2Aは、装置12のブロック図である。装置12は、アンテナ20、RF/ベースバンドユニット21、マイクロプロセッサ(MCU)22、メモリ24、およびセンサー150を含む。また、装置12は、例えば、温度、振動、放射能、ガス検知、および動きのような、コンテナまたはその内容物の様々な内部状態を監視するための付加的センサーの取り付け用インタフェース28を備えることができる。また、装置12は、任意の電源26(例えば、バッテリなど)を含むことができるが、装置12は、脱着可能な、または離れて設置されている他の電源装置を利用することもできる。電源26が、バッテリを内蔵すると(本明細書に示すように)、装置12に電源26を内蔵していることは、電源26がコンテナ10の中にあることによって、電源26が受ける温度変動がより小さなものとなり、バッテリの寿命を延ばすために役立ちうる。電源26がコンテナ10内にあることは、電源26を改ざんする、または破損する可能性を低減させる点で有利である。また必要に応じて、装置12は、読取り装置16に直接、接続するコネクタを備えることができる。例えば、読取り装置16によるアクセス用に、コンテナ10の外壁にコネクタを設置することができる。そのとき、読取り装置16は、装置12から情報をダウンロードするために、ケーブルまたは他のダイレクトインタフェースを介して接続できる。
【0027】
さらに図2Aを参照すると、装置12の製作において、任意のセンサーを含むことができる。装置12のブロック図には具体的に図示されていないが、装置12内には、直接、光センサーまたは温度センサーなどの任意のセンサーを取り付けることができる。光センサーに関連して、光の変化の存在を直接に検知する性能を有する装置12を提供する光パイプの態様について、さらに詳細に後述する。同様に、温度示度の利用は、特定の用途において有利と考えることができ、また、装置12内に直接に内蔵することができる。
【0028】
さらに図2Aを参照すると、マイクロプロセッサ22(内部記憶装置を備えている)は、例えば、コンテナ武装または武装解除コマンド、およびコンテナセキュリティ検査などを含む、センサー150からの事象を識別する。また、識別されたドア事象は、コンテナ10が安全を保障された後のドアの開放のような、コンテナ10の内容物を危険にさらしうるセキュリティ侵害を含む。事象は、タイムスタンプされて、読取り装置16への伝送のためにメモリ24に保存されうる。事象は、ただちに、周期的に、または読取り装置16からの呼掛け信号に呼応して送信されうる。本明細書に示されたセンサー150は、近接感応型の種類のものであるが、例えば、2つの表面の間の相対的運動を検知する、他の任意の好適な種類のセンサーでもよい。したがって、本明細書で用いられるセンサーという用語は、これらの他の種類のセンサーを含むが、これらに限らない。
【0029】
アンテナ20が、読取り装置16とデータ交換を行うために設けてある。特に、例えば、状態および制御データなどの各種情報を交換処理できる。一意的にコンテナ10を識別するコードを用いて、マイクロプロセッサ22をプログラムできる。そのコードは、例えば、国際標準化機構(ISO)コンテナ識別コードなどでもよい。また、マイクロプロセッサ22は、船荷証券(B/L)、メカニカルシール番号、タイムスタンプ付き読取り装置証明などの、他のロジスティックデータを保存できる。特別な履歴ファイルを作成することができ、それによって、ドアおよび他のセンサー事象と共に、武装および追跡履歴を回収できる。また、識別のために、装置12から読取り装置16までコードを送信できる。読取り装置16への伝送のために、RF/ベースバンドユニット21は、マイクロプロセッサ信号をベースバンドから無線周波数にアップコンバートする。
【0030】
装置12は、アンテナ20を介して、読取り装置16からの完全性照会を受信することができる。完全性照会に呼応して、マイクロプロセッサ22は、メモリにアクセスして、例えば、ドア事象、温度示度、キュリティ侵害、または他の保存された情報などを抽出して、抽出された情報を読取り装置16に転送する。また、読取り装置16は、武装または武装解除コマンドを装置12に送出できる。コンテナ10が、読取り装置16により安全を保障されると、コンテナが安全を保障された後に、センサー150が、ある一定の移動、または他の事象、あるいはその両方を検知するとき、可聴警報または視覚警報を発するように、装置12のMCU22をプログラムできる。また、読取り装置16への伝送のために、装置12は、メモリ24に安全の侵害を記録できる。読取り装置16が、武装解除コマンドを装置12に送出すると、ドア事象を記録すること、もしくはセンサー150、または装置12と相互運用可能に接続された他のセンサーからの信号を受信することを停止するように、マイクロプロセッサ22をプログラムできる。
また、不要な電力消費を避けるために、電源26に対して電力管理技術を実行するように、マイクロプロセッサ22をプログラムできる。特に、1つの選択肢は、データを交換するための装置12の構成要素の起動に対して、アンテナ20を介して、1つ以上のタイムウィンドウを指定するということである。指定されたタイムウィンドウ以外では、不要な電力消費を避けるために、装置12をスリープモードに設定できる。このようなスリープモードは、装置稼動時間のかなりの割合を占めうるため、その結果として、数年間にわたってバッテリ交換の必要なしに装置12を作動させることができる。
【0031】
特に、本発明に基づいて、装置12は、電源26の経済的利用を達成するために「スリープ」モードを利用する。スリープモードでは、装置12の回路の一部が切られる。例えば、センサー150、およびスリープ時間tsleepを計測する時間計測ユニット(例えば、マイクロプロセッサ22のカウンタ)を除いて、すべての回路を切ることができる。代表的な実施形態では、スリープ時間が経過したとき、またはセンサー150がドア事象を感知するときに、装置12の残りの回路が動作状態になる。
【0032】
装置12が読取り装置16から信号を受信すると、装置12は、必要である限り読取り装置16との通信を保持する。装置12が読取り装置16から信号を受信しないとき、装置12は、無線信号時間、またはスニッフ「時間」(「tsniff」)と呼ばれる時間の間に、信号が来ないことを確認するために必要な間だけ、動作状態を継続する。
tsniffが経過すると、時間計測ユニットと、ドア事象が発生したか、または他のスリープ時間が経過した後に、再度装置12を起動するために作動するセンサー150とを除いて、装置12は再び停止状態になる。
【0033】
代表的な実施形態では、読取り装置信号時間は、スリープ時間よりも非常に短いので(例えば、数桁ほど小さく)、その分、装置の寿命が、「常時動作中」の状況に比べて延びる(例えば、数桁ほど)。
スリープ時間および読取り装置信号時間の合計(「サイクル時間」)は、読取り装置16が、装置12の存在を感知していることを確認するために、装置12および読取り装置16が達する必要のある時間に下限を課す。関連する時間は、経過時間(「tpass」)と呼ぶ。
【0034】
しかしながら、通常、経過時間(「tpass」)は、特定の状況の影響を受ける。経過時間は、ある状況下では非常に長い場合もあり(例えば、貨物用コンテナ上の装置12が、コンテナ10を運ぶトラックヘッドまたは車台上の読取り装置16と通信している何時間もの間)、他の状況では非常に短い場合もある(例えば、コンテナ10上の装置12が、固定読取り装置16(C)のそばを高速で通過している一瞬の間)。どういう用途であっても通常、各装置12は、その寿命の間に、長めの経過時間を有する状況にあることもあれば、短めの経過時間を有する状況にある。
【0035】
したがって、通常、スリープ時間は、想定される最も短い経過時間(「tpass,min」)と互換性があるように選択される。言い換えれば、関係式、
tsleep≦tpass,min−tsniff
が、装置の各動作状態に基づいて満足されるべきである。スリープ時間は、装置の特定の状況に応じた動的な事柄の中で(例えば、装置のライフサイクル内で)装置に割り当てられる。
【0036】
読取り装置16が、装置12と通信する毎に、読取り装置16は、読取り装置16の場所および機能、装置12からの読込みデータ、または読取り装置16で利用可能な他の情報を考慮して、装置12のスリープ時間のプログラムを変更する。
例えば、装置12を備えたコンテナ10が、トップリフタ、ストラドルキャリア、または他の好適な車輌によってトラックに設置されるとき、この好適な車輌は、読取り装置16を備えているが、トラックおよびトレーラは、読取り装置16を備えていない。トラックは、比較的、高速で運転して、港またはコンテナ置き場の出口にある固定読取り装置16(C)のそばを通過するであろうと予想される。したがって、車輌上の読取り装置16(C)は、短いスリープ時間(例えば、約0.5秒)で装置12をプログラムする必要がある。
【0037】
上に概説された考え方をさらに発展させると、状況に応じて、読取り装置16は、スリープ時間のシーケンスを装置12にプログラムできるということになるかもしれない。例えば、コンテナ10が船に積み込まれるときには、船が海上にある間は、装置12は1時間に1度だけ起動すれば十分であるかもしれない。しかしながら、船が仕向港に近づくことが予想されると、より短いスリープ時間が、コンテナ10を陸上げするクレーン上の読取り装置16が、装置12との確実に通信を行うことができるために必要とされるかもしれない。コンテナ10を船に積み込むクレーン上の読取り装置16は、装置12を以下のようにプログラムすることができる。最初は、3日間の間、1時間に1度、起動して、その後、10秒毎に起動する。
【0038】
他の事例では、読取り装置16は、装置12と共に移動しており、地理的位置によってスリープ時間を変更できる。例えば、コンテナ10上の装置12およびコンテナ10を牽引するトラックの読取り装置16は、コンテナ10が牽引されている間、絶えず互いに通信できると想定することができる。コンテナ10が、その目的地からはるかに遠く離れている間は、読取り装置16は、拡大された時間間隔(例えば、1時間)の間、装置12を休止するようにプログラムできる。読取り装置16が、全地球測位システム(GPS)受信器、または他の測位装置を備えているとき、読取り装置は、コンテナ10がいつその目的地に近づく予定であるかを判断できる。コンテナが目的地に近づくと、読取り装置16は、装置12を、より頻繁に(例えば、1秒毎に)起動するようにプログラムできる。
【0039】
上述した電力管理方法を、装置12に関して、海上、道路、鉄道、または飛行機を利用した輸送における貨物用コンテナまたは他の貨物のトラック輸送とのからみで説明したが、上述した電力管理方法を、例えば、在庫管理およびサプライチェーン管理、ならびに動物のトラック輸送、道路料金徴収用の車輌の識別、および盗難防止対策に対しても適用できることを当業者は理解すべきである。
【0040】
ここで図2Bを参照すると、装置12の第1の斜視図が示されている。装置12は、データユニット100(図示せず)を含むセンサー筐体25、および装置12の外方に突出するアンテナ部分104を備える。筐体25の構成は、特に、以下でさらに詳細に説明される方法で構成され、または変更されたコンテナ10内に取り付けるようになされている。図2Bの筐体は、本発明の様々な実施形態についての以下の説明に対する参考例の目的で示されている。
【0041】
ここで図2Cを参照すると、本明細書に示された筐体25の特定の実施形態は、透明ポリウレタンのような注入材料を受容する充填穴126を備えて、筐体25内に含まれたすべての電子機器および構成部品を固定して、かつ保護する。また、透明ポリウレタンは、内蔵された光センサーの使用を容易にする。もちろん、筐体25の実際の形が変化すると、充填穴126の位置は変化しうる。筐体25への構成部品の充填は、温湿度、塩水、霧などの大きな変化を含みうる厳しい一貫輸送環境からの保護の目的のためであることに注目すべきである。
【0042】
ここで図2Dを参照すると、図2Bの反対側から見た筐体25の斜視図が示されている。図2Dで示された筐体25は、D−Subコネクタの形のインタフェース28を示す。同様に、筐体25に接続された、使用していないときのD−Subコネクタの保護用のD−Subコネクタキャップ128が示されている。インタフェース28を含むD−Subコネクタは、コンテナ内の他のセンサーとの接続を可能とする。これらのセンサーは、金庫センサ、レーダ、音響センサーおよび振動センサー、煙センサー、ならびに水センサーを含みうる。水センサーは、鋼鉄を切断する際に用いることができるウォータカッティングデバイスの検知を可能とする。通常のコンテナの6つの側面すべての完全性を検知するようにシステムをアップグレードするとき、これは重要な配慮である。
【0043】
さらに図2Dを参照すると、光パイプ130の端部が示されており、この光パイプ130については、以下でさらに詳細に説明される。本発明の原理に基づいて、選択された移動を検出できる位置で表面134から外方に突出するセンサー筐体部分132が示されている。筐体25の位置決めとともに、センサー部分132の方向については、以下でさらに詳細に示されて、説明されるで。
【0044】
ここで図2Eを参照すると、筐体25の底面図が示されている。主要本体部分136から外方に突出するアンテナ部分104およびセンサー部分132が示されている。本実施形態の主要本体部分136は、全体として矩形形状である。もちろん、アンテナ部分104、センサー部分132、および本体部分136の形、寸法、および相対的比率は、本発明の原理に従って変化しうる。
【0045】
ここで図2Fを参照すると、外方に伸長するD−Subキャップを示す、筐体25の前面の立面図が示されている。同様に、1対の取り付け開孔138および139が示されており、これらの開孔は、以下でさらに詳細に説明されるように、筐体25を取り付けるために、ねじ部品を受容するようになされている。
ここで図2Gを参照すると、筐体25の組み立てを示す側面立面断面図が示されている。筐体25は、以下でさらに詳細に示されるように、プリント基板メインカード140に隣接して配設されているバッテリ26を備える。カード140の外方に、アンテナ20が取り付けられているアンテナ部分104がある。
【0046】
ここで図2Hを参照すると、筐体25のアンテナ部分104内のアンテナ20の取り付けが、拡大されてより明確に示されている。粘着テープ142によってアンテナ部分104に取り付けられたアンテナ20が示されている。アンテナ20から後方にカード140に向けて伸長するアンテナケーブル144が示されている。
ここで再び図2Gを参照すると、アンテナ20の反対側の筐体25の側面は、センサー部分132である。本発明では、以下でさらに詳細に説明されるように、センサー軸150Aを有するホール効果センサー150が取り付けられている。しかしながら、ホール効果センサーの利用は、あくまで説明の目的のために示されているに過ぎず、本発明の原理に基づいて他の種類のセンサーを利用することができることに注目すべきである。本明細書で説明されたように、ホール効果センサーの引用は、本発明の実施形態を説明する目的のためであり、いかなる点においても本発明の要旨および範囲に対する限定を意味するものではない。例えば、本明細書でさらに言及されるように、各種技術を用いて他の物体に対する物体の近接を検知するために、今日、産業界では、多様な近接センサが用いられている。
【0047】
ここで図2Iを参照すると、本発明の筐体25を、図2Gの反対側から見た側面立面断面図が示されている。本例では、さらに、アンテナ部分104とセンサー150の間に配設されたバッテリ26が示されている。
ここで図2Jを参照すると、図2Iのセンサー150の拡大図が示されている。ホール効果センサーカード152、リング磁石154、鉄心156、センサーケーブル158、鋼板160、およびプラスチック位置決め部品162からなる、この特定の実施形態のセンサー150が示されている。鉄心156は、磁力の観点から、一貫した材料で製造されていることが好ましい。この態様の重要性は、コンテナ、特にコンテナドアに用いられる鋼鉄の種類には幅広い多様性があるという事実のためである。コンテナによって材料は異なるであろうから、センサー150の一貫性および感度を提供するために、鉄心156に一貫性を有することは明確な利点がある。上述した鉄心は、リング磁石154と協動して、さらに高度のフラックスパターン線形性、感度、および信頼性をもたらす、かなり強いフラックスパターンを提供することに注目すべきである。この特定の装置は、上述したコンテナ毎の材料変化に対応するだけではなく、上述したコンテナのラッキングにも対応することになる。詳述したように、多くの場合、一貫輸送コンテナは、それらにねじれ応力を伝達するような方法で次々に積み重ねられる。上方のコンテナの荷重によってねじれるコンテナ、またはコンテナを輸送中の船の動き、あるいはその両方が、センサー150が適切に識別する必要のある移動を生じる。本実施形態では、センサー150は、コンテナのドア間の一方のドアの他方のドアに対する相対的運動の結果として生じるフラックスパターンの変化を検知する。垂直に並べられたドア間の水平方向変位は軽微な状態で、主に上下運動として現れるラッキングによるドア間の相対的運動は、このような装置で検知されるべきではない。このように、本発明の有効性および信頼性を最大にするために、コンテナの完全性の侵害を示すドアの移動だけが検知される。
【0048】
ここで図3を参照すると、図2Bの装置の分解組立図が示されており、2つの筐体部分から構成される筐体25が示されている。この特定の実施形態では、筐体25をプラスチックで構成でき、プラスチックケーシングドア側202に対向する第1のプラスチックケーシング背面側201が示されている。
さらに図3を参照すると、一実施形態では、筐体25の相対する片方である、201および202は、それぞれ、上述した充填工程の前に、摩擦溶接などで接合されうる。充填工程は、アンテナテープ142でカード140に隣接して固定されているアンテナ20を含む、様々な構成部品を固定する。アンテナ20は、アンテナケーブル144でカード140に接続されている。バッテリ26は、カード140に関してアンテナ20の反対側に取り付けられており、鋼板160およびリング磁石154に対して組み立てられた、プラスチック位置決め部品162および鉄心156が示されている。さらに、ホール効果センサーカードは、リング磁石154と心合した状態で示されている。ケーシング背面側201の表面に形成された開孔131を通して位置決めするために、ケーシング背面側201の外方に配置された光パイプ130が示されている。光パイプ130は、透明プラスチック材料で作られていることが好ましく、それによって、光がカード140にある光センサー(表面取り付け型など、図示せず)まで到達することができる。このようにして、本発明の原理に基づいて、完全性の侵害を示すコンテナの中の光の存在を検知することができる。
【0049】
ここで図4を参照すると、右のドア240および左のドア242を含むコンテナ10の部分斜視図が示されている。右のドア240の上部に沿って取り付けられた筐体25が示されている。ドア240に取り付けられた筐体25の透視図を提供するために、ドア240が図式的に示されている。筐体25の外方に突出するアンテナ部分104を有する筐体25の取り付けが、取り付け部材244を用いることにより可能となっている。本実施形態では、取り付け部材244は、全体としてU字型で構成されており、取り付け部材244に形成されたねじ切り開孔を備えている。このように、筐体25をコンテナ10に確実に取り付ける目的のために、図2Fに示された筐体25の開孔138および139を通して、ねじ部品を貫通できる。直立して伸びる部分またはバリアを有するフランジ250が、ドア242から外方に伸張する保持プレート252に溶接される。物を挿入するなどによる改ざんの試みから筐体25を保護するために、フランジ250を設けてある。さらに、図4のドア240の筐体25の特定の取り付けは、本発明の原理に基づく取り付け法の一実施形態に過ぎないことに注目すべきである。しかしながら、この特定の取り付け法は、ドア240と、ドア242またはドアの枠組などの他の金属表面間の相対的運動を判断するために、上述したホール効果センサーを用いることを容易にする。
【0050】
ここで図5を参照すると、図4のドア240および242の背面斜視図が示されている。この特定の図では、筐体25を覆うよう所定の位置で、ドア242の背面側から外方に伸張する保持プレート252が示されている。また、保持プレート252の存在は、上述したホール効果センサー150との相互作用のための表面を提供する。その点において、保持プレート252は、コンテナの外から見たとき、右のドア240の内側によりかかる。保持プレート252の長さは十分長く、保持プレート252がレバーとして機能することを可能としており、保持プレート252とホール効果センサーの間の距離の増加という検知可能な移動を生じることなく、同時に両方のドアを開けたり、または最初に左のドアを開けたりすることを不可能にしている。
【0051】
ここで図6A〜図6Dを参照すると、本発明の原理を図解する4つの図が示されている。図6Aは、コンテナ10のドア240における筐体25の取り付けの前面の立面図を示す。開孔230が、ドア240の図示された位置に構成されており、コンテナ10の外の場所へアンテナ通信を行う目的で筐体25のアンテナ部分104を暴露している。
図6Bは、図6Aのドア240の線B−Bについての側面立面断面図であり、ドア240に確実に取り付けられた筐体25を示している。筐体25の位置が、構造ビームのウェブ部分にあり、コンテナ10に対する有害な構造的影響なしに開孔230を形成できることがわかる。その点において、開孔230は、筐体25のアンテナ部分104を収容して、さらに、開孔230の周囲を密封状態で固定するために、エラストマーガスケット260を用いて嵌装される。
【0052】
ここで図6Cを参照すると、本発明の原理に基づいて、コンテナ10の外の場所と通信するために、アンテナ部分104の外方に配設されたアンテナ20が示されている。
ここで図6Dを参照すると、図6Aのコンテナドア240の線D−Dについての底面断面図が示されている。この図では、U字状の取り付け部材244で確実に取り付けられた筐体25が示されている。
【0053】
動作について見ると、上述した本発明の実施形態は、貨物用コンテナ10のドア間の相対的な水平運動または開口運動の検知を可能とする。また、上述したように、ホール効果センサー150は、本発明の原理に基づいて使用するためのセンサーの1つの種類に過ぎないことに注目すべきである。例えば、他のアナログ式磁束ベクトル(大きさおよび方向)センサーを組み込むことができる。同様に、リードスイッチ、ならびに1つの内部磁石およびドアの枠組に設置された第2の磁石の平衡型システムが想定される。上記で図示されて、説明されたように、コンテナのドアが互いから離れて行くときに生じるような、センサーと検出対象の物体との間の分離時に、ホール効果センサーは磁気ベクトル場の変化を計測する。これは、磁気ベクトル場センサーが、直接、永久磁石から、磁場、その大きさ、および方向を検知できるという事実により可能となる。実測された磁場または磁束は、鉄材料の距離に対して変化するため、上述した保持プレート252に対する本明細書で説明したホール効果センサー150の取り付け方法は、信頼性の高い近接計測の方法を提供する。
【0054】
本発明のホール効果センサーは、さらに高度のフラックスパターン線形性、感度、および信頼性をもたらす、強いフラックスパターンを有するリング磁石を利用する。このように、センサーは、物体と磁石の両方から合成された磁場を検知する。そこで、上述したコンテナのドア間の一方のドアの他方のドアに対する分離の相対的運動の結果として生じるフラックスパターンの変化は、電流、電圧または抵抗の変化をもたらすため、運動を示す信号を発生させる。この分離運動は、図2Jおよび図2Gに示されたセンサー軸150Aに沿って生じる。本発明のセンサーは、センサー軸150Aに沿った運動と、総体的にセンサー軸150Aに直交する、矢印150Bで示された運動とを判別する。矢印150Bの方向の相対的運動は、通常のコンテナラッキングなどで起こりうるものであり、一般に、このような運動は侵害を示さない。したがって、センサー150は、軸150Aに沿った運動を検知するようになされている。また、コンテナ10のドアのヒンジにおける非常に小さい移動は、本明細書で示された2つのドアの交差部分で拡大されることが分かる。このように、本発明のセンサーは、ドアの非常に小さい開きを検知できるため、他の方法で可能であるよりも、高度の信頼性およびコンテナ完全性の監視を提供する。また、鉄心156(図3)と組み合わせてリング磁石を用いることにより、センサーを介して、特に高くて、かつより直線的なフラックスを提供して、システムに有益であるとともに、製造中のセンサー装置の組み立て時のより大きな許容誤差につながる、センサーのダイナミックレンジの拡大をもたらすことを認識するべきである。
【0055】
上述の実施形態は、少なくとも1つのセンサー、および読取り装置16と通信するアンテナ20を含む単一ユニットとして示されているが、本発明は、数個のユニットとして実現されうる。例えば、光、温度、放射能などのセンサーを、コンテナ10の中のどこにでも配置できる。センサーは示度を読み取り、ブルートゥース、または任意の短距離通信システムを介して、示度または他の情報を読取り装置16に中継するアンテナユニットに示度を送信する。センサーは、アンテナユニットから遠く離して、分離してもよい。さらに、上述の実施形態は、セキュリティ侵害が発生したかどうかを判断するセンサー150を備える装置12を示す。しかしながら、セキュリティ侵害を判断するために、センサー150の代わりに、またはセンサー150に加えて、非常に多種多様なセンサーを使うことができる。例えば、上述した光パイプ130は、コンテナ10の中の光の変動を感知することができる。光が所定のしきい値を超えると、侵害が発生した可能性を示す安全注意を報じることが決められている。温度センサー、放射能センサー、可燃性ガスセンサーなどを、同様の方法で利用できる。
【0056】
また、装置12は、コンテナ10の物理的な施錠を誘発することができる。例えば、読取り装置16が、出荷のために、安全コマンドでコンテナ10の内容物の安全を保障するとき、マイクロプロセッサ22は、電磁ドアロックまたは他のこのような物理的施錠装置に通電することにより、コンテナ10を施錠することができる。コンテナが安全コマンドで安全を保障されると、コンテナ10は、盗難または改ざんを防止するために物理的に施錠される。
【0057】
また、上述したように、装置12を、コンテナ10内に配設された他の複数のセンサーと結合できる。そのとき、注意、または警報、あるいはその両方を必要とする状態をセンサーから受信するために装置12を利用できる。例えば、コンテナ10の中に置かれた放射性物質の存在の検知に対して警報信号を発生するために、放射能センサーを利用できる。同様に、光の存在を検知するために、コンテナ10内に1つ以上の光センサーを配設することができ、この光の存在は、コンテナの中に外部の光が入ることができるような、コンテナの表面の物理的な貫通を示唆しており、セキュリティ侵害を示しうる。本発明の原理に基づいて、これらのセンサー、および他のセンサーを装置12と共に利用することができる。
【0058】
また、将来のコンテナは非鉄材料で製作されるかもしれず、これにより、コンテナが無線周波数を透過することができるという事実が、上述されている。その場合には、本発明の原理に基づいて、本明細書で説明したセンサーに加えて、他の多様な種類のセンサーを利用することができる。さらに、ポリカーボネート材料で製作されているコンテナは、コンテナの外方に伝送することができる位置にアンテナを配置するための開孔の使用を必要としないかもしれない。一般に、コンテナの壁が無線周波数を透過する場合には、開孔は必要ない。さらに、様々な構成でセンサー筐体を設計できて、送信器部分は、このような開孔に組み込むための寸法および形状とはなされていない。
【0059】
図7Aに示されているように、読取り装置16は、短距離アンテナ30、マイクロプロセッサ36、メモリ38、および電源40を備える。図2Aに関して上述したように、短距離アンテナ30は、装置12への短距離無線の低電力通信回線を実現する。読取り装置16は、リモートコンテナ監視システム(例えば、GSM、CDMA、PDC、またはDAMPS無線通信規格に基づいて、もしくは、有線LAN、または無線ローカルエリアネットワークWLAN、Mobitex、GPRS、UMTSを用いて)へのリンクを実現する装置を含むか、または別個に取り付けることができる。いかなるこのような規格も本発明に対する拘束力を有さず、また、付加的かつ利用可能な無線通信規格を、読取り装置16の長距離無線通信に適用することができることを当業者は理解するものとする。例としては、Inmarsat、Iridium、Project 21、Odyssey、Globalstar、ECCO、Ellipso、Tritium、Teledesic、Spaceway、Orbcom、Obsidian、ACeS、Thuraya、または地上移動通信システムが利用できない場合のAriesのような衛星データ通信規格などがある。
【0060】
読取り装置16は、コンテナ10が積載されている車輌の位置決めを行う衛星測位ユニット34を含むか、または取り付けることができる。例えば、読取り装置16は、トラック、船、または鉄道車両に取り付けられた可動読取り装置16(B)でもよい。測位ユニット34の提供は任意であり、コンテナ10の追跡および位置決めの必要がない場合は省略できる。例えば、固定読取り装置16(C)の位置は既知であろうから、衛星測位情報は必要ない。位置決めを行うための一方法は、衛星測位システム(例えば、GPS、GNSS、またはGLONASSなど)の使用であるかもしれない。他の方法は、移動通信網を利用した読取り装置16の位置決めであるかもしれない。ここで、いくつかの測位技術は、純粋に移動通信網に基づく技術(例えば、EOTDなど)であり、他の技術は、衛星と、移動通信網に基づく測位技術(例えば、Assisted GPSなど)の組み合わせを基にする。
【0061】
読取り装置16のマイクロプロセッサ36およびメモリ38は、読取り装置16と、上述されたリモート監視システムならびに装置12との間のデータ交換の制御を可能とするとともに、また、このような交換されたデータの保存を可能とする。読取り装置16の構成要素の動作のために必要な電力は、電源40を介して提供される。
図7Bは、本発明の原理に基づくハンドヘルド式読取り装置16(A)の図である。携帯電話16(A1)から取り外したハンドヘルド式読取り装置16(A)が示されている。ハンドヘルド式読取り装置16(A)は、例えば、短距離用の直接拡散方式の無線インタフェースを介して、装置12と通信する(前述したように)。ハンドヘルド式読取り装置16(A)および装置12が、互いに近距離範囲内にあると(例えば、<100m)、装置12およびハンドヘルド式読取り装置16(A)は、互いに通信できる。装置12との通信を介して、電子的にコンテナの安全を保障し、または武装を解除するために、ハンドヘルド式読取り装置16(A)を用いることができる。また、例えば、コンテナ10の中の追加センサーからの情報、またはセンサー150からの示度など、装置12からの付加情報を取得するために、ハンドヘルド式読取り装置16(A)を用いることができる。
【0062】
図7Bに示されたハンドヘルド式読取り装置16(A)は、16(A1)として示された携帯電話またはPDAに接続されるようになされている。しかしながら、当業者には分かるように、ハンドヘルド式読取り装置16(A)は、独立型ユニットであってもよく、また、例えば、携帯情報端末、もしくはハンドヘルドコンピュータまたはラップトップコンピュータなどに接続されるようになされてもよい。読取り装置16は携帯電話から電力を得て、携帯電話と通信するために、ブルートゥース、または任意の類似インタフェースを利用する。
【0063】
ここで、装置12および読取り装置16の利用に対する付加的な応用事例を説明する。種々の輸送ユニットまたは被輸送ユニットに対する読取り装置16(B)の取り付けおよび取り外しに関する限り、あらゆる分離可能な接続機構が、本発明により幅広く利用される(例えば、磁気固定、ねじ、レール、フック、ボール、溶接、またはスナップ方式の取り付けを用いた機械的固定、さらに、例えば、電磁石などの任意の種類の電気的に達成可能な接続機構、またさらに、粘着テープ、スコッチテープ、接着剤、のり付けテープのような両面が使える化学的固定具など)。
【0064】
図8は、装置12および読取り装置16の第1の応用事例を示す。図8に示されたように、道路輸送に関する1つの選択肢は、読取り装置16をゲートまたは出荷倉庫、もしくはサプライチェーンに沿った任意の場所に固定することである。このような場合には、トラックにより牽引されて、出荷区域を出ていくとき、読取り装置16は、容易にコンテナ10の装置12と通信できる。他の選択肢は、上述したように読取り装置16をハンドヘルド式読取り装置16(A)として提供して、トラックが出荷区域を出発するとき、装置12を走査するか、またはコンテナ10の監視中、トラックのキャビン内でハンドヘルド式読取り装置16(A)を携行することである。
【0065】
図9は、鉄道輸送に関連した装置12および読取り装置16の第2の応用事例を示す。特に、図9は第1の例を示しており、読取り装置16の通信範囲に位置するコンテナへ短距離無線通信を行うために、読取り装置16が、線路に沿って装着自在に固定されている。そのとき、読取り装置16は、線路上を輸送されているコンテナ10の任意の装置12と、またはすべての装置12と短距離通信を実現できる。
【0066】
図10に示したように、同一原理は、コンテナ監視構成要素の第3の応用事例に適用される。ここで、海上輸送中、識別され、追跡され、または監視される各コンテナに対して、読取り装置16を、コンテナ10に取り付けられた装置12の通信範囲内に設ける必要がある。第1の選択肢は、無線通信ユニットの取り付け計画に基づいて、積載計画を変更することであろう。あるいは、他の制約条件およびパラメータに基づいて決定されている積載計画に従って、コンテナ船上の読取り装置16の配置を決定してもよい。この場合も先と同様に、コンテナ監視用の読取り装置16の柔軟な取り付け/取り外しは、運航業者の収益を生みださない、いかなる固定資産をも回避することを可能とする。換言すれば、コンテナの監視が不要になると、読取り装置16を、容易にコンテナ船から取り外すことができて、異なるコンテナ船で、または他の任意の輸送手段で使用することができる。また、読取り装置16を、VHF通信に基づくAIS、またはInmarsat衛星に接続できて、これらは、両方とも輸送船舶でよく利用されている。
【0067】
以上では、発明的な監視構成要素の応用が、長距離で全世界的な、地域的な、または小域的な輸送に関連して説明されたが、以下では、制限区域内での応用が、図7に関連して説明される。
特に、制限区域内の短距離および長距離無線通信の分割が、コンテナターミナル、コンテナ港、または何らかの製造現場のような制限区域の中でコンテナ10を取り扱う、すべての車輌および装置12に適用される。制限区域は、このようなターミナルの入口および出口、ならびにトップローダ、サイドローダ、リーチスタッカ、トランステーナ、ハスラー、クレーン、ストラドルキャリアなどのような任意の種類の荷役車輌を含む。
【0068】
通常、特定のコンテナは、単一の読取り装置16だけを用いて検索されることはなく、むしろ、ターミナルに広がった、例えば、クレーンまたはスタッカによってコンテナ10が取り扱われるたびに、状況および制御情報を受信する複数の読取り装置16を用いて検索される。換言すれば、コンテナが読取り装置16を通過するとき、その事象は、関連状況および制御情報を更新するために用いられる。
【0069】
12は、先に参照された米国特許出願第10/667,282に詳述された安全保障プロセスの流れ図を示す。初めに、ステップ800では、読取り装置16が、装置12から識別を要求する。ステップ802では、装置12は、読取り装置16に識別を送信して、ステップ804では、読取り装置16は、安全を保障するコンテナ10を選択する。ステップ806では、読取り装置16からサーバ15に要求を送出する。ステップ808では、サーバ15は、セキュリティキーを生成して、暗号化コードでセキュリティキーを暗号化する。ステップ810では、コンテナ10の安全を保障するために、読取り装置16を介して装置12に暗号化されたセキュリティキーを送信する。ステップ812では、セキュリティキーを解読して、装置12に保存する。コンテナ10の武装を解除するために、同様の処理手順を開始できる。読取り装置16の作用範囲を通過するとき、自動的にコンテナ10の安全を保障することができ、または、ユーザは、一度に、複数の特定の選択されたコンテナ10の安全を保障したり、または武装を解除したりすることができる。
【0070】
図13は、セキュリティチェックプロセスを示す。ステップ900では、読取り装置16は、検査対象のコンテナ10に呼びかけを送信する。ステップ902では、コンテナ10の装置12は、セキュリティキーおよび暗号化コードを用いて応答を生成する。ステップ904では、装置12から読取り装置16に応答を送出する。ステップ906では、また、読取り装置16は、サーバ15にも呼びかけを送出する。略同時に、または所定の時間を置いて交互に、サーバ15および装置12への呼びかけを送信できる。ステップ908および910の各々では、サーバ15は、セキュリティキーおよび暗号化コードを利用して読取り装置16への応答を生成して、かつ送出する。ステップ912では、読取り装置16は、応答が等しいかどうかを判断する。応答が等しいとき、コンテナ10は無事に安全を保持している。あるいは、応答が等しくないとき、コンテナ10のセキュリティ侵害(すなわち、ドア事象)が発生している。武装および武装解除プロセスと同様に、コンテナ10が読取り装置16の作用範囲の中を通過するとき、自動的にセキュリティ検査を実行でき、または、ユーザは、輸送中の任意の時点で、セキュリティ検査を開始できる。
【0071】
システムの当初のアーキテクチャが、CSDの適切な安全状況検査を完全に確認するために、基本的に、ネットワークアクセスを必要とする暗号化方式を利用したことに注目すべきである。CSDが依然として武装されていて、かつ警報状態にはないことを確認するために、同一キーを使用した。他の実施形態では、PKI(公開鍵インフラストラクチャ)を使用する。CSDおよびその状況を確認するために、公開鍵および秘密鍵を使用する。この機能は、ネットワーク接続が利用可能かどうかには無関係に実行される。この対称対非対称暗号の方法は、当技術分野において公知であり、参考のために本明細書に提示されている。
【0072】
本発明の実施形態が、添付図面で図示されて、前述の詳細な説明の中で記述されたが、本発明は、開示された実施形態に限定されるものではなく、下記のクレームで示された本発明を逸脱することなく、多数の再編成、修正、および置換が可能であるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0073】
下記添付図面とともに、本発明の例示的実施形態についての以下の詳細な説明を参照することにより、本発明の例示的実施形態の、より完全な理解を得ることができる。
【図1A】本発明の実施形態のシステムの構成要素間の通信を示す図である。
【図1B】例示的サプライチェーンを示す図である。
【図2A】本発明の実施形態の装置の概略図である。
【図2B】本発明の実施形態の装置の第1の斜視図である。
【図2C】図2Bの装置の一部分の拡大斜視図であり、装置の構造の一態様を示す。
【図2D】図2Bの装置の反対側から見た斜視図である。
【図2E】図2Bの装置の底面図である。
【図2F】図2Bの装置の前面の立面図である。
【図2G】図2Fの装置の線G−Gについての側面立面断面図である。
【図2H】図2Gの指定された部分の拡大した側面立面断面図である。
【図2I】図2Eの装置の線I−Iについての側面立面断面図である。
【図2J】図2Iの指定された部分の拡大した側面立面断面図である。
【図3】図2Bの装置の分解組立図である。
【図4】図2Bの装置の、本発明の原理の一実施形態に従ってコンテナに取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図5】図2Bの装置の取り付け、およびセンサーの反対側に配設された保持プレートを示す、コンテナ部分の背面斜視図である。
【図6A】図4および図5に示されたコンテナの一部の拡大正面図である。
【図6B】図6Aのコンテナ部分の線B−Bについての側面立面断面図である。
【図6C】図2Bの装置の拡大された部分であり、図のように図6Bのコンテナ部分に取り付けられた状態を示す。
【図6D】図6Aのコンテナ部分の線D−Dについての平面断面図である。
【図7A】本発明の実施形態の読取り装置の概略図である。
【図7B】本発明の原理に基づく読取り装置の図である。
【図8】本発明の実施形態の図1Aのシステムの第1の応用事例である。
【図9】本発明の実施形態の図1Aのシステムの第2の応用事例である。
【図10】本発明の実施形態の図1Aのシステムの第3の応用事例である。
【図11】本発明の実施形態の図1Aのシステムの第4の応用事例である。
【図12】コンテナ安全保障プロセスを示す図である。
【図13】コンテナのセキュリティチェックプロセスを示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナの安全性を監視して、その位置を追跡する方法およびシステムに関する。また特に、しかし限定するものではないが、供給網の初めから終わりまで一貫輸送貨物用コンテナの完全性を監視かつ追跡する方法およびシステムに関し、テロ、不法な出入国、貨物の盗難または粗悪化、および他の不正行為のような緊急の問題を阻止し、または予防するものである。
【背景技術】
【0002】
関連技術の歴史
世界中で出荷される貨物の大部分は、一貫輸送貨物用コンテナと呼ばれるもので輸送されている。本明細書に用いられる「コンテナ」という用語には、一般に、無線周波数信号を通さない、一貫輸送貨物用コンテナを含むがこれに限らずいかなるコンテナ(付属車輪の有無に関係なく)も含まれる。しかしながら、今後、無線周波数を透過させることが可能なポリカーボネート、または他の高度な非金属材料を部分的に用いてコンテナを構成することができるものと想定される。最も一般的な一貫輸送貨物用コンテナは、国際標準化機構(ISO)一貫輸送ドライコンテナとして知られるもので、ISOにより公表された特定の具体的な寸法上、機械的、およびその他の規格を満たし、貨物のすべての形態の陸海上輸送に対して、世界中で、互換性を有する標準化されたコンテナ、荷役設備、遠洋航行船、鉄道設備、および道路設備の開発および使用を奨励することにより国際貿易を促進するものである。現在、世界中を流通するこのようなコンテナは1900万個以上あり、腐敗しやすい品物を運搬する冷凍・冷蔵コンテナのような、より特化したコンテナもほぼ同数ある。アメリカ合衆国単独で、1年あたり約800万個、すなわち、1日あたり約2万個の積載コンテナを受け取り、毎年の着荷のすべての合計値の約半分にのぼっている。
【0003】
国際的に輸送されるすべての貨物の約90%がコンテナで運搬されていることから、コンテナ輸送は世界経済のバックボーンになっている。世界中で輸送されるコンテナが莫大な量であるために、個別の実査は実行不可能であり、現実には、アメリカ合衆国に入る約2〜4%のコンテナに対してのみ実査を行っているに過ぎない。貨物用コンテナを介したテロリストの生物装置、放射能装置、または爆発装置の導入の危険性は高く、世界貿易におけるコンテナの重要性を考慮すると、このような事件が国際経済に及ぼす影響は、壊滅的なものとなるかもしれない。
【0004】
十分な資源を、すべてのコンテナの実査を行うための取り組みに注いだとしても、このような取り組みは、重大な経済的結果をもたらすであろう。例えば、時間的遅延だけを考えても、工場の閉鎖や、顧客への商品の出荷に、好ましくない高い費用を要する遅延を引き起こすこともあり得る。
現在のコンテナのデザインは、コンテナまたはその内容物の安全を確立して、かつ監視する充分な機構を備えていない。典型的なコンテナはドア掛け金機構を備えて、プラスチックまたは金属の改ざん防止「シール」、またはボルトバリアの従来型「シール」を挿入してコンテナのドアを守る。従来のドア掛け金機構は、例えば、掛け金が取り付けられているドアから、掛け金の付属ボルトに穴をあけるなどの方法により、きわめて容易に破ることができる。また、現在使用されている従来のシール自体も、一般的な切断工具を用いて、かつかなり容易に複製されるシールで置換することにより、非常に簡単に破ることができる。
【0005】
最近、提案されたより高度な解決法は、電子式シール(「eシール」)である。これらのeシールは、従来のドアシールと同等であり、コンテナの付属品として、ぜい弱ではあるが、同じドア掛け金機構を介してコンテナに適用されるが、無線装置または電波反射装置のような電子装置を含み、設置後、eシールが切断されたり、破壊されたりした際にはeシールの通し番号、およびeシール信号を送信することができる。しかしながら、eシールは、コンテナの内部または内容物と通信できず、コンテナの内部または内容物に関連する情報を他の装置に送信しない。eシールは、コンテナの付属品であり、常設部分ではないため、例えば、eシールが単純に切断され、破棄されれば、その全体的な有用性は簡単に失われてしまう。その場合には、すべてのデータが失われる。
【0006】
通常、eシールは、低電力トランシーバを使用するか、または無線周波後方散乱技術を用いて、eシールタグから、例えば、ターミナルゲートに設置された読取り装置まで情報を伝達する。無線周波後方散乱は、レーダおよび無線を結合した放送技術に基づく、比較的高価な狭帯域の高電力無線技術を利用する。電波後方散乱技術は、読取り装置が比較的高い送信電力(すなわち、0.5〜3W)で無線信号を送出することを必要とし、この送信電力は、eシールからの変調されたデータまたは符号化されたデータと共に、読取り装置に反射されるか、または後方散乱される。
【0007】
さらに、eシールの利用は、現在、完全に公開された、暗号化されていない、不安定なエアインタフェースおよびプロトコルを用いており、eシールへの侵入およびその偽造をするのは比較的容易である。また、現在のeシールは、局所的に認可された1ギガヘルツより低い帯域のみにおいて作動するものであり、世界中の多くの国の無線規則が、現在、その帯域の使用を許可していないため、現在のeシールを、一貫輸送コンテナを用いる世界貿易で実用化することは、非現実的なものとなっている。
【0008】
さらに、侵入の代替形態、またはコンテナの内容物に関する不安を考えると、eシールは、コンテナの安全を監視することに効果的ではない。これはコンテナ内部にアクセスする従来の唯一の手段は、コンテナのドアを通ることであるため、コンテナが種々の方法で破られ、または危険にさらされる可能性があるからである。例えば、コンテナの標準的な通気孔を通して生物兵器をコンテナの中に注入したり、またはコンテナの側壁を切り開いて、内部にアクセスしたりすることも可能である。通常のシールおよびeシールは、コンテナのドアのセキュリティを監視する一形態にすぎず、両方とも損傷を受けやすい。従来のシールおよびeシールは、通常、単にコンテナのドア掛け金に掛けられているだけであり、船の荷積みや荷下ろしなどのコンテナ荷役中に、物理的損傷にさらされている。さらに、従来のシールおよびeシールは、コンテナの内容物を監視できない。
【0009】
無数の起こりうる問題、または脅威的な状況、あるいはその両方を防ぐために、コンテナの内部を監視する多重センサを利用する必要があると思われる。例えば、コンテナが爆弾、または爆弾の構成要素、あるいはその両方のような危険な放射性物質を輸送するために使用されることもあり得る。そういった状況では、このような重大な脅威の存在を検知するために、放射線センサーまたは爆発物センサーが必要になる。残念ながら、テロリストの脅威は、ひとつのカテゴリ限られたものではない。化学的および生物学的な戦闘が、社会全般に重大な脅威を引き起こしている。このため、両方の種類の検出器が必要であり、特定の状況では、放射線、ガス、および生物学的検出器が適切であると考えられる。しかしながら、このような検出器の利用に関して問題となるのは、センサーがコンテナの内部に配置される場合、このような検知したデータを外部へ伝送することである。標準的な一貫輸送コンテナが、無線信号を通さない鉄鋼から製造されているため、データ伝送に対応していない限り、このようなコンテナ内部に配設された、センサーからデータを送信する信頼性の高いシステムを有することは、事実上、不可能である。一貫輸送コンテナ内部に配設されたセンサーから、データを有効に送信できるとすると、温度、光、可燃性ガス、動き、放射能、生物学的状態などの状態または/および、安全パラメータを監視することができる。これらの態様は、参照することによって本明細書に組み込まれる、2004年5月17日出願の、同時係属中の米国特許出願第10/847185において、充分に規定、図示、説明されている。さらに、このようなセンサー取り付けの完全性は重要なことであり、外部プラスチックまたは金属の改ざん防止「シール」、またはボルトバリアの従来の「シール」の挿入してコンテナのドアを固定する前述のドア掛け金機構より高性能の監視システムを必要とする。
【0010】
上記に加えて、ドアの動きからコンテナの完全性を監視するのは、比較的複雑である場合がある。コンテナは、個々のコンテナの内部も、コンテナが互いに積み重ねられても、構造的に堅固に、かつ重量物を運べるように構成されているが、各コンテナはまた、通常、横向き積載に対応して設計され、主にコンテナの搬送中に生じる、(特に)海上輸送に固有の動的応力および動きに対応している。典型的なコンテナの現在のISO基準によると、横向き荷重による垂直軸上のドアパネル間の許容移動量は、互いに40ミリメートルほどである。従来、2つのコンテナドア間の物理的境界面に緊密な相互関係を維持することに基づく安全対策は、一般に、実用的ではなかった。上方に積み重ねられた他のコンテナの構造的応力および、輸送時の動きなどは、コンテナのねじれやコンテナドア間の相対的な上下運動を引き起こす。これは、「ラッキング」と呼ばれるものである。しかしながら、この相対的な上下運動が、通常、ドア間を感知できるほど水平方向に分離させることにはならない。
【特許文献1】米国特許出願第10/667282号明細書
【特許文献2】米国特許出願第10/847185号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、(i)費用効率がよく、常時使用可能であり、しかも信頼できる方法で、コンテナの他の領域に対するコンテナのドアの動きを監視し、(ii)コンテナに配設された他のセキュリティセンサー用にデータパスを提供し、世界中の受取人宛の危険なまたは違法な貨物が侵入または可能な代替手段を検知し、(iii)同時に、安全および物流効率の理由から、コンテナの輸送中の動きを追跡する手段を提供する方法およびシステムを提供することは有利であるといえる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、コンテナの完全性を効率的にかつ確実に監視し、コンテナの安全性を維持する方法およびシステムに関する。さらに詳細には、本発明の一態様は、少なくとも1つのドアを有するコンテナの完全性を監視するセンサーシステムを含む。そのシステムは、少なくとも1つのドアの位置を監視できる位置にコンテナに固定されたセンサー筐体、筐体に固定され、コンテナの他の領域に対する、少なくとも1つのドアの近傍を検知し、センサーデータを供給する。データ解釈装置は、コンテナの中に配置されて、センサーと通信しセンサーデータを解釈する。送信器は、コンテナ外のある場所へ、感知された近傍に関する情報を通信するために設けてある。
【0013】
上述の実施形態の他の態様では、センサー筐体は、コンテナの少なくとも1つのドアに固定されている。一実施形態では、センサー筐体は、コンテナの少なくとも1つのドアに一体的に取り付けられている。
さらなる態様では、上述のシステムの実施形態は、少なくとも1つのドアに隣接して第2のドアを有するコンテナ、少なくとも1つのドアに固定されたセンサー筐体、および筐体に固定され第2のドアに対する少なくとも1つのドアの近傍を検知して、センサーデータを供給するセンサーを含む。
【0014】
さらなる態様では、上述のシステムの実施形態は、無線周波数を透さない、開孔を備えて構成されたコンテナを含み、開孔はセンサー筐体の一部を受容するのに適合し、コンテナ取り付け時にコンテナの外方に露出して無線周波数信号を送受信する。システムの送信器は、筐体に固定されて、検出された近傍に対する警報、注意、及び/または他の情報を開孔を介してコンテナの外の場所へ通信する位置にある。この実施形態では、センサー筐体は、開孔と筐体を密封噛合するために、筐体の周囲に伸びるガスケットを有してもよい。 上述のシステムのさらなる実施形態は、リードスイッチ、ホール効果センサー、または他の種類の近接センサーを含むセンサーを有する。好ましい実施形態では、リング磁石を内蔵するホール効果センサーを利用する。
【0015】
本発明のさらなる実施形態は、コンテナの少なくとも1つのドアに固定されたセンサー筐体、その中を通って筐体の一部を受容するのに適した開孔を有する、コンテナの少なくとも1つのドア、筐体内に配置されたデータ解釈装置、筐体内に配置されて、コンテナに形成された開孔を介して、コンテナの外のある場所に情報を通信できる位置にある送信器を含む。
【0016】
さらに、本発明の他の実施形態は、センサープレートを有するコンテナ、ホール効果センサーを含むセンサー、少なくとも1つのドアに固定されたセンサー筐体を含み、ホール効果センサーおよびセンサープレートはコンテナ内に取り付けられ、機能的に相互作用して少なくとも1つのドアの位置を監視する。
他の態様では、本発明の実施形態は、コンテナの完全性の侵害を監視することができる、少なくとも1つのドアを有するタイプのコンテナを製造する方法を含む。この方法は、センサー、センサー筐体、データ解釈装置、および送信器を有するセンサーシステムを提供し、少なくとも1つのドアの位置を監視できる位置で、コンテナのセンサー筐体を構造的に監視することを含む。センサーは、筐体に固定され、コンテナの他の領域に対する、少なくとも1つのドアの近傍を検知して、センサーデータを提供して、データ解釈装置は、コンテナの中に配設されており、センサーデータを解釈するためにセンサーと通信する。最後に、送信器は、コンテナの外のある場所へ、感知された近傍に関する情報を通信するために、コンテナに設けてある。
【0017】
他の実施形態では、さらに方法は、ホール効果センサーの使用を含み、近傍の検出は、少なくとも1つのドアと、コンテナの他の領域との間のホール効果を測定する手順を含む。一実施形態では、ホール効果センサーは、リング磁石を内蔵する。
さらなる実施形態では、方法は、コンテナの少なくとも1つのドアにセンサー筐体を固定し、コンテナの少なくとも1つのドアに、その中を通って筐体の一部を受容する位置に開孔を形成し、筐体内にデータ解釈装置を固定し、筐体内の、コンテナに形成された開孔を介して、コンテナ外のある場所と情報を通信する位置に送信器を固定することを含む。
【0018】
さらなる実施形態では、方法は、ホール効果センサーを用いて、少なくとも1つのドアに筐体を固定し、コンテナ内にセンサープレートを固定して、ホール効果センサーおよびセンサープレートが、機能的に相互作用して、少なくとも1つのドアの位置を監視するようにすることを含む。
【発明の効果】
【0019】
以下に規定、図示、説明する種類のコンテナ用セキュリティ装置は、コンテナに設置あるいは一体的に構成し、コンテナおよびその内容物の完全性および状態を効果的に監視するものである。以下により詳細に示すが、本発明の原理に基づく装置は、例えばコンテナドアのようなコンテナの所定の箇所内に配置されてドアの位置を監視するように構成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に規定、図示、説明する種類のコンテナ用セキュリティ装置は、コンテナに構成または固定され、コンテナおよびその内容物の完全性および状態を効果的に監視するものである。以下により詳細に示すように、本発明の原理に基づく装置は、コンテナの所定の箇所内に配置されるように構成される。
図1Aは、本発明の原理に基づくシステムの構成要素間の通信を示す図である。システムは、装置12、少なくとも1つの種類の読取り装置16、サーバ15、およびソフトウェアバックボーン17を含む。装置12は、コンテナ10が安全を保障された後に、コンテナ10に検知されない侵害が発生しないことを確保する。コンテナ10は、読取り装置16により安全を保障されて、追跡される。各読取り装置16は、例えば、GSMまたはCDMA網を介して、またはインターネットを介してデータをサーバ15へ送信するPCに、データをダウンロードするケーブルを介して、データを送信するモデムなどの、サーバ15と通信するためのハードウェアまたはソフトウェアを備えることができる。読取り装置16からサーバ15までデータを送信する様々な通常の手段を、読取り装置16内に、または別個の装置として実施することができる。読取り装置16は、ハンドヘルド式読取り装置16(A)、可動読取り装置16(B)、または固定読取り装置16(C)として構成できる。ハンドヘルド式読取り装置16(A)を、例えば、携帯電話、携帯情報端末、またはラップトップコンピュータなどと共に作動できる。基本的に、可動読取り装置16(B)は、通常、可動設置(例えば、既存のGPS、AIS、または同様の測位システムを用いるトラック、列車、または、船舶などへの搭載)で利用される、GPSインタフェースを備えた固定読取り装置であり、安全を保障して、追跡して、ハンドヘルド式読取り装置16(A)と同様の方法でコンテナの完全性を判断する。例えば、港または船荷ヤードなどの固定設置では、通常、固定読取り装置16(C)は、クレーンまたはゲート上に設置される。主として、読取り装置16は、装置12とサーバ15の間の中継局として機能する。
【0021】
サーバ15は、例えば、ドア事象(例えば、セキュリティ侵害、コンテナセキュリティ検査、コンテナの武装および武装解除など)、位置とともに、任意の付加的な所望の周辺センサー情報(例えば、温度、動き、放射能など)のような安全保障処理の詳細に関する記録を保存する。サーバ15は、ソフトウェアバックボーン17と協動して、コンテナ10の最終確認位置を決定して、任意個数のコンテナに対する完全性照会処理を行い、または、他の管理機能を実行するために、認可された関係先にアクセス可能である。
【0022】
装置12は、例えば、直接拡散方式を利用する無線インタフェースのような短距離無線インタフェースを介して読取り装置16と通信する。無線インタフェースは、例えば、ブルートゥース、または免許不要の産業科学医療用(ISM)バンド、例えば、2.4ギガヘルツ周辺で作動する、他の任意の短距離低電力無線システムを用いることができる。具体的な解決策の必要性に応じて、例えば、最大100mまでの無線周波数範囲のような、関連する無線周波数範囲を提供する。
【0023】
読取り装置16は、例えば、TCP/IPを利用するネットワーク13を介して、例えば、ユニバール移動通信システム(UMTS)、汎欧州デジタルセルラーシステム(GSM)、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、パシフィックデジタルセルラーシステム(PDC)、広帯域ローカルエリアネットワーク(WLAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、衛星通信システム、船舶自動識別装置(AIS)、または、Mobitexのような任意の好適な技術を介して、サーバ15と通信できる。サーバ15は、任意の好適な有線または無線技術を介してソフトウェアバックボーン17と通信できる。システムの主要機能は、読取り装置から適正な要求があったときに、暗号化された武装キーを発行することであることに注目すべきであり、これについては、参照することによって本明細書の一部となっており、先に参照した同時係属中の米国特許出願第10/667,282においてより詳しく示され、図示され、説明されている。ソフトウェアバックボーン17は、サーバ15、読取り装置16、および装置12を介して、例えば、コンテナ10の追跡および武装のようなリアルタイムの監視サービスをサポートするようになされている。サーバ15、またはソフトウェアバックボーン17、あるいはその両方は、例えば、識別情報、追跡情報、ドア事象、ならびに装置12により、および装置12と相互運用可能に接続された任意の付加的な周辺センサーにより送信された他のデータなどの情報を保存するようになされている。また、ソフトウェアバックボーン17は、例えば、インターネットを介してアクセスできるユーザインタフェースを通して、認可された関係先が保存された情報にアクセスすることを可能とする。
【0024】
ここで図1Bを参照すると、例示的サプライチェーンのポイント(A)から(I)までの流れ2を図示する図が示されている。最初に、ポイント(A)を参照すると、コンテナ10は、荷送人などにより貨物を満載される。ポイント(B)では、積載されたコンテナは、高速道路または鉄道輸送により船積港に輸送される。ポイント(C)では、コンテナは、海洋船荷ヤードのような積荷港に到着する。
【0025】
ポイント(D)では、コンテナは、輸送業者により運行された船に積載される。ポイント(E)では、コンテナは、輸送業者により陸揚げ港へ輸送される。ポイント(F)では、コンテナは、船から陸上げされる。ポイント(F)での陸上げにつづいて、ポイント(G)で、コンテナは、トラックに積載されて、陸揚げ港から出発する。ポイント(H)では、コンテナは、ポイント(B)と同様の方法で所望場所へ陸上を輸送される。ポイント(I)では、所望場所に到着したときに、コンテナは荷受人により荷卸しされる。
【0026】
当業者にとって明らかであるように、視覚的な、または他の通常の検知手段の無い状態で、コンテナの安全が危険にさらされうる時点が、流れ2のポイントの中に何回もある。さらに、コンテナの内容物の状態は、コンテナの内容物が荷卸しされるポイント(H)まで、流れ2にかかわるいずれの関係者にも全くわからないままでありうる。
図2Aは、装置12のブロック図である。装置12は、アンテナ20、RF/ベースバンドユニット21、マイクロプロセッサ(MCU)22、メモリ24、およびセンサー150を含む。また、装置12は、例えば、温度、振動、放射能、ガス検知、および動きのような、コンテナまたはその内容物の様々な内部状態を監視するための付加的センサーの取り付け用インタフェース28を備えることができる。また、装置12は、任意の電源26(例えば、バッテリなど)を含むことができるが、装置12は、脱着可能な、または離れて設置されている他の電源装置を利用することもできる。電源26が、バッテリを内蔵すると(本明細書に示すように)、装置12に電源26を内蔵していることは、電源26がコンテナ10の中にあることによって、電源26が受ける温度変動がより小さなものとなり、バッテリの寿命を延ばすために役立ちうる。電源26がコンテナ10内にあることは、電源26を改ざんする、または破損する可能性を低減させる点で有利である。また必要に応じて、装置12は、読取り装置16に直接、接続するコネクタを備えることができる。例えば、読取り装置16によるアクセス用に、コンテナ10の外壁にコネクタを設置することができる。そのとき、読取り装置16は、装置12から情報をダウンロードするために、ケーブルまたは他のダイレクトインタフェースを介して接続できる。
【0027】
さらに図2Aを参照すると、装置12の製作において、任意のセンサーを含むことができる。装置12のブロック図には具体的に図示されていないが、装置12内には、直接、光センサーまたは温度センサーなどの任意のセンサーを取り付けることができる。光センサーに関連して、光の変化の存在を直接に検知する性能を有する装置12を提供する光パイプの態様について、さらに詳細に後述する。同様に、温度示度の利用は、特定の用途において有利と考えることができ、また、装置12内に直接に内蔵することができる。
【0028】
さらに図2Aを参照すると、マイクロプロセッサ22(内部記憶装置を備えている)は、例えば、コンテナ武装または武装解除コマンド、およびコンテナセキュリティ検査などを含む、センサー150からの事象を識別する。また、識別されたドア事象は、コンテナ10が安全を保障された後のドアの開放のような、コンテナ10の内容物を危険にさらしうるセキュリティ侵害を含む。事象は、タイムスタンプされて、読取り装置16への伝送のためにメモリ24に保存されうる。事象は、ただちに、周期的に、または読取り装置16からの呼掛け信号に呼応して送信されうる。本明細書に示されたセンサー150は、近接感応型の種類のものであるが、例えば、2つの表面の間の相対的運動を検知する、他の任意の好適な種類のセンサーでもよい。したがって、本明細書で用いられるセンサーという用語は、これらの他の種類のセンサーを含むが、これらに限らない。
【0029】
アンテナ20が、読取り装置16とデータ交換を行うために設けてある。特に、例えば、状態および制御データなどの各種情報を交換処理できる。一意的にコンテナ10を識別するコードを用いて、マイクロプロセッサ22をプログラムできる。そのコードは、例えば、国際標準化機構(ISO)コンテナ識別コードなどでもよい。また、マイクロプロセッサ22は、船荷証券(B/L)、メカニカルシール番号、タイムスタンプ付き読取り装置証明などの、他のロジスティックデータを保存できる。特別な履歴ファイルを作成することができ、それによって、ドアおよび他のセンサー事象と共に、武装および追跡履歴を回収できる。また、識別のために、装置12から読取り装置16までコードを送信できる。読取り装置16への伝送のために、RF/ベースバンドユニット21は、マイクロプロセッサ信号をベースバンドから無線周波数にアップコンバートする。
【0030】
装置12は、アンテナ20を介して、読取り装置16からの完全性照会を受信することができる。完全性照会に呼応して、マイクロプロセッサ22は、メモリにアクセスして、例えば、ドア事象、温度示度、キュリティ侵害、または他の保存された情報などを抽出して、抽出された情報を読取り装置16に転送する。また、読取り装置16は、武装または武装解除コマンドを装置12に送出できる。コンテナ10が、読取り装置16により安全を保障されると、コンテナが安全を保障された後に、センサー150が、ある一定の移動、または他の事象、あるいはその両方を検知するとき、可聴警報または視覚警報を発するように、装置12のMCU22をプログラムできる。また、読取り装置16への伝送のために、装置12は、メモリ24に安全の侵害を記録できる。読取り装置16が、武装解除コマンドを装置12に送出すると、ドア事象を記録すること、もしくはセンサー150、または装置12と相互運用可能に接続された他のセンサーからの信号を受信することを停止するように、マイクロプロセッサ22をプログラムできる。
また、不要な電力消費を避けるために、電源26に対して電力管理技術を実行するように、マイクロプロセッサ22をプログラムできる。特に、1つの選択肢は、データを交換するための装置12の構成要素の起動に対して、アンテナ20を介して、1つ以上のタイムウィンドウを指定するということである。指定されたタイムウィンドウ以外では、不要な電力消費を避けるために、装置12をスリープモードに設定できる。このようなスリープモードは、装置稼動時間のかなりの割合を占めうるため、その結果として、数年間にわたってバッテリ交換の必要なしに装置12を作動させることができる。
【0031】
特に、本発明に基づいて、装置12は、電源26の経済的利用を達成するために「スリープ」モードを利用する。スリープモードでは、装置12の回路の一部が切られる。例えば、センサー150、およびスリープ時間tsleepを計測する時間計測ユニット(例えば、マイクロプロセッサ22のカウンタ)を除いて、すべての回路を切ることができる。代表的な実施形態では、スリープ時間が経過したとき、またはセンサー150がドア事象を感知するときに、装置12の残りの回路が動作状態になる。
【0032】
装置12が読取り装置16から信号を受信すると、装置12は、必要である限り読取り装置16との通信を保持する。装置12が読取り装置16から信号を受信しないとき、装置12は、無線信号時間、またはスニッフ「時間」(「tsniff」)と呼ばれる時間の間に、信号が来ないことを確認するために必要な間だけ、動作状態を継続する。
tsniffが経過すると、時間計測ユニットと、ドア事象が発生したか、または他のスリープ時間が経過した後に、再度装置12を起動するために作動するセンサー150とを除いて、装置12は再び停止状態になる。
【0033】
代表的な実施形態では、読取り装置信号時間は、スリープ時間よりも非常に短いので(例えば、数桁ほど小さく)、その分、装置の寿命が、「常時動作中」の状況に比べて延びる(例えば、数桁ほど)。
スリープ時間および読取り装置信号時間の合計(「サイクル時間」)は、読取り装置16が、装置12の存在を感知していることを確認するために、装置12および読取り装置16が達する必要のある時間に下限を課す。関連する時間は、経過時間(「tpass」)と呼ぶ。
【0034】
しかしながら、通常、経過時間(「tpass」)は、特定の状況の影響を受ける。経過時間は、ある状況下では非常に長い場合もあり(例えば、貨物用コンテナ上の装置12が、コンテナ10を運ぶトラックヘッドまたは車台上の読取り装置16と通信している何時間もの間)、他の状況では非常に短い場合もある(例えば、コンテナ10上の装置12が、固定読取り装置16(C)のそばを高速で通過している一瞬の間)。どういう用途であっても通常、各装置12は、その寿命の間に、長めの経過時間を有する状況にあることもあれば、短めの経過時間を有する状況にある。
【0035】
したがって、通常、スリープ時間は、想定される最も短い経過時間(「tpass,min」)と互換性があるように選択される。言い換えれば、関係式、
tsleep≦tpass,min−tsniff
が、装置の各動作状態に基づいて満足されるべきである。スリープ時間は、装置の特定の状況に応じた動的な事柄の中で(例えば、装置のライフサイクル内で)装置に割り当てられる。
【0036】
読取り装置16が、装置12と通信する毎に、読取り装置16は、読取り装置16の場所および機能、装置12からの読込みデータ、または読取り装置16で利用可能な他の情報を考慮して、装置12のスリープ時間のプログラムを変更する。
例えば、装置12を備えたコンテナ10が、トップリフタ、ストラドルキャリア、または他の好適な車輌によってトラックに設置されるとき、この好適な車輌は、読取り装置16を備えているが、トラックおよびトレーラは、読取り装置16を備えていない。トラックは、比較的、高速で運転して、港またはコンテナ置き場の出口にある固定読取り装置16(C)のそばを通過するであろうと予想される。したがって、車輌上の読取り装置16(C)は、短いスリープ時間(例えば、約0.5秒)で装置12をプログラムする必要がある。
【0037】
上に概説された考え方をさらに発展させると、状況に応じて、読取り装置16は、スリープ時間のシーケンスを装置12にプログラムできるということになるかもしれない。例えば、コンテナ10が船に積み込まれるときには、船が海上にある間は、装置12は1時間に1度だけ起動すれば十分であるかもしれない。しかしながら、船が仕向港に近づくことが予想されると、より短いスリープ時間が、コンテナ10を陸上げするクレーン上の読取り装置16が、装置12との確実に通信を行うことができるために必要とされるかもしれない。コンテナ10を船に積み込むクレーン上の読取り装置16は、装置12を以下のようにプログラムすることができる。最初は、3日間の間、1時間に1度、起動して、その後、10秒毎に起動する。
【0038】
他の事例では、読取り装置16は、装置12と共に移動しており、地理的位置によってスリープ時間を変更できる。例えば、コンテナ10上の装置12およびコンテナ10を牽引するトラックの読取り装置16は、コンテナ10が牽引されている間、絶えず互いに通信できると想定することができる。コンテナ10が、その目的地からはるかに遠く離れている間は、読取り装置16は、拡大された時間間隔(例えば、1時間)の間、装置12を休止するようにプログラムできる。読取り装置16が、全地球測位システム(GPS)受信器、または他の測位装置を備えているとき、読取り装置は、コンテナ10がいつその目的地に近づく予定であるかを判断できる。コンテナが目的地に近づくと、読取り装置16は、装置12を、より頻繁に(例えば、1秒毎に)起動するようにプログラムできる。
【0039】
上述した電力管理方法を、装置12に関して、海上、道路、鉄道、または飛行機を利用した輸送における貨物用コンテナまたは他の貨物のトラック輸送とのからみで説明したが、上述した電力管理方法を、例えば、在庫管理およびサプライチェーン管理、ならびに動物のトラック輸送、道路料金徴収用の車輌の識別、および盗難防止対策に対しても適用できることを当業者は理解すべきである。
【0040】
ここで図2Bを参照すると、装置12の第1の斜視図が示されている。装置12は、データユニット100(図示せず)を含むセンサー筐体25、および装置12の外方に突出するアンテナ部分104を備える。筐体25の構成は、特に、以下でさらに詳細に説明される方法で構成され、または変更されたコンテナ10内に取り付けるようになされている。図2Bの筐体は、本発明の様々な実施形態についての以下の説明に対する参考例の目的で示されている。
【0041】
ここで図2Cを参照すると、本明細書に示された筐体25の特定の実施形態は、透明ポリウレタンのような注入材料を受容する充填穴126を備えて、筐体25内に含まれたすべての電子機器および構成部品を固定して、かつ保護する。また、透明ポリウレタンは、内蔵された光センサーの使用を容易にする。もちろん、筐体25の実際の形が変化すると、充填穴126の位置は変化しうる。筐体25への構成部品の充填は、温湿度、塩水、霧などの大きな変化を含みうる厳しい一貫輸送環境からの保護の目的のためであることに注目すべきである。
【0042】
ここで図2Dを参照すると、図2Bの反対側から見た筐体25の斜視図が示されている。図2Dで示された筐体25は、D−Subコネクタの形のインタフェース28を示す。同様に、筐体25に接続された、使用していないときのD−Subコネクタの保護用のD−Subコネクタキャップ128が示されている。インタフェース28を含むD−Subコネクタは、コンテナ内の他のセンサーとの接続を可能とする。これらのセンサーは、金庫センサ、レーダ、音響センサーおよび振動センサー、煙センサー、ならびに水センサーを含みうる。水センサーは、鋼鉄を切断する際に用いることができるウォータカッティングデバイスの検知を可能とする。通常のコンテナの6つの側面すべての完全性を検知するようにシステムをアップグレードするとき、これは重要な配慮である。
【0043】
さらに図2Dを参照すると、光パイプ130の端部が示されており、この光パイプ130については、以下でさらに詳細に説明される。本発明の原理に基づいて、選択された移動を検出できる位置で表面134から外方に突出するセンサー筐体部分132が示されている。筐体25の位置決めとともに、センサー部分132の方向については、以下でさらに詳細に示されて、説明されるで。
【0044】
ここで図2Eを参照すると、筐体25の底面図が示されている。主要本体部分136から外方に突出するアンテナ部分104およびセンサー部分132が示されている。本実施形態の主要本体部分136は、全体として矩形形状である。もちろん、アンテナ部分104、センサー部分132、および本体部分136の形、寸法、および相対的比率は、本発明の原理に従って変化しうる。
【0045】
ここで図2Fを参照すると、外方に伸長するD−Subキャップを示す、筐体25の前面の立面図が示されている。同様に、1対の取り付け開孔138および139が示されており、これらの開孔は、以下でさらに詳細に説明されるように、筐体25を取り付けるために、ねじ部品を受容するようになされている。
ここで図2Gを参照すると、筐体25の組み立てを示す側面立面断面図が示されている。筐体25は、以下でさらに詳細に示されるように、プリント基板メインカード140に隣接して配設されているバッテリ26を備える。カード140の外方に、アンテナ20が取り付けられているアンテナ部分104がある。
【0046】
ここで図2Hを参照すると、筐体25のアンテナ部分104内のアンテナ20の取り付けが、拡大されてより明確に示されている。粘着テープ142によってアンテナ部分104に取り付けられたアンテナ20が示されている。アンテナ20から後方にカード140に向けて伸長するアンテナケーブル144が示されている。
ここで再び図2Gを参照すると、アンテナ20の反対側の筐体25の側面は、センサー部分132である。本発明では、以下でさらに詳細に説明されるように、センサー軸150Aを有するホール効果センサー150が取り付けられている。しかしながら、ホール効果センサーの利用は、あくまで説明の目的のために示されているに過ぎず、本発明の原理に基づいて他の種類のセンサーを利用することができることに注目すべきである。本明細書で説明されたように、ホール効果センサーの引用は、本発明の実施形態を説明する目的のためであり、いかなる点においても本発明の要旨および範囲に対する限定を意味するものではない。例えば、本明細書でさらに言及されるように、各種技術を用いて他の物体に対する物体の近接を検知するために、今日、産業界では、多様な近接センサが用いられている。
【0047】
ここで図2Iを参照すると、本発明の筐体25を、図2Gの反対側から見た側面立面断面図が示されている。本例では、さらに、アンテナ部分104とセンサー150の間に配設されたバッテリ26が示されている。
ここで図2Jを参照すると、図2Iのセンサー150の拡大図が示されている。ホール効果センサーカード152、リング磁石154、鉄心156、センサーケーブル158、鋼板160、およびプラスチック位置決め部品162からなる、この特定の実施形態のセンサー150が示されている。鉄心156は、磁力の観点から、一貫した材料で製造されていることが好ましい。この態様の重要性は、コンテナ、特にコンテナドアに用いられる鋼鉄の種類には幅広い多様性があるという事実のためである。コンテナによって材料は異なるであろうから、センサー150の一貫性および感度を提供するために、鉄心156に一貫性を有することは明確な利点がある。上述した鉄心は、リング磁石154と協動して、さらに高度のフラックスパターン線形性、感度、および信頼性をもたらす、かなり強いフラックスパターンを提供することに注目すべきである。この特定の装置は、上述したコンテナ毎の材料変化に対応するだけではなく、上述したコンテナのラッキングにも対応することになる。詳述したように、多くの場合、一貫輸送コンテナは、それらにねじれ応力を伝達するような方法で次々に積み重ねられる。上方のコンテナの荷重によってねじれるコンテナ、またはコンテナを輸送中の船の動き、あるいはその両方が、センサー150が適切に識別する必要のある移動を生じる。本実施形態では、センサー150は、コンテナのドア間の一方のドアの他方のドアに対する相対的運動の結果として生じるフラックスパターンの変化を検知する。垂直に並べられたドア間の水平方向変位は軽微な状態で、主に上下運動として現れるラッキングによるドア間の相対的運動は、このような装置で検知されるべきではない。このように、本発明の有効性および信頼性を最大にするために、コンテナの完全性の侵害を示すドアの移動だけが検知される。
【0048】
ここで図3を参照すると、図2Bの装置の分解組立図が示されており、2つの筐体部分から構成される筐体25が示されている。この特定の実施形態では、筐体25をプラスチックで構成でき、プラスチックケーシングドア側202に対向する第1のプラスチックケーシング背面側201が示されている。
さらに図3を参照すると、一実施形態では、筐体25の相対する片方である、201および202は、それぞれ、上述した充填工程の前に、摩擦溶接などで接合されうる。充填工程は、アンテナテープ142でカード140に隣接して固定されているアンテナ20を含む、様々な構成部品を固定する。アンテナ20は、アンテナケーブル144でカード140に接続されている。バッテリ26は、カード140に関してアンテナ20の反対側に取り付けられており、鋼板160およびリング磁石154に対して組み立てられた、プラスチック位置決め部品162および鉄心156が示されている。さらに、ホール効果センサーカードは、リング磁石154と心合した状態で示されている。ケーシング背面側201の表面に形成された開孔131を通して位置決めするために、ケーシング背面側201の外方に配置された光パイプ130が示されている。光パイプ130は、透明プラスチック材料で作られていることが好ましく、それによって、光がカード140にある光センサー(表面取り付け型など、図示せず)まで到達することができる。このようにして、本発明の原理に基づいて、完全性の侵害を示すコンテナの中の光の存在を検知することができる。
【0049】
ここで図4を参照すると、右のドア240および左のドア242を含むコンテナ10の部分斜視図が示されている。右のドア240の上部に沿って取り付けられた筐体25が示されている。ドア240に取り付けられた筐体25の透視図を提供するために、ドア240が図式的に示されている。筐体25の外方に突出するアンテナ部分104を有する筐体25の取り付けが、取り付け部材244を用いることにより可能となっている。本実施形態では、取り付け部材244は、全体としてU字型で構成されており、取り付け部材244に形成されたねじ切り開孔を備えている。このように、筐体25をコンテナ10に確実に取り付ける目的のために、図2Fに示された筐体25の開孔138および139を通して、ねじ部品を貫通できる。直立して伸びる部分またはバリアを有するフランジ250が、ドア242から外方に伸張する保持プレート252に溶接される。物を挿入するなどによる改ざんの試みから筐体25を保護するために、フランジ250を設けてある。さらに、図4のドア240の筐体25の特定の取り付けは、本発明の原理に基づく取り付け法の一実施形態に過ぎないことに注目すべきである。しかしながら、この特定の取り付け法は、ドア240と、ドア242またはドアの枠組などの他の金属表面間の相対的運動を判断するために、上述したホール効果センサーを用いることを容易にする。
【0050】
ここで図5を参照すると、図4のドア240および242の背面斜視図が示されている。この特定の図では、筐体25を覆うよう所定の位置で、ドア242の背面側から外方に伸張する保持プレート252が示されている。また、保持プレート252の存在は、上述したホール効果センサー150との相互作用のための表面を提供する。その点において、保持プレート252は、コンテナの外から見たとき、右のドア240の内側によりかかる。保持プレート252の長さは十分長く、保持プレート252がレバーとして機能することを可能としており、保持プレート252とホール効果センサーの間の距離の増加という検知可能な移動を生じることなく、同時に両方のドアを開けたり、または最初に左のドアを開けたりすることを不可能にしている。
【0051】
ここで図6A〜図6Dを参照すると、本発明の原理を図解する4つの図が示されている。図6Aは、コンテナ10のドア240における筐体25の取り付けの前面の立面図を示す。開孔230が、ドア240の図示された位置に構成されており、コンテナ10の外の場所へアンテナ通信を行う目的で筐体25のアンテナ部分104を暴露している。
図6Bは、図6Aのドア240の線B−Bについての側面立面断面図であり、ドア240に確実に取り付けられた筐体25を示している。筐体25の位置が、構造ビームのウェブ部分にあり、コンテナ10に対する有害な構造的影響なしに開孔230を形成できることがわかる。その点において、開孔230は、筐体25のアンテナ部分104を収容して、さらに、開孔230の周囲を密封状態で固定するために、エラストマーガスケット260を用いて嵌装される。
【0052】
ここで図6Cを参照すると、本発明の原理に基づいて、コンテナ10の外の場所と通信するために、アンテナ部分104の外方に配設されたアンテナ20が示されている。
ここで図6Dを参照すると、図6Aのコンテナドア240の線D−Dについての底面断面図が示されている。この図では、U字状の取り付け部材244で確実に取り付けられた筐体25が示されている。
【0053】
動作について見ると、上述した本発明の実施形態は、貨物用コンテナ10のドア間の相対的な水平運動または開口運動の検知を可能とする。また、上述したように、ホール効果センサー150は、本発明の原理に基づいて使用するためのセンサーの1つの種類に過ぎないことに注目すべきである。例えば、他のアナログ式磁束ベクトル(大きさおよび方向)センサーを組み込むことができる。同様に、リードスイッチ、ならびに1つの内部磁石およびドアの枠組に設置された第2の磁石の平衡型システムが想定される。上記で図示されて、説明されたように、コンテナのドアが互いから離れて行くときに生じるような、センサーと検出対象の物体との間の分離時に、ホール効果センサーは磁気ベクトル場の変化を計測する。これは、磁気ベクトル場センサーが、直接、永久磁石から、磁場、その大きさ、および方向を検知できるという事実により可能となる。実測された磁場または磁束は、鉄材料の距離に対して変化するため、上述した保持プレート252に対する本明細書で説明したホール効果センサー150の取り付け方法は、信頼性の高い近接計測の方法を提供する。
【0054】
本発明のホール効果センサーは、さらに高度のフラックスパターン線形性、感度、および信頼性をもたらす、強いフラックスパターンを有するリング磁石を利用する。このように、センサーは、物体と磁石の両方から合成された磁場を検知する。そこで、上述したコンテナのドア間の一方のドアの他方のドアに対する分離の相対的運動の結果として生じるフラックスパターンの変化は、電流、電圧または抵抗の変化をもたらすため、運動を示す信号を発生させる。この分離運動は、図2Jおよび図2Gに示されたセンサー軸150Aに沿って生じる。本発明のセンサーは、センサー軸150Aに沿った運動と、総体的にセンサー軸150Aに直交する、矢印150Bで示された運動とを判別する。矢印150Bの方向の相対的運動は、通常のコンテナラッキングなどで起こりうるものであり、一般に、このような運動は侵害を示さない。したがって、センサー150は、軸150Aに沿った運動を検知するようになされている。また、コンテナ10のドアのヒンジにおける非常に小さい移動は、本明細書で示された2つのドアの交差部分で拡大されることが分かる。このように、本発明のセンサーは、ドアの非常に小さい開きを検知できるため、他の方法で可能であるよりも、高度の信頼性およびコンテナ完全性の監視を提供する。また、鉄心156(図3)と組み合わせてリング磁石を用いることにより、センサーを介して、特に高くて、かつより直線的なフラックスを提供して、システムに有益であるとともに、製造中のセンサー装置の組み立て時のより大きな許容誤差につながる、センサーのダイナミックレンジの拡大をもたらすことを認識するべきである。
【0055】
上述の実施形態は、少なくとも1つのセンサー、および読取り装置16と通信するアンテナ20を含む単一ユニットとして示されているが、本発明は、数個のユニットとして実現されうる。例えば、光、温度、放射能などのセンサーを、コンテナ10の中のどこにでも配置できる。センサーは示度を読み取り、ブルートゥース、または任意の短距離通信システムを介して、示度または他の情報を読取り装置16に中継するアンテナユニットに示度を送信する。センサーは、アンテナユニットから遠く離して、分離してもよい。さらに、上述の実施形態は、セキュリティ侵害が発生したかどうかを判断するセンサー150を備える装置12を示す。しかしながら、セキュリティ侵害を判断するために、センサー150の代わりに、またはセンサー150に加えて、非常に多種多様なセンサーを使うことができる。例えば、上述した光パイプ130は、コンテナ10の中の光の変動を感知することができる。光が所定のしきい値を超えると、侵害が発生した可能性を示す安全注意を報じることが決められている。温度センサー、放射能センサー、可燃性ガスセンサーなどを、同様の方法で利用できる。
【0056】
また、装置12は、コンテナ10の物理的な施錠を誘発することができる。例えば、読取り装置16が、出荷のために、安全コマンドでコンテナ10の内容物の安全を保障するとき、マイクロプロセッサ22は、電磁ドアロックまたは他のこのような物理的施錠装置に通電することにより、コンテナ10を施錠することができる。コンテナが安全コマンドで安全を保障されると、コンテナ10は、盗難または改ざんを防止するために物理的に施錠される。
【0057】
また、上述したように、装置12を、コンテナ10内に配設された他の複数のセンサーと結合できる。そのとき、注意、または警報、あるいはその両方を必要とする状態をセンサーから受信するために装置12を利用できる。例えば、コンテナ10の中に置かれた放射性物質の存在の検知に対して警報信号を発生するために、放射能センサーを利用できる。同様に、光の存在を検知するために、コンテナ10内に1つ以上の光センサーを配設することができ、この光の存在は、コンテナの中に外部の光が入ることができるような、コンテナの表面の物理的な貫通を示唆しており、セキュリティ侵害を示しうる。本発明の原理に基づいて、これらのセンサー、および他のセンサーを装置12と共に利用することができる。
【0058】
また、将来のコンテナは非鉄材料で製作されるかもしれず、これにより、コンテナが無線周波数を透過することができるという事実が、上述されている。その場合には、本発明の原理に基づいて、本明細書で説明したセンサーに加えて、他の多様な種類のセンサーを利用することができる。さらに、ポリカーボネート材料で製作されているコンテナは、コンテナの外方に伝送することができる位置にアンテナを配置するための開孔の使用を必要としないかもしれない。一般に、コンテナの壁が無線周波数を透過する場合には、開孔は必要ない。さらに、様々な構成でセンサー筐体を設計できて、送信器部分は、このような開孔に組み込むための寸法および形状とはなされていない。
【0059】
図7Aに示されているように、読取り装置16は、短距離アンテナ30、マイクロプロセッサ36、メモリ38、および電源40を備える。図2Aに関して上述したように、短距離アンテナ30は、装置12への短距離無線の低電力通信回線を実現する。読取り装置16は、リモートコンテナ監視システム(例えば、GSM、CDMA、PDC、またはDAMPS無線通信規格に基づいて、もしくは、有線LAN、または無線ローカルエリアネットワークWLAN、Mobitex、GPRS、UMTSを用いて)へのリンクを実現する装置を含むか、または別個に取り付けることができる。いかなるこのような規格も本発明に対する拘束力を有さず、また、付加的かつ利用可能な無線通信規格を、読取り装置16の長距離無線通信に適用することができることを当業者は理解するものとする。例としては、Inmarsat、Iridium、Project 21、Odyssey、Globalstar、ECCO、Ellipso、Tritium、Teledesic、Spaceway、Orbcom、Obsidian、ACeS、Thuraya、または地上移動通信システムが利用できない場合のAriesのような衛星データ通信規格などがある。
【0060】
読取り装置16は、コンテナ10が積載されている車輌の位置決めを行う衛星測位ユニット34を含むか、または取り付けることができる。例えば、読取り装置16は、トラック、船、または鉄道車両に取り付けられた可動読取り装置16(B)でもよい。測位ユニット34の提供は任意であり、コンテナ10の追跡および位置決めの必要がない場合は省略できる。例えば、固定読取り装置16(C)の位置は既知であろうから、衛星測位情報は必要ない。位置決めを行うための一方法は、衛星測位システム(例えば、GPS、GNSS、またはGLONASSなど)の使用であるかもしれない。他の方法は、移動通信網を利用した読取り装置16の位置決めであるかもしれない。ここで、いくつかの測位技術は、純粋に移動通信網に基づく技術(例えば、EOTDなど)であり、他の技術は、衛星と、移動通信網に基づく測位技術(例えば、Assisted GPSなど)の組み合わせを基にする。
【0061】
読取り装置16のマイクロプロセッサ36およびメモリ38は、読取り装置16と、上述されたリモート監視システムならびに装置12との間のデータ交換の制御を可能とするとともに、また、このような交換されたデータの保存を可能とする。読取り装置16の構成要素の動作のために必要な電力は、電源40を介して提供される。
図7Bは、本発明の原理に基づくハンドヘルド式読取り装置16(A)の図である。携帯電話16(A1)から取り外したハンドヘルド式読取り装置16(A)が示されている。ハンドヘルド式読取り装置16(A)は、例えば、短距離用の直接拡散方式の無線インタフェースを介して、装置12と通信する(前述したように)。ハンドヘルド式読取り装置16(A)および装置12が、互いに近距離範囲内にあると(例えば、<100m)、装置12およびハンドヘルド式読取り装置16(A)は、互いに通信できる。装置12との通信を介して、電子的にコンテナの安全を保障し、または武装を解除するために、ハンドヘルド式読取り装置16(A)を用いることができる。また、例えば、コンテナ10の中の追加センサーからの情報、またはセンサー150からの示度など、装置12からの付加情報を取得するために、ハンドヘルド式読取り装置16(A)を用いることができる。
【0062】
図7Bに示されたハンドヘルド式読取り装置16(A)は、16(A1)として示された携帯電話またはPDAに接続されるようになされている。しかしながら、当業者には分かるように、ハンドヘルド式読取り装置16(A)は、独立型ユニットであってもよく、また、例えば、携帯情報端末、もしくはハンドヘルドコンピュータまたはラップトップコンピュータなどに接続されるようになされてもよい。読取り装置16は携帯電話から電力を得て、携帯電話と通信するために、ブルートゥース、または任意の類似インタフェースを利用する。
【0063】
ここで、装置12および読取り装置16の利用に対する付加的な応用事例を説明する。種々の輸送ユニットまたは被輸送ユニットに対する読取り装置16(B)の取り付けおよび取り外しに関する限り、あらゆる分離可能な接続機構が、本発明により幅広く利用される(例えば、磁気固定、ねじ、レール、フック、ボール、溶接、またはスナップ方式の取り付けを用いた機械的固定、さらに、例えば、電磁石などの任意の種類の電気的に達成可能な接続機構、またさらに、粘着テープ、スコッチテープ、接着剤、のり付けテープのような両面が使える化学的固定具など)。
【0064】
図8は、装置12および読取り装置16の第1の応用事例を示す。図8に示されたように、道路輸送に関する1つの選択肢は、読取り装置16をゲートまたは出荷倉庫、もしくはサプライチェーンに沿った任意の場所に固定することである。このような場合には、トラックにより牽引されて、出荷区域を出ていくとき、読取り装置16は、容易にコンテナ10の装置12と通信できる。他の選択肢は、上述したように読取り装置16をハンドヘルド式読取り装置16(A)として提供して、トラックが出荷区域を出発するとき、装置12を走査するか、またはコンテナ10の監視中、トラックのキャビン内でハンドヘルド式読取り装置16(A)を携行することである。
【0065】
図9は、鉄道輸送に関連した装置12および読取り装置16の第2の応用事例を示す。特に、図9は第1の例を示しており、読取り装置16の通信範囲に位置するコンテナへ短距離無線通信を行うために、読取り装置16が、線路に沿って装着自在に固定されている。そのとき、読取り装置16は、線路上を輸送されているコンテナ10の任意の装置12と、またはすべての装置12と短距離通信を実現できる。
【0066】
図10に示したように、同一原理は、コンテナ監視構成要素の第3の応用事例に適用される。ここで、海上輸送中、識別され、追跡され、または監視される各コンテナに対して、読取り装置16を、コンテナ10に取り付けられた装置12の通信範囲内に設ける必要がある。第1の選択肢は、無線通信ユニットの取り付け計画に基づいて、積載計画を変更することであろう。あるいは、他の制約条件およびパラメータに基づいて決定されている積載計画に従って、コンテナ船上の読取り装置16の配置を決定してもよい。この場合も先と同様に、コンテナ監視用の読取り装置16の柔軟な取り付け/取り外しは、運航業者の収益を生みださない、いかなる固定資産をも回避することを可能とする。換言すれば、コンテナの監視が不要になると、読取り装置16を、容易にコンテナ船から取り外すことができて、異なるコンテナ船で、または他の任意の輸送手段で使用することができる。また、読取り装置16を、VHF通信に基づくAIS、またはInmarsat衛星に接続できて、これらは、両方とも輸送船舶でよく利用されている。
【0067】
以上では、発明的な監視構成要素の応用が、長距離で全世界的な、地域的な、または小域的な輸送に関連して説明されたが、以下では、制限区域内での応用が、図7に関連して説明される。
特に、制限区域内の短距離および長距離無線通信の分割が、コンテナターミナル、コンテナ港、または何らかの製造現場のような制限区域の中でコンテナ10を取り扱う、すべての車輌および装置12に適用される。制限区域は、このようなターミナルの入口および出口、ならびにトップローダ、サイドローダ、リーチスタッカ、トランステーナ、ハスラー、クレーン、ストラドルキャリアなどのような任意の種類の荷役車輌を含む。
【0068】
通常、特定のコンテナは、単一の読取り装置16だけを用いて検索されることはなく、むしろ、ターミナルに広がった、例えば、クレーンまたはスタッカによってコンテナ10が取り扱われるたびに、状況および制御情報を受信する複数の読取り装置16を用いて検索される。換言すれば、コンテナが読取り装置16を通過するとき、その事象は、関連状況および制御情報を更新するために用いられる。
【0069】
12は、先に参照された米国特許出願第10/667,282に詳述された安全保障プロセスの流れ図を示す。初めに、ステップ800では、読取り装置16が、装置12から識別を要求する。ステップ802では、装置12は、読取り装置16に識別を送信して、ステップ804では、読取り装置16は、安全を保障するコンテナ10を選択する。ステップ806では、読取り装置16からサーバ15に要求を送出する。ステップ808では、サーバ15は、セキュリティキーを生成して、暗号化コードでセキュリティキーを暗号化する。ステップ810では、コンテナ10の安全を保障するために、読取り装置16を介して装置12に暗号化されたセキュリティキーを送信する。ステップ812では、セキュリティキーを解読して、装置12に保存する。コンテナ10の武装を解除するために、同様の処理手順を開始できる。読取り装置16の作用範囲を通過するとき、自動的にコンテナ10の安全を保障することができ、または、ユーザは、一度に、複数の特定の選択されたコンテナ10の安全を保障したり、または武装を解除したりすることができる。
【0070】
図13は、セキュリティチェックプロセスを示す。ステップ900では、読取り装置16は、検査対象のコンテナ10に呼びかけを送信する。ステップ902では、コンテナ10の装置12は、セキュリティキーおよび暗号化コードを用いて応答を生成する。ステップ904では、装置12から読取り装置16に応答を送出する。ステップ906では、また、読取り装置16は、サーバ15にも呼びかけを送出する。略同時に、または所定の時間を置いて交互に、サーバ15および装置12への呼びかけを送信できる。ステップ908および910の各々では、サーバ15は、セキュリティキーおよび暗号化コードを利用して読取り装置16への応答を生成して、かつ送出する。ステップ912では、読取り装置16は、応答が等しいかどうかを判断する。応答が等しいとき、コンテナ10は無事に安全を保持している。あるいは、応答が等しくないとき、コンテナ10のセキュリティ侵害(すなわち、ドア事象)が発生している。武装および武装解除プロセスと同様に、コンテナ10が読取り装置16の作用範囲の中を通過するとき、自動的にセキュリティ検査を実行でき、または、ユーザは、輸送中の任意の時点で、セキュリティ検査を開始できる。
【0071】
システムの当初のアーキテクチャが、CSDの適切な安全状況検査を完全に確認するために、基本的に、ネットワークアクセスを必要とする暗号化方式を利用したことに注目すべきである。CSDが依然として武装されていて、かつ警報状態にはないことを確認するために、同一キーを使用した。他の実施形態では、PKI(公開鍵インフラストラクチャ)を使用する。CSDおよびその状況を確認するために、公開鍵および秘密鍵を使用する。この機能は、ネットワーク接続が利用可能かどうかには無関係に実行される。この対称対非対称暗号の方法は、当技術分野において公知であり、参考のために本明細書に提示されている。
【0072】
本発明の実施形態が、添付図面で図示されて、前述の詳細な説明の中で記述されたが、本発明は、開示された実施形態に限定されるものではなく、下記のクレームで示された本発明を逸脱することなく、多数の再編成、修正、および置換が可能であるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0073】
下記添付図面とともに、本発明の例示的実施形態についての以下の詳細な説明を参照することにより、本発明の例示的実施形態の、より完全な理解を得ることができる。
【図1A】本発明の実施形態のシステムの構成要素間の通信を示す図である。
【図1B】例示的サプライチェーンを示す図である。
【図2A】本発明の実施形態の装置の概略図である。
【図2B】本発明の実施形態の装置の第1の斜視図である。
【図2C】図2Bの装置の一部分の拡大斜視図であり、装置の構造の一態様を示す。
【図2D】図2Bの装置の反対側から見た斜視図である。
【図2E】図2Bの装置の底面図である。
【図2F】図2Bの装置の前面の立面図である。
【図2G】図2Fの装置の線G−Gについての側面立面断面図である。
【図2H】図2Gの指定された部分の拡大した側面立面断面図である。
【図2I】図2Eの装置の線I−Iについての側面立面断面図である。
【図2J】図2Iの指定された部分の拡大した側面立面断面図である。
【図3】図2Bの装置の分解組立図である。
【図4】図2Bの装置の、本発明の原理の一実施形態に従ってコンテナに取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図5】図2Bの装置の取り付け、およびセンサーの反対側に配設された保持プレートを示す、コンテナ部分の背面斜視図である。
【図6A】図4および図5に示されたコンテナの一部の拡大正面図である。
【図6B】図6Aのコンテナ部分の線B−Bについての側面立面断面図である。
【図6C】図2Bの装置の拡大された部分であり、図のように図6Bのコンテナ部分に取り付けられた状態を示す。
【図6D】図6Aのコンテナ部分の線D−Dについての平面断面図である。
【図7A】本発明の実施形態の読取り装置の概略図である。
【図7B】本発明の原理に基づく読取り装置の図である。
【図8】本発明の実施形態の図1Aのシステムの第1の応用事例である。
【図9】本発明の実施形態の図1Aのシステムの第2の応用事例である。
【図10】本発明の実施形態の図1Aのシステムの第3の応用事例である。
【図11】本発明の実施形態の図1Aのシステムの第4の応用事例である。
【図12】コンテナ安全保障プロセスを示す図である。
【図13】コンテナのセキュリティチェックプロセスを示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナの完全性を監視するセンサーシステムであって、該コンテナは該システムに特定的に適合し、少なくとも1つのドアを有し、該システムは
前記コンテナに、前記少なくとも1つのドアの位置を監視できる位置に固定されたセンサー筐体と、
前記筐体に固定され、前記コンテナの他の領域に対する、前記少なくとも1つのドアの近傍を検知し、センサーデータを供給するセンサーと、
前記コンテナの中に配置され、前記センサーと通信し前記センサーデータを解釈するデータ解釈装置と、
前記データ解釈装置と相互動作可能に接続され、前記検出された近傍に関する情報を、前記コンテナ外のある場所へ通信する送信器とを備えることを特徴とするコンテナの完全性を監視するセンサーシステム。
【請求項2】
前記センサー筐体は、前記コンテナの前記少なくとも1つのドアに固定されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記センサー筐体は、前記コンテナの前記少なくとも1つのドアに一体的に取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記コンテナは、前記少なくとも1つのドアに隣接する第2のドアを有し、前記システムはさらに、
前記少なくとも1つのドアに固定された前記センサー筐体と、
前記筐体に固定され、前記第2のドアに対する前記少なくとも1つのドアの近傍を検知するように適合させた前記センサーとを備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記コンテナは、前記センサー筐体の一部を受容するのに適した開孔を備えて構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記送信器は、検知された近傍に関する情報を、前記開孔を介して、前記コンテナ外のある場所へ通信できる位置に、前記筐体に固定されていることを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記センサー筐体は、前記筐体の周囲を伸びるガスケットを有し、前記開孔と前記筐体を密封噛合することを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記センサーは、追加センサー用インタフェースをさらに有することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記センサー筐体は、前記コンテナの前記少なくとも1つのドアに固定され、前記コンテナの前記少なくとも1つのドアは、前記筐体の一部をその中に通して受容するのに適合した開孔を有し、前記データ解釈装置は前記筐体内に配置され、前記送信器は前記筐体内に配置され、前記コンテナに形成された前記開孔を介して、前記コンテナ外のある場所と情報を通信できる位置にあることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記コンテナは金属プレートを有し、前記センサーはホール効果センサーを備え、前記センサー筐体は、前記少なくとも1つのドアに固定され、前記ホール効果センサーおよび前記プレートは前記コンテナ内に取り付けられ、機能的に相互作用し、前記少なくとも1つのドアの前記位置を監視することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記コンテナは、前記少なくとも1つのドアに隣接して取り付けられた第2のドアを有し、前記センサープレートは、前記センサーと前記機能的に相互作用できる位置に、前記第2のドアから外方に伸張するドア保持プレートを備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記センサーは、アナログ式磁束ベクトルセンサーを備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記センサーは、ホール効果センサーを備えることを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記ホール効果センサーは、
リング磁石と、
前記リング磁石内に同軸に配置された鉄リングと、
前記鉄リングに隣接して同軸に配置されたホール効果センサーカードとを備えることを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
少なくとも1つのドアを有し、その完全性の侵害を監視することができるタイプのコンテナを製造する方法であって、
センサー、前記センサー用筐体、データ解釈装置、および送信器を備えるセンサーシステムを提供し、
前記コンテナの前記少なくとも1つのドアの位置を監視できる位置に、前記センサー筐体を構造的に取り付け、
センサーを前記筐体に固定し、前記コンテナの他の領域に対する、前記少なくとも1つのドアの近傍を検知して、センサーデータを供給し、
前記センサーと通信し、前記センサーデータを解釈するのに適合したデータ解釈装置を、前記コンテナの中に固定し、
前記コンテナ外のある場所へ、検出された近傍に関する情報を通信するのに適合した送信器を、前記コンテナに固定することを特徴とする完全性の侵害を監視することができるタイプのコンテナを製造する方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つのドアに、前記センサー筐体を固定する手順をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記コンテナの前記少なくとも1つのドアに、前記センサー筐体を一体的に取り付けることをさらに備えることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記コンテナは、前記少なくとも1つのドアに隣接する第2のドアを有し、前記センサー筐体は、前記少なくとも1つのドアに取り付けられ、さらに、前記センサーと動作可能に相互作用するよう、前記第2のドアに保持プレートを取り付ける手順を備えることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記センサー筐体の前記取り付け時に、前記センサー筐体の一部をその中を貫通して受け止めるのに適合した開孔を備えて、前記コンテナを構成することをさらに備えることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記送信器を固定する手順は前記コンテナ外のある場所へ、前記検出された近傍に関する情報を、前記開孔を介して通信するのに適した位置に、前記送信器を前記筐体に固定することを備えることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記開孔と前記センサー筐体を密封噛合するために、前記筐体の周囲に伸びるガスケットを備えた前記センサー筐体を提供することをさらに備えることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記センサーはホール効果センサーを備え、前記方法は、前記少なくとも1つのドアと、前記コンテナの前記他の領域間の空間的関係に反応するホール効果を計測することをさらに備えることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項23】
前記少なくとも1つのドアが、前記第2のドアの開きと関係なく開くことを防止するのに適した保持プレートを、前記第2のドアに構成する手順と、
前記保持プレートが前記センサーから離れる動きを検知するためのセンサー軸を規定する位置に、前記センサー筐体を構造的に取り付ける手順と、
前記センサー軸とほぼ直交した平面上の前記保持プレートの動きに対して比較的感度が低い状態で、前記センサー軸上の前記センサーに対する前記保持プレートの動きを検知する手順とをさらに備えることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項24】
少なくとも1つのドアを有するタイプのコンテナの完全性の侵害を監視する方法であって、
センサー、前記センサー用筐体、データ解釈装置、および送信器を備えるセンサーシステムを提供し、
前記少なくとも1つのドアの位置を監視できる位置に、前記コンテナに前記センサー筐体を構造的に取り付け、
前記コンテナの他の領域に対する、前記少なくとも1つのドアの近傍を検知し、センサーデータを提供するセンサーを前記筐体に固定し、
前記センサーと通信し、前記センサーデータを解釈するのに適合したデータ解釈装置を、前記コンテナの中に固定し、
前記データ解釈装置で、完全性侵害が発生したかどうかを判断し、
前記コンテナ外のある場所へ、検出された近傍に関する情報を通信するのに適した送信器を、前記コンテナに固定し、
前記データ解釈装置で、完全性侵害が発生したかどうかを判断し、
前記完全性侵害に関する情報を送信することを備えることを特徴とするコンテナの完全性の侵害を監視する方法。
【請求項25】
前記少なくとも1つのドアに、前記センサー筐体を固定する手順をさらに備えることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記コンテナの前記少なくとも1つのドアに、前記センサー筐体を一体的に取り付けることをさらに備えることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項27】
コンテナの完全性を監視するのに適合したセンサーシステムであって、
少なくとも1つのドアを有するコンテナと、
前記コンテナ内の前記少なくとも1つのドアの位置を監視できる位置に、固定されたセンサー筐体と、
前記筐体に固定され、前記コンテナの他の領域に対する、前記少なくとも1つのドアの近傍を検知し、センサーデータを提供するセンサーと、
前記コンテナの中に配置され、前記センサーと通信し前記センサーデータを解釈するデータ解釈装置と、
データ解釈装置と相互動作可能に接続され、前記検出された近傍に関する情報を、前記コンテナ外のある場所へ通信する前記送信器とを備えることを特徴とするセンサーシステム。
【請求項28】
前記センサー筐体は、前記コンテナの少なくとも1つのドアに一体的に取り付けられていることを特徴とする請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記コンテナは、前記少なくとも1つのドアに隣接する第2のドアを有し、前記システムは、
前記少なくとも1つのドアに固定された前記センサー筐体と、
前記筐体に固定され、前記第2のドアに対する前記少なくとも1つのドアの近傍を検知するのに適合した前記センサーとをさらに備えることを特徴とする請求項27に記載のシステム。
【請求項30】
前記コンテナは、前記センサー筐体の一部を受け止めるのに適した開孔を備えて構成されることを特徴とする請求項27に記載のシステム。
【請求項31】
前記送信器は、検知された近傍に関する情報を、前記開孔を介して、前記コンテナ外のある場所へ通信できる位置に、前記筐体に固定されていることを特徴とする請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記センサー筐体は、前記コンテナの前記少なくとも1つのドアに固定され、前記コンテナの前記少なくとも1つのドアは、前記筐体の一部をその中を通して受容するのに適合した開孔を有し、前記データ解釈装置は前記筐体内に配置され、前記送信器は前記筐体内に配置され、前記コンテナに形成された前記開孔を介して、前記コンテナ外のある場所と情報を通信できる位置にあることを特徴とする請求項27に記載のシステム。
【請求項33】
前記コンテナは金属プレートを有し、前記センサーはホール効果センサーを備え、前記センサー筐体は、前記少なくとも1つのドアに固定され、前記ホール効果センサーおよび前記プレートは前記コンテナ内に取り付けられ、機能的に相互作用し、前記少なくとも1つのドアの前記位置を監視することを特徴とする請求項27に記載のシステム。
【請求項34】
前記コンテナは、前記少なくとも1つのドアに隣接して取り付けられた第2のドアを有し、前記センサープレートは、前記センサーと前記機能的に相互作用できる位置に、前記第2のドアから外方に伸張するドア保持プレートを備えることを特徴とする請求項27に記載のシステム。
【請求項35】
前記センサーはアナログ式磁束ベクトルセンサーを備えることを特徴とする請求項27に記載のシステム。
【請求項36】
前記センサーは、ホール効果センサーを備えることを特徴とする請求項33に記載のシステム。
【請求項37】
コンテナのセキュリティ侵害を検知する方法であって、
近接センサーを前記コンテナに一体化する手順と、
前記近接センサーにより、2つのコンテナ領域の近接度の変化を感知する手順と、
感知された前記近接度の変化に基づいて、データユニットにより、前記コンテナのセキュリティ侵害が発生したかどうかを判断する手順と、
前記データユニットと相互動作可能に接続されたアンテナへ、前記データユニットにより前記判断手順の結果を通信する手順と、
前記アンテナにより、前記通信手順に関する情報を送信する手順とを備えることを特徴とするコンテナのセキュリティ侵害を検知する方法。
【請求項38】
読取り装置により、前記アンテナから前記情報を受信し、
前記読取り装置により、前記情報をサーバへ転送することをさらに備えることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記近接センサーは、アナログ式磁束ベクトルセンサーを備え、前記感知手順は、2つのコンテナ領域間で磁束変化が生じたかどうかを判断する手順を備えることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記センサーは、ホール効果センサーを備え、前記感知手順は、2つのコンテナ領域の近接度の変化によるホール効果の変化を検出することを備えることを特徴とする請求項39に記載の方法。
【請求項1】
コンテナの完全性を監視するセンサーシステムであって、該コンテナは該システムに特定的に適合し、少なくとも1つのドアを有し、該システムは
前記コンテナに、前記少なくとも1つのドアの位置を監視できる位置に固定されたセンサー筐体と、
前記筐体に固定され、前記コンテナの他の領域に対する、前記少なくとも1つのドアの近傍を検知し、センサーデータを供給するセンサーと、
前記コンテナの中に配置され、前記センサーと通信し前記センサーデータを解釈するデータ解釈装置と、
前記データ解釈装置と相互動作可能に接続され、前記検出された近傍に関する情報を、前記コンテナ外のある場所へ通信する送信器とを備えることを特徴とするコンテナの完全性を監視するセンサーシステム。
【請求項2】
前記センサー筐体は、前記コンテナの前記少なくとも1つのドアに固定されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記センサー筐体は、前記コンテナの前記少なくとも1つのドアに一体的に取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記コンテナは、前記少なくとも1つのドアに隣接する第2のドアを有し、前記システムはさらに、
前記少なくとも1つのドアに固定された前記センサー筐体と、
前記筐体に固定され、前記第2のドアに対する前記少なくとも1つのドアの近傍を検知するように適合させた前記センサーとを備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記コンテナは、前記センサー筐体の一部を受容するのに適した開孔を備えて構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記送信器は、検知された近傍に関する情報を、前記開孔を介して、前記コンテナ外のある場所へ通信できる位置に、前記筐体に固定されていることを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記センサー筐体は、前記筐体の周囲を伸びるガスケットを有し、前記開孔と前記筐体を密封噛合することを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記センサーは、追加センサー用インタフェースをさらに有することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記センサー筐体は、前記コンテナの前記少なくとも1つのドアに固定され、前記コンテナの前記少なくとも1つのドアは、前記筐体の一部をその中に通して受容するのに適合した開孔を有し、前記データ解釈装置は前記筐体内に配置され、前記送信器は前記筐体内に配置され、前記コンテナに形成された前記開孔を介して、前記コンテナ外のある場所と情報を通信できる位置にあることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記コンテナは金属プレートを有し、前記センサーはホール効果センサーを備え、前記センサー筐体は、前記少なくとも1つのドアに固定され、前記ホール効果センサーおよび前記プレートは前記コンテナ内に取り付けられ、機能的に相互作用し、前記少なくとも1つのドアの前記位置を監視することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記コンテナは、前記少なくとも1つのドアに隣接して取り付けられた第2のドアを有し、前記センサープレートは、前記センサーと前記機能的に相互作用できる位置に、前記第2のドアから外方に伸張するドア保持プレートを備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記センサーは、アナログ式磁束ベクトルセンサーを備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記センサーは、ホール効果センサーを備えることを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記ホール効果センサーは、
リング磁石と、
前記リング磁石内に同軸に配置された鉄リングと、
前記鉄リングに隣接して同軸に配置されたホール効果センサーカードとを備えることを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
少なくとも1つのドアを有し、その完全性の侵害を監視することができるタイプのコンテナを製造する方法であって、
センサー、前記センサー用筐体、データ解釈装置、および送信器を備えるセンサーシステムを提供し、
前記コンテナの前記少なくとも1つのドアの位置を監視できる位置に、前記センサー筐体を構造的に取り付け、
センサーを前記筐体に固定し、前記コンテナの他の領域に対する、前記少なくとも1つのドアの近傍を検知して、センサーデータを供給し、
前記センサーと通信し、前記センサーデータを解釈するのに適合したデータ解釈装置を、前記コンテナの中に固定し、
前記コンテナ外のある場所へ、検出された近傍に関する情報を通信するのに適合した送信器を、前記コンテナに固定することを特徴とする完全性の侵害を監視することができるタイプのコンテナを製造する方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つのドアに、前記センサー筐体を固定する手順をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記コンテナの前記少なくとも1つのドアに、前記センサー筐体を一体的に取り付けることをさらに備えることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記コンテナは、前記少なくとも1つのドアに隣接する第2のドアを有し、前記センサー筐体は、前記少なくとも1つのドアに取り付けられ、さらに、前記センサーと動作可能に相互作用するよう、前記第2のドアに保持プレートを取り付ける手順を備えることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記センサー筐体の前記取り付け時に、前記センサー筐体の一部をその中を貫通して受け止めるのに適合した開孔を備えて、前記コンテナを構成することをさらに備えることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記送信器を固定する手順は前記コンテナ外のある場所へ、前記検出された近傍に関する情報を、前記開孔を介して通信するのに適した位置に、前記送信器を前記筐体に固定することを備えることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記開孔と前記センサー筐体を密封噛合するために、前記筐体の周囲に伸びるガスケットを備えた前記センサー筐体を提供することをさらに備えることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記センサーはホール効果センサーを備え、前記方法は、前記少なくとも1つのドアと、前記コンテナの前記他の領域間の空間的関係に反応するホール効果を計測することをさらに備えることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項23】
前記少なくとも1つのドアが、前記第2のドアの開きと関係なく開くことを防止するのに適した保持プレートを、前記第2のドアに構成する手順と、
前記保持プレートが前記センサーから離れる動きを検知するためのセンサー軸を規定する位置に、前記センサー筐体を構造的に取り付ける手順と、
前記センサー軸とほぼ直交した平面上の前記保持プレートの動きに対して比較的感度が低い状態で、前記センサー軸上の前記センサーに対する前記保持プレートの動きを検知する手順とをさらに備えることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項24】
少なくとも1つのドアを有するタイプのコンテナの完全性の侵害を監視する方法であって、
センサー、前記センサー用筐体、データ解釈装置、および送信器を備えるセンサーシステムを提供し、
前記少なくとも1つのドアの位置を監視できる位置に、前記コンテナに前記センサー筐体を構造的に取り付け、
前記コンテナの他の領域に対する、前記少なくとも1つのドアの近傍を検知し、センサーデータを提供するセンサーを前記筐体に固定し、
前記センサーと通信し、前記センサーデータを解釈するのに適合したデータ解釈装置を、前記コンテナの中に固定し、
前記データ解釈装置で、完全性侵害が発生したかどうかを判断し、
前記コンテナ外のある場所へ、検出された近傍に関する情報を通信するのに適した送信器を、前記コンテナに固定し、
前記データ解釈装置で、完全性侵害が発生したかどうかを判断し、
前記完全性侵害に関する情報を送信することを備えることを特徴とするコンテナの完全性の侵害を監視する方法。
【請求項25】
前記少なくとも1つのドアに、前記センサー筐体を固定する手順をさらに備えることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記コンテナの前記少なくとも1つのドアに、前記センサー筐体を一体的に取り付けることをさらに備えることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項27】
コンテナの完全性を監視するのに適合したセンサーシステムであって、
少なくとも1つのドアを有するコンテナと、
前記コンテナ内の前記少なくとも1つのドアの位置を監視できる位置に、固定されたセンサー筐体と、
前記筐体に固定され、前記コンテナの他の領域に対する、前記少なくとも1つのドアの近傍を検知し、センサーデータを提供するセンサーと、
前記コンテナの中に配置され、前記センサーと通信し前記センサーデータを解釈するデータ解釈装置と、
データ解釈装置と相互動作可能に接続され、前記検出された近傍に関する情報を、前記コンテナ外のある場所へ通信する前記送信器とを備えることを特徴とするセンサーシステム。
【請求項28】
前記センサー筐体は、前記コンテナの少なくとも1つのドアに一体的に取り付けられていることを特徴とする請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記コンテナは、前記少なくとも1つのドアに隣接する第2のドアを有し、前記システムは、
前記少なくとも1つのドアに固定された前記センサー筐体と、
前記筐体に固定され、前記第2のドアに対する前記少なくとも1つのドアの近傍を検知するのに適合した前記センサーとをさらに備えることを特徴とする請求項27に記載のシステム。
【請求項30】
前記コンテナは、前記センサー筐体の一部を受け止めるのに適した開孔を備えて構成されることを特徴とする請求項27に記載のシステム。
【請求項31】
前記送信器は、検知された近傍に関する情報を、前記開孔を介して、前記コンテナ外のある場所へ通信できる位置に、前記筐体に固定されていることを特徴とする請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記センサー筐体は、前記コンテナの前記少なくとも1つのドアに固定され、前記コンテナの前記少なくとも1つのドアは、前記筐体の一部をその中を通して受容するのに適合した開孔を有し、前記データ解釈装置は前記筐体内に配置され、前記送信器は前記筐体内に配置され、前記コンテナに形成された前記開孔を介して、前記コンテナ外のある場所と情報を通信できる位置にあることを特徴とする請求項27に記載のシステム。
【請求項33】
前記コンテナは金属プレートを有し、前記センサーはホール効果センサーを備え、前記センサー筐体は、前記少なくとも1つのドアに固定され、前記ホール効果センサーおよび前記プレートは前記コンテナ内に取り付けられ、機能的に相互作用し、前記少なくとも1つのドアの前記位置を監視することを特徴とする請求項27に記載のシステム。
【請求項34】
前記コンテナは、前記少なくとも1つのドアに隣接して取り付けられた第2のドアを有し、前記センサープレートは、前記センサーと前記機能的に相互作用できる位置に、前記第2のドアから外方に伸張するドア保持プレートを備えることを特徴とする請求項27に記載のシステム。
【請求項35】
前記センサーはアナログ式磁束ベクトルセンサーを備えることを特徴とする請求項27に記載のシステム。
【請求項36】
前記センサーは、ホール効果センサーを備えることを特徴とする請求項33に記載のシステム。
【請求項37】
コンテナのセキュリティ侵害を検知する方法であって、
近接センサーを前記コンテナに一体化する手順と、
前記近接センサーにより、2つのコンテナ領域の近接度の変化を感知する手順と、
感知された前記近接度の変化に基づいて、データユニットにより、前記コンテナのセキュリティ侵害が発生したかどうかを判断する手順と、
前記データユニットと相互動作可能に接続されたアンテナへ、前記データユニットにより前記判断手順の結果を通信する手順と、
前記アンテナにより、前記通信手順に関する情報を送信する手順とを備えることを特徴とするコンテナのセキュリティ侵害を検知する方法。
【請求項38】
読取り装置により、前記アンテナから前記情報を受信し、
前記読取り装置により、前記情報をサーバへ転送することをさらに備えることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記近接センサーは、アナログ式磁束ベクトルセンサーを備え、前記感知手順は、2つのコンテナ領域間で磁束変化が生じたかどうかを判断する手順を備えることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記センサーは、ホール効果センサーを備え、前記感知手順は、2つのコンテナ領域の近接度の変化によるホール効果の変化を検出することを備えることを特徴とする請求項39に記載の方法。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図2G】
【図2H】
【図2I】
【図2J】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図2G】
【図2H】
【図2I】
【図2J】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2007−511824(P2007−511824A)
【公表日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538819(P2006−538819)
【出願日】平成16年11月15日(2004.11.15)
【国際出願番号】PCT/EP2004/012934
【国際公開番号】WO2005/048206
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(505175423)オール セット マリン セキュリティ アーベー (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月15日(2004.11.15)
【国際出願番号】PCT/EP2004/012934
【国際公開番号】WO2005/048206
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(505175423)オール セット マリン セキュリティ アーベー (2)
【Fターム(参考)】
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