説明

コンピュータ断層撮影装置及びこの装置で得られたデータを基にしたCT画像の配信方法

【課題】撮影時間を短縮化して、動きを止めにくい動物などのCT画像を短時間で得る。
【解決手段】本発明のCT装置1は、回転中心を基点に所定の半径を保ちつつ回転すると共に、回転中心に配置された患部に対して透過線2を照射する照射部3と、回転中心を挟んで照射部3の反対側に設けられると共に照射部3から患部を透過してきた透過線2を面状に撮影する撮影部4と、照射部3と撮影部4とが回転中心を基準として同じ位置関係を保つように照射部3と撮影部4とを回転中心回りに回転させる回転機構5と、撮影部4で撮影された撮影データを取り込む検査用コンピュータ7と、を備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ断層撮影装置、及びこの装置で得られたデータを基に作成されたCT画像の配信方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ断層撮影装置(以下、CT装置という)は、X線などの透過線を被検体(患部)に複数の方向から照射して得られた撮影データから患部の断層画像や立体画像(3D画像)を作成するものであり、癌などの早期発見や的確な診断を可能にするものである。そのため、昨今は人間を対象とする医療施設だけでなく、ペットなどを対象とする動物病院に対しても導入が検討されている。
【0003】
人間を検査対象とするCT装置としては、例えば、特許文献1に記載されるように、被検体が通過できるような開口を備える略ドーナツ状の装置が知られている。このCT装置は、開口を通過する被検体に対してさまざまな照射角度でX線を照射するX線管ユニットや、被検体を透過したX線を検出するラインセンサからなるX線検出ユニットなどが備えられている。
【0004】
そして、被検体を透過したX線の撮影データは、例えば、特許文献2に示すように、複数に分割された患部単位毎に分けられ、すべての患部単位についてフーリエ変換を用いた再画像化のための膨大な計算が実行され、その結果として患部の断層画像及び/又は立体画像(以下、CT画像という)が作成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−297145号公報
【特許文献2】特開2006−325747号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述したCT装置でCT画像を得るためには、患部を複数回に亘って様々な照射角度から撮影することが必要となる。それゆえ、このような撮影は被検体の動きを一定時間(数分〜数十分)止めた上で、X線管ユニットを被検体回りに何周にも亘って回転させて行われるのが一般的である。ところが、例えば被検体がペットなどの動物や乳幼児である場合は、どうしても検査中に被検体が動き回るため、このように時間のかかる撮影は非常に困難である。麻酔を用いて被検体の動きを一時的に封じた上で検査を行うことも可能であるが、動物や乳幼児に対する麻酔は技術的な難易度が高く危険を伴う場合すらある。
【0007】
また、上述したCT装置では採取された膨大な撮影データに対して計算を行わなければCT画像を得ることはできない。そのため、CT装置には、処理速度に優れたコンピュータや記録容量の大きな記録装置などが付属される。それゆえ、装置の価格も高いものになりやすく、動物病院などの検査施設では価格面の制約からCT装置の導入が困難となる場合も多かった。
【0008】
仮に、付属されるコンピュータや記録装置にそこそこ性能が優れたものを用いても、高精度で高分解能のCT画像を得る為には、極めて複雑な画像処理が必要であり、患部の断層画像などを取得するまでの間、言い換えるならば、CT装置を用いた検査が長時間に及ぶ場合が少なくない。
CT装置を用いた検査が長時間に及ぶ場合には、体調のすぐれない患者を長時間待たせることになるし、いわんや動物病院においてペットを同伴しつつ待機する飼い主にとっては、負担が非常に大きなものとなる。
【0009】
本発明は、上記問題点を鑑みて為されてものであり、撮影時間を短縮化することで、動きを止めにくい動物などの被検体に対しても検査を行うことができ、高性能のコンピュータや記録装置を付属する必要がないため価格を抑えることが可能なCT装置を提供するこ
とを目的とする。
また、本発明は、CT装置で撮影されたデータを基にCT画像(断層画像や立体画像)を作成すると共に、作成されたCT画像を配信する画像の配信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の目的を達成するため、本発明のCT装置は以下の技術的手段を講じた。
本発明に係るCT装置は、回転中心を基点に所定の半径を保ちつつ回転すると共に、回転中心に配置された患部に対して透過線を照射する照射部と、前記回転中心を挟んで照射部の反対側に設けられると共に前記照射部から患部を透過してきた透過線を面状に撮影する撮影部と、前記照射部と撮影部とが回転中心を基準として同じ位置関係を保つように、前記照射部と撮影部とを回転中心回りに回転させる回転機構と、前記撮影部で撮影された撮影データを取り込む検査用コンピュータと、を備えていることを特徴とするものである。
【0011】
このように透過線を面状に撮影する撮影部を設ければ、ラインセンサからなる撮影部で撮影を行う従来のCT装置よりも1回の撮影で患部(被検体)の広範囲をカバーする撮影データが得られる。それゆえ、例えば照射部を患部回りに半周程度回転させる間に撮影されるデータだけでもCT画像を作成するのに十分な撮影データが採取でき、照射部を半周程度回転させるだけなら撮影時間も短くて済む。その結果、被検体の動きを止めなくてはならない時間が非常に短時間となり、乳幼児や動物などのように動きを止めにくい被検体に対しても容易にCT撮影(検査)を行うことが可能となる。
【0012】
また、上述のCT装置には撮影データからCT画像を作成するために高性能のコンピュータや記録装置を付属する必要がなく、高価なコンピュータや記録装置が不要となる分だけCT装置の価格を抑えることも可能なる。それゆえ、高額な医療機器を導入することが困難な経営規模の小さな医療施設、例えばペットなどを扱う動物病院に特に好ましく用いられる。
【0013】
なお、前記照射部及び/又は撮影部に対して電力を供給するバッテリは、前記撮影部と同じ側に設けられていて、前記回転機構を用いて前記撮影部と一体に回転中心回りを回転する構成とされていると良い。また、この場合においては、さらに前記撮影部及びバッテリは、前記回転中心を基準として照射部とは回転対称となる位置に設けられていて、前記照射部と釣り合う構成とされているのが好ましい。このようにすれば、CT装置の中でも重量のあるバッテリと照射部とが回転中心を挟んで互いに異なる側に配備されることになるため、バッテリとのバランスを保ちながら照射部を回転させることが容易になる。
【0014】
さらに、前記透過線はX線とされているのが好ましい。
一方、本発明に係る画像配信方法は、上述のCT装置が設置された検査施設と、前記CT装置が撮影した撮影データに基づいて前記患部の断層画像及び/又は立体画像を作成する画像化コンピュータが設置されたサービス施設とが設けられていて、前記検査施設に設けられたCT装置の検査用コンピュータから前記サービス施設の画像化コンピュータに撮影データを転送する工程と、前記サービス施設の画像化コンピュータ内に転送された撮影データに基づいて、前記画像化コンピュータで患部の断層画像及び/又は立体画像を作成する工程と、前記作成された患部の断層画像及び/又は立体画像を前記検査施設の検査用コンピュータ又は受像用コンピュータに転送する工程と、を備えていることを特徴とするものである。
【0015】
このように検査施設で撮影された撮影データをサービス施設の画像化コンピュータに転送すれば、処理速度に優れるサービス施設の画像化コンピュータで転送された撮影データを一括して処理(計算)でき、計算処理時間を必要とする高精度で高分解能のCT画像であっても短時間で得ることが可能となる。また、画像化コンピュータのメンテナンスや処理ソフトの更新などをサービス施設で行えば、検査施設に余計な手間や時間がかかることもなく、利便性にも優れる。
【0016】
なお、前記画像化コンピュータで作成された患部の断層画像及び/又は立体画像に対して付加情報を付与する付加情報付与コンピュータとを備えた情報付与施設が設けられてい
る場合にあっては、前記サービス施設の画像化コンピュータで作成された患部の断層画像及び/又は立体画像を、前記情報付与施設の付加情報付与コンピュータに転送する工程と、前記付加情報付与コンピュータに転送された患部の断層画像及び/又は立体画像に対して、前記付加情報付与コンピュータを用いて付加情報を付与する工程と、がさらに設けられているのが好ましい。また、この場合にあっては、前記付加情報付与コンピュータを用いて付加情報が付与された患部の断層画像及び/又は立体画像を、前記サービス施設の画像化コンピュータを経由して前記検査施設に転送する、又は前記検査施設に直接転送する工程を設けているのがよい。
【0017】
このようにすれば付加情報が付与されたCT画像を用いて、検査施設においても的確な診断が可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のCT装置によれば、撮影時間を短縮化することで動きを止めにくい被検体に対しても検査を行うことができ、高性能のコンピュータや記録装置を付属する必要がないため価格を抑えることも可能となる。それゆえ、本発明のCT装置は特にペットなどを扱う動物病院に最適である。
また、本発明の画像配信方法によれば、計算処理時間を必要とする高精度で高分解能の断層画像や立体画像を短時間で得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明のCT装置を模式的に示した斜視図である。
【図2】ホームポジションにあるCT装置の斜視図である。
【図3】撮影時におけるCT装置の使用態様を示した図である。
【図4】本発明の画像配信方法のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
「第1実施形態」
以下、本発明に係るCT装置1の第1実施形態を、図をもとに説明する。
本発明に係るCT装置1は、X線などの透過線2を被検体S(患部)に複数の方向から照射して撮影データを得るものである。このCT装置1により得られた撮影データは、後述する画像配信方法によって断層画像や立体画像(3次元グラフィックス)などのCT画像に加工される。なお、以降の第1実施形態では、ペットなどの小動物を被検体Sとしてこの被検体SにX線を照射するCT装置1、言い換えれば動物病院などの検査施設12内に設置されたCT装置1を例に挙げて、本発明のCT装置1を詳しく説明する。
【0021】
図1に示されるように、第1実施形態のCT装置1は、回転軸心P(回転中心)に配置された被検体Sに対して透過線2を照射する照射部3と、回転軸心Pを挟んで照射部3の反対側に設けられると共に照射部3から被検体S(患部)を透過してきた透過線2を面状に撮影する撮影部4と、を備えている。これらの照射部3と撮影部4とは回転軸心Pを基準として絶えず同じ位置関係(回転対称な位置関係)を保つようになっており、CT装置1にはこれらの照射部3と撮影部4とを回転軸心P回りに回転させる回転機構5が備えられている。
【0022】
なお、本実施形態の回転機構5は、照射部3と撮影部4とを垂直面内において回転させる、言い換えれば照射部3と撮影部4とを水平方向を向く回転軸心P回りに回転させる構成となっている。回転機構5は、ホームポジションを基点として照射部3と撮影部4とを回転軸心P回りに一方向に回転させ、検査が終われば同方向に続けて回転させ又は逆方向に回転させてホームポジションに復帰させる構成となっている。なお、このホームポジションについては後述する。
【0023】
また、CT装置1は照射部3及び/又は撮影部4に対して電力を供給するバッテリ6を撮影部4の側方に備えており、このバッテリ6も照射部3や撮影部4と一体に回転機構5により回転する構成となっている。さらに、CT装置1には撮影部4で撮影された撮影データを取り込む検査用コンピュータ7が設けられている。
以下、本実施形態のCT装置1を構成部材毎に詳しく説明する。
【0024】
本実施形態のCT装置1は、上述のようにペットなどの小動物を被検体S(検査対象)
とするものであり、小動物の組織や臓器の一部、あるいは小動物の全体を撮影するものである。この被検体SはCT装置1の中央に設けられた検査台8に載せられている。
検査台8は、中央に被検体Sを載置可能な板状の部材であり、回転軸心P回りに回転しないように床面や固定フレームなどに固定されている。
【0025】
照射部3は、被検体S(回転軸心P)から径方向に一定距離だけ離れた位置に設けられており、透過線2を被検体Sに向けて照射する構成となっている。本発明のCT装置1において照射部3が照射する透過線2にはX線などのように被検体Sの組織を透過して内部の情報を採取可能なものが用いられている。
具体的には、本実施形態の照射部3の内部には、図示はしないが、X線を被検体Sに照射するX線管部と、X線管部に所定の管電圧を供給する高圧発生部とが備えられており、バッテリ6を用いて高圧発生部に電力を供給するとX線管が所定の管電圧になってX線が発生する構成となっている。
【0026】
照射部3の照射方式は、X線を扇状に照射するファンビーム方式ではなく、X線を円錐状に拡散させつつ照射するコーンビーム方式が採用されている。このように照射部3にコーンビーム方式を用いれば、1回の照射で被検体Sに関してより広い面積に亘る情報が得られ、CT画像を得る為に必要なX線照射回数を少なくすることや検査時間を短縮化することが可能となり、また被検体Sに対する被爆量を低く抑えることもできる。
【0027】
撮影部4は、照射部3から被検体Sを透過してきた透過線2を面状に撮影する受像部18と、受像部18で受像されたデータを記録するメモリ部19とを備えている。受像部18は透過線2を受線可能な素子などが用いられ、本実施形態の受像部18はX線を検出可能な素子(受光素子)を検出面10に沿って複数備えたCCD(300万画素以上のCCD)から構成されている。
【0028】
メモリ部19は受像部18で受像されたデータを記録可能なRAM等で構成されている。このメモリ部19は、データを取り出すための通信ケーブル21を接続可能な通信コネクタ20Aを有している。この通信コネクタ20Aには、後述するようにデータ転送用の通信ケーブル21の先端に設けられた通信コネクタ20Bが接続可能となっている。なお、通信ケーブル21としては、例えばUSBケーブルなどが採用可能である。
【0029】
撮影部4の検出面10は、被検体Sに対して正対する向き(径内側に正対する向き)に取り付けられており、照射部3から被検体Sを通って円錐状に拡散してきた透過線2(X線)をすべて面内で検知可能な面積を備えている。この検出面10の面積は、被検体Sである小動物やその患部の大きさに合わせて様々に変更することができるが、本実施形態では20cm〜40cm平方とされている。
【0030】
バッテリ6は、照射部3や撮影部4に対して電力を供給するものであり、本実施形態ではリチウムイオンの二次電池が用いられている。バッテリ6は、回転軸心P(回転中心)を基準として撮影部4と同じ側に設けられており、回転軸心P回りに照射部3と回転対称な位置に配備されている。また、このバッテリ6と撮影部4とを合わせた重量は照射部3と略等しくなるように設定されていて、回転軸心P(回転中心)を基準としてバッテリ6及び撮影部4と、照射部3とが互いにバランスを取りながら円滑に回転できるようになっている。
【0031】
バッテリ6には、このバッテリ6に電力を供給するための電源ケーブル22と接続可能な電源コネクタ23Aが設けられている。
なお、バッテリ6の重量が小さすぎてバッテリ6単体の重量だけで撮影部4と照射部3とのバランスが取りにくい場合は、バッテリ6に例えばバラストなどを付属させることもできる。
【0032】
回転機構5は、上述した照射部3、撮影部4及びバッテリ6を支持するリング状のフレーム部材9と、このフレーム部材9を回転させる駆動部11(駆動モータ)とを備えている。すなわち、このフレーム部材9の外周側には、このフレーム部材9の外周面に接触しつつフレーム部材9を回転駆動する駆動部11が回転軸心Pを中心として1箇所又は複数箇所(図例では3箇所)設けられている。このリング状のフレーム部材9の内周側には回転軸心Pを挟んで一方側に照射部3が、また他方側に撮影部4とバッテリ6とが取り付け
られている。
【0033】
図2に示すように、ホームポジションは回転機構5が回転する際に基点(原点)となるポジションであり、このホームポジションを基点として回転機構5が回転することで撮影が行われ、撮影が終わると回転機構5はそのままの方向で又は逆方向に回転してホームポジションに復帰する。本実施形態の回転機構5では、被検体Sの上方に照射部3が、また被検体Sの下方に撮影部4が位置する状態にあるときがホームポジションとされる。
【0034】
ホームポジションにあるメモリ部19の通信コネクタ20Aに隣接した位置には、この通信コネクタ20Aに接続可能な通信コネクタ20Bが配備されている。メモリ部19(すなわち撮像部4)がホームポジションに位置する際には、通信コネクタ20Aと通信コネクタ20Bとが連結するようになる。
また、ホームポジションにあるバッテリ6の電源コネクタ23Aに隣接した位置には、この電源コネクタ23Aに接続可能な電源コネクタ23Bが配備されていて、これらのコネクタ同士は回転機構5がホームポジションにあるときに接続可能となっている。
【0035】
小動物を被検体Sとする本実施形態のCT装置1では、照射部3、撮影部4、バッテリ6及びフレーム部材9をすべて含む重量も50kg〜100kg程度と人間用のCT装置1に比べれば軽量(半分程度)とされている。そのため、例えば回転機構5を用いて照射部3を半周程度回転させるのに必要な時間は1秒〜2秒と短時間で済み、この短時間の撮影時間でも十分な撮影データが採取できるので、乳幼児や動物などのように動きを止めにくい被検体Sに対しても容易に検査を行うことが可能となる。
【0036】
なお、照射部3や撮影部4を被検体Sの回りに例えば10秒〜20秒程度連続回転させつつ連続撮影を行っておいて、有効な撮影データ(被検体Sの動きが停止し、ブレがない少なくとも半周分の撮影データ)だけを利用することが好ましい。
また、人間用のCT装置では、回転軸心Pを挟んで照射部3と撮影部4との重量バランスをとるために、照射部3よりも軽い撮影部4側に鉛などのバラストが一般に設けられる。しかし、本実施形態のCT装置1では、バラストに代えてバッテリ6が用いられているため、バラストなどの部材を用いなくても、またバラストなどの部材の一部としてバッテリ6を用いて照射部3と撮影部4との重量バランスを取ることができる。
【0037】
一方、CT装置1に備えられた検査用コンピュータ7は、撮影部4から撮影データを取り込むものであり、検査施設12内に設置されている。この検査用コンピュータ7に取り込まれた撮影データは検査施設12とは別の場所(例えば、サービス施設13)に存在する画像化コンピュータ14に転送される。検査用コンピュータ7には、ホームポジションにあるメモリ部19から通信ケーブル21などを介して取り込まれた撮影データを記録するメモリやハードディスクのような記録装置が備えられており、また撮影データを別の場所にある画像化コンピュータ14に転送するソフトウェアがインストールされている。検査用コンピュータ7としては、市販のパソコンなどを用いることができる。
【0038】
次に、上述した第1実施形態のCT装置1を用いた撮影方法について説明する。
CT装置1を用いて撮影を行う際は、まずホームポジションにある照射部3、撮影部4及びバッテリ6を回転機構5を用いて一方向に回転させる。
図3に示すように、照射部3が予め定められた撮影位置まで回転すると、照射部3からX線が照射される。照射部3から照射されたコーンビーム方式のX線は円錐状に拡散しながら進み、被検体Sの内部を透過した後、撮影部4に到達する。そして、撮影部4に設けられた検出面10を持つ受像部18(CCD)で被検体Sを透過したX線が受線される。受像部18で受像された1回分の撮影データはメモリ部19に記録される。
【0039】
1回分の撮影が終了した後は、照射部3、撮影部4及びバッテリ6を回転機構5を用いて回転軸心P回りに回転させる。このとき、照射部3、撮影部4及びバッテリ6が回転しても、固定状態とされた検査台8は回転しない。それゆえ、照射部3及び撮影部4を回転軸心P回りに回転させれば、検査台8に載置された被検体Sに対するX線の照射角度も相対的に変化する。
【0040】
次の撮影は、1回目の撮影位置から照射部3や撮影部4が周方向に所定の角度だけ移動したときに行われる。例えば、図3の例では最初の撮影位置から照射部3や撮影部4が周
方向に30°回転したときに行われる。
上述の説明では、撮影動作を断続的に行うように説明したが、実際に撮影を行う場合においては照射部3や撮影部4は回転機構5を用いて連続的に回転している。それゆえ、照射部3や撮影部4がそれぞれの撮影位置に来たときに(所定の回転角だけ進む毎に)照射及び撮影が行われ、撮影部4で撮影された1回分の撮影データは撮影の度に瞬時にメモリ部19に記録される。このようにして撮影を繰り返すと、メモリ部19には、撮影回数分の撮影データ(図例では6回分の撮影データ)がすべて格納される。
【0041】
すべての撮影が終了すると、回転機構5がそのままの回転方向または逆の回転方向に回転し、照射部3、撮影部4及びバッテリ6がホームポジションに戻ってくる。そうすると、ホームポジションでは、メモリ部19の通信コネクタ20Aと通信コネクタ20Bとが人の手を介さずに自動的に連結し、メモリ部19に格納されていたすべての撮影データが、通信ケーブル21を介して検査用コンピュータ7に送られる。加えて、バッテリ6の電源コネクタ23Aと電源ケーブル22の電源コネクタ23Bとが自動的に接続され、バッテリ6に充電用の電力が供給される。
【0042】
本発明のCT装置1では、装置がコンパクト且つ軽量であることもあって、撮影部4が被検体Sの回りを半周するのに要する時間は1〜2秒程度である。そして、この短時間の間に照射角度を変えて6つの撮影データが採取されることになり、患部のCT画像を作成するのに十分な撮影データを採取することが可能となる。つまり、撮影に必要な時間が1〜2秒程度と非常に短時間であるため、乳幼児や動物などのように動きを止めにくい被検体Sに対してもこれらの動きが止まった一瞬を狙って撮影を行うことが可能となるのである。
【0043】
そして、このようにして採取された撮影データは、ホームポジションに戻るたびに後述する画像化コンピュータ14に転送され、画像化コンピュータ14において患部のCT画像に加工される。
本発明のCT装置1は、透過線2を面状に受線(撮影)する撮影部4を備えているため、ラインセンサからなる撮影部4で撮影を行う従来のCT装置1よりも1回の撮影で被検体S(患部)の広範囲をカバーする撮影を行うことができる。
【0044】
加えて、従来からあるCT装置では回転する照射部3や撮影部4に対して電力供給等を行うために、「リング接点機構」のような複雑な接続機構を内部に採用せざるを得ない。ところが、本実施形態のCT装置1では照射部3や撮影部4をホームポジションに復帰させて、その度にデータ転送や電力供給を行う機構としているため、従来のCT装置1のように複雑な接続機構は不要であり装置をコンパクト且つ軽量にすることができ、回転機構5を用いて照射部3及び撮影部4を高速に且つ短時間に回転させることができる。
【0045】
それゆえ、上述したように照射部3を患部回りに半周程度回転させるだけでもCT画像を作成するのに十分な撮影データが短時間で採取される。その結果、被検体Sの動きを止めなくてはならない時間も非常に短時間となり、乳幼児や動物などのように動きを止めにくい被検体Sに対しても容易にCT検査を行うことが可能となる。当然、被検体Sの動きを止めるために麻酔をする手間やリスクを回避することも可能となり、CT装置を扱う医師(獣医)や技師にとっても高い利便性や有用性を発揮することができる。
【0046】
また、上述のCT装置1では、照射部3の回転を停止した上で被検体Sに対してX線を照射すれば、通常のX線検査装置と同じレントゲン写真を撮影することもできる。つまり、CT撮影だけでなく通常のX線検査も可能である本発明のCT装置1を導入すれば、通常のX線検査装置を導入するコストや手間を省くことも可能となるのである。
「第2実施形態」
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
【0047】
上述した第1実施形態は動物病院などの検査施設12に配備されたCT装置1に関するものであったが、この第2実施形態はCT装置1を用いて撮影された撮影データから断層画像や立体画像などのCT画像を得る方法、言い換えればCT画像の配信方法に関するものである。
この第2実施形態のCT画像の配信方法は、上述したCT装置1が設置された検査施設
12と、CT装置1が撮影した撮影データに基づいて被検体S(患部)のCT画像を作成する画像化コンピュータ14が設置されたサービス施設13とが設けられていて、検査施設12に設けられたCT装置1の検査用コンピュータ7からサービス施設13の画像化コンピュータ14に撮影データを転送する工程と、サービス施設13の画像化コンピュータ14内に転送された撮影データに基づいて、画像化コンピュータ14で患部のCT画像を作成する工程と、作成された患部のCT画像を検査施設12の検査用コンピュータ7又は受像用コンピュータに転送する工程と、を備えたものである。
【0048】
このCT画像の配信方法は、具体的には次のような手順で行われる。
まず、検査施設12とサービス施設13とについて説明する。
検査施設12は、第1実施形態でも説明したように動物病院などの施設であって、この施設内には動物などの被検体Sに対してCT撮影を行うCT装置1(第1実施形態で説明したCT装置)やこのCT装置1で撮影された撮影データを取り込む検査用コンピュータ7が設置されている。
【0049】
サービス施設13は、動物病院などの検査施設12とは別の場所に設けられた施設である。サービス施設13には、検査施設12の検査用コンピュータ7をクライアントとするサーバ機能を備えた画像化コンピュータ14が配備されている。そして、サービス施設13の画像化コンピュータ14と検査施設12の検査用コンピュータ7とはインターネットに接続されていて、インターネットを通じて相互に情報交換が可能とされている。
【0050】
また、画像化コンピュータ14には、検査用コンピュータ7に取り込まれた撮影データに基づいて被検体SのCT画像を作成するソフトウェア(画像処理ソフト)がインストールされている。画像化コンピュータ14には、複数のクライアントから集約された撮影データを一括に且つ高速に処理できるような計算速度に優れたCPUや大容量のメモリなどが搭載されている。
【0051】
次に、第2実施形態の画像配信方法を工程順序に従って説明する。
まず、動物病院などの検査施設12に被検体Sである動物を連れた飼い主が来院する。検査施設12では、獣医や技師が被検体SをCT装置1の検査台8に載せ、その後CT検査が開始される。
そうすると、図4に示すように、照射部3が検査台8に載せられた動物の回りを連続して且つ短時間に回転し、照射部3から所定の回転角毎にX線が照射され、照射角度が異なる撮影データが複数枚に亘って撮影される。撮影された撮影データは、その都度、検査用コンピュータ7の記録装置に格納(記録)される。
【0052】
次に、検査施設12に設けられた検査用コンピュータ7の記録装置に格納された撮影データをインターネットを介してサービス施設13の画像化コンピュータ14に転送する。この撮影データの転送は、撮影データが添付されたメールを送信する方法や、FTP(File Transfer Protocol)を用いてサーバである画像化コンピュータ14に撮影データのアップロードを行う方法などを採用することができる。当然、検査用コンピュータ7には、メールの送受信が可能なメールソフトや撮影データのアップロードが可能なFTPクライアントソフトがインストールされている。以上が撮影データを転送する工程である。
【0053】
なお、撮影データを転送する際には、検査施設12側がどのようなCT画像を得たいか、言い換えれば、どの部位や組織をどの方向からどの程度まで切断した断層画像を得たいか、あるいはどの部位や組織をどの方向から見た立体画像を得たいかなどの要求仕様を、撮影データと一緒に送るようにすると良い。このようにすれば希望する見え方のCT画像を的確に検査施設12に配信することが可能となるからである。
【0054】
次に、検査用コンピュータ7から画像化コンピュータ14内に転送された撮影データに基づいて、画像化コンピュータ14で被検体SのCT画像を作成する。画像化コンピュータ14には、検査用コンピュータ7から転送された撮影データをフーリエ変換を用いてリコンストラクション(再構成)することでCT画像を作成するソフトウェア(画像処理ソフト)がインストールされている。画像化コンピュータ14では、インストールされているソフトウェアで要求仕様に従ってCT画像を作成する。以上がCT画像を作成する工程である。
【0055】
最後に、画像化コンピュータ14で作成されたCT画像を検査施設12の検査用コンピュータ7に配信(転送)する。検査用コンピュータ7に対する画像の転送は、撮影データを転送する工程で説明したようなメールソフトやFTPサーバソフトを用いた方法で行うことができる。検査用コンピュータ7では、転送されたCT画像のデータが読み込まれてモニタ上に表示され、医師や獣医が診断を行うためにCT画像が提供される。以上が作成されたCT画像を検査施設に転送する工程である。
【0056】
なお、CT画像が転送される検査施設12のコンピュータは、CT画像を取り込む際に用いた検査用コンピュータ7に限られない。例えば、CT装置1が設置された検査室と獣医がいる診察室とが離れた場所にある場合は、CT画像を検査施設12の検査用コンピュータ7以外のコンピュータ(以下、受像用コンピュータという)に転送しても良い。
上述のように検査施設12で撮影された撮影データをサービス施設13の画像化コンピュータ14に転送すれば、処理速度に優れるサービス施設13の画像化コンピュータ14で転送された撮影データを一括して処理(計算)でき、計算処理時間を必要とする高精度で高分解能の断層画像や立体画像であっても短時間で得ることが可能となる。
【0057】
また、画像化コンピュータ14のメンテナンスや処理ソフトの更新などはサービス施設13で一括に行われるので、検査施設12に余計な手間や時間がかかることもない。当然、画像配信サービスを受ける動物病院などの検査施設12にとっても、優れた利便性を備えたサービスとなる。
さらに、上述のCT装置1には撮影データからCT画像を作成するために高性能のコンピュータや記録装置を付属する必要がなく、CT装置の価格を抑えることも可能なる。それゆえ、高額な医療機器を導入することが困難な小規模の医療施設、例えばペットなどを扱う動物病院に特に好ましく用いることができる。
「第3実施形態」
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
【0058】
第3実施形態は、第2実施形態同様CT画像の配信方法に関するものである。第3実施形態が第2実施形態と異なっている点は、検査施設12に単にCT画像を配信するだけでなく、CT画像に付加情報を付与して配信する点である。
第3実施形態のCT画像の配信方法は、画像化コンピュータ14で作成された患部のCT画像に対して付加情報を付与する付加情報付与コンピュータ16を備えた情報付与施設17が設けられていて、第2実施形態で説明した3つの工程に加えて、サービス施設13の画像化コンピュータ14で作成された患部のCT画像を、情報付与施設17の付加情報付与コンピュータ16に転送する工程と、付加情報付与コンピュータ16に転送された患部のCT画像に対して、付加情報付与コンピュータ16を用いて付加情報を付与する工程と、を備えている。このようにして付加情報が付与されたCT画像は、サービス施設13の画像化コンピュータ14を経由して検査施設12に転送されるか、又は検査施設12に直接転送される。
【0059】
まず、情報付与施設17と付加情報について説明する。
情報付与施設17は、CT画像に対して付加情報を付与する付加情報付与コンピュータ16を備えた施設であり、CT画像の判断や検査に習熟した医師(獣医)や技師が在籍している病院や動物病院などの施設である。この情報付与施設17に設置された付加情報付与コンピュータ16は、インターネットに接続されていて、メールソフトやFTPソフトを用いた方法でサービス施設13の画像化コンピュータ14や検査施設12の検査用コンピュータ7と相互に情報交換が可能となっている。
【0060】
付加情報は、CT画像に基づいて診断や診察を行う際に有益となる情報であり、例えば臓器や組織の特定、病変部分の特定、画像から考えられる病名、追加検査や追加CT撮影の要否、追加CT撮影をする場合の患部や視野の示唆などが挙げられる。付加情報は、CT画像の判断や検査に習熟した医師(獣医)や技師により、情報付与施設17の付加情報付与コンピュータ16を用いて入力される。
【0061】
次に、第3実施形態の画像配信方法を工程順序に従って説明する。
まず、第3実施形態の画像配信方法においては、第2実施形態同様に、検査施設12で
のCT装置1を用いて撮影が行われ、撮影された撮影データが検査用コンピュータ7の記録装置に取り込まれる。そして、記録装置に格納された撮影データがインターネットを介してサービス施設13の画像化コンピュータ14に転送される。このとき、撮影データを転送する際に、付加情報の要否を検査施設12側が撮影データと一緒にサービス施設13に送る。
【0062】
サービス施設13では、第2実施形態同様に検査用コンピュータ7から転送された撮影データに基づいて、画像化コンピュータ14で患部のCT画像を作成する。そして、付加情報が要求される場合に、画像化コンピューの記録装置に格納された画像データをインターネットを介して情報付与施設17の付加情報付与コンピュータ16に転送する。この画像データの転送は、第2実施形態と同様にメールやFTPを用いて送信する方法で行うことができる。当然、画像化コンピュータ14にも、検査用コンピュータ7と同様にメールソフトやFTPソフトがインストールされている。以上がCT画像を情報付与施設に転送する工程である。
【0063】
次に、画像化コンピュータ14から付加情報付与コンピュータ16内に転送された画像データに基づいて、情報付与施設17の付加情報付与コンピュータ16を用いて付加情報を付与する。付加情報付与コンピュータ16には、転送された画像データをモニタに表示すると共に表示された画像に対応して付加情報を入力するソフトウェアがインストールされている。付加情報付与コンピュータ16では、情報付与施設17に在籍するCT画像の判断に習熟した医師(獣医)や技師がソフトウェアを用いてCT画像に付加情報を入力する。以上が付加情報を付与する工程である。
【0064】
このようにして付加情報が付与されたCT画像は、サービス施設13の画像化コンピュータ14に転送され、画像化コンピュータ14に付属の記録装置に格納される。そして、サービス施設13の画像化コンピュータ14では、検査施設12側が要求した付加情報が入力されていることを確認の上、記録装置に格納された付加情報をCT画像と一緒に第2実施形態と同様にして検査施設12の検査用コンピュータ7または受像用コンピュータに配信(転送)する。
【0065】
なお、付加情報が付与されたCT画像の配信は、サービス施設13の画像化コンピュータ14を経由せず、検査施設12に直接転送することもできる。
上述のように付加情報付与コンピュータ16で付加情報を付与した上で、CT画像と一緒に検査施設12の検査用コンピュータ7または受像用コンピュータに付加情報を転送すれば、検査施設12においても的確な診断が可能となる。
【0066】
特に、獣医の場合は、医師にとっての大規模な総合病院のようにCT画像の判断を訓練する施設が不足していたり、獣医学を修得してからすぐに開業する場合も多い為、臨床経験が不足している場合が多い。それゆえ、このような付加情報が付与されたCT画像を配信する第3実施形態の配信方法は、獣医の的確な診断を支援するという意味で極めて有益である。
【0067】
ところで、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、上記実施形態では、被検体Sがペットなどの動物であって、検査施設12や情報付与施設17が動物病院である場合、言い換えればペットなどの動物のCT画像を得るCT装置1やCT画像の配信方法を例に挙げて、本発明を説明した。
【0068】
しかし、本発明のCT装置1やCT画像の配信方法は、被検体Sを動物とするものだけではなく、例えば乳幼児などの人間のCT画像を得る場合にも適用することができる。
また、上記実施形態では、メモリ部19から検査用コンピュータ7にデータを通信するのに通信ケーブル21を用いた例を説明した。しかし、データを通信する手段は、Bluetooth(登録商標)のような無線通信やUSBメモリなどの持ち運び可能なメディアを介して行うこともできる。
【0069】
さらに、ホームポジションにあるバッテリ6と電源ケーブル22との接続に関しては、
コネクタ接続に代えて、ソレノイドなどを用いた遠隔電力転送機構を採用することもできる。
【符号の説明】
【0070】
1 CT装置
2 透過線
3 照射部
4 撮影部
5 回転機構
6 バッテリ
7 検査用コンピュータ
8 検査台
9 フレーム部材
10 検出面
11 駆動部
12 検査施設
13 サービス施設
14 画像化コンピュータ
16 付加情報付与コンピュータ
17 情報付与施設
18 受像部
19 メモリ部
20A,20B 通信コネクタ
21 通信ケーブル
22 電源ケーブル
23A,23B 電源コネクタ
P 回転軸
S 被検体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転中心を基点に所定の半径を保ちつつ回転すると共に、回転中心に配置された患部に対して透過線を照射する照射部と、
前記回転中心を挟んで照射部の反対側に設けられると共に前記照射部から患部を透過してきた透過線を面状に撮影する撮影部と、
前記照射部と撮影部とが回転中心を基準として同じ位置関係を保つように、前記照射部と撮影部とを回転中心回りに回転させる回転機構と、
前記撮影部で撮影された撮影データを取り込む検査用コンピュータと、
を備えていることを特徴とするCT装置。
【請求項2】
前記照射部及び/又は撮影部に対して電力を供給するバッテリが、前記撮影部と同じ側に設けられていて、前記回転機構を用いて前記撮影部と一体に回転中心回りを回転する構成とされていることを特徴とする請求項1に記載のCT装置。
【請求項3】
前記撮影部及びバッテリは、前記回転中心を基準として照射部とは回転対称となる位置に設けられていて、前記照射部と釣り合う構成とされていることを特徴とする請求項2に記載のCT装置。
【請求項4】
前記透過線がX線であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のCT装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のCT装置が設置された検査施設と、前記CT装置が撮影した撮影データに基づいて前記患部の断層画像及び/又は立体画像を作成する画像化コンピュータが設置されたサービス施設とが設けられていて、
前記検査施設に設けられたCT装置の検査用コンピュータから前記サービス施設の画像化コンピュータに撮影データを転送する工程と、
前記サービス施設の画像化コンピュータ内に転送された撮影データに基づいて、前記画像化コンピュータで患部の断層画像及び/又は立体画像を作成する工程と、
前記作成された患部の断層画像及び/又は立体画像を前記検査施設の検査用コンピュータ又は受像用コンピュータに転送する工程と、
を備えたCT画像の配信方法。
【請求項6】
前記画像化コンピュータで作成された患部の断層画像及び/又は立体画像に対して付加情報を付与する付加情報付与コンピュータとを備えた情報付与施設が設けられていて、
前記サービス施設の画像化コンピュータで作成された患部の断層画像及び/又は立体画像を、前記情報付与施設の付加情報付与コンピュータに転送する工程と、
前記付加情報付与コンピュータに転送された患部の断層画像及び/又は立体画像に対して、前記付加情報付与コンピュータを用いて付加情報を付与する工程と、
を備えた請求項5に記載のCT画像の配信方法。
【請求項7】
前記付加情報付与コンピュータを用いて付加情報が付与された患部の断層画像及び/又は立体画像を、前記サービス施設の画像化コンピュータを経由して前記検査施設に転送する、又は前記検査施設に直接転送する工程を備えた請求項6に記載のCT画像の配信方法。

【図3】
image rotate

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2011−161017(P2011−161017A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−27343(P2010−27343)
【出願日】平成22年2月10日(2010.2.10)
【出願人】(595106372)日本制御株式会社 (2)
【Fターム(参考)】