コーヒー用包装システム
閉じた底部、開いた頂部、並びに底部と頂部との間の周辺部を取り囲む本体を備える容器(11)を有する、焙煎して挽いたコーヒーに有用な包装システム。環状突出部(17)が、本体上に配置され、頂部に近接して本体の周辺部の周りに連続的に配置される。突出部は、本体外部の表面を形成する。表面は、容器の長手方向軸に実質的に垂直である。可撓性密閉部(18)が、容器の内容積を封止するように、突出部に取外し可能に取り付けられ、且つ封止される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焙煎して挽きたてのコーヒーを充填するのに有用な包装システムに関する。本発明は更に、焙煎して挽きたてのコーヒーを運搬するための、プラスチックの質量単位当りの強度が向上した、より便利で軽量の容器にも関する。
【背景技術】
【0002】
焙煎して挽いたコーヒーなどの粒子状の製品を、加圧下で収容する円筒形の缶などの包装は、本発明の適用可能な様々な物品の代表例である。焙煎して挽きたてのコーヒーが、特に焙煎及び粉砕プロセス後に、かなりの量の油及び二酸化炭素などの気体を発生することは、当該技術分野において周知である。したがって、焙煎して挽いたコーヒーは、通常、これらの揮発性の天然産物のガス発生を最大限に除くために、最終的な充填前には保存容器内に保持される。完成コーヒー製品は、その後、包装に入れられて真空充填工程を施される。
【0003】
最終コーヒー製品を真空充填することにより、包装の上部空間にある酸素の量が低減される。酸素反応は、コーヒーの鮮度を損なう主要因であるため、このことは有益である。業界で使用される一般的な包装は、円筒形で、スズめっきを施した鋼製の貯蔵缶である。コーヒーは、最初に焙煎され、次に挽かれ、その後、ほとんどの家庭において一般的な缶切りで開けられなければならない缶の中に、真空充填される。
【0004】
コーヒーは、排気プロセスを完全に行う貯蔵を必要としないため、焙煎して挽いた直後にコーヒーを充填することにより、プロセスが大幅に節約される。また、排気製品は、通常、所望の揮発性及び半揮発性の芳香族化合物を大量に含有し、これが、容易に揮発して、コーヒーを飲むプロセスにおける完全な利益を消費者が享受する妨げになる。更に、これらの芳香族化合物が失われることにより、標準的な容器内で放出されることができなくなり、そのため、焙煎して挽きたてのコーヒーの香りが放出される快さを、消費者が完全に享受する妨げとなる。この揮発性化合物の香りの放出は、真空充填包装よりも加圧包装において、更により知覚することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、標準的な重い缶の代わりに、より軽量で、より新鮮な充填を施し、より容易な開封で、封止が可剥性であり、且つ「吐出可能な(burpable)」密閉部を提供する、焙煎して挽いたコーヒーの手持ち部分付き包装を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、焙煎して挽いたコーヒーのための新鮮包装システムに関する。
【0007】
本発明はまた、焙煎して挽いたコーヒーのための新鮮包装システムを用いてコーヒーを充填する方法にも関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、焙煎して挽いたコーヒーのための新鮮包装システムに関する。包装システムは、閉じた底部、及び開いた頂部、並びに底部と頂部との間に閉じられた周辺部を有する本体を含む容器を含み、頂部、底部、及び本体が、共に内容積を画成する。可撓性密閉部が、頂部に近接して本体の周辺部の周りに配置された突出部に対して取外し可能に取り付けられ、これを封止する。容器の底部及び本体は、少なくとも約241Mpa(1平方インチ当り35,000ポンド(2,381気圧))から少なくとも約4481MPa(1平方インチ当り650,000ポンド(44,230気圧))の範囲の引張り係数を有する材料から作成され、少なくとも約7.3Kg(16ポンド)の最高負荷容量を提供する。
【0009】
本発明は、より一般的には、本発明の容器を用いてコーヒーを充填する方法に関する。方法の工程は、上述の容器システムに焙煎して挽いたコーヒーを充填し、容器を不活性ガスで洗浄し、また、容器を可撓性密閉部で封止することを包含する。
【0010】
本発明はまた、最終消費者に有益なコーヒーの芳香特性を提供する製品にも関する。物品は、閉じた底部、開いた頂部、並びに、内容積を共に画成する前記底部と前記頂部との間に閉じられた周辺部を形成するポリオレフィン本体を含む。本体は、頂部に近接して本体の周辺部の周りに連続的に配置された突出部を包含する。可撓性密閉部は、突出部と共に封止を形成するように、突出部に取外し可能に取り付けられる。焙煎して挽いたコーヒーは、内容積の中に収容され、製品は、全体として少なくとも約5.5のコーヒー芳香値を有する。(全体的なコーヒー芳香値を測定する方法は、試験方法の項で後述する。)
本発明、発明の方法、及び製品の目的は、消費者に有用な利益を提供することであり、焙煎して挽いたコーヒーに、知覚されるより新鮮で香りの良い風味を提供することを包含するが、これに限定されない。本発明のそのような容器システムはまた、焙煎して挽いたコーヒーを最終消費者に、使用が容易で低コストの手段も提供する。
【0011】
任意ではあるが、容器はその上に配置された手持ち要素を有することが好ましい。より好ましくは、手持ち要素は容器の本体と一体となっている。この手持ち要素は、最終消費者が容器システムを把持することを容易にする。この把持は、手の小さい消費者や、病気、疾患、又は他の疾病のために手の力が弱くなっている消費者にとって、特に有用である。
【0012】
任意ではあるが、好ましくは、本発明は、焙煎して挽いたコーヒーの自然な排気プロセスによって容器内に蓄積された過剰な圧力を放出するための、密閉部内に配置された一方向弁を特徴とする。外部温度及び高度の変化もまた、容器内部で圧力が発生する原因になり得るとも考えられている。一方向弁は、予め定められた量を越えるコーヒー排気を放出するが、そのような放出の後に封止されたままであり、それによって、容器内の排気された製品における香りの良い快さを保持するように選択される。
【0013】
別の任意ではあるが好ましい本発明の特徴は、密閉部の上に配置されたオーバーキャップである。オーバーキャップは、容器内に蓄積された圧力によって、密閉部に正方向で外向きの変形をもたらすことができる、ドーム、又は空洞を含むことができる。オーバーキャップは、密閉部の有無に関わらず製造中に、また最終消費者によって、最終消費者が密閉部を取外した後に、容易に適用できるように気密性且つ可撓性なのが好ましい。可撓性オーバーキャップはまた、最終消費者が、ドームを圧縮することによって過剰な空気を取り除き、それによって既に開けられた容器から過剰な外気を放出(吐出)できるようにする。しかしながら、オーバーキャップは、より低い可撓性を示すか、又は不撓性であることもできる。オーバーキャップはまた、最終消費者が容器を開けた後に、容器のリムに対して密封を提供する。この密封は、適用後のオーバーキャップの望ましくない吐出物につながるリムの汚染を防ぐ。オーバーキャップは、任意に、密閉部及びオーバーキャップのドーム部分の変形が最大のときに、複数の容器の実施形態が積み重ねられるようにすることもできる。オーバーキャップはまた、任意に、密閉部とオーバーキャップアセンブリとの間に閉じ込められた、吐出された気体産生物を容易に取り除くことができるにも関わらず、「吐出」可能な、通気孔を有する。
【0014】
好ましい一実施形態では、オーバーキャップは、内側ドーム部分と外側スカート部分とを画成する、オーバーキャップの周辺部に近接し、且つこれに沿って配置された、リブを有することができる。リブは、ヒンジ様の構造体を形成し、そのため、コーヒーの排気による密閉部の変形によって生じる内側ドーム部分の外向きの変形により、リブが、スカート部分に対するカンチレバーとして作用する。したがって、ドーム部分の外向きの変形により、容器壁面の外側部分の上でスカート部分が内向きに変形し、封止特性が改善され、容器に対するオーバーキャップの保持力が改善される。
【0015】
(容器)
図1を参照すると、新鮮包装システム10は、通常、化合物、例えばポリオレフィンから作成された容器11を含む。本発明を製造するのに使用できる、代表的且つ非限定的な化合物及びポリオレフィン類としては、ポリカーボネート、線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、これらのコポリマー類、及びこれらの組み合わせが挙げられる。本発明の容器11は、多数の形状をとることができ、また多数の好適な材料から作成できることを、当業者であれば理解すべきである。容器11は、通常、開いた頂部12、閉じた底部13、及び本体部分14を含む。開いた頂部12、閉じた底部13、及び本体部分14は、製品が収容される内容積を画成する。また、閉じた底部13及び本体部分14は、少なくとも約241MPa(1平方インチ当り35,000ポンド(2,381気圧))から少なくとも約4481MPa(1平方インチ当り650,000ポンド(44,230気圧))の範囲、より好ましくは少なくとも約276MPa(1平方インチ当り40,000ポンド(2,721気圧))から少なくとも約1793MPa(1平方インチ当り260,000ポンド(17,692気圧))、最も好ましくは少なくとも約655MPa(1平方インチ当り95,000ポンド(6,464気圧))から少なくとも約1034MPa(1平方インチ当り150,000ポンド(10,207気圧))の範囲の引張り係数を有する材料から形成される。引張り係数は、弾性変形中の(即ち降伏点までの)応力対ひずみの比として定義される。これは、所定の量まで材料を変形させるのに必要な抵抗力の基準であり、したがって、材料固有の硬さの基準である。
【0016】
底部13は、内容積の中で上昇する圧力による望ましくない変形が最小限になるように、内容積に向かって内向きにへこむか、又は窪んで配置されることが好ましい。底部13が外側に大きく拡張すると、底部13に外向きのへこみが生じ、容器11が、当該技術分野において一般に「舟底(rocker bottom)」と称されるようなものになる。即ち、底部13が外向きに変形し、容器システム10が平坦面上に置いたときに安定しなくなる場合、新鮮包装システム10は前後に揺れやすくなる。
【0017】
図7Aに示すように、複数の突出部40を、容器11の長手方向軸の周りで、容器11の閉じた底部13の上に配置することができる。好ましい一実施形態では、突出部40は、容器11の閉じた底部13に対して斜角を形成する。容器11が円筒形状である場合、突出部40は、容器11の閉じた底部13の直径の周りに、方形に配置することができると考えられる。しかしながら、当業者であれば、突出部40は、容器11の閉じた底部13の上にあらゆる幾何学的構成で配置できることを、理解するであろう。理論に束縛されるものではないが、突出部40は、容器11の外向きに変形した閉じた底部13の上で、容器11の閉じた底部13の形状を越えて突出できると考えられる。このようにして、容器11内から外向きの圧力が発生して「舟底」が作られた場合に、容器11は、他の表面との安定した関係を維持できる。好ましい実施形態では、閉じた底部13の上に配置された4つの突出部40を使用するが、当業者であれば、閉じた底部13が外向きに変形している際に安定した構造体を得るために、実質上あらゆる数の突出部40を閉じた底部13の上に配置できることを、理解すべきである。更に、突出部40は、四角形、三角形、楕円形、四葉形(quad-lobe)、星形、台形、複数のネスト状部分をもつ構成、閉じた底部13の周りの環状リングに設けたもの、及びこれらの組み合わせであることができる。
【0018】
再び図7Aを参照すると、環状リング42、又は不連続な幾何学形体を包含するあらゆる他の隆起した形状を、容器11の閉じた底部13の上に配置することができる。環状リング42は、容器11の複数の実施形態が、容易に入れ子にされる又は積み重ねられるような寸法にすることができる。換言すれば、環状リング42は、容器11を、その前の又はその下にある容器11のオーバーキャップ30上に続けて積み重ねられるように、設計することができる。理論に束縛されるものではないが、容器11の閉じた底部13の上に配置された環状リング42を使用して、容易に入れ子になるようにすることで、構造的な安定性が向上する。
【0019】
また、容器11の閉じた底部13は、当業者には四葉形又は星形として既知のものに設計することができると考えられる。やはり理論に束縛されるものではないが、そのような四葉形又は星形の設計により、容器11内で発生した内部圧力によって容器11の閉じた底部13が変形することに対する抵抗力が向上すると考えられる。
【0020】
再び図1を参照すると、容器11は、実質的に平滑な側面を有する円筒形状であることができる。手持ち部分15は、容器本体部分14に適切な位置で個々に形成される。複数の滑り止めストリップ16を、手持ち部分15内に予め定められた間隔で形成することができる。手持ち部分15は、当業者には既知のように形成され、最も有効な位置に把持表面を提供して、手の小さい消費者、若しくは怪我又は疾病で衰弱した消費者が、最小限の力で容器部分11を把持できるようにする。更に、容器11は、上述の構成によって、手で容易に把持することができる。加えて、容器11は、容器11の開放端に、リム様の構造体の形態である突出部17を有することができる。突出部17は、密閉部18が取外し可能に取り付けられる表面を提供し、またオーバーキャップ30のスカート部分32に対する係止表面を提供することができる。
【0021】
図2に示すような代替実施形態では、容器11aは、実質的に平滑な側面を有する平行六面体形状である。手持ち部分15aは、それぞれ容器本体部分14aに適切な位置で個々に形成される。複数の把持突出部16aが、手持ち部分15a内に予め定められた間隔で形成される。対応する密閉部18a及びオーバーキャップ30aは、当業者には既知のように、容器11aに嵌合される。
【0022】
代替実施形態では、図7に示すように、手持ち部分15aは好ましくは対称であることができる。理論に束縛されるものではないが、対称的な手持ち部分15bは、容器11b内からの圧力が上昇した際に、手持ち部分15bが反転するのを防止できると考えられる。対称的に組み込まれた手持ち部分15bは、手持ち部分15b全体にわたって、容器11内で発生した内部圧力を均一に分布させると考えられる。
【0023】
図7の代替実施形態にも示されるように、手持ち部分15bのすべての部分は、容器11bの長手方向軸に平行か、又は容器11bの長手芳香軸に垂直に設けられる。理論に束縛されるものではないが、手持ち部分15bのすべての構成要素部分が容器11bの長手方向軸に平行又は垂直になるように配置された手持ち部分15bは、容器11b内で発生した内部圧力による、曲げ抵抗力に影響を受けにくくなり得ると考えられる。このことは、容器11bの内部で生成された圧力による、容器の壊滅的な破損を防止する助けとなり得る。
【0024】
更に、容器11bの本体部分14bに対して窪んだ構成の手持ち部分15bを有する容器11bを提供することにより、最終消費者が、より少ない力で容器11bの手持ち部分15bをしっかり把持し続けることができる。加えて、窪んだ手持ち部分15bは、最終消費者が、容器11bの外側部分に外部からの抵抗力を与え、それによって容器11bに壊滅的な破損又は変形が生じることを防ぐ助けとなり得る。
【0025】
再び図1を参照すると、容器11は、プラスチックの質量単位当りの、優れた最高負荷強度をもたらす。本発明により、充填してキャップを被せた容器は、下側にある容器が潰れる又は変形する心配なしに、互いに安全に積み重ねることができる。多くの場合、容器はパレットに載せられ、そのため、複数の容器が列を成して積み重ねられて立方体形状をとる。それぞれ約13.6Kg(30ポンド)の重量になる60ケースの整列で、パレット上に載置することができる。特定の例では、これらのパレットは互いに積み重ねることができる。最も下にある容器は、非常に大きな縦抵抗力を受けることが理解されよう。従来、ポリマー製の容器は、そのような高い縦抵抗力に耐えることができない。したがって、この積み重ね状態が潰れる又は歪むのを避けるために、各容器の最高負荷抵抗は、容器が周囲温度及び圧力環境にあるときに、少なくとも約7.3kg(16ポンド)でなければならない。より好ましくは、各容器は、本発明にしたがって、少なくとも約21.8kg(48ポンド)の最高負荷抵抗を示さなければならない。
【0026】
本発明では、最高負荷抵抗は、0.381mm(0.015インチ)超過の容器の長手方向軸に平行な変形が生じる前に、空の容器が支持できる抵抗力の量である。非限定例として、平均全体質量39グラム、平均内容積約950立方センチメートル、平均壁面厚さ約0.762mm(0.030インチ)、及び平均直径約100ミリメートルを有する積層構造体(以下に詳述する)を含む円筒形容器は、容器上に7.3kg(16ポンド)の負荷が掛けられた場合、容器が長手方向軸に平行な方向に0.381mm(0.015インチ)を越えて変形したときに、7.3kg(16ポンド)超過の最高負荷抵抗を有さないと考えられる。当業者には既知のように、最高負荷抵抗は、インストロン社(Instron,Inc.)(マサチューセッツ州カントン(Canton))製のインストロン(Instron)、モデル550R1122などの、好適な装置を用いて測定できる。インストロン(Instron)は、453kg(1000ポンド)のロードセルによる圧縮構成及び2.54cm/分(1.0インチ/分)のクロスヘッド速度で、操作される。負荷は、対象となる容器の直径よりも大きい圧盤を介して容器に印加される。
【0027】
図7に示すように、容器11bの本体部分14bは、その中に配置される少なくとも1つの変形領域43を有して、容器11b内部の圧力又は容器11bに付与される抵抗力による圧力のいずれかによる、容器11bの変形を分離することができる。図に示すように、少なくとも1つの変形領域43は、通常、円筒形の壁面で画成される容器11b直線的な領域を画成することができる。しかしながら、本体部分14bに組み込まれた少なくとも1つの変形領域43は、いずれかの多角形、円形、又は不均一な形状など、あらゆる幾何学形状をとることができることが、当業者には理解されよう。理論に束縛されるものではないが、全体にわたって壁の厚さが均一な完全な円筒形の容器11bは、容器11b内部又は容器11b外部から付与される圧力による圧縮に耐えると考えられる。しかしながら、理論に束縛されるものではないが、印加される抵抗力が完全な円筒形の容器11bの容器壁面の強度を越えた場合、変形が、望ましくない窪み又は歪みとして現れると考えられる。完全な円筒形の容器11bに現れる、壁面厚さの差、又は手持ち部分15bなどとしての特徴の形態における差などの、何らかの不均一性によって、容器11bの外部領域と容器11bの内部領域との間に圧力差があるときに、壊滅的な破損が生じ得る。
【0028】
しかしながら、少なくとも1つの変形領域43を組み込むことによって、容器11bの本体部分14b内で屈曲が生じると考えられる。したがって、本体部分14bは、壊滅的な破損を起こすことなく均一に変形し、窪みなどの望ましくない物理的及び/又は視覚的効果に抵抗することができると考えられる。換言すれば、内部、又は外部圧力によって、容器11bに生じる容積の変化は、容器11bの最終的な容積を変化させるように働いて、圧力差、即ち容器壁面に作用する抵抗力を低減させる。また、理論に束縛されるものではないが、固体又は液体、若しくは他のあらゆる実質的に非圧縮性の材料を組み込むことによって、少なくとも1つの変形領域43における内向きの変形に対して、大きな抵抗がもたらされると考えられる。例えば、焙煎して挽いたコーヒーなどの粉末を包含することによって、少なくとも1つの変形領域43における内向きの変形に対する抵抗をもたらすことができ、したがって、少なくとも1つの変形領域43は、容器11bの長手方向軸に実質的に平行のままであることができ、それにより、容器11bの最高負荷能力が有効に上昇する。可剥性の積層体封止も、外部圧力の変化によって変形し、容器に対する圧力負荷を低減させる。
【0029】
非限定的ではあるが、好ましい一実施形態では、容器11bは、方形のパネルの形態で示される、少なくとも1つの変形領域43を有する。パネルは、容器11bの半径よりも大きな半径を有する。パネルは、変形に対する抵抗が、方形パネルに近接する容器11bの領域よりも低くなるように設計される。したがって、パネルが示すあらゆる動きは、容器11bの他のあらゆる部分に対してではなく、パネルに対して分離される。
【0030】
図1に示すように、理論に束縛されるものではないが、基部の容積の変化に適合することによって容器11が真空下で圧縮され、容器11の最高負荷能力を改善できるように、十分に調和しているべきであると考えられる。しかしながら、調和は、当業者が既知であるような実用可能な程度に小さいものであるべきであるとも考えられる。
【0031】
図7に示すように、容器11bの本体部分14bは、そこに組み込まれた少なくとも1つのリブ45も有することができる。少なくとも1つのリブ45は、少なくとも1つのパネル43が内向き又は外向きに変形する際に、少なくとも1つのパネル43の回転する動きを容易にするために、少なくとも1つのリブ45を容器の11bの長手方向軸に平行に、且つ少なくとも1つのパネル43に近接して配置することによって、少なくとも1つのパネル43の動きを有効に分離して管理する助けとなり得ると考えられる。更に、少なくとも1つのリブ45はまた、少なくとも最高負荷強度を追加することにおいて、容器11bの追加の構造的安定性も提供できると考えられる。換言すれば、少なくとも1つのリブ45は、容器11bが、容器11bの上に追加の容器又は他の物体を配置することによる、追加の圧力に耐える能力を向上させることができる。当業者であれば、容器11bにそのような追加の構造的安定性を適切に達成するために必要な、少なくとも1つのリブ45の配置、高さ、幅、深さ、及び幾何学形状を決定することができるであろう。更に、少なくとも1つのリブ45を、容器11bの長手方向軸に平行に、容器11bの水平軸の周りに環状に、又は線状又は環状のいずれかの断続的な設計で、容器11b上に配置して、容器11bの表面全体にわたって複数のパネルが見えるようにできることが、当業者には理解されよう。
【0032】
加えて、容器11bは、通常、そこに組み込まれた仕上げ46を有することができる。好ましい一実施形態では、仕上げ46は、容器11bに追加の周方向強度を提供することができ、且つ意外にも、消費者がオーバーキャップ30を取り除く助けとなる指用の竪穴(well)44を提供することができる、環状の設計である。更に、当業者であれば、更なる最高負荷に耐える追加の能力の形態で容器11bに更なる強度を提供するために、仕上げ46にリブ47を追加することが可能である。好ましい一実施形態では、リブ47は、容器11bの水平軸に平行に、且つ仕上げ46に垂直に配置される。
【0033】
図11及び12を参照すると、本体部分14から少なくとも実質的に外向きであって、且つ容器11eの長手方向軸に実質的に垂直な突出部17aが設けられた容器11eは、突出部17aと本体部分14との境界面に近接した接合部80において、容器11e内部の真空によって生じる、より少ない構造的な誘導応力を有することができる。理論に束縛されるものではないが、外向きの突出部17aに付与されるそのような力は、本体部分14に対する突出部17の曲率半径を増大させ、それにより、容器11eにおける全体的な真空誘導応力が低減されると考えられる。真空誘導応力を低減させることで、全体的な壁の厚さがより薄い容器11eを容易に製造することができる。
【0034】
加えて、垂直静荷重(TL)が、突出部17aではなく本体部分14を介して移動されるように、容器11eに、少なくとも実質的に外向きの突出部17aを設けることが望ましい場合がある。理論に束縛されるものではないが、容器11eの上に置かれる荷重(TL)によって付与される応力を、突出部17aではなく本体部分14を介して移動させることにより、突出部17aと本体部分14との接合部80における全体的な応力を低減できると考えられる。接合部80におけるこの応力の低減により、全体的な壁の厚さがより薄い容器11eを容易に製造することができる。
【0035】
更に、容器11eを、負荷によって付与される応力を突出部17aではなく本体部分14に実質的に向けることができる、オーバーキャップ(図示せず)と組み合わせることができる。片持ち突出部17aの変形が制限されるため、そのようなオーバーキャップ(図示せず)が上に配置された容器11eの上に置かれる負荷によって生じる、接合部80におけるあらゆる応力は、低減され得ると考えられる。このことにより、接合部80における応力の集中を低下させることができる。
【0036】
再び図1を参照すると、容器11は、好ましくはポリオレフィン化合物を吹込み成形して製造される。例えばポリエチレン及びポリプロピレンは、食物と接触するのに好適で、且つ優れた水蒸気バリアを提供する比較的低コストの樹脂である。しかしながら、これらの材料は、長い貯蔵寿命を必要とする酸素感応性の食物を包装するのには好適でないことが、当該技術分野において既知である。非限定例として、エチレンビニルアルコール(EVOH)は、そのような優れたバリアを提供することができる。したがって、2層以上のポリオレフィン層に挟まれたEVOHの薄層が、この問題を解決することができる。したがって、使用される各樹脂に対して追加の押出成形機を組み込むことにより、吹込み成形プロセスを多層構造体に使用することができる。加えて、本発明の容器は、射出成形及び延伸吹込み成形を包含する、他の代表的な方法を用いて製造することができる。
【0037】
本発明による好ましい一実施形態では、図1の容器11、図2の容器11a、及び図7の容器11bは、水分の影響から酸素バリア層を保護するために、多層構造体から吹込み成形することができる。好ましい一実施形態では、この多層構造体は、構造体のバルクである比較的安価な材料を使用することによって、経済的な構造体を製造するのに使用することができる。
【0038】
本発明の容器を製造するのに使用される多層構造体の別の代表的な非限定例は、未使用ポリオレフィン材料を含む内層を包含する。その外側にある層は、「リグラインド」層として当業者には既知の、再生容器材料を含む。その次の層は、接着剤の薄層、バリア層、及びバリア層を容器に結合する別の接着剤層を含む。最も外側の層は、未使用ポリオレフィン材料の別の層を含むことができる。
【0039】
本発明の容器を製造するのに使用される多層構造体の更なる代表的な非限定例は、未使用ポリオレフィン材料を含む内層を包含する。次の層は、接着剤の薄層、バリア層、及びバリア層を容器に結合する別の接着剤層を含む。その外側にある層は、「リグラインド」層として当業者には既知の、再生容器材料を含む。最も外側の層は、未使用ポリオレフィン材料の別の層を含むことができる。いずれの場合も、ポリオレフィン類、接着剤及びバリアなどの、他の可能な化合物又は化合物の組み合わせを使用できることを、当業者であれば理解するべきである。更に、多層構造体のいずれかの層の中又はその上に、脱酸素剤を組み込んで、形成された容器の中にある酸素錯体又は遊離酸素を除去することができる。そのような脱酸素剤としては、脱酸素ポリマー、錯体化した又はしていない金属イオン、無機粉末及び/又は塩、並びにこれらの組み合わせ、及び/又は、重縮合、エステル交換、アミノ基転移、及びプロセス中に遊離酸素が消費される同様の移行反応に入り込むことができるあらゆる化合物が挙げられる。
【0040】
容器の作成における他のそのような材料及びプロセスは、ワイリー包装技術百科事典(The Wiley Encyclopedia of Packaging Technology)、ワイリー・アンド・サンズ(Wiley & Sons)(1986年)に詳述されており、これを参考として本明細書に組み込む。好ましくは、容器11、11a、及び11bの内層は、高密度ポリエチレン(HDPE)から作成される。
【0041】
本発明による好ましいポリオレフィンの吹込み成形容器は、図1及び7の円形の容器、又は図2の平行六面体(paralellpiped)の容器に関して、理想的な最小包装重量を有することができ、更に、本発明の目標を達成するのに必要な最高負荷特性を提供することができる。本発明にしたがった十分な構造的剛性を提供する、代表的な材料(低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)及びポリエチレンテレフタレート(PET))及びこれらの化合物の出発質量を、次の表1に詳細に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
意外にも、製品を充填して封止し、最終製品を収容した、本発明にしたがった容器は、同じ重量の出発化合物に対して、向上した特性を有することが見出された。これにより、本発明にしたがって、より少ない出発物質を使用して、最高負荷値を提供することができるという利益がもたらされる。本発明にしたがって、充填して封止した容器の必要な構造的剛性を提供する、代表的な材料及び化合物(LDPE、HDPE、及びPET)の出発質量を、表2に詳細に示す。
【0044】
【表2】
【0045】
再び図1を参照すると、容器11の開放端に配置されるリム様の構造の形態である突出部17は、その上に配置される非平坦化表面を有してもよい。突出部17上の非平坦化表面は、突出部、環状機構、及び/又は平行線模様の形態の、隆起した表面を含んで、取外し可能な密閉部19のより良好な封止を容易にすることができる。代表的ではあるが非限定的な環状機構は、突出部17の封止表面から突出する、単一のビーズ又は同心の環である一連のビーズを包含してもよい。理論に束縛されるものではないが、突出部17上の非平坦化表面によって、封止プロセス中に、より均一な、及び/又はより集中した圧力を印加することができる。非平坦化表面は、容器11の製造中において、成型、微調整、配送プロセスなどの間にもたらされる何らかの不規則性により、突出部17と取外し可能な密閉部19との間の向上した封止能力を提供することができる。
【0046】
(取外し可能な密閉部)
再び図1を参照すると、新鮮包装システム10は、積層された密閉部18、容器11に取外し可能に取り付けられ封止された可剥性封止部19を含む。可剥性の封止部19は、全体が参照番号20で示される、その下に脱気弁が適用された穴を有する。一方向弁20は、可剥性封止部19に熱溶接又は接着することができる。
【0047】
図3による好ましい一実施形態では、可剥性封止部19の内側から可剥性封止部19の外側までは積層体であり、順に、ポリエチレンなどの内側フィルム21、金属化シート、好ましくは金属化PET、金属化PE、又はアルミニウムなどのバリア層22、並びにPETなどのプラスチックの外側フィルム23を含む。内側フィルム21は、好ましくは、容器11の外層と同じ材料から形成される。したがって、内側フィルム21は、好ましくはポリオレフィン、より好ましくはポリエチレン(PE)である。プラスチックの外側フィルム23は、好ましくは、ポリエステルなどの材料から製造される。しかしながら、当業者であれば、箔密閉部などの他の材料、並びに他の伸縮性及び非伸縮性の層構造体を使用することができ、それでもやはり本発明の範囲内にあることを、理解するであろう。加えて、前述したような脱酸素剤を、遊離酸素又は酸素錯体を除去するために、可剥性封止部19のいずれかの層の中又はその上に組み込むことができる。
【0048】
内側フィルム21及びバリア層22の両方は、図3に示すように、好ましくは、切断、目打ち、又は打抜きなどを用いて穿孔されて、フロー開口24を形成する。出口開口の上の領域では、外側フィルム23は、バリア層22に積層されないので、長手方向のチャネル25が形成される。チャネル25は、製造中に、チャネル25が密閉部18の縁部まで延在するように、積層体の全幅に延在する。
【0049】
結果として、外側フィルム23及び出口開口24の非積層領域を用いて、非常に簡便且つ安価な一方向弁20が形成される。容器11内の内容物によって生成される気体は、弁20を通って周囲環境に流出してもよい。容器11内に過剰な圧力が存在するので、また外側フィルム23は通常、内圧によってバリア層22に付着又は少なくとも緊密に接しているので、酸素などの不必要な気体が、容器11内に流入して内容物を酸化させることを防ぐ。したがって、外側フィルム23は、気体を放出するために、充填の際に内部の気体圧によって持ち上げられるべき膜として作用する。一方向弁20は、容器11内で発生する圧力に応答することが好ましい。この圧力は、1kPa(10ミリバール)を越えることができ、好ましくは1.5kPa(15ミリバール)を越え、より好ましくは2kPa(20ミリバール)を越え、最も好ましくは3kPa(30ミリバール)を越える。
【0050】
加えて、少量の液体をチャネル25内に充填することができる。この液体は、水、シロキサン系の油、又は、製品の使用前に油が悪臭を放つようになることを防ぐために添加剤で処理した油であることができる。容器11から内部の排気を放出させるための圧力は、チャネル25内の液体の粘度を変えることによって、調整することができる。
【0051】
代替であるが非限定的な実施形態では、一方向脱気弁は、バルブ本体、機械的バルブ要素、及び、米国特許第5,515,994号に記載の選択的なフィルタを含むことができ、この特許を本明細書に参考として組み込む。
【0052】
図1に戻ると、密閉部18は、好ましくは、容器11のリム(突出部)17に沿って容器11に封止される。好ましいが非限定的な封止方法は、圧力及び熱を、密閉部材料及び容器のリムを介して印加して、溶融結合を生じさせる、溶銑プレートを組み込む熱封止方法を包含する。達成される剥離強度は、通常、印加された圧力、温度、及び封止プロセスに留まる時間の結果である。しかしながら、リム17上に配置される複数の環状封止ビーズを包含するがこれに限定されない、他の種類の封止及び封止方法を使用して、十分且つ有効な封止強度をもつ結合を達成できることが、当業者には既知であろう。
【0053】
あるいは、突出部17が、本体部分14から少なくとも実質的に外向きの配向で、且つ容器10の長手方向軸に実質的に垂直に設けられる場合、封止プロセス中、突出部17は支持されることができる。このように支持を提供することにより、フランジが支持されていない場合に可能な温度及び圧力よりも、高い温度及び圧力を用いることにより、より少ない全体時間で封止を適用することができる。また、封止プロセス中、突出部17を支持することにより、より高品質の封止を得て、封止のばらつきをより少なくし、また、剥離力をより一定にすることができると考えられる。更に、封止プロセス中、突出部17を支持することにより、そのような封止を提供するのに必要な時間を低減し、その結果製造コストを下げることができる。
【0054】
図8に示すように、代替実施形態では、容器11cの可剥性封止部19cは、枢動可能な注入デバイス50を包含することができる。枢動可能な注ぎ口デバイス50は、可剥性封止部19aのあらゆる位置に、又は容器11cのあらゆる位置に配置することができる。好ましい一実施形態では、更に、枢動可能な注ぎ口デバイス50は、容器11cの内容積の中で可剥性封止部19cの下に配置された、剥離不能な封止部の上に配置することができると考えられる。これにより、消費者が、可剥性封止部19cを取り除き、枢動可能な注ぎ口デバイス50が上に配置された剥離不能な封止部を露出させることが可能になる。消費者は次に、枢動可能な注ぎ口デバイス50を旋回させて、容器11c内に収容された製品を分配することができる。枢動可能な注ぎ口デバイス50を介して、容器11cから製品を分配した後、消費者は、枢動可能な注ぎ口デバイス50を旋回させて、剥離不能な封止部を有効に閉じ、それにより容器11cを有効に封止することができる。当業者には既知のように、代表的ではあるが非限定的な、枢動可能な注ぎ口デバイス50の実施例は、注ぎ口を包含する。
【0055】
枢動可能な注ぎ口デバイス50は、当業者には既知のように、容器11cからの製品の流れを容易にする寸法を有することができると考えられる。消費者の付属物又は他のデバイスを挿入して、枢動可能な注ぎ口デバイス50を旋回させるのに必要な力を提供する助けとすることを容易にするために、陥凹部、スロット、又は他のオリフィスを、可剥性封止部19c又は剥離不能な封止部のいずれかに配置することができる。
【0056】
図8aの代替実施形態では、可剥性封止部19dの一部分又は剥離不能な封止部のいずれかから形成されるすり切り用の横棒(striker bar)52を使用して、体積測定デバイスから過剰な製品をすり切って落とすことができる。理論に束縛されるものではないが、すり切り用の横棒52は、体積測定デバイス内の充填密度及び量を増大させることにより、製品の更に一定した測定を容易にすることができると考えられる。更に、可剥性封止部19d又は剥離不能な封止部の残りが存在することが、容器11d内に保持される製品から自然に発生する、様々な芳香族及び非芳香族の気体を保持する助けとなり得ると考えられる。
【0057】
(オーバーキャップ)
図1を参照すると、新鮮包装システム10は、任意に、ドーム部分31、スカート部分32、リブ33、及び任意に通気孔34から成るオーバーキャップ30を含む。非限定例として、オーバーキャップ30は、通常、低い曲げ弾性率を有するプラスチック、例えば、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル(PVC)、これらのコポリマー類、及びこれらの組み合わせから製造される。このことにより、オーバーキャップ30は、高い可撓性を有するが、依然として後に続く容器が積み重ねられるのに十分な剛性を提供することができる。可撓性のオーバーキャップ30を使用することで、オーバーキャップ30を、包装中に機械的に適用し、並びに消費者が容器11を開けた後に再適用することが容易になる。可撓性のオーバーキャップ30の意外な特徴は、最終消費者によって、過剰な大気ガスが容器11から「吐出」され、それによって存在する酸素量が低減される能力である。更に、上述したように、脱酸素剤を、遊離酸素又は酸素錯体を除去するために、可剥性封止部19のいずれかの層の中又はその上に組み込むことができる。加えて、オーバーキャップ30が示す可撓性と剛性の所望のバランスは、オーバーキャップ30の厚さプロファイルを変化させることである。例えば、ドーム部分31は、スカート部分32及びリブ33よりも薄くなるように製造することができる。
【0058】
ドーム部分31は、通常、例えば焙煎して挽いたコーヒー、排気などの包装された製品としての容器11から、密閉部18が外側に変位しているのに適合するように、曲率、即ち高さを有して設計される。ドーム部分31に必要な湾曲量は、密閉部18の予測として数学的に決定することができる。非限定例として、密閉部18の内圧が1.5kPa(15ミリバール)、オーバーキャップの公称直径が15.25cm(6インチ)のとき、ドーム部分31の公称高さは、0.61cm(0.242インチ)であることができる。更に、ドーム部分31はまた、通常、容器11の内圧が上昇し、一方向弁20によって排気を放出する前に、密閉部18が持ち上げられると、その元の高さを越えて動くことができる。
【0059】
図9Aの代表的実施形態に示すように、容器内に存在し得る排気を放出するのを容易にするために、オーバーキャップ30bの下面に、立ち上がり67を設けることができる。このようにして、弁と下側部分65の接触量を減少させることで、立ち上がり67は、オーバーキャップ30bの下側部分65によって、可撓性フィルムの密閉部上及び/又はその中に配置される弁が遮断されるのを防ぐことができる。立ち上がり67は、単一又は複数の、弓状形態、円形、矩形、線、及びこれらの組み合わせを包含するが、これらに限定されない、様々な設計で作成することができる。好ましくは、円形の立ち上がり67が、オーバーキャップ30bの下側部分65の中央領域に配置される。立ち上がり67はまた、容器内部の気体を排出することを容易にできると考えられる。別のそのような代表的な立ち上がり67が、複数の環状区画68として図13に示され、ここで、各環状区画68には開口69が設けられ、複数の開口69は、容器11f内部の気体を排出する経路を提供する。
【0060】
図4を参照すると、オーバーキャップ30はリブ33を含む。リブ33は、ほぼ平面のドーム部分31から外側に突出し、ドーム部分31とスカート32との物理的な接続部として作用する。通常、スカート32は、容器11の突出部17を係止して係合するフック形状を有する。リブ33は、スカート32をドーム部分31から分離し、ドーム部分31の外向きの変形(O)が、スカート33の内向きの変形(I)に変換されるように、片持ちヒンジとして作用する。この片持ちの動きにより、オーバーキャップ30を容器11により容易に適用でき、またこれは、内圧下で封止を有効に緊密にするように作用する。
【0061】
加えて、リブ33は、配送のために、後に続くオーバーキャップが積み重ねられることを可能にする。スカート32は、好ましくは、末端部近くに平坦な部分を有し、後に続くオーバーキャップが入れ子状に収まることを可能にする。更に、リブ33は、ドーム部分31から十分に離れて延在するので、密閉部18とオーバーキャップ30のドーム部分31との最大変形によって積み重ね体を崩すことなく、後に続くシステムが積み重ねられる。理論に束縛されるものではないが、下向きの負荷抵抗力はすべて、ドーム部分31全体ではなくリブ33にかかると考えられる。下向きの抵抗力をすべてリブ33にかけることによって、また、収容された製品によって発生する排気によって、密閉部18が外向きに拡張するのに対向する抵抗力から、密閉部18が容器11から保護される。
【0062】
図5のリブ33周囲の領域の分解図に示すように、ドーム部分31は、容器11の突出部17と対応して噛み合う。非限定例として、容器11は、開けた後、オーバーキャップ30を元に戻すことを必要とする。消費者は、リブ33の内縁部34が突出部17と接触するように、容器11の上にオーバーキャップ30を配置する。消費者は次に、スカート32に外向きの圧力と、ドーム部分31に下向きの圧力とを印加し、容器11の上部空間内に捕捉された外気の大半を吐出させる。図6に示すように、リブ33の内縁部34は、次いで、突出部17の上に完全に収まり、完全な封止を作り出す。非限定例では、突出部17は、本体14に垂直な線から−5°〜+5°変化する。内縁部34は、この変化に対して突出部17と接触するように、設計される。別の非限定例として、リブ33の内縁部34の全体的な移動は、4〜6mm幅の突出部17に対して、名目上3mmであると測定されている。突出部17が斜めに配置される場合、突出部17は、密閉部18を突出部17に対して封止して、接着させて取り付けるのに十分な表面を形成することが見出されている。
【0063】
加えて、リブ33の内縁部34は、密閉部18が定位置にあるか否かに関わらず、突出部17の汚染を有効に防ぎ、それによってより良好な封止を提供することができる。容器11内の圧力が、取り込まれた製品からの排気によって蓄積されると、オーバーキャップ30のドーム部分31は外向きに変形する。この外向きの変形により、リブ33の内縁部34は、突出部17に沿って、容器11の中央に向かって移動する。この内向きの動きによって、リブ33を介して抵抗力がスカート部分32に対する内向きの抵抗力に移動し、容器の壁面14と突出部17の外側部分に印加され、強化された封止が得られる。加えて、密閉部18を加圧することによるドーム31の顕著な変形によって、内縁部34が突出部17から離れ、排出された排気を、突出部17を越えてオーバーキャップ30の外に逃がすことができる。これにより、オーバーキャップ30の通気孔の必要性が軽減される。
【0064】
図9に示すように、オーバーキャップ30bの代替実施形態では、複数の入れ子状の円筒形構成を含む。換言すれば、この代替実施形態では、直径dを有するオーバーキャップ30bの基部は、ベース部分60を形成し、その上に、直径d−Δdを有するオーバーキャップ30bの上側部分62が配置される。オーバーキャップ30bの上側部分62は、その上に配置される環状突出部64を有することができる。オーバーキャップ30bの上側部分62上に配置される環状突出部64は、閉じた底部13の上に配置される環状リング42が、その上で係止可能に収まることができる形態を提供することができると考えられる。
【0065】
別の実施形態では、Δdを限定することが有利なことが見出されている。小さなΔdによって、オーバーキャップ30bの接続壁63が、突出部17に近接することができる。このように小さなΔdを提供することで、貯蔵及び配送中に、オーバーキャップ30上に配置される負荷によって付与される抵抗力を、取り付けられた容器に移動することが容易になり得る。
【0066】
図9a及び10に示すように、代替実施形態では、オーバーキャップ30bのベース部分60の内側表面は、その上に配置される環状の封止リング66を有することができる。環状の封止リング66は、意外にも、環状の封止リング66に対応する表面と容器11のフィニッシュ部分との噛み合いを容易にすることが見出された。このように表面を噛み合わせることで、両方の表面が接触したこと、並びに突出部17とオーバーキャップ30bの内側表面とが固く封止されたことを、聴覚で認識することができる。オーバーキャップ30bの意外な特徴は、最終消費者によって、過剰な大気ガスが容器11から「吐出」され、それによって存在する酸素量が低減される能力である。更に、ベース部分60の内側表面が、突出部17の少なくとも一部分と噛み合うので、ベース部分60の内側表面と突出部17とが重なり合うと考えられる。表面の対応する噛み合いを容易にするために、断続的な環状リング、複数の突出部、及びこれらの組み合わせを包含するがこれらに限定されない、環状の封止リング66のあらゆる構成を使用してもよいことを、当業者であれば理解するであろう。また、環状リング、複数の突出部、及び当業者には既知の他の突出部の形態の突出部69を提供することで、オーバーキャップ30bを容器に適用する前に、複数のオーバーキャップ30bを積み重ねる方法を提供できると考えられる。
【0067】
図9aに示すように、意外にも、オーバーキャップ30bの内側表面上に配置される複数の突出部68が、容器11上でオーバーキャップ30bを元に戻すことが容易になり得ることが見出された。このように、オーバーキャップ30bの内側表面上に配置される複数の突出部68は、容器11の上でオーバーキャップ30bを元に戻す間に、オーバーキャップ30bに印加される抵抗力の水平成分を、複数の突出部68を介して有効に移動することができ、それにより、複数の突出部68が、容器11の縁部上で有効に旋回し、最終的にオーバーキャップ30bの長手方向軸を容器11の長手方向軸と整列させることができると考えられる。更に、オーバーキャップ30bの内側表面上に配置される複数の突出部68はまた、オーバーキャップ30bに追加の構造的剛性を提供することができ、オーバーキャップ30b上に配置される負荷によって付与される抵抗力を、容器11に更に有効に移動することができる。複数の突出部68は、複数の球形、半球形、楕円形、四半円、及び多角形の突起、窪み、及びこれらの組み合わせを含み得ることを、当業者であれば理解するであろう。
【0068】
図13に示すような代替実施形態では、容器11fに、本体部分14の上に配置される、少なくとも1つの第2突出部74を設けることができる。このようにして、オーバーキャップ30cに、その上に配置される環状の封止リング66aを有する細長いスカート部分72を設けることができる。したがって、環状の封止リング66aは、第2突出部74に取外し可能に係合して、容器11fに対するオーバーキャップ30cのより良好な係合を提供することができる。理論に束縛されるものではないが、突出部17aを備える容器11fは、容器11f内部の真空及び/又は突出部17aの上に配置される負荷によって、軸76周りでの回転動作を示し、それにより、突出部17aがオーバーキャップ30cから離れるように動くと考えられる。したがって、軸76から離れて本体部分14に沿って第2突出部74を提供することで、より動きの少ない、オーバーキャップ30cと容器11fとの相互作用点を提供することができる。第2突出部74は、環状リング、複数の別個の突出部、又は複数の集合的な細長い突出部として設けることができる。細長いスカート部分72は、環状の突出部、又は集合的な環状の複数の分離可能な区分として提供することができる。更に、細長いスカート部分72は、本体部分14上に配置される第2突出部74に対するオーバーキャップ30cの取り付けを容易にするために、あらゆる長さで提供することができる。
【0069】
(コーヒーの包装)
本発明にしたがって、より新鮮な充填コーヒー製品を提供するために、挽かずに焙煎したコーヒーを包装する好ましい方法を、本明細書に詳述する。
【0070】
挽いていないコーヒー豆は、好ましくは、ブレンドされ、焙煎器に搬送され、そこで、熱風を使用して、所望の程度の香りが生じるまでコーヒーを焙煎する。熱風で焙煎されたコーヒーは、次に、空冷され、外部のごみが十分に取り除かれる。
【0071】
好ましいが非限定的な工程では、挽いていない焙煎コーヒーは、チャフの大きな欠片を破壊するために、挽く前に砕かれ、平均化(ブレンド)される。コーヒーは次に、製造される挽きのサイズの所望の粒度まで、挽かれ、切断される。挽かれたコーヒーは次に、好ましくは、グラインダヘッドの底部に接続されたノーマライザに入れられる。ノーマライザにおいて、挽かれたコーヒーは、好ましくはわずかに混合され、それによりコーヒーの外観が改善される。別の非限定的な工程では、コーヒーは、ノーマライザから出て、振動するスクリーンを通ってコーヒーの大きな欠片が除去される。
【0072】
挽かれたコーヒーは次に、好ましくは、充填機のサージホッパーに、続いて充填装置(充填機)に送られる。充填機は、コーヒーの所望の量をバケットに計量し、次いで、予め測定した量のコーヒーを、上記に詳述したように製造された容器に入れる。容器は次に、所望の対象とする重量を達成するために、好ましくは、追加の量のコーヒーを継ぎ足す。
【0073】
容器は次に、容器の上部空間から周囲酸素を取り除くために、好ましくは、不活性ガスにより清浄される。非限定的ではあるが好ましくは、不活性ガスは、窒素、二酸化炭素、及びアルゴンである。任意に、上述したような、且つ通常は包みの形態で存在する脱酸素剤を、容器内に包含して、遊離酸素又は酸素錯体を除去することができる。上述したような密閉部を容器の上に配置して、大気から内容物を有効に封止する。好ましくは、密閉部は、その上に配置された一方向弁を有する。上記に開示したオーバーキャップが、次に容器の上に適用されて、有効に密閉部を覆い、且つ容器の側壁隆起部に係止する。最終容器は次に、トレーに梱包され、収縮包装フィルムを掛けられ、配送のために1つにまとめられる。
【0074】
(鮮度)
得られる発明の包装システムは、包装を開けたときにより強い芳香を提供し、且つ包装システムを繰返し持続して開けるときに明確な長持ちする芳香の知覚を提供する、知覚できる更に新鮮に充填された、焙煎して挽いたコーヒーを、消費者に提供すると考えられる。理論に束縛されるものではないが、焙煎して挽いたコーヒーは、容器の内部及び密閉部を含むポリオレフィン化合物に吸着される、気体及び油を流出すると考えられる。密閉部を除去すると、ポリオレフィン化合物は次に、これらの吸着された気体及び油を発生して、封止された容器の上部空間内に戻す。発明の包装システムは、また、包装システム内に有害な芳香及び風味が浸透することを防止できるとも考えられる。したがって、本包装システムの構成は、本明細書に開示される製品における多くの使用に利益を提供するように、変更することができる。この目的のため、更に、包装システムは、様々な製品を収容するために使用することができ、更に本明細書で検討した利益を提供すると考えられる。
【0075】
出願人は、本製品によって提供される驚くべき芳香の効果を、無制約の特徴付けである、物品の「全体的なコーヒー芳香値」という用語で特徴付ける。出願人はまた、対照物品(後述するような従来技術の金属缶)に対する芳香の効果を特徴付ける。このような特徴付けは、本明細書では、物品の「コーヒー芳香値の差」と称される。全体的なコーヒー芳香値及びコーヒー芳香値の差の測定方法は、試験方法の項で詳細に後述する。
【0076】
製品は、少なくとも約5.5の全体的なコーヒー芳香値を有する。好ましくは、物品は、少なくとも約6、より好ましくは少なくとも約6.5、更により好ましくは少なくとも約7、更により好ましくは少なくとも約7.5の全体的なコーヒー芳香値を有する。
【0077】
好ましくは、本発明の製品は、少なくとも約1.0、より好ましくは少なくとも約2.0、最も好ましくは少なくとも約2.8のコーヒー芳香値の差を有する。
【0078】
(試験方法)
試験容器及び既存の業界で標準的な金属製容器(対照容器)には、上述のように準備し、試験前に120日間保存した、同一の新鮮な焙煎して挽いたコーヒー製品を充填する。試験直前に、容器を空にし、ペーパータオルで拭いて、余分な焙煎して挽いたコーヒー製品を取り除く。次に、平衡化するために、試験前に、各容器にキャップを嵌め、直立させる。試験中、使用される各容器を、1時間間隔で、同様に準備したが未使用の別の容器と交換する。対照容器は、標準的な603の、スズめっきを施した、1.36kg(3ポンド)の真空充填の鋼製缶である。
【0079】
個々の官能試験員は、知覚適正検査の一部として、様々な標準的知覚方法を使用して、臭いの識別能力を審査された。官能試験員は、芳香に関してセンソニクス社(Sensonics,Inc.)が開発した総嗅覚鋭敏度適性検査(国際版)を用いて、芳香識別能力を評価された。この試験方法は、「擦って嗅ぐ(scratch and sniff)」ことで芳香をうまく識別する能力のある官能試験員を必要とする。
【0080】
40人の合格した有資格の官能試験員は、次に目隠しをして、それぞれ、試験容器及び対照容器を評価する。目隠しをした官能試験員は、それぞれ、第1の容器(試験容器又は対照容器のいずれか)を嗅ぎ、芳香なし(1)〜多くの芳香あり(9)を基準として、1〜9点の基準(整数のみ)で芳香を評定する。短い休息期間の後、目隠しをした官能試験員は、第2の容器を評価する。官能試験員は、全体的な芳香の範囲を、同じ評定システムを用いて評価する。
【0081】
次に、全体的なコーヒー芳香値の試験結果を集計し、統計的に評価する。スチューデントのT検定に基づく標準偏差を、95%の信頼区間で計算し、試験した2つの製品の平均値の間のどこに、統計的な有意差が生じたかを観察する。焙煎して挽いたコーヒーの既存の包装方法を用いた、代表的な、統計的に調整した「盲検」パネルの結果を、以下のように表3に集計する。
【0082】
【表3】
【0083】
この試験パネルに基づいて、意外にも、本発明の製品が、知覚される「より新鮮な」焙煎して挽いたコーヒーの最終製品を消費者に提供することが見出された。全体的なコーヒーの芳香における改善は、対照試料の調整パネル値4.5から、発明の物品の調整パネル値7.3まで向上し、2.8の調整値の差が得られた。
【0084】
本発明の特定の実施形態を説明し記載してきたものの、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、多様な変更及び修正を行ってもよいことが、当業者には明白であろう。更に、本発明の範囲は、上記に説明し記載した実施形態の多様な特徴の置き換えをも包含することが、当業者には理解されるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の範囲内にあるすべてのそのような修正に及ぶものとする。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明による新鮮充填システムの好ましい一実施形態の組立て分解斜視図。
【図2】新鮮充填システムの代替実施形態の組立て分解斜視図。
【図3】新鮮充填システムの代表的な密閉部及び一方向弁アセンブリの断面図。
【図4】新鮮充填システムの代表的なオーバーキャップアセンブリの断面図。
【図5】適用位置にあるオーバーキャップの図4において符号5で示した領域の拡大断面図。
【図6】拡張位置にあるオーバーキャップの図4において符号5で示した領域の拡大断面図。
【図7】新鮮充填システムの代替実施形態の正面図。
【図7A】図7の実施形態の底面図。
【図8】新鮮充填システムの代替実施形態の斜視図。
【図8a】新鮮充填システムの代替実施形態の斜視図。
【図9】新鮮充填システムで使用されるオーバーキャップの代替代表例の等角図。
【図9a】図9のオーバーキャップの代替代表例の底面図。
【図10】新鮮包装システムと接触している図9において符号10で示した領域の断面図。
【図11】新鮮包装システムの代替実施形態の斜視図。
【図12】線12−12に沿った図11の断面図。
【図13】新鮮充填システム用の別の代表的なオーバーキャップアセンブリの断面図。
【技術分野】
【0001】
本発明は、焙煎して挽きたてのコーヒーを充填するのに有用な包装システムに関する。本発明は更に、焙煎して挽きたてのコーヒーを運搬するための、プラスチックの質量単位当りの強度が向上した、より便利で軽量の容器にも関する。
【背景技術】
【0002】
焙煎して挽いたコーヒーなどの粒子状の製品を、加圧下で収容する円筒形の缶などの包装は、本発明の適用可能な様々な物品の代表例である。焙煎して挽きたてのコーヒーが、特に焙煎及び粉砕プロセス後に、かなりの量の油及び二酸化炭素などの気体を発生することは、当該技術分野において周知である。したがって、焙煎して挽いたコーヒーは、通常、これらの揮発性の天然産物のガス発生を最大限に除くために、最終的な充填前には保存容器内に保持される。完成コーヒー製品は、その後、包装に入れられて真空充填工程を施される。
【0003】
最終コーヒー製品を真空充填することにより、包装の上部空間にある酸素の量が低減される。酸素反応は、コーヒーの鮮度を損なう主要因であるため、このことは有益である。業界で使用される一般的な包装は、円筒形で、スズめっきを施した鋼製の貯蔵缶である。コーヒーは、最初に焙煎され、次に挽かれ、その後、ほとんどの家庭において一般的な缶切りで開けられなければならない缶の中に、真空充填される。
【0004】
コーヒーは、排気プロセスを完全に行う貯蔵を必要としないため、焙煎して挽いた直後にコーヒーを充填することにより、プロセスが大幅に節約される。また、排気製品は、通常、所望の揮発性及び半揮発性の芳香族化合物を大量に含有し、これが、容易に揮発して、コーヒーを飲むプロセスにおける完全な利益を消費者が享受する妨げになる。更に、これらの芳香族化合物が失われることにより、標準的な容器内で放出されることができなくなり、そのため、焙煎して挽きたてのコーヒーの香りが放出される快さを、消費者が完全に享受する妨げとなる。この揮発性化合物の香りの放出は、真空充填包装よりも加圧包装において、更により知覚することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、標準的な重い缶の代わりに、より軽量で、より新鮮な充填を施し、より容易な開封で、封止が可剥性であり、且つ「吐出可能な(burpable)」密閉部を提供する、焙煎して挽いたコーヒーの手持ち部分付き包装を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、焙煎して挽いたコーヒーのための新鮮包装システムに関する。
【0007】
本発明はまた、焙煎して挽いたコーヒーのための新鮮包装システムを用いてコーヒーを充填する方法にも関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、焙煎して挽いたコーヒーのための新鮮包装システムに関する。包装システムは、閉じた底部、及び開いた頂部、並びに底部と頂部との間に閉じられた周辺部を有する本体を含む容器を含み、頂部、底部、及び本体が、共に内容積を画成する。可撓性密閉部が、頂部に近接して本体の周辺部の周りに配置された突出部に対して取外し可能に取り付けられ、これを封止する。容器の底部及び本体は、少なくとも約241Mpa(1平方インチ当り35,000ポンド(2,381気圧))から少なくとも約4481MPa(1平方インチ当り650,000ポンド(44,230気圧))の範囲の引張り係数を有する材料から作成され、少なくとも約7.3Kg(16ポンド)の最高負荷容量を提供する。
【0009】
本発明は、より一般的には、本発明の容器を用いてコーヒーを充填する方法に関する。方法の工程は、上述の容器システムに焙煎して挽いたコーヒーを充填し、容器を不活性ガスで洗浄し、また、容器を可撓性密閉部で封止することを包含する。
【0010】
本発明はまた、最終消費者に有益なコーヒーの芳香特性を提供する製品にも関する。物品は、閉じた底部、開いた頂部、並びに、内容積を共に画成する前記底部と前記頂部との間に閉じられた周辺部を形成するポリオレフィン本体を含む。本体は、頂部に近接して本体の周辺部の周りに連続的に配置された突出部を包含する。可撓性密閉部は、突出部と共に封止を形成するように、突出部に取外し可能に取り付けられる。焙煎して挽いたコーヒーは、内容積の中に収容され、製品は、全体として少なくとも約5.5のコーヒー芳香値を有する。(全体的なコーヒー芳香値を測定する方法は、試験方法の項で後述する。)
本発明、発明の方法、及び製品の目的は、消費者に有用な利益を提供することであり、焙煎して挽いたコーヒーに、知覚されるより新鮮で香りの良い風味を提供することを包含するが、これに限定されない。本発明のそのような容器システムはまた、焙煎して挽いたコーヒーを最終消費者に、使用が容易で低コストの手段も提供する。
【0011】
任意ではあるが、容器はその上に配置された手持ち要素を有することが好ましい。より好ましくは、手持ち要素は容器の本体と一体となっている。この手持ち要素は、最終消費者が容器システムを把持することを容易にする。この把持は、手の小さい消費者や、病気、疾患、又は他の疾病のために手の力が弱くなっている消費者にとって、特に有用である。
【0012】
任意ではあるが、好ましくは、本発明は、焙煎して挽いたコーヒーの自然な排気プロセスによって容器内に蓄積された過剰な圧力を放出するための、密閉部内に配置された一方向弁を特徴とする。外部温度及び高度の変化もまた、容器内部で圧力が発生する原因になり得るとも考えられている。一方向弁は、予め定められた量を越えるコーヒー排気を放出するが、そのような放出の後に封止されたままであり、それによって、容器内の排気された製品における香りの良い快さを保持するように選択される。
【0013】
別の任意ではあるが好ましい本発明の特徴は、密閉部の上に配置されたオーバーキャップである。オーバーキャップは、容器内に蓄積された圧力によって、密閉部に正方向で外向きの変形をもたらすことができる、ドーム、又は空洞を含むことができる。オーバーキャップは、密閉部の有無に関わらず製造中に、また最終消費者によって、最終消費者が密閉部を取外した後に、容易に適用できるように気密性且つ可撓性なのが好ましい。可撓性オーバーキャップはまた、最終消費者が、ドームを圧縮することによって過剰な空気を取り除き、それによって既に開けられた容器から過剰な外気を放出(吐出)できるようにする。しかしながら、オーバーキャップは、より低い可撓性を示すか、又は不撓性であることもできる。オーバーキャップはまた、最終消費者が容器を開けた後に、容器のリムに対して密封を提供する。この密封は、適用後のオーバーキャップの望ましくない吐出物につながるリムの汚染を防ぐ。オーバーキャップは、任意に、密閉部及びオーバーキャップのドーム部分の変形が最大のときに、複数の容器の実施形態が積み重ねられるようにすることもできる。オーバーキャップはまた、任意に、密閉部とオーバーキャップアセンブリとの間に閉じ込められた、吐出された気体産生物を容易に取り除くことができるにも関わらず、「吐出」可能な、通気孔を有する。
【0014】
好ましい一実施形態では、オーバーキャップは、内側ドーム部分と外側スカート部分とを画成する、オーバーキャップの周辺部に近接し、且つこれに沿って配置された、リブを有することができる。リブは、ヒンジ様の構造体を形成し、そのため、コーヒーの排気による密閉部の変形によって生じる内側ドーム部分の外向きの変形により、リブが、スカート部分に対するカンチレバーとして作用する。したがって、ドーム部分の外向きの変形により、容器壁面の外側部分の上でスカート部分が内向きに変形し、封止特性が改善され、容器に対するオーバーキャップの保持力が改善される。
【0015】
(容器)
図1を参照すると、新鮮包装システム10は、通常、化合物、例えばポリオレフィンから作成された容器11を含む。本発明を製造するのに使用できる、代表的且つ非限定的な化合物及びポリオレフィン類としては、ポリカーボネート、線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、これらのコポリマー類、及びこれらの組み合わせが挙げられる。本発明の容器11は、多数の形状をとることができ、また多数の好適な材料から作成できることを、当業者であれば理解すべきである。容器11は、通常、開いた頂部12、閉じた底部13、及び本体部分14を含む。開いた頂部12、閉じた底部13、及び本体部分14は、製品が収容される内容積を画成する。また、閉じた底部13及び本体部分14は、少なくとも約241MPa(1平方インチ当り35,000ポンド(2,381気圧))から少なくとも約4481MPa(1平方インチ当り650,000ポンド(44,230気圧))の範囲、より好ましくは少なくとも約276MPa(1平方インチ当り40,000ポンド(2,721気圧))から少なくとも約1793MPa(1平方インチ当り260,000ポンド(17,692気圧))、最も好ましくは少なくとも約655MPa(1平方インチ当り95,000ポンド(6,464気圧))から少なくとも約1034MPa(1平方インチ当り150,000ポンド(10,207気圧))の範囲の引張り係数を有する材料から形成される。引張り係数は、弾性変形中の(即ち降伏点までの)応力対ひずみの比として定義される。これは、所定の量まで材料を変形させるのに必要な抵抗力の基準であり、したがって、材料固有の硬さの基準である。
【0016】
底部13は、内容積の中で上昇する圧力による望ましくない変形が最小限になるように、内容積に向かって内向きにへこむか、又は窪んで配置されることが好ましい。底部13が外側に大きく拡張すると、底部13に外向きのへこみが生じ、容器11が、当該技術分野において一般に「舟底(rocker bottom)」と称されるようなものになる。即ち、底部13が外向きに変形し、容器システム10が平坦面上に置いたときに安定しなくなる場合、新鮮包装システム10は前後に揺れやすくなる。
【0017】
図7Aに示すように、複数の突出部40を、容器11の長手方向軸の周りで、容器11の閉じた底部13の上に配置することができる。好ましい一実施形態では、突出部40は、容器11の閉じた底部13に対して斜角を形成する。容器11が円筒形状である場合、突出部40は、容器11の閉じた底部13の直径の周りに、方形に配置することができると考えられる。しかしながら、当業者であれば、突出部40は、容器11の閉じた底部13の上にあらゆる幾何学的構成で配置できることを、理解するであろう。理論に束縛されるものではないが、突出部40は、容器11の外向きに変形した閉じた底部13の上で、容器11の閉じた底部13の形状を越えて突出できると考えられる。このようにして、容器11内から外向きの圧力が発生して「舟底」が作られた場合に、容器11は、他の表面との安定した関係を維持できる。好ましい実施形態では、閉じた底部13の上に配置された4つの突出部40を使用するが、当業者であれば、閉じた底部13が外向きに変形している際に安定した構造体を得るために、実質上あらゆる数の突出部40を閉じた底部13の上に配置できることを、理解すべきである。更に、突出部40は、四角形、三角形、楕円形、四葉形(quad-lobe)、星形、台形、複数のネスト状部分をもつ構成、閉じた底部13の周りの環状リングに設けたもの、及びこれらの組み合わせであることができる。
【0018】
再び図7Aを参照すると、環状リング42、又は不連続な幾何学形体を包含するあらゆる他の隆起した形状を、容器11の閉じた底部13の上に配置することができる。環状リング42は、容器11の複数の実施形態が、容易に入れ子にされる又は積み重ねられるような寸法にすることができる。換言すれば、環状リング42は、容器11を、その前の又はその下にある容器11のオーバーキャップ30上に続けて積み重ねられるように、設計することができる。理論に束縛されるものではないが、容器11の閉じた底部13の上に配置された環状リング42を使用して、容易に入れ子になるようにすることで、構造的な安定性が向上する。
【0019】
また、容器11の閉じた底部13は、当業者には四葉形又は星形として既知のものに設計することができると考えられる。やはり理論に束縛されるものではないが、そのような四葉形又は星形の設計により、容器11内で発生した内部圧力によって容器11の閉じた底部13が変形することに対する抵抗力が向上すると考えられる。
【0020】
再び図1を参照すると、容器11は、実質的に平滑な側面を有する円筒形状であることができる。手持ち部分15は、容器本体部分14に適切な位置で個々に形成される。複数の滑り止めストリップ16を、手持ち部分15内に予め定められた間隔で形成することができる。手持ち部分15は、当業者には既知のように形成され、最も有効な位置に把持表面を提供して、手の小さい消費者、若しくは怪我又は疾病で衰弱した消費者が、最小限の力で容器部分11を把持できるようにする。更に、容器11は、上述の構成によって、手で容易に把持することができる。加えて、容器11は、容器11の開放端に、リム様の構造体の形態である突出部17を有することができる。突出部17は、密閉部18が取外し可能に取り付けられる表面を提供し、またオーバーキャップ30のスカート部分32に対する係止表面を提供することができる。
【0021】
図2に示すような代替実施形態では、容器11aは、実質的に平滑な側面を有する平行六面体形状である。手持ち部分15aは、それぞれ容器本体部分14aに適切な位置で個々に形成される。複数の把持突出部16aが、手持ち部分15a内に予め定められた間隔で形成される。対応する密閉部18a及びオーバーキャップ30aは、当業者には既知のように、容器11aに嵌合される。
【0022】
代替実施形態では、図7に示すように、手持ち部分15aは好ましくは対称であることができる。理論に束縛されるものではないが、対称的な手持ち部分15bは、容器11b内からの圧力が上昇した際に、手持ち部分15bが反転するのを防止できると考えられる。対称的に組み込まれた手持ち部分15bは、手持ち部分15b全体にわたって、容器11内で発生した内部圧力を均一に分布させると考えられる。
【0023】
図7の代替実施形態にも示されるように、手持ち部分15bのすべての部分は、容器11bの長手方向軸に平行か、又は容器11bの長手芳香軸に垂直に設けられる。理論に束縛されるものではないが、手持ち部分15bのすべての構成要素部分が容器11bの長手方向軸に平行又は垂直になるように配置された手持ち部分15bは、容器11b内で発生した内部圧力による、曲げ抵抗力に影響を受けにくくなり得ると考えられる。このことは、容器11bの内部で生成された圧力による、容器の壊滅的な破損を防止する助けとなり得る。
【0024】
更に、容器11bの本体部分14bに対して窪んだ構成の手持ち部分15bを有する容器11bを提供することにより、最終消費者が、より少ない力で容器11bの手持ち部分15bをしっかり把持し続けることができる。加えて、窪んだ手持ち部分15bは、最終消費者が、容器11bの外側部分に外部からの抵抗力を与え、それによって容器11bに壊滅的な破損又は変形が生じることを防ぐ助けとなり得る。
【0025】
再び図1を参照すると、容器11は、プラスチックの質量単位当りの、優れた最高負荷強度をもたらす。本発明により、充填してキャップを被せた容器は、下側にある容器が潰れる又は変形する心配なしに、互いに安全に積み重ねることができる。多くの場合、容器はパレットに載せられ、そのため、複数の容器が列を成して積み重ねられて立方体形状をとる。それぞれ約13.6Kg(30ポンド)の重量になる60ケースの整列で、パレット上に載置することができる。特定の例では、これらのパレットは互いに積み重ねることができる。最も下にある容器は、非常に大きな縦抵抗力を受けることが理解されよう。従来、ポリマー製の容器は、そのような高い縦抵抗力に耐えることができない。したがって、この積み重ね状態が潰れる又は歪むのを避けるために、各容器の最高負荷抵抗は、容器が周囲温度及び圧力環境にあるときに、少なくとも約7.3kg(16ポンド)でなければならない。より好ましくは、各容器は、本発明にしたがって、少なくとも約21.8kg(48ポンド)の最高負荷抵抗を示さなければならない。
【0026】
本発明では、最高負荷抵抗は、0.381mm(0.015インチ)超過の容器の長手方向軸に平行な変形が生じる前に、空の容器が支持できる抵抗力の量である。非限定例として、平均全体質量39グラム、平均内容積約950立方センチメートル、平均壁面厚さ約0.762mm(0.030インチ)、及び平均直径約100ミリメートルを有する積層構造体(以下に詳述する)を含む円筒形容器は、容器上に7.3kg(16ポンド)の負荷が掛けられた場合、容器が長手方向軸に平行な方向に0.381mm(0.015インチ)を越えて変形したときに、7.3kg(16ポンド)超過の最高負荷抵抗を有さないと考えられる。当業者には既知のように、最高負荷抵抗は、インストロン社(Instron,Inc.)(マサチューセッツ州カントン(Canton))製のインストロン(Instron)、モデル550R1122などの、好適な装置を用いて測定できる。インストロン(Instron)は、453kg(1000ポンド)のロードセルによる圧縮構成及び2.54cm/分(1.0インチ/分)のクロスヘッド速度で、操作される。負荷は、対象となる容器の直径よりも大きい圧盤を介して容器に印加される。
【0027】
図7に示すように、容器11bの本体部分14bは、その中に配置される少なくとも1つの変形領域43を有して、容器11b内部の圧力又は容器11bに付与される抵抗力による圧力のいずれかによる、容器11bの変形を分離することができる。図に示すように、少なくとも1つの変形領域43は、通常、円筒形の壁面で画成される容器11b直線的な領域を画成することができる。しかしながら、本体部分14bに組み込まれた少なくとも1つの変形領域43は、いずれかの多角形、円形、又は不均一な形状など、あらゆる幾何学形状をとることができることが、当業者には理解されよう。理論に束縛されるものではないが、全体にわたって壁の厚さが均一な完全な円筒形の容器11bは、容器11b内部又は容器11b外部から付与される圧力による圧縮に耐えると考えられる。しかしながら、理論に束縛されるものではないが、印加される抵抗力が完全な円筒形の容器11bの容器壁面の強度を越えた場合、変形が、望ましくない窪み又は歪みとして現れると考えられる。完全な円筒形の容器11bに現れる、壁面厚さの差、又は手持ち部分15bなどとしての特徴の形態における差などの、何らかの不均一性によって、容器11bの外部領域と容器11bの内部領域との間に圧力差があるときに、壊滅的な破損が生じ得る。
【0028】
しかしながら、少なくとも1つの変形領域43を組み込むことによって、容器11bの本体部分14b内で屈曲が生じると考えられる。したがって、本体部分14bは、壊滅的な破損を起こすことなく均一に変形し、窪みなどの望ましくない物理的及び/又は視覚的効果に抵抗することができると考えられる。換言すれば、内部、又は外部圧力によって、容器11bに生じる容積の変化は、容器11bの最終的な容積を変化させるように働いて、圧力差、即ち容器壁面に作用する抵抗力を低減させる。また、理論に束縛されるものではないが、固体又は液体、若しくは他のあらゆる実質的に非圧縮性の材料を組み込むことによって、少なくとも1つの変形領域43における内向きの変形に対して、大きな抵抗がもたらされると考えられる。例えば、焙煎して挽いたコーヒーなどの粉末を包含することによって、少なくとも1つの変形領域43における内向きの変形に対する抵抗をもたらすことができ、したがって、少なくとも1つの変形領域43は、容器11bの長手方向軸に実質的に平行のままであることができ、それにより、容器11bの最高負荷能力が有効に上昇する。可剥性の積層体封止も、外部圧力の変化によって変形し、容器に対する圧力負荷を低減させる。
【0029】
非限定的ではあるが、好ましい一実施形態では、容器11bは、方形のパネルの形態で示される、少なくとも1つの変形領域43を有する。パネルは、容器11bの半径よりも大きな半径を有する。パネルは、変形に対する抵抗が、方形パネルに近接する容器11bの領域よりも低くなるように設計される。したがって、パネルが示すあらゆる動きは、容器11bの他のあらゆる部分に対してではなく、パネルに対して分離される。
【0030】
図1に示すように、理論に束縛されるものではないが、基部の容積の変化に適合することによって容器11が真空下で圧縮され、容器11の最高負荷能力を改善できるように、十分に調和しているべきであると考えられる。しかしながら、調和は、当業者が既知であるような実用可能な程度に小さいものであるべきであるとも考えられる。
【0031】
図7に示すように、容器11bの本体部分14bは、そこに組み込まれた少なくとも1つのリブ45も有することができる。少なくとも1つのリブ45は、少なくとも1つのパネル43が内向き又は外向きに変形する際に、少なくとも1つのパネル43の回転する動きを容易にするために、少なくとも1つのリブ45を容器の11bの長手方向軸に平行に、且つ少なくとも1つのパネル43に近接して配置することによって、少なくとも1つのパネル43の動きを有効に分離して管理する助けとなり得ると考えられる。更に、少なくとも1つのリブ45はまた、少なくとも最高負荷強度を追加することにおいて、容器11bの追加の構造的安定性も提供できると考えられる。換言すれば、少なくとも1つのリブ45は、容器11bが、容器11bの上に追加の容器又は他の物体を配置することによる、追加の圧力に耐える能力を向上させることができる。当業者であれば、容器11bにそのような追加の構造的安定性を適切に達成するために必要な、少なくとも1つのリブ45の配置、高さ、幅、深さ、及び幾何学形状を決定することができるであろう。更に、少なくとも1つのリブ45を、容器11bの長手方向軸に平行に、容器11bの水平軸の周りに環状に、又は線状又は環状のいずれかの断続的な設計で、容器11b上に配置して、容器11bの表面全体にわたって複数のパネルが見えるようにできることが、当業者には理解されよう。
【0032】
加えて、容器11bは、通常、そこに組み込まれた仕上げ46を有することができる。好ましい一実施形態では、仕上げ46は、容器11bに追加の周方向強度を提供することができ、且つ意外にも、消費者がオーバーキャップ30を取り除く助けとなる指用の竪穴(well)44を提供することができる、環状の設計である。更に、当業者であれば、更なる最高負荷に耐える追加の能力の形態で容器11bに更なる強度を提供するために、仕上げ46にリブ47を追加することが可能である。好ましい一実施形態では、リブ47は、容器11bの水平軸に平行に、且つ仕上げ46に垂直に配置される。
【0033】
図11及び12を参照すると、本体部分14から少なくとも実質的に外向きであって、且つ容器11eの長手方向軸に実質的に垂直な突出部17aが設けられた容器11eは、突出部17aと本体部分14との境界面に近接した接合部80において、容器11e内部の真空によって生じる、より少ない構造的な誘導応力を有することができる。理論に束縛されるものではないが、外向きの突出部17aに付与されるそのような力は、本体部分14に対する突出部17の曲率半径を増大させ、それにより、容器11eにおける全体的な真空誘導応力が低減されると考えられる。真空誘導応力を低減させることで、全体的な壁の厚さがより薄い容器11eを容易に製造することができる。
【0034】
加えて、垂直静荷重(TL)が、突出部17aではなく本体部分14を介して移動されるように、容器11eに、少なくとも実質的に外向きの突出部17aを設けることが望ましい場合がある。理論に束縛されるものではないが、容器11eの上に置かれる荷重(TL)によって付与される応力を、突出部17aではなく本体部分14を介して移動させることにより、突出部17aと本体部分14との接合部80における全体的な応力を低減できると考えられる。接合部80におけるこの応力の低減により、全体的な壁の厚さがより薄い容器11eを容易に製造することができる。
【0035】
更に、容器11eを、負荷によって付与される応力を突出部17aではなく本体部分14に実質的に向けることができる、オーバーキャップ(図示せず)と組み合わせることができる。片持ち突出部17aの変形が制限されるため、そのようなオーバーキャップ(図示せず)が上に配置された容器11eの上に置かれる負荷によって生じる、接合部80におけるあらゆる応力は、低減され得ると考えられる。このことにより、接合部80における応力の集中を低下させることができる。
【0036】
再び図1を参照すると、容器11は、好ましくはポリオレフィン化合物を吹込み成形して製造される。例えばポリエチレン及びポリプロピレンは、食物と接触するのに好適で、且つ優れた水蒸気バリアを提供する比較的低コストの樹脂である。しかしながら、これらの材料は、長い貯蔵寿命を必要とする酸素感応性の食物を包装するのには好適でないことが、当該技術分野において既知である。非限定例として、エチレンビニルアルコール(EVOH)は、そのような優れたバリアを提供することができる。したがって、2層以上のポリオレフィン層に挟まれたEVOHの薄層が、この問題を解決することができる。したがって、使用される各樹脂に対して追加の押出成形機を組み込むことにより、吹込み成形プロセスを多層構造体に使用することができる。加えて、本発明の容器は、射出成形及び延伸吹込み成形を包含する、他の代表的な方法を用いて製造することができる。
【0037】
本発明による好ましい一実施形態では、図1の容器11、図2の容器11a、及び図7の容器11bは、水分の影響から酸素バリア層を保護するために、多層構造体から吹込み成形することができる。好ましい一実施形態では、この多層構造体は、構造体のバルクである比較的安価な材料を使用することによって、経済的な構造体を製造するのに使用することができる。
【0038】
本発明の容器を製造するのに使用される多層構造体の別の代表的な非限定例は、未使用ポリオレフィン材料を含む内層を包含する。その外側にある層は、「リグラインド」層として当業者には既知の、再生容器材料を含む。その次の層は、接着剤の薄層、バリア層、及びバリア層を容器に結合する別の接着剤層を含む。最も外側の層は、未使用ポリオレフィン材料の別の層を含むことができる。
【0039】
本発明の容器を製造するのに使用される多層構造体の更なる代表的な非限定例は、未使用ポリオレフィン材料を含む内層を包含する。次の層は、接着剤の薄層、バリア層、及びバリア層を容器に結合する別の接着剤層を含む。その外側にある層は、「リグラインド」層として当業者には既知の、再生容器材料を含む。最も外側の層は、未使用ポリオレフィン材料の別の層を含むことができる。いずれの場合も、ポリオレフィン類、接着剤及びバリアなどの、他の可能な化合物又は化合物の組み合わせを使用できることを、当業者であれば理解するべきである。更に、多層構造体のいずれかの層の中又はその上に、脱酸素剤を組み込んで、形成された容器の中にある酸素錯体又は遊離酸素を除去することができる。そのような脱酸素剤としては、脱酸素ポリマー、錯体化した又はしていない金属イオン、無機粉末及び/又は塩、並びにこれらの組み合わせ、及び/又は、重縮合、エステル交換、アミノ基転移、及びプロセス中に遊離酸素が消費される同様の移行反応に入り込むことができるあらゆる化合物が挙げられる。
【0040】
容器の作成における他のそのような材料及びプロセスは、ワイリー包装技術百科事典(The Wiley Encyclopedia of Packaging Technology)、ワイリー・アンド・サンズ(Wiley & Sons)(1986年)に詳述されており、これを参考として本明細書に組み込む。好ましくは、容器11、11a、及び11bの内層は、高密度ポリエチレン(HDPE)から作成される。
【0041】
本発明による好ましいポリオレフィンの吹込み成形容器は、図1及び7の円形の容器、又は図2の平行六面体(paralellpiped)の容器に関して、理想的な最小包装重量を有することができ、更に、本発明の目標を達成するのに必要な最高負荷特性を提供することができる。本発明にしたがった十分な構造的剛性を提供する、代表的な材料(低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)及びポリエチレンテレフタレート(PET))及びこれらの化合物の出発質量を、次の表1に詳細に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
意外にも、製品を充填して封止し、最終製品を収容した、本発明にしたがった容器は、同じ重量の出発化合物に対して、向上した特性を有することが見出された。これにより、本発明にしたがって、より少ない出発物質を使用して、最高負荷値を提供することができるという利益がもたらされる。本発明にしたがって、充填して封止した容器の必要な構造的剛性を提供する、代表的な材料及び化合物(LDPE、HDPE、及びPET)の出発質量を、表2に詳細に示す。
【0044】
【表2】
【0045】
再び図1を参照すると、容器11の開放端に配置されるリム様の構造の形態である突出部17は、その上に配置される非平坦化表面を有してもよい。突出部17上の非平坦化表面は、突出部、環状機構、及び/又は平行線模様の形態の、隆起した表面を含んで、取外し可能な密閉部19のより良好な封止を容易にすることができる。代表的ではあるが非限定的な環状機構は、突出部17の封止表面から突出する、単一のビーズ又は同心の環である一連のビーズを包含してもよい。理論に束縛されるものではないが、突出部17上の非平坦化表面によって、封止プロセス中に、より均一な、及び/又はより集中した圧力を印加することができる。非平坦化表面は、容器11の製造中において、成型、微調整、配送プロセスなどの間にもたらされる何らかの不規則性により、突出部17と取外し可能な密閉部19との間の向上した封止能力を提供することができる。
【0046】
(取外し可能な密閉部)
再び図1を参照すると、新鮮包装システム10は、積層された密閉部18、容器11に取外し可能に取り付けられ封止された可剥性封止部19を含む。可剥性の封止部19は、全体が参照番号20で示される、その下に脱気弁が適用された穴を有する。一方向弁20は、可剥性封止部19に熱溶接又は接着することができる。
【0047】
図3による好ましい一実施形態では、可剥性封止部19の内側から可剥性封止部19の外側までは積層体であり、順に、ポリエチレンなどの内側フィルム21、金属化シート、好ましくは金属化PET、金属化PE、又はアルミニウムなどのバリア層22、並びにPETなどのプラスチックの外側フィルム23を含む。内側フィルム21は、好ましくは、容器11の外層と同じ材料から形成される。したがって、内側フィルム21は、好ましくはポリオレフィン、より好ましくはポリエチレン(PE)である。プラスチックの外側フィルム23は、好ましくは、ポリエステルなどの材料から製造される。しかしながら、当業者であれば、箔密閉部などの他の材料、並びに他の伸縮性及び非伸縮性の層構造体を使用することができ、それでもやはり本発明の範囲内にあることを、理解するであろう。加えて、前述したような脱酸素剤を、遊離酸素又は酸素錯体を除去するために、可剥性封止部19のいずれかの層の中又はその上に組み込むことができる。
【0048】
内側フィルム21及びバリア層22の両方は、図3に示すように、好ましくは、切断、目打ち、又は打抜きなどを用いて穿孔されて、フロー開口24を形成する。出口開口の上の領域では、外側フィルム23は、バリア層22に積層されないので、長手方向のチャネル25が形成される。チャネル25は、製造中に、チャネル25が密閉部18の縁部まで延在するように、積層体の全幅に延在する。
【0049】
結果として、外側フィルム23及び出口開口24の非積層領域を用いて、非常に簡便且つ安価な一方向弁20が形成される。容器11内の内容物によって生成される気体は、弁20を通って周囲環境に流出してもよい。容器11内に過剰な圧力が存在するので、また外側フィルム23は通常、内圧によってバリア層22に付着又は少なくとも緊密に接しているので、酸素などの不必要な気体が、容器11内に流入して内容物を酸化させることを防ぐ。したがって、外側フィルム23は、気体を放出するために、充填の際に内部の気体圧によって持ち上げられるべき膜として作用する。一方向弁20は、容器11内で発生する圧力に応答することが好ましい。この圧力は、1kPa(10ミリバール)を越えることができ、好ましくは1.5kPa(15ミリバール)を越え、より好ましくは2kPa(20ミリバール)を越え、最も好ましくは3kPa(30ミリバール)を越える。
【0050】
加えて、少量の液体をチャネル25内に充填することができる。この液体は、水、シロキサン系の油、又は、製品の使用前に油が悪臭を放つようになることを防ぐために添加剤で処理した油であることができる。容器11から内部の排気を放出させるための圧力は、チャネル25内の液体の粘度を変えることによって、調整することができる。
【0051】
代替であるが非限定的な実施形態では、一方向脱気弁は、バルブ本体、機械的バルブ要素、及び、米国特許第5,515,994号に記載の選択的なフィルタを含むことができ、この特許を本明細書に参考として組み込む。
【0052】
図1に戻ると、密閉部18は、好ましくは、容器11のリム(突出部)17に沿って容器11に封止される。好ましいが非限定的な封止方法は、圧力及び熱を、密閉部材料及び容器のリムを介して印加して、溶融結合を生じさせる、溶銑プレートを組み込む熱封止方法を包含する。達成される剥離強度は、通常、印加された圧力、温度、及び封止プロセスに留まる時間の結果である。しかしながら、リム17上に配置される複数の環状封止ビーズを包含するがこれに限定されない、他の種類の封止及び封止方法を使用して、十分且つ有効な封止強度をもつ結合を達成できることが、当業者には既知であろう。
【0053】
あるいは、突出部17が、本体部分14から少なくとも実質的に外向きの配向で、且つ容器10の長手方向軸に実質的に垂直に設けられる場合、封止プロセス中、突出部17は支持されることができる。このように支持を提供することにより、フランジが支持されていない場合に可能な温度及び圧力よりも、高い温度及び圧力を用いることにより、より少ない全体時間で封止を適用することができる。また、封止プロセス中、突出部17を支持することにより、より高品質の封止を得て、封止のばらつきをより少なくし、また、剥離力をより一定にすることができると考えられる。更に、封止プロセス中、突出部17を支持することにより、そのような封止を提供するのに必要な時間を低減し、その結果製造コストを下げることができる。
【0054】
図8に示すように、代替実施形態では、容器11cの可剥性封止部19cは、枢動可能な注入デバイス50を包含することができる。枢動可能な注ぎ口デバイス50は、可剥性封止部19aのあらゆる位置に、又は容器11cのあらゆる位置に配置することができる。好ましい一実施形態では、更に、枢動可能な注ぎ口デバイス50は、容器11cの内容積の中で可剥性封止部19cの下に配置された、剥離不能な封止部の上に配置することができると考えられる。これにより、消費者が、可剥性封止部19cを取り除き、枢動可能な注ぎ口デバイス50が上に配置された剥離不能な封止部を露出させることが可能になる。消費者は次に、枢動可能な注ぎ口デバイス50を旋回させて、容器11c内に収容された製品を分配することができる。枢動可能な注ぎ口デバイス50を介して、容器11cから製品を分配した後、消費者は、枢動可能な注ぎ口デバイス50を旋回させて、剥離不能な封止部を有効に閉じ、それにより容器11cを有効に封止することができる。当業者には既知のように、代表的ではあるが非限定的な、枢動可能な注ぎ口デバイス50の実施例は、注ぎ口を包含する。
【0055】
枢動可能な注ぎ口デバイス50は、当業者には既知のように、容器11cからの製品の流れを容易にする寸法を有することができると考えられる。消費者の付属物又は他のデバイスを挿入して、枢動可能な注ぎ口デバイス50を旋回させるのに必要な力を提供する助けとすることを容易にするために、陥凹部、スロット、又は他のオリフィスを、可剥性封止部19c又は剥離不能な封止部のいずれかに配置することができる。
【0056】
図8aの代替実施形態では、可剥性封止部19dの一部分又は剥離不能な封止部のいずれかから形成されるすり切り用の横棒(striker bar)52を使用して、体積測定デバイスから過剰な製品をすり切って落とすことができる。理論に束縛されるものではないが、すり切り用の横棒52は、体積測定デバイス内の充填密度及び量を増大させることにより、製品の更に一定した測定を容易にすることができると考えられる。更に、可剥性封止部19d又は剥離不能な封止部の残りが存在することが、容器11d内に保持される製品から自然に発生する、様々な芳香族及び非芳香族の気体を保持する助けとなり得ると考えられる。
【0057】
(オーバーキャップ)
図1を参照すると、新鮮包装システム10は、任意に、ドーム部分31、スカート部分32、リブ33、及び任意に通気孔34から成るオーバーキャップ30を含む。非限定例として、オーバーキャップ30は、通常、低い曲げ弾性率を有するプラスチック、例えば、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル(PVC)、これらのコポリマー類、及びこれらの組み合わせから製造される。このことにより、オーバーキャップ30は、高い可撓性を有するが、依然として後に続く容器が積み重ねられるのに十分な剛性を提供することができる。可撓性のオーバーキャップ30を使用することで、オーバーキャップ30を、包装中に機械的に適用し、並びに消費者が容器11を開けた後に再適用することが容易になる。可撓性のオーバーキャップ30の意外な特徴は、最終消費者によって、過剰な大気ガスが容器11から「吐出」され、それによって存在する酸素量が低減される能力である。更に、上述したように、脱酸素剤を、遊離酸素又は酸素錯体を除去するために、可剥性封止部19のいずれかの層の中又はその上に組み込むことができる。加えて、オーバーキャップ30が示す可撓性と剛性の所望のバランスは、オーバーキャップ30の厚さプロファイルを変化させることである。例えば、ドーム部分31は、スカート部分32及びリブ33よりも薄くなるように製造することができる。
【0058】
ドーム部分31は、通常、例えば焙煎して挽いたコーヒー、排気などの包装された製品としての容器11から、密閉部18が外側に変位しているのに適合するように、曲率、即ち高さを有して設計される。ドーム部分31に必要な湾曲量は、密閉部18の予測として数学的に決定することができる。非限定例として、密閉部18の内圧が1.5kPa(15ミリバール)、オーバーキャップの公称直径が15.25cm(6インチ)のとき、ドーム部分31の公称高さは、0.61cm(0.242インチ)であることができる。更に、ドーム部分31はまた、通常、容器11の内圧が上昇し、一方向弁20によって排気を放出する前に、密閉部18が持ち上げられると、その元の高さを越えて動くことができる。
【0059】
図9Aの代表的実施形態に示すように、容器内に存在し得る排気を放出するのを容易にするために、オーバーキャップ30bの下面に、立ち上がり67を設けることができる。このようにして、弁と下側部分65の接触量を減少させることで、立ち上がり67は、オーバーキャップ30bの下側部分65によって、可撓性フィルムの密閉部上及び/又はその中に配置される弁が遮断されるのを防ぐことができる。立ち上がり67は、単一又は複数の、弓状形態、円形、矩形、線、及びこれらの組み合わせを包含するが、これらに限定されない、様々な設計で作成することができる。好ましくは、円形の立ち上がり67が、オーバーキャップ30bの下側部分65の中央領域に配置される。立ち上がり67はまた、容器内部の気体を排出することを容易にできると考えられる。別のそのような代表的な立ち上がり67が、複数の環状区画68として図13に示され、ここで、各環状区画68には開口69が設けられ、複数の開口69は、容器11f内部の気体を排出する経路を提供する。
【0060】
図4を参照すると、オーバーキャップ30はリブ33を含む。リブ33は、ほぼ平面のドーム部分31から外側に突出し、ドーム部分31とスカート32との物理的な接続部として作用する。通常、スカート32は、容器11の突出部17を係止して係合するフック形状を有する。リブ33は、スカート32をドーム部分31から分離し、ドーム部分31の外向きの変形(O)が、スカート33の内向きの変形(I)に変換されるように、片持ちヒンジとして作用する。この片持ちの動きにより、オーバーキャップ30を容器11により容易に適用でき、またこれは、内圧下で封止を有効に緊密にするように作用する。
【0061】
加えて、リブ33は、配送のために、後に続くオーバーキャップが積み重ねられることを可能にする。スカート32は、好ましくは、末端部近くに平坦な部分を有し、後に続くオーバーキャップが入れ子状に収まることを可能にする。更に、リブ33は、ドーム部分31から十分に離れて延在するので、密閉部18とオーバーキャップ30のドーム部分31との最大変形によって積み重ね体を崩すことなく、後に続くシステムが積み重ねられる。理論に束縛されるものではないが、下向きの負荷抵抗力はすべて、ドーム部分31全体ではなくリブ33にかかると考えられる。下向きの抵抗力をすべてリブ33にかけることによって、また、収容された製品によって発生する排気によって、密閉部18が外向きに拡張するのに対向する抵抗力から、密閉部18が容器11から保護される。
【0062】
図5のリブ33周囲の領域の分解図に示すように、ドーム部分31は、容器11の突出部17と対応して噛み合う。非限定例として、容器11は、開けた後、オーバーキャップ30を元に戻すことを必要とする。消費者は、リブ33の内縁部34が突出部17と接触するように、容器11の上にオーバーキャップ30を配置する。消費者は次に、スカート32に外向きの圧力と、ドーム部分31に下向きの圧力とを印加し、容器11の上部空間内に捕捉された外気の大半を吐出させる。図6に示すように、リブ33の内縁部34は、次いで、突出部17の上に完全に収まり、完全な封止を作り出す。非限定例では、突出部17は、本体14に垂直な線から−5°〜+5°変化する。内縁部34は、この変化に対して突出部17と接触するように、設計される。別の非限定例として、リブ33の内縁部34の全体的な移動は、4〜6mm幅の突出部17に対して、名目上3mmであると測定されている。突出部17が斜めに配置される場合、突出部17は、密閉部18を突出部17に対して封止して、接着させて取り付けるのに十分な表面を形成することが見出されている。
【0063】
加えて、リブ33の内縁部34は、密閉部18が定位置にあるか否かに関わらず、突出部17の汚染を有効に防ぎ、それによってより良好な封止を提供することができる。容器11内の圧力が、取り込まれた製品からの排気によって蓄積されると、オーバーキャップ30のドーム部分31は外向きに変形する。この外向きの変形により、リブ33の内縁部34は、突出部17に沿って、容器11の中央に向かって移動する。この内向きの動きによって、リブ33を介して抵抗力がスカート部分32に対する内向きの抵抗力に移動し、容器の壁面14と突出部17の外側部分に印加され、強化された封止が得られる。加えて、密閉部18を加圧することによるドーム31の顕著な変形によって、内縁部34が突出部17から離れ、排出された排気を、突出部17を越えてオーバーキャップ30の外に逃がすことができる。これにより、オーバーキャップ30の通気孔の必要性が軽減される。
【0064】
図9に示すように、オーバーキャップ30bの代替実施形態では、複数の入れ子状の円筒形構成を含む。換言すれば、この代替実施形態では、直径dを有するオーバーキャップ30bの基部は、ベース部分60を形成し、その上に、直径d−Δdを有するオーバーキャップ30bの上側部分62が配置される。オーバーキャップ30bの上側部分62は、その上に配置される環状突出部64を有することができる。オーバーキャップ30bの上側部分62上に配置される環状突出部64は、閉じた底部13の上に配置される環状リング42が、その上で係止可能に収まることができる形態を提供することができると考えられる。
【0065】
別の実施形態では、Δdを限定することが有利なことが見出されている。小さなΔdによって、オーバーキャップ30bの接続壁63が、突出部17に近接することができる。このように小さなΔdを提供することで、貯蔵及び配送中に、オーバーキャップ30上に配置される負荷によって付与される抵抗力を、取り付けられた容器に移動することが容易になり得る。
【0066】
図9a及び10に示すように、代替実施形態では、オーバーキャップ30bのベース部分60の内側表面は、その上に配置される環状の封止リング66を有することができる。環状の封止リング66は、意外にも、環状の封止リング66に対応する表面と容器11のフィニッシュ部分との噛み合いを容易にすることが見出された。このように表面を噛み合わせることで、両方の表面が接触したこと、並びに突出部17とオーバーキャップ30bの内側表面とが固く封止されたことを、聴覚で認識することができる。オーバーキャップ30bの意外な特徴は、最終消費者によって、過剰な大気ガスが容器11から「吐出」され、それによって存在する酸素量が低減される能力である。更に、ベース部分60の内側表面が、突出部17の少なくとも一部分と噛み合うので、ベース部分60の内側表面と突出部17とが重なり合うと考えられる。表面の対応する噛み合いを容易にするために、断続的な環状リング、複数の突出部、及びこれらの組み合わせを包含するがこれらに限定されない、環状の封止リング66のあらゆる構成を使用してもよいことを、当業者であれば理解するであろう。また、環状リング、複数の突出部、及び当業者には既知の他の突出部の形態の突出部69を提供することで、オーバーキャップ30bを容器に適用する前に、複数のオーバーキャップ30bを積み重ねる方法を提供できると考えられる。
【0067】
図9aに示すように、意外にも、オーバーキャップ30bの内側表面上に配置される複数の突出部68が、容器11上でオーバーキャップ30bを元に戻すことが容易になり得ることが見出された。このように、オーバーキャップ30bの内側表面上に配置される複数の突出部68は、容器11の上でオーバーキャップ30bを元に戻す間に、オーバーキャップ30bに印加される抵抗力の水平成分を、複数の突出部68を介して有効に移動することができ、それにより、複数の突出部68が、容器11の縁部上で有効に旋回し、最終的にオーバーキャップ30bの長手方向軸を容器11の長手方向軸と整列させることができると考えられる。更に、オーバーキャップ30bの内側表面上に配置される複数の突出部68はまた、オーバーキャップ30bに追加の構造的剛性を提供することができ、オーバーキャップ30b上に配置される負荷によって付与される抵抗力を、容器11に更に有効に移動することができる。複数の突出部68は、複数の球形、半球形、楕円形、四半円、及び多角形の突起、窪み、及びこれらの組み合わせを含み得ることを、当業者であれば理解するであろう。
【0068】
図13に示すような代替実施形態では、容器11fに、本体部分14の上に配置される、少なくとも1つの第2突出部74を設けることができる。このようにして、オーバーキャップ30cに、その上に配置される環状の封止リング66aを有する細長いスカート部分72を設けることができる。したがって、環状の封止リング66aは、第2突出部74に取外し可能に係合して、容器11fに対するオーバーキャップ30cのより良好な係合を提供することができる。理論に束縛されるものではないが、突出部17aを備える容器11fは、容器11f内部の真空及び/又は突出部17aの上に配置される負荷によって、軸76周りでの回転動作を示し、それにより、突出部17aがオーバーキャップ30cから離れるように動くと考えられる。したがって、軸76から離れて本体部分14に沿って第2突出部74を提供することで、より動きの少ない、オーバーキャップ30cと容器11fとの相互作用点を提供することができる。第2突出部74は、環状リング、複数の別個の突出部、又は複数の集合的な細長い突出部として設けることができる。細長いスカート部分72は、環状の突出部、又は集合的な環状の複数の分離可能な区分として提供することができる。更に、細長いスカート部分72は、本体部分14上に配置される第2突出部74に対するオーバーキャップ30cの取り付けを容易にするために、あらゆる長さで提供することができる。
【0069】
(コーヒーの包装)
本発明にしたがって、より新鮮な充填コーヒー製品を提供するために、挽かずに焙煎したコーヒーを包装する好ましい方法を、本明細書に詳述する。
【0070】
挽いていないコーヒー豆は、好ましくは、ブレンドされ、焙煎器に搬送され、そこで、熱風を使用して、所望の程度の香りが生じるまでコーヒーを焙煎する。熱風で焙煎されたコーヒーは、次に、空冷され、外部のごみが十分に取り除かれる。
【0071】
好ましいが非限定的な工程では、挽いていない焙煎コーヒーは、チャフの大きな欠片を破壊するために、挽く前に砕かれ、平均化(ブレンド)される。コーヒーは次に、製造される挽きのサイズの所望の粒度まで、挽かれ、切断される。挽かれたコーヒーは次に、好ましくは、グラインダヘッドの底部に接続されたノーマライザに入れられる。ノーマライザにおいて、挽かれたコーヒーは、好ましくはわずかに混合され、それによりコーヒーの外観が改善される。別の非限定的な工程では、コーヒーは、ノーマライザから出て、振動するスクリーンを通ってコーヒーの大きな欠片が除去される。
【0072】
挽かれたコーヒーは次に、好ましくは、充填機のサージホッパーに、続いて充填装置(充填機)に送られる。充填機は、コーヒーの所望の量をバケットに計量し、次いで、予め測定した量のコーヒーを、上記に詳述したように製造された容器に入れる。容器は次に、所望の対象とする重量を達成するために、好ましくは、追加の量のコーヒーを継ぎ足す。
【0073】
容器は次に、容器の上部空間から周囲酸素を取り除くために、好ましくは、不活性ガスにより清浄される。非限定的ではあるが好ましくは、不活性ガスは、窒素、二酸化炭素、及びアルゴンである。任意に、上述したような、且つ通常は包みの形態で存在する脱酸素剤を、容器内に包含して、遊離酸素又は酸素錯体を除去することができる。上述したような密閉部を容器の上に配置して、大気から内容物を有効に封止する。好ましくは、密閉部は、その上に配置された一方向弁を有する。上記に開示したオーバーキャップが、次に容器の上に適用されて、有効に密閉部を覆い、且つ容器の側壁隆起部に係止する。最終容器は次に、トレーに梱包され、収縮包装フィルムを掛けられ、配送のために1つにまとめられる。
【0074】
(鮮度)
得られる発明の包装システムは、包装を開けたときにより強い芳香を提供し、且つ包装システムを繰返し持続して開けるときに明確な長持ちする芳香の知覚を提供する、知覚できる更に新鮮に充填された、焙煎して挽いたコーヒーを、消費者に提供すると考えられる。理論に束縛されるものではないが、焙煎して挽いたコーヒーは、容器の内部及び密閉部を含むポリオレフィン化合物に吸着される、気体及び油を流出すると考えられる。密閉部を除去すると、ポリオレフィン化合物は次に、これらの吸着された気体及び油を発生して、封止された容器の上部空間内に戻す。発明の包装システムは、また、包装システム内に有害な芳香及び風味が浸透することを防止できるとも考えられる。したがって、本包装システムの構成は、本明細書に開示される製品における多くの使用に利益を提供するように、変更することができる。この目的のため、更に、包装システムは、様々な製品を収容するために使用することができ、更に本明細書で検討した利益を提供すると考えられる。
【0075】
出願人は、本製品によって提供される驚くべき芳香の効果を、無制約の特徴付けである、物品の「全体的なコーヒー芳香値」という用語で特徴付ける。出願人はまた、対照物品(後述するような従来技術の金属缶)に対する芳香の効果を特徴付ける。このような特徴付けは、本明細書では、物品の「コーヒー芳香値の差」と称される。全体的なコーヒー芳香値及びコーヒー芳香値の差の測定方法は、試験方法の項で詳細に後述する。
【0076】
製品は、少なくとも約5.5の全体的なコーヒー芳香値を有する。好ましくは、物品は、少なくとも約6、より好ましくは少なくとも約6.5、更により好ましくは少なくとも約7、更により好ましくは少なくとも約7.5の全体的なコーヒー芳香値を有する。
【0077】
好ましくは、本発明の製品は、少なくとも約1.0、より好ましくは少なくとも約2.0、最も好ましくは少なくとも約2.8のコーヒー芳香値の差を有する。
【0078】
(試験方法)
試験容器及び既存の業界で標準的な金属製容器(対照容器)には、上述のように準備し、試験前に120日間保存した、同一の新鮮な焙煎して挽いたコーヒー製品を充填する。試験直前に、容器を空にし、ペーパータオルで拭いて、余分な焙煎して挽いたコーヒー製品を取り除く。次に、平衡化するために、試験前に、各容器にキャップを嵌め、直立させる。試験中、使用される各容器を、1時間間隔で、同様に準備したが未使用の別の容器と交換する。対照容器は、標準的な603の、スズめっきを施した、1.36kg(3ポンド)の真空充填の鋼製缶である。
【0079】
個々の官能試験員は、知覚適正検査の一部として、様々な標準的知覚方法を使用して、臭いの識別能力を審査された。官能試験員は、芳香に関してセンソニクス社(Sensonics,Inc.)が開発した総嗅覚鋭敏度適性検査(国際版)を用いて、芳香識別能力を評価された。この試験方法は、「擦って嗅ぐ(scratch and sniff)」ことで芳香をうまく識別する能力のある官能試験員を必要とする。
【0080】
40人の合格した有資格の官能試験員は、次に目隠しをして、それぞれ、試験容器及び対照容器を評価する。目隠しをした官能試験員は、それぞれ、第1の容器(試験容器又は対照容器のいずれか)を嗅ぎ、芳香なし(1)〜多くの芳香あり(9)を基準として、1〜9点の基準(整数のみ)で芳香を評定する。短い休息期間の後、目隠しをした官能試験員は、第2の容器を評価する。官能試験員は、全体的な芳香の範囲を、同じ評定システムを用いて評価する。
【0081】
次に、全体的なコーヒー芳香値の試験結果を集計し、統計的に評価する。スチューデントのT検定に基づく標準偏差を、95%の信頼区間で計算し、試験した2つの製品の平均値の間のどこに、統計的な有意差が生じたかを観察する。焙煎して挽いたコーヒーの既存の包装方法を用いた、代表的な、統計的に調整した「盲検」パネルの結果を、以下のように表3に集計する。
【0082】
【表3】
【0083】
この試験パネルに基づいて、意外にも、本発明の製品が、知覚される「より新鮮な」焙煎して挽いたコーヒーの最終製品を消費者に提供することが見出された。全体的なコーヒーの芳香における改善は、対照試料の調整パネル値4.5から、発明の物品の調整パネル値7.3まで向上し、2.8の調整値の差が得られた。
【0084】
本発明の特定の実施形態を説明し記載してきたものの、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、多様な変更及び修正を行ってもよいことが、当業者には明白であろう。更に、本発明の範囲は、上記に説明し記載した実施形態の多様な特徴の置き換えをも包含することが、当業者には理解されるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の範囲内にあるすべてのそのような修正に及ぶものとする。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明による新鮮充填システムの好ましい一実施形態の組立て分解斜視図。
【図2】新鮮充填システムの代替実施形態の組立て分解斜視図。
【図3】新鮮充填システムの代表的な密閉部及び一方向弁アセンブリの断面図。
【図4】新鮮充填システムの代表的なオーバーキャップアセンブリの断面図。
【図5】適用位置にあるオーバーキャップの図4において符号5で示した領域の拡大断面図。
【図6】拡張位置にあるオーバーキャップの図4において符号5で示した領域の拡大断面図。
【図7】新鮮充填システムの代替実施形態の正面図。
【図7A】図7の実施形態の底面図。
【図8】新鮮充填システムの代替実施形態の斜視図。
【図8a】新鮮充填システムの代替実施形態の斜視図。
【図9】新鮮充填システムで使用されるオーバーキャップの代替代表例の等角図。
【図9a】図9のオーバーキャップの代替代表例の底面図。
【図10】新鮮包装システムと接触している図9において符号10で示した領域の断面図。
【図11】新鮮包装システムの代替実施形態の斜視図。
【図12】線12−12に沿った図11の断面図。
【図13】新鮮充填システム用の別の代表的なオーバーキャップアセンブリの断面図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装システムであって、
長手方向軸を含み、閉じた底部、開いた頂部、並びに前記底部と前記頂部との間に閉じられた周辺部を有する本体を更に含む、吹込み成形容器;
前記底部、前記頂部、及び前記本体は共に内容積を画成し;
前記本体上に配置される環状突出部であって、前記突出部が前記頂部に近接して前記本体の前記周辺部の周りに連続的に配置され、前記突出部が前記本体外部の表面を形成し、前記表面が前記長手方向軸に実質的に垂直である、環状突出部;及び
前記環状突出部に取外し可能に取り付けられ、且つ封止される可撓性密閉部、を含む包装システム。
【請求項2】
前記可撓性密閉部が、少なくとも1つのバリア層を含む積層構造体を含む、請求項1に記載の包装システム。
【請求項3】
前記積層体が箔を更に含む、請求項2に記載の包装システム。
【請求項4】
前記可撓性密閉部が、その上に配置される一方向弁を有する、請求項1に記載の包装システム。
【請求項5】
前記吹込み成形容器が、ポリカーボネート、線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、これらのコポリマー類、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される材料を含む請求項1に記載の包装システム。
【請求項6】
前記材料が多層構造体である、請求項5に記載の包装システム。
【請求項7】
前記多層構造体が、少なくとも1つの酸素バリア層を更に含む、請求項6に記載の包装システム。
【請求項8】
前記本体がその上に配置される手持ち部分を有する、請求項1に記載の包装システム。
【請求項9】
前記手持ち部分が前記本体と一体である、請求項8に記載の包装システム。
【請求項10】
前記手持ち部分が、前記容器の前記長手方向軸に実質的に平行である、請求項8に記載の包装システム。
【請求項11】
オーバーキャップを更に含む、請求項1に記載の包装システム。
【請求項12】
前記オーバーキャップが、ポリカーボネート、線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、これらのコポリマー類、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される材料から作成される、請求項11に記載の包装システム。
【請求項13】
前記オーバーキャップが、前記オーバーキャップ上に配置される第1の突出部を更に含み、前記突出部が、前記容器の前記本体上に配置される第2の突出部と噛み合って係合可能であり、前記オーバーキャップが、前記第1及び第2の突出部の噛み合う係合の上で前記容器に解放可能に取り付けられる、請求項11に記載の包装システム。
【請求項14】
前記オーバーキャップがドーム部分を含み、前記ドーム部分が第1表面を含み、前記第1表面が、その上に配置される少なくとも1つの突出部を有する、請求項11に記載の包装システム。
【請求項15】
前記本体が、その上に配置される少なくとも1つのたわみ領域を有する、請求項1に記載の包装システム。
【請求項16】
前記少なくとも1つのたわみ領域が、前記容器の内部又は外部の少なくとも1つの抵抗力に応答する、請求項15に記載の包装システム。
【請求項17】
コーヒーがその中に配置される、請求項1に記載の包装システム。
【請求項18】
前記コーヒーが焙煎され、挽かれている、請求項17に記載の包装システム。
【請求項19】
包装システムであって、
長手方向軸を含み、閉じた底部、開いた頂部、並びに前記底部と前記頂部との間に閉じられた周辺部を有する本体を更に含む、吹込み成形容器;
前記底部、前記頂部、及び前記本体は共に内容積を画成し;
前記本体上に配置される環状突出部であって、前記突出部が前記頂部に近接して前記本体の前記周辺部の周りに連続的に配置され、前記突出部が前記本体外部の表面を形成し、前記表面が前記長手方向軸に実質的に垂直である、環状突出部;
前記環状突出部に取外し可能に取り付けられ、封止される可撓性密閉部;を含み、
前記環状突出部が、前記包装システム上に配置される少なくとも16ポンドの負荷の抵抗力を、前記長手方向軸に実質的に平行な方向に変換する、包装システム。
【請求項20】
前記吹込み成形容器が、少なくとも約241MPa(1平方インチ当り35,000ポンド(2,381気圧))から少なくとも約4482MPa(1平方インチ当り650,000ポンド(44,230気圧))の範囲の引張り係数を有する材料から製造される、請求項19に記載の包装システム。
【請求項1】
包装システムであって、
長手方向軸を含み、閉じた底部、開いた頂部、並びに前記底部と前記頂部との間に閉じられた周辺部を有する本体を更に含む、吹込み成形容器;
前記底部、前記頂部、及び前記本体は共に内容積を画成し;
前記本体上に配置される環状突出部であって、前記突出部が前記頂部に近接して前記本体の前記周辺部の周りに連続的に配置され、前記突出部が前記本体外部の表面を形成し、前記表面が前記長手方向軸に実質的に垂直である、環状突出部;及び
前記環状突出部に取外し可能に取り付けられ、且つ封止される可撓性密閉部、を含む包装システム。
【請求項2】
前記可撓性密閉部が、少なくとも1つのバリア層を含む積層構造体を含む、請求項1に記載の包装システム。
【請求項3】
前記積層体が箔を更に含む、請求項2に記載の包装システム。
【請求項4】
前記可撓性密閉部が、その上に配置される一方向弁を有する、請求項1に記載の包装システム。
【請求項5】
前記吹込み成形容器が、ポリカーボネート、線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、これらのコポリマー類、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される材料を含む請求項1に記載の包装システム。
【請求項6】
前記材料が多層構造体である、請求項5に記載の包装システム。
【請求項7】
前記多層構造体が、少なくとも1つの酸素バリア層を更に含む、請求項6に記載の包装システム。
【請求項8】
前記本体がその上に配置される手持ち部分を有する、請求項1に記載の包装システム。
【請求項9】
前記手持ち部分が前記本体と一体である、請求項8に記載の包装システム。
【請求項10】
前記手持ち部分が、前記容器の前記長手方向軸に実質的に平行である、請求項8に記載の包装システム。
【請求項11】
オーバーキャップを更に含む、請求項1に記載の包装システム。
【請求項12】
前記オーバーキャップが、ポリカーボネート、線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、これらのコポリマー類、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される材料から作成される、請求項11に記載の包装システム。
【請求項13】
前記オーバーキャップが、前記オーバーキャップ上に配置される第1の突出部を更に含み、前記突出部が、前記容器の前記本体上に配置される第2の突出部と噛み合って係合可能であり、前記オーバーキャップが、前記第1及び第2の突出部の噛み合う係合の上で前記容器に解放可能に取り付けられる、請求項11に記載の包装システム。
【請求項14】
前記オーバーキャップがドーム部分を含み、前記ドーム部分が第1表面を含み、前記第1表面が、その上に配置される少なくとも1つの突出部を有する、請求項11に記載の包装システム。
【請求項15】
前記本体が、その上に配置される少なくとも1つのたわみ領域を有する、請求項1に記載の包装システム。
【請求項16】
前記少なくとも1つのたわみ領域が、前記容器の内部又は外部の少なくとも1つの抵抗力に応答する、請求項15に記載の包装システム。
【請求項17】
コーヒーがその中に配置される、請求項1に記載の包装システム。
【請求項18】
前記コーヒーが焙煎され、挽かれている、請求項17に記載の包装システム。
【請求項19】
包装システムであって、
長手方向軸を含み、閉じた底部、開いた頂部、並びに前記底部と前記頂部との間に閉じられた周辺部を有する本体を更に含む、吹込み成形容器;
前記底部、前記頂部、及び前記本体は共に内容積を画成し;
前記本体上に配置される環状突出部であって、前記突出部が前記頂部に近接して前記本体の前記周辺部の周りに連続的に配置され、前記突出部が前記本体外部の表面を形成し、前記表面が前記長手方向軸に実質的に垂直である、環状突出部;
前記環状突出部に取外し可能に取り付けられ、封止される可撓性密閉部;を含み、
前記環状突出部が、前記包装システム上に配置される少なくとも16ポンドの負荷の抵抗力を、前記長手方向軸に実質的に平行な方向に変換する、包装システム。
【請求項20】
前記吹込み成形容器が、少なくとも約241MPa(1平方インチ当り35,000ポンド(2,381気圧))から少なくとも約4482MPa(1平方インチ当り650,000ポンド(44,230気圧))の範囲の引張り係数を有する材料から製造される、請求項19に記載の包装システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図7A】
【図8】
【図8a】
【図9】
【図9a】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図7A】
【図8】
【図8a】
【図9】
【図9a】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2007−513026(P2007−513026A)
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−542718(P2006−542718)
【出願日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【国際出願番号】PCT/US2004/040247
【国際公開番号】WO2005/056401
【国際公開日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【国際出願番号】PCT/US2004/040247
【国際公開番号】WO2005/056401
【国際公開日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
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