説明

コンディショナルアクセスシステム、および、コンディショナルアクセスサーバ、ならびに、デジタル放送受信機

【課題】コンディショナルアクセス(CA)カードの挿抜操作や移動といった煩雑な取り扱いを要することなく、当該一のCAカードに係る視聴契約による視聴権限に基づく便益を、同一の視聴期間中には排他的になるようにして視聴契約を遵守しつつ、一のCAシステムに属する複数のデジタル放送受信機間で、各個に共通に享受できるようにする。
【解決手段】視聴契約済の複数のCAカード110,120を一つのCAサーバ100に装着し、これら複数のCAカード110,120が生成する暗号鍵を、CAサーバ100からネットワーク420を通して複数のデジタル放送受信機200,300に供給することによりスクランブル解除処理を可能にして、CAカードの差し替えを要さずに視聴契約が結ばれた放送ないし番組を排他的に視聴できるようにしたもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンディショナルアクセスシステム、および、該コンディショナルアクセスシステムに属するコンディショナルアクセスサーバ、ならびに、デジタル放送受信機(デジタルテレビジョン受像機やHDD/DVD レコーダー等の録画装置、その他)に関し、より詳細には、一のコンディショナルアクセスカードに係る視聴契約による視聴権限を、同一の視聴期間中には排他的になるようにしつつ、一のコンディショナルアクセスシステムに属する複数のデジタル放送受信機間で、各個に共通に享受することができるようにするための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルテレビジョン放送では、多くの放送は、スクランブル(暗号)がかけられている。これはCAS(Conditional Access System)とも称呼される限定受信システムであって、有料放送のために考案されたものである。受信契約(視聴契約)を締結した顧客のみがその放送を視聴でき、契約者以外は視聴できないように放送信号をスクランブルしておき、契約者(その受信機)にはこのスクランブルを解く暗号鍵が提供される(一般的には、放送電波にのせて送信される)。
【0003】
上述のようなCASの暗号を復号する暗号鍵を得て所望の放送ないし番組を視聴するにはICカード(コンディショナルアクセスカード)が必要である。即ち、日本でのBSデジタル放送、地上デジタル放送、110度CSデジタル放送のCASであるB−CASを視聴するにはICカードとしてBCASカードが必要であり、デジタルケーブルテレビのCASであるC−CASを視聴するにはCCASカードが必要である。
【0004】
例えば、衛星デジタル放送の視聴を希望する顧客は、アンテナとデジタルチューナを購入し、受信契約書に所定事項(視聴、従って、購入を希望する放送ないし番組等)を記入して自ら郵送するか、或いは、販売店などに依頼して同様の手続きを代行して貰う。デジタル放送局側では、受信契約書を受け取ると、記載された情報を顧客管理システムに登録し、登録された情報に基づいて生成された顧客個別の情報及びスクランブル解除の為の鍵情報からなるEMM(Entitlement Management Message)データを衛星放送の電波に適宜挿入して送出する。顧客がこの衛星からの電波を受信すると、EMMデータがデジタルチューナにセットされるICカードに書き込まれることによりスクランブルを解除する機能が有効になって、放送ないし番組の視聴が可能となる。
【0005】
実際には、電話、FAX、或いは、インターネットなどを介して仮登録を行うことによって一定期間のみスクランブルを解除して放送ないし番組の視聴を可能にし、この期間内に正規の登録手続きを行うという方法により、受信契約書による正規登録の手続きを待たず直ちに視聴したいという要望に対処している。
しかしながら、たとえ仮登録が完了しても、衛星放送の電波を利用して、放送スケジュールに従って適宜EMMを送出しているので、スクランブル解除の明確な日時を提示することができないといった問題があった。このような問題に対処する方法は、既に提案されている。
【0006】
一つの提案では、前記送信側は、前記受信側のコンディショナルアクセスに使用する受信機と通信を行う通信手段と、該受信機のID情報及び/又は該受信機を特定することが可能なID情報を取り込むID取得手段と、該ID取得手段により取り込んだID情報に基づき、サービスチャンネルの視聴が可能となる予定日時情報を生成して受信側に提示する視聴可能予定日時提示手段とを具備し、EMM送出のスケジューリングを自動化することによってスクランブルが解除されて視聴が可能となる日時を明確にするというものである。
【0007】
視聴契約が急増した場合でも明確なスクランブル解除日時を提示することができ、ユーザ側ではスクランブル解除されているか否かを何度も確認するような手間が無くなり、EMMデータ送出予定日時の前の直近になった場合、自動又は手動で受信機が該当するサービスチャンネルを受信できるように設定しておけば、EMMデータの受信忘れを防止することもできるとされている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−281471号公報(段落0002〜段落0008、段落0035、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一方、視聴契約が成立して後、実際に放送ないし番組の視聴が行なわれる場面では、コンディショナルアクセスカードにより視聴制御されるデジタルテレビジョン受像機やHDD/DVD レコーダー等の録画装置、或いはまた、セットトップボックスなどのデジタル放送受信機では、機器本体と機器に同梱されるコンディショナルアクセスカードが一組で使用されることが一般的である。
【0009】
ところで、近年デジタル放送受信機の低価格化により一般家庭への普及が急速に拡大しつつあり、一つの家庭に複数台のデジタル放送受信機が設置されることも珍しくない。しかし有料放送ないし番組の視聴契約を行った場合には契約処理を行ったデジタル放送受信機に挿入されるコンディショナルアクセスカードに視聴権限が記録されるため、家庭内の他のデジタル放送受信機では有料放送ないし番組の視聴ができない。
【0010】
例えばリビングのデジタル放送受信機で有料放送ないし番組を視聴していて続きを寝室のデジタル放送受信機で視聴したい場合、前者のデジタル放送受信機から後者へとコンディショナルアクセスカードの差し替えを行なえば寝室のデジタル放送受信機でも有料放送ないし番組が視聴可能となるが、この種の機器における平生の使用状況では滅多に行うことのないコンディショナルアクセスカードの挿抜操作や移動は煩雑であり余り現実的ではない。
【0011】
既述の特許文献1における提案でも、このような視点からの技術課題の認識はなく、従って、当然ながら、このような課題への対処法についても提案がない。
本発明は上述のような状況に鑑みてなされたものであり、コンディショナルアクセスカードの挿抜操作や移動といった煩雑な取り扱いを要することなく、当該一のコンディショナルアクセスカードに係る視聴契約による視聴権限に基づく便益を、同一の視聴期間中には排他的になるようにして視聴契約を遵守しつつ、一のコンディショナルアクセスシステムに属する複数のデジタル放送受信機間で、各個に共通に享受することができるようにする技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するべく、本願では次に列記するような技術を提案する。
(1)コンディショナルアクセスサーバと複数のデジタル放送受信機とが伝送路で結ばれて構成されたコンディショナルアクセスシステムであって、
前記コンディショナルアクセスサーバは、複数のコンディショナルアクセスカードとのデータの授受を行うためのコンディショナルアクセスカードインターフェース部と、複数のデジタル放送受信機とのデータの授受を行うためのデジタル放送受信機インターフェース部と、前記コンディショナルアクセスカードインターフェース部を通して接続された複数のコンディショナルアクセスカードと前記デジタル放送受信機インターフェース部を通して接続された複数のデジタル放送受信機との間でコンディショナルアクセスに係るデータの授受を調停して当該複数のコンディショナルアクセスカードによる複数の視聴権限を当該複数のデジタル放送受信機の間で排他的に共有することを許容するように制御を実行するサーバ側システムコントローラと、を備えて構成され、
前記複数の各デジタル放送受信機は、放送信号を選択的に受信するためのチューナ部と、前記コンディショナルアクセスサーバとのデータの授受を行うコンディショナルアクセスサーバインターフェース部と、前記コンディショナルアクセスサーバからコンディショナルアクセスカードにより生成されたスクランブル解除の為の暗号鍵のデータを前記コンディショナルアクセスサーバインターフェース部を通して受信することによって各自機における前記チューナ部で受信した放送信号に対してスクランブル解除処理を実行するスクランブル解除部と、前記チューナ部、コンディショナルアクセスサーバインターフェース部、および、スクランブル解除部を含む各部を統括的に制御する受信機側システムコントローラと、を備えて構成されていることを特徴とするコンディショナルアクセスシステム。
【0013】
上記(1)のコンディショナルアクセスシステムでは、コンディショナルアクセスサーバと複数のデジタル放送受信機とが伝送路で結ばれ、コンディショナルアクセスサーバのコンディショナルアクセスカードインターフェース部に接続されている複数のコンディショナルアクセスカードに関して締結されている放送ないし番組の視聴契約に基づいて、コンディショナルアクセスサーバのサーバ側システムコントローラが、複数のデジタル放送受信機間で、同一のコンディショナルアクセスカードおよび同一の視聴期間中については排他的になるようにして視聴契約を遵守しつつ、各個のデジタル放送受信機に共通に、当該視聴契約に基づく視聴権限による便益を享受することができるように調停する。
【0014】
(2)前記コンディショナルアクセスサーバのデジタル放送受信機インターフェース部、および、前記複数の各デジタル放送受信機のコンディショナルアクセスサーバインターフェース部は、ネットワークを通してデータの授受を行うネットワークインターフェース部によって構成されていることを特徴とする(1)のコンディショナルアクセスシステム。
上記(2)のコンディショナルアクセスシステムでは、(1)のコンディショナルアクセスシステムによる作用において特に、コンディショナルアクセスサーバのデジタル放送受信機インターフェース部、および、複数の各デジタル放送受信機のコンディショナルアクセスサーバインターフェース部は、ネットワークを通してデータの授受を行うネットワークインターフェース部によって構成されているため、当該コンディショナルアクセスシステムに属するコンディショナルアクセスサーバと複数の各デジタル放送受信機との各個の本体の配置に拘束されずにネットワークを通して支障なく所要のデータの授受を行うことができる。
【0015】
(3)前記コンディショナルアクセスサーバの前記サーバ側システムコントローラは、前記複数のデジタル放送受信機間で同一のコンディショナルアクセスカードに関して視聴契約が締結されている同一の放送ないし番組について同時に当該放送ないし番組の視聴を行うための操作が行われたときには、当該視聴のための操作が先行したデジタル放送受信機に対して視聴を許容し、当該視聴のための操作が後続して行われたデジタル放送受信機に対して、他機が優先して排他的に当該放送ないし番組を視聴している旨の排他メッセージを送信するべく制御を実行するように構成されていることを特徴とする(1)のコンディショナルアクセスシステム。
【0016】
上記(3)のコンディショナルアクセスシステムでは、(1)のコンディショナルアクセスシステムによる作用において特に、サーバ側システムコントローラは、複数のデジタル放送受信機間で同一のコンディショナルアクセスカードに関して視聴契約が締結されている同一の放送ないし番組について同時に当該放送ないし番組の視聴を行うための操作が行われたときには、当該視聴のための操作が先行したデジタル放送受信機に対して視聴を許容し、当該視聴のための操作が後続して行われたデジタル放送受信機に対して、他機が優先して排他的に当該放送ないし番組を視聴している旨の排他メッセージを送信するように制御を実行する。
これにより、同一のコンディショナルアクセスカードおよび同一の視聴期間中については排他的に当該放送ないし番組の視聴が許容され、従って、視聴契約が遵守された上で、各個のデジタル放送受信機に共通に、当該視聴契約に基づく当該放送ないし番組の視聴が可能になるという便益が得られる。
【0017】
(4)前記コンディショナルアクセスサーバの前記サーバ側システムコントローラは、前記デジタル放送受信機において、何れのコンディショナルアクセスカードに関しても視聴契約が締結されていない放送ないし番組の視聴を行うための操作が行われたときには、当該デジタル放送受信機に対して、視聴に関する視聴契約は未締結である旨の未契約メッセージを送信するべく制御を実行するように構成されていることを特徴とする(1)のコンディショナルアクセスシステム。
【0018】
上記(4)のコンディショナルアクセスシステムでは、(1)のコンディショナルアクセスシステムによる作用において特に、サーバ側システムコントローラは、デジタル放送受信機において、何れのコンディショナルアクセスカードに関しても視聴契約が締結されていない放送ないし番組の視聴を行うための操作が行われたときには、当該デジタル放送受信機に対して、視聴に関する視聴契約は未締結である旨の未契約メッセージを送信するべく制御を実行する。
これにより、当該デジタル放送受信機のユーザは、視聴契約が未締結であるが故に放送ないし番組の視聴ができない(スクランブル解除処理が実行され得ない)ことを的確に認識することができる。
【0019】
(5)コンディショナルアクセスサーバと複数のデジタル放送受信機とが伝送路で結ばれて構成されるコンディショナルアクセスシステムを構成するに適合するコンディショナルアクセスサーバであって、
複数のコンディショナルアクセスカードとのデータの授受を行うためのコンディショナルアクセスカードインターフェース部と、複数のデジタル放送受信機とのデータの授受を行うためのデジタル放送受信機インターフェース部と、前記コンディショナルアクセスカードインターフェース部を通して接続された複数のコンディショナルアクセスカードと前記デジタル放送受信機インターフェース部を通して接続された複数のデジタル放送受信機との間でコンディショナルアクセスに係るデータの授受を調停して当該複数のコンディショナルアクセスカードによる複数の視聴権限を当該複数のデジタル放送受信機の間で排他的に共有することを許容するべく制御を実行するサーバ側システムコントローラと、を備えて構成されていることを特徴とするコンディショナルアクセスサーバ。
【0020】
上記(5)のコンディショナルアクセスサーバでは、放送受信機インターフェース部を通して接続された複数のデジタル放送受信機に対して、コンディショナルアクセスカードインターフェース部を通して接続された複数のコンディショナルアクセスカードに関して締結されている視聴契約に基づいて、コンディショナルアクセスに係るデータの授受を調停して当該複数のコンディショナルアクセスカードによる複数の視聴権限を当該複数のデジタル放送受信機の間で排他的に共有することを許容するべく、サーバ側システムコントローラが制御を実行する。
【0021】
これにより、コンディショナルアクセスカードの挿抜操作や移動といった煩雑な取り扱いを要することなく、当該一のコンディショナルアクセスカードに係る視聴契約による視聴権限に基づく便益を、同一の視聴期間中には排他的になるようにして視聴契約を遵守しつつ、一のコンディショナルアクセスシステムに属する複数のデジタル放送受信機間で、各個に共通に享受することができる。
【0022】
(6)前記デジタル放送受信機インターフェース部は、ネットワークを通してデータの授受を行うネットワークインターフェース部によって構成されていることを特徴とする(5)のコンディショナルアクセスサーバ。
上記(6)のコンディショナルアクセスサーバでは、(5)のコンディショナルアクセスサーバによる作用において特に、デジタル放送受信機インターフェース部は、ネットワークを通してデータの授受を行うネットワークインターフェース部によって構成されているため、当該コンディショナルアクセスシステムに属するコンディショナルアクセスサーバと複数の各デジタル放送受信機との各個の本体の配置に拘束されずにネットワークを通して支障なく所要のデータの授受を行うことができる。
【0023】
(7)前記サーバ側システムコントローラは、前記複数のデジタル放送受信機間で、同一のコンディショナルアクセスカードに関する視聴契約に基づく同一の放送ないし番組について同時に当該放送ないし番組の視聴を行うための操作が行われたときには、当該視聴のための操作が先行したデジタル放送受信機に対して視聴を許容し、当該視聴のための操作が後続して行われたデジタル放送受信機に対して、他機が優先して排他的に当該放送ないし番組を視聴している旨の排他メッセージを送信するべく制御を実行するように構成されていることを特徴とする(5)のコンディショナルアクセスサーバ。
【0024】
上記(7)のコンディショナルアクセスサーバでは、(5)のコンディショナルアクセスサーバによる作用において特に、サーバ側システムコントローラは、前記複数のデジタル放送受信機間で、同一のコンディショナルアクセスカードに関する視聴契約に基づく同一の放送ないし番組について同時に当該放送ないし番組の視聴を行うための操作が行われたときには、当該視聴のための操作が先行したデジタル放送受信機に対して視聴を許容し、当該視聴のための操作が後続して行われたデジタル放送受信機に対して、他機が優先して排他的に当該放送ないし番組を視聴している旨の排他メッセージを送信するべく制御を実行する。
このため、同一のコンディショナルアクセスカードおよび同一の視聴期間中については排他的に当該放送ないし番組の視聴が許容され、従って、視聴契約が遵守された上で、各個のデジタル放送受信機に共通に、当該視聴契約に基づく当該放送ないし番組の視聴が可能になるという便益が得られる。
【0025】
(8)前記サーバ側システムコントローラは、前記デジタル放送受信機において、何れのコンディショナルアクセスカードに関しても視聴契約が行われていない放送ないし番組の視聴を行うための操作が行われたときには、当該視聴に関する視聴契約は未締結である旨のメッセージを送信するべく制御を実行するように構成されていることを特徴とする(5)のコンディショナルアクセスサーバ。
【0026】
上記(8)のコンディショナルアクセスシステムでは、(5)のコンディショナルアクセスサーバによる作用において特に、サーバ側システムコントローラは、前記デジタル放送受信機において、何れのコンディショナルアクセスカードに関しても視聴契約が行われていない放送ないし番組の視聴を行うための操作が行われたときには、当該視聴に関する視聴契約は未締結である旨のメッセージを送信するべく制御を実行する。
このため、当該デジタル放送受信機のユーザは、視聴契約が未締結であるが故に放送ないし番組の視聴ができない(スクランブル解除処理が実行され得ない)ことを的確に認識することができる。
【0027】
(9)コンディショナルアクセスサーバと複数のデジタル放送受信機とが伝送路で結ばれて構成されたコンディショナルアクセスシステムに適合するデジタル放送受信機であって、
放送信号を選択的に受信するためのチューナ部と、前記コンディショナルアクセスサーバとのデータの授受を行うコンディショナルアクセスサーバインターフェース部と、前記コンディショナルアクセスサーバからコンディショナルアクセスカードにより生成されたスクランブル解除の為の暗号鍵のデータを前記コンディショナルアクセスサーバインターフェース部を通して受信することによって前記チューナ部で受信した放送信号に対してスクランブル解除処理を実行するスクランブル解除部と、前記チューナ部、コンディショナルアクセスサーバインターフェース部、および、スクランブル解除部を含む各部を統括的に制御する受信機側システムコントローラと、を備えて構成されていることを特徴とするデジタル放送受信機。
【0028】
上記(9)のデジタル放送受信機では、チューナ部で選択的に受信した放送信号を、コンディショナルアクセスサーバインターフェース部を通してコンディショナルアクセスサーバ側から供給された暗号鍵のデータを用いて、スクランブル解除部でスクランブル解除処理に附する。コンディショナルアクセスカードにより生成されている暗号鍵はコンディショナルアクセスサーバ側から供給されるものを受けて適用するため、コンディショナルアクセスカードの挿抜操作や移動といった煩雑な取り扱いを要することなく、当該一のコンディショナルアクセスカードに係る視聴契約による視聴権限に基づく便益を、同一の視聴期間中には排他的になるようにして視聴契約を遵守しつつ、一のコンディショナルアクセスシステムに属する複数のデジタル放送受信機間で、各個に共通に享受することができる。
【0029】
(10)前記コンディショナルアクセスサーバインターフェース部は、ネットワークを通してデータの授受を行うネットワークインターフェース部によって構成されていることを特徴とする(9)のデジタル放送受信機。
上記(10)のデジタル放送受信機では、(9)のデジタル放送受信機による作用において特に、コンディショナルアクセスサーバインターフェース部は、ネットワークを通してデータの授受を行うネットワークインターフェース部によって構成されているため、当該コンディショナルアクセスシステムに属するコンディショナルアクセスサーバと複数の各デジタル放送受信機との各個の本体の配置に拘束されずにネットワークを通して支障なく所要のデータの授受を行うことができる。
【0030】
(11)前記受信機側システムコントローラは、自機と共に管理される他のデジタル放送受信機が同一のコンディショナルアクセスカードに関して視聴契約が締結されている同一の放送ないし番組について先行して当該放送ないし番組の視聴を行うための操作を行っていることに対応して、前記コンディショナルアクセスサーバ側から、前記コンディショナルアクセスサーバインターフェース部を通して、他機が優先して排他的に当該放送ないし番組を視聴している旨の排他メッセージを受信したときには、当該排他メッセージを表す表示を行うべく制御を実行するように構成されていることを特徴とする(9)のデジタル放送受信機。
【0031】
上記(11)のデジタル放送受信機では、(9)のデジタル放送受信機による作用において特に、受信機側システムコントローラは、自機と共に管理される他のデジタル放送受信機が同一のコンディショナルアクセスカードに関して視聴契約が締結されている同一の放送ないし番組について先行して当該放送ないし番組の視聴を行うための操作を行っていることに対応して、前記コンディショナルアクセスサーバ側から、前記コンディショナルアクセスサーバインターフェース部を通して、他機が優先して排他的に当該放送ないし番組を視聴している旨の排他メッセージを受信したときには、当該排他メッセージを表す表示を行うべく制御を実行する。
【0032】
このため、当該デジタル放送受信機のユーザは、同一のコンディショナルアクセスカードに関して視聴契約が締結されている同一の放送ないし番組について先行して当該放送ないし番組の視聴を行うための操作を行っているユーザの存在に起因して、当該放送ないし番組の視聴ができない(スクランブル解除処理が実行され得ない)ことを的確に認識することができる。
【0033】
(12)前記受信機側システムコントローラは、何れのコンディショナルアクセスカードに関しても視聴契約が締結されていない放送ないし番組の視聴を行うための操作が行われたことに対応して、前記コンディショナルアクセスサーバ側から、前記コンディショナルアクセスサーバインターフェース部を通して、当該視聴に関する視聴契約は未締結である旨の未契約メッセージを受信したときには、当該未契約メッセージを表す表示を行うべく制御を実行するように構成されていることを特徴とする(9)のデジタル放送受信機。
【0034】
上記(12)のデジタル放送受信機では、(9)のデジタル放送受信機による作用において特に、受信機側システムコントローラは、何れのコンディショナルアクセスカードに関しても視聴契約が締結されていない放送ないし番組の視聴を行うための操作が行われたことに対応して、前記コンディショナルアクセスサーバ側から、前記コンディショナルアクセスサーバインターフェース部を通して、当該視聴に関する視聴契約は未締結である旨の未契約メッセージを受信したときには、当該未契約メッセージを表す表示を行うべく制御を実行する。
このため、当該デジタル放送受信機のユーザは、視聴契約が未締結であるが故に放送ないし番組の視聴ができない(スクランブル解除処理が実行され得ない)ことを的確に認識することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。尚、以下に参照する図においては、便宜上、説明の主題となる要部は適宜誇張し、要部以外については適宜簡略化し乃至省略されている。
図1は、本発明の実施の形態としてのコンディショナルアクセスシステムを表すブロック図である。
【0036】
図1において、コンディショナルアクセスサーバ100と複数のデジタル放送受信機としての第1のデジタル放送受信機200および第2のデジタル放送受信機300が伝送路400で結ばれてコンディショナルアクセスシステム10が構成されている。コンディショナルアクセスサーバ100には第1のカードスロット101および第2のカードスロット102が設けられて、それぞれにコンディショナルアクセスカードが装着され得るように構成されている。
【0037】
図1のコンディショナルアクセスシステム10では、第1のカードスロット101には、当初は第1のデジタル放送受信機200とセットで取り扱われる(通常の場合、同梱されていてセットとして流通している)第1のコンディショナルアクセスカード110(図では、第1のCAカードと略記)が装着され、第2のカードスロット102には、当初は第2のデジタル放送受信機300とセットで取り扱われる第2のコンディショナルアクセスカード120(図では、第2のCAカードと略記)が装着されるが、各カードスロットとこれらに装着されるコンディショナルアクセスカードとの対応関係は上述のものに限定されるというものではない。
【0038】
また、第1のデジタル放送受信機200および第2のデジタル放送受信機300は、それぞれ同様の構成を有するデジタルテレビジョン受像機であり得る。但し、本発明の技術思想では、デジタル放送受信機はこの例に限られず、本明細書で説明するように自機と対応するコンディショナルアクセスカードに関して視聴契約が締結された放送ないし番組に関して視聴が許容されるような機能部を含む、例えば、HDD/DVD レコーダー等の録画装置やセットトップボックス或いはその他の映像機器であり得る。
尚、本例の伝送路400はハブ410を含んで構成されるネットワーク420の形態を採っている。
【0039】
図2は、図1のコンディショナルアクセスシステム10におけるコンディショナルアクセスサーバ100の構成を表すブロック図である。このコンディショナルアクセスサーバ100は、複数のコンディショナルアクセスカード110および120とのデータの授受を行うための第1のコンディショナルアクセスカードインターフェース部111(図では、第1のCAカードインターフェース部と略記)およびの第2のコンディショナルアクセスカードインターフェース部121(図では、第2のCAカードインターフェース部と略記)が設けられている。これら第1および第2の各コンディショナルアクセスカードインターフェース部111、121は、各対応して、上述の第1および第2のカードスロット101、102を有する。
【0040】
コンディショナルアクセスサーバ100には、また、第1および第2のデジタル放送受信機200、300とのデータの授受を行うためのデジタル放送受信機インターフェース部としてのネットワークインターフェース部140が設けられている。このネットワークインターフェース部140が図1を参照して説明したハブ410を含むネットワーク4000と結ばれる
第1および第2のコンディショナルアクセスカードインターフェース部111、121を通して接続された第1および第2のコンディショナルアクセスカード110,120と、デジタル放送受信機インターフェース部(即ち、ネットワークインターフェース部)140を通して接続された第1および第2のデジタル放送受信機200、300との間でコンディショナルアクセスに係るデータの授受を調停して当該複数のコンディショナルアクセスカード110、120による複数の視聴権限を第1および第2のデジタル放送受信機200、300の間で排他的に共有することを許容するように制御を実行するサーバ側システムコントローラ150が設けられている。
【0041】
このサーバ側システムコントローラ150には、基本的な制御のアルゴリズムを規定するプログラム、その他、所要の制御定数やパラメータ等々のデータが格納されたROM151、および、本コンディショナルアクセスサーバ100における動作のシーケンスの推移に係るステータスの一時的保持や所要の演算に用いるためのRAM152が附設されている。
【0042】
図3は、図1のコンディショナルアクセスシステム10における第1のデジタル放送受信機としてのデジタル放送受像機200の構成を表すブロック図である。既述のとおり、図1の例で想定しているコンディショナルアクセスシステム10では、第2のデジタル放送受信機としてのデジタル放送受像機300も、第1のデジタル放送受信機としてのデジタル放送受像機200と同様の構成を有する。
【0043】
このデジタル放送受像機200は、アンテナ201から放送信号を選択的に受信するためのチューナ部としてのデジタルチューナ202、デジタルチューナ202の出力であるトランスポートストリーム(トランスポートパケット)に関し選別を行うパケットフィルタ203、コンディショナルアクセスサーバ100からコンディショナルアクセスカード110(120)により生成されたスクランブル解除の為の暗号鍵のデータを得て、デジタルチューナ202で受信しパケットフィルタ203で選別した放送信号のトランスポートパケットに対して、この暗号鍵のデータを用いてスクランブル解除処理を実行するスクランブル解除部204を有する。
【0044】
デジタル放送受像機200には、更に、スクランブル解除部204でスクランブル解除処理が施された映像および音声のデータに対してMPEGデコード処理を施すMPEGデコーダ205、文字や図形などを表示するためのグラフィックデータを生成するグラフィック描画部206、MPEGデコーダ205の映像出力とグラフィック描画部206の出力とを合成して図示されない表示器へ供給する映像出力を得る画像合成部207、コンディショナルアクセスサーバ100とのデータの授受を行うコンディショナルアクセスサーバインターフェース部としてのネットワークインターフェース部208が備えられている。グラフィック描画部206は図5および図6を参照して後述するような特定のメッセージを表示する機能をも有する。
上述のようにコンディショナルアクセスサーバ100に装着されたコンディショナルアクセスカード110(120)により生成されたスクランブル解除の為の暗号鍵のデータは、このネットワークインターフェース部208を通してこのデジタル放送受信機200に供給される。
【0045】
更に、デジタルチューナ202、スクランブル解除部204、ネットワークインターフェース部208を含む各部を統括的に制御する受信機側システムコントローラ209が設けられている。この受信機側システムコントローラ209には、RAM210およびROM211が附設され、RAM210を利用してアンテナで受信したコンテンツに係る所要の処理を実行し、一方、ROM211には、基本的な制御のアルゴリズムを規定するプログラム、その他、所要の制御定数やパラメータ等々のデータが格納されており、所要のタイミングで受信機側システムコントローラ209にこれらのデータが読み込まれて制御動作が営まれる。
尚、リモコン212からの操作信号を受けるリモコンインターフェース部213が設けられ、リモコン212による種々の操作が受付けられて受信機側システムコントローラ209に供給されることによって、種々の遠隔操作が実現される。
【0046】
図4は、図2のコンディショナルアクセスサーバ100で管理される管理テーブルを表す概念図である。この管理テーブルは、ネットワーク400に接続されるデジタル放送受信機(200,300)のステータスを管理するためにコンディショナルアクセスサーバ100のRAM152に設定され、サーバ側システムコントローラ150によって適宜その内容が本コンディショナルアクセスシステム10の状態を反映するように更新される。詳細は後述する。
【0047】
図5は、視聴のための操作が行われた何れかのデジタル放送受信機において、他機が優先して排他的に当該放送ないし番組を視聴している旨を表示する場合の表示例を表す図である。本発明のコンディショナルアクセスシステム10では、複数のデジタル放送受信機(200,300)間で同一のコンディショナルアクセスカード(110または120)に関して視聴契約が締結されている同一の放送ないし番組について同時に当該放送ないし番組の視聴を行うための操作が行われたときには、当該視聴のための操作が先行したデジタル放送受信機(200または300)に対して視聴を許容し、当該視聴のための操作が後続して行われたデジタル放送受信機(300または200)では、例えば図5にあるような「この番組は他の機器で視聴中です」といったようなメッセージの表示を行う。詳細については、後に、フローチャートを参照しつつ後述する。
【0048】
図6は、視聴のための操作が行われた何れかのデジタル放送受信機(200,300)において、視聴契約が締結されていない放送ないし番組の視聴を行おうとしている旨を表示する場合の表示例を表す図である。本発明のコンディショナルアクセスシステム10では、何れのコンディショナルアクセスカード(110,120)に関しても視聴契約が締結されていない放送ないし番組の視聴を行うための操作が行われたときには、当該デジタル放送受信機(200,300)に対して、視聴に関する視聴契約は未締結である旨の例えば図6にあるような「この番組の視聴には契約が必要です」といったようなメッセージの表示を行う。詳細については、後に、フローチャートを参照しつつ後述する。
【0049】
図7は、図1のコンディショナルアクセスシステムにおける第1または第2のデジタル放送受信機(200,300…図7のフローチャートにおいて、代表的に、単にデジタル放送受信機200とする)の動作を表すフローチャートである。この動作は、図3を参照して説明した受信機側システムコントローラ209によるデジタル放送受信機の動作に関する統括的な管理機能によって実現される。
【0050】
視聴者が、デジタル放送受信機200の電源を入れて視聴を開始すると(ステップS701)、アンテナ201(図3)による放送波からのパケットの受信が行われる(ステップS702)。次いで、受信されたパケットはECMメッセージを含むものであるか否かが識別され(ステップS703)、ECMメッセージを含むものであると識別されたときには(ステップS703:Yes)、コンディショナルアクセスサーバ(図中「CAサーバ」と表記)へそのECMメッセージを送信する(ステップS704)。
【0051】
ステップS704でのECMメッセージの送信に応答してコンディショナルアクセスサーバから送られてくる応答メッセージを受信し(ステップS705)、次いで、その応答メッセージには放送信号にかけられているスクランブルを解除するための暗号鍵(即ち、スクランブル解除鍵)が含まれているか否かを識別する(ステップS706)。このステップS706で、スクランブル解除鍵が含まれていると識別されたときには(ステップS706:Yes)、そのスクランブル解除鍵をスクランブル解除部204(図3)に転送する(ステップS707)。
【0052】
スクランブル解除部204においてこのスクランブル解除鍵を用いてスクランブルの解除処理が行えたか否かを識別する(ステップS708)。スクランブル解除部204においてスクランブル解除鍵によってスクランブル解除処理が行えたときには(ステップS708:Yes)、コンディショナルアクセスサーバに「視聴可」の旨のメッセージを送信し(ステップS709)、スクランブルが解除された信号によって放送の表示を行うための動作を実行する(ステップS710)。この後、ステップS702に戻る。
【0053】
一方、ステップS708で、このスクランブル解除鍵によってはスクランブル解除処理が行えなかったときには(ステップS708:No)、コンディショナルアクセスサーバに「視聴不可」の旨のメッセージを送信して(ステップS711)ステップS705に戻る。
他方、既述のステップS703で、受信されたパケットはECMメッセージ含んではいないと識別されたときには(ステップS703:No)、次いで、受信されたパケットはEMMメッセージを含むものであるか否かが識別される(ステップS712)。ステップS712で、受信されたパケットはEMMメッセージを含むものであると識別されたときには(ステップS712:Yes)、コンディショナルアクセスサーバにそのEMMメッセージを送信し(ステップS713)、ステップS702に戻る。
また、ステップS712で、受信されたパケットはEMMメッセージを含むものではないと識別されたときには(ステップS712:No)、そのままステップS702に戻る。
【0054】
また、既述のステップS706で、コンディショナルアクセスサーバから送られてきた応答メッセージにはスクランブル解除鍵が含まれていないと識別されたときには(ステップS706:No)、その応答メッセージにはコンディショナルアクセスサーバからの新たなコンディショナルアクセスのID(CAS_ID)が含まれているか否かを識別する(ステップS714)。
【0055】
ステップS714で、コンディショナルアクセスサーバからの応答メッセージには新たなCAS_IDが含まれていると識別されたときには(ステップS714:Yes)、コンディショナルアクセスのIDを応答メッセージによる新たなCAS_IDに更新して(ステップS715)、ステップS702に戻る。
一方、ステップS714で、コンディショナルアクセスサーバからの応答メッセージには新たなCAS_IDが含まれていないと識別されたときには(ステップS714:No)、その応答メッセージには排他メッセージが含まれているか否かを識別し(ステップS716)、排他メッセージが含まれているときには(ステップS716:Yes)、既述の図5にその一例が示されたような「排他メッセージ」を表示するための処理を実行して(ステップS717)動作を終了する。
【0056】
他方、ステップS716で、コンディショナルアクセスサーバからの応答メッセージには排他メッセージが含まれていないときには(ステップS716:No)、次いで、その応答メッセージには未契約メッセージが含まれているか否かを識別し(ステップS718)、未契約メッセージが含まれているときには(ステップS718:Yes)、既述の図6にその一例が示されたような「未契約メッセージ」を表示するための処理を実行して(ステップS719)動作を終了する。尚、未契約メッセージが含まれていないときには(ステップS718:No)、そのまま既述のステップS705に戻る。
【0057】
以上、図7のフローチャートおよび図3のブロック図を参照して説明したところから了解されるとおり、本発明の実施の形態としてのデジタル放送受信機では、チューナ部としてのデジタルチューナ202で選択的に受信した放送信号(パケット)を、コンディショナルアクセスサーバインターフェース部としてのネットワークインターフェース部208を通してコンディショナルアクセスサーバ100側から供給された暗号鍵のデータを用いて、スクランブル解除部204でスクランブル解除処理に附する。
【0058】
この暗号鍵取得の過程で、コンディショナルアクセスカード(図2:110,120)により生成される暗号鍵はコンディショナルアクセスサーバ100側から供給されるものを受けて適用するため、コンディショナルアクセスカードの挿抜操作や移動といった煩雑な取り扱いを要することなく、一枚のコンディショナルアクセスカードに係る視聴契約による視聴権限に基づく便益を、同一の視聴期間中には排他的になるようにして視聴契約を遵守しつつ、一のコンディショナルアクセスシステム(図1:10)に属する複数のデジタル放送受信機(200,300)間で、各個に共通に享受することができる。
【0059】
また、コンディショナルアクセスサーバインターフェース部は、ネットワークを通してデータの授受を行うネットワークインターフェース部208によって構成されているため、コンディショナルアクセスシステム(図1:10)に属するコンディショナルアクセスサーバ100と複数の各デジタル放送受信機(200,300)との各個の本体の配置に拘束されずにネットワークを通して支障なく所要のデータの授受を行うことができる。
【0060】
受信機側システムコントローラ209は、自機と共にコンディショナルアクセスサーバ100で視聴の可否を管理される他のデジタル放送受信機が同一のコンディショナルアクセスカードに関して視聴契約が締結されている同一の放送ないし番組について先行して当該放送ないし番組の視聴を行うための操作を行っていることに対応して、コンディショナルアクセスサーバ100側から、コンディショナルアクセスサーバインターフェース部としてのネットワークインターフェース部208を通して、他機が優先して排他的に当該放送ないし番組を視聴している旨の排他メッセージを受信したときには、当該排他メッセージを表す表示を行うべく制御を実行する(図7:ステップS705→ステップS706→ステップS714→ステップS716→ステップS717)。
【0061】
このため、当該デジタル放送受信機のユーザは、図5に例示されたような表示を見て、同一のコンディショナルアクセスカードに関して視聴契約が締結されている同一の放送ないし番組について先行して当該放送ないし番組の視聴を行うための操作を行っているユーザの存在に起因して、当該放送ないし番組の視聴ができない(スクランブル解除処理が実行され得ない)ことを的確に認識することができる。
【0062】
更にまた、受信機側システムコントローラ209は、何れのコンディショナルアクセスカードに関しても視聴契約が締結されていない放送ないし番組の視聴を行うための操作が行われたことに対応して、コンディショナルアクセスサーバ100側から、コンディショナルアクセスサーバインターフェース部としてのネットワークインターフェース部208を通して、当該視聴に関する視聴契約は未締結である旨の未契約メッセージを受信したときには、当該未契約メッセージを表す表示を行うべく制御を実行する(図7:ステップS705→ステップS706→ステップS714→ステップS716→ステップS718→ステップS719)。
このため、当該デジタル放送受信機のユーザは、図6に例示されたような表示を見て、視聴契約が未締結であるが故に放送ないし番組の視聴ができない(スクランブル解除処理が実行され得ない)ことを的確に認識することができる。
【0063】
図8ないし図11は、コンディショナルアクセスサーバの動作(デジタル放送受信機1で放送を視聴する場合)に関するフローチャートである。
また、既述のとおり、図4は、コンディショナルアクセスサーバが保有する管理テーブルにおける管理データが図8ないし図11のフローチャートの動作に関連して遷移する状況を表わす図である。この説明で想定している場合においては、本コンディショナルアクセスサーバと結ばれた機器について、機器ID1はデジタル放送受信機1に対応し、機器ID2はデジタル放送受信機2に対応する。
【0064】
図8のフローチャートにおいて、コンディショナルアクセスサーバは、動作を開始後、デジタル放送受信機1からのメッセージをネットワーク経由で受信すると(ステップS801)、次いで、受信されたメッセージがECMメッセージを含むものであるか否かを識別する(ステップS802)。
このステップS802の段階では、管理テーブルは初期状態にある。また、接続中のコンディショナルアクセスカード(図4中「接続中のCASカード」)の欄、コンディショナルアクセスカード毎の認証状況(図4中「CAS認証状況」)の欄、および、現在時点でのECMデータ(図4中「現在のECMデータ」)の欄は、未だデータが保有されずブランクであり、視聴権限に基づいて放送の視聴を排他的に制限するための「排他フラグ」のデータは何れも「0」である…図4(a)。
【0065】
ステップS801で受信されたメッセージがECMメッセージを含むものであると識別されたときには(ステップS802:Yes)、機器ID1のテーブルデータにおける「現在のECMデータ」(当初はデータが保持されていない)を、受信されたECMメッセージに対応するものに更新する(ステップS803)…図4(b)。
次いで、管理テーブルの機器ID1のコンディショナルアクセス(図4図中CASと略記)カードに関するデータを参照し、機器ID1(即ち、想定したシステムにおいては、デジタル放送受信機1)に対応して何れかのコンディショナルアクセスカードが認証されているか否かという認証状況の識別処理を行う(ステップS804)。この処理は、即ち、何れかのコンディショナルアクセスカードが視聴状態で適用されている(接続中)か否かを識別するものである。
【0066】
ステップS804での識別処理の結果として、何れかのコンディショナルアクセスカードが認証済である旨か否かを弁別し(ステップS805)、認証済であると識別されたときには(ステップS805:Yes)、管理テーブルの機器ID1のデータを参照し、機器ID1に対応して現在接続中のコンディショナルアクセスカードは何れのカードであるかの識別処理を行う(ステップS806)。
【0067】
尚、コンディショナルアクセスサーバに接続された機器(デジタル放送受信機1)によって視聴を行おうとする当初の段階では、何れのコンディショナルアクセスカードも承認されておらず、従って、この段階では、ステップS805の弁別結果は「否」であって(ステップS805:No)、 “D”の外部ページ参照記号で繋がりが示された、後述する、図11のフローチャートに移行する。
ステップS806での識別処理の結果として、機器ID1に対応して現在接続中のコンディショナルアクセスカードは1であると弁別されたときには(ステップS807:Yes)、コンディショナルアクセスカード1へステップS801で受信されたECMメッセージを送信する(ステップS808)。
【0068】
ステップS808での送信に応答してコンディショナルアクセスカード1から転送されてくるスクランブル解除鍵を受信し(ステップS809)、次いで、受信したスクランブル解除鍵をデジタル放送受信機1へ送信する(ステップS810)。この後、ステップS801に戻る。デジタル放送受信機1側では、このコンディショナルアクセスカード1から供給されるスクランブル解除鍵によって、受信した放送データにかけられているスクランブルを解除する処理を実行し、放送の視聴を可能にすることができる。
【0069】
以上の動作において、一般に、ECMは略2秒程度の間隔で機器側(デジタル放送受信機)において受信されて、逐次、コンディショナルアクセスサーバへと伝送されてくる。このため、当該機器側に対応して何れかのコンディショナルアクセスカードが一旦認証済(使用中)になって以降は、視聴が継続している限り、ステップS801からステップS810までの処理が間歇的に繰り返される。
【0070】
既述のステップS807で、機器ID1に対応して現在接続中(認証済)のコンディショナルアクセスカードは1である旨か否かを弁別し、そのコンディショナルアクセスカードは1ではないと弁別されたときには(ステップS807:No)、コンディショナルアクセスカード2へステップS801で受信されたECMメッセージを送信する(ステップS817)。
【0071】
次いで、コンディショナルアクセスカード2からスクランブル解除鍵を受信し(ステップS818)、デジタル放送受信機1へそのスクランブル解除鍵を送信し(ステップS819)、この後、ステップS801に戻る。
一方、ステップS801で受信されたメッセージがECMメッセージを含んでいないと識別されたときには(ステップS802:No)、受信されたメッセージはEMMメッセージを含むものであるか否かを識別する(ステップS811)。
【0072】
ステップS811で、受信されたメッセージはEMMメッセージを含むものであると識別されたときには(ステップS811:Yes)、管理テーブルの機器ID1のコンディショナルアクセスカードに関するデータを参照し、機器ID1(この場合は、デジタル放送受信機1)に対応して何れかのコンディショナルアクセスカードが認証されているか否かという認証状況の識別処理を行う(ステップS812)。この処理は、即ち、何れかのコンディショナルアクセスカードが視聴状態で適用されているか否かを識別するものである。
【0073】
ステップS812での識別処理の結果として、何れかのコンディショナルアクセスカードが認証済である旨か否かを弁別し(ステップS813)、認証済であると識別されたときには(ステップS813:Yes)、管理テーブルの機器ID1のデータを参照し、機器ID1に対応して現在接続中(認証済)のコンディショナルアクセスカードは何れのカードであるかの識別処理を行う(ステップS814)。ステップS813で、何れのコンディショナルアクセスカードも認証されていないと弁別されたときには(ステップS813:No)、そのままステップS801に戻る。
【0074】
ステップS814での識別処理の結果が、機器ID1に対応して現在接続中(認証済)のコンディショナルアクセスカードは1である旨か否かを弁別し(ステップS815)、接続中のコンディショナルアクセスカードは1であると弁別されたときには(ステップS815:Yes)、コンディショナルアクセスカード1へステップS801で受信されたEMMメッセージを送信する(ステップS816)。この後、ステップS801に戻る。
【0075】
以上の動作において、一般に、EMMは適時、機器側(デジタル放送受信機)において受信されて、逐次(順次)、コンディショナルアクセスサーバへと伝送されてくる。このため、当該機器側に対応して何れかのコンディショナルアクセスカードが一旦認証済(使用中)になって以降は、視聴が継続している限り、ステップS811からステップS816までの処理が間歇的に繰り返される。
【0076】
他方、ステップS815で、機器ID1に対応して現在接続中(認証済)のコンディショナルアクセスカードは1ではないと弁別されたときには(ステップS815:No)、コンディショナルアクセスカード2へステップS801で受信されたEMMメッセージを送信して(ステップS820)、この後、ステップS801に戻る。
また、既述のステップS811で、受信されたメッセージはEMMメッセージを含むものではないと識別されたときには(ステップS811:No)、ステップS801でデジタル放送受信機1から受信されたメッセージは「視聴可」のメッセージであるか否かを識別する(ステップS821)。
【0077】
ステップS821で、受信されたメッセージは「視聴可」のメッセージであると識別されたときには(ステップS821:Yes)、管理テーブルの機器ID1のデータに関する状況を参照して、コンディショナルアクセスに関する現状での認証状況の識別処理を行う(ステップS822)。
ステップS822での識別処理の結果、管理テーブルの機器ID1のデータでは認証済になっているか否かを弁別し(ステップS823)、認証済であると識別されたときには(ステップS823:Yes)、ステップS801に戻る。
【0078】
一方、ステップS823で、認証済ではないと識別されたときには(ステップS823:No)、“B”の外部ページ参照記号で繋がりが示された図9のフローチャートに移行する。
また、既述のステップS821で、受信されたメッセージは「視聴可」のメッセージではないと識別されたときには(ステップS821:No)、“C”の外部ページ参照記号で繋がりが示された図10のフローチャートに移行する。
また、既述のように、ステップS805で、ステップS804での識別処理の結果が認証済ではない旨であるときには(ステップS805:No)、“D”の外部ページ参照記号で繋がりが示された図11のフローチャートに移行する。
【0079】
以上の処理フローにおいて、機器ID1に対応するデジタル放送受信機1は、ECMを受信して、コンディショナルアクセスサーバからスクランブル解除鍵を受信し、それによって番組の視聴が可能であるという判断処理を経て、初めて、「視聴可」のメッセージをコンディショナルアクセスサーバへ送信する。即ち、デジタル放送受信機1は、ECMを受信する度に「視聴可」のメッセージを繰り返しコンディショナルアクセスサーバに送信する。尚、視聴不可の場合は「視聴不可」のメッセージを送信する。
コンディショナルアクセスサーバは、当初の「視聴可」のメッセージによってコンディショナルアクセス認証状況を「認証済」に変更するが、これ以降は、「視聴可」メッセージに関する処理を要しなくなるため、ステップS823の処理が設けてある。
【0080】
次に、図9の外部ページ参照記号“B”以降の処理について説明する。図8のフローチャートにおけるステップS802で、受信されたメッセージがECMメッセージを含むものではないと識別され(ステップS802:No)、更に、ステップS811で、受信されたメッセージはEMMメッセージを含むものではないと識別され(ステップS811:No)、更にまた、ステップS821で、受信されたメッセージは「視聴可」のメッセージであると識別され(ステップS821:Yes)、次いで、管理テーブルの機器ID1のデータに関する状況を参照して、コンディショナルアクセスに関する現状での認証状況の識別処理を行い(ステップS822)その結果、管理テーブルの機器ID1のデータでは認証済になっているか否かを弁別し(ステップS823)、認証済ではないと識別されたときに(ステップS823:No)、“B”の外部ページ参照記号で繋がりが示されたこの図9のフローチャートに移行する。
【0081】
管理テーブルの機器ID1のデータでは認証済ではないと識別されたコンディショナルアクセス状況のデータを認証済に更新し(ステップS901)、次いで、管理テーブルの機器ID1のデータを参照し、機器ID1に対応して現在接続中のコンディショナルアクセスカードは何れのカードであるかの識別処理を行う(ステップS902)。
ステップS902での識別処理の結果が、機器ID1に対応して現在接続中(認証済)のコンディショナルアクセスカードは1である旨か否かを弁別し(ステップS903)、接続中のコンディショナルアクセスカードは1であると弁別されたときには(ステップS903:Yes)、コンディショナルアクセスカード1へID要求メッセージを送信する(ステップS904)。
【0082】
ステップS904で送信したID要求メッセージに応答して、コンディショナルアクセスカード1から転送されてくるIDを受信し(ステップS905)、このID、即ち、コンディショナルアクセスカード1を表すCAS_IDをデジタル放送受信機1に送信する(ステップS906)。この後、図8のステップS801に戻る。
一方、ステップS903で接続中のコンディショナルアクセスカードは1ではないと弁別されたときには(ステップS903:No)、コンディショナルアクセスカード2へID要求メッセージを送信する(ステップS907)。
【0083】
ステップS907で送信したID要求メッセージに応答して、コンディショナルアクセスカード2から転送されてくるIDを受信し(ステップS908)、このID、即ち、コンディショナルアクセスカード2を表すCAS_IDをデジタル放送受信機1に送信する(ステップS909)。この後、図8のステップS801に戻る。
次に、図10の外部ページ参照記号“C”以降の処理について説明する。図8のフローチャートにおけるステップS802で、受信されたメッセージがECMメッセージを含むものではないと識別され(ステップS802:No)、更に、ステップS811で、受信されたメッセージはEMMメッセージを含むものではないと識別され(ステップS811:No)、更にまた、ステップS821で、受信されたメッセージは「視聴可」のメッセージではないと識別されたときに(ステップS821:No)、“C”の外部ページ参照記号で繋がりが示されたこの図10のフローチャートに移行する。
【0084】
受信されたメッセージは「視聴可」のメッセージではないと識別されてから(ステップS821:No)、受信されたメッセージは「視聴不可」のメッセージであると識別されたときには(ステップS1001:Yes)、管理テーブルの機器ID1のコンディショナルアクセスカードに関するデータを参照し、機器ID1(この場合は、デジタル放送受信機1)に対応して何れかのコンディショナルアクセスカードが認証されているか否かという認証状況の識別処理を行う(ステップS1002)。この処理は、即ち、何れかのコンディショナルアクセスカードが視聴状態で適用されているか否かを識別するものである。
【0085】
ステップS1002での識別処理の結果として、何れかのコンディショナルアクセスカードが認証済である旨か否かを弁別し(ステップS1003)、認証済であると識別されたときには(ステップS1003:Yes)、管理テーブルの機器ID1のデータを初期化して(ステップS1004)、図8のステップS801に戻る。
一方、ステップS1003で、何れのコンディショナルアクセスカードも未認証であると識別されたときには(ステップS1003:No)、管理テーブルの機器ID1のコンディショナルアクセスカードに関するデータを参照し、機器ID1(この場合は、デジタル放送受信機1)に対応して現在接続中のコンディショナルアクセスカードが何れのカードであるかの識別処理を行う(ステップS1005)。
【0086】
ステップS1005での識別処理の結果が、機器ID1に対応して現在接続中のコンディショナルアクセスカードは1である旨か否かを弁別し(ステップS1006)、現在接続中のコンディショナルアクセスカードは1であると弁別されたときには(ステップS1006:Yes)、“E”の外部ページ参照記号で繋がりが示された図11のフローチャートに移行する。
また、ステップS1006で、現在接続中のコンディショナルアクセスカードは1ではないと弁別されたときには(ステップS1006:No)、管理テーブルの機器ID1のデータにおける排他フラグの状況を識別する(ステップS1007)。
【0087】
ステップS1007の識別結果として排他フラグが立っているか否かを判別し(ステップS1008)、排他フラグが立っていないと判別されたときには(ステップS1008:No)、管理テーブルの機器ID1のデータを初期化して(ステップS1009)、デジタル放送受信機1に未契約のメッセージを送信し(ステップS1010)、その後、図8のステップS801に戻る。
一方、ステップS1008で、排他フラグが立っていると判別されたときには(ステップS1008:Yes)、管理テーブルの機器ID1のデータを初期化して(ステップS1011)、デジタル放送受信機1に排他メッセージを送信し(ステップS1012)、その後、図8のステップS801に戻る。
【0088】
次に、図11の外部ページ参照記号“D”および“E”以降の処理について説明する。図8のフローチャートを参照して既述のとおり、コンディショナルアクセスサーバに接続された機器(デジタル放送受信機1)によって視聴を行おうとする当初の段階では、何れのコンディショナルアクセスカードも承認されていない。この当初の段階においては、何れかのコンディショナルアクセスカードが認証済である旨か否かの弁別ステップS805での弁別の結果は必然的に「否」である(ステップS805:No)。従って、 “D”の外部ページ参照記号で繋がりが示されたとおり、この図11のフローチャートに従うことになる。
【0089】
管理テーブルの機器ID2のデータを参照し、機器ID2に対応して現在接続中のコンディショナルアクセスカードは何れのカードであるかの識別処理を行い(ステップS1101)、ステップS1101での識別処理の結果として、現在機器ID2に接続中のコンディショナルアクセスカードは1であると識別されたか否かを弁別する(ステップS1102)。
【0090】
機器ID2に対応して現在接続中のコンディショナルアクセスカードは1であると弁別されたときには(ステップS1102:Yes)、次いで、管理テーブルの機器ID2のコンディショナルアクセス(図中CASと略記)カードに関するデータを参照し、機器ID2(即ち、想定したシステムにおいては、デジタル放送受信機2)に対応して何れかのコンディショナルアクセスカードが認証されているか否かという認証状況の識別処理を行う(ステップS1103)。この処理は、即ち、何れかのコンディショナルアクセスカードが視聴状態で適用されている(接続中)か否かを識別するものである。
【0091】
ステップS1103での識別処理の結果として、機器ID2に対応して何れかのコンディショナルアクセスカードが認証済である旨か否かを弁別し(ステップS1104)、認証済であると識別されたときには(ステップS1104:Yes)、管理テーブルの機器ID1に関するECMと機器ID2に関するECMとを比較する(ステップS1105)。
【0092】
この比較は機器ID1に該当する機器(本例では、デジタル放送受信機1)と機器ID2に該当する機器(本例では、デジタル放送受信機2)が同一のコンディショナルアクセスカード(ここではCAS1)に接続され、且つ、同じ番組(同一のECM)を視聴しようとしているかどうかを判断するためのものである。
即ち、ステップS1101からステップS1104では、機器ID2に該当する機器(デジタル放送受信機2)が機器ID1に該当する機器(デジタル放送受信機1)に先んじて何らかの番組視聴を行っているかどうかを判断しており、デジタル放送受信機2がコンディショナルアクセスカード1を使用して既に番組視聴している場合には、デジタル放送受信機1は同一のコンディショナルアクセスカード且つ同一のECMで視聴することはできない。
【0093】
ステップS1105での比較の結果を弁別し(ステップS1106)、双方のECMが異なるときには(ステップS1106:Yes)、管理テーブルの機器ID1に関するデータとして、コンディショナルアクセスカード1を対応付け(ステップS1107)、コンディショナルアクセスカード1へステップS801(図8)で受信されたECMメッセージを送信する(ステップS1108)。
【0094】
S1106でECMが異なるということは(ステップS1106:Yes)、機器ID2に該当する機器(デジタル放送受信機2)が既にコンディショナルアクセスカード1に接続中で認証済(使用中)であり、機器ID1に該当する機器(デジタル放送受信機1)が同一のコンディショナルアクセスカード1で視聴を開始しようとしている状況ではあるが、ECMが異なるのでデジタル放送受信機1はデジタル放送受信機2と違う番組を視聴しようとしているということを意味している。このような場合には、同一のコンディショナルアクセスカード1へECMを送信することが許容される。
【0095】
ステップS1108でのECMメッセージの送信に応答してコンディショナルアクセスカード1から転送されてくるスクランブル解除鍵を受信し(ステップS1109)、次いで、受信したスクランブル解除鍵をデジタル放送受信機1へ送信する(ステップS1110)。この後、ステップS801(図8)に戻る。
デジタル放送受信機1側では、このコンディショナルアクセスカード1から供給されるスクランブル解除鍵によって、受信した放送データにかけられているスクランブルを解除する処理を実行し、放送の視聴を可能にすることができる。
【0096】
一方、ステップS1102で、機器ID2に対応して現在接続中のコンディショナルアクセスカードは1ではないと弁別されたとき(ステップS1102:No)、および、ステップS1104で、機器ID2に対応して何れのコンディショナルアクセスカードも未認証である旨が弁別されたときには(ステップS1104:No)、直ちに、既述のステップS1107に移行する。
【0097】
他方、ステップS1106で、管理テーブルの機器ID1に関するECMと機器ID2に関するECMとの双方のECMが同一であると弁別されたときには(ステップS1106:No)、管理テーブルの機器ID1に関するデータとして、排他フラグを1に設定し(ステップS1115)、ステップS1121に移行する。
このステップS1106で双方のECMが同一であるということは、即ち、機器ID1に該当する機器(本例では、デジタル放送受信機1)はコンディショナルアクセスカード1を使用して視聴を開始しようとしたが機器ID2に該当する機器(デジタル放送受信機2)が同一のコンディショナルアクセスカード1に接続し且つ同一の番組(同一のECM)を視聴しているということである。
【0098】
従って、デジタル放送受信機1としてはコンディショナルアクセスカード1については一時的に排他状態を保持する必要があり、その後コンディショナルアクセスカード2での視聴を試みることになる。
図10のフローチャートを参照して説明したとおり、認証済のコンディショナルアクセスカードは1であると弁別されたときには(ステップS1006:Yes)、“E”の外部ページ参照記号で繋がりが示された図11のフローチャート(ステップS1121)に移行する。ステップS1121では、機器ID2(この場合は、デジタル放送受信機2)に対応して何れかのコンディショナルアクセスカードが認証されているか否かという認証状況の識別処理を行う。
【0099】
ステップS1121での認証状況の識別処理の結果として、現在機器ID2に接続中のコンディショナルアクセスカードは2であると識別されたか否かを弁別する(ステップS1122)。
機器ID2に対応して現在接続中のコンディショナルアクセスカードは2であると弁別されたときには(ステップS1122:Yes)、次いで、管理テーブルの機器ID2のコンディショナルアクセス(図中CASと略記)カードに関するデータを参照し、機器ID2(即ち、想定したシステムにおいては、デジタル放送受信機2)に対応して何れかのコンディショナルアクセスカードが認証されているか否かという認証状況の識別処理を行う(ステップS1123)。この処理は、即ち、何れかのコンディショナルアクセスカードが視聴状態で適用されている(接続中)か否かを識別するものである。
【0100】
ステップS1123での識別処理の結果として、機器ID2に対応して何れかのコンディショナルアクセスカードが認証済である旨か否かを弁別し(ステップS1124)、認証済であると識別されたときには(ステップS1124:Yes)、管理テーブルの機器ID1に関するECMと機器ID2に関するECMとを比較する(ステップS1125)。
ステップS1125における比較は、機器ID1に該当する機器(本例ではデジタル放送受信機1)と機器ID2に該当する機器(本例ではデジタル放送受信機2)が同一のコンディショナルアクセスカード(ここではCAS2)に接続され、且つ、同じ番組(同一のECM)を視聴しようとしているかどうかを判断するためのものである。
【0101】
即ち、ステップS1121からステップS1124では、機器ID2に該当する機器(デジタル放送受信機2)がコンディショナルアクセスカード2を使用して、機器ID1に該当する機器(デジタル放送受信機1)に先んじて何らかの番組視聴を行っているかどうかを判断しており、デジタル放送受信機2がコンディショナルアクセスカード2を使用して既に番組視聴している場合には、デジタル放送受信機1は同一のコンディショナルアクセスカード2且つ同一のECMで視聴することはできない。
【0102】
ステップS1125での比較の結果を弁別し(ステップS1126)、双方のECMが異なるときには(ステップS1126:Yes)、管理テーブルの機器ID1に関するデータとして、コンディショナルアクセスカード2を対応付け(ステップS1127)、コンディショナルアクセスカード2へステップS801(図8)で受信されたECMメッセージを送信する(ステップS1128)。
【0103】
この場合は、同一のコンディショナルアクセスカード2に対するアクセスであるが、ECMが同一ではないのでデジタル放送受信機1はコンディショナルアクセスカード2を使用してデジタル放送受信機2と異なる番組の視聴を開始する。
ステップS1128でのECMメッセージの送信に応答してコンディショナルアクセスカード2から転送されてくるスクランブル解除鍵を受信し(ステップS1129)、次いで、受信したスクランブル解除鍵をデジタル放送受信機1へ送信する(ステップS1130)。この後、ステップS801(図8)に戻る。
【0104】
尚、ステップS1126で、管理テーブルの機器ID1に関するECMと機器ID2に関するECMが異なるものではないと弁別されたときには(ステップS1126:No)、管理テーブルの機器ID1のデータを初期化して(ステップS1131)、デジタル放送受信機1に排他メッセージを送信し(ステップS1132)、その後、図8のステップS801に戻る。
【0105】
以上、図8〜図11の処理において、視聴を始めようとする当初から、解除鍵がデジタル放送受信機1で取得されるまでは、次の処理フロー(1−1)に従って処理が順次実行される:
図8のステップS801→ステップS802→ステップS803→ステップS804→ステップS805→図8のD→図11のD→ステップS1101→ステップS1102→ステップS1107→ステップS1108→ステップS1109→ステップS1110→A………………処理フロー(1−1)
【0106】
既述のように、当初、ステップS802の段階では、管理テーブルは初期状態にある。また、接続中のコンディショナルアクセスカード(図4中「接続中のCASカード」)の欄、コンディショナルアクセスカード毎の認証状況(図4中「CAS認証状況」)の欄、および、現在時点でのECMデータ(図4中「現在のECMデータ」)の欄は、未だデータが保有されずブランクであり、視聴権限に基づいて放送の視聴を排他的に許容するための「排他フラグ」のデータは何れも「0」である…図4(a)。
【0107】
また、ステップS801で受信されたメッセージがECMメッセージを含むものであると識別されたときには(ステップS802:Yes)、機器ID1のテーブルデータにおける「現在のECMデータ」(当初はデータが保持されていない)を、受信されたECMメッセージに対応するものに更新する(ステップS803)…図4(b)。
更に、ステップS1107で、機器ID1のテーブルデータにおける「接続中のCASカード」(当初はデータが保持されていない)が、現状に対応する「CAS1」に更新される…図4(c)。
【0108】
次いで、認証が完了するまでは、次の処理フロー(1−2)によって処理が実行される。
図8のステップS801→ステップS802→ステップS811→ステップS821→ステップS822→ステップS823→図8のB→図9のB→ステップS901→ステップS902→ステップS903→ステップS904→ステップS905→ステップS906→A………………処理フロー(1−2)
ステップS901で、機器ID1のテーブルデータにおける「CAS認証状況」が、現状に対応するように「認証済」に更新される……図4(d)。
【0109】
以上に次いで、次の、処理フロー(1−3)および処理フロー(1−4)が、処理フロー1および処理フロー2を経て確立した視聴可能な状態が維持されている限り繰り返される。
図8のステップS801→ステップS802→ステップS803→ステップS804→ステップS805→ステップS806→ステップS807→ステップS808→ステップS809→ステップS810→A………………処理フロー(1−3)
および、
図8のステップS801→ステップS802→ステップS811→ステップS821→ステップS822→ステップS823→A………………処理フロー(1−4)
図12ないし図15は、コンディショナルアクセスサーバの動作(デジタル放送受信機2で放送を視聴する場合)に関するフローチャートである。
【0110】
また、図16は、コンディショナルアクセスサーバが保有する管理テーブルにおける管理データが図12ないし図15のフローチャートの動作に関連して遷移する状況を表わす図である。この説明で想定している場合においては、本コンディショナルアクセスサーバと結ばれた機器について、機器ID1はデジタル放送受信機1に対応し、機器ID2はデジタル放送受信機2に対応する。
【0111】
図12のフローチャートにおいて、コンディショナルアクセスサーバは、動作を開始後、デジタル放送受信機2からのメッセージをネットワーク経由で受信すると(ステップS1201)、次いで、受信されたメッセージがECMメッセージを含むものであるか否かを識別する(ステップS1202)。
このステップS1202の段階では、管理テーブルは初期状態にある。また、接続中のコンディショナルアクセスカード(図16中「接続中のCASカード」)の欄、コンディショナルアクセスカード毎の認証状況(図16中「CAS認証状況」)の欄、および、現在時点でのECMデータ(図16中「現在のECMデータ」)の欄は、未だデータが保有されずブランクであり、視聴権限に基づいて放送の視聴を排他的に制限するための「排他フラグ」のデータは何れも「0」である…図16(a)。
【0112】
ステップS1201で受信されたメッセージがECMメッセージを含むものであると識別されたときには(ステップS1202:Yes)、機器ID2のテーブルデータにおける「現在のECMデータ」(当初はデータが保持されていない)を、受信されたECMメッセージに対応するものに更新する(ステップS1203)…図16(b)。
次いで、管理テーブルの機器ID2のコンディショナルアクセス(図16図中CASと略記)カードに関するデータを参照し、機器ID2(即ち、想定したシステムにおいては、デジタル放送受信機2)に対応して何れかのコンディショナルアクセスカードが認証されているか否かという認証状況の識別処理を行う(ステップS1204)。この処理は、即ち、何れかのコンディショナルアクセスカードが視聴状態で適用されている(接続中)か否かを識別するものである。
【0113】
ステップS1204での識別処理の結果として、何れかのコンディショナルアクセスカードが認証済である旨か否かを弁別し(ステップS1205)、認証済であると識別されたときには(ステップS1205:Yes)、管理テーブルの機器ID2のデータを参照し、機器ID2に対応して現在接続中のコンディショナルアクセスカードは何れのカードであるかの識別処理を行う(ステップS1206)。
【0114】
尚、コンディショナルアクセスサーバに接続された機器(デジタル放送受信機2)によって視聴を行おうとする当初の段階では、何れのコンディショナルアクセスカードも承認されておらず、従って、この段階では、ステップS1205の弁別結果は「否」であって(ステップS1205:No)、 “I”の外部ページ参照記号で繋がりが示された、後述する、図15のフローチャートに移行する。
【0115】
ステップS1206での識別処理の結果として、機器ID2に対応して現在接続中のコンディショナルアクセスカードは1であると弁別されたときには(ステップS1207:Yes)、コンディショナルアクセスカード1へステップS1201で受信されたECMメッセージを送信する(ステップS1208)。
ステップS1208での送信に応答してコンディショナルアクセスカード1から転送されてくるスクランブル解除鍵を受信し(ステップS1209)、次いで、受信したスクランブル解除鍵をデジタル放送受信機2へ送信する(ステップS1210)。この後、ステップS1201に戻る。デジタル放送受信機2側では、このコンディショナルアクセスカード1から供給されるスクランブル解除鍵によって、受信した放送データにかけられているスクランブルを解除する処理を実行し、放送の視聴を可能にすることができる。
【0116】
以上の動作において、一般に、ECMは略2秒程度の間隔で機器側(デジタル放送受信機)において受信されて、逐次、コンディショナルアクセスサーバへと伝送されてくる。このため、当該機器側に対応して何れかのコンディショナルアクセスカードが一旦認証済(使用中)になって以降は、視聴が継続している限り、ステップS1201からステップS1210までの処理が間歇的に繰り返される。
【0117】
既述のステップS1207で、機器ID2に対応して現在接続中(認証済)のコンディショナルアクセスカードは1である旨か否かを弁別し、そのコンディショナルアクセスカードは1ではないと弁別されたときには(ステップS1207:No)、コンディショナルアクセスカード2へステップS1201で受信されたECMメッセージを送信する(ステップS1217)。
【0118】
次いで、コンディショナルアクセスカード2からスクランブル解除鍵を受信し(ステップS1218)、デジタル放送受信機2へそのスクランブル解除鍵を送信し(ステップS1219)、この後、ステップS1201に戻る。
一方、ステップS1201で受信されたメッセージがECMメッセージを含んでいないと識別されたときには(ステップS1202:No)、受信されたメッセージはEMMメッセージを含むものであるか否かを識別する(ステップS1211)。
【0119】
ステップS1211で、受信されたメッセージはEMMメッセージを含むものであると識別されたときには(ステップS1211:Yes)、管理テーブルの機器ID2のコンディショナルアクセスカードに関するデータを参照し、機器ID2(この場合は、デジタル放送受信機2)に対応して何れかのコンディショナルアクセスカードが認証されているか否かという認証状況の識別処理を行う(ステップS1212)。この処理は、即ち、何れかのコンディショナルアクセスカードが視聴状態で適用されているか否かを識別するものである。
【0120】
ステップS1212での識別処理の結果として、何れかのコンディショナルアクセスカードが認証済である旨か否かを弁別し(ステップS1213)、認証済であると識別されたときには(ステップS1213:Yes)、管理テーブルの機器ID2のデータを参照し、機器ID2に対応して現在接続中(認証済)のコンディショナルアクセスカードは何れのカードであるかの識別処理を行う(ステップS1214)。ステップS1213で、何れのコンディショナルアクセスカードも認証されていないと弁別されたときには(ステップS1213:No)、そのままステップS1201に戻る。
【0121】
ステップS1214での識別処理の結果が、機器ID2に対応して現在接続中(認証済)のコンディショナルアクセスカードは1である旨か否かを弁別し(ステップS1215)、接続中のコンディショナルアクセスカードは1であると弁別されたときには(ステップS1215:Yes)、コンディショナルアクセスカード1へステップS1201で受信されたEMMメッセージを送信する(ステップS1216)。この後、ステップS1201に戻る。
【0122】
以上の動作において、一般に、EMMは適時、機器側(デジタル放送受信機)において受信されて、逐次(順次)、コンディショナルアクセスサーバへと伝送されてくる。このため、当該機器側に対応して何れかのコンディショナルアクセスカードが一旦認証済(使用中)になって以降は、視聴が継続している限り、ステップS1211からステップS1216までの処理が間歇的に繰り返される。
【0123】
他方、ステップS1215で、機器ID2に対応して現在接続中(認証済)のコンディショナルアクセスカードは1ではないと弁別されたときには(ステップS1215:No)、コンディショナルアクセスカード2へステップS1201で受信されたEMMメッセージを送信して(ステップS1220)、この後、ステップS1201に戻る。
また、既述のステップS1211で、受信されたメッセージはEMMメッセージを含むものではないと識別されたときには(ステップS1211:No)、ステップS1201でデジタル放送受信機2から受信されたメッセージは「視聴可」のメッセージであるか否かを識別する(ステップS1221)。
【0124】
ステップS1221で、受信されたメッセージは「視聴可」のメッセージであると識別されたときには(ステップS1221:Yes)、管理テーブルの機器ID2のデータに関する状況を参照して、コンディショナルアクセスに関する現状での認証状況の識別処理を行う(ステップS1222)。
ステップS1222での識別処理の結果、管理テーブルの機器ID2のデータでは認証済になっているか否かを弁別し(ステップS1223)、認証済であると識別されたときには(ステップS1223:Yes)、ステップS1201に戻る。
【0125】
一方、ステップS1223で、認証済ではないと識別されたときには(ステップS1223:No)、“G”の外部ページ参照記号で繋がりが示された図13のフローチャートに移行する。
また、既述のステップS1221で、受信されたメッセージは「視聴可」のメッセージではないと識別されたときには(ステップS1221:No)、”H”の外部ページ参照記号で繋がりが示された図14のフローチャートに移行する。
また、既述のように、ステップS1205で、ステップS1204での識別処理の結果が認証済ではない旨であるときには(ステップS1205:No)、“I”の外部ページ参照記号で繋がりが示された図15のフローチャートに移行する。
【0126】
以上の処理フローにおいて、機器ID2に対応するデジタル放送受信機2は、ECMを受信して、コンディショナルアクセスサーバからスクランブル解除鍵を受信し、それによって番組の視聴が可能であるという判断処理を経て、初めて、「視聴可」のメッセージをコンディショナルアクセスサーバへ送信する。即ち、デジタル放送受信機2は、ECMを受信する度に「視聴可」のメッセージを繰り返しコンディショナルアクセスサーバに送信する。尚、視聴不可の場合は「視聴不可」のメッセージを送信する。
コンディショナルアクセスサーバは、当初の「視聴可」のメッセージによってコンディショナルアクセス認証状況を「認証済」に変更するが、これ以降は、「視聴可」メッセージに関する処理を要しなくなるため、ステップS1223の処理が設けてある。
【0127】
次に、図13の外部ページ参照記号“G”以降の処理について説明する。図12のフローチャートにおけるステップS1202で、受信されたメッセージがECMメッセージを含むものではないと識別され(ステップS1202:No)、更に、ステップS1211で、受信されたメッセージはEMMメッセージを含むものではないと識別され(ステップS1211:No)、更にまた、ステップS1221で、受信されたメッセージは「視聴可」のメッセージであると識別され(ステップS1221:Yes)、次いで、管理テーブルの機器ID2のデータに関する状況を参照して、コンディショナルアクセスに関する現状での認証状況の識別処理を行い(ステップS1222)その結果、管理テーブルの機器ID2のデータでは認証済になっているか否かを弁別し(ステップS1223)、認証済ではないと識別されたときに(ステップS1223:No)、“G”の外部ページ参照記号で繋がりが示されたこの図13のフローチャートに移行する。
【0128】
管理テーブルの機器ID2のデータでは認証済ではないと識別されたコンディショナルアクセス状況のデータを認証済に更新し(ステップS1301)、次いで、管理テーブルの機器ID2のデータを参照し、機器ID2に対応して現在接続中のコンディショナルアクセスカードは何れのカードであるかの識別処理を行う(ステップS1302)。
ステップS1302での識別処理の結果が、機器ID2に対応して現在接続中(認証済)のコンディショナルアクセスカードは1である旨か否かを弁別し(ステップS1303)、接続中のコンディショナルアクセスカードは1であると弁別されたときには(ステップS1303:Yes)、コンディショナルアクセスカード1へID要求メッセージを送信する(ステップS1304)。
【0129】
ステップS1304で送信したID要求メッセージに応答して、コンディショナルアクセスカード1から転送されてくるIDを受信し(ステップS1305)、このID、即ち、コンディショナルアクセスカード1を表すCAS_IDをデジタル放送受信機2に送信する(ステップS1306)。この後、図12のステップS1201に戻る。
一方、ステップS1303で接続中のコンディショナルアクセスカードは1ではないと弁別されたときには(ステップS1303:No)、コンディショナルアクセスカード2へID要求メッセージを送信する(ステップS1307)。
ステップS1307で送信したID要求メッセージに応答して、コンディショナルアクセスカード2から転送されてくるIDを受信し(ステップS1308)、このID、即ち、コンディショナルアクセスカード2を表すCAS_IDをデジタル放送受信機2に送信する(ステップS1309)。この後、図12のステップS1201に戻る。
【0130】
次に、図14の外部ページ参照記号”H”以降の処理について説明する。図12のフローチャートにおけるステップS1202で、受信されたメッセージがECMメッセージを含むものではないと識別され(ステップS1202:No)、更に、ステップS1211で、受信されたメッセージはEMMメッセージを含むものではないと識別され(ステップS1211:No)、更にまた、ステップS1221で、受信されたメッセージは「視聴可」のメッセージではないと識別されたときに(ステップS1221:No)、”H”の外部ページ参照記号で繋がりが示されたこの図14のフローチャートに移行する。
【0131】
受信されたメッセージは「視聴可」のメッセージではないと識別されてから(ステップS1221:No)、受信されたメッセージは「視聴不可」のメッセージであると識別されたときには(ステップS1401:Yes)、管理テーブルの機器ID2のコンディショナルアクセスカードに関するデータを参照し、機器ID2(この場合は、デジタル放送受信機2)に対応して何れかのコンディショナルアクセスカードが認証されているか否かという認証状況の識別処理を行う(ステップS1402)。この処理は、即ち、何れかのコンディショナルアクセスカードが視聴状態で適用されているか否かを識別するものである。
【0132】
ステップS1402での識別処理の結果として、何れかのコンディショナルアクセスカードが認証済である旨か否かを弁別し(ステップS1403)、認証済であると識別されたときには(ステップS1403:Yes)、管理テーブルの機器ID2のデータを初期化して(ステップS1404)、図12のステップS1201に戻る。
一方、ステップS1403で、何れのコンディショナルアクセスカードも未認証であると識別されたときには(ステップS1403:No)、管理テーブルの機器ID2のコンディショナルアクセスカードに関するデータを参照し、機器ID2(この場合は、デジタル放送受信機2)に対応して現在接続中のコンディショナルアクセスカードが何れのカードであるかの識別処理を行う(ステップS1405)。
【0133】
ステップS1405での識別処理の結果が、機器ID2に対応して現在接続中のコンディショナルアクセスカードは1である旨か否かを弁別し(ステップS1406)、現在接続中のコンディショナルアクセスカードは1であると弁別されたときには(ステップS1406:Yes)、”J”の外部ページ参照記号で繋がりが示された図15のフローチャートに移行する。
また、ステップS1406で、現在接続中のコンディショナルアクセスカードは1ではないと弁別されたときには(ステップS1406:No)、管理テーブルの機器ID2のデータにおける排他フラグの状況を識別する(ステップS1407)。
【0134】
ステップS1407の識別結果として排他フラグが立っているか否かを判別し(ステップS1408)、排他フラグが立っていないと判別されたときには(ステップS1408:No)、管理テーブルの機器ID2のデータを初期化して(ステップS1409)、デジタル放送受信機2に未契約のメッセージを送信し(ステップS1410)、その後、図12のステップS1201に戻る。
一方、ステップS1408で、排他フラグが立っていると判別されたときには(ステップS1408:Yes)、管理テーブルの機器ID2のデータを初期化して(ステップS1411)、デジタル放送受信機2に排他メッセージを送信し(ステップS1412)、その後、図12のステップS1201に戻る。
【0135】
次に、図15の外部ページ参照記号“I”および”J”以降の処理について説明する。図12のフローチャートを参照して既述のとおり、コンディショナルアクセスサーバに接続された機器(デジタル放送受信機2)によって視聴を行おうとする当初の段階では、何れのコンディショナルアクセスカードも承認されていない。この当初の段階においては、何れかのコンディショナルアクセスカードが認証済である旨か否かの弁別ステップS1205での弁別の結果は必然的に「否」である(ステップS1205:No)。従って、 “I”の外部ページ参照記号で繋がりが示されたとおり、この図15のフローチャートに従うことになる。
【0136】
管理テーブルの機器ID1のデータを参照し、機器ID1に対応して現在接続中のコンディショナルアクセスカードは何れのカードであるかの識別処理を行い(ステップS1501)、ステップS1501での識別処理の結果として、現在機器ID1に接続中のコンディショナルアクセスカードは1であると識別されたか否かを弁別する(ステップS1502)。
【0137】
機器ID1に対応して現在接続中のコンディショナルアクセスカードは1であると弁別されたときには(ステップS1502:Yes)、次いで、管理テーブルの機器ID1のコンディショナルアクセス(図中CASと略記)カードに関するデータを参照し、機器ID1(即ち、想定したシステムにおいては、デジタル放送受信機1)に対応して何れかのコンディショナルアクセスカードが認証されているか否かという認証状況の識別処理を行う(ステップS1503)。この処理は、即ち、何れかのコンディショナルアクセスカードが視聴状態で適用されている(接続中)か否かを識別するものである。
【0138】
ステップS1503での識別処理の結果として、機器ID1に対応して何れかのコンディショナルアクセスカードが認証済である旨か否かを弁別し(ステップS1504)、認証済であると識別されたときには(ステップS1504:Yes)、管理テーブルの機器ID2に関するECMと機器ID1に関するECMとを比較する(ステップS1505)。
【0139】
この比較は機器ID2に該当する機器(本例では、デジタル放送受信機2)と機器ID1に該当する機器(本例では、デジタル放送受信機1)が同一のコンディショナルアクセスカード(ここではCAS1)に接続され、且つ、同じ番組(同一のECM)を視聴しようとしているかどうかを判断するためのものである。
即ち、ステップS1501からステップS1504では、機器ID1に該当する機器(デジタル放送受信機1)が機器ID2に該当する機器(デジタル放送受信機2)に先んじて何らかの番組視聴を行っているかどうかを判断しており、デジタル放送受信機1がコンディショナルアクセスカード1を使用して既に番組視聴している場合には、デジタル放送受信機2は同一のコンディショナルアクセスカード且つ同一のECMで視聴することはできない。
【0140】
ステップS1505での比較の結果を弁別し(ステップS1506)、双方のECMが異なるときには(ステップS1506:Yes)、管理テーブルの機器ID2に関するデータとして、コンディショナルアクセスカード1を対応付け(ステップS1507)、コンディショナルアクセスカード1へステップS1201(図12)で受信されたECMメッセージを送信する(ステップS1508)。
【0141】
S1506でECMが異なるということは(ステップS1506:Yes)、機器ID1に該当する機器(デジタル放送受信機1)が既にコンディショナルアクセスカード1に接続中で認証済(使用中)であり、機器ID2に該当する機器(デジタル放送受信機2)が同一のコンディショナルアクセスカード1で視聴を開始しようとしている状況ではあるが、ECMが異なるのでデジタル放送受信機2はデジタル放送受信機1と違う番組を視聴しようとしているということを意味している。このような場合には、同一のコンディショナルアクセスカード1へECMを送信することが許容される。
【0142】
ステップS1508でのECMメッセージの送信に応答してコンディショナルアクセスカード1から転送されてくるスクランブル解除鍵を受信し(ステップS1509)、次いで、受信したスクランブル解除鍵をデジタル放送受信機2へ送信する(ステップS1510)。この後、ステップS1201(図12)に戻る。
デジタル放送受信機2側では、このコンディショナルアクセスカード1から供給されるスクランブル解除鍵によって、受信した放送データにかけられているスクランブルを解除する処理を実行し、放送の視聴を可能にすることができる。
【0143】
一方、ステップS1502で、機器ID2に対応して現在接続中のコンディショナルアクセスカードは1ではないと弁別されたとき(ステップS1502:No)、および、ステップS1504で、機器ID2に対応して何れのコンディショナルアクセスカードも未認証である旨が弁別されたときには(ステップS1504:No)、直ちに、既述のステップS1507に移行する。
【0144】
他方、ステップS1506で、管理テーブルの機器ID2に関するECMと機器ID1に関するECMとの双方のECMが同一であると弁別されたときには(ステップS1506:No)、管理テーブルの機器ID2に関するデータとして、排他フラグを1に設定し(ステップS1515)、ステップS1521に移行する。
このステップS1506で双方のECMが同一であるということは、即ち、機器ID2に該当する機器(本例では、デジタル放送受信機2)はコンディショナルアクセスカード1を使用して視聴を開始しようとしたが機器ID1に該当する機器(デジタル放送受信機1)が同一のコンディショナルアクセスカード1に接続し且つ同一の番組(同一のECM)を視聴しているということである。
【0145】
従って、デジタル放送受信機2としてはコンディショナルアクセスカード1については一時的に排他状態を保持する必要があり、その後コンディショナルアクセスカード2での視聴を試みることになる。
図14のフローチャートを参照して説明したとおり、認証済のコンディショナルアクセスカードは1であると弁別されたときには(ステップS1406:Yes)、”J”の外部ページ参照記号で繋がりが示された図15のフローチャート(ステップS1521)に移行する。ステップS1521では、機器ID1(この場合は、デジタル放送受信機1)に対応して何れかのコンディショナルアクセスカードが認証されているか否かという認証状況の識別処理を行う。
【0146】
ステップS1521での認証状況の識別処理の結果として、現在機器ID1に接続中のコンディショナルアクセスカードは2であると識別されたか否かを弁別する(ステップS1522)。
機器ID1に対応して現在接続中のコンディショナルアクセスカードは2であると弁別されたときには(ステップS1122:Yes)、次いで、管理テーブルの機器ID1のコンディショナルアクセス(図中CASと略記)カードに関するデータを参照し、機器ID1(即ち、想定したシステムにおいては、デジタル放送受信機1)に対応して何れかのコンディショナルアクセスカードが認証されているか否かという認証状況の識別処理を行う(ステップS1523)。この処理は、即ち、何れかのコンディショナルアクセスカードが視聴状態で適用されている(接続中)か否かを識別するものである。
【0147】
ステップS1523での識別処理の結果として、機器ID1に対応して何れかのコンディショナルアクセスカードが認証済である旨か否かを弁別し(ステップS1524)、認証済であると識別されたときには(ステップS1524:Yes)、管理テーブルの機器ID2に関するECMと機器ID1に関するECMとを比較する(ステップS1525)。
【0148】
ステップS1525における比較は、機器ID2に該当する機器(本例ではデジタル放送受信機2)と機器ID1に該当する機器(本例ではデジタル放送受信機1)が同一のコンディショナルアクセスカード(ここではCAS2)に接続され、且つ、同じ番組(同一のECM)を視聴しようとしているかどうかを判断するためのものである。
即ち、ステップS1521からステップS1524では、機器ID1に該当する機器(デジタル放送受信機1)がコンディショナルアクセスカード2を使用して、機器ID2に該当する機器(デジタル放送受信機2)に先んじて何らかの番組視聴を行っているかどうかを判断しており、デジタル放送受信機1がコンディショナルアクセスカード1を使用して既に番組視聴している場合には、デジタル放送受信機2は同一のコンディショナルアクセスカード2且つ同一のECMで視聴することはできない。
【0149】
ステップS1525での比較の結果を弁別し(ステップS1526)、双方のECMが異なるときには(ステップS1526:Yes)、管理テーブルの機器ID2に関するデータとして、コンディショナルアクセスカード2を対応付け(ステップS1527)、コンディショナルアクセスカード2へステップS1201(図12)で受信されたECMメッセージを送信する(ステップS1528)。
【0150】
この場合は、同一のコンディショナルアクセスカード2に対するアクセスであるが、ECMが同一ではないのでデジタル放送受信機2はコンディショナルアクセスカード2を使用してデジタル放送受信機1と異なる番組の視聴を開始する。
ステップS1528でのECMメッセージの送信に応答してコンディショナルアクセスカード2から転送されてくるスクランブル解除鍵を受信し(ステップS1529)、次いで、受信したスクランブル解除鍵をデジタル放送受信機2へ送信する(ステップS1530)。この後、ステップS1401(図12)に戻る。
【0151】
尚、ステップS1526で、管理テーブルの機器ID2に関するECMと機器ID1に関するECMが異なるものではないと弁別されたときには(ステップS1526:No)、管理テーブルの機器ID2のデータを初期化して(ステップS1531)、デジタル放送受信機2に排他メッセージを送信し(ステップS1532)、その後、図12のステップS1201に戻る。
【0152】
以上、図12〜図15の処理において、視聴を始めようとする当初から、解除鍵がデジタル放送受信機2で取得されるまでは、次の処理フロー(2−1)に従って処理が順次実行される:
図12のステップS1201→ステップS1202→ステップS1203→ステップS1204→ステップS1205→図12のI→図15のI→ステップS1501→ステップS1502→ステップS1507→ステップS1508→ステップS1509→ステップS1510→F………………処理フロー(2−1)
【0153】
既述のように、当初、ステップS1202の段階では、管理テーブルは初期状態にある。また、接続中のコンディショナルアクセスカード(図16中「接続中のCASカード」)の欄、コンディショナルアクセスカード毎の認証状況(図16中「CAS認証状況」)の欄、および、現在時点でのECMデータ(図16中「現在のECMデータ」)の欄は、未だデータが保有されずブランクであり、視聴権限に基づいて放送の視聴を排他的に許容するための「排他フラグ」のデータは何れも「0」である…図16(a)。
【0154】
また、ステップS1201で受信されたメッセージがECMメッセージを含むものであると識別されたときには(ステップS1202:Yes)、機器ID2のテーブルデータにおける「現在のECMデータ」(当初はデータが保持されていない)を、受信されたECMメッセージに対応するものに更新する(ステップS1203)…図16(b)。
更に、ステップS1507で、機器ID2のテーブルデータにおける「接続中のCASカード」(当初はデータが保持されていない)が、現状に対応する「CAS1」に更新される…図16(c)。
【0155】
次いで、認証が完了するまでは、次の処理フロー(2−2)によって処理が実行される。
図12のステップS1201→ステップS1202→ステップS1211→ステップS1221→ステップS1222→ステップS1223→図12のG→図13のG→ステップS1301→ステップS1302→ステップS1303→ステップS1304→ステップS1305→ステップS1306→F………………処理フロー(2−2)
ステップS1301で、機器ID2のテーブルデータにおける「CAS認証状況」が、現状に対応するように「認証済」に更新される……図16(d)。
【0156】
以上に次いで、次の、処理フロー(2−3)および処理フロー(2−4)が、処理フロー(2−1)および処理フロー(2−2)を経て確立した視聴可能な状態が維持されている限り繰り返される。
図12のステップS1201→ステップS1202→ステップS1203→ステップS1204→ステップS1205→ステップS1206→ステップS1207→ステップS1208→ステップS1209→ステップS1210→F………………処理フロー(2−3)
および、
図12のステップS1201→ステップS1202→ステップS1211→ステップS1221→ステップS1222→ステップS1223→F………………処理フロー(2−4)
【0157】
以上、図8〜図15のフローチャートおよび図2のブロック図を参照して説明したところから了解されるとおり、本発明の実施の形態としてのコンディショナルアクセスシステム10、および、コンディショナルアクセスサーバ100では、コンディショナルアクセスサーバ100の第1および第2のコンディショナルアクセスカードインターフェース部111,121に接続されている複数のコンディショナルアクセスカード110,120に関して締結されている放送ないし番組の視聴契約に基づいて、複数のデジタル放送受信機200,300の間で、同一のコンディショナルアクセスカードおよび同一の視聴期間中については排他的になるようにして視聴契約を遵守しつつ、各個のデジタル放送受信機に共通に、当該視聴契約に基づく視聴権限による便益、即ち、放送ないし番組の正規の視聴をすることができるという便益をユーザが享受することができるように、コンディショナルアクセスサーバ100のサーバ側システムコントローラ150が調停を実行する。
【0158】
また、コンディショナルアクセスサーバ100のデジタル放送受信機インターフェース部、および、複数の各デジタル放送受信機のコンディショナルアクセスサーバインターフェース部は、ネットワークを通してデータの授受を行うネットワークインターフェース部によって構成されているため、コンディショナルアクセスシステム10に属するコンディショナルアクセスサーバ100と複数の各デジタル放送受信機200,300との各個の本体の配置に拘束されずにネットワークを通して支障なく所要のデータの授受を行うことができる。
【0159】
更に、サーバ側システムコントローラ150は、複数のデジタル放送受信機間200,300で同一のコンディショナルアクセスカード(110または120)に関して視聴契約が締結されている同一の放送ないし番組について同時に当該放送ないし番組の視聴を行うための操作が行われたときには、当該視聴のための操作が先行したデジタル放送受信機(200または300)に対して視聴を許容し、当該視聴のための操作が後続して行われたデジタル放送受信機に対して、他機が優先して排他的に当該放送ないし番組を視聴している旨の排他メッセージを送信するように制御を実行する(図8、図10のステップS801→ステップS802→ステップS811→ステップS821→ステップS1001→ステップS1002→ステップS1003→ステップS1005→ステップS1006→ステップS1007→ステップS1008→ステップS1011→ステップS1012等;図12、図14のステップS1201→ステップS1202→ステップS1211→ステップS1221→ステップS1401→ステップS1402→ステップS1403→ステップS1405→ステップS1406→ステップS1407→ステップS1408→ステップS1411→ステップS1412等)。
【0160】
この排他メッセージの送信によって、デジタル放送受信機側では、図5に例示されたような排他メッセージの表示を行うことができる。
また、サーバ側システムコントローラ150は、デジタル放送受信機200,300において、何れのコンディショナルアクセスカード(110,120)に関しても視聴契約が締結されていない放送ないし番組の視聴を行うための操作が行われたときには、当該デジタル放送受信機に対して、視聴に関する視聴契約は未締結である旨の未契約メッセージを送信するべく制御を実行する(図8、図10のステップS801→ステップS802→ステップS811→ステップS821→ステップS1001→ステップS1002→ステップS1003→ステップS1005→ステップS1006→ステップS1007→ステップS1008→ステップS1009→ステップS1010等;図12、図14のステップS1201→ステップS1202→ステップS1211→ステップS1221→ステップS1401→ステップS1402→ステップS1403→ステップS1405→ステップS1406→ステップS1407→ステップS1408→ステップS1409→ステップS1410等)。
この未契約メッセージの送信によって、デジタル放送受信機側では、図6に例示されたような未契約メッセージの表示を行うことができる。
【0161】
図17〜図19は、上述のような各利用シーンを図解によって要約した概念図である。
図17の第1のシーンは、第1のコンディショナルアクセスカード(CAカード1と表記)に視聴権限1が、第2のコンディショナルアクセスカード(CAカード2と表記)に視聴権限2が記録されていて第1のデジタル放送受信機200が視聴権限1、第2のデジタル放送受信機300が視聴権限2を使用する場合である。デジタル放送受信機1及び2がそれぞれ異なるコンディショナルアクセスカードにアクセスしそれぞれ異なる番組を視聴するため双方の端末(デジタル放送受信機)とも視聴可能である。
【0162】
図18の第2のシーンは、第1のコンディショナルアクセスカード(CAカード1と表記)に複数の有料番組視聴権限、即ち、視聴権限1と視聴権限2とが記録されていて、第1のデジタル放送受信機200が視聴権限1、第2のデジタル放送受信機300が視聴権限2を使用する場合である。第1のデジタル放送受信機200および第2のデジタル放送受信機300が同一のコンディショナルアクセスカード(図示の場合は、CAカード1と表記された第1のコンディショナルアクセスカード)にアクセスするが、視聴する番組が異なりECMデータも異なるためそれぞれの端末(デジタル放送受信機)で視聴が可能である。
【0163】
図19の第3のシーンは、第1のコンディショナルアクセスカード(CAカード1と表記)に有料番組の視聴権限1が記録されおり、第1のデジタル放送受信機200が先行してこの視聴権限1を使用していて、さらに第2のデジタル放送受信機300が視聴権限1を要する番組を視聴したい場合(そのための操作を試みた場合)、同時に同一チャンネルの受信であり、ECMデータが同一となるため、後続して視聴を試みた第2のデジタル放送受信機300では視聴権限1を要する番組は視聴できない。この排他処理により1つの有料契約に対して複数のデジタル受信機での同時視聴はできず、視聴契約は遵守されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0164】
【図1】本発明の実施の形態としてのコンディショナルアクセスシステムを表すブロック図である。
【図2】図1のコンディショナルアクセスシステムにおけるコンディショナルアクセスサーバの構成を表すブロック図である。
【図3】図1のコンディショナルアクセスシステムにおける第1のデジタル放送受信機としてのデジタル放送受像機の構成を表すブロック図である。
【図4】図2のコンディショナルアクセスサーバで管理される管理テーブルを表す概念図である。
【図5】視聴のための操作が行われた何れかのデジタル放送受信機において、他機が優先して排他的に当該放送ないし番組を視聴している旨を表示する場合の表示例を表す図である。
【図6】視聴のための操作が行われた何れかのデジタル放送受信機において、視聴契約が締結されていない放送ないし番組の視聴を行おうとしている旨を表示する場合の表示例を表す図である。
【図7】図1のコンディショナルアクセスシステムにおける第1または第2のデジタル放送受信機の動作を表すフローチャートである。
【図8】コンディショナルアクセスサーバの動作(デジタル放送受信機1で放送を視聴する場合)に関するフローチャートである。
【図9】コンディショナルアクセスサーバの動作(デジタル放送受信機1で放送を視聴する場合)に関するフローチャートであって図8に続く部分の図である。
【図10】コンディショナルアクセスサーバの動作(デジタル放送受信機1で放送を視聴する場合)に関するフローチャート図8に続く部分の図である。
【図11】コンディショナルアクセスサーバの動作(デジタル放送受信機1で放送を視聴する場合)に関するフローチャート図8に続く部分の図である。
【図12】コンディショナルアクセスサーバの動作(デジタル放送受信機2で放送を視聴する場合)に関するフローチャートである。
【図13】コンディショナルアクセスサーバの動作(デジタル放送受信機2で放送を視聴する場合)に関するフローチャートであって図12に続く部分の図である。
【図14】コンディショナルアクセスサーバの動作(デジタル放送受信機2で放送を視聴する場合)に関するフローチャートであって図12に続く部分の図である。
【図15】コンディショナルアクセスサーバの動作(デジタル放送受信機2で放送を視聴する場合)に関するフローチャートであって図12に続く部分の図である。
【図16】図2のコンディショナルアクセスサーバで管理される管理テーブルを表す概念図である。
【図17】本発明のコンディショナルアクセスシステムの第1の利用シーンを図解によって要約した概念図である。
【図18】本発明のコンディショナルアクセスシステムの第2の利用シーンを図解によって要約した概念図である。
【図19】本発明のコンディショナルアクセスシステムの第3の利用シーンを図解によって要約した概念図である。
【符号の説明】
【0165】
10…コンディショナルアクセスシステム 100…コンディショナルアクセスサーバ 101…第1のカードスロット 102…第2のカードスロット 110…第1のコンディショナルアクセスカード 111…第1のコンディショナルアクセスカードインターフェース部 120…第2のコンディショナルアクセスカード 121…第2のコンディショナルアクセスカードインターフェース部 140…ネットワークインターフェース部 150…サーバ側システムコントローラ 200…第1のデジタル放送受信機 202…デジタルチューナ 204…スクランブル解除部 208…ネットワークインターフェース部 209…受信機側システムコントローラ 300…第2のデジタル放送受信機 400…伝送路 410…ハブ 420…ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンディショナルアクセスサーバと複数のデジタル放送受信機とが伝送路で結ばれて構成されたコンディショナルアクセスシステムであって、
前記コンディショナルアクセスサーバは、複数のコンディショナルアクセスカードとのデータの授受を行うためのコンディショナルアクセスカードインターフェース部と、複数のデジタル放送受信機とのデータの授受を行うためのデジタル放送受信機インターフェース部と、前記コンディショナルアクセスカードインターフェース部を通して接続された複数のコンディショナルアクセスカードと前記デジタル放送受信機インターフェース部を通して接続された複数のデジタル放送受信機との間でコンディショナルアクセスに係るデータの授受を調停して当該複数のコンディショナルアクセスカードによる複数の視聴権限を当該複数のデジタル放送受信機の間で排他的に共有することを許容するように制御を実行するサーバ側システムコントローラと、を備えて構成され、
前記複数の各デジタル放送受信機は、放送信号を選択的に受信するためのチューナ部と、前記コンディショナルアクセスサーバとのデータの授受を行うコンディショナルアクセスサーバインターフェース部と、前記コンディショナルアクセスサーバからコンディショナルアクセスカードにより生成されたスクランブル解除の為の暗号鍵のデータを前記コンディショナルアクセスサーバインターフェース部を通して受信することによって各自機における前記チューナ部で受信した放送信号に対してスクランブル解除処理を実行するスクランブル解除部と、前記チューナ部、コンディショナルアクセスサーバインターフェース部、および、スクランブル解除部を含む各部を統括的に制御する受信機側システムコントローラと、を備えて構成されていることを特徴とするコンディショナルアクセスシステム。
【請求項2】
前記コンディショナルアクセスサーバのデジタル放送受信機インターフェース部、および、前記複数の各デジタル放送受信機のコンディショナルアクセスサーバインターフェース部は、ネットワークを通してデータの授受を行うネットワークインターフェース部によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載のコンディショナルアクセスシステム。
【請求項3】
前記コンディショナルアクセスサーバの前記サーバ側システムコントローラは、前記複数のデジタル放送受信機間で同一のコンディショナルアクセスカードに関して視聴契約が締結されている同一の放送ないし番組について同時に当該放送ないし番組の視聴を行うための操作が行われたときには、当該視聴のための操作が先行したデジタル放送受信機に対して視聴を許容し、当該視聴のための操作が後続して行われたデジタル放送受信機に対して、他機が優先して排他的に当該放送ないし番組を視聴している旨の排他メッセージを送信するべく制御を実行するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のコンディショナルアクセスシステム。
【請求項4】
前記コンディショナルアクセスサーバの前記サーバ側システムコントローラは、前記デジタル放送受信機において、何れのコンディショナルアクセスカードに関しても視聴契約が締結されていない放送ないし番組の視聴を行うための操作が行われたときには、当該デジタル放送受信機に対して、視聴に関する視聴契約は未締結である旨の未契約メッセージを送信するべく制御を実行するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のコンディショナルアクセスシステム。
【請求項5】
コンディショナルアクセスサーバと複数のデジタル放送受信機とが伝送路で結ばれて構成されるコンディショナルアクセスシステムを構成するに適合するコンディショナルアクセスサーバであって、
複数のコンディショナルアクセスカードとのデータの授受を行うためのコンディショナルアクセスカードインターフェース部と、複数のデジタル放送受信機とのデータの授受を行うためのデジタル放送受信機インターフェース部と、前記コンディショナルアクセスカードインターフェース部を通して接続された複数のコンディショナルアクセスカードと前記デジタル放送受信機インターフェース部を通して接続された複数のデジタル放送受信機との間でコンディショナルアクセスに係るデータの授受を調停して当該複数のコンディショナルアクセスカードによる複数の視聴権限を当該複数のデジタル放送受信機の間で排他的に共有することを許容するべく制御を実行するサーバ側システムコントローラと、を備えて構成されていることを特徴とするコンディショナルアクセスサーバ。
【請求項6】
前記デジタル放送受信機インターフェース部は、ネットワークを通してデータの授受を行うネットワークインターフェース部によって構成されていることを特徴とする請求項5に記載のコンディショナルアクセスサーバ。
【請求項7】
前記サーバ側システムコントローラは、前記複数のデジタル放送受信機間で、同一のコンディショナルアクセスカードに関する視聴契約に基づく同一の放送ないし番組について同時に当該放送ないし番組の視聴を行うための操作が行われたときには、当該視聴のための操作が先行したデジタル放送受信機に対して視聴を許容し、当該視聴のための操作が後続して行われたデジタル放送受信機に対して、他機が優先して排他的に当該放送ないし番組を視聴している旨の排他メッセージを送信するべく制御を実行するように構成されていることを特徴とする請求項5に記載のコンディショナルアクセスサーバ。
【請求項8】
前記サーバ側システムコントローラは、前記デジタル放送受信機において、何れのコンディショナルアクセスカードに関しても視聴契約が行われていない放送ないし番組の視聴を行うための操作が行われたときには、当該視聴に関する視聴契約は未締結である旨のメッセージを送信するべく制御を実行するように構成されていることを特徴とする請求項5に記載のコンディショナルアクセスサーバ。
【請求項9】
コンディショナルアクセスサーバと複数のデジタル放送受信機とが伝送路で結ばれて構成されたコンディショナルアクセスシステムに適合するデジタル放送受信機であって、
放送信号を選択的に受信するためのチューナ部と、前記コンディショナルアクセスサーバとのデータの授受を行うコンディショナルアクセスサーバインターフェース部と、前記コンディショナルアクセスサーバからコンディショナルアクセスカードにより生成されたスクランブル解除の為の暗号鍵のデータを前記コンディショナルアクセスサーバインターフェース部を通して受信することによって前記チューナ部で受信した放送信号に対してスクランブル解除処理を実行するスクランブル解除部と、前記チューナ部、コンディショナルアクセスサーバインターフェース部、および、スクランブル解除部を含む各部を統括的に制御する受信機側システムコントローラと、を備えて構成されていることを特徴とするデジタル放送受信機。
【請求項10】
前記コンディショナルアクセスサーバインターフェース部は、ネットワークを通してデータの授受を行うネットワークインターフェース部によって構成されていることを特徴とする請求項9に記載のデジタル放送受信機。
【請求項11】
前記受信機側システムコントローラは、自機と共に管理される他のデジタル放送受信機が同一のコンディショナルアクセスカードに関して視聴契約が締結されている同一の放送ないし番組について先行して当該放送ないし番組の視聴を行うための操作を行っていることに対応して、前記コンディショナルアクセスサーバ側から、前記コンディショナルアクセスサーバインターフェース部を通して、他機が優先して排他的に当該放送ないし番組を視聴している旨の排他メッセージを受信したときには、当該排他メッセージを表す表示を行うべく制御を実行するように構成されていることを特徴とする請求項9に記載のデジタル放送受信機。
【請求項12】
前記受信機側システムコントローラは、何れのコンディショナルアクセスカードに関しても視聴契約が締結されていない放送ないし番組の視聴を行うための操作が行われたことに対応して、前記コンディショナルアクセスサーバ側から、前記コンディショナルアクセスサーバインターフェース部を通して、当該視聴に関する視聴契約は未締結である旨の未契約メッセージを受信したときには、当該未契約メッセージを表す表示を行うべく制御を実行するように構成されていることを特徴とする請求項9に記載のデジタル放送受信機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2007−336141(P2007−336141A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−164417(P2006−164417)
【出願日】平成18年6月14日(2006.6.14)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】