説明

コンテンツ再生装置及びコンテンツ提供装置

【課題】
宅外の知人のコンテンツに簡単な操作でアクセスでき、また、公開しているコンテンツ情報及びコンテンツを提供者の許可なく見られないような安全なコンテンツ共有システムを提供すること。
【解決手段】
コンテンツ再生装置1は、登録された電話番号に基づいて宅外に存在するコンテンツの一覧情報をユーザに提示する。また、コンテンツ再生装置1とコンテンツ提供装置2は、コンテンツ情報取得先の登録や、コンテンツの取得に認証が必要な場合は、通話して人間同士が相手を確認しながら、認証処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、WAN(Wide Area Network)を介した複数のホームネットワーク上の機器を相互に接続し、コンテンツを簡単に共有することができるコンテンツ再生装置と、コンテンツ提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ビデオカメラで撮影した映像を親戚に見せたり、デジタルカメラで撮影した画像を友人に送るなど、信頼関係のある人同士のコミュニケーション手段として、プライベートで撮影したコンテンツや録画済みのコピーフリーコンテンツをWAN上で共有するシステムが普及しつつある。
【0003】
従来、知人宅のコンテンツを閲覧するに当たって、WAN上に存在するコンテンツ共有用機器へ接続するためには、ユーザがIPアドレスやURL(Uniform Resource Locator)を指定する必要があった。しかし、IPアドレスやURLは、比較的長い文字列であったり、動的に変わる場合もあるため扱い難く、誰もが簡単に所望のコンテンツを取得することは困難であった。
【0004】
一方、近年では、IPネットワークを利用したIP電話が普及してきており、IP電話が利用するプロトコルでは、従来の形式の電話番号を用いてIPネットワーク上に存在するIP電話機器にアクセスすることが可能である。例えば、SIP(Session Initiation Protocol)では、WAN上に存在するSIPサーバ群で、電話番号からIPアドレスへの変換を行っている。また、標準化が行われているENUM(Telephone Number Mapping)では、国際的に一意な電話番号(国番号+各国の電話番号)とドメイン領域(「.e164.arpa」のサブドメイン)をDNS(Domain Name System)で対応づけることにより、電話番号を用いてIPネットワーク上の機器やサービスへアクセスすることが可能となる。
【0005】
このように、電話番号を用いた機器間接続・通信方法として、特許文献1ではIP電話プロトコルと機器制御プロトコル(UPnP(Universal Plug and Play)等)との接続・変換方法が提案されている。
特許文献1に記載された方法を用いれば、IP電話と機器制御のプロトコルを接続し、IP電話プロトコルを用いて宅外からの機器制御を行うことができる。ここでは、IP電話のプロトコルが利用されるため、IP電話サービスとして提供されるセキュリティ機能を利用することが可能である。
【0006】
【特許文献1】特開2005−244275号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本方法による場合、宅外からのアクセスに対して、IP電話サービスとして提供される、着信制限機能を用いれば、通信路確立の際にアクセス元を制限することが可能である。しかし、一度通信路が確立した後のコンテンツ取得要求等に対して、要求元毎に子供を撮影したビデオや、自作の音楽などの宅外に向けて公開しているコンテンツ所在場所やその一覧といったコンテンツ情報の提示やコンテンツ送信を制限することについては、考慮されていない。
【0008】
したがって、アクセスが可能、すなわちコンテンツ公開元の機器と通信路が確立できる相手に対しては、いつでも、誰にでも、すべてコンテンツが同じ様に公開されてしまう。このため、特定の相手にだけ公開したい場合は、他からのアクセス自体を拒否する、または誰にでも見せることのできるコンテンツだけしか公開できない、など、コンテンツを公開する際の利便性及び安全性に問題がある。
【0009】
以上から、本発明では、電話番号を識別子として宅外コンテンツにアクセスする場合にユーザの利便性を向上させるとともに、電話の機能を利用して、個別のコンテンツへのアクセス制限や認証を簡単・確実に実行でき、誰もが利用しやすいユーザインタフェースのコンテンツ再生装置及びコンテンツ提供装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明におけるコンテンツ再生装置及びコンテンツ提供装置は、IP電話部を具備し、そのアドレス帳等の機能やプロトコルを利用して電話番号を識別子としてコンテンツ検索先の指定・再生が可能なコンテンツ再生装置、と、IP電話部を具備し、アクセス元の電話番号を元にして、コンテンツ情報の提供可否や個別のコンテンツの認証レベル設定が可能であり、通話を前提とした認証処理が可能なコンテンツ提供装置から構成される。
【0011】
また本発明では、電話機能に備えられるアドレス帳などと連動し、誰でも簡単に親しい知人の家にあるコンテンツにアクセスできるとともに、公開先の指定・認証レベルなどを設定して通話を前提とした認証を行うことでコンテンツ公開の安全性を高めたシステムを提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、簡単に宅外コンテンツへのアクセス設定を行うことが可能となる。また、コンテンツを許可なく取得されることなどを防ぐことができ、セキュリティの向上を図ることも可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を用いて、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明における実施例として、コンテンツ再生装置及びコンテンツ提供装置が、それぞれ単一の機器として構成される場合を示す。コンテンツ再生装置及びコンテンツ提供装置は、それぞれの機能ブロックが別々の機器内に構成されていてもよいし、また、コンテンツ提供装置及びコンテンツ再生装置がすべて一つの機器で構成されていてもよい。
【0014】
図1に本発明の実施例におけるコンテンツ再生装置及びコンテンツ提供装置を用いてコンテンツを共有する際のシステム全体を示すブロック図を示す。
本実施例においてコンテンツ取得要求を行う家庭11には、コンテンツ再生を行うコンテンツ再生装置1と、DLNA(Digital Living Network Alliance)等のホームネットワークに対応し、LAN(Local Area Network)5経由でコンテンツの送信が可能なホームネットワーク対応機器4が複数設置されている。
また、コンテンツを提供する家庭12には、宅内のコンテンツ情報を収集し、コンテンツを提供するコンテンツ提供装置2と、DLNA等のホームネットワークに対応し、LAN7経由でコンテンツの送信が可能なホームネットワーク対応機器6が複数設置されている。
【0015】
上記コンテンツ再生装置1とコンテンツ提供装置2は、WAN3にて接続されている。WAN3上には、電話番号から接続先IPアドレスへの変換を行い、コンテンツ再生装置1からのリクエストをコンテンツ提供装置2に届ける、SIPロケーションサーバ9およびSIPプロキシサーバ8が存在する。
【0016】
図2に本実施例におけるコンテンツ再生装置1のブロック図を示す。コンテンツ再生装置1は、全体の制御を行うCPU(Central Processing Unit)101と、ハードディスク、メモリ等から構成され、各種情報を保存する記憶領域103と、各種情報やコンテンツを表示する画面102と、コンテンツ取得部106により取得したコンテンツをデコードし、画面102に表示するコンテンツ再生部104と、コンテンツ検索先情報の管理を行うコンテンツ検索先管理部105と、宅内外の機器からコンテンツ情報を収集し、画面102に一覧表示するコンテンツ情報取得部107と、宅外コンテンツにアクセスする際に利用するIP電話部108と、宅内外の機器とIP通信を行うIP通信部109から構成される。
【0017】
図3に本実施例におけるコンテンツ提供装置2のブロック図を示す。コンテンツ提供装置2は、全体の制御を行うCPU201と、各種情報を表示する画面202と、ハードディスク、メモリ等から構成され、各種情報を保存する記憶領域203と、要求されたコンテンツをコンテンツ再生装置に送信するコンテンツ送信部204と、コンテンツ情報取得部207により収集したコンテンツ情報からコンテンツ一覧情報を生成してコンテンツ再生装置に提供する、コンテンツ情報提供部205と、コンテンツ検索元情報を管理するコンテンツ検索先管理機能206と、自機及び宅内のホームネットワーク対応機器からコンテンツ情報を収集するコンテンツ情報取得部207と、コンテンツ再生装置からの接続要求を受け付ける際に利用するIP電話部208と、宅内外の機器とIP通信を行うIP通信部209から構成される。
【0018】
以下、本発明におけるシステムの動作について、IP電話プロトコルとしてSIPを利用する場合の例を示す。SIPを利用する場合、IP電話部108または208が、WAN上に存在するSIPプロキシサーバ8にアクセス先電話番号を含むリクエストを送信すると、SIPロケーションサーバ9は、SIPプロキシサーバ8に当該電話番号に対応するアドレスを返し、SIPプロキシサーバは取得したアドレスにリクエストを転送する。
これによって、コンテンツ再生装置またはコンテンツ提供装置からのリクエストを相手先機器に送信することが可能となる。これにより、コンテンツ再生装置1及びコンテンツ提供装置2は、WAN3上での電話番号からのアドレス解決が可能となる。
なお、電話番号からのアドレス解決方法はSIPに限定するものではなく、同様の機能を持つ他の方法を用いても良い。
【0019】
最初に、図4に従って、本発明のフローの概要を示す。
図2のコンテンツ再生装置1と、図3のコンテンツ提供装置2は、最初にコンテンツ検索先設定処理を行う(S11)。コンテンツ検索先設定処理とは、予めコンテンツ再生装置1とコンテンツ提供装置2の間で通話を前提とした認証処理を行い、その情報を相互が記録して、以後、コンテンツ情報を認証なしで取得できるようにするための処理である。
【0020】
次に、コンテンツ再生装置1は、コンテンツ提供装置2に対してコンテンツ情報送信要求を行う(S31)。コンテンツ提供装置2は、コンテンツ情報送信要求を受信すると、当該要求発行元電話番号からコンテンツ情報を提供可能かどうかの判定を行い、可能であれば自システム及び宅内の他システムから公開可能コンテンツの情報を取得し、送信用のコンテンツ情報を生成する(S32)。生成が完了すると、コンテンツ提供装置2はコンテンツ再生装置1に対してコンテンツ情報を送信する(S33)。
【0021】
次に、コンテンツ再生装置1は、取得したコンテンツ情報を一覧として表示する(S34)。ユーザによって、表示したコンテンツ一覧からコンテンツが選択されると、コンテンツ再生装置1は当該コンテンツの送信要求をコンテンツ提供装置2に発行する(S35)。コンテンツ提供装置2は、コンテンツ送信要求を受信すると、コンテンツ送信可否を判定し、要求元の機器にコンテンツを送信するためには認証が必要と判断した場合、コンテンツ再生装置1との間で認証処理を行う(S36)。
認証が成功すると、コンテンツ提供装置2は、自機または宅内の機器から要求されたコンテンツを取得し(S37)、コンテンツ再生装置1に送信する(S38)。要求したコンテンツを受信したコンテンツ再生装置1は、これを再生する(S39)。
【0022】
以下に、前記の各処理の詳細を説明する。
最初に、図2、図3、図5、図6、図7、図8、図9、図10、図11にしたがって、
図4のコンテンツ検索先設定処理S11の詳細を説明する。
図5は、図2に記載するコンテンツ再生装置1における、図4のコンテンツ検索先設定処理S11の詳細フロー図である。また、図6は、本フローS102においてコンテンツ再生装置の画面102が表示する、コンテンツ検索先登録時の検索先指定方法選択画面の例である。図7は、本フローS104において電話機能のアドレス帳から検索先を指定する際の指定画面の例である。図8は、本フローS105において電話番号を直接入力して検索先を指定する際の入力画面の例である。図9は、本フローS107においてコンテンツ提供装置2に登録許可依頼を発行する際の確認ダイアログの例である。
【0023】
まず、コンテンツ検索先管理部105は、コンテンツ検索先の登録設定画面1100をユーザに提示する(S102)。S103の入力方法選択において、「アドレス帳からの選択」1102が指定された場合、IP電話部108が管理するアドレス帳から電話番号情報を取得し、登録先選択画面1110を画面102に表示する(S104)。S103の入力方法選択において、「電話番号直接入力」1101が選択された場合、電話番号入力画面1120を画面102に表示する(S105)。
次に、コンテンツ検索先管理部105は、IP電話部108を利用して「アドレス帳からの選択」もしくは「電話番号直接入力」のいずれかによって指定されたコンテンツ検索先に対する通話開始処理を行う。通話開始処理では、まず、IP電話部108がコンテンツ提供装置2に対してINVITEリクエストを発行する。
【0024】
INVITEとは、SIPにおいて、セッションの開始を促すためにSIPクライアントがSIPサーバに発行するリクエストである。INVITEリクエストがコンテンツ提供装置2に受け入れられると、コンテンツ提供装置2からSIPにおいてリクエストが成功したことを示すOKレスポンスが送信され、IP電話部108はこれを受信する。コンテンツ再生装置は、このレスポンスを解析し、コンテンツ提供装置のアドレスを取得する。ここまでで、通話開始処理が完了し、通話が開始される(S106)。
【0025】
次に、コンテンツ検索先管理部105は、コンテンツ検索先指定許可依頼の発行を確認するダイアログ1130を画面102に表示する(S107)。ユーザの了解入力を確認した後、コンテンツ検索先管理部105は、通話開始時(S106)に取得した相手先アドレスを元に、コンテンツ提供装置2に対してコンテンツ検索先指定許可依頼を発行する(S108)。
コンテンツ検索先指定許可依頼とは、自機へのコンテンツ情報送信を許可してもらうため、コンテンツ提供装置2との間で認証処理を開始するためのリクエストである。次に、コンテンツ検索先管理部105は、コンテンツ提供装置からの応答を受信する(S109)。応答が受諾応答の場合、コンテンツ検索先管理部105は、コンテンツ再生装置内の記憶領域103に検索先として、相手先コンテンツ提供装置2の電話番号を登録する(S110)。
【0026】
一方、応答が拒否応答の場合、コンテンツ検索先管理部105は、拒否された旨を画面103に表示する(S111)。上記一連の処理が完了すると、通話を終了し、コンテンツ検索先設定処理は完了する。なお、S11からS13までの間では通常の音声通話が使用可能であり、ユーザは音声で通話相手にS108に相当する依頼を行っても良い。
【0027】
図10は、図3のコンテンツ提供装置2におけるコンテンツ検索先設定処理S11の詳細フロー図である。また、図11は、本処理S123においてコンテンツ提供装置が表示する登録依頼の受諾を確認するダイアログの画面例である。コンテンツ提供装置2は、最初に、IP電話部208によってコンテンツ再生装置1と通話開始処理を行う(S121)。
次に、コンテンツ検索元管理部206において、コンテンツ検索先指定許可依頼を受信し(S122)、検索先指定許可依頼の受諾可否確認及び認証レベル設定のための確認ダイアログ1200を画面202に表示する(S123)。受諾可否の選択S124において、ユーザが受諾可を選択した場合、コンテンツ検索元管理部206は、記録領域203に検索元であるコンテンツ再生装置1の電話番号及び認証レベルを登録(S125)した後、コンテンツ再生装置1に受諾応答を発行する(S126)。S126の受諾応答と同時に暗号鍵を発行すれば、以後の通信を暗号化し、さらに安全性を高めることも可能である。受諾可否選択S124において、ユーザが拒否を選択した場合、コンテンツ検索元管理部206は、コンテンツ再生装置1に拒否応答を発行する(S127)。
【0028】
上記実施例では、コンテンツ検索先設定のための通話開始はコンテンツ再生装置側から行ったが、これをコンテンツ提供装置側から行ってもよい。この場合、通話開始後にコンテンツ提供装置から検索先登録依頼を発行し、コンテンツ再生装置でこれを許可して当該コンテンツ提供装置の電話番号を検索先として登録する。これにより、公開したいコンテンツを作成した場合に、公開の通知と同時に公開許可を行うことが可能となる。
【0029】
また、上記実施例では通話しながらの検索先指定許可の発行を前提としたが、コンテンツ提供システム側であらかじめ許可する検索先を登録しておくことで、通話を省略することも可能である。
以上で、コンテンツ検索先設定は完了する。以後は、システムで自動的に検索先のコンテンツ情報を取得してもよいし、ユーザが希望するタイミングで設定した検索先からコンテンツ情報を取得してもよい。
【0030】
次に、図2、図3、図4、図12、図13、図14、図15に従って、コンテンツ取得処理・再生処理の詳細を説明する。
図12は、図2に記載するコンテンツ再生装置1における、図4に記載のコンテンツ情報送信要求S31から、コンテンツ再生S39までの詳細フロー図である。また、図13は、本処理S201及びS204においてコンテンツ再生装置が宅内のホームネットワーク対応機器及びコンテンツ提供装置から取得したコンテンツ情報を元に生成したコンテンツ一覧の画面表示例である。図14は、本処理S207においてコンテンツ取得に認証が必要な場合の、認証要求確認ダイアログの画面例である。
【0031】
まず、コンテンツ情報取得部107は、DLNAなどの規格に基づいて宅内のホームネットワーク対応機器4からコンテンツ情報を収集する(S201)と共に、コンテンツ検索先登録処理により登録された機器に対して、電話番号を元に、IP電話部108を利用してコンテンツ情報取得要求を発行する(S202)。ここまでで、S31のコンテンツ情報送信要求処理が完了する。
次に、コンテンツ情報取得部107は、宅外のコンテンツ提供装置2から、コンテンツ情報を受信する(S203)。次にコンテンツ情報取得部107は、取得した情報を基にしてコンテンツ一覧表示2100を画面102に表示する(S204)。
【0032】
処理S203〜S204は、S34のコンテンツ情報表示処理に対応する。コンテンツ一覧表示2100において、2101は、コンテンツが存在する機器をアドレス帳に登録された氏名もしくはニックネームと共に、電話番号を表示することで示している。本実施例では、宅外のコンテンツの所在はどの家にあるか、という表示であるが、これを「誰の家の、どの機器」と表示してもよい。
また、本表示例は、すべてのコンテンツを一度に表示する例であるが、所在先機器やジャンル、日付などの情報で分類し、階層的に表示してもよい。
【0033】
次に、ユーザが閲覧したいコンテンツを選択すると、コンテンツ取得部106は、コンテンツ提供装置2に対し、当該コンテンツの送信要求を発行する(S205)。なお、処理S205は、処理S35に等しい。コンテンツ提供装置2において、コンテンツ送信が許諾された場合は(S206)、コンテンツ取得部106は、コンテンツ受信を開始する(S211)。
コンテンツ取得部106は、コンテンツを受信すると、コンテンツ再生部104に再生指示を行い、コンテンツ再生部は、コンテンツ再生を開始して取得したコンテンツを画面102に表示する(S212)。
【0034】
処理S211〜S212は、S39のコンテンツ再生処理に対応する。一方、コンテンツ提供装置2において、コンテンツ送信にはコンテンツ提供装置2における許可処理が必要と判断された場合は、コンテンツ取得部106は、認証開始要求を受信する(S206)。
認証開始要求を受信すると、コンテンツ取得部106は、送信許可依頼発行の確認ダイアログ2200を画面102に表示する(S207)。ユーザにより送信許可依頼発行が許可されると、コンテンツ取得部106は、IP電話部108を利用してコンテンツ提供装置2に対して通話開始処理を行い(S208)、通話が始まった後、コンテンツ送信許可依頼を発行する(S209)。
【0035】
コンテンツ提供装置2において認証処理が実行され、コンテンツ送信が許可された場合、コンテンツ提供装置2からコンテンツ送信許可応答及びアクセス用ポート番号を受信する(S210)。ここまでで、処理S36の認証処理が完了する。次に、コンテンツ取得部106は、コンテンツ提供装置2の前記処理S210で取得したポートにアクセスし、コンテンツ受信を開始する(S211)。
【0036】
コンテンツ取得部106は、コンテンツを受信すると、コンテンツ再生部104に再生指示を行い、コンテンツ再生部は、コンテンツ再生を開始して取得したコンテンツを画面102に表示する(S212)。処理S211〜S212は、S38のコンテンツ再生処理に対応する。コンテンツ提供装置2において、ユーザが不在である・ユーザが拒否する、などの理由によってコンテンツ送信が拒否された場合は、コンテンツ送信拒否応答を受信する(S210)、処理を終了する。
【0037】
図15は、図3に記載するコンテンツ提供装置2における、図4のコンテンツ情報送信要求受信S31から、コンテンツ送信S38までの詳細フロー図である。また、図16は、本処理S314における、認証(送信許可)処理が必要なコンテンツを送信する際の送信許可確認ダイアログの画面例である。最初に、コンテンツ情報提供部205は、コンテンツ送信装置から発行されたコンテンツ情報送信要求を受信する(S302)。
【0038】
本処理は、S31に対応する。コンテンツ情報提供部205は、コンテンツ検索元管理部206に、コンテンツ情報の送信可否を問い合わせ、送信可否判定を行う(S303)。コンテンツ検索元管理部206では、要求元機器との間にコンテンツ検索先設定処理S11が完了しているかどうかを確認し、完了している場合は要求元機器に対してコンテンツ情報送信が可能であると判定する。コンテンツ検索元管理部206において要求元機器に対するコンテンツ情報送信は不可であると判定された場合、コンテンツ再生装置1に送信拒否応答を発行し(S317)、処理を終了する。
【0039】
コンテンツ検索元管理部206において要求元機器に対するコンテンツ情報送信が可能であると判定された場合、コンテンツ情報提供部205は、自機及び宅内のホームネットワーク対応機器6から公開可能なコンテンツ情報を取得する(S304)。コンテンツ情報を取得した後、コンテンツ情報提供部205は、取得した情報から、コンテンツ再生装置に送信するコンテンツ情報を生成する(S305)。ここまでで、S32のコンテンツ情報取得処理が完了となる。
【0040】
次に、コンテンツ情報提供部205は、当該情報をIP通信部209からコンテンツ再生装置1に送信する(S306)。処理S306は、S33のコンテンツ情報送信処理に対応する。次に、コンテンツ再生装置1から発行されたコンテンツ送信要求を受信する(S307)。処理S307はS35に対応する。コンテンツ検索元管理部206は要求されたコンテンツについてアクセス元電話番号と、コンテンツ及び機器に設定される認証情報を参照し、認証要否を判定する(S308)。認証情報は、当該コンテンツ送信時にユーザによる認証が必要かどうかを判定するための情報であり、コンテンツ毎、機器毎、その両方に設定することが可能である。また、設定内容についても対象コンテンツや要求元機器、ジャンルや当該要求が行われた時刻など、さまざまな設定の中から、最適なものを選択すればよい。
【0041】
判定の結果が「認証不要」の場合、コンテンツ送信部204は、自機または宅内のホームネットワーク対応機器から要求されたコンテンツを取得(S309)し、コンテンツ再生装置1に送信する(S310)。判定の結果が「認証要」の場合、コンテンツ送信部204は、コンテンツ再生装置1と自機の間で認証処理が必要であるため、コンテンツ再生装置1に対して認証開始命令を発行する(S311)。
【0042】
次に、IP電話部208は、コンテンツ再生装置1からの通話要求を受け付け、通話開始処理を行う(S312)。通話が開始されると、コンテンツ検索元管理部206はコンテンツ再生装置1からのコンテンツ送信許可依頼を受信し(S313)、コンテンツ送信許可確認ダイアログ2300を画面202に表示する(S314)。次に、コンテンツ検索元管理部は、ユーザからの入力を受け付け、コンテンツ送信許可または拒否を判定する(S315)。判定の結果、コンテンツ送信が許可された場合、コンテンツ検索元管理部205は、コンテンツ再生装置1にコンテンツ送信許可応答を送信する(S316)。
【0043】
コンテンツ送信許可応答には、コンテンツ送信に利用するコネクション用のポート番号を付加してもよい。ここで指定するコンテンツ送信用コネクションのポート番号は、安全性を向上させるためにコンテンツ情報送信用のポート番号、あるいはコンテンツ情報に記述されるポート番号と異なるものを指定することも可能とする。また、コンテンツ毎や時間で異なる値を設定したり、ランダムな値を設定することも可能である。コンテンツ検索元管理部は、ここで設定されたポート番号と検索元電話番号を管理し、送信許可応答として提供したポート番号と異なるポートへのアクセスを排除する。
【0044】
ここまででS36の認証処理が完了となる。次に、コンテンツ送信部204は、自機またはコンテンツが所在する宅内の機器からコンテンツを取得する(S309)。本処理S309は、処理S37に対応する。コンテンツ送信部204は、コンテンツ取得が成功すると、コンテンツ送信用にコンテンツ再生装置1との間で確立されたコネクションを利用して、コンテンツ送信を開始する(S310)。ここまで、S37のコンテンツ送信処理が完了する。
【0045】
一方、コンテンツ送信が許可されなかった場合、コンテンツ検索元管理部205は、コンテンツ再生装置1にコンテンツ送信拒否応答を送信し(S317)、処理を終了する。本フローでは、ユーザの確認による認証のみの例を示したが、パスワード、パスフレーズ、声紋等を利用して通話成立と同時に自動的に認証を行うことも可能である。また前記認証方法を複数組み合わせてシステムを構成することも可能である。
【0046】
上記実施例では、コンテンツ再生装置が自動で登録されたすべての検索先からコンテンツ一覧を取得する例を示したが、ネットワーク資源、アクセスの頻度など、必要に応じてユーザが必要とする登録先のみ検索してもよい。図17は宅外のコンテンツ検索先指定画面例である。また、図18は、宅外・宅内に関わらずコンテンツ検索可能なデバイスからコンテンツ情報を取得する場合の、検索先指定画面例である。
【0047】
また、上記実施例では、コピー可能なプライベート・コンテンツの場合のみに言及しているが、著作権管理が必要なコンテンツについても、別途著作権保護を行うことで、プライベート・コンテンツと同様に扱うことが可能であり、利用シーンに応じて最適なものを適用すればよい。
上記実施例において、携帯電話をリモートコントローラとして利用し、電話番号で個人を識別してアクセス制御を行えば、宅内外からの各コンテンツへのアクセス制御を、統一的に行うことも可能である。
【0048】
上記によれば、宅外のコンテンツ検索先の指定に電話番号を使用し、通話を前提とした設定を可能とすることで、子供やお年寄りに操作方法などを直接教えながら設定することができるなど、誰もが簡単に宅外コンテンツへのアクセス設定を行うことが可能となる。
また、通話を前提としてコンテンツ提供者が直接相手を確認する認証方法とすることで、コンテンツを許可なく取得されることなどを防ぐことができ、セキュリティの向上を図ることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施例におけるコンテンツ再生装置及びコンテンツ提供装置の全体構成例である。
【図2】コンテンツ再生装置のブロック図である。
【図3】コンテンツ提供装置のブロック図である。
【図4】全体処理概要を示すフロー図である。
【図5】コンテンツ再生側の検索先登録処理フロー図である。
【図6】コンテンツ検索先登録時の検索先指定方法の選択画面である。
【図7】電話帳からのコンテンツ検索先選択画面である。
【図8】電話番号入力画面である。
【図9】検索先登録許可依頼の発行確認ダイアログである。
【図10】コンテンツ提供側の検索先登録処理フロー図である。
【図11】検索先登録の許可確認ダイアログである。
【図12】コンテンツ取得・再生処理のフロー図である。
【図13】コンテンツ再生装置が取得したコンテンツ一覧情報の画面表示例である。
【図14】コンテンツ取得に認証が必要な場合の、認証要求確認ダイアログの画面例である。
【図15】コンテンツ提供処理のフロー図である。
【図16】認証が必要なコンテンツ送信時の送信許可確認ダイアログの画面例である。
【図17】宅外のコンテンツ検索先指定画面例である。
【図18】宅外・宅内に関わらずコンテンツ検索可能なデバイスからコンテンツ情報を取得する場合の、検索先指定画面例である。
【符号の説明】
【0050】
1 コンテンツ再生装置
2 コンテンツ提供装置
3 IPネットワーク
4 ホームネットワーク対応機器
5 宅内IPネットワーク
6 ホームネットワーク対応機器
7 宅内IPネットワーク
11 家庭
12 家庭
101 CPU
102 画面
103 記憶領域
104 コンテンツ再生部
105 コンテンツ検索先管理部
106 コンテンツ取得部
107 コンテンツ情報取得部
108 IP電話部
109 IP通信部
201 CPU
202 画面
203 記憶領域
204 コンテンツ送信部
205 コンテンツ情報提供部
206 コンテンツ検索元管理部
207 宅内コンテンツ情報取得部
208 IP電話部
209 IP通信部
1100 コンテンツ検索先として登録を希望する対象の指定方法の選択画面
1101 電話番号直接入力ボタン
1102 電話帳利用ボタン
1110 登録先選択画面
1120 電話番号入力画面
1130 コンテンツ検索先指定許可依頼発行を確認するダイアログ
1200 検索元登録可否確認 及び 認証レベル設定ダイアログ
2100 コンテンツ再生装置が取得したコンテンツ一覧情報の画面表示例
2200 認証依頼発行の確認ダイアログ
2300 認証が必要なコンテンツ送信時の送信許可確認ダイアログ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
宅外のIP(Internet Protocol)ネットワーク上の機器と通信を行うIP通信部と、
IP電話プロトコルを用いてIPネットワーク上の宅外の機器に接続するIP電話部と、
コンテンツ検索先情報を管理する検索先管理部と、
IPネットワーク上の宅外の機器からのコンテンツ情報取得及び表示を行うコンテンツ情報取得部と、
コンテンツ一覧で指定したコンテンツを取得するコンテンツ取得部と、
取得したコンテンツを再生するコンテンツ再生部と、を有することを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項2】
宅外のIPネットワーク上の機器と通信を行うIP通信部と、
IP電話プロトコルを用いてIPネットワーク上の他の機器からの接続を受け付けるIP電話部と、
コンテンツ検索元情報を管理する検索元管理部と、
宅内の機器からコンテンツ情報を取得する宅内コンテンツ情報取得部と、
コンテンツ情報を宅外機器に提供するコンテンツ情報提供部と、
指定されたコンテンツを宅内機器から取得し、宅外機器に提供するコンテンツ送信部と、を有することを特徴とするコンテンツ提供装置。
【請求項3】
電話番号を宅外にあるコンテンツ検索先であるコンテンツ提供装置の識別子として使用し、コンテンツ情報の取得先、あるいはコンテンツの所在先を電話番号あるいは装置内部で管理するアドレス帳に記録された電話番号と1対1に関連付けられた名称、またはその両方でGUI(Graphical User Interface)上に表示する請求項1記載のコンテンツ再生装置。
【請求項4】
前記IP電話部は、コンテンツ情報取得元機器としてのコンテンツ提供装置の登録、コンテンツ情報の取得、コンテンツ取得を行う際に、装置内部で管理される電話番号を元に、IP電話プロトコルを利用して宅外コンテンツ検索先機器にアクセスする機能を備える請求項1または3の何れか1つに記載のコンテンツ再生装置。
【請求項5】
コンテンツの検索先を登録する際は、コンテンツ提供装置との間で、コンテンツ再生装置及びコンテンツ提供装置を利用するユーザ同士の通話を前提とした検索先登録認証処理を行う登録処理機能を備え、認証に成功した場合に検索先を登録する請求項1、3、4の何れか1つに記載のコンテンツ再生装置。
【請求項6】
前記請求項1、3、4及び5のコンテンツ再生装置において、コンテンツ情報を取得する際は、登録された番号を元に自動または手動で宅外のコンテンツ提供装置に接続し、当該コンテンツ提供装置からコンテンツ情報を取得して、宅内のホームネットワーク対応機器から取得したコンテンツ情報とともにユーザに提示するコンテンツ情報取得機能を備える請求項1、3、4及び5に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項7】
コンテンツを取得する際は、コンテンツ提供装置からの要求に応じて、コンテンツ送信のための認証を行うために、ユーザ同士の通話を前提としたコンテンツ送信許可依頼を行う機能を備える、請求項1、3、4、5、6の何れか1つに記載のコンテンツ再生装置。
【請求項8】
電話番号を宅外にあるコンテンツ検索元であるコンテンツ再生装置の識別子とし、コンテンツ情報またはコンテンツの送信可否の判定に利用する機能を備える請求項2記載のコンテンツ提供装置。
【請求項9】
コンテンツ再生装置からの要求に応じて、コンテンツ提供装置及びコンテンツ再生装置を利用するユーザ間の通話を前提とした検索元認証処理を行い、認証を許可した場合に当該コンテンツ再生装置を検索元として登録する機能を備える、請求項2または8の何れか1つに記載のコンテンツ提供装置。
【請求項10】
前記登録機能により登録済みのコンテンツ再生装置からの要求に応じて、自機及び宅内のホームネットワーク対応機器からコンテンツ情報を収集し、コンテンツ再生装置に送信する機能を備える、請求項2、8、9の何れか1つに記載のコンテンツ提供装置。
【請求項11】
登録済みのコンテンツ再生装置からの要求に応じて、自機または宅内のホームネットワーク対応機器のコンテンツを送信する際に、コンテンツ提供装置の内部情報から送信するための認証処理が必要かどうかを判定し、必要な場合は、自コンテンツ提供装置とコンテンツ再生装置との間で、自コンテンツ提供装置及び相手先のコンテンツ再生装置を利用するユーザ間の通話を前提としたコンテンツ送信認証処理を行う機能を備える、請求項2、8、9、10の何れか1つに記載のコンテンツ提供装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−28498(P2008−28498A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−196413(P2006−196413)
【出願日】平成18年7月19日(2006.7.19)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】